JP5270807B1 - 固体酸化物型燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】固体電解質層及びバリア層のガスシール性を向上可能な燃料電池セルを提供する。
【解決手段】固体酸化物型燃料電池は、燃料極と、空気極と、燃料極と空気極との間に配置され、Zr系酸化物材料とFeとを含む固体電解質層と、固体電解質層と空気極との間に配置され、希土類元素を含有するCe系酸化物材料とFeとを含むバリア層と、を備える。バリア層におけるFeの平均含有率は、固体電解質層におけるFeの平均含有率よりも高い。
【選択図】図2
【解決手段】固体酸化物型燃料電池は、燃料極と、空気極と、燃料極と空気極との間に配置され、Zr系酸化物材料とFeとを含む固体電解質層と、固体電解質層と空気極との間に配置され、希土類元素を含有するCe系酸化物材料とFeとを含むバリア層と、を備える。バリア層におけるFeの平均含有率は、固体電解質層におけるFeの平均含有率よりも高い。
【選択図】図2
Description
本発明は、固体酸化物型燃料電池に関する。
近年、環境問題及びエネルギー資源の有効利用の観点から、燃料電池に注目が集まっている。燃料電池セルは、一般的に、固体電解質層と、固体電解質層を介して対向する燃料極及び空気極と、を備えている。
ここで、固体電解質層と空気極との間に高抵抗層が形成されることを抑制するために、固体電解質層と空気極との間にバリア層を介挿させる手法が提案されている(特許文献1参照)。
ここで、燃料電池セル内部のガスシール性を高めて発電性能を向上させるには、固体電解質層及びバリア層における緻密性は高いことが好ましい。しかしながら、特許文献1に係るバリア層は、空気極からの析出物をトラップするために多孔質に形成されているため、ガスシール性が低いという問題がある。
本発明は、この問題点に鑑みてなされたものであり、固体電解質層及びバリア層のガスシール性を向上可能な燃料電池セルを提供することを目的とする。
本発明に係る固体酸化物型燃料電池は、Feを含む燃料極と、空気極と、燃料極と空気極との間に配置され、Zr系酸化物材料とFeとを含む固体電解質層と、固体電解質層と空気極との間に配置され、希土類元素を含有するCe系酸化物材料とFeとを含むバリア層と、を備える。バリア層におけるFeの平均含有率は、固体電解質層におけるFeの平均含有率よりも高い。
本発明によれば、固体電解質層及びバリア層のガスシール性を向上可能な燃料電池セルを提供することができる。
<固体酸化物型燃料電池1の構成>
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る横縞型固体酸化物型燃料電池(以下、「燃料電池」と略称する)1は、支持基板2と、第1固体酸化物型燃料電池セル(以下、「セル」と略称する)セル11と、第2セル12と、を備える。第1セル11及び第2セル12のそれぞれは、燃料極3、固体電解質層4、バリア層5、空気極6、インターコネクタ7、及び集電層8を備える。なお、図1では、説明の便宜上、集電層8は図示されていない。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る横縞型固体酸化物型燃料電池(以下、「燃料電池」と略称する)1は、支持基板2と、第1固体酸化物型燃料電池セル(以下、「セル」と略称する)セル11と、第2セル12と、を備える。第1セル11及び第2セル12のそれぞれは、燃料極3、固体電解質層4、バリア層5、空気極6、インターコネクタ7、及び集電層8を備える。なお、図1では、説明の便宜上、集電層8は図示されていない。
支持基板2は、扁平かつ一方向(z軸方向)に長い形状である。支持基板2は多孔質材料で構成されている。支持基板2は、Ni(ニッケル)を含んでいてもよく、具体的には、Ni‐Y2O3(ニッケル‐イットリア)を主成分として含有していてもよい。ニッケルは酸化物(NiO)であってもよいが、発電時には、NiOは水素ガスによってNiに還元されてもよい。
