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JP2014169315A - αβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミド及び3−アルコキシカルボン酸−N,N二置換アミドの製造方法 - Google Patents

αβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミド及び3−アルコキシカルボン酸−N,N二置換アミドの製造方法 Download PDF

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JP2014169315A JP2014103060A JP2014103060A JP2014169315A JP 2014169315 A JP2014169315 A JP 2014169315A JP 2014103060 A JP2014103060 A JP 2014103060A JP 2014103060 A JP2014103060 A JP 2014103060A JP 2014169315 A JP2014169315 A JP 2014169315A
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Hiromune Tashiro
裕統 田代
Yasushi Shiraki
安司 白木
Makoto Kashima
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

【課題】αβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドや3−アルコキシカルボン酸−N,N二置換アミド、さらにはこれらの中間体となる化合物を効率よく、大量かつ安価に製造する方法を提供する。
【解決手段】沸点が150℃以上のカルボン酸と沸点が90℃以下のアミンとを、向流接触システムを用いて反応させることを特徴とするカルボン酸アミドの製造方法、及びその製造方法で得られたカルボン酸アミドを原料として用いることを特徴とする3−アルコキシカルボン酸−N,N二置換アミドの製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、αβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミド及び3−アルコキシカルボン酸−N,N二置換アミドの製造方法に関し、さらに詳しくは、工業的に大量に生産されているαβ不飽和カルボン酸を原料として、αβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドや3−アルコキシカルボン酸−N,N二置換アミド、さらにはこれらの中間体となる化合物を効率よく製造する方法に関する。
一般に、アミド化合物は、種々の化合物を溶かすことができるという特性、及び水に容易に溶け、水によるリンス処理ができるという特性を有する。このため、アミド化合物は溶剤や洗浄剤としての利用が期待され、例えば、レジスト剥離剤としての利用やポリイミドやポリアミド等の難溶性樹脂の特殊溶剤としての利用が期待される。
特に、従来よく用いられていた溶剤であるハロゲン系溶剤はオゾン層の破壊等の環境汚染の問題や毒性の問題があることが報告され、またNMP(N−メチルピロリドン)等の溶剤は生殖毒性を有することが報告されており、これらの代替溶剤としてアミド化合物が期待されている。
また、溶剤や洗浄剤として使用することを考慮すると、アミド化合物を安価に入手できることは重要であるため、これらの用途に適するアミド化合物を効率よく、大量かつ安価に製造する方法を開発することが望まれていた。
溶剤や洗浄剤として適するアミド化合物(例えば、3−アルコキシカルボン酸−N,N−ジアルキルアミド)を製造する場合において、αβ不飽和カルボン酸−N,N−ジアルキルアミドの製造は重要な技術である。
これまでに知られているαβ不飽和カルボン酸−N,N−ジアルキルアミドの製造方法としては、例えば、特許文献1、2及び3は、アクリル酸エステルを使用するN,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)の製造方法を開示する。しかしながら、この方法においては最初にアクリル酸をエステル化する工程が必要になり、さらに得られたエステル化合物のエステル基をアミド基へと変換する工程が必要になる。また、通常、エステル基からアミド基への変換には、溶媒としてグリセリン等のポリオール化合物が必要であるため、反応終了後に生成物を溶媒から分離する工程が必要になる。さらに、反応終了時にはエステル化合物から遊離したアルコールや残存するアミン化合物を分離する工程が必要になる。このように、上記のDMAAの製造方法は多くの工程を必要とするものであり、溶剤や洗浄剤として適するアミド化合物やその中間体を製造することを目的にすると、収率や費用面で問題があった。
ところで、収率向上や効率化に関する技術としては、各種反応や精製時に利用される向流接触方法が知られている。例えば、特許文献4は、環状ホルマールの連続製造方法を開示し、特許文献5は、カルボン酸アミドの精製方法を開示し、特許文献6、7は、尿素の製造方法を開示する。
また、二重結合を有する化合物を使用する反応において、重合を禁止し反応を制御する技術が知られている。例えば、特許文献8は、蒸留釜内に直接重合禁止剤(例えばフェノチアジン等の熱重合禁止剤とニトロソ基を有する化合物との併用)を添加する方法を開示し、特許文献9は、酸化窒素を重合禁止効果を有するガスとして蒸留中に流す方法を開示し、特許文献10は、釜又は還流部に、分解することにより重合禁止効果のある複合成分を発生する重合禁止剤(例えば、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン塩)を添加する方法を開示し、特許文献11は、製品の品質に影響を与えない、N−置換−(メタ)アクリルアミド類の蒸留時の重合防止方法を開示する。
米国特許第2,451,436号 特開平4−208258号公報 特開平6−199752号公報 特開平11−106382号公報 特開平9−227476号公報 特開昭63−126857号公報 特開昭62−39560号公報 特開昭49−36607号公報 特開昭59−7147号公報 特公平7−49414号公報 特開2004−107279号公報
本発明は上記状況で行われたものであり、溶剤や洗浄剤として適するアミド化合物(以下、アミド溶剤と称することがある。)を効率よく、大量かつ安価に製造するための技術に関する。
アミド溶剤を工業的規模で効率よく、大量かつ安価に製造するためには、エステル化合物を使用しない製造方法であって、さらに、原料として工業的に大量生産されているものを使用することが好ましい。これらの点から、αβ不飽和カルボン酸を原料とする方法が挙げられ、例えば以下の反応1〜4によるアミド溶剤の製造方法が考えられる。すなわち、以下の反応1〜3等により得られたαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドをアルコキシル化することで、高収率・高純度でアミド溶剤を得ることができる。
反応1(アミン付加反応):αβ不飽和カルボン酸+2級アミン→N,N二置換βアミノ酸
反応2(アミド化反応):N,N二置換βアミノ酸+2級アミン→N,N二置換βアミノ酸−N’,N’二置換アミド
反応3(脱アミン反応):N,N二置換βアミノ酸−N’,N’二置換アミド→αβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミド+2級アミン
反応4(アルコール付加反応):αβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミド+アルカノール→3−アルコキシカルボン酸−N,N二置換アミド(アミド溶剤)
しかしながら、これらの一連の反応においては以下のように多くの課題があった。
例えば、反応1に関しては、αβ不飽和カルボン酸が二重結合とカルボキシル基を有するため、2級アミンとの反応が複雑になり、目的のN,N二置換βアミノ酸を高収率で得ることは困難であった。特に、N,N二置換βアミノ酸が生成する前に、αβ不飽和カルボン酸アンモニウム塩が生じ、これがN,N二置換βアミノ酸の生成に悪影響を及ぼす場合があった。また工業的規模で反応を行う場合は、中和熱に十分な注意が必要であった。
また、反応2に関しては、この反応が平衡反応であり、その平衡定数が小さいことが問題になっていた。すなわち、工業的規模で効率よく、大量かつ安価に製造するためには副生する水を系外に除去し、平衡を移動させることが必要になる。しかしながら、吸着剤による水の除去は実験室規模の反応においては通常用いられる方法であるが、工業的規模の反応には向かない方法であり、また、蒸留による水の除去は、同時に2級アミンが除去され易く、平衡を移動させることが困難であった。
反応系内に存在する水や副生成物を効率よく除く技術はこれまでにも報告されており、例えば、特許文献4には、アルキレングリコールとホルムアルデヒドを反応させて不純物の少ない環状ホルマールを製造する方法が記載されている。この方法においては、アルキレングリコールとホルムアルデヒドを向流接触させることで、未反応ホルムアルデヒドが少ない、水と環状ホルマールを含有する反応蒸留液を製造し、次にこの反応蒸留液を蒸留塔に供給して処理することで環状ホルマールと水からなる共沸混合物を製造し、最後にこの共沸混合物を共沸蒸留塔に供給して処理することで目的の純度の環状ホルマールを製造することができる。しかしながら、この方法には工程が複雑になるという問題がある。また、水分を除去する工程は環状ホルマールと水からなる共沸混合物から水を除去するものであり、前記反応2においてそのまま利用できる技術ではない。
また、特許文献5には、高純度のカルボン酸アミドを高収率で製造する方法が記載されている。この方法においては、温度勾配を有する塔型連続晶析装置に粗カルボン酸アミドを供給し、冷却晶析された結晶を粗カルボン酸アミド含有液と向流接触させて結晶の融解−再結晶を繰り返すことにより結晶精製を行う。しかしながら、この技術も前記反応2における問題を解決するものではない。
また、反応3に関しても、この分解反応が平衡反応であり、その平衡定数が小さいことが問題になっていた。すなわち、工業的規模で効率よく、大量かつ安価に生産するためには、反応により生成するαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミド及び2級アミンを速やかに分離することで平衡を移動させることが必要になる。平衡を移動させる方法として、例えば、減圧条件下で分解反応を行い、生成物をガス状態のまま分離する方法が考えられるが、生成物の沸点が低い場合などには、冷却のみで液化分離することは困難であり、加圧条件下で分離する必要があった。しかしながら、減圧条件下で得られた生成物を加圧して液化するため、生産効率が悪く、装置の大型化や消費電力の増大を招き、大量生産の障害となっていた。
本発明は、上記状況下でなされたものであり、αβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドや3−アルコキシカルボン酸−N,N二置換アミド、さらにはこれらの中間体となる化合物を効率よく、大量かつ安価に製造する方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、特定条件下の反応により前記課題が解決できることを見出した。
