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JP5200956B2 - 血圧情報測定装置 - Google Patents

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JP5200956B2
JP5200956B2 JP2009013268A JP2009013268A JP5200956B2 JP 5200956 B2 JP5200956 B2 JP 5200956B2 JP 2009013268 A JP2009013268 A JP 2009013268A JP 2009013268 A JP2009013268 A JP 2009013268A JP 5200956 B2 JP5200956 B2 JP 5200956B2
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Description

本発明は、血圧情報測定装置に関し、特に、容積補償法を用いて血圧を測定することのできる血圧情報測定装置に関する。
従来より、非侵襲で簡便に血圧を測定できる手法として、容積補償法による血圧測定が開発されている(特許文献1参照)。容積補償法とは次のようである。つまり、生体外からカフによって動脈を圧迫し、心拍に同期して脈動する動脈の容積を常時一定に保つことで測定部位を圧迫する圧力(カフ圧)と測定部位の動脈の内圧すなわち血圧とを平衡させ、この平衡状態を維持したときのカフ圧を検出することにより連続的に血圧値を得る方式である。
このような容積補償法では、動脈容積信号をフィードバックして、常に動脈容積が一定となるように、つまり、動脈容積値が制御目標値(動脈が無負荷状態にあるときの容積値)と一致するようにサーボ制御が行なわれる。したがって、血圧測定期間中、検出される動脈容積信号に応じて、測定部位への圧迫度合が変化する。
従来より、特許文献2に示すように、圧脈波や血圧の急増を検出する方法が存在する。
特公昭59−005296号公報 特開2001−17400号公報
測定中、体動などが起きると血流の増加もしくはセンサのずれによって動脈容積信号が急激に変化することがある。動脈容積信号が急激に変化すると、制御偏差(制御目標値を基準とした動脈容積のレベル)が大きくなる。制御偏差が大きいと、フィードバック制御するため過剰に応答し、異常な血圧値が表示される。また、必要以上のカフ圧で測定部位を圧迫することになるため、被測定者の負担が増加する。
単純にカフ圧に対して制限を設ける方法があるが、通常想定される血圧値を大きく超える場合に対して制限するものであり(例えば280mmHg)、必要以上の圧迫を防ぐという点では不十分である。
また、容積補償法では動脈容積が一定となるように制御を行っており、カフ圧と血圧が等価である。したがって、特許文献2のように血圧の急増が検出されたとしても、すでに過剰な応答が起きた後に検出することになる。そのため、被測定者への負担を避けることができない。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、測定部位の過剰な圧迫を避けることのできる、容積補償法に従う血圧情報測定装置を提供することである。
この発明のある局面に従う血圧情報測定装置は、動脈の容積を検出することにより血圧情報を測定するための血圧情報測定装置であって、所定の測定部位に巻き付けるためのカフと、カフ内の圧力を加圧および減圧により調整するための圧力調整手段と、カフ内の圧力を表わすカフ圧を検出するための圧力検出手段と、カフの所定の位置に配置され、動脈の容積を示す動脈容積信号を検出するための容積検出手段と、動脈容積信号に基づいて、制御目標値を検出するための検出処理手段と、動脈容積信号の値が制御目標値に一致するように、圧力調整手段のサーボ制御を行なうためのサーボ制御手段と、サーボ制御の期間中、動脈容積信号の急激な変動を初期段階で検出するための変動検出手段と、変動検出手段により急激な変動が検出された場合に、過度な応答のないようにサーボ制御手段による圧力調整手段の制御量を調整するための調整処理手段とを備える。変動検出手段は、制御目標値を基準とした動脈容積信号のレベルを表わす制御偏差が、基準偏差の所定倍率以上となった場合に急激な変動が起きたと判断する。
好ましくは、調整処理手段は、動脈容積信号の急激な変動が収束するまで、制御量の調整を継続する。
好ましくは、調整処理手段は、所定期間、制御偏差が、適正ゲインにてサーボ制御を行なう前における初期制御偏差の所定倍率未満となった場合に、急激な変動は収束したと判断する。
好ましくは、検出処理手段は、さらに、サーボ制御での基準のカフ圧を表わす初期カフ圧を検出し、初期制御偏差は、制御ゲインが適正ゲインよりも低い初期値であり、かつ、カフ圧が初期カフ圧に設定された場合における制御偏差を表わす。
好ましくは、調整処理手段は、制御ゲインを初期値に設定することにより、圧力調整手段の制御量を調整する。
好ましくは、調整処理手段は、カフ圧を初期カフ圧に設定することにより、圧力調整手段の制御量を調整する。
