JP2023058255A - 車両用電子キーシステム、車両用認証装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両用携帯機に加えて携帯端末を車両の鍵として利用可能な構成において、車両用携帯機又は車載システムの消費電力を抑制可能な車両用電子キーシステム、車両用認証装置を提供する。【解決手段】スマートキーと携帯端末には、車両との認証に使用される鍵情報が保存されており、車両の鍵(キーデバイス)として機能する。スマートキーも携帯端末も、車載システムとの認証等の通信はBLE通信によって実施する。スマートキー2は節電のため、基本的にはBLE通信不能なスリープモードで動作する。スマートキー2は、車両から定期送信されるウェイク信号の受信に伴ってBLE通信可能な状態に移行する。車載システム1は、車両から所定距離以内に携帯端末3が存在することを検知している場合には、ウェイク信号の定期送信を停止する。【選択図】図11
Description
本開示は、スマートフォンなどの携帯端末を車両の鍵として利用可能な車両用電子キーシステム、車両用認証装置に関する。
特許文献1には、スマートフォンなどの携帯端末を、キーデバイスとして使用可能な構成が開示されている。例えば特許文献1には車両に搭載された車載システムが、携帯端末とBluetooth(登録商標)に準拠した無線通信によって、携帯端末の位置推定及び認証処理を実施し、車両の施錠/開錠等を実行する構成が開示されている。なお、ここでのキーデバイスとは、車両の鍵として機能するデバイスであって、車両を使用しようとする人物の正当性を証明するためのデバイスを指す。
また、特許文献2には、携帯端末に加えて車両用携帯機とも無線通信による認証処理を実施する構成が開示されている。ここでの車両用携帯機とは、車両の鍵としての機能を備える専用的なデバイスであって、キーフォブ、スマートキー、キーカードなどと呼ばれるものを指す。車両用携帯機もキーデバイスに該当する。特許文献2において車両用携帯機との通信はLF(Low Frequency)帯を用いて実施される。
なお、特許文献2-6には、携帯端末の位置を高精度に推定するための構成が種々開示されている。例えば、車両の複数箇所に通信機を設置し、各通信機での携帯端末との通信状況、例えば受信強度や信号飛行時間などに基づいて、携帯端末に対する車両の位置を検出する構成が開示されている。これら先行技術文献の記載内容、例えば携帯端末の位置判定にかかるアルゴリズムや装置/システムの構成などは、この明細書における技術的要素の説明として、参照により援用することができる。
携帯端末をキーデバイスとして利用可能になったとしても、車両用携帯機の販売/配布が廃止されるとは限らない。車両用携帯機は、オーナであることの証明、又は、実体を有するマスターキーとして今後も車両の付属品として販売/配布されることが予見される。また、ユーザの中には、その好みによって、あえて携帯端末ではなく車両用携帯機を車両の鍵として使用し続けるユーザの存在も想定される。つまり、車載装置としては、車両用携帯機と携帯端末の双方と通信可能な構成が求められる。
特許文献2に開示の構成では、車載装置が車両用携帯機と携帯端末のそれぞれと通信による認証を実施する。そのため、仮にユーザが携帯端末と車両用携帯機の両方を携帯した状態で車両に接近した場合には、携帯端末だけでなく車両用携帯機もまた車載装置との無線通信を実行するため、不必要に電力を消費しうる。
本開示は、上記の着眼点に基づいて成されたものであり、その目的の1つは、車両用携帯機に加えて携帯端末を車両の鍵として利用可能な構成において、車両用携帯機又は車載システムでの消費電力を抑制可能な車両用電子キーシステム、車両用認証装置を提供することにある。
ここに開示される車両用電子キーシステムは、車載システム(1)が、車両のキーとして使用されるデバイスであるキーデバイス(Kd)と、第1周波数帯の電波を用いる所定の通信規格に準拠した無線通信である近距離通信を実施することにより、所定の車両制御を実行する車両用電子キーシステムであって、車載システムは、キーデバイスの情報を記憶するキー情報記憶部(M1)と、近距離通信を実施可能に構成された通信モジュールである、複数の第1通信部(7、9)と、第1周波数帯とは異なる第2周波数帯の無線信号であって、車両を操作するための専用デバイスである車両用携帯機(2)を一時的に近距離通信が可能な状態へと遷移させる所定のウェイク信号を送信するための通信モジュールである、少なくとも1つの第2通信部(8)と、第1通信部及び第2通信部のそれぞれの動作を制御する通信制御部(F2)と、複数の第1通信部でのキーデバイスからの信号の受信状況に基づいて、車両に対するキーデバイスの位置を判定する位置推定部(F3)と、第1通信部を介してキーデバイスから受信したデータに基づいてユーザを認証する認証処理部(F4)と、を備え、キー情報記憶部には、キーデバイスとして、車両用携帯機と、近距離通信を実施可能な汎用的な情報処理デバイスである携帯端末(3)の両方を登録可能に構成されており、通信制御部は、携帯端末がキーデバイスとして登録されている場合、位置推定部が判定している携帯端末の位置に応じて、第2通信部の動作を変更するように構成されている。
携帯端末と車両用携帯機の両方を車両の鍵として利用可能なシステムにおいては、携帯端末が車両の近くにいる場合、車載システムは携帯端末との通信によってユーザを認証しうる。そのため、携帯端末が車両の近くにいる場合には、車載システムは車両用携帯機と近距離通信を通信する必要がない。
本開示の車両用電子キーシステムは上記の点に着眼して創出されたものであって、まず、本開示の車両用携帯機はウェイク信号を受信したことに基づいて一時的に近距離通信を実施可能な状態に遷移する。換言すれば、車両用携帯機はウェイク信号を受信しない場合、近距離通信を行わない状態を維持しうる。そのため、車両用携帯機における消費電力を抑制することができる。また、通信制御部は、携帯端末の位置に応じて、第2通信部の動作、すなわちウェイク信号の送信制御態様を変更する。例えば通信制御部は携帯端末が車両の近くに場合にはウェイク信号の送信を停止するなどの制御を実行可能となる。車載システムがウェイク信号を送信しなければ車両用携帯機はウェイク信号に基づいて近距離通信を行わない状態を維持するため、車両用携帯機での消費電力をより一層抑制可能となる。また、車載システムはウェイク信号を送信しない分だけでの消費電力を抑制できる。
また、本開示の車両用認証装置は、車両のキーとして使用されるデバイスであるキーデバイス(Kd)と、所定の第1周波数帯の電波を用いる所定の通信規格に準拠した無線通信である近距離通信を実施することにより、ユーザの認証を行う車両用認証装置であって、キーデバイスの情報を格納するためのキー情報記憶部(M1)と、車両においてそれぞれ異なる位置に配置されている、近距離通信を実施するための通信モジュールである複数の第1通信部(7、9)を制御する第1通信制御部(F21)と、第1周波数帯とは異なる第2周波数帯の無線信号であって、車両を操作するための専用デバイスである車両用携帯機(2)を、一時的に近距離通信を実施可能な状態へと遷移させる所定のウェイク信号を送信するための通信モジュールである、少なくとも1つの第2通信部(8)を制御する第2通信制御部(F22)と、複数の第1通信部におけるキーデバイスからの信号の受信状況に基づいて、車両に対するキーデバイスの位置を判定する位置推定部(F3)と、を備え、キー情報記憶部には、キーデバイスとして、車両用携帯機と、近距離通信を実施可能な汎用的な情報処理デバイスである携帯端末(3)の両方を登録可能に構成されており、第2通信制御部は、携帯端末がキーデバイスとして登録されている場合、位置推定部が判定している携帯端末の位置に応じて、第2通信部(8)の動作を変更するように構成されている。
上記の車両用認証装置によれば、上記車両用電子キーシステムと同様の原理により、車両用携帯機又は車載システムでの消費電力を抑制可能となる。
なお、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
以下、本開示に係る車両用電子キーシステムの実施形態の一例について、図を用いて説明する。図1は、車両用電子キーシステムの概略的な構成の一例を示す図である。図1に示すように車両用電子キーシステムは、車載システム1と、スマートキー2と、を含む。また、車両用電子キーシステムは、任意の要素として、1つ又は複数の携帯端末3を含む。車載システム1は、車両Hvに搭載されているシステムである。スマートキー2は、車両Hvの電子キーとしての専用デバイスである。携帯端末3は、車両Hvのユーザによって携帯される汎用的な情報処理端末である。
<前置き>
以下の説明における車両Hvは、一例として個人によって所有される車両である。故に、車両Hvのユーザとは、所有者(オーナー)や、その家族などを指す。もちろん、車両Hvは会社組織が保有する社用車や、公的機関が保有する公用車であってもよい。車両Hvが社用車や公用車である場合には、当該車両Hvを管理する組織に属する人物がユーザとなりうる。さらに、車両Hvは、貸出サービスに供される車両(いわゆるレンタカー)であってもよいし、カーシェアリングサービスに供される車両(いわゆるシェアカー)であってもよい。車両Hvは、ロボットタクシーなど、旅客輸送サービスに供される車両でもよい。車両Hvが上記サービスに供される車両(以下、サービス車両)である場合には、それらのサービスの利用契約を行っており、且つ、サービスの利用予約等に基づき、一時的に当該車両Hvを利用する権限を有する人物がユーザとなりうる。
以下の説明における車両Hvは、一例として個人によって所有される車両である。故に、車両Hvのユーザとは、所有者(オーナー)や、その家族などを指す。もちろん、車両Hvは会社組織が保有する社用車や、公的機関が保有する公用車であってもよい。車両Hvが社用車や公用車である場合には、当該車両Hvを管理する組織に属する人物がユーザとなりうる。さらに、車両Hvは、貸出サービスに供される車両(いわゆるレンタカー)であってもよいし、カーシェアリングサービスに供される車両(いわゆるシェアカー)であってもよい。車両Hvは、ロボットタクシーなど、旅客輸送サービスに供される車両でもよい。車両Hvが上記サービスに供される車両(以下、サービス車両)である場合には、それらのサービスの利用契約を行っており、且つ、サービスの利用予約等に基づき、一時的に当該車両Hvを利用する権限を有する人物がユーザとなりうる。
本実施形態では一例として車両Hvはエンジン車とする。ただし、車両Hvは、プラグインハイブリッド車や電気自動車といった電動車であってもよい。ここでのエンジン車は動力源としてエンジンのみを備える車両を指し、ハイブリッド車は動力源としてエンジンとモータを備える車両を指す。電気自動車は、モータのみを駆動源として備える車両を指す。本開示は四輪自動車に限らず、トレーラや、二輪自動車、三輪自動車等、道路上を走行可能な多様な車両に搭載可能である。原動機付き自転車も二輪自動車に含めることができる。本開示では一例として車両Hvは右側に運転席が設けられた車両とするが、車両Hvは左側に運転席が設けられた車両でも良い。以下の説明における前後、左右、上下の各方向は、車両Hvを基準として規定される。前後方向は、車両Hvの長手方向に相当する。左右方向は、車両Hvの幅方向に相当する。上下方向は、車両Hvの高さ方向に相当する。
<全体概要>
車載システム1、スマートキー2、及び、携帯端末3はそれぞれ、実質的な通信可能距離が例えば5mから30m、最大でも100m程度となる所定の近距離無線通信規格に準拠した通信(以降、近距離通信とする)を実施可能に構成されている。ここでの近距離通信の規格としては、例えばBLE(Bluetooth Low Energy、Bluetoothは登録商標)や、Wi-Fi(登録商標)、ZigBee(登録商標)等を採用することができる。近距離通信の方式としては、UWB-IR(Ultra Wide Band - Impulse Radio)も採用可能である。近距離通信は高周波電波を用いて実施される。なお、本開示における高周波電波とは、例えば2.4GHzなど、900MHz以上の電波を指す。高周波電波には1GHz以上の電波に限らず、920GHzなどのサブギガ帯の電波も含まれる。
車載システム1、スマートキー2、及び、携帯端末3はそれぞれ、実質的な通信可能距離が例えば5mから30m、最大でも100m程度となる所定の近距離無線通信規格に準拠した通信(以降、近距離通信とする)を実施可能に構成されている。ここでの近距離通信の規格としては、例えばBLE(Bluetooth Low Energy、Bluetoothは登録商標)や、Wi-Fi(登録商標)、ZigBee(登録商標)等を採用することができる。近距離通信の方式としては、UWB-IR(Ultra Wide Band - Impulse Radio)も採用可能である。近距離通信は高周波電波を用いて実施される。なお、本開示における高周波電波とは、例えば2.4GHzなど、900MHz以上の電波を指す。高周波電波には1GHz以上の電波に限らず、920GHzなどのサブギガ帯の電波も含まれる。
ここでは車載システム1、スマートキー2、及び、携帯端末3はそれぞれ、BLE規格に準拠した無線通信(以降、BLE通信)を実施可能に構成されている場合を例にとって各部の作動を説明する。通信接続及び暗号通信などにかかる通信方法の細部はBLE規格で規定されるシーケンスによって実施される。
なお、以下では車両Hvに搭載されたBLE通信機7がスマートキー2や携帯端末3との通信におけるマスターとして振る舞うように設定されている場合について説明する。スマートキー2及び携帯端末3は、スレーブとして振る舞う。BLE通信におけるスレーブは、間欠的にアドバタイズ信号を送信するとともに、マスターからの要求に基づいてデータの送受信を実行するデバイスである。スレーブは、ペリフェラルとも称される。マスターは、スレーブとの通信接続状態や通信タイミングを制御するデバイスである。マスターは、セントラルとも称される。他の態様として、スマートキー2及び携帯端末3が車載システム1との通信におけるマスターとして動作するように設定されていても良い。
なお、アドバタイズ信号は、自分自身の存在を他のデバイスに通知するための信号である。アドバタイズ信号は、アドバタイズフレームあるいはアドバタイズパケットと呼ぶことができる。アドバタイズ信号など、BLEで送受信される信号には、送信元情報が含まれている。送信元情報は、例えば携帯端末3に割り当てられた固有の識別情報(以降、デバイスIDとする)である。デバイスIDとしては例えばデバイスアドレスや、UUID(Universally Unique Identifier)などを採用可能である。なお、Bluetoothにおけるデバイスアドレスは、48ビットで表現されうる。また、UUIDは128ビットで表現されうる。デバイスアドレスは、固定的なパブリックアドレスであってもよいしランダムアドレスであってもよい。パブリックアドレスはEthernet(登録商標)におけるMAC(Media Access Control)アドレスに相当する。
スマートキー2及び携帯端末3は、車両Hvを使用するための鍵情報を保持しており、当該鍵情報を用いて車両Hvの電子キーとして機能するデバイスである。ここでの鍵情報とは、後述する認証処理で使用されるデータである。鍵情報は、車両Hvにアクセスしようとしている人物がユーザであること、つまり、車両Hvにアクセスしようとしている人物の正当性を証明するためのデータである。鍵情報は、認証鍵や、暗号鍵、鍵コードと呼ぶことができる。鍵情報は、例えばユーザが設定したパスワードを所定のハッシュ関数に入力して暗号化した文字列(値)とすることができる。鍵情報は、デバイスIDをもとに生成されても良い。本開示では、スマートキー2及び携帯端末3のことをキーデバイスKdとも称する。
鍵情報は、キーデバイスKd毎に異なりうる。車載システム1には、キーデバイスKd毎の鍵情報がデバイスIDと対応付けられて保存登録されている。複数のキーデバイスKdは、デバイスIDの代わりに、車両Hvが登録順に割り当てるキーIDで区別されてもよい。デバイスIDは、例えば48ビット/128ビット程度の長さで表現される一方、キーIDは、例えば1バイトなど数バイトで表現されうる。鍵情報そのものは1バイト以上の長さを有するビット列で表現されうる。鍵情報は長いほどそのセキュリティ性が強固となり好適である。鍵情報は例えば16バイト又は27バイトなどで表現されうる。鍵情報を27バイト以下とする構成によればBLE暗号通信における1つのパケットで鍵情報を全て送信可能となる。
車載システム1は、多様なキーデバイスKdと、無線通信による自動的な認証処理を行う。そして、認証が成功していることを条件として、車両Hvに対するユーザの位置に応じた車両制御を実施するパッシブエントリパッシブスタートシステムを実現する。ここでの車両制御とは、ドアの施錠/開錠、電源オン/オフ、エンジン始動などである。
例えば車載システム1は、キーデバイスKdが車両Hvに対して予め設定されている施開錠エリアLx内に存在することを確認できている場合、後述するドアボタン5に対するユーザ操作に基づいて、ドアの施錠や開錠といった制御を実行する。また、車載システム1は、キーデバイスKdとの無線通信によってキーデバイスKdが車室内に存在することを確認できている場合には、後述するスタートボタン6に対するユーザ操作に基づいて、エンジンの始動制御を実行する。
施開錠エリアLxとは、車室外のうち、当該エリア内にキーデバイスKdが存在することに基づいて、車載システム1がドアの施錠や開錠といった所定の車両制御を実行するためのエリアである。施開錠エリアLxは室外作動エリアあるいはパッシブエントリエリアと呼ぶこともできる。例えば、運転席用のドア付近や、助手席用のドア付近、トランクドア付近が施開錠エリアLxに設定されている。ドア付近とは、外側ドアハンドルから、所定の作動距離以内となる範囲を指す。外側ドアハンドルとは、ドアの外側面に設けられた、ドアを開閉するための把持部材を指す。施開錠エリアLxの大きさを規定する作動距離は、例えば1.5mである。もちろん、作動距離は1mであってもよいし、0.7mであってもよい。作動距離は、防犯性の観点から2mよりも小さく設定される。
車載システム1によるキーデバイスKdの認証は、例えばチャレンジ-レスポンス方式によって実施されうる。認証処理は、鍵情報を元にキーデバイスKdで生成されたレスポンスコードと、車両Hvが保持又は動的に生成した検証コードとを照合する処理を伴うため、照合処理と言い換えることもできる。認証処理の詳細は別途後述する。キーデバイスKdの認証が成功したということは、車両Hvにアクセスしようとしている人物が正規のユーザであると判定することに相当する。
