JP2010131247A - 血圧測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】指以外の部分の四肢を被測定部位として採用した場合にも、連続的に高精度に血圧を測定することができる容積補償法に基づいた血圧測定装置を提供する。
【解決手段】血圧測定装置1Aは、空気袋20と、押圧機構と、カフ圧検出部と、制御部とを備える。押圧機構は、空気袋20を押圧するための押圧面51aを有する押圧ブロック51と、押圧ブロック51を駆動するアクチュエータ52とを含む。制御部は、カフ圧を初期カフ圧に合致させた後にアクチュエータ52の駆動を制御してカフ圧を連続的に調整するサーボ制御部と、カフ圧のサーボ制御が行なわれている状態においてカフ圧検出部にて検出されたカフ圧情報に基づいて血圧を連続的に取得する血圧取得部とを含む。空気袋20は、押圧ブロック51によって空気袋20が被測定部位に押圧されている状態において押圧面51aによって完全に覆われる。
【選択図】図1
【解決手段】血圧測定装置1Aは、空気袋20と、押圧機構と、カフ圧検出部と、制御部とを備える。押圧機構は、空気袋20を押圧するための押圧面51aを有する押圧ブロック51と、押圧ブロック51を駆動するアクチュエータ52とを含む。制御部は、カフ圧を初期カフ圧に合致させた後にアクチュエータ52の駆動を制御してカフ圧を連続的に調整するサーボ制御部と、カフ圧のサーボ制御が行なわれている状態においてカフ圧検出部にて検出されたカフ圧情報に基づいて血圧を連続的に取得する血圧取得部とを含む。空気袋20は、押圧ブロック51によって空気袋20が被測定部位に押圧されている状態において押圧面51aによって完全に覆われる。
【選択図】図1
Description
本発明は、血圧測定装置(以下、単に血圧計とも称する)に関するものであり、より特定的には、容積補償法と呼ばれる血圧測定方式に基づいて血圧を連続的に測定することが可能な血圧測定装置に関するものである。
循環器系疾患の解析に使用される代表的な指標として血圧がある。血圧は、血液が動脈血管内を流れているときの動脈血管内圧のことであり、心臓の拍動に伴って時々刻々と変化する。血圧測定装置は、この血圧を測定するための装置である。
収縮期血圧(最高血圧)や拡張期血圧(最低血圧)等に代表される特徴的な血圧に基づいてリスク解析を行なうことは、たとえば脳卒中や心不全、心筋梗塞などの疾患の予防に有効である。特に、早朝に血圧が上昇する早朝高血圧は、心臓病や脳卒中等に関係していることが知られている。さらに、早朝高血圧の中でも、モーニングサージと呼ばれる起床後1時間から1時間半くらいの間に急激に血圧が上昇する症状は、脳卒中との因果関係があることが判明している。そのため、時間(または生活習慣)と血圧の相互関係を把握することは、循環器系疾患のリスク解析に有用であると言える。したがって、近年、所定の時間にわたって連続的に血圧の測定を行なうことが必要になってきている。
また、手術中の患者やICU(Intensive Care Unit)における処置が必要な重症患者、人工透析中の患者等にあっては、容態の急変がないか監視を行なうことが必要である。このような患者の容態の監視を行なうためには、連続的に血圧の測定を行なうことが必要である。
また、1心拍毎の血圧波形(脈波)には、動脈硬化の進展や心機能の診断等に役立つ医学上きわめて利用範囲の広い情報が含まれている。そのため、血圧波形の変化を連続的に記録して解析することも重要視されてきている。
血圧測定方式の一つとして、オシロメトリック法と呼ばれる血圧測定方式がある。このオシロメトリック法に基づいて血圧を測定する場合には、被測定部位(たとえば手首や上腕等)にカフを巻き付け、巻き付けられたカフに内包された流体袋内の圧力(以下、カフ圧と称する)を収縮期血圧よりも高くなるまで加圧してその後減圧し、動脈で発生する脈動をこの加圧過程かあるいは減圧過程のいずれかにおいてカフ圧の変動として捉え、検出されたカフ圧の変動に所定のアルゴリズムを適用することで収縮期血圧と拡張期血圧とが決定される。
また、他の血圧測定方式として、マイクロホン法もある。このマイクロホン法は、カフ圧の加減圧中の血流の変化に依存して発生または消失する血流音(コロトコフ音)をマイクロホンを用いて検出することにより、収縮期血圧と拡張期血圧とを決定するものである。このマイクロホン法においては、カフ圧が収縮期血圧付近に達した場合にコロトコフ音が発生し、カフ圧が拡張期血圧付近に達した場合に消失する(もしくは微弱になる)特徴を利用している。
通常、上述のような血圧測定方式を採用した血圧計においては、カフに内包される流体袋を加減圧するための加減圧機構として、加圧ポンプと排気弁とが用いられている。加圧ポンプは、流体袋へ流体を流入させることによってカフ圧を上昇させるための手段であり、排気弁は、流体袋から流体を流出させることによってカフ圧を下降させるための手段である。なお、この他にも、エアシリンダとこのエアシリンダを駆動するためのアクチュエータとからなる加減圧機構を備えた血圧計も提案されている(たとえば特開昭63−92332号公報(特許文献1参照))。
しかしながら、これらの血圧測定方式を採用した場合には、収縮期血圧や拡張期血圧等の特徴的な血圧を測定することはできるものの、1心拍毎の血圧波形を測定することは不可能である。また、当該血圧測定方式を採用した場合には、収縮期血圧や拡張期血圧等の特徴的な血圧を測定するために数十秒程度の時間がかかり、これら特徴的な血圧を短いインターバルで連続して測定することも困難である。
1心拍毎の血圧波形を連続して測定する血圧測定方式としては、直接法と呼ばれる血圧測定方式がある。直接法は、測定対象である動脈にカテーテルを挿入し、このカテーテルに圧力センサを接続して動脈内圧の変動を直接的に測定する手法である。しかしながら、直接法では、動脈にカテーテルを挿入するため、その測定を医師の監視下で行なう必要があり、また侵襲式であるため苦痛や感染の危険など患者に精神的および肉体的苦痛を与えるため、手術中や手術後などの特定の環境下でのみしか実施できない問題がある。
そこで、非侵襲で1心拍毎の血圧波形を連続して測定する血圧測定方式が開発されており、その代表的なものとして、トノメトリ法と呼ばれる血圧測定方式と、容積補償法と呼ばれる血圧測定方式とがある。
トノメトリ法と呼ばれる血圧測定方式は、動脈が表在した部分の体表面を接触式の圧力センサを用いて圧迫し、動脈が平坦に圧迫された状態となった場合に圧力センサの平面状の感圧面と動脈内圧とが一致する原理を利用して、当該動脈が平坦に圧迫された状態を維持しつつ圧力センサの感圧面が受ける圧力を検出することにより、時々刻々と変化する血圧を連続的に測定するものである。
しかしながら、このトノメトリ法を採用した場合にも、実際には動脈のみを圧迫することは不可能であり、体表面に位置する他の生体組織をも同時に圧力センサにて押圧していることになり、必ずしも検出される圧力と動脈内圧とが一致しない問題がある。また、動脈を平坦に圧迫するためには動脈上に圧力センサを精度よく配置することが必要であり、その取扱いも非常に煩雑となってしまう。したがって、トノメトリ法は、手術中や手術後などの特定の環境下での利用のみにとどまっている。
一方、容積補償法は、生体外から流体袋を内包したカフによって動脈を圧迫し、脈動する動脈の単位長あたりの容積が一定に保たれた状態となった場合に動脈を圧迫する圧力(カフ圧)と動脈内圧(すなわち血圧)とが平衡する原理を利用して、当該平衡状態が維持されるようにカフ圧をサーボ制御(フィードバック制御)しつつカフ圧を圧力センサを用いて検出することにより、時々刻々と変化する血圧を連続的に測定するものである。この容積補償法と呼ばれる血圧測定方式が採用された血圧計が開示された文献としては、たとえば特公昭59−5296号公報(特許文献2)や特公平1−31370号公報(特許文献3)、実公平3−2246号公報(特許文献4)等がある。