好ましくは、基準偏差は、1拍以上前の制御偏差であることが予め定められる。
本発明によると、動脈容積の制御偏差を監視することによって動脈容積の急激な変動を初期段階で捉えることができる。したがって、測定部位を過剰に圧迫する前に、カフの制御量を調整することができる。その結果、被測定者への負担を軽減することができる。
また、別途、体動センサ等を設けなくてもよい。
本発明の実施の形態に係る血圧情報測定装置の外観斜視図である。 本発明の実施の形態に係る血圧情報測定装置のハードウェア構成を表わすブロック図である。 本発明の実施の形態に係る血圧情報測定装置の機能構成を示す機能ブロック図である。 動脈の力学特性を示すグラフである。 本発明の実施の形態における各測定データのデータ構造例を示す図である。 本発明の実施の形態における血圧測定処理を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態における制御目標値検出処理を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態の血圧測定処理を説明するための図である。 本発明の実施の形態における制御量調整処理を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態における動脈容積の急変の検出および制御出力の調整処理を説明するための図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
本発明の実施の形態における血圧情報測定装置は、容積補償法に基づいて血圧情報を測定する。本実施の形態において、「血圧情報」とは、循環器系の特徴を示す情報であり、少なくとも脈波(脈波信号)を含み、脈波に加え、脈波より算出可能な指標、たとえば、連続的な血圧値(血圧波形)、最高血圧、最低血圧、平均血圧、脈拍数、AI(Augmentation Index)値等をさらに含む。
上記血圧情報の一つである脈波には、捉える対象の違いから圧脈波と容積脈波が存在する。圧脈波は、心臓の拍動に伴う血管内容積の変動をカフの容積変化に変換することで、脈波をカフの容積変化に伴うカフ圧の変動として捉えたものであり、圧力センサからの出力に基づいて得ることができる。容積脈波は、脈波を心臓の拍動に伴う血管内容積の変動として捉えたものであり、動脈容積センサからの出力に基づいて得ることができる。なお、血管内容積の変動は、血管内の血液組織量変動として捉えることが可能である。
本明細書において使用する血圧情報測定装置という用語は、脈波を取得する機能を少なくとも有する装置全般を指すものであり、より特定的には、容積補償法に従うため、光学的な手法により血液組織量変動を検出して容積脈波を取得する装置を指すものである。その意味において、取得される容積脈波をそのまま測定結果として出力するものに限られず、取得された容積脈波に基づいて算出あるいは計測される上述のような特定の指標のみを測定結果として出力するものや、容積脈波および特定の指標の両方を測定結果として出力するものをも含む。
以下に説明する本実施の形態における血圧情報測定装置は、容積補償法により連続的に血圧を測定することで、血圧波形を取得する。
<外観および構成について>
(外観について)
図1は、本発明の実施の形態に係る血圧情報測定装置1の外観斜視図である。血圧情報測定装置1の外観は、一般的な血圧計と同様である。
図1を参照して、血圧情報測定装置1は、本体部10と、被測定者の手首に巻き付け可能なカフ20とを備える。本体部10はカフ20に取り付けられている。本体部10の表面には、たとえば液晶等により構成される表示部40と、ユーザ(被測定者)からの指示を受付けるための操作部41とが配置されている。操作部41は、複数のスイッチを含む。
なお、本実施の形態において、カフ20は、被測定者の手首に装着されるものとして説明する。しかしながら、カフ20が装着される部位(測定部位)は、手首に限定されるものではなく、たとえば、上腕であってもよい。
また、本実施の形態における血圧情報測定装置1は、図1に示されるように、本体部10がカフ20に取り付けられた形態を例に説明する。しかしながら、上腕式の血圧情報測定装置で採用されているような、本体部10とカフ20とがエアチューブ(図2においてエアチューブ31)によって接続される形態のものであってもよい。
(ハードウェア構成について)
図2は、本発明の実施の形態に係る血圧情報測定装置1のハードウェア構成を表わすブロック図である。
図2を参照して、血圧情報測定装置1のカフ20は、空気袋21と、動脈容積センサ70とを含む。動脈容積センサ70は、発光素子71と受光素子72とを有する。発光素子71は、動脈に対して光を照射し、受光素子72は、発光素子71によって照射された光の動脈の透過光または反射光を受光する。発光素子71および受光素子72は、たとえば、空気袋21の内側に所定の間隔に配置される。
