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JP6313114B2 - 車両通信システム - Google Patents

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Description

本発明は、車両通信システムに関する。
従来、車両キーと車載制御部との間で無線通信を行い、当該無線通信が成立したことを条件として、車載機器の駆動が実行又は許可される車両通信システムが周知である。また、無線通信の成立に加えて、車両に対する車両キーの位置が特定の領域にある場合にのみ車載機器の駆動が実行又は許可される車両通信システムもある。
特許文献1の車両通信システムでは、車両キーは、車両のドアハンドルに設けられたアンテナから無線送信された信号の受信強度(RSSI)を測定し、測定結果を無線送信する。車載制御部は、車両キーから無線送信される測定結果に基づいて車両キーの位置を判断する。車載制御部は、車両キーとの間の無線通信の成立に加えて、車両キーが車外に位置すると判断される場合にドアのロックとアンロックとの切り替えを許可する。
ところで、車両専用の車両キーに代えてスマートフォンなどの携帯端末を車両キーとして使用する車載通信システムもある。特許文献2の車両通信システムでは、近距離無線通信規格の一つであるBLUETOOTH(登録商標)を使用して車両と携帯端末との間の無線通信が行われる。
BLUETOOTHによる無線通信(以下BT通信)では、79又は40の周波数チャネルに分けられた2.4GHz帯(2.40〜2.48GHz)の周波数をランダムに変更する周波数ホッピングが行われる。
特開2012−167446号公報 特開2013−106338号公報
特許文献2の車両通信システムでは、車両と携帯端末との間の無線通信が成立すれば車両に対する携帯端末の位置に関係なく車載機器の駆動が許可されたが、特許文献1のように、車両に対する携帯端末の位置に応じて車載機器の駆動の許可を判断したいというニーズもある。
そこで、特許文献1のように車両のドアハンドルにBT通信用のアンテナを設け、当該アンテナから無線送信された信号の伝搬損失値を車外及び車内の多数の測定点にて測定したところ、つぎのような結果を得た。すなわち、図5の条件D及び図11に示すように、車両のドアハンドルにBT通信用のアンテナを設けた場合、車外の測定点にて計測された伝搬損失値の範囲と車内の測定点にて計測された伝搬損失値の範囲とが重複する領域が広く、またその重複する領域に含まれるサンプル点が多い。このため、携帯端末が受信する信号の受信強度があらかじめ設定される基準強度を超えるか否かで当該携帯端末の車両に対する位置を判定しようとすると誤判定が多い。携帯端末の位置を誤判定した場合、ユーザが意図する車載機器の動作が実行又は許可されないので使い勝手がわるい。
本発明は、こうした実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両との間でBLUETOOTHによる通信を行う携帯端末が車内及び車外のどちらに位置するかを高い精度で検出する車両通信システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、車両通信システムは、車載機と携帯端末との間でBLUETOOTH規格の無線通信を行い、両者間の無線通信が成立するとともに、当該両者間で授受した無線信号の信号強度があらかじめ設定される基準強度を超えるか否かの判断を通じて携帯端末が車内及び車外のどちらに位置するか判断し、当該携帯端末の位置に応じて車載機器の駆動を実行又は許可する車載制御部を備え、BLUETOOTH規格の無線信号を授受する車両側アンテナは、車両の床面に設けられることを要旨とする。
