JPH0149717B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH0149717B2 JPH0149717B2 JP56044714A JP4471481A JPH0149717B2 JP H0149717 B2 JPH0149717 B2 JP H0149717B2 JP 56044714 A JP56044714 A JP 56044714A JP 4471481 A JP4471481 A JP 4471481A JP H0149717 B2 JPH0149717 B2 JP H0149717B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- compound
- polymer
- polymerization
- group
- mol
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
Links
Landscapes
- Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
- Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
- Polyethers (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Description
本発明は新規化合物であつて、例えば重合性単
量体として有用なビシクロオルソエステル基を有
する化合物に関するものである。 一般に、エチレン性不飽和化合物等の単量体が
単独重合及び共重合時にかなり大きい体積収縮を
起すことは周知であり、例えばエチレン、アクリ
ロニトリル、メタクリル酸メチル及びスチレンの
重合時の体積収縮率はそれぞれ66.0%,31.0%,
21.2%及び14.5%である。 重合時の体積収縮が大きいと、例えば成形材料
として使用した場合に寸法精度がでないとか、注
型材料として利用した場合には鋳込み品に収縮に
よる歪がかかるとか、型との接着力の低下や隙間
が生じるなどの問題がある。また、塗料として使
用した場合、内部歪による塗板との密着性の低下
やそりの原因になり、接着剤として使用した場合
にも、内部歪による接着力の低下やそり、変形な
どの使用上の問題を生ずる。 単量体の重合時又は重合体の架橋時に実質的に
収縮しないか望ましくは膨張を伴なう物質は、歪
のない複合材料、接着剤、注型材料等精巧な機器
の製作材料として現在きわめて重要視され、探究
されている。 本発明者等は、かかる非収縮性の単量体を提供
するために鋭意研究を重ねた結果、ビシクロオル
ソエステル基を有する化合物を創作し、該化合物
は容易に重合して各種性状の重合物を形成し、重
合時の特にビシクロオルソエステル基の開環によ
る重合時の体積収縮が小さいか、または体積膨張
することを知得して本発明を完成するに至つた。 かくして本発明は、次式〔〕で示される化合
物を提供する。 式〔〕においてAはビニルベンジル基
量体として有用なビシクロオルソエステル基を有
する化合物に関するものである。 一般に、エチレン性不飽和化合物等の単量体が
単独重合及び共重合時にかなり大きい体積収縮を
起すことは周知であり、例えばエチレン、アクリ
ロニトリル、メタクリル酸メチル及びスチレンの
重合時の体積収縮率はそれぞれ66.0%,31.0%,
21.2%及び14.5%である。 重合時の体積収縮が大きいと、例えば成形材料
として使用した場合に寸法精度がでないとか、注
型材料として利用した場合には鋳込み品に収縮に
よる歪がかかるとか、型との接着力の低下や隙間
が生じるなどの問題がある。また、塗料として使
用した場合、内部歪による塗板との密着性の低下
やそりの原因になり、接着剤として使用した場合
にも、内部歪による接着力の低下やそり、変形な
どの使用上の問題を生ずる。 単量体の重合時又は重合体の架橋時に実質的に
収縮しないか望ましくは膨張を伴なう物質は、歪
のない複合材料、接着剤、注型材料等精巧な機器
の製作材料として現在きわめて重要視され、探究
されている。 本発明者等は、かかる非収縮性の単量体を提供
するために鋭意研究を重ねた結果、ビシクロオル
ソエステル基を有する化合物を創作し、該化合物
は容易に重合して各種性状の重合物を形成し、重
合時の特にビシクロオルソエステル基の開環によ
る重合時の体積収縮が小さいか、または体積膨張
することを知得して本発明を完成するに至つた。 かくして本発明は、次式〔〕で示される化合
物を提供する。 式〔〕においてAはビニルベンジル基
【式】アクリロイ
ル基
【式】またはメタクリロイル
基
【式】を表わし、またRはメチル
基、エチル基、プロピル基又はブチル基等の低級
アルキル基を表わす。 本発明による式〔〕の化合物は、下式〔〕
で示される1−アルキル−4−ヒドロキシメチル
−2,6,7−トリオキサビシクロ〔2,2,
2〕オクタンまたは該化合物から誘導される下式
〔〕のナトリウムアルコキシドとクロルメチル
スチレン、アクリル酸クロライド又はメタクリル
酸クロライドにより製造されるが、クロルメチル
スチレンは式〔〕の化合物と反応させるのが最
も適している。 上式中Rは低級アルキル基を示す。 式〔〕の化合物は、本出願人の出願に係る特
願昭55−11432号明細書(特公昭60−43354号参
照)に記載されているものであり、ペンタエリス
リトールと次式のトリアルキルオルソアシレート
との脱アルコール反応によつて製造される。 R−C(OR1)3 (R1はアルキル基である) また上記の式〔〕のナトリウムアルコキシド
は式〔〕の1−アルキル−4−ヒドロキシメチ
ル−2,6,7−トリオキサビシクロ〔2,2,
2〕オクタンを例えばテトラヒドロフラン溶媒中
で水素化ナトリウムと反応させることにより得ら
れる。 本発明による式〔〕のビニルベンジル基を有
する化合物は、一般にクロルメチルスチレンに下
記の反応に従つて式〔〕のビシクロオルソエス
テル化合物を作用させる脱塩化ナトリウム反応に
より製造できる。 上記の反応は適当な有機溶剤、例えばテトラヒ
ドロフラン、ジメチルスルホキシド又は通常N,
N−ジメチルホルムアミド(DMF)中で約20〜
100℃の温度において実施できる。 上記反応液からの式〔a〕の化合物の分離取
得は、生成した塩化ナトリウム等を濾過又は遠心
分離により除き、濾液を再結晶又は重合防止剤の
存在下減圧蒸留するか、または脱溶剤後塩化メチ
レン、トルエン等の溶媒に溶解し、水洗を行ない
有機層を脱水乾燥後、溶媒を留去し、残渣を再結
晶又は重合存在下減圧蒸留して行ないうる。 また、本発明による式〔〕のアクリロイル基
またはメタクリロイル基を有する化合物は、一般
にアクリル酸クロライド又はメタクリル酸クロラ
イドに下記の反応に従つて、第3級アミン存在
下、式〔〕の化合物を作用させる脱塩化水素反
応により製造できる。 (ここでR2は水素原子又はメチル基を表わ
す。) 上記の反応は適当な有機溶媒、例えばジオキサ
ン、塩化メチレン中で酸クロライドに対して、等
モル量以上の第3級アミン、例えばトリエチルア
ミン、ピリジンの存在下に約0℃〜50℃の温度に
おいて実施できる。 上記反応液からの式〔b〕の化合物の分離取
得は、例えば生成した塩化水素の第3級アミン塩
を濾過し、濾液を重合防止剤例えば銅粉末、フエ
ノチアジンの存在下に脱溶剤後減圧蒸留すること
により行ないうる。 本発明に係る式〔〕の化合物はラジカル重
合、アニオン重合およびカチオン重合のいずれも
が可能で、重合により以下のような構造の重合物
となる。 ラジカル重合またはアニオン重合により、ビシ
クロオルソエステル基を含有する下記の重合体が
得られる。 または ここでR2は水素原子またはメチル基を表わす。 またカチオン重合によりビシクロオルソエステ
ル基の開環がおこり下記の重合物が得られる。 または ここでR2は水素原子またはメチル基を表わす。 本発明の化合物は、重合または硬化による体積
収縮が、小さいかまたはほとんどないという極め
て望ましい特性を有する。 かくして、本発明の化合物は前述した体積収縮
に伴う欠点が改良され、ボイドを生じない密着性
の良い塗料、内部歪を生じない接着剤、寸法精度
が要求される複合材や注型材等の成分として非常
に有用である。 また、例えば本発明の化合物をラジカル重合又
はアニオン重合させて得られるビシクロオルソエ
ステル基を有する重合物を、適当な溶剤に溶解し
て基体面に塗布し、形成された塗膜を然るべき架
橋手段により硬化させることによつて、優れた塗
膜を得ることもできる。 化合物〔〕のラジカル重合は、通常のラジカ
ル重合手段、例えば紫外線、赤外線、熱、電子線
又はマイクロ波により行なうことができる。 紫外線ラジカル重合では、通常光開始剤が用い
られる。好適に利用できる光開始剤としては、ア
セトフエノン、2,2−ジメトキシ−2−フエニ
ルアセトフエノン、2,2−ジエトキシアセトフ
エノン、4′−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2
−メチルプロピオフエノン、2−ヒドロキシ−2
