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JP3592812B2 - 油中水型ゲル状乳化組成物およびこれを用いてなる乳化化粧料または外用剤 - Google Patents

油中水型ゲル状乳化組成物およびこれを用いてなる乳化化粧料または外用剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は化粧料や外用軟膏の基剤などとして有用な油中水型乳化組成物に関する。更に詳しくは、該乳化組成物の外相成分として、従来配合が困難であったエステル系油分を基剤として用いてなる油中水型のゲル状乳化組成物であり、またこの油中水型ゲル状乳化組成物を利用してなる乳化安定性および使用感触に優れ、かつ安全性においても懸念のない油中水型の乳化化粧料ならびに外用剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
クリームをはじめとするスキンケア化粧料の目的は皮膚に水分と油分を補って衰えた肌の調子を整えることにあり、その最も重要な機能は、皮膚に潤いと柔軟性を与えるための水分の保持機能と水分蒸散の抑制機能である。
油分および水分を基本成分とする化粧料は、一般に、油連続相中に水相の液滴が分散した油中水型エマルジョンと、水連続相の中に油相の液滴が分散した水中油型エマルジョンとに分けられ、油中水型エマルジョンの方が水中油型エマルジョンに比較して皮膚の保護や柔軟性の維持などの多くの点で優れていることが知られている。
【0003】
しかしながら、油中水型エマルジョンを利用した製品ではその乳化状態を長期間維持することが比較的困難である。この乳化安定性を向上させるため、従来より行われている方法として、連続相である油相にワックス類を多量に配合して該エマルジョンの粘稠性を高めることがあるが、これでもなお種々の温度変化に対して配合したワックス類の軟化や融解などの現象を生じ、乳化安定性は十分に改良し得なかった。
そのため使用感触の点においても、べたつき易い、油っぽい、のびが重いなどという問題が生じ、結果的には油中水型エマルジョンはごく限られた用途、例えば耐水性に優れるという利点を生かしてハンドクリームやファンデーションなどの剤形への応用が多かった。
【0004】
こうした問題を解決すべく、さらに様々な検討がなされており、例えばアミノ酸を使用したゲル乳化法(特公昭53−21393号公報)が提案されているが、該方法に適用できる油剤は流動パラフィン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックスなどの炭化水素系の油に限定され、エステルなどの極性油(以下、単にエステル油ということがある)を使用すると相分離などを生じ乳化安定性に難点があり、不適当である。
したがって、一般的にエステル油は炭化水素系の油に比べて皮脂との混和性に優れ、皮膚上で上すべりせず、なじみが良い、てかりにくいなどの利点があり、また通気性に優れ、油膜による皮膚閉塞性に対する調節的役割も果たすため、油剤を使用する化粧料には常用されているが、前記乳化方法の実質的な応用用途の広がりには限界がある。
【0005】
さらに近年、4級アンモニウム塩型有機カチオン性物質等で疎水化・油膨潤化した粘土鉱物を用いて乳化する方法(特公平2−32015号公報)が開発されているが、本発明者らが追試を行ったところ、この方法においても同様に、油剤が炭化水素油の場合に比べて、エステルなどの極性油を使用するとその配合割合を増加していくにつれて乳化状態の安定性が悪くなる傾向があり、油剤中約20重量%以上のエステル系極性油を使用すると相分離が生じてしまう。また、乳化安定性を保持するために内水相の量を多く配合しなければならないという処方上の制約もある。またカチオン系界面活性剤を乳化剤とする場合、皮膚や粘膜に対する刺激などの安全性への懸念も存在する。
【0006】
このほかに、油中水型乳化剤として、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加型のシリコーン系界面活性剤も使用されるようになってきたが、使用感触におけるシリコーン特有の官能がスキンケア化粧料としては嗜好的に嫌われる傾向があり、また乳化安定性を維持するために、油剤としてシリコーン油を併用しなければならず、これも用途が限定される。また、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイド付加型の界面活性剤は、高い皮膚浸透性を有することから、近年、安全性に対する懸念もある。
【0007】