上記特許文献2ないし4に開示の血圧計にあっては、被測定部位として指が採用されており、この指を覆うように流体袋が装着される構成が採用されている。そして、当該血圧計においては、流体袋の内圧であるカフ圧を上昇させていく過程において動脈容積の変動が最大振幅になる点が検出され、そのときのカフ圧がサーボ制御のための初期カフ圧として設定され、その後動脈容積の変動が抑制されるようにカフ圧がサーボ制御され、当該サーボ制御が行なわれている状態におけるカフ圧情報に基づいて被験者の血圧が連続的に測定される。したがって、これら特許文献2ないし4に開示の如くの容積補償法に基づいた血圧計は、トノメトリ法に基づいた血圧計に比べ、測定誤差が生じ難い点や装置の取扱いが容易である点等において優れたものであると言える。
なお、上記特許文献2に開示の血圧計にあっては、初期カフ圧を決定する際、カフ圧を当該初期カフ圧に合致させる際およびカフ圧のサーボ制御を行なう際のそれぞれにおいて流体袋を加減圧してカフ圧を変化させる手段として、振動発生器が採用されている。また、上記特許文献3に開示の血圧計にあっては、初期カフ圧を決定する際およびカフ圧を初期カフ圧に合致させる際のそれぞれにおいて流体袋を加減圧してカフ圧を変化させる手段として、リニアポンプが採用されており、カフ圧のサーボ制御を行なう際において流体袋を加減圧してカフ圧を変化させる手段として、加振器が採用されている。さらに、上記特許文献4に開示の血圧計にあっては、初期カフ圧を決定する際において流体袋を加減圧してカフ圧を変化させる手段として、リニアポンプおよび加振器等が採用されており、カフ圧を初期カフ圧に合致させる際およびカフ圧のサーボ制御を行なう際のそれぞれにおいて流体袋を加減圧してカフ圧を変化させる手段として、プランジャを駆動するリニアアクチュエータが採用されている。
特開昭63−92332号公報
特公昭59−5296号公報
特公平1−31370号公報
実公平3−2246号公報
上述した容積補償法に基づいた血圧計においては、被測定部位中を延在する動脈の容積が一定に保たれた状態(カフ圧と動脈内圧とが平衡した状態、すなわち動脈壁に負荷がかからない状態)を実現することが必要不可欠であり、当該状態を実現するための手段であるサーボ制御機構の構成が非常に重要となる。ここで、上述したように、上記特許文献2ないし4に開示の血圧計においては、被測定部位として指が採用され、この指を覆うように流体袋が装着され、サーボ制御のために当該流体袋を加減圧する機構としてポンプおよび排気弁、アクチュエータ等が利用されている。
しかしながら、被測定部位として指を採用した場合には、測定精度の点において問題が残る。これは、指に含まれる動脈の径が非常に小さいためであり、信号対ノイズ比(S/N比)が小さくなって測定精度が低下してしまうことや、ストレス等の環境要因の影響を当該動脈が受け易いといったことに起因する。そのため、容積補償法に基づいた血圧計を開発するにあたっては、測定精度の向上の観点から、径が大きくかつ環境要因の影響を受け難い動脈を含む手首や上腕等の指以外の部分の四肢が被測定部位として採用されることが好ましい。
しかしながら、被測定部位として手首や上腕等の指以外の部分の四肢を採用した場合には、被測定部位として指を採用した場合に比べ、被測定部位自体の外形が大きくなるため、当該被測定部位を覆うように流体袋が装着される構成とした場合には流体袋の容積が大きくなってしまい、流体袋を加減圧する機構として上述したポンプおよび排気弁、アクチュエータ等を利用したのでは、そのサーボ制御の応答性が大幅に低下する問題が生じる。このようなサーボ制御の応答性の低下が生じた場合には、カフ圧を目標値に合致させること自体が困難になり、被測定部位中を延在する動脈の容積を一定に保った状態を実現することができなくなってしまう。そのため、従来においては、被測定部位として指以外の部分の四肢を採用した場合に容積補償法を利用して連続的に血圧を測定することができないという問題があった。
したがって、本発明は、上述の問題点を解決すべくなされたものであり、指以外の部分の四肢を被測定部位として採用した場合にも、連続的に高精度に血圧を測定することができる容積補償法に基づいた血圧測定装置を提供することを目的とする。
本発明に基づく血圧測定装置は、被験者の血圧を測定することが可能なものであって、流体袋と、上記流体袋を被測定部位に向けて押圧する押圧機構と、上記流体袋の内圧であるカフ圧を検出するカフ圧検出部と、被測定部位中を延在する動脈の容積を検出する動脈容積検出部と、上記押圧機構の駆動を制御するとともに被験者の血圧を連続的に取得する制御部とを備えている。上記押圧機構は、上記流体袋を押圧するための押圧面を有する押圧ブロックと、上記押圧ブロックを駆動するアクチュエータとを含んでいる。上記制御部は、カフ圧を所定の初期カフ圧に合致させるカフ圧初期設定部と、カフ圧を上記初期カフ圧に合致させた後に、上記動脈容積検出部にて検出される動脈容積情報に基づいて動脈容積の変動が抑制されるように上記アクチュエータの駆動を制御してカフ圧を連続的に調整するサーボ制御部と、上記サーボ制御部によるカフ圧のサーボ制御が行なわれている状態において、上記カフ圧検出部にて検出されたカフ圧情報に基づいて被験者の血圧を連続的に取得する血圧取得部とを含んでいる。上記流体袋は、上記押圧ブロックによって上記流体袋が被測定部位に押圧されている状態において上記押圧面によって完全に覆われる。
上記本発明に基づく血圧測定装置にあっては、上記流体袋が、少なくとも上記サーボ制御部によるカフ圧のサーボ制御が行なわれている間において、内部に封入された流体が外部に排出されないように密閉されていることが好ましい。ここで、少なくともサーボ制御が行なわれている間において流体袋が密閉されていることを実現するための具体的な方法としては、後述する加減圧機構を具備し、サーボ制御の際に当該加減圧機構と流体袋との流体連絡を解除して流体袋を一時的に密閉する方法や、後述する加減圧機構を具備せず、予め所定量の流体が流体袋に密閉されてなる流体袋を使用する方法等が考えられる。
上記本発明に基づく血圧測定装置にあっては、上記カフ圧初期設定部が、上記アクチュエータの駆動を制御することでカフ圧を上記初期カフ圧に合致させるものであることが好ましい。
上記本発明に基づく血圧測定装置にあっては、上記押圧機構が、上記アクチュエータの被測定部位に対する相対的な位置を可変に調節する補助アクチュエータをさらに含んでいることが好ましく、その場合に、上記カフ圧初期設定部が、上記補助アクチュエータの駆動を制御することでカフ圧を上記初期カフ圧に合致させるものであることが好ましい。
上記本発明に基づく血圧測定装置においては、上記流体袋に流体を出入りさせることによってカフ圧を加減圧する加減圧機構をさらに備えていることが好ましく、その場合に、上記カフ圧初期設定部が、上記加減圧機構の駆動を制御することでカフ圧を上記初期カフ圧に合致させるものであることが好ましい。
上記本発明に基づく血圧測定装置にあっては、上記制御部が、カフ圧を可変に制御しつつ、その際に上記カフ圧検出部にて検出されたカフ圧情報と上記動脈容積検出部にて検出された動脈容積情報とに基づいて上記初期カフ圧を決定する初期カフ圧決定部をさらに含んでいることが好ましい。なお、その場合には、上記初期カフ圧決定部が、上記アクチュエータ、上記補助アクチュエータおよび上記加減圧機構のいずれかの駆動を制御することでカフ圧を可変に制御するものであることが好ましく、また、上記初期カフ圧決定部が、動脈容積の変化量が最大となった時点におけるカフ圧を上記初期カフ圧に設定するものであることが好ましい。