なお、本明細書において、「主成分として含有する」とは、その成分を50重量%以上含有することであってもよく、60重量%以上、80重量%以上、又は90重量%以上含有することであってもよい。また、「主成分として含有する」とは、その成分のみからなる場合も包含する。
図1及び図2に示すように、支持基板2の内部には、流路21が設けられる。流路21は、支持基板2の長手方向(z軸方向)に沿って延びている。発電時には、流路21内に燃料ガスが流され、支持基板2の有する孔を通って、後述の燃料極3へ燃料ガスが供給される。
燃料極3は、支持基板2上に配置され、アノードとして機能する。燃料極3は、燃料極集電層31と燃料極活性層32とを有する。燃料極集電層31は支持基板2上に積層され、燃料極活性層3は燃料極集電層31上に積層される。燃料極集電層31の厚みは50〜500μm程度、燃料極活性層32の厚みは5〜100μm程度とすることができる。
燃料極3は、Fe(鉄)を含有していてもよい。燃料極3におけるFeの平均含有率については後述する。
燃料極集電層31は、次の式(1)で表される酸化物を含有する。
(AE1-xAx)(B1-y+zCy)O3…(1)(AEは少なくとも1種のアルカリ土類金属であり、Aサイトは、希土類,Al及びCrからなる群から選択される少なくとも1種類の元素を含有し、BサイトはTi及びZrから選択される少なくとも1種類の元素を含有し、Cサイトは、Nb,V,Mn,Cr,Fe,Co,Cu,Ni,Zn,Mg及びAlからなる群から選択される少なくとも1種類の元素を含有し、0≦x≦0.3,0≦y≦0.22,−0.1≦z≦0.1である。)
また、燃料極集電層31は、式(1)で表される酸化物以外の成分を含有してもよく、例えばニッケルを含有していてもよい。ニッケルは、酸化物(NiO)であってもよいが、発電時には、NiOはNiに還元されてもよい。
(AE1-xAx)(B1-y+zCy)O3…(1)(AEは少なくとも1種のアルカリ土類金属であり、Aサイトは、希土類,Al及びCrからなる群から選択される少なくとも1種類の元素を含有し、BサイトはTi及びZrから選択される少なくとも1種類の元素を含有し、Cサイトは、Nb,V,Mn,Cr,Fe,Co,Cu,Ni,Zn,Mg及びAlからなる群から選択される少なくとも1種類の元素を含有し、0≦x≦0.3,0≦y≦0.22,−0.1≦z≦0.1である。)
また、燃料極集電層31は、式(1)で表される酸化物以外の成分を含有してもよく、例えばニッケルを含有していてもよい。ニッケルは、酸化物(NiO)であってもよいが、発電時には、NiOはNiに還元されてもよい。
燃料極活性層32は、燃料極集電層31の上に、燃料極集電層31よりも狭い範囲に設けられる。つまり、燃料極集電層31の一部は、燃料極活性層32から露出している。燃料極活性層32はZr(ジルコニウム)を含有してもよい。燃料極活性層32を構成する材料として、例えば、Ni−YSZ(イットリア安定化ジルコニア)及びScSZ(スカンジア安定化ジルコニア)等が挙げられる。
図2に示すように、第1セル11の固体電解質層4は、燃料極活性層32の第2セル側端部以外の全面を覆うように設けられる。第2セル12の固体電解質層4は、燃料極活性層32の第1セル側端部から第1セル11のインターコネクタ7までを覆っている。また、第2セル12の固体電解質層4は、支持基板2のうち第1及び第2セル11,12の燃料極集電層31から露出している部分を覆っている。固体電解質層4は、燃料極活性層32及びバリア層5と共焼成されていることが好ましい。
固体電解質層4は、ジルコニア(ZrO2)を主成分として含むことができる。固体電解質層4は、例えば、3YSZ、8YSZ等のイットリア安定化ジルコニアやScSZ(スカンジア安定化ジルコニア)等のジルコニア系材料(Zr系酸化物材料の一例)によって構成することができる。
ここで、固体電解質層4は、Feを含有している。固体電解質層4は、Feを酸化物として含有していてもよい。固体電解質層4におけるFeの平均含有率については後述する。
