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JP7340990B2 - 表面材 - Google Patents

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JP7340990B2 JP2019150704A JP2019150704A JP7340990B2 JP 7340990 B2 JP7340990 B2 JP 7340990B2 JP 2019150704 A JP2019150704 A JP 2019150704A JP 2019150704 A JP2019150704 A JP 2019150704A JP 7340990 B2 JP7340990 B2 JP 7340990B2
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Description

本発明は、表面材に関する。
従来から自動車など車両用の内装材や外装材を調製できる表面材として、例えば、不織布あるいは織物や編物などの繊維集合体にバインダを付与した表面材が用いられている。そして、例えば金型などの加熱板や加熱ローラなどの加熱手段によって熱、あるいは、熱及び圧力を表面材へ作用させる熱成形工程へ供することで、表面材を所望の形状に成形して各種内装材や各種外装材を調製することが行われている。
このような表面材として、例えば、特開2016-156120号公報(特許文献1)には、繊維ウエブに繊維結合用バインダが付与された成形用不織布が開示されている。なお、特許文献1には、繊維結合用バインダとしてアクリル系樹脂を採用することで、成形性に優れた成形用不織布を提供できることが開示されている。
特開2016-156120号公報(特許請求の範囲、0028など)
本願出願人は上述のような従来技術を参考として、「繊維集合体とバインダ樹脂を備える表面材」について検討した。
しかし、このような構成を有する表面材を、一般的な熱成形手段よりも絞りが深い(以降、展開率が高いと称することがある)熱成形手段へ供した場合には、調製した内装材や外装材の表面に、絞りの深さに追従できなかったため発生したと思われる大小の皺が存在しており、表面材の成形性はなおも不足していることがあった。
そこで、成形性に優れる表面材を求め、表面材が備えるバインダ樹脂の付与量を少なくすることを検討したところ、成形性を向上できる傾向が認められた。しかし、成形性の向上に反比例して、調製した内装材や外装材の表面にピラーなど他の内装材や外装材が接触した場合、あるいは、荷物などの搬送物が接触した場合に、調製した内装材や外装材の表面に削れや、起毛が発生して外観保持性に劣るという、新たな問題が発生した。
本発明は「(請求項1)繊維集合体とバインダ樹脂を備える、表面材であって、
前記バインダ樹脂は、ガラス転移温度が-38℃よりも低いバーサチック酸ビニルエステル共重合アクリル系樹脂であり、
タテ方向の20%モジュラスは45N/30mm未満であり、ヨコ方向の20%モジュラスは22N/30mm未満であり、下記測定へ供し算出された質量の減量が72.8mg未満である、表面材。

前記表面材をJISL1096:20108.19.3C法(テーバ形法)へ供することで、前記表面材における質量の減量を求めた、
・使用摩耗輪No:H-18、
・荷重:9.8N、
・試験回転数:100回、
・回転摩擦速度:70r/min、」である。
本願出願人が検討を続けた結果、表面材におけるタテ方向およびヨコ方向の20%モジュラスに着目することで、より成形性良く内装材や外装材を調製可能な表面材を提供できることを見出した。具体的には、タテ方向の20%モジュラスは45N/30mm未満であり、ヨコ方向の20%モジュラスは22N/30mm未満である表面材は、展開率が高い熱成形手段へ供した場合であっても、より成形性に優れることを見出した。
また、表面材を上述した測定へ供し求められた質量の減量に着目することで、より外観保持性に優れた内装材や外装材を調製可能な表面材を提供できることを見出した。具体的には、当該質量の減量が72.8mg未満である表面材を用いてなる内装材や外装材は、より外観保持性に優れることを見出した。
以上から、本発明にかかる構成を満足する表面材は、展開率が高い熱成形手段へ供した場合であっても、より成形性に優れると共に、外観保持性に優れる内装材や外装材を調製できる。
本発明では、例えば以下の構成など、各種構成を適宜選択できる。
なお、本発明で説明する各種測定は特に記載のない限り、常圧のもと25℃温度条件下で測定を行った。また、本発明で説明する各種測定結果は特に記載のない限り、求める値よりも一桁小さな値まで測定で求め、当該値を四捨五入することで求める値を算出した。具体例として、少数第一位までが求める値である場合、測定によって少数第二位まで値を求め、得られた少数第二位の値を四捨五入することで少数第一位までの値を算出し、この値を求める値とした。