−メチルプロピオフエノン、4,4′−ビスジエチ
ルアミノベンゾフエノン、ベンゾフエノン、メチ
ル−(0−ベンゾイル)−ベンゾエート、1−フエ
ニル−1,2−プロパンジオン−2−(0−エト
キシカルボニル)−オキシム、1−フエニル−1,
2−プロパンジオン−2−(0−ベンゾイル)−オ
キシム、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテ
ル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソ
プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテ
ル、ベンゾインオクチルエーテル、ベンジル又は
ジアセチル等のカルボニル化合物;メチルアント
ラキノン、クロロアントラキノン、クロロチオキ
サントン、2−メチルチオキサントン又は2−1
−プロピルチオキサントン等のアントラキノン又
はキサントン誘導体;ジフエニルスルフイド、ジ
フエニルジスルフイド又はジチオカーバメート等
の硫黄化合物;α−クロロメチルナフタレン、ア
ントラセン等がある。 赤外線、熱、マイクロ波による重合に際して
は、分解によつてラジカルを生成し得るものであ
ればいずれのラジカル開始剤の使用も可能であ
る。例えば、ジ−tert−ブチルパーオキシド、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパ
ーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルハイドロパー
オキシド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート
等の有機過酸化物;2,2′−アゾビスイソブチロ
ニトリル等のアゾ化合物;過硫酸アンモニウム、
過硫酸カリウム等の過酸塩が使用できる。 又、電子線などの電離性放射線による重合は通
常無触媒系で行なわれる。 触媒を用いる場合その使用量は、一般に単量体
の合計量に基づき0.01〜10wt%、好ましくは0.1
〜5wt%の範囲である。 ラジカル重合は、紫外線あるいは電離性放射線
の照射による場合は常温でも進むが、その他の場
合は、加温ないし加熱状態で円滑に進行する。重
合時に溶媒を使用する場合、好ましく用いられる
溶媒としては例えばトルエン、キシレン、酢酸エ
チル、N,N−ジメチルホルムアミド、クロロホ
ルム、ジオキサン等があげられる。また、本発明
の〔〕の化合物のアニオン重合は、一般によく
知られている方法で、アニオン重合開始剤の存在
下に行なわれる。 アニオン重合開始剤としてはK,Na,Li等の
アルカリ金属;n−ブチルリチウム,クミルカリ
ウム等のアルカリ金属アルキル;ナトリウムナフ
タレン、ナトリウムアントラセン等の芳香族ラジ
カルアニオン;n−C4H9MgBr,C6H5MgBrの
グリニヤール試薬;ベンゾフエノン−Naのよう
なケチル等がある。 また重合に際しては、溶剤として例えばテトラ
ヒドロフラン、ベンゼン、シクロヘキサン、ジオ
キサン等を使用するのが好ましい。 触媒の使用量は一般に、重合しようとする単量
体に対し0.001〜10wt%の範囲が好適である。本
発明の式〔〕の化合物のカチオン重合は一般に
よく知られている方法、すなわちカチオン重合開
始剤の存在下例えば紫外線、赤外線、熱またはマ
イクロ波などによつて行なう。 紫外線照射の場合のカチオン重合触媒として、 例えば φ−N≡N・PF- 6,φ−N≡N・BF- 4などの芳香
族ジアゾニウム塩;φ−I+−φ・BF- 4等の芳香族
ハロニウム塩; 等の周期律表第a族元素の芳香族オニウム塩;
アルキル基を表わす。 本発明による式〔〕の化合物は、下式〔〕
で示される1−アルキル−4−ヒドロキシメチル
−2,6,7−トリオキサビシクロ〔2,2,
2〕オクタンまたは該化合物から誘導される下式
〔〕のナトリウムアルコキシドとクロルメチル
スチレン、アクリル酸クロライド又はメタクリル
酸クロライドにより製造されるが、クロルメチル
スチレンは式〔〕の化合物と反応させるのが最
も適している。 上式中Rは低級アルキル基を示す。 式〔〕の化合物は、本出願人の出願に係る特
願昭55−11432号明細書(特公昭60−43354号参
照)に記載されているものであり、ペンタエリス
リトールと次式のトリアルキルオルソアシレート
との脱アルコール反応によつて製造される。 R−C(OR1)3 (R1はアルキル基である) また上記の式〔〕のナトリウムアルコキシド
は式〔〕の1−アルキル−4−ヒドロキシメチ
ル−2,6,7−トリオキサビシクロ〔2,2,
2〕オクタンを例えばテトラヒドロフラン溶媒中
で水素化ナトリウムと反応させることにより得ら
れる。 本発明による式〔〕のビニルベンジル基を有
する化合物は、一般にクロルメチルスチレンに下
記の反応に従つて式〔〕のビシクロオルソエス
テル化合物を作用させる脱塩化ナトリウム反応に
より製造できる。 上記の反応は適当な有機溶剤、例えばテトラヒ
ドロフラン、ジメチルスルホキシド又は通常N,
N−ジメチルホルムアミド(DMF)中で約20〜
100℃の温度において実施できる。 上記反応液からの式〔a〕の化合物の分離取
得は、生成した塩化ナトリウム等を濾過又は遠心
分離により除き、濾液を再結晶又は重合防止剤の
存在下減圧蒸留するか、または脱溶剤後塩化メチ
レン、トルエン等の溶媒に溶解し、水洗を行ない
有機層を脱水乾燥後、溶媒を留去し、残渣を再結
晶又は重合存在下減圧蒸留して行ないうる。 また、本発明による式〔〕のアクリロイル基
またはメタクリロイル基を有する化合物は、一般
にアクリル酸クロライド又はメタクリル酸クロラ
イドに下記の反応に従つて、第3級アミン存在
下、式〔〕の化合物を作用させる脱塩化水素反
応により製造できる。 (ここでR2は水素原子又はメチル基を表わ
す。) 上記の反応は適当な有機溶媒、例えばジオキサ
ン、塩化メチレン中で酸クロライドに対して、等
モル量以上の第3級アミン、例えばトリエチルア
ミン、ピリジンの存在下に約0℃〜50℃の温度に
おいて実施できる。 上記反応液からの式〔b〕の化合物の分離取
得は、例えば生成した塩化水素の第3級アミン塩
を濾過し、濾液を重合防止剤例えば銅粉末、フエ
ノチアジンの存在下に脱溶剤後減圧蒸留すること
により行ないうる。 本発明に係る式〔〕の化合物はラジカル重
合、アニオン重合およびカチオン重合のいずれも
が可能で、重合により以下のような構造の重合物
となる。 ラジカル重合またはアニオン重合により、ビシ
クロオルソエステル基を含有する下記の重合体が
得られる。 または ここでR2は水素原子またはメチル基を表わす。 またカチオン重合によりビシクロオルソエステ
ル基の開環がおこり下記の重合物が得られる。 または ここでR2は水素原子またはメチル基を表わす。 本発明の化合物は、重合または硬化による体積
収縮が、小さいかまたはほとんどないという極め
て望ましい特性を有する。 かくして、本発明の化合物は前述した体積収縮
に伴う欠点が改良され、ボイドを生じない密着性
の良い塗料、内部歪を生じない接着剤、寸法精度
が要求される複合材や注型材等の成分として非常
に有用である。 また、例えば本発明の化合物をラジカル重合又
はアニオン重合させて得られるビシクロオルソエ
ステル基を有する重合物を、適当な溶剤に溶解し
て基体面に塗布し、形成された塗膜を然るべき架
橋手段により硬化させることによつて、優れた塗
膜を得ることもできる。 化合物〔〕のラジカル重合は、通常のラジカ
ル重合手段、例えば紫外線、赤外線、熱、電子線
又はマイクロ波により行なうことができる。 紫外線ラジカル重合では、通常光開始剤が用い
られる。好適に利用できる光開始剤としては、ア
セトフエノン、2,2−ジメトキシ−2−フエニ
ルアセトフエノン、2,2−ジエトキシアセトフ
エノン、4′−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2
−メチルプロピオフエノン、2−ヒドロキシ−2
−メチルプロピオフエノン、4,4′−ビスジエチ
ルアミノベンゾフエノン、ベンゾフエノン、メチ
ル−(0−ベンゾイル)−ベンゾエート、1−フエ
ニル−1,2−プロパンジオン−2−(0−エト
キシカルボニル)−オキシム、1−フエニル−1,
2−プロパンジオン−2−(0−ベンゾイル)−オ
キシム、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテ
ル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソ
プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテ
ル、ベンゾインオクチルエーテル、ベンジル又は
ジアセチル等のカルボニル化合物;メチルアント
ラキノン、クロロアントラキノン、クロロチオキ
サントン、2−メチルチオキサントン又は2−1
−プロピルチオキサントン等のアントラキノン又
はキサントン誘導体;ジフエニルスルフイド、ジ
フエニルジスルフイド又はジチオカーバメート等
