[go: up one dir, main page]

JP6808010B2 - 電気化学セル - Google Patents

電気化学セル Download PDF

Info

Publication number
JP6808010B2
JP6808010B2 JP2019239291A JP2019239291A JP6808010B2 JP 6808010 B2 JP6808010 B2 JP 6808010B2 JP 2019239291 A JP2019239291 A JP 2019239291A JP 2019239291 A JP2019239291 A JP 2019239291A JP 6808010 B2 JP6808010 B2 JP 6808010B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air electrode
coo
fuel
electrode
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019239291A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020123566A (ja
Inventor
真司 藤崎
真司 藤崎
友理 前川
友理 前川
誠 大森
誠 大森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Insulators Ltd filed Critical NGK Insulators Ltd
Publication of JP2020123566A publication Critical patent/JP2020123566A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6808010B2 publication Critical patent/JP6808010B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Inert Electrodes (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Description

本発明は、電気化学セルに関する。
近年、環境問題及びエネルギー資源の有効利用の観点から、電気化学セルの一種である燃料電池に注目が集まっている。燃料電池は、一般的に、燃料極と、空気極と、燃料極及び空気極の間に配置される固体電解質層とを有する。
空気極は、例えば(La,Sr)(Co,Fe)O(ランタンストロンチウムコバルトフェライト)などのペロブスカイト型酸化物によって構成することができる(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−32132号公報
しかしながら、発電を繰り返すうちに燃料電池の出力が低下する場合がある。本発明者らは、出力の低下の原因の1つが空気極の劣化によるものであり、この空気極の劣化は空気極に(La,Sr)CoOを導入することによって緩和されることを新たに見出した。
本発明は、このような新たな知見に基づくものであって、出力の低下を抑制可能な電気化学セルを提供することを目的とする。
本発明に係る電気化学セルは、燃料極と、空気極と、燃料極と空気極の間に配置される固体電解質層とを備える。空気極は、一般式ABOで表され、AサイトにLa及びSrの少なくとも一方を含むペロブスカイト型酸化物(ただし、(La,Sr)CoOを除く)と、(La,Sr)CoOとを含む。空気極の断面における(La,Sr)CoOの面積占有率は、0.5%以上である。
電気化学セル。
本発明によれば、出力の低下を抑制可能な電気化学セルを提供することができる。
実施形態に係る燃料電池の構成を示す断面図
(燃料電池10の構成)
本実施形態に係る電気化学セルの一例として、燃料電池10の構成について図面を参照しながら説明する。燃料電池10は、いわゆる固体酸化物型燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)である。燃料電池10は、縦縞型、横縞型、平板型、或いは円筒型などの様々な形態を取りうる。
図1は、燃料電池10の構成を模式的に示す断面図である。燃料電池10は、燃料極20、固体電解質層30、バリア層40及び空気極50を備える。