バリア層5は、固体電解質層4上に設けられる。バリア層5は、固体電解質層4と共焼成されていることが好ましい。バリア層5は、希土類元素を含有するセリア(CeO2)系材料(Ce系酸化物材料の一例)を主成分として含むことができる。バリア層5は、例えば、GDC((Ce,Gd)O2:ガドリニウムドープセリア)、SDC((Ce,Sm)O2:サマリウムドープセリア)等によって構成することができる。
ここで、バリア層5は、Feを含有している。バリア層5は、Feを酸化物として含有していてもよい。バリア層5におけるFeの平均含有率については後述する。
空気極6は、バリア層5上に、バリア層5の外縁を越えないように配置される。空気極6は、例えば、ランタン含有ペロブスカイト型複合酸化物を主成分として含有してもよい。ランタン含有ペロブスカイト型複合酸化物としては、具体的には、LSCF(ランタンストロンチウムコバルトフェライト)、ランタンマンガナイト、ランタンコバルタイト、ランタンフェライトが挙げられる。また、ランタン含有ペロブスカイト型複合酸化物には、ストロンチウム、カルシウム、クロム、コバルト、鉄、ニッケル、アルミニウム等がドープされていてもよい。
ここで、空気極6は、Feを含有していてもよい。空気極6は、Feを酸化物として含有していてもよい。空気極6におけるFeの平均含有率については後述する。
第1セル11のインターコネクタ7は、図2に示すように、第1セル11の燃料極集電層31上に配置される。第1セル11のインターコネクタ7は、第1及び第2セル11,12それぞれの固体電解質層4に連結されている。
インターコネクタ7は、LaCaCrO3を含む。インターコネクタ7は、LaCaCrO3を主成分として含んでいてもよい。インターコネクタ7は、支持基板2、燃料極3と比較すると緻密な層である。また,インターコネクタ7と燃料極3との接合性を向上させるために、これらの界面に中間層が形成されていてもよい。
集電層8は、第1セル11のインターコネクタ7と第2セル12とを電気的に接続するように配置される。具体的には、集電層8は、第2セル12の空気極6と第1セル11のインターコネクタ7とに連結されている。これによって、支持基板2の長手方向(z軸方向)において第1及び第2セル11,12が電気的に接続される。
なお、燃料電池1の各部の寸法は、具体的には、以下のように設定可能である。
支持基板2の幅D1 :1〜10cm
支持基板2の厚みD2 :1〜10mm
支持基板2の長さD3 :5〜50cm
支持基板2の外面から流路21までの距離D4:0.1〜4mm
固体電解質層4の厚み :3〜50μm
バリア層5の厚み :3〜50μm
空気極6の厚み :10〜100μm
インターコネクタ7の厚み :10〜100μm
集電体8の厚み :50〜500μm
ただし、本発明はこれらの数値に限定されない。
支持基板2の厚みD2 :1〜10mm
支持基板2の長さD3 :5〜50cm
支持基板2の外面から流路21までの距離D4:0.1〜4mm
固体電解質層4の厚み :3〜50μm
バリア層5の厚み :3〜50μm
空気極6の厚み :10〜100μm
インターコネクタ7の厚み :10〜100μm
集電体8の厚み :50〜500μm
ただし、本発明はこれらの数値に限定されない。
<Feの含有率>
図3は、燃料極3(燃料極集電層31及び燃料極活性層32)、固体電解質層4、バリア層5及び空気極6それぞれの1又は2スポットにおけるFe,Zr,Ceのモル分率の一例を示すグラフである。
図3は、燃料極3(燃料極集電層31及び燃料極活性層32)、固体電解質層4、バリア層5及び空気極6それぞれの1又は2スポットにおけるFe,Zr,Ceのモル分率の一例を示すグラフである。