ところで近年、紫外線照射による皮膚への影響の懸念が増大しており、サンスクリーン用化粧料の需要が高まっている。その剤型は最も一般的かつ代表的な油中水型乳化化粧料であり、これらにはSPF(Sun Protection Factor )値を上げるために必ずといってよいほど、紫外線吸収油剤が配合されており、例えばパラメトキシ桂皮酸エステルやジメチルパラアミノ安息香酸エステルなどのエステル油が汎用されている。ところが、これらの紫外線を吸収する機能のある官能基をもつエステル油は特に極性が高いため、これを乳化しその安定性を維持することが難しく、それにもかかわらず油中水型乳化組成物を調製するためには前記の方法やその組み合わせで対応するしかなく、かかるエステル油の配合量の制限を余儀なくされることはしばしばであった。
【0008】
なお、グリセリンと、中鎖または長鎖脂肪酸と、中鎖二塩基酸とをエステル化してなる油性物質のある種のものは、粘着性が良く、水中油型の被乳化油剤として用いられ、その乳化安定性に寄与することから、口紅あるいは水中油型クリームに配合されることが知られているが、従来の使用用途はそのような所謂単なる油剤としての特性を利用するものに過ぎなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況に鑑み、上記の諸問題を改善し、エステルなどの極性油を配合しても乳化安定性に優れ、使用感触においても良好であり、かつ安全性においても懸念がなく、汎用性のある油中水型ゲル状乳化組成物、さらにはこれを利用した油中水型の乳化化粧料ならびに外用剤を提供することを目的とした。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するため鋭意検討したところ、特定構造のオリゴエステル化生成物がある条件の下で極めて優れた油中水型乳化特性を示すことを見い出し、該条件で得られる油中水型のゲル状乳化組成物が安定な乳化状態を維持し、使用感触にも優れ、油中水型化粧料および外用剤にとって極めて有用であることを見い出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0011】
すなわち本発明の要旨の第1は、下記の乳化基剤(A)、油相基剤(B)および水相基剤(C)から構成され、前記各基剤のうち(A):(B)が重量比で3:1〜1:50、かつ〔(A)+(B)〕:(C)が重量比で5:1〜1:10の配合割合からなる油中水型ゲル状乳化組成物にある。
【0012】
乳化基剤(A):グリセリン、炭素数が6〜22である脂肪酸、および炭素数が4〜10である中鎖二塩基酸の反応モル比率をそれぞれX、YおよびZとするとき、X−Z=1であり、かつ次の条件(a)および(b)を同時に満足するようにエステル化反応せしめてなるオリゴエステル化生成物。
条件(a):0.5≦Z/X≦0.95
条件(b):0.1≦Y/(X+2)≦0.9
油相基剤(B):遊離水酸基をもたないエステルを必須成分として含み、誘電率が2.5以上の油性成分。
水相基剤(C):水溶性の有機酸および/またはその塩、あるいは無機塩を0.1〜10重量%含み、pH3〜9である水溶液。
【0013】
本発明の要旨の第2は、前記乳化基剤(A)、油相基剤(B)および水相基剤(C)から構成され、これら各基剤のうち(A):(B)が重量比で3:1〜1:50、かつ〔(A)+(B)〕:(C)が重量比で5:1〜1:10の配合割合からなる油中水型ゲル状乳化組成物を油性成分に混合せしめてなる油中水型乳化化粧料または外用剤にある。
【0014】
また本発明の要旨の第3は、前記の乳化基剤(A)、油相基剤(B)および水相基剤(C)から構成され、これら各基剤のうち(A):(B)が重量比で3:1〜1:50、かつ〔(A)+(B)〕:(C)が重量比で5:1〜1:10の配合割合からなる油中水型ゲル状乳化組成物を油性成分に混合せしめた後、さらに水性成分を添加し乳化せしめてなる油中水型乳化化粧料または外用剤にある。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の油中水型ゲル状乳化組成物は、以下の内容で示される乳化基剤(A)、油相基剤(B)および水相基剤(C)を用い、これらの各基剤のうち(A):(B)が重量比で3:1〜1:50、かつ〔(A)+(B)〕:(C)が重量比で5:1〜1:10の各配合割合となるように油中水型のゲル状に乳化せしめることにより調製される。ここに乳化基剤(A)はグリセリン、炭素数が6〜22である脂肪酸、および炭素数が4〜10である中鎖二塩基酸の反応モル比率をそれぞれX、YおよびZとするとき、X−Z=1であり、かつ条件(a):0.5≦Z/X≦0.95および条件(b):0.1≦Y/(X+2)≦0.9を同時に満たすようにエステル化反応せしめてなるオリゴエステル化生成物であり、油相基剤(B)は遊離水酸基をもたないエステルを必須成分として含み、誘電率が2.5以上の油性成分であり、水相基剤(C)は水溶性の有機酸および/またはその塩、あるいは無機塩を0.1〜10重量%含み、pH3〜9の水溶液である。
【0016】
