WO2004050525A1 - エレベータの制動装置 - Google Patents

Description

明 細 書 エレべ一夕の制動装置 技術分野

この発明は、 エレべ一夕かごの上下両方向の異常増速時に作動する制動装置に 関する。 背景技術

エレベータの昇降路内をエレベータかごがガイドレールによって案内されるェ レべ一夕には、 ェレべ一夕が機器の故障や主索の切断等の何らかの原因によって 定格速度を超えて過速を続けた場合に、 エレべ一夕を停止させる制動装置が設置 されている。 この制動装置は、 エレべ一夕に何らかの異常が発生してエレべ一夕 かごの速度が所定値以上になると、 調速機が調速機ロープをつかみ、 レバーを介 して調速機ロープと連動している制動装置のシユーが駆動され、 シユーがガイド レールに押し付けられ、 かごを停止させるものである。 このような従来の制動装 置では、 かごが下方向に異常増速した場合のみしか作動できないものがほとんど であった。 これに対して、 日本特許第 2 6 9 8 7 0 5号公報においては、 エレべ 一夕かごの上方向の異常増速時にも作動する制動装置が示されている。 しかし、 この制動装置は、 従来の制動装置と同様にガイドレールを間に挟むようにして互 いに対向し合うシユーを両側に備えているが、 下方向にかごが異常増速した際に は片側のシユーが作動し、 上方向にかごが異常増速した際には反対側のシユーが 作動するように構成されている。'そのため、 この構成ではガイドレールに対向す る両側のシユーを上下方向にそれぞれ可動させることが必要であるため、 これら のシユーを駆動するための作動棒等、 部品点数が多くなり構造が複雑になつてし まう。

そこで、 本発明では、 可動するシユーが片側だけで済み、 部品点数をあまり増 加させずに上方向の異常増速時にも作動する制動装置を得ることを目的とする。 発明の概要

この発明のエレベータの制動装置は、 エレベータかごガイドレールに対向して エレベータかごに固着され、 ガイドレールに向かって上方が狭まるシユー押圧面 を有するシユー収納機構と、 このシュ一収納機構に収納され、 ガイドレールに対 向する制動面とシユー押圧面に対向する背面とを有し、 制動面にはガイドレール に向かって下方が狭まる底面を有する収納溝が形成された第一のシユーと、 第一 のシユーの収納溝に収納され、 ガイドレールに対向する制動面と収納溝の底面に 対向する背面とを有する第二のシユーとを備えたものであり、 調速機ロープと連 動するレバ一により、 エレべ一夕かごが下方向に異常増速した場合に第一のシュ —を上向きに駆動し、 エレべ一夕かごが上方向に異常増速した場合に第二のシュ 一を下向きに駆動して、 第一のシユー、 第二のシュ一それぞれに制動作用をさせ るようにしたものである。

そして、 第一のシユーの収納溝の一方の側面に収納溝の底面の傾斜方向に沿つ て形成された長穴とレバーの一端に形成された長穴とに揷通されるとともに、 第 二のシユーの一方の側面に固着されたピンを備え、 ピンを介して第一のシユー及 び第二のシュ一を駆動するようにしたものである。

また、 レバーは、 長手状に形成されたもので、 レバーの一端に有する長穴は長 手方向に沿って形成され、 レバーの他端を支点として回動可能とされ、 この支点 より長穴側に調速機口一プが取り付けられたものである。

また、 シユー収納機構は、 第一のシユーの下向きの移動を抑制する係止面を備 え、 第一のシュ一は、 エレべ一夕かごの平常昇降時においては、 この係止面上に 載置されているものである。

以上のような発明によれば、 片側のシユーのみを可動させる構造で、 あまり部 品点数を増加させずに、 且つ構造を複雑にすることなく、 従来からの下方向の異 常増速時のみでなく、 上方向の異常増速時にも作動する制動装置を得ることがで さる。 図面の簡単な説明

