JP3442101B2 - ラノリン様合成油剤及びこれを配合してなる化粧品、外用剤 - Google Patents
ラノリン様合成油剤及びこれを配合してなる化粧品、外用剤Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ラノリンの代替になり
得る新規な合成エステル系油剤に関し、またこれを配合
してなる化粧品、トイレタリー製品、医薬品又は医薬部
外品の外用剤等に係わる。
得る新規な合成エステル系油剤に関し、またこれを配合
してなる化粧品、トイレタリー製品、医薬品又は医薬部
外品の外用剤等に係わる。
【0002】
【従来の技術】ラノリンは付着性、湿潤性及び乳化性等
の物性に優れており、この特性を生かして種々の化粧
品、トイレタリー製品に配合され、また軟膏類等の基剤
として利用されているが、一方では動物由来の油脂に特
徴的な色及び臭いの問題や、複雑な含有物質及び品質の
不安定さからくるマイナス面がよく指摘されているとこ
ろである。また近年使用されているラノリンは、さまざ
まな精製プロセスを経ているため精製度の高い製品とな
っているが、本質的な欠点は依然として残っている。そ
のほか、最近の世界的な動物愛護や自然保護の風潮か
ら、間接的にラノリンの使用を抑制する傾向がある。
の物性に優れており、この特性を生かして種々の化粧
品、トイレタリー製品に配合され、また軟膏類等の基剤
として利用されているが、一方では動物由来の油脂に特
徴的な色及び臭いの問題や、複雑な含有物質及び品質の
不安定さからくるマイナス面がよく指摘されているとこ
ろである。また近年使用されているラノリンは、さまざ
まな精製プロセスを経ているため精製度の高い製品とな
っているが、本質的な欠点は依然として残っている。そ
のほか、最近の世界的な動物愛護や自然保護の風潮か
ら、間接的にラノリンの使用を抑制する傾向がある。
【0003】このような背景のもとで、ラノリンに類似
するあるいは代用できる物質を開発する研究は、これま
でにも種々行われてきた。例えば特公昭61−7168
号、特公昭61−7403号公報には、ラノリンおよび
ワセリンの特性を有する物質として、グリセリン、ジグ
リセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリッ
ト、ソルビット等の多価アルコールと炭素数8〜22の
一塩基酸および炭素数12〜20の二塩基酸とのエステ
ル化生成物が提案されている。また特開昭58−198
565号公報では、羊毛蝋の代用物質としてペンタエリ
トリット−ジ−椰子脂肪酸エステルおよびクエン酸−ジ
−オクタデシルエステルの等モル混合エステル、油酸−
モノ−ジグリセリド、パルミチン酸及び/又はステアリ
ン酸−モノ−ジグリセリドおよび酸化エチレン付加植物
性ステリンの混合物が提案されている。
するあるいは代用できる物質を開発する研究は、これま
でにも種々行われてきた。例えば特公昭61−7168
号、特公昭61−7403号公報には、ラノリンおよび
ワセリンの特性を有する物質として、グリセリン、ジグ
リセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリッ
ト、ソルビット等の多価アルコールと炭素数8〜22の
一塩基酸および炭素数12〜20の二塩基酸とのエステ
ル化生成物が提案されている。また特開昭58−198
565号公報では、羊毛蝋の代用物質としてペンタエリ
トリット−ジ−椰子脂肪酸エステルおよびクエン酸−ジ
−オクタデシルエステルの等モル混合エステル、油酸−
モノ−ジグリセリド、パルミチン酸及び/又はステアリ
ン酸−モノ−ジグリセリドおよび酸化エチレン付加植物
性ステリンの混合物が提案されている。
【0004】しかしながら、これまでに提案されたラノ
リン類似あるいは代替物は、いずれもラノリンそのもの
に比べて感触が重い、展延性、粘着性に欠ける等のきら
いがあったり、また保存中に成分の分離を生じたりする
欠点があった。このことは、ラノリンが天産品であり、
短鎖から長鎖にわたる直鎖及び側鎖状かつ飽和および不
飽和カルボン酸、ヒドロキシ酸、ジカルボン酸等とコレ
ステリン、ラノステリン等とのエステルをはじめ、天然
系油脂類に特有の微量成分を含有する極めて複雑な組成
であるため、これに類似する代替物を簡単には化学的に
合成できるものではないことを示すものであり、逆にい
えばラノリンの特性を生かし欠点を払拭した類似油剤の
開発、及びそれを含有する安定性等に優れた化粧品、ト
イレタリー製品、医薬品あるいは医薬部外品としての外
用剤等の開発が依然として課題となっていた。
リン類似あるいは代替物は、いずれもラノリンそのもの
に比べて感触が重い、展延性、粘着性に欠ける等のきら
いがあったり、また保存中に成分の分離を生じたりする
欠点があった。このことは、ラノリンが天産品であり、
短鎖から長鎖にわたる直鎖及び側鎖状かつ飽和および不
