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JP5555682B2 - 固体酸化物型燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、固体酸化物型燃料電池に関する。
電解質層および空気極を有する複数の燃料電池セルを備える固体酸化物型燃料電池では、燃料電池セルの燃料極と他の燃料電池セルの空気極とを電気的に接続するインターコネクタが設けられる。
従来、インターコネクタと燃料極との間に、中間層を設けることが提案されている。
例えば、特許文献1には、支持体と、支持体の一部を露出させるように支持体に巻きつけられた電解質層と、電解質層と支持体との間に設けられた燃料極と、支持体の露出した部分に積層されたインターコネクタと、インターコネクタと支持体との界面に設けられた中間膜と、を備える燃料電池セルが記載されている。さらに、特許文献1には、燃料電池セルが、NiとY23とを体積比率1:1で混合した材料で形成された支持体;La(Mg,Cr)O3で形成されたインターコネクタ;及び、Ni粉末と、Gd等の希土類元素を20モル%含有するCeO2粉末(セリア粉末)とを混合した材料によって形成された中間層;を備えることが記載されている。
特開2004−253376号公報
しかしながら、本発明者らは、従来の技術では、還元によって、中間層にクラックが発生することを見出した。このようにクラックが発生するのは、中間層が還元により膨張するからであると考えられる。クラックの発生は、燃料電池の導電性を低下させる。
また、中間層のセリア等の成分がランタンクロマイトに固溶することで、中間層のインターコネクタとの界面にNiOの凝集層が形成される。この凝集層中のNiOは還元処理でNiに還元されるので、還元処理によって凝集層の体積は減少する。これによっても、中間層にはクラックが生じやすく、中間層とインターコネクタとの間で剥離が生じやすい。
クラックの発生は、燃料電池の導電性を低下させる。
本発明は、燃料電池における導電性の低下を抑制することを目的とする。
本発明の第1観点にかかる固体酸化物型燃料電池は、空気極、ニッケルを含有する燃料極、及び上記空気極と燃料極との間に配置される電解質層を有する2個以上の発電部と;クロマイト系材料を含有し、かつ2個以上の上記発電部間を電気的に接続するように配置されたインターコネクタと;上記インターコネクタと上記燃料極との間に配置され、クロマイト系材料及びニッケルを含有する中間層と;を備える。
上記固体酸化物型燃料電池では、燃料極がNiを含有し、インターコネクタがクロマイト系材料を含有し、中間層がNi及びクロマイト系材料を含有することによって、導電性の低下が抑制される。
横縞型固体酸化物型燃料電池の実施の一形態を示す横断面図である。 図1の横縞型固体酸化物型燃料電池のII−II矢視縦断面図である。 緻密性評価試験に用いる治具を示す断面図である。
<1.第1実施形態>
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る横縞型固体酸化物型燃料電池(以下、単に“燃料電池”と称する)1は、支持基板2、燃料極3、電解質層4、反応防止層5、空気極6、インターコネクタ7、及び集電層8を備える。また、燃料電池1は発電部10を備える。なお、図1では、説明の便宜上、集電層8は図示されていない。
支持基板2は、扁平かつ一方向(z軸方向)に長い形状である。支持基板2は多孔質材料で構成されている。支持基板2は、ニッケルを含んでいてもよい。支持基板2は、より具体的には、Ni‐Y23(ニッケル‐イットリア)を主成分として含有していてもよい。なお、ニッケルは酸化物(NiO)であってもよいが、発電時には、NiOは水素ガスによってNiに還元されてもよい。
本明細書において、「主成分として含有する」とは、その成分を50重量%以上含有することであってもよく、60重量%以上、80重量%以上、又は90重量%以上含有することであってもよい。また、「主成分として含有する」とは、その成分のみからなる場合も包含する。
