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JP4519030B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は、使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁パッド等の吸収性物品に関する。
使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品においては、一般に、フラッフパルプ等の吸液性繊維材料及び高吸収性ポリマーの粒子を含む積繊体がティッシュペーパー等の吸収紙で被覆されて構成された吸収体を備え、吸収体の上面側(肌当接面側)に液透過性の表面シートを備えている。積繊体を吸収紙で被覆する主な理由は、積繊体の形状維持及び高吸収性ポリマーの粒子の吸収体からの脱落を防止するためである。
下記特許文献1には、フラッフパルプ及び高吸収性ポリマーの粒子を含む積繊体をティッシュペーパーで被覆することに代えて、該積繊体を不織布からなる被覆シートで被覆することが記載されている。
特表2002−512082号公報
しかし、特許文献1記載の吸収性物品においては、十分な吸収性能を確保するために、表面シート及び被覆シートに液透過により親水性が低下し難い親水化処理を施してあり、そのため、表面シート及び被覆シートに対し液透過により親水性が低下し難い親水化処理を施すコストを要し、製造コストが高くなる。
また、吸収性物品においては、表面シートと被覆シートとの間や被覆シートと吸収性コアとの間がホットメルト系接着剤により接合されている場合が多いが、被覆シートに親水化処理が施されていると、その親水化処理剤の影響で接着力が低下するのに加え、繊維表面とホットメルト系接着剤との界面に水分が浸入しやすくなり、一般的なホットメルト系接着剤では接着力が低下する。そのため、例えば、遅延結晶型のホットメルト系接着剤(塗布した直後には固まらず、構成繊維に絡まり食い込みながら徐々に固まるホットメルト系接着剤)のような特殊な種類のホットメルト系接着剤を用いる必要があり、ホットメルト系接着剤の選択自由度が低く、製造コストも高くなる。
従って、本発明の目的は、吸収体の被覆シートに対する親水化処理コストを低減することができ、表面シート、被覆シート等を接着するホットメルト系接着剤の選択自由度が高い吸収性物品を提供することにある。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、表面シートの少なくとも1層に液透過により親水性が低下しやすい親水化処理を施し、吸収体の被覆シートを液透過性で疎水性の不織布から構成することにより、上記目的を達成できることを知見した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、液透過性の表面シートと、該表面シートの下面側に配置された液保持性の吸収体とを備え、前記表面シートは、単層又は複数層の親水化処理の施されたシートからなり、その少なくとも1層に液透過により親水性が低下しやすい親水化処理が施されており、前記吸収体は、液保持性の吸収性コアが、液透過性で疎水性の不織布からなる被覆シートで被覆されて構成されている吸収性物品を提供することにより前記目的を達成したものである。
本発明の吸収性物品によれば、吸収体の被覆シートに対する親水化処理コストを低減することができ、表面シート、被覆シート等を接着するホットメルト系接着剤の選択自由度が高い。
以下、本発明の吸収性物品を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明の吸収性物品は、主として尿や経血等の排泄体液を吸収保持するために用いられるものである。本発明の吸収性物品には、使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁パッド等が包含されるが、これらに限定されるものではなく、人体から排出される液の吸収に用いられる物品を広く包含する。
本発明の吸収性物品について、その一実施形態に基づき図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態においては、図1に示すように、液透過性の表面シート1の下側に液保持性の吸収体2が配置され、吸収体2の下側に液不透過性の裏面シート(図示せず)が配置されている。吸収体2の周縁部においては、表面シート1と裏面シートとが接合されている。このような構造は公知である。
尚、本発明の吸収性物品において、「上面側」とは「肌当接面側」を意味し、「下面側」とは「非肌当接面側」を意味する。