なお、動脈容積センサ70は、動脈の容積が検出できるものであればよく、インピーダンスセンサ(インピーダンスプレスチモグラフ)により動脈の容積を検出するものであってもよい。その場合、発光素子71および受光素子72に代えて、動脈を含む部位のインピーダンスを検出するための複数の電極(電流印加用の電極対、および、電圧検知用の電極対)が含まれる。
空気袋21は、エアチューブ31を介して、エア系30に接続される。
本体部10は、上述の表示部40および操作部41に加え、エア系30と、各部を集中的に制御し、各種演算処理を行なうためのCPU(Central Processing Unit)100と
、CPU100に所定の動作をさせるプログラムや各種データを記憶するためのメモリ部42と、測定された血圧情報を記憶するための不揮発性メモリ(たとえばフラッシュメモリ)43と、CPU100に電力を供給するための電源44と、計時動作を行なう計時部45と、着脱可能な記録媒体132からプログラムやデータの読み出しおよび書き込みをするためのインターフェイス部46と、アラーム音を発するためのブザー47とを含む。
操作部41は、電源をONまたはOFFするための指示の入力を受付ける電源スイッチ41Aと、測定開始の指示を受付けるための測定スイッチ41Bと、測定停止の指示を受付けるための停止スイッチ41Cと、フラッシュメモリ43に記録された血圧などの情報を読み出す指示を受付けるためのメモリスイッチ41Dとを有する。
エア系30は、空気袋21内の圧力(カフ圧)を検出するための圧力センサ32と、カフ圧を加圧するために、空気袋21に空気を供給するためのポンプ51と、空気袋21の空気を排出しまたは封入するために開閉される弁52とを含む。
本体部10は、上記エア系30に関連して、発振回路33と、ポンプ駆動回路53と、弁駆動回路54とをさらに含む。
圧力センサ32は、静電容量形の圧力センサであり、カフ圧により容量値が変化する。発振回路33は、圧力センサ32の容量値に応じた発振周波数の信号をCPU100に出力する。CPU100は、発振回路33から得られる信号を圧力に変換し圧力を検知する。ポンプ駆動回路53は、ポンプ51の駆動をCPU100から与えられる制御信号に基づいて制御する。弁駆動回路54は弁52の開閉制御をCPU100から与えられる制御信号に基づいて行なう。
ポンプ51、弁52、ポンプ駆動回路53および弁駆動回路54は、カフ20内の圧力を加圧および減圧により調整するための圧力調整ユニット50を構成する。なお、圧力調整ユニット50を構成する装置は、上記に限定されない。たとえば、圧力調整ユニット50は、上記に加えて、エアシリンダと、エアシリンダを駆動するためのアクチュエータとを含んでいてもよい。
本体部10は、動脈容積センサ70との間で信号の授受を行なうことにより、動脈容積を測定するための動脈容積測定部75をさらに含む。
本実施の形態において、動脈容積測定部75は、発光素子駆動回路73と、動脈容積検出回路74とを含む。発光素子駆動回路73は、CPU100からの指令信号に応じて発光素子71を所定のタイミングで発光させる。動脈容積検出回路74は、受光素子72からの出力を電圧値に変換することで動脈容積を検知する。
なお、カフ20には空気袋21が含まれることとしたが、カフ20に供給される流体は空気に限定されるものではなく、たとえば液体やゲルであってもよい。あるいは、流体に限定されるものではなく、マイクロビーズなどの均一な微粒子であってもよい。
(機能構成について)
図3は、本発明の実施の形態に係る血圧情報測定装置1の機能構成を示す機能ブロック図である。
図3を参照して、CPU100は、その機能として、目標値検出部104と、サーボ制御部106と、血圧決定部108と、変動検出部110と、調整処理部112とを含む。なお、図3には、説明の簡単のために、これらの機能ブロックとの間で直接的に信号やデータが授受される周辺のハードウェアのみ示されている。
目標値検出部104は、サーボ制御での制御目標値および初期カフ圧の検出処理を行なう。ここで、制御目標値について、図4を用いて簡単に説明する。
図4は、動脈の力学特性を示すグラフである。図4のグラフは、横軸に内外圧差Ptr、縦軸に動脈容積Vをとり、内外圧差Ptrと動脈容積Vとの関係を示している。内外圧差Ptrは、動脈内圧Paと、生体の外部からカフによって印されるカフ圧Pcの差を示す。
このグラフに示されるように、動脈の力学特性は、一般的に強い非線形性を示し、内外圧差Ptrが0(平衡状態)のとき、すなわち、動脈壁が無負荷状態のとき、動脈のコンプライアンス(脈動による容積の変化量)が最大となる。つまり、圧力変化に対する容積変化の追従性(進展性)が最大となる。容積補償法では、検出される動脈容積が常時、内外圧差Ptrが0となる時点の容積値になるように、生体外圧(カフ圧)を逐次制御することで血圧を測定する。そのために、血圧測定の前に、内外圧差Ptrが0となる時点の容積値、すなわち、制御目標値(「V0」)を決定する必要がある。
目標値検出部104は、たとえば公知の手法により、制御目標値を検出する(たとえば特公平1−31370号公報、特開2008−36004号公報)。初期カフ圧は、たとえば、制御目標値が検出された時点のカフ圧に対応する。