各層におけるFe,Zr,Ceの含有率(モル分率)は、各層の断面において任意の視野内におけるEDS(エネルギー分散型X線分光法:Energy Dispersive x-ray Spectroscopy)によるスポット分析で取得できる。また、各層におけるFe,Zr,Ceの平均含有率は、1つの視野内の複数スポットにおけるFe,Zr,Ceの含有率の平均値であってもよいし、複数の視野それぞれの1又は複数スポットにおけるFe,Zr,Ceの含有率の平均値であってもよい。
なお、含有率とは、各層の構成材料全体を100とした場合における各成分の割合である。また、本実施形態において各成分の含有率について述べる場合、燃料極3、固体電解質層4、バリア層5及び空気極6は還元雰囲気に曝されているものとする。
まず、バリア層5におけるFeの平均含有率は、固体電解質層4におけるFeの平均含有率よりも高い。具体的に、固体電解質層4におけるFeの平均含有率は、0.22mol%以上であり、バリア層5におけるFeの平均含有率は、1.00mol%以上であることが好ましい。これによって、固体電解質層4及びバリア層5それぞれにおける緻密性を向上させることができる。これは、固体電解質層4及びバリア層5の各々にFeを含有させることで各層の緻密性を向上させられると共に、共焼結時の緻密化の進行が相乗的に促進される効果によるものと考えられる。
また、固体電解質層4におけるFeの平均含有率は、2.05mol%以下であることがより好ましく、バリア層5におけるFeの平均含有率は、2.17mol%以下であることがより好ましい。これによって、燃料電池1の出力密度が低下することを抑制することができる。これは、Feの平均含有率を適切な範囲に制限することで異相の析出等が抑えられ、各層におけるイオン導電性の低下を抑制できるためと考えられる。
また、燃料極3におけるFeの平均含有率は、バリア層5におけるFeの平均含有率よりも高いことが好ましい。これによって、還元後の燃料極3中のNi粒子のシンタリング(焼結の進行)を抑制できる。
また、燃料極3におけるFeの平均含有率は、固体電解質層4におけるFeの平均含有率よりも高いことが好ましい。これによって、還元後の燃料極3中のNi粒子のシンタリング(焼結の進行)を抑制できる。
また、燃料極集電層31におけるFeの平均含有率は、燃料極活性層32におけるFeの平均含有率よりも高いことが好ましい。このように、Ni粒子のシンタリング(焼結の進行)を抑制できる範囲に燃料極活性層32へのFe添加量を抑えながら、燃料極集電層31に対して燃料極活性層32よりも多くのFeを添加することで、燃料極3全体としての還元収縮量を抑制することができる。すなわち、電気化学反応に寄与する燃料極活性層32と導電部として寄与する燃料極集電層31との間にFe添加量差を設けることによって、燃料極3の性能向上を達成することができる。
なお、各層におけるFeの平均含有率は、後述するように、各層を構成する原料に添加するFe又はFeの酸化物の量を調整することによって容易に制御することができる。
<燃料電池1の製造方法>
次に、燃料電池1の製造方法の一例について説明する。
次に、燃料電池1の製造方法の一例について説明する。
まず、支持基板2の材料を押出成形機により成形し、乾燥させる。
次に、式(1)で表される酸化物とNiOとをポットを用いて混合することによって、燃料極集電層材料のスラリーを作製する。この際、還元時にNi:式(1)で表される酸化物の比が40vol%:60vol%となるようにNiOの添加量を調整する。
また、燃料極活性層32の材料と平均径0.6μmのFe2O3粉末とをポットを用いて混合することによって、燃料極活性層32のスラリーを作製する。この際、燃料極活性層32におけるFeの平均含有率が12.00mol%以上になるようにFe2O3粉末の添加量を調整する。
次に、燃料極集電層31のスラリーと燃料極活性層32のスラリーとを支持基板2の材料上に順次スクリーン印刷する。
次に、固体電解質層4のZr系酸化物材料と平均径0.6μmのFe2O3粉末とをポットを用いて混合することによって、固体電解質層4のスラリーを作製する。この際、固体電解質層4におけるFeの平均含有率が0.22mol%以上になるようにFe2O3粉末の添加量を調整する。
