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JP6210804B2 - 固体酸化物型燃料電池 - Google Patents

固体酸化物型燃料電池 Download PDF

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Description

本発明は、横縞型の固体酸化物型燃料電池に関する。
従来、絶縁性の支持基板と、支持基板上に配置された複数の発電部と、を備える横縞型の固体酸化物型燃料電池が知られている。発電部は、支持基板上に配置される燃料極と、空気極と、燃料極と空気極との間に配置される固体電解質層と、を有する。
ここで、NiとMgOとFeとによって支持基板を構成するとともに、Feの含有率を0.2モル%以下に調整する手法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2009−238430号公報
しかしながら、支持基板にFeを添加した場合、発電時に還元されたときの支持基板の寸法変動が大きくなるという問題がある。これは、MgOに固溶されたFeOが還元されることによって、MgOからFeが排出されるためである。具体的には、FeがMgOの外部に排出されれば支持基板は収縮し、FeがMgOの粒界に排出されれば支持基板は膨張してしまう。
本発明は、上述の状況に鑑みてなされたものであり、還元時における支持基板の寸法変動を抑制可能な固体酸化物型燃料電池を提供することを目的とする。
本発明に係る固体酸化物型燃料電池は、燃料ガス流路を内部に有し、MgOとMnOとを含む支持基板と、前記支持基板上に形成され、燃料極と空気極と固体電解質層とを有する発電部と、を備える。
本発明によれば、還元時における支持基板の寸法変動を抑制可能な固体酸化物型燃料電池を提供することができる。
固体酸化物型燃料電池の構成を示す斜視図 図1のII−II断面図 セバスチャン試験装置を示す側面図
<固体酸化物型燃料電池100の構成>
固体酸化物型燃料電池100の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、固体酸化物型燃料電池100の構成を示す斜視図である。図2は、図1のII−II断面図である。ただし、図1では、後述する集電層5(図2参照)が省略されている。
固体酸化物型燃料電池(以下、「燃料電池」と略称する)100は、支持基板10と、複数の固体酸化物型燃料電池セル(以下、「セル」と略称する)20と、複数のインターコネクタ30と、を備える。燃料電池100は、支持基板10上において複数のセル20が複数のインターコネクタ30を介して電気的に直列に接続された、いわゆる横縞型の燃料電池である。
支持基板10は、扁平板状の多孔質部材である。支持基板10の表面の一部は、セル20が有する固体電解質層2と接している。支持基板10は、固体電解質層2と共焼成されていることが好ましい。支持基板10の厚みは、1mm〜10mm程度である。支持基板10の内部には、発電時に水素を含む燃料ガスを流すための燃料ガス流路10aが形成されている。燃料ガス流路10aは、支持基板10の長手方向に沿って延びる。発電時において、燃料ガス流路10aに流される水素ガスは、支持基板10を介して複数のセル20に供給される。この際、支持基板10は、水素ガスによって還元雰囲気に曝される。本実施形態では、還元された状態の支持基板10が想定されているが、支持基板10の組成物のモル比は還元前後において維持される。
支持基板10は、MgOを含んでいる。支持基板10は、MgOを主成分として含んでいてもよい。また、支持基板10は、ニッケルを含んでいてもよい。ニッケルは、酸化物(NiO)であってもよく、支持基板10がNiOを含んでいる場合、NiOは発電時に水素ガスによってNiに還元されてもよい。さらに、支持基板10は、MgOよりも熱膨張係数の低い組成物を含んでいることが好ましい。これによって、例えばMgOを主成分とする支持基板10の熱膨張率を、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)を主成分とする固体電解質層2の熱膨張率に近づけることができる。このような組成物としては、YやMgAlなどが挙げられる。