サーボ制御部106は、圧力調整ユニット50と接続され、動脈容積が制御目標値と一致するようにサーボ制御を行なう。サーボ制御の方法としてはフィードバック制御のPID制御(比例制御(Proportional Control)、積分制御(Integral Control)、微分制御(Derivative Control)を組み合わせて制御目標値に収束させる制御を指す)が用いられる。
血圧決定部108は、サーボ制御の期間中、血圧を連続的に決定(測定)する。具体的には、動脈容積検出回路74からの動脈容積信号および発振回路33から得られるカフ圧信号を時系列に取得し、動脈容積値と制御目標値との差が所定の閾値以下である時点のカフ圧を血圧として決定する。
変動検出部110は、サーボ制御の期間中、動脈容積信号の急激な変動を初期段階で検出する。変動検出部110は、具体的には、制御偏差が、基準偏差の所定倍率以上となった場合に急激な変動が起きたと判断(推定)する。なお、「制御偏差」とは、制御目標値を基準とした動脈容積信号のレベルを表わす。「基準偏差」とは、1拍以上前の制御偏差を表わし、本実施の形態では、前拍での制御偏差であることが予め定められる。ただし、基準偏差は、前拍での制御偏差に限定されず、たとえば直前の所定拍数の制御偏差の平均値であってもよい。
調整処理部112は、変動検出部110により急激な変動が検出された場合に、過度な応答のないようにサーボ制御部106による制御量を調整する。制御量の調整は、動脈容積信号の急激な変動が収束するまで継続される。
なお、一連の血圧測定期間中、CPU100は、発光素子駆動回路73に指令信号を送信することにより、一定の間隔で発光素子71を発光させているものとする。
血圧決定部108による連続血圧の測定結果は、表示部40に表示され、また、フラッシュメモリ43に格納される。
フラッシュメモリ43に格納される各測定データのデータ構造例を図5に示す。
図5(a)は、本発明の実施の形態における各測定データのデータ構造を示す図である。
図5(a)を参照して、フラッシュメモリ43に格納される測定データ80の各々は、一例として「ID情報」、「記録日時」、「血圧情報」の3つのフィールド81〜83を含む。各フィールドの内容について概略すると、「ID情報」フィールド81は、各測定データを特定するための識別番号などを格納し、「記録日時」フィールド82は、計時部45により計時された、各測定データの測定開始日時や測定期間などの情報を格納する。また、「血圧情報」フィールド83は、時系列の血圧データすなわち、血圧波形データを格納する。
図5(b)は、測定データに含まれる血圧情報フィールド83のデータ構造を示す図である。図5(b)を参照して、血圧情報フィールド83は、「時間データ」を格納する領域831と、「血圧データ」を格納する領域832とを有している。
領域831には、サンプリング周期に応じた複数の時間データ1,2,3,・・・,Nが格納される。領域832には、領域831の時間データそれぞれと対応付けて、血圧データBD(1),BD(2),・・・,BD(n)が格納される。領域832中、「−」で示された領域は、その時点における動脈容積の値と目標値との差が所定値を越えていて血圧として記録されなかったこと、または、調整処理部112による制御量の調整が行なわれていたことを示している。
なお、格納形態は、このような例に限定されず、時間(時刻)と血圧とが対応付けられて記憶されればよい。
このように、フラッシュメモリ43には、血圧情報が記憶される。この血圧情報は、最高血圧、最低血圧、平均血圧などの血圧値の他、脈拍数、AIなど、脈波から算出可能な指標をも含んでよい。
なお、本実施の形態では、上述の各機能ブロックの動作は、メモリ部42中に格納されたソフトウェアを実行することで実現されるものとするが、これらの機能ブロックのうち少なくとも1つについては、ハードウェアで実現されてもよい。
<動作について>
図6は、本発明の実施の形態における血圧測定処理を示すフローチャートである。図6のフローチャートに示す処理は、予めプログラムとしてメモリ部42に格納されており、CPU100がこのプログラムを読み出して実行することにより、血圧測定処理の機能が実現される。
図6を参照して、CPU100は、電源スイッチ41Aが押下されたか否かを判断する(ステップS2)。電源スイッチ41Aが押下されたと判断した場合(ステップS2においてYES)、ステップS4に進む。
ステップS4において、CPU100は、初期化処理を行なう。具体的には、メモリ部42の所定の領域を初期化し、空気袋21の空気を排気し、圧力センサ32の0mmHg補正を行なう。
初期化が終わると、CPU100は、測定スイッチ41Bが押下されたか否かを判断する(ステップS6)。測定スイッチ41Bが押下されるまで待機する。測定スイッチ41Bが押下されたと判断すると(ステップS6においてYES)、ステップS8に進む。
ステップS8において、目標値検出部104は、制御目標値検出処理を実行する。すなわち、制御目標値および初期カフ圧が決定される。制御目標値検出処理については、図7および図8を用いて説明する。