の硫黄化合物;α−クロロメチルナフタレン、ア
ントラセン等がある。 赤外線、熱、マイクロ波による重合に際して
は、分解によつてラジカルを生成し得るものであ
ればいずれのラジカル開始剤の使用も可能であ
る。例えば、ジ−tert−ブチルパーオキシド、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパ
ーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルハイドロパー
オキシド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート
等の有機過酸化物;2,2′−アゾビスイソブチロ
ニトリル等のアゾ化合物;過硫酸アンモニウム、
過硫酸カリウム等の過酸塩が使用できる。 又、電子線などの電離性放射線による重合は通
常無触媒系で行なわれる。 触媒を用いる場合その使用量は、一般に単量体
の合計量に基づき0.01〜10wt%、好ましくは0.1
〜5wt%の範囲である。 ラジカル重合は、紫外線あるいは電離性放射線
の照射による場合は常温でも進むが、その他の場
合は、加温ないし加熱状態で円滑に進行する。重
合時に溶媒を使用する場合、好ましく用いられる
溶媒としては例えばトルエン、キシレン、酢酸エ
チル、N,N−ジメチルホルムアミド、クロロホ
ルム、ジオキサン等があげられる。また、本発明
の〔〕の化合物のアニオン重合は、一般によく
知られている方法で、アニオン重合開始剤の存在
下に行なわれる。 アニオン重合開始剤としてはK,Na,Li等の
アルカリ金属;n−ブチルリチウム,クミルカリ
ウム等のアルカリ金属アルキル;ナトリウムナフ
タレン、ナトリウムアントラセン等の芳香族ラジ
カルアニオン;n−C4H9MgBr,C6H5MgBrの
グリニヤール試薬;ベンゾフエノン−Naのよう
なケチル等がある。 また重合に際しては、溶剤として例えばテトラ
ヒドロフラン、ベンゼン、シクロヘキサン、ジオ
キサン等を使用するのが好ましい。 触媒の使用量は一般に、重合しようとする単量
体に対し0.001〜10wt%の範囲が好適である。本
発明の式〔〕の化合物のカチオン重合は一般に
よく知られている方法、すなわちカチオン重合開
始剤の存在下例えば紫外線、赤外線、熱またはマ
イクロ波などによつて行なう。 紫外線照射の場合のカチオン重合触媒として、 例えば φ−N≡N・PF- 6,φ−N≡N・BF- 4などの芳香
族ジアゾニウム塩;φ−I+−φ・BF- 4等の芳香族
ハロニウム塩; 等の周期律表第a族元素の芳香族オニウム塩;
【式】等の周期律表第
a族元素の芳香族オニウム塩;
【式】等の周期律表第
a−a族元素のジカルボニル錯化合物が使用
されうる。 また、その他のカチオン重合触媒としては、例
えばBF3,FeCl3,SnCl4,SbF3,TiCl4などのル
イス酸;BF3OEt2,BF3−アニリンコンプレツク
ス等のごときルイス酸とO,S,Nなどを有する
化合物との配位化合物;ルイス酸のオキソニウム
塩、ジアゾニウム塩、カルボニウム塩;ハロゲン
化合物、混合ハロゲン化合物または過ハロゲン酸
誘導体などがあげられる。 触媒の使用量は一般に重合しようとする単量体
に対し、0.001〜10wt%好ましくは0.1から5wt%
の範囲が好適である。重合温度に関する制限は特
にないが、通常常温〜200℃で行なわれる。 重合時に溶媒を使用する場合は、生長カチオン
と反応してその活性を低下させない化合物を選ぶ
ことが望ましい。使用に適した溶媒としては、ヘ
キサン、オクタン等の脂肪族炭化水素;トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素;塩化メチレ
ン、1,1−ジクロルエタン等のハロゲン化炭化
水素等がある。 次に本発明を実施例及び参考例により更に説明
する。 以下の実施例および参考例において化合物及び
重合物の比重は次の方法により測定したものであ
る。 測定法A……密度勾配管法B型直読式比重測定装
置(柴山科学器械製作所)を使用し、炭酸カリ
ウム水溶液で作成した密度勾配管に、試料をそ
のまま、あるいは赤外吸収スペクトル測定用錠
剤成形器で成形した後、炭酸カリウム水溶液中
で脱気後投入した測定。 測定法B……比重ビン法で測定。 測定法C……空気比較式比重計 930形〔ベツク
マン・ジヤパン(株)製〕を用いて測定。 また重合物の平均分子量は液体クロマトグラフ
分析(HLC分析と略記する)からポリスチレン
換算重量平均分子量として計算した。 その測定条件は次の通りである。 装置;東洋曹達工業(株)製 HLC−801A カラム;TSKゲル−GMH 2本 溶離液;テトラヒドロフラン 流速;1ml/分 参考例 1 2のフラスコにペンタエリスリトール272g
(2モル)、トリエチルオルソプロピオネート352
g(2モル)、ジ−n−オクチルフタレート345g
およびP−トルエンスルホン酸2gを仕込み、窒
素ガスを通しながら撹拌下、徐々に110℃から140
℃に昇温した。 昇温とともにエタノールの留出がはじまり、
3.5時間反応させてエタノールを主成分とする留
出物261gを得た。 反応溶液に無水炭酸カリウム10gを加えて触媒
を中和後、遠心分離を行ない、未反応原料(ペン
タエリスリトール)と触媒中和物からなる沈でん
物を除いた。上澄み液を減圧蒸着することによつ
て、化合物〔1〕として1−エチル−4−ヒドロ
キシメチル−2,6,7−トリオキサビシクロ
〔2,2,2〕オクタン233g(収率67%)を得
た。 この化合物の物性値は下記の通りである。 Γ 沸点;97−100℃/0.2mmHg Γ 比重;1.204(25℃) Γ 核磁気共鳴スペクトル(以下NMRと略記す
る) (CDCl3中)δ(PPm); 4.0(6H,s),3.4(2H,s)2.8 (1H,s),1.7(2H,g),0.9(3H,t) (第1図参照) Γ 元素分析(%) 実測値−C;55.0,H;8.0 C8H14O4としての計算値(理論値)− C;55.2H;8.1 Γ 赤外吸収スペクトル(以下IRと略記する); 348cm−1(−OH),930,1050,1100cm−
1(C−O−C) 参考例 2 2のフラスコに、トリエチルオルソアセテー
ト162g(1モル)、ペンタエリスリトール136g
(1モル)、ジ−n−オクチルフタレート250gお
よびP−トルエンスルホン酸0.5gを仕込み、窒
素ガスを通しながら撹拌下昇温し、135℃にした。
この温度で4時間反応し、エタノールを主成分と
する留出物126gを得た。 反応溶液にトリエチルアミン1gを加えて触媒
を中和した後、常温で一夜放置することによつ
て、目的物と未反応原料(ペンタエリスリトー
ル)からなる結晶を分離し、目的物の非溶媒であ
るシクロヘキサンで分離結晶を3回洗浄して、反
応溶媒(ジ−n−オクチルフタレート)を除去し
た。洗浄後の結晶をアセトンに溶解し、アセトン
不溶分を分離除去した。濾液からアセトンを蒸発
させた後、クロロホルムを用いた再結晶法により
3回精製を行ない、化合物〔1〕として白色粉末
状の1−メチル−4−ヒドロキシメチル−2,
6,7ートリオキサビシクロ〔2,2,2〕オク
タン25g(収率16%)を得た。この化合物の物性
値は下記の通りである。 Γ融点;113〜115℃ Γ 比重;1.37(25℃) Γ 核磁気共鳴スペクトル(重水素化アセトン
中) δ(PPm); 4.1(6H,s),3.5(2H,d),1.3(3H,s)
(第2図参照) Γ 元素分析(%) 実測値−C;52.4,H;7.7 C7H12O4としての計算値(理論値)− C;52.5、H;7.6 Γ 赤外吸収スペクトル; 3400cm−1(−OH),980,1040,1135cm−1
(C−O−C) 実施例 1 撹拌機、コンデンサー、窒素ガス吹込口及び滴
下ロートを備えた4つ口500mlフラスコに、ジオ
キサン250ml、参考例2の1−メチル−4−ヒド
ロキシメチル−2,6,7−トリオキサビシクロ
〔2,2,2〕オクタン16.0g(0.1モル)及びト
リエチルアミン25.25g(0.25モル)をとり、氷
水により10℃に冷却し、窒素気流中撹拌しなが
ら、メタクリロイルクロライド13.07g(0.125モ
ル)を約30分で滴下した。さらに同温度で2時間
続いて、室温で4時間撹拌し、一夜放置した。 生成した沈でんを過し、液に重合防止剤と
して銅粉を.5g添加し、ジオキサンと過剰のト
リエチルアミンを減圧で留去した後、減圧蒸留し
て、沸点103℃/0.25mmHgにおいて1−メチル−
4−メタクリロイルオキシメチル−2,6,7−
トリオキサビシクロ〔2,2,2〕オクタン14.4
g(収率約63%)を得た。 その物性値は下記の通りである。 Γ 沸点;103℃/0.25mmHg Γ 比重;1.281(25℃) (測定法C) Γ IR;1720cm-1(CO−O) 1635cm-1(C=C) 1150、1030cm-1(C−O−C) Γ NMR(CDCl3中) (第3図参照) δ(PPm);1.47(3H,s,−CH3) 1.95(3H,s,CH3−C=) 3.95(2H,s,COO−CH2) 4.02(6H,s,C−CH2−O) 5.61(1H,s,CH=C) 6.09(1H,s,CH=C) 実施例 2 実施例1と同様の装置に、ジオキサン200ml、