飽和カルボン酸、ヒドロキシ酸、ジカルボン酸等とコレ
ステリン、ラノステリン等とのエステルをはじめ、天然
系油脂類に特有の微量成分を含有する極めて複雑な組成
であるため、これに類似する代替物を簡単には化学的に
合成できるものではないことを示すものであり、逆にい
えばラノリンの特性を生かし欠点を払拭した類似油剤の
開発、及びそれを含有する安定性等に優れた化粧品、ト
イレタリー製品、医薬品あるいは医薬部外品としての外
用剤等の開発が依然として課題となっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはかかる現
状をふまえ、ラノリンおよび従来のラノリン類似物を詳
細に比較評価し、ラノリンに代替しうる機能を有する合
成エステル系油剤を開発し、さらにこれを利用する製品
を提供すべく鋭意検討の結果、本発明を完成するに至っ
た。すなわち本発明は、ラノリンに比べて色、臭い及び
安定性に優れ、粘着性、展延性、つや及び感触等の物性
がラノリンに類似した合成油剤、及びそれを配合してな
る化粧品、トイレタリー製品、医薬品もしくは医薬部外
品としての外用剤等を提供することを目的とする。
状をふまえ、ラノリンおよび従来のラノリン類似物を詳
細に比較評価し、ラノリンに代替しうる機能を有する合
成エステル系油剤を開発し、さらにこれを利用する製品
を提供すべく鋭意検討の結果、本発明を完成するに至っ
た。すなわち本発明は、ラノリンに比べて色、臭い及び
安定性に優れ、粘着性、展延性、つや及び感触等の物性
がラノリンに類似した合成油剤、及びそれを配合してな
る化粧品、トイレタリー製品、医薬品もしくは医薬部外
品としての外用剤等を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の合成油剤は炭素
数6〜14の分枝脂肪酸、炭素数15〜22の直鎖脂肪
酸及び炭素数4〜10の二塩基酸からなる脂肪酸と多価
アルコールとのエステル化物において、さらに各成分が
一定の比率(配合比)を満たす生成物のみが、上記のよ
うな欠点を持たず、しかもラノリンに極めて類似した性
状・物性を示すという知見に基づくものである。詳しく
は、本発明の合成油剤はグリセリンと炭素数6〜14の
分枝脂肪酸、炭素数15〜22の直鎖脂肪酸および炭素
数4〜10の二塩基酸とをエステル化してなる油剤であ
って、かつ次の(ア)〜(ウ)の条件を同時に満たすラ
ノリン様合成油剤である。 (ア)炭素数15〜22の直鎖脂肪酸に対する炭素数6
〜14の分枝脂肪酸のモル比が1.7〜2.3。 (イ)グリセリン1モルに対して炭素数4〜10の二塩
基酸が0.7〜0.8モル。 (ウ)グリセリンの水酸基数を3個とするとき、残存す
る水酸基数が0.4〜0.6個。
数6〜14の分枝脂肪酸、炭素数15〜22の直鎖脂肪
酸及び炭素数4〜10の二塩基酸からなる脂肪酸と多価
アルコールとのエステル化物において、さらに各成分が
一定の比率(配合比)を満たす生成物のみが、上記のよ
うな欠点を持たず、しかもラノリンに極めて類似した性
状・物性を示すという知見に基づくものである。詳しく
は、本発明の合成油剤はグリセリンと炭素数6〜14の
分枝脂肪酸、炭素数15〜22の直鎖脂肪酸および炭素
数4〜10の二塩基酸とをエステル化してなる油剤であ
って、かつ次の(ア)〜(ウ)の条件を同時に満たすラ
ノリン様合成油剤である。 (ア)炭素数15〜22の直鎖脂肪酸に対する炭素数6
〜14の分枝脂肪酸のモル比が1.7〜2.3。 (イ)グリセリン1モルに対して炭素数4〜10の二塩
基酸が0.7〜0.8モル。 (ウ)グリセリンの水酸基数を3個とするとき、残存す
る水酸基数が0.4〜0.6個。
【0007】本発明の合成油剤の原料として使用する分
枝脂肪酸は、好ましくは炭素数6〜14、より好ましく
は8〜12の飽和脂肪酸であり、2−エチルヘキサン
酸、イソノナン酸、イソデカン酸、ネオトリデカン酸等
が例示できる。直鎖脂肪酸としては、好ましくは炭素数
15〜22、より好ましくは18〜20の脂肪酸であ
り、例えばパルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オ
レイン酸、エルシン酸等があげられる。さらに二塩基酸
としては、好ましくは炭素数4〜10、より好ましくは
6〜10の、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、
セバシン酸等がふさわしい。なお、本発明に係わる合成
油剤の原料はこれらの例示に何ら限定されることなく、
また同一の脂肪酸種の中で、単独もしくは2種以上の脂
肪酸を組み合わせて使用してもさしつかえない。
枝脂肪酸は、好ましくは炭素数6〜14、より好ましく
は8〜12の飽和脂肪酸であり、2−エチルヘキサン
酸、イソノナン酸、イソデカン酸、ネオトリデカン酸等
が例示できる。直鎖脂肪酸としては、好ましくは炭素数
15〜22、より好ましくは18〜20の脂肪酸であ