このシステムによれば、車内に位置する携帯端末と車両側アンテナとの間で授受される無線信号の伝搬損失値と、車外に位置する携帯端末と車両側アンテナとの間で授受される無線信号の伝搬損失値と、が重複する範囲がアンテナを床面以外に設けた場合よりも狭い。また、当該範囲に含まれるサンプル点も少ない。これにより、車載機と携帯端末との間で授受する無線信号の信号強度があらかじめ設定される基準強度を超えるか否かの判断を通じて携帯端末が車内及び車外のどちらに位置するかを高い精度で検出することができる。ひいては、ユーザが意図する車載機器の動作が実行又は許可されやすいので使い勝手がよい。
上記システムにおいて、車載制御部は、車載機と携帯端末との間で授受した複数のチャネル分の無線信号の信号強度の平均値とあらかじめ設定される基準強度を超えるか否かの判断を通じて携帯端末が車内及び車外のどちらに位置するか判断することが好ましい。
このシステムによれば、車内に位置する携帯端末と車両側アンテナとの間で授受される無線信号の伝搬損失値の平均値と、車外に位置する携帯端末と車両側アンテナとの間で授受される無線信号の伝搬損失値の平均値と、が重複する値の範囲は、平均値をとらない場合と比較して狭い。また、当該範囲に含まれるサンプル点も少ない。したがって、高い精度で携帯端末が車内及び車外のどちらに位置するかを検出することができる。
上記システムにおいて、車載制御部は、車載機と携帯端末との間で授受した無線信号の信号強度が基準強度を含むように上限及び下限が設定されるダイナミックレンジからはずれる場合には、次に授受する無線信号の信号強度を使用して携帯端末の位置を判断することが好ましい。
例えばノイズの影響を大きく受けた場合、信号強度は著しく低下することが周知である。したがって、著しく低下した信号強度を携帯端末の位置を判断するために使用すると、誤判定するおそれが高い。
その点、この構成によれば、車載制御部は、ダイナミックレンジからはずれた信号強度を携帯端末の位置の判断に使用しない。すなわち、ダイナミックレンジに含まれる信号強度を用いて携帯端末の位置を判断する。したがって、高い精度で携帯端末が車内及び車外のどちらに位置するかを検出することができる。
上記構成において、車両側アンテナは、センターコンソール部を含む床面における座席の下に設けられることが好ましい。
上記システムにおいて、BLUETOOTH規格は、チャネルの切り替わり時間の早いBT4.0以前の各規格でもチャネルの切り替わり時間の遅いLow Energyのいずれであっても同様のアンテナ搭載及び平均値を算出する方式であることが好ましい。
本発明の車両通信システムは、車両との間でBLUETOOTHによる通信を行う携帯端末が車内及び車外のどちらに位置するかを高い精度で検出するという効果がある。
車両通信システムの概略構成を示すブロック図。 通信エリア及びアンテナの搭載位置を示す車両の平面図。 アンテナの搭載位置を示す車両の側面図。 車両の床面に設けたアンテナから無線送信された2.4GHz帯の電波の伝搬損失をある測定点において計測した結果を示すグラフ。 2.4GHz帯の電波の伝搬損失を全チャネルに亘ってサンプルし、その平均値のとりうる範囲とサンプル地点との関係、並びに平均値のとりうる範囲とアンテナの搭載位置との関係を示すグラフ。 アンテナを床面に設置したときに車室内外で測定される伝搬損失のうちサンプル1個で判定するときの伝搬損失とその値の検出頻度との関係を示すグラフ。 アンテナを床面に設置したときに車室内外で測定される伝搬損失のうちサンプル2個で判定するときの伝搬損失の平均値とその値の検出頻度との関係を示すグラフ。 アンテナを床面に設置したときに車室内外で測定される伝搬損失のうちサンプル3個で判定するときの伝搬損失の平均値とその検出頻度との関係を示すグラフ。 アンテナを床面に設置したときに車室内外で測定される伝搬損失のうちサンプル5個で判定するときの伝搬損失の平均値とその値の検出頻度との関係を示すグラフ。 車両の床面に設けたアンテナから無線送信された2.4GHz帯の電波の伝搬損失をある測定点において計測した結果を示すグラフ。 アンテナをドアハンドルに設置したときに車室内外で測定される伝搬損失のうちサンプル1個で判定するときの伝搬損失とその値の検出頻度との関係を示すグラフ。 判定に用いる平均値を算出するためのサンプル数と誤判定率との関係を示すグラフ。