上記本発明に基づく血圧測定装置にあっては、上記制御部が、カフ圧を可変に制御しつつ、その際に上記カフ圧検出部にて検出されたカフ圧情報に基づいて上記初期カフ圧を決定する初期カフ圧決定部をさらに含んでいてもよい。なお、その場合には、上記初期カフ圧決定部が、上記アクチュエータ、上記補助アクチュエータおよび上記加減圧機構のいずれかの駆動を制御することでカフ圧を可変に制御するものであることが好ましく、また、上記初期カフ圧決定部が、上記カフ圧検出部にて検出されたカフ圧情報に基づいて算出された拡張期血圧と同じ値のカフ圧を上記初期カフ圧に設定するものであることが好ましい。
上記本発明に基づく血圧測定装置にあっては、上記加減圧機構が、上記流体袋を加圧するための加圧ポンプと、上記流体袋を減圧するための排気弁とを含んでいることが好ましい。
上記本発明に基づく血圧測定装置にあっては、上記動脈容積検出部が、動脈に対して光を照射する発光素子と、上記発光素子によって照射された光の動脈の透過光または/および反射光を受光するための受光素子とを含んでいることが好ましい。
本発明によれば、指以外の部分の四肢を被測定部位として採用した場合にも、連続的に高精度に血圧を測定することができる容積補償法に基づいた血圧測定装置とすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、被測定部位として手首が採用されたいわゆる手首式の血圧計に本発明を適用した場合を例示して説明を行なう。
(実施の形態1)
図1(A)は、本発明の実施の形態1における血圧計の測定状態における模式断面図であり、図1(B)は、模式上面図である。また、図2は、図1(A)に示す血圧計のハードウェアの構成を示すブロック図である。まず、これら図1(A)、図1(B)および図2を参照して、本実施の形態における血圧計の構成について説明する。
図1(A)は、本発明の実施の形態1における血圧計の測定状態における模式断面図であり、図1(B)は、模式上面図である。また、図2は、図1(A)に示す血圧計のハードウェアの構成を示すブロック図である。まず、これら図1(A)、図1(B)および図2を参照して、本実施の形態における血圧計の構成について説明する。
図1(A)に示すように、本実施の形態における血圧計1Aは、載置台10と、支持枠11とを備える。載置台10は、手首200が載置される台であり、支持枠11は、載置台10上に配設された機枠である。載置台10は、その上面の所定位置に手首200を保持することが可能な凹部10aを有しており、凹部10aは、手首200を傾斜姿勢にて保持することが可能な形状に形成されている。具体的には、凹部10aは、その形状が当該凹部10aが延在する方向と交差する断面において左右非対称とされており、これにより橈骨動脈212が表在する部分の手首表面が上方を向いた状態で手首200が凹部10aによって保持されるように構成されている。支持枠11の上部所定位置には、後述する押圧機構が組付けられている。
図1(A)、図1(B)および図2に示すように、血圧計1Aは、上述した載置台10および支持枠11に加え、空気袋20、圧力センサ31、発振回路34、発光素子41、受光素子42、発光素子駆動回路43、受光量検出回路44、アクチュエータ52、アクチュエータ駆動回路53、エンコーダ54、制御部100、表示部110、メモリ部120、操作部130、電源140を備えている。
空気袋20は、被測定部位としての手首200に装着される流体袋であり、膨張することによって手首200に表在する橈骨動脈212を圧迫するためのものである。空気袋20は、内部に空間を有しており、当該空間には予め所定量の空気が封入されて密閉されている。なお、本実施の形態における血圧計1Aにあっては、流体袋として空気袋を採用することとしているが、他の流体(たとえば空気以外の気体や液体、ゲル等)が封入された流体袋を利用することも当然に可能である。
制御部100は、たとえばCPU(Central Processor Unit)にて構成され、血圧計1Aの各部を集中的に制御するとともに各種の演算処理を行なう部位である。表示部110は、たとえばLCD(Liquid Crystal Display)等にて構成され、測定結果としての血圧データや操作ガイド等を表示するための部位である。メモリ部120は、ROM(Read-Only Memory)やRAM(Random-Access Memory)にて構成され、制御部100に所定の動作を実行させるためのプログラムや測定結果等の各種データを記憶するための部位である。
操作部130は、たとえば各種のスイッチにて構成され、被験者等による操作を受け付けてこの外部からの命令を制御部100や電源140に入力するための手段である。操作部130は、たとえば電源140のオン/オフを切り替える電源スイッチ131や、測定開始の指示を受け付ける測定スイッチ132、測定停止の指示を受け付ける停止スイッチ133、メモリ部120に記憶された各種データを呼び出して表示部110に表示させるためのメモリスイッチ134等を含んでいる。電源140は、制御部100に電力を供給するための部位である。
圧力センサ31は、空気袋20の内圧であるカフ圧を検出するカフ圧検出部に相当し、空気袋20の内圧に応じた出力信号を発振回路34に向けて出力する。圧力センサ31としては、たとえば静電容量式のものが利用可能である。発振回路34は、圧力センサ31から入力された信号に応じた発振周波数の信号を生成し、生成した信号を制御部100に向けて出力する。
発光素子41は、手首200中を延在する部分の橈骨動脈212に向けて光を照射するものであり、たとえばLED(Light Emitting Diode)にて構成される。受光素子42は、発光素子41によって照射された光の橈骨動脈212の透過光または/および反射光を受光するものであり、たとえばPD(Photo Diode)にて構成される。これら発光素子41および受光素子42は、手首200中の橈骨動脈212の容積を検出する動脈容積検出部に相当する。
動脈容積を精度良く検出するためには、生体組織を透過し易い近赤外光を検出光として利用することが好ましく、発光素子41および受光素子42としては、この近赤外光を照射および受光可能なものがそれぞれ好適に利用される。より具体的には、発光素子41から照射されて受光素子42にて受光される検出光としては、波長940nm付近の近赤外光が特に好適に使用される。なお、検出光としては、上記940nm付近の近赤外光に限られず、波長450nm付近の光や波長1100nm付近の光等も使用可能である。
発光素子駆動回路43は、制御部100の制御信号に基づいて発光素子41を発光させるための回路であり、所定量の電流を発光素子41に印加することにより、発光素子41を発光させるものである。発光素子41に印加される電流としては、たとえば50mA程度の直流電流が使用される。発光素子駆動回路43としては、好適には、発光素子41に所定のデューティでパルス電流を供給することによって発光素子41を周期的にパルス発光させる回路が利用される。このように発光素子41をパルス発光させることとすれば、発光素子41への単位時間当たりの印加電力を抑制することが可能になり、発光素子41の温度上昇を防ぐことが可能になる。なお、発光素子41の駆動周波数としては、検出すべき動脈容積の変動に含まれる周波数成分(おおよそ30Hz)よりも十分に高い周波数(たとえば3kHz程度)とすることにより、より精緻に動脈容積を検出することが可能になる。
受光量検出回路44は、受光素子42から入力された信号に基づいて受光量に応じた電圧信号を生成し、これを制御部100に向けて出力するための回路である。受光素子42によって検出される光の光量は動脈容積に比例して変化するため、受光量検出回路44にて生成される電圧信号も動脈容積に比例して変化することになり、これにより動脈容積が電圧値変動として捉えられることになる。ここで、受光量検出回路44は、たとえばアナログフィルタ回路、整流回路、増幅回路、A/D(Analog/Digital)変換回路等の処理回路を含んでおり、アナログ値として入力された信号をデジタル値化した電圧信号として出力する。