図1及び図2に示すように、支持基板2の内部には、流路21が設けられる。流路21は、支持基板2の長手方向(z軸方向)に沿って延びている。発電時には、流路21内に燃料ガスが流され、支持基板2の有する孔を通って、後述の燃料極3へ燃料ガスが供給される。
燃料極3は、支持基板2上に設けられる。1個の支持基板2上に、複数の燃料極3が、支持基板2の長手方向(z軸方向)において並ぶように配置される。つまり、支持基板2の長手方向(z軸方向)において、隣り合う燃料極3の間には、隙間が設けられている。
燃料極3は、ニッケルを含有する。燃料極は、ニッケルの他に、Y(イットリウム)及び/又はCe(セリウム)を含有してもよい。具体的には、燃料極は、イットリア及び/又はセリアを含有してもよく、例えば、Ni−Y23又はNi-GDC(ガドリニアドープトセリア)を主成分としてもよい。なお、ニッケルは酸化物(NiO)であってもよいが、発電時には、NiOは水素ガスによってNiに還元されてもよい。
燃料極3は、燃料極集電層及び燃料極活性層を有していてもよい。燃料極集電層は支持基板2上に設けられ、燃料極活性層は燃料極集電層上に設けられる。
燃料極集電層の材料としては、燃料極3の材料として挙げられた材料が適用可能である。
燃料極活性層は、ニッケル及びジルコニアを含有していてもよい。ジルコニアには、希土類元素が固溶していてもよい。具体的には、燃料極活性層は、電解質層4に含有されるジルコニア系材料を含有していてもよい。燃料極集電層と同じく、燃料極活性層においても、ニッケルは酸化物(NiO)であってもよいが、発電時には、NiOは水素ガスによってNiに還元されてもよい。
図2に示すように、電解質層4は、燃料極3の上に、燃料極を覆うように設けられる。燃料極3が設けられていない領域では、電解質層4は、支持基板2上に設けられていてもよい。電解質層4は支持基板2及び燃料極3と比べて緻密であり、インターコネクタ7と共に、燃料電池1を、空気と燃料ガスとを切り分けることができる。電解質層4は、固体電解質層とも呼ばれる。
電解質層4は、あるインターコネクタ7から、支持基板2の長手方向(z軸方向)においてそのインターコネクタ7と隣り合うインターコネクタ7まで、連続するように設けられる。言い換えると、電解質層4は、ある燃料極3から、支持基板2の長手方向(z軸方向)においてその燃料極3と隣り合う燃料極3の端部まで、連続するように設けられる。また、インターコネクタ7が設けられた箇所では、支持基板2の長手方向(z軸方向)において、電解質層4は非連続である。
電解質層4は、ジルコニアを主成分として含むことができる。電解質層4は、例えば、3YSZ、8YSZ等のイットリア安定化ジルコニア;又はScSZ(スカンジア安定化ジルコニア);等のジルコニア系材料の焼成体であってもよい。
反応防止層5は、電解質層4上に設けられる。図2において、電解質層4が設けられていない箇所には、反応防止層5が設けられていない。つまり、1個の燃料極3に対応するように1個の反応防止層5が設けられる。よって、1個の支持基板2には、支持基板2の長手方向(z軸方向)に沿って、複数の電解質層4が設けられる。
反応防止層5は、セリア(酸化セリウム)を主成分として含んでもよい。具体的には、反応防止層5の材料として、セリア及びセリアに固溶した希土類金属酸化物を含むセリア系材料が挙げられる。セリア系材料として、具体的には、GDC((Ce, Gd)O2:ガドリニウムドープセリア)、SDC((Ce,Sm)O2:サマリウムドープセリア)等が挙げられる。
空気極6は、反応防止層5上に、反応防止層5の外縁を越えないように配置される。つまり、1個の燃料極3に対応するように1個の空気極6が設けられる。よって、1個の支持基板2には、支持基板2の長手方向(z軸方向)に沿って、複数の空気極6が設けられる。
空気極6は、例えば、ランタン含有ペロブスカイト型複合酸化物を主成分として含有してもよい。ランタン含有ペロブスカイト型複合酸化物としては、具体的には、LSCF(ランタンストロンチウムコバルトフェライト)、ランタンマンガナイト、ランタンコバルタイト、ランタンフェライトが挙げられる。また、ランタン含有ペロブスカイト型複合酸化物には、Sr、Ca、Cr、Co、Fe、Ni、Al等がドープされていてもよい。