以下、車両通信システムの一実施形態について図面に従って説明する。
図1に示すように、車両通信システム1は、車両10とスマートフォン20との間の無線通信を通じて車両制御を行う。
<スマートフォン>
図1に示すように、スマートフォン20は、スマートフォン制御部21と、BLUETOOTH(登録商標)通信部(以下、BT通信部)22と、公衆回線通信部24と、マイク25と、スピーカ26と、タッチパネルディスプレイ27と、を備えている。これらBT通信部22、公衆回線通信部24、マイク25、スピーカ26、及びタッチパネルディスプレイ27は、それぞれスマートフォン制御部21に電気的に接続され、当該スマートフォン制御部21によって統括的に制御される。
BT通信部22は、79又は40の周波数チャネルに分けられた2.4GHz帯(2.40〜2.48GHz)の周波数をランダムに変更する周波数ホッピングを行うことにより、他の機器に搭載されているBT通信部との間でBLUETOOTH通信(以下、BT通信)を行う。ここで、BT通信は、79chを用いるクラシックタイプも40chを用いるローエナジータイプのいずれも含む。BT通信部22は、スマートフォン制御部21が生成する電気信号を2.4GHz帯の無線信号に変換し、BTアンテナ22aを通じて予め設定された通信エリアに向けて無線送信する。また、BT通信部22は、BTアンテナ22aを通じて受信した2.4GHz帯の無線信号を電気信号に変換する。なお、BT通信部22は、BTアンテナ22aを介して受信した無線信号のRSSI(信号強度)を検出するRSSI回路22bを備えている。
公衆回線通信部24は、3G、LTEなどの公衆回線に接続され、所望の無線通信を行い、マイク25は、音波を拾って電気信号に変換し、スピーカ26は、電気信号を音波に変換し放射し、タッチパネルディスプレイ27は、タッチ位置を示す情報を電気信号に変換するとともに、スマートフォン制御部21が生成する信号に基づいて映像を表示するものであるが、本発明の要旨ではない。
スマートフォン制御部21のメモリ21aには、自身に固有のBTのデバイスアドレス、並びに車両10に設けられる車載制御部11と共通のIDコードが記憶されている。BTのデバイスアドレスは、BT通信部を有する通信相手とのペアリング処理及びBT通信に使用される。IDコードは、車載制御部11との間の相互認証に使用される。 スマートフォン制御部21は、ペアリングされた通信相手との間でBT通信が可能とされたBT通信可能モードと、BT通信が不能とされたBT通信不能モードと、ペアリングが可能な機器を探索する探索モードと、を有している。これら3つのモードの間は、タッチパネルディスプレイ27が操作されることにより切り替えられる。
探索モードのスマートフォン制御部21は、ペアリングが可能な機器を発見すると、ペアリング処理を行う。ペアリング処理が完了すると、スマートフォン制御部21は、ペアリングされた通信相手との間でBT通信することができる。通信相手の特定は、その通信相手固有のコードにより行う。なお、ペアリング処理では、セキュリティ性を確保するために、通信相手固有の暗証番号の入力が必要な場合もあるし、一度暗証番号を入力すればそれ以降は暗証番号の入力なしにペアリングが許可される場合もある。また、一度の暗証番号の入力なしにペアリングが許可される場合もある。
BT通信可能モードにおいて、車載制御部11との間でペアリングされたスマートフォン制御部21は、IDコードの送信及びRSSIの送信を要求するリクエスト信号を受信すると、RSSI回路22bを通じてリクエスト信号のRSSIを検出する。そして、車載制御部11は、リクエスト信号に対する応答として自身のメモリ21aに記憶されているIDコード及び検出したRSSIの各情報を含ませたレスポンス信号を生成し、これを無線送信する。
<車両>