燃料極20は、燃料電池10のアノードとして機能する。燃料極20は、図1に示すように、燃料極集電層21と燃料極活性層22を有する。
燃料極集電層21は、ガス透過性に優れる多孔質体である。燃料極集電層21を構成する材料としては、従来SOFCの燃料極集電層に用いられてきた材料を用いることができ、例えばNiO(酸化ニッケル)-8YSZ(8mol%のイットリアで安定化されたジルコニア)やNiO‐Y(イットリア)が挙げられる。燃料極集電層21がNiOを含んでいる場合、燃料電池10の作動中においてNiOの少なくとも一部はNiに還元されていてもよい。燃料極集電層21の厚みは、例えば0.1mm〜5.0mmとすることができる。
燃料極活性層22は、燃料極集電層21上に配置される。燃料極活性層22は、燃料極集電層21より緻密な多孔質体である。燃料極活性層22を構成する材料としては、従来SOFCの燃料極活性層に用いられてきた材料を用いることができ、例えばNiO‐8YSZが挙げられる。燃料極活性層22がNiOを含んでいる場合、燃料電池10の作動中においてNiOの少なくとも一部はNiに還元されていてもよい。燃料極活性層22の厚みは、例えば5.0μm〜30μmとすることができる。
固体電解質層30は、燃料極20と空気極50の間に配置される。本実施形態において、固体電解質層30は、燃料極20とバリア層40に挟まれている。固体電解質層30は、空気極50で生成される酸化物イオンを燃料極20側に透過させる。固体電解質層30は、燃料極20や空気極50よりも緻密質である。
固体電解質層30は、ZrO(ジルコニア)を主成分として含んでいてもよい。固体電解質層30は、ジルコニアの他に、Y(イットリア)及び/又はSc(酸化スカンジウム)等の添加剤を含んでいてもよい。これらの添加剤は、安定化剤として機能する。固体電解質層30において、安定化剤のジルコニアに対するmol組成比(安定化剤:ジルコニア)は、3:97〜20:80程度とすることができる。従って、固体電解質層30の材料としては、例えば、3YSZ、8YSZ、10YSZ、或いはScSZ(スカンジアで安定化されたジルコニア)などが挙げられる。固体電解質層30の厚みは、例えば3μm〜30μmとすることができる。
本実施形態において、組成物Xが物質Yを「主成分として含む」とは、組成物X全体のうち、物質Yが70重量%以上を占めることを意味する。
バリア層40は、固体電解質層30と空気極50との間に配置される。バリア層40は、固体電解質層30と空気極50の間に高抵抗層が形成されることを抑制する。バリア層40は、燃料極20や空気極50よりも緻密質である。バリア層40は、GDC(ガドリニウムドープセリア)やSDC(サマリウムドープセリア)などのセリア系材料を主成分とすることができる。バリア層40の厚みは、例えば3μm〜20μmとすることができる。
空気極50は、バリア層40上に配置される。空気極50は、固体電解質層30を基準として燃料極20の反対側に位置する。空気極50は、燃料電池10のカソードとして機能する。空気極50は、多孔質体である。空気極50の気孔率は特に制限されないが、20%〜60%とすることができる。空気極50の気孔率は、アルキメデス法により測定することができる。空気極50の厚みは特に制限されないが、2μm〜100μmとすることができる。
空気極50は、一般式ABOで表され、AサイトにLa及びSrの少なくとも一方を含むペロブスカイト型酸化物を主成分として含有する。このようなペロブスカイト型酸化物としては、例えば、LSCF(ランタンストロンチウムコバルトフェライト:(La,Sr)(Co,Fe)O)、LSF(ランタンストロンチウムフェライト:(La,Sr)FeO)、LSC(ランタンストロンチウムコバルタイト:(La,Sr)CoO)、LNF(ランタンニッケルフェライト:La(Ni,Fe)O)、及びSSC(サマリウムストロンチウムコバルタイト:(Sm,Sr)CoO)から選択される1種、或いは、これらの組み合わせを用いることができるが、これらには限られない。
ただし、本明細書において、空気極50が主成分として含有するペロブスカイト型酸化物には、(La,Sr)CoOが含まれないものとする。
