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JP5209123B2 - 表示パネル装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、表示パネル装置及びその製造方法に関し、特に、有機発光材料を用いた有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示パネル装置に関する。
有機EL表示装置は、有機化合物の電界発光現象を利用した発光表示装置であり、携帯電話機などに用いられる小型の表示装置として実用化されている。
有機EL表示装置は、画素ごとに独立に発光制御可能な複数の有機EL素子を基板上に配置して構成される。典型的な有機EL表示装置は、基板上に、駆動回路、陽極、有機層、陰極を積層することで作製される。有機層には、有機化合物からなる有機EL層とともに、正孔輸送層、電子輸送層などの複数の機能層のうちの1つ以上が積層される。このような構成において、陽極および陰極から正孔輸送層などを介して有機EL層へ電荷が注入され、注入された電荷が有機EL層内で再結合することによって、発光が生じる。
有機EL表示装置において優れた表示品位を得るために、各画素の有機EL素子に十分な動作電流が供給されることが重要である。動作電流の供給不足は、輝度の低下、輝度むら、およびコントラストの低下を引き起こし、表示品位を損なう1つの原因となるからである。
従来、優れた表示品位を指向して、有機EL表示装置における各画素の有機EL素子に十分な動作電流を供給するための構成が提案されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に開示されている発光装置は、発光素子を備えた複数の画素が設けられた有効領域(本明細書では、表示部)の外側に、陰極に接続される陰極用配線が、前記有効領域を囲むように設けられ、前記陰極用配線と前記有効領域との間に画素電極に接続される電源線が設けられたものである。
このように構成された発光装置によれば、前記陰極用配線と前記陰極との接触面積を十分に確保し、両者の間の電気抵抗を最小限に抑えることができるので、この電気抵抗に起因する電圧降下によって、発光素子に供給される電流の量が低下するのを防ぐことができる。
特開2005−242383号公報
上記従来技術の発光装置における前記陰極用配線の面積は、有機EL素子に十分な動作電流を供給する観点から、大きいほど好ましいと言える。しかしながら、表示部を囲む広い領域に前記陰極用配線を設置した場合、上記従来技術では以下のような問題が懸念される。
即ち、表示装置の製造過程では、一般的に平坦化膜形成後に画素ごとに分離された下部電極をフォトエッチングプロセスにより形成し、その後有機層が積層される。この平坦化膜形成時及び下部電極形成時に、洗浄水や現像液、及び酸などの薬液が用いられることにより、水分や酸などの成分が平坦化膜中に吸収される。そのため、水分や酸などの成分が吸収された状態の平坦化膜を、例えば、陰極用配線として用いる電極板で覆うと、平坦化膜内に水分や酸などの成分が吸収された状態で密閉される。
その状態で、平坦化膜の上方に有機層が積層されると、平坦化膜に含まれた水分や酸などの成分が有機層に漏れ出すことがある。その結果、有機層が水分や酸などの成分と反応して有機層の品質が劣化し、画素シュリンクが発生するという問題がある。特に、有機層中にバリウム(以下、「Ba」と記載する。)が含まれている場合は、当該Baが水分と反応し、画素シュリンクが発生する。
また、平坦化膜内に水分や酸などのガス成分が密閉されることにより、そのガス成分のガス圧力によって電極板が剥がれ、表示部の周辺部で水分や酸などの成分が有機層に漏れ出してしまう。その結果、表示部の周辺部に位置する有機層が水分や酸などの成分と反応し、有機層の注入性が変化して、周辺部に表示ムラが発生するという問題がある。特に、有機層中にBaが含まれている場合は、有機層中のBaと水分とが反応し、周辺部が白色化するという問題がある。
特許文献1には、陰極用配線として用いる電極板を設置し、表示部を囲む広い領域において平坦化膜を覆った場合に懸念されるこのような問題を克服するための有効な解決策は示されていない。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、有機EL素子の動作電流を供給するための電極板を有する表示パネル装置であって、電極板を平坦化膜上の広い領域に設置した場合でも平坦化膜を密閉しにくい構造の表示パネル装置、およびその製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明に係る表示パネル装置の1つの態様は、下部電極と、前記下部電極に対向して設けられる上部電極と、前記下部電極と前記上部電極の間に設けられ、有機材料を有する有機層とを含む画素部と、前記画素部の下方に形成され、前記画素部を駆動する駆動素子を有するTFT層と、前記TFT層の上方を平坦化する平坦化膜と、前記下部電極と分離形成されるとともに、前記上部電極と電気的に接続される補助電極と、前記画素部を複数含む表示部と、前記補助電極と電気的に接続されるとともに、前記表示部外において前記平坦化膜を覆うように設けられ、前記平坦化膜の表面の一部を開放する孔部を有する電極板と、前記電極板の上方に位置し、前記孔部を覆う無機材料からなる無機材料層と、を具備する。
本発明に係る表示パネル装置は、平坦化膜を覆う電極板が平坦化膜の表面の一部を開放する孔部を有しているので、電極板の下部に配置される平坦化膜中に含まれる水分や酸などの有機物に影響を与える成分を、電極板の孔部を介してアウトガスとして排出することができる。
その結果、電極板によって平坦化膜に水分や酸などの成分が密閉されることで生じる不具合を、電極板に孔部を設けない場合と比べて減らすことができる。
さらに、本発明に係る表示パネル装置は、電極板の孔部が無機材料からなる無機材料層で覆われているので、電極板を形成した後の製造工程において水分や酸などの異物が孔部を介して再び平坦化膜に侵入することを防止することができる。
その結果、電極板によって平坦化膜に水分や酸などの成分が密閉されることで生じる不具合を一層低減することができる。
図1は、本発明の実施の形態1に係る表示パネル装置の構造の一例を示す平面図である。 図2は、本発明の実施の形態1に係る表示パネル装置の構造の一例を示す拡大平面図である。 図3は、本発明の実施の形態1に係る表示パネル装置の構造の一例を示す拡大平面図である。 図4は、本発明の実施の形態1に係る表示パネル装置の構造の一例を示すAA’断面図である。 図5は、本発明の実施の形態1に係る表示パネル装置の構造の一例を示すBB’断面図である。 図6は、本発明の実施の形態1に係る表示パネル装置の構造の一例を示すCC’断面図である。 図7は、本発明の実施の形態1に係る表示パネル装置の構造の一例を示すDD’断面図である。 図8(A)〜(D)は、電気抵抗の比較に用いた電極板の形状の一例を示す図である。 図9(A)、(B)は、実用の電極板における孔部の影響を説明する図である。 図10は、本発明の実施の形態1に係る表示パネル装置の製造工程を示すフローチャートである。 図11は、本発明の実施の形態2に係る表示パネル装置の構造の一例を示す平面図である。 図12は、本発明の実施の形態2に係る表示パネル装置の構造の一例を示す拡大平面図である。 図13は、本発明の実施の形態2に係る表示パネル装置の構造の一例を示すAA’断面図である。 図14は、本発明の実施の形態2に係る表示パネル装置の構造の一例を示すBB’断面図である。 図15は、本発明の実施の形態2に係る表示パネル装置の構造の一例を示すCC’断面図である。 図16は、本発明の実施の形態2に係る表示パネル装置の構造の一例を示すDD’断面図である。 図17は、本発明の実施の形態2に係る表示パネル装置の製造工程を示すフローチャートである。 図18は、本発明の実施の形態3に係る表示パネル装置の構造の一例を示す断面図である。 図19は、本発明の実施の形態3に係る表示パネル装置の製造工程を示すフローチャートである。 図20は、表示パネル装置を利用したテレビジョンセットの一例を示す外観図である。 図21は、変形例に係る表示パネル装置の構造の一例を示す断面図である。 図22は、変形例に係る表示パネル装置の構造の一例を示す断面図である。 図23は、変形例に係る表示パネル装置の構造の一例を示す平面図である。 図24は、変形例に係る表示パネル装置の構造の一例を示す平面図である。 図25は、変形例に係る孔部の配置の一例を模式的に示す平面図である。 図26は、変形例に係る表示パネル装置の構造の一例を示す拡大平面図である。
本発明の一態様である表示パネル装置は、下部電極と、前記下部電極に対向して設けられる上部電極と、前記下部電極と前記上部電極の間に設けられ、有機材料を有する有機層とを含む画素部と、前記画素部の下方に形成され、前記画素部を駆動する駆動素子を有するTFT層と、前記TFT層の上方を平坦化する平坦化膜と、前記下部電極と分離形成されるとともに、前記上部電極と電気的に接続される補助電極と、前記画素部を複数含む表示部と、前記補助電極と電気的に接続されるとともに、前記表示部外において前記平坦化膜を覆うように設けられ、前記平坦化膜の表面の一部を開放する孔部を有する電極板と、前記電極板の上方に接触し且つ前記上部電極の下方に位置し、前記電極板の形成後であって且つ前記有機層の形成前に形成される、前記孔部を覆う無機材料からなる無機材料層と、を具備する。
また、本発明の他の一態様である表示パネル装置は、下部電極と、前記下部電極に対向して設けられる上部電極と、前記下部電極と前記上部電極の間に設けられ、有機材料を有する有機層とを含む画素部と、前記画素部の下方に形成され、前記画素部を駆動する駆動素子を有するTFT層と、前記TFT層の上方を平坦化する平坦化膜と、前記下部電極と分離形成されるとともに、前記上部電極と電気的に接続される補助電極と、前記画素部を複数含む表示部と、前記下部電極と同層で形成され、前記補助電極と電気的に接続されるとともに、前記表示部外において前記平坦化膜を覆うように設けられ、前記平坦化膜の表面の一部を開放する孔部を有する電極板と、前記電極板の上方に位置し、前記画素部内における前記下部電極と前記有機層との間に設けられる層の一部であり、前記孔部を覆う無機材料からなる無機材料層と、を具備する。
これら本発明の一態様に係る表示パネル装置はいずれも、前記平坦化膜を覆う電極板に、前記平坦化膜の表面の一部を開放する孔部が設けられている。これにより、前記平坦化膜内に水分や酸などの成分が吸収された状態の平坦化膜を電極板で覆ったとしても、前記平坦化膜の内部に存在する水分や酸などの成分がアウトガスとして前記孔部を介して排出される。
しかも、これらの一態様に係る表示パネル装置ではいずれも、電極板の孔部が無機材料からなる無機材料層で覆われている。これにより、電極板を形成した後の製造工程において水分や酸などの異物が孔部を介して再び平坦化膜内に侵入することを防止することができる。特に、これらの表示パネル装置はいずれも、無機材料層が、電極板の形成後であって有機層形成前に形成されるという技術的な特徴を有している。これにより、有機EL層形成工程における水や酸などの異物が、電極板の孔部を介して平坦化膜の内部に侵入することを防止することができる。
