[go: up one dir, main page]

JP2002003456A - ベタイン型単量体とその製造方法およびそれらの重合体 - Google Patents

ベタイン型単量体とその製造方法およびそれらの重合体

Info

Publication number
JP2002003456A
JP2002003456A JP2000191387A JP2000191387A JP2002003456A JP 2002003456 A JP2002003456 A JP 2002003456A JP 2000191387 A JP2000191387 A JP 2000191387A JP 2000191387 A JP2000191387 A JP 2000191387A JP 2002003456 A JP2002003456 A JP 2002003456A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
independently
betaine
hydrogen
mol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000191387A
Other languages
English (en)
Inventor
Junichi Josa
淳一 帖佐
Takashi Tomita
高史 冨田
Keiichiro Mizuta
圭一郎 水田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP2000191387A priority Critical patent/JP2002003456A/ja
Publication of JP2002003456A publication Critical patent/JP2002003456A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 界面活性剤、殺菌剤、帯電防止剤、柔軟仕上
げ剤、防錆剤、樹脂改質剤等として有用なベタイン型単
量体とその製造方法および該ベタイン型単量体を含む重
合体を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1): 【化1】 (ただし、式中、R1およびR2は、それぞれが独立に、
炭素数が1〜8の直鎖もしくは分岐状のアルキレン基、
または、炭素数が1〜8の直鎖もしくは分岐状のヒドロ
キシアルキレン基であるか、両方が互いに直接あるいは
O、S、およびNの中から選ばれる少なくとも1種の元
素を介して結合した環状基であり、R3は水素又はメチ
ル基又はヒドロキシメチル基である。)で示されるβ−
アラニン誘導体と、下記一般式(2): 【化2】 (ただし、式中、R4は重合性炭素−炭素2重結合を1
つ有する有機基を表し、R5は水素またはメチル基を表
す。)で表されるモノオキシラン化合物とを反応させる
ことを特徴とするベタイン型単量体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、β−アラニン誘導
体と重合性炭素−炭素2重結合を1つ有するモノオキシ
ラン化合物とを反応させることを特徴とするベタイン型
単量体の製造方法および特定の構造を有するベタイン型
単量体、さらに特定の構造を有するベタイン型単量体を
繰り返し単位として含む重合体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ベタイン化合物は、1分子内に陽イオン
部と陰イオン部とを有する化合物であり、その構造上の
特徴から、近年、両性活性剤として注目されている。こ
のような両性活性剤は、耐硬水性が極めて優れているこ
と、毒性が極めて低いこと等の各種の優れた性質を有
し、界面活性剤、殺菌剤、帯電防止剤、柔軟仕上げ剤、
防錆剤等の用途に好適に用いられている。
【0003】多くのベタイン型官能基を有する重合性単
量体が既に公知であり、幾つかの手法により合成されて
いる。例えば、特開平8−27225号公報では、3級
アミン型単量体とモノハロアルキルカルボン酸類との反
応によりカルボキシベタイン型単量体を合成する方法を
開示している。しかし、3級アミン型単量体とモノハロ
アルキルカルボン酸との反応では、腐食性および毒性の
高いハロゲン化水素が生成するため、耐腐食性のある反
応装置や除外設備が必要となる。また、3級アミン型単
量体とモノハロアルキルカルボン酸塩との反応では、無
機塩であるハロゲン化金属塩が生成するため、この無機
塩を除去する工程が必要となる。該公報により開示され
ているカルボキシベタイン型単量体を繰り返し単位とし
て含む重合体は電解質水溶液を吸収するため、電解質水
溶液吸収体として用いることができるものである。しか
し、このようなカルボキシベタイン型単量体を繰り返し
単位として含む重合体も、吸水性以外の各種の性質を付
与したり、また、それによって用途を広めたりするため
に、更に類縁化合物について研究する余地があった。ま
た、特公昭55−33783号公報では、3級アミン型
単量体とプロピオラクトン等の環状エステルとの反応に
よりカルボキシベタイン型単量体を合成する方法を開示
している。3級アミン型単量体とプロピオラクトン等の
環状エステルとの反応の場合、本発明のカルボキシベタ
イン型単量体と類似のカルボキシベタイン型単量体を合
成するためには、環状エステルとしてβ−プロピオラク
トンを使用する必要があるが、β−プロピオラクトンは
工業製品ではなく高価であるため工業的な使用に対する
有用性はない。該公報により開示されているカルボキシ
ベタイン型単量体を繰り返し単位として含む重合体は耐
水性や耐薬品性を有する熱硬化性樹脂となるため、塗料
等に用いることができるものである。しかし、このよう
なカルボキシベタイン型単量体を繰り返し単位として含
む重合体も、耐水性や耐薬品性以外の各種の性質を付与
したり、また、それによって用途を広めたりするため
に、更に類縁化合物について研究する余地があった。
【0004】アミノ酸類とモノオキシラン化合物との反
応は既に公知である。例えば、千葉大学工学部研究報
告、1974年、第26巻、第49号、117−123
頁では、グリシジルメタクリレートとメチルメタクリレ
ートとの共重合体と、グリシン、N−メチルグリシン、
N−フェニルグリシン、アラニンおよびN−アセチルグ
リシンといったアミノ酸との反応物が記載されており、
また、米国特許第3200142号では、N−フェニル
グリシンナトリウム塩とグリシジルメタクリレートまた
はグリシジルアクリレートとの反応物が記載されている
が、得られた化合物はいずれもベタインではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑みてなされたものであり、生分解性に優れ、界面活性
剤、殺菌剤、帯電防止剤、柔軟仕上げ剤、防錆剤、樹脂
改質剤、中間体原料等に有用な新規ベタイン型単量体の
製造方法および特定の構造を有するベタイン型単量体、
さらに、特定の構造を有するベタイン型単量体を繰り返
し単位として含む重合体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式
(1):
【0007】
【化9】
【0008】(ただし、式中、R1およびR2は、それぞ
れが独立に、炭素数が1〜8の直鎖もしくは分岐状のア
ルキル基、または、炭素数が1〜8の直鎖もしくは分岐
状のヒドロキシアルキル基であるか、あるいは、両方が
互いに直接あるいはO、S、およびNの中から選ばれる
少なくとも1種の元素を介して結合した環状基であり、
3は水素又はメチル基又はヒドロキシメチル基であ
る。)で示されるβ−アラニン誘導体と、下記一般式
(2):
【0009】
【化10】
【0010】(ただし、式中、R4は重合性炭素−炭素
2重結合を1つ有する有機基を表し、R5は水素または
メチル基を表す。)で表されるモノオキシラン化合物と
を反応させることを特徴とするベタイン型単量体の製造
方法に関するものである。
【0011】本発明はまた、モノオキシラン化合物が、
下記一般式(3)
【0012】
【化11】
【0013】(ただし、式中、R5は上記と同じ。R6
水素またはメチル基であり、Aはエステル基、アミド
基、エーテル基、スルフィド基、置換もしくは無置換の
フェニレン基、および直接結合の中から選択されるいず
れか1つを表し、mおよびnはそれぞれ独立に0〜5の
整数である。)で表される、末端に重合性炭素−炭素2
重結合を1つ有するモノオキシラン化合物であることを
特徴とするベタイン型単量体の製造方法でもある。
【0014】本発明はまた、下記一般式(4):
【0015】
【化12】
【0016】(ただし、式中、R1、R2、R3、R5、R
6、m及びnは上記と同じ。Bはエーテル基、スルフィ
ド基、および直接結合の中から選択されるいずれか1つ
を表す。)で表されるベタイン型単量体でもある。