本発明の表面材は、繊維集合体とバインダ樹脂とを備えている。
ここで繊維集合体は主として表面材の骨格を形成する役割を担う部材である。そして、バインダ樹脂は繊維集合体の構成繊維同士を接着一体化させて、繊維集合体の形状が意図せず変形するのを防止する役割や繊維集合体の剛性など、諸物性を向上させる役割を担う。また、後述するような添加剤を繊維集合体(繊維集合体を構成する繊維の表面や、繊維集合体の空隙中)に担持する役割を担うことができる。
本発明でいう繊維集合体とは、例えば、繊維ウェブや不織布、あるいは、織物や編み物などの、シート状の布帛である。本発明の表面材は、繊維集合体(特に、全ての構成繊維がランダムに絡合してなる不織布)を含んでいるため柔軟であり、成形性良く表面平滑性に優れた内装材や外装材を調製可能な、表面材を提供できる。なお、全ての構成繊維がランダムに絡合してなる繊維集合体(特に、不織布)を備えた表面材は、より柔軟であり、より成形性良く表面平滑性に優れた内装材や外装材を調製可能な、表面材を提供でき好ましい。
繊維集合体の構成繊維は、例えば、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、炭化水素の一部をシアノ基またはフッ素或いは塩素といったハロゲンで置換した構造のポリオレフィン系樹脂など)、スチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリエーテル系樹脂(例えば、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル、芳香族ポリエーテルケトンなど)、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、全芳香族ポリエステル樹脂など)、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド系樹脂(例えば、芳香族ポリアミド樹脂、芳香族ポリエーテルアミド樹脂、ナイロン樹脂など)、二トリル基を有する樹脂(例えば、ポリアクリロニトリルなど)、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスルホン系樹脂(例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなど)、フッ素系樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、セルロース系樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、アクリル系樹脂(例えば、アクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルなどを共重合したポリアクリロニトリル系樹脂、アクリロニトリルと塩化ビニルまたは塩化ビニリデンを共重合したモダアクリル系樹脂など)など、公知の樹脂を用いて構成できる。
なお、これらの樹脂は、直鎖状ポリマーまたは分岐状ポリマーのいずれからなるものでも構わず、また樹脂がブロック共重合体やランダム共重合体でも構わず、また樹脂の立体構造や結晶性の有無がいかなるものでも、特に限定されるものではない。更には、多成分の樹脂を混ぜ合わせたものでも良い。また、顔料を練り込み調製された繊維や、染色された繊維などの原着繊維であってもよい。
なお、表面材に難燃性が求められる場合には、繊維集合体の構成繊維が難燃性の樹脂を含んでいるのが好ましい。このような難燃性の樹脂として、例えば、モダアクリル樹脂、ビニリデン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ノボロイド樹脂、ポリクラール樹脂、リン化合物を共重合したポリエステル樹脂、ハロゲン含有モノマーを共重合したアクリル樹脂、アラミド樹脂、ハロゲン系やリン系又は金属化合物系の難燃剤を練り込んだ樹脂などを挙げることができる。また、バインダ等を用いることで難燃剤を担持した表面材であってもよい。
構成繊維は、例えば、溶融紡糸法、乾式紡糸法、湿式紡糸法、直接紡糸法(メルトブロー法、スパンボンド法、静電紡糸法など)、複合繊維から一種類以上の樹脂成分を除去することで繊維径が細い繊維を抽出する方法、繊維を叩解して分割された繊維を得る方法など公知の方法により得ることができる。
構成繊維は、一種類の樹脂から構成されてなるものでも、複数種類の樹脂から構成されてなるものでも構わない。複数種類の樹脂から構成されてなる繊維として、一般的に複合繊維と称される、例えば、芯鞘型、海島型、サイドバイサイド型、オレンジ型、バイメタル型などの態様であることができる。
また、構成繊維は、略円形の繊維や楕円形の繊維以外にも異形断面繊維を含んでいてもよい。なお、異形断面繊維として、中空形状、三角形形状などの多角形形状、Y字形状などのアルファベット文字型形状、不定形形状、多葉形状、アスタリスク形状などの記号型形状、あるいはこれらの形状が複数結合した形状などの繊維断面を有する繊維であってもよい。