り、例えばパルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オ
レイン酸、エルシン酸等があげられる。さらに二塩基酸
としては、好ましくは炭素数4〜10、より好ましくは
6〜10の、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、
セバシン酸等がふさわしい。なお、本発明に係わる合成
油剤の原料はこれらの例示に何ら限定されることなく、
また同一の脂肪酸種の中で、単独もしくは2種以上の脂
肪酸を組み合わせて使用してもさしつかえない。
【0008】エステル化反応は、無触媒又は触媒存在下
で、常圧もしくは減圧下において常法に従って行われ
る。エステル化反応終了後、必要に応じて常法に従い反
応混合物を脱色剤により脱色、さらに脱臭して精製を行
い、本発明に係わるエステル化生成物を得る。通常、こ
れらのエステル化物は精製後の酸価が1以下乃至1前後
であり、精製度が高く、原料配合比に極めて近い組成と
なる。また、ラノリン様の粘稠性のあるペーストであ
り、手に延ばしたときの粘着感、つや、延び、さらに感
触などはラノリンに極めて類似している。かかる特性
は、前記の炭素数6〜14の分枝脂肪酸、炭素数15〜
22の直鎖脂肪酸及び炭素数4〜10の二塩基酸とグリ
セリンとを組み合わせ、かつ前述の条件をすべて満たす
ときにのみ得られる。
で、常圧もしくは減圧下において常法に従って行われ
る。エステル化反応終了後、必要に応じて常法に従い反
応混合物を脱色剤により脱色、さらに脱臭して精製を行
い、本発明に係わるエステル化生成物を得る。通常、こ
れらのエステル化物は精製後の酸価が1以下乃至1前後
であり、精製度が高く、原料配合比に極めて近い組成と
なる。また、ラノリン様の粘稠性のあるペーストであ
り、手に延ばしたときの粘着感、つや、延び、さらに感
触などはラノリンに極めて類似している。かかる特性
は、前記の炭素数6〜14の分枝脂肪酸、炭素数15〜
22の直鎖脂肪酸及び炭素数4〜10の二塩基酸とグリ
セリンとを組み合わせ、かつ前述の条件をすべて満たす
ときにのみ得られる。
【0009】本発明においては、エステル化物の原料と
して使用する脂肪酸及び二塩基酸の種類と配合割合が特
に重要であり、ここに本発明の特徴がある。この点につ
いてさらに詳細に説明する。本発明に係わる合成油剤を
完成するにあたり、種々の原料の組合せ及び配合比を検
討した結果の一部を表1に示す。
して使用する脂肪酸及び二塩基酸の種類と配合割合が特
に重要であり、ここに本発明の特徴がある。この点につ
いてさらに詳細に説明する。本発明に係わる合成油剤を
完成するにあたり、種々の原料の組合せ及び配合比を検
討した結果の一部を表1に示す。
【0010】
【表1】
【0011】表1において、試料L−1は粘着感、延
び、感触などがラノリンに比べて全体的に軽く、L−2
ではラノリン特有の飴状の粘着感がほとんどなくなって
しまう。また、L−3のように炭素数15〜22の直鎖
脂肪酸が炭素数6〜14の分枝脂肪酸と同モル程度にな
ってしまうとワックス様の固い感触になってしまう。一
方、L−4は手に延ばしたときの粘着感、つや、延びが
ラノリンにたいへん似ており、感触も極めて類似してい
る。そして、L−4に限らずL−5およびL−6におい
ても同様な傾向が認められた。なお、炭素数6〜14の
分枝脂肪酸をイソステアリン酸に代えたM−1について
は、粘着感、延び、感触などの特徴が弱くなってしま
う。これらの結果から、ラノリンに極めて類似する感触
及び物性を有するエステル系油剤の必須条件としては、
グリセリンと炭素数6〜14の分枝脂肪酸、炭素数15
〜22の直鎖脂肪酸及び炭素数4〜10の二塩基酸との
エステル化物であって、かつ(ア)炭素数15〜22の
直鎖脂肪酸に対する炭素数6〜14の分枝脂肪酸のモル
比が1.7〜2.3、(イ)グリセリン1モルに対して
炭素数4〜10の二塩基酸が0.7〜0.8モル、
(ウ)グリセリンの水酸基数を3個とするときエステル
化物の残存平均水酸基数が0.4〜0.6個という条件
をすべて満たすことが重要であった。かかる条件を満足
するときにのみ、本発明の目的とするラノリン様合成油
剤が得られる。
び、感触などがラノリンに比べて全体的に軽く、L−2
ではラノリン特有の飴状の粘着感がほとんどなくなって
しまう。また、L−3のように炭素数15〜22の直鎖
脂肪酸が炭素数6〜14の分枝脂肪酸と同モル程度にな
ってしまうとワックス様の固い感触になってしまう。一
方、L−4は手に延ばしたときの粘着感、つや、延びが
ラノリンにたいへん似ており、感触も極めて類似してい
る。そして、L−4に限らずL−5およびL−6におい
ても同様な傾向が認められた。なお、炭素数6〜14の
分枝脂肪酸をイソステアリン酸に代えたM−1について
は、粘着感、延び、感触などの特徴が弱くなってしま
う。これらの結果から、ラノリンに極めて類似する感触