特に、前記反応1に関しては、特定条件下でαβ不飽和カルボン酸と2級アミンを反応させることでカルボン酸転化率を高くし、N,N二置換βアミノ酸を純度よくかつ高収率で製造することができることを見出した。
また、前記反応2に関しては、生成物、原料及び副生成物の沸点の差を利用し、特定条件下で高沸点カルボン酸と低沸点アミンの反応を行うことで効率よくカルボン酸アミドを製造することができることを見出した。
さらに、前記反応3に関しては、特定の温度条件下及び圧力条件下でN,N二置換βアミノ酸−N’,N’二置換アミドを分解し、気相用及び液相用の重合禁止剤を用いることで、N,N二置換βアミノ酸−N’,N’二置換アミドの分解反応を加圧条件下で行うことができ、高収率で高純度のαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドを製造することができることを見出した。
本願発明は係る知見に基づいて完成したものである。すなわち本発明は、
(1) 2級アミンにαβ不飽和カルボン酸を添加して反応を行うN,N二置換βアミノ酸の製造方法であって、αβ不飽和カルボン酸と2級アミンのモル比(2級アミン/αβ不飽和カルボン酸)が3〜10の範囲であり、反応温度が10〜60℃であるN,N二置換βアミノ酸の製造方法、
(2) αβ不飽和カルボン酸が、アクリル酸、メタクリル酸及びクロトン酸から選ばれる一種又は二種以上のαβ不飽和カルボン酸である、前記(1)に記載のN,N二置換βアミノ酸の製造方法、
(3) 2級アミンが、以下の式(II)で表される2級アミンである、前記(1)又は(2)に記載のN,N二置換βアミノ酸の製造方法、
〔式(II)において、R4及びR5はそれぞれ独立に炭素数1〜6の飽和炭化水素基を表す。R4とR5は、互いに結合して炭素数2〜8の2価の飽和炭化水素基を形成してもよい。〕
(4) αβ不飽和カルボン酸の添加速度が3〜7ml/分である、前記(1)〜(3)のいずれかに記載のN,N二置換βアミノ酸の製造方法、
(5) 沸点が150℃以上のカルボン酸と沸点が90℃以下のアミンとを、向流接触システムを用いて反応させることを特徴とするカルボン酸アミドの製造方法、
(6) 前記カルボン酸と前記アミンとの反応における温度が120〜200℃である、前記(5)に記載のカルボン酸アミドの製造方法、
(7) 前記カルボン酸と前記アミンとの反応における圧力が0.17〜0.87MPaである、前記(5)又は(6)に記載のカルボン酸アミドの製造方法、
(8) 前記カルボン酸と前記アミンとの反応が、アルミナ、シリカアルミナ、陽イオン交換樹脂及びゼオライトから選ばれる一種又は二種以上の触媒を使用するものである、前記5〜7のいずれかに記載のカルボン酸アミドの製造方法。
(9) 前記カルボン酸がN,N二置換βアミノ酸である、前記(5)〜(8)のいずれかに記載のカルボン酸アミドの製造方法、
(10) 前記N,N二置換βアミノ酸が、N,N−ジメチルβアラニン、N,N−ジエチルβアラニン、2−メチル−N,N−ジメチルβアラニン、2−メチル−N,N−ジエチルβアラニン、3−メチル−N,N−ジメチルβアラニン及び3−メチル−N,N−ジエチルβアラニンから選ばれる一種又は二種以上のN,N二置換βアミノ酸である、前記(9)に記載のカルボン酸アミドの製造方法、
(11) 前記アミンが2級アミンである、前記(5)〜(10)のいずれかに記載のカルボン酸アミドの製造方法、
(12) 前記2級アミンが、ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、n−ブチルメチルアミン、s−ブチルメチルアミン、t−ブチルメチルアミン、ジプロピルアミンから選ばれる一種又は二種以上の2級アミンである、前記(11)に記載のカルボン酸アミドの製造方法、
(13) 気相用重合禁止剤を添加した液相のN,N二置換βアミノ酸−N’,N’二置換アミドを、200〜300℃の温度条件下、かつ、0.15〜0.95MPaの圧力条件下で分解して、気相のαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドを生成し、該αβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドに液相用重合禁止剤を添加することを特徴とするαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドの製造方法、
(14) 前記気相用重合禁止剤が、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン亜鉛塩及びN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン鉄塩から選ばれる一種又は二種以上の重合禁止剤であり、前記液相用重合禁止剤が、ジチオカルバミンサン銅、フェノチアジン、ヒドロキノン、ベンゾキノン及びヒドロキノンモノメチルエーテルから選ばれる一種又は二種以上の重合禁止剤である前記(13)に記載のαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドの製造方法、
(15) 前記気相用重合禁止剤の添加量が、N,N二置換βアミノ酸−N’,N’二置換アミドに対して0.06〜2質量%である前記(13)又は(14)記載のαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドの製造方法、
(16) 前記液相用重合禁止剤の添加量が、αβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドに対して100〜10000質量ppmである前記(13)〜(15)のいずれかに記載のαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドの製造方法、
(17) 前記N,N二置換βアミノ酸−N’,N’二置換アミドを分解する際に、アルミナ、シリカアルミナ、陽イオン交換樹脂及びゼオライトから選ばれる一種又は二種以上の固体酸触媒を用いる前記(13)〜(17)のいずれかに記載のαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドの製造方法、
(18) 以下の工程I〜IIIを含むαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドの製造方法、
工程I:2級アミンにαβ不飽和カルボン酸を添加して、これらを加圧下で反応させる工程、
工程II:向流接触システムを用いて、工程Iの生成物と2級アミンを反応させる工程
工程III:工程IIの生成物に重合禁止剤を添加して分解反応を行う工程
(19) 前記工程Iにおける反応条件が、αβ不飽和カルボン酸と2級アミンのモル比(2級アミン/αβ不飽和カルボン酸)が3〜10の範囲であり、反応温度が10〜60℃である、前記(18)に記載のαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドの製造方法、
(20) 前記工程Iの生成物が、沸点が150℃以上のカルボン酸であり、工程IIにおいて用いられる2級アミンの沸点が110℃以下である前記(18)又は(19)に記載のαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドの製造方法、
(21) 前記工程IIIにおける重合禁止剤として、気相用重合禁止剤及び液相用重合禁止剤を用いる、前記(18)〜(20)のいずれかに記載のαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドの製造方法、
(22) 前記(1)〜(4)のいずれかに記載された製造方法で得られたN,N二置換βアミノ酸を原料として用いることを特徴とする3−アルコキシカルボン酸−N,N二置換アミドの製造方法、
(23) 前記(5)〜(12)のいずれかに記載の製造方法で得られたカルボン酸アミドを原料として用いることを特徴とする3−アルコキシカルボン酸−N,N二置換アミドの製造方法、
(24) 前記(13)〜(21)のいずれかに記載の製造方法で得られたαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドを原料として用いることを特徴とする3−アルコキシカルボン酸−N,N二置換アミドの製造方法
に関するものである。
本発明によれば、カルボン酸転化率を高くし、N,N二置換βアミノ酸を純度よくかつ高収率で製造する方法、高沸点カルボン酸と低沸点アミンから効率よくカルボン酸アミドを製造する方法、及びN,N二置換βアミノ酸−N’,N’二置換アミドの分解反応を加圧条件下で行うことができ、高収率で高純度のαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドを製造する方法が提供される。
これらの方法を利用することで、アミド溶剤の製造に好適に用いられる、αβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドを効率よく、大量かつ安価に製造することができる。
向流接触させる装置を示す図である。 本発明における脱アミン反応に用いられる製造装置の1態様を示す模式図である。 APA、DMAA、DMA及び水の沸点と圧力条件との相関を示す図である。
本発明のαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドの製造方法は、以下の反応1〜3を利用するものである。反応1〜3等により得られたαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドをアルコキシル化することで、高収率・高純度でアミド溶剤を得ることができる。
反応1(アミン付加反応):αβ不飽和カルボン酸+2級アミン→N,N二置換βアミノ酸
反応2(アミド化反応):N,N二置換βアミノ酸+2級アミン→N,N二置換βアミノ酸−N’,N’二置換アミド
反応3(脱アミン反応):N,N二置換βアミノ酸−N’,N’二置換アミド→αβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミド+2級アミン
以下、各反応ごとに説明する。
1.アミン付加反応
本発明におけるアミン付加反応は、αβ不飽和カルボン酸と2級アミンを使用して、N,N二置換βアミノ酸を製造する反応である。
前記アミン付加反応においてαβ不飽和カルボン酸は特に制限なく使用することができ、例えば、以下の式(I)で表されるカルボン酸が挙げられる。
式(I)において、R1〜R3はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜10の炭化水素基がカルボキシル基で置換されてなる基、及びカルボキシル基のいずれかを表す。炭素数1〜10の炭化水素基がカルボキシル基で置換されてなる基とは、炭化水素基の水素原子の代わりにカルボキシル基を有する基であり、通常、カルボキシル基を1〜3個有し、好ましくは1又は2個有し、より好ましくは1個有する。