表面シート1は、単層又は複数層の親水化処理の施されたシートからなり、その少なくとも1層に液透過により親水性が低下しやすい親水化処理(以下、非耐久親水化処理という)が施されている。「非耐久親水化処理」とは、親水化処理によって発現されたシート又は構成繊維の親水性の程度が水との接触によって低下しやすくなる処理をいう。
複数層からなる表面シート1においては、少なくとも1層に非耐久親水化処理が施されていれば、その他の層に液透過により親水性が低下し難い親水化処理(以下、耐久親水化処理という)が施されていてもよい。「耐久親水化処理」とは、親水化処理によって発現されたシート又は構成繊維の親水性の程度が水との接触によって低下し難くなる処理をいう。
非耐久親水化処理又は耐久親水化処理には、各層をシート状に形成してから親水化処理を施す場合と、予め親水化処理を施した構成繊維から各層を形成する場合とがある。
耐久親水化処理の施された層には、層全体に耐久親水化処理が施されたもののみならず、耐久親水化処理の施された構成繊維と非耐久親水化処理の施された構成繊維との混合層も含まれる。
2層からなる表面シートの下層においては、耐久親水化処理の施された構成繊維と非耐久親水化処理の施された構成繊維との混合比(重量比)は、好ましくは70:30〜10:90である。
非耐久親水化処理又は耐久親水化処理に用いられる親水化油剤としては、例えば、アニオン系、カチオン系、両性系、ノニオン系の界面活性剤の様々な分子量のものを単独もしくは組み合わせて用いることができる。
非耐久親水化処理に用いられる親水化油剤として特に好ましいものとしては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルが挙げられる。耐久親水化処理に用いられる親水化油剤として特に好ましいものとしては、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエーテル−ポリエステルブロック共重合体、ポリエーテル変性シリコン、エチレンオキサイド付加多価アルコールが挙げられる。
各層を形成する構成繊維が、耐久親水化処理を施した繊維及び非耐久親水化処理を施した繊維の何れであるかは、例えば、以下の方法により測定した沈降時間を基準にして判断することができる。
<沈降時間の測定方法>
種類ごとに均一にほぐした繊維5.0±0.1gを、ASTM D1117−80 5.2.1.1に記載されている円筒ワイヤー容器にはみ出さないように詰め、この容器を温度23℃のイオン交換水1000ccを満たした口径115mmの円筒カップ容器中に浮かべてから、円筒ワイヤ−容器全体がイオン交換水の水面下に完全に沈むまでの時間T1(s)を測定する。
次いで、円筒ワイヤー容器内から繊維を取り出して、常温下で風乾させる。風乾させ完全に水分が除去されたのを確認後、風乾した繊維を用いて、上記と同じ操作を行い、風乾した繊維を詰めた円筒ワイヤー容器をイオン交換水を満たした円筒カップ容器内の水面下に強制的に完全に沈ませる。
次に、円筒ワイヤー容器内から繊維を取り出して、常温下で風乾させる。風乾させ完全に水分が除去されたのを確認後、風乾した繊維を用いて、上記と同じ操作を行い、風乾した繊維を詰めた円筒ワイヤー容器をイオン交換水を満たした円筒カップ容器内の水面下に完全に沈むまでの時間T2(s)を測定する。
時間T1(s),T2(s)は、同じ繊維で同様な測定を3回行い、平均値を算出して求めた。
上記の方法で時間T1(s),T2(s)を測定し、時間T1(s)が200秒以下の繊維であれば親水性の繊維であると判断する。即ち、耐久親水化処理を施した繊維又は非耐久親水化処理を施した繊維であると判断する。そして、水に2回沈降された後の3回目の液接触となる時間T2(s)が、200秒以下であれば、耐久親水化処理を施した繊維であると判断し、200秒超であれば非耐久親水化処理を施した繊維であると判断する。
耐久親水化処理を施した繊維及び非耐久親水化処理を施した繊維の時間T1(s)は、100秒以内が好ましく、50秒以内がより好ましく、10秒以内が一層好ましい。また、耐久親水化処理を施した繊維の時間T2(s)は、液透過性との観点から、150秒以下が好ましく、100秒以下がより好ましい。
耐久親水化処理を施した繊維と非耐久親水化処理を施した繊維を判断する基準として、イオン交換水との接触角を用いてもよい。
接触角は、繊維上の水滴と繊維の表面との角度であり、その接触角が小さい方の繊維を親水性が高いと判断することができる。
具体的には、液透過前と、液透過後それぞれの接触角を測定する。接触角の測定は繊維の状態でも、不織布の状態でもよい。不織布の状態では、直径10mmの円内に合計50gのイオン交換水を透過させ、30℃で約2時間乾燥した後で、イオン交換水の接触角を測定したものを液透過後の接触角とする。