繊維集合体が構成繊維として熱融着性繊維を含んでいる場合には、繊維同士を熱融着することによって、繊維集合体に強度と形態安定性を付与し、削れや毛羽立ちの発生を抑制でき好ましい。このような熱融着性繊維は、全融着型の熱融着性繊維であっても良いし、上述した複合繊維のような態様の一部融着型の熱融着性繊維であっても良い。熱融着性繊維において熱融着性を発揮する成分として、例えば、低融点ポリオレフィン系樹脂や低融点ポリエステル系樹脂を含む熱融着性繊維などを適宜選択して使用できる。
繊維集合体が捲縮性繊維を含んでいる場合には、伸縮性が増して金型への追従性に優れ好ましい。このような捲縮性繊維として、例えば、潜在捲縮性繊維の捲縮を発現した捲縮性繊維やクリンプを有する繊維などを使用することができる。また、繊維集合体が加熱することで捲縮を発現する潜在捲縮性繊維を含んでいてもよい。
繊維集合体が繊維ウェブや不織布である場合、例えば、上述の繊維をカード装置やエアレイ装置などに供することで繊維を絡み合わせる乾式法、繊維を溶媒に分散させシート状に抄き繊維を絡み合わせる湿式法、直接紡糸法(メルトブロー法、スパンボンド法、静電紡糸法、紡糸原液と気体流を平行に吐出して紡糸する方法(例えば、特開2009-287138号公報に開示の方法)など)を用いて繊維の紡糸を行うと共にこれを捕集する方法、などによって調製できる。
調製した繊維ウェブの構成繊維を絡合および/または一体化させて不織布を調製できる。構成繊維同士を絡合および/または一体化させる方法として、例えば、ニードルや水流によって絡合する方法、繊維ウェブを加熱処理へ供するなどしてバインダ樹脂あるいは接着繊維によって構成繊維同士を接着一体化あるいは溶融一体化させる方法などを挙げることができる。
加熱処理の方法は適宜選択できるが、例えば、ロールにより加熱または加熱加圧する方法、オーブンドライヤー、遠赤外線ヒーター、乾熱乾燥機、熱風乾燥機などの加熱機へ供し加熱する方法、無圧下で赤外線を照射して含まれている樹脂を加熱する方法などを用いることができる。
繊維集合体が織物や編物である場合、上述のようにして調製した繊維を織るあるいは編むことで、織物や編物を調製できる。
なお、繊維ウェブ以外にも不織布あるいは織物や編物など繊維集合体を、上述した構成繊維同士を絡合および/または一体化させる方法へ供しても良い。
繊維集合体の構成繊維の繊度は特に限定するものではないが、外観保持性が向上するように、0.1dtex以上であることができ、1.5dtex以上であることができ、2dtex以上であることができる。他方、成形性良く表面平滑性に優れた内装材や外装材を調製可能なように、100dtex以下であることができ、50dtex以下であることができ、30dtex以下であることができ、10dtex以下であることができる。
また、繊維集合体の構成繊維の繊維長も特に限定するものではないが、外観保持性が向上するように、20mm以上であることができ、25mm以上であることができ、30mm以上であることができる。他方、繊維長が110mmを超えると、繊維集合体の調製時に繊維塊が形成される傾向があり、成形性良く表面平滑性に優れた内装材や外装材を調製するのが困難となるおそれがあることから、110mm以下であるのが好ましく、70mm以下であることができる。なお、「繊維長」は、JIS L1015(2010)、8.4.1c)直接法(C法)に則って測定した値をいう。
繊維集合体の、例えば、厚さ、目付などの諸構成は、特に限定されるべきものではなく適宜調整する。
繊維集合体の厚さは、0.5~5mmであることができ、1~3mmであることができ、1.1~1.9mmであることができる。なお、本発明において厚さとは主面と垂直方向へ20g/cmの圧縮荷重をかけた時の該垂直方向の長さをいう。
また、繊維集合体の目付は、例えば、50~500g/mであることができ、80~300g/mであることができ、100~250g/mであることができる。なお、本発明において目付とは測定対象物の最も広い面積を有する面(主面)における1mあたりの質量をいう。
本発明で使用可能なバインダ樹脂は適宜選択するが、例えば、ポリオレフィン系樹脂(変性ポリオレフィンなど)、エチレンビニルアルコール共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体などのエチレン-アクリレート共重合体、各種ゴムおよびその誘導体(スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、ウレタンゴム、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)など)、セルロース誘導体(カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなど)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVdF-HFP)、アクリル系樹脂(例えば、バーサチック酸ビニルエステル共重合アクリル系樹脂)などを使用できる。