<車載システム1の構成について>
ここでは、車載システム1の構成及び作動について述べる。車載システム1は、図1に示すように、スマートECU4、ドアボタン5、スタートボタン6、BLE通信機7、及びLF送信機8を備える。また車載システム1は、電源ECU11、ボディECU12、ボディ系アクチュエータ13、ボディ系センサ14、ディスプレイ15、入力装置16、及び広域通信部17を備える。部材名称中のECUは、Electronic Control Unitの略であり、電子制御装置を意味する。LFはLow Frequencyの略である。
ここでは、車載システム1の構成及び作動について述べる。車載システム1は、図1に示すように、スマートECU4、ドアボタン5、スタートボタン6、BLE通信機7、及びLF送信機8を備える。また車載システム1は、電源ECU11、ボディECU12、ボディ系アクチュエータ13、ボディ系センサ14、ディスプレイ15、入力装置16、及び広域通信部17を備える。部材名称中のECUは、Electronic Control Unitの略であり、電子制御装置を意味する。LFはLow Frequencyの略である。
スマートECU4は、複数のドアボタン5、スタートボタン6、複数のBLE通信機7、及びLF送信機8のそれぞれと専用の信号線で接続されている。また、スマートECU4は、電源ECU11やボディECU12、ディスプレイ15、入力装置16などと、車両内ネットワークNwを介して相互通信可能に接続されている。車両内ネットワークNwは、車両Hv内に構築されている通信ネットワークである。車両内ネットワークNwの規格としては、Controller Area Network(以降、CAN:登録商標)や、Ethernetなど、多様な規格を採用可能である。なお、ボディECU12などの一部は、車両内ネットワークNwを介さずにスマートECU4と専用線で接続されていてもよい。装置同士の接続形態は適宜変更可能である。
スマートECU4は、BLE通信機7等との協働により、キーデバイスKdの位置を推定する。また、スマートECU4はキーデバイスKdの位置の推定結果に応じた車両制御を他のECUとの協働によって実現する。スマートECU4は、コンピュータを用いて実現されている。すなわち、スマートECU4は、プロセッサ41、RAM42、ストレージ43、I/O44、及びこれらの構成を接続するバスラインなどを備えている。また、本実施形態のスマートECU4は、1つのBLE通信機7が内蔵している。スマートECU4が車両用認証装置に相当する。
プロセッサ41はRAM(Random Access Memory)42と結合された演算処理のためのハードウェア(換言すれば演算コア)である。プロセッサ41は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。プロセッサ41は、RAM42へのアクセスにより、後述する各機能部の機能を実現するための種々の処理を実行する。RAM42は揮発性の記憶媒体である。ストレージ43は、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体を含む構成である。ストレージ43には、プロセッサ41によって実行される各種プログラムが格納されている。プロセッサ41がプログラムを実行することは、当該プログラムに対応する方法、例えば位置推定方法が実行されることに相当する。I/O44は、他装置と通信するための回路モジュールである。I/O44は、アナログ回路素子やICなどを用いて実現されている。
ストレージ43には、キーデバイスKd毎のデバイスIDが登録されている。また、ストレージ43には、各BLE通信機7の車両Hvにおける搭載位置を示す通信機設定データが格納されている。各BLE通信機7の搭載位置は、例えば、車両Hvの任意の位置を中心とし、車両Hvの幅方向及び前後方向の両方に平行な2次元座標系である車両座標系上の点として表現されうる。車両座標系を形成するX軸は車幅方向に平行に設定し、Y軸は車両の前後方向に平行に設定可能である。車両座標系の中心は、例えば、車体の中心や、後輪車軸の中心などを採用可能である。
車載システム1が備える各BLE通信機7には固有の通信機番号が設定されている。通信機番号は、複数のBLE通信機7を識別するための情報として機能する。ストレージ43には、通信機設定データとして、各BLE通信機7の設置位置が通信機番号と対応付けられて保存されている。スマートECU4の機能詳細については別途後述する。
ドアボタン5は、ユーザが車両Hvのドアを開錠及び施錠するためのボタンである。ドアボタン5は、各ドアに設けられている外側ドアハンドル、又はその近傍に設けられている。ドアボタン5は、ユーザによって押下されると、その旨を示す電気信号を、スマートECU4に出力する。なお、ユーザの開錠指示及び施錠指示の少なくとも何れか一方を受け付けるための構成としては、タッチセンサを採用することもできる。タッチセンサは、ユーザがそのドアハンドルを触れていることを検出する装置である。タッチセンサはドアボタン5の代わりに、又は、ドアボタン5とともに外側ドアハンドルに設けられうる。
スタートボタン6は、ユーザが走行用電源をオン/オフを切り替えるためのプッシュスイッチである。走行用電源は、車両Hvが走行するための電源であって、車両がエンジン車である場合にはイグニッション電源を指す。車両Hvが電気自動車やハイブリッド車である場合、走行用電源とはシステムメインリレーを指す。スタートボタン6は駆動源(例えばエンジン)を始動させるためのスイッチと解することもできる。スタートボタン6は、ユーザによってプッシュ操作がされると、その旨を示す電気信号をスマートECU4に出力する。
BLE通信機7は、BLE規格に則ってスマートキー2やキーデバイスKdといったキーデバイスKdと無線通信を実施するための通信モジュールである。各BLE通信機7は、図2に示すように基板71、アンテナ72、送受信部73、及び通信マイコン74を備える。基板71は、例えばプリント基板である。基板71には、例えばアンテナ72等のBLE通信機7を構成する電子部品が設けられている。アンテナ72は、BLE通信に用いられる周波数帯、すなわち2.4GHz帯の電波を送受信するためのアンテナである。アンテナ72は送受信部73と電気的に接続されている。BLE通信で使用される周波数帯が第1周波数帯に相当する。アンテナ72は複数のアンテナ素子を並べてなるアレーアンテナとして構成されていても良い。
送受信部73は、アンテナ72で受信した信号を復調し、通信マイコン74に提供する。また、通信マイコン74を介してスマートECU4から入力された信号を変調して、アンテナ72に出力し、電波として放射させる。送受信部73は、通信マイコン74と相互通信可能に接続されている。送受信部73は、受信強度検出部731と、受信位相検出部732と、を備える。受信強度検出部731は、アンテナ72で受信した信号の強度を逐次検出する構成である。受信強度検出部731が検出する受信強度を示す信号又はその測定値そのものは、RSSI(Received Signal Strength Indicator/Indication)とも呼ばれうる。受信強度検出部731が検出した受信強度は、受信信号の送信元を示すデバイスIDと対応付けられて通信マイコン74に逐次提供される。
また、受信位相検出部732は、測距のための連続波(CW:Continuous Wave)信号を受信している場合、ローカル発振器の出力信号に対する受信信号の位相角である受信位相を検出する。受信位相は、例えば受信信号のI(In-Phase)成分に対するQ(Quadrature-Phase)成分の比を入力値とするアークタンジェントの出力値に相当する。I成分の大きさは、受信信号の同相成分の強度に相当する。Q成分の大きさは、受信信号の直交成分の強度に相当する。I成分は、受信信号にローカル発振器が出力する搬送波を乗じることで得られる。また、Q成分は、ローカル発振器の出力信号の位相を90°ずらした位相シフト信号を、受信信号に乗じることで得られる。位相シフト信号は、位相を90°シフトさせる回路である移相シフト回路にローカル発振器の出力信号を通すことで得ることができる。ローカル発振器は、搬送周波数の正弦波又は余弦波を生成する回路であって、例えば電圧制御発振器(VCO:Voltage-Controlled Oscillator)などを用いて実現されている。受信位相検出部732が検出した位相は、受信信号の周波数と対応付けて通信マイコン74に出力する。受信位相は、ベースバンドまで周波数を落としたIQ信号に基づいて特定されても良い。
通信マイコン74は、スマートECU4とのデータの受け渡しを制御するマイクロコンピュータである。通信マイコン74は、CPUやRAM、ROM(Read Only Memory)等を用いて実現されている。通信マイコン74は、送受信部73から入力された受信データを順次又はスマートECU4からの要求に基づいてスマートECU4に提供する。また、通信マイコン74は、キーデバイスKdを認証するとともに、スマートECU4からの要求に基づき、キーデバイスKdと暗号通信を実施する機能を備える。暗号化の方式としては、多様な方式を援用することができる。
通信マイコン74は、スマートECU4からの要求に基づいて受信強度検出部731が検出した受信強度を示すデータを、スマートECU4に出力する。なお、通信マイコンは、スマートECU4からの要求の有無に関わらずに、受信強度データを逐次スマートECU4に出力するよう構成されていてもよい。通信マイコン74は、スマートECU4からの要求に基づき又は自発的に、周波数ごとの受信位相情報をスマートECU4に出力する。
BLE通信機7は、車両Hvに少なくとも1つ設けられている。本実施形態では一例として、スマートECU4に1つのBLE通信機7が内蔵されている。また、スマートECU4の外部にも複数のBLE通信機7が、車両の複数箇所に分散配置されている。本実施形態では一例として、図3に示すようにBLE通信機7a~7c、7p~7r、7xを備える。
BLE通信機7aは、右側ドアにおけるBピラーの外側面に設けられている。BLE通信機7bは、左側ドアにおけるBピラーの外側面に設けられている。例えばBLE通信機7a、7bは、左右のドアが備えるBピラーのうち、ベルトラインの上側30cm以内となる領域に配置されている。ベルトラインはサイドウインドウの下端部に沿うラインであって、ウエストラインとも呼ばれうる。BLE通信機7cは、リアバンパの左右方向の中央部に配置されている。
BLE通信機7a~7cは、車両の外側面に設けられたBLE通信機7である室外機に相当する。室外機としてのBLE通信機7a~7cは、主として車外に存在するキーデバイスKdからの信号を受信するための構成に相当する。室外機は車両Hvに搭乗しようとするユーザが所持するキーデバイスKdからの信号を良好に受信可能なように、Bピラー又は外側ドアハンドル付近に配されることが好ましい。本実施形態では一例として、各室外機が個別の施開錠エリアLxを形成する。例えばBLE通信機7aは車両右側の施開錠エリアLxである右側エリアLxRを形成する。また、BLE通信機7bは車両左側の施開錠エリアLxである左側エリアLxLを形成する。BLE通信機7cは車両後方の施開錠エリアLxである後方エリアLxBを形成する。
なお、Bピラーとしては、ドアモジュールが備えるドア側Bピラーと、車体の屋根部を備える支柱/フレームとしての車体側Bピラーとがある。ドア側Bピラーは、前席用ドア又は後席用ドアにおいて車体側ピラーと当接する部分に相当する。以下におけるBピラーとは主としてドア側Bピラーを指す。また特に断りがない場合、室外機の取り付け位置としてのドア側Bピラーとは、サイドウインドウに隣接する部分、すなわちサイドウインドウの下端部よりも上側の部分を指すものとする。他の態様として室外機はドア側Bピラーの窓枠よりも下側となる部分や、車体側Bピラーに配置されていても良い。Bピラーは、車両Hvが備えるピラーのうち、前から2番目のピラーを指す。Bピラーはセンターピラーとも呼ばれうる。前から3番目、あるいは、後部座席の後方に位置するピラーはCピラーと呼ばれる。Aピラーとは、1番前のピラーであって、前部座席の前方に位置するピラーに相当する。
BLE通信機7pは、右側前ドアを構成する金属パネルの車内側の面部において、窓部よりも0.1m以上、下側となる位置に配置されている。例えばBLE通信機7pは、右側前ドアの室内側面において、床から20cm以内となる領域に配置されている。右側前ドアは、右側の前部座席用のドアを指す。BLE通信機7qは、車両の左側においてBLE通信機7pと対応する位置に配置されている。すなわち、BLE通信機7qは、左側前ドアを構成する金属パネルの車内側の面部において、窓部よりも0.1m以上、下側となる位置に配置されている。左側前ドアは、車両左側に設けられた前部座席用のドアを指す。BLE通信機7rは、トランクルーム又は後部座席の背もたれ部の背面部に設けられている。
BLE通信機7p~7rは、車室内に設けられたBLE通信機7である室内機に相当する。室内機としてのBLE通信機7p~7rは、主として車内に存在するキーデバイスKdからの信号を受信するための構成に相当する。
室内機は、車外が見通し外となる位置に設けられていることが好ましい。或るBLE通信機7にとっての見通し外とは、当該BLE通信機7から送信された信号が直接的には到達しない領域である。なお、BLE通信機7から送信された信号は種々の構造物で反射されることによって、見通し外にも到達しうる。つまり、キーデバイスKdがBLE通信機7の見通し外に存在する場合であっても、構造物での反射や回折等によって両者は無線通信を実施し得る。
室内機は、ドアなどの金属板を挟んで室外機と対をなす位置からは外れた位置に配置されている。対をなす位置とは、金属ボディを挟んで裏表の関係にある位置をさす。より具体的には室外機からの距離が対象波長の20%未満となる範囲が、室外機と対をなす位置に相当しうる。対をなす位置からは外れた位置とは、上記条件を充足しない位置である。例えば室内機は室外機から対象波長の20%以上、より好ましくは40%以上離れた位置に配置されている。ここでの対象波長は、BLE通信に供される信号の波長であって、約122mmである。対象波長の20%とは約2.5cm、40%とは約5cm程度となる。上記の配置態様は、室外機から少なくとも上下又は前後方向に10cm以上離れた位置に室内機を配置した構成に相当する。
BLE通信機7xは、スマートECU4に内蔵されている。図3では一例としてスマートECU4が右側Cピラーに取り付けられている態様を示している。スマートECU4は、インストゥルメントパネル内部に収容されていてもよい。スマートECU4の収容箇所としては、インストゥルメントパネルの上面部の内側や、センターガーニッシュの内側などを採用可能である。BLE通信機7xは車室内だけでなく車外に存在するキーデバイスKdとも通信可能な位置配置されていることが好ましい。BLE通信機7xを含むスマートECU4は、車室内天井部など、窓部を介して車室外を見通せる位置に配置されていても良い。また、BLE通信機7xはスマートECU4の外側に配置されていても良い。
なお、以上で述べたBLE通信機7の搭載位置は一例であって、適宜変更可能である。例えば室外機としてのBLE通信機7a、7bは、前部座席用の外側ドアハンドルに内蔵されていても良いし、ドア下のロッカー部分などに配置されていてもよい。ロッカー部分にはサイドシルカバーの内側部分も含まれる。BLE通信機7cの搭載位置は、リアナンバープレート付近や、リアウインドウ付近、トランク用のドアハンドル付近などであってもよい。BLE通信機7の搭載位置の説明において、或る部材の「付近」とは、当該部材から例えば30cm以内となる範囲を指す。例えばナンバープレート付近とはナンバープレートから30cm以内となる範囲を指す。ドアハンドル付近には、ドアハンドルの内部も含まれる。
室内機としてのBLE通信機7p、7qは、車体側Bピラーの根本や、運転席及び助手席の足元付近に配置されていても良い。車体側Bピラーの根本とは、床面から20cm以内となる部分を指す。BLE通信機7p、7qはインナードアハンドル付近や、ドアスイッチパネル、ドアポケット、アームレストなどに配置されていても良い。BLE通信機7rは、後部座席の中央などに埋没されていても良い。
また、車載システム1が備えるBLE通信機7の数は、6個以下であっても良いし、8個以上であっても良い。車載システム1はフロントバンパ/エンブレム付近に配置されたBLE通信機7を備えていても良い。
車載システム1が備えるBLE通信機7のうち、キーデバイスKdとのデータ通信に使用されるものを、本開示では代表機又はゲートウェイ通信機と称する。本開示ではBLE通信機7xが基本的には代表機として動作する。代表機の設定はプロセッサ41により動的に変更されうる。
スマートECU4は、複数のBLE通信機7の何れかを用いて、キーデバイスKdと鍵交換プロトコルの実行(いわゆるペアリング)を実施する。ペアリングによって取得したキーデバイスKdについての情報であるデバイス情報は、ストレージ43に保存されるとともに、各BLE通信機7の通信マイコン74が備える不揮発性のメモリにも保存される。デバイス情報とは、例えば、ペアリングによって交換した鍵や、デバイスIDなどである。なお、車両Hvが複数のユーザによって共用される場合には、各ユーザが保有するキーデバイスKdのそれぞれについてのデバイス情報が保存される。また、車両Hvがサービスカーである場合、スマートECU4は、鍵情報を発行する管理サーバから、利用予約しているユーザに対応するデバイス情報を事前に取得して所定の記憶媒体に一時的保管しても良い。
BLE通信機7xひいては車載システム1は、携帯端末3やスマートキー2から送信されてくる信号、例えばアドバタイズ信号や、スキャン応答信号を受信することで、携帯端末3が車載システム1と近距離通信可能な範囲内に存在することを検出する。スキャン応答信号は、マスターから発せられるスキャン要求信号に対してスレーブが発する応答信号に相当する。ここでは一例として車載システム1はパッシブスキャン方式にて車両周辺に存在するキーデバイスKdを検出する。車載システム1は、スキャン要求の送信を伴うアクティブスキャン方式によってキーデバイスKdを探索しても良い。2種類のスキャン方式はシーンによって使い分けられても良い。
BLE通信機7xは、キーデバイスKdからのアドバタイズ信号やスキャン応答信号を受信すると、保存済みのデバイス情報を用いて自動的にキーデバイスKdとの通信接続を確立する。そして、スマートECU4がキーデバイスKdと暗号化されたデータ通信を実施する。なお、BLE通信機7xは、キーデバイスKdとの通信接続を確立すると、通信接続しているキーデバイスKdのデバイスIDを接続デバイス情報としてスマートECU4に提供する。