耐久親水化処理を施した繊維と非耐久親水化処理を施した繊維の液透過前の接触角は、30°〜80°が好ましい。液透過後の接触角が35°〜80°であれば、耐久親水化処理を施した繊維と判断し、液透過後の接触角が液透過前の接触角に比べて20°以上大きくなって、50°〜100°であれば、非耐久親水化処理を施した繊維と判断する。
不織布での液透過前の接触角の測定方法は、以下の通りである。
〔接触角の測定方法〕
株式会社キーエンス製のマイクロスコープVH-8000に中倍率ズームレンズ(照明リング付)を90°に倒した状態で使用し、倍率500倍の条件に設定して計測を行った。測定用サンプルは、上下層が一体となった状態のまま、MD方向150mm×CD方向70mmの大きさにカットしたものを用いた。測定環境は、20℃/50%RHであり、測定用サンプルは、測定面を上向きにした状態として、ウエブ(不織布)のCD方向から観察できるように測定ステージにセットした。
CD方向からウエブを観察する理由は、一般的にウエブの繊維はMD方向に配向されていることが多く、繊維が測定画面の幅方向に配列する可能性が高くなるためである。このようにセットすることによって、繊維の長さ方向に対して垂直な方向からレンズで観察することができる。
第1層の構成繊維の接触角を求める場合は、第1層の表面の繊維を測定ターゲットとし、第2層の構成繊維の接触角を求める場合は、第2層の表面(表面シートとして用いる場合には、吸収体側に向けられる面)の繊維を測定ターゲットとする。通常、多層構造の繊維シートでは、その界面でシートを分けることは可能であるが、界面の状況によっては、別層の繊維が紛れ込む場合がある。このため、何らかの理由で第1層と第2層とを別々に測定しなければならない場合は、重り合っていない面で接触角を測定する。
次いで、測定ステージにセットされた測定用サンプルに、イオン交換水を充填した霧吹き(なるべく霧の状態が細かくなるような道具を使用する)にて水滴を繊維の表面に付着させ、付着5秒以内(なるべく2〜3秒)に画像を取り込む。付着後短時間で画像の取り込みが必要な理由は、付着した水滴がマイクロスコープの測定部から出る光によって蒸発してしまうことと、親水化油剤による接触角の変化を起こさないようにするためである。水滴の両端もしくは片端における焦点が鮮明な観察結果10点の接触角を計測し、それらの平均値を「接触角」とした。尚、接触角の測定は、表面シートのままではなく、上下層からそれぞれの構成繊維を取り出して計測することも可能である。
なお、この接触角の測定は、以下の項目に注意して行う必要がある。
(イ)繊維の上面での接触角を測定する。つまり、繊維の上に載った水滴を対象とし、繊維の下まで垂れ下がった水滴や、2本以上の繊維にまたがった水滴では測定しない。
(ロ)繊維が螺旋状等の細かい捲縮を発生している場合は、捲縮が少ないところで測定するか、繊維を伸張させて捲縮状態を無くして測定する。
(ハ)接触角の計測結果は、場所を変えた10個の計測値の算術平均とするが、親水度が高いと、計測時に繊維上に水滴が留まりにくく、流れてしまう場合がある。その場合、その流れる割合に応じて「接触角」を判断する。
・計測値が10個になるまでに、総測定数(繊維と水との接触が観察された測定箇所の総数,接触後に水滴が流れた場合と流れなかった場合との合計,以下同じ)の40%未満が流れてしまった場合、10個の計測値の平均結果を「接触角」とする。
・計測値が10個になるまでに、総測定数の40%以上が流れてしまった場合、又は10ヶ所の測定を行った時点で総測定数の40%以上が流れてしまった場合、「接触角」は20°以下とする。
表面シート1の構造の具体例を挙げると、単層構造の表面シート1では、その層全体に非耐久親水化処理が施されている。
2層構造の表面シート1としては、例えば、上層に非耐久親水化処理が施されており、下層が耐久親水化処理の施された構成繊維と非耐久親水化処理の施された構成繊維との混合層からなる2層構造、上層に非耐久親水化処理が施されており、下層に耐久親水化処理が施されている2層構造が挙げられる。
本発明の吸収性物品における表面シートにおいて、「上層」とは肌当接面側の層を意味し、「下層」とは非当接面側の層を意味する。
表面シート1は、3層以上のシートから構成することができる。
複数層からなる表面シート1においては、その各層間は、公知の一体化手段、例えば接着剤、繊維交絡、熱融着等によって一体化されている。