本発明の油中水型ゲル状乳化組成物を構成する要素である乳化基剤(A)は、グリセリンと、炭素数6〜22の脂肪酸と、炭素数4〜10の中鎖二塩基酸とを特定反応比率でエステル化して得られるオリゴエステル化生成物であるが、ここにおいて使用できる脂肪酸は、通常の化粧料や外用剤の原料となる脂肪酸であればよく、例えばカプリル酸、カプロン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、べヘン酸、オレイン酸、パルミトオレイン酸、イソオクチル酸(2−エチルヘキサン酸など)、イソノナン酸(3,5,5−トリメチルヘキサン酸など)、イソパルミチン酸、イソステアリン酸(2−ヘプチルウンデカン酸、エメリー社製の多メチル分枝タイプなど)などが挙げられる。炭素数が6未満の脂肪酸は皮膚刺激性や加水分解安定性の点で不適当である。また炭素数が23以上になるとエステル化反応が容易に進行しなくなり、本発明に係る所望のオリゴエステル化生成物を得にくくなるため不適当である。
【0017】
油中水型ゲル状乳化組成物の長期安定性をより一層向上させるには、脂肪酸として特にパルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸などの炭素数16〜22の直鎖状長鎖飽和脂肪酸の1種または2種以上を用いることが望ましい。また使用感触上の皮膚へのなじみを考慮すると、前記脂肪酸にさらにイソオクチル酸、イソノナン酸などの中鎖分枝脂肪酸の1種または2種以上を適宜加えた混合脂肪酸として用いるのが良い。
【0018】
中鎖二塩基酸としては、例えばコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などが挙げられる。一般には入手し易いアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸を用いるとよい。炭素数11以上の二塩基酸を使用した場合は、オリゴエステル化生成物が油中水型の乳化特性を示さなくなる傾向が大きくなり、これに水相基剤を加えてもゲル状の乳化組成物とならず、すぐに水相の分離が起きる。炭素数が14以上になるとこの傾向は顕著となる。一方、炭素数3以下の二塩基酸を使用した場合、エステル化反応により重合化生成物を生じ、高粘度となってしまい、また得られる生成物の物性も安定しなくなるため、本発明の原料としては不適当である。
【0019】
なお本発明に係る乳化基剤(A)を調製するためには、前記のグリセリン、脂肪酸および中鎖二塩基酸の反応モル比率をそれぞれX、YおよびZで表したとき、X−Z=1であり、0.5≦Z/X≦0.95、好ましくは0.6≦Z/X≦0.9であり、かつ0.1≦Y/(X+2)≦0.9、好ましくは0.2≦Y/(X+2)≦0.8であることを同時に満たすようにエステル化反応せしめることが重要である。Z/X<0.5の場合、生成するエステル化生成物はある程度の乳化特性を示すものの乳化組成物の安定性が悪く、水相の分離が起きやすくなる。逆に0.95<Z/Xの場合、エステル化反応による生成物は重合度が高くなりすぎて高粘度となってしまい、本発明の乳化基剤(A)として不適当である。またY/(X+2)<0.1の場合は、このエステル化生成物と他の公知の油剤との親和性が悪くなり、乳化組成物において油相の分離が起きやすく、一方0.9<Y/(X+2)の場合は、油中水型の乳化特性を示さなくなり、水相を加えてもゲル状の乳化組成物とならず、容易に水相の分離が起きるようになる。
【0020】
なお本発明に係る乳化基剤(A)であるオリゴエステル化生成物のエステル化反応は、前記のグリセリン、脂肪酸および中鎖二塩基酸を原料とし、無触媒または触媒存在下、常圧もしくは減圧下において常法(100〜250℃で1〜20時間反応)に従って行われる。エステル化反応終了後、必要に応じて例えば反応物を脱色剤により脱色、さらに減圧により脱臭して精製を行い、本発明に係わる液状ないしペースト状のオリゴエステル化生成物を得ることができる。
【0021】
本発明の油中水型ゲル状乳化組成物を構成する要素である油相基剤(B)は、遊離水酸基をもたないエステルを必須成分として含み、その誘電率が2.5以上、より好ましくは2.8〜8.0の油性成分からなり、さらに好ましくは誘電率が2.8〜7.5のものである。これに該当する適当なエステルは、従来より化粧料や外用剤の油剤や油性成分として使用されている合成エステルおよび天然油脂類から選択でき、例えば、合成エステルとしてはミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソパルミチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソオクチル酸セチル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸イソオクチル、オレイン酸オレイル、ステアリン酸ステアリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコールエステル、ジイソオクチル酸ネオペンチルグリコールエステル、アジピン酸ジヘプチルウンデシル、トリイソオクチル酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリカプリル酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリル、トリステアリン酸グリセリル、テトライソステアリン酸ジグリセリル、テトライソオクチル酸ペンタエリスリトールエステル、ヘキサイソステアリン酸ジペンタエリスリトールエステル、パラメトキシ桂皮酸イソオクチル、ジメチルアミノ安息香酸イソオクチル、ジパラメトキシ桂皮酸モノイソオクチル酸グリセリルなどがある。