従って、前記水分や酸などの有機物に影響を与える成分が前記表示部の周辺部の有機層に漏れ出して、前記有機層が前記水分や酸などの成分と反応して、前記周辺部に表示ムラが発生したり、画素シュリンクが発生したりすることを防止することができる。特に、有機層にBaが含まれている場合、水分はBaと反応性を有するのでBaが水分によって酸化して画素シュリンクが生じたり前記周辺部が白色化したりするが、これも防止することができる。
また、このように、孔部によって水分や酸などのガス成分をアウトガスとして排出するとともに、孔部を無機材料層で覆うことによって、アウトガスの原因となる水分や酸などの異物が平坦化膜に再侵入することを防止することができるので、平坦化膜内に残留する水分や酸などのガス成分のガス圧力により電極板が剥がれることを防止することができる。また、平坦化膜に残留する水や酸などによって平坦化膜が浸食されることを防止することができる。
さらに、上記表示パネル装置の一態様において、前記無機材料層は、前記画素部内に位置し、前記下部電極と前記有機層の間に設けられる機能層としての第1の部分と、前記第1の部分から延出して前記画素部外に設けられ、その少なくとも一部により前記孔部を覆う第2の部分と、を有する、ことが好ましい。
本態様では、電極板の孔部が無機材料層により覆われた状態で有機層が形成されるので、有機層形成以降の製造工程において水や酸などの処理液等の異物が孔部を介して再び平坦化膜内に侵入することを防止することができる。
また、無機材料層が、画素部内に形成された機能層としての第1の部分と、画素部外に形成された孔部を覆う第2の部分とからなるので、画素部内の機能層を利用して無機材料層を形成することができる。これにより、製造プロセスを簡略化することができるとともに、製造コストを低減することができる。
さらに、上記表示パネル装置の一態様において、前記下部電極から前記有機層に正孔を注入する正孔注入層、又は、画素部を規制するための画素規制層の少なくとも一方を含む、ことが好ましい。
本態様によれば、無機材料層を、正孔注入層又は画素規制層という表示部内に存在する無機材料からなる層を用いて形成することができるので、これらの層と無機材料層とを同時に形成することができる。これにより、製造プロセスを簡略化することができるとともに、製造コストを低減することができる。
さらに、上記表示パネル装置の一態様において、前記無機材料が絶縁性を有する、ことが好ましい。
さらに、上記表示パネル装置の一態様において、前記無機材料が、金属酸化物、金属窒化物、又は金属酸窒化物のいずれかである、ことが好ましい。
さらに、上記表示パネル装置の一態様において、前記無機材料が、Si,W,Cr,Ti,Mo,V,Gaの中の少なくともいずれか1つである、ことが好ましい。
さらに、上記表示パネル装置の一態様において、前記無機材料層は2層以上で構成される、ことが好ましい。
本態様によれば、無機材料層を複数層で構成することができるので、当該無機材料層を形成した後の工程において、水分や酸などの異物が孔部を介して平坦化膜に再侵入することを確実に防止することができる。
さらに、上記表示パネル装置の一態様において、前記孔部は、前記平坦化膜の内部において発生したガスを前記平坦化膜の外部に排出するものである、ことが好ましい。
また、本発明の一態様である表示装置は、上記表示パネル装置のいずれかの一態様を備え、前記表示パネル装置の複数の画素部がマトリクス状に配置されている、ものである。
また、本発明の一態様である表示パネル装置の製造方法は、有機EL層を発光させるための駆動素子を有するTFT層を形成する第1工程と、前記TFT層の上方を平坦化する平坦化膜を形成する第2工程と、前記平坦化膜の上方の表示パネルの表示部内に下部電極を形成し、前記平坦化膜の上方の表示パネルの表示部外に孔部を有する電極板を形成し、前記平坦化膜の上方の表示パネルの表示部内における前記下部電極の形成領域外に前記下部電極と分離形成され前記電極板と電気的に接続された補助電極を形成する第3工程と、前記電極板より上方に、無機材料からなる無機材料層を形成する第4工程と、前記下部電極より上方に、画素を区画する隔壁を形成する第5工程と、前記隔壁で仕切られた領域に前記有機EL層を形成する第6工程と、前記有機EL層の上方に、前記下部電極との間の電流供給により前記有機EL層を発光させ前記補助電極と電気的に接続される上部電極を形成する第7工程と、を含み、前記第3工程において、前記電極板は、前記平坦化膜の表面の一部を開放させるように形成され、前記第4工程において、前記無機材料層は、前記電極板の前記孔部を覆うように形成される、ものである。
本態様によると、第3工程において、表示部外の平坦化膜上に、平坦化膜の表面の一部を開放する孔部を有する電極板を形成し、第4工程において、当該孔部を無機材料からなる無機材料層で覆う。
これにより、水分や酸などの成分が吸収された状態の平坦化膜を電極板で覆ったとしても、第4工程前において、水分や酸などの成分をアウトガスとして孔部を介して排出することができる。
そして、第4工程において孔部を無機材料層で覆うので、第4工程の後の製造工程において水分や酸などの異物が孔部を介して再び平坦化膜内に侵入することを防止することができる。
従って、前記水分や酸などの有機物に影響を与える成分が表示部の周辺部の有機層に漏れ出して、有機層が水分や酸などの成分と反応して、周辺部に表示ムラが発生したり、画素シュリンクが発生したりすることを防止することができる。特に、有機層にBaが含まれている場合、水分はBaと反応性を有するのでBaが水分によって酸化して画素シュリンクが生じたり前記周辺部が白色化したりするが、これも防止することができる。
また、このように、孔部によって水分や酸などのガス成分をアウトガスとして排出するとともに、孔部を無機材料層で覆うことにより、アウトガスの原因となる水分や酸などの成分が平坦化膜に再侵入することを防止することができ、また、平坦化膜内に残留する水分や酸などのガス成分のガス圧力により前記電極板が剥がれることを防止することができる。さらに、平坦化膜に残留する水や酸などによって平坦化膜が浸食されることも防止することができる。
さらに、上記表示パネル装置の製造方法の一態様において、前記第4工程において、前記無機材料層を、前記下部電極の上方であって前記表示パネルの表示部内に形成するとともに、その一部を前記表示パネルの表示部外に延出し、前記電極板の前記孔部を覆うように形成する、ことが好ましい。
本態様では、第4工程において、無機材料からなる無機材料層を、表示パネルの表示部内では下部電極の上方に形成するとともに、表示パネルの表示部外では孔部を覆うように形成する。これにより、表示部内の機能層と孔部を覆う無機材料層とを同時に形成することができるので、製造プロセスを簡略化することができるとともに、製造コストを低減することができる。
さらに、上記表示パネル装置の製造方法の一態様において、前記無機材料層は、前記下部電極から前記有機層に正孔を注入する正孔注入層、又は、画素部を規制するための画素規制層の少なくとも一方である、ことが好ましい。
本態様によれば、正孔注入層又は画素規制層という表示部内に存在する層を製造する製造工程を利用して無機材料層を形成することができる。これにより、工程数を増加させることなく孔部を覆う無機材料層を形成することができる。
さらに、上記表示パネル装置の製造方法の一態様において、前記第3工程において、前記電極板の前記孔部を介し、前記平坦化膜の内部において発生したガスを排出させ、前記第4工程において、前記孔部を覆い、前記孔部を介して外部から異物が侵入することを抑制する、ことが好ましい。
さらに、上記表示パネル装置の製造方法の一態様において、前記第3工程は、熱処理を含む工程である、ことが好ましい。
本態様によれば、第3工程の当該熱処理によって平坦化膜内に存在する水分や酸などの成分を、電極板の孔部を介して積極的に排出させることができる。そして、第4工程によって、当該孔部を無機材料層で覆うので、第4工程の後の製造工程において水分や酸などの異物が孔部を介して再び侵入することを防止することができる。従って、平坦化膜に水分や酸などの成分が存在しない表示パネル装置を製造することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る表示パネル装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、実施の形態の説明では、1つの典型例として、アクティブマトリクス型の有機EL表示パネル装置の例を用いるが、本発明の表示パネル装置は、有機EL表示パネル装置に限定されるものではなく、独立に発光制御可能な複数の画素部を配列してなる表示部と、表示部に配置された画素部の動作電流を供給するための配線としての電極板とを備えた表示パネル装置に広く適用できる。
また、各図は説明のための模式図であり、膜厚、各部の大きさの比、繰り返し配置される要素の個数などは、必ずしも厳密ではない。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1に係る表示パネル装置について図面を参照しながら説明する。
(表示パネル装置の概要)
図1は、本発明の実施の形態1に係る表示パネル装置1の構造の一例を示す平面図である。
表示パネル装置1は、図1に示されるように、基板10上にTFT層20および平坦化膜30をこの順に積層してなる構造体の上に、独立に発光制御可能な複数の画素部51を配置した表示部52を形成し、封止膜40、樹脂層60、およびガラス基板70にて全面を封止して構成される。
表示部52には、マトリクス状に配置された複数の画素部51が含まれている。画素部51には、画素部51ごとに分離された下部電極31と、全画素部51に共通するように一面に設けられた上部電極39と、下部電極31と上部電極39とで挟まれた電界発光機能を有する有機層と、後述する正孔注入層34で構成される有機EL素子とが形成されている。有機EL素子の有機層は、例えば、有機材料からなる正孔輸送層、有機EL層、および電子輸送層の積層構造体である。
また、図1に示されるように、マトリクス状の画素部51の周囲を囲むように、額縁状に電極板33が形成されている。表示部52内において、画素部51の列方向(図面の縦方向)には画素部51毎に複数の補助電極32が帯状に形成されている。補助電極32および電極板33は、上部電極39と電気的に接続されており、上部電極39とともに画素部51の有機EL素子に動作電流を流す配線である。本実施形態において、補助電極32は、電子輸送層を介して有機EL素子の上部電極39と電気的に接続されている。補助電極32によって、全画素部51に共通の上部電極39によって生ずる電圧降下、特に、表示画面の中央領域において生ずる電圧降下を抑制することができる。
上部電極39は、表示部52内で電子輸送層を介して補助電極32と接続され、表示部52外で電極板33と接続されている。補助電極32は電極板33と接続され、電極板33は給電部28と接続されている。下部電極31は、TFT層20に設けられた駆動素子と接続されている。理解のため、下部電極31および電極板33が形成される範囲を左上がり線のハッチングで示している。
画素部51の行方向(図面の横方向)には、画素規制層35が帯状に形成されている。画素規制層35は、上下方向に隣り合う画素部51の周辺部を覆うように形成されている。例えば、画素規制層35は、コンタクトホールの内部および近傍の下部電極31を覆い、これにより、有機EL層37の膜厚が制御しにくく発光が不安定になり易いコンタクトホール部分での発光を禁止している。理解のため、画素規制層35が形成される範囲を縦線のハッチングで示している。なお、実施の形態1においては、画素規制層35は設けなくてもよい。
