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JPH07238123A - 半導体封止用樹脂組成物 - Google Patents

半導体封止用樹脂組成物

Info

Publication number
JPH07238123A
JPH07238123A JP2980394A JP2980394A JPH07238123A JP H07238123 A JPH07238123 A JP H07238123A JP 2980394 A JP2980394 A JP 2980394A JP 2980394 A JP2980394 A JP 2980394A JP H07238123 A JPH07238123 A JP H07238123A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
resin composition
weight
polymaleimide
silica particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2980394A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaki Yamamoto
昌樹 山本
Osamu Suzuki
修 鈴木
Atsushi Toda
淳 遠田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2980394A priority Critical patent/JPH07238123A/ja
Publication of JPH07238123A publication Critical patent/JPH07238123A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 樹脂成分として耐熱性に優れたマレイミド系
樹脂を含み、成形時の流動性が良好であり、低吸湿性
で、かつ曲げ強さ等の機械的特性の優れた硬化成形物が
得られる、高信頼性の半導体封止用樹脂組成物を提供す
る。 【構成】 特定の構造式で表されるビスマレイミドを含
有するポリマレイミド化合物(A)5〜20重量%、分
子内に2個以上のアリル基を有するアリルフェノ−ル化
合物(B)4〜15重量%、シリカ粒子(C)25〜9
0重量%、およびパーオキシケタール化合物(D)0.
1〜5重量%を、それぞれ含有してなることを特徴とす
る半導体封止用樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体封止用樹脂組成
物に関するものである。さらに詳しくは、成形時の流動
性に優れ、かつ低吸湿性で、機械的特性の優れた硬化成
形物が得られる半導体封止用樹脂組成物に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、IC、LSI等の半導体素子
の封止には、特性、コスト等の点から樹脂組成物が多く
使用されるようになり、なかでもエポキシ系樹脂組成物
はその主流をなしている。また、近年においては、電子
部品の量産化や高集積化、半導体素子の薄型化や表面実
装等の傾向が一層進展し、半導体封止用樹脂組成物に対
する要求は、耐熱性、機械的強度の向上に止まらず、成
形加工性が良好で熱応力が少ないこと等に加え、低吸湿
性も厳しく要求されるようになった。これらに対処する
ため、エポキシ系樹脂組成物においても種々検討されて
きたが、エポキシ樹脂を用いるかぎりその改良には限界
があった。
【0003】エポキシ樹脂よりも耐熱性の優れた熱硬化
性樹脂としては、ポリマレイミド系樹脂が知られている
が、一般に、ポリマレイミド系樹脂は融点または軟化温
度が高く、成形加工性が必ずしも良好であるとはいえな
い。また、ポリマレイミド系樹脂から得られる硬化成形
物は、弾性率が高く、かつ破断伸びが小さいために強度
が低く、その結果として堅くて脆いという欠点があっ
た。
【0004】上記欠点を改良したものとして、ポリマレ
イミド系樹脂とO,O’−ジアリルビスフェノールAと
よりなる樹脂組成物(特公昭55−39242号公
報)、ビスマレイミド化合物にビスフェノールSのジア
リルエーテル化物を配合してなる樹脂組成物(特開昭5
3−134099号公報)、ビスマレイミド化合物にフ
ェノールノボラックのアリルエーテル化物を配合してな
る樹脂組成物(特開昭62−11716号公報)等が提
案されている。また、IC、LSI等の表面での熱応力
を少なくする目的で、ポリマレイミド系樹脂に熱膨張係
数の低いシリカ粒子を添加する技術も提案されている
(特開昭63−230728号公報等)。
【0005】しかしながら、上記従来から提案されてい