バインダ樹脂としてアクリル系樹脂を採用すると、熱成形時に適度に軟化するため金型への追従性に優れる表面材を提供でき好ましい。
特に、アクリル系樹脂として、全炭素数9以上11以下の分岐を有するカルボン酸部分を有するアクリル系樹脂(いわゆる、バーサチック酸ビニルエステル共重合アクリル系樹脂)であるのが好ましい。具体例として、楠本化成製VANORA、住化ケムテックス製スミカフレックスなどのアクリル系樹脂を採用できる。このようなアクリル系樹脂を採用することで、展開率が高い熱成形手段へ供した場合であっても、より成形性に優れると共に、外観保持性に優れる内装材や外装材を成形性よく調製できる表面材を提供できる。
バインダ樹脂のガラス転移温度(以降、Tgと称することがある)は、上述の構成を満足するのであれば適宜調整できるものであり、ガラス転移温度は-60℃~0℃未満の範囲をとることができる。当該ガラス転移温度は低いほど好ましいことから、-38℃よりも低いのが好ましく、-40℃よりも低いのがより好ましい。またガラス転移温度の下限温度は適宜調整できるが、-60℃以上の温度であることができる。なお、本発明でいうガラス転移温度とは、測定対象となる樹脂を示差熱分析計(DTA)へ供し測定されたDTA曲線におけるベースラインの接線と、ガラス転移による吸熱領域の急峻な下降位置の接線との交点にあたる温度をいう。
バインダ樹脂は、例えば、難燃剤、香料、顔料、抗菌剤、抗黴材、光触媒粒子、シリカなど無機粒子、加熱され発泡する粒子あるいは既発泡粒子など中空粒子、乳化剤、分散剤、界面活性剤などの添加剤を含有していてもよい。
表面材に含まれているバインダ樹脂の目付は適宜選択する。具体的にバインダ樹脂の目付は2g/m以上であることができる。また、バインダ樹脂の目付は50g/m以下であることができ、30g/m以下であることができ、20g/m以下であることができる。
繊維集合体においてバインダ樹脂が存在する態様は適宜調整でき、繊維集合体全体に均一的に存在している態様、繊維集合体の一部分に偏在している態様などであることができる。
繊維集合体において、バインダ樹脂は均一的に存在しているのが好ましい。具体例として、繊維集合体における一方の主面側に存在するバインダ樹脂の密度や分散状態と、繊維集合体におけるもう一方の主面側に存在するバインダ樹脂の密度や分散状態、ならびに、繊維集合体における両主面間に存在するバインダ樹脂の密度や分散状態が同等(より好ましくは同一)であるのが好ましい。
このようなバインダ樹脂の存在態様は、後述するように、繊維集合体の一方の主面へバインダ樹脂を含んだバインダ液を付与する、または、バインダ樹脂を含んだバインダ液へ繊維集合体を含浸することで調製できる。
本発明にかかる表面材は、タテ方向の20%モジュラスは45N/30mm未満であり、ヨコ方向の20%モジュラスは22N/30mm未満である。当該物性を備える表面材であることによって、展開率が高い熱成形手段へ供した場合であっても、より成形性に優れる表面材となる。
なお、タテ方向ならびにヨコ方向の20%モジュラスは、表面材を以下の測定へ供することで求められる。
(タテ方向ならびにヨコ方向の20%モジュラスの測定方法)
(1)表面材など測定対象から短冊状の試料A(長辺:200mm、短辺(長辺と垂直をなす):30mm)を、合計3枚採取した。なお、測定対象の生産方向が判明している場合には、当該生産方向と長辺方向が平行となるようにした。
(2)前記試料Aを引張り強さ試験機(オリエンテック製、テンシロンUTM-III-100(登録商標))のチャック(チャック間距離:100mm)に固定し、引張り速度200mm/min.で引っ張り、チャック間距離が120mmとなった20%伸長時の応力を測定した。調製した3枚の試料Aについて各々該応力を測定し、その算術平均を測定対象におけるタテ方向の20%モジュラス(単位:N/30mm)とした。
(3)測定対象から別の短冊状の試料B(長辺:200mm、短辺(長辺と垂直をなす):30mm)を、合計3枚採取した。なお、測定対象の生産方向が判明している場合には、当該生産方向と短辺方向が平行となるようにした。
(4)前記試料Bを上述(2)と同じ測定へ供することで、20%伸長時の応力を測定した。調製した3枚の試料Bについて各々該応力を測定し、その算術平均を測定対象におけるヨコ方向の20%モジュラス(単位:N/30mm)とした。
なお、測定対象の生産方向が不明である場合には、測定対象の様々な方向から短冊状の試料(長辺:200mm、短辺(長辺と垂直をなす):30mm)を、各方向につき3枚ずつ採取した。そして、各方向から採取した3枚の試料の各応力を測定しその算術平均値を求めた。求めた各算術平均値の内で、最も高い値を示した試料における長辺方向を、測定対象の生産方向とした。