なお、BLE通信では、デバイス間の通信接続が確立している状態では、37個のチャンネルを逐次変更しながらデータの送受信を実施する。代表機としてのBLE通信機7xは、通信制御部F2に対して、キーデバイスKdとの通信に使用するチャンネルを示す情報(以降、チャンネル情報)を逐次提供する。チャンネル情報は、具体的なチャンネル番号であっても良いし、使用チャンネルの遷移規則を示すパラメータ(いわゆるhopIncrement)であってもよい。HopIncrementは、通信接続時にランダムに決定される5から16までの数字である。チャンネル情報は、現在のチャンネル番号と、HopIncrementを含むことが好ましい。
スマートECU4の外部に設けられている各BLE通信機7は、専用の通信線又は車両内ネットワークNwを介してスマートECU4と相互通信可能に接続されている。各BLE通信機7はスマートECU4が備える通信制御部F2からの制御信号に基づいて動作する。また、各BLE通信機7は受信データや、キーデバイスKdからの信号の受信状況に関する情報をスマートECU4に提供する。キーデバイスKdからの信号の受信状況に関する情報については別途後述する。
LF送信機8は、スマートECU4からの指示に基づき、LF帯に属する所定の周波数の信号を送信する装置である。LF帯が第2周波数帯に相当する。ここでのLF帯は30kHz~300kHzを指す。車載システム1からスマートキー2への信号送信に使用されるLF帯の周波数とは、例えば125kHzや134kHzである。LF帯の無線信号のことを以降ではLF信号とも称する。LF送信機8は、例えばスマートECU4からの入力信号に基づき、ウェイク信号を送信する。ウェイク信号は、スマートキー2をアクティブモードに移行させるためのLF信号である。LF送信機8は、LF送信回路とLF送信アンテナとを備える。LF送信回路は、デジタルアナログ変換、周波数変換、変調等といった所定の信号処理を行う回路である。LF送信回路はスマートECU4が備えていても良い。
車載システム1は図3に示すように、LF送信機8として、LF送信機8a、8bを備える。LF送信機8aは、例えばインストゥルメントパネルの車幅方向中央部や、センターコンソールボックス付近に設けられている。LF送信機8bは、後部座席の着座面に埋没されている。なお、LF送信機8aは天井部に設けられていても良い。LF送信機8bは、トランク内に配置されていても良い。LF送信機8の設置位置や設置数もまた適宜変更可能である。LF送信機8は、車室内を含む車両から5m以内を有効な通信エリアになるように、送信電力や搭載箇所が設定されている。有効な通信エリアとは、ウェイク信号が所定強度を保って伝搬する範囲を指す。
電源ECU11は、車両Hvに搭載された走行用電源のオンオフ状態を制御するECUである。例えば電源ECU11は、例えばスマートECU4などの、他のECUからの指示信号に基づき、走行用電源をオンに設定する。なお、車両Hvがエンジン車である場合には、電源ECU11は上記指示信号に基づきエンジンを始動させる。
ボディECU12は、スマートECU4やユーザからの要求に基づいて、ボディ系アクチュエータ13を制御するECUである。ボディECU12は、種々のボディ系アクチュエータ13や、種々のボディ系センサ14と通信可能に接続されている。ここでのボディ系アクチュエータ13とは、例えば、各ドアのロック機構を構成するドアロックモータである。ボディ系センサ14には、ドア毎に配置されているカーテシスイッチなどが含まれる。カーテシスイッチは、ドアの開閉を検出するセンサである。ボディECU12は、例えばスマートECU4からの要求に基づいて、車両Hvの各ドアに設けられたドアロックモータに所定の制御信号を出力することで各ドアを施錠したり開錠したりする。
ディスプレイ15は、画像を表示するデバイスである。例えばディスプレイ15はスマートECU4からの入力に基づき、キーデバイスKdを登録する画面や、登録済みのキーデバイスKdを削除する画面などを表示しうる。ディスプレイ15としては例えば、液晶ディスプレイ、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ等を採用できる。ディスプレイ15は、例えばインストゥルメントパネルの車幅方向の中央領域に設けられた、センターディスプレイである。ディスプレイ15は、運転席の正面領域に配置された、メータディスプレイであってもよい。
入力装置16は、車載システム1、より具体的にはスマートECU4に対するユーザの指示操作を受け付けるための装置である。入力装置16としては、ステアリングスイッチや、ディスプレイ15に積層されたタッチパネルを採用可能である。ディスプレイ15及び入力装置16は、ユーザが携帯端末3をキーデバイスKdとして登録したり、キーデバイスKdとして登録済みのデバイスを削除したりするためのインターフェースに相当する。入力装置16は、当該装置に対してユーザが行った操作に対応する電気信号を操作信号としてスマートECU4に出力する。入力装置16が出力する操作信号は、ユーザの操作内容を示す。
広域通信部17は、セルラー通信又はWi-Fi通信によって、インターネットにアクセスするための通信モジュールである。ここでのセルラー通信とは4Gや5Gなどを指す。4Gや5G、Wi-Fiなど、インターネットにアクセス可能な通信を本開示では広域通信とも称する。なお、車両Hvがサービスカーである場合、スマートECU4は広域通信部17を介して、車両外部に配置された管理サーバとデータ通信を実施する。管理サーバは、車両Hvの予約状況や、利用予約しているユーザに関するデータをスマートECU4に配信しうる。予約者に関する配信データには、当該ユーザが所持する携帯端末3のデバイス情報や鍵情報などが含まれうる。管理サーバが外部サーバに相当する。
<スマートキー2について>
スマートキー2は、車両Hvにアクセスするための電子キーとしての専用デバイスである。スマートキー2は、車両Hvの購入時に、車両Hvとともにオーナに提供されるデバイスである。スマートキー2は、基本的にオーナによって所持される。スマートキー2は車両Hvの付属物の1つと解することができる。スマートキー2は、扁平な直方体型や、扁平な楕円体型(いわゆるフォブタイプ)、カード型など、多様な形状を採用可能である。スマートキー2は、車両用携帯機、キーフォブ、キーカード、アクセスキーなどと呼ばれうる。
スマートキー2は、車両Hvにアクセスするための電子キーとしての専用デバイスである。スマートキー2は、車両Hvの購入時に、車両Hvとともにオーナに提供されるデバイスである。スマートキー2は、基本的にオーナによって所持される。スマートキー2は車両Hvの付属物の1つと解することができる。スマートキー2は、扁平な直方体型や、扁平な楕円体型(いわゆるフォブタイプ)、カード型など、多様な形状を採用可能である。スマートキー2は、車両用携帯機、キーフォブ、キーカード、アクセスキーなどと呼ばれうる。
スマートキー2は動作モードとして、BLE通信可能なアクティブモードと、アクティブモードと比較して実行可能な機能を限定することで消費電力を抑制するモードであるスリープモードとを備える。スリープモードは、例えばBLE通信部23への電力供給を停止し、その動作を停止させている状態に相当する。
スマートキー2は図4に示すように、キー制御部20、操作部21、LF受信部22、BLE通信部23、及び内蔵電池24を備える。
操作部21は、スマートキー2に対するユーザ操作を受け付けるための構成である。操作部21としては、プッシュスイッチなどを採用可能である。操作部21は複数のスイッチを備えていてもよい。例えば操作部21は、車両Hvのドアを施錠するためのスイッチである施錠スイッチと、車両Hvのドアを開錠するためのスイッチである開錠スイッチとを含みうる。なお、操作部21はディスプレイとタッチパネルとの組み合わせによって実現されていてもよい。スマートキー2は、ユーザによって操作されたスイッチに応じた遠隔制御信号をスマートECU4に向けて無線送信することで、車両ドアの施錠/開錠等の制御を実行する、いわゆるリモートキーレスエントリーシステムを提供する。
LF受信部22は、LF帯に属する所定の周波数の無線信号であるLF信号を受信するための構成である。LF受信部22は、LF信号を受信するためのアンテナや、受信信号を復調する回路(いわゆる復調回路)を用いて実現されている。LF受信部22は、アンテナで受信した信号に対して、アナログデジタル変換や、復調、復号などといった、所定の処理を施すことで、受信信号に含まれるデータを抽出する。そして、その抽出したデータをキー制御部20に提供する。
BLE通信部23は、BLE用の通信モジュールである。BLE通信部23の概略的な構成はBLE通信機7と同様とすることができる。BLE通信部23は、キー制御部20の制御の下、動作する。例えばBLE通信部23は、キー制御部20によってその動作状態が切り替えられる。BLE通信部23は、アドバタイズ信号等を送受信可能な状態であるアクティブ状態と、通信不能な非アクティブ状態とを備える。非アクティブ状態は例えば通電されていない状態とすることができる。内蔵電池24は、スマートキー2の作動のための電力を供給する電源である。内蔵電池24は、例えばリチウム電池等の1次電池である。
キー制御部20は、CPU201やメモリ202を備えるマイクロコンピュータとして構成されている。キー制御部20はIC(Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)を用いて実現されていてもよい。メモリ202には、鍵関連情報が保存されている。鍵関連情報は、例えば鍵情報や、対応する車両IDなどを指す。
キー制御部20は、LF受信部22が所定の閾値以上の強度を有するウェイク信号を受信したことに基づいて起動し、スマートキー2全体をスリープモードからアクティブモードに移行させる。また、キー制御部20はウェイク信号を受信した場合以外にも、操作部21が操作された場合にもスリープモードからアクティブモードへと移行しうる。すなわち、キー制御部20はウェイク信号の受信や操作部21へのユーザ操作をトリガとしてBLE通信部23を起動させる。
アクティブモード時においてキー制御部20は、BLE通信部23から、車載システム1との通信接続状態を示す情報や、車載システム1からの受信データを取得する。キー制御部20は、BLE通信部23がチャレンジコードを受信した場合にはメモリ203に保存されている鍵情報を用いたレスポンスコードを生成し、BLE通信部23に送信させる。キー制御部20は、操作部21が操作された場合にも、操作内容に応じた制御信号をBLE通信部23から送信させる。
その他、キー制御部20は、アクティブモードにおいて、車載システム1と通信接続していない状態が一定間継続した場合、及び、操作部21が操作されていない状態が一定時間継続した場合に、スマートキー2をスリープモードに移行させる。
<携帯端末3について>
携帯端末3は、BLE通信機能を備えた、携帯可能かつ汎用的な情報処理デバイスである。車両Hvの電子キーとして機能させるためのアプリケーションであるデジタルキーアプリ304がインストールされている。携帯端末3としては、例えば、スマートフォンや、タブレット端末、ウェアラブルデバイス等などを採用することができる。ウェアラブルデバイスは、ユーザの身体に装着されて使用されるデバイスであって、リストバンド型、腕時計型、指輪型、メガネ型、イヤホン型など、多様な形状のものを採用可能である。
携帯端末3は、BLE通信機能を備えた、携帯可能かつ汎用的な情報処理デバイスである。車両Hvの電子キーとして機能させるためのアプリケーションであるデジタルキーアプリ304がインストールされている。携帯端末3としては、例えば、スマートフォンや、タブレット端末、ウェアラブルデバイス等などを採用することができる。ウェアラブルデバイスは、ユーザの身体に装着されて使用されるデバイスであって、リストバンド型、腕時計型、指輪型、メガネ型、イヤホン型など、多様な形状のものを採用可能である。
携帯端末3は図5に示すように、端末制御部30、ディスプレイ31、タッチパネル32、バッテリ33、BLE通信部34、及びセルラー通信部35を備える。
ディスプレイ31は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイである。ディスプレイ31は端末制御部30からの入力信号に応じた画像を表示する。タッチパネル32は、静電容量式のタッチパネルであって、ディスプレイ31に積層されている。タッチパネル32及びディスプレイ31は、ユーザが携帯端末3に鍵情報を登録したり、携帯端末3を車載システム1とペアリングしたりするためのインターフェースに相当する。バッテリ33は、リチウムイオン電池等の2次電池である。
BLE通信部34はBLE通信を実施するための通信モジュールである。BLE通信部34の概略的な構成はBLE通信機7と同様とすることができる。BLE通信部34は端末制御部30と相互通信可能に接続されている。BLE通信部34は、車両Hvから送信されたデータを受信して端末制御部30に提供するとともに、端末制御部30から入力されたデータを変調して車両Hvに送信する。
セルラー通信部35は、無線基地局を介してインターネットに接続するための通信モジュールであって、例えば4Gや5Gといった規格に準拠した無線通信を実施可能に構成されている。セルラー通信部35は、例えば所定のサーバからデジタルキーアプリ304をインストールするためのデータパッケージを受信しうる。なお、セルラー通信部35は任意の要素であって省略されても良い。また、携帯端末3は4Gや5Gといったセルラー回線の代わりにWi-Fi回線でインターネットアクセス可能に構成されていても良い。
端末制御部30は、例えばプロセッサ301、RAM302、ストレージ303等を備えた、コンピュータとして構成されている。デジタルキーアプリ304はストレージ303などにインストールされている。また、ストレージ303には、鍵情報が保存されている。なお、デジタルキーアプリ304は、鍵情報の取得、保存、認証処理等をセキュアに行うためのアプリである。デジタルキーアプリ304は任意の要素であって省略されてもよい。
端末制御部30は、アドバタイズ信号を所定の送信間隔でBLE通信部34に送信させる。なお、他の態様として、携帯端末3は、車載システム1からの要求、例えばスキャン要求に基づいてスキャン応答を送信する態様となっていてもよい。また、端末制御部30は、BLE通信部34から受信データが入力されると、この受信データに対応する応答信号に相当するベースバンド信号を生成し、BLE通信部34に出力する。例えばBLE通信部34がチャレンジコードを受信すると、当該チャレンジコードと鍵情報とをもとに所定の手順/関数を用いてレスポンスコードを生成する。そして、当該レスポンスコードを含むベースバンド信号をBLE通信部34に出力する。端末制御部30がBLE通信部34に出力したベースバンド信号は、BLE通信部34にて変調され、無線信号として送信される。
端末制御部30は、ユーザによって設定されている休止時間帯においては、レスポンスコードを返送しないように構成されていても良い。当該構成によればユーザが車両Hvを使用する意思がない状況において認証が成功する恐れを低減できる。休止時間帯は、車両Hvを使用する可能性がない時間帯に対応するように、ユーザによって手動設定されうる。例えば、ユーザが寝る時間帯や、学校又は会社に行っている時間帯などが、休止時間帯に設定されうる。休止時間帯は、ユーザの行動履歴情報から自動的に登録されても良い。ユーザの行動履歴は、GPSなどの携帯端末3の位置情報に基づいて特定されうる。
また、端末制御部30は、携帯端末3が一定時間以上静止している場合には、レスポンスコードを返送しないように構成されていても良い。携帯端末3が静止しているか否かは例えば携帯端末3が備える加速度センサやジャイロセンサの出力に基づき特定されうる。
なお、BLE通信部34の作動をアプリケーション単位で制御可能な場合、端末制御部30は、休止時間帯においては、アドバタイズの送信を停止させてもよい。そのような構成によれば不要なアドバタイズによる電力消費を抑制することができる。同様に、携帯端末3が一定時間以上静止していることに基づいてアドバタイズの送信を停止させてもよい。さらに端末制御部30は、休止時間帯であること又は一定時間以上停止していることに基づいて、車載システム1との通信接続を禁止するように構成されていても良い。
<スマートECU4の機能について>
ここでは図6を用いてスマートECU4の機能及び作動について説明する。スマートECU4は、ストレージ43に保存されているプログラムを実行することにより、図6に示す種々の機能ブロックに対応する機能を提供する。すなわち、スマートECU4は機能ブロックとして、車両情報取得部F1、通信制御部F2、位置推定部F3、認証処理部F4、車両制御部F5、及びデバイス管理部F6を備える。通信制御部F2はサブ機能部としてBLE制御部F21とLF制御部F22を備える。BLE制御部F21が第1通信制御部に相当し、LF制御部F22が第2通信制御部に相当する。また、スマートECU4は、キー情報記憶部M1を備える。
ここでは図6を用いてスマートECU4の機能及び作動について説明する。スマートECU4は、ストレージ43に保存されているプログラムを実行することにより、図6に示す種々の機能ブロックに対応する機能を提供する。すなわち、スマートECU4は機能ブロックとして、車両情報取得部F1、通信制御部F2、位置推定部F3、認証処理部F4、車両制御部F5、及びデバイス管理部F6を備える。通信制御部F2はサブ機能部としてBLE制御部F21とLF制御部F22を備える。BLE制御部F21が第1通信制御部に相当し、LF制御部F22が第2通信制御部に相当する。また、スマートECU4は、キー情報記憶部M1を備える。
キー情報記憶部M1は、車両Hvの電子キーとして利用可能なスマートキー2及び携帯端末3の情報を保存するための記憶媒体である。キー情報記憶部M1には少なくとも1つのキーデバイスKdについての情報が保存されている。キー情報記憶部M1には、キーデバイスKd毎の鍵情報が、キーIDや、デバイスID、ユーザID、デバイス種別情報などと対応づけられて保存されている。ユーザIDは複数のユーザを識別するための識別子であってユーザごとに設定される。デバイスの種別とは、スマートキー2か、携帯端末3かを指す。鍵情報には有効期限や、権限、などの情報が紐付けられて保存されていてもよい。さらに鍵情報には、シートポジションなどといった車室内環境に対するユーザの個人設定情報が紐付けられていてもよい。