るポリマレイミド系樹脂組成物においては、成形時の流
動性、成形硬化物の耐熱性等のいずれかは改善されて
も、要求される諸特性を総合的に満足するには至ってい
ない。本発明者らの知見によると、得られる硬化成形物
の熱応力を少なくする目的で、樹脂組成物にシリカ粒子
を多量配合すると熱膨張率を低下させることができる
が、反面、成形時の流動性が著しく低下して、特に薄型
ICパッケージ等を成形した場合には、ボンディングワ
イヤーの断線が起ったり、未充填部が発生したりして、
所望の成形品を得ることができない。また、薄型ICパ
ッケージ等を表面実装するに際しては、ハンダリフロー
工程で直接高温度のハンダ熱に曝されるが、吸湿性の高
い硬化成形物は、高温に曝されると瞬時に多量の水蒸気
を発生し、この際にパッケージ(硬化成形物)にクラッ
クが生じ、封止機能が損なわれてしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来か
らの技術課題を解決しようとするものであり、封止用樹
脂成分として耐熱性に優れたマレイミド系樹脂を含み、
成形時の流動性が良好であり、低吸湿性であり、かつ曲
げ強さ等の機械的特性の優れた硬化成形物が得られる、
高信頼性の半導体封止用樹脂組成物を提供することを目
的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定のビスマレイ
ミドを含有するポリマレイミド化合物、特定のアリルフ
ェノール化合物、シリカ粒子、およびパーオキシケター
ル化合物を、各々特定量含有してなる樹脂組成物によ
り、本発明の目的が容易に達成されることを見い出し本
発明を完成したものである。
【0008】しかして、本発明の要旨とするところは、
下記に示すA成分、B成分、C成分、およびD成分の各
成分を、各所定量含有してなることを特徴とする半導体
封止用樹脂組成物に存する。 A成分:下記の一般式(I)で表されるビスマレイミド
を含有するポリマレイミド化合物5〜20重量%、 B成分:分子内に2個以上のアリル基を有するアリルフ
ェノ−ル化合物4〜15重量%、 C成分:シリカ粒子25〜90重量%、 D成分:パーオキシケタール化合物0.1〜5重量%。
【0009】
【化2】 [式(I)中、R1およびR2は、互いに同種または異種
の炭素数1〜4のアルキル基を示し、R3およびR4は、
互いに同種または異種の水素原子、メチル基もしくはエ
チル基を示す。]
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。 <A成分>本発明におけるA成分は、前記一般式(I)
で表されるビスマレイミドを含有するポリマレイミド化
合物であり、このA成分は、前記一般式(I)で表さ
れるビスマレイミド単独、またはこのビスマレイミド
と下記一般式(II)で表わされるポリマレイミド化合
物との混合物、のいずれかであってもよい。
【0011】
【化3】 [式中、Yは脂肪族、芳香族、脂環式、または複素環式
の2価以上の多価残基であり、nは2以上の整数を表
す。]
【0012】上記特定構造のビスマレイミドは、本発明
の樹脂組成物に成形時の良好な流動性を付与し、かつ得
られる硬化成形物の吸湿性を低下させるという効果を発
揮する。A成分として、前記の混合物を選ぶときは、
このビスマレイミドを10重量%以上、好ましくは20
重量%以上含有させるのが好ましい。ビスマレイミドの
含有量が10重量%以上であるA成分を用いると、成形
時の流動性が一層良好な樹脂組成物が得られ、これから
得られる硬化成形物は低吸湿性を示し、かつ曲げ強度等
の機械的特性も優れたものとなり好適である。
【0013】A成分に用いられるビスマレイミドは、芳
香環のアミノ基置換炭素に隣接する炭素原子の少なくと
も一方がアルキル置換基を有する芳香族ジアミンと無水
マレイン酸との反応により容易に得ることができる。こ
のようなビスマレイミドの例としては、ビス(3−メチ
ル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3,5−
ジメチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3
−エチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3
−n−ブチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス
(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)
メタン、ビス(3,5−ジエチル−4−マレイミドフェ
ニル)メタン等が挙げられる。
【0014】ビスマレイミドと混合して用いられるポリ
マレイミド化合物は、ジアミンまたはポリアミンと無水