アクチュエータ52は、手首200に装着された空気袋20を手首200に向けて押圧する押圧機構に相当し、軸方向に駆動される駆動軸52aを有している。アクチュエータ駆動回路53は、制御部100の制御信号に基づいてアクチュエータ52を駆動する。エンコーダ54は、アクチュエータ52の駆動軸52aの位置を検出し、検出した位置情報を制御部100に出力する。
図1(A)および図1(B)に示すように、アクチュエータ52の本体は、駆動軸52aが載置台10に載置された手首200側に向けて延びるように支持枠11に固定されている。アクチュエータ52の駆動軸52aの先端には、押圧ブロック51が固定されており、これによりアクチュエータ52が駆動されることによって押圧ブロック51が図中矢印A方向に移動することになる。押圧ブロック51は、手首200側に位置する下端に押圧面51aを有しており、当該押圧面51aは、手首200の表面に沿うように湾曲形状とされている。なお、押圧面51aの手首200の周方向に沿う方向の幅としては、手首200に表在する橈骨動脈212およびその近傍の生体組織をカバーする程度の大きさとされることが好ましい。
押圧ブロック51の押圧面51aには、上述した空気袋20が貼着されている。そして、空気袋20の内部には、上述した発光素子41および受光素子42が配置されている。ここで、発光素子41および受光素子42は、載置台10に手首200が載置された状態において、橈骨動脈212の直上に位置する部分の手首表面を挟みこむ位置に離間して配置されることが好ましい。
以上の構成とすることにより、アクチュエータ52を駆動することによって空気袋20を橈骨動脈212が表在した部分の手首表面に向けて押圧することが可能になる。その際、アクチュエータ52の動作を制御することにより、空気袋20が押し付けられることによって手首200に印加されることとなる押圧力が適宜調節可能となる。したがって、この押圧力が橈骨動脈212の内圧と平衡するようにアクチュエータ52の動作を制御してカフ圧をサーボ制御することにより、血圧の連続的な測定が可能になる。
ここで、本実施の形態における血圧計1Aにあっては、空気袋20が、測定状態(すなわち、空気袋20が押圧ブロック51によって手首200に押圧された状態)において押圧ブロック51の押圧面51aによって完全に覆われた状態とされている。具体的には、図1(B)に示すように、空気袋20の押圧方向に沿って空気袋20を平面視した場合に、空気袋20の外形が押圧ブロック51の押圧面51aの外形よりも小さく構成されるとともに、押圧ブロック51によって空気袋20が手首200に向けて押圧された状態においても空気袋20が当該押圧面51aからはみ出さないように、押圧面51aに十分なマージンが設けられてこれら空気袋20と押圧面51aとが位置調節されて配置されている。
このように構成することにより、測定状態において空気袋20が押圧ブロック51の押圧面51aによって完全に覆われた状態となるため、空気袋20が押圧面51aからはみ出して手首200への押圧力が低下することが防止され、アクチュエータ52の駆動軸52aの移動量に対するカフ圧の増減の割合を大きく設定することが可能となり、従来に比して応答性よくカフ圧をサーボ制御することが可能になる。
以下においては、従来の血圧計において使用されていた開ループ系の加減圧機構(加圧ポンプおよび排気弁を使用した加減圧機構)を採用した場合にカフ圧のサーボ制御が不可能になる理由と、本実施の形態における血圧計1Aの如くの加減圧機構を採用した場合にカフ圧のサーボ制御が可能になる理由について、図14ないし図16を参照して説明する。
一般に、最高血圧と最低血圧の差(脈圧)は、大きい場合で150mmHg程度に達していることが知られている。また、高血圧症を患っている患者の最高血圧は、概ね200mmHgを超える程度であることが知られている。加えて、1拍毎の脈波に含まれる周波数成分は、安静時で平均13Hz程度であり、運動時で平均25Hz程度であることが知られている。以上の条件を考慮に入れ、一拍毎の血圧変化にカフ圧を追従させるための空気の流量を算出すると次のとおりとなる。
図14は、一般的な脈波の形状を示す図であり、図15は、被測定部位として手首を採用した場合のカフコンプライアンスの例を示す図である。図14に示すように、脈波に含まれる周波数成分としては、脈波の立ち上がり部分(図中符号400で示す部分)において最大となり、高血圧症の患者で約0.04秒の間に最大150mmHg程度上昇する。したがって、カフ圧をサーボ制御して上述した動脈内圧とカフ圧との平衡状態を実現するためには、カフ圧を0.04秒間の間に最大150mmHg加圧することが必要である。図15に示すように、カフ圧がたとえば90mmHgから240mmHgの範囲内でのカフコンプライアンスは、概ね0.15ml/mmHgであるため、この範囲内においてカフ圧を150mmHg上昇させるためには、0.15[ml/mmHg]×150[mmHg]=22.5[ml]の空気の流量が必要となる。これを0.04秒間で実現するためには、少なくとも22.5[ml]/0.04[秒]=33.75[リットル/分]の空気の流量が必要となる。
上述した空気の流量の実現は、加圧ポンプや排気弁を用いた開ループ系の加減圧機構ではほぼ不可能である。具体的には、既存の加圧ポンプによる加圧制御を想定した場合には、加圧ポンプとして大容量のポンプが必要になり、血圧計自体が実用可能な範囲を超えて巨大化してしまうことになる。また、既存の排気弁による減圧制御を想定した場合には、流量が増大することによってその応答性が大幅に低下してしまうことが懸念され、また最小制御量も大幅に大きくなってしまうため、上述したカフコンプライアンスを実現することはほぼ不可能である。
また、上述した開ループ系の加減圧機構を採用した場合には、以下のような問題も生じる。図16は、開ループ系の加減圧機構を用いた場合の流量−圧力特性を示す図であり、加圧ポンプの駆動電圧を一定にして空気袋を加圧するとともに、排気弁の駆動電圧を一定にして空気袋を減圧した場合の流量−圧力特性を示す図である。
図16に示すように、開ループ系の加減圧機構では、加圧時において加圧ポンプおよび排気弁にかかる圧力が高くなればなるほど空気の流量が減少することが分かる。すなわち、加圧ポンプを一定電圧で駆動した場合には、制御対象であるカフ圧が高くなればなるほど加圧ポンプの吐出量が減少することが分かる。一方、減圧時においては、加圧ポンプおよび排気弁にかかる圧力が高くなればなるほど空気の流量が増大することが分かる。すなわち、排気弁を一定電圧で駆動した場合には、制御対象であるカフ圧が高くなればなるほど排気弁の排気量が増大することが分かる。また、この流量−圧力特定は、非線形であることも図16より理解される。したがって、上述したカフコンプライアンスの観点と照らし合わせると、開ループ系の加減圧機構では、制御可能な圧力範囲が制限されることになり、高精度の血圧測定が困難になることが分かる。
これに対し、本実施の形態における血圧計1Aの如くの閉ループ系の加減圧機構を採用した場合には、上述した問題の解決が図られることになる。すなわち、本実施の形態における血圧計1Aにおいては、アクチュエータ52の駆動軸52aに空気袋20の外形よりも大きい押圧面51aを有する押圧ブロック51を取付け、当該押圧ブロック51によって空気袋20が押圧される構成とすることにより、被測定部位として手首を採用した場合にも、応答性よくカフ圧をサーボ制御することが可能となり、高精度に連続的に血圧を測定することが可能となっている。
図3は、本実施の形態における血圧計の機能ブロックの構成を示すブロック図である。次に、この図3を参照して、本実施の形態における血圧計の機能ブロックの構成について説明する。