ここで炭素数1〜10の炭化水素基や炭素数1〜10の炭化水素基がカルボキシル基で置換されてなる基における炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜8個の基であり、より好ましくは炭素数1〜6の基である。当該炭化水素基の例としては、直鎖状又は分岐状のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、フェニル基等が挙げられ、好ましくはアルキル基又はフェニル基である。
大量生産する際の原料として適することから、R1〜R3は、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基が好ましい。
式(I)で表されるカルボン酸の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、シンナミックアシッド等が挙げられる。これらの中で、大量生産する際の原料として適することから、アクリル酸、メタクリル酸、又はクロトン酸が好ましい。
前記アミン付加反応において2級アミンは特に制限なく使用することができ、例えば、以下の式(II)で表される2級アミンが挙げられる。
式(II)において、R4及びR5はそれぞれ独立に炭素数1〜6の飽和炭化水素基を表す。R4、R5の炭素数が上記範囲であることで、室温近傍で液状であり、且つ、沸点が高くなりすぎないため(例えば、常圧で110℃以下)、反応を行う際に有利である。当該観点より、R4、R5の炭素数は1〜3、より好ましくは炭素数1〜2である。R4とR5は、互いに結合して炭素数2〜6、好ましくは炭素数2〜5、より好ましくは炭素数4又は5の2価の飽和炭化水素基を形成してもよい。
上記式(II)におけるR4、R5で表される飽和炭化水素基としては、直鎖状又は分岐状のアルキル基、並びにシクロアルキル基が挙げられ、好ましくは直鎖状又は分岐状のアルキル基、より好ましくは直鎖状のアルキル基である。
4、R5で表される直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基が挙げられ、好ましくはメチル基又はエチル基である。
4、R5で表されるシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基やシクロヘキシル基が挙げられる。
4とR5が互いに結合して形成する2価の飽和炭化水素基としては、直鎖状又は分岐状のアルキレン基、並びにシクロアルキレン基が挙げられ、好ましくは直鎖状又は分岐状のアルキレン基である。当該直鎖状又は分岐状のアルキレン基としては、例えば、上記R4、R5で表される直鎖状又は分岐状アルキル基において、それぞれ1つの水素原子を除き、水素原子が除かれた炭素同士が新たに結合してなる構造を有する2価基が挙げられる。
式(II)で表される2級アミンの具体例としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、n−ブチルメチルアミン、s−ブチルメチルアミン、t−ブチルメチルアミン、ジプロピルアミンなどが挙げられる。これらの中で、好適な沸点を持つことから、ジメチルアミン、ジエチルアミンが好ましい。
前記アミン付加反応においては、2級アミンにαβ不飽和カルボン酸を添加して反応を行う。有機溶媒や無溶媒で反応を行う場合、2級アミンとαβ不飽和カルボン酸の中和反応で生じた塩が固体として析出し、反応器の攪拌を阻害するおそれがある。しかしながら、上記方法のように2級アミンにαβ不飽和カルボン酸を添加することでこの問題を避けることができる。すなわち、2級アミン過剰の条件で反応を行うことで、付加反応によりβ−アミノ酸が生成する。得られたβアミノ酸は分子内塩を形成するため、有機溶媒や無溶媒で反応を行う場合であっても生成物が固体として析出することを避けることができる。
前記アミン付加反応において使用するαβ不飽和カルボン酸と2級アミンのモル比(2級アミン/αβ不飽和カルボン酸)は、3〜10の範囲である。
当該モル比が3未満のときは、αβ不飽和カルボン酸のアンモニウム塩が生成しやすく、温度や時間を変化させても高い収率を達成することが困難である。特に、溶媒として水を使用しないときは上記のようにアンモニウム塩が固体として析出するため、攪拌を阻害し、反応を安定に行うことが困難になる。この結果、安全面の問題や、系内の温度の上昇によりαβ不飽和カルボン酸の重合反応が生じるという問題が発生する。また、当該モル比が10を超えるときは、添加量に見合う量の生成物が得られず、収率面で問題がある。
当該観点から当該モル比は4〜10の範囲がより好ましい。4以上であることで、生成物がさらに高純度になり、次の工程(例えば、アミド化反応等)にそのまま使用することができる。
前記アミン付加反応においては、反応の安定性や効率の観点から、その反応温度は10〜60℃であり、好ましくは30〜40℃である。10℃以上であることで必要以上に時間をかけずに反応を行うことができ、60℃以下であることで、αβ不飽和カルボン酸の重合反応を避けることができる。
前記アミン付加反応においては、αβ不飽和カルボン酸と2級アミンの中和により熱が発生するが、2級アミンが過剰に存在する中へαβ不飽和カルボン酸を添加する反応形式を利用するため、発生する熱量はαβ不飽和カルボン酸添加速度をコントロールすることで容易に制御することができる。
このように、反応により発生する熱量は上記添加速度の調節により制御することが可能であるが、αβ不飽和カルボン酸添加時の反応溶液の温度は添加速度だけではなく、混合された液の熱容量、反応器形状(表面積)、冷却効率などが関係する。したがって、反応条件を最適化する際は、使用する反応器を用いて反応温度を実測しながら添加速度を決定することが好ましい。
例えば、実施例に挙げた反応器を用いた場合、αβ不飽和カルボン酸の添加速度は1〜10ml/分であり、好ましくは3〜7ml/分であった。添加速度が当該範囲にあることで、安定に反応を行うことができ、中和熱による異常昇温の問題を避けることができる。また、冷却装置や冷却剤等を併せて使用して温度を制御してもよい。
前記アミン付加反応においては、αβ不飽和カルボン酸を添加する方法は、反応温度を前記範囲内に制御できる範囲において特に制限はなく、連続的に添加してもよく、間欠的に添加してもよい。温度制御の観点からは間欠的な方法が好ましく、特に滴下が好ましい。
前記アミン付加反応においては、反応圧力については特に制限されないが、2級アミンが低沸点である場合は、加圧して液化させることが好ましい。
前記アミン付加反応においては、反応時間については特に制限はない。N,N二置換βアミノ酸の生成反応は発熱反応であり、系内の温度変化より反応の終了時点を知ることができる。なお、実施例に示す実験では滴下終了後、約0.5時間で反応は終了した。したがって、滴下終了後に1時間程度攪拌を続ければ、本発明で得られたカルボン酸アミドを次の工程で使用できると考えられる。
上記のように本発明におけるアミン付加反応においては、αβ不飽和カルボン酸のアンモニウム塩が析出して生じる問題が回避される。このことは、反応の均一性や温度制御において有利であり、カルボン酸転化率を高くし、N,N二置換βアミノ酸を純度よくかつ高収率で製造することが可能になる。
本発明におけるアミン付加反応で得られたN,N二置換βアミノ酸を使用することで、アミド溶剤を高収率、高純度で得ることができる。
アミド溶剤の製造方法としては、例えば、以下の工程を用いる方法が挙げられる。
(アミド化反応):N,N二置換βアミノ酸+2級アミン→N,N二置換βアミノ酸−N’,N’二置換アミド
(脱アミン反応):N,N二置換βアミノ酸−N’,N’二置換アミド→αβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミド+2級アミン
(アルコール付加反応):αβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミド+アルカノール→3−アルコキシカルボン酸−N,N二置換アミド(アミド溶剤)
2.アミド化反応
本発明におけるアミド化反応は、高沸点カルボン酸と低沸点アミンを使用して、アミド化合物を製造する反応である。このとき、高沸点カルボン酸及び低沸点アミンを、向流接触システムを用いて反応させることを特徴とする。なお、本明細書において、高沸点カルボン酸とは沸点が150℃以上のカルボン酸のことをいい、低沸点アミンとは沸点が90℃以下のアミンのことをいう。また、向流接触システムとは、図1に記載の装置等を用いて行う反応をいい、具体的には、塔頂から液体状態の高沸点カルボン酸を流し入れ、塔底から気体状態の低沸点アミンを吹き上げ、塔内で反応を行う。また生成するカルボン酸アミドは塔内で液体として存在し、これは下部の留出口から取り出され、一方、副生する水は上部の留出口から排出される。
上記のように本発明におけるアミド化反応で使用する高沸点カルボン酸の沸点は150℃以上である。150℃以上であることで、向流接触システムに好適に用いることができる。当該観点から、より好ましくは、180℃以上、特に好ましくは200℃以上である。上限値は特に制限はないが、通常は250℃以下である。また高沸点カルボン酸は反応条件下で固化しないことが好ましく、融点は150℃以下が好ましい。
本発明におけるアミド化反応において高沸点カルボン酸は沸点に関する前記規定を満たす限り特に制限なく使用することができ、例えばN,N二置換βアミノ酸が挙げられ、前記アミン付加反応で得られた生成物もまたこのアミド化反応の高沸点カルボン酸として使用することができる。
N,N二置換βアミノ酸としては、式(III)で表されるカルボン酸が挙げられる。
式(III)において、R6及びR7は、それぞれ独立に、炭素数1〜6の飽和炭化水素基を表し、これらは互いに結合して炭素数2〜12の2価の飽和炭化水素基を形成してもよい。R8〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜10の炭化水素基がカルボキシル基で置換されてなる基、又はカルボキシル基を表す。
前記炭素数1〜6の飽和炭化水素基は、好ましくは炭素数が1〜3の基であり、前記炭素数2〜12の2価の飽和炭化水素基は、好ましくは炭素数が2〜8の基であり、より好ましくは炭素数4又は5の基である。
上記式(III)におけるR6、R7で表される飽和炭化水素基としては、直鎖状又は分岐状のアルキル基、並びにシクロアルキル基が挙げられ、好ましくは直鎖状又は分岐状のアルキル基、より好ましくは直鎖状のアルキル基である。
式(III)におけるR6、R7で表される飽和炭化水素基の具体例や好ましいものとしては、先に式(II)のR4、R5に関して説明したものを挙げることができる。
式(III)におけるR8〜R10で表される炭素数1〜10の炭化水素基や炭素数1〜10の炭化水素基がカルボキシル基で置換されてなる基における炭化水素基における炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜8個の基であり、より好ましくは炭素数1〜6の基である。当該炭化水素基の例としては、直鎖状又は分岐状のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、フェニル基等が挙げられ、好ましくはアルキル基又はフェニル基である。
式(III)におけるR8〜R10で表される基の好ましいものとしては、先に式(I)のR1〜R3に関して説明したものを挙げることができる。