キー情報記憶部M1は、ストレージ43が備える記憶領域の一部を用いて実現されている。なお、キー情報記憶部M1は、ストレージ43とは物理的に独立した不揮発性の記憶媒体を用いて実現されていても良い。キー情報記憶部M1はプロセッサ41によるデータの書き込み、読出、削除等が実施可能に構成されている。
車両情報取得部F1は、車両Hvに搭載されたセンサやECU、スイッチなどから、車両Hvの状態を示す種々の車両情報を取得する。例えば、車両電源の状態や、各ドアの開閉状態、各ドアの施錠/開錠状態、ドアボタン5の押下の有無、スタートボタン6の押下の有無、シフトポジション等が車両情報に該当する。車両電源の状態には、走行用電源がオンであるか否かを含む。車両情報の種類は、上述したものに限らない。ブレーキペダルの踏込量/踏込力を検出するブレーキセンサの出力値や、パーキングブレーキの作動状態を示す信号もまた車両情報に含めることができる。
車両情報取得部F1は、上述した種々の情報に基づいて、車両Hvの現在の状態を特定する。例えば車両情報取得部F1は、エンジンがオフであり、全てのドアが施錠されている場合に、車両Hvは駐車されていると判定する。車両Hvが駐車されていると判定する条件は適宜設計されればよく、多様な判定条件を適用可能である。なお、ドアボタン5やスタートボタン6からの電気信号を取得することは、これらのボタンに対するユーザ操作を検出することに相当する。車両情報取得部F1はドアの開閉や、ドアボタン5の押下、スタートボタン6の押下、ドアの開閉などといった、車両Hvに対するユーザの操作を検出する。
通信制御部F2は、BLE通信機7及びLF送信機8の動作を制御する。BLE通信機7を制御する構成がBLE制御部F21に相当し、LF送信機8を制御する構成がLF制御部F22に相当する。通信制御部F2は、BLE通信機7xを用いてキーデバイスKdとデータ通信を実施する。例えば通信制御部F2は、通信接続しているキーデバイスKd宛のデータを生成し、BLE通信機7xに出力する。これにより、所望のデータに対応する信号を電波として送信させる。また、通信制御部F2は、BLE通信機7xが受信したキーデバイスKdからのデータを受信する。本実施形態ではより好ましい態様としてスマートECU4とキーデバイスKdとのデータ通信は、暗号化して実施される。
通信制御部F2は、キーデバイスKdから送信されるBLE信号を受信したことに基づいて、ユーザが車両Hv周辺に存在することを認識する。また、通信制御部F2は、BLE通信機7xから、通信接続相手のデバイスIDを取得する。車両Hvが複数のユーザによって共有される車両であっても、スマートECU4は、BLE通信機7が通信接続しているキーデバイスKdのIDに基づいて車両Hv周辺に存在するユーザを特定する。
また、通信制御部F2は、後述する位置推定部F3が推定する、携帯端末3の位置情報に基づいて、LF送信機8の動作を制御する。換言すれば、通信制御部F2は、携帯端末3の位置に応じて、LF送信機8の制御態様を異ならせる。LF送信機8の制御態様にかかる詳細は別途後述する。
その他、通信制御部F2は、複数のBLE通信機7のそれぞれから、キーデバイスKdからの信号の受信状況を示すデータを取得する。例えば通信制御部F2は、キーデバイスKdからの信号の受信状況として、周波数ごとの受信強度及び位相を示すデータを取得する。通信制御部F2は、各BLE通信機7でのキーデバイスKdからの信号の受信状況を示すデータを位置推定部F3など、他の機能/回路モジュールにも提供する。
なお、通信制御部F2は、キーデバイスKdからの信号の受信状況を示す情報として、信号の到来方向を取得しても良い。信号の到来方向の推定は、例えばMUSIC法やESPRIT法などの多様な手法にて実施可能である。本開示におけるデータ取得には、外部から入力される態様に限らず、内部演算によって生成/検出することも含まれる。受信強度や、位相、到来方向などは受信特徴と呼ぶことができる。
位置推定部F3は、各BLE通信機7でのキーデバイスKdからの信号の受信状況に基づいて、キーデバイスKdの位置を推定する。本開示ではキーデバイスKdの位置をデバイス位置とも表現しうる。キーデバイスKdはユーザに対応するものであるため、デバイス位置を推定することは、ユーザの位置を推定することに相当する。
位置推定部F3は、BLE通信機7xが少なくとも1つのキーデバイスKdと通信接続している間、所定の推定間隔で、デバイス位置を推定する処理を逐次実行する。推定間隔は100ミリ秒とすることができる。推定間隔は、200ミリ秒や150ミリ秒などであってもよい。位置推定部F3による位置推定処理については、別途後述する。
なお、位置推定部F3は、キーデバイスKdからの信号を受信している場合には、通信接続していなくとも、当該受信信号に基づいて送信元の位置を推定するように構成されていても良い。位置推定部F3は、複数のキーデバイスKdからの信号を受信している場合には、複数のキーデバイスKdのそれぞれに対して位置を推定する処理を並列的に実施しうる。位置推定部F3は、キーデバイスKdとして登録されている端末に限らず、未登録の端末に対してもその位置を判定するように構成されていてもよい。
認証処理部F4は、BLE通信機7xと連携して、通信相手がキーデバイスKdであることを確認(換言すれば認証)する処理を実施する。認証のための通信は、暗号化されて実施される。認証処理自体は、チャレンジ-レスポンス方式など多様な方式を用いて実施されればよい。例えば認証処理部F4は、所定の/ランダムに生成されるチャレンジコードをキーデバイスKdに向けて送信する。また、当該チャレンジコードに、通信相手のデバイスID/キーIDに応じた鍵情報を用いて所定の手順により検証用コードを生成する。そして、通信相手から返送されてきたレスポンスコードと検証用コードとを照らし合わせ、両者が一致していることに基づいて認証成功と判定する。
認証処理部F4が認証処理を実施するタイミングは、例えばBLE通信機7とキーデバイスKdとの通信接続が確立したタイミングとすることができる。認証処理部F4は、BLE通信機7とキーデバイスKdとが通信接続している間、所定の周期で認証処理を実施するように構成されていても良い。また、ユーザによってスタートボタン6が押下された場合やドアが開閉された場合など、車両Hvに対する所定のユーザ操作をトリガとして認証処理のための通信を実施するように構成されていても良い。
車両制御部F5は、認証処理部F4によるキーデバイスKdの認証が成功していることを条件として、デバイス位置及び車両Hvの状態に応じた車両制御を、ボディECU12等と協働して実行する構成である。車両Hvの状態は、車両情報取得部F1によって判定される。キーデバイスKdの位置は位置推定部F3によって判定される。例えば車両制御部F5は、位置推定部F3によってキーデバイスKdは車室内に存在すると判定されており、かつ、スタートボタン6がユーザによって押下されたことを検出した場合には、電源ECU11と連携してエンジンを始動させる。車室内は、パッシブスタートエリアと呼ぶことができる。
デバイス管理部F6は、キーデバイスKdとして登録されている装置を管理する機能部である。デバイス管理部F6は、ユーザ操作に基づき、キーデバイスKdを登録/削除する。デバイス管理部F6は、例えば入力装置16から入力される操作信号に基づいてキーデバイス管理画面D1をディスプレイ15に表示する。キーデバイス管理画面D1は、例えば図7の(A)に示すように、登録ボタンB11、削除ボタンB12、及びリスト表示ボタンB13を備えうる。登録ボタンB11は、キーデバイスKdを登録するためのボタン画像である。削除ボタンB12は、登録しているキーデバイスKdを削除するためのボタン画像である。リスト表示ボタンB13は登録されているキーデバイスKdのリストを表示するボタン画像である。
デバイス管理部F6は、操作信号に基づき例えば登録ボタンB11が選択されたことを検出すると、図7の(B)に示すように、新規登録するデバイスである登録対象デバイスの種別等を入力するためのデバイス情報入力画面D2を表示する。デバイス情報入力画面D2は例えば図7に示すように、新規登録するデバイスがスマートキー2であることを入力するためのスマートキー指定ボタンB21と、その他のデバイスであることを入力するための汎用端末指定ボタンB22とを含む。また、デバイス情報入力画面D2は、デバイス種別を選択した上でペアリング等を開始するためのペアリング開始ボタンB23を含んでいても良い。デバイス情報入力画面D2がデバイス登録画面の一例に相当する。
デバイス管理部F6は、デバイス登録時に、登録されるデバイスの種類を取得することにより、スマートキー2がキーデバイスKdとして登録されているか否かを取得することができる。デバイス管理部F6が取得したキーデバイスKdの種別情報は、キー情報記憶部M1に、鍵情報と対応付けられて保存される。
スマートキー2は、例えばディーラショップなどでキーデバイスKdとして登録されうる。ただし、キーデバイスKdとしてスマートキー2を登録するか否かは任意の要素である。キーデバイスKdとしてのスマートキー2の登録は、ユーザ操作により解除/無効化されてもよい。ユーザ/オーナの希望により、携帯端末3のみがキーデバイスKdとしてキー情報記憶部M1に登録されていても良い。キー情報記憶部M1に有効なキーデバイスKdとして登録されている端末を、日常使用デバイスとも称する。日常使用デバイスは、日常において使用されるキーデバイスKdを指す。
<デバイス位置の判定方法について>
ここではキーデバイスKdの位置の推定方法について説明する。位置推定方法としては多様な方式を採用可能である。キーデバイスKdの位置であるデバイス位置の判定は、例えば施開錠エリアLx内に存在するか否かを判定する施開錠エリア判定処理と、車室内に存在するか否かを判定する車内外判定処理に分けることができる。本開示ではキーデバイスKdが施開錠エリアLxに存在するか否かを判定することを、施開錠エリア判定とも称する。本開示では車室内に存在するか否かを判定することを、車内外判定とも称する。
ここではキーデバイスKdの位置の推定方法について説明する。位置推定方法としては多様な方式を採用可能である。キーデバイスKdの位置であるデバイス位置の判定は、例えば施開錠エリアLx内に存在するか否かを判定する施開錠エリア判定処理と、車室内に存在するか否かを判定する車内外判定処理に分けることができる。本開示ではキーデバイスKdが施開錠エリアLxに存在するか否かを判定することを、施開錠エリア判定とも称する。本開示では車室内に存在するか否かを判定することを、車内外判定とも称する。
まずは図8を用いて施開錠エリア判定処理について説明する。施開錠エリアLx判定処理は一例としてステップS11~S16を備える。施開錠エリアLx判定部処理は、例えば次に説明する車内外判定処理の結果として、キーデバイスKdは車室内には存在しない、換言すれば車室外に存在すると判定されていることを条件として実施されうる。施開錠エリアLx判定処理は、通信接続しているキーデバイスKdが存在することを条件として、例えば200ミリ秒毎など、所定の周期で実施されうる。なお、図8に限らず、本開示のフローチャートは何れも一例であって、各フローチャートが備えるステップ数や処理順序は、適宜変更可能である。
ステップS11は、各室外機にキーデバイスKdと測距用の通信を実施させるステップである。測距用の通信とは、BLE通信機7からキーデバイスKdまでの距離を測定するための通信である。BLE通信機7からキーデバイスKdまでの距離であるデバイス距離は、信号の飛行時間(ToF:Time of Flight)に対応する。デバイス距離を特定することには、ToFを特定することと等価である。デバイス距離は、2周波位相差や、ラウンドトリップ時間(RTT:Round-Trip Time)に基づいて算出される。ここでは一例として複数周波数の組み合わせ毎の2周波位相差、つまり多周波位相差情報を用いてデバイス距離を算出する。
2周波位相差は、互いに異なる2つの周波数で観測された送受信位相差の差である。送受信位相差は、送信したCW信号に対する受信したCW信号の位相角である。例えば各室外機は、測距用の通信として、キーデバイスKdと、CW信号を送受信することにより、1つの周波数での送受信位相差を特定する。個々の周波数での送受信位相差の算出方法としては、多様なアルゴリズムを援用可能である。デバイス距離の算出材料として多周波位相差を用いる構成においては、測距用の通信とは具体的には周波数ごとの送受信位相差を特定するための通信と解することができる。
BLE通信では周波数ホッピングによって使用周波数は経時変化する。各周波数で測距通信としてCW信号の送受信が行われることにより、複数の周波数における送受信位相差が収集される。ToF関連値取得部F23としてのプロセッサ41は、同一の室外機で観測された周波数ごとの送受信位相差を組み合わせることにより、周波数の組み合わせ毎の2周波位相差を算出する。プロセッサ41は当該2周波位相差の算出処理を室外機毎に実施することにより、各室外機での他周波位相差情報を取得する。なお、送受信位相差の算出は、各通信マイコン74から提供される受信位相情報をもとに、プロセッサ41が実施しても良い。
ステップS12は各室外機からキーデバイスKdまでの距離を算出するステップである。位置推定部F3は、ステップS11で収集された室外機毎の多周波位相差情報に基づいて、各室外機からキーデバイスKdまでの距離を算出する。なお、デバイス距離の算出処理は、スマートECU4ではなく、各BLE通信機7の通信マイコン74が実施しても良い。位置推定部F3の機能の一部は通信マイコン74が備えていても良い。
なお、2周波位相差をΔφ、電波の伝搬速度をC(3×10^8m/sec)、2つの周波数の差をΔf、キーデバイスKdまでの距離をLとすると、L=C・Δφ/(2πΔf)の関係を有する。ただし、1組の周波数における2周波位相差には、マルチパス等に由来する誤差が含まれうる。また、周波数毎にマルチパスの影響度合いは異なる。そのような事情から、プロセッサ41は、2組以上の2周波位相差、つまり、3以上の周波数での送受信位相差に基づいてデバイス距離を特定する。当該構成によれば、測距精度を高める効果が期待できる。
もちろん、位置推定部F3は、2周波位相差ではなく、RTTを元にデバイス距離を算出しても良い。RTTは、応答要求信号を送信してから応答信号を受信するまでの時間である。RTTを用いる場合、室外機毎のデバイス距離は、各室外機が個別にキーデバイスKdと測距用の信号を送受信することで特定可能である。
ステップS13はステップS12の結果に基づいて、室外機のうち、キーデバイスKdから最も近いBLE通信機7である最寄り室外機を特定する。ステップS14は、最寄り室外機からキーデバイスKdまでの距離が所定値未満であるか否かを判定する。ステップS14の判定処理で使用される所定値としては、例えば前述の作動距離を採用可能である。最寄り室外機からキーデバイスKdまでの距離が作動距離未満である場合にはステップS15に移り、キーデバイスKdは施開錠エリアLx内に存在すると判定する。一方、最寄り室外機からキーデバイスKdまでの距離が作動距離以上である場合にはステップS16に移り、キーデバイスKdは施開錠エリアLx外であると判定する。ステップS14は、ステップS12で観測された複数のBLE通信機7ごとの距離の中の最小値が作動距離未満であるか否かを判定する処理と解することができる。
なお、位置推定部F3は、最寄り室外機からキーデバイスKdまでの距離が作動距離未満であることに加えて、最寄り室外機での受信強度が室内機での受信強度よりも大きいことを条件として、キーデバイスKdが施開錠エリアLx内に存在すると判定してもよい。ここで使用される室内機での受信強度は、複数の室内機での受信強度の代表値(例えば最大値)であってもよいし、最寄り室外機から最も近い室内機での受信強度であってもよい。
次に図9を用いて車内外判定処理について説明する。車内外判定処理は一例としてステップS21~S26を備える。ステップS21は各BLE通信機7から、受信強度を取得するステップである。受信強度の取得は随時実行されうる。
なお、キーデバイスKdからの信号の受信強度を特定する上では、すべてのBLE通信機7がキーデバイスKdと通信接続する必要はない。図10に示すように、代表機としてのBLE通信機7x以外のBLE通信機7は、キーデバイスKdからの信号の受信強度の観測のみを実行するように構成されていても良い。代表機以外のBLE通信機7を以降では観測機と称する。観測機は傍聴機と呼ぶこともできる。観測機は、信号送信はせずに受信のみを行うBLE通信機7に相当する。図10に示すSg_Dは、キーデバイスKdからBLE通信機7x/不特定多数に向けられて送信された信号を示している。Sg_Dは、データ信号であっても良いし、アドバタイズであってもよい。Sg_DはCW信号であってもよい。
ところで、データ通信時は周波数ホッピングが行われるため、通常は、通信接続しているBLE通信機7xしかキーデバイスKdからのデータ信号を捕捉できない。そこでスマートECU4は、代表機としてのBLE通信機7xから取得したチャンネル情報及びデバイスIDを、各観測機に参照情報として配信する。
各観測機は、参照情報に示されるチャンネル情報によって、BLEで使用可能な多数のチャンネルのうち、何れのチャンネルを受信すれば、キーデバイスKdからの信号を受信できるのかを認識可能となる。その結果、観測機は、通信接続せずともキーデバイスKdからの信号の受信強度等を検出及び報告可能となる。また、観測機は、参照情報に示されるデバイスIDによって、複数のデバイスからの信号を受信している場合であっても、何れのデバイスからの信号の受信強度をスマートECU4に報告すべきかを特定可能となる。なお、図10に示すRSSIは受信強度を示す。
このように一部のBLE通信機7を観測機として用い、観測機での受信状況に基づいてデバイス位置を判定する方式を本開示ではスニッフィング方式とも称する。スニッフィング方式によれば、キーデバイスKdが通信接続するBLE通信機7を最小で1台に抑制可能となるため、キーデバイスKdでの消費電力を抑制可能となる。また、スニッフィング方式によれば複数のBLE通信機7からキーデバイスKdまでの距離を示す指標を並列的に収集可能となるため、キーデバイスKdを所持したユーザの接近に対するシステム応答性を高めることができる。もちろん、他の態様としては、各BLE通信機7が個別にキーデバイスKdと測距のための通信を実施し、受信強度や受信位相などの情報をスマートECU4に提供してもよい。
ステップS22は、直近一定時間以内において少なくとも1つの室内機で観測されたキーデバイスKdからの信号の受信強度を元に、室内機観測強度(RSS_In)を決定するステップである。例えば位置推定部F3は、室内機観測強度を決定するための準備処理として、室内機毎の個別強度代表値を算出する。そして、位置推定部F3は、室内機ごとの個別強度代表値の最大値を室内機観測強度として採用する。