【0017】本発明はまた、下記一般式(5):
【0018】
【化13】
【0019】(ただし、式中、R7、R8、R3、R5、R
6、m及びnは上記と同じ。Dはエステル基、アミド
基、および置換もしくは無置換のフェニレン基の中から
選択されるいずれか1つを表す。)で表されるベタイン
型単量体でもある。本発明はまた、下記一般式(6):
【0020】
【化14】
【0021】(ただし、式中、R1 2、R3、R5
6、A、m及びnは上記と同じ。)で表される繰り返
し単位(X)を1〜100モル%、その他のビニル系単
量体由来の繰り返し単位(V)を0〜99モル%(ただ
し、(X)成分と(V)成分の和は100モル%であ
る。)含み、架橋性単量体由来の繰り返し単位を含まな
い重合体でもある。
【0022】本発明はまた、下記一般式(7):
【0023】
【化15】
【0024】(ただし、式中、R1 2、R3、R5
6、B、m及びnは上記と同じ。)で表される繰り返
し単位(Y)を1〜100モル%、その他のビニル系単
量体由来の繰り返し単位(V)を0〜99モル%(ただ
し、(Y)成分と(V)成分の和は100モル%であ
る。)含む重合体でもある。
【0025】本発明は更に、下記一般式(8):
【0026】
【化16】
【0027】(ただし、式中、R7、R8、R3、R5、R
6、D、m及びnは上記と同じ。)で表される繰り返し
単位(Z)を1〜100モル%、その他のビニル系単量
体由来の繰り返し単位(V)を0〜99モル%(ただ
し、(Z)成分と(V)成分の和は100モル%であ
る。)含む重合体でもある。
【0028】以下に、本発明を詳述する。本発明のベタ
イン型単量体を製造する方法は、上記一般式(1)で表
されるβ−アラニン誘導体と上記一般式(2)で表され
るモノオキシラン化合物とを反応させることによって達
成される。本明細書中において、上記工程をモノオキシ
ラン化合物付加工程と称する。
【0029】上記モノオキシラン化合物付加工程におい
て用いる一般式(1)で表されるβ−アラニン誘導体と
しては特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸、
2−ヒドロキシメチルアクリル酸等のアクリル酸類に2
級アミンを付加させることにより簡便に合成されるもの
を用いることができる。本発明のベタイン型単量体を製
造する方法においては、このような一般式(1)で表さ
れるβ−アラニン誘導体を合成する工程を含んでも良
い。本明細書中において、上記工程をβ−アラニン誘導
体合成工程と称する。
【0030】上記2級アミンとしては特に限定されず、
例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プ
ロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチル
アミン、ジイソブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミ
ン、メチルエチルアミン、ジヘキシルアミン、ジオクチ
ルアミン、エチレンイミン、ピロリジン、ピペリジン、
ヘキサメチレンイミン、モルホリン、ピペラジン、N−
メチルピペラジン、ジエタノールアミン、N−(2−ヒ
ドロキシエチル)プロピルアミン等の直鎖状、分岐状又
は環状の2級アルキルアミン等が挙げられる。これらは
単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
【0031】上記β−アラニン誘導体合成工程におい
て、アクリル酸類と2級アミンとの混合方法は特に限定
されず、例えば、混合により発生する発熱を抑制し、ま
た、温度制御を容易にするためにも、いずれか一方を反
応容器中に仕込んでおき、他方を連続添加又は逐次添加
することが好ましい。つまり、アクリル酸類を反応容器
中に仕込んで、2級アミンを連続添加又は逐次添加して
もよく、2級アミンを反応容器中に仕込んでおき、アク
リル酸類を連続添加又は逐次添加してもよい。
【0032】上記β−アラニン誘導体合成工程において
は、無溶媒で反応を行なうこともできるが、必要に応じ
て溶媒を用いてもよい。また、特に触媒を必要としない
が、反応促進や副反応を抑制することを目的として触媒
を用いてもよい。
【0033】上記溶媒としては、原料となる酸やアミン
等と反応せず、かつ、反応を阻害しないものであれば特
に限定されず、例えば、ヘキサン、オクタン等の脂肪族
炭化水素類;シクロヘキサン等の脂環式飽和炭化水素
類;シクロヘキセン等の脂環式不飽和炭化水素類;ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;アセ
トン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、
酢酸エチル等のエステル類;ジクロロメタン、クロロホ
ルム等のハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジ
オキサン等のエーテル類;メタノール、エタノール等の
アルコール類や水;ジメチルホルムアミド等のアミド
類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;アセト
ニトリル等のニトリル類等が挙げられる。これらは単独
で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
【0034】上記触媒としては特に限定されず、例え
ば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシ
ウム、ナトリウムメチラート、リチウムメチラート、ナ
トリウムエチラート、3級アミン化合物、4級アンモニ
ウム化合物等の塩基性触媒等が挙げられる。これらは単
独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
【0035】上記β−アラニン誘導体合成工程におい
て、アクリル酸類の重合を防止するために重合禁止剤を
用いてもよい。使用する重合禁止剤としては特に限定さ
れず、例えば、ハイドロキノン、メトキシハイドロキノ
ン、ベンゾキノン等のフェノール系重合禁止剤、ジラウ
リル−3,3‘−チオジプロピオネート、2−メルカプ
トベンゾイミダゾール、フェノチアジン等の硫黄系重合
禁止剤、トリス(イソデシル)フォスファイト、ジフェ
ニルイソデシルフォスファイト等のリン系重合禁止剤等
が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上
を併用してもよい。
【0036】上記β−アラニン誘導体合成工程における
反応温度としては特に限定されず、例えば、原料となる
酸やアミン等の沸点以下の温度範囲とすることが好まし
い。より好ましくは、反応温度の制御の容易さという点
から、0〜250℃である。更に好ましくは、過剰な加
熱による副反応を抑制し、高選択率でβ−アラニン誘導
体を得ることができることから、20〜150℃であ
る。また、反応圧力としては特に限定されず、例えば、
10atm以下で行なうことが好ましい。
【0037】本発明のベタイン型単量体の製造方法は、
上述したモノオキシラン化合物付加工程を含むことによ
り、下記一般式(9):
【0038】
【化17】
【0039】(ただし、式中、R1およびR2は、それぞ
れが独立に、炭素数が1〜8の直鎖もしくは分岐状のア
ルキル基、または、炭素数が1〜8の直鎖もしくは分岐
状のヒドロキシアルキル基であるか、あるいは、両方が
互いに直接あるいはO、S、およびNの中から選ばれる
少なくとも1種の元素を介して結合した環状基であり、
3は水素又はメチル基又はヒドロキシメチル基であ
り、R4は重合性炭素−炭素2重結合を1つ有する有機
基を表し、R5は水素又はメチル基を表す。)で表され
るベタイン型単量体を効率よく高収率で製造することが
できるものである。
【0040】上記モノオキシラン化合物付加工程におい
て用いる、一般式(2)で表されるモノオキシラン化合
物は特に限定されず、重合性炭素−炭素2重結合を1つ
有するモノオキシラン化合物であればよい。
【0041】一般式(2)中、R4における重合性炭素
−炭素2重結合を1つ有する有機基としては特に限定さ
れないが、炭素数が2〜10の直鎖もしくは分岐状のア
ルキル基、エーテル結合及び/又はスルフィド結合を有
する炭素数が2〜10の直鎖もしくは分岐状のアルキル
基、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する炭化水素
基、(メタ)アクリルアミド基を有する炭化水素基等が
挙げられる。具体的には、例えば、ビニル基、アリル
基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、2−ブテニ
ル基、3−ブテニル基、メタリル基、(メタ)アクリロ