式(III)で表されるカルボン酸の具体例としては、N,N−ジメチルβアラニン、N,N−ジエチルβアラニン、2−メチル−N,N−ジメチルβアラニン、2−メチル−N,N−ジエチルβアラニン、3−メチル−N,N−ジメチルβアラニン、3−メチル−N,N−ジエチルβアラニンなどが挙げられる。これらの中で、メチル側鎖が無い方が熱安定性に優れることから、N,N−ジメチルβアラニン、N,N−ジエチルβアラニンが好ましい。
上記のように本発明のアミド化反応で使用する低沸点アミンの沸点は90℃以下である。90℃以下であることで、向流接触システムに好適に用いることができる。当該観点から、より好ましくは、60℃以下、特に好ましくは10℃以下である。下限値は特に制限はないが、通常は0℃以上である。
本発明におけるアミド化反応において低沸点アミンは沸点に関する前記規定を満たす限り特に制限なく使用することができ、例えば2級アミンが挙げられる。2級アミンとしては、式(IV)で表されるアミンが挙げられる。
式(IV)において、R11及びR12はそれぞれ独立に炭素数1〜6の飽和炭化水素基を表し、好ましくは炭素数1〜3である。R11とR12は、互いに結合して炭素数2〜12、好ましくは炭素数2〜8、より好ましくは炭素数4又は5の2価の飽和炭化水素基を形成してもよい。
上記式(IV)におけるR11、R12で表される飽和炭化水素基としては、直鎖状又は分岐状のアルキル基、並びにシクロアルキル基が挙げられ、好ましくは直鎖状又は分岐状のアルキル基、より好ましくは直鎖状のアルキル基である。
上記式(IV)におけるR11、R12で表されるアルキル基としては、直鎖状又は分岐状のものが挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基が挙げられ、好ましくはメチル基又はエチル基である。
式(IV)におけるR11、R12で表されるシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基やシクロヘキシル基が挙げられる。
式(IV)におけるR11とR12が互いに結合して形成する2価の飽和炭化水素基としては、直鎖状又は分岐状のアルキレン基、並びにシクロアルキレン基が挙げられ、好ましくは直鎖状又は分岐状のアルキレン基である。当該直鎖状又は分岐状のアルキレン基としては、例えば、上記R11、R12で表される直鎖状又は分岐状アルキル基において、それぞれ1つの水素原子を除き、水素原子が除かれた炭素同士が新たに結合してなる構造を有する2価基が挙げられる。
式(IV)で表されるアミンの具体例としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、n−ブチルメチルアミン、s−ブチルメチルアミン、t−ブチルメチルアミン、ジプロピルアミンなどが挙げられる。これらの中で、好適な沸点を持つことから、ジメチルアミン、ジエチルアミンが好ましい。
上記のように、本発明におけるアミド化反応においては向流接触システムを用いてアミド化反応を行う。この結果、反応の効率を大きく向上させることができる。
すなわち、このアミド化反応は以下に示す平衡反応であり、反応の効率を向上させるためには平衡を右にずらす必要がある。
このとき、副生する水を系外に除去することが有効な方法として考えられるが、吸着剤で水を除く方法は工業的規模でカルボン酸アミドを製造する際には向かない方法であり、また、蒸留によって水を除く方法は同時に低沸点アミンが除去され易く、平衡を移動させることが困難である。
しかしながら、本発明の方法においては、反応器の上部より液体状態の高沸点カルボン酸を導入し、反応器の下部より気体状態の低沸点アミンを導入し反応を行う。生成物のカルボン酸アミドは通常高い沸点を有するため反応器の塔底から回収することができ、副生する水は気体として塔頂から排出される。この結果、平衡をずらすことができ、アミド化反応の効率を上げることができる。
なお、上記のように向流接触システムを用いて反応を行うためには、反応条件の調整が必要であり、反応圧力及び反応温度は以下の要件(1)〜(3)を満たすことが好ましい。
(1)高沸点カルボン酸及び生成物のカルボン酸アミドが気化しない範囲の圧力、温度であること。
(2)低沸点アミンが液化しない範囲の圧力、温度であること。
(3)水が気化する範囲の圧力、温度であること。
上記の要件を満たすための好ましい反応条件は以下の通りである。すなわち、好ましい反応温度は120〜200℃であり、より好ましい反応温度は150〜180℃である。また、好ましい反応圧力は0.17〜0.87MPaであり、より好ましい反応圧力は0.3〜0.6MPaである。なお、本明細書における圧力は絶対圧で表している。
前記アミド化反応における反応器としては、高沸点カルボン酸と低沸点アミンが接触して気液平衡となる場があればよく、例えば、棚段や充填物によって接地面積を増やすような構造が挙げられる。また触媒を使用してもよく、例えばγ−アルミナ等のアルミナ;ハイアルミナ、ローアルミナ等のシリカアルミナ;ナフィオン等の陽イオン交換樹脂;並びにモルデナイト、Y型、ベータ型及びMFI型等のゼオライト等が挙げられる。
前記アミド化反応によれば、高沸点カルボン酸と低沸点アミンから効率よくカルボン酸アミドを製造することができる。当該反応で得られたカルボン酸アミドを使用することで、アミド溶剤を高収率、高純度で得ることができる。アミド溶剤の製造方法としては、例えば、以下の工程が挙げられる。
(脱アミン反応):N,N二置換βアミノ酸−N’,N’二置換アミド→αβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミド+2級アミン
(アルコール付加反応):αβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミド+アルカノール→3−アルコキシカルボン酸−N,N二置換アミド(アミド溶剤)
3.脱アミン反応
本発明における脱アミン反応は、N,N二置換βアミノ酸−N’,N’二置換アミドをαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドと2級アミンに分解する反応である。当該反応においては、気相用重合禁止剤を添加した液相のN,N二置換βアミノ酸−N’,N’二置換アミドを、200〜300℃の温度条件下、かつ、0.15〜0.95MPaの圧力条件下で分解して、気相のαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドを生成し、該気相のαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドに液相用重合禁止剤を添加することを特徴とする。
上記N,N二置換βアミノ酸−N’,N’二置換アミドとしては、下記式(V)で表されるものが好ましい。
(式中、R13〜R16は、それぞれ独立に、炭素数1〜6(好ましくは炭素数1〜3)の飽和炭化水素基を表し、R17〜R19は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10(好ましくは炭素数1〜6)の炭化水素基、炭素数1〜10(好ましくは炭素数1〜6)の炭化水素基がカルボキシル基で置換されてなる基、又はカルボキシル基を表す。R13及びR14は、互いに結合して炭素数2〜8(好ましくは炭素数4又は5)の2価の飽和炭化水素基を形成してもよく、R15及びR16は、互いに結合して炭素数2〜8(好ましくは炭素数4又は5)の2価の飽和炭化水素基を形成してもよい。)
上記式(V)におけるR13〜R16で表される飽和炭化水素基としては、直鎖状又は分岐状のアルキル基、並びにシクロアルキル基が挙げられ、好ましくはアルキル基である。
上記式(V)におけるR17〜R19で表される炭化水素基、R17〜R19で表される炭化水素基がカルボキシル基で置換されてなる基における炭化水素基としては、直鎖状又は分岐状のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基等が挙げられ、好ましくはアルキル基又はフェニル基である。
上記式(V)におけるR13〜R19で表されるアルキル基としては、直鎖状又は分岐状のものが挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基が挙げられ、好ましくはメチル基又はエチル基である。
13とR14、R15とR16が互いに結合して形成する2価の飽和炭化水素基としては、直鎖状又は分岐状のアルキレン基、並びにシクロアルキレン基が挙げられ、好ましくはアルキレン基である。R13とR14、R15とR16が互いに結合して形成する直鎖状又は分岐状のアルキレン基の具体例としては、上記R13〜R16で表される直鎖状又は分岐状アルキル基を2価基としたものが挙げられる。
上記N,N二置換βアミノ酸−N’,N’二置換アミドの具体例としては、3−N,N−ジメチルアミノプロピオンジメチルアミド、3−N,N−ジエチルアミノプロピオンジエチルアミド、3−N,N−ジメチルアミノ−2−メチルプロピオンジメチルアミド、3−N,N−ジエチルアミノ−2−メチルプロピオンジエチルアミド、3−N,N−ジメチルアミノブチルジメチルアミド、3−N,N−ジエチルアミノブチルジエチルアミドが挙げられ、3−N,N−ジメチルアミノプロピオンジメチルアミド、3−N,N−ジエチルアミノプロピオンジエチルアミドなどが好ましい。
上記気相用重合禁止剤は、気相のαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドの重合禁止剤として用いられるものであればよく、ニトロソ化合物を好適に用いることができる。
ニトロソ化合物の具体例としては、例えばニトロソアミン類、ニトロソアミン金属塩類、ニトロソベンゼン類、ニトロソオキシム類、ニトロソイミン類、ニトロソアミド類、ニトロソウレタン類、ニトロソナフトール類、ニトロソジアルキルアミノフェノール類等が挙げられる。
ニトロソアミン類としては、例えば、N,N−ジメチルp−ニトロソアニリン、ニトロソジフェニルアミン,ニトロソジメチルアミン、ニトロソ−N,N−ジエチルアミン,N−ニトロソジ−N−ブチルアミン、N−ニトロソジ−N−n−ブチル−4−ブタノールアミン、N−ニトロソ−ジイソプロパノールアミン、N−ニトロソ−N−エチル−4−ブタノールアミン、5−ニトロソ−8−ヒドロキシキノリン,N−ニトロソモルホリン等が挙げられる。
ニトロソアミン金属塩類としては、例えば、NPH(N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩)、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン亜鉛塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン鉄塩等が挙げられる。
ニトロソベンゼン類としては、例えば、ニトロソベンゼン,2,4,6−トリ−t−ブチルニトロソベンゼン等が挙げられる。
ニトロソオキシム類としては、例えば、5−ニトロソオキシム、ニトロソフェノン類:イソ−ニトロソアセトフェノン、α−イソ−ニトロソプロピオフェノン等が挙げられる。
ニトロソイミン類としては、例えば、N−ニトロソヘプタメチレンイミン等が挙げられる。
ニトロソアミド類としては、例えば、N−ニトロソ−N−メチル−p−トルエンスルホンアミド等が挙げられる。
ニトロソウレタン類としては、例えば、N−ニトロソ−N−メチルウレタン、N−ニトロソ−N−n−プロピルウレタン等が挙げられる。