図 1は、 この実施の形態 1にかかるエレベータかごが平常昇降する場合におけ るエレベータの制動装置の要部を説明するためのエレべ一夕かごの制動装置部分 の側面図である。

図 2は、 この実施の形態 1にかかるエレベータの制動装置の可動 のシユーの 形状を示す図である。

図 3は、 この実施の形態 1にかかるエレベータかごの下方向の異常増速時にお けるエレベータの制動装置の作動を説明するためのエレべ一夕かごの制動装置部 分の側面図である。

図 4は、 この実施の形態 1にかかるエレべ一夕かごの上方向の異常増速時にお けるエレべ一夕の制動装置の作動を説明するためのエレべ一夕かごの制動装置部 分の側面図である。

図 5は、 この実施の形態 2にかかるエレベータの制動装置の可動側のシユーの 形状を示す図である。 発明を実施するための最良の形態

本発明をより詳細に説述するために、 添付の図面に従ってこれを説明する。 な お、 各図中、 同一または相当する部分には同一の符号を付しており、 その重複説 明は適宜に簡略ィ匕又は省略する。

実施の形態 1 .

図 1は、 この実施の形態 1にかかるエレべ一夕かごが平常昇降する場合におけ るエレベータの制動装置の要部を説明するためのエレべ一夕かごの制動装置部分 の側面図である。 図 2は、 この実施の形態 1にかかるエレべ一夕の制動装置の可 動側のシユーの形状を示す図である。 図 2において、 （A)は、 エレべ一夕かごが 平常昇降されている状態、 および制動装置が下方向の異常増速時に作動した状態 におけるシユーの位置関係を示す図であり、 左側の図がシユーを制動面側から見 た立面図、右側の図がシユーの側面図である。 （B) は、制動装置が上方向の異常 増速時に作動した状態におけるシユーの位置関係を示す側面図である。

この実施の形態 1にかかるエレベータの制動装置は、 エレベータが機器の故障 や主索の切断等の何らかの原因によって定格速度を超えて過速を続けた場合に、 エレべ一夕 ¾停止させる目的で作動する非常止め装置として構成されている。 図 1より、 エレベータかご 1は、 一対のエレべ一夕かごガイドレール 3により 案内されてエレべ一夕の昇降路内を昇降する （図 1、 およびそれ以降の図では、 かご 1の側面を一方から見た側面図であるため、 ガイドレール 3は一方のみしか 図示されていないが、 実際には、 図示されていない反対側のかご 1側面に対応し てもう一方のガイドレール 3が設けられている）。 また、 エレベータかご 1には、 かご室を支持するための強度部材であるかご枠 2が設置されている。

次に、 シユー収納機構 1 0は、 一対のエレべ一夕かごガイドレール 3に対向し て、 エレべ一夕かご 1の下部のかご枠 2に固着されている。 ここで、 図 1 (およ びそれ以降の図） においては、 片側のシユー収納機構 1 0のみしか図示していな いが、 実際には一対のガイドレール 3のそれぞれに対応して、 かご 1両側面のか ご枠 2のそれぞれに一対で設けられている。 シュ一収納機構 1 ,0は、 複数のシュ 一やパネ等の構成物を収納するケースの役割をするくわえ金 1 1を有する。 くわ え金 1 1には、 ガイドレール 3を間に挟むように互いに対向し合う可動側および 受動側のシユーが収納されている。