個別強度代表値は、単一の室内機において直近所定時間以内に観測されたキーデバイスKdからの信号の受信強度を代表的に示す値である。ここでは一例として、個別強度代表値は、直近100ミリ秒又は200ミリ秒以内の受信強度の平均値とする。1つの個別強度代表値、あるいは、室内機観測強度を決定するための受信強度のサンプリング期間は適宜変更可能である。このような個別強度代表値は、受信強度の移動平均値に相当する。
個別強度代表値は、所定の1つの周波数について算出されてもよいし、複数周波数の受信強度をもとに決定されても良い。代表値は、平均値ではなく、中央値又は最大値であってもよい。さらに、母集団から外れ値を除外したものの平均値、中央値、又は最大値であってもよい。外れ値は、もとの母集団の平均値又は中央値から標準偏差の2倍又は3倍以上離れた値とすることができる。外れ値判定の方法としては、スミルノフグラブス検定や、トンプソン検定など多様な方法を援用できる。なお、個別強度代表値は、必ずしも複数時点での観測値に基づいて決定する必要はない。個別強度代表値は、任意の1つの時点での観測値、例えば最新の受信強度の観測値であっても良い。
また、室内機観測強度は、上記以外の方法で決定されても良い。例えば、ステップS12~S13と同様の手法により、室内機のうち、キーデバイスKdから最も近いBLE通信機7である最寄り室内機を特定し、当該最寄り室内機での個別強度代表値を室内機観測強度として採用しても良い。なお、最寄り室内機は、最寄り室外機から最も近い室内機であってもよい。プロセッサ41は、通信機設定データを参照し、最寄り室外機から最も近い位置に配置されている室内機を最寄り室内機として採用しても良い。
ステップS23は、直近一定時間以内において少なくとも1つの室外機で観測されたキーデバイスKdからの信号の受信強度を元に、室外機観測強度(RSS_Out)を決定するステップである。室外機観測強度の決定方法自体は、室内機観測強度の決定方法と同様とすることができる。
ステップS24では、室内機観測強度(RSS_In)と室外機観測強度(RSS_Out)が車内判定条件を充足しているか否かを判定する。車室内判定条件は、キーデバイスKdが車室内に存在すると判定する条件である。例えば位置推定部F3は、室内機観測強度から室外機観測強度を減算してなる内外差分値(ΔRSS)が、所定の差分閾値(ThGap)よりも大きい場合、キーデバイスKdは車室内に存在すると判定する(ステップS25)。つまり、RSS_In-RSS_Out=ΔRSS>ThGapを充足する場合、キーデバイスKdは車室内に存在すると判定する。また、内外差分値が差分閾値以下である場合、すなわちΔRSS≦ThGapを充足する場合には、キーデバイスKdは車室外に存在すると判定する(ステップS26)。差分閾値は、10dBや20dBなどである。差分閾値は0であってもよい。差分閾値を0とする構成は、室内機観測強度が室外機観測強度よりも大きいことに基づいてキーデバイスKdが車室内に存在すると判定する構成に相当する。
また、位置推定部F3はΔRSS≦ThGapを充足する場合であっても、室内機観測強度(RSS_In)が所定の室内判定値(ThIn)を超過している場合にはキーデバイスKdは車室内に存在すると判定してもよい。つまり、RSS_In>ThInを充足する場合には、ΔRSSによらずに、キーデバイスKdは車室内に存在すると判定してもよい。ここで使用される室内判定値(ThIn)は、キーデバイスKdは車室内に存在すると判定するための室内機観測強度に対する閾値である。室内判定値は適宜試験等によって設計される。室内判定値は、誤判定の可能性を抑制できるよう十分に大きい値に設定されている。例えば、室内判定値は車室内にキーデバイスKdが存在する場合に観測されうる室内機観測強度の最大値から10dBほど小さい値に設定されている。
また、位置推定部F3は、ΔRSS>ThGapを充足する場合であっても、室外機観測強度(RSS_Out)が室外判定値(ThOut)を超過している場合にはキーデバイスKdは車室外に存在すると判定してもよい。つまり、RSS_Out>ThOutを充足する場合には、ΔRSSによらずに、キーデバイスKdは車室外に存在すると判定してもよい。ここで使用される室外判定値(ThOut)は、キーデバイスKdは車室外に存在すると判定するための室外機観測強度に対する閾値である。室外判定値もまた適宜試験等によって設計される。室外判定値は、誤判定の可能性を抑制できるよう十分に大きい値に設定されている。例えば、室外判定値は施開錠エリアLx内にキーデバイスKdが存在する場合に観測されうる室外機観測強度の最大値から10dBほど小さい値に設定されている。
位置推定部F3によるキーデバイスKdの位置の判定結果、つまりデバイス位置情報はRAM42に保存される。また、デバイス位置情報は多様なプログラム/機能部によって参照により使用される。
また、位置推定部F3は、ステップS12~S13により特定された最寄り室外機とキーデバイスKdとの距離情報も、デバイス位置情報として、RAM42に逐次保存する。つまり、RAM42には、キーデバイスKdが、車室内、施開錠エリアLx内、及び施開錠エリアLx外の何れに存在するかだけでなく、最寄り通信機との距離情報も保存されうる。位置推定部F3は、最寄り通信機だけでなく、その他の各BLE通信機との距離情報もRAM42に保存してもよい。各データは、取得時刻を示すタイムスタンプとともに保存されうる。
位置推定部F3は、BLE通信機7xが複数のキーデバイスKdからの信号を受信している場合には、キーデバイスKdごとに、車両Hvに対する相対位置や距離を特定する。また、位置推定部F3は、通信接続しているキーデバイスKdのIDなどにより、当該デバイスがスマートキー2であるか携帯端末3であるかを判別しうる。
さらに、位置推定部F3は、携帯端末3が遠方領域、中間領域、近傍領域、及び車室内の何れのエリアに存在するかも判定する。遠方領域は、例えば車両Hvから5m以上となる領域を指す。近傍領域は車両Hvから2m以内を指す。中間領域は、遠方領域と近傍領域の間、すなわち、車両Hvから2m以上、5m未満となる範囲を指す。なお、車外領域の分割態様は適宜変更可能である。中間領域は、遠方領域又は近傍領域の何れか一方と統合されていてもよい。近傍領域や遠方領域を規定する距離も適宜変更可能である。例えば近傍領域は、車両Hvから1.5m以内と定義されていても良いし、施開錠エリアLxと一致するように定義されていても良い。
例えば位置推定部F3は、RAM42に保存されているデバイス位置情報に基づき、携帯端末3が車内に存在せず、かつ、最寄り室外機からの距離が2m未満である携帯端末3が存在する場合には、携帯端末3が近傍領域に存在するとみなす。また、位置推定部F3は、車室内にも近傍領域にも携帯端末3が存在しない状況において、最寄り室外機からの距離が2m以上、5m未満である携帯端末3が存在する場合には、携帯端末3が中間領域に存在するとみなす。位置推定部F3は、車室内、近傍領域、及び中間領域の何れにも携帯端末3が存在しない場合に、携帯端末3は遠方領域に存在すると判定する。また、位置推定部F3は、携帯端末3からの信号を受信できていない場合も携帯端末3が遠方領域に存在するとみなす。
<LF送信機の制御態様について>
ここでは通信制御部F2によるLF送信機8の制御態様、具体的にはウェイク信号の送信制御態様について、図11を用いて説明する。通信制御部F2は、位置推定部F3が推定した携帯端末3の位置に基づいて、ウェイク信号の送信にかかる制御態様を変更する。図11はその一例を示したものである。ウェイク信号を送信しないことは、スマートキー2を起こさないことに対応する。故に、ウェイク信号の送信制御態様の変更は、スマートキー2を起こすか否かを切り替えることに対応する。ウェイク信号の送信は、スマートキー2とは通信接続していないことを前提として実行される。以降における携帯端末3とは、既にチャレンジレスポンスなどによる認証処理が成功している携帯端末3とすることが好ましい。
ここでは通信制御部F2によるLF送信機8の制御態様、具体的にはウェイク信号の送信制御態様について、図11を用いて説明する。通信制御部F2は、位置推定部F3が推定した携帯端末3の位置に基づいて、ウェイク信号の送信にかかる制御態様を変更する。図11はその一例を示したものである。ウェイク信号を送信しないことは、スマートキー2を起こさないことに対応する。故に、ウェイク信号の送信制御態様の変更は、スマートキー2を起こすか否かを切り替えることに対応する。ウェイク信号の送信は、スマートキー2とは通信接続していないことを前提として実行される。以降における携帯端末3とは、既にチャレンジレスポンスなどによる認証処理が成功している携帯端末3とすることが好ましい。
ここでは一例として通信制御部F2は、携帯端末3が遠方領域に存在する場合、中間領域に存在する場合、近傍領域に存在する場合、及び車内に存在する場合に分けて、ウェイク信号の送信態様を変更する。
まず、携帯端末3は遠方領域にあると判定されている場合、通信制御部F2は、ウェイク信号を所定のポーリング間隔で定期送信する。ポーリング間隔は、100ミリ秒や、150ミリ秒、200ミリ秒などである。通信制御部F2は、所定のユーザ操作を検知した場合にもウェイク信号を送信する。ここでのユーザ操作とは、例えばドアボタン5の押下や、スタートボタン6の押下などといった、車両Hvを使用するためのユーザによる所定の操作行為を指す。本開示ではドアボタン5やスタートボタン6、タッチセンサ等に対するユーザ操作を検知したこと基づいてウェイク信号を送信することを、トリガ送信とも称する。
上記の構成によれば、携帯端末3を所持せずに、スマートキー2のみを所持したユーザが車両Hvに接近した場合にも、速やかにスマートキー2をアクティブモードに移行させ、BLE通信による認証処理を実行可能となる。なお、スマートキー2のみを所持したユーザとは、スマートキー2は所持している一方、携帯端末3は所持していないユーザを指すものであって、当然、例えばカバンや傘など、携帯端末3以外の物体を所持していても良い。
また携帯端末3は中間領域に存在すると判定されている場合、通信制御部F2は、所定のポーリング間隔でウェイク信号を送信する。また、通信制御部F2は、携帯端末3は中間領域にあると判定している状況下でもトリガ送信を実施する。携帯端末3がまだ車両Hvから2m以上離れているにも関わらず、ドアボタン5等が押下されたということは、携帯端末3を所持しているユーザとは別に、スマートキー2のみを所持した他のユーザが車両Hv周辺に存在する可能性を示唆する。携帯端末3が中間領域に存在することを検知済みである状況においても、トリガ送信を行う構成によれば、スマートキー2のみを所持する正規のユーザによる車両操作に対して車載システム1が応答しなかったり、応答が遅れたりする恐れを低減できる。
なお、携帯端末3が中間領域にある場合のポーリング間隔は、携帯端末3は遠方領域にある場合のポーリング間隔と同一であっても良いし、異なっていても良い。スマートキー2の電池消費抑制の観点からは、仮にスマートキー2と携帯端末3の双方が車両周辺に存在する場合には、通信相手としては携帯端末3を優先的に採用することが好ましい。そしてウェイク信号のポーリング間隔を伸ばすほど、スマートキー2は反応しにくくなる。そのような事情から、携帯端末3が中間領域に存在する場合には、携帯端末3が遠方領域に存在する場合よりもポーリング間隔を所定量(例えば200ミリ秒)長めに設定してもよい。当該制御態様によればスマートキー2を不必要に起こす可能性、ひいては、スマートキー2の電力消費を抑制可能となる。
近傍領域に携帯端末3が存在すると判定されている場合、通信制御部F2は、ウェイク信号の定期送信を停止する。また、通信制御部F2は、近傍領域に携帯端末3が存在すると判定している状況下においては、特定の送信条件を充足する場合のみトリガ送信を実行する。
例えば通信制御部F2は、近傍領域に携帯端末3が存在すると判定している状況下においては、携帯端末3の位置と、操作ボタン位置が整合していないことを条件として、トリガ送信を実行する。通信制御部F2は、近傍領域に携帯端末3が存在すると判定している状況下においては、携帯端末3の位置と操作ボタン位置が整合している場合には、ウェイク信号を送信させない。操作ボタン位置とは、ユーザによって押下されたボタンの位置を指す。なお、ボタンの代わりにタッチセンサが適用される場合には、操作ボタン位置はタッチ位置と読み替えることができる。操作ボタン位置やタッチ位置は操作部材位置の概念に含まれる。
携帯端末3の位置と操作ボタン位置が整合していない場合とは、例えば、携帯端末3が助手席やトランク付近など、運転席から離れた位置にある状況において、運転席用のドアボタン5が押下された場合が該当する。また、携帯端末3が車室外に存在すると判定されている状況において、スタートボタン6が押下された場合も、携帯端末3の位置と操作ボタン位置が整合していないケースに該当しうる。通信制御部F2は、携帯端末3が助手席側の施開錠エリアLxに存在すると判定されている状況において、運転席用のドアボタン5が押下されたことを検知した場合には、LF送信機8からウェイク信号を送信させる。
上記構成によれば、操作ボタン位置と携帯端末3との位置が整合している場合には、スマートキー2を起こさない。そのため、スマートキー2の電力消費を抑制可能となる。また、操作ボタン位置と携帯端末3との位置が整合していない場合には、ウェイク信号を送信するため、スマートキー2のみを所持したユーザのボタン押下にも迅速に応答可能となる。さらに、上記構成によれば、検出している携帯端末3に対応するユーザとは別に、スマートキー2のみを携帯しているユーザが存在することも特定可能となる。その結果、搭乗者の人員構成や、ドライバとしての役割を担うユーザなどを精度良く特定可能となる。
最後に、車室内に携帯端末3が存在すると判定されている場合には、通信制御部F2は、ウェイク信号の定期送信及びトリガ送信を停止する。なお、携帯端末3が近傍領域にある場合と車内にある場合とで、ウェイク信号の送信制御態様は同一であっても良い。例えば、携帯端末3が車内に存在する場合であっても、トリガ送信は所定の条件付きで実行されても良い。当該構成によれば、携帯端末3の認証失敗などによって、車両Hvが使用不可となる恐れを低減できる。また、近傍領域又は車室内に携帯端末3が存在する場合には、ウェイク信号の送信は全面的に停止されてもよい。
<接続関連処理>
ここでは図12に示すフローチャートを用いて接続関連処理について説明する。接続関連処理は、ユーザとともに車両Hvに接近するキーデバイスKdと通信接続するための処理である。接続関連処理は、例えば車両Hvが駐車されている状態において、所定のスキャン間隔で実行される。スキャン間隔は100ミリ秒や200ミリ秒などに設定されうる。接続関連処理はステップS31~S35を含む。接続関連処理は、プロセッサ41がBLE通信機7xやLF送信機8と連携して実施する。
ここでは図12に示すフローチャートを用いて接続関連処理について説明する。接続関連処理は、ユーザとともに車両Hvに接近するキーデバイスKdと通信接続するための処理である。接続関連処理は、例えば車両Hvが駐車されている状態において、所定のスキャン間隔で実行される。スキャン間隔は100ミリ秒や200ミリ秒などに設定されうる。接続関連処理はステップS31~S35を含む。接続関連処理は、プロセッサ41がBLE通信機7xやLF送信機8と連携して実施する。
まずステップS31では通信制御部F2が、LF送信機8からウェイク信号を送信させる。これにより、仮に車両周辺にスマートキー2が存在する場合には、スマートキー2をBLE通信可能な状態に移行させることができる。ただし、前述の通り、本処理を一通り実施することにより、近傍領域に携帯端末3が存在することを検知できている場合には、ステップS31によるウェイク信号の送信は省略されうる。
ステップS32では通信制御部F2が、BLE通信機7xを待受状態に設定し、キーデバイスKdの探索(いわゆるスキャニング)を実施させる。ここでの待受状態とは、アドバタイズ信号を受信可能な状態を指す。ステップS32でのスキャニングの結果、キーデバイスKdが1つも検出されなかった場合にはステップS33以降の処理は省略して本フローを終了する。
ステップS33では、BLE通信機7xにステップS32でのスキャニングで検出したキーデバイスKdと通信接続させる。通信接続は、接続要求の送信とその応答とをやり取りすることで実現されうる。プロセッサ41は、アドバタイズ信号等に含まれる送信元情報等に基づき、通信相手を特定する。スキャニングから通信接続、暗号通信の開始にかかる詳細なシーケンスは、BLE規格に準拠して実施されれば良い。
ステップS34では、例えばチャレンジコードと、キー情報記憶部M1に保存されている通信相手の鍵情報とを用いて、キーデバイスKdの認証処理を実施する。チャレンジコードとしては、乱数表など用いて生成される所定長の乱数を採用することができる。認証が成功した場合にはステップS35に移り、スタンバイモードに移る。スタンバイモードは、別途図13を用いて別途説明するように、ドアボタン5等に対するユーザ操作に基づいて、開錠/施錠、走行用電源のオン/オフ切り替えなどを実施可能な状態に相当する。スタンバイモードは、1つの側面においてキーデバイスKdが車両周辺に存在するとプロセッサ41が認識している状態に対応する。車両周辺には車室内も含まれる。
本実施形態では一例として、認証成功との判定結果には有効期限が設定される。有効期限が切れると再認証を実施する。有効期限内においては認証処理を省略可能となるため、キーデバイスKd及びスマートECU4での消費電力を抑制できる。また、有効期限ごとに認証処理が実行されるため、車両Hvが不正に使用される恐れを低減できる。有効期限は、走行中か否かなどのシーンによって変更されても良い。走行中にキーデバイスKdが車室外に移動する可能性は小さいため、走行中の有効期限は停車中よりも所定量長く設定されてもよい。例えば停車中の有効期限は1秒や3秒、5秒などに設定される一方、走行中の有効期限は10秒や30秒などに設定されうる。また、認証処理部F4は、ドアの開閉など、所定のイベントを検知したら有効期限が残っていても認証処理を再度実行するように構成されていても良い。なお、認証成功状態は保持せずに、操作毎、イベント毎に認証処理を実施するよう、スマートECU4は構成されていても良い。