空気極50の断面において、AサイトにLa及びSrの少なくとも一方を含むペロブスカイト型酸化物の面積占有率は、84.0%以上99.3%以下とすることができる。AサイトにLa及びSrの少なくとも一方を含むペロブスカイト型酸化物の面積占有率の算出方法については後述する。
空気極50は、(La,Sr)CoOを含む。(La,Sr)CoOは、La2−xSrCoO(0≦x≦2)と表すことができる。従って、(La,Sr)CoOには、LaCoO、SrCoO、La1.5Sr0.5CoO、La0.5Sr1.5CoOなどが含まれるが、これに限られない。
空気極50の断面において、(La,Sr)CoOの面積占有率は、0.5%以上である。これにより、空気極50の反応活性を向上させることができるため、空気極50の劣化を抑制できる。(La,Sr)CoOの面積占有率の算出方法については後述する。
空気極50の断面において、(La,Sr)CoOの面積占有率は、5.5%以下であることが好ましい。これにより、空気極50内に導電性の異なる領域が形成されることを抑制できるため、通電中に空気極50内に生じる電流密度分布によって空気極50が局所的に劣化することを低減できる。その結果、通電中に燃料電池10の出力が低下してしまうことを抑制できる。
空気極50の断面において、(La,Sr)CoOの平均円相当径は特に制限されないが、0.05μm以上2.0μm以下であることが好ましい。これによって、通電中に燃料電池10の出力が低下してしまうことをより抑制できる。平均円相当径とは、FE−SEM画像(倍率10000倍)から無作為に選出した50個の(La,Sr)CoOそれぞれと同じ面積を有する円の直径の算術平均値である。
空気極50は、(Co,Fe)をさらに含んでいることが好ましい。(Co,Fe)は、スピネル型結晶構造を有する。(Co,Fe)は、Co3−yFe(0<y<3)と表すことができる。従って、(Co,Fe)には、CoFeO、Co1.5Fe1.5及びCoFeなどが含まれるが、これに限られない。
空気極50の断面において、(Co,Fe)の面積占有率は、0.2%以上であることが好ましい。これにより、空気極50の焼結性が改善されるため、空気極50の多孔質骨格構造を強化することができる。その結果、空気極50にクラックが生じることを抑制できる。(Co,Fe)の面積占有率の算出方法については後述する。
空気極50の断面において、(Co,Fe)の面積占有率は、10.5%以下であることが好ましい。これにより、空気極50の不活性部が低減されるため、通電中に燃料電池10の出力が低下してしまうことを抑制できる。
空気極50の断面において、(Co,Fe)の平均円相当径は特に制限されないが、0.05μm以上0.5μm以下であることが好ましい。これによって、通電中に燃料電池10の出力が低下してしまうことをより抑制できる。平均円相当径とは、FE−SEM画像(倍率10000倍)から無作為に選出した50個の(Co,Fe)それぞれと同じ面積を有する円の直径の算術平均値である。
(面積占有率の算出方法)
空気極50の断面において、AサイトにLa及びSrの少なくとも一方を含むペロブスカイト型酸化物、(La,Sr)CoO、及び(Co,Fe)それぞれの面積占有率を算出する方法について説明する。
まず、空気極50の断面を精密機械研磨した後に、株式会社日立ハイテクノロジーズのIM4000によってイオンミリング加工処理を施す。
次に、インレンズ二次電子検出器を用いたFE−SEM(Field Emission Scanning Electron Microscope:電界放射型走査型電子顕微鏡)により、空気極50の断面を倍率10000倍で拡大したSEM画像を取得する。
次に、SEM画像の輝度を256階調に分類することによって、主相、副相、及び気相それぞれの明暗差を3値化する。例えば、主相を薄灰色、副相を濃灰色、気孔を黒色に表示させることができる。主相と副相は、固相である。副相は、(Co,Fe)相である。主相には、AサイトにLa及びSrの少なくとも一方を含むペロブスカイト型酸化物相と(La,Sr)CoO相とが含まれている。
次に、EDX(Energy Dispersive X−ray Spectroscopy:エネルギー分散型X線分光法)を用いて、主相の位置におけるEDXスペクトルを取得する。そして、EDXスペクトルを半定量分析することによって、主相の位置に存在する元素を同定する。これにより、SEM画像上において、主相を、AサイトにLa及びSrの少なくとも一方を含むペロブスカイト型酸化物の領域と、(La,Sr)CoOの領域とに分ける。