片側の可動側のシュ一は、 第一のシユー 1 2と第二のシュ一 1 3とで構成され ている。 ここで、 図 2を用いて、 第一のシュ一 1 2および第二のシユー 1 3の形 状について詳述する。 くさび状の外形を有する第一のシユー 1 2は、 ガイドレー ル 3に対向する制動面 1 2 aを有し、 制動面 1 2 aに対する背面 1 2 bは、 ガイ ドレール 3に向かって上方が狭まるように傾斜されている。 この制動面 1 2 aに は第二のシユー 1 3を収納するための収納溝 1 7が形成されており、 収納溝 1 7 の底面 1 8は、 背面 1 2 bとは逆にガイドレール 3に向かって下方が狭まるよう に傾斜されている。 また、 第一のシユー 1 2の収納溝 1 7の一方の側面には、 収 鈉溝 1 7の底面 1 8と同じ傾斜方向に沿って長穴 1 2 cが形成されている。一方、 第一のシュ一 1 2と同様にくさび状の外形を有する第二のシユー 1 3は、 第一の シュ一 1 2の収納溝 1 7に収納され、 ガイドレール 3に対向する制動面 1 3 aを 有し、 制動面 1 3 aの背面 1 3 bは第一のシユー 1 2の収納溝 1 7の底面 1 8と 対向しており、 同じ傾斜角度を有する。 言い換えれば、 前述の第一のシユー 1 2 は、 制動面 1 2 aの背面 1 2 bと収納溝 1 7の底面 1 8という互いに逆向きの傾 斜面を備えており、 第一のシュ一 1 2は背面 1 2 bに案内されて下方向の異常増 速時に作用し、 もう一方の第二のシユー 1 3は底面 1 8に案内されて上方向の異 常増速時に作用するように構成されている。 また、 第二のシユー 1 3が収納溝 1 7に収納され、 且つ底面 1 8と背面 1 3 bを重合させた状態で、 ピン 6が第一の シュ一 1 2の長穴 1 2 cに挿通され、 第二のシユー 1 3の一方の側面に固着され ている。 更に敷衍すると、 図 2 (A) で示すエレべ一夕かご 1が平常昇降する場 合における第二のシユー 1 3の位置で、 ピン 6は長穴 1 2 cの上端にくる位置で 第二のシユー 1 3に固着されていて、 この場合に第二のシユー 1 3の制動面 1 3 aが第一のシユー 1 2の制動面 1 2 aより収納溝 1 7の内側に入るように第二の シュ一 1 3が配置されている。 そして、 ピン 6が第一のシユー 1 2の長穴 1 2 c に沿って移動する範囲で第二のシユー 1 3は移動する。 そして、 図 2 (B) で示 すように、 ピン 6が長穴 1 2 cの下端にくる位置で、 第二のシュ一 1 3の制動面 1 3 aが第一のシユー 1 2の制動面 1 2 aより外側に飛び出ることが可能なよう に、 これらのシュ一とピンとの関係が設定されている。

次に、 図 1に戻り、 くわえ金 1 1は、 第一のシユー 1 2の背面 1 2 bと対向す るシユー押圧面 1 5を有する。 まだ、 第一のシユー 1 2の背面 1 2 bとシュ一押 圧面 1 5との間には、 制動装置作動時の第一のシユー 1 2の移動を円滑にするた めの口一ラー 2 0が介設されている。 また、 くわえ金 1 1は、 第一のシユー 1 2 の下方に第一のシュ一 1 2の下方向への移動を抑制する係止面 1 6を有している。 次に、 前述した第一のシュ一 1 2と第二のシユー 1 3とから成る可動側シユー に対してガイドレール 3を間に挟むようにして可動側シュ一に対向する位置に、 受動側シユー 1 4が配置されている。 受動側シュ一 1 4はガイドレール 3に対向 する制動面 1 4 aを有しており、 制動面 1 4 aの背面 1 4 bとくわえ金 1 1との 間には、 制動面 1 4 aに垂直な方向に伸縮するパネ 1 9が、 この実施の形態 1に おいては並列に 2個、 設けられている。