参考例1の1−エチル−4−ヒドロキシメチル−
2,6,7−トリオキサビシクロ〔2,2,2〕
オクタン17.4g(0.1モル)及びトリエチルアミ
ン25.25g(0.25モル)をとり、10℃に冷却し、
窒素気流中、撹拌しながら、メタクリロイルクロ
ライド13.07g(0.125モル)を約1時間かけて滴
下した。さらに同じ温度で2時間続いて室温で4
時間反応させた。 生成した沈でん(Et3N−HCl)を過し、
液中のジオキサンと過剰のトリエチルアミンを減
圧で除去した後、重合防止剤として銅粉を入れて
減圧蒸留して、1−エチル−4−メタクリロイル
オキシメチル−2,6,7−トリオキサビシクロ
〔2,2,2〕オクタン17.0g(収率70%)を得
た(沸点113℃/0.25mmHg)。 その物性値は下記の通りである。 Γ 沸点;113℃/0.25mmHg Γ 比重;1172(25℃)(測定法B) Γ IR;1720cm-1(CO−O) 1632cm-1(C=C) 1150cm-11030cm-1(C−O−C) Γ NMR(CDCl3中) (第4図参照) δ(PPm);0.95(3H,t,−CH3) 1.70(2H,g,−C−CH2−) 1.95(3H,s,=C−CH3) 3.94(2H,s,COO−CH2−) 4.02(6H,s,C−CH2−O) 5.6〜6.2(2H,CH2=C) 実施例 3 実施例1と同様な装置に、ジオキサン300ml、
参考例2の1−メチル−4−ヒドロキシメチル−
2,6,7−トリオキサビシクロ〔2,2,2〕
オクタン24.0g(0.15モル)及びトリエチルアミ
ン38.4g(0.38モル)をとり、氷水により10℃に
冷却し、撹拌しながらアクリロイルクロライド
18.1g(0.20モル)を約1時間かけて滴下した。
さらに同温度で2時間撹拌後、室温で3時間撹拌
し、一夜放置した。 生成した沈澱を紙で過し、液に重合防止
剤としてフエノチアジン50mg添加し、ジオキサン
と過剰のトリエチルアミンを減圧で留去した後、
減圧蒸留して沸点103℃/0.6mmHgにおいて1−
メチル−4−アクリロイルオキシメチル−2,
6,7−トリオキサビシクロ〔2,2,2〕オク
タン10.2g(収率32%)を得た。 その物性値は下記の通りである。 Γ 沸点;103℃/0.6mmHg Γ 比重;1327(25℃) (測定法C) Γ IR;1725cm-1(CO−O) 1625cm-1(C=C) 1126cm-1,1020cm-1(C−O−C) Γ NMR(CDCl3中) (第5図参照) δ(PPm);1.45(3H,s,−CH3) 3.95(2H,s,COO−CH2) 4.01(6H,s,C−CH2−O) 5.7〜6.6(3H,m,CH2=CH−) 実施例 4 実施例1と同様な装置に、ジオキサン200ml、
参考例1の1−エチル−4−ヒドロキシメチル−
2.6,7−トリオキサビシクロ〔2,2,2〕オ
クタン17.4g(0.10モル)及びトリエチルアミン
25.3g(0.25モル)をとり、氷水により8℃に冷
却し、撹拌しながらアクリロイルクロライド11.3
g(0.125モル)を約30分かけて滴下した。さら
に同温度で2時間撹拌後、室温で4時間撹拌し、
一夜放置した。 生成した沈澱を紙で過し、液に重合防止
剤としてフエノチアジン50mg添加し、ジオキサン
と過剰のトリエチルアミンを減圧で留去した後減
圧蒸留して、沸点93℃/0.2mmHgにおいて、1−
エチル−4−(アクリロイルオキシメチル)−2,
6,7−トリオキサビシクロ〔2,2,2〕オク
タン10.3g(収率45%)を得た。 その物性値は下記の通りである。 Γ 沸点;93℃/0.2mmHg Γ 比重;1088(25℃) (測定法B) Γ IR;1725cm-1(CO−O) 1630cm-1(C=C) 1030cm-1,1133cm-1(C−D−C) Γ NMR(CDCl3中) (第6図参照) δ(PPm);0.95(3H,t,−CH3) 1.71(2H,g,CH2−) 3.95(2H,s,COO−CH2) 4.01(6H,s,C−CH2−O) 5.7〜6.6(3H,m,CH2=CH−) 実施例 5 実施例1と同様な装置に、水素化ナトリウム
(オイルサスペンシヨン、純度50%)10.56g
(0.22モル)をとり、n−ヘキサンでオイルを洗
浄した後、脱水したテトラヒドロフラン100mlを
加え、フラスコを氷水で冷却し、撹拌下に窒素ガ
スを流しながら、参考例2の1−メチル−4−ヒ
ドロキシメチル−2,6,7−トリオキサビシク
ロ〔2,2,2〕オクタン32.0g(0.20モル)を
少しづつ添加した。 次に30℃に昇温し3時間撹拌をつづけた後、脱
水したN,N−ジメチルホルムアミド60mlを加
え、クロルメチルスチレン(m−体60/P−体40
モル比混合物)36.6g(0.24モル)を約30分かけ
て滴下し、さらに4時間反応させた後、一夜放置
した。次に遠心分離により沈でん物を除き、その
上澄み液の脱溶剤を行なつた。 その残分にトルエン200mlを加え、蒸留水200ml
で3回洗浄した。トルエン層に無水硫酸マグネシ
ウムを加え脱水した後脱トルエンを行ない38.9g
の残渣を得た。さらに0.17mmHgに減圧し、浴温
を100℃に昇温し、未反応クロルメチルスチレン
を留去し、生成物33.0gを取得した。つぎの分離
条件下で分取用液体クロマトグラフイを用いて、
反応生成物から1−メチル−4−ビニルベンジル
オキシメチル−2,6,7−トリオキサビシクロ
〔2,2,2〕オクタンを分取した。 その物性値は下記の通りである。 分離条件: 装置;東洋曹達工業(株)製HLC−807 カラム;TSKゲル G−3000HG+G−2000 HG 溶離液;クロロホルム 流速;4ml/分 化合物の物性値 Γ融点;66〜70℃ Γ 比重;1.163(25℃) (測定法C) Γ IR;1625cm-1(C=C) 1120cm-1,1040-1(C−O−C) 855cm-1 Γ NMR(CDCl3中) (第7図参照) δ(PPm);1.45(3H,s,−CH3) 3.19(2H,s,O−CH2−C) 4.02(6H,s,C−CH2−O) 4.45(2H,s,φ−CH2) 5.2〜6.9(3H,CH2=CH−) 7.0〜7.4(4H,φ−H) 実施例 6 実施例1と同様な装置に、水素化ナトリウム
(オイルサスペンジヨン、純度50%)10.56g
(0.22モル)をとり、n−ヘキサンでオイルを洗
浄した後、脱水したテトラヒドフラン100mlを加
え、フラスコを氷水で冷却し、撹拌下、窒素ガス
を流しながら参考例1の1−エチル−4−ヒドロ
キシメチル−2,6,7−トリオキサビシクロ
〔2,2,2〕オクタン35.2g(0.20モル)を少
しづつ加えた。 次に30℃に昇温し3時間反応させた後、脱水し
たN,N−ジメチルホルムアミド60mlを加え、ク
ロルメチルスチレン(m−体60/P−体40モル比
混合物)36.6g(0.24モル)を約30分かけて滴下
し、さらに4時間反応させた後、一夜放置した。
次に遠心分離により、生成した沈でんを除き、そ
の澄液の脱溶剤を行なつた。 その残渣にトルエン100mlを加え、蒸留水100ml
で3回洗浄した。トルエン層に無水硫酸マグネシ
ウムを加え脱水後脱トルエンを行ない生成物45.9
gを得た。 実施例5と同様に分取液体クロマトグラフイで
分取を行ない1−エチル−4−ビニルベンジルオ
キシメチル−2,6,7−トリオキサビシクロ
〔2,2,2〕オクタンを得た。 その物性値は下記の通りである。 Γ融点;58〜61℃ Γ 比重;1.156(25℃) (測定法C) Γ IR;1625cm-1(CH2=CH−) 1130cm-1,1053cm-1(C−O−C) 953cm-1 Γ NMR(CDCl3中) (第6図参照) δ(PPm);0.96(3H,t,−CH3) 1.71(2H,g,C−CH2) 3.20(2H,s,O−CH2−C) 4.02(6H,s,φ−CH2) 4.46(2H,s,φ−CH2) 5.2〜5.9(3H,CH2=CH−) 7.1〜7.5(4H,φ−H) 参考例 1 ガラス封管中に実施例1で得た化合物0.91g,
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)20mlお
よび2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.02g
(単量体に対して3モル%)を装入し、封じた後
70℃で20時間保ち、ラジカル重合させた。 この沈澱物をテトラヒドロフランに溶解し、溶
液をn−ヘキサン中に撹拌しながら滴下して重合
物を沈澱させた。このテトラヒドロフラン−n−
ヘキサン系による溶解沈澱精製を再度繰返して、
白色粉末状の重合物0.63gを得た(収率69%)。 この重合物の比重は25℃において1.278(測定法
A)であつた。この値より算出される重合による
体積膨張率は約0.2%である。なお体積膨張率
(%)は〔(化合物の比重/化合物から得た重合体