表面シート1としては、例えば、各種ウエブや不織布等を用いることができる。ウエブとしては、例えば、短繊維をカード機によって開繊して得られるカードウエブ、短繊維を空気流に搬送させて堆積させて得られるエアレイドウエブ、溶融紡糸によって紡出された連続フィラメントをイジェクターで引き取り堆積させて得られるスパンボンドウエブが挙げられる。不織布としては、例えば、エアスルー不織布、スパンレース不織布、エアレイド不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布等が挙げられる。
表面シート1の構成繊維は、疎水性の繊維に親水化処理を施したものである。尚、構成繊維のすべてが疎水性の繊維に親水化処理を施したものであることを要せず、一部に、親水化処理を施していない疎水性の繊維を含んでいてもよい。
疎水性の繊維としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維、ポリエチレンテレフタレートやポリプチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、アクリル系繊維、これらの樹脂の2種以上の組み合わせからなる芯鞘型複合繊維やサイド・バイ・サイド型複合繊維等の複合繊維が挙げられる。
疎水性の繊維は、表面シート1の各層の製造方法やこれらの層に要求される性能等に応じ、それぞれ短繊維でもよく、連続フィラメントでもよい。その繊度は、一般に0.1〜16.5dtex、特に0.8〜7.8dtexであることが好ましい。
吸収体2は、図1に示すように、吸収性コア3と、それを被覆する一枚の被覆シート4とを備えている。
吸収性コア3の上面側は、被覆シート4の幅方向中央部(幅方向約半分の部分)4cにより被覆されている。また、吸収性コア3の下面側は、吸収性コア3の上面側から幅方向に延出した被覆シート4の幅方向両側部(それぞれ幅方向約1/4の部分)4a,4bが吸収性コア3の下面側に折り返され、被覆シート4の両側部4a,4bの一部が重ねられることにより被覆されている。このようにして、吸収性コア3の上下面及び左右両側面が被覆シート4によって被覆されている。
吸収性コア3と被覆シート4とは、その長手方向の寸法がほぼ同じか吸収性コア3の方が短く形成される。吸収体2の長手方向の前後端縁においては、被覆シート4のうち、コア2の上面に位置する中央部4cが吸収性コア3の下面に位置する両側部4a,4bと接合しており、閉塞された封止部を形成している。この封止部からは吸収性コア2は実質的に露出していない。
吸収性コア3には、当該技術分野において通常用いられている材料を特に制限なく用いることができる。例えば、吸収性コア3は、パルプの積繊層、親水性を有する長繊維のウエブ又はこれらの積層体等から構成される。
吸収性コア3を構成するパルプの積繊層は、パルプ繊維を堆積させて得られたものであるか又はパルプ繊維を原料とする不織布からなる。パルプの積繊層が、パルプ繊維を堆積させて得られたものである場合、該積繊層としては、従来の吸収性物品における吸収体として用いられているものと同様のものを用いることができる。パルプの積繊層が、パルプ繊維を原料とする不織布からなる場合、該不織布としては、例えばエアレイド不織布を用いることができる。
吸収性コア3を構成するウエブの親水性を有する長繊維には、本来的に親水性を有する長繊維、及び本来的には親水性を有さないが、親水化処理が施されることによって親水性が付与された長繊維の双方が包含される。好ましい長繊維は本来的に親水性を有する長繊維であり、特にアセテートやレーヨンの長繊維が好ましい。
吸収性コア3の構成には、パルプの積繊層からなる1層構成、あるいは親水性を有する長繊維のウエブ又はこれらの積層体からなる1層構成、あるいはパルプ繊維と親水性を有する長繊維の混合積層体からなる1層構成が用いられる。また、これらの組み合わせで2層構成としたものでもよい。
吸収性コア3中には、高吸収性ポリマーを埋設担持させることができる。「高吸収性ポリマーを埋没担持させる」とは、高吸収性ポリマーが、吸収性コア3を構成するパルプや長繊維によって形成される空間内に入り込んで、着用者の激しい動作によっても高吸収性ポリマーの極端な移動や脱落が起こりにくくなっている状態をいう。
高吸収性ポリマーとしては、一般に粒子状のものが用いられるが、繊維状のものでも良い。粒子状の高吸収性ポリマーを用いる場合、その形状が不定形タイプ、塊状タイプ又は俵状タイプである場合には、積繊層やウエブに対して同量以上、10倍以下の坪量で埋没担持させることができる。また、球粒凝集タイプや球状タイプの場合には、積繊層やウエブに対して同量以上、5倍以下の坪量で埋没担持させることができる。
被覆シート4は、液透過性を有すると共に疎水性を有する不織布からなる。「疎水性」とは、不織布を構成する繊維を前述の沈降時間の測定方法で時間T1(s)を測定し、時間T1(s)が200秒以上の繊維であれば疎水性の繊維であると判断する。または、前述のイオン交換水との接触角の測定によって、接触角が80°以上であれば疎水性であると判断する。