それぞれの画素部51において、駆動素子から下部電極31を介して供給され、上部電極39を介して給電部28へ流れる動作電流によって、有機層が発光する。
本実施形態では、電極板33は、表示部52外で平坦化膜30を覆うように形成され、平坦化膜30の表面の一部を開放する複数の孔部50を有している。なお、図1において、孔部50は、表示パネル装置1の右下隅部分にしか描かれていないが、実際には表示部52外の電極板33の全領域に形成されている。
このように構成された表示パネル装置1では、上部電極39と接続する電極板33を表示部52外の広い領域に設けることにより、画素部51から給電部28までの電気抵抗を低く抑えることができ、かつ電極板33に孔部50を設けたので、孔部50によって平坦化膜30内のアウトガスを排出することができる。
その結果、動作電流の供給不足から生じる輝度の低下、輝度むら、およびコントラストの低下が軽減されて表示品位が高まり、かつ平坦化膜30に水分や酸などの成分が密閉されることで生じる不具合が低減される。
さらに、本実施形態では、電極板33の孔部50は、無機材料からなる無機材料層で覆われている。なお、本実施形態では、当該無機材料層は、画素部51内に形成される無機材料からなる正孔注入層34を利用して形成されている。
これにより、孔部50を介して平坦化膜30内の水分や酸などのガス成分をアウトガスとして排出した後、その孔部50を正孔注入層34によって塞ぐことができるので、孔部50を塞いだ後の製造工程において、水分や酸などの異物が孔部50を介して再び平坦化膜内に侵入することを防止することができる。従って、水分や酸などの成分が表示部52の周辺部の有機層に漏れ出して当該周辺部に表示ムラが生じたり当該周辺部が白色化したりすることを防止することができる。また、平坦化膜30内に残留する水分や酸などのガス成分のガス圧力によって電極板33が剥がれたりすることを防止できる。また、平坦化膜に残留する水や酸によって平坦化膜が浸食されることを防止することもできる。
図2は、図1に示される表示パネル装置1の右下隅付近の構造を詳細に示す拡大平面図である。なお、図1に示した画素規制層35の記載は省略している。
図2に示されるように、給電部28は、一例として、頂点を表示部52に向けた三角形をしている。隔壁36は、例えば、画素部51の列方向(図面の縦方向)に沿って設けられる。補助電極32は、下部電極31が形成されていない領域に、隔壁36と平行する方向に沿って設けられ、有機EL層37は、隣接する隔壁36で仕切られた帯状の領域に配置される。
図2に示す構成において、隔壁36で仕切られた帯状の領域ごとに、赤、青、緑で発光する有機EL層37を設けることにより、カラー表示パネル装置を構成できる。この場合、各画素部51はサブ画素に対応し、それぞれ赤、青、緑で発光する3つの隣接する画素部51により1つの画素が構成される。
電極板33には、電極板33内に流れる各画素部51の動作電流の向きに沿うように、表示部52の近接する辺と平行する方向が長い矩形の孔部50が設けられる。理解のため、図2においては、下部電極31、補助電極32、および電極板33が設置される範囲を右下がり線のハッチングで示し、隔壁36が形成される範囲を右上がり線のハッチングで示している。
孔部50は、例えば、下部電極31と補助電極32との間に設けられる間隔に対応する幅で開口している。また、給電部28の周辺部を除く孔部50の長さは、下部電極31の長手方向(図面の縦方向)の長さと略同等である。
なお、本実施形態では、周辺部に設けられる給電部28の形状を三角形として説明したが、これに限るものではない。例えば、図3に示されるように、給電部28の形状を、上底を表示部52に向けた台形としてもよい。
(表示パネル装置の詳細な構造)
以下、図4〜図7を用いて、本発明の実施の形態1に係る表示パネル装置1の詳細な構造について説明する。
なお、図4〜図7に示される表示パネル装置1の構成は代表例であり、表示パネル装置1を限定するものではない。以下では、図1及び図2で説明した構成要素には同一の符号を付して、適宜説明を省略する。
まず、図2に示される表示パネル装置1をAA’線に沿って切断したときの断面構造について説明する。図4は、図2に示されるAA’線に沿った表示パネル装置1の切断面を示す断面図である。
図4に示されるように、図2のAA’線の断面において、基板10の上面には、後述するTFT層20の上面を平坦化する平坦化膜30が形成されている。
表示部52内の平坦化膜30の上には、画素部51ごとに分離され陽極として用いられる下部電極31、下部電極31とは分離形成された補助電極32、補助電極32と電気的に接続されている電極板33、正孔輸送性を持つ無機材料からなる正孔注入層34、感光性樹脂からなる隔壁36、電界発光機能を有する有機材料からなる有機EL層37、電子輸送性を持つ有機材料からなる電子輸送層38、下部電極31と対向し、導電性の材料からなり陰極として用いられる上部電極39、絶縁性の材料からなる封止膜40が順に設けられる。なお、有機EL層37には、有機発光体が含まれる。
下部電極31、補助電極32及び電極板33は、平坦化膜30上において同層で形成されている。すなわち、下部電極31、補助電極32及び電極板33は、後述するように、同一工程で成膜される。
封止膜40の上方にはシール部材61を介してガラス基板70が設けられ、封止膜40とガラス基板との間には樹脂層60が充填される。
また、表示部52外の平坦化膜30の上には、複数の孔部50を有する電極板33が形成されている。電極板33は、表示部52外で平坦化膜30を覆うように形成されており、電極板33の孔部50は、平坦化膜30の表面の一部を開放するように形成されており、平坦化膜30の内部に存在する水分や酸などの成分を排出する。電極板33は、表示部52外に設けられ、平坦化膜30が形成されていない領域において、給電部28と電気的に接続されている。また、電極板33は、表示部52外で隔壁36が形成されていない領域において、上部電極39と電気的に接続されている。
上述のように、孔部50は、例えば、下部電極31と補助電極32との間に設けられる間隔に対応する幅で開口している。
さらに、電極板33の上には、電極板33の全ての孔部50を塞ぐように、画素部51の機能層としての正孔注入層34が、その一部を表示部52外にまで延出するようにして形成されている。すなわち、本実施形態における正孔注入層34は、画素部51内に位置して下部電極31と有機EL層37の間に設けられる機能層としての第1の部分34aと、この機能層としての第1の部分34aから表示部52外にまで延出して形成された第2の部分34bとからなる。そして、電極板33の孔部50を覆うように正孔注入層34の第2の部分34bが形成され、孔部50には正孔注入層34の材料が充填されている。このように、電極板33の孔部50は、無機材料からなる正孔注入層34を利用して塞がれている。すなわち、孔部50を埋める正孔注入層34の第2の部分34bは、画素部51内における下部電極31と有機EL層37との間に設けられる正孔注入層34の一部である。なお、正孔注入層34の第2の部分34b上には、隔壁36、電子輸送層38及び上部電極39が順に形成された部分と、上部電極39が直接形成された部分とが存在する。
ここで、正孔注入層34の無機材料としては、例えば、金属酸化物、金属窒化物又は金属酸化物を用いることができる。また、その他に、W(タングステン),Ti(チタン),Mo(モリブデン),V(バナジウム),Ga(ガリウム)の中の少なくとも1つを用いて正孔注入層34を形成することもできる。
本実施形態に係る表示パネル装置1は、電極板33に孔部50が設けられているので、表示パネル装置1の製造工程において、もともと開口を有する画素部51の形成領域である表示部52内と、電極板33に孔部50が形成された領域である表示部52外とで、同程度に、平坦化膜30に含まれる水分や酸などの成分を排出することができる。そのため、表示部52以外の領域で平坦化膜30内に水分や酸などの成分が過度に密閉されるのを防止できる。
さらに、本実施形態に係る表示パネル装置1は、電極板33の孔部50が無機材料からなる正孔注入層34で覆われているので、孔部50を塞いだ後の製造工程において、水分や酸などの異物が孔部50を介して再び平坦化膜内に侵入することを防止することができる。
次に、図2に示される表示パネル装置1をBB’線に沿って切断したときの断面構造について説明する。この断面構造には、TFT層20及び画素規制層35が含まれる。なお、図5においては、図2に示される孔部50の数と一致しない。
図5は、図2に示されるBB’線に沿った表示パネル装置1の切断面を示す断面図である。図5に示されるように、図2のBB’線の断面において、基板10の上面には、ゲート絶縁膜22およびソース・ドレイン電極24を含む薄膜トランジスタである駆動素子25、層間絶縁膜26、およびITO(インジウムスズ酸化物)膜27が設けられる。なお、駆動素子25は、図5の切断面には現れていないが、例えばゲート電極、半導体膜などの構成薄膜トランジスタとして一般的に必要な他の構成を別断面において有している。駆動素子25は、図示しない別の薄膜トランジスタである選択素子や、輝度電圧を保持するキャパシタとともに駆動回路を構成する。基板10と平坦化膜30との間の前記駆動回路が設けられる領域をTFT層20と呼ぶ。
画素部51とTFT層20との間には、TFT層20の上面を平坦化する平坦化膜30が設けられる。
下部電極31は、平坦化膜30および層間絶縁膜26を貫通して設けられるコンタクトホールを通して、駆動素子25のソース・ドレイン電極24と電気的に接続されている。また、上部電極39は、表示部52内で隔壁36が設置されていない領域において、電子輸送層38を介して補助電極32と電気的に接続されている。
電極板33は、上述のとおり、表示部52外で平坦化膜30を覆うように形成され、平坦化膜30の表面の一部を開放して平坦化膜30内の水分や酸などの成分を排出する複数の孔部50を有している。電極板33は、表示部52外に設けられ、平坦化膜30が形成されていない領域において、給電部28と電気的に接続されている。また、電極板33は、表示部52外で隔壁36が形成されていない領域において、上部電極39と電気的に接続されている。
また、下部電極31と正孔注入層34の第1の部分34aとの間に、画素規制層35が設けられている。画素規制層35は、絶縁性の材料からなり、下部電極31の非所望の部分を覆うことにより、発光領域を規制する。また、図2および図3に示される隔壁36で仕切られた帯状の領域内における隣接する下部電極31間を画素規制層35で覆うことで、隣接する画素部51を区画することができる。なお、本実施形態において、画素規制層35は設けなくともよい。
図6は、図2に示されるCC’線に沿った表示パネル装置1の切断面を示す断面図である。図6に示されるように、図2のCC’線の断面において、画素部51の端部の断面には、下部電極31および電極板33の孔部50は現れない。
図6に示されるように、表示部52内では、平坦化膜30上に、画素規制層35、正孔注入層34の第1の部分34a、有機EL層37、電子輸送層38及び上部電極39が順に形成されている。表示部52外では、平坦化膜30上に、電極板33を覆うようにして正孔注入層34の第2の部分34bが形成されている。
次に、図2に示される表示パネル装置1をDD’線に沿って切断したときの断面構造について説明する。