及び物性を有するエステル系油剤の必須条件としては、
グリセリンと炭素数6〜14の分枝脂肪酸、炭素数15
〜22の直鎖脂肪酸及び炭素数4〜10の二塩基酸との
エステル化物であって、かつ(ア)炭素数15〜22の
直鎖脂肪酸に対する炭素数6〜14の分枝脂肪酸のモル
比が1.7〜2.3、(イ)グリセリン1モルに対して
炭素数4〜10の二塩基酸が0.7〜0.8モル、
(ウ)グリセリンの水酸基数を3個とするときエステル
化物の残存平均水酸基数が0.4〜0.6個という条件
をすべて満たすことが重要であった。かかる条件を満足
するときにのみ、本発明の目的とするラノリン様合成油
剤が得られる。
【0012】かくして得られる本発明の合成油剤は、ラ
ノリンが使用されている化粧品、トイレタリー製品、軟
膏等の医薬品、医薬部外品等の種々の製品において、ラ
ノリン及びその類似物の一部もしくは全量を置き換えて
利用することができ、前述の特定の条件の範囲内で適宜
に原料組成を選択することができるので、かかる合成油
剤を使用する際の条件や状況に合わせて前記油剤及びこ
れを配合した前記各種製品の感触及び性状を調節するこ
とができるという利点を有する。本発明の合成油剤を配
合できる化粧品としては、ラノリン又はこれと類似の機
能を有する油剤成分を使用した公知の化粧品を対象とす
ることができ、特に限定されるものではないが、例えば
各種クリーム、乳液、化粧水、口紅、ファンデーション
等があげられる。トイレタリー製品についても同様に制
限はないが、シャンプー、ヘアートリートメント、入浴
剤等が例示できる。また外用剤としては、軟膏、硬膏、
パップ剤、坐剤等の医薬品、養毛・育毛剤、歯磨き等の
医薬部外品がある。本発明の合成油剤は、これらの製品
に通常0.1〜50重量%程度、好ましくは1〜30重
量%配合できる。この範囲を外れると、所望の物性に対
して配合の効果が認められず、また油性感が強すぎ、製
品によっては硬さを維持できなくなる。
ノリンが使用されている化粧品、トイレタリー製品、軟
膏等の医薬品、医薬部外品等の種々の製品において、ラ
ノリン及びその類似物の一部もしくは全量を置き換えて
利用することができ、前述の特定の条件の範囲内で適宜
に原料組成を選択することができるので、かかる合成油
剤を使用する際の条件や状況に合わせて前記油剤及びこ
れを配合した前記各種製品の感触及び性状を調節するこ
とができるという利点を有する。本発明の合成油剤を配
合できる化粧品としては、ラノリン又はこれと類似の機
能を有する油剤成分を使用した公知の化粧品を対象とす
ることができ、特に限定されるものではないが、例えば
各種クリーム、乳液、化粧水、口紅、ファンデーション
等があげられる。トイレタリー製品についても同様に制
限はないが、シャンプー、ヘアートリートメント、入浴
剤等が例示できる。また外用剤としては、軟膏、硬膏、
パップ剤、坐剤等の医薬品、養毛・育毛剤、歯磨き等の
医薬部外品がある。本発明の合成油剤は、これらの製品
に通常0.1〜50重量%程度、好ましくは1〜30重
量%配合できる。この範囲を外れると、所望の物性に対
して配合の効果が認められず、また油性感が強すぎ、製
品によっては硬さを維持できなくなる。
【0013】かかる製品は、本発明に係わる合成油剤と
他の公知の成分とを用いて常法により調製することがで
きる。すなわち本発明の油剤、オリーブ油、豚脂、カカ
オ脂、ミリスチン酸イソプロピル、シリコーン、ミツロ
ウ、ワセリン、流動パラフィン、ワックス、高級脂肪
酸、高級アルコール等の油性成分、各種の乳化剤、分散
剤、可溶化剤等の界面活性剤、香料、色素、増粘剤をは
じめとする粘度調整剤、1価乃至多価アルコール類、保
湿剤、pH調整剤、防腐剤等の水性成分、カオリン、タ
ルク、滑石等の粉末剤成分、ビタミン剤、ホルモン剤、
抗生物質、抗菌剤、消炎・鎮痛剤、止痒剤等の薬剤成
分、薬剤吸収促進剤、精製水等を適宜に組み合わせ、加
温もしくは非加熱状態で、混合、混練、分散、乳化、溶
解させ、液状、ペースト状、ゲル状、半固形状乃至固形
状となす。これをそのままあるいはガーゼ、リント、紙
片等とともに皮膚、頭髪、体毛に直接もしくは間接に塗
布、塗擦又は貼付等して使用する。
他の公知の成分とを用いて常法により調製することがで
きる。すなわち本発明の油剤、オリーブ油、豚脂、カカ
オ脂、ミリスチン酸イソプロピル、シリコーン、ミツロ
ウ、ワセリン、流動パラフィン、ワックス、高級脂肪
酸、高級アルコール等の油性成分、各種の乳化剤、分散
剤、可溶化剤等の界面活性剤、香料、色素、増粘剤をは
じめとする粘度調整剤、1価乃至多価アルコール類、保
湿剤、pH調整剤、防腐剤等の水性成分、カオリン、タ
ルク、滑石等の粉末剤成分、ビタミン剤、ホルモン剤、
抗生物質、抗菌剤、消炎・鎮痛剤、止痒剤等の薬剤成
分、薬剤吸収促進剤、精製水等を適宜に組み合わせ、加
温もしくは非加熱状態で、混合、混練、分散、乳化、溶
解させ、液状、ペースト状、ゲル状、半固形状乃至固形