20%モジュラスが低いほど、柔軟性に富む柔らかいものであることを意味しており、展開率が高い熱成形手段へ供した場合であっても、より成形性に優れる表面材である。そのため、表面材におけるタテ方向の20%モジュラスは、44N/30mm以下であるのが好ましく、40N/30mm以下であるのが好ましく、30N/30mm以下であるのが好ましい。また、表面材におけるヨコ方向の20%モジュラスは、21N/30mm以下であるのが好ましく、18N/30mm以下であるのが好ましく、14N/30mm以下であるのが好ましい。
本発明にかかる表面材は、以下の測定へ供し算出された質量の減量が72.8mg未満である。当該物性を備える表面材であることによって、外観保持性に優れる内装材や外装材を調製できる表面材となる。
(質量の減量の測定方法)
表面材など測定対象をJIS L1096:2010 8.19.3 C法(テーバ形法)へ供することで、測定対象における質量の減量を求めた。
・使用摩耗輪No:H-18
・荷重:9.8N
・試験回転数:100回
・回転摩擦速度:70r/min
当該質量の減量が少ないほど、表面が削れ難く、また、起毛の発生が防止されていることを意味しており、外観保持性に優れた内装材や外装材を提供できることを意味している。そのため、表面材における当該質量の減量は、70mg以下であるのが好ましく、60mg以下であるのが好ましく、50mg以下であるのが好ましい。
なお、表面材の成形性と、当該表面材からなる内装材や外装材の外観保持は、トレードオフの関係を有すると考えられる。
具体的には、
・成形性に優れる表面材は柔軟性に富み柔らかいため、当該表面材からなる内装材や外装材は表面が削れ易いと共に起毛の発生し易い傾向があり、
・外観保持性に優れる内装材や外装材を調製可能な表面材は硬い(表面が削れ難いと共に起毛が発生し難い)ため、当該表面材の成形性は劣る傾向がある。
本発明にかかる表面材は、上述したヨコ方向ならびにタテ方向の20%モジュラスの範囲と、質量の減量の範囲を共に満足しているため、展開率が高い熱成形手段へ供した場合であっても、より成形性に優れると共に、外観保持性に優れる内装材や外装材を調製できる。
表面材の目付、厚さなどの諸物性は、本発明の目的が達成できるよう適宜調整でき、目付が軽すぎると成形時に破れや染み出しが発生する恐れがあること、重すぎると熱成形工程に大きな外力が必要となることから、例えば、目付は140~260g/mであることができ、150~250g/mであることができ、160~250g/mであることができる。また、厚さは1~2mmであることができ、1.5~1.8mmであることができ、1.6~1.7mmであることができる。
本発明の表面材は以上の構成を有しているが、表面材は少なくとも一方の主面上に更にプリント層やトップコート層を有してもよい。
ここでいうプリント層とは、主として表面材へ柄や色を付与する役目を担う顔料と樹脂を含有する層を指し、上述したバインダ樹脂と同様の樹脂を採用できる。特に、金型を用いたヒートプレス等の熱成形時に適度に軟化するため、金型への追従性に優れる表面材を提供できることから、プリント層を構成する樹脂がアクリル系樹脂を含んでいるのが好ましく、プリント層を構成する樹脂がアクリル系樹脂のみであるのがより好ましい。なお、プリント層は顔料とその樹脂以外に上述した添加剤を含有していてもよい。
また、プリント層の態様は適宜選択でき、表面材の主面全面を覆うように存在している態様、格子状などのパターンを有する柄や線状やドット状あるいは不定形状などの柄を形成するように当該主面の一部を覆い存在している態様であることができる。また、プリント層は顔料と樹脂を含有する一種類の層を備えていても、一種類あるいは複数種類の顔料と樹脂を含有する層を複数備えていても良く、具体的には、色や柄、樹脂や含有物が同一あるいは異なるプリント層を複数層備えていても良い。なお、プリント層は表面材の両主面上に存在していても良い。
プリント層の目付は適宜選択するが、例えば、2~50g/mであることができ、10~30g/mであることができる。
ここでいうトップコート層とは、主として表面材を保護する役目を担う有機樹脂を含有する層を指し、上述したバインダ樹脂と同様の有機樹脂を採用できる。特に、熱成形時に適度に軟化するため、金型への追従性に優れる表面材を提供できることから、トップコート層を構成する有機樹脂がアクリル系樹脂を含んでいるのが好ましく、トップコート層を構成する有機樹脂がアクリル系樹脂のみであるのがより好ましい。なお、トップコート層はその有機樹脂以外に上述した添加剤を含有していてもよい。また、トップコート層を構成する有機樹脂のガラス転移温度も適宜調整するが、熱成形時に適度に軟化して、金型への追従性に優れる表面材を提供し易くなることから、ガラス転移温度は0℃よりも低いのが好ましい。
トップコート層を有する表面材であると、耐摩耗性に優れる内装材や外装材を調製可能な表面材を提供でき好ましい。また、トップコート層の態様は適宜選択できるが、より耐摩耗性に優れる内装材や外装材を調製できるように、表面材の主面全面を覆うように存在しているのが好ましい。
トップコート層の目付は適宜選択するが、例えば、2~50g/mであることができ、10~30g/mであることができる。