マレイン酸との反応により容易に得ることができる。上
記ジアミンは、一般式(H2N)nY[nは2であり、Y
は一般式(II)におけると同じ意味を有する2価の残
基である。]で表される化合物である。このようなジア
ミンと無水マレイン酸との反応で得られるポリマレイミ
ド化合物の具体例としては、1,2−ジマレイミドエタ
ン、1,3−ジマレイミドプロパン等のような脂肪族ポ
リマレイミド;ビス(4−マレイミドフェニル)メタ
ン、ビス(3−エチル−4−マレイミドフェニル)メタ
ン、ビス(3−エチル−4−マレイミド−5−メチルフ
ェニル)メタン、2,7−ジマレイミドフルオレン、
1,3−ジマレイミドベンゼン、1,4−ジマレイミド
ベンゼン、2,4−ジマレイミドトルエン、ビス(マレ
イミドフェニル)スルホン、ビス(マレイミドフェニ
ル)エ−テル、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフ
ェノキシ)フェニル)プロパン、ビス(4−(4−マレ
イミドフェノキシ)フェニル)スルホン、1,3−ビス
(2−(3−マレイミドフェニル)プロピル)ベンゼン
(各々異性体を含む)等のような芳香族ポリマレイミ
ド;1,4−ジマレイミドシクロヘキサン等のような脂
環式ポリマレイミド;ビス(マレイミドフェニル)チオ
フェン(異性体を含む)等のような複素環式ポリマレイ
ミドが挙げられる。これらの中では、耐熱性の点から芳
香族ポリマレイミドが特に好ましい。
【0015】上記ポリアミンは、一般式(H2N)n
[nは3以上の整数であり、Yは一般式(II)におけ
ると同じ意味を有する3価以上の多価残基である。]で
表される化合物である。このようなポリアミンと無水マ
レイン酸との反応で得られるポリマレイミド化合物の具
体例としては、アニリンまたはその各種誘導体とホルマ
リンとを重縮合反応させて得られるポリアミンのマレイ
ミド化物等が挙げられる。
【0016】これらのポリマレイミド化合物は、2種類
もしくはそれ以上を組み合わせたもの、または複数のジ
アミンもしくはポリアミンを混合したものをマレイミド
化して得たものであってもよく、さらに、これらには流
動性の一層の改善を目的として、バリの発生等の成形加
工性を損なわない範囲内において、N−フェニルマレイ
ミド等のモノマレイミドを加えることができる。
【0017】本発明の樹脂組成物に含まれるA成分の割
合は、5〜20重量%の範囲、より好ましくは5〜15
重量%の範囲である。A成分の割合が20重量%を超え
るときには、樹脂組成物の成形性は向上するものの、得
られる硬化成形物の熱膨張率が大きくなるので好ましく
なく、他方、5重量%より少ないときには、得られる硬
化成形物の硬化が不十分となるおそれがあり好ましくな
い。
【0018】<B成分>本発明におけるB成分は、分子
内に2個以上のアリル基を有するアリルフェノ−ル化合
物である。このB成分は、硬化時にA成分と架橋反応す
ることにより、得られる硬化成形物の機械的特性を向上
させるという効果を発揮する。このB成分は、前記A成
分との反応を円滑に行えるという点から、液状であるも
のが好ましいが、常温においては固形状であっても混合
操作時の加熱によって液状になるものでなら同様に使用
できる。B成分の具体例としては、2,2−ビス(3−
アリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,
1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−
アリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3
−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス
(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、
ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)エ−テル
等が挙げられるが、これら例示されたものに限定される
ものではない。これらは単独でも、2種類以上の混合物
であつてもよい。
【0019】本発明の樹脂組成物に含まれるB成分の割
合は、4〜15重量%の範囲、より好ましくは4〜10
重量%の範囲である。B成分の割合が4重量%より少な
いときには、得られる硬化成形物が脆くなり、曲げ強さ
等の機械的特性を低下させ、他方、15重量%を超える
ときには、得られる硬化成形物の耐熱性を低下させ、い
ずれも好ましくない。
【0020】また、このB成分の使用量は、前記A成分
のマレイミド官能基に対する割合を目安として上記範囲
から選ぶことができ、この場合前記A成分のマレイミド
官能基1当量に対するB成分のアリル基の割合を、0.