被覆シート4を形成する不織布としては、例えば、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、メルトブローン不織布、レジンボンド不織布、又はこれらの不織布を複合化した不織布が挙げられる。
被覆シート4の構成繊維としては、例えば、本来的に疎水性を有する繊維、親水性の繊維に疎水化処理が施された繊維が挙げられる。
本来的に疎水性を有する繊維としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂等の合成樹脂が挙げられる。
親水性の繊維に疎水化処理が施された繊維において、それに適した親水性の繊維としては、例えば、パルプ繊維、アセテートやレーヨンの繊維が挙げられる。疎水化処理剤としては、例えば、シリコン系油剤、フッ素系油剤、ワックス系油剤が挙げられる。
被覆シート4と吸収性コア3とは、吸収性コア3の上面または下面において、その一部またはほぼ全面が、接着剤(図示せず)によって接合されている。
表面シート1と被覆シート4とは、その境界面の一部又はほぼ全面において、接着剤(図示せず)によって接合されている。
前記接着剤としては、吸収性物品の構成部材間を接合するために通常用いられるものを特に制限なく用いることができる。例えば、ホットメルト粘着剤を用いることができる。ホットメルト粘着剤は、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−エチレン共重合体またはオレフィン系共重合体等からなるベースポリマーを含むことが好ましい。
裏面シートとしては、吸収性物品において通常用いられている材料を特に制限なく用いることができる。例えば、熱可塑性樹脂のフィルムや、該フィルムと不織布とのラミネートを用いることができる。水蒸気透過性を有していてもよい。
本実施形態においては、図2(a)に示すように、表面シート1に体液Wが付着すると、図2(b)に示すように、表面シート1における非耐久親水化処理に用いられた親水化油剤が体液Wと共に、吸収体2の被覆シート4に移行する。被覆シート4は、疎水性の不織布から形成されているが、表面シート1から移行した親水化油剤により部分的に親水化処理が施され、親水性となる。そのため、表面シート1から移行した体液Wは、吸収体2の吸収性コア3に移行し、保持される。本実施形態においては、このような吸液メカニズムにより、実使用上十分な吸収性能を確保することができる。
本実施形態によれば、表面シート1の少なくとも1層に非耐久親水化処理が施されており、吸収体2の吸収性コア3が、疎水性の不織布からなる被覆シート4で被覆されて構成されているため、表面シート1に必ずしも耐久親水化処理を施す必要はなく、被覆シート4には親水化処理を施す必要がない。そのため、被覆シート4に対する親水化処理コストを低減することができる。
また、表面シート1及び被覆シート4は、親水性が喪失しやすいか又は親水性を有していないため、繊維の表面とホットメルト系接着剤との界面に水分が浸入しにくく、表面シート1と被覆シート4との間や被覆シート4と吸収性コア3との間の接合に用いるホットメルト系接着剤として、遅延結晶型のものを用いる必要がなく、通常のものを用いることができる。そのため。ホットメルト系接着剤の選択自由度が高くなっている。
以上、本発明の吸収性物品の一実施形態について説明したが、本発明の吸収性物品は、前述した実施形態に制限されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜変更が可能である。
本発明の吸収性物品は、使い捨ておむつに制限されず、生理用ナプキン、失禁パッド等にも適用することができる。それらの具体的構成としては種々の構成を採用することができる。
吸収体において、吸収性コアを被覆シートで被覆する形態は、少なくとも吸収性コアの上面側が被覆されていれば、制限はない。例えば、吸収性コアの下面側の幅方向中央部が被覆されていない形態とすることができる。吸収性コアを2枚の不織布を用いて被覆してもよい。
以下、具体的な実施例により、本発明の吸収性物品における吸収性能について更に詳細に説明する。尚、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
・表面シート