状となす。これをそのままあるいはガーゼ、リント、紙
片等とともに皮膚、頭髪、体毛に直接もしくは間接に塗
布、塗擦又は貼付等して使用する。
【0014】
合成例1
1リットル四ツ口フラスコにグリセリン(花王(株)
製)92.1g(1モル)、イソノナン酸(日産化学
(株)製)101g(0.7モル)、ベヘン酸(新日本
理化(株)製)102g(0.3モル)およびセバシン
酸(小倉合成(株)製)142g(0.7モル)を仕込
み、触媒としてp−トルエンスルホン酸を対仕込量0.
05重量%添加し、窒素ガス雰囲気中で攪拌しながら、
120〜200℃で15時間、常法によりエステル化反
応を行わせた。次いで、エステル化反応物を常法により
活性白土を用いて脱色し、さらに減圧下で脱臭処理し
た。得られたエステル化物(試料記号:L−4)は、酸
価:0.6、ケン化価:318、水酸基価:78であっ
た。
製)92.1g(1モル)、イソノナン酸(日産化学
(株)製)101g(0.7モル)、ベヘン酸(新日本
理化(株)製)102g(0.3モル)およびセバシン
酸(小倉合成(株)製)142g(0.7モル)を仕込
み、触媒としてp−トルエンスルホン酸を対仕込量0.
05重量%添加し、窒素ガス雰囲気中で攪拌しながら、
120〜200℃で15時間、常法によりエステル化反
応を行わせた。次いで、エステル化反応物を常法により
活性白土を用いて脱色し、さらに減圧下で脱臭処理し
た。得られたエステル化物(試料記号:L−4)は、酸
価:0.6、ケン化価:318、水酸基価:78であっ
た。
【0015】合成例2〜7
表1に記載の原料および配合比で、合成例1と同様の方
法により、エステル化物(L−5、L−6、L−1、L
−2、L−3およびM−1)を得た。各エステル化物の
酸価はいずれも1以下であり、ケン化価および水酸基価
は各々の原料仕込量から求めた計算値とほぼ同じであっ
た。
法により、エステル化物(L−5、L−6、L−1、L
−2、L−3およびM−1)を得た。各エステル化物の
酸価はいずれも1以下であり、ケン化価および水酸基価
は各々の原料仕込量から求めた計算値とほぼ同じであっ
た。
【0016】実施例1
合成例1、2及び7で得た本発明のエステル化物(L−
4、L−5及びL−6)とラノリンの熱安定性試験を行
った。その結果を表2に示す。今回使用した市販の精製
ラノリンでは、実験開始時点ですでにラノリン特有の不
快臭が微妙に感じられ8時間後においては完全に悪臭と
感じられた。一方で、本発明のエステル、L−4、L−
5及びL−6では実験開始時点においては無臭であり、
15時間後においてもわずかな劣化臭しか感じられなか
った。
4、L−5及びL−6)とラノリンの熱安定性試験を行
った。その結果を表2に示す。今回使用した市販の精製
ラノリンでは、実験開始時点ですでにラノリン特有の不
快臭が微妙に感じられ8時間後においては完全に悪臭と
感じられた。一方で、本発明のエステル、L−4、L−
5及びL−6では実験開始時点においては無臭であり、
15時間後においてもわずかな劣化臭しか感じられなか
った。
【0017】
【表2】
(注)80℃の恒温槽に静置して臭いの有無およびその
程度を調べた(ラノリンは市販されている精製ラノリン
を使用した)。
程度を調べた(ラノリンは市販されている精製ラノリン
を使用した)。
【0018】実施例2
本発明のエステル化物(L−4、L−5及びL−6)、
比較のためのエステル化物(合成例3〜6で得られたL
−1、L−2、L−3及びM−1、さらに特公昭51−
27447号、特開昭52−66637号、特公昭61
−7168号、特公昭61−7403号及び特公昭53
−45373号各公報で公知のエステル化生成物の各代
表例を合成例1と同様の方法でエステル化したもの)の
各々の物性(粘着性、展延性、つや)を、15名のパネ
ルで官能評価した(表3)。その結果、本発明のエステ
ル化物がラノリン様油剤として優れていることが確認さ
れた。
比較のためのエステル化物(合成例3〜6で得られたL
−1、L−2、L−3及びM−1、さらに特公昭51−
27447号、特開昭52−66637号、特公昭61
−7168号、特公昭61−7403号及び特公昭53
−45373号各公報で公知のエステル化生成物の各代
表例を合成例1と同様の方法でエステル化したもの)の
各々の物性(粘着性、展延性、つや)を、15名のパネ
ルで官能評価した(表3)。その結果、本発明のエステ
ル化物がラノリン様油剤として優れていることが確認さ
れた。
【0019】
【表3】
*粘着性、伸び、つやおよび総合評価の各項目につき、
5点評価法により評価した結果の平均値を表した。5
点:ラノリンに極めて近い、4点:かなり近い、3点:
少し異なる、2点:かなり異なる、1点:全くちがう、
とした。 注(1)グリセリン(1.0モル)、ステアリン酸
(2.4モル)、セバシン酸(0.3モル)のエステル
化物 (2)グリセリン(1.0モル)、ステアリン酸(0.