図7は、本発明の実施の形態における制御目標値検出処理を示すフローチャートである。図8は、本発明の実施の形態の血圧測定処理を説明するための図である。図8には、カフ圧、動脈容積信号および動脈容積変化信号が、共通の時間軸に沿って示されている。
なお、動脈容積変化信号は、動脈容積信号をフィルタ処理することで得ることができる。動脈容積信号のフィルタ処理は、動脈容積検出回路74において行なわれてもよいし、CPU100によって行なわれてもよい。
図7を参照して、目標値検出部104は、メモリ部42の所定の領域に記憶される、動脈容積変化信号の最大値(容積変化最大値)およびカフ圧値を初期化する(ステップS102)。また、動脈容積値の初期化も行なう。
なお、以下の処理において動脈容積変化信号の最大値は随時更新されるものであるので、最終的に最大値として確定するまでの値を「容積仮最大値」というものとする。
次に、ポンプ駆動回路53を駆動制御して、カフ圧を加圧する(ステップS104)。
カフ圧を加圧する段階において、目標値検出部104は、動脈容積検出回路74からの信号(動脈容積信号)を検出する(ステップS106)。目標値検出部104は、さらに、動脈容積信号から得られる動脈容積変化信号を検出する。
目標値検出部104は、動脈容積変化信号の値がメモリ部42に記憶された容積仮最大値以上であるか否かを判断する(ステップS108)。動脈容積変化信号の値が容積仮最大値以上であると判断された場合(ステップS108においてYES)、ステップS110に進む。一方、動脈容積変化信号が容積仮最大値未満であると判断された場合(ステップS108においてNO)、ステップS112に進む。
ステップS110において、目標値検出部104は、容積仮最大値を更新するとともに、その時点におけるカフ圧を上書き記録する。この処理が終わると、処理はステップS112に移される。
ステップS112において、目標値検出部104は、カフ圧が所定値(図8における点P1)以上であるか否かを判断する。カフ圧が所定値に達していないと判断した場合(ステップS112においてNO)、ステップS104に戻る。一方、カフ圧が所定値以上であると判断した場合(ステップS112においてYES)、ステップS114に進む。
ステップS114において、目標値検出部104は、ステップS110において最終的に記録された容積仮最大値を最大値として確定するとともに、最大値が検出された時点tmにおけるカフ圧値を初期カフ圧として確定する。目標値検出部104は、さらに、時点tmにおける動脈容積信号のたとえば平均値を、制御目標値(V0)として確定する。
目標値検出部104は、検出した初期カフ圧および制御目標値を、メモリ部42の所定の領域に記憶する。
ステップS114の処理が終わると、処理はメインルーチンに戻される。
再び図6を参照して、制御目標値および初期カフ圧が決定されると、サーボ制御部106は、カフ圧を初期カフ圧に設定する(ステップS10)。この時点において、サーボ制御のための制御ゲインは初期値(たとえば0)である。
カフ圧が初期カフ圧に設定されると、CPU100は、そのときの制御偏差を、初期制御偏差としてメモリ部42の所定の領域に記憶させる(ステップS11)。具体的には、最高血圧側の制御偏差(図8において「Verr_sys_gain0」)と、最血圧側の制御偏差(図8において「Verr_dia_gain0」)とを一時記録する。
各初期偏差は、たとえば、複数拍分の動脈容積レベルの統計値(たとえば、平均値または最大値)であってよい。あるいは、所定拍目の動脈容積レベルであってもよい。
次に、サーボ制御部106は、動脈容積信号が制御目標値と一致するように、動脈容積一定制御を開始する(ステップS12)。つまり、圧力調整ユニット50を制御することにより、動脈容積変化信号の値がほぼゼロになるように、カフ圧をフィードバック制御する。
サーボ制御部106は、はじめ、サーボ制御に用いるための制御ゲイン(比例ゲイン)を検出する。具体的には、制御ゲインを初期値(たとえば0)から徐々に増加させていき、被測定者に最適な制御ゲインを検出する。
このように制御中に最適な制御ゲインを決定するために、たとえば「Yamakoshi K, Shimazu H, Togawa T, Indirect measurement of instantaneous arterial blood pressure in the rat, Am J Physiol 237, H632-H637, 1979.」に記載された手法を用いてよい。つまり、動脈容積変化信号の消去率(制御中の振幅/制御前の振幅)が所定値より小さくなる時の制御ゲインを最適な制御ゲインとして決定してもよい。
本実施の形態において、サーボ制御の際に用いられる(最適な)制御ゲインを、「適正ゲイン」という。
なお、本実施の形態では、制御中に適正ゲインを決定することとしたが、限定的ではない。たとえば、事前に、適正ゲインを決定してもよい。つまり、入力値を階段状に変動させた時に出力値が応答しはじめるまでに要する時間(無駄時間)と応答しはじめてからの変化の速度(時定数)を事前に測定して、それらの値に基づき制御ゲインを決定してもよい。