イルオキシメチル基、(メタ)アクリルアミドメチル
基、ビニルフェニル基、アリルオキシメチル基、2−ブ
テニルオキシメチル基、ビニルオキシメチル基、1−メ
チルアリルオキシメチル基等が挙げられる。
【0042】上記モノオキシラン化合物付加工程におい
て、良好な重合性を有するベタイン型単量体を得るため
には、一般式(2)で表されるモノオキシラン化合物
が、一般式(3)で表される末端に炭素−炭素2重結合
を1つ有するモノオキシラン化合物であることが好まし
い。一般式(3)で表される末端に炭素−炭素2重結合
を1つ有するモノオキシラン化合物は特に限定されず、
例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、N−グリシ
ジル(メタ)アクリルアミド、アリルグリシジルエーテ
ル、メタリルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエ
ーテル、エポキシブテン、1−エポキシ−4−ペンテ
ン、イソプレンエポキシド、ジビニルベンゼンモノオキ
シド、グリシジルビニルスルフィド等を挙げることがで
きる。これらの中でも、工業的に有用性の高い末端に炭
素−炭素2重結合を1つ有するモノオキシラン化合物と
しては、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジル
エーテル、エポキシブテン等が挙げられる。これらは単
独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0043】上記モノオキシラン化合物付加工程におい
て、β−アラニン誘導体とモノオキシラン化合物との混
合方法としては特に限定されず、例えば、モノオキシラ
ン化合物の反応性等を考慮して、β−アラニン誘導体と
モノオキシラン化合物との混合方法を決定することが好
ましい。通常、反応容器中にβ−アラニン誘導体を仕込
み、モノオキシラン化合物を連続添加又は逐次添加する
ことが好ましいが、反応条件によってはβ−アラニン誘
導体とモノオキシラン化合物とを一括混合することもで
きる。
【0044】上記モノオキシラン化合物付加工程におい
ては、モノオキシラン化合物が爆発性を有することか
ら、不活性ガス雰囲気下で反応を行なうことが好まし
い。上記不活性ガスとしては特に限定されず、例えば、
窒素、ヘリウム、ネオン等が挙げられ、通常、窒素ガス
が用いられる。
【0045】上記モノオキシラン化合物付加工程におい
ては、加圧条件下で反応を行なう場合、モノオキシラン
化合物の爆発範囲を避けるために、反応容器を予め上記
不活性ガスにより加圧状態にしておくことが好ましい。
上記不活性ガスによる加圧状態は、使用するモノオキシ
ラン化合物の反応性と反応温度、及び、使用する反応容
器の耐圧性を考慮して決定することが好ましい。また、
反応圧力としては特に限定されず、例えば、10atm
以下で行なうことが好ましい。
【0046】上記モノオキシラン化合物付加工程におい
ては、無溶媒でも行なうことができるが、必要に応じて
溶媒を用いてもよい。また、特に触媒を必要としない
が、反応促進や副反応を抑制することを目的として触媒
を用いてもよい。
【0047】上記溶媒としては、反応を阻害しないもの
であれば特に限定されず、例えば、上述した溶媒と同様
のもの等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、
2種以上を併用しても良い。
【0048】上記触媒としては特に限定されず、例え
ば、上述した塩基性触媒;塩酸、硫酸、燐酸、硝酸、メ
タンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ゼオライト
等の酸触媒等が挙げられる。これらは単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。
【0049】上記モノオキシラン化合物付加工程におい
ては、使用するモノオキシラン化合物の重合性を考慮し
て重合禁止剤を用いてもよい。使用する重合禁止剤とし
ては特に限定されず、例えば、上述した重合禁止剤と同
様のもの等が挙げられる。これらは単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。
【0050】上記モノオキシラン化合物付加工程におけ
る反応温度としては特に限定されず、例えば、反応温度
の制御の容易さという点から、0〜200℃であること
が好ましい。より好ましくは、副反応の抑制という点か
ら、20〜150℃である。
【0051】本発明のベタイン型単量体は、上記一般式
(4)で表される。
【0052】上記一般式(4)中、R1及びR2における
炭素数が1〜8の直鎖もしくは分岐状のアルキル基とし
ては特に限定されず、例えば、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、
ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル
基が挙げられ、炭素数が1〜8の直鎖もしくは分岐状の
ヒドロキシアルキル基としては特に限定されず、例え
ば、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル
基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシブチレ
ン基が挙げられ、両方が互いに直接あるいはO、S及び
Nからなる群より選択される少なくとも1種の元素を介
することにより互いに結合する場合の基としては特に限
定されず、例えば、テトラメチレン基、ペンタメチレン
基、ヘキサメチレン基、エチレンオキシエチレン基、エ
チレンイミノエチレン基等が挙げられる。
【0053】本発明のベタイン型単量体は、上記一般式
(5)で表される。上記一般式(5)中、R7及びR8
おける炭素数が3〜8の直鎖もしくは分岐状のアルキル
基としては特に限定されず、例えば、プロピル基、イソ
プロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘ
キシル基、シクロヘキシル基、オクチル基が挙げられ、
炭素数が1〜8の直鎖もしくは分岐状のヒドロキシアル
キル基としては特に限定されず、例えば、2−ヒドロキ
シエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキ
シプロピル基、3−ヒドロキシブチレン基が挙げられ、
両方が互いに直接あるいはO、S及びNからなる群より
選択される少なくとも1種の元素を介することにより互
いに結合する場合の基としては特に限定されず、例え
ば、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチ
レン基、エチレンオキシエチレン基、エチレンイミノエ
チレン基等が挙げられる。
【0054】本発明の一般式(4)および一般式(5)
で表されるベタイン型単量体は、1分子内に陽イオン部
であるN+と陰イオン部であるCOO-とを有し、N+
は特定のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基等が
結合し、また、水酸基を有した特定の構造を持つベタイ
ン型単量体であり、生分解性に優れ、界面活性剤、殺菌
剤、帯電防止剤、柔軟仕上げ剤、防錆剤、樹脂改質剤等
の中間体原料として有用である。
【0055】本発明の重合体は、上記一般式(6)で表
される繰り返し単位(X)を1〜100モル%、その他
のビニル系単量体由来の繰り返し単位(V)を0〜99
モル%(ただし、(X)成分と(V)成分の和は100
モル%である。)含み、かつ、架橋性単量体由来の繰り
返し単位を含まない重合体である。好ましくは、繰り返
し単位(X)を5〜95モル%と繰り返し単位(V)を
5〜95モル%とからなる重合体であり、更に好ましく
は、繰り返し単位(X)を10〜90モル%と繰り返し
単位(V)を10〜90モル%とからなる重合体であ
る。上記一般式(6)中、R1、R2、R3、R5、R6
m、n、Aは上記と同じである。本発明の重合体は、上
記一般式(7)で表される繰り返し単位(Y)を1〜1
00モル%、その他のビニル系単量体由来の繰り返し単
位(V)を0〜99モル%(ただし、(Y)成分と
(V)成分の和は100モル%である。)含む重合体で
ある。好ましくは、繰り返し単位(Y)を5〜95モル
%と繰り返し単位(V)を5〜95モル%とからなる重
合体であり、更に好ましくは、繰り返し単位(Y)を1
0〜90モル%と繰り返し単位(V)を10〜90モル
%とからなる重合体である。上記一般式(7)中、
1、R2、R3、R5、R6、m、n、Bは上記と同じで
ある。
【0056】本発明の重合体は、上記一般式(8)で表
される繰り返し単位(Z)を1〜100モル%、その他
のビニル系単量体単位由来の繰り返し(V)を0〜99