インターコネクタ7は、燃料極3上に積層される。図2では、燃料極3とインターコネクタ7との間に、後述の中間層9が配置されているが、本発明はこの形態に限定されるものではなく、インターコネクタ7は燃料極3上に直接設けられていてもよい。すなわち、「積層される」とは、接するように配置されている場合、及び接しないがy軸方向に重なるように配置されている場合を包含する。
インターコネクタ7は、支持基板2の長手方向(z軸方向)において、電解質層4間を繋ぐように配置される。これによって、支持基板2の長手方向(z軸方向)において隣り合う発電部10同士が、電気的に接続される。
インターコネクタ7は、支持基板2及び燃料極3と比較すると緻密な層である。インターコネクタ7は、クロマイト系材料を含有する。
クロマイト系材料とは、クロマイト系ペロブスカイト型酸化物と称されてもよい複合酸化物である。クロマイト系材料は、具体的には、下記一般式(1):
Ln1-xxCr1-y-zy3 (1)
(式(1)中、LnはY及びランタノイドからなる群より選択される少なくとも1種類の元素であり、AはCa,Sr及びBaからなる群より選択される少なくとも1種類の元素を含有し、Bは、Ti,V,Mn,Fe,Co,Cu,Ni,Zn,Mg及びAlからなる群より選択される少なくとも1種類の元素を含有し、0.025≦x≦0.3、0≦y≦0.22、0≦z≦0.15である。)
で表されてもよい。
インターコネクタ7は、クロマイト系材料を主成分として含有することが好ましい。
ランタノイドは、La,Ce,Eu,Sm,Yb,Gd等を包含する。
0.05≦x≦0.2、0.02≦y≦0.22、及び0≦z≦0.05の少なくとも1つの条件が満たされてもよい。
また、Aサイトは1種類以上のアルカリ土類金属元素を含有することができる。アルカリ土類金属元素の具体例としては、Mg,Ca,Sr,及びBaが挙げられる。アルカリ土類金属元素を含有することで、インターコネクタ7は、比較的低い温度で焼成可能である。
集電層8は、インターコネクタ7と発電部10とを電気的に接続するように配置される。具体的には、集電層8は、空気極6から、その空気極6を備える発電部10と隣り合う発電部10に含まれるインターコネクタ7まで、連続するように設けられる。集電層8は、導電性を有すればよく、例えばインターコネクタ7と同様の材料で構成されていてもよい。
燃料極3とインターコネクタ7との間には、中間層9が配置される。
中間層9は、クロマイト系材料及びNiを含有する。中間層9に含有されるクロマイト系材料は、インターコネクタ7に含有されるクロマイト系材料と同一である必要はない。例えば、インターコネクタ7に含有されるクロマイト系材料が式(1)で表され、かつ式(1)の元素LnがLaであるとき、中間層9における元素LnはLa以外の元素(例えばY)であってもよい。また、インターコネクタ7における元素AがCaであり、中間層9における元素AがSrであってもよい。
中間層9における元素Lnとインターコネクタ7における元素Lnとは同一であってもよい。Aサイト及びBサイトに含まれる元素についても同様である。また、中間層9は、インターコネクタ7中に含まれる他の元素をさらに含有してもよい。さらに、中間層9に含有されるクロマイト系材料は、インターコネクタ7に含有されるクロマイト系材料と同一であってもよい。
別の表現として、中間層9は、燃料極3を構成する元素のうち少なくとも1種類の元素と、インターコネクタ7を構成する元素のうちの少なくとも1種類の元素と、を含有してもよい。例えば、中間層9は、Ln,Cr,及びNiを含有することができる。また、中間層9は、インターコネクタ7中に含まれる他の元素をさらに含有してもよい。
中間層9においては、焼成及び還元を経たときのクラックの発生が抑制される。
中間層9が上述の組成を有することで、中間層9とインターコネクタ7との間での凝集層が形成されにくい。よって、中間層におけるクラック及び剥離の発生が抑制される。
また、本実施形態の中間層9は、Ni及びクロマイト系材料を含有することで、Niを含有する燃料極3と、クロマイト系材料(中間層に含有されるクロマイト系材料とは異なっていてもよい)を含有するインターコネクタ7との間の傾斜材料として機能するので、インターコネクタ7と燃料極3との間の接合強度を高めることができる。