図7は、図2に示されるDD’線に沿った表示パネル装置1の切断面を示す断面図である。図7に示されるように、図2のDD’線の断面において、表示部52外の断面には、下部電極31、補助電極32、正孔注入層34、有機EL層37、電子輸送層38は現れない。
図7に示されるように、電極板33の上には、電極板33の孔部50を塞ぐように、正孔注入層34の第2の部分34bが形成されている。正孔注入層34の第2の部分34bの上には上部電極39が形成されている。
以上のように構成された本発明の実施の形態1に係る表示パネル装置1は、平坦化膜30を覆う電極板33に孔部50が設けられている。これにより、内部に水分や酸などの成分が吸収された状態の平坦化膜30を電極板33で覆ったとしても、平坦化膜30に含まれる水分や酸などの成分はアウトガスとして孔部50を介して排出される。
そのため、仮に平坦化膜30に水分や酸が含まれた状態で、平坦化膜30上に画素部51を積層したとすれば、その後に、平坦化膜30に含まれた水分や酸などの成分が有機層(有機EL層37および電子輸送層38の積層構造体を言う。なお、正孔注入層34の上に有機材料からなる正孔輸送層を形成して、この正孔輸送層を含めてもよい。)に漏れ出して、有機層が水分や酸などの成分と反応して有機層の品質が劣化することになるが、上述のとおり、平坦化膜30に含まれる水分やガスなどの成分は孔部50を介してアウトガスとして排出されるので、有機層の品質の劣化を防止することができる。その結果、周辺部の表示ムラの発生を防止することができ、また、画素シュリンクの発生を防止できる。特に、有機層にBaが含まれている場合、水分はBaと反応性を有するのでBaが水分によって酸化して画素シュリンクが生じたり前記周辺部が白色化したりするが、これも防止することができる。
また、平坦化膜30内に密封された水分や酸などのガス成分を排出させるので、前記ガス成分のガス圧力により電極板33が剥がれるのを防止できる。
さらに、本発明の実施の形態1に係る表示パネル装置1は、電極板33の孔部50が無機材料からなる無機材料層によって覆われている。これにより、孔部50を塞いだ後の製造工程において、水分や酸などの異物が孔部50を介して再び平坦化膜30内に侵入することを防止することができる。従って、水や酸などの異物の再侵入によって発生する有機層の品質の劣化及び電極板33の剥がれを防止することができる。また、平坦化膜に残留する水や酸などによって平坦化膜が浸食されることも防止することができる。
(孔部の形状に関する検討)
発明者らは、相異なる形状の孔部を有する複数の電極板の電気抵抗を比較することにより、図2に示されるような孔部50の形状が、電極板33内での駆動電流の流れを妨げにくい点で優れていることを見出した。以下、この検討の内容について説明する。
図8(A)〜図8(D)は、電気抵抗の比較に用いた電極板の形状の一例を示す図である。全ての電極板は、同じ大きさの正方形で、かつ同じ厚さであるとし、図8(A)は孔部なし、図8(B)は八角形の孔部(開口率10%)、図8(C)は電流方向と直交する方向が長い矩形の孔部(開口率9%)、および図8(D)は電流方向と平行する方向が長い矩形の孔部(開口率9%)を想定した。
シミュレーションにより、それぞれの電極板の左辺と右辺とに既知の電圧をかけた場合に流れる電流値から抵抗値を求め、図8(A)の抵抗値で正規化した。図8(A)〜図8(D)の電極板の抵抗値(正規化値)は、それぞれ1.0、1.2、1.9、1.1であった。
この結果から、電流方向に長い矩形の孔部が、電極板の電気抵抗の増加を抑える上で有利であることを確認した。
次に、電極板33の実用の条件を用いて、電流方向に長い矩形の孔部を設けた場合に、電気抵抗の増加が許容範囲に収まるか検討した。当該実用の条件の一例として、膜厚0.15μm、抵抗率5.55E−8Ωmを用いた。
図9(A)、図9(B)は、電極板33の実用される形状の一部を、それぞれ孔部50がない場合とある場合とについて示した図である。これらの電極板33における電流分布および抵抗成分を、有限要素法を用いて解析した。矢印は、その解析の結果である電流方向を大まかに示している。なお、何れの電極板33も、上辺が表示部52に向かって補助電極32と接続され、左下斜辺が給電部28と接続される。図9(A)、図9(B)に示すように、補助電極32と電極板33との接続部から流れる電流は、給電部28に向かって流れ込む。この際、電流の向きは、給電部28に近づくに従って前記孔部と近接する前記表示領域の辺と平行する方向に沿うような向きに遷移する。
図9(A)に示されるように、孔部がない場合は、表示部52から電極板33の上辺へ流入した電流は、電極板33の左下斜辺から給電部28へ流出して、給電部28の三角形の斜辺または台形の側辺で受け取られる。この場合の電極板33の抵抗成分は0.20Ωであった。
図9(B)に示されるように、表示部52の近接する辺と平行する方向が長い矩形の孔部50を電極板33に設けた場合は、電極板33内の電流は、孔部がない場合と比べて大きく乱れることなく、孔部50に沿って表示部52から給電部28へ流れ、給電部28の三角形の斜辺または台形の側辺で受け取られる。この場合の電極板33の抵抗成分は0.37Ωであった。
孔部50がある場合の抵抗成分は、電源の電圧降下や有機EL素子の発光効率について発明者らが想定した条件において、必要量の電流を表示部52へ供給することができる許容範囲に収まることを確認した。
本態様によると、孔部50を、補助電極32と電極板33との接続部と、給電部28との間の電流の流れに沿って開口させている。これにより、孔部50を電流の流れる方向に合わせているので、孔部50が電流の流れの抵抗になるのを抑制し、抵抗値の変化を抑えることができる。
具体的には、孔部50は、前記孔部50と近接する前記表示領域の辺と平行する方向が長い矩形形状に開口している。これにより、孔部50の開口の矩形形状は、電流の流れる方向に近似するので、前記孔部の開口が電流の流れの抵抗になるのを抑制し、抵抗値の変化を抑えることができる。
また、図1及び図2でも示したように、給電部28は、例えば、上底を表示部52に向けた台形形状としてもよい。給電部28は、表示部52から孔部50に沿って流れた電流を、前記台形形状の側辺で受ける。これにより、給電部28の占有面積を大きくすることなく、台形形状の側辺を利用して電流を受けることができる。そのため、給電部28の占有面積を比較的少なくしつつ、効率的に電流を給電できる。
これは、給電部28を、頂点を表示部52に向けた三角形状とし、前記表示部から前記孔部に沿って流れた電流を、前記三角形状の辺で受ける場合にも同様である。
(表示パネル装置1の製造方法)
次に、本発明の実施の形態1に係る表示パネル装置1の製造方法について説明する。
本発明の実施の形態1に係る表示パネル装置1の製造方法は、平坦化膜上の電極板に上述した好ましい形状の孔部を設ける工程、その孔部を通して平坦化膜からのアウトガスを排出させる工程、さらにその孔部を無機材料からなる無機材料層で覆う工程を含むことによって特徴付けられる。
以下、本発明の実施の形態に係る表示パネル装置の製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図10は、本発明の実施の形態1に係る表示パネル装置1の製造方法の一例を示すフローチャートである。上述した表示パネル装置1を製造する場合の例を、図10に従って、図2および図5を参照しながら説明する。
なお、以下で説明する各工程は周知のプロセス技術を用いて実施できるため、プロセス条件などの詳細な説明は適宜省略する。また、以下で示す材料およびプロセスは1つの典型例であって、本発明の表示パネル装置およびその製造方法を限定するものではない。適性が知られている他の材料およびプロセスを代用した場合も本発明に含まれる。これらのことは、後述する本発明の実施の形態2,3に係る表示パネル装置2,3の製造方法についても同様である。
(TFT層形成工程)
まず、ガラスまたはプラスチックからなる基板10の主面に、半導体膜、絶縁膜、金属膜を成膜およびパターニングすることで、駆動素子25および給電部28を含むTFT層20を形成する(S10:第1工程)。
(平坦化膜形成工程)
次に、ポリイミド樹脂などの絶縁性の有機材料をスピンコート、ノズルコートなどの方法で全面塗布し、ベークすることで、平坦化膜30を形成する。駆動素子25のソース・ドレイン電極24の上部に形成された層間絶縁膜26および平坦化膜30、並びに、給電部28の上部に形成された平坦化膜30を、フォトエッチングにより除去する(S11:第2工程)。
(下部電極及び電極板形成工程)
次に、スパッタリングにより平坦化膜30上に金属膜を成膜し、フォトエッチングすることで、金属膜を図5に示されるような形状の下部電極31、補助電極32、および電極板33にパターニングする。このとき、平坦化膜30の表面の一部を開放するように、電極板33に下層の平坦化膜30に達する孔部50が形成される。さらに、下部電極31、補助電極32、および電極板33をアニールする(S12:第3工程)。
この工程で、層間絶縁膜26および平坦化膜30が除去されている部分において、下部電極31と駆動素子25のソース・ドレイン電極24とが電気的に接続し、電極板33と給電部28とが電気的に接続する。また、この工程のアニールの熱処理によって、平坦化膜30に残留している水分や酸などの成分がアウトガスとして孔部50を通して排出されることになる。このアニールの熱処理によって平坦化膜30内の水分や酸などの成分がアウトガスとして排出される。なお、電極板33の下部における平坦化膜30内の水分や酸などのアウトガス成分を完全に排出するために、下部電極及び電極板形成工程の後に、所定の温度で熱処理を行うアウトガス成分排出工程を別途設けてもよい。
(画素規制層形成工程)
次に、SiO2、SiN、SiON、Al2O3、AlNなどの絶縁性の無機材料からなる無機化合物の膜、またはポリイミド樹脂などの絶縁性の有機材料からなる膜を下部電極31上に成膜し、フォトエッチングすることで、画素規制層35を形成する(S13:第8工程)。
(無機材料層形成工程(正孔注入層形成工程))
次に、W、Ti、Mo、V、Gaなどの無機材料を表示部52の内外に蒸着し、アニールすることで、無機材料層を形成する(S14:第4工程)。
本実施形態では、この無機材料層を正孔注入層34とする。すなわち、表示部52内では、無機材料層は、正孔注入層34として画素規制層35上に形成される。一方、表示部52外では、無機材料層は、電極板33の孔部50を覆うように電極板33上に形成される。
なお、無機材料層形成工程の直前に、電極板33の下部における平坦化膜30内の水分や酸などのアウトガス成分を完全に排出するための工程として、所定の温度で熱処理を行うアウトガス成分排出工程を別途設けてもよい。
(隔壁形成工程)
次に、感光性のポリイミド樹脂をスピンコート、ノズルコートなどの方法で全面塗布し、フォトリソグラフィーにてパターニングし、アニールすることで、図2および図3に示されるような形状の、画素を区画する隔壁36を形成する(S15:第5工程)。
(有機EL層形成工程)
次に、Alq3(アルミキノリノール錯体)などの電界発光機能を有する有機材料を含む機能液を、インクジェット法により隣接する隔壁36で仕切られた帯状の領域に配置し、乾燥させることで、有機EL層37を形成する(S16:第6工程)。
(電子輸送層形成工程)
次に、オキサジアゾール誘導体などからなる有機材料を真空蒸着することで、電子輸送層38を形成する(S17:第9工程)。