モル%(ただし、(Z)成分と(V)成分の和は100
モル%である。)含む重合体である。好ましくは、繰り
返し単位(Z)を5〜95モル%と繰り返し単位(V)
を5〜95モル%とからなる重合体であり、更に好まし
くは、繰り返し単位(Z)を10〜90モル%と繰り返
し単位(V)を10〜90モル%とからなる重合体であ
る。上記一般式(8)中、R7、R8、R3、R5、R6
m、n、Dは上記と同じである。
【0057】本発明において用いられるビニル系単量体
由来の繰り返し単位(V)を得るためのビニル系単量体
としては、ビニル系単量体単位当たり重合性を有する炭
素−炭素2重結合を1つ有する単量体で、かつ、本発明
のベタイン型単量体と共重合可能な単量体であればよく
特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸、
(メタ)アクリル酸ナトリウム等の(メタ)アクリル酸
塩、(メタ)アクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸
エステル、(メタ)アクリルアミド及びその誘導体、ス
チレン及びその誘導体、酢酸ビニル等のビニルエステル
類、マレイン酸及びそのエステル類、(メタ)アクリロ
ニトリル、ビニルメチルエーテル等のビニルエーテル
類、ビニルメチルケトン等のビニルケトン類、N−ビニ
ルピロリドン等のN−ビニルラクタム類、N−ビニルオ
キサゾリドン、2−ビニルオキサゾリン等のビニルオキ
サゾリン類、ビニルエチレンカーボネート等のビニルカ
ーボネート類、2−ビニルピリジン等のビニルピリジン
類、アリルフェニルエーテル等のアリルエーテル類、ビ
ニルエチルスルフィド等のビニルスルフィド類等が挙げ
られる。上記ビニル系単量体は、所望する重合体の性質
に応じて適宜選択され、1種のみを用いてもよく、2種
以上を併用してもよい。また、単位(X)と単位(V)
とのモル比、単位(Y)と単位(V)とのモル比、単位
(Z)と単位(V)とのモル比は、それぞれ所望する重
合体の性質に応じて、上記のモル比の範囲内から適宜選
択される。
【0058】本発明の重合体の分子量は特に限定される
ものではなく、通常、数平均分子量で500〜1000
000である。重合開始剤の使用量や使用する溶剤中の
単量体濃度や連鎖移動剤の使用等によって分子量の調節
が可能である。
【0059】本発明における重合体はベタイン型単量体
とその他のビニル系単量体との(共)重合により得られ
るが、その(共)重合様式は特に限定されるものではな
く、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合等の常
法を適宜使用することができる。
【0060】ラジカル重合に用いる重合開始剤として
は、例えば、アゾビス(イソブチロニトリル)等のアゾ
系開始剤、ベンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化
物、過硫酸カリウム等の無機過酸化物等が挙げられ、カ
チオン重合に用いる重合開始剤としては、例えば、過塩
素酸やトリクロロ酢酸等の酸、トリフルオロボランエー
テラート等のフリーデル−クラフツ触媒等が挙げられ、
アニオン重合に用いる重合開始剤としては、例えば、ナ
トリウムメチラート等の塩基等が挙げられる。これら重
合開始剤の使用量も特に限定されるものではないが、全
単量体に対して0.1〜10重量%が好ましい。
【0061】また、(共)重合を行なう際に使用する溶
媒は、単量体等と反応せず、かつ、(共)重合を阻害し
ないものであれば特に限定されず、例えば、ヘキサン、
オクタン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン等の脂
環式飽和炭化水素類;シクロヘキセン等の脂環式不飽和
炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン
類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;ジクロロ
メタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類;ジエ
チルエーテルジオキサン等のエーテル類;メタノール、
エタノール等のアルコール類や水;ジメチルホルムアミ
ド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシ
ド類;アセトニトリル等のニトリル類等が挙げられる。
これらは単独で用いても良く、2種以上を併用しても良
い。
【0062】また、(共)重合の温度は特に限定され
ず、(共)重合様式に応じて適宜選択すればよいが、通
常、−50〜200℃の範囲である。
【0063】本発明は重合体に対する高分子反応によっ
てベタイン型官能基を該重合体中に導入した重合体も含
む。すなわち、重合体中の側鎖にオキシラン環を有する
重合体とβ−アラニン誘導体との高分子反応によって
も、ベタイン型官能基が導入された重合体を得ることが
できる。
【0064】本発明の上記一般式(6)を繰り返し単位
として含み、かつ、架橋性単量体を含まない重合体、及
び、上記一般式(7)を繰り返し単位として含む重合
体、及び、上記一般式(8)を繰り返し単位として含む
重合体は、繰り返し単位中に陽イオン部であるN+と陰
イオン部であるCOO-とを有し、N+には特定のアルキ
ル基もしくはヒドロキシアルキル基等が結合し、また、
水酸基を有した特定のベタイン構造を持つ重合体であ
り、生分解性に優れ、界面活性剤、殺菌剤、帯電防止
剤、柔軟仕上げ剤、防錆剤、樹脂改質剤等として有用で
ある。
【0065】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0066】<参考例1> N,N−ジエチル−β−ア
ラニンの合成 攪拌機、冷却管、温度計および滴下ロートを備えた10
0mlの4つ口フラスコに、ジエチルアミン50g
(0.6837モル)を仕込み、氷水浴で系内の温度を
30℃以下に攪拌しながら維持しつつ、アクリル酸4
9.3g(0.6840モル)とフェノチアジン0.0
5gとの混合物を30分間かけて滴下した。滴下終了
後、80℃の油浴で加熱して4時間反応させた。反応終
了後、ガスクロマトグラフィーによりアクリル酸および
ジエチルアミンを定量したところ、アクリル酸の転化率
は95%、ジエチルアミンの転化率は95%であり、
N,N−ジエチル−β−アラニン94.3g(収率95
%)を得た。
【0067】<参考例2> N,N−ジ−n−ブチル−
β−アラニンの合成 攪拌機、冷却管、温度計および滴下ロートを備えた30
0mlの4つ口フラスコに、ジ−n−ブチルアミン10
0g(0.7738モル)を仕込み、氷水浴で系内の温
度を30℃以下に攪拌しながら維持しつつ、アクリル酸
55.7g(0.7730モル)とフェノチアジン0.
06gとの混合物を30分間かけて滴下した。滴下終了
後、80℃の油浴で加熱して4時間反応させた。反応終
了後、ガスクロマトグラフィーによりアクリル酸および
ジ−n−ブチルアミンを定量したところ、アクリル酸の
転化率は98%、ジ−n−ブチルアミンの転化率は98
%であり、N,N−ジ−n−ブチル−β−アラニン15
2.5g(収率98%)を得た。
【0068】<実施例1> 3−(N,N−ジエチル−
N−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシ)プ
ロピル)アンモニオプロパノエートの合成(ベタイン型
単量体1) 攪拌機、冷却管及び温度計を備えた200mlの4ツ口
フラスコに、<参考例1>で得たN,N−ジエチル−β
−アラニン30g(0.2066モル)、重合性炭素−
炭素2重結合を1つ有するモノオキシラン化合物として
グリシジルメタクリレート29.44g(0.2071
モル)、重合禁止剤としてフェノチアジン0.03g及
び溶媒としてトルエン30gを仕込み、室温において4
ツ口フラスコ内を窒素ガスにより10分間置換した。そ
の後、80℃の油浴で加熱しつつ、攪拌しながら6時間
反応させた。得られた反応液を室温まで冷却した後、反
応液を500mlのナスフラスコに移し、トルエンをロ
ータリーエバポレーターで留去することにより、本発明
のベタイン型単量体1である、3−(N,N―ジエチル
−N−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシ)
プロピル)アンモニオプロパノエート約57.6g(収
率:96.9%)を得た。
【0069】得られたベタイン型単量体1の1H−核磁
気共鳴スペクトルを図1に、赤外線吸収スペクトルを図
2に示す。
【0070】図1をみると、5.2−5.4ppmにグ
リシジルメタクリレートのグリシジル基のメチン基に由
来するピークが観測され、該ピークは未反応の場合に観
測されるグリシジルメタクリレートのグリシジル基のメ
チン基のピーク(3.2−3.3ppm)よりも約2.