なお、本明細書において、「主組成物として含有する」とは、その組成物を50重量%以上含有することであってもよく、60重量%以上、80重量%以上、又は90重量%以上含有することであってもよい。また、「主組成物として含有する」とは、その組成物のみからなる場合も包含する概念である。
ここで、支持基板10は、Mnを含有している。支持基板10において、Mnは、一酸化マンガン(MnO)の状態でMgOに固溶されていることが好ましい。このようなMnOは、水素ガスによる還元雰囲気下においてもMnに還元されにくく、MgOに固溶された状態を維持する特性を有している。支持基板10におけるMnのMgに対するモル比率は、0.05以上3.0以下であることが好ましい。さらに、支持基板10におけるMnのMgに対するモル比率は、0.2以上2.0以下であることがより好ましい。
なお、支持基板10に含まれるMnの一部は、MnやYMnOの状態でMgOに固溶されていなくてもよいが、MnやYMnOの含有量は少ないことが好ましい。また、支持基板10は、Feを含まないことが好ましい。
複数のセル20は、本実施形態に係る複数の発電部の一例である。複数のセル20は、支持基板10上において長手方向に並べられている。複数のセル20は、複数のインターコネクタ30によって電気的に直列に接続されている。複数のセル20それぞれは、図2に示すように、燃料極1と、固体電解質層2と、バリア層3と、空気極4と、集電層5と、を備える。
燃料極1は、支持基板10上に配置される。燃料極1は、燃料極集電層11と、燃料極活性層12と、によって構成される。
燃料極集電層11は、支持基板10上に配置される。燃料極集電層11上には、インターコネクタ30が配置されている。燃料極集電層11の厚みは、50μm以上500μm以下とすることができる。燃料極集電層11は、次の式(1)で表される酸化物を含有する。
(AE1−x)(B1−y+zC)O (1)
(AEは少なくとも1種のアルカリ土類金属であり、Aサイトは、希土類,Al及びCrからなる群から選択される少なくとも1種類の元素を含有し、BサイトはTi及びZrから選択される少なくとも1種類の元素を含有し、Cサイトは、Nb,V,Mn,Cr,Fe,Co,Cu,Ni,Zn,Mg及びAlからなる群から選択される少なくとも1種類の元素を含有し、0≦x≦0.3,0≦y≦0.22,−0.1≦z≦0.1である。)
また、燃料極集電層11は、式(1)で表される酸化物以外の成分を含有してもよく、例えばニッケルを含有していてもよい。ニッケルは、酸化物(NiO)であってもよいが、発電時において、NiOは水素ガスによってNiに還元されてもよい。
燃料極活性層12は、燃料極集電層11上に配置される。燃料極活性層12の厚みは、5μm以上100μm以下とすることができる。燃料極活性層12は、Zr(ジルコニウム)を含有してもよい。具体的に、燃料極活性層12を構成する材料としては、Ni−YSZ(イットリア安定化ジルコニア)やNi-ScSZ(スカンジア安定化ジルコニア)などが挙げられる。
固体電解質層2は、燃料極活性層12上に配置される。また、固体電解質層2の一部は、支持基板10の表面と接している。固体電解質層2は、支持基板10及び燃料極1と共焼成されていることが好ましい。固体電解質層2は、ZrOを主成分として含んでいてもよい。具体的に、固体電解質層2は、3YSZ、8YSZ等のイットリア安定化ジルコニアやScSZ(スカンジア安定化ジルコニア)等のジルコニア系材料によって構成することができる。
バリア層3は、固体電解質層2上に設けられる。バリア層3は、固体電解質層2と共焼成されていることが好ましい。バリア層3は、希土類元素を含有するセリア(CeO)系材料を主成分として含んでいてもよい。具体的に、バリア層3は、GDC((Ce,Gd)O:ガドリニウムドープセリア)、SDC((Ce, Sm)O:サマリウムドープセリア)等によって構成することができる。
空気極4は、バリア層3上に配置される。空気極4は、固体電解質層2を挟んで燃料極1の反対側に配置されている。空気極4は、ランタン含有ペロブスカイト型複合酸化物を主成分として含んでいてもよい。具体的に、ランタン含有ペロブスカイト型複合酸化物としては、LSCF(ランタンストロンチウムコバルトフェライト)、ランタンマンガナイト、ランタンコバルタイト、ランタンフェライトが挙げられる。また、ランタン含有ペロブスカイト型複合酸化物には、ストロンチウム、カルシウム、クロム、コバルト、鉄、ニッケル、アルミニウム等がドープされていてもよい。