ニトロソナフトール類としては、例えば、1−ニトロソ−2−ナフトール、2−ニトロソ−1−ナフトール、2−ニトロソ−1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸ソーダ、2−ニトロソ−1−ナフトール−4−スルホン酸等が挙げられる。
ニトロソジアルキルアミノフェノール類としては、例えば、2−ニトロソ−5−ジエチルアミノフェノール塩酸塩,2−ニトロソ−5−ジメチルアミノフェノール塩酸塩、5−イソ−ニトロソバルビトール酸、4−ニトロソレゾルシル−1−モノメチルエーテル等が挙げられる。
これらの中で、工業的規模での入手性の観点から、ニトロソアミン金属塩類が好ましく、NPH(N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩)がより好ましい。
気相用重合禁止剤の添加量は、N,N二置換βアミノ酸−N’,N’二置換アミドに対し0.05〜10質量%が好ましい。この範囲であれば反応器内での重質化物の量を、加えたN,N二置換βアミノ酸−N’,N’二置換アミドの10質量%以内に抑えることができる。当該観点から0.5〜2質量%がより好ましく、この範囲であれば重質物は殆ど検出されない(1質量%以下)。
N,N二置換βアミノ酸−N’,N’二置換アミドの分解反応は、触媒を使用してもよく、無触媒であってもよい。
触媒としては、例えば、アルミナ、シリカアルミナ、陽イオン交換樹脂、ゼオライト類等の固体酸触媒が挙げられる。
上記アルミナの具体例としては、例えば、γ−アルミナ等が挙げられる。
シリカアルミナの具体例としては、例えば、ハイアルミナ、ローアルミナ等が挙げられる。
陽イオン交換樹脂の具体例としては、例えば、ナフィオン等が挙げられる。
ゼオライト類の具体例としては、例えば、モルデナイト、Y型、ベータ型、MFI型等が挙げられる。
これらの中で、工業的規模での入手性の観点から、アルミナ、シリカアルミナが好ましく、アルミナがより好ましく、γ−アルミナがより好ましい。
上記N,N二置換βアミノ酸−N’,N’二置換アミドの分解における反応条件は、温度条件200〜300℃、好ましくは220〜280℃であり、圧力条件0.15〜0.95Mpa、好ましくは0.17〜0.7Mpaである。温度が200℃未満であると分解反応が不十分になり生成物中に未反応原料が多量に残存するため条件としてふさわしくなく、300℃を超えると生成物αβカルボン酸アミドの重合性を抑制する事が困難になる。また、圧力が0.15Mpa未満であると上述の如く反応温度を200℃以下に設定する必要性が出ることに加え、発生するアミンガスの捕集を行う際に加圧機や冷却機などの付帯設備が必要となり製品価格の上昇を招き、また0.95Mpaを超えると上述の如く反応温度が300℃を超えるので製品の重合性が問題になる事と、加熱に多大な熱量を必要とすることから製品価格の上昇を招く可能性がある。
図3に、上記N,N二置換βアミノ酸−N’,N’二置換アミドである3−ジメチルアミノプロピオンジメチルアミド(以下、APAと略記することがある。)、上記αβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドであるN,N−ジメチルアクリルアミド(以下、DMAAと略記することがある。)、及び後述の低沸点アミンであるジメチルアミン(以下、DMAと略記することがある。)の沸点と、圧力との相関を示す。原料のAPAが揮発することなく生成物のDMAAが揮発できる条件が、好ましい範囲であり、生成物が純度よく次反応にそのまま持ち込める範囲が更に好ましい範囲である。
このようにして得られるαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドとしては、N,N二置換βアミノ酸−N’,N’二置換アミドを分解して得られるものであれば特に限定されないが、0.1〜1.0MPaの圧力条件下において沸点が200〜250℃であるものが好ましく、具体的には、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルクロトンアミド及びN,N−ジエチルクロトンアミドが挙げられる。
上記液相用重合禁止剤は、液相のαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドの重合禁止剤として用いられるものであればよく、具体例としては、金属錯体、フェノチアジン類、ヒドロキノン類、有機安定ラジカル等が挙げられる。
金属錯体としては、例えば、CBW(ジチオカルバミンサン銅)等が挙げられる。
フェノチアジン類としては、例えば、フェノチアジン、メトキシフェノチアジン等が挙げられる。
ヒドロキノン類としては、例えば、ヒドロキノン、ベンゾキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、カテコール、グアヤコール等が挙げられる。
有機安定ラジカルとしては、例えば、ジフェニルピクリルヒドラジル、α、γ−ビスジフェニレン−β−フェニルアリール、ガルビノオキシル、1,3,5−トリフェニルバーダジル、ジ−t−ブチルニトロオキシド、2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、2,2,6,6,−テトラメチルピペリドン−1−オキシル,3−カルバモイルブロキシル、2,2,6,6,−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシル(TEMPO)等が挙げられる。
これらの中で、工業的規模での入手性の観点から、金属錯体、フェノチアジン類、ヒドロキノン類が好ましく、ジチオカルバミンサン銅、フェノチアジン、メトキシフェノチアジン、ヒドロキノン、ベンゾキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、カテコール、グアヤコールがより好ましく、ジチオカルバミンサン銅、フェノチアジン、ヒドロキノン、ベンゾキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテルがより好ましい。
生成したαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドに添加する液相用重合禁止剤の量は、αβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドに対して100〜10000質量ppmであれば重質物量が加えた原料の1%以下になるため好ましく、500〜2000質量ppmであれば重質物が殆ど検知されなくなるためより好ましい。
液相用重合禁止剤は、分解反応により生成した液相又は気相のαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドに添加されるが、気相のαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドに添加することが好ましく、液相用重合禁止剤の溶液を気相のαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドに注入する方法が更に好ましい。
本発明のαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドの製造方法によれば、N,N二置換βアミノ酸−N’,N’二置換アミドの分解に伴い、低沸点アミンが副生する。該低沸点アミンとしては沸点が30℃以下のものが好ましく、より好ましくはジメチルアミン、ジエチルアミン、更に好ましくはジメチルアミンである。
以下、本発明のαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドの製造方法の1態様について、図面を参照しつつさらに具体的に説明する。
本発明のαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドの製造方法の1態様としては、例えば図2に示す装置を用いる方法が挙げられる。まず、垂直に保持した管状の反応器110の下部から、高圧ポンプでN,N二置換βアミノ酸−N’,N’二置換アミド101及び気相用重合禁止剤102の混合液を導入する。反応器110を密閉し、全体を加熱ジャケット112(マントルヒーター、熱媒油ジャケット等)で覆う。分解反応は、触媒111の存在下又は不存在下で行うことができるが、触媒111を用いる場合、触媒充填層の温度を設定温度±5℃以内に調整するため、温度センサー113で測定し、内部温度を制御できるようにすることが好ましい。分解反応の圧力条件は、圧力調整機115により調整することができる。
次に、分解反応により生成するαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミド及び低沸点アミンの気相の混合物を冷却器114に導入し、冷却器114には60℃程度の温水を流す。その際、αβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドに対して、液相用重合禁止剤103(ヒドロキノン等)水溶液を添加するが、冷却器114への導入前に高圧ポンプ等を用いて注入する方法が好ましい。このようにして、冷却器114の留出口より、目的とするαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドや水を含有する留出物(A)104が得られる。
尚、副生する2級アミンや水を含有する留出物(B)105は、例えば圧力調整機115の下流に捕集器を設け、ドライアイス−アセトンで−70℃程度以下に冷却することで捕集できる。
4.アルコール付加反応
上記反応1〜3等により得られたαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドをアルコキシル化することで、高収率・高純度でアミド溶剤を得ることができる。
この反応は、以下の式で表すことができる。
(アルコール付加反応):αβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミド+アルカノール→3−アルコキシカルボン酸−N,N二置換アミド(アミド溶剤)
アルコールとしては、特に制限されず、目的に合わせて適宜決定すればよい。例えば、炭素数1〜10のアルコールが挙げられ、好ましくは炭素数1〜6のアルコール、具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、sec-プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−へプタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール等が挙げられる。
上記のように、本発明におけるアミン付加反応、アミド化反応及び脱アミン反応はそれぞれの反応において効率や純度の向上に寄与する。したがって、これらのいずれかの反応を利用することで、αβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドや3−アルコキシカルボン酸−N,N二置換アミドを効率よく、大量かつ安価に製造することができる。
特に、工業的規模で生産を行う場合等においては、一連の製造工程の中でこれらの反応を組み合わせて利用することが好ましい。例えば、以下の工程I〜IIIを含むαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドの製造方法が挙げられる。