次に、MVTec社(ドイツ)製の画像解析ソフトHALCONを用いて、SEM画像を画像解析することによって、(La,Sr)CoOと(Co,Fe)とが強調表示された解析画像を取得する。
次に、解析画像における(La,Sr)CoOの合計面積を固相の全面積で除することによって、(La,Sr)CoOの面積占有率が求められる。
同様に、解析画像における(Co,Fe)の合計面積を固相の全面積で除することによって、(Co,Fe)の面積占有率が求められる。
さらに、固相の全面積から(La,Sr)CoOの合計面積と(Co,Fe)の合計面積とを引いた値を固相の全面積で除することによって、AサイトにLa及びSrの少なくとも一方を含むペロブスカイト型酸化物の面積占有率が求められる。
(空気極材料)
空気極50の作製に用いられる粉体材料(以下、「空気極材料」という。)には、一般式ABOで表されるペロブスカイト型酸化物粉末と(La,Sr)CoO粉末との混合材料を用いることができる。空気極材料には、所望により(Co,Fe)粉末を混合してもよい。
空気極材料における(La,Sr)CoOの添加量は、0.45重量%以上である。これによって、空気極50の断面における(La,Sr)CoOの面積占有率を0.5%以上にすることができるため、上述のとおり、空気極50の劣化を抑制できる。
空気極材料における(La,Sr)CoOの添加量は、4.95重量%以下であることが好ましい。これによって、空気極50の断面における(La,Sr)CoOの面積占有率を5.5%以下にすることができるため、上述のとおり、通電中に導電性が異なることで生じる電流密度分布による空気極50の局所的な劣化を低減できるため、通電中に燃料電池10の出力が低下してしまうことを抑制できる。
空気極材料における(Co,Fe)の添加量は、0.18重量%以上であることが好ましい。これによって、空気極50の断面における(Co,Fe)の面積占有率を0.2%以上にすることができるため、上述のとおり、空気極50にクラックが生じることを抑制できる。
空気極材料における(Co,Fe)の添加量は、9.45重量%以下であることが好ましい。これによって、空気極50の断面における(Co,Fe)の面積占有率を10.5%以下にすることができるため、上述のとおり、空気極50の不活性部が低減されるため、通電中に燃料電池10の出力が低下してしまうことを抑制できる。
なお、(La,Sr)CoO粉末の粒度及び比表面積を調整することによって、空気極50の断面における(La,Sr)CoOの面積占有率を調整することができる。
同様に、(Co,Fe)粉末の粒度及び比表面積を調整することによって、空気極50の断面における(Co,Fe)の面積占有率を調整することができる。
(燃料電池10の製造方法)
次に、燃料電池10の製造方法の一例について説明する。以下の説明において、「成形体」は、焼成前の部材を意味する。
まず、燃料極集電層用粉末(例えば、NiO粉末とYSZ粉末)と造孔剤(例えばPMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂))との混合物にバインダー(例えば、ポリビニルアルコール)を添加して燃料極集電層用スラリーを作製する。次に、燃料極集電層用スラリーをスプレードライヤーで乾燥・造粒することによって燃料極集電層用粉末を得る。次に、金型プレス成形法で燃料極用粉末を成形することによって、燃料極集電層21の成形体を形成する。この際、金型プレス成形法に代えてテープ積層法を用いてもよい。
次に、燃料極活性層用粉末(例えば、NiO粉末とYSZ粉末)と造孔剤(例えばPMMA)との混合物にバインダー(例えば、ポリビニルアルコール)を添加して燃料極活性層用スラリーを作製する。次に、燃料極活性層用スラリーを印刷法で燃料極集電層21の成形体上に印刷することによって、燃料極活性層22の成形体を形成する。これによって、燃料極20の成形体が形成される。この際、印刷法に代えてテープ積層法や塗布法等を用いてもよい。
次に、固体電解質層用粉末(例えば、YSZ粉末)に水とバインダーの混合物をボールミルで混合することによって固体電解質層用スラリーを作製する。次に、固体電解質層用スラリーを燃料極20の成形体上に塗布・乾燥させることによって、固体電解質層30の成形体を形成する。この際、塗布法に代えてテープ積層法や印刷法等を用いてもよい。