一方、認証に失敗した場合には、再度認証処理を実行しても良いし、認証が成功していないことをユーザが認識可能なように車載設備を動作させてもよい。例えば、認証に成功していない場合には、ディスプレイ15に所定の認証失敗画像を表示しても良いし、サイドミラー等に設けられた灯火装置を所定パターンで点灯させても良い。通信相手が携帯端末3である場合には、所定の制御信号を送信する事により、ディスプレイ31に認証失敗画面を表示させてもよい。認証未成功であることは、ドア周りの路面に向けて光を発するウェルカムライトの照射光の色によって表現されてもよい。
<スタンバイモード時の作動について>
スタンバイモード時におけるスマートECU4の作動について図13に示すフローチャートを用いて説明する。スタンバイモード時、プロセッサ41は、一例として図13に示すステップS41~S48を順次実行する。
スタンバイモード時におけるスマートECU4の作動について図13に示すフローチャートを用いて説明する。スタンバイモード時、プロセッサ41は、一例として図13に示すステップS41~S48を順次実行する。
スタンバイモード中、プロセッサ41はステップS41として、各BLE通信機7からキーデバイスKdの位置を特定するための情報である位置推定用情報を逐次取得する。位置推定用情報とは例えば受信強度である。受信位相も位置推定用情報に含めることができる。また、キーデバイスKdが車室外に存在すると判定されている場合、プロセッサ41は、位置推定用情報として各室外機から周波数の組み合わせ毎の2周波位相差、又は、RTTなどを取得しうる。ToF関連値は位置推定用情報の下位概念に相当する。
ステップS42は、プロセッサ41(位置推定部F3)が、ステップS41で各BLE通信機7から取得した位置推定用情報に基づき、キーデバイスKdの位置を判定するステップである。具体的には車室内か否か、及び、車室外にある場合には、施開錠エリアLx内か否かなどを判定する。また、キーデバイスKdが施開錠エリアLx内に存在する場合、プロセッサ41は最寄り通信機のIDに応じて、右側エリアLxR、左側エリアLxL、及び後方エリアLxBの何れに存在するかを特定する。
ステップS43は、プロセッサ41がドアボタン5やスタートボタン6、カーテシスイッチなどからの信号に基づきユーザ操作が行われたか否かを判定するステップである。プロセッサ41は、ユーザ操作に対応する信号が入力された場合には、ステップS44としてユーザが操作した部材、デバイス位置、及び車両Hvの状態に応じた車両制御を実行する。例えばプロセッサ41(車両制御部F5)は、車両Hvが施錠された状態において、操作部材がドアボタン5であり、かつ、デバイス位置も施開錠エリアLx内と判定されている場合には、ドアを開錠する。また、プロセッサ41は、操作部材がスタートボタン6であり、かつ、デバイス位置も車室内と判定されている場合には、走行用電源をオンに設定する。その他、プロセッサ41は、車両Hvが開錠されており、シフトポジションがパーキング又はニュートラルに設定されており、操作部材がドアボタン5であり、かつ、デバイス位置が施開錠エリアLx内と判定されている場合には、ドアを施錠する。
ステップS45は、認証結果の有効期限が切れたか否か、すなわち、ステップS34又は後述するステップS46において認証成功と判定してからの経過時間が所定時間以上となったか否かを判定する。最後に認証成功と判定してから所定時間経過していない場合、つまり有効期限内である場合にはステップS41に戻る。一方、最後に認証成功と判定してから所定時間経過している場合、プロセッサ41はステップS46として、キーデバイスKdを認証するための通信を再度実行する。つまり、プロセッサ41は再認証処理を実行する。
そして、ステップS46の再認証処理の結果として認証成功と判定した場合には、スタンバイモードを継続する。つまり、ステップS41以降の処理が順次実行される。一方、認証に失敗した場合には、プロセッサ41はステップS48として、スタンバイモードを解除する。なお、スタンバイモードは、認証処理が規定回数連続して失敗したことに基づいて解除されても良い。また、プロセッサ41は、認証に失敗した場合に限らず、キーデバイスKdが所定の認証状態維持エリアから離脱したことを検知した場合に、スタンバイモードを終了してもよい。スタンバイモードを終了させることは、認証結果を破棄することに対応する。認証状態維持エリアは、例えば車室内及び施開錠エリアLxを統合した領域に設定されうる。
<デバイス未検知時での操作応答>
ここではキーデバイスKdが施開錠エリアLx又は車室内に存在すると判定していない状態においてドアボタン5等に対するユーザ操作を検知した場合にスマートECU4が実施する臨時応答処理について図14に示すフローチャートを用いて説明する。なお、スマートECU4は、デバイス位置と、ユーザによって操作されたボタンの位置が整合していないことを条件として臨時応答処理を実行してもよい。臨時応答処理は主としてスマートキー2のみを所持したユーザによる車両操作に対応する処理である。臨時応答処理一例としてステップS51~S5Aを備える。
ここではキーデバイスKdが施開錠エリアLx又は車室内に存在すると判定していない状態においてドアボタン5等に対するユーザ操作を検知した場合にスマートECU4が実施する臨時応答処理について図14に示すフローチャートを用いて説明する。なお、スマートECU4は、デバイス位置と、ユーザによって操作されたボタンの位置が整合していないことを条件として臨時応答処理を実行してもよい。臨時応答処理は主としてスマートキー2のみを所持したユーザによる車両操作に対応する処理である。臨時応答処理一例としてステップS51~S5Aを備える。
ステップS51は、通信制御部F2としてのプロセッサ41がLF送信機8と協働して、ウェイク信号を送信させるステップである。ステップS52は、ステップS32と同様にスキャニングを行うステップである。ここで予め登録されているスマートキー2が検出された場合には(ステップS53 YES)、通信制御部F2はステップS54としてBLE通信機7xにスマートキー2と通信接続させる。
ステップS55では認証処理部F4がBLE通信機7xを用いた暗号通信にて、スマートキー2と認証用の通信、例えばチャレンジ/レスポンスコードの送受信を実行する。つまりステップS55はプロセッサ41が認証処理を実行するステップである。認証処理が成功した場合には(ステップS56 YES)、位置推定部F3はステップS57として位置判定処理を実行する。位置推定部F3は例えば位置判定処理として、まずは車内外判定処理を実行し、その結果を踏まえて、適宜施開錠エリア判定処理を実行してもよい。ただし、車両Hvが駐車状態にある場合など、車内にスマートキー2が存在しないことが明らかな場合においては、位置推定部F3は車内外判定処理を省略し、施開錠エリア判定処理のみ実施してもよい。
ステップS58は、本フローのトリガとなったユーザ操作が行われたボタンの位置である操作ボタン位置と、ステップS57で判定されたスマートキー2の位置が整合しているか否かを判定する。例えば操作ボタンが運転席用のドアボタン5であって、スマートキー2の位置が右側エリアLxRである場合などが、両者の位置が整合している場合に該当する。
操作ボタン位置とスマートキー2の位置とが整合している場合には(ステップS58 YES)、車両制御部F5は操作内容等に応じた車両制御、例えばドアの開錠などを実行する(ステップS59)。一方、操作ボタン位置と、スマートキー2の位置とが整合していない場合には、ステップS5Aを実行する。なお、ステップS56での認証処理が失敗した場合、ステップS53でスマートキー2が発見されなかった場合にもプロセッサ41はステップS5Aを実行する。
ステップS5Aは、車両Hvへの操作を検出しているにもかかわらず、正規のデバイス/ユーザを検出できていない場合に対応する所定のエラー処理を実行するステップである。例えば車両制御部F5としてのプロセッサ41は、車載設備などを用いて、適正な位置にキーデバイスKdが見つからないことをユーザに通知するための処理を実行する。例えば、プロセッサ41はエラー処理として、ディスプレイ15に所定の認証失敗画像を表示する。また、プロセッサ41はエラー処理として、サイドミラー等に設けられた灯火装置を所定パターンで点灯させても良い。その他、プロセッサ41は通報先として指定されているメールアドレス又は管理サーバに、車両の不正使用の疑いがあることを示すメッセージを送信してもよい。
<キーデバイスの管理について>
スマートキー2をキーデバイスKdとして日常的に使用するか否かは、ユーザの好みによる。ユーザの中には、キーデバイスKdとして携帯端末3を使用し、スマートキー2は一切携帯しない、といったユーザも想定される。車両Hvの鍵としてスマートキー2が使用される可能性がないならば、ウェイク信号の送信は不必要な動作である。そのような観点から、プロセッサ41は、スマートキー2が一定期間使用されていない場合には、スマートキー2を日常使用デバイスから除外し、ウェイク信号の定期送信も停止するように構成されていても良い。
スマートキー2をキーデバイスKdとして日常的に使用するか否かは、ユーザの好みによる。ユーザの中には、キーデバイスKdとして携帯端末3を使用し、スマートキー2は一切携帯しない、といったユーザも想定される。車両Hvの鍵としてスマートキー2が使用される可能性がないならば、ウェイク信号の送信は不必要な動作である。そのような観点から、プロセッサ41は、スマートキー2が一定期間使用されていない場合には、スマートキー2を日常使用デバイスから除外し、ウェイク信号の定期送信も停止するように構成されていても良い。
図15は上記技術思想に対応するプロセッサ41の作動例を示したものである。図15に示すフローチャートは、スマートキー2が日常使用デバイスとしてキー情報記憶部M1に登録されていることを条件に、例えば走行用電源がオンに設定されるたびに実施されうる。プロセッサ41は、走行用電源がオンになったことに基づいて図15に示すようにステップS61~S64を順に実行する。
ステップS61は、プロセッサ41がキー情報記憶部M1に保存されているスマートキー2の最終使用日を読み出すステップである。なお、前提としてプロセッサ41はスマートキー2と通信接続するたびに、その日付を、最終使用日としてキー情報記憶部M1に保存する。
ステップS62では、最終使用日と現在の日付とを比較して、所定の無効化時間が超過しているか否かを判定する。無効化時間は例えば1ヶ月や3ヶ月、6ヶ月などとすることができる。最終使用日から無効化期間が超過している場合(ステップS62 YES)、プロセッサ41はステップS63として日常使用デバイスのリストからスマートキー2を除外する。
そして、LF送信機8によるウェイク信号の送信が停止されるように、LF送信機8の制御にかかる設定パラメータを変更し、本フローを終了する(ステップS64)。なお、以上では車両Hvに紐づくスマートキー2が1つだけである場合を想定して説明したが、スペアキーなどとして、1つの車両Hvに対してスマートキー2は複数発行されうる。複数のスマートキー2もまたキーIDで区別されうる。また、日常使用デバイスか否かは、スマートキー2ごとに登録される。ウェイク信号の送信停止は、スマートキー2が1つも日常使用デバイスに設定されていない場合に実行されればよい。
プロセッサ41は、完全にウェイク信号の送信を停止するのではなく、スマートキー2が日常使用デバイスに含まれているか否かでポーリング間隔を変更しても良い。例えばスマートキー2が日常使用デバイスに含まれていない場合には、スマートキー2が日常使用デバイスに含まれている場合に比べて、ポーリング間隔を所定量長くしても良い。当該構成によっても節電効果を得ることができる。また、完全にポーリングを停止するわけではないため、ユーザが普段は使用しないスマートキー2を持ってきた場合であっても、ユーザの接近を検知可能となる。
また、プロセッサ41は自動的にスマートキー2を日常使用デバイスから除外するのでなく、スマートキー2を用いたエントリーを一定期間観測しなかった場合には、登録解除提案画面をディスプレイ15に表示しても良い。登録解除提案画面は、スマートキー2のキーデバイスKdとしての登録を解除することを提案する画面である。
<LF信号の送信制御の補足>
車両Hvがシェアリングカーなどのサービスカーである場合、プロセッサ41は、予め設定されているLF休止時間帯の間はウェイク信号の送信を停止させても良い。休止時間帯としては、営業時間や、貸出期間などに対応するように設定される。サービスの利用者が、スマートキー2を持つことはなく、スマートフォンなどの携帯端末3を鍵として使用される可能性が高いためである。車両Hvがシェアリングカーなどのサービスカーであるか否かの車両属性情報もまたストレージ43に保存されうる。LF休止時間帯は、ウェイク信号の送信を停止させる時間帯に相当する。LF休止時間帯の設定データは、ユーザ/スタッフなどの手入力によってストレージ43に保存されうる。なお、LF休止期間時間帯の設定データは、管理サーバから配信されて保存されても良い。さらに、車両Hvがシェアリングカーなどのサービスカーである場合、ウェイク信号の送信/停止は管理サーバからの指示信号で切り替え可能に構成されていても良い。
車両Hvがシェアリングカーなどのサービスカーである場合、プロセッサ41は、予め設定されているLF休止時間帯の間はウェイク信号の送信を停止させても良い。休止時間帯としては、営業時間や、貸出期間などに対応するように設定される。サービスの利用者が、スマートキー2を持つことはなく、スマートフォンなどの携帯端末3を鍵として使用される可能性が高いためである。車両Hvがシェアリングカーなどのサービスカーであるか否かの車両属性情報もまたストレージ43に保存されうる。LF休止時間帯は、ウェイク信号の送信を停止させる時間帯に相当する。LF休止時間帯の設定データは、ユーザ/スタッフなどの手入力によってストレージ43に保存されうる。なお、LF休止期間時間帯の設定データは、管理サーバから配信されて保存されても良い。さらに、車両Hvがシェアリングカーなどのサービスカーである場合、ウェイク信号の送信/停止は管理サーバからの指示信号で切り替え可能に構成されていても良い。
また、車両Hvがオーナーカーである場合であっても、LF休止時間帯が登録可能に構成されていても良い。通信制御部F2は、ユーザによって登録されたLF休止時間帯の間はウェイク信号の送信を停止させる。LF休止時間帯は、車両Hvを使用する可能性がない時間帯に対応するように、ユーザによって手動設定されうる。例えば、ユーザが寝る時間帯や、学校で授業を受講する時間帯、又は、勤務時間帯などが、LF休止時間帯に設定されうる。LF休止時間帯は、車両Hvの使用履歴情報から自動的に登録されても良い。使用履歴情報は、走行用電源がオン/オフになった時刻の履歴を示す情報である。
<効果等について>
上記の構成によれば、まずスマートキー2はウェイク信号を受信していない場合には、BLE通信部23を停止させる。常にBLE通信可能な状態を維持するわけではないため、スマートキー2における電力消費を抑制することができる。また、車載システム1としては、ウェイク信号を送信してからスキャニングを行う。そのため、仮にユーザが所持するキーデバイスKdがスマートキー2であっても、ユーザの接近に伴うキーデバイスKdとの通信接続を速やかに実施可能となる。
上記の構成によれば、まずスマートキー2はウェイク信号を受信していない場合には、BLE通信部23を停止させる。常にBLE通信可能な状態を維持するわけではないため、スマートキー2における電力消費を抑制することができる。また、車載システム1としては、ウェイク信号を送信してからスキャニングを行う。そのため、仮にユーザが所持するキーデバイスKdがスマートキー2であっても、ユーザの接近に伴うキーデバイスKdとの通信接続を速やかに実施可能となる。
また、スマートECU4は、携帯端末3が近傍領域又は車室内に存在する場合には、ウェイク信号のポーリングを停止する。これにより、例えばユーザがスマートキー2と携帯端末3の両方を所持している場合には、携帯端末3はBLE通信機7と通信する一方、スマートキー2はスリープモードが維持される。これにより、スマートキー2における電力消費をより一層抑制可能となる。
また、上記構成においては、スマートECU4は、通信相手が携帯端末3である場合もスマートキー2である場合も、認証用の通信は、同じ通信方式すなわちBLE通信によって実施する。比較構成としては、携帯端末3との通信はBLEで行う一方、スマートキー2とはBLE以外の方式で通信する構成が想定される。BLE以外の方式とは、LFとRF(Radio Frequency)を併用する方式であって、スマートキー2からのレスポンスコードはRF帯の電波を用いて取得する構成である。ここでのRFとは、車両用電子キーの技術分野においては実質的に、315MHzや、920MHzなどのUHF(Ultra High Frequency)帯を指す。そのような比較構成では、車載システム1は、BLE通信機7の他に、RF用の受信機が必要となる。その結果、システムのコストが増大しうる。このような比較に対、本実施形態によれば、スマートキー2の認証と、携帯端末3の認証とを共通の通信方式を用いて実施するため、RF受信機の分だけコストを低減可能となる。
以上、本開示の実施形態を説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されるものではなく、以降で述べる種々の変形例も本開示の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。例えば下記の種々の変形例は、技術的な矛盾が生じない範囲において適宜組み合わせて実施することができる。なお、前述の実施形態で述べた部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。また、構成の一部のみに言及している場合、他の部分については先に説明した実施形態の構成を適用することができる。
<送信強度調整処理>
通信制御部F2は、車両Hvから所定距離以内にキーデバイスKdが存在すると判定している場合には、BLE通信機7での送信電力を、所定の標準レベルよりも所定量低い抑制レベルに変更しても良い。当該構成によれば、車載システム1での消費電力を低減できる。
通信制御部F2は、車両Hvから所定距離以内にキーデバイスKdが存在すると判定している場合には、BLE通信機7での送信電力を、所定の標準レベルよりも所定量低い抑制レベルに変更しても良い。当該構成によれば、車載システム1での消費電力を低減できる。