次に、バリア層5のCe系酸化物材料と平均径0.6μmのFe2O3粉末とをポットを用いて混合することによって、バリア層5のスラリーを作製する。この際、バリア層5におけるFeの平均含有率が1.00mol%以上になるようにFe2O3粉末の添加量を調整する。
次に、燃料極集電層31の材料の表面にインターコネクタ7用のLCC材料をスクリーン印刷した後に、燃料極活性層32の材料の表面に固体電解質層4およびバリア層5の材料を順次ディップ形成する。この際、固体電解質層4の端部をインターコネクタ7上に重ねる。
次に、以上の積層体を共焼成する。
次に、共焼成によって形成されたバリア層5上に空気極8の材料を塗布し、乾燥させる。
次に、空気極8の材料を焼成する。
<その他の実施形態>
(A)上記実施形態では、燃料電池として横縞型を挙げた。すなわち、燃料電池1においては、1個の支持基板2上に、2個以上のセルが設けられ、インターコネクタ7は、1個の支持基板2上に設けられた2つのセル間を電気的に接続するように配置される。
(A)上記実施形態では、燃料電池として横縞型を挙げた。すなわち、燃料電池1においては、1個の支持基板2上に、2個以上のセルが設けられ、インターコネクタ7は、1個の支持基板2上に設けられた2つのセル間を電気的に接続するように配置される。
ただし、本発明は、横縞型に限らず、縦縞型、平板型、円筒型等の種々のSOFCに適用可能である。
縦縞型のSOFCについて、簡単に説明する。縦縞型のSOFCのセルは、支持体(導電性支持部材の一例)と、支持体上に形成される発電部(燃料極集電層、燃料極活性層、固体電解質層及び空気極を含む)と、支持体上に形成され、かつ、他の燃料電池セルの発電部に接続されるインターコネクタと、を備える。このような縦縞型のSOFCのセルでは、必要に応じて、インターコネクタ以外に、集電層8と同様の層が設けられてもよい。
(B)また、本発明は、燃料極支持型の燃料電池に適用可能である。具体的には、燃料電池は、燃料極集電層を支持基板として備えることができる。燃料極活性層及びその他の構成要素は、燃料極集電層上に配置される。支持基板としての燃料極集電層は、他の層と比べて、比較的大きな厚みを有する。支持基板としての燃料極集電層の厚みは、具体的な値に限定されるものではないが、上述の支持基板の寸法が適用可能である。
(サンプルNo.1〜No.6の作製)
以下のようにして、サンプルNo.1〜No.6を作製した。
以下のようにして、サンプルNo.1〜No.6を作製した。
まず、NiO粉末とイットリウムが固溶したZrO2粉末(8YSZ)と有機バインダーと溶媒とFe2O3粉末とを混合したスラリーを作製し、燃料極用シートを形成した。この際、サンプルNo.1〜No.6ごとにFe2O3粉末の添加量を調整することによって、図6に示すように、燃料極におけるFe含有量を制御した。
次に、YSZで構成される固体電解質層用シートを形成した。この際、サンプルNo.1〜No.6ごとにFe2O3粉末の添加量を調整することによって、図4(a)及び図5(a)に示すように、固体電解質層におけるFe含有量を制御した。
次に、GDCで構成されるバリア層用シートを形成した。この際、サンプルNo.1〜No.6ごとにFe2O3粉末の添加量を調整することによって、図4(b)及び図5(b)に示すように、バリア層におけるFe含有量を制御した。
次に、LSCF粉末とバインダーを添加して得られるスラリーを、固体電解質層用シート上に印刷した。
次に、燃料極用シート、固体電解質層用シート、バリア層用シート及びを貼り付けて、1400℃で2時間共焼成した。
(Fe含有量)
サンプルNo.1〜No.6の燃料極、固体電解質層及びバリア層の断面をEDSでスポット分析することによって、各層の任意の10スポットにおけるFeの平均含有量を取得した。図4,5においてFeの平均含有量を以下の実験結果と共に図示する。