動脈容積一定制御が開始されると、変動検出部110は、1拍ごとに制御偏差(制御偏差の最大値および最小値)を検出する。そして、最高血圧側および最低血圧側それぞれの制御偏差が、前拍での制御偏差の所定倍率(たとえば1.5倍)未満か否かを判断する(ステップS14)。これにより、制御偏差に急激な変動が起きたか、すなわち、動脈容積信号に急激な変動が起きたか否かが判断される。
なお、動脈容積一定制御の開始後の1拍目は、たとえば、初期制御偏差(Verr_sys_gain0,Verr_dia_gain0)の所定倍率(たとえば1/2倍)未満か否かを判断してもよい。
本実施の形態では、急激な(異常な)変動が起きたか否かの閾値を、前拍での制御偏差の1.5倍としたが、測定部位を過度に圧迫することがなければ、限定的ではない。
ステップS14において、現在の両方の制御偏差が、前拍での制御偏差の1.5倍未満と判断された場合(ステップS14において「<(前拍での制御偏差×1.5)」)、急激な変動は起きていないとして、ステップS18に進む。
一方、現在の制御偏差の少なくとも一方が、前拍での制御偏差の1.5倍以上と判断された場合(ステップS14において「≧(前拍での制御偏差×1.5)」)、急激な変動が起きたとして、ステップS16に進む。
なお、今回の制御偏差が前拍での制御偏差の1.5倍未満と判断された場合であっても、たとえば、今回の制御偏差が、初期制御偏差(Verr_sys_gain0,Verr_dia_gain0)の所定倍率(たとえば1.5倍)を越えた場合には、ノイズがのっている可能性が高いと判断し、ステップS16に進んでもよい。
ステップS16では、制御量調整処理が実行される。制御量調整処理については、後に詳述する。
制御量調整処理が終わると、ステップS14に戻り、再び、急変の有無が検出される。
ステップS18において、変動検出部110は、現在の制御偏差をメモリ部42の所定の領域に記憶する。なお、制御偏差は最新のものだけが更新記憶されてよい。また、制御偏差とともに、脈周期も更新記憶されてよい。脈周期は、制御量調整処理で用いられる。
動脈容積一定制御に並行して、血圧決定部108は、動脈容積(動脈容積信号が示す値)と制御目標値との差は所定の閾値以下であるか否かを判断する(ステップS20)。あるいは、容積変化信号の値がゼロに近いか(所定の閾値以下であるか)否かを判断してもよい。
動脈容積と制御目標値との差が閾値以下であると判断した場合(ステップS20においてYES)、血圧決定部108は、そのときのカフ圧を血圧として決定し、フラッシュメモリ43に格納する(ステップS22)。なお、測定中は、血圧データをメモリ部42に記憶しておき、一連の測定処理が終わった時点で、メモリ部42に記憶していた血圧データをフラッシュメモリ43にコピーしてもよい。
ステップS22の処理が終わると、ステップS24に進む。
一方、動脈容積と制御目標値との差が所定の閾値を超えると判断した場合(ステップS20においてNO)、ステップS24に進む。つまり、動脈容積と制御目標値とがほぼ一致しているといえない場合には、そのときのカフ圧は血圧値として決定されない。
ステップS24において、サーボ制御部106は、停止スイッチ41Cが押下されたか否かを判断する。停止スイッチ41Cが押下されていないと判断した場合(ステップS24においてNO)、ステップS12に戻る。停止スイッチ41Cが押下されたと判断した場合(ステップS24においてYES)、一連の血圧測定処理は終了される。
なお、本実施の形態では、停止スイッチ41Cの押下が検知された場合に、血圧測定処理を終了することとしたが、たとえば、動脈容積一定制御が開始されてから所定時間経過した場合に、終了することとしてもよい。
(制御量調整処理について)
ここで、図6のステップS16において実行される制御量調整処理について詳細に説明する。
図9は、本発明の実施の形態における制御量調整処理を示すフローチャートである。
図9を参照して、調整処理部112は、たとえば、制御ゲインを初期値に設定することにより、制御出力を調整する(ステップS202)。つまり、調整処理部112は、サーボ制御部106による比例制御の制御ゲインを0に設定する。これにより、サーボ制御部106による制御量の変化はなくなり、カフ圧は、ほぼ初期カフ圧に固定される。
フィードバック制御中に、動脈容積信号の急激な変動(つまり、動脈容積信号の異常な増加や減少)が起きると、それに応答してカフ圧が過剰に上昇する。その結果測定部位が過剰に圧迫され、被測定者は、苦痛を感じる。本実施の形態では、動脈容積信号の急激な変動を初期段階で検出して、直ちに制御ゲインを初期値に戻すので、過度な応答が起きる前に制御量を調整することができる。
「過度な応答」とは、脈動に伴なう動脈容積の変化のみに起因する応答よりも大きな応答、つまり、体動などのノイズが動脈容積信号に重畳した場合の応答をいう。