図16は上記技術思想に対応するプロセッサ41の作動例を示したものである。図16に示すフローチャートは、キーデバイスKdと通信接続していることを条件に、逐次実施されうる。まず、プロセッサ41は、例えば施開錠エリア判定処理の結果としてのデバイス位置を取得する(ステップS71)。つまり、プロセッサ41は各室外機でのデバイス距離を取得する。そして、プロセッサ41はデバイス距離が所定値未満である室外機が存在することに基づいて(ステップS72 YES)、各室外機での送信電力を標準レベルから抑制レベルまで下げさせる(ステップS73)。また、プロセッサ41はBLE通信機7xを介して、キーデバイスKdに向けて、送信電力を所定量抑制させる指示信号を送信する(ステップS74)。
ステップS72で使用する閾値は、例えば2mや、5mなどとすることができる。上記ステップS71~S73の処理を実施する構成によれば、車載システム1の消費電力を低減できる。また、キーデバイスKdが車両Hv周辺に存在することを条件としてステップS74を実施する構成によれば、キーデバイスKdでの消費電力も抑制可能となる。
なお、送信電力の調整は、例えばデバイス位置に応じて多段階で実施されても良い。また、通信制御部F2はBLE信号の送信電力と同様に、LF送信機8での送信電力もまた、デバイス位置に応じて調整しても良い。例えば携帯端末3が近くに在るほど、LF信号の送信電力を小さくしても良い。
<位置判定方法の補足>
以上では位置推定部F3は、室内機観測強度(RSS_In)が室内判定値以上であることや、内外差分値(ΔRSS)が差分閾値以上であることに基づいてキーデバイスKdが車室内にあると判定する態様を開示した。ただし、これは一例であって、キーデバイスKdが車室内に存在するか否かを判定するアルゴリズムとしては多様なアルゴリズムを採用可能である。
以上では位置推定部F3は、室内機観測強度(RSS_In)が室内判定値以上であることや、内外差分値(ΔRSS)が差分閾値以上であることに基づいてキーデバイスKdが車室内にあると判定する態様を開示した。ただし、これは一例であって、キーデバイスKdが車室内に存在するか否かを判定するアルゴリズムとしては多様なアルゴリズムを採用可能である。
例えば、位置推定部F3は、室内機観測強度が室内判定値以上であり、かつ、室外機観測強度が室外判定値未満であることに基づいて、キーデバイスKdは車室内に存在すると判定してもよい。当該判定アルゴリズムでは、室内機観測強度が室内判定値以上であって且つ室外機観測強度が室外判定値未満である場合にキーデバイスKdは車室内に存在すると判定する。また、室内機観測強度が室内判定値以上であっても室外機観測強度が室外判定値以上である場合や、室内機観測強度が室内判定値未満である場合には、キーデバイスKdは車室外に存在すると判定してもよい。
さらに、位置推定部F3は、室内機観測強度に対する2つの閾値、すなわちハイレベル閾値とローレベル閾値を用いて、キーデバイスKdが車室内に存在するか否かを判定するように構成されていても良い。ハイレベル閾値は、室内機観測強度に基づいてキーデバイスKdが車室外から車室内に入ったと判定するための閾値である。ローレベル閾値は、室内機観測強度に基づいてキーデバイスKdが車室内から車室外に出たと判定するための閾値である。ハイレベル閾値は前述の室内判定値と同じであっても良い。ローレベル閾値は、ハイレベル閾値よりも10dB以上低い値に設定されていることが好ましい。
上記構成において、位置推定部F3は、室内機観測強度がいったんハイレベル閾値以上となった場合には、室内機観測強度がローレベル閾値未満となるまで、キーデバイスKdは車室内に存在するとの判定を維持する。また、室内機観測強度がいったんローレベル閾値未満となった場合には、室内機観測強度がハイレベル閾値以上となるまで、キーデバイスKdは車室外に存在するとの判定を維持する。この場合、室外機観測強度は使用されない。故に室外機観測強度を算出する処理を省略可能となる。
以上では車室内にキーデバイスKdが存在するか否かの判定方法の一例を述べた。キーデバイスKdが施開錠エリアLxに存在するか否かについても、キーデバイスKdが車室内に存在するのか否かの判定と同様に、多様な判定アルゴリズムを適用可能である。キーデバイスKdの判定方法としては例えば特許文献3-6に開示の方法を参照により援用可能である。
プロセッサ41は、定期的にキーデバイスKdの位置を判定する場合には、最新の判定結果と過去の判定結果とを併用して、現在位置を最終決定してもよい。例えば過去2回分の判定結果が施開錠エリアLxの外側であって、最新の判定結果が施開錠エリアLx内である場合には、キーデバイスKdの現在位置の最終判定は、施開錠エリアLx外とする。一方、例えば前々回の判定結果が施開錠エリアLxの外側であり、前回の及び最新の判定結果が施開錠エリアLx内である場合には、キーデバイスKdの現在位置の最終判定は、施開錠エリアLx内とする。このような構成は、過去の判定結果と最新の判定結果とを母集団とする多数決/平均化により、最終的なデバイス位置を決定する構成に相当する。
最新の判定結果とそれ以前の判定結果とを併用して最終的な現在位置を決定する構成よれば、瞬間的なノイズ等によってデバイス位置を誤判定する恐れを低減できる。なお当該技術思想はデバイス位置をエリア単位で判定する構成だけでなく、別途後述するように、位置座標で判定する場合にも適用可能である。キーデバイスKdの車両Hvに対する相対位置座標を算出する構成においては、過去の所定回数分の推定結果と最新の推定結果とを重み付け平均するなどして最終的な位置座標を確定してもよい。
プロセッサ41は、通信相手となるキーデバイスKdがスマートキー2か携帯端末3かに応じて、測距回数を変えてもよい。例えば通信相手が携帯端末3である場合は、携帯端末3が車室外に存在する間、継続的/定期的に測距用の通信を実施する。一方、通信相手がスマートキー2である場合は、車両Hvに対するユーザ操作を検知した場合のみ、測距用の通信を実施する。当該構成によれば、スマートキー2との通信頻度を低減できるため、スマートキー2での消費電力を抑制可能となる。
また、プロセッサ41は、通信相手となるキーデバイスKdがスマートキー2か携帯端末3かに応じて、通信頻度/通信間隔を変えてもよい。例えば通信相手が携帯端末3である場合は、所定の標準間隔で通信を実施する。一方、通信相手がスマートキー2である場合は、標準間隔よりも所定量長い節電間隔で通信を実施する。標準間隔を25ミリ秒や50ミリ秒、100ミリ秒などとすると、節電間隔は、200ミリ秒や400ミリ秒などとすることができる。節電間隔は標準間隔の2倍などであってもよい。当該構成によってもスマートキー2での消費電力を抑制可能となる。
位置推定部F3は、車両Hvに対するキーデバイスKdの相対的な2次元/3次元位置座標を算出するように構成されていても良い。例えば位置推定部F3は、キーデバイスKdからの信号の受信強度を利用するRSSI方式にてキーデバイスKdの位置を特定してもよい。RSSI方式は、無線信号の電界強度は伝搬距離に応じて減衰するといった特性を利用して、各BLE通信機7からキーデバイスKdまでの距離を推定し、各BLE通信機7からの距離に基づいてデバイス位置を推定する方式である。
位置推定部F3は、各BLE通信機7で観測されたキーデバイスKdからの信号の受信強度情報を距離情報に変換し、各BLE通信機7からキーデバイスKdまでの距離情報を生成する。そして、各BLE通信機7からキーデバイスKdまでの距離情報を統合することでキーデバイスKdの位置座標を算出する。例えば位置推定部F3は、3つ以上のBLE通信機7で観測された受信強度のそれぞれから算出した距離、及びこれらのBLE通信機7の搭載位置に基づいて、三点測量/三角測量の原理によって車両Hvの基準点に対するキーデバイスKdの位置を特定する。受信強度から距離情報への変換は、受信強度は距離の3乗又は2乗に反比例して減衰するといったモデル式を用いて実現可能である。車両Hvに対するキーデバイスKdの位置は、車両座標系の点として表現することができる。
なお、他の態様として、位置推定部F3は、電波の到来角度を用いるAoA(Angle of Arrival)方式を利用して車両Hvに対するキーデバイスKdの位置を特定してもよい。また、位置推定部F3は、ToF/2周波位相差/RTTに基づく各BLE通信機7からのデバイス距離を利用して車両Hvに対するキーデバイスKdの位置座標を特定してもよい。他にも、電波の到達時間差を用いて定位を行うTDOA(Time Difference of Arrival)方式を利用して車両Hvに対するキーデバイスKdの位置を特定してもよい。
また、位置推定部F3は、複数の位置推定方式を組み合わせて、デバイスの位置座標を推定しても良い。例えば図17に示すようにスマートECU4は、RSSI方式/ToF方式とAoA方式を組み合わせてデバイス位置を推定しても良い。図17に示すSg_Vは車載システム1、具体的には代表機としてのBLE通信機7xが送信した信号を示している。Sg_Vは、キーデバイスKdを宛先として指定したデータ信号であっても良いし、スキャン要求信号であってもよい。また、Sg_Vは、CW信号であってもよい。
例えばBLE通信機7a~7cはキーデバイスKdからの信号の到来角度(換言すれば到来方向)と受信強度を出力する一方、BLE通信機7p~7rは受信強度を出力する。BLE通信機7xは測距通信を実施し、ToFそのもの、又はToF関連値をプロセッサ41に提供する。この場合、位置推定部F3は、BLE通信機7a~7c、7xの少なくとも何れかで観測された到来方向と、BLE通信機7p~7rの少なくとも何れかで観測された受信強度とを組み合わせてデバイス位置を推定可能である。もちろん、ToF関連値に基づくBLE通信機7xからの距離情報を併用しても良い。到来方向を推定するBLE通信機7は、複数のアンテナ72をアレーアンテナとして備えているものとする。アレーアンテナを備えるBLE通信機7は、での受信結果を解析することで到来方向を算出し、スマートECU4に報告しうる。
複数のBLE通信機7は、それぞれが個別にキーデバイスKdと無線信号の送受信を実施することにより、受信強度、到来方向及び飛行時間の少なくとも何れか1つを算出するように構成されていても良い。
その他、位置推定部F3は、スマートキー2がウェイク信号を受信した際の受信強度を、複数のBLE通信機7での通信状況データと相補的に用いてスマートキー2の位置を判定しても良い。その場合、スマートキー2は、ウェイク信号の受信強度をLF受信強度として検出するとともに、当該LF受信強度を示すデータをBLE通信で車載システム1に送信する。位置推定部F3は、例えば、スマートキー2で観測されたLF受信強度が所定の閾値以上であることを条件として施開錠エリアLx内又は車室内と判定するように構成されていてもよい。位置推定部F3は、BLE信号の受信状況が施開錠エリアLx内にスマートキー2が存在するとみなせる条件を充足している場合であっても、LF受信強度が所定の閾値以下である場合にはスマートキー2は施開錠エリアLx外と判断してもよい。
<デバイス位置情報を用いたLF制御の補足>
位置推定部F3が、携帯端末3の位置座標の履歴又は最寄り通信機との距離の履歴に基づいて、携帯端末3を携帯しているユーザが車両Hvに接近中か否かを判定してもよい。通信制御部F2は、携帯端末3を携帯しているユーザが車両Hvに接近中であると判定されていることに基づいて、ウェイク信号の定期送信を停止しても良い。図18は当該技術思想に対応するスマートECU4の作動例を示すフローチャートである。
位置推定部F3が、携帯端末3の位置座標の履歴又は最寄り通信機との距離の履歴に基づいて、携帯端末3を携帯しているユーザが車両Hvに接近中か否かを判定してもよい。通信制御部F2は、携帯端末3を携帯しているユーザが車両Hvに接近中であると判定されていることに基づいて、ウェイク信号の定期送信を停止しても良い。図18は当該技術思想に対応するスマートECU4の作動例を示すフローチャートである。
また、図19に示すようにLF送信機8が例えば運転席ドア、助手席ドア、及びトランクドアのそれぞれに分散配置されている場合、携帯端末3が検出されていないエリアのLF送信機8からはウェイク信号を定期的に送信させても良い。例えば、携帯端末3が助手席ドア付近に存在すると判定されている場合、トランクドアや運転席ドアのLF送信機8からはウェイク信号を定期送信させてもよい。このような構成によれば、スマートキー2のみを所持したユーザの接近に対しても迅速に応答可能となる。なお、各LF送信機8はウェイク信号の送信範囲が異なるように設計されているものとする。
<送受信位相差の検出方法の補足>
送受信位相差の検出方法としては、アクティブ2ウェイ方式や、パッシブ2ウェイ方式、1ウェイ方式などがある。アクティブ2ウェイ方式は、図20に示すように、イニシエータとリフレクタとがCW信号を互いに送受信し合うことで各々が送信信号と受信信号との位相差を検出する。そしてリフレクタで観測された位相差をイニシエータに集めることで、送受信位相差を特定する方式である。イニシエータとは、通信を開始する側のデバイス、換言すれば、応答を要求する側のデバイスである。また、リフレクタとは、応答を返送する側のデバイスである。ここではBLE通信機7がイニシエータに相当し、キーデバイスKdがリフレクタに相当する。キーデバイスKdを指す。リフレクタは、レスポンダとも呼ばれうる。アクティブ2ウェイ方式では、リフレクタとしてのキーデバイスKdは、自身で観測した位相差(θr)を示す位相報告信号(RpSg)を、CW信号とは別送する。
送受信位相差の検出方法としては、アクティブ2ウェイ方式や、パッシブ2ウェイ方式、1ウェイ方式などがある。アクティブ2ウェイ方式は、図20に示すように、イニシエータとリフレクタとがCW信号を互いに送受信し合うことで各々が送信信号と受信信号との位相差を検出する。そしてリフレクタで観測された位相差をイニシエータに集めることで、送受信位相差を特定する方式である。イニシエータとは、通信を開始する側のデバイス、換言すれば、応答を要求する側のデバイスである。また、リフレクタとは、応答を返送する側のデバイスである。ここではBLE通信機7がイニシエータに相当し、キーデバイスKdがリフレクタに相当する。キーデバイスKdを指す。リフレクタは、レスポンダとも呼ばれうる。アクティブ2ウェイ方式では、リフレクタとしてのキーデバイスKdは、自身で観測した位相差(θr)を示す位相報告信号(RpSg)を、CW信号とは別送する。
図20に示すCW_Iは、イニシエータが送信したCW信号であって、初期位相をδiとする。CW_Rは、リフレクタが送信するCW信号であって、初期位相をδrとする。イニシエータ-リフレクタ間の片道分の距離に応じた本来観測されるべき位相差をφ、対象周波数をfとすると、θr=φ+δi-δrとなる。また、θi=φ-δi+δrとなる。図20に示すRpSgは、リフレクタが観測した受信位相(θr)の情報を含む受信位相報告信号である。
イニシエータは、自身で観測した位相角(θi)と、リフレクタで観測された位相角(θr)の平均値を、送受信位相差(φ)として採用する。なお、ここでは片道分の伝搬による位相差を想定しているため、θiとθrの平均値を送受信位相差としている。他の態様として、送受信位相差として往復分の伝搬による位相差を想定する場合、送受信位相差は、θi+θr=2φで求めることができる。
各デバイスで観測される位相差(θi、θr)には、各デバイスが信号を送信する際の初期位相(δi、δr)が含まれうる。しかしながら、各デバイスで観測された位相差の平均値においては、各デバイスでの初期位相成分は相殺される。上記方式によれば、個々のデバイスから発せられるCW信号の初期位相が不明であっても、送受信位相差を算出可能となる。なお、リフレクタとしてのキーデバイスKdは、周波数ごとに個別に受信位相報告信号を送信しても良いし、複数周波数での受信位相をまとめて送信してもよい。
パッシブ2ウェイ方式もまた、図21に示すように、イニシエータとリフレクタとがCW信号を互いに送受信し合う方式である。アクティブ2ウェイ方式との相違点としては、リフレクタはイニシエータから送信されてきたCW信号の受信位相を、送信信号の初期位相に反映して送信する点にある。例えばリフレクタにおける受信位相がθrである場合には、z(t)=A・exp{-i(ωt+θr+2πn)}で表現されるCW信号を送信する。Aは振幅を表す。ωは対象周波数(f)に対応する角周波数であって、ω=2πfの関係を有する。nは自然数であって、リフレクタがCW信号を受信してからCW信号を送信するまでのインターバルに対応する。
上記のような方式によれば、イニシエータで観測される受信位相は、壁などの反射物OBJで反射されて返ってきたCW信号を受信した場合と実質的に同じ値となる。故に、イニシエータで観測される受信位相は、イニシエータでの初期位相成分が相殺された値となる。その結果、送受信位相差が得られる。なお、パッシブ2ウェイ方式によれば、アクティブ2ウェイ方式に比べて、リフレクタが位相報告信号(RpSg)を送信する必要がないといった利点を有する。
1ウェイ方式は、図22に示すようにデバイス間での初期位相/ローカル発振器が同期していることを前提として、キーデバイスKdから送信されたCW信号の受信位相をそのまま送受信位相差として採用する方式である。デバイス間での初期位相/ローカル発振器の同期は、例えば所定の同期用信号を送信することで実現されうる。送受信位相差を特定する方法としては上記の方法に限らず、多様な方式を採用可能である。システムが採用する方式に対応するようにキーデバイスKdは作動するよう構成されうる。
<観測機によるToFの計測方法の補足>
RTTを用いたデバイス距離/ToFの推定は、特許文献3に記載の方法を援用して実施されても良い。複数のBLE通信機7がキーデバイスKdと個別に通信するのではなく、スニッフィング方式によって観測機からキーデバイスKdまでの距離を算出しても良い。例えば、代表機としてのBLE通信機7xは応答要求信号を送信してからキーデバイスKdからの応答信号を受信するまでのRTTを計測してスマートECU4に報告する。代表機以外のBLE通信機7である観測機は、代表機が発した応答要求信号を受信してから、キーデバイスKdが発した応答信号を受信するまでの受信間隔を計測してスマートECU4に報告する。スマートECU4は、RTTに基づいて、キーデバイス-代表機間の信号飛行時間である第1飛行時間を特定する。また、スマートECU4は、観測機での受信間隔と第1飛行時間に基づいてキーデバイス-観測機間の信号飛行時間である第2飛行時間を特定する。第1飛行時間と第2飛行時間がそれぞれToFに相当する。