6モル)、イソステアリン酸(0.6モル)、アジピン
酸(0.7モル)のエステル化物 (3)ジグリセリン(1.0モル)、ステアリン酸
(0.3モル)、イソオクチル酸(0.3モル)、エイ
コサン二酸(1.0モル)のエステル化物 (4)グリセリン(1.0モル)、イソステアリン酸
(1.0モル)、エイコサン二酸(0.7モル)のエス
テル化物 (5)ステアリン酸モノグリセリド(1.0モル)、イ
ソオクチル酸(1.0モル)、セバシン酸(0.5モ
ル)のエステル化物
5点評価法により評価した結果の平均値を表した。5
点:ラノリンに極めて近い、4点:かなり近い、3点:
少し異なる、2点:かなり異なる、1点:全くちがう、
とした。 注(1)グリセリン(1.0モル)、ステアリン酸
(2.4モル)、セバシン酸(0.3モル)のエステル
化物 (2)グリセリン(1.0モル)、ステアリン酸(0.
6モル)、イソステアリン酸(0.6モル)、アジピン
酸(0.7モル)のエステル化物 (3)ジグリセリン(1.0モル)、ステアリン酸
(0.3モル)、イソオクチル酸(0.3モル)、エイ
コサン二酸(1.0モル)のエステル化物 (4)グリセリン(1.0モル)、イソステアリン酸
(1.0モル)、エイコサン二酸(0.7モル)のエス
テル化物 (5)ステアリン酸モノグリセリド(1.0モル)、イ
ソオクチル酸(1.0モル)、セバシン酸(0.5モ
ル)のエステル化物
【0020】実施例3
本発明のエステル化物(L−4)又はラノリンを配合し
たクリームを常法により調製し、それらの使用感及び仕
上がりの感触について、15名のパネルで比較評価し
た。ラノリン配合のクリームをクリームAとし、本発明
のエステル化物(L−4)配合のクリームをクリームB
とした。クリームの処方を表4に、また評価結果を表5
に示した。なお、表5はクリームAに対するクリームB
の評価である。結果は15名のほとんどが本発明に係わ
るエステル化物含有のクリームBをラノリン含有のクリ
ームAと同等であると評価した。
たクリームを常法により調製し、それらの使用感及び仕
上がりの感触について、15名のパネルで比較評価し
た。ラノリン配合のクリームをクリームAとし、本発明
のエステル化物(L−4)配合のクリームをクリームB
とした。クリームの処方を表4に、また評価結果を表5
に示した。なお、表5はクリームAに対するクリームB
の評価である。結果は15名のほとんどが本発明に係わ
るエステル化物含有のクリームBをラノリン含有のクリ
ームAと同等であると評価した。
【0021】
【表4】
【0022】
【表5】
(注)15名のパネルで、クリームA(ラノリン配合)
に対するクリームB(本発明品の配合)の評価を示し
た。
に対するクリームB(本発明品の配合)の評価を示し
た。
【0023】実施例4
本発明のエステル化物(L−5)又はラノリンを配合し
た口紅を常法により調製し、実施例3と同様にそれらの
使用感、仕上がりの感触およびつやを比較評価した。ラ
ノリン配合の口紅を口紅Aとし、本発明のエステル化物
(L−5)配合の口紅を口紅Bとした。口紅の処方を表
6に、また評価結果を表7に示した。なお、表7は口紅
Aに対する口紅Bの評価である。口紅においてもクリー
ムのときと同様に、本発明に係わるエステル化物含有の
口紅Bはラノリン含有の口紅Aと同等であるという評価
であった。
た口紅を常法により調製し、実施例3と同様にそれらの
使用感、仕上がりの感触およびつやを比較評価した。ラ
ノリン配合の口紅を口紅Aとし、本発明のエステル化物
(L−5)配合の口紅を口紅Bとした。口紅の処方を表
6に、また評価結果を表7に示した。なお、表7は口紅
Aに対する口紅Bの評価である。口紅においてもクリー
ムのときと同様に、本発明に係わるエステル化物含有の
口紅Bはラノリン含有の口紅Aと同等であるという評価
であった。
【0024】
【表6】
【0025】
【表7】
(注)15名のパネルで、口紅A(ラノリン配合)に対
する口紅B(本発明品配合)の評価を示した。
する口紅B(本発明品配合)の評価を示した。
【0026】実施例5
本発明のエステル化物(L−4)又はラノリンを配合し
た軟膏剤を常法により調製し、それらの使用感及び仕上
がりの感触について、実施例3と同様に比較評価した。
ラノリン配合の軟膏剤を軟膏剤Aとし、本発明のエステ
ル化物(L−4)配合の軟膏剤を軟膏剤Bとした。軟膏
剤の処方を表8に、また評価結果を表9に示した。な
お、表9は軟膏剤Aに対する軟膏剤Bの評価である。結
果は15名のほとんどが本発明に係わるエステル化物含
有の軟膏剤Bをラノリン含有の軟膏剤Aと同等であると
評価した。
た軟膏剤を常法により調製し、それらの使用感及び仕上
がりの感触について、実施例3と同様に比較評価した。
ラノリン配合の軟膏剤を軟膏剤Aとし、本発明のエステ
ル化物(L−4)配合の軟膏剤を軟膏剤Bとした。軟膏
剤の処方を表8に、また評価結果を表9に示した。な
お、表9は軟膏剤Aに対する軟膏剤Bの評価である。結
果は15名のほとんどが本発明に係わるエステル化物含
有の軟膏剤Bをラノリン含有の軟膏剤Aと同等であると
評価した。
【0027】
【表8】
【0028】
【表9】
(注)15名のパネルで、軟膏剤A(ラノリン配合)に
対する軟膏剤B(本発明品配合)の評価を示した。
対する軟膏剤B(本発明品配合)の評価を示した。
【0029】実施例6
本発明のエステル化物(L−6)又はラノリンを配合し
たパップ剤を常法により調製し、それらの使用感及び仕