図3に示すように、制御部100は、初期カフ圧を決定する初期カフ圧決定部102と、カフ圧を上記初期カフ圧に合致させるカフ圧初期設定部104と、血圧を連続的に測定するためにカフ圧をサーボ制御するサーボ制御部106と、血圧を連続的に取得する血圧取得部108とを含んでいる。なお、図3においては、これら初期カフ圧決定部102、カフ圧初期設定部104、サーボ制御部106および血圧取得部108との間で直接的に信号を授受する機能ブロックのみについてこれを図示している。
初期カフ圧決定部102は、アクチュエータ52を用いてカフ圧を可変に制御しつつ、その際に圧力センサ31を用いることで検出されたカフ圧情報と、発光素子41および受光素子42を用いることで検出された動脈容積情報とに基づいて初期カフ圧を設定する。具体的には、初期カフ圧決定部102は、アクチュエータ駆動回路53に対してアクチュエータ52の駆動の指令を与え、これに基づいてアクチュエータ52は空気袋20を手首200に向けて徐々に押圧し、カフ圧が所定の値(たとえば200mmHg)に達するまでその加圧を継続する。その際、初期カフ圧決定部102は、発光素子駆動回路43に対して発光素子41の駆動の指令を与え、発振回路34から入力された信号に基づいてカフ圧を検出し、受光量検出回路44から入力される信号に基づいて動脈容積信号を検出する。
ここで、初期カフ圧決定部102は、検出された動脈容積信号に基づいて1拍ごとの動脈容積の変化(振幅の変化)を示す容積変化信号を算出する。そして、初期カフ圧決定部102は、その時点において取得された容積変化信号と既にメモリ部120に記録されている容積変化信号とを比較し、よりその変化が大きいと判断された場合にのみ、算出された容積変化信号とその時点において検出されたカフ圧とをメモリ部120に上書き保存する。こうして、初期カフ圧決定部102は、上述したアクチュエータ52による空気袋20の加圧完了後に、最終的にメモリ部120に記録されているカフ圧を初期カフ圧として確定する。なお、初期カフ圧決定部102は、確定した初期カフ圧をカフ圧初期設定部104に出力する。
カフ圧初期設定部104は、初期カフ圧の入力を受けた後に、カフ圧をアクチュエータ52を用いて初期カフ圧に合致させる。具体的には、カフ圧初期設定部104は、確定した初期カフ圧の入力を初期カフ圧決定部102から受けて、アクチュエータ駆動回路53に対してアクチュエータ52の駆動の指令を与え、これに基づいてアクチュエータ52は手首200に向けての空気袋20の押圧を徐々に解除し、発振回路34から入力された信号に基づいてカフ圧を検出し、カフ圧が上記初期カフ圧に合致した時点でアクチュエータ52の駆動を停止する。カフ圧を上記目標値に合致させた後、カフ圧初期設定部104は、カフ圧の初期設定が完了したこと示す信号をサーボ制御部106に出力する。
サーボ制御部106は、カフ圧が初期カフ圧に合致した後に、発光素子41および受光素子42を用いることで検出される動脈容積情報に基づいて動脈容積の変動が抑制されるようにアクチュエータ52の駆動を制御してカフ圧を連続的にサーボ制御する。具体的には、サーボ制御部106は、カフ圧初期設定部104からカフ圧の初期設定が完了したことを示す信号の入力を受けて、発光素子駆動回路43に対して発光素子41の駆動の指令を与え、受光量検出回路44から入力される信号に基づいて動脈容積信号を検出し、これに基づいて容積変化信号を算出する。そして、サーボ制御部106は、動脈容積が常時一定に保たれるように(すなわち、算出される容積変化信号が予め定めた閾値(たとえば、初期カフ圧の決定段階において算出された容積変化信号の最大値に対する所定の割合の値)以下となるように)、アクチュエータ駆動回路53に対してアクチュエータ52の駆動の指令を与えることで手首200に対する空気袋20の押圧力を調整する。なお、サーボ制御部106は、カフ圧のサーボ制御を開始した時点で、カフ圧のサーボ制御を開始したことを示す信号を血圧取得部108に出力するとともに、算出された容積変化信号が予め定めた上記閾値以下であるか否か(すなわち、動脈容積が一定に保たれているか否か)を血圧取得部108に出力する。
血圧取得部108は、サーボ制御部106によるカフ圧のサーボ制御が行なわれている状態において、圧力センサ31を用いることで検出されたカフ圧情報に基づいて被験者の血圧を連続的に取得する。具体的には、血圧取得部108は、サーボ制御部106からサーボ制御を開始したことを示す信号の入力を受けて、発振回路34から入力される信号に基づいてカフ圧情報を生成する。このカフ圧情報の生成と並行して、血圧取得部108は、サーボ制御部106から算出された容積変化信号が予め定めた上記閾値以下であるか否かの信号を受け取り、当該算出された容積変化信号が上記閾値以下である場合のカフ圧を血圧として決定し、メモリ部120に時系列データとして格納する。
なお、制御部100に含まれる上記各機能ブロックの動作は、メモリ部120に格納されたソフトウェアを実行することで実現されるように構成されていてもよいし、これらの機能ブロックのうちのいずれかまたはすべてが独立したハードウェアとして実現されるように構成されていてもよい。また、制御部100に含まれていない上記各機能ブロックのうちのいずれかまたはすべての動作が、メモリ部120に格納されたソフトウェアを実行することで実現されるように構成されていてもよい。
図4は、本実施の形態における血圧計の血圧測定処理を示すフローチャートである。図4に示す処理は、予めメモリ部120に格納されたプログラムを制御部100が読み出して実行することにより実現されるものである。
図4に示すように、制御部100は、まず電源スイッチ131が押下されたか否かを判断する(ステップS1)。電源スイッチ131が押下されたと判断した場合(ステップS1においてYES)には、ステップS2に進む。
ステップS2において、制御部100は、初期化処理を行なう。具体的には、メモリ部120の所定の領域を初期化し、空気袋20の空気を排気し、圧力センサ31の補正を行なう。
初期化が終わると、制御部100は、測定スイッチ132が押下されたか否かを判断する(ステップS3)。測定スイッチ132が押下されたと判断した場合(ステップS3においてYES)には、ステップS4に進む。
ステップS4において、制御部100の初期カフ圧決定部102は、初期カフ圧の決定処理を実行する。初期カフ圧の決定処理については、図5および図6を用いて詳細に説明する。図5は、初期カフ圧の決定処理を示すフローチャートであり、図6は、初期カフ圧の決定処理を説明するための模式図である。なお、図6(A)は、時間軸に沿ったカフ圧Pcを示すものであり、図6(B)は、時間軸に沿った動脈容積信号Siを示すものであり、図6(C)は、時間軸に沿った容積変化信号Siiを示すものである。
図5に示すように、初期カフ圧決定部102は、メモリ部120の所定の領域に記憶されている容積変化信号Siiの最大値およびカフ圧を初期化する(ステップS101)。なお、以下の処理において容積変化信号Siiの最大値は随時更新されるものであるので、最終的に最大値として確定するまでの値を「容積変化仮最大値」と称することとする。
次に、初期カフ圧決定部102は、アクチュエータ駆動回路53を介してアクチュエータ52の駆動を制御して空気袋20を加圧する(ステップS102)。空気袋20を加圧する段階において、初期カフ圧決定部102は、受光量検出回路44から入力される動脈容積信号Siを検出する(ステップS103)。初期カフ圧決定部102は、さらに動脈容積信号Siに基づいて容積変化信号Siiを算出する。
初期カフ圧決定部102は、容積変化信号Siiの値がメモリ部120に記憶された容積変化仮最大値以上であるか否かを判断する(ステップS104)。容積変化信号Siiの値が容積変化仮最大値以上であると判断された場合(ステップS104においてYES)には、ステップS105に進む。一方、容積変化信号Siiが容積変化仮最大値未満であると判断された場合(ステップS104においてNO)には、ステップS106に進む。