0ppm低磁場側にシフトしていた。また、2.8pp
mにN,N−ジエチル−β−アラニンのメチレン基(カ
ルボキシル基に対してβ位のメチレン基)由来のピーク
が観測され、該ピークは未反応の場合に観測されるN,
N−ジエチル−β−アラニンのメチレン基(カルボキシ
ル基に対してβ位のメチレン基)のピーク(3.0pp
m)よりも0.2ppm高磁場側にシフトしていた。図
2を見ると、810cm-1付近、945cm-1付近、1
170cm-1付近に新しく生成した−CH2−NH−、
−CH2−OH由来の吸収が見られ、3400〜350
0cm-1にはOH基の伸縮振動吸収が見られ、また、1
450cm-1付近には(COO)-の伸縮振動吸収が見
られる。
【0071】これらのことから、下記式(10)で表わ
されるベタイン型単量体1が得られている事が確認でき
た。
【0072】
【化18】
【0073】<実施例2> 3−(N,N−ジ−n−ブ
チル−N−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキ
シ)プロピル)アンモニオプロパノエートの合成(ベタ
イン型単量体2) 攪拌機、冷却管及び温度計を備えた200mlの4ツ口
フラスコに、<参考例2>で得たN,N−ジ−n−ブチ
ル−β−アラニン30g(0.1490モル)、重合性
炭素−炭素2重結合を1つ有するモノオキシラン化合物
としてグリシジルメタクリレート21.2g(0.14
91モル)、重合禁止剤としてフェノチアジン0.03
g及び溶媒としてトルエン30gを仕込み、室温におい
て4ツ口フラスコ内を窒素ガスにより10分間置換し
た。その後、80℃の油浴で加熱しつつ、攪拌しながら
6時間反応させた。得られた反応液を室温まで冷却した
後、反応液を500mlのナスフラスコに移し、トルエ
ンをロータリーエバポレーターで留去することにより、
本発明のベタイン型単量体2である、3−(N,N―ジ
−n−ブチル−N−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロ
イルオキシ)プロピル)アンモニオプロパノエート約4
9g(収率:95.7%)を得た。
【0074】得られたベタイン型単量体2の1H−核磁
気共鳴スペクトルを図3に、赤外線吸収スペクトルを図
4に示す。
【0075】図3をみると、5.1−5.3ppmにグ
リシジルメタクリレートのグリシジル基のメチン基に由
来するピークが観測され、該ピークは未反応の場合に観
測されるグリシジルメタクリレートのグリシジル基のメ
チン基のピーク(3.2−3.3ppm)よりも約2.
0ppm低磁場側にシフトしていた。また、2.8pp
mにN,N−ジ−n−ブチル−β−アラニンのメチレン
基(カルボキシル基に対してβ位のメチレン基)由来の
ピークが観測され、該ピークは未反応の場合に観測され
るN,N−ジ−n−ブチル−β−アラニンのメチレン基
(カルボキシル基に対してβ位のメチレン基)のピーク
(3.1ppm)よりも0.3ppm高磁場側にシフト
していた。図4を見ると、810cm-1付近、940c
-1付近、1170cm-1付近に新しく生成した−CH
2−NH−、−CH2−OH由来の吸収が見られ、340
0〜3500cm-1にはOH基の伸縮振動吸収が見ら
れ、また、1450cm-1付近には (COO)-の伸
縮振動吸収が見られる。
【0076】これらのことから、下記式(11)で表わ
されるベタイン型単量体2が得られている事が確認でき
た。
【0077】
【化19】
【0078】<実施例3> 3−(N,N−ジ−n−ブ
チル−N−(2−ヒドロキシ−3−アリルオキシ)プロ
ピル)アンモニオプロパノエートの合成(ベタイン型単
量体3) 攪拌機、冷却管及び温度計を備えた100mlの4ツ口
フラスコに、<参考例2>で得たN,N−ジ−n−ブチ
ル−β−アラニン30g(0.1490モル)、重合性
炭素−炭素2重結合を1つ有するモノオキシラン化合物
としてアリルグリシジルエーテル17.0g(0.14
90モル)、重合禁止剤としてフェノチアジン0.02
g及び溶媒としてトルエン30gを仕込み、室温におい
て4ツ口フラスコ内を窒素ガスにより10分間置換し
た。その後、100℃の油浴で加熱しつつ、攪拌しなが
ら6時間反応させた。得られた反応液を室温まで冷却し
た後、反応液を300mlのナスフラスコに移し、トル
エンをロータリーエバポレーターで留去することによ
り、本発明のベタイン型単量体3である、3−(N,N
―ジ−n−ブチル−N−(2−ヒドロキシ−3−アリル
オキシ)プロピル)アンモニオプロパノエート約46g
(収率:97.9%)を得た。
【0079】得られたベタイン型単量体3の1H−核磁
気共鳴スペクトルを図5に、赤外線吸収スペクトルを図
6に示す。
【0080】図5をみると、3.7−3.9ppmにア
リルグリシジルエーテルのグリシジル基のメチン基に由
来するピークが観測され、該ピークは未反応の場合に観
測されるアリルグリシジルエーテルのグリシジル基のメ
チン基のピーク(3.2ppm)よりも約0.5−0.
7ppm低磁場側にシフトしていた。また、2.8pp
mにN,N−ジ−n−ブチル−β−アラニンのメチレン
基(カルボキシル基に対してβ位のメチレン基)由来の
ピークが観測され、該ピークは未反応の場合に観測され
るN,N−ジ−n−ブチル−β−アラニンのメチレン基
(カルボキシル基に対してβ位のメチレン基)のピーク
(3.1ppm)よりも0.3ppm高磁場側にシフト
していた。図6を見ると、800cm-1付近、930c
-1付近、1100cm-1付近、1200cm-1付近に
新しく生成した−CH2−NH−、−CH2−OH由来の
吸収が見られ、3400〜3500cm-1にはOH基の
伸縮振動吸収が見られ、また、1450cm-1付近には
(COO)-の伸縮振動吸収が見られる。
【0081】これらのことから、下記式(12)で表わ
されるベタイン型単量体3が得られている事が確認でき
た。
【0082】
【化20】
【0083】<実施例4> 3−(N,N−ジ−n−ブ
チル−N−(2−ヒドロキシ)−3−ブテニル)アンモ
ニオプロパノエートの合成(ベタイン型単量体4) 攪拌機、冷却管及び温度計を備えた100mlの4ツ口
フラスコに、<参考例2>で得たN,N−ジ−n−ブチ
ル−β−アラニン30g(0.1490モル)、重合性
炭素−炭素2重結合を1つ有するモノオキシラン化合物
として1−エポキシ−3−ブテン10.45g(0.1
491モル)、重合禁止剤としてフェノチアジン0.0
1g及び溶媒としてトルエン30gを仕込み、室温にお
いて4ツ口フラスコ内を窒素ガスにより10分間置換し
た。その後、100℃の油浴で加熱しつつ、攪拌しなが
ら6時間反応させた。得られた反応液を室温まで冷却し
た後、反応液を300mlのナスフラスコに移し、トル
エンをロータリーエバポレーターで留去することによ
り、本発明のベタイン型単量体4である、3−(N,N
―ジ−n−ブチル−N−(2−ヒドロキシ)−3−ブテ
ニル約39.2g(収率:96.9%)を得た。
【0084】得られたベタイン型単量体4の1H−核磁
気共鳴スペクトルを図7に、赤外線吸収スペクトルを図
8に示す。
【0085】図7をみると、4.0−4.2ppmに1
−エポキシ−3−ブテンのエポキシ基のメチン基に由来
するピークが観測され、該ピークは未反応の場合に観測
される1−エポキシ−3−ブテンのエポキシ基のメチン
基のピーク(3.3−3.4ppm)よりも約0.7p
pm低磁場側にシフトしていた。また、2.8ppmに
N,N−ジ−n−ブチル−β−アラニンのメチレン基
(カルボキシル基に対してβ位のメチレン基)由来のピ
ークが観測され、該ピークは未反応の場合に観測される
N,N−ジ−n−ブチル−β−アラニンのメチレン基
(カルボキシル基に対してβ位のメチレン基)のピーク
(3.1ppm)よりも0.3ppm高磁場側にシフト
していた。図8を見ると、810cm-1付近、930c
-1付近、1080cm-1付近、1200cm-1付近に
新しく生成した−CH2−NH−、−CH2−OH由来の
吸収が見られ、3400〜3500cm-1にはOH基の
伸縮振動吸収が見られ、1450cm-1付近には(CO
O)-の伸縮振動吸収が見られる。
【0086】これらのことから、下記式(13)で表わ
されるベタイン型単量体4が得られている事が確認でき
た。
【0087】
【化21】
【0088】<実施例5> 3−(N,N−ジエチル
−N−(2−ヒドロキシ−3−アリルオキシ)プロピ
ル)アンモニオプロパノエートの合成(ベタイン型単量
体5) 攪拌機、冷却管及び温度計を備えた100mlの4ツ口
フラスコに、<参考例1>で得たN,N−ジエチル−β
−アラニン30g(0.2066モル)、重合性炭素−
炭素2重結合を1つ有するモノオキシラン化合物として
アリルグリシジルエーテル23.58g(0.2066
モル)、重合禁止剤としてフェノチアジン0.02g及
び溶媒としてトルエン30gを仕込み、室温において4
ツ口フラスコ内を窒素ガスにより10分間置換した。そ
の後、100℃の油浴で加熱しつつ、攪拌しながら6時
間反応させた。得られた反応液を室温まで冷却した後、
反応液を300mlのナスフラスコに移し、トルエンを
ロータリーエバポレーターで留去することにより、本発
明のベタイン型単量体5である、3−(N,N―ジエチ
ル−N−(2−ヒドロキシ−3−アリルオキシ)プロピ
ル)アンモニオプロパノエート約51.4g(収率:9
5.9%)を得た。
【0089】得られたベタイン型単量体5の1H−核磁
気共鳴スペクトルを図9に、赤外線吸収スペクトルを図
10に示す。
【0090】図9をみると、3.7−3.9ppmにア
リルグリシジルエーテルのグリシジル基のメチン基に由
来するピークが観測され、該ピークは未反応の場合に観
測されるアリルグリシジルエーテルのグリシジル基のメ
チン基のピーク(3.2ppm)よりも約0.5−0.