工程I:2級アミンにαβ不飽和カルボン酸を添加して、これらを加圧下で反応させる工程、
工程II:向流接触システムを用いて、工程Iの生成物と2級アミンを反応させる工程
工程III:工程IIの生成物に重合禁止剤を添加して分解反応を行う工程
工程Iに関して、その反応条件としては、αβ不飽和カルボン酸と2級アミンのモル比(2級アミン/αβ不飽和カルボン酸)が3〜10の範囲であり、反応温度が10〜60℃であることが好ましい。
また、先に説明したアミン付加反応に関する技術は、工程Iにおいても利用することができる。
工程IIに関して、工程Iの生成物が、沸点が150℃以上のカルボン酸であり、工程IIにおいて用いられる2級アミンの沸点が110℃以下であることが好ましく、90℃以下であることがより好ましい。
また、先に説明したアミド化反応に関する技術は、工程IIにおいても利用することができる。
工程IIIに関して、重合禁止剤として、気相用重合禁止剤及び液相用重合禁止剤を用いることが好ましい。
また、先に説明した脱アミン反応に関する技術は、工程IIIにおいても利用することができる。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
〔アミン付加反応〕
実施例及び比較例の反応条件を以下に示す。反応後、生成液(比較例1では固体)をD2Oに溶解し、1H−NMR(日本電子GX−500)を測定した。
カルボン酸転化率は、以下の計算式により求めた。
カルボン酸転化率=1−未反応カルボン酸(mol)/{未反応カルボン酸(mol)+アミン付加物(mol)}
ここで式中の未反応カルボン酸の物質量はNMRで得られた二重結合に起因する信号から得られ、アミン付加物の物質量はNMRで得られたメチレン、メチン信号から得られる。
アミン付加物純度及びアミン付加物収率は、以下の計算式により求めた。
アミン付加物純度=B/(滴下したカルボン酸(mol)−A)
アミン付加物収率=B/(A+B)
A:原料アクリル酸などの2重結合に起因するシグナルから得られた原料の物質量(mol)
B:アミン付加によって生じた生成物のメチレン鎖のシグナルから得られた生成物の物質量(mol)
なお、実施例及び比較例において、耐圧容器として東京理化器械(株)製φ60耐圧容器にガラス内容器をつけたものを用いた。
実施例1
〔ジメチルアミンとアクリル酸の反応(ジメチルアミン/アクリル酸モル比=3)〕
耐圧容器にジメチルアミン30gを入れ密閉した。反応器の温度を20℃に制定し、高圧ポンプでアクリル酸16gを供給した。このとき中和熱が発生するが、氷浴で冷却しながらアクリル酸を滴下し、さらにアクリル酸滴下速度を5〜7ml/分とすることで、反応器内部温度を25〜35℃の範囲に調整した。滴下終了後、1時間反応させた後、分析を行った。滴下開始からの反応時間は1時間3分であった。
実施例2
〔ジメチルアミンとアクリル酸の反応(ジメチルアミン/アクリル酸モル比=4)〕
耐圧容器にジメチルアミン30gを入れ密閉した。反応器の温度を20℃に制定し、高圧ポンプでアクリル酸12gを供給した。このとき中和熱が発生するが、氷浴で冷却しながらアクリル酸を滴下し、さらにアクリル酸滴下速度を5〜7ml/分とすることで、反応器内部温度を25〜35℃の範囲に調整した。滴下終了後、1時間反応させた後、分析を行った。滴下開始からの反応時間は1時間3分であった。
実施例3
〔ジメチルアミンとアクリル酸の反応(ジメチルアミン/アクリル酸モル比=4)〕
耐圧容器にジメチルアミン30gを入れ密閉した。反応器の温度を20℃に制定し、高圧ポンプでアクリル酸12gを供給した。このとき中和熱が発生するが、氷浴で冷却しながらアクリル酸を滴下し、さらにアクリル酸滴下速度を5〜7ml/分とすることで、反応器内部温度を25〜35℃の範囲に調整した。滴下終了直後に分析を行った(反応時間3分)。
実施例4
〔ジメチルアミンとアクリル酸の反応(ジメチルアミン/アクリル酸モル比=4)〕
耐圧容器にジメチルアミン30gを入れ密閉した。反応器の温度を20℃に制定し、高圧ポンプでアクリル酸12gを供給した。このとき中和熱が発生するが、氷浴で冷却しながらアクリル酸を滴下し、さらにアクリル酸滴下速度を5〜7ml/分とすることで、反応器内部温度を25〜35℃の範囲に調整した。滴下終了後、0.5時間反応させた後、分析を行った。滴下開始からの反応時間は33分であった。
実施例5
〔ジエチルアミンとアクリル酸の反応(ジエチルアミン/アクリル酸モル比=4)〕
耐圧容器にジエチルアミン30gを入れ密閉した。反応器の温度を20℃に制定し、高圧ポンプでアクリル酸7.4gを供給した。このとき中和熱が発生するが、氷浴で冷却しながらアクリル酸を滴下し、さらにアクリル酸滴下速度を7〜9ml/分とすることで、反応器内部温度を25〜35℃の範囲に調整した。滴下終了後、1時間反応させた後、分析を行った。滴下開始からの反応時間は1時間3分であった。
実施例6
〔ジメチルアミンとメタクリル酸の反応(ジメチルアミン/メタクリル酸モル比=4)〕
耐圧容器にジメチルアミン30gを入れ密閉した。反応器の温度を20℃に制定し、高圧ポンプでメタクリル酸14.3gを供給した。このとき中和熱が発生するが、氷浴で冷却しながらメタクリル酸を滴下し、さらにメタクリル酸滴下速度を5〜7ml/分とすることで、反応器内部温度を25〜35℃の範囲に調整した。滴下終了後、1時間反応させた後、分析を行った。滴下開始からの反応時間は1時間3分であった。
実施例7
〔ジメチルアミンとクロトン酸の反応(ジメチルアミン/クロトン酸モル比=4)〕
耐圧容器にジメチルアミン30gを入れ密閉した。反応器の温度を20℃に制定し、高圧ポンプでクロトン酸14.3gを供給した。このとき中和熱が発生するが、氷浴で冷却しながらクロトン酸を滴下し、さらにクロトン酸滴下速度を5〜7ml/分とすることで、反応器内部温度を25〜35℃の範囲に調整した。滴下終了後、1時間反応させた後、分析を行った。滴下開始からの反応時間は1時間3分であった。
比較例1
〔ジメチルアミンとアクリル酸の反応(ジメチルアミン/アクリル酸モル比=1)〕
耐圧容器にジメチルアミン20gを入れ密閉した。反応器の温度を20℃に制定し、高圧ポンプでアクリル酸32gを供給した。このとき中和熱が発生するため、氷浴で冷却しながらアクリル酸を滴下した。アクリル酸の滴下速度を3〜5ml/分とすることで、22gのアクリル酸を滴下するまでは反応器内部温度を25〜35℃の範囲で保つ事ができたが、さらにアクリル酸の滴下を続けることで、固体成分が生成するため攪拌が停止した。この結果、反応容器内温度が上昇し制御ができなかった。この状態でアクリル酸の滴下を続け、滴下終了後、1時間、30℃で放置した後に分析を行った。滴下開始からの反応時間は1時間8分であった。
比較例2
〔ジメチルアミンとアクリル酸の反応(ジメチルアミン/アクリル酸モル比=2)〕
耐圧容器にジメチルアミン30gを入れ密閉した。反応器の温度を20℃に制定し、高圧ポンプでアクリル酸24gを供給した。このとき中和熱が発生するが、氷浴で冷却しながらアクリル酸を滴下し、さらにアクリル酸滴下速度を5〜7ml/分とすることで、反応器内部温度を25〜35℃の範囲に調整した。滴下終了後、1時間反応させた後、分析を行った。滴下開始からの反応時間は1時間5分であった。
〔アミド化反応〕
反応液の分析はガスクロマトグラフ(GC)にて行った。分析条件を以下に示す。
カラム:アジレントテクノロジー株式会社製 HP−1 内径0.32mm長さ60m 膜圧1.00μm
オーブン:100℃(0分)−昇温15℃/分−250℃(10分)
キャリアガス:ヘリウム(35cm/sec)
インジジェクション:200℃
スプリット比1:20
デテクター:FID(250℃)
メイクアップ:窒素30ml/分
サンプル量:1.0μL
GC:アジレント6850ネットワークGCシステム
DMBA(N,N−ジメチルβアラニン)転化率は以下の方法により求めた。
DMBA転化率=1−DMBA(モル)/(DMBAアミド(モル)+DMBA(モル))
GC分析においては副生成物が検出されなかった。また重合反応などGCで検出されない副生成物を与える副反応は起こらないと考えられたので反応のアミド選択率は100%であると考えられた。
アミド収率は、GC分析においては副生成物が検出されず、物質収支も反応前後で殆ど100%であったので反応の選択率は100%とした。このためDMBA転化率とアミド収率は同じ値となった。
これらの結果を第3表に示す。
製造例1(反応器の製造)
図1に実施例で使用した反応器の構造を示す。当該反応器は以下の方法により製造した。
長さ50cm、内径2.4cmのステンレス製チューブを垂直に保持した。チューブの最下部に充填物の落下防止用にステンレス製の金網を設置した。金網の上に直径2mmのガラスビーズを10cmの高さで充填し、その上に触媒(アルミナ、日揮化学株式会社製N611N)を30cmの高さで充填した。触媒の上にステンレス製の網を置き、直径2mmのガラスビーズを10cmの高さで充填し、チューブを密閉した。さらに、反応器の上部には圧力調整機を介して気体成分の留出口を設け、反応器の下部には圧力調整機を介して液成分の留出口を設けた。さらに、チューブ全体を加熱ジャケット(マントルヒーター或いは熱媒油ジャケット)で覆い、触媒充填部分の温度を制御できるようにした。
なお、実際の反応の際は、反応器の上部から液状の高沸点カルボン酸を高圧ポンプを用いて導入し、反応器の下部から気化した低沸点アミンを導入した。生成物のカルボン酸アミドは反応器下部の液成分の留出口から得られ、副生成物の水及び未反応低沸点アミンは反応器上部のガス成分の留出口から排出される。
実施例8
製造例1で得られた反応器において、2つの圧力調整機を0.3MPaに調整し、反応器を150℃に加熱した。DMBA(N,N−ジメチルβアラニン)を100℃に加熱し融解させ、これを反応器上部から5ml/分(330g/h、2.82mol/h)で供給した。また、気化したDMA(ジメチルアミン)を0.85MPaの窒素で加圧して、反応器の下部から3.1ml/分(126.5g/h、2.81mol/h)で供給した(DMA/DMBAモル比=1.0)。反応が安定した後、30分経過した時点で液成分の留出口から得られた留出物を100mlのメタノール中にトラップしてGC分析を行った。
実施例9
DMA供給速度を4.7ml/分(191.8g/h、4.15mol/h)に変更した以外は実施例8と同じ操作を行った(DMA/DMBAモル比=1.5)。
実施例10
DMA供給速度を6.2ml/分(253.0g/h、5.61mol/h)に変更した以外は実施例8と同じ操作を行った(DMA/DMBAモル比=1.99)。
実施例11
DMA供給速度を9.3ml/分(379.4g/h、8.42mol/h)に変更した以外は実施例8と同じ操作を行った(DMA/DMBAモル比=2.99)。
比較例3〜6
〔平衡定数Kの算出〕
DMBA1.00g、40%DMA水溶液3.85g、粉末状アルミナ(日揮化学株式会社製N613N)1gを15mlステンレス製耐圧容器に入れ密閉した。これを3つ用意し、150℃の油浴に浸し、攪拌しながら加熱した。8時間毎に取り出してGC分析を行った。この結果を第1表に示す。
本反応は下記の平衡式で示され、24時間では既に平衡に達していると考えられる。
したがって、この条件での平衡転化率は17.2%である。一方、平衡定数Kは下式で定義される。
K=[DMBAアミド]×[H2O]/[[DMBA]×[DMA]]