図1に示すように、車両10は、車載制御部11と、BLUETOOTH通信部12と、エンジンスイッチ13と、エンジン制御装置14と、ドアハンドルセンサ15と、ドアロック装置16と、を備えている。これらBT通信部12、エンジンスイッチ13、エンジン制御装置14、ドアハンドルセンサ15、及びドアロック装置16は、それぞれ車載制御部11と電気的に接続され、当該車載制御部11により統括的に制御される。
BT通信部12は、2.4GHz帯の周波数ホッピングを行うことにより、他のBT通信部との間でBLUETOOTH通信を行う。BT通信部12は、車載制御部11が生成する電気信号を2.4GHz帯の信号に変換する。変換された無線信号は、BTアンテナ12aを通じて、図2に示すように、予め車両10の全体を覆うように設定された通信エリアSに向けて無線送信される。なお、図2における通信エリアSは、車両の周囲1m程度の領域とされているが、BT出力を調整することにより車両の周囲10〜100m程度の領域にも設定可能である。また、BT通信部12は、BTアンテナ12aを通じて受信した2.4GHz帯の無線信号を電気信号に変換する。
ここで、図2及び図3に示すように、BTアンテナ12aは、運転席の座席の下、且つ床面の上に設置されている。また、BTアンテナ12aは、その直線偏波の方向が車両の前後方向に向くように設置されている。
図1に示すように、エンジンスイッチ13は、押し操作を検出する。
エンジン制御装置14は、エンジンの始動や停止を制御する。
ドアハンドルセンサ15は、ドアハンドルへの接触を検出する。
ドアロック装置16は、ドアのロックとアンロックとを切り替える。
車載制御部11のメモリ11aには、自身に固有のBTのデバイスアドレス及び暗証番号、並びにスマートフォン20に設けられるスマートフォン制御部21と共通のIDコードが記憶されている。BTのデバイスアドレス及び暗証番号は、BT通信部を有する通信相手とのペアリング処理に使用される。IDコードは、スマートフォン制御部21との間の相互認証に使用される。
さらに、メモリ11aには、スマートフォン制御部21から受信した過去5回分のRSSIが記憶されている。また、メモリ11aには、車両10に対するスマートフォン20の位置を判断するためにあらかじめ設定される基準RSSIが記憶されている。当該基準RSSIは、多数の調査点においてサンプルしたデータに基づき車両毎に設定される。さらに、メモリ11aには、スマートフォン20によって検出されたRSSIを車両10に対するスマートフォン20の位置を判断するために使用するか否かを判断するためのダイナミックレンジが記憶されている。ダイナミックレンジは、多数の調査点においてサンプルしたデータに基づき車両毎に、且つ、基準RSSIを含むように上限及び下限が設定されている。ここでのダイナミックレンジは、基準RSSIの±30dBとなるように設定されている。なお、基準RSSIは、基準強度に相当する。
車載制御部11は、ペアリングが確立している通信相手との間でBT通信が可能とされたBT通信可能モードと、BT通信が不能とされたBT通信不能モードと、を有している。BT通信可能モードとBT通信不能モードとの間は、図示しない入力装置が操作されることにより切り替えられる。
なお、BT通信可能モードの車載制御部11は、BT通信部を有する機器とペアリング可能な状態であって、探索している機器に発見されペアリング処理されることにより当該機器とペアリングされる。ペアリング処理が完了すると、車載制御部11は、ペアリングされた通信相手との間でBT通信することができる。通信相手の特定は、その通信相手固有のコードにより行う。なお、車載制御部11は、ペアリング処理に際し、暗証番号の入力を求める。自身に固有の暗証番号が入力された場合、その暗証番号が入力された機器とのペアリングを許可する。