集電層5は、セル20の空気極4上に配置されており、当該セル20の空気極4と隣接するセル20の燃料極3とをインターコネクタ30を介して電気的に接続する。集電層5の厚みは、50〜500μm程度にすることができる。
複数のインターコネクタ30は、複数のセル20に対応して設けられる。複数のインターコネクタ30は、導電性、耐還元性及び耐酸化性を有する材料によって構成されている。このような材料としては、クロマイト系材料が挙げられる。クロマイト系材料とは、クロマイト系ペロブスカイト型酸化物とも称される複合酸化物である。クロマイト系材料の組成は、次の一般式(1)で表すことができる。
Ln1−xCr1−y-z (1)
(式(1)において、LnはY及びランタノイド(La,Ce,Eu,Sm,Yb,Gdなど)からなる群より選択される少なくとも1種類の元素であり、AはCa,Sr及びBaからなる群より選択される少なくとも1種類の元素を含有し、Bは、Ti,V,Mn,Fe,Co,Cu,Ni,Zn,Mg及びAlからなる群より選択される少なくとも1種類の元素を含有し、0.025≦x≦0.3、0≦y≦0.22、0≦z≦0.15である。)
<燃料電池100の製造方法>
燃料電池100の製造方法の一例について説明する。
まず、MgO粉末、NiO粉末及びMn粉末を所定の混合比になるように秤量する。この際、MnのMgに対するモル比率は、0.05以上3.0以下とすることが好ましく、0.2以上2.0以下とすることがより好ましい。この際、熱膨張係数調整剤としてYやMgAlなどを添加してもよい。
次に、混合粉末に所定量の造孔材(例えば、セルロースなど)やIPAなどを添加する。
次に、造孔材などが添加された粉末原料をボールミルで混合した後に乾燥して得られる混合原料粉に一軸加圧成形及びCIP成形を順次行うことによって、支持基板成形体を作製する。
次に、YSZ、酸化ニッケル、ジルコニア、及び造孔材などの混合粉末を圧粉成形することによって、燃料極成形体を作製する。
次に、先に作製した支持基板の成形体と合わせてCIP成形することで、支持基板成形体-燃料極成形体の積層体を作製する。
次に、3YSZ、8YSZ及び10YSZ等のイットリア安定化ジルコニアやScSZなどのジルコニア系材料にバインダー(ポリビニルブチラール)、溶剤を添加し、トリロールミルで混合して固体電解質層用の印刷ペーストを作製する。
次に、GDCやSDCなどのバリア層用原料粉末に、バインダー、分散剤、及び溶剤を添加し、バリア層用のスラリーを作製する。
次に、支持基板-燃料極の積層体に、固体電解質用の印刷ペーストを印刷し、さらにその上にバリア層用のスラリーをディップコートする。この際、固体電解質層用の印刷ペーストを、支持基板成形体の表面の一部にも印刷する。
次に、積層体を共焼成(1−20時間、1000〜1500℃)することによって、共焼成体を作製する。
次に、共焼成体のうちバリア層3上に空気極4の材料を塗布した後、空気極4の材料上に集電部5の材料を塗布して焼成する。
<その他の実施形態>
(A)上記実施形態において、セル20は、固体電解質層2と空気極4との間にバリア層3を有することとしたが、バリア層3を有していなくてもよい。
(B)上記実施形態では、固体酸化物型燃料電池の一例として横縞型の燃料電池について説明したが、横縞型の燃料電池に限定されるものではない。本発明は、縦縞型、平板型及び円筒型などの種々のタイプの固体酸化物型燃料電池に適用可能である。
なお、縦縞型の燃料電池とは、燃料極集電層として機能する支持体と、支持体の第1主面上に形成される1つの発電部と、支持体の第2主面上に形成される1つのインターコネクタと、を備えるタイプの燃料電池である。発電部は、燃料極活性層と固体電解質層と空気極とを備えている。このような縦縞型の燃料電池においても、上記実施形態と同様に、支持基板10がMgOとMnOとを含むことによって、還元時における支持基板10の寸法変動を抑制できる。
(サンプルNo.1〜No.25の作製)
以下のようにして、サンプルNo.1〜25を作製した。