5〜1.5当量の範囲とするのが好ましい。B成分のア
リル基の上記割合が0.5当量より少ないときには得ら
れる硬化成形物が脆いものとなり、また1.5当量より
多いときには得られる硬化成形物の耐熱性が低下する傾
向を示す。
【0021】<C成分>本発明におけるC成分は、シリ
カ粒子である。このシリカ粒子は粒子状のものであれば
特に制限はなく、その形状は球形のもの、角形のものま
たは破砕物であってもよく、また、液相合成、気相合成
のいずれの方法で製造されたものであってもよい。C成
分は、得られる硬化成形物の熱膨張率を低下させるとい
う効果を発揮し、この目的のためにはC成分の割合は、
樹脂組成物の流動性が良好に保たれる限り多めにするの
が好ましい。
【0022】本発明の樹脂組成物に含まれるC成分の割
合は、25〜90重量%の範囲、好ましくは60〜88
重量%の範囲である。C成分の割合が25重量%未満で
あると得られる硬化成形物の熱膨張率を十分に低下させ
ることができず、また90重量%を超えると樹脂組成物
の流動性が低下し、成形性が損なわれる。上記範囲のう
ち、高めの割合で配合する場合には、平均粒径の異なる
複数種のシリカ粒子を用いるのが好ましい。複数種のシ
リカ粒子を用いる場合には、それらを予め混合した混合
シリカを調製し、使用するのが好ましい。用いるシリカ
粒子の粒径は、200μm以上のものが0.1重量%以
下で、かつ、0.01μm以下のものが0.1重量%以
下の粒径分布を有するものが好ましい。
【0023】本発明の樹脂組成物には、必要に応じ、シ
リカ粒子以外の粒子状または繊維状の無機充填材を併用
することができる。併用できる充填材の具体例として
は、アルミナ粉、マイカ、チタニア、ジルコニア等の粒
子;およびガラス繊維、炭素繊維、ボロン繊維等の無機
繊維が挙げられ、またアラミド繊維等の耐熱性繊維であ
ってもよい。また、シリカ粒子およびこれと併用する他
の無機充填材は、ウラン、トリウム等の放射性元素の含
有率の低いものが望ましい。これら放射性元素からのα
線により、例えばメモリの破壊等によって封止される半
導体の誤動作を誘発するおそれがあるからである。
【0024】さらに、シリカ粒子はその表面処理のため
に、シランカップリング剤を用いることもできる。 シ
ランカップリング剤の使用量は、シランカップリング剤
の種類、シリカ粒子の表面性状によって変わるが、概ね
シリカ粒子100重量部に対して0.1〜5重量部の範
囲、好ましくは0.5〜3重量部の範囲とするのがよ
い。このシランカップリング剤は、予めシリカ粒子のみ
に添加しておいてもよいし、また前記A成分、B成分お
よび後記D成分にC成分(シリカ粒子)を混合する際に
添加してもよい。シランカップリング剤としては、アミ
ノ基を有するオルガノシラン化合物が特に有効であり、
好適なシランカップリング剤としては、3−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、3−(N−(2−アミノエチ
ル))アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(N−
アリル−N−(2−アミノエチル))アミノプロピルト
リメトキシシラン、3−(N−アリル−N−クリシジル
メチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(N
−(2−アミノエチル))アミノプロピルメチルジメト
キシシラン、3−(N−フェニル)アミノプロピルトリ
メトキシシランを例示することができる。これらは単独
でも、2種類以上の混合物であってもよい。
【0025】<D成分>本発明におけるD成分は、パー
オキシケタール化合物であり、1個の炭素原子に2個の
パーオキシ基が結合した化合物を意味し、このD成分
は、成形条件下での樹脂組成物の硬化を促進させるとい
う効果を発揮する。D成分として好適なパーオキシケタ
ール化合物としては、レブリン酸エチル tert−ブチル
パーオキシケタール、レブリン酸ブチル tert−ブチル
パーオキシケタール、シクロヘキサノン tert−ブチル
パーオキシケタール等が挙げられるが、これら例示され
たものに限定されるものではない。
【0026】本発明の樹脂組成物に含まれるD成分の割
合は、0.1〜5重量%の範囲であり、この範囲の中か
ら硬化させる際の温度や速度等の硬化条件に対応させ
て、選択することができる。D成分の割合が0.1重量
%未満であると、硬化が不十分となり、また、5重量%
を超えると、流動性が著しく低下し、硬化成形物に未充
填部が生じるおそれがあり好ましくない。D成分の割合
が上記範囲内であれば、成形時の流動性を良好に保ちつ
つ、硬化を十分に促進させることができ、目的とする硬
化成形物を得ることができる。
【0027】また、本発明の樹脂組成物には、硬化成形
物の熱膨張率を低下させる等の目的で、D成分以外の有
機過酸化物をD成分と併用することができる。D成分と