ところで、従来、チタネートで形成された中間層が提案されている。例えば、特表2010−525226号公報には、インターコネクタと電極との間の中間層として、nドープチタネートが挙げられている。また、特許4196223号公報には、中間層として、チタン酸ニオブとカルシウムチタネートとの混合物が挙げられている。しかし、これらのチタネート材料では、充分な電気伝導度を実現することが困難である。例えば、特許3723189号公報によると、カルシウムチタネート材料の高温導電率は10-1S/cmオーダーである。
これに対して、Niの高温導電率は105S/cmオーダーである。つまり、中間層9は、Niを含有することで、良好な電気伝導度を実現することができる。
また、中間層がNiO−ZrO2であった場合、インターコネクタのアルカリ土類金属(Ca,Sr及びBa等)が中間層に移動しやすい。アルカリ土類金属が移動することで、インターコネクタ内のアルカリ土類金属の濃度が低下すると、インターコネクタの焼成が不完全になるという問題が生じる。これに対して、本実施形態の構成よれば、インターコネクタ7が充分に焼成される。
なお、縦縞型燃料電池においては、一般的に、発電部の面積とインターコネクタの面積とがほぼ同じである。一方、横縞型燃料電池においては、一般的に、インターコネクタの面積は、発電部の面積より小さい。よって、横縞型燃料電池では、インターコネクタにおいて、発電部の電流密度より高い電流密度が発生する。そのため、従来、縦縞型燃料電池ではほとんど問題にならなかった抵抗増大による出力低下が顕著に見られる。したがって、横縞型燃料電池においては、インターコネクタ及びその周囲で発生する電気抵抗の増大を抑制することが、極めて重要な課題である。
本実施形態の構成によれば、上述したように、中間層9とインターコネクタ7との間で凝集層が形成されにくい。その結果、インターコネクタ7と燃料極3との間での電気抵抗の増大が抑制される。よって、本実施形態の技術は、横縞型燃料電池において特に有益である。
中間層9に含有される、クロマイト系材料とNiとの体積比率は、例えば、70:30〜30:70に設定可能である。
なお、中間層9の厚みは、特定の数値に限定されないが、例えば5〜100μmに設定可能である。
発電部10は、燃料極3と、その燃料極3に対応する空気極6と、を備える部分である。具体的には、発電部10は、支持基板2の厚み方向(y軸方向)に積層された、燃料極3、電解質層4、反応防止層5、及び空気極6を備える。
図2に示すように、発電部10に含まれる空気極6は、集電層8及びインターコネクタ7によって、隣り合う発電部10の燃料極3と電気的に接続される。つまり、インターコネクタ7だけでなく、集電層8も発電部10間の接続に寄与しているが、このような形態も、インターコネクタが“発電部間を電気的に接続する”形態に包含される。
燃料電池1の各部の寸法は、具体的には、以下のように設定可能である。
支持基板2の幅D1 :1〜10cm
支持基板2の厚みD2:1〜10mm
支持基板2の長さD3:5〜50cm
支持基板2の外面(支持基板2と燃料極との界面)から流路21までの距離D4:0.1〜4mm
燃料極3の厚み :50〜500μm
(燃料極3が、燃料極集電層及び燃料極活性層を有する場合:
燃料極集電層の厚み:50〜500μm
燃料極活性層の厚み:5〜30μm)
電解質層4の厚み :3〜50μm
反応防止層5の厚み :3〜50μm
空気極6の厚み :10〜100μm
インターコネクタ7の厚み:10〜100μm
集電層8の厚み :50〜500μm
言うまでもなく、本発明はこれらの数値に限定されない。
<2.第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る固体酸化物型燃料電池1の構成について説明する。上記第1実施形態との相違点は、インターコネクタ7に対する中間層9の厚み比が規定されている点である。その他の構成は第1実施形態に係る固体酸化物型燃料電池1と同様であるので、以下においては、第1実施形態との相違点について主に説明する。
(固体酸化物型燃料電池1の構成)
本実施形態において、インターコネクタ7は、ランタンクロマイト系材料を含有している。ランタンクロマイト系材料は、下記一般式(2)で表される材料の総称である。