上がりの感触について実施例3と同様に比較評価した。
ラノリン配合のパップ剤をパップ剤Aとし、本発明のエ
ステル化物(L−6)配合のパップ剤をパップ剤Bとし
た。パップ剤の処方を表10に、また評価結果を表11
に示した。なお表11パップ剤Aに対するパップ剤Bの
評価である。結果は15名のほとんどが本発明に係わる
エステル化物含有のパップ剤Bをラノリン含有のパップ
剤Aと同等であると評価した。
たパップ剤を常法により調製し、それらの使用感及び仕
上がりの感触について実施例3と同様に比較評価した。
ラノリン配合のパップ剤をパップ剤Aとし、本発明のエ
ステル化物(L−6)配合のパップ剤をパップ剤Bとし
た。パップ剤の処方を表10に、また評価結果を表11
に示した。なお表11パップ剤Aに対するパップ剤Bの
評価である。結果は15名のほとんどが本発明に係わる
エステル化物含有のパップ剤Bをラノリン含有のパップ
剤Aと同等であると評価した。
【0030】
【表10】
【0031】
【表11】
(注)15名のパネルで、パップ剤A(ラノリン配合)
に対するパップ剤B(本発明品配合)の評価を示した。
に対するパップ剤B(本発明品配合)の評価を示した。
【0032】本発明のエステル化物は、実施例3及び4
から、化粧品において代表的なクリーム及び口紅での比
較試験の結果において、また実施例5及び6から、外用
剤において代表的な軟膏剤及びパップ剤での比較試験の
結果においてもラノリンと同様な性状、物性を持ってい
るということが明らかになった。
から、化粧品において代表的なクリーム及び口紅での比
較試験の結果において、また実施例5及び6から、外用
剤において代表的な軟膏剤及びパップ剤での比較試験の
結果においてもラノリンと同様な性状、物性を持ってい
るということが明らかになった。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、グリセリンと炭素数6
〜14の分枝脂肪酸、炭素数15〜22の直鎖脂肪酸お
よび炭素数4〜10の二塩基酸とを特定条件下でエステ
ル化して、ラノリンに比べて色、臭いおよび安定性に優
れ、粘着性、伸び、つやおよび感触等においてもラノリ
ンに極めて類似したエステル化物を得ることができる。
これは化粧品、トイレタリー製品、外用剤等のラノリン
を使用する製品において、ラノリン代替油剤として好適
に配合され、ラノリンに起因する欠点を改良し、特長を
発揮し得る。
〜14の分枝脂肪酸、炭素数15〜22の直鎖脂肪酸お
よび炭素数4〜10の二塩基酸とを特定条件下でエステ
ル化して、ラノリンに比べて色、臭いおよび安定性に優
れ、粘着性、伸び、つやおよび感触等においてもラノリ
ンに極めて類似したエステル化物を得ることができる。
これは化粧品、トイレタリー製品、外用剤等のラノリン
を使用する製品において、ラノリン代替油剤として好適
に配合され、ラノリンに起因する欠点を改良し、特長を
発揮し得る。
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 昭57−102999(JP,A)
特開 昭52−66637(JP,A)
特公 昭61−7403(JP,B2)
米国特許出願公開2002/155962(U
S,A1)
ラノリンの安全性と、動物由来物代替
原料について,FRAGRANCE J
OURNAL,2001年,第29巻,第11
号,第72〜75頁
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C11C 3/02
C11B 11/00
C07C 69/30
A61K 7/00
A61K 9/06
JICSTファイル(JOIS)
CAPLUS(STN)
Claims (4)
- 【請求項1】 グリセリンと炭素数6〜14の分枝脂肪
酸、炭素数15〜22の直鎖脂肪酸及び炭素数4〜10
の二塩基酸とをエステル化してなる油剤であって、以下
の条件(ア)〜(ウ)を同時に満たすラノリン様合成油
剤。 (ア)炭素数15〜22の直鎖脂肪酸に対する炭素数6
〜14の分枝脂肪酸のモル比が1.7〜2.3。 (イ)グリセリン1モルに対して炭素数4〜10の二塩
基酸が0.7〜0.8モル。 (ウ)グリセリンの水酸基数を3個とするとき、残存す
る水酸基数が0.4〜0.6個。 - 【請求項2】 炭素数6〜14の分枝脂肪酸がイソオク
チル酸又はイソノナン酸であり、炭素数15〜22の直
鎖脂肪酸がステアリン酸又はベヘン酸であり、炭素数4
〜10の二塩基酸がアジピン酸又はセバシン酸である請
求項1に記載の油剤。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の油剤を配合して
なる化粧品又はトイレタリー製品。 - 【請求項4】 請求項1又は2に記載の油剤を配合して
なる外用剤。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13902193A JP3442101B2 (ja) | 1992-07-27 | 1993-05-17 | ラノリン様合成油剤及びこれを配合してなる化粧品、外用剤 |
US08/095,199 US5436006A (en) | 1992-07-27 | 1993-07-23 | Synthetic oil and cosmetics and external preparations containing the same |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4-219759 | 1992-07-27 | ||