【0022】
また、天然油脂類としてはユーカリ油、大豆油、ゴマ油、米胚芽油、サフラワー油、パーム油、オリーブ油、ホホバ油、マカデミアンナッツ油、アボガド油、月見草油などの植物性油脂、タートル油、ミンク油、オレンジラフィー油などの動物性油脂、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ミツロウなどのワックス類、大豆硬化油や菜種硬化油などの硬化油(水素添加油)、エステル交換油脂、分別油脂などの加工油脂類がある。
【0023】
なおヒマシ油のように分子中に水酸基を有するエステルは、本発明において乳化状態を不安定にする方向に作用するため、適当でない。しかし本発明の趣旨(乳化安定性など)を損なわない程度に配合することはさしつかえない。また、本発明の油中水型ゲル状乳化組成物の油相基剤(B)には前記エステルとともに炭化水素油やシリコーン油を併用してもよい。ただしこの場合には油相基剤の誘電率が2.5〜8.0、好ましくは2.8〜8.0、さらに好ましくは2.8〜7.5となるようにエステルとエステル以外の前記油性成分との配合割合を調節することが重要である。油相基剤(B)中のエステルの含有量としては一律に規定しがたいが、概ね20〜100重量%である。
【0024】
本発明の油中水型ゲル状乳化組成物を構成する要素である水相基剤(C)は、水溶性の有機酸および/またはその塩、あるいは無機塩を0.1〜10重量%含み、pHが3〜9の水溶液である。有機酸としては、例えばクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、シュウ酸、ピロリドンカルボン酸、アスコルビン酸、グリチルリチン酸などがあり、有機酸塩としては前記有機酸のモノ、ジおよびトリタイプのカリウム塩、ナトリウム塩などを例示でき、また無機塩としては、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸カリウム、硫酸亜鉛などがある。これらは単独であるいは任意の割合の混合物として使用でき、水相基剤(C)中0.1重量%〜10重量%含有させることが必要であり、好ましくは0.2重量%以上である。
【0025】
水相基剤(C)中にこのような有機酸および/または塩類を添加しない場合、乳化基剤(A)のオリゴエステル化生成物が遊離の水酸基を有しており、水との混和性が良いため、乳化基剤(A)、油相基剤(B)および水相基剤(C)を混合すると白濁状の乳化組成物を形成するが、ゲル性状は弱い。これを顕微鏡で観察すると、前記有機酸および/または塩類を0.1重量%以上加えたものでは連続する油相中に数ミクロンないしはサブミクロン程度の水相の液滴が均一に分散した状態として観察されるのに対し、水相が液滴となって分散している部分と水相が液滴とはならずに連続的に存在する部分とが混在した状態として観察される。すなわち良好な油中水型の乳化組成物を形成せず、該乳化組成物を調製してから2〜3日後には水相の分離が起きる。また有機酸および/または塩類の添加量が0.1%未満の場合、同様の傾向を示し、無添加の場合に比べて経時的な乳化安定性はやや良いが、やがて水相の分離を生じる。0.1重量%以上とりわけ0.2重量%以上の添加により、このような問題が解消される。
【0026】
また、水相基剤(C)のpHは3〜9である必要があり、好ましくは4〜8.5である。pHが3未満の場合および9より高い場合は乳化した際に生成する乳化粒子が粗く、乳化安定性が悪い。なおこのpH調整は、製品としての品質を考慮すると、緩衝溶液にしておくことが望ましい。
【0027】
本発明においては、水相基剤(C)中にさらに多価アルコール例えばプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、3−メチル−1,3−ブチレングリコール、ヘキシレングリコールなどのグリコール類、グリセリン、ソルビトール、ジグリセリン、エリトリトール、またグルコース、ガラクトース、フルクトース、キシロース、アラビノース、マルトースなどの糖類を含めた多価アルコールを配合することができる。かかる多価アルコールの配合量は水相基剤(C)に対して1〜80重量%、好ましくは2〜60重量%である。このようにして本発明の油中水型ゲル状乳化組成物の保水機能を向上させることが可能となる。
【0028】