La1-xxCr1-y-zy3 (2)
ただし、式(2)において、AはCa,Sr及びBaからなる群より選択される少なくとも1種類のアルカリ土類金属元素であり、Bは、Ti,V,Mn,Fe,Co,Cu,Ni,Zn,Mg及びAlからなる群より選択される少なくとも1種類の元素を含有し、0.025≦x≦0.3、0≦y≦0.22、0≦z≦0.15である。
このようなランタンクロマイト系材料としては、LCC(カルシウムドープランタンクロマイト:(La,Ca)CrO3)やLSC(ストロンチウムドープランタンクロマイト:(La,Sr)CrO3)が好適に用いられる。インターコネクタ7の厚みは、10μm以上60μm以下に設定することができる。
本実施形態において、中間層9は、NiOとランタンクロマイト系材料とを含有している。中間層9に含有されるランタンクロマイト系材料は、インターコネクタ7に含有されるランタンクロマイト系材料と同じであってもよい。中間層9の厚みは、10μm以下に設定される。
ここで、固体酸化物型燃料電池1の厚み方向において、インターコネクタ7の厚み(P)の中間層9の厚み(Q)に対する比(P/Q)は、4.4以上であることが好ましく、20以下であることがより好ましい。換言すれば、インターコネクタ7の厚み(P)と中間層9の厚み(Q)との比は、40:9から20:1の間であることが好ましい。
(作用及び効果)
本実施形態に係る固体酸化物型燃料電池1において、中間層9の厚み(Q)は10μm以下である。また、インターコネクタ7の厚み(P)の中間層9の厚み(Q)に対する比(P/Q)は、4.4以上である。
このように、インターコネクタ7が中間層9に比べて十分に厚く形成されているので、焼成時にインターコネクタ7から中間層9へアルカリ土類金属元素(Ca,Sr及びBa等)が移動することを抑制できる。従って、インターコネクタ7における焼結助剤の不足を抑制できるので、インターコネクタ7の緻密性を向上させることができる。
<3.その他の実施形態>
第1実施形態では、燃料電池として横縞型を挙げた。すなわち、第1実施形態において、燃料電池1においては、1個の支持基板2上に、2個以上の発電部10が設けられ、インターコネクタ7は、1個の支持基板2上に設けられた発電部10の間を電気的に接続するように配置される。
ただし、本発明は縦縞型に適用されてもよい。すなわち、積層された、燃料極層、電解質層、及び空気極層を備える複数の発電部が、層の厚み方向に重ねられていてもよい。この場合、インターコネクタは、厚み方向において隣り合う発電部間を電気的に接続するように配置される。この場合、必要に応じて、インターコネクタ以外に、集電体8と同様の層が設けられてもよい。
縦縞型及び横縞型のいずれの形態も、インターコネクタが“発電部間を電気的に接続する”形態に包含される。
[実施例1〜3と比較例1〜3に係る試料片の作製]
以下のようにして、実施例1〜3と比較例1〜3に係る試料片を作製した。
まず、還元後のNi換算でNi:Y23=40:60体積%となるように、NiO粉末とY23粉末とを混合した。さらに、NiO粉末とY23粉末との合計重量の20%の重量のセルロース粉末を造孔材として添加し、混合した。混合物をSD法(スプレードライ法)で顆粒化した。得られた顆粒を、CIP法(Cold Isostatic Press)を用い、圧力100MPa条件下で行った圧粉成形により、ペレット状に成形することで、NiO−Y23成形体を得た。
NiO−Y23成形体上に、スクリーン印刷によって中間層を形成し、次にスクリーン印刷によってインターコネクタを形成した。
中間層の印刷に用いたペーストは、原料粉、バインダーとしてエチルセルロース、溶剤としてテルピオネールを加えて混合することで得られた。実施例1の原料粉は、NiO:(La,Ca)CrO3=1:1の割合(体積比率)の混合物であった。(La,Ca)CrO3を以下“LCC”(カルシウムドープランタンクロマイト)と称する。また、比較例1〜3の中間層の原料粉は、NiO:GDC=1:1の割合(体積比率)の混合物であった。なお、GDCは(Ce0.9Gd0.1)O2で表される。