次に、 レバー 5は、 長手状に形成されたもので、 一端にほ長手方向に沿って長 穴 5 cが形成され、 他端は、 かご枠 2に他端側を支点として回動可能に固定され ている。 そして、 レバー 5は、 かご枠 2に固定されているレバー 5の支点より長 穴 5 c側に （この実施の形態 1においてはレバー 5の支点と長穴 5 cとの間に) 調速機ロープ 4が取り付けられている。 また、 第一のシユー 1 2の長穴 1 2 cと ともにレバ一 5の長穴 5 cには、 第二のシユー 1 3に固着されているピン 6が揷 通されており、 これにより、 レバー 5による第一のシユー 1 2、 第二のシユー 1 3の駆動が可能となるように構成されている。

次に、 以上のように構成されたエレべ一夕の制動装置における動作について説 明する。

図 3は、 この実施の形態 1にかかるエレべ一夕かごの下方向の異常増速時にお けるエレべ一夕の制動装置の作動を説明するためのエレベータかごの制動装置部 分の側面図であり、 図 4は、 この実施の形態 1にかかるエレべ一夕かごの上方向 の異常増速時におけるエレべ一夕の制動装置の作動を説明するためのエレべ一夕 かごの制動装置部分の側面図である。

この実施の形態 1にかかるエレべ一夕の制動装置では、 図 1に示すような位置 関係で、 シユー収納機構 1 0の構成物が配置されている。 つまり、 第一のシユー 1 2がくわえ金 1 1の係止面 1 6上に載置され、 第二のシュ一 1 3は第二のシュ 一制動面 1 3 aが第一のシユー制動面 1 2 aより収納溝 1 7の内側に入るように 収納溝 1 7の中にシユー 1 3全体が収納されている。 また、 ピン 6は第一のシュ - 1 2の長穴 1 2 cの上端にある位置に、 レバー 5はレバー 5の長手方向が水平 となり、 レバー 5に形成された長穴 5 cも水平になるように配置されている。 そ して、 この状態において、 エレべ一夕かご 1の昇降に伴い、 レバ一 5に接続され ている調速機ロープ 4は、 かご 1の昇降と同期して昇降路内を上下に移動してい る。ここで、図 3に示すように、エレべ一夕かご 1が下方向に異常増速した場合、 かご 1の過速を検出する調速機 （図示せず） が作動して、 調速機によって調速機 ロープ 4が掴まれる。 それに伴い、 それまではかご 1とともに下降を続けていた レバー 5は、 調速機ロープ 4により回動させられ、 レバー 5の左端側にある長穴 5 cが上方向に引き上げられる。 このレバー 5の回動により、 ピン 6を介してレ バ一 5と係合されている第一のシユー 1 2は、 シュ一 1 2の背面 1 2 bがローラ —2 0を介してくわえ金 1 1のシユー押圧面 1 5に沿って上方向に移動させられ、 くわえ金 1 1とガイドレ一ル 3との間に食い込む。 その結果、 第一のシユー制動 面 1 2 aがガイドレール 3に押し付けられるとともに、 くわえ金 1 1がその反動 でガイドレール 3により押し返される方向に動く。 つまり、 図 3でいうと右方向 に、 くわえ金 1 1が固着されているかご枠 2、 さらにはかご 1全体が移動するこ とになる。 これにより、 第一のシュ一 1 2の反対側の受動側シュ一 1 4は、 その 制動面 1 4 aがガイドレール 3に押し付けられ、 これらの両側のシユーの押し付 け力によりエレべ一夕かご 1を停止させる。 また、 この際に受動側シュ一 1 4の 背面 1 4 bに設けられているパネ 1 9のバネカ設定の加減により、 受動側シユー 1 4のガイドレール 3への押し付け力が調整されることでエレベータかご 1の減 速度が調整される。 以上が、 エレベータかご 1が下方向に異常増速した場合にお ける制動装置の動作であり、 この場合では第二のシユー 1 3は作動しておらず、 従来における片側のシュ一のみを可動するようにした制動装置と動作としては同 様であるが、 この実施の形態 1では、 上方向の異常増速時に制動装置が作動でき るようにした点で従来の制動装置と異なる。