サンプルNo.1〜No.6の燃料極、固体電解質層及びバリア層の断面をEDSでスポット分析することによって、各層の任意の10スポットにおけるFeの平均含有量を取得した。図4,5においてFeの平均含有量を以下の実験結果と共に図示する。
なお、固体電解質層及びバリア層におけるFeの平均含有量が固体電解質層用シート及びバリア層用シートへのFe2O3粉末の添加量と一致することは確認済みである。
(相対密度の測定)
サンプルNo.1〜No.6の固体電解質層及びバリア層の相対密度を、固体電解質層断面及びバリア層断面それぞれを画像解析することによって算出した。具体的には、画像解析ソフトを使用して、固体電解質層断面及びバリア層断面それぞれのSEM写真から気孔率を算出した。
サンプルNo.1〜No.6の固体電解質層及びバリア層の相対密度を、固体電解質層断面及びバリア層断面それぞれを画像解析することによって算出した。具体的には、画像解析ソフトを使用して、固体電解質層断面及びバリア層断面それぞれのSEM写真から気孔率を算出した。
図4(a)は、サンプルNo.1〜No.6の固体電解質層におけるFeの平均含有量と固体電解質層の相対密度との関係を示している。また、図4(b)は、サンプルNo.1〜No.6のバリア層におけるFeの平均含有量とバリア層の相対密度との関係を示している。
図4(a)と図4(b)を比較して判るように、バリア層5におけるFeの平均含有率を、固体電解質層4におけるFeの平均含有率よりも高くすることによって、固体電解質層4及びバリア層5それぞれにおける緻密性を向上させることができた。これは、固体電解質層4及びバリア層5の各々にFeを含有させることによって、各層の緻密性を向上させられるだけでなく、共焼結時の緻密化の進行が相乗的に促進されたためであると考えられる。
また、図4(a)に示すように、固体電解質層におけるFeの平均含有率を0.22mol%以上とすることによって、固体電解質層において98%以上の十分な相対密度が得られることがわかった。また、図4(b)に示すように、バリア層におけるFeの平均含有率を1.00mol%以上とすることによって、バリア層において95%以上の十分な相対密度が得られることがわかった。
以上より、固体電解質層におけるFeの平均含有量を0.22mol%以上、かつ、バリア層におけるFeの平均含有率を1.00mol%以上とすることによって、固体電解質層及びバリア層のガスシール性を向上させられることが確認された。
(出力密度の測定)
サンプルNo.1〜No.6について、燃料極側に窒素ガス、空気極側に空気を供給しながら750℃まで昇温し、750℃に達した時点で燃料極に水素ガスを供給しながら還元処理を3時間行った。この後、定格電圧0.8Vで750℃の条件で、サンプルNo.1〜No.6の出力密度を測定した。
サンプルNo.1〜No.6について、燃料極側に窒素ガス、空気極側に空気を供給しながら750℃まで昇温し、750℃に達した時点で燃料極に水素ガスを供給しながら還元処理を3時間行った。この後、定格電圧0.8Vで750℃の条件で、サンプルNo.1〜No.6の出力密度を測定した。
図5(a)は、サンプルNo.1〜No.6の固体電解質層におけるFeの平均含有量と燃料電池の出力密度との関係を示している。また、図5(b)は、サンプルNo.1〜No.6のバリア層におけるFeの平均含有量と燃料電池の出力密度との関係を示している。また、図6は、サンプルNo.1〜No.6の燃料極におけるFeの平均含有量と燃料電池の出力密度との関係を示している。
図5(a)に示すように、固体電解質層におけるFeの平均含有率を2.05mol%以下とすることによって、0.23(W/cm2)以上の出力密度を維持できることがわかった。また、図5(b)に示すように、バリア層におけるFeの平均含有率を2.17mol%以下とすることによって、0.23(W/cm2)以上の出力密度を維持できることがわかった。これは、Feの平均含有率を適切な範囲に制限することで異相の析出等を抑えることができたため、各層におけるイオン導電性の低下を抑制できたことによるものと考えられる。