(上部電極形成工程)
次に、インジウムスズ酸化物やインジウム亜鉛酸化物などの透明導電材料を真空蒸着することで、上部電極39を形成する(S18:第7工程)。
(封止工程)
最後に、封止膜40、樹脂層60、シール部材61、およびガラス基板70を設けて表示パネル装置1が完成する(S19:第10工程)。なお、ガラス基板70に代えて、例えば、カラーフィルター基板等を設けてもよい。
以上、本発明の実施の形態1に係る表示パネル装置1の製造方法によると、平坦化膜30を覆う電極板33に、平坦化膜30に含まれる水分や酸などの成分を排出する孔部50を設けている。これにより、平坦化膜30内に水分や酸などの成分が吸収された状態の平坦化膜30を電極板33で覆ったとしても、平坦化膜30に含まれる水分や酸などの成分は孔部50を介して排出される。
そのため、その状態で、平坦化膜30上に画素部51が積層すれば、その後に、平坦化膜30に含まれた水分や酸などの成分が有機層に漏れ出して、前記有機層が前記アウトガスと反応して前記有機層の品質が劣化してしまうことを防止できる。その結果、画素シュリンクが発生するのを防止できる。
また、無機材料層を形成する前に、アニール処理を行うことによって、電極板33の孔部50を介して平坦化膜30内に密封された水分や酸などのガス成分を排出することができる。これにより、前記ガス成分のガス圧力により電極板33が剥がれるのを防止できる。また、水分や酸などの成分が表示部52の周辺部の有機層に漏れ出して、前記有機層が水分や酸などの成分と反応して前記周辺部に表示ムラが発生したり前記周辺部が白色化したりするのを防止できる。
さらに、本発明の実施の形態1に係る表示パネル装置1の製造方法では、電極板33の孔部50を無機材料からなる無機材料層によって覆っている。これにより、孔部50を塞いだ後の製造工程において、水分や酸などの異物が孔部50を介して再び平坦化膜30内に侵入することを防止することができる。従って、水や酸などの異物の再侵入によって発生する有機層の品質の劣化及び電極板33の剥がれを防止することができる。
なお、以上の本発明の実施の形態1に係る表示パネル装置1の製造方法においては、画素部51に形成される正孔注入層34の一部を延出して、電極板33の孔部50を覆う無機材料層を形成したが、これに限るものではない。例えば、正孔注入層34とは別の無機材料によって電極板33の孔部50を覆うような構成としてもよい。この場合、別の無機材料層は、正孔注入層34の製造工程とは異なる製造工程で形成することになる。さらに、この場合でも、平坦化膜内の水分や酸などの成分を排出するために、無機材料層形成前に熱処理を行うことが好ましい。
但し、孔部50を覆う無機材料層は、本実施形態のように、正孔注入層34を利用して形成する方が好ましい。なぜなら、孔部50を覆う無機材料層を画素部51の正孔注入層34を利用して形成することにより、正孔注入層34と孔部50を覆う無機材料層とを同一プロセスで形成することができ、製造プロセスを簡略化することができるとともに製造コストを低減することができるからである。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2に係る表示パネル装置2について図面を参照しながら説明する。なお、本発明の実施の形態1に係る表示パネル装置1と同じ機能の構成については、同じ符号を付しており、その説明は簡略化又は省略している。
本発明の実施の形態2に係る表示パネル装置2が、本発明の実施の形態1に係る表示パネル装置1と異なる点は、電極板33の孔部50を覆う構成である。すなわち、本発明の実施の形態1に係る表示パネル装置1では、無機材料からなる正孔注入層34の一部を表示部52外にまで延出して孔部50を覆ったのに対し、本発明の実施の形態2に係る表示パネル装置2では、無機材料からなる画素規制層35の一部を表示部52外にまで延出して孔部50を覆うものである。
図11は、本発明の実施の形態2に係る表示パネル装置2の構造の一例を示す平面図である。また、図12は、図11に示される表示パネル装置2の右下隅付近の構造を詳細に示す拡大平面図である。
本発明の実施の形態2に係る表示パネル装置2では、画素規制層35は、表示部52内において、上下方向に隣り合う画素部51の周辺部を覆うように、行方向(図面の横方向)に帯状に形成されている。さらに、画素規制層35は、その一部が表示部52外にまで延出され、電極板33の孔部50の全てを覆うように形成されている。理解のため、図11及び図12において、画素規制層35が形成される範囲を縦のハッチングで示している。
以下、図13〜図16を用いて、本発明の実施の形態2に係る表示パネル装置2の詳細な構造について説明する。なお、図13〜図16に示される表示パネル装置2の構成は代表例であり、表示パネル装置2を限定するものではない。
まず、図12に示される表示パネル装置1をEE’線に沿って切断したときの断面構造について説明する。
図13は、図12に示されるEE’線に沿った表示パネル装置1の切断面を示す断面図である。図13に示す画素部51の断面構造は図4と同様なので、その詳しい説明は省略する。
図13に示すように、表示部52外の平坦化膜30の上には、複数の孔部50を有する電極板33が形成されている。本実施形態では、電極板33の上には、電極板33の全ての孔部50を塞ぐように、画素規制層35の一部が表示部52外にまで延出して形成されている。すなわち、本実施形態における画素規制層35は、画素部51内に位置して平坦化膜30と下部電極31の間に設けられる機能層としての第1の部分35aと、この機能層としての第1の部分35aから表示部52外にまで延出して形成された第2の部分35bとからなる。そして、画素規制層35の第2の部分35bによって、電極板33の孔部50が覆われるような構成となっている。このように、電極板33の孔部50は、無機材料からなる画素規制層35を利用して塞がれている。すなわち、孔部50を埋める画素規制層35の第2の部分35bは、画素部51内における下部電極31と有機EL層37との間に設けられる画素規制層35の一部である。なお、画素規制層35の第2の部分35b上には、隔壁36、電子輸送層38及び上部電極39が順に形成された部分と、上部電極39が直接形成された部分とが存在する。
ここで、画素規制層35は、絶縁性を有する材料で形成することができる。また、金属酸化物、金属窒化物又は金属酸化物を用いて画素規制層35を形成することもできる。例えば、SiO2、SiN、SiON、TiO2、TiN、Al2O3、AlN等を用いることができる。あるいは、Si(シリコン),Cr(クロム),Ti(チタン)の中の少なくとも1つの金属を用いることもできる。
図14〜図16は、それぞれ、図12に示されるFF’線、GG’線、HH’線に沿った表示パネル装置2の切断面を示す断面図である。なお、図14〜図16に示す表示部52の断面構造は、図5〜図7に示す表示部52の断面構造と基本的に同様なので、その詳しい説明は省略する。
図14〜図16に示すように、表示部52外においては、画素規制層35の第2の部分35bが電極板33の孔部50を塞ぐように形成されている。
以上のように構成された本発明の実施の形態2に係る表示パネル装置2は、平坦化膜30を覆う電極板33に孔部50が設けられている。これにより、平坦化膜30内に水分や酸などの成分が吸収された状態の平坦化膜30を電極板33で覆ったとしても、平坦化膜30に含まれる水分や酸などの成分は孔部50を介して排出される。従って、水分や酸などの成分が有機層に漏れ出すことによって有機層の品質が劣化することを防止できる。また、水分や酸などのガス成分による電極板33の剥がれや表示部52の周辺部の表示ムラ又は白色化を防止することができる。また、平坦化膜に残留する水や酸によって平坦化膜が浸食されることも防止することができる。
さらに、本発明の実施の形態2に係る表示パネル装置2は、電極板33の孔部50が無機材料からなる無機材料層によって覆われている。これにより、孔部50を塞いだ後の製造工程において、水分や酸などの異物が孔部50を介して再び平坦化膜30内に侵入することを防止することができる。従って、水や酸などの異物の再侵入によって発生する有機層の品質の劣化及び電極板33の剥がれを防止することができる。
なお、図8及び図9を用いて説明した孔部の形状については、本発明の実施の形態2に係る表示パネル装置2においても適用することができる。
また、本発明の実施の形態2に係る表示パネル装置2において、正孔注入層34は、表示部52内にのみ形成される。この場合、正孔注入層34の材料は、有機材料で構成することもできるし、本発明の実施の形態1に係る表示パネル装置1において用いた無機材料を用いることもできる。
(表示パネル装置2の製造方法)
次に、本発明の実施の形態2に係る表示パネル装置2の製造方法について説明する。
本発明の実施の形態2に係る表示パネル装置2の製造方法は、平坦化膜上の電極板に孔部を設ける工程、その孔部を通して平坦化膜からの水分や酸などの成分を排出させる工程、さらにその孔部を無機材料からなる無機材料層で覆う工程を含むことによって特徴付けられる。本発明の実施の形態2に係る表示パネル装置2の製造方法が、本発明の実施の形態1に係る表示パネル装置1の製造方法と異なる点は、本発明の実施の形態1に係る表示パネル装置1の製造方法では、無機材料からなる正孔注入層34を利用して孔部50を覆ったのに対し、本発明の実施の形態2に係る表示パネル装置2の製造方法では、無機材料からなる画素規制層35を利用して孔部50を覆う点である。
以下、本発明の実施の形態2に係る表示パネル装置2の製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図17は、本発明の実施の形態2に係る表示パネル装置2の製造方法の一例を示すフローチャートである。上述した表示パネル装置2を製造する場合の例を、図17に従って、図12および図14を参照しながら説明する。
(TFT層形成工程)
まず、ガラスまたはプラスチックからなる基板10の主面に、半導体膜、絶縁膜、金属膜を成膜およびパターニングすることで、駆動素子25および給電部28を含むTFT層20を形成する(S20:第1工程)。
(平坦化膜形成工程)
次に、ポリイミド樹脂などの絶縁性の有機材料をスピンコート、ノズルコートなどの方法で全面塗布し、ベークすることで、平坦化膜30を形成する。駆動素子25のソース・ドレイン電極24の上部に形成された層間絶縁膜26および平坦化膜30、並びに、給電部28の上部に形成された平坦化膜30を、フォトエッチングにより除去する(S21:第2工程)。
(下部電極及び電極板形成工程)
次に、スパッタリングにより平坦化膜30上に金属膜を成膜し、フォトエッチングすることで、金属膜を図15に示されるような形状の下部電極31、補助電極32、および電極板33にパターニングする。このとき、平坦化膜の表面の一部を開放するように電極板33に孔部50が形成される。さらに、下部電極31、補助電極32、および電極板33をアニールする(S22:第3工程)。
この工程で、層間絶縁膜26および平坦化膜30が除去されている部分において、下部電極31と駆動素子25のソース・ドレイン電極24とが電気的に接続し、電極板33と給電部28とが電気的に接続する。また、この工程のアニールの熱処理によって、平坦化膜30に残留している水分や酸などの成分がアウトガスとして孔部50を通して排出されることになる。このアニールの熱処理によって平坦化膜30内の水分や酸などの成分がアウトガスとして排出される。なお、電極板33の下部における平坦化膜30内の水分や酸などのアウトガス成分を完全に排出するために、下部電極及び電極板形成工程の後に、所定の温度で熱処理を行うアウトガス成分排出工程を別途設けてもよい。