次に、図 4を用いて、ェレべ一夕かご 1が上方向に異常増速した場合における、 この実施の形態 1にかかるエレベータの制動装置の動作について説明する。 この 場合も、 調速機によってエレべ一夕かご 1の異常増速が検出され、 調速機ロープ 4が掴まれる。それに伴い、それまではかご 1とともに上昇していたレバー 5は、 調速機口一プ 4により回動させられ、 レバ一 5の左端側にある長穴 5 cが下方向 に引き下げられる。 このレバー 5の回動により、 まず、 ピン 6を介してレバ一 5 と係合されている第二のシユー 1 3は、 ピン 6が第一のシユー 1 2に形成されて いる長穴 1 2 c内を下方向に移動することに伴い、 シユー 1 3の背面 1 3 bがシ ユー 1 2の収納溝 1 7の底面 1 8に沿って下方向に移動させられる。この場合に、 第一のシュ一 1 2は、 くわえ金 1 1の係止面 1 6上に載置されているため、 シュ 一 1 2は下方向には動かずに第二のシユー 1 3のみ移動し、 シユー 1 3がくわえ 金 1 1とガイドレール 3との間に食い込む。 そのため、 第一のシュ一 1 2の収納 溝 1 7の底面 1 8が押圧面として作用し、 第二のシユー制動面 1 3 aをガイドレ ール 3に押さえ付けるとともに、 くわえ金 1 1がその反動でガイドレール 3によ り押し返される方向に動く。 つまり、 図 4でいうと右方向に、 くわえ金 1 1が固 着されているかご枠 2、さらにはかご 1全体が移動することになる。これにより、 第二のシユー 1 3の反対側の受動側シユー 1 4は、 その制動面 1 4 aがガイドレ —ル 3に押し付けられ、 これらの両側のシユーの押し付け力によりエレべ一夕か ご 1を停止させる。 また、 下方向の異常増速時と同様に、 受動側シュ一 1 4の背 面 1 4 bに設けられたバネ 1 9のパネ力設定の加減により、 受動側シユー 1 4の ガイドレール 3への押し付け力が調整されることでエレベータかご 1の減速度が 調整される。 これに加え、 この実施の形態 1では、 上下方向で制動に用いる可動 側のシユーが異なるため、 それぞれのシュ一の制動面の材質、 表面積の大きさ等 に違いを持たせることにより、 かご 1の上下方向の減速度を別々に設定すること が可能となる。 また、 ピン 6を、 第一のシユー 1 2の長穴 1 2 cとレバー 5の長 穴 5 cに揷通し、 且つ第二のシユー 1 3に固着する構造とすることで、 二つのシ ュ一 （シユー 1 2、 シュ一 1 3 ) の駆動に必要なレバーが一本で済む。

以上より、 この実施の形態 1にかかるエレべ一夕の制動装置では、 従来の制動 装置と同様に片側のシュ一のみを可動させる構造を基本的に踏襲し、 この可動側 のシユーを上下方向それぞれに対応する二つのシユーに分けることで、 あまり部 品点数を増加させず、 且つ構造を複雑にすることなく、 従来の下方向の異常増速 時のみでなく、 上方向の異常増速時にも作動する制動装置を得ることができる。 また、 生産性の向上も図ることができる。

実施の形態 2 .

図 5は、 この実施の形態 2にかかるエレべ 夕の制動装置の可動側のシユーの 形状を示す図である。 図 5において、 （A) は、エレベータかごが平常昇降されて いる状態、 および制動装置が下方向の異常増速時に作動した状態におけるシユー の位置関係を示す図であり、 左側の図がシユーを制動面側から見た立面図、 右側 の図がシユーの側面図である。 （B )は、制動装置が上方向の異常増速時に作動し た状態におけるシユーの位置関係を示す側面図である。