本発明の油中水型ゲル状乳化組成物において、乳化基剤(A)と油相基剤(B)との重量比は3:1〜1:50であり、好ましくは2:1〜1:30である。油相基剤(B)の量が3:1より少ない場合は乳化基剤(A)と油相基剤(B)との混合油相中に分散し得る水相の量が少なくなるため、実質的には汎用性がほとんどない。また、油相基剤(B)の量が1:50より多い場合は、乳化粒子が粗くなり、乳化安定性が悪くなる。
【0029】
さらに本発明の油中水型ゲル状乳化組成物において、乳化基剤(A)および油相基剤(B)の合計と水相基剤(C)との重量比は5:1〜1:10であり、好ましくは3:1〜1:8である。水相基剤(C)の量が5:1より少ない場合は、乳化安定性の点では特に問題はないが、乳化基剤(A)を極力有効に使用するすなわち少量の乳化基剤(A)で安定な乳化組成物を得る意味では、必ずしも適当でない。また、水相基剤(C)の量が1:10より多い場合は水相の全量を油相中に完全に分散することができず、分散しきれない水相が下層に分離してしまう。
【0030】
本発明の油中水型ゲル状乳化組成物は、前記の乳化基剤(A)、油相基剤(B)および水相基剤(C)を前記特定配合割合で常法により混合して調製することができる。すなわち常温または加温(約80℃まで)の下、乳化基剤(A)と油相基剤(B)とを混合して油相とし、これにホモディスパーあるいはホモミキサーなどの適当な攪拌機を用いて攪拌しながら、水相基剤(C)を添加して油中水型に乳化せしめることによって得られる。
【0031】
次に本発明の油中水型乳化化粧料および外用剤について説明する。本発明の油中水型乳化化粧料および外用剤は、前記の油中水型ゲル状乳化組成物と、一般の化粧料または外用剤で用いられる公知成分とを混合することにより調製する。すなわち、例えば本発明の油中水型ゲル状乳化組成物を前記のエステル系油、炭化水素系油、シリコーン系油などの油性成分に均一に混合して油中水型の乳化製品としたり、あるいはこれにさらに水性成分を加えて乳化処理することにより、油中水型の製品として使用する。かかる製品としてはクリーム、乳液、口紅、リップスティック、アイクリーム、ファンデーション、整髪料、軟膏などを対象とする。
【0032】
またスキンケア化粧料として本発明の組成物の機能をより一層発揮するために、例えば水相基剤(C)または水相部に前記のような多価アルコール類を配合せしめるのがよい。従来、このような多価アルコール類とエステルとを共存させた系においてはその安定性に対する懸念が大きかったが、本発明はこれにも十分に対応できる。本発明で得られる油中多価アルコール水溶液型のゲル状乳化組成物は、水相中にプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、3−メチル−1,3−ブチレングリコール、ヘキシレングリコールなどのグリコール、3−メチル−1,3−ブチレングリコール、ヘキシレングリコールなどのグリコール類やグリセリン、ソルビトール、ジグリセリン、エリトリトール、フルクトース、グルコースなどの多価アルコール類を配合せしめることができ、保水効果が著しく向上し、保湿化粧料として甚だ有用なものとなすことができる。
【0033】
【実施例】
合成例A〜H、比較合成例a〜h
本発明において乳化基剤(A)となるオリゴエステル化生成物および比較のためのエステル化生成物を以下の方法により合成した。すなわち、攪拌器、温度計、窒素ガス吹き込み管および水分離器を備えた2リットルの4ツ口フラスコに表1に示す所定モル比の各原料を仕込み、全仕込み量に対してキシレン5重量%、触媒として塩化錫0.3重量%を加え、160〜240℃にて計算量の水が水分離器にたまり、反応物の酸価および水酸基価の低下が殆どなくなるまでエステル化反応を行わせた。反応終了後、水酸化ナトリウムを用いる脱酸処理、活性炭および/または活性白土を用いる脱色処理、および減圧脱臭処理を施して液状ないしはペースト状のオリゴエステル化生成物を得た(合成例A〜H)。
【0034】
前記エステル化反応で使用したグリセリン、脂肪酸および二塩基酸の各仕込みのモル比をX,Y,Zで表し、そのときのZ/X,Y/(X+2)の値を表1に示した。また比較のため、表2に示す所定モル比の各原料を仕込み、同条件で処理しエステル化生成物を得た(比較合成例a〜h)。
【0035】
【表1】
Figure 0003592812
注 1)チッソ化学(株)製、2−エチルヘキサン酸
2)日産化学(株)製、3,5,5−トリメチルヘキサン酸
3)エメリー社製、多メチル分枝型イソステアリン酸
【0036】
【表2】
Figure 0003592812
注 1)および3):表1の注1)、3)と同じ。
【0037】
実施例1〜8、比較例1〜5
(油中水型ゲル状乳化組成物の調製)
合成例A〜Hおよび比較合成例a〜hの一部でそれぞれ試作したエステル化生成物を用い、以下のように油中水型乳化組成物を作成し、各々の保存安定性を調べた。