(無機材料層形成工程(画素規制層形成工程))
次に、SiO2、SiN、SiON、TiO2、TiN、Al2O3、AlNなどの絶縁性の無機材料からなる無機化合物の膜、またはSi(シリコン),Cr(クロム),Ti(チタン)などの金属からなる膜を下部電極31上に成膜し、フォトエッチングすることで、無機材料層を形成する(S23:第4工程)。
本実施形態では、この無機材料層を画素規制層35とする。すなわち、表示部52内では、下部電極31上に画素規制層35として無機材料層が形成される。この画素規制層35は所定の帯状にパターニングされる。一方、表示部52外では、無機材料層は電極板33の孔部50を覆う層として電極板33上に形成される。
なお、無機材料層形成工程の直前に、電極板33の下部における平坦化膜30内の水分や酸などのアウトガス成分を完全に排出するための工程として、所定の温度で熱処理を行うアウトガス成分排出工程を別途設けてもよい。
(正孔注入層形成工程)
次に、W、Ti、Mo、V、Gaなどの無機材料からなる正孔注入層34を表示部52の内に蒸着し、アニールすることで、正孔注入層34を形成する(S24:第8工程)。
なお、正孔注入層34は、PEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン)などの有機材料を用いても形成することができる。この場合、PEDOTを、インクジェット、ノズルコートなどの方法で表示部52となる範囲に塗布し、アニールすることで正孔注入層34を形成することができる。
(隔壁形成工程)
次に、感光性のポリイミド樹脂をスピンコート、ノズルコートなどの方法で全面塗布し、フォトリソグラフィーにてパターニングし、アニールすることで、図12に示されるような形状の、画素を区画する隔壁36を形成する(S25:第5工程)。
(有機EL層形成工程)
次に、Alq3(アルミキノリノール錯体)などの電界発光機能を有する有機材料を含む機能液を、インクジェット法により隣接する隔壁36で仕切られた帯状の領域に配置し、乾燥させることで、有機EL層37を形成する(S26:第6工程)。
(電子輸送層形成工程)
次に、オキサジアゾール誘導体などからなる有機材料を真空蒸着することで、電子輸送層38を形成する(S27:第9工程)。
(上部電極形成工程)
次に、インジウムスズ酸化物やインジウム亜鉛酸化物などの透明導電材料を真空蒸着することで、上部電極39を形成する(S28:第7工程)。
(封止工程)
最後に、封止膜40、樹脂層60、シール部材61、およびガラス基板70を設けて表示パネル装置1が完成する(S29:第10工程)。
以上、本発明の実施の形態2に係る表示パネル装置2の製造方法によると、平坦化膜30を覆う電極板33に、平坦化膜30に含まれる水分や酸などの成分を排出する孔部50を設けている。これにより、平坦化膜30内に水分や酸などの成分が吸収された状態の平坦化膜30を電極板33で覆ったとしても、平坦化膜30に含まれる水分や酸などの成分は孔部50を介して排出される。従って、水分や酸などの成分が有機層に漏れ出すことによって有機層の品質が劣化することを防止できる。また、水分や酸などのガス成分による電極板33の剥がれや表示部52の周辺部の表示ムラ又は白色化を防止することができる。
さらに、本発明の実施の形態2に係る表示パネル装置2の製造方法では、電極板33の孔部50を無機材料からなる無機材料層によって覆っている。これにより、孔部50を塞いだ後の製造工程において、水分や酸などの異物が孔部50を介して再び平坦化膜30内に侵入することを防止することができる。従って、水や酸などの異物の再侵入によって発生する有機層の品質の劣化及び電極板33の剥がれを防止することができる。
また、本発明の実施の形態2に係る表示パネル装置2の製造方法では、アニール処理によって孔部50から水分や酸などの成分を排出させた後の次の工程で孔部50を無機材料層で覆っている。これにより、孔部50を覆った後の製造工程において、孔部50から平坦化膜30が露出した状態がなくなるので、平坦化膜30が水や酸等の異物に曝される機会を減らすことができる。従って、孔部50から水や酸等の異物が再侵入することを防止することができる。
なお、以上の本発明の実施の形態2に係る表示パネル装置2の製造方法においては、画素部51に形成される画素規制層35の一部を延出して、電極板33の孔部50を覆う無機材料層を形成したが、これに限るものではない。例えば、画素規制層35とは別の無機材料によって電極板33の孔部50を覆うような構成としてもよい。この場合、別の無機材料層は、画素規制層35の製造工程とは異なる製造工程で形成することになる。さらに、この場合でも、平坦化膜内の水や酸などの成分を排出するために、無機材料層形成前に熱処理を行うことが好ましい。
但し、孔部50を覆う無機材料層は、本実施形態のように、画素規制層35を利用して形成する方が好ましい。なぜなら、孔部50を覆う無機材料層を表示部52の画素規制層35を利用して形成することにより、画素規制層35と孔部50を覆う無機材料層とを同一プロセスで形成することができ、製造プロセスを簡略化することができるとともに製造コストを低減することができるからである。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3に係る表示パネル装置3について図面を参照しながら説明する。なお、本発明の実施の形態1,2に係る表示パネル装置1,2と同じ機能の構成については、同じ符号を付しており、その説明は簡略化又は省略している。
本発明の実施の形態3に係る表示パネル装置3が、本発明の実施の形態1,2に係る表示パネル装置1,2と異なる点は、電極板33の孔部50を覆う構成である。すなわち、本発明の実施の形態1,2に係る表示パネル装置1,2では、無機材料からなる正孔注入層34又は画素規制層35のいずれか一方のみを利用して孔部50を覆ったのに対し、本発明の実施の形態3に係る表示パネル装置3では、無機材料からなる正孔注入層34及び画素規制層35の両方を利用して孔部50を覆うものである。つまり、電極板33の孔部50を覆う無機材料層を、正孔注入層34と画素規制層35の無機材料からなる2層構造としている。
本発明の実施の形態3に係る表示パネル装置3において、電極板33の孔部50を覆う無機材料層が形成される領域は、表示部52外においては、図11及び図12に示される画素規制層35が形成される領域と同じである。
なお、本実施形態において表示部52内の正孔注入層34は、本発明の実施の形態1,2に係る表示パネル装置1,2の表示部52内の正孔注入層34と同じ構成である。また、表示部52内の画素規制層35についても、本発明の実施の形態1,2に係る表示パネル装置1,2の表示部52内の画素規制層35と同じ構成である。
以下、図18を用いて、本発明の実施の形態3に係る表示パネル装置3の詳細な構造について説明する。図18は、本発明の実施の形態3に係る表示パネル装置3を、図12に示すFF’線に対応する位置と同じ位置で切断したときの断面構造である。なお、図18に示す画素部51の断面構造は図14と同様なので、詳しい説明は省略する。
図18に示されるように、表示部52外の平坦化膜30の上には、複数の孔部50を有する電極板33が形成されている。本実施形態では、電極板33の上には、電極板33の全ての孔部50を塞ぐように、正孔注入層34及び画素規制層35の一部がそれぞれ表示部52外にまで延出して形成されている。すなわち、本実施形態における正孔注入層34及び画素規制層35は、画素部51内に位置して平坦化膜30と下部電極31の間に設けられる機能層としての第1の部分34a,35aと、この機能層としての第1の部分34a,35aから延出して表示部52外に形成された第2の部分34a,35bとからなる。表示部52外において、画素規制層35の第2の部分35bと正孔注入層34の第2の部分34bとは同じ形状にパターニングされて積層されている。これら画素規制層35の第2の部分35bと正孔注入層34の第2の部分34bとによって、電極板33の孔部50を覆う構成となっている。すなわち、電極板33の孔部50は、まず、画素規制層35と同じ無機材料によって充填されて塞がれ、さらにその上に正孔注入層34と同じ無機材料が積層され、この層によっても孔部50は塞がれている。すなわち、孔部50を埋める画素規制層35の第2の部分35bと正孔注入層34の第2の部分34bとは、画素部51内における下部電極31と有機EL層37との間に設けられる画素規制層35および正孔注入層34の一部である。なお、正孔注入層34の第2の部分34b上には、隔壁36、電子輸送層38及び上部電極39が順に形成された部分と、上部電極39が直接形成された部分とが存在する。
ここで、画素規制層35は、絶縁性を有する材料で形成することができる。また、金属酸化物、金属窒化物又は金属酸化物を用いて画素規制層35を形成することもできる。例えば、SiO2、SiN、SiON、TiO2、TiN、Al2O3、AlN等を用いることができる。あるいは、Si(シリコン),Cr(クロム),Ti(チタン)の中の少なくとも1つの金属を用いることもできる。
ここで、正孔注入層34の無機材料としては、例えば、金属酸化物、金属窒化物又は金属酸化物を用いることができる。また、その他に、W(タングステン),Ti(チタン),Mo(モリブデン),V(バナジウム),Ga(ガリウム)の中の少なくとも1つを用いて正孔注入層34を形成することもできる。
また、画素規制層35と正孔注入層34とを同じ材料とすることもできる。この場合、電極板33の孔部50を覆う2層の無機材料層も同じ材料で構成することができる。
また、電極板33の孔部50を覆う無機材料層を2層以上の複数層で構成することもできる。この場合、無機材料層の無機材料は、上述した正孔注入層34又は画素規制層35の材料を用いることができる。
以上のように構成された本発明の実施の形態3に係る表示パネル装置3は、平坦化膜30を覆う電極板33に孔部50が設けられている。これにより、平坦化膜30内に水分や酸などの成分が吸収された状態の平坦化膜30を電極板33で覆ったとしても、平坦化膜30に含まれる水分や酸などの成分は孔部50を介して排出される。従って、水分や酸などの成分が有機層に漏れ出すことによって有機層の品質が劣化することを防止できる。また、水分や酸などのガス成分による電極板33の剥がれや表示部52の周辺部の表示ムラ又は白色化を防止することができる。
さらに、本発明の実施の形態3に係る表示パネル装置3は、電極板33の孔部50が無機材料からなる無機材料層によって覆われている。これにより、孔部50を塞いだ後の製造工程において、水分や酸などの異物が孔部50を介して再び平坦化膜30内に侵入することを防止することができる。従って、水や酸などの異物の再侵入によって発生する有機層の品質の劣化及び電極板33の剥がれを防止することができる。
なお、図8及び図9を用いて説明した孔部の形状については、本発明の実施の形態3に係る表示パネル装置3においても適用することができる。
(表示パネル装置3の製造方法)
次に、本発明の実施の形態3に係る表示パネル装置3の製造方法について説明する。