の比重)−1〕×100で示される。 また重合物のIR分析により、1635cm-1のC=
Cのピークが消失し、1120cm-1,1025〜1050cm-1
のC−O−Cのピーク及び1725cm-1のエステルの
ピークが認められた。 また、HLC分析より求めた重量平均分子量は
約7.0万であつた。 また、NMR分析により、S=1.48PPmにC
−CH3のピークが、またS=4.01PPmにビシクロ
オルソエステル基のC−CH2−Oのピークが認め
られた。 この重合物の構造は前記式〔b〕(ただしR
およびR2はメチル基)のように表わされる。 参考例 2 実施例1で得た化合物のかわりに実施例2で得
た化合物0.97gを使用した他は参考例1と同様に
して、ラジカル重合及び沈澱精製を行ない、白色
粉末状の重合物0.47gを得た(収率48%)。 この重合物の比重は25℃において1.278(測定法
A)であつた。この値より算出される体積収縮率
は約8.3%である。 また、HLC分析により求めた重量平均分子量
は10万であつた。 また、IR分析により、1632cm-1のC=Cのピ
ークが消失し、一方1140cm-1、1040〜1060cm-1の
C−O−Cのピーク及び1730cm-1のエステルのピ
ークが認められた。 参考例 3 ガラス封管中に実施例3で得た化合物0.86g,
DMF20ml及び2,2′−アゾビスイソブチロニト
リル0.02g(単量体に対し3モル%)を装入し、
封じた後75℃で7時間重合させた。 得られた反応液をメタノール中に撹拌しながら
滴下して重合物を沈澱させた。この沈澱物をテト
ラヒドロフランに溶解し、続いて同様にメタノー
ル中に滴下して沈澱させた。さらに再度同じ沈澱
精製をくり返して半固体状の重合物を得た。 HLC分析により求めたこの重合体の重量平均
分子量は約4000であつた。 またIR分析により、1625cm-1のC=Cのピー
クが消失し1125cm-1,1030〜1060cm-1のC−O−
Cのピーク及び1740cm-1のエステルのピークが認
められた。 参考例 4 触媒としてジフエニルヨードニウムヘキサフル
オロフオスフエートを下表記載の各化合物に対し
て2wt%添加し、マイラーフイルムの間にはさん
で、ウシオ電機(株)製60w/cm高圧水銀灯により高
さ20cmで8分間紫外線を照射しカチオン重合さ
せ、下表に示す性状の重合物を得た。 No. 化合物の種類 重合物の性状 1 実施例5の化合物 固い架橋した透明固体。 2 実施例6の化合物 軟かい架橋した透明固
体。 3 実施例2の化合物 軟かい架橋した透明固
体。 4 実施例3の化合物 軟かい架橋した透明固
体。 5 実施例4の化合物 軟かい架橋した透明固
体。 参考例 5 A 触媒としてベンゾインエチルエーテルを下表
記載の各化合物に対して5wt%添加し、マイラ
ーフイルムの間にはさんで、参考例4と同様に
紫外線を照射し、ラジカル重合させた。その結
果下表に示す性状の重合物を得た。 No. 化合物の種類 重合物の性状 1 実施例5の化合物 固い透明固体。 2 実施例6の化合物 軟かい透明固体。 3 実施例1の化合物 固い透明固体。 4 実施例4の化合物 固い透明固体。 B 実施例4の化合物に、触媒としてベンゾイン
エチルエーテルを5wt%添加し、日本電池(株)製
Hi Cure Lamp HI 20N集光型オゾンタイプ
2灯を用い、コンベヤースピード10m/minで
空気中において紫外線を10回繰返して照射しラ
ジカル重合させることによつて、表面タツクの
ない透明な固い重合物をえた。 参考例 6 実施例1で得た化合物に触媒としてBF3OEt23
モル%を添加して、70℃で20時間カチオン重合反
応させて、淡黄色の架橋した固い透明固体を得
た。 この重合物の比重は25℃において1.282(測定法
A)であつた。この値より重合による体積収縮率
は、ほぼ0であつた。なお体積収縮率(%)は、
〔1−(化合物の比重/化合物から得た重合体の比
重)〕×100で示される。 またIR分析により約3450cm-1に−OHのピー
ク、1720〜1740cm-1にエステルの2つのピーク
(ビシクロオルソエステル基の開環により生成し
たエステルのピークと、メタクリル酸エステルに
由来するエステルのピーク)が、また1640cm-1に
C=Cのピーク、1160cm-1,1040cm-1にC−O−
Cのピークが認められ、1120cm-1,855cm-1のピ
ークが消失した。 この重合物の構造は前記式〔b〕(ただしR
およびR2はメチル基)のように表わされる。 参考例 7 下表記載の各化合物に対し、触媒として
BF3OEt2を3モル%添加して、70℃で20時間カ
チオン重合させた結果、下表に示すとおりの性状
の重合物を得た。 No. 化合物の種類 重合物の性状 1 実施例5の化合物 固い淡黄色固体。 2 実施例2の化合物 少し固い淡黄色固体。 3 実施例3の化合物 軟かい淡黄色固体。 4 実施例4の化合物 粘稠液状 参考例 8 参考例1で得たラジカル重合物0.2gを1,1
−ジクロルエタン4mlに溶解し、触媒として
BF3OEt2を1wt%添加して、60℃で2時間カチオ
ン開環反応させて、架橋した重合物を得た。 この架橋重合物の比重は25℃において1.282(測
定法A)であつた。この値より算出される、ラジ
カル重合物の架橋による体積収縮率は、わずか
0.3%であつた。 参考例 9 ガラス封管中に実施例5で得た化合物1.11g,
ジオキサン20ml及び触媒として2,2′−アゾビス
イソブチロニトリル0.02g(単量体に対して3モ
ル%)を装入し、封管後75%において48時間ラジ
カル重合させた。 得られた反応液をn−ヘキサン中に撹拌しなが
ら滴下して重合物を沈澱させた。この沈澱物をテ
トラヒドロフランに溶解し、次に溶液を同様にn
−ヘキサン中に滴下して沈澱させた。さらに再度
沈澱精製をくり返して白色粉末状の重合物0.36g
得た。(収率33%) この重合物の比重は25℃において1.196(測定法
A)であつた。この値より算出される重合による
体積収縮率は約2.8%である。 またHLC分析による重量平均分子量は約2.5万
であつた。 またIR分析により、1.625cm-1のビニル基によ
る吸収が消失し、1120cm-1,1045cm-1,855cm-1
のビシクロオルソエステル基のC−O−Cの吸収
は残存していた。 この重合物の構造は、前記式〔a〕(ただし
Rはメチル基)のように表わされる。 参考例 10 実施例6で得た化合物に触媒としてBF3OEt23
モル%を添加して70℃で20時間カチオン重合反応
させて淡黄色の架橋した透明固体を得た。 この重合物の比重は25℃において1.174(測定法
A)であつた。この値より重合による体積収縮率
は、わずか1.5%であつた。 また重合物のIR分析により、約3400cm-1に−
OHのピーク、1730cm-1にエステルのピーク、
1630cm-1にC=Cのピークが認められ、1130cm-1
のピークが消失した。 この重合物の構造は前記式〔a〕(ただしR
はエチル基)のように表わされる。 参考例 11 参考例9で得られたラジカル重合物0.2gを1.1
−ジクロルエタン4mlに溶解し、触媒として
BF3OEt2を1wt%添加して60℃で2時間カチオン
開環反応させて架橋した重合物を得た。 この架橋物の比重は25℃において、1.200(測定
法A)であつた。この値より算出されるラジカル
重合物の架橋による体積収縮率は、わずか0.3%
であつた。
されうる。 また、その他のカチオン重合触媒としては、例
えばBF3,FeCl3,SnCl4,SbF3,TiCl4などのル
イス酸;BF3OEt2,BF3−アニリンコンプレツク
ス等のごときルイス酸とO,S,Nなどを有する
化合物との配位化合物;ルイス酸のオキソニウム
塩、ジアゾニウム塩、カルボニウム塩;ハロゲン
化合物、混合ハロゲン化合物または過ハロゲン酸
誘導体などがあげられる。 触媒の使用量は一般に重合しようとする単量体
に対し、0.001〜10wt%好ましくは0.1から5wt%
の範囲が好適である。重合温度に関する制限は特
にないが、通常常温〜200℃で行なわれる。 重合時に溶媒を使用する場合は、生長カチオン
と反応してその活性を低下させない化合物を選ぶ
ことが望ましい。使用に適した溶媒としては、ヘ
キサン、オクタン等の脂肪族炭化水素;トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素;塩化メチレ
ン、1,1−ジクロルエタン等のハロゲン化炭化
水素等がある。 次に本発明を実施例及び参考例により更に説明
する。 以下の実施例および参考例において化合物及び
重合物の比重は次の方法により測定したものであ
る。 測定法A……密度勾配管法B型直読式比重測定装
置(柴山科学器械製作所)を使用し、炭酸カリ
ウム水溶液で作成した密度勾配管に、試料をそ
のまま、あるいは赤外吸収スペクトル測定用錠
剤成形器で成形した後、炭酸カリウム水溶液中
で脱気後投入した測定。 測定法B……比重ビン法で測定。 測定法C……空気比較式比重計 930形〔ベツク
マン・ジヤパン(株)製〕を用いて測定。 また重合物の平均分子量は液体クロマトグラフ