まず、サンプルNo.1では、MgO粉末とNiO粉末を表1に示すモル比になるように秤量した。サンプルNo.2,3では、MgO粉末とNiO粉末とFe粉末を表1に示すモル比になるように各材料粉末を秤量した。サンプルNo.4〜11では、MgO粉末とNiO粉末とMn粉末を表1に示すモル比になるように各材料粉末を秤量した。サンプルNo.12では、MgO粉末のみを所定量秤量した。サンプルNo.13〜17では、MgO粉末とMn粉末を表1に示すモル比になるように各材料粉末を秤量した。サンプルNo.18〜25では、MgO粉末とNiO粉末とMgAl粉末もしくはY粉末を表2に示すモル比及び体積割合になるように秤量した後、表2に示すMn/Mgモル比になるようにMnを加えた。
次に、調合粉体とφ10mmのYTZ玉石及びIPAをポリポットに投入して、12時間ポットミル架台で混合することによって、スラリーを作製した。
次に、スラリーを窒素雰囲気下で乾燥させることによって、混合粉末を作製した。
次に、混合粉末を一軸プレス(成形圧:50MPa)することで成形された縦横30mm×30mm、厚み5mmの板をCIP(成形圧:300MPa)でさらに圧密することによって、支持基板の成形体を作製した。
次に、8YSZの粉末とバインダーとしてのPBVと溶剤としてのテルピネオールとをトリロールミルで混合することによって、電解質ペーストを形成した。
次に、支持基板の成形体上に電解質ペーストを厚み20μmになるようにスクリーン印刷することによって、テストピースを作製した。
次に、テストピースを焼成(1500℃、1時間、大気雰囲気)することによって、サンプルNo.1〜25を作製した。なお、本実施例では、燃料極や空気極などを形成しなかった。
そして、サンプルNo.1〜25を炉に入れて、30℃の加湿水素を供給しながら800℃で1000時間の還元処理を行った。
Figure 0006210804
Figure 0006210804

(還元寸法変化率の測定)
上述の還元処理前後における支持基板の寸法変化率を測定した。還元前の寸法を基準として規格化された寸法変化率を表1,2に示す。表1,2において、収縮は負の値で示され、膨張は正の値で表されている。
表1に示すように、Fe粉末を添加したサンプルNo.2,3では、還元によって支持基板が0.08%以上収縮した。これは、MgOに固溶しているFeOがFeに還元されて外部に排出されたためである。このように支持基板の寸法変化が大きいと、セルスタックを還元した際に支持基板が損傷する確率が増えてしまう。
一方で、表1、2に示すように、Mn粉末を添加したNo.4〜11,13〜25では、還元による寸法変化を±0.02%以下に抑制できた。これは、MgOに固溶しているMnOが還元時にも固溶状態を維持できたためである。
以上より、支持基板がMgOに固溶したMnOを含有することによって、還元時の寸法変化を抑制できることがわかった。
(焼成収縮率の測定)
上述の焼成処理前後における支持基板の収縮率を測定した。表1、2では、サンプルNo.2の焼成収縮率を基準として規格化された値が示されている。焼成収縮率が1.00より小さいことはサンプルNo.2より収縮が小さいことを示し、焼成収縮率が1.00より大きいことはサンプルNo.2より収縮が大きいことを示している。なお、サンプルNo.2を基準としたのは、焼結助剤として良好な特性を示すFeを基準とすることで、Mnの焼結助剤としての好適性を簡便に判断するためである。
表1、2に示すように、支持基板におけるMnのMgに対するモル比率が0.05以上3.0以下のサンプルNo.5〜10、13〜16では、Feが添加されたサンプルNo.2と同等の収縮率が得られた。
一方で、モル比率が0.05より小さいサンプルNo.4、12では、他のサンプルに比べて十分に焼結させることができなかった。これは、サンプルNo.4、12では焼結助剤であるMnの添加量が足りずに焼結を十分進行させられなかったためである。この場合、支持基板の強度が十分ではなくなるおそれがあるうえ、固体電解質層の焼成収縮とのミスマッチが発生するおそれもある。そのため、固体電解質層の緻密性を十分に得ることができないおそれがある。