BT通信可能モードにおいて、スマートフォン制御部21との間でペアリングされた車載制御部11は、IDコードの送信及びRSSIの送信を要求するリクエスト信号を定期的に生成し、これを無線送信する。車載制御部11は、リクエスト信号に対する応答としてのレスポンス信号を受信すると、このレスポンス信号に含まれるIDコードと自身のメモリ11aに記憶されているIDコードとを照合する。照合が成立する場合には、メモリ11aに記憶されている過去5回分のRSSIのうち一番古いデータに代えて受信したレスポンス信号に含まれるRSSIを記憶するとともに、これら記憶されている直近5回分のRSSIの平均値を算出する。車載制御部11は、直近5回分のRSSI平均値が基準RSSIを超える場合には、スマートフォン20が車室内に位置すると判断し、エンジンの始動を許可する。この状態でエンジンスイッチ13が操作を検出すると、車載制御部11は、エンジン制御装置14を通じてエンジンを始動させる。一方で、車載制御部11は、直近5回分のRSSI平均値が、基準RSSIを超えない場合、つまり、RSSIが小さい場合には、スマートフォン20が車室外に位置すると判断し、ドアのロックとアンロックとの切り替えを許可する。ドアのロックとアンロックとの切り替えが許可された状態でドアハンドルセンサ15が接触を検出すると、車載制御部11は、ドアロック装置16を通じてドアのロックとアンロックとを切り替える。
ここで、車載制御部11は、レスポンス信号に含まれるRSSIがダイナミックレンジに含まれない場合には、当該RSSIをメモリ11aに記憶せずに、レスポンス信号に含まれるRSSIを使用して直近5回分のRSSI平均値を算出する。
<作用>
次に、車両通信システム1の作用について説明する。
まず、車両の床面に設けたアンテナから無線送信された2.4GHz帯(2.40〜2.48GHz)の電波の伝搬損失をある測定点において計測した結果を図4に示す。当該図4に示すように、伝搬損失は金属体である車両での反射があるため、平坦になりにくい。
そこで、本件の発明者は、車室内外の100以上の測定点において、アンテナの車両への搭載位置を変えながら、当該アンテナから無線送信された全チャネル(ここでは、79のチャネル)における伝搬損失を測定し、これらの平均値を算出した。伝搬損失とRSSIは異なる物質量であるが、送信電力が一定の場合、これらは比例関係にあり、代替特性として用いることができる。そして、平均値がとりうる範囲を求めた。その結果を図5に示す。なお、条件AはアンテナをBピラーに設置した場合、条件Bはアンテナを運転席のシート下の床面に且つアンテナの直線偏波が車両幅方向に向くように設置した場合、条件Cはアンテナを運転席のシート下の床面に且つアンテナの直線偏波が車両前後方向に向くように設置した場合、条件Dはアンテナをドアハンドルに設置した場合である。
図5に示すように、条件B及び条件Cは、条件A及び条件Dと比較して車室外の測定点で計測される伝搬損失の範囲と車室内の測定点で計測される伝搬損失の範囲とが重なる範囲が狭い。したがって、条件B及び条件Cでは、伝搬損失のある値を基準値として定め、当該基準値を測定した伝搬損失が超えるか否かを通じて該伝搬損失を測定した測定点が車室内外のどちらに位置するか判断した場合、誤判定するおそれが少ない。
なお、条件B及び条件Cでは、アンテナの偏波の方向が異なるものの、車室外の測定点で計測される伝搬損失の範囲と車室内の測定点で計測される伝搬損失の範囲とが重なる範囲の広さは同等である。すなわち、アンテナを車両10の床面に設置すれば、伝搬損失、換言すればRSSIからスマートフォン20の位置をより正確に判断することができる。なお、車両の前後方向(条件C)の直線偏波とした場合、原理的にはドアでの回折量が少なくなるため、より効果的である。
ところで、全チャネルの平均値を算出するには、全チャネルにおいて信号の授受が必要となるため、当該平均値を算出するまでに時間を要する。
そこで、本件の発明者は、平均値を算出するにあたり、当該平均値を算出するためのサンプルの個数と誤判定率との関係について調べた。その結果を図6〜図9に示す。図6はサンプル1個で判定するときの伝搬損失とその値の検出頻度との関係を、図7は、サンプル2個で判定するときの伝搬損失の平均値とその値の検出頻度との関係を、それぞれ示す。図8は、サンプル3個で判定するときの伝搬損失の平均値とその値の検出頻度との関係を、図9は、サンプル5個で判定するときの伝搬損失の平均値とその値の検出頻度との関係を、それぞれ示す。