RTTを用いたデバイス距離/ToFの推定は、特許文献3に記載の方法を援用して実施されても良い。複数のBLE通信機7がキーデバイスKdと個別に通信するのではなく、スニッフィング方式によって観測機からキーデバイスKdまでの距離を算出しても良い。例えば、代表機としてのBLE通信機7xは応答要求信号を送信してからキーデバイスKdからの応答信号を受信するまでのRTTを計測してスマートECU4に報告する。代表機以外のBLE通信機7である観測機は、代表機が発した応答要求信号を受信してから、キーデバイスKdが発した応答信号を受信するまでの受信間隔を計測してスマートECU4に報告する。スマートECU4は、RTTに基づいて、キーデバイス-代表機間の信号飛行時間である第1飛行時間を特定する。また、スマートECU4は、観測機での受信間隔と第1飛行時間に基づいてキーデバイス-観測機間の信号飛行時間である第2飛行時間を特定する。第1飛行時間と第2飛行時間がそれぞれToFに相当する。
また、複数のBLE通信機7がキーデバイスKdと個別に通信するのではなく、スニッフィング方式によって観測機からキーデバイスKdまでの距離指標としての送受信位相差を算出しても良い。観測機は、代表機から発せられたCW信号の受信位相と、キーデバイスKdから発せられたCW信号の受信位相とを組み合わせる事により、観測機での送受信位相差を特定してもよい。
<通信機の搭載パターンの変形例>
車載システム1におけるBLE通信機7及びLF送信機8の搭載数、搭載箇所は図23に示す態様であってもよい。すなわち、室内機はBLE通信機7pの1つだけであっても良い。例えばBLE通信機7pは、車室外に電波が漏れにくいように、運転席と助手席の間の床部やセンターコンソールなどに配置されうる。LF送信機8は1つだけであってもよい。LF送信機8は車室外にも良好に電波が伝搬するように室内天井部の中央部などに配置されうる。
車載システム1におけるBLE通信機7及びLF送信機8の搭載数、搭載箇所は図23に示す態様であってもよい。すなわち、室内機はBLE通信機7pの1つだけであっても良い。例えばBLE通信機7pは、車室外に電波が漏れにくいように、運転席と助手席の間の床部やセンターコンソールなどに配置されうる。LF送信機8は1つだけであってもよい。LF送信機8は車室外にも良好に電波が伝搬するように室内天井部の中央部などに配置されうる。
<キーデバイスKdの位置推定に利用可能な通信方式について>
車載システム1と携帯端末3とのデータ通信の通信方式と、デバイス位置の特定に用いる通信方式は異なっていても良い。例えば、車載システム1と携帯端末3とのデータ通信はBLE通信が使用される一方、デバイス位置の特定には、UWB通信が使用されても良い。UWB通信とはUWB-IR(Ultra Wide Band - Impulse Radio)方式の通信を指す。以下では端末の位置推定にUWB通信を用いるシステム構成をUWB併用構成と称する。
車載システム1と携帯端末3とのデータ通信の通信方式と、デバイス位置の特定に用いる通信方式は異なっていても良い。例えば、車載システム1と携帯端末3とのデータ通信はBLE通信が使用される一方、デバイス位置の特定には、UWB通信が使用されても良い。UWB通信とはUWB-IR(Ultra Wide Band - Impulse Radio)方式の通信を指す。以下では端末の位置推定にUWB通信を用いるシステム構成をUWB併用構成と称する。
UWB併用構成において、キーデバイスKdとなりうるスマートキー2と携帯端末3は、BLE通信部に加えて、UWB通信で使用されるインパルス状の電波(以下、インパルス信号)を送受信するための回路モジュールを備える。また、車載システム1は、複数のUWB通信機9を備える。UWB通信機9は、UWB通信で用いられるインパルス信号を受信するための通信モジュールである。UWB通信で用いられるインパルス信号とは、パルス幅が例えば2ナノ秒といった極短時間の信号である。UWB通信は超広帯域通信と呼ばれることもある。UWB通信に利用できる周波数帯は、例えば、3.1GHz~10.6GHz,3.4GHz~4.8GHz,22GHz~29GHz等である。
車載システム1は例えば図24に示すようにUWB通信機9a~9c、9p~9qを備える。UWB通信機9aは、右側ドアにおけるBピラーの外側面に設けられている。UWB通信機9bは、左側ドアにおけるBピラーの外側面に設けられている。UWB通信機9cは、リアバンパの左右方向の中央部に配置されている。UWB通信機9a~9cは、車両の外側面に設けられたUWB通信機9である室外機に相当する。UWB通信機9pは、例えば室内天井部の中央部よりも所定距離前側となる位置に設けられている。UWB通信機9pは、例えば室内天井部の中央部よりも所定距離後方となる位置に設けられている。
位置推定部F3は、所定の順番で複数のUWB通信機9のそれぞれからキーデバイスKdとインパルス信号を送受信させることにより、各UWB通信機9からキーデバイスKdまでの距離を推定する。距離の推定はToF方式などを採用可能である。そして、各UWB通信機9からキーデバイスKdまでの距離情報と、各UWB通信機9の通信機設定データに基づいてキーデバイスKdの位置を推定する。このようにBLE通信機7の代わりにUWB通信機9を用いても、デバイス位置の推定は可能である。すなわち、本明細書におけるBLE通信機7は、UWB通信機9に置き換えて実施することができる。BLE通信機7やUWB通信機9が第1通信部に相当し、LF送信機8が第2通信部に相当する。
<付言>
本開示に記載の装置、システム、並びにそれらの手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウェア論理回路を用いて実現されてもよい。さらに、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと一つ以上のハードウェア論理回路との組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。例えばスマートECU4が備える機能の一部又は全部はハードウェアとして実現されても良い。或る機能をハードウェアとして実現する態様には、1つ又は複数のICなどを用いて実現する態様が含まれる。プロセッサ(演算コア)としては、CPUや、MPU、GPU、DFP(Data Flow Processor)などを採用可能である。また、スマートECU4が備える機能の一部又は全部は、複数種類の演算処理装置を組み合わせて実現されていてもよい。プロセッサ41が備える機能の一部又は全部は、システムオンチップ(SoC:System-on-Chip)や、FPGA、ASICなどを用いて実現されていても良い。ASICはApplication Specific Integrated Circuitの略である。コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体(non- transitory tangible storage medium)に記憶されていてもよい。プログラムの保存媒体としては、HDD(Hard-disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリカード等を採用可能である。
本開示に記載の装置、システム、並びにそれらの手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウェア論理回路を用いて実現されてもよい。さらに、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと一つ以上のハードウェア論理回路との組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。例えばスマートECU4が備える機能の一部又は全部はハードウェアとして実現されても良い。或る機能をハードウェアとして実現する態様には、1つ又は複数のICなどを用いて実現する態様が含まれる。プロセッサ(演算コア)としては、CPUや、MPU、GPU、DFP(Data Flow Processor)などを採用可能である。また、スマートECU4が備える機能の一部又は全部は、複数種類の演算処理装置を組み合わせて実現されていてもよい。プロセッサ41が備える機能の一部又は全部は、システムオンチップ(SoC:System-on-Chip)や、FPGA、ASICなどを用いて実現されていても良い。ASICはApplication Specific Integrated Circuitの略である。コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体(non- transitory tangible storage medium)に記憶されていてもよい。プログラムの保存媒体としては、HDD(Hard-disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリカード等を採用可能である。
1 車載システム、2 スマートキー(車両用携帯機)、3 携帯端末、Kd キーデバイス、4 スマートECU(車両用認証装置)、5 ドアボタン(部材)、6 スタートボタン、7 BLE通信機(第1通信部)、8 LF送信機(第2通信部)、9 UWB通信部(第1通信部)、15 ディスプレイ、16 入力装置、41 プロセッサ、F2 通信制御部、F21 BLE制御部(第1通信制御部)、F22 LF制御部(第2通信制御部)、F3 位置推定部、F4 認証処理部、F5 車両制御部、F6 デバイス管理部、M1 キー情報記憶部
Claims (17)
- 車載システム(1)が、車両のキーとして使用されるデバイスであるキーデバイス(Kd)と、第1周波数帯の電波を用いる所定の通信規格に準拠した無線通信である近距離通信を実施することにより、所定の車両制御を実行する車両用電子キーシステムであって、
前記車載システムは、
前記キーデバイスの情報を記憶するキー情報記憶部(M1)と、
前記近距離通信を実施可能に構成された通信モジュールである、複数の第1通信部(7、9)と、
前記第1周波数帯とは異なる第2周波数帯の無線信号であって、前記車両を操作するための専用デバイスである車両用携帯機(2)を一時的に前記近距離通信が可能な状態へと遷移させる所定のウェイク信号を送信するための通信モジュールである、少なくとも1つの第2通信部(8)と、
前記第1通信部及び前記第2通信部のそれぞれの動作を制御する通信制御部(F2)と、
複数の前記第1通信部での前記キーデバイスからの信号の受信状況に基づいて、前記車両に対する前記キーデバイスの位置を判定する位置推定部(F3)と、
前記第1通信部を介して前記キーデバイスから受信したデータに基づいてユーザを認証する認証処理部(F4)と、を備え、
前記キー情報記憶部には、前記キーデバイスとして、前記車両用携帯機と、前記近距離通信を実施可能な汎用的な情報処理デバイスである携帯端末(3)の両方を登録可能に構成されており、
前記通信制御部は、前記携帯端末が前記キーデバイスとして登録されている場合、前記位置推定部が判定している前記携帯端末の位置に応じて、前記第2通信部の動作を変更するように構成されている車両用電子キーシステム。 - 請求項1に記載の車両用電子キーシステムであって、
前記位置推定部は、複数の前記第1通信部における前記携帯端末からの信号の受信状況に基づいて、前記携帯端末が車室外に設定されている所定の作動エリア内又は車室内に存在するか否かを判定し、
前記通信制御部は、
車室内及び前記作動エリア内の何れにも前記携帯端末は存在しないと判定されている場合には前記第2通信部に前記ウェイク信号を定期的に送信させる一方、
前記携帯端末が車室内又は前記作動エリア内に存在すると判定されている場合には前記第2通信部による前記ウェイク信号の定期送信を停止させる車両用電子キーシステム。 - 請求項1又は2に記載の車両用電子キーシステムであって、
前記位置推定部は、前記携帯端末の位置の履歴に基づいて、前記携帯端末を携帯しているユーザが前記車両に接近中か否かを判定し、
前記通信制御部は、前記携帯端末を携帯している前記ユーザが接近中であると判定されていることに基づいて、前記第2通信部を停止させるように構成されている車両用電子キーシステム。 - 請求項1から3の何れか1項に記載の車両用電子キーシステムであって、
前記車両においてそれぞれ異なる位置に配置されてあって、且つ、前記ウェイク信号の送信範囲がそれぞれ異なる複数の前記第2通信部を備え、
前記位置推定部は、複数の前記第1通信部における前記携帯端末からの信号の受信状況に基づいて、前記車両に対する前記携帯端末の位置座標を特定し、
前記通信制御部は、前記位置推定部によって特定されている前記携帯端末の位置座標を送信範囲に含まない前記第2通信部からは前記ウェイク信号を定期的に送信させるように構成されている車両用電子キーシステム。 - 請求項1から4の何れか1項に記載の車両用電子キーシステムであって、
前記通信制御部は、
前記ユーザによって操作されうる部材からの入力信号に基づいて、前記ユーザによって操作された部材であるの位置である操作部材位置を特定することと、
前記操作部材位置と前記携帯端末の位置とが整合していないことに基づいて、前記第2通信部から前記ウェイク信号を送信させるように構成されている車両用電子キーシステム。 - 請求項1から5の何れか1項に記載の車両用電子キーシステムであって、
前記車載システムは、
前記キーデバイスとして登録されているデバイスの情報を管理するデバイス管理部(F6)を備え、
前記デバイス管理部は、
入力装置(16)から出力される前記ユーザの操作信号に基づき、前記キーデバイスを新規登録するための画面であるデバイス登録画面を所定のディスプレイ(15)に表示することと、
前記デバイス登録画面を表示中における前記入力装置からの前記ユーザの操作信号に基づき、前記携帯端末又は前記車両用携帯機を前記キーデバイスとして新規登録することと、
前記キーデバイスとして新規に登録されるデバイスである登録対象デバイスが、前記車両用携帯機であるか否かをデバイス種別情報として前記入力装置からの信号に基づき取得することと、
前記登録対象デバイスの識別子であるデバイスIDを、前記デバイス種別情報とともに前記キー情報記憶部に保存することと、を実施可能に構成されている車両用電子キーシステム。 - 請求項6に記載の車両用電子キーシステムであって、
前記デバイス管理部は、前記入力装置からの信号に基づき、前記キーデバイスのリストから前記車両用携帯機を削除可能に構成されている車両用電子キーシステム。 - 請求項6又は7に記載の車両用電子キーシステムであって、
前記通信制御部は、前記キー情報記憶部に前記キーデバイスとして前記車両用携帯機が登録されているか否かに応じて前記第2通信部の作動を変更するように構成されている車両用電子キーシステム。 - 請求項6又は7に記載の車両用電子キーシステムであって、
前記通信制御部は、前記キー情報記憶部に前記キーデバイスとして前記車両用携帯機が登録されていない場合には前記第2通信部を動作させないように構成されている車両用電子キーシステム。 - 請求項6から9の何れか1項に記載の車両用電子キーシステムであって、
前記デバイス管理部は、前記キー情報記憶部に前記キーデバイスとして前記車両用携帯機が登録されている状態において、所定期間以上、前記車両用携帯機と前記近距離通信を実施していない場合には、前記キーデバイスのリストから前記車両用携帯機を削除することを提案する画面を前記ディスプレイに表示するように構成されている車両用電子キーシステム。 - 請求項1から10の何れか1項に記載の車両用電子キーシステムであって、
前記通信制御部は、前記ユーザによって登録されている休止時間帯においては、前記第2通信部による前記ウェイク信号の定期送信を停止させるように構成されている車両用電子キーシステム。 - 請求項1から11の何れか1項に記載の車両用電子キーシステムであって、
前記通信制御部は、外部サーバからの指示に基づき、第2通信部を停止させるように構成されている車両用電子キーシステム。 - 請求項1から12の何れか1項に記載の車両用電子キーシステムであって、
前記通信制御部は、前記携帯端末が前記車両から所定距離以内に存在する場合には、前記第1通信部での送信電力を、所定の標準レベルよりも所定量低い抑制レベルまで低下させるように構成されている車両用電子キーシステム。 - 請求項13に記載の車両用電子キーシステムであって、
前記位置推定部は、
前記携帯端末からの信号を受信している限りは、前記携帯端末の位置を判定する処理を所定間隔で実行し、
過去の判定結果と最新の判定結果とを組み合わせることで前記携帯端末の位置を決定するように構成されている車両用電子キーシステム。 - 請求項1から14の何れか1項に記載の車両用電子キーシステムであって、
前記位置推定部は、複数の前記第1通信部における前記車両用携帯機からの信号の受信状況に基づいて、前記車両に対する前記車両用携帯機の位置も判定するように構成されており、
前記通信制御部は、通信相手が前記車両用携帯機であるか前記携帯端末かによって、前記位置を判定するための通信を実行する頻度を変更するように構成されている車両用電子キーシステム。 - 請求項15に記載の車両用電子キーシステムであって、
前記位置推定部は、前記車両用携帯機から前記ウェイク信号の受信強度を示す情報を取得し、
複数の前記第1通信部における前記車両用携帯機からの信号の受信状況に加えて、前記車両用携帯機での前記ウェイク信号の受信強度に基づいて、前記車両用携帯機の位置を判定するように構成されている車両用電子キーシステム。 - 車両のキーとして使用されるデバイスであるキーデバイス(Kd)と、所定の第1周波数帯の電波を用いる所定の通信規格に準拠した無線通信である近距離通信を実施することにより、ユーザの認証を行う車両用認証装置であって、
前記キーデバイスの情報を格納するためのキー情報記憶部(M1)と、
前記車両においてそれぞれ異なる位置に配置されている、前記近距離通信を実施するための通信モジュールである複数の第1通信部(7、9)を制御する第1通信制御部(F21)と、
前記第1周波数帯とは異なる第2周波数帯の無線信号であって、前記車両を操作するための専用デバイスである車両用携帯機(2)を、一時的に前記近距離通信を実施可能な状態へと遷移させる所定のウェイク信号を送信するための通信モジュールである、少なくとも1つの第2通信部(8)を制御する第2通信制御部(F22)と、
複数の前記第1通信部における前記キーデバイスからの信号の受信状況に基づいて、前記車両に対する前記キーデバイスの位置を判定する位置推定部(F3)と、を備え、
前記キー情報記憶部には、前記キーデバイスとして、前記車両用携帯機と、前記近距離通信を実施可能な汎用的な情報処理デバイスである携帯端末(3)の両方を登録可能に構成されており、
前記第2通信制御部は、前記携帯端末が前記キーデバイスとして登録されている場合、前記位置推定部が判定している前記携帯端末の位置に応じて、前記第2通信部(8)の動作を変更するように構成されている車両用認証装置。
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