次に、バリア層用粉末(例えば、GDC粉末)に水とバインダーの混合物をボールミルで混合することによってバリア層用スラリーを作製する。次に、バリア層用スラリーを固体電解質層30の成形体上に塗布・乾燥させることによって、バリア層40の成形体を形成する。この際、塗布法に代えてテープ積層法や印刷法等を用いてもよい。
次に、燃料極20、固体電解質層30及びバリア層40それぞれの成形体の積層体を共焼成(1300〜1600℃、2〜20時間)することによって、燃料極20、固体電解質層30及びバリア層40の共焼成体を形成する。
次に、上述した空気極材料と水とバインダーをボールミルで混合することによって空気極用スラリーを作製する。次に、空気極用スラリーをバリア層40上に塗布・乾燥させることによって、空気極50の成形体を形成する。
次に、空気極50の成形体を電気炉(酸素含有雰囲気)で焼成(1000℃〜1100℃、1時間〜10時間)することによって、バリア層40上に空気極50を形成する。
(変形例)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
上記実施形態では、電気化学セルの一例として燃料電池10,11について説明したが、本発明は、燃料電池のほか、固体酸化物型の電解セルなどの電気化学セルに適用可能である。
上記実施形態において、燃料電池10は、燃料極20、固体電解質層30、バリア層40及び空気極50を備えることとしたが、これに限られるものではない。燃料電池10は、燃料極20、固体電解質層30及び空気極50を少なくとも備えていればよい。従って、燃料電池10は、バリア層40を備えていなくてもよいし、燃料極20と固体電解質層30との間、或いは、固体電解質層30と空気極50,51との間に、他の層が介挿されていてもよい。
以下において本発明に係るセルの実施例について説明するが、本発明は以下に説明する実施例に限定されるものではない。
(サンプルNo.1〜No.31の作製)
以下のようにして、サンプルNo.1〜No.31に係る燃料電池を作製した。
まず、金型プレス成形法で厚み500μmの燃料極集電層(NiO:8YSZ=50:50(Ni体積%換算))を成形し、その上に厚み20μmの燃料極活性層(NiO:8YSZ=45:55(Ni体積%換算))を印刷法で形成した。
次に、燃料極活性層上に8YSZ層とGDC層の成形体を塗布法で順次形成して共焼成(1400℃、2時間)した。
次に、表1に示す空気極用主成分粉末(一般式ABOで表され、AサイトにLa及びSrの少なくとも一方を含むペロブスカイト型酸化物)に対して(La,Sr)CoO粉末を混合した空気極材料を準備した。また、サンプルNo.4〜15,19〜23,27〜31の空気極材料には、(Co,Fe)粉末も混合した。
次に、空気極材料と水とPVAとをボールミルで24時間混合することによって空気極材料用スラリーを作製した。
次に、空気極用スラリーを共焼成体のGDC層上に塗布・乾燥させることによって、空気極の成形体を形成した。
次に、空気極の成形体を電気炉(酸素含有雰囲気、1000℃)で1時間焼成することによって空気極を形成した。
(面積占有率の測定)
まず、空気極の断面を精密機械研磨した後に、株式会社日立ハイテクノロジーズのIM4000によってイオンミリング加工処理を施した。
次に、インレンズ二次電子検出器を用いたFE−SEMにより、空気極の断面を倍率10000倍で拡大したSEM画像を取得した。
次に、SEM画像の輝度を256階調に分類することによって、主相、副相、及び気相それぞれの明暗差を3値化した。具体的には、主相を薄灰色、副相を濃灰色、気孔を黒色に表示した。
次に、EDXを用いて、主相の位置におけるEDXスペクトルを取得し、EDXスペクトルを半定量分析することによって、SEM画像上において、主相を、AサイトにLa及びSrの少なくとも一方を含むペロブスカイト型酸化物の領域と、(La,Sr)CoOとに分けた。
次に、画像解析ソフトHALCONを用いて、SEM画像を画像解析することによって、(La,Sr)CoOと(Co,Fe)とが強調表示された解析画像を取得した。
次に、解析画像における(La,Sr)CoOの合計面積を固相の全面積で除することによって、(La,Sr)CoOの面積占有率を求めた。
同様に、解析画像における(Co,Fe)の合計面積を固相の全面積で除することによって、(Co,Fe)の面積占有率を求めた。