図6〜図9に示すように、伝搬損失の平均値を算出するサンプル数が増えるにつれて誤判定率は低下する傾向にあるが、サンプル数が3を超えると、誤判定率の低下傾向が劣化する。すなわち、図12からも分かるように、3個以上のサンプルから伝搬損失の平均値を求めても誤判定率はあまり改善されない。したがって、3個のサンプルの伝搬損失(RSSI)の平均値からスマートフォン20の位置を判断すれば、全チャネルの伝搬損失(RSSI)の平均値からスマートフォン20の位置を判断する場合と比較しても大幅な劣化はなく正確率を確保できる。さらに、スマートフォン20の位置の判断にかかる時間が短い。特に、Low Energyの場合は効果的である。
なお、図10において○印で示したように、測定点の位置によっては、特定の周波数でその周りの周波数よりも極端に伝搬損失が大きくダイナミックレンジから外れる領域をサンプルする場合がある。このような場合の測定値が先のスマートフォン20の位置を判断する際に平均値を求めるために採用されると、平均値が極端に低下するおそれがある。この場合、スマートフォン20の位置を誤って判定するおそれが高くなる。その点、本例では、このような測定値は、スマートフォン20の位置を判断するためのサンプルに加えないので、スマートフォン20の位置を誤判定するおそれが低い。
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られる。
(1)アンテナ12aを車両10の床面に設置した。アンテナを床面に設置した場合、車内に位置するスマートフォン20で受信される無線信号の伝搬損失値と、車外に位置するスマートフォン20で受信される無線信号の伝搬損失値と、が重複する範囲が従来よりも狭い。これにより、スマートフォン20が検出する無線信号のRSSIがあらかじめ設定される基準RSSIを超えるか否かの判断を通じてスマートフォン20が車内及び車外のどちらに位置するかを高い精度で検出することができる。ひいては、ユーザが意図する車載機器の動作が許可されやすいので使い勝手がよい。
(2)車載制御部11は、スマートフォン20との間で授受した5個のチャネルのRSSIの平均値が基準強度を超えるか否かによってスマートフォン20が車内及び車外のどちらに位置するかを判断するように構成した。このように複数のサンプルの平均値をとる方が1つのサンプルから判断する場合と比較して、車内に位置するスマートフォン20とアンテナ12aとの間で授受される無線信号の伝搬損失値と、車外に位置するスマートフォン20とアンテナ12aとの間で授受される無線信号の伝搬損失値と、が重複する範囲が狭い。これにより、スマートフォン20が車内及び車外のどちらに位置するかをより高い精度で検出することができる。
(3)また、スマートフォン20で受信される全チャネルのRSSIの平均値を算出してから当該スマートフォン20の位置を判断する場合と比較して、判定にかかる時間も短い。特に、Bluetooth Low Energyでは、チャンネルが切り替わる時間が長いため、全チャネルのRSSIの平均をとるより判定にかかる時間が短い。
(4)アンテナ12aは、床面における運転席の座席の下に設置されるので、アンテナ12aはユーザの足にあたりにくく、またアンテナ12aの搭載スペースも確保されやすい。これにより、車載制御部11は、基準RSSIによるスマートフォン20の位置を高い精度で検出することができる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態において、アンテナ12aの直線偏波の方向は、車両の前後方向に限定されない。
・上記実施形態において、アンテナ12aが設置される位置は、運転席の座席の下に限定されない。アンテナ12aが設置される位置は、床面に設置されていれば、助手席の下であってもよいし、センターコンソールであってもよいし、後部座席の下であってもよい。
・上記実施形態において、ダイナミックレンジは必ずしも設定しなくてもよい。