なお、本実施の形態では、制御ゲインを初期値に設定することで過度な応答を抑える(なくす)こととした。しかしながら、過度な応答が抑えられれば、初期値に限定されない。つまり、急激な変動が検出される前の正常状態における制御量以下となるように圧力調整ユニット50が制御されれば、初期値に限定されない。
また、制御ゲインを変更することにより過度な応答を抑える形態に限定されない。たとえば、制御偏差によらず所定の制御出力とすることにより、フィードバック制御自体を中止してもよい。この場合、調整処理部112は、たとえば、サーボ制御部106に、フィードバック制御を中止し、カフ圧を初期カフ圧に設定するよう指示信号を出力してもよい。
制御出力の調整が行なわれると同時に、調整処理部112は、制御偏差の急変(動脈容積の急変)が検出されたことを報知する(ステップS204)。たとえば、表示部40に所定のマークを表示して、当該マークを点灯させることにより、制御偏差の急変(異常な増加)が起きたことを報知してもよい。または、ブザー47によってアラーム音を発生させてもよい。
続いて、調整処理部112は、所定時間ごとの制御偏差の最大値および最小値を取得する(ステップS206)。本実施の形態では、一定時間として、図6のステップS18で記憶される脈周期ごとに、制御偏差の最大値および最小値を抽出することとする。なお、一定時間は、ノイズに対して十分に長い時間であればよく、たとえば2秒であってもよい。
そして、制御偏差の最大値および最小値が、それぞれ、制御初期カフ圧での制御偏差、すなわち初期制御偏差の所定倍率(たとえば1.5)未満か否かを判定する(ステップS208)。初期制御偏差(Verr_sys_gain0、Verr_dia_gain0)は、図6のステップS11においてメモリ部42に記憶されている。
制御偏差の最大値および最小値の少なくとも一方が、制御初期カフ圧での制御偏差の1.5倍以上であれば(ステップS208において「≧(制御初期カフ圧での制御偏差×1.5)」)、ステップS202に戻り、制御出力の調整を継続する。
制御偏差の最大値および最小値の両方が、制御初期カフ圧での制御偏差の1.5倍未満となったことが検出されると(ステップS208において「<(制御初期カフ圧での制御偏差×1.5)」)、制御偏差の急激な変動は収束したと判断し、ステップS210に進む。
ステップS210において、調整処理部112は、報知を解除し(ステップS210)、制御出力を元に戻す(ステップS212)。つまり、初期値に設定していた制御ゲインを、再度、適正ゲインに設定する。これにより、フィードバック制御が復活される。
なお、ステップS208において、予め定められた時間(たとえば30秒)継続して、制御偏差が初期制御偏差の1.5倍以上であると判断されると、血圧測定処理を終了してもよい。
以上のような急変の検出および制御出力の調整について、具体例を挙げて説明する。
図10は、本発明の実施の形態における動脈容積の急変の検出および制御出力の調整処理を説明するための図である。
図10(a)には、時間軸に沿って、制御偏差が示されている。つまり、制御目標値を基準とした動脈容積信号(動脈容積検出回路74から得られる)のレベル(縦軸の単位:V)が示されている。図10(a)のグラフは、たとえば、図8において符号802で示した区間における動脈容積信号の一部(時間T3以降)が拡大して表わされている。
図10(b)には、図10(a)と同一の時間軸に沿って、制御量が示されている。つまり、初期カフ圧を基準としたカフ圧信号(発振回路33から得られる)のレベル(縦軸の単位:mmHg)が示されている。図10(b)のグラフは、たとえば、図8において符号801で示した区間におけるカフ圧信号の一部(時間T3以降)が拡大して表わされている。
図10(a)を参照して、動脈容積一定制御の期間中、1拍ごとに前拍の制御偏差と比較し、現在の制御偏差が、前拍の制御偏差の1.5倍未満であれば、通常のフィードバック制御が行なわれる。つまり、現在の制御偏差の最小値および最大値が、それぞれ、前拍の制御偏差の最小値Verr_diaおよび最大値Verr_sysの1.5倍未満であるか否かが判定される。そして、両者とも前拍の値の1.5倍未満であれば、通常のフィードバック制御が行なわれる。このような場合、図10(b)の時間TAまでの波形に示されるように、制御量の変化を示す波形は、ほぼ血圧波形と等しいと想定できる。
これに対し、現在の制御偏差の最小値が前拍の制御偏差の最小値Verr_diaの1.5倍以上になると、あるいは、現在の制御偏差の最大値が前拍の制御偏差の最大値Verr_sysの1.5倍以上になると、直ちに、制御ゲインを初期値に設定する。そのため、このような場合、図10(b)の時間TA〜TBまでの波形に示されるように、制御量は0に固定される。つまり、図8における時間T1〜T2の区間と同様に、カフ圧は初期カフ圧に設定される。
このように、制御偏差を監視し続けることで、体動などにより動脈容積が急激に変動する場合でも、初期段階でそのような変動を検出することができる。したがって、カフを過剰に(急激に)圧迫する前に制御量を調整することができる。その結果、測定部位が過剰に圧迫されることによる被測定者の負担をなくすことができる。