また、モル比率が3.0より大きいサンプルNo.11、17では、Mnの添加量が多かったため、他のサンプルに比べて焼結がより促進された。この場合、支持基板が過度に緻密化されるため、支持基板の気孔率が小さくなってガス透過性が悪くなるおそれがあるうえ、固体電解質層が緻密化した以降も支持基板の収縮が進むおそれもある。その結果、支持基板や固体電解質層の変形褶曲が発生するおそれがある。
以上より、MnのMgに対するモル比率を0.05以上3.0以下とすることによって、支持基板の強度や気孔率を適性に保ちつつ、支持基板と固体電解質層の焼成収縮量をマッチングさせることができ、良好な固体電解質/支持基板の共焼成体を得られることが分かった。
(密着強度の測定)
図3に示すように、接着剤によって固体電解質層に接着されたスタッドを引っ張り、固体電解質層が支持基板から剥がれた際の引っ張り強度を測定した。具体的には、還元時寸法変化と焼成収縮量が良好であったサンプルから切り出した直径30mmの円形サンプルを、補強板と支持台とで挟持した。次に、エポキシ系接着剤で固体電解質層にスタッドを貼り付けた。次に、固体電解質層が支持基板から剥がれるまで、スタッドを0.2〜10kg/secで引っ張った。
このような、いわゆるセバスチャン試験については、“大山 健著、「スタッドピン型垂直引張試験機による密着性測定」、表面技術 vol.58 第292頁 (2007)”に詳しく記載されている。
表1では、固体電解質層とエポキシ系接着剤の界面で剥離が発生したサンプルは「○」と評価され、固体電解質と支持基板の界面や、支持基板内部で破壊が発生したサンプルは「×」と評価されている。
表1、2に示すように、MnのMgに対するモル比率が0.2以上のサンプルでは、サンプルNo.5、13に比べて十分高い密着強度を得ることができた。これは、Mn酸化物を固溶可能なYSZ系材料で構成された固体電解質層に支持基板から適量のMnが拡散することによって、両者の接合状態が強固になったためと考えられる。
一方で、MnのMgに対するモル比率が2.0以下のサンプルでも、サンプルNo.10、16に比べて十分高い密着強度を得ることができた。これは、YSZ系材料に固溶しきれなかった過剰なMn酸化物が支持基板中に残存することを抑えることによって、支持基板の強度低下を抑制できたためと考えられる。
(固体電解質層における残留応力値の測定)
密着強度が良好であったサンプルについて、固体電解質層における残留応力を室温で測定した。残留応力は、X線によるsinψ法を用いて測定した。X線によるsinψ法については、“日本材料学会X線材料強度部門委員会発行、「X線応力測定法標準(1997年)」”や“「応力測定法の基礎と最近の発展」、材料vol47、No.11、1998)”に詳細が記述されている。今回の測定は、YSZの(531)面の回折線を用いて行った。測定結果を表1、2に示す。表1、2では、プラス側が圧縮応力であり、マイナス側が引張応力である。
表1、2に示すように、MgAl又はYが添加されているサンプルNo.18〜25では、固体電解質層における残留応力を小さくすることができた。これは、支持基板の熱膨張係数を固体電解質層(YSZ)に近づけることができたためである。このように、固体電解質層における残留応力を小さくすることでSOFCセルの破壊につながる可能性を低減できるため、構造体としての信頼性を向上できる。以上より、MgAl又はYが添加されていることがより好ましいことが分かった。
100 横縞型固体酸化物型燃料電池
10 支持基板
20 固体酸化物型燃料電池セル
30 インターコネクタ
1 燃料極
11 燃料極集電層
12 燃料極活性層
2 固体電解質層
3 バリア層
4 空気極
5 集電層

Claims (3)

  1. 燃料ガス流路を内部に有し、MgOとMnOとを含む支持基板と、
    前記支持基板上に形成され、燃料極と空気極と固体電解質層とを有する発電部と、
    を備え、
    前記支持基板は、MgOを主成分として含み、Feを含まない
    固体酸化物型燃料電池。
  2. 前記支持基板は、MgOの熱膨張係数よりも小さい熱膨張係数を有する組成物を含んでいる、
    請求項に記載の固体酸化物型燃料電池。
  3. 前記組成物は、Y及びMgAlの少なくとも一方である、
    請求項に記載の固体酸化物型燃料電池。
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