トリイソオクチル酸グリセリル(日清製油(株)製、TIO)70gに合成例A〜H、比較合成例a〜c、gおよびhで得たエステル化生成物のいずれか30gを加え、60℃で混合溶解し、油溶液を調製した。ついでこれを40℃にて、ホモディスパー(特殊機化工業(株)製、TK−16型。以下同じ)(回転数:3000rpm )を用いて攪拌しながら、クエン酸0.9重量%およびクエン酸三ナトリウム0.1重量%を含有する水溶液(1)300mlまたは(2)100mlを加え、油中水型乳化組成物を調製した。なお比較合成例dおよびfではエステル化反応途中で高粘度の生成物を生じ、以降反応が進行しなかったため、また比較合成例eではエステル化反応途中から反応物の酸価が低下しなくなり、以降反応が進行しなかったため、いずれも前記乳化組成物の調製および評価を行わなかった。
【0038】
前記乳化組成物の安定性の評価は、40℃で1日および1ヵ月保存後の外観、粘度(ゲル性状として)、平均乳化粒径を指標として以下の基準によった。
外観の評価:○−相分離がみられない △−油相が分離 ▲−水相が分離
×−油相水相とも分離
粘度の測定:1万cps 未満のとき、BL型粘度計、ローターNo. 3、30rpm 、25℃
1万cps 以上のとき、BH型粘度計、ローターNo. 6、 4 rpm、25℃
平均粒径:光学顕微鏡で観察し、無作為に30個の分散液滴を選定し、乳化液滴の平均粒径を求めた。
【0039】
この結果を表3および表4に示す。なお評価結果は、1日後の評価 → 1ヵ月後の評価の形で表示した。また相分離を生じ、測定が不可能または不要となったものは−印を付けた(以下の表においても同様に表示)。これらの結果から、本発明の乳化基剤(A)となるオリゴエステル化生成物を用いると油中水型のゲル状乳化組成物を製造するうえで優位性があることが認められた。
【0040】
【表3】
Figure 0003592812
注 (1):クエン酸およびクエン酸三ナトリウムを含有する水溶液300ml使用。
(2):クエン酸およびクエン酸三ナトリウムを含有する水溶液100ml使用。
【0041】
【表4】
Figure 0003592812
【0042】
比較例6〜8
本発明のオリゴエステル化生成物の代わりに一般に油中水型の乳化剤として用いられているモノオレイン酸グリセリル(理研ビタミン(株)製、ポエムOL−200)、モノオレイン酸ソルビタンエステル(花王(株)製、レオドールスーパーSP−O10)またはポリエーテル変性シリコーン(東レダウコーニング社製、SH−3749)を使用し、実施例1と同様の実験を行った。この結果を表5に示すが、いずれの場合にも乳化安定性は低く、ゲル性状としての粘度および乳化粒子サイズが経時的に大きく変化することが認められた。
【0043】
【表5】
Figure 0003592812
【0044】
実施例9〜16、比較例9〜5
乳化基剤(A)として前記合成例A、C、DおよびGで得たオリゴエステル化生成物を用い、表6に示した油相基剤(B)および水相基剤(C)とともに、実施例1と同様の方法により油中水型のゲル状乳化組成物を調製した(実施例9〜16)。またこれらと比較のため、表7に示した配合組成で同様に乳化組成物を調製した(比較例9〜15)。これらの乳化組成物につき、実施例1と同様に評価した。この評価結果を表8および表9に示す(該表中の表示方法は表3と同じ)。これらの結果から、本発明により乳化安定性の良好な油中水型のゲル状乳化組成物が得られることが明らかになった。
【0045】
【表6】
Figure 0003592812
【0046】
【表7】
Figure 0003592812
【0047】
【表8】
Figure 0003592812
【0048】
【表9】
Figure 0003592812
【0049】
前記の油中水型乳化組成物を用いて各種化粧料を試作した。
実施例17〜20、比較例16〜19
(油中水型クリーム)
実施例9〜12および比較例9〜12で得た油中水型乳化組成物を用いて、油相:水相が重量比で約1:1の油中水型のクリームを試作し、それらの乳化安定性を評価した。
すなわち実施例9〜12および比較例9〜12において得られた油中水型乳化組成物のいずれか67gと、80℃に加熱して混合溶解したジカプリン酸ネオペンチルグリコールエステル10g、トリイソオクチル酸グリセリル(実施例1と同じ)10g、スクワラン10g、マイクロクリスタリンワックス2gおよびキャンデリラワックス1gの混合油相33gとを、攪拌下、均一に混合した後、30℃に冷却してクリームを得た。
クリームの安定性の評価はクリーム調製後、40℃で1日および6ヵ月保存した後の外観、平均粒径により、その基準は実施例1と同じとした。この結果を表10および表11に示す。(該表中の表示方法は表3と同じ)。
これらの結果から、本発明の油中水型のゲル状乳化組成物は乳化安定性に優れた油中水型クリームを与えることがわかった。
【0050】
【表10】
Figure 0003592812
【0051】
【表11】
Figure 0003592812
【0052】
実施例21、比較例20
(乳液)