さらに、制御量の調整中も制御偏差を監視し、最高血圧側および最低血圧側の制御偏差のいずれもが、初期制御偏差(Verr_sys_gain0,Verr_dia_gain0)の1.5倍未満となったか否かを検出する。そして、両者ともに、初期制御偏差の1.5倍未満となれば、急激な変動(急変)は収束したと判断され、制御ゲインは元の適正ゲインに戻される。
このように、本実施の形態によると、血圧測定中に制御偏差の急変が検出されたとしても、制御偏差の異常な変動が収束すれば、自動的にフィードバック制御を復活することができる。したがって、測定のやり直しをしなくてもよいので、ユーザの手間を必要としない。
また、制御偏差の急変が検出されると、制御偏差が収束するまでその旨ユーザに報知される。したがって、ユーザは、表示中の血圧が正しくないことを把握することができる。また、ユーザは、測定姿勢が崩れた可能性が高いことを認識することができる。その結果、測定姿勢が整えられると、再度、精度の良い血圧測定を行なうことができる。
また、本実施の形態では、1拍ごとに、制御偏差を記憶し、今回の制御偏差と前拍分の制御偏差とを比較することとした。血圧の変動があると、動脈容積の出力も上方にずれて、その後元に戻るということが起き得る。そのため、毎回、前回の制御偏差と比較することで、確実に、動脈容積の急激な変動を初期段階で検出することができる。
しかし、限定的ではなく、たとえば、複数拍ごとに制御偏差の平均値を記憶し、今回の制御偏差と記憶している制御偏差とを比較してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 血圧情報測定装置、10 本体部、20 カフ、21 空気袋、30 エア系、31 エアチューブ、32 圧力センサ、33 発振回路、40 表示部、41 操作部、41A 電源スイッチ、41B 測定スイッチ、41C 停止スイッチ、41D メモリスイッチ、42 メモリ部、43 フラッシュメモリ、44 電源、45 計時部、46 インターフェイス部、47 ブザー、50 圧力調整ユニット、51 ポンプ、52 弁、53 ポンプ駆動回路、54 弁駆動回路、70 動脈容積センサ、71 発光素子、72 受光素子、73 発光素子駆動回路、74 動脈容積検出回路、75 動脈容積測定部、100 CPU、104 目標値検出部、106 サーボ制御部、108 血圧決定部、110 変動検出部、112 調整処理部、132 記録媒体。

Claims (7)

  1. 動脈の容積を検出することにより血圧情報を測定するための血圧情報測定装置であって、
    所定の測定部位に巻き付けるためのカフと、
    前記カフ内の圧力を加圧および減圧により調整するための圧力調整手段と、
    前記カフ内の圧力を表わすカフ圧を検出するための圧力検出手段と、
    前記カフの所定の位置に配置され、前記動脈の容積を示す動脈容積信号を検出するための容積検出手段と、
    前記動脈容積信号に基づいて、制御目標値を検出するための検出処理手段と、
    前記動脈容積信号の値が前記制御目標値に一致するように、前記圧力調整手段のサーボ制御を行なうためのサーボ制御手段と、
    前記サーボ制御の期間中、前記動脈容積信号の急激な変動を初期段階で検出するための変動検出手段とを備え、
    前記変動検出手段は、前記制御目標値を基準とした前記動脈容積信号のレベルを表わす制御偏差が、基準偏差の所定倍率以上となった場合に急激な変動が起きたと判断し、
    前記変動検出手段により急激な変動が検出された場合に、過度な応答のないように前記サーボ制御手段による前記圧力調整手段の制御量を調整するための調整処理手段をさらに備える、血圧情報測定装置。
  2. 前記調整処理手段は、前記動脈容積信号の急激な変動が収束するまで、前記制御量の調整を継続する、請求項1に記載の血圧情報測定装置。
  3. 前記調整処理手段は、所定期間、前記制御偏差が、適正ゲインにて前記サーボ制御を行なう前における初期制御偏差の所定倍率未満となった場合に、急激な変動は収束したと判断する、請求項2に記載の血圧情報測定装置。
  4. 前記検出処理手段は、さらに、前記サーボ制御での基準のカフ圧を表わす初期カフ圧を検出し、
    前記初期制御偏差は、制御ゲインが前記適正ゲインよりも低い初期値であり、かつ、カフ圧が前記初期カフ圧に設定された場合における前記制御偏差を表わす、請求項3に記載の血圧情報測定装置。
  5. 前記調整処理手段は、制御ゲインを前記初期値に設定することにより、前記圧力調整手段の制御量を調整する、請求項4に記載の血圧情報測定装置。
  6. 前記調整処理手段は、カフ圧を前記初期カフ圧に設定することにより、前記圧力調整手段の制御量を調整する、請求項4に記載の血圧情報測定装置。
  7. 前記基準偏差は、1拍以上前の前記制御偏差であることが予め定められる、請求項1〜6のいずれかに記載の血圧情報測定装置。
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