分析(HLC分析と略記する)からポリスチレン
換算重量平均分子量として計算した。 その測定条件は次の通りである。 装置;東洋曹達工業(株)製 HLC−801A カラム;TSKゲル−GMH 2本 溶離液;テトラヒドロフラン 流速;1ml/分 参考例 1 2のフラスコにペンタエリスリトール272g
(2モル)、トリエチルオルソプロピオネート352
g(2モル)、ジ−n−オクチルフタレート345g
およびP−トルエンスルホン酸2gを仕込み、窒
素ガスを通しながら撹拌下、徐々に110℃から140
℃に昇温した。 昇温とともにエタノールの留出がはじまり、
3.5時間反応させてエタノールを主成分とする留
出物261gを得た。 反応溶液に無水炭酸カリウム10gを加えて触媒
を中和後、遠心分離を行ない、未反応原料(ペン
タエリスリトール)と触媒中和物からなる沈でん
物を除いた。上澄み液を減圧蒸着することによつ
て、化合物〔1〕として1−エチル−4−ヒドロ
キシメチル−2,6,7−トリオキサビシクロ
〔2,2,2〕オクタン233g(収率67%)を得
た。 この化合物の物性値は下記の通りである。 Γ 沸点;97−100℃/0.2mmHg Γ 比重;1.204(25℃) Γ 核磁気共鳴スペクトル(以下NMRと略記す
る) (CDCl3中)δ(PPm); 4.0(6H,s),3.4(2H,s)2.8 (1H,s),1.7(2H,g),0.9(3H,t) (第1図参照) Γ 元素分析(%) 実測値−C;55.0,H;8.0 C8H14O4としての計算値(理論値)− C;55.2H;8.1 Γ 赤外吸収スペクトル(以下IRと略記する); 348cm−1(−OH),930,1050,1100cm−
1(C−O−C) 参考例 2 2のフラスコに、トリエチルオルソアセテー
ト162g(1モル)、ペンタエリスリトール136g
(1モル)、ジ−n−オクチルフタレート250gお
よびP−トルエンスルホン酸0.5gを仕込み、窒
素ガスを通しながら撹拌下昇温し、135℃にした。
この温度で4時間反応し、エタノールを主成分と
する留出物126gを得た。 反応溶液にトリエチルアミン1gを加えて触媒
を中和した後、常温で一夜放置することによつ
て、目的物と未反応原料(ペンタエリスリトー
ル)からなる結晶を分離し、目的物の非溶媒であ
るシクロヘキサンで分離結晶を3回洗浄して、反
応溶媒(ジ−n−オクチルフタレート)を除去し
た。洗浄後の結晶をアセトンに溶解し、アセトン
不溶分を分離除去した。濾液からアセトンを蒸発
させた後、クロロホルムを用いた再結晶法により
3回精製を行ない、化合物〔1〕として白色粉末
状の1−メチル−4−ヒドロキシメチル−2,
6,7ートリオキサビシクロ〔2,2,2〕オク
タン25g(収率16%)を得た。この化合物の物性
値は下記の通りである。 Γ融点;113〜115℃ Γ 比重;1.37(25℃) Γ 核磁気共鳴スペクトル(重水素化アセトン
中) δ(PPm); 4.1(6H,s),3.5(2H,d),1.3(3H,s)
(第2図参照) Γ 元素分析(%) 実測値−C;52.4,H;7.7 C7H12O4としての計算値(理論値)− C;52.5、H;7.6 Γ 赤外吸収スペクトル; 3400cm−1(−OH),980,1040,1135cm−1
(C−O−C) 実施例 1 撹拌機、コンデンサー、窒素ガス吹込口及び滴
下ロートを備えた4つ口500mlフラスコに、ジオ
キサン250ml、参考例2の1−メチル−4−ヒド
ロキシメチル−2,6,7−トリオキサビシクロ
〔2,2,2〕オクタン16.0g(0.1モル)及びト
リエチルアミン25.25g(0.25モル)をとり、氷
水により10℃に冷却し、窒素気流中撹拌しなが
ら、メタクリロイルクロライド13.07g(0.125モ
ル)を約30分で滴下した。さらに同温度で2時間
続いて、室温で4時間撹拌し、一夜放置した。 生成した沈でんを過し、液に重合防止剤と
して銅粉を.5g添加し、ジオキサンと過剰のト
リエチルアミンを減圧で留去した後、減圧蒸留し
て、沸点103℃/0.25mmHgにおいて1−メチル−
4−メタクリロイルオキシメチル−2,6,7−
トリオキサビシクロ〔2,2,2〕オクタン14.4
g(収率約63%)を得た。 その物性値は下記の通りである。 Γ 沸点;103℃/0.25mmHg Γ 比重;1.281(25℃) (測定法C) Γ IR;1720cm-1(CO−O) 1635cm-1(C=C) 1150、1030cm-1(C−O−C) Γ NMR(CDCl3中) (第3図参照) δ(PPm);1.47(3H,s,−CH3) 1.95(3H,s,CH3−C=) 3.95(2H,s,COO−CH2) 4.02(6H,s,C−CH2−O) 5.61(1H,s,CH=C) 6.09(1H,s,CH=C) 実施例 2 実施例1と同様の装置に、ジオキサン200ml、
参考例1の1−エチル−4−ヒドロキシメチル−
2,6,7−トリオキサビシクロ〔2,2,2〕
オクタン17.4g(0.1モル)及びトリエチルアミ
ン25.25g(0.25モル)をとり、10℃に冷却し、
窒素気流中、撹拌しながら、メタクリロイルクロ
ライド13.07g(0.125モル)を約1時間かけて滴
下した。さらに同じ温度で2時間続いて室温で4
時間反応させた。 生成した沈でん(Et3N−HCl)を過し、
液中のジオキサンと過剰のトリエチルアミンを減
圧で除去した後、重合防止剤として銅粉を入れて
減圧蒸留して、1−エチル−4−メタクリロイル
オキシメチル−2,6,7−トリオキサビシクロ
〔2,2,2〕オクタン17.0g(収率70%)を得
た(沸点113℃/0.25mmHg)。 その物性値は下記の通りである。 Γ 沸点;113℃/0.25mmHg Γ 比重;1172(25℃)(測定法B) Γ IR;1720cm-1(CO−O) 1632cm-1(C=C) 1150cm-11030cm-1(C−O−C) Γ NMR(CDCl3中) (第4図参照) δ(PPm);0.95(3H,t,−CH3) 1.70(2H,g,−C−CH2−) 1.95(3H,s,=C−CH3) 3.94(2H,s,COO−CH2−) 4.02(6H,s,C−CH2−O) 5.6〜6.2(2H,CH2=C) 実施例 3 実施例1と同様な装置に、ジオキサン300ml、
参考例2の1−メチル−4−ヒドロキシメチル−
2,6,7−トリオキサビシクロ〔2,2,2〕
オクタン24.0g(0.15モル)及びトリエチルアミ
ン38.4g(0.38モル)をとり、氷水により10℃に
冷却し、撹拌しながらアクリロイルクロライド
18.1g(0.20モル)を約1時間かけて滴下した。
さらに同温度で2時間撹拌後、室温で3時間撹拌
し、一夜放置した。 生成した沈澱を紙で過し、液に重合防止
剤としてフエノチアジン50mg添加し、ジオキサン
と過剰のトリエチルアミンを減圧で留去した後、
減圧蒸留して沸点103℃/0.6mmHgにおいて1−
メチル−4−アクリロイルオキシメチル−2,
6,7−トリオキサビシクロ〔2,2,2〕オク
タン10.2g(収率32%)を得た。 その物性値は下記の通りである。 Γ 沸点;103℃/0.6mmHg Γ 比重;1327(25℃) (測定法C) Γ IR;1725cm-1(CO−O) 1625cm-1(C=C) 1126cm-1,1020cm-1(C−O−C) Γ NMR(CDCl3中) (第5図参照) δ(PPm);1.45(3H,s,−CH3) 3.95(2H,s,COO−CH2) 4.01(6H,s,C−CH2−O) 5.7〜6.6(3H,m,CH2=CH−) 実施例 4 実施例1と同様な装置に、ジオキサン200ml、
参考例1の1−エチル−4−ヒドロキシメチル−
2.6,7−トリオキサビシクロ〔2,2,2〕オ
クタン17.4g(0.10モル)及びトリエチルアミン
25.3g(0.25モル)をとり、氷水により8℃に冷
却し、撹拌しながらアクリロイルクロライド11.3
g(0.125モル)を約30分かけて滴下した。さら
に同温度で2時間撹拌後、室温で4時間撹拌し、
一夜放置した。 生成した沈澱を紙で過し、液に重合防止
剤としてフエノチアジン50mg添加し、ジオキサン
と過剰のトリエチルアミンを減圧で留去した後減
圧蒸留して、沸点93℃/0.2mmHgにおいて、1−
エチル−4−(アクリロイルオキシメチル)−2,
6,7−トリオキサビシクロ〔2,2,2〕オク
タン10.3g(収率45%)を得た。 その物性値は下記の通りである。 Γ 沸点;93℃/0.2mmHg Γ 比重;1088(25℃) (測定法B) Γ IR;1725cm-1(CO−O) 1630cm-1(C=C) 1030cm-1,1133cm-1(C−D−C) Γ NMR(CDCl3中) (第6図参照) δ(PPm);0.95(3H,t,−CH3) 1.71(2H,g,CH2−) 3.95(2H,s,COO−CH2) 4.01(6H,s,C−CH2−O) 5.7〜6.6(3H,m,CH2=CH−) 実施例 5 実施例1と同様な装置に、水素化ナトリウム
(オイルサスペンシヨン、純度50%)10.56g
(0.22モル)をとり、n−ヘキサンでオイルを洗