ここで[ ]で囲まれた量は平衡時のモル濃度を示すが、本実験においては同一体積の均一溶液であるため、[ ]は物質量としても同じ平衡定数が得られる。
すなわち、平衡時の各成分の物質量が分かれば平衡定数が計算できることとなる。ここで上述のように反応のアミド選択率は100%であるので、DMBA転化率から時間毎の各成分の物質量が計算可能である。第2表に各成分の物質量を示す。
〔各原料比におけるDMBA転化率の計算〕
上記実験で示されたように、150℃における前記平衡式の平衡定数は0.8062である。さらに、得られた平衡定数を用いることで、原料比を変えた時の平衡転化率を算出することができる。実施例と同じ原料比において、向流接触システムを用いない場合のDMBA転化率を比較例3〜6として第3表に示す。
〔脱アミン反応〕
実施例12(N,N−ジメチルアクリルアミドの製造)
図2に示す装置を用い、反応器温度を250℃、圧力調整機を0.3MPaに設定した。反応器としては、長さ50cm、内径2.4cmのステンレス製チューブを使用し、触媒(アルミナ、日揮化学株式会社製、N611N)を40cmの高さになるように充填した。反応器下部の導入口から高圧ポンプで、2質量%のNPHを加えた3−ジメチルアミノプロピオンジメチルアミド(以下、原料混合液と表すことがある。)を1ミリリットル/分で導入した。さらに、分解反応により生成した気体と、ヒドロキノンの0.1質量%水溶液とを、高圧ポンプで冷却器に注入し(3−ジメチルアミノプロピオンジメチルアミド基準で1020質量ppm)、冷却器には60℃の温水を流した。圧力調整機を調整しながら5時間反応させ、冷却器からの留出物を100ミリリットルのメタノール中にトラップした(留出物(A))。また、冷却器の下流に、副生物のジメチルアミン及び水を捕集する捕集器を設け、ドライアイス−アセトンで−70℃以下に冷却して、留出物(B)を得た。注入を停止し、反応器下部の導入口から空気を導入し、反応器を30℃以下に冷却した。
エバポレーターを使用して留出物(A)の揮発成分を分離して計量し、ガスクロマトグラフィー分析(GC分析)に供したところ、副生成物のピークは見受けられなかったので、重質(不揮発成分)以外は目的物のN,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)に転化したものと見なし、DMAAの収率及び純度を計算した。結果を第4表に示す。
留出物(B)中のジメチルアミン(DMA)量を0.1モル/リットル硫酸標準液で滴定して定量し、DMA回収率を得た。結果を表1に示す。
さらに、触媒を抜き出して触媒に付着、あるいは反応器内に堆積した重質分を計量し、その合計量より反応器内重質量を得た。反応器内部の重質物は、反応に使用した3−ジメチルアミノプロピオンジメチルアミドの質量基準で計算した。結果を第4表に示す。
上記GC分析の測定条件を以下に示す。
カラム: アジレントテクノロジー株式会社製、HP−1、内径0.32mm、長さ60m、膜圧1.00μm
オーブン: 100℃(0分)−昇温15℃/分−250℃(10分)
キャリアガス: ヘリウム(35cm/sec)
インジジェクション: 200℃
スプリット比: 1:20
デテクター: FID(250℃)
メイクアップ: 窒素30ml/分
サンプル量: 1.0μL
GC: アジレント6850ネットワークGCシステム
上記DMAA収率、反応器内重質量、留出物(A)中重質量、DMA回収率及びDMAA純度の計算方法を以下に示す。
DMAA収率(モル%)=GC分析により測定した留出物(A)中のDMAA量(モル)/原料として使用した3−ジメチルアミノプロピオンジメチルアミドの量(モル)
反応器内重質量(質量%)=触媒に付着、あるいは反応器に堆積した重質分の質量/原料として使用した3−ジメチルアミノプロピオンジメチルアミドの質量
留出物(A)中重質量(質量%)=留出物(A)より分離した重質分の質量/原料として使用した3−ジメチルアミノプロピオンジメチルアミドの質量
DMA回収率(モル%)=滴定により測定した留出物(B)中のDMA量(モル)/原料として使用した3−ジメチルアミノプロピオンジメチルアミドの量(モル)
DMAA純度(質量%)=GC分析により測定した留出物(A)中のDMAAの質量/留出物(A)の質量(メタノールを除く)
実施例13(N,N−ジメチルアクリルアミドの製造)
反応器温度を300℃に、圧力調整機を0.6MPaに設定した以外は実施例12と同様にしてN,N−ジメチルアクリルアミドを得た。
また、実施例12と同様にしてDMAAの収率及び純度、留出物(A)中の重質量、DMA回収率、並びに反応器内重質量を測定した。第4表に結果を示す。
実施例14
反応器温度を200℃に、圧力調整機を0.18MPaに設定した以外は実施例12と同様にしてN,N−ジメチルアクリルアミドを得た。
また、実施例12と同様にしてDMAAの収率及び純度、留出物(A)中の重質量、DMA回収率、並びに反応器内重質量を測定した。第4表に結果を示す。
実施例15
NPH量を0.2質量%、注入するヒドロキノン水溶液濃度を0.05質量%(3−ジメチルアミノプロピオンジメチルアミド基準で510質量ppm)にした以外は実施例12と同様にしてN,N−ジメチルアクリルアミドを得た。
また、実施例12と同様にしてDMAAの収率及び純度、留出物(A)中の重質量、DMA回収率、並びに反応器内重質量を測定した。第4表に結果を示す。
実施例16
反応器温度を225℃、圧力調整機を0.25MPaに設定した以外は実施例12と同様にしてN,N−ジメチルアクリルアミドを得た。
また、実施例12と同様にしてDMAAの収率及び純度、留出物(A)中の重質量、DMA回収率、並びに反応器内重質量を測定した。第4表に結果を示す。
実施例17
NPH量を0.05質量%、注入するヒドロキノン水溶液濃度を0.5質量%(3−ジメチルアミノプロピオンジメチルアミド基準で510重量ppm)にした以外は実施例12と同様にしてN,N−ジメチルアクリルアミドを得た。
また、実施例12と同様にしてDMAAの収率及び純度、留出物(A)中の重質量、DMA回収率、並びに反応器内重質量を測定した。第4表に結果を示す。
比較例7
3−ジメチルアミノプロピオンジメチルアミドにNPHを加えず、また、ヒドロキノン水溶液に代えて水を注入した(3−ジメチルアミノプロピオンジメチルアミド基準で0質量ppm)にした以外は実施例12と同様にしてN,N−ジメチルアクリルアミドを得た。
また、実施例12と同様にしてDMAAの収率及び純度、留出物留出物(A)中の重質量、DMA回収率、並びに反応器内重質量を測定した。第4表に結果を示す。
比較例8
反応器温度を200℃、圧力調整機を0.1MPa(常圧)に設定した以外は実施例12と同様にしてN,N−ジメチルアクリルアミドを得た。
また、実施例12と同様にしてDMAAの収率及び純度、留出物留出物(A)中の重質量、DMA回収率、並びに反応器内重質量を測定した。第4表に結果を示す。
比較例9
反応器温度を250℃、圧力調整機を0.1MPa(常圧)に設定した以外は実施例12と同様にしてN,N−ジメチルアクリルアミドを得た。
また、実施例12と同様にしてDMAAの収率及び純度、留出物留出物(A)中の重質量、DMA回収率、並びに反応器内重質量を測定した。第4表に結果を示す。
比較例9は反応せず原料が蒸留されて出てきただけと考えられた。
上記実施例12〜17より明らかなように、反応温度200〜300℃、反応圧力0.16〜0.45MPaにおいて分解反応が効率よく進行し、DMAAを高収率・高純度で得ることができ、また、重質物の生成が少なかった。さらに、正圧であるためDMAの回収率も申し分なく、分解した原料に等しいDMAが回収された。
これに対し、重合禁止剤を使用していない比較例7では、分解は進行するものの重質化が顕著であり、DMAAの収率が低い。また、常圧で分解反応を行った比較例8及び9においても、DMAAの収率が低い。
以上より、本発明によれば、N,N二置換βアミノ酸−N’,N’二置換アミドは負圧にする必要なく好適に分解し対応するα、β不飽和アミドと2級アミンを与える事が示された。
〔ジメチルアミンとメタクリル酸を出発原料とする3−アルコキシ−N,Nジメチルプロピオンアミドの製造〕
実施例18〜21
(1)BMBA(N,N−ジメチルβアラニン)の製造
耐圧容器にジメチルアミン300gを入れ密閉した。反応器の温度を20℃に制定し、高圧ポンプでメタクリル酸143gを1つの供給口から供給した。このとき中和熱が発生するが、氷浴で冷却しながらメタクリル酸を滴下し、さらにメタクリル酸滴下速度を10〜30ml/分とすることで、反応器内部温度を25〜35℃の範囲に調整した。滴下終了後、1時間反応させた。
反応終了後、反応器内を脱圧した。その後、窒素ガスで微加圧にし、脱圧する操作を3回行い、未反応のジメチルアミンガスを取り除いた。
反応器より反応物(白色固体)を229.0g得た。白色固体はGC分析の結果、純度:99.95%のBMBAである事を確認した。
同条件で反応を20バッチ行い、合計で4.57kgのBMBAを得た。平均収量は、228.6g/1バッチ(収率:99.8%)。純度は99.92%であった。
(2)3−ジメチルアミノプロピオンジメチルアミドの製造
反応器は製造例1で製造したものを用いた。
当該反応器において2つの圧力調整機を0.3MPaに調整し、反応器を150℃に加熱した。上記(1)で合成したDMBA(N,N−ジメチルβアラニン)を100℃に加熱し融解させ、これを反応器上部から5ml/分(330g/h、2.89mol/h)で供給した。また、気化したDMA(ジメチルアミン)を0.85MPaの窒素で加圧して、反応器の下部から3.2ml/分(130.2g/h、2.89mol/h)で供給した(DMA/DMBAモル比=1.0)。各部の温度は約1時間で安定し、その後1時間は系内安定化のため、運転した。その後、液成分留出口からの流出物を2時間分捕集し、透明液体を639g得た。
この液体をGC分析した結果、純度が99.8%の3−ジメチルアミノプロピオンジメチルアミドであった。
(3)N,N―ジメチルアクリルアミドの製造
反応器は実施例12に記載のものを使用した。
反応器下部の導入口から高圧ポンプで、2質量%のNPHを加えた3−ジメチルアミノプロピオンジメチルアミド(以下、原料混合液と表すことがある。)を1ミリリットル/分で導入した。さらに、分解反応により生成した気体と、ヒドロキノンの0.1質量%水溶液とを、高圧ポンプで冷却器に注入し(3−ジメチルアミノプロピオンジメチルアミド基準で1020質量ppm)、冷却器には60℃の温水を流した。圧力調整機を調整しながら5時間反応させた(トータルで2質量%のNPHを加えた3−ジメチルアミノプロピオンジメチルアミドを300g導入した。)。
冷却器からの留出物を100ミリリットルのメタノール中にトラップした留出物を382g得た
得られた留出物に対して10段の棚段塔を有する蒸留装置を用いて精製処理を施した。以下に説明するように条件を変えて2つの方法で精製した。
〔精製処理1〕
留出物150gを使用して蒸留を行った。
この蒸留においては、まず、系内を50mmHgの減圧度とし、ボトムの温度を室温から70℃まで、ゆっくりと昇温し、メタノールと水を留去した。この時の還流比(R/D)=0/1とした。その後、減圧度を20mmHgとし、還流比(R/D)=1/1でボトム温度を調整しながら、蒸留を行った。蒸留塔トップの温度が80℃までは初留とし、80℃になってから本留として採取した。
蒸留結果を第5表に示す。
〔精製処理2〕
留出物150gを使用して蒸留を行った。