表面材はそのまま熱成形工程へ供することができるが、用途や使用態様に合わせて形状を打ち抜くなどして加工する工程や、リライアントプレス処理などの厚さや表面の平滑性といった諸物性を調整する工程などの、各種二次工程へ供してから熱成形工程へ供してもよい。また、他の部材(別の繊維集合体、フィルムなど)と積層一体化してから熱成形工程へ供してもよい。
次に、本発明の表面材の製造方法について説明する。なお、上述した項目と構成を同じくする点については説明を省略する。
本発明にかかる表面材の製造方法は適宜選択できるが、一例として、
(1)繊維集合体を用意する工程、
(2)バインダ樹脂を溶媒に溶解してなる溶液、あるいは、分散媒に分散してなる分散液(以降、合わせてバインダ液と称することがある)を用意する工程、
(3)繊維集合体へ当該バインダ液を付与する工程、
(4)当該バインダ液を付与した繊維集合体を加熱することで、バインダ液中の溶媒あるいは分散媒を除去して、繊維集合体の構成繊維同士をバインダ樹脂で接着一体化する工程、
を備える、表面材の製造方法を挙げることができる。
工程(1)について説明する。
繊維集合体として、例えば、繊維ウェブや不織布、あるいは、織物や編み物などの、シート状の布帛を用意する。なお、繊維集合体における構成繊維の繊度や繊維長、繊維集合体の厚さや目付は適宜調整できる。
工程(2)について説明する。
溶媒あるいは分散媒の種類は適宜選択でき、例えば水などを採用できるが、繊維集合体へバインダ液を好適に付与できるよう、バインダ樹脂が溶解できると共に繊維集合体が溶解しない溶媒を採用する、あるいは、バインダ樹脂が分散できると共に繊維集合体が溶解しない溶媒を採用するのが好ましい。また、バインダ液に占めるバインダ樹脂の濃度は、繊維集合体へバインダ液を好適に付与できるよう、適宜調整する。
また、プリント液中に添加剤を溶解あるいは分散させ含有していてもよい。
工程(3)について説明する。
繊維集合体へプリント液を付与する方法は適宜選択できるが、繊維集合体の一方の主面にそのまま、あるいは泡立てた状態で、スプレーや含浸ロールなどを用いて散布あるいは塗布する方法、繊維集合体の一方の主面を浸漬する方法、プリント液へ繊維集合体を含浸する方法などを採用できる。
工程(4)について説明する。
溶媒あるいは分散媒を除去する方法は適宜選択できるが、例えば、オーブンドライヤー、遠赤外線ヒーター、乾熱乾燥機、熱風乾燥機などの加熱機へ供し加熱する、室温雰囲気下や減圧雰囲気下に静置するなどして、溶媒あるいは分散媒を蒸発させ除去できる。溶媒あるいは分散媒を除去する際の加熱温度は、溶媒あるいは分散媒が揮発可能な温度であると共に、バインダ樹脂により繊維集合体の構成繊維同士を接着一体化できるよう、加熱温度の下限を調整する。また、繊維集合体や添加剤の形状や機能などが意図せず低下することがないよう、加熱温度の上限を調整する。
また、加熱を受け発泡する粒子を備えている場合には、本工程によって当該粒子を発泡させてもよい。
このようにして、繊維集合体の空隙中にバインダ樹脂を混在した状態で備えた、表面材を調製できる。
上述の工程を経ることで表面材を調製できるが、上述の工程の後、
(5)表面材へプリント層を形成可能な溶液や分散液を付与することで、少なくとも一方の主面上に模様状のプリント層あるいは少なくとも一方の主面上の全面にプリント層を形成する工程、
へ供しても良い。
また、更に、工程(4)の後あるいは工程(5)の後、
(6)表面材へトップコート層を形成可能な溶液や分散液を付与することで、少なくとも一方の主面上の全面にトップコート層を形成する工程、
へ供しても良い。
上述のようにして調製された表面材を熱成形手段へ供することで、内装材や外装材を調製できる。なお、熱成形手段へ供する前後において、表面材あるいは内装材や外装材を打ち抜いたり切り抜く、あるいは立体的な形状を付与するなど、二次加工へ供しても良い。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
(繊維集合体の調製)
原着ポリエステル繊維(繊度:2.2dtex、繊維長:51mm)を100%用いて、カード機により開繊して繊維ウェブを形成した後、片面から針密度400本/cmでニードルパンチ処理を行い、その後、熱ロール(ロール加熱温度:150℃)へ供することで、不織布1(目付:190g/m、厚さ:1.8mm)を調製した。
また、原着ポリエステル繊維(繊度:2.2dtex、繊維長:38mm)を100%用いて、カード機により開繊して繊維ウェブを形成した後、片面から針密度400本/cmでニードルパンチ処理を行い、その後、熱ロール(ロール加熱温度:150℃)へ供することで、不織布2(目付:207g/m、厚さ:1.8mm)を調製した。
(比較例1)
不織布1を、温度160℃のキャンドライヤーで乾燥させ、表面材(目付:190g/m、厚さ:1.8mm)を調製した。
(比較例2)