JP21975992 | 1992-07-27 | ||
JP13902193A JP3442101B2 (ja) | 1992-07-27 | 1993-05-17 | ラノリン様合成油剤及びこれを配合してなる化粧品、外用剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0693288A JPH0693288A (ja) | 1994-04-05 |
JP3442101B2 true JP3442101B2 (ja) | 2003-09-02 |
Family
ID=26471929
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13902193A Expired - Lifetime JP3442101B2 (ja) | 1992-07-27 | 1993-05-17 | ラノリン様合成油剤及びこれを配合してなる化粧品、外用剤 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5436006A (ja) |
JP (1) | JP3442101B2 (ja) |
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JP3592812B2 (ja) * | 1995-10-06 | 2004-11-24 | 日清オイリオグループ株式会社 | 油中水型ゲル状乳化組成物およびこれを用いてなる乳化化粧料または外用剤 |
US5935561A (en) * | 1996-03-27 | 1999-08-10 | Procter & Gamble Company | Conditioning shampoo compositions containing select hair conditioning agents |
JP3604247B2 (ja) * | 1996-12-18 | 2004-12-22 | 株式会社ノエビア | 油中水型乳化化粧料 |
JP3618030B2 (ja) * | 1996-12-18 | 2005-02-09 | 株式会社ノエビア | 油中水型乳化組成物 |
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US6126951A (en) * | 1998-07-14 | 2000-10-03 | Bernel Chemical Company, Inc. | Emollient esters based upon capryl alcohol and isostearic acid |
FR2810562B1 (fr) * | 2000-06-23 | 2003-04-18 | Oreal | Emulsion solide a phase grasse liquide structuree par un polymere |
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US20020168335A1 (en) * | 2000-12-12 | 2002-11-14 | Nathalie Collin | Cosmetic composition comprising a wax and a polymer |
US20030082126A9 (en) * | 2000-12-12 | 2003-05-01 | Pinzon Carlos O. | Cosmetic compositions containing heteropolymers and oil-soluble cationic surfactants and methods of using same |
US7276547B2 (en) | 2000-12-12 | 2007-10-02 | L'oreal S.A. | Compositions comprising heteropolymers and at least one oil-soluble polymers chosen from alkyl celluloses and alkylated guar gums |
US6835399B2 (en) | 2000-12-12 | 2004-12-28 | L'ORéAL S.A. | Cosmetic composition comprising a polymer blend |
CN100415202C (zh) | 2000-12-12 | 2008-09-03 | 莱雅公司 | 包含聚合物混合物的化妆品组合物 |
FR2826659B1 (fr) * | 2001-07-02 | 2005-11-11 | Aldivia | Substitut de lanoline, son procede d'obtention et ses applications |
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-
1993
- 1993-05-17 JP JP13902193A patent/JP3442101B2/ja not_active Expired - Lifetime
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