7ppm低磁場側にシフトしていた。また、2.8pp
mにN,N−ジエチル−β−アラニンのメチレン基(カ
ルボキシル基に対してβ位のメチレン基)由来のピーク
が観測され、該ピークは未反応の場合に観測されるN,
N−ジエチル−β−アラニンのメチレン基(カルボキシ
ル基に対してβ位のメチレン基)のピーク(3.1pp
m)よりも0.3ppm高磁場側にシフトしていた。図
10を見ると、800cm-1付近、930cm-1付近、
1110cm-1付近、1200cm-1付近に新しく生成
した−CH2−NH−、−CH2−OH由来の吸収が見ら
れ、3400〜3500cm-1にはOH基の伸縮振動吸
収が見られ、また、1450cm-1付近には(COO)
-の伸縮振動吸収が見られる。これらのことから、下記
式(14)で表わされるベタイン型単量体3が得られて
いる事が確認できた。
【0091】
【化22】
【0092】<重合例1> 3−(N,N−ジエチル
−N−(2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシ)プロ
ピル)アンモニオプロパノエート−アクリルアミド共重
合体の合成(重合体1) 攪拌機、冷却管、温度計および滴下ロートを備えた10
0mlの4ツ口フラスコに、溶媒としてイソプロピルア
ルコール20gを仕込み、<実施例2>で得られた3−
(N,N−ジ−n−ブチル−N−(2−ヒドロキシ−3
−メタクリルオキシ)プロピル)アンモニオプロパノエ
ート(ベタイン型単量体2)15g(0.04368モ
ル)、コモノマーとしてアクリルアミド9.3g(0.
1309モル)、連鎖移動剤として3−メルカプトプロ
ピオン酸0.5g(0.00471モル)およびイソプ
ロピルアルコール15gから成るモノマー混合溶液と、
重合開始剤としてアゾ系重合開始剤である2,2‘−ア
ゾビス(イソ酪酸)ジメチル0.7g及びイソプロピル
アルコール5gから成る重合開始剤溶液を、それぞれ別
個の滴下ロートに仕込んだ。室温において、4ツ口フラ
スコ内および滴下ロート内を窒素ガスにより10分間窒
素ガス置換した。
【0093】窒素ガス置換終了後、110℃の油浴を用
いてイソプロピルアルコールが加熱還流するまで内温を
上昇させた。内温が一定になった後、モノマー混合溶液
と重合開始剤溶液を共に40分間かけて連続滴下を行な
い、滴下終了後、2時間反応を熟成させた。
【0094】反応終了後、内温を室温付近まで冷却した
ところ、淡黄色透明の反応溶液が得られた。この反応溶
液を1000mlのトルエン中に逐次添加して重合体を
析出させ、80℃で5時間減圧乾燥したところ、淡褐色
のフレーク状ポリマー21g(重合収率:84.7%)
が得られた。得られた重合体の数平均分子量は2200
(ポリスチレン換算)であった。また、得られた重合体
は水、メタノールに可溶であった。
【0095】得られた重合体中の窒素含有量が0.04
95、酸素含有量が0.0902という結果が元素分析
より得られたことから、ベタイン型単量体2とアクリル
アミドとの共重合比はおよそ、ベタイン型単量体2/ア
クリルアミド=1/3(モル比)であることが分かっ
た。
【0096】得られた重合体の赤外線吸収スペクトルを
図11に示す。図11を見ると、ベタイン型単量体2由
来の−CH2−NH−、−CH2−OHの吸収が、940
cm -1付近、1060cm-1付近、1200 cm-1
近に見られ、OH基の伸縮振動吸収が3400cm-1
近に見られ、また、1450cm-1付近に(COO) -
の伸縮振動吸収が見られることから、該重合体中にベタ
イン型単量体2が含まれていることが確認できた。
【0097】<重合例2> 3−(N,N−ジエチル
−N−(2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシ)プロ
ピル)アンモニオプロパノエート/n−ドコサニルメタ
クリレート共重合体の合成(重合体2) 攪拌機、冷却管、温度計および滴下ロートを備えた10
0mlの4ツ口フラスコに、溶媒としてトルエン30g
を仕込み、<実施例2>で得られた3−(N,N−ジ−
n−ブチル−N−(2−ヒドロキシ−3−メタクリルオ
キシ)プロピル)アンモニオプロパノエート(ベタイン
型単量体2)10g(0.02912モル)、コモノマ
ーとしてn−ドコサニルメタクリレート23g(0.0
5828モル)およびトルエン20gから成るモノマー
混合溶液と、重合開始剤としてアゾ系重合開始剤である
2,2‘−アゾビスイソブチロニトリル0.7g及びト
ルエン5gから成る重合開始剤溶液を、それぞれ別個の
滴下ロートに仕込んだ。室温において、4ツ口フラスコ
内および滴下ロート内を窒素ガスにより10分間窒素ガ
ス置換した。
【0098】窒素ガス置換終了後、80℃の油浴を用い
てフラスコ内の温度を上昇させた。内温が一定になった
後、モノマー混合溶液と重合開始剤溶液を共に1.5時
間かけて連続滴下を行ない、滴下終了後、3時間反応を
熟成させた。
【0099】反応終了後、内温を室温付近まで冷却した
ところ、淡褐色透明の反応溶液が得られた。この反応溶
液を1000mlのエタノール中に逐次添加して重合体
を析出させ、80℃で5時間減圧乾燥したところ、淡褐
色のワックス状ポリマー24.8g(重合収率:75.
2%)が得られた。得られた重合体の数平均分子量は4
500(ポリスチレン換算)であった。また、得られた
重合体はテトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルム
アミドに可溶であった。
【0100】得られた重合体中の窒素含有量が0.01
19、酸素含有量が0.1285という結果が元素分析
より得られたことから、ベタイン型単量体2とn−ドコ
サニルメタクリレートとの共重合比はおよそ、ベタイン
型単量体2/n−ドコサニルメタクリレート=1/2
(モル比)であることが分かった。
【0101】得られた重合体の赤外線吸収スペクトルを
図12に示す。図12を見ると、ベタイン型単量体2由
来の−CH2−NH−、−CH2−OHの吸収が940c
-1付近、1070cm-1付近、1170cm-1付近に
見られ、OH基の伸縮振動吸収が3400〜3500c
-1に見られ、また、1460cm-1付近に(COO)
-の伸縮振動吸収が見られることから、該重合体中にベ
タイン型単量体2が含まれていることが確認できた。
【0102】<重合例3> 3−(N,N−ジ−n−ブ
チル−N−(2−ヒドロキシ−3−アリルオキシ)プロ
ピル)アンモニオプロパノエート/アクリルアミド共重
合体の合成(重合体3) 攪拌機、冷却管、温度計および滴下ロートを備えた10
0mlの4ツ口フラスコに、溶媒としてイソプロピルア
ルコール20gを仕込み、<実施例3>で得られた3−
(N,N−ジ−n−ブチル−N−(2−ヒドロキシ−3
−アリルオキシ)プロピル)アンモニオプロパノエート
(ベタイン型単量体3)10g(0.03170モ
ル)、コモノマーとしてアクリルアミド6.8g(0.