図 5に示すように、 この実施の形態 2にかかるエレべ一夕の制動装置は、 第一 のシユー 1 2に形成された収納溝 1 7の底面 1 8と第二のシユー 1 3の背面.1 3 bとの間にローラ一 2 1が介設されている。 その他の構成およびその動作は、 実 地の形態 1と同様であるから、 同一または相等部分に同一に符号を付してその説 明を省略する。 これにより、 エレべ一夕かご 1が上方向に異常増速し、 レパー 5 が第二のシユー 1 3を駆動する場合に、 例えば、 シユー 1 3による制動力を大き くするために制動面 1 3 aを大きくとり、その結果、背面 1 3 bの表面積も増え、 シユー 1 3駆動時の背面 1 3 bにおける摺動抵抗が大きくなつた場合など、 必要 に応じて、 このローラー 2 1が設けられることによって円滑にシユー 1 3を駆動 することができるようになる。 その他、 実施の形態 1と同様の効果を奏する。 産業上の利用可能性

以上のように、 本発明にかかるエレベータの制動装置は、 エレべ一夕かごの下 方向の異常増速時だけでなく上方向の異常増速時にも作動できるようにしたもの である。 そのため、 例えば、 乗車人数が少ないためにエレべ一夕かごより釣合い おもりの方が重い状態で、 エレベータ機器の故障等でエレべ一夕かごが上方向に 異常増速した場合においてもエレべ一夕かごを確実に停止させることができるの で、 より安全性の向上したエレべ一夕として有用である。

また、 本発明にかかるエレべ一夕の制動装置は、 従来の制動装置に対し、 部品 点数の増加を抑え、 構造を複雑にすることなく、 上下両方向の異常増速に対する 作動ができるようにしたものであるため、 生産性の向上したエレベータとして有 用である。

Claims

請求 の 範囲

1 . エレべ一夕かごガイドレールに対向してエレべ一夕かごに固着され、 前記 ガイドレールに向かって上方が狭まるシユー押圧面を有するシュ一収納機構と、 このシユー収納機構に収納され、 前記ガイドレールに対向する制動面と前記シ ユー押圧面に対向する背面とを有し、 前記制動面には前記ガイドレールに向かつ て下方が狭まる底面を有する収納溝が形成された第一のシユーと、

前記第一のシユーの前記収納溝に収納され、 前記ガイドレールに対向する制動 面と前記収納溝の底面に対向する背面とを有する第二のシユーとを備え、 調速機口一プと連動するレバーにより、 前記エレべ一夕かごが下方向に異常増 速した場合に前記第一のシュ一を上向きに駆動し、 前記エレべ一夕かごが上方向 に異常増速した場合に前記第二のシユーを下向きに駆動して、前記第一のシユー、 前記第二のシユーそれぞれに制動作用をさせるようにしたことを特徴とするエレ ベータの制動装置。

2 . 前記第一のシユーの前記収納溝の一方の側面に前記収納溝の底面の傾斜方 向に沿って形成された長穴と前記レバーの一端に形成された長穴とに挿通される とともに、 前記第二のシユーの一方の側面に固着されたピンを備え、 前記ピンを 介して前記第一のシュ一及び第二のシユーを駆動するようにしたことを特徴とす る請求項 1に記載のエレべ一夕の制動装置。

3 . 前記レバーは、 長手状に形成され、 前記レバーの一端に有する前記長穴は 長手方向に沿って形成され、 前記レバーの他端を支点として回動可能とされ、 前 記支点より前記長穴側に前記調速機ロープが取り付けられたことを特徴とする請 求項 2に記載のエレベータの制動装置。

4. 前記シユー収納機構は、 第一のシユーの下向きの移動を抑制する係止面を 備え、 前記第一のシュ一は、 前記エレべ一夕かごの平常昇降時においては前記係 止面上に載置されていることを特徴とする請求項 2又は 3に記載のエレべ一夕の 制動装置。

5 . 前記第一のシユー収納溝の前記底面と、 前記第二のシユーの前記背面との 間にローラーが介設されたことを特徴とする請求項 1〜 4のいずれかに記載のェ レベータの制動装置。