ステップS105において、初期カフ圧決定部102は、容積変化仮最大値を更新するとともに、その時点におけるカフ圧を上書き記録する。この処理が終わると、処理はステップS106に移される。
ステップS106において、初期カフ圧決定部102は、カフ圧が所定値(図6における所定値P1(たとえば200mmHg))以上であるか否かを判断する。カフ圧が所定値P1に達していないと判断した場合(ステップS106においてNO)には、ステップS102に戻る。一方、カフ圧が所定値P1以上であると判断した場合(ステップS106においてYES)には、ステップS107に進む。
ステップS107において、初期カフ圧決定部102は、ステップS105において最終的に記録された容積変化仮最大値Siimを最大値として確定するとともに、容積変化仮最大値Siimが検出された時刻tmにおけるカフ圧を初期カフ圧Pcmとして確定する。初期カフ圧決定部102は、さらに、容積変化仮最大値Siimに基づいて上述した容積変化信号Siiの閾値を設定する。ステップS107の処理が終わると、処理はメインルーチンへと戻される。
図4に示すように、上述のような初期カフ圧の決定処理が終了すると、カフ圧初期設定部104は、アクチュエータ駆動回路53を介してアクチュエータ52の駆動を制御してカフ圧を初期カフ圧Pcmに合致させる(ステップS5)。図6を参照して、カフ圧初期設定部104は、カフ圧が初期カフ圧Pcmに設定された時刻t1でアクチュエータ52の駆動を停止する。このようにカフ圧が初期カフ圧Pcmに設定されると、容積変化信号Siiは最大となる。
カフ圧が初期カフ圧Pcmに設定されると、カフ圧のサーボ制御が開始される(ステップS6)。具体的には、サーボ制御部106は、動脈容積信号Siの検出および容積変化信号Siiの算出を行なうとともに、アクチュエータ駆動回路53に制御信号を出力し、アクチュエータ52の駆動を制御する。ここで、アクチュエータ52は、容積変化信号Siiの値が閾値以下(好ましくは概ねゼロ)になるように高速で駆動される。なお、図6においては、時刻t2からサーボ制御が開始されたことを示している。
このようなサーボ制御に並行して、サーボ制御部106は、算出された容積変化信号Siiが上述した閾値以下であるか否かを判断する。つまり、容積変化信号Siiの値がゼロに近いか否かを判断する。算出された容積変化信号Siiが上述した閾値以下であると判断した場合(ステップS7においてYES)には、血圧取得部108は、そのときのカフ圧を血圧として決定し、メモリ部120に格納する(ステップS8)。ステップS8の処理が終わると、ステップS9に進む。一方、算出された容積変化信号Siiが上述した閾値を超えると判断した場合(ステップS7においてNO)には、ステップS9に進む。図6に示される時刻t3以降においては、サーボ制御が所定時間以上行なわれることによって容積変化信号Siiの値がほぼゼロに近い状態となる。したがって、時刻t3以降のカフ圧Pcが血圧として取得されることになる。
ステップS9において、サーボ制御部106は、停止スイッチ133が押下されたか否かを判断する。停止スイッチ133が押下されていないと判断した場合(ステップS9においてNO)には、ステップS6に戻る。停止スイッチ133が押下されたと判断した場合(ステップS9においてYES)には、一連の血圧測定処理は終了される。
このように、本実施の形態における血圧計1Aとすることにより、手首を被測定部位として採用した場合にも、連続的に高精度に血圧を測定することができる容積補償法に基づいた血圧計とすることができる。
なお、上記したように、本実施の形態における血圧計1Aにおいては、血圧として決定されたカフ圧を時系列にメモリ部120に記録することとしたが、測定された血圧データの記録方法としてはこのような形態に限定されるものではない。たとえば、連続的に得られる血圧データ以外の他の血圧情報と当該血圧データとを関連付けてメモリ部120に記録することとしてもよいし、当該血圧データに基づいて算出される他の血圧情報を血圧データとは別途メモリ部120に記録することとしてよい。ここで、他の血圧情報としては、たとえば1拍の脈波ごとの最高血圧および最低血圧や脈拍数、AI(Augmentation Index)値等が挙げられる。また、メモリ部120に記録するのみではなく、測定結果として血圧データをリアルタイムで表示部110において表示することとしてもよい。
また、本実施の形態における血圧計1Aにおいては、停止スイッチ133の押下が検知された場合に血圧測定処理を終了することとしたが、サーボ制御が開始されてから所定時間経過した場合に血圧測定処理を終了することとしてもよい。
図7(A)は、本実施の形態における血圧計の各測定データのデータ構造を示す図であり、図7(B)は、測定データに含まれる血圧情報フィールドのデータ構造を示す図である。次に、これら図7(A)および図7(B)を参照して、上述の血圧測定処理を実行することでメモリ部に格納されることとなる測定データのデータ構造について説明する。
図7(A)に示すように、メモリ部120に格納される測定データ300の各々は、一例として「ID情報」、「記録日時」、「血圧情報」の3つのフィールド301〜303を含む。各フィールドの内容について概略すると、「ID情報」フィールド301は、各測定データを特定するための識別番号などを格納し、「記録日時」フィールド302は、図示しないクロックにより計時された、各測定データの測定開始日時や測定期間などの情報を格納する。また、「血圧情報」フィールド303は、時系列の血圧データすなわち、連続血圧(脈波)データを格納する。
図7(B)に示すように、血圧情報フィールド303は、「時間データ」を格納する領域304と、「血圧データ」を格納する領域305とを有している。領域304には、サンプリング周期に応じた複数の時間データ1,2,3,・・・,Nが格納される。領域305には、領域304の時間データそれぞれと対応付けて、血圧データBD(1),BD(2),・・・,BD(n)が格納される。領域305中、「−」で示された領域は、その時点における容積変化信号が閾値を越えていて血圧として記録されなかったことを示している。なお、格納形態としては、このような例に限定されず、時間(時刻)と血圧とが対応付けられて記憶されていればどのような格納形態であってもよい。
なお、本実施の形態における血圧計1Aにおいては、測定の都度、初期カフ圧決定部102によって初期カフ圧が決定される構成としているため、カフ圧のサーボ制御のために適正なカフ圧を初期カフ圧として設定することができる。ここで、本実施の形態における血圧計1Aにあっては、カフ圧を可変に制御した場合に動脈容積の振幅が最大となった時点におけるカフ圧を初期カフ圧に設定する構成としていたが、この他にも、カフ圧を可変に制御する際にいわゆるオシロメトリック法に基づいて最低血圧を算出し、当該最低血圧と同じ値のカフ圧を初期カフ圧に設定することとしてもよいし、最低血圧に加えて最高血圧をも算出し、これら最高血圧と最低血圧との平均値である平均血圧と同じ値のカフ圧を初期カフ圧に設定することとしてもよい。
しかしながら、上述のように、測定の都度、初期カフ圧の決定処理が行なわれるように構成されている必要は必ずしもなく、メモリ部120に記憶された過去の測定結果に基づいて初期カフ圧が設定されるように構成してもよい。より具体的には、たとえば、直前に行なった測定において取得した連続血圧に基づいて初期カフ圧が設定されるように構成してもよい。このように、過去の血圧情報に基づいて初期カフ圧を設定する構成とした場合には、カフ圧を所定値P1(たとえば200mmHg)まで上昇させる必要がなくなり、その結果、当初より動脈内圧とカフ圧とが平衡した状態に近い状態に設定することができ、被験者の被測定部位に対する拘束性を軽減することができる。
(実施の形態2)