実施例14および比較例11で得た油中水型乳化組成物を用いて、油相:水相が重量比で約6:4の油中水型の乳液を試作し、それらの乳化安定性を評価した。
すなわち実施例14および比較例11において得られた油中水型乳化組成物のいずれか80gと、80℃に加熱して混合溶解したパルミチン酸イソオクチル10g、アジピン酸ジヘプチルウンデシル7g、マイクロクリスタリンワックス1gおよびミツロウ2gの混合油相20gとを、攪拌下、均一に混合した後30℃に冷却し、乳液を得た。
乳液の安定性の評価はクリームの場合と同様にした。評価結果は表12および表13に示す(該表中の表示方法は表3と同じ)。これらの結果から、本発明の油中水型のゲル状乳化組成物は乳化安定性に優れた油中水型乳液を与えることがわかった。
【0053】
【表12】
Figure 0003592812
【0054】
【表13】
Figure 0003592812
【0055】
実施例22および23、比較例21
(口紅様乳化スティック)
さらに実施例13および15、比較例10で得た油中水型乳化組成物を用いて、水相の割合が約5重量%の口紅様乳化スティックを試作し、それらの安定性を評価した。
すなわち実施例13および15、比較例10において得られた油中水型乳化組成物を、表14に示した配合組成に基づき、85℃に加熱して混合溶解した所定の油性成分等の混合油相と攪拌下に均一に混合した後、鋳型に流し込み急冷し、スティック状の化粧料を得た。
この口紅様乳化スティックの安定性の評価は該スティックを調製した後、40℃で1日および6ヵ月保存後の外観、折れ強度によった。評価基準は次のとおりである。
外観の評価:○−変化なし △−発汗がある ×−発汗があり、やせる
折れ強度:以下の荷重試験を行った。すなわち調製したスティックの本体部分が傾斜角度45度で上方向に位置するように水平台に固定し、24時間、20℃に維持した後、スティックの先端部分にアダプターをあて垂直方向に荷重をかけ、スティックが折れたときの荷重値を測定した。5回測定し、最大および最小の荷重値を除く3回の平均荷重値を折れ強度とした。
評価結果を表14および表15に示す(該表中の表示方法は表3と同じ)。これらの結果から、本発明の油中水型のゲル状乳化組成物は安定な油中水型乳化スティックを与えることがわかった。
【0056】
【表14】
Figure 0003592812
Figure 0003592812
【0057】
【表15】
Figure 0003592812
【0058】
実施例24
(油中水型サンスクリーン化粧料)
(原料組成:単位は重量部)
1.合成例Aのオリゴエステル化生成物 20
2.パラメトキシ桂皮酸イソオクチル 60
3.ジメチルアミノ安息香酸イソオクチル 10
4.オキシベンゾン 10
5.メチルパラベン 0.4
6.クエン酸 0.4
7.クエン酸三ナトリウム 1.6
8.1.3−ブチレングリコール 40
9.精製水 357.6
10.イソオクチル酸セチル 50
11.トリイソステアリン酸トリメチロールプロパンエステル 50
12.ホホバ油 10
13.スクワラン 50
14.マイクロクリスタリンワックス 6
15.ミツロウ 4
16.シリコーン処理二酸化チタン 30
【0059】
(製法)
(1) 原料1〜5を70℃で加熱溶解する。
(2) 原料6〜9を70℃で加熱溶解する。
(3) 原料10〜16を70℃で加熱溶解する。
(4) (1)の混合物に(2)の混合物をホモディスパー(5000rpm )攪拌の下、徐々に分散する。
(5) (4)の混合物に(3)の混合物をホモディスパー(2000rpm )攪拌の下、混合する。
(6) 30℃まで冷却する。
【0060】
得られたクリーム状油中水型サンスクリーン化粧料は40℃にて6カ月間、室温にて6カ月間、および5℃にて6カ月間のいずれの条件下で保存しても安定な品質を維持していた。また、べたつくことなく、さっぱりした使用感であった。
【0061】
実施例25
(油中水型乳化ファンデーション)
(原料組成:単位は重量部)
1.精製水▲1▼ 20
2.乳酸ナトリウム 0.9
3.合成例Cのオリゴエステル化生成物 5
4.トリイソオクチル酸グリセリル 2
5.ジイソクチル酸ネオペンチルグリコールエステル 3
6.イソノナン酸イソノニル 2
7.メチルフェニルポリシロキサン 3
8.スクワラン 5
9.オクタメチルシクロテトラシロキサン 5
10.セリサイト 4.5
11.カオリン 4
12.二酸化チタン 10
13.ベンガラ 0.5
14.黄酸化鉄 1
15.精製水▲2▼ 20
16.1,3−ブチレングリコール 10
17.メチルパラベン 0.1
【0062】
(製法)
(1) 原料1〜2を60℃で加熱溶解する。
(2) 原料3〜7を60℃で加熱溶解する。
(3) 原料7〜8を60℃で加熱溶解する。
(4) 原料15〜18を60℃で加熱溶解し、これに原料10〜14をホモディスパー(3000rpm )攪拌の下、分散する。
(5) (1)の混合物に(2)の混合物をホモディスパー(4000rpm )攪拌の下、徐々に分散する。