また、図6に示すように、燃料極におけるFeの平均含有率を0.27mol%以上かつ27mol%以下とすることによって、0.23(W/cm2)以上の出力密度を維持できることがわかった。
さらに、図5(b)と図6を比較して判るように、燃料極のFe平均含有率をバリア層のFe平均含有率よりも高くすることで、相対密度を高められることが判った。これは、還元後における燃料極中のNi粒子のシンタリング(焼結の進行)を抑制できたためと考えられる。この時、0.23(W/cm2)以上の出力密度が得られた条件では、燃料極におけるFeの平均含有率は、バリア層におけるFeの平均含有率よりも大きくあり、一方、出力密度が低下した条件では逆に小さくなっていた。
同様に、図5(a)と図6を比較して判るように、燃料極のFe平均含有率を固体電解質層のFe平均含有率よりも高くすることで、相対密度を高められることが判った。これは、還元後における燃料極中のNi粒子のシンタリング(焼結の進行)を抑制できたためと考えられる。この時、0.23(W/cm2)以上の出力密度が得られた条件では、燃料極におけるFeの平均含有率は、固体電解質層におけるFeの平均含有率よりも大きくなっており、一方で、出力密度が低下した条件では逆に小さくなっていた。
1 横縞型固体酸化物型燃料電池
2 支持基板
31 燃料極集電層
32 燃料極活性層
4 固体電解質層
5 バリア層
6 空気極
7 インターコネクタ
8 集電層
11 第1セル
12 第2セル
21 流路
2 支持基板
31 燃料極集電層
32 燃料極活性層
4 固体電解質層
5 バリア層
6 空気極
7 インターコネクタ
8 集電層
11 第1セル
12 第2セル
21 流路
Claims (8)
- Feを含む燃料極と、
空気極と、
前記燃料極と前記空気極との間に配置され、Zr系酸化物材料とFeとを含む固体電解質層と、
前記固体電解質層と前記空気極との間に配置され、希土類元素を含有するCe系酸化物材料とFeとを含むバリア層と、
を備え、
前記バリア層におけるFeの平均含有率は、前記固体電解質層におけるFeの平均含有率よりも高く、
前記固体電解質層におけるFeの平均含有率は、0.22mol%以上であり、
前記バリア層におけるFeの平均含有率は、1.00mol%以上である、
固体酸化物型燃料電池。 - 前記固体電解質層におけるFeの平均含有率は、2.05mol%以下である、
請求項1に記載の固体酸化物型燃料電池。 - 前記バリア層におけるFeの平均含有率は、2.17mol%以下である、
請求項1又は2に記載の固体酸化物型燃料電池。 - 前記燃料極におけるFeの平均含有率は、前記バリア層におけるFeの平均含有率よりも高い、
請求項1乃至3のいずれかに記載の固体酸化物型燃料電池。 - 前記燃料極におけるFeの平均含有率は、前記固体電解質層におけるFeの平均含有率よりも高い、
請求項1乃至4のいずれかに記載の固体酸化物型燃料電池。 - 前記燃料極は、燃料極集電層と、前記燃料極集電層と前記固体電解質層との間に配置される燃料極活性層と、を有し、
前記燃料極集電層におけるFeの平均含有率は、前記燃料極活性層におけるFeの平均含有率よりも高い、
請求項5に記載の固体酸化物型燃料電池。 - 前記燃料極と前記固体電解質層と前記バリア層は、共焼成されている、
請求項1乃至6のいずれかに記載の固体酸化物型燃料電池。 - Feを含む燃料極と、
空気極と、
前記燃料極と前記空気極との間に配置され、Zr系酸化物材料とFeとを含む固体電解質層と、
前記固体電解質層と前記空気極との間に配置され、希土類元素を含有するCe系酸化物材料とFeとを含むバリア層と、
を備え、
前記バリア層におけるFeの平均含有率は、前記固体電解質層におけるFeの平均含有率よりも高く、
前記固体電解質層の相対密度は、90%以上であり、
前記バリア層の相対密度は、90%以上である、
固体酸化物型燃料電池。
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