浄した後、脱水したテトラヒドロフラン100mlを
加え、フラスコを氷水で冷却し、撹拌下に窒素ガ
スを流しながら、参考例2の1−メチル−4−ヒ
ドロキシメチル−2,6,7−トリオキサビシク
ロ〔2,2,2〕オクタン32.0g(0.20モル)を
少しづつ添加した。 次に30℃に昇温し3時間撹拌をつづけた後、脱
水したN,N−ジメチルホルムアミド60mlを加
え、クロルメチルスチレン(m−体60/P−体40
モル比混合物)36.6g(0.24モル)を約30分かけ
て滴下し、さらに4時間反応させた後、一夜放置
した。次に遠心分離により沈でん物を除き、その
上澄み液の脱溶剤を行なつた。 その残分にトルエン200mlを加え、蒸留水200ml
で3回洗浄した。トルエン層に無水硫酸マグネシ
ウムを加え脱水した後脱トルエンを行ない38.9g
の残渣を得た。さらに0.17mmHgに減圧し、浴温
を100℃に昇温し、未反応クロルメチルスチレン
を留去し、生成物33.0gを取得した。つぎの分離
条件下で分取用液体クロマトグラフイを用いて、
反応生成物から1−メチル−4−ビニルベンジル
オキシメチル−2,6,7−トリオキサビシクロ
〔2,2,2〕オクタンを分取した。 その物性値は下記の通りである。 分離条件: 装置;東洋曹達工業(株)製HLC−807 カラム;TSKゲル G−3000HG+G−2000 HG 溶離液;クロロホルム 流速;4ml/分 化合物の物性値 Γ融点;66〜70℃ Γ 比重;1.163(25℃) (測定法C) Γ IR;1625cm-1(C=C) 1120cm-1,1040-1(C−O−C) 855cm-1 Γ NMR(CDCl3中) (第7図参照) δ(PPm);1.45(3H,s,−CH3) 3.19(2H,s,O−CH2−C) 4.02(6H,s,C−CH2−O) 4.45(2H,s,φ−CH2) 5.2〜6.9(3H,CH2=CH−) 7.0〜7.4(4H,φ−H) 実施例 6 実施例1と同様な装置に、水素化ナトリウム
(オイルサスペンジヨン、純度50%)10.56g
(0.22モル)をとり、n−ヘキサンでオイルを洗
浄した後、脱水したテトラヒドフラン100mlを加
え、フラスコを氷水で冷却し、撹拌下、窒素ガス
を流しながら参考例1の1−エチル−4−ヒドロ
キシメチル−2,6,7−トリオキサビシクロ
〔2,2,2〕オクタン35.2g(0.20モル)を少
しづつ加えた。 次に30℃に昇温し3時間反応させた後、脱水し
たN,N−ジメチルホルムアミド60mlを加え、ク
ロルメチルスチレン(m−体60/P−体40モル比
混合物)36.6g(0.24モル)を約30分かけて滴下
し、さらに4時間反応させた後、一夜放置した。
次に遠心分離により、生成した沈でんを除き、そ
の澄液の脱溶剤を行なつた。 その残渣にトルエン100mlを加え、蒸留水100ml
で3回洗浄した。トルエン層に無水硫酸マグネシ
ウムを加え脱水後脱トルエンを行ない生成物45.9
gを得た。 実施例5と同様に分取液体クロマトグラフイで
分取を行ない1−エチル−4−ビニルベンジルオ
キシメチル−2,6,7−トリオキサビシクロ
〔2,2,2〕オクタンを得た。 その物性値は下記の通りである。 Γ融点;58〜61℃ Γ 比重;1.156(25℃) (測定法C) Γ IR;1625cm-1(CH2=CH−) 1130cm-1,1053cm-1(C−O−C) 953cm-1 Γ NMR(CDCl3中) (第6図参照) δ(PPm);0.96(3H,t,−CH3) 1.71(2H,g,C−CH2) 3.20(2H,s,O−CH2−C) 4.02(6H,s,φ−CH2) 4.46(2H,s,φ−CH2) 5.2〜5.9(3H,CH2=CH−) 7.1〜7.5(4H,φ−H) 参考例 1 ガラス封管中に実施例1で得た化合物0.91g,
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)20mlお
よび2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.02g
(単量体に対して3モル%)を装入し、封じた後
70℃で20時間保ち、ラジカル重合させた。 この沈澱物をテトラヒドロフランに溶解し、溶
液をn−ヘキサン中に撹拌しながら滴下して重合
物を沈澱させた。このテトラヒドロフラン−n−
ヘキサン系による溶解沈澱精製を再度繰返して、
白色粉末状の重合物0.63gを得た(収率69%)。 この重合物の比重は25℃において1.278(測定法
A)であつた。この値より算出される重合による
体積膨張率は約0.2%である。なお体積膨張率
(%)は〔(化合物の比重/化合物から得た重合体
の比重)−1〕×100で示される。 また重合物のIR分析により、1635cm-1のC=
Cのピークが消失し、1120cm-1,1025〜1050cm-1
のC−O−Cのピーク及び1725cm-1のエステルの
ピークが認められた。 また、HLC分析より求めた重量平均分子量は
約7.0万であつた。 また、NMR分析により、S=1.48PPmにC
−CH3のピークが、またS=4.01PPmにビシクロ
オルソエステル基のC−CH2−Oのピークが認め
られた。 この重合物の構造は前記式〔b〕(ただしR
およびR2はメチル基)のように表わされる。 参考例 2 実施例1で得た化合物のかわりに実施例2で得
た化合物0.97gを使用した他は参考例1と同様に
して、ラジカル重合及び沈澱精製を行ない、白色
粉末状の重合物0.47gを得た(収率48%)。 この重合物の比重は25℃において1.278(測定法
A)であつた。この値より算出される体積収縮率
は約8.3%である。 また、HLC分析により求めた重量平均分子量
は10万であつた。 また、IR分析により、1632cm-1のC=Cのピ
ークが消失し、一方1140cm-1、1040〜1060cm-1の
C−O−Cのピーク及び1730cm-1のエステルのピ
ークが認められた。 参考例 3 ガラス封管中に実施例3で得た化合物0.86g,
DMF20ml及び2,2′−アゾビスイソブチロニト
リル0.02g(単量体に対し3モル%)を装入し、
封じた後75℃で7時間重合させた。 得られた反応液をメタノール中に撹拌しながら
滴下して重合物を沈澱させた。この沈澱物をテト
ラヒドロフランに溶解し、続いて同様にメタノー
ル中に滴下して沈澱させた。さらに再度同じ沈澱
精製をくり返して半固体状の重合物を得た。 HLC分析により求めたこの重合体の重量平均
分子量は約4000であつた。 またIR分析により、1625cm-1のC=Cのピー
クが消失し1125cm-1,1030〜1060cm-1のC−O−
Cのピーク及び1740cm-1のエステルのピークが認
められた。 参考例 4 触媒としてジフエニルヨードニウムヘキサフル
オロフオスフエートを下表記載の各化合物に対し
て2wt%添加し、マイラーフイルムの間にはさん
で、ウシオ電機(株)製60w/cm高圧水銀灯により高
さ20cmで8分間紫外線を照射しカチオン重合さ
せ、下表に示す性状の重合物を得た。 No. 化合物の種類 重合物の性状 1 実施例5の化合物 固い架橋した透明固体。 2 実施例6の化合物 軟かい架橋した透明固
体。 3 実施例2の化合物 軟かい架橋した透明固
体。 4 実施例3の化合物 軟かい架橋した透明固
体。 5 実施例4の化合物 軟かい架橋した透明固
体。 参考例 5 A 触媒としてベンゾインエチルエーテルを下表
記載の各化合物に対して5wt%添加し、マイラ
ーフイルムの間にはさんで、参考例4と同様に
紫外線を照射し、ラジカル重合させた。その結
果下表に示す性状の重合物を得た。 No. 化合物の種類 重合物の性状 1 実施例5の化合物 固い透明固体。 2 実施例6の化合物 軟かい透明固体。 3 実施例1の化合物 固い透明固体。 4 実施例4の化合物 固い透明固体。 B 実施例4の化合物に、触媒としてベンゾイン
エチルエーテルを5wt%添加し、日本電池(株)製
Hi Cure Lamp HI 20N集光型オゾンタイプ
2灯を用い、コンベヤースピード10m/minで
空気中において紫外線を10回繰返して照射しラ
ジカル重合させることによつて、表面タツクの
ない透明な固い重合物をえた。 参考例 6 実施例1で得た化合物に触媒としてBF3OEt23
モル%を添加して、70℃で20時間カチオン重合反
応させて、淡黄色の架橋した固い透明固体を得
た。 この重合物の比重は25℃において1.282(測定法
A)であつた。この値より重合による体積収縮率
は、ほぼ0であつた。なお体積収縮率(%)は、
〔1−(化合物の比重/化合物から得た重合体の比
重)〕×100で示される。 またIR分析により約3450cm-1に−OHのピー
ク、1720〜1740cm-1にエステルの2つのピーク
(ビシクロオルソエステル基の開環により生成し
たエステルのピークと、メタクリル酸エステルに
由来するエステルのピーク)が、また1640cm-1に
C=Cのピーク、1160cm-1,1040cm-1にC−O−
Cのピークが認められ、1120cm-1,855cm-1のピ