・上記実施形態において、平均値を算出するためのRSSIのサンプル数は5個に限定されない。平均値を算出するためのRSSIのサンプル数が多くなれば多くなるほど誤判定率は低下する。
・上記実施形態において、RSSIのサンプルが1つであっても、その1つのRSSIと基準RSSIとの比較を通じてスマートフォン20の位置を判定してもよい。アンテナ12aが車両の床面に設置されていれば、高い精度でスマートフォン20の位置を判定することができる。
・上記実施形態では、ペアリング要求信号はスマートフォン20からペアリング応答信号は車載制御部11から、それぞれ無線送信されたが逆であってもよい。
・上記実施形態において、携帯端末としてスマートフォン20を採用したが、これに代えて電話機能を有しないタブレット端末、携帯型の音楽端末、あるいはノート型パソコン等であってもよい。
・上記実施形態において、アンテナ12aは、パッチアンテナ、逆Lアンテナ、逆Fアンテナ、ダイポールアンテナ、モノポールアンテナ等でよく、特に指向性を問わない、また、偏波も直線偏波の方向、円偏波等、特に問わない。
・上記実施形態において、BLUETOOTH規格は、チャネルの切り替わり時間の早いBT4.0以前の各規格でもチャネルの切り替わり時間の遅いLow Energyのいずれであってもよい。いずれの規格を採用する場合でも、アンテナの搭載位置及びRSSIの平均値の算出方式について、上記実施形態及び上記別例と同様としてよい。
次に、上記実施形態及び上記別例より想起される技術的思想について記載する。
(イ)上記システムにおいて、車両側アンテナは、その直線偏波が車両の前後方向に向くように設けられることが好ましい。
このシステムによれば、直線偏波の方向が車両の前後方向以外の方向に向くように設けられる場合と比較して、車内に位置する携帯端末と車両側アンテナとの間で授受される無線信号の伝搬損失値と、車外に位置する携帯端末と車両側アンテナとの間で授受される無線信号の伝搬損失値と、が重複する範囲が狭い。また、当該範囲に含まれるサンプル点も少ない。したがって、携帯端末が車内及び車外のどちらに位置するかを高い精度で検出することができる。
1…車両通信システム、10…車両、11…車載制御部、12,22…BT通信部、12a,22b…BTアンテナ、20…スマートフォン、22b…RSSI回路。

Claims (3)

  1. 車載機と携帯端末との間でBLUETOOTH(登録商標)規格の無線通信を行い、両者間の無線通信が成立するとともに、当該両者間で授受した無線信号の信号強度があらかじめ設定される基準強度を超えるか否かの判断を通じて携帯端末が車内及び車外のどちらに位置するか判断し、当該携帯端末の位置に応じて車載機器の駆動を実行又は許可する車載制御部を備える車両通信システムにおいて、
    BLUETOOTH規格の無線信号を授受する車両側アンテナは、車両のセンターコンソール部を含む床面における座席の下に且つ直線偏波が車両の前後方向に向くように設けられ、
    車載制御部は、車載機と携帯端末との間で授受した3個以上のチャネル分の無線信号の信号強度の平均値があらかじめ設定される基準強度を超えるか否かの判断を通じて携帯端末が車内及び車外のどちらに位置するか判断する車両通信システム。
  2. 請求項1に記載の車両通信システムにおいて、
    車載制御部は、車載機と携帯端末との間で授受した無線信号の信号強度が基準強度を含むように上限及び下限が設定されるダイナミックレンジからはずれる場合には、次に授受する無線信号の信号強度を使用して携帯端末の位置を判断する車両通信システム。
  3. 請求項1又は2に記載の車両通信システムにおいて、
    BLUETOOTH規格は、チャネルの切り替わり時間の早いBT4.0以前の各規格でもチャネルの切り替わり時間の遅いLow Energyのいずれであっても同様のアンテナ搭載及び平均値を算出する方式である車両通信システム。
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