図8は、本発明の実施の形態2における血圧計の測定状態における模式断面図である。なお、上述の実施の形態1における血圧計1Aと同様の部分については図中同一の符号を付し、その説明はここでは繰り返さない。
図8は、本発明の実施の形態2における血圧計の測定状態における模式断面図である。なお、上述の実施の形態1における血圧計1Aと同様の部分については図中同一の符号を付し、その説明はここでは繰り返さない。
図8に示すように、本実施の形態における血圧計1Bは、上述の実施の形態1における血圧計1Aと異なり、手首200に装着するための装着具15を備えている。装着具15は、手首200の外側(手首200の手の甲と連続する部分)に宛がわれる下側拘束部材16と、手首200の内側(手首200の手の掌と連続する部分)に宛がわれる上側拘束部材17とを含んでおり、下側拘束部材16および上側拘束部材17は、それぞれ手首200に沿ってフィットするように湾曲状に形成されている。これら下側拘束部材16および上側拘束部材17のそれぞれは、その周方向の一端が軸支部16aと回動軸17aとによって連結されており、周方向の他端が締結部材18によって着脱可能に固定されている。上側拘束部材17の所定位置には、支持枠部17bが設けられており、当該支持枠部17bの上部所定位置に押圧機構としてのアクチュエータ52の本体が固定されている。
このように、本実施の形態における血圧計1Bの如く、上述の実施の形態1における血圧計1Aの載置台10および支持枠11に代えて、手首200に装着される装着具15を利用した場合にも、上述の実施の形態1と同様の効果を得ることができる。したがって、本実施の形態における血圧計1Bの如くの構成を採用することにより、テーブル等の載置面に載置される載置台を用いずとも連続的に血圧を測定することが可能なるため、より可搬性に優れた血圧計とすることができる。
(実施の形態3)
図9は、本発明の実施の形態3における血圧計の測定状態における模式断面図であり、図10は、図9に示す血圧計のハードウェアの構成を示すブロック図である。なお、上述の実施の形態1における血圧計1Aと同様の部分については図中同一の符号を付し、その説明はここでは繰り返さない。
図9は、本発明の実施の形態3における血圧計の測定状態における模式断面図であり、図10は、図9に示す血圧計のハードウェアの構成を示すブロック図である。なお、上述の実施の形態1における血圧計1Aと同様の部分については図中同一の符号を付し、その説明はここでは繰り返さない。
図9および図10に示すように、本実施の形態における血圧計1Cは、空気袋20を手首200に向けて押圧するアクチュエータ52に加え、アクチュエータ52の手首200に対する相対的な位置を可変に調節する補助アクチュエータ62と、この補助アクチュエータ62を駆動する補助アクチュエータ駆動回路63と、補助エンコーダ64とを備えている。補助アクチュエータ62は、上述したサーボ制御を実施するに当たり、カフ圧を初期カフ圧に合致させるために利用されるものである。
具体的には、図9に示すように、本実施の形態における血圧計1Cにあっては、載置台10上の凹部10aを挟む位置に支柱12A,12Bが立設されており、この支柱12A,12Bに挿通するように可動枠13が取付けられるとともに、この支柱12A,12Bの上端に固定枠14が固定されている。可動枠13には、アクチュエータ52が固定されており、固定枠14には、補助アクチュエータ62が固定されている。補助アクチュエータ62は、軸方向に駆動される駆動軸62aを有しており、その先端は可動枠13に固定されている。図10に示すように、補助アクチュエータ駆動回路63は、制御部100の制御信号に基づいて補助アクチュエータ62を駆動し、補助エンコーダ64は、補助アクチュエータ62の駆動軸62aの位置を検出し、検出した位置情報を制御部100に出力する。
本実施の形態における血圧計1Cにおいては、初期カフ圧の決定後にアクチュエータ52の駆動が停止され、その後補助アクチュエータ62を駆動することによって可動枠13が図中矢印B方向に移動させられ、空気袋20のカフ圧が初期カフ圧に合致させられるように構成されている。また、初期カフ圧の決定処理においても、補助アクチュエータ62を駆動することでカフ圧を可変に制御することとしてもよい。このように構成することにより、サーボ制御の際に駆動されるアクチュエータ52のストロークを短く設定することができるため、小型のアクチュエータを利用することが可能となり、その制御性が向上するとともに、装置をより小型に構成することができる。
(実施の形態4)
図11は、本発明の実施の形態4における血圧計の測定状態における模式断面図であり、図12は、図11に示す血圧計のハードウェアの構成を示すブロック図である。なお、上述の実施の形態1における血圧計1Aと同様の部分については図中同一の符号を付し、その説明はここでは繰り返さない。
図11は、本発明の実施の形態4における血圧計の測定状態における模式断面図であり、図12は、図11に示す血圧計のハードウェアの構成を示すブロック図である。なお、上述の実施の形態1における血圧計1Aと同様の部分については図中同一の符号を付し、その説明はここでは繰り返さない。
図11および図12に示すように、本実施の形態における血圧計1Dは、空気袋20を加圧するための機構として、上述したアクチュエータ52を用いた押圧機構に加え、加圧ポンプ32および排気弁33からなる加減圧機構をさらに備えている。加圧ポンプ32は、加圧ポンプ駆動回路35によってその動作が制御され、排気弁33は、排気弁駆動回路36によってその動作が制御される。
加圧ポンプ32は、空気袋20にエア管21を介して接続されており、空気袋20の内部に空気を送出することで空気袋20を加圧する。排気弁33は、空気袋20にエア管21を介して接続されており、空気袋20の内部の空気を外部に排出することで空気袋20を減圧する。加圧ポンプ駆動回路35は、制御部100の制御信号に基づいて加圧ポンプ32を駆動する。排気弁駆動回路36は、制御部100の制御信号に基づいて排気弁33を駆動する。
本実施の形態における血圧計1Dにおいては、初期カフ圧の決定処理とカフ圧を初期カフ圧に合致させる処理とが実行される際にこの加圧ポンプ32および排気弁33からなる加減圧機構が利用され、カフ圧のサーボ制御を行なう処理が実行される際にアクチュエータ52からなる押圧機構が利用される。
図13は、図11に示す血圧計の機能ブロックの構成を示すブロック図である。次に、この図13を参照して、本実施の形態における血圧計の機能ブロックの構成について説明するとともに、初期カフ圧の決定の際およびカフ圧を初期カフ圧に合致させる際の制御部および加減圧機構の動作について説明する。
図13に示すように、制御部100は、初期カフ圧を決定する初期カフ圧決定部102と、カフ圧を上記初期カフ圧に合致させるカフ圧初期設定部104と、血圧を連続的に測定するためにカフ圧をサーボ制御するサーボ制御部106と、血圧を連続的に取得する血圧取得部108とを含んでいる。なお、図13においては、これら初期カフ圧決定部102、カフ圧初期設定部104、サーボ制御部106および血圧取得部108との間で直接的に信号を授受する機能ブロックのみについてこれを図示している。
初期カフ圧決定部102は、上述した加減圧機構を用いてカフ圧を可変に制御しつつ、その際に圧力センサ31を用いることで検出されたカフ圧情報と、発光素子41および受光素子42を用いることで検出された動脈容積情報とに基づいて初期カフ圧を設定する。具体的には、初期カフ圧決定部102は、加圧ポンプ駆動回路35に対して加圧ポンプ32の駆動の指令を与え、これに基づいて加圧ポンプ32は空気袋20を加圧し、カフ圧が所定の値(たとえば200mmHg)に達するまでその加圧を継続する。その際、初期カフ圧決定部102は、発光素子駆動回路43に対して発光素子41の駆動の指令を与え、発振回路34から入力された信号に基づいてカフ圧を検出し、受光量検出回路44から入力される信号に基づいて動脈容積信号を検出するとともに、この動脈容積信号に基づいて容積変化信号を算出し、これに基づいて初期カフ圧を確定する。なお、初期カフ圧決定部102は、確定した初期カフ圧をカフ圧初期設定部104に出力する。