ークが消失した。 この重合物の構造は前記式〔b〕(ただしR
およびR2はメチル基)のように表わされる。 参考例 7 下表記載の各化合物に対し、触媒として
BF3OEt2を3モル%添加して、70℃で20時間カ
チオン重合させた結果、下表に示すとおりの性状
の重合物を得た。 No. 化合物の種類 重合物の性状 1 実施例5の化合物 固い淡黄色固体。 2 実施例2の化合物 少し固い淡黄色固体。 3 実施例3の化合物 軟かい淡黄色固体。 4 実施例4の化合物 粘稠液状 参考例 8 参考例1で得たラジカル重合物0.2gを1,1
−ジクロルエタン4mlに溶解し、触媒として
BF3OEt2を1wt%添加して、60℃で2時間カチオ
ン開環反応させて、架橋した重合物を得た。 この架橋重合物の比重は25℃において1.282(測
定法A)であつた。この値より算出される、ラジ
カル重合物の架橋による体積収縮率は、わずか
0.3%であつた。 参考例 9 ガラス封管中に実施例5で得た化合物1.11g,
ジオキサン20ml及び触媒として2,2′−アゾビス
イソブチロニトリル0.02g(単量体に対して3モ
ル%)を装入し、封管後75%において48時間ラジ
カル重合させた。 得られた反応液をn−ヘキサン中に撹拌しなが
ら滴下して重合物を沈澱させた。この沈澱物をテ
トラヒドロフランに溶解し、次に溶液を同様にn
−ヘキサン中に滴下して沈澱させた。さらに再度
沈澱精製をくり返して白色粉末状の重合物0.36g
得た。(収率33%) この重合物の比重は25℃において1.196(測定法
A)であつた。この値より算出される重合による
体積収縮率は約2.8%である。 またHLC分析による重量平均分子量は約2.5万
であつた。 またIR分析により、1.625cm-1のビニル基によ
る吸収が消失し、1120cm-1,1045cm-1,855cm-1
のビシクロオルソエステル基のC−O−Cの吸収
は残存していた。 この重合物の構造は、前記式〔a〕(ただし
Rはメチル基)のように表わされる。 参考例 10 実施例6で得た化合物に触媒としてBF3OEt23
モル%を添加して70℃で20時間カチオン重合反応
させて淡黄色の架橋した透明固体を得た。 この重合物の比重は25℃において1.174(測定法
A)であつた。この値より重合による体積収縮率
は、わずか1.5%であつた。 また重合物のIR分析により、約3400cm-1に−
OHのピーク、1730cm-1にエステルのピーク、
1630cm-1にC=Cのピークが認められ、1130cm-1
のピークが消失した。 この重合物の構造は前記式〔a〕(ただしR
はエチル基)のように表わされる。 参考例 11 参考例9で得られたラジカル重合物0.2gを1.1
−ジクロルエタン4mlに溶解し、触媒として
BF3OEt2を1wt%添加して60℃で2時間カチオン
開環反応させて架橋した重合物を得た。 この架橋物の比重は25℃において、1.200(測定
法A)であつた。この値より算出されるラジカル
重合物の架橋による体積収縮率は、わずか0.3%
であつた。
第1図、第2図、第3図、第4図、第5図、第
6図、第7図および第8図はそれぞれ参考例1、
参考例2、実施例1、実施例2、実施例3、実施
例4、実施例5および実施例6で得た化合物の核
磁気共鳴スペクトル図である。
6図、第7図および第8図はそれぞれ参考例1、
参考例2、実施例1、実施例2、実施例3、実施
例4、実施例5および実施例6で得た化合物の核
磁気共鳴スペクトル図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 下式〔〕で示されるビシクロオルソエステ
ル基を有する化合物。 上記式〔〕において、Rは低級アルキル基を
表わし、Aはビニルベンジル基、アクリロイル基
またはメタクリロイル基を表わす。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP56044714A JPS57159788A (en) | 1981-03-28 | 1981-03-28 | Unsaturated compound having bicyclo-orthoester group |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP56044714A JPS57159788A (en) | 1981-03-28 | 1981-03-28 | Unsaturated compound having bicyclo-orthoester group |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS57159788A JPS57159788A (en) | 1982-10-01 |
JPH0149717B2 true JPH0149717B2 (ja) | 1989-10-25 |
Family
ID=12699081
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP56044714A Granted JPS57159788A (en) | 1981-03-28 | 1981-03-28 | Unsaturated compound having bicyclo-orthoester group |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS57159788A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5941372A (ja) * | 1982-08-31 | 1984-03-07 | Tokuyama Soda Co Ltd | 重合性組成物 |
JPS60186510A (ja) * | 1984-03-07 | 1985-09-24 | Toagosei Chem Ind Co Ltd | 光硬化用樹脂組成物 |
US5466710A (en) * | 1988-03-21 | 1995-11-14 | Roussel Uclaf | Heterobicycloalkanes as pesticidal compounds |
-
1981
- 1981-03-28 JP JP56044714A patent/JPS57159788A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS57159788A (en) | 1982-10-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPWO2005075398A1 (ja) | カリックスアレーン系化合物、その製造方法、その中間体及びその組成物 | |
JPH09502429A (ja) | 閉環重合モノマーおよびポリマー | |
JP5007942B2 (ja) | 重合性組成物及びその重合物 | |
EP0095182A2 (en) | Photosensitive resin composition | |
US5112973A (en) | Fluorine-containing acrylic acid derivative and polymer thereof | |
JPH0149717B2 (ja) | ||
JPH0244314B2 (ja) | ||
JPH036924B2 (ja) | ||
JPH0149716B2 (ja) | ||
JPH0420918B2 (ja) | ||
US4332731A (en) | 2-Methylene-1,4,6-trioxaspiro[4,6]undecane, process for the preparation thereof and process for the preparation of polymers | |
US4290945A (en) | α,α-azo-bis-isobutyric acid α,ω-bis alkyl ester derivatives and method for preparing same | |
JP3474234B2 (ja) | 環状カーボナートを有するビニルシクロプロパン化合物およびそれから得られるポリマー | |
JPH11171967A (ja) | 新規脂環式エポキシビニルエーテル、重合性組成物およびその硬化物 | |
JPS6345246A (ja) | N−(置換オキサリル)アルキルアクリルアミドおよびその製法 | |
JPS6318935B2 (ja) | ||
JPH0154353B2 (ja) | ||
JPH0148273B2 (ja) | ||
JPH0241527B2 (ja) | ||
JPH11140135A (ja) | 新規プロペニルエーテル、重合性組成物およびその硬化物 | |
JPS6354288B2 (ja) | ||
KR20060043217A (ko) | (메타)아크릴레이트 및 이의 제조방법 | |
JPH0148274B2 (ja) | ||
JPS626569B2 (ja) | ||
JPH0519555B2 (ja) |