本発明の実施の形態3に係る表示パネル装置3の製造方法は、平坦化膜上の電極板に孔部を設ける工程、その孔部を通して平坦化膜からの水分や酸などの成分を排出させる工程、さらにその孔部を無機材料からなる無機材料層で覆う工程を含むことによって特徴付けられる。本発明の実施の形態3に係る表示パネル装置3の製造方法が、本発明の実施の形態1,2に係る表示パネル装置1,2の製造方法と異なる点は、本発明の実施の形態1,2に係る表示パネル装置1,2の製造方法では、無機材料からなる正孔注入層34又は画素規制層35のみを利用して孔部50を覆ったのに対し、本発明の実施の形態3に係る表示パネル装置3の製造方法では、無機材料からなる正孔注入層34及び画素規制層35の両方を利用して孔部50を覆う点である。
以下、本発明の実施の形態3に係る表示パネル装置3の製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。上述した表示パネル装置3を製造する場合の例を、図19に従って、図18を参照しながら説明する。
図19は、本発明の実施の形態3に係る表示パネル装置3の製造方法の一例を示すフローチャートである。
(TFT層形成工程)
まず、ガラスまたはプラスチックからなる基板10の主面に、半導体膜、絶縁膜、金属膜を成膜およびパターニングすることで、駆動素子25および給電部28を含むTFT層20を形成する(S30:第1工程)。
(平坦化膜形成工程)
次に、ポリイミド樹脂などの絶縁性の有機材料をスピンコート、ノズルコートなどの方法で全面塗布し、ベークすることで、平坦化膜30を形成する。駆動素子25のソース・ドレイン電極24の上部に形成された層間絶縁膜26および平坦化膜30、並びに、給電部28の上部に形成された平坦化膜30を、フォトエッチングにより除去する(S31:第2工程)。
(下部電極及び電極板形成工程)
次に、スパッタリングにより平坦化膜30上に金属膜を成膜し、フォトエッチングすることで、金属膜を所定の形状の下部電極31、補助電極32、および電極板33にパターニングする。このとき、平坦化膜の表面の一部を開放するように電極板33に孔部50が形成される。さらに、下部電極31、補助電極32、および電極板33をアニールする(S32:第3工程)。
この工程で、層間絶縁膜26および平坦化膜30が除去されている部分において、下部電極31と駆動素子25のソース・ドレイン電極24とが電気的に接続し、電極板33と給電部28とが電気的に接続する。また、この工程のアニールの熱処理によって、平坦化膜30に残留している水分や酸などの成分がアウトガスとして孔部50を通して排出される。このアニールの熱処理によって平坦化膜30内の水分や酸などの成分がアウトガスとして排出される。なお、電極板33の下部における平坦化膜30内の水分や酸などのアウトガス成分を完全に排出するために、下部電極及び電極板形成工程の後に、所定の温度で熱処理を行うアウトガス成分排出工程を別途設けてもよい。
(第1の無機材料層形成工程(画素規制層形成工程))
次に、SiO2、SiN、SiON、TiO2、TiN、Al2O3、AlNなどの絶縁性の無機材料からなる無機化合物の膜、またはSi(シリコン),Cr(クロム),Ti(チタン)などの金属からなる膜を下部電極31上に成膜し、フォトエッチングすることで、第1の無機材料層を形成する(S33:第4工程)。
本実施形態では、この第1の無機材料層を画素規制層35として形成する。すなわち、表示部52内では、下部電極31上に画素規制層35として第1の無機材料層が形成される。この画素規制層35は所定の帯状にパターニングされる。一方、表示部52外では、無機材料層は電極板33の孔部50を覆う層として電極板33上に形成される。
なお、第1の無機材料層形成工程の直前に、電極板33の下部における平坦化膜30内の水分や酸などのアウトガス成分を完全に排出するための工程として、所定の温度で熱処理を行うアウトガス成分排出工程を別途設けてもよい。
(第2の無機材料層形成工程(正孔注入層形成工程))
次に、W、Ti、Mo、V、Gaなどの無機材料を表示部52の内外に蒸着し、アニールすることで、第2の無機材料層を形成する(S34:第4’工程)。
本実施形態では、この第2の無機材料層を正孔注入層34として形成する。すなわち、表示部52内では、画素規制層35上に正孔注入層34として第2の無機材料層が形成される。一方、表示部52外では、第2の無機材料層は電極板33の孔部50を覆うように電極板33上に形成される。
なお、正孔注入層34の無機材料としては、上述した無機材料を適宜用いることができる。
(隔壁形成工程)
次に、感光性のポリイミド樹脂をスピンコート、ノズルコートなどの方法で全面塗布し、フォトリソグラフィーにてパターニングし、アニールすることで、図12に示されるような形状の、画素を区画する隔壁36を形成する(S35:第5工程)。
(有機EL層形成工程)
次に、Alq3(アルミキノリノール錯体)などの電界発光機能を有する有機材料を含む機能液を、インクジェット法により隣接する隔壁36で仕切られた帯状の領域に配置し、乾燥させることで、有機EL層37を形成する(S36:第6工程)。
(電子輸送層形成工程)
次に、オキサジアゾール誘導体などからなる有機材料を真空蒸着することで、電子輸送層38を形成する(S37:第8工程)。
(上部電極形成工程)
次に、インジウムスズ酸化物やインジウム亜鉛酸化物などの透明導電材料を真空蒸着することで、上部電極39を形成する(S38:第7工程)。
(封止工程)
最後に、封止膜40、樹脂層60、シール部材61、およびガラス基板70を設けて表示パネル装置1が完成する(S39:第9工程)。
以上、本発明の実施の形態3に係る表示パネル装置3の製造方法によると、平坦化膜30を覆う電極板33に、平坦化膜30に含まれるアウトガスを排出する孔部50を設けている。これにより、平坦化膜30内に水分や酸などの成分が吸収された状態の平坦化膜30を電極板33で覆ったとしても、平坦化膜30に含まれる水分や酸などの成分は孔部50を介して排出される。従って、水分や酸などの成分が有機層に漏れ出すことによって有機層の品質が劣化することを防止できる。また、水分や酸などのガス成分による電極板33の剥がれや表示部52の周辺部の表示ムラ又は白色化を防止することができる。また、平坦化膜に残留する水や酸によって平坦化膜が浸食されることも防止することができる。
さらに、本発明の実施の形態3に係る表示パネル装置3の製造方法では、電極板33の孔部50を無機材料からなる無機材料層によって覆っている。これにより、孔部50を塞いだ後の製造工程において、水分や酸などの異物が孔部50を介して再び平坦化膜30内に侵入することを防止することができる。従って、水や酸などの異物の再侵入によって発生する有機層の品質の劣化及び電極板33の剥がれを防止することができる。
また、本発明の実施の形態3に係る表示パネル装置3の製造方法では、アニール処理によって孔部50から水分や酸などの成分を排出させた後の次の工程で孔部50を無機材料層で覆っている。これにより、孔部50を覆った後の製造工程において、孔部50から平坦化膜30が露出した状態がなくなるので、平坦化膜30が水や酸等の異物に曝される機会を減らすことができる。従って、孔部50から水や酸等の異物が再侵入することを防止することができる。
さらに、本発明の実施の形態3に係る表示パネル装置3の製造方法では、無機材料層を複数層にしているので、孔部50から水や酸等の異物が再侵入することを確実に防止することができる。
なお、以上の本発明の実施の形態3に係る表示パネル装置3の製造方法では、正孔注入層34及び画素規制層35を利用して2層の無機材料層を形成したが、これに限るものではない。例えば、正孔注入層34又は画素規制層35とは別の無機材料によって電極板33の孔部50を覆うような構成としてもよい。また、複数層のうちの1つの無機材料層を正孔注入層34又は画素規制層35を利用して形成するとともに、別の無機材料層を正孔注入層34又は画素規制層35層とは別の無機材料層によって形成することもできる。これらの場合、別の無機材料層は、正孔注入層34又は画素規制層35の製造工程とは異なる製造工程で形成することになる。さらに、この場合でも、平坦化膜内の水分や酸などの成分を排出するために、無機材料層形成前に熱処理を行うことが好ましい。
但し、本実施形態のように、正孔注入層34又は画素規制層35を利用して無機材料層を形成する方が好ましい。なぜなら、孔部50を覆う無機材料層を表示部52の正孔注入層34及び画素規制層35を利用して形成することにより、正孔注入層34又は画素規制層35と孔部を覆う無機材料層とを同一プロセスで形成することができ、製造プロセスを簡略化することができるとともに製造コストを低減することができるからである。
(表示パネル装置の利用例)
以上、説明した表示パネル装置1,2,3は、例えばテレビジョンセットなどの表示装置に利用される。
図20は、表示パネル装置1,2,3を利用した表示装置の一例としてのテレビジョンセットの外観図である。本態様によると、表示パネル装置1,2,3を表示装置に利用することができる。
表示パネル装置1,2,3は、このようなテレビジョンセット以外にも、携帯電話機、パーソナルコンピュータなどのあらゆる表示装置に利用できる。
(変形例)
以上、本発明に係る表示パネル装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものも本発明の範囲内に含まれる。
例えば、図21又は図22に示すように、下部電極31と補助電極32とを、絶縁膜を介在して異なる層に形成してもよい。
図21は、変形例に係る表示パネル装置4の構造の一例を示す断面図である。図21は、図4に示される表示パネル装置1の切断面に対応する切断面を示している。
図21に示されるように、表示パネル装置4において、補助電極32は平坦化膜30の上面に設けられ、下部電極31は、補助電極32を覆う絶縁膜41の上面に設けられる。
このような構成によれば、下部電極31と補助電極32とが絶縁膜41にて電気的に絶縁されるので、補助電極32の配置の自由度が高まる。
例えば、補助電極32を、絶縁膜41を介在して、下部電極31と異なる層において平面視で下部電極31と重なる広い領域に配置すれば、補助電極32の電気抵抗を低減させてより多くの動作電流を安定的に供給することが可能となる。
図22は、変形例に係る表示パネル装置5の構造の一例を示す断面図である。図22は、図4に示される表示パネル装置1の切断面に対応する切断面を示している。
図22に示されるように、表示パネル装置5において、下部電極31及び電極板33を平坦化膜30の上面に設け、補助電極32を下部電極31及び平坦化膜30を覆う絶縁膜41の上面に設けてもよい。即ち、補助電極32を下部電極31よりも上層となるように配置してもよい。
図23及び図24は、変形例に係る表示パネル装置6,7の構造の一例を示す平面図である。
図23に示す表示パネル装置6のように、補助電極32を隔壁36と直交する方向(行方向)にのみ沿って設けてもよい。また、図24に示す表示パネル装置7のように、補助電極32を隔壁36と平行する方向(列方向)および直交する方向(行方向)の両方向に沿って設けてもよい。
また、孔部50の具体的な配置は、図2に例示したものに限られない。例えば、1つの画素が、赤、緑、青でそれぞれ発光する3つのサブ画素で構成されるカラー表示パネル装置に好適な、孔部50の別の配置を考えることができる。
図25は、変形例に係る孔部50の配置を模式的に示す平面図である。