(6) (5)の混合物に(3)の混合物をホモディスパー(2000rpm )攪拌の下、混合する。
(7) (6)の混合物に(4)の混合物をホモディスパー(3000rpm )攪拌の下、徐々に分散する。
(8) 30℃まで冷却する。
【0063】
得られた油中水型乳化ファンデーションは、40℃、室温および5℃において各6カ月間保存した結果、いずれも安定な品質を維持していた。また、べたつくことなく、さっぱりした使用感であった。
【0064】
実施例24
(油中水型乳化軟膏)
(原料組成:単位は重量部)
1.精製水 31.6
2.グリチルリチン酸ジカリウム 0.2
3.ソルビトール 5
4.1.3−ブチレングリコール 5
5.尿素 10
6.合成例Dのオリゴエステル化生成物 3
7.トリカプリル酸グリセリル 20
8.コーン油 20
9.パラフィンワックス 5
10.メチルパラベン 0.1
11.プロピルパラベン 0.1
【0065】
(製法)
(1) 原料1〜5を60℃で加熱溶解する。
(2) 原料6〜11を80℃で加熱溶解する。
(3) (1)の混合物に(2)の混合物をホモミキサー(5000rpm )攪拌の下、徐々に分散する。
(4) 30℃まで冷却する。
【0066】
得られた油中水型乳化軟膏は、40℃、室温および5℃において各6カ月間保存した結果、いずれも安定な品質を維持していた。また、水中油型の軟膏に比べて、水仕事後の肌荒れの改善効果が顕著であった。
【0067】
【発明の効果】
本発明によれば、エステルなどの極性油を配合した際にも乳化安定性に優れ、使用感触において良好であり、かつ安全性においても懸念がなく、汎用性のある油中水型のゲル状乳化組成物を提供することができ、および該乳化組成物を配合した前記同様の効果を奏する油中水型の乳化化粧料及び外用剤を提供できる。本発明はクリーム、乳液、口紅、リップスティック、アイクリーム、ファンデーション、整髪料、軟膏類などの化粧品、医薬部外品、医薬品に幅広く応用できる。

Claims (11)

  1. 以下に示す乳化基剤(A)、油相基剤(B)および水相基剤(C)から構成され、前記各基剤のうち(A):(B)が重量比で3:1〜1:50、かつ〔(A)+(B)〕:(C)が重量比で5:1〜1:10の配合割合からなる油中水型ゲル状乳化組成物。
    乳化基剤(A):グリセリン、炭素数が6〜22である脂肪酸、および炭素数が4〜10である中鎖二塩基酸の反応モル比率をそれぞれX、YおよびZとするとき、X−Z=1であり、かつ次の条件(a)および(b)を同時に満足するようにエステル化反応せしめてなるオリゴエステル化生成物。条件(a):0.5≦Z/X≦0.95、条件(b):0.1≦Y/(X+2)≦0.9。
    油相基剤(B):遊離水酸基をもたないエステルを必須成分として含み、誘電率が2.5以上の油性成分。
    水相基剤(C):水溶性の有機酸および/またはその塩、あるいは無機塩を0.1〜10重量%含み、pH3〜9である水溶液。
  2. 乳化基剤(A)において、脂肪酸がイソオクチル酸およびイソノナン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種以上と、パルミチン酸、ステアリン酸およびベヘン酸からなる群より選ばれる1種または2種以上とから構成される混合脂肪酸である請求項1に記載の油中水型ゲル状乳化組成物。
  3. 乳化基剤(A)において、中鎖二塩基酸がアジピン酸、アゼライン酸およびセバシン酸からなる群より選ばれる1種または2種以上である請求項1に記載の油中水型ゲル状乳化組成物。
  4. 油相基剤(B)の誘電率が2.8〜8.0である請求項1に記載の油中水型ゲル状乳化組成物。
  5. 油相基剤(B)における遊離水酸基をもたないエステル成分が20〜100重量%である請求項1に記載の油中水型ゲル状乳化組成物。
  6. 乳化基剤(A):油相基剤(B)の重量比が2:1〜1:30の配合割合からなる請求項1〜のいずれか1項に記載の油中水型ゲル状乳化組成物。
  7. 水相基剤(C)のpHが4〜8.5である請求項1に記載の油中水型ゲル状乳化組成物。
  8. 水相基剤(C)において、水溶性の有機酸および/またはその塩、あるいは無機塩の含有量が0.2重量%以上である請求項1に記載の油中水型ゲル状乳化組成物。
  9. 水相基剤(C)がさらに多価アルコールを含有してなる請求項1に記載の油中水型ゲル状乳化組成物。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載の油中水型ゲル状乳化組成物を油性成分に混合せしめてなる油中水型乳化化粧料または外用剤。
  11. 請求項1〜のいずれか1項に記載の油中水型ゲル状乳化組成物を油性成分に混合せしめた後、さらに水性成分を添加し乳化せしめてなる油中水型乳化化粧料または外用剤。
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