併用できる有機過酸化物としては、1,4−ビス(2−
(2−(tert−ブチルパーオキシ)プロピル))ベンゼ
ン、tert−ブチルパーベンゾエート、ジクミルハルーオ
キシド等が挙げられる。これらD成分と併用する有機過
酸化物の添加量は、その種類、添加の目的等によって個
々に決定すればよいが、通常は樹脂成分(A成分及びB
成分)100重量部に対し、0.05〜2重量部の範囲
とするのがよい。
【0028】さらに、本発明の樹脂組成物には、成形時
の流動性、硬化特性、および硬化成形物の諸特性を損な
わない範囲において、必要に応じ、天然ワックス、合成
ワックス、有機脂肪酸またはそのエステルもしくは金属
塩などの内部離型剤;臭素化エポキシ化合物や臭素化フ
ェノールなどのハロゲン化合物、または酸化アンチモン
等の難燃化剤;カーボンブラック等の着色剤;ニトリル
ゴム、ポリジメチルシロキサンな等のシリコーン化合物
等の可撓性付与剤を添加してもよく、それぞれの機能を
改善することができる。
【0029】本発明の樹脂組成物を製造するには、上記
のA成分〜D成分を均一に混合する。この際の混合方法
は、特に限定されるものではないが、混合時の温度は9
0℃を超えないのが好ましい。また、混合機としては従
来から知られているものが使用でき、具体的には熱ロー
ル、押出機、ニーダー、ミキサー等が挙げられる。この
ようにして得られた樹脂組成物は、外部より加熱するこ
とにより容易に硬化させ、目的とする硬化成形物を得る
ことができる。
【0030】
【実施例】次に、本発明を、実施例および比較例により
更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない
限り以下の実施例の記載に限定されるものではない。な
お、以下の例において「部」および「%」は、特に断り
のない限り全て重量基準である。
【0031】また、以下の例(表1を含む)において、
用いた原料の略号は、各々次の意味を有する。 マレイミドa:ビス(3−エチル−5−メチル−4−マ
レイミドフェニル)メタン マレイミドb:ビス(4−マレイミドフェニル)メタン アリルフェノールa:2,2−ビス(3−アリル−4−
ヒドロキシフェニル)プロパン シリカ粒子a:平均粒径18μmの球状シリカ シリカ粒子b:平均粒径1μmの球状シリカ シリカ粒子c:平均粒径7μmの破砕シリカ カップリング剤a:3−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン 過酸化物a:レブリン酸ブチル tert−ブチルパーオキ
シケタール 過酸化物b:1,4−ビス(2−(2−( tert−ブチ
ルパーオキシ)プロピル))ベンゼン 過酸化物c:tert−ブチルパーオキシド
【0032】実施例1 マレイミドa(A成分)45部、アリルフェノールa
(B成分)28部とをミキサーに仕込み、150℃にて
20分間攪拌して混合組成物を得た。次に、これを冷却
した後この混合組成物に、シリカ粒子a378部とシリ
カ粒子b42部(C成分)、カップリング剤a4.2
部、過酸化物a(D成分)1.5部、過酸化物b0.4
部、およびカルナウバワックス0.7部を添加しした
後、2本ロールを用いて75℃、30分間溶融混練りし
た後、冷却、粉砕して樹脂組成物を得た。この樹脂組成
物について、スパイラルフローを測定して、成形時の流
動性を評価した。次いで、得られた樹脂組成物の粉砕物
を、トランスファー成形機(コータキ社製、KTS15
型)を用い、射出圧100kg/cm2 で射出し、温度
180℃に3分間保圧した後、金型から硬化成形物を取
り出した。この硬化成形物ついて、吸湿率および曲げ強
さを測定した。結果を、原料の組成とともに表1に示
す。
【0033】なお、上記の各測定は、それぞれ次の方法
によった。 1)樹脂組成物のスパイラルフロー(cm) EMMI法(EMMI 1−66)に準拠したトランス
ファ成形金型を用い、成形圧70kg/cm2 、成形温
度180℃の条件で、圧の充分かかった部分の長さを測
定した。 2)吸湿率(%) 成形直後の硬化成形物の重量(Wd)を測定した後、こ
の硬化成形物を、温度85℃、相対湿度85%の吸湿雰
囲気下に20時間放置して吸湿させた後、吸湿後の重量
(Ww)を測定し、次式より算出した。
【数1】 吸湿率(%) = (Ww−Wd)×100/Wd 3)曲げ強さ(kg/mm2) JIS K 6911に準拠し、長さ100mm、幅10
0mm、厚み4mmの試験片を用いて測定した。
【0034】実施例2 実施例1に記載の例において、過酸化物の種類および量
を、表1記載のとおり変更したほかは、同例におけると
同様にして、樹脂組成物および硬化成形物を得、各種測
定を行った。結果を、同じく表1に示す。
【0035】実施例3 実施例1に記載の例において、同例におけるマレイミド
a45部を、マレイミドa22.5部とマレイミドb2
2.5部との混合物に変更したほかは、同例におけると
同様にして、樹脂組成物および硬化成形物を得、各種測