インターコネクタの印刷に用いたペーストは、中間層のNi−LCC及びNi−GDCに代えてLCCを用いた以外は、中間層のペーストと同様に作製された。
インターコネクタの形成に用いられたLCCと、実施例1の中間層の形成に用いられたLCCとは、同一の組成を有する。
次に、NiO−Y23成形体、中間層、及びインターコネクタを、1500℃で共焼成した。得られた焼成体から、試料片を切り出した。
こうして得られた試料片は、総厚み(NiO−Y23板、中間層、インターコネクタの厚みの合計)が1.0mm、直径12mmの円盤形であった。また、中間層の厚みは5μm、インターコネクタの厚みは30μmであった。
[還元処理]
試料片を、電圧評価装置内にセットして、NiO還元後の電圧降下を測定した。電圧評価装置は、上部と下部とに分かれたカプセルを備える。カプセルの上部及び下部内には、Pt台座がそれぞれ配置され、各Pt台座には電位線及び電流線が接続されている。試料片は、インターコネクタがカプセル上部内のPt台座に接し、NiO-Y23板がカプセル下部内のPt台座に接するように配置される。カプセル上部と下部との間でガスが混合しないように、カプセルと試料片との間が溶融したガラスでシールされた。カプセル下部には35%H2/Arガスが流され、カプセル上部には空気が流された。
NiOが充分に還元された後、750℃で、Pt台座に1Aの定電流を流すことで、電位を測定した。得られた電位から、オーム則に従って抵抗値を算出した。
また、還元後の中間層を電子顕微鏡により観察して、クラックの有無を確認した。
Figure 0005555682
※ LCCは(La,Ca)CrO3を表し、LSCは(La,Sr)CrO3を表し、YCCは(Y,Ca)CrO3を表す。
[結果]
表1に示すように、実施例1では、還元後の中間層にクラックは見られなかった。また、実施例1の試料は低い電気抵抗値を有していた。これに対して、比較例1〜3ではクラックの発生が認められ、得られた電気抵抗値は比較的高かった。
[実施例4〜16と比較例4〜6に係る試料片の作製]
以下のようにして、実施例4〜16と比較例4〜6に係る試料片を作製した。
まず、還元後のNi換算でNi:Y23=40:60体積%となるように秤量し、NiO粉末とY23粉末とをポットミルで混合した。次に、混合粉末を一軸プレスにより成形圧0.4t/cm2で成形した後に、CIP法により成形圧3t/cm2で成形することによって、φ40mmのNiO−Y23成形体を得た。
次に、還元後のNi換算でNi:LCC=50:50体積%となるように秤量し、NiO粉末とLCC粉末とをポットミルで混合した。次に、混合粉末にバインダーとしてのポリビニルブラチールと溶剤としてのテルピネオールとを混合することによって中間層用ペーストを得た。
次に、中間層用ペーストをNiO−Y23成形体上に印刷した。この際、各試料ごとに印刷回数を増減させることによって、焼成後における中間層の厚みを変更した。
次に、LCC粉末にポリビニルブラチールとテルピネオールとを混合することによってインターコネクタ用ペーストを得た。
次に、乾燥した中間層用ペースト上にインターコネクタ用ペーストを印刷した。この際、試料ごとに印刷回数を増減させることによって、焼成後におけるインターコネクタの厚みを変更した。
その後、NiO−Y23成形体、中間層用ペースト及びインターコネクタ用ペーストの積層体を1500℃で2時間かけて共焼成した。なお、焼成後におけるインターコネクタと中間層の厚みを表2にまとめて示す。
[気孔率の測定]
以下のように、実施例4〜16と比較例4〜6に係る試料片の断面観察を行って、気孔率を測定した。
まず、還元処理後の各試料にエホ゜キシ樹脂を滴下しながら真空引きすることによって、インターコネクタ内部の気孔に樹脂を含浸させた。一晩かけて樹脂を硬化させた後、マイクロカッターで各試料を厚み方向に沿って切断することによって、インターコネクタの切断面を得た。
次に、切断面を#600耐水ヘ゜ーハ゜ーで慣らした後、イオンミリング装置(日本電子製クロスセクションホ゜リッシャー)で断面を平滑化した。