水にアクリル系樹脂A(全炭素数9以上11以下の分岐を有するカルボン酸部分を有していない、Tg:-38℃)を分散させてなるバインダ液を調製した。
そして、不織布2のニードリングを施した主面とは反対の主面から、バインダ液を泡立てた状態で塗布し、ロール間(ギャップ間隔:0.25mm)へ供した後、温度160℃のキャンドライヤーで乾燥することで、アクリル系樹脂により原着ポリエステル繊維同士を接着一体化させ、バインダ接着不織布(目付:212g/m、バインダ樹脂の含有量:5g/m、厚さ:1.7mm)を調製した。
水にアクリル系樹脂Aと顔料とを分散させてなるプリント液を調製した。
そして、バインダ接着不織布のニードリングを施した側の主面とは反対の主面に、孔版印刷機(シリンダー(円筒)型プリント版)によりプリント液を塗布した後、同様にして再度プリント液を塗布した。
その後、温度180℃のテンタードライヤーで乾燥することで、アクリル系樹脂Aにより顔料をバインダ接着不織布の主面に固着させ、表面材(目付:220g/m、アクリル系樹脂Aの含有量:13g/m、厚さ:1.6mm)を調製した。
(比較例3)
水にアクリル系樹脂A(全炭素数9以上11以下の分岐を有するカルボン酸部分を有していない、Tg:-38℃)を分散させてなるバインダ液を調製した。
そして、不織布1のニードリングを施した主面とは反対の主面から、バインダ液を泡立てた状態で塗布し、ロール間(ギャップ間隔:0.25mm)へ供した後、温度160℃のキャンドライヤーで乾燥することで、アクリル系樹脂により原着ポリエステル繊維同士を接着一体化させ、表面材(目付:193g/m、バインダ樹脂の含有量:3g/m、厚さ:1.8mm)を調製した。
(比較例4)
バインダ液の付与量を増量したこと以外は比較例3と同様にして、表面材(目付:195g/m、バインダ樹脂の含有量:5g/m、厚さ:1.8mm)を調製した。
(実施例1)
水にバーサチック酸ビニルエステル共重合アクリル系樹脂(Tg:-50℃)を分散させてなるバインダ液を調製した。
そして、不織布1のニードリングを施した主面とは反対の主面から、バインダ液を泡立てた状態で塗布し、ロール間(ギャップ間隔:0.25mm)へ供した後、温度160℃のキャンドライヤーで乾燥することで、アクリル系樹脂により原着ポリエステル繊維同士を接着一体化させ、表面材(目付:195g/m、バインダ樹脂の含有量:5g/m、厚さ:1.8mm)を調製した。
(実施例2)
バインダ液の付与量を増量したこと以外は実施例1と同様にして、表面材(目付:200g/m、バインダ樹脂の含有量:10g/m、厚さ:1.8mm)を調製した。
上述のようにして調製した各表面材の構成を表1にまとめた。
Figure 0007340990000001
また、上述のようにして調製した各表面材の各種物性を評価し、表2にまとめた。
(成形性の評価方法)
表面材を展開率が高い金型へ供し熱成形した後、冷却して内装材(外装材)を調製した。そして、調製した内装材(外装材)における、繊維集合体のニードリングを施した側と反対側の主面由来の主面を目視で観察した。
観察の結果、当該主面に皺の発生が認められた場合には、成形性に劣る表面材であったとして、表中に「×」を記載した。
一方、観察の結果、当該主面に皺の発生が認められなかった場合には、成形性に優れる表面材であったとして、表中に「〇」を記載した。
(耐摩耗性の評価方法)
JIS K7204:1999(プラスチック-摩耗輪による摩耗試験方法)に従い、上述した(成形性の評価方法)において調製した内装材(外装材)における、繊維集合体のニードリングを施した側と反対側の主面由来の主面の耐磨耗性試験を評価した。
なお、摩耗試験機、回転速度、摩耗輪、摩耗輪にかける荷重、摩耗回数は次の通りとした。
(1)摩耗試験機:ロータリーアブレージョンテスタ (株)東洋精機製作所
(2)回転摩擦速度:70r/min
(3)使用摩耗輪No:H-18
(4)荷重:9.8N
(5)摩耗回数:100回
表面材における試験後の摩耗輪を処理した主面部分を目視で観察し、以下の基準で評価した。
3級:多少の摩耗は見られるものの、大きな削れの存在は認められなかった。
2級:摩耗輪を処理した主面部分において、部分的に大きな削れの発生が認められた。
1級:摩耗輪を処理した主面部分において、穴が開くほどのより大きな削れの発生が認められた。
(起毛の発生し難さの評価方法)
以下の構成を変更したこと以外は、上述した(耐摩耗性の評価方法)と同様にして、上述した(成形性の評価方法)において調製した内装材(外装材)における、繊維集合体のニードリングを施した側と反対側の主面由来の主面の、起毛の発生し難さを評価した。
(3)使用摩耗輪No:CS-10
(4)荷重:4.9N
(5)摩耗回数:100回
試験後の摩耗輪を処理した主面部分を目視で観察し、以下の基準で評価した。
3級:多少の起毛が発生していたものの、大きな変化は認められなかった。
2級:3級の結果よりも、多くの起毛が発生しており大きな変化が認められた。
1級:2級の結果よりも、より多くの起毛が発生しておりより大きな変化が認められた。