09568モル)、イソプロピルアルコール15gおよ
び水3gから成るモノマー混合溶液と、重合開始剤とし
てアゾ系重合開始剤である2,2‘−アゾビス(イソ酪
酸)ジメチル0.5g及びイソプロピルアルコール5g
から成る重合開始剤溶液を、それぞれ別個の滴下ロート
に仕込んだ。室温において、4ツ口フラスコ内および滴
下ロート内を窒素ガスにより10分間窒素ガス置換し
た。
【0103】窒素ガス置換終了後、100℃の油浴を用
いてイソプロピルアルコールが加熱還流するまでフラス
コ内の温度を上昇させた。内温が一定になった後、モノ
マー混合溶液と重合開始剤溶液を共に1時間かけて連続
滴下を行なった。モノマー混合溶液と重合開始剤溶液を
滴下している途中からフラスコ内の反応液は濁りを生
じ、淡黄色の懸濁状態となった。滴下終了後、2時間反
応を熟成させた。
【0104】反応終了後、内温を室温付近まで冷却した
ところ、淡黄色懸濁状態の反応液が得られた。この反応
液をしばらく静置したところ、黄白色の重合体と淡褐色
透明の溶液に分離した。その後、ろ過により重合体を濾
別した。この重合体は水に可溶であったので、水に溶解
させた後、500mlのイソプロピルアルコール中に逐
次添加して重合体を析出させ、80℃で5時間減圧乾燥
したところ、黄白色のフレーク状ポリマー10.8g
(重合収率:64.3%)が得られた。得られた重合体
の数平均分子量は1700(ポリエチレンオキシド換
算)であった。また、得られた重合体は水に可溶であっ
た。
【0105】得られた重合体中の窒素含有量が0.13
85、酸素含有量が0.2185という結果が元素分析
より得られたことから、ベタイン型単量体3とアクリル
アミドとの共重合比はおよそ、ベタイン型単量体3/ア
クリルアミド=1/7(モル比)であることが分かっ
た。
【0106】得られた重合体の赤外線吸収スペクトルを
図13に示す。図13を見ると、ベタイン型単量体3由
来の−CH2−NH−、−CH2−OHの吸収が940c
-1付近、1120cm-1、1200cm-1付近に見ら
れ、OH基の伸縮振動吸収が3400〜3500cm-1
に見られ、また、1450cm-1付近に(COO)-
伸縮振動吸収が見られることから、該重合体中にベタイ
ン型単量体3が含まれていることが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られたベタイン型単量体1の
1H−核磁気共鳴スペクトルを示すものである。
【図2】 実施例1で得られたベタイン型単量体1の
赤外線吸収スペクトルを示すものである。
【図3】 実施例2で得られたベタイン型単量体2の
1H−核磁気共鳴スペクトルを示すものである。
【図4】 実施例2で得られたベタイン型単量体2の
赤外線吸収スペクトルを示すものである。
【図5】 実施例3で得られたベタイン型単量体3の
1H−核磁気共鳴スペクトルを示すものである。
【図6】 実施例3で得られたベタイン型単量体3の
赤外線吸収スペクトルを示すものである。
【図7】 実施例4で得られたベタイン型単量体4の
1H−核磁気共鳴スペクトルを示すものである。
【図8】 実施例4で得られたベタイン型単量体4の
赤外線吸収スペクトルを示すものである。
【図9】 実施例5で得られたベタイン型単量体の1
H−核磁気共鳴スペクトルを示すものである。
【図10】 実施例5で得られたベタイン型単量体の
赤外線吸収スペクトルを示すものである。
【図11】 重合例1で得られた重合体1の赤外線吸
収スペクトルを示すものである。
【図12】 重合例2で得られた重合体2の赤外線吸
収スペクトルを示すものである。
【図13】 重合例3で得られた重合体3の赤外線吸
収スペクトルを示すものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 20/60 C08F 20/60 26/02 26/02 28/02 28/02 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC52 BN10 BS10 BT12 BU30 4J100 AB01Q AB07P AE03Q AE09P AE18P AE26P AF10Q AG02Q AH01Q AJ02Q AJ09Q AK08Q AL03Q AL08P AL78Q AL79Q AM01Q AM14Q AM21P AN02P AN03P AN04P AP01P AP01Q AQ08Q AQ12Q AQ15Q BA03P BA16P BA18P BA32P BA33P CA01 CA03 DA01 JA15 JA53

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1): 【化1】 (ただし、式中、R1およびR2は、それぞれが独立に、
    炭素数が1〜8の直鎖もしくは分岐状のアルキル基、ま
    たは、炭素数が1〜8の直鎖もしくは分岐状のヒドロキ
    シアルキル基であるか、あるいは、両方が互いに直接あ
    るいはO、S、およびNの中から選ばれる少なくとも1
    種の元素を介して結合した環状基であり、R3は水素又
    はメチル基又はヒドロキシメチル基である。)で示され
    るβ−アラニン誘導体と、下記一般式(2): 【化2】 (ただし、式中、R4は重合性炭素−炭素2重結合を1
    つ有する有機基を表し、R5は水素またはメチル基を表
    す。)で表されるモノオキシラン化合物とを反応させる
    ことを特徴とするベタイン型単量体の製造方法。
  2. 【請求項2】 モノオキシラン化合物が、下記一般式
    (3): 【化3】 (ただし、式中、R5およびR6はそれぞれ独立に水素又
    はメチル基であり、Aはエステル基、アミド基、エーテ
    ル基、スルフィド基、置換もしくは無置換のフェニレン
    基、および直接結合の中から選択されるいずれか1つを
    表し、mおよびnはそれぞれ独立に0〜5の整数であ
    る。)で表される、末端に重合性炭素−炭素2重結合を
    1つ有するモノオキシラン化合物である事を特徴とす
    る、請求項1記載のベタイン型単量体の製造方法。
  3. 【請求項3】 下記一般式(4): 【化4】 (ただし、式中、R1およびR2は、それぞれが独立に、
    炭素数が1〜8の直鎖もしくは分岐状のアルキル基、ま
    たは、炭素数が1〜8の直鎖もしくは分岐状のヒドロキ
    シアルキル基であるか、あるいは、両方が互いに直接あ
    るいはO、S、およびNの中から選ばれる少なくとも1
    種の元素を介して結合した環状基であり、R3は水素又
    はメチル基又はヒドロキシメチル基であり、R5および
    6はそれぞれ独立に水素又はメチル基である。Bはエ
    ーテル基、スルフィド基、および直接結合の中から選択
    されるいずれか1つを表し、mおよびnはそれぞれ独立
    に0〜5の整数である。)で表されるベタイン型単量
    体。
  4. 【請求項4】 下記一般式(5): 【化5】 (ただし、式中、R7およびR8は、それぞれが独立に、
    炭素数が3〜8の直鎖もしくは分岐状のアルキル基、ま
    たは、炭素数が1〜8の直鎖もしくは分岐状のヒドロキ
    シアルキル基であるか、あるいは、両方が互いに直接あ
    るいはO、S、およびNの中から選ばれる少なくとも1
    種の元素を介して結合した環状基であり、R3は水素又
    はメチル基又はヒドロキシメチル基であり、R5および
    6はそれぞれ独立に水素又はメチル基である。Dはエ
    ステル基、アミド基および置換もしくは無置換のフェニ
    レン基の中から選択されるいずれか1つを表し、mおよ
    びnはそれぞれ独立に0〜5の整数である。)で表され
    るベタイン型単量体。
  5. 【請求項5】 下記一般式(6): 【化6】 (ただし、式中、R1およびR2は、それぞれが独立に、
    炭素数が1〜8の直鎖もしくは分岐状のアルキル基、ま
    たは、炭素数が1〜8の直鎖もしくは分岐状のヒドロキ
    シアルキル基であるか、あるいは、両方が互いに直接あ
    るいはO、S、およびNの中から選ばれる少なくとも1
    種の元素を介して結合した環状基であり、R3は水素又
    はメチル基又はヒドロキシメチル基であり、R5および
    6はそれぞれ独立に水素又はメチル基である。Aはエ
    ステル基、アミド基、置換もしくは無置換のフェニレン
    基、エーテル基、スルフィド基および直接結合の中から
    選択されるいずれか1つを表し、mおよびnはそれぞれ
    独立に0〜5の整数である。)で表される繰り返し単位
    (X)を1〜100モル%、その他のビニル系単量体由
    来の繰り返し単位(V)を0〜99モル%(ただし、
    (X)成分と(V)成分の和は100モル%である。)
    含み、架橋性単量体由来の繰り返し単位を含まない重合
    体。
  6. 【請求項6】 下記一般式(7): 【化7】 (ただし、式中、R1およびR2は、それぞれが独立に、
    炭素数が1〜8の直鎖もしくは分岐状のアルキル基、ま
    たは、炭素数が1〜8の直鎖もしくは分岐状のヒドロキ
    シアルキル基であるか、あるいは、両方が互いに直接あ
    るいはO、S、およびNの中から選ばれる少なくとも1
    種の元素を介して結合した環状基であり、R3は水素又
    はメチル基又はヒドロキシメチル基であり、R5および
    6はそれぞれ独立に水素又はメチル基である。Bはエ
    ーテル基、スルフィド基および直接結合の中から選択さ
    れるいずれか1つを表し、mおよびnはそれぞれ独立に