次に、各試料の断面を無蒸着のまま低加速で観察が可能な高分解能FE−SEMにて観察した。SEM写真におけるコントラストの違いに基づいて気孔を識別し、断面における気孔の面積比率から体積比率を推定し、推定結果からインターコネクタの相対密度を算出した。なお、2次元の組織から3次元の構造を推定する手法については、“水谷惟恭、尾崎義治、木村敏夫、山口喬著、「セラミックプロセッシング」、技報堂出版株式会社、1985年3月25日発行、第190頁から第201頁"に記載されている通りである。
相対密度の算出結果を表2にまとめて示す。
[緻密性評価試験]
以下のように、実施例4〜16と比較例4〜6に係る試料片の緻密性を評価する試験を行った。
まず、各試料片にH2ガス(30℃加湿)を流通させながら800℃で2時間かけて還元した。
次に、図3に示すように、治具に各試料をエポキシ接着材で固定し、インターコネクタ側にエタノールを溜めた。
次に、Heガスをゲージ圧0.2atmで集電層側に供給した。
このときに、エタノール中に発泡が確認されなければ十分に緻密と評価し、エタノール中に発泡が確認されれば緻密不足と評価した。なお、“水谷惟恭、尾崎義治、木村敏夫、山口喬著、「セラミックプロセッシング」、技報堂出版株式会社、1985年3月25日発行、第137頁"に記載されているように、一般的には、相対密度95%以上である場合にガスを透過しない緻密体と認定される。評価結果を表2にまとめて示す。
Figure 0005555682
表2に示されるように、インターコネクタの厚み(P)の中間層9の厚み(Q)に対する比(P/Q)は、4.4以上であることが好ましく、20以下であることがより好ましいことが分かった。これは、インターコネクタを中間層に比べて十分に厚く形成することによって、焼成時にインターコネクタから中間層へCaの移動が抑制され、インターコネクタにおける焼結助剤の不足を抑制できたためである。
1 横縞型固体酸化物型燃料電池(固体酸化物型燃料電池)
2 支持基板
3 燃料極
4 電解質層
5 反応防止層
6 空気極
7 インターコネクタ
8 集電層
9 中間層
10 発電部
21 流路

Claims (5)

  1. 空気極、ニッケルを含有する燃料極、及び前記空気極と燃料極との間に配置される電解質層を有する2個以上の発電部と、
    クロマイト系材料を含有し、かつ2個以上の前記発電部間を電気的に接続するように配置されたインターコネクタと、
    前記インターコネクタと前記燃料極との間に配置され、クロマイト系材料及びニッケルを含有する中間層と、
    を備え
    前記中間層におけるクロマイト系材料とニッケルとの体積比率は、70:30〜30:70である、
    固体酸化物型燃料電池。
  2. 前記中間層が含有するクロマイト系材料は、
    下記一般式(1):
    Ln1-xxCr1-y-zy3 (1)
    (式(1)中、LnはY及びランタノイドからなる群より選択される少なくとも1種類の元素であり、AはCa,Sr及びBaからなる群より選択される少なくとも1種類の元素を含有し、Bは、Ti,V,Mn,Fe,Co,Cu,Ni,Zn,Mg及びAlからなる群より選択される少なくとも1種類の元素を含有し、0.025≦x≦0.3、0≦y≦0.22、0≦z≦0.15である。)
    で表される請求項1に記載の固体酸化物型燃料電池。
  3. 前記インターコネクタは、ランタンクロマイト系材料によって構成され、
    前記中間層は、NiOとランタンクロマイト系材料によって構成されており、
    前記インターコネクタの厚みの前記中間層の厚みに対する比は、4.4以上である、
    請求項1又は2に記載の固体酸化物型燃料電池。
  4. 前記燃料極は、Y及び/又はCeをさらに含有する
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の固体酸化物型燃料電池。
  5. 基板をさらに備え、
    2個以上の前記発電部が、1個の前記基板上に設けられ、
    前記インターコネクタは、1個の前記基板上に設けられた前記発電部間を電気的に接続するように配置される
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載の固体酸化物型燃料電池。
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