表面シートとして、2層構造の不織布からなるものを用いた。上層は、オクチルアルコール1フォスフェート塩で非耐久親水化処理を施したポリエチレンテレフタレート(芯)/ポリエチレン(鞘)からなる繊度2.0dtexの芯鞘型複合繊維(繊維A)を、カード法によりシート状に形成し、坪量を10gsmとしたものである。下層は、ポリグリセリン脂肪酸エステルで耐久親水化処理を施したポリプロピレン(芯)/ポリエチレン(鞘)からなる繊度5.6dtexの芯鞘型複合繊維(繊維B)70重量%とソルビタン脂肪酸エステルで非耐久親水化処理を施したポリエチレンテレフタレート(芯)/ポリエチレン(鞘)からなる繊度5.6dtexの芯鞘型複合繊維(繊維C)30重量%を、カード法によりシート状に形成し、坪量を10gsmとしたものである。上層と下層とは、熱風によって構成繊維の交点を熱接着させる事により接合されている。
・吸収体
吸収性コアとして、パルプを坪量187gsm、高吸収性ポリマーを坪量187gsm含有しているものを用いた。
・被覆シート
被覆シートとして、ポリプロピレン繊維を用いたメルトブローン不織布の両面を、ポリプロピレン繊維を用いたスパンボンド不織布にて挟み、熱エンボス処理によって複合化した、親水化処理をしていない坪量13gsmの不織布を用いた。
〔実施例2〕
下層における繊維Bと繊維Cの混合比(重量比)が、繊維B:繊維C=50%:50%となっている以外は、実施例1と同様の構成を有している。
〔実施例3〕
下層が繊維Bのみから構成されている以外は、実施例1と同様の構成を有している。
〔評価方法〕
長さ210mmの吸収性コアを被覆シートで被覆して表面シートを載せ、長さ210mmに切断したサンプルを作製し、角度を30°にした斜面台に長手方向の一端を下にしてサンプルを貼り付けた。吸収性コアの下端から150mmの位置における幅方向のほぼ中央に、生理食塩水30gをロートにて注入し、5分の間隔を置いてこれを繰り返した。そして、それぞれの注入時において、注入点から液が吸収体上を流れる距離を測定した。この液流れ距離が短いほど、吸収性能がよい事を示す。
各実施例の評価結果を下記〔表1〕に示す。
尚、「1平均」、「2平均」、「3平均」とは、それぞれ実施例1−1〜1−3、実施例2−1〜2−3、実施例3−1〜3−3の平均値を示す。
Figure 0004519030
〔評価結果〕
〔表1〕に示す結果から明らかなように、吸収性コアを疎水性の不織布で被覆した吸収体であっても、少なくとも1層に液透過により親水性が低下しやすい非耐久親水化処理が施されている表面シートを用いる事により、吸収性能を発揮する事ができ、さらに上層が非耐久親水化処理が施されており、下層が耐久親水化処理の施された構成繊維と非耐久親水化処理の施された構成繊維との混合層からなる表面シートを用いるとさらに吸収性能を向上させ得る事がわかった。
図1は、本発明の吸収性物品の一実施形態の幅方向縦断面図である。 図2は、図1の部分拡大図で、(a)は吸液前の状態を示す模式図、(b)は吸液後の状態を示す模式図である。
符号の説明
1 表面シート
2 吸収体
3 吸収性コア
4 被覆シート

Claims (4)

  1. 液透過性の表面シートと、該表面シートの下面側に配置された液保持性の吸収体とを備え、
    前記表面シートは、単層又は複数層の親水化処理の施されたシートからなり、その少なくとも1層に液透過により親水性が低下しやすい非耐久親水化処理が施されており、
    前記吸収体は、液保持性の吸収性コアが、液透過性で疎水性の不織布からなる被覆シートで被覆されて構成されており、
    前記被覆シートは、ポリプロピレン繊維を用いたメルトブローン不織布の両面を、ポリプロピレン繊維を用いたスパンボンド不織布にて挟み、熱エンボス処理によって複合化した、親水化処理をしていない不織布であり、
    前記表面シートに体液が付着すると、該表面シートにおける前記非耐久親水化処理に用いられた親水化油剤が該体液と共に、前記被覆シートに移行し、該被覆シートは、該表面シートから移行した該親水化油剤により部分的に親水化処理が施され、親水性となるようになされている吸収性物品。
  2. 前記表面シートは、2層の前記シートからなり、その上層に液透過により親水性が低下しやすい親水化処理が施されており、その下層が液透過により親水性が低下し難い親水化処理の施された構成繊維と液透過により親水性が低下しやすい親水化処理の施された構成繊維との混合層からなる請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記表面シートの前記下層における、液透過により親水性が低下し難い親水化処理の施された構成繊維と液透過により親水性が低下しやすい親水化処理の施された構成繊維との混合比は、70:30〜10:90である請求項2記載の吸収性物品。
  4. 前記表面シートと前記被覆シートとの間及び該被覆シートと前記吸収性コアとの間がホットメルト系接着剤で接合されている請求項1〜3の何れかに記載の吸収性物品。
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