さらに、固相の全面積から(La,Sr)CoOの合計面積と(Co,Fe)の合計面積とを引いた値を固相の全面積で除することによって、AサイトにLa及びSrの少なくとも一方を含むペロブスカイト型酸化物の面積占有率を求めた。
(出力測定とクラック観察)
各サンプルの燃料極側に窒素ガス、空気極側に空気を供給しながら750℃まで昇温し、750℃に達した時点で燃料極に水素ガスを3時間供給することによって還元処理した。
次に、定格電流密度を0.2A/cmに設定して、セル電圧を測定しながら1000時間発電した。そして、1000時間当たりの電圧降下率を劣化率として算出した。表1では、劣化率が0.75%以下のサンプルを「A」と評価し、劣化率が0.75%超0.85%以下のサンプルを「B」と評価し、劣化率が0.85%超1.0%以下のサンプルを「C」と評価し、劣化率が1.0%超1.2%以下のサンプルを「D」と評価し、劣化率が1.2%超のサンプルを「E」と評価してある。
また、1000時間発電した後に、空気極の断面を電子顕微鏡で観察することによって、空気極のうちバリア層との界面付近におけるクラックの有無を観察した。表1では、長さ5μm超のクラックが観察されたサンプルに「有」と表示し、長さ5μm以下のクラックが観察されたサンプルに「有(軽微)」と表示し、クラックが観察されなかったサンプルに「無」と表示してある。
Figure 0006808010
表1に示すように、(La,Sr)CoOの面積占有率を0.5%以上としたサンプルNo.2,3,6〜15,17〜23,25〜26,28〜31では、(La,Sr)CoOの面積占有率を0.5%未満としたサンプルNo.1,4〜5,16,24,27に比べて、空気極の劣化率を抑制することができた。このような結果が得られたのは、(La,Sr)CoOの添加によって、空気極の反応活性を向上させられたからである。なお、サンプルNo.2,3,6〜15,17〜23,25〜26,28〜31に用いた空気極材料における(La,Sr)CoOの添加量は、0.45重量%以上であった。
さらに、(La,Sr)CoOの面積占有率を0.5%以上としたサンプルのうち、(La,Sr)CoOの面積占有率を5.5%以下としたサンプルNo.2,6〜13,17,19〜21,25,28〜29では、空気極の劣化率をより抑制することができた。このような結果が得られたのは、(La,Sr)CoOの添加量を抑えることで通電中に生じる電流密度分布が低減されることによって、空気極の局所的な劣化を抑制できたからである。なお、サンプルNo.2,6〜13,17,19〜21,25,28〜29に用いた空気極材料における(La,Sr)CoOの添加量は、4.95重量%以下であった。
また、(La,Sr)CoOの面積占有率を0.5%以上としたサンプルのうち、(Co,Fe)の面積占有率を0.2%以上としたサンプルNo.7〜15,20〜23,28〜31では、空気極にクラックが生じることを抑制できた。このような結果が得られたのは、(Co,Fe)の添加によって空気極の多孔質骨格構造を強化できたからである。なお、サンプルNo.7〜15,20〜23,28〜31に用いた空気極材料における(Co,Fe)の添加量は、0.18重量%以上であった。
また、サンプルNo.11とサンプルNo.12,13との比較、サンプルNo.14とサンプルNo.15との比較、サンプルNo.18,22とサンプルNo.23との比較、サンプルNo.26,30とサンプルNo.31との比較から、(Co,Fe)の面積占有率を10.5%以下とすることによって空気極の劣化率を更に抑制できることが分かった。このような結果が得られたのは、(Co,Fe)の添加量を抑えることによって、空気極中の不活性部を低減させることができたからである。なお、(Co,Fe)の面積占有率を10.5%以下とサンプルに用いた空気極材料における(Co,Fe)の添加量は、9.45重量%以下であった。
なお、従来、空気極を劣化させるおそれのある物質としてSrSO、Co、CoO、SrOなどが知られているが、これらの物質を空気極が含有していても上記効果を得られることは実験的に確認済みである。
10,11 燃料電池
20 燃料極
21 燃料極集電層
22 燃料極活性層
30 固体電解質層
40 バリア層
50,60 空気極
51,61 第1層
52,62 第2層