この蒸留においては、まず、系内を50mmHgの減圧度とし、ボトムの温度を室温から70℃まで、ゆっくりと昇温し、メタノールと水を留去した。この時の還流比(R/D)=0/1とした。その後、減圧度を20mmHgとし、還流比(R/D)=1/1でボトム温度を調整しながら、蒸留を行い、蒸留塔トップの温度が80℃に達した時点で蒸留を止め、105.3gのボトム液を得た。
このボトム液をGC分析した結果、純度99.1%のN,N−ジメチルアクリルアミドであった。
(4)3−アルコキシ−N,N―ジメチルプロピオンアミドの製造
〔精製処理1で得られたN,N−ジメチルアクリルアミドを使用した3−メトキシ−N,N―ジメチルプロピオンアミドの製造(実施例18)〕
攪拌装置、熱電対及び窒素ガス導入管を備えた100mL三口フラスコに精製処理1で得られたN,N−ジメチルアクリルアミド30.00g(0.302モル)、メタノール14.50g(0.453モル)を入れた。これに、窒素ガスを導入し、攪拌しながら、室温でナトリウムメトキシド0.163g(0.00302モル)を含むメタノール溶液3ミリリットルを加えた。この時、温度が上昇するため、水浴を使って30〜40℃に調節し、5時間反応させた後、酢酸で中和した。
未反応物をエバポレーターで留去した後、133Pa、58℃で留出した生成物を37.9g得た。この生成物をGCで分析したところ、純度99.2%の3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミドであった。
〔精製処理2で得られたN,N−ジメチルアクリルアミドを使用した3−メトキシ−N,N―ジメチルプロピオンアミドの製造(実施例19)〕
攪拌装置、熱電対及び窒素ガス導入管を備えた100mL三口フラスコに精製処理2で得られたN,N−ジメチルアクリルアミド30.00g(0.300モル)、メタノール14.41g(0.450モル)を入れた。これに、窒素ガスを導入し、攪拌しながら、室温でナトリウムメトキシド0.162g(0.00300モル)を含むメタノール溶液3ミリリットルをゆっくりと加えた。この時、温度が上昇するため、水浴を使って30〜40℃に調節し、5時間反応させた後、酢酸で中和した。
未反応物をエバポレーターで留去した後、133Pa、58℃で留出した生成物を35.7g得た。この生成物をGCで分析したところ、純度98.9%の3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミドであった。
〔精製処理1で得られたN,N−ジメチルアクリルアミドを使用した3−ブトキシ−N,N―ジメチルプロピオンアミドの製造(実施例20)〕
攪拌装置、熱電対及び窒素ガス導入管を備えた100mL三口フラスコに精製処理1で得られたN,N−ジメチルアクリルアミド30.00g(0.302モル)、ブタノール33.54g(0.453モル)を入れた。これに、窒素ガスを導入し、攪拌しながら、室温でナトリウムメトキシド0.163g(0.00302モル)を含むブタノール溶液3ミリリットルをゆっくりと加えた。この時、温度が上昇するため、水浴を使って30〜40℃に調節し、5時間反応させた後、酢酸で中和した。
未反応物をエバポレーターで留去した後、133Pa、78℃で留出した生成物を48.4g得た。この生成物をGCで分析したところ、純度99.3%の3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミドであった。
〔精製処理2で得られたN,N−ジメチルアクリルアミドを使用した3−ブトキシ−N,N―ジメチルプロピオンアミドの製造(実施例21)〕
攪拌装置、熱電対及び窒素ガス導入間を備えた100mL三口フラスコに精製処理2で得られたN,N−ジメチルアクリルアミド30.00g(0.300モル)、ブタノール33.34g(0.450モル)を入れた。これに、窒素ガスを導入し、攪拌しながら、室温でナトリウムメトキシド0.162g(0.00300モル)を含むブタノール溶液3ミリリットルをゆっくりと加えた。この時、温度が上昇するため、水浴を使って30〜40℃に調節し、5時間反応させた後、酢酸で中和した。
未反応物をエバポレーターで留去した後、133Pa、78℃で留出した生成物を46.7g得た。この生成物をGCで分析したところ、純度99.5%の3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミドであった。
本発明によれば、工業的に大量生産されているαβ不飽和カルボン酸を原料として、溶剤や洗浄剤として適するアミド化合物を効率よく、大量かつ安価に製造することができる。
1:高沸点カルボン酸
2:低沸点アミン
3:生成物(カルボン酸アミド)
4:低沸点アミン+水
5:ガラスビーズ
6:ガラスビーズ
7:触媒
8:網
9:網
101:N,N二置換βアミノ酸−N’,N’二置換アミド
102:気相用重合禁止剤
103:液相用重合禁止剤
104:留出物(A)
105:留出物(B)
110:反応器
111:触媒
112:加熱ジャケット
113:温度センサー
114:冷却器
115:圧力調整機

Claims (19)

  1. 沸点が150℃以上のカルボン酸と沸点が90℃以下のアミンとを、向流接触システムを用いて反応させることを特徴とするカルボン酸アミドの製造方法。
  2. 前記カルボン酸と前記アミンとの反応における温度が120〜200℃である、請求項1に記載のカルボン酸アミドの製造方法。
  3. 前記カルボン酸と前記アミンとの反応における圧力が0.17〜0.87MPaである、請求項1又は2に記載のカルボン酸アミドの製造方法。
  4. 前記カルボン酸と前記アミンとの反応が、アルミナ、シリカアルミナ、陽イオン交換樹脂及びゼオライトから選ばれる一種又は二種以上の触媒を使用するものである、請求項1〜3のいずれかに記載のカルボン酸アミドの製造方法。
  5. 前記カルボン酸がN,N二置換βアミノ酸である、請求項1〜4のいずれかに記載のカルボン酸アミドの製造方法。
  6. 前記N,N二置換βアミノ酸が、N,N−ジメチルβアラニン、N,N−ジエチルβアラニン、2−メチル−N,N−ジメチルβアラニン、2−メチル−N,N−ジエチルβアラニン、3−メチル−N,N−ジメチルβアラニン及び3−メチル−N,N−ジエチルβアラニンから選ばれる一種又は二種以上のN,N二置換βアミノ酸である、請求項5に記載のカルボン酸アミドの製造方法。
  7. 前記アミンが2級アミンである、請求項1〜6のいずれかに記載のカルボン酸アミドの製造方法。
  8. 前記2級アミンが、ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、n−ブチルメチルアミン、s−ブチルメチルアミン、t−ブチルメチルアミン、ジプロピルアミンから選ばれる一種又は二種以上の2級アミンである、請求項7に記載のカルボン酸アミドの製造方法。
  9. 気相用重合禁止剤を添加した液相のN,N二置換βアミノ酸−N’,N’二置換アミドを、200〜300℃の温度条件下、かつ、0.15〜0.95MPaの圧力条件下で分解して、気相のαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドを生成し、該αβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドに液相用重合禁止剤を添加することを特徴とするαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドの製造方法。
  10. 前記気相用重合禁止剤が、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン亜鉛塩及びN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン鉄塩から選ばれる一種又は二種以上の重合禁止剤であり、前記液相用重合禁止剤が、ジチオカルバミンサン銅、フェノチアジン、ヒドロキノン、ベンゾキノン及びヒドロキノンモノメチルエーテルから選ばれる一種又は二種以上の重合禁止剤である請求項9に記載のαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドの製造方法。
  11. 前記気相用重合禁止剤の添加量が、N,N二置換βアミノ酸−N’,N’二置換アミドに対して0.06〜2質量%である請求項9又は10記載のαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドの製造方法。
  12. 前記液相用重合禁止剤の添加量が、αβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドに対して100〜10000質量ppmである請求項9〜11のいずれかに記載のαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドの製造方法。
  13. 前記N,N二置換βアミノ酸−N’,N’二置換アミドを分解する際に、アルミナ、シリカアルミナ、陽イオン交換樹脂及びゼオライトから選ばれる一種又は二種以上の固体酸触媒を用いる請求項9〜12のいずれかに記載のαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドの製造方法。
  14. 以下の工程I〜IIIを含むαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドの製造方法。
    工程I:2級アミンにαβ不飽和カルボン酸を添加して、これらを加圧下で反応させる工程、
    工程II:向流接触システムを用いて、工程Iの生成物と2級アミンを反応させる工程
    工程III:工程IIの生成物に重合禁止剤を添加して分解反応を行う工程
  15. 前記工程Iにおける反応条件が、αβ不飽和カルボン酸と2級アミンのモル比(2級アミン/αβ不飽和カルボン酸)が3〜10の範囲であり、反応温度が10〜60℃である、請求項14に記載のαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドの製造方法。
  16. 前記工程Iの生成物が、沸点が150℃以上のカルボン酸であり、工程IIにおいて用いられる2級アミンの沸点が110℃以下である請求項14又は15に記載のαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドの製造方法。
  17. 前記工程IIIにおける重合禁止剤として、気相用重合禁止剤及び液相用重合禁止剤を用いる、請求項14〜16のいずれかに記載のαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドの製造方法。
  18. 請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法で得られたカルボン酸アミドを原料として用いることを特徴とする3−アルコキシカルボン酸−N,N二置換アミドの製造方法。
  19. 請求項9〜17のいずれかに記載の製造方法で得られたαβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミドを原料として用いることを特徴とする3−アルコキシカルボン酸−N,N二置換アミドの製造方法。
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