図25において、下部電極31、補助電極32、および電極板33が設置される範囲をハッチングで示している。小円は下部電極31と下層の駆動素子とを接続するためのコンタクトホールを表している。また、図示しない隔壁が、横方向に隣接する下部電極31の間、および下部電極31と補助電極32との間に、縦方向に設けられる。
表示部において、隣接する隔壁で仕切られた3つの帯状の領域が1つの画素列を構成し、3つの帯状の領域に、それぞれ赤、緑、青で発光する有機EL層が設けられる。これにより、赤、緑、青で発光する3つのサブ画素が(行方向)横方向に並んで形成され、それらのサブ画素から1画素が構成される。
孔部は、表示部の画素の形状を模した擬似画素の形状に形成される。すなわち、表示部の1つの画素と孔部の1つの擬似画素とは同じ大きさで、画素において下部電極31と補助電極32とが分離される部分(隣接する下部電極31の間および下部電極31と補助電極32との間の無地部分)と同じ位置に、擬似画素において孔部50が形成される。
このような孔部50の配置によれば、表示部から孔部にかけて、下部電極31、補助電極32、および電極板33が、ほぼ同じ形状の繰り返しによって形成されるので、平坦化膜の開口率を均一にできる。
これにより、平坦化膜に含まれる水分や酸などの成分は、表示部と表示部外の領域とで同程度に排出され、表示部外で平坦化膜内に水分や酸などの成分が過度に密閉されることがなくなるので、表示部の周辺部で生じる画素シュリンクや周辺部の表示ムラ又は白色化といった不具合を減らすことができる。
図26は、変形例に係る表示パネル装置8の構造の一例を示す拡大平面図である。
図26に示されるように、この変形例に係る表示パネル装置8は、隔壁36は図面の縦方向および横方向の両方向に沿って設けられる。上述の実施の形態1では、図面の縦方向に並ぶ画素部51は画素規制層で区画されることを説明したが、この変形例に係る構成では、個々の画素部51が図面の縦方向および横方向の何れの方向にも隔壁36で区画され、画素規制層を省略できる。
なお、実施の形態では、下部電極31を陽極として用い、上部電極39を陰極として用いる構成を例示したが、下部電極31を陰極として用い、上部電極39を陽極として用いても構わない。その場合、電子輸送層38が有機EL層37よりも下部に配置され、正孔注入層34が有機EL層37よりも上部に配置される。
また、実施の形態では、有機EL層37および電子輸送層38の積層構造体を有機層の一例として説明したが、有機層はこのような構成に限られない。例えば、正孔輸送層、有機EL層、電子輸送層の3つの層からなる周知の積層構造体を有機層として用いても構わない。また、正孔注入層又は電子注入層を有機材料で形成する場合は、これらの層も有機層に含めることもできる。また、有機EL層以外の層は、良好な発光性能を達成するために適宜設けられるものであり、省略することもできる。
なお、上述した実施の形態では、正孔注入層又は画素規制層などの無機材料層は、電極板の上方に接触して設けられており、電極板の孔部を無機材料層によって直接覆った後に、画素部に有機層(有機EL層)が形成され、その後、無機材料層上に上部電極が設けられる。これにより、有機EL層形成工程における水や酸などの異物が、電極板の孔部を介して平坦化膜の内部に侵入するおそれがない。この結果、平坦化層の品質の劣化および電極板の剥がれを防止することができる。
一方、上記の実施の形態と異なり、有機EL層上の上部電極を電極板の上方に接触させて、上部電極によって電極板の孔部を直接的に被覆する構成とする場合、電極板の形成後から上部電極の形成までの間に、有機EL層などの有機層が形成されることになる。この構成の場合、有機EL層形成工程において、薬液または洗浄液等に含まれる水や酸などの異物が孔部を介して再び平坦化膜内に侵入するおそれがあり、平坦化膜に異物が侵入した状態で上部電極が設けられるおそれがある。このため、この構成によれば、異物の侵入により、平坦化膜の品質の劣化および電極板の剥がれが懸念される。
従って、上記の説明の通り、上部電極を電極板の上方に接触させて電極板の孔部を上部電極により直接的に被覆する構成は、本発明の実施の形態には該当せず、比較例に該当し、本発明の対象には含まれない。
本発明の表示パネル装置は、テレビジョンセット、携帯電話機、パーソナルコンピュータなどのあらゆる表示装置として利用できる。
1、2、3、4、5、6、7、8 表示パネル装置
10 基板
20 TFT層
22 ゲート絶縁膜
24 ソース・ドレイン電極
25 駆動素子
26 層間絶縁膜
27 ITO膜
28 給電部
30 平坦化膜
31 下部電極
32 補助電極
33 電極板
34 正孔注入層
34a 正孔注入層の第1の部分
34b 正孔注入層の第2の部分
35 画素規制層
35a 画素規制層の第1の部分
35b 画素規制層の第2の部分
36 隔壁
37 有機EL層
38 電子輸送層
39 上部電極
40 封止膜
41 絶縁膜
50 孔部
51 画素部
52 表示部
60 樹脂層
61 シール部材
70 ガラス基板

Claims (19)

  1. 下部電極と、前記下部電極に対向して設けられる上部電極と、前記下部電極と前記上部電極の間に設けられ、有機材料を有する有機層とを含む画素部と、
    前記画素部の下方に形成され、前記画素部を駆動する駆動素子を有するTFT層と、
    前記TFT層の上方を平坦化する平坦化膜と、
    前記下部電極と分離形成されるとともに、前記上部電極と電気的に接続される補助電極と、
    前記画素部を複数含む表示部と、
    前記補助電極と電気的に接続されるとともに、前記表示部外において前記平坦化膜を覆うように設けられ、前記平坦化膜の表面の一部を開放する孔部を有する電極板と、
    前記電極板の上方に接触し且つ前記上部電極の下方に位置し、前記電極板の形成後であって且つ前記有機層の形成前に形成される、前記孔部を覆う無機材料からなる無機材料層と、を具備する、
    表示パネル装置。
  2. 前記無機材料層は、
    前記画素部内に位置し、前記下部電極と前記有機層の間に設けられる機能層としての第1の部分と、
    前記第1の部分から延出して前記画素部外に設けられ、その少なくとも一部により前記孔部を覆う第2の部分と、
    を有する、
    請求項1記載の表示パネル装置。
  3. 前記無機材料層は、
    前記下部電極から前記有機層に正孔を注入する正孔注入層、又は、画素部を規制するための画素規制層の少なくとも一方を含む、
    請求項2記載の表示パネル装置。
  4. 前記無機材料が絶縁性を有する、
    請求項1記載の表示パネル装置。
  5. 前記無機材料が、金属酸化物、金属窒化物、又は金属酸窒化物のいずれかである、
    請求項1記載の表示パネル装置。
  6. 前記無機材料が、Si,W,Cr,Ti,Mo,V,Gaの中の少なくともいずれか1つである、
    請求項1記載の表示パネル装置。
  7. 前記無機材料層は2層以上で構成される、
    請求項1記載の表示パネル装置。
  8. 前記孔部は、前記平坦化膜の内部において発生したガスを前記平坦化膜の外部に排出するものである、
    請求項1記載の表示パネル装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の表示パネル装置を備え、
    前記表示パネル装置の複数の画素部がマトリクス状に配置されている
    表示装置。
  10. 下部電極と、前記下部電極に対向して設けられる上部電極と、前記下部電極と前記上部電極の間に設けられ、有機材料を有する有機層とを含む画素部と、
    前記画素部の下方に形成され、前記画素部を駆動する駆動素子を有するTFT層と、
    前記TFT層の上方を平坦化する平坦化膜と、
    前記下部電極と分離形成されるとともに、前記上部電極と電気的に接続される補助電極と、
    前記画素部を複数含む表示部と、
    前記下部電極と同層で形成され、前記補助電極と電気的に接続されるとともに、前記表示部外において前記平坦化膜を覆うように設けられ、前記平坦化膜の表面の一部を開放する孔部を有する電極板と、
    前記電極板の上方に位置し、前記画素部内における前記下部電極と前記有機層との間に設けられる層の一部であり、前記孔部を覆う無機材料からなる無機材料層と、を具備する、
    表示パネル装置。
  11. 前記無機材料層は、
    前記画素部内に位置し、前記下部電極と前記有機層の間に設けられる機能層としての第1の部分と、
    前記第1の部分から延出して前記画素部外に設けられ、その少なくとも一部により前記孔部を覆う第2の部分と、
    を有する、
    請求項10記載の表示パネル装置。
  12. 前記無機材料層は、
    前記下部電極から前記有機層に正孔を注入する正孔注入層、又は、画素部を規制するための画素規制層の少なくとも一方を含む、
    請求項11記載の表示パネル装置。
  13. 前記孔部は、前記平坦化膜の内部において発生したガスを前記平坦化膜の外部に排出するものである、
    請求項10記載の表示パネル装置。
  14. 請求項10〜13のいずれか1項に記載の表示パネル装置を備え、
    前記表示パネル装置の複数の画素部がマトリクス状に配置されている
    表示装置。
  15. 有機EL層を発光させるための駆動素子を有するTFT層を形成する第1工程と、
    前記TFT層の上方を平坦化する平坦化膜を形成する第2工程と、
    前記平坦化膜の上方の表示パネルの表示部内に下部電極を形成し、前記平坦化膜の上方の表示パネルの表示部外に孔部を有する電極板を形成し、前記平坦化膜の上方の表示パネルの表示部内における前記下部電極の形成領域外に前記下部電極と分離形成され前記電極板と電気的に接続された補助電極を形成する第3工程と、
    前記電極板より上方に、無機材料からなる無機材料層を形成する第4工程と、
    前記下部電極より上方に、画素を区画する隔壁を形成する第5工程と、
    前記隔壁で仕切られた領域に前記有機EL層を形成する第6工程と、
    前記有機EL層の上方に、前記下部電極との間の電流供給により前記有機EL層を発光させ前記補助電極と電気的に接続される上部電極を形成する第7工程と、を含み、
    前記第3工程において、前記電極板は、前記平坦化膜の表面の一部を開放させるように形成され、
    前記第4工程において、前記無機材料層は、前記電極板の前記孔部を覆うように形成される、
    表示パネル装置の製造方法。
  16. 前記第4工程において、前記無機材料層を、前記下部電極の上方であって前記表示パネルの表示部内に形成するとともに、その一部を前記表示パネルの表示部外に延出し、前記電極板の前記孔部を覆うように形成する、
    請求項15記載の表示パネル装置の製造方法。
  17. 前記無機材料層は、
    前記下部電極から前記有機層に正孔を注入する正孔注入層、又は、画素部を規制するための画素規制層の少なくとも一方である、
    請求項15記載の表示パネル装置の製造方法。
  18. 前記第3工程において、前記電極板の前記孔部を介し、前記平坦化膜の内部において発生したガスを排出させ、
    前記第4工程において、前記孔部を覆い、前記孔部を介して外部から異物が侵入することを抑制する、
    請求項15記載の表示パネル装置の製造方法。
  19. 前記第3工程は、熱処理を含む工程である、
    請求項15記載の表示パネル装置の製造方法。
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