    0〜5の整数である。)で表される繰り返し単位(Y)
    を1〜100モル%、その他のビニル系単量体由来の繰
    り返し単位(V)を0〜99モル%(ただし、(Y)成
    分と(V)成分の和は100モル%である。)含む重合
    体。
  7. 【請求項7】 下記一般式(8): 【化8】 (ただし、式中、R7およびR8は、それぞれが独立に、
    炭素数が3〜8の直鎖もしくは分岐状のアルキル基、ま
    たは、炭素数が1〜8の直鎖もしくは分岐状のヒドロキ
    シアルキル基であるか、あるいは、両方が互いに直接あ
    るいはO、S、およびNの中から選ばれる少なくとも1
    種の元素を介して結合した環状基であり、R3は水素又
    はメチル基又はヒドロキシメチル基であり、R5および
    6はそれぞれ独立に水素又はメチル基である。Dはエ
    ステル基、アミド基および置換もしくは無置換のフェニ
    レン基の中から選択されるいずれか1つを表し、mおよ
    びnはそれぞれ独立に0〜5の整数である。)で表され
    る繰り返し単位(Z)を1〜100モル%、その他のビ
    ニル系単量体由来の繰り返し単位(V)を0〜99モル
    %(ただし、(Z)成分と(V)成分の和は100モル
    %である。)含む重合体。
JP2000191387A 2000-06-26 2000-06-26 ベタイン型単量体とその製造方法およびそれらの重合体 Withdrawn JP2002003456A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000191387A JP2002003456A (ja) 2000-06-26 2000-06-26 ベタイン型単量体とその製造方法およびそれらの重合体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000191387A JP2002003456A (ja) 2000-06-26 2000-06-26 ベタイン型単量体とその製造方法およびそれらの重合体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002003456A true JP2002003456A (ja) 2002-01-09

Family

ID=18690696

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000191387A Withdrawn JP2002003456A (ja) 2000-06-26 2000-06-26 ベタイン型単量体とその製造方法およびそれらの重合体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002003456A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005048061A (ja) * 2003-07-29 2005-02-24 Kohei Shiraishi 抗血栓性に優れた高分子組成物及びそれからなる医療用材料
JP5690720B2 (ja) * 2009-05-01 2015-03-25 出光興産株式会社 αβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミド及び3−アルコキシカルボン酸−N,N二置換アミドの製造方法
US9090725B2 (en) 2010-09-10 2015-07-28 Nippon Shokubai Co., Ltd. Amino group-containing polymer, method for producing thereof, and detergent composition
JP2017527655A (ja) * 2014-07-25 2017-09-21 アクゾ ノーベル コーティングス インターナショナル ビー ヴィ 双性イオン性コポリマーを調製する方法
JP7593375B2 (ja) 2022-05-31 2024-12-03 artience株式会社 細胞用培地添加剤

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005048061A (ja) * 2003-07-29 2005-02-24 Kohei Shiraishi 抗血栓性に優れた高分子組成物及びそれからなる医療用材料
JP4694114B2 (ja) * 2003-07-29 2011-06-08 学校法人近畿大学 抗血栓性に優れたl−リジン残基を有する両性高分子物質、該高分子物質からなる抗血栓剤、及び該抗血栓剤を固定した医療用器具
JP5690720B2 (ja) * 2009-05-01 2015-03-25 出光興産株式会社 αβ不飽和カルボン酸−N,N二置換アミド及び3−アルコキシカルボン酸−N,N二置換アミドの製造方法
US9090725B2 (en) 2010-09-10 2015-07-28 Nippon Shokubai Co., Ltd. Amino group-containing polymer, method for producing thereof, and detergent composition
JP5815536B2 (ja) * 2010-09-10 2015-11-17 株式会社日本触媒 アミノ基含有重合体及びその製造方法、並びに、洗剤組成物
JP2017527655A (ja) * 2014-07-25 2017-09-21 アクゾ ノーベル コーティングス インターナショナル ビー ヴィ 双性イオン性コポリマーを調製する方法
JP7593375B2 (ja) 2022-05-31 2024-12-03 artience株式会社 細胞用培地添加剤

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4203820B2 (ja) ラジカル重合のβ−リン化されたニトロオキシドから生じているアルコキシアミンとそれらの使用
US20070167591A1 (en) Alkoxyamines derived from beta-phosphorylated nitroxides, and use thereof for preparing polymerized or non-polymerized mono- or polyalkoxyamines
JP2004026688A (ja) ポリフルオロアルキル基含有重合性化合物およびその重合体
CN105440167A (zh) 一种含二苯甲酮基团的大分子光引发剂及其制备方法
JP4377594B2 (ja) β−アルコキシプロピオンアミド類の製造方法
JP2002003456A (ja) ベタイン型単量体とその製造方法およびそれらの重合体
WO2001002345A2 (en) Mono and multifunctional alkoxyamines for the preparation of functionalized macromers
EP2468715B1 (en) Novel compound and method for preparing the same
JP3878282B2 (ja) 低分子量(メタ)アクリル重合体の製造方法
US3586711A (en) Esters of acrylic and methacrylic acids with polyamino alcohols
WO2000078740A1 (en) Solid-supported initiators and functional polymers for use in organic synthesis and combinatorial chemistry
JPS6345245A (ja) N−(置換オキサリル)アクリルアミドおよびその製法
JP4385436B2 (ja) 新規なアゾアミド化合物
US6031084A (en) Azoamide compound
WO1997044369A1 (fr) Polymeres carboxyles, leur procede d'obtention et gels en etant faits
EP1375476A1 (en) A new process for the synthesis of alkoxyamines active in controlled radical polymerization
JPH0469141B2 (ja)
US4788328A (en) Hydroxy alkyl (amino) acrylate monomers and copolymers thereof
JP2678637B2 (ja) ビニルモノマーの重合法
JPH0149717B2 (ja)
JP5014572B2 (ja) 重合性界面活性剤およびその製造方法
JPH0635410B2 (ja) 含フッ素スチレン誘導体及びその製造方法
JPH11140135A (ja) 新規プロペニルエーテル、重合性組成物およびその硬化物
JPH08311004A (ja) N−メタクリロイル−アミノ酸エステル、これらの製法およびこれらの重合体
JP2003137878A (ja) オキセタン環含有(メタ)アクリル酸エステルおよびその製法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070206

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20080909