カフ圧初期設定部104は、初期カフ圧の入力を受けた後に、加減圧機構を用いてカフ圧を初期カフ圧に合致させる。具体的には、カフ圧初期設定部104は、確定した初期カフ圧の入力を初期カフ圧決定部102から受けて、排気弁駆動回路36に対して排気弁33の駆動の指令を与え、これに基づいて排気弁33は空気袋20の内部の空気を排気し、発振回路34から入力された信号に基づいてカフ圧を検出し、カフ圧が上記初期カフ圧に合致した時点で排気弁33を閉状態にする。カフ圧を上記目標値に合致させた後、カフ圧初期設定部104は、カフ圧の初期設定が完了したこと示す信号をサーボ制御部106に出力する。
なお、サーボ制御部106および血圧取得部108の機能および動作については、上述の実施の形態1におけるそれと同様であるため、ここではその説明を省略する。
以上の如くの構成の血圧計1Dとした場合にも、上述の実施の形態1における血圧計1Aとした場合の効果と同様の効果を得ることができる。加えて、初期カフ圧の決定処理とカフ圧を初期カフ圧に合致させる処理とが実行される際に加圧ポンプ32および排気弁33からなる加減圧機構を利用することにより、簡便かつ迅速に初期カフ圧の決定および初期カフ圧への設定が可能になる。
以上において説明した本実施の形態1ないし4においては、被測定部位として手首を採用したいわゆる手首式の血圧計に本発明を適用した場合を例示して説明を行なったが、指以外の部分の四肢を被測定部位として採用した他の血圧計に本発明を適用することも可能である。なお、指以外の部分の四肢としては、上述した手首以外にも足首や上腕、大腿部などが挙げられる。
また、上述した本実施の形態1ないし4においては、動脈容積検出部として発光素子および受光素子を含む光電センサを利用した血圧計を例示して説明を行なったが、動脈容積検出部としては、この他にも電極を用いて生体インピーダンスの変動を測定することで動脈容積の変動を検出するインピーダンス測定機構等を利用することもできる。
このように、今回開示した上記各実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
1A〜1D 血圧計、10 載置台、10a 凹部、11 支持枠、12A,12B 支柱、13 可動枠、14 固定枠、15 装着具、16 下側拘束部材、16a 軸支部、17 上側拘束部材、17a 回動軸、17b 支持枠部、18 締結部材、20 空気袋、21 エア管、31 圧力センサ、32 加圧ポンプ、33 排気弁、34 発振回路、35 加圧ポンプ駆動回路、36 排気弁駆動回路、41 発光素子、42 受光素子、43 発光素子駆動回路、44 受光量検出回路、51 押圧ブロック、51a 押圧面、52 アクチュエータ、52a 駆動軸、53 アクチュエータ駆動回路、54 エンコーダ、62 補助アクチュエータ、62a 駆動軸、63 補助アクチュエータ駆動回路、64 補助エンコーダ、100 制御部、102 初期カフ圧決定部、104 カフ圧初期設定部、106 サーボ制御部、108 血圧取得部、110 表示部、120 メモリ部、130 操作部、131 電源スイッチ、132 測定スイッチ、133 停止スイッチ、134 メモリスイッチ、140 電源、200 手首、210 橈骨、212 橈骨動脈、220 尺骨、222 尺骨動脈、230 腱。
Claims (14)
- 被験者の血圧を測定することが可能な血圧測定装置であって、
流体袋と、
前記流体袋を被測定部位に向けて押圧する押圧機構と、
前記流体袋の内圧であるカフ圧を検出するカフ圧検出部と、
被測定部位中を延在する動脈の容積を検出する動脈容積検出部と、
前記押圧機構の駆動を制御するとともに被験者の血圧を連続的に取得する制御部とを備え、
前記押圧機構は、前記流体袋を押圧するための押圧面を有する押圧ブロックと、前記押圧ブロックを駆動するアクチュエータとを含み、
前記制御部は、カフ圧を所定の初期カフ圧に合致させるカフ圧初期設定部と、カフ圧を前記初期カフ圧に合致させた後に、前記動脈容積検出部にて検出される動脈容積情報に基づいて動脈容積の変動が抑制されるように前記アクチュエータの駆動を制御してカフ圧を連続的に調整するサーボ制御部と、前記サーボ制御部によるカフ圧のサーボ制御が行なわれている状態において、前記カフ圧検出部にて検出されたカフ圧情報に基づいて被験者の血圧を連続的に取得する血圧取得部とを含み、
前記流体袋は、前記押圧ブロックによって前記流体袋が被測定部位に押圧されている状態において前記押圧面によって完全に覆われる、血圧測定装置。 - 前記流体袋は、少なくとも前記サーボ制御部によるカフ圧のサーボ制御が行なわれている間において、内部に封入された流体が外部に排出されないように密閉されている、請求項1に記載の血圧測定装置。
- 前記カフ圧初期設定部は、前記アクチュエータの駆動を制御することでカフ圧を前記初期カフ圧に合致させる、請求項1または2に記載の血圧測定装置。
- 前記押圧機構は、前記アクチュエータの被測定部位に対する相対的な位置を可変に調節する補助アクチュエータをさらに含み、
前記カフ圧初期設定部は、前記補助アクチュエータの駆動を制御することでカフ圧を前記初期カフ圧に合致させる、請求項1または2に記載の血圧測定装置。 - 前記流体袋に流体を出入りさせることによってカフ圧を加減圧する加減圧機構をさらに備え、
前記カフ圧初期設定部は、前記加減圧機構の駆動を制御することでカフ圧を前記初期カフ圧に合致させる、請求項1または2に記載の血圧測定装置。 - 前記制御部は、カフ圧を可変に制御しつつ、その際に前記カフ圧検出部にて検出されたカフ圧情報と前記動脈容積検出部にて検出された動脈容積情報とに基づいて前記初期カフ圧を決定する初期カフ圧決定部をさらに含む、請求項1または2に記載の血圧測定装置。
- 前記初期カフ圧決定部は、動脈容積の変化量が最大となった時点におけるカフ圧を前記初期カフ圧に設定する、請求項6に記載の血圧測定装置。
- 前記制御部は、カフ圧を可変に制御しつつ、その際に前記カフ圧検出部にて検出されたカフ圧情報に基づいて前記初期カフ圧を決定する初期カフ圧決定部をさらに含む、請求項1または2に記載の血圧測定装置。
- 前記初期カフ圧決定部は、前記カフ圧検出部にて検出されたカフ圧情報に基づいて算出された拡張期血圧と同じ値のカフ圧を前記初期カフ圧に設定する、請求項8に記載の血圧測定装置。
- 前記初期カフ圧決定部は、前記アクチュエータの駆動を制御することでカフ圧を可変に制御する、請求項6から9のいずれかに記載の血圧測定装置。
- 前記押圧機構は、前記アクチュエータの被測定部位に対する相対的な位置を可変に調節する補助アクチュエータをさらに含み、
前記初期カフ圧決定部は、前記補助アクチュエータの駆動を制御することでカフ圧を可変に制御する、請求項6から9のいずれかに記載の血圧測定装置。 - 前記流体袋に流体を出入りさせることによってカフ圧を加減圧する加減圧機構をさらに備え、
前記初期カフ圧決定部は、前記加減圧機構の駆動を制御することでカフ圧を可変に制御する、請求項6から9のいずれかに記載の血圧測定装置。 - 前記加減圧機構は、前記流体袋を加圧するための加圧ポンプと、前記流体袋を減圧するための排気弁とを含む、請求項5または12に記載の血圧測定装置。
- 前記動脈容積検出部は、動脈に対して光を照射する発光素子と、前記発光素子によって照射された光の動脈の透過光または/および反射光を受光するための受光素子とを含む、請求項1から13のいずれかに記載の血圧測定装置。
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