Claims (3)

  1. 燃料極と、
    空気極と、
    前記燃料極と前記空気極との間に配置される固体電解質層と、
    を備え、
    前記空気極は、一般式ABOで表され、AサイトにLa及びSrの少なくとも一方を含むペロブスカイト型酸化物と、(La,Sr)CoOと、(Co,Fe)とを含み、
    前記空気極の断面における(La,Sr)CoOの面積占有率は、0.5%以上であり、
    前記空気極の断面における(Co,Fe)の面積占有率は、0.2%以上である、
    電気化学セル。
  2. 前記空気極の断面における(La,Sr)CoOの面積占有率は、5.5%以下である、
    請求項1に記載の電気化学セル。
  3. 前記空気極の断面における(Co,Fe)の面積占有率は、10.5%以下である、
    請求項1又は2に記載の電気化学セル。
JP2019239291A 2019-01-30 2019-12-27 電気化学セル Active JP6808010B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019014745 2019-01-30
JP2019014745 2019-01-30

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020123566A JP2020123566A (ja) 2020-08-13
JP6808010B2 true JP6808010B2 (ja) 2021-01-06

Family

ID=71992895

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019239292A Active JP6837122B2 (ja) 2019-01-30 2019-12-27 電気化学セル
JP2019239291A Active JP6808010B2 (ja) 2019-01-30 2019-12-27 電気化学セル

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019239292A Active JP6837122B2 (ja) 2019-01-30 2019-12-27 電気化学セル

Country Status (1)

Country Link
JP (2) JP6837122B2 (ja)

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0773886A (ja) * 1993-09-03 1995-03-17 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 固体電解質型燃料電池
JP3827209B2 (ja) * 2001-12-19 2006-09-27 日本電信電話株式会社 固体電解質型燃料電池用複合型空気極の作製方法
JP2011051809A (ja) * 2009-08-31 2011-03-17 Tohoku Univ 複合金属酸化物およびその製造方法、並びにそれを用いた電極材料、電極および固体酸化物形燃料電池
JP5700358B2 (ja) * 2010-03-31 2015-04-15 Toto株式会社 空気極材料および固体酸化物形燃料電池
JP5522870B1 (ja) * 2013-04-12 2014-06-18 日本碍子株式会社 燃料電池セル
JP5636520B1 (ja) * 2014-09-05 2014-12-03 日本碍子株式会社 燃料電池セル
JP5957057B2 (ja) * 2014-10-08 2016-07-27 日本碍子株式会社 空気極材料
DE112016003018T5 (de) * 2015-06-30 2018-03-15 Ngk Insulators, Ltd. Brennstoffzelle
DE112016000033T5 (de) * 2015-07-01 2017-07-20 Ngk Insulators, Ltd. Brennstoffzelle
JP6329676B2 (ja) * 2016-07-27 2018-05-23 日本碍子株式会社 電気化学セル
CN109478651B (zh) * 2016-07-27 2022-01-25 日本碍子株式会社 电化学电池
JP6813992B2 (ja) * 2016-08-29 2021-01-13 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 固体酸化物形燃料電池とこれに用いる電極材料
JP6680180B2 (ja) * 2016-10-26 2020-04-15 日本製鉄株式会社 低温作動可能なペロブスカイト型酸化物およびその製造法
JP6144811B1 (ja) * 2016-11-01 2017-06-07 日本碍子株式会社 燃料電池
JP6833974B2 (ja) * 2017-03-15 2021-02-24 東芝エネルギーシステムズ株式会社 電気化学セル用酸素極および電気化学セル

Also Published As

Publication number Publication date
JP6837122B2 (ja) 2021-03-03
JP2020123567A (ja) 2020-08-13
JP2020123566A (ja) 2020-08-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5596875B1 (ja) 燃料電池セル及び空気極材料
JP5522870B1 (ja) 燃料電池セル
JP5270804B1 (ja) 燃料電池セル
CN109478652B (zh) 电化学电池
JP5097867B1 (ja) 燃料電池セル
JP5841210B1 (ja) 燃料電池セル
CN109478651B (zh) 电化学电池
WO2013054759A1 (ja) 燃料電池セル
JP5636520B1 (ja) 燃料電池セル
JP5638687B1 (ja) 空気極材料
CN109478648B (zh) 燃料电池
JP5159938B1 (ja) 燃料電池セル
JP5395295B1 (ja) 燃料電池セル
JP6808010B2 (ja) 電気化学セル
JP5957057B2 (ja) 空気極材料
JP6671331B2 (ja) 電気化学セル
JP5596882B1 (ja) 燃料電池セル

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191227

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20191227

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20200130

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200605

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200623

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200818

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200915

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201028

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20201028

C876 Explanation why request for accelerated appeal examination is justified

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C876

Effective date: 20201028

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20201104

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20201110

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201117

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201208

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6808010

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150