定を行った。結果を、同じく表1に示す。
【0036】実施例4 実施例3に記載の例において、シリカ粒子の種類および
量を、表1記載のとおり変更したほかは、同例における
と同様にして、樹脂組成物および硬化成形物を得、各種
測定を行った。結果を、同じく表1に示す。
【0037】比較例1 実施例1に記載の例において、マレイミドaをマレイミ
ドbに変更したほかは、同例におけると同様にして、樹
脂組成物および硬化成形物を得、各種測定を行った。結
果を、同じく表1に示す。
【0038】比較例2 実施例1に記載の例において、マレイミドaとアリルフ
ェノールaの量を、表1記載のとおり変更したほかは、
同例におけると同様にして、樹脂組成物および硬化成形
物を得、各種測定を行った。結果を、同じく表1に示
す。
【0039】比較例3 実施例1に記載の例において、過酸化物の種類および量
を、表1記載のとおり変更したほかは、同例におけると
同様にして、樹脂組成物および硬化成形物を得、各種測
定を行った。結果を、同じく表1に示す。
【0040】比較例4 実施例1に記載の例において、過酸化物の種類および量
を、表1記載のとおり変更したほかは、同例におけると
同様にして、樹脂組成物および硬化成形物を得、各種測
定を行った。結果を、同じく表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】表1から明らかなように、本発明に規定す
るA成分〜D成分を所定割合で含有する樹脂組成物は、
成形時の流動性が優れており、また、これらの樹脂組成
物からは、吸湿率が低く、かつ良好な曲げ強さを有する
硬化成形物が得られる(実施例1〜4)。これに対し、
本発明に規定する必須成分を含まない樹脂組成物(比較
例1、3および4)、または、A成分〜D成分を所定割
合で含有しない樹脂組成物(比較例2)は、成形時の流
動性が劣ったものであったり、これらからは吸湿率が低
く、かつ良好な曲げ強さを有する硬化成形物が得られ
ず、両者を同時に満足させることができない。
【0043】
【発明の効果】本発明は、次のように特別に有利な効果
を奏し、その産業上の利用価値は極めて大である。 (1)本発明の半導体封止用樹脂組成物は、成形時の流
動性が優れているので、薄型ICパッケージ等の成形用
に使用しても所望の成形を行うことができる。 (2)本発明の半導体封止用樹脂組成物を用いると、吸
湿性が低く、かつ良好な曲げ強さ等に優れ、良好な機械
的特性を有する硬化成形物が得られる。 (3)本発明の半導体封止用樹脂組成物からは、低吸湿
性の硬化成形物が得られるので、これを表面実装型のI
Cパッケージ等の成形用使用しても、ハンダリーフロー
工程におけるクラック発生などの心配がない。 (4)本発明の半導体封止用樹脂組成物は、樹脂主成分
としてポリマレイミド化合物を使用しているので、この
樹脂組成物からは耐熱性の優れた硬化成形物が得られ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記に示すA成分、B成分、C成分、お
    よびD成分の各成分を、各所定量含有してなることを特
    徴とする半導体封止用樹脂組成物。 A成分:下記の一般式(I)で表されるビスマレイミド
    を含有するポリマレイミド化合物5〜20重量%、 B成分:分子内に2個以上のアリル基を有するアリルフ
    ェノ−ル化合物4〜15重量%、 C成分:シリカ粒子25〜90重量%、 D成分:パーオキシケタール化合物0.1〜5重量%、 【化1】 [式(I)中、R1およびR2は、互いに同種または異種
    の炭素数1〜4のアルキル基を示し、R3およびR4は、
    互いに同種または異種の水素原子、メチル基もしくはエ
    チル基を示す。]
  2. 【請求項2】 前記A成分が、上記の一般式(I)で表
    されるビスマレイミドを10重量%以上含有するポリマ
    レイミド化合物であることを特徴とする請求項1記載の
    半導体封止用樹脂組成物。
JP2980394A 1994-02-28 1994-02-28 半導体封止用樹脂組成物 Pending JPH07238123A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020111744A (ja) * 2019-01-11 2020-07-27 大阪ガスケミカル株式会社 フルオレン含有共重合体、硬化物ならびにそれらの原料およびそれらの製造方法

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JP2020111744A (ja) * 2019-01-11 2020-07-27 大阪ガスケミカル株式会社 フルオレン含有共重合体、硬化物ならびにそれらの原料およびそれらの製造方法

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