(外観保持性の評価方法)
上述した(耐摩耗性の評価方法)および(起毛の発生し難さの評価方法)へ供した結果、両評価結果とも3級であったものについては、外観保持性に優れるとして表中に「〇」を記載した。一方、いずれかでも3級とならなかったものについては、外観保持性に劣るとして表中に「×」を記載した。
Figure 0007340990000002
表2の結果から、実施例の表面材は成形性と外観保持性が共に優れていたのに対し、比較例の表面材は成形性あるいは外観保持性の少なくともいずれかは実施例に劣っていた。
また、特にタテ方向の20%モジュラスが43N/30mmと同値である比較例2と比較例3を比較した結果から、成形性に優れる表面材を提供するためには、ヨコ方向の20%モジュラスは22N/30mm未満である必要があること、そして、特にヨコ方向の20%モジュラスが10N/30mmと同値である比較例4と実施例1を比較した結果から、成形性に優れる表面材を提供するためには、タテ方向の20%モジュラスは45N/30mm未満である必要があること、が判明した。
(比較例5)
水にアクリル系樹脂B(全炭素数9以上11以下の分岐を有するカルボン酸部分を有していない、Tg:-15℃)を分散させてなるバインダ液を調製した。
そして、不織布1のニードリングを施した主面とは反対の主面から、バインダ液を泡立てた状態で塗布し、ロール間(ギャップ間隔:0.25mm)へ供した後、温度160℃のキャンドライヤーで乾燥することで、アクリル系樹脂により原着ポリエステル繊維同士を接着一体化させ、表面材(目付:200g/m、バインダ樹脂の含有量:10g/m、厚さ:1.5mm)を調製した。
(比較例6)
バインダ液の付与量を増量したこと以外は比較例3と同様にして、表面材(目付:199g/m、バインダ樹脂の含有量:9g/m、厚さ:1.5mm)を調製した。
(比較例7)
バインダ液の付与量を増量したこと以外は比較例3と同様にして、表面材(目付:200g/m、バインダ樹脂の含有量:10g/m、厚さ:1.5mm)を調製した。
上述のようにして調製した各表面材の構成を表3にまとめた。なお、理解をし易くするため、比較例1および実施例1~2で調製した表面材の構成も併記した。
Figure 0007340990000003
また、上述のようにして調製した各表面材の各種物性を評価し、表4にまとめた。なお、理解をし易くするため、比較例1および実施例1~2で調製した表面材の各種物性も併記した。
Figure 0007340990000004
表4の結果から、実施例の表面材は成形性と外観保持性が共に優れていたのに対し、比較例の表面材は成形性あるいは外観保持性の少なくともいずれかは実施例に劣っていた。
また、質量の減量が72.8mgであった比較例5は実施例よりも外観保持性に劣っていたのに対し、質量の減量が72.0mgであった比較例6は実施例と同等の外観保持性を有していた。この結果から、外観保持性に優れる内装材や外装材を調製可能な表面材を提供するためには、質量の減量が72.8mg未満である必要があること、が判明した。
以上から、本発明にかかる構成を満足する表面材は、展開率が高い熱成形手段へ供した場合であっても、より成形性に優れると共に、外観保持性に優れる内装材や外装材を調製できることが判明した。
なお、比較例1、比較例3~4、比較例6~7を比較した結果から、表面材が含有するバインダ樹脂の量を増減させただけでは、成形性と外観保持性が共に優れる表面材を提供できるものではないことが判明した。
この理由として、表面材の成形性と、当該表面材からなる内装材や外装材の外観保持性は、トレードオフの関係を有するためだと考えられた。
参考として、比較例1、比較例3~4、比較例6~7で調製された表面材の、構成と各種物性を表5にまとめた。
Figure 0007340990000005
本発明の表面材は、内装材や外装材を調製可能な表面材である。特に、車両のピラーガーニッシュ、ドア、インストルメントパネル、ステアリングホイール、シフトレバー、コンソールボックス、トノカバー、ラゲッジフロア、ラゲッジサイドなど内装部品の内装材を調製できる、表面材である。

Claims (1)

  1. 繊維集合体とバインダ樹脂を備える、表面材であって、
    前記バインダ樹脂は、ガラス転移温度が-38℃よりも低いバーサチック酸ビニルエステル共重合アクリル系樹脂であり、
    タテ方向の20%モジュラスは45N/30mm未満であり、ヨコ方向の20%モジュラスは22N/30mm未満であり、下記測定へ供し算出された質量の減量が72.8mg未満である、表面材。

    前記表面材をJISL1096:20108.19.3C法(テーバ形法)へ供することで、前記表面材における質量の減量を求めた、
    ・使用摩耗輪No:H-18、
    ・荷重:9.8N、
    ・試験回転数:100回、
    ・回転摩擦速度:70r/min、
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