JP2009153843A - 血圧測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】容積補償法により、指以外の測定部位(四肢)で高精度に血圧を測定することのできる血圧測定装置を提供すること。
【解決手段】カフ圧を検出するための圧力センサ32と、カフ20に設けられ、被測定者の動脈容積信号を検出するための容積検出部71,72と、カフ圧を調整するための第1および第2の調整手段とを備える。第1の調整手段は、カフ圧を初期カフ圧に設定するために用いられ、たとえばポンプ51および弁52を含む。第2の調整手段は、サーボ制御の際に用いられ、ポンプ51および弁52よりも速い速度でカフ圧を調整可能なエアシリンダ61およびアクチュエータ62を含む。
【選択図】図3
【解決手段】カフ圧を検出するための圧力センサ32と、カフ20に設けられ、被測定者の動脈容積信号を検出するための容積検出部71,72と、カフ圧を調整するための第1および第2の調整手段とを備える。第1の調整手段は、カフ圧を初期カフ圧に設定するために用いられ、たとえばポンプ51および弁52を含む。第2の調整手段は、サーボ制御の際に用いられ、ポンプ51および弁52よりも速い速度でカフ圧を調整可能なエアシリンダ61およびアクチュエータ62を含む。
【選択図】図3
Description
本発明は、血圧測定装置に関し、特に、容積補償法によって血圧を連続的に測定することのできる血圧測定装置に関する。
血圧は循環器疾患を解析する指標の一つであり、血圧に基づいてリスク解析を行うことは、たとえば脳卒中や心不全や心筋梗塞などの心血管系の疾患の予防に有効である。特に、早朝に血圧が上昇する早朝高血圧は心臓病や脳卒中などに関係している。さらに、早朝高血圧の中でも、モーニングサージと呼ばれる起床後1時間から1時間半ぐらいの間に急激に血圧が上昇する症状は、脳卒中との因果関係があることが判明している。
そこで、時間(または生活習慣)と血圧変化の相互関係を把握することが、心血管系の疾患のリスク解析に有用である。従って、長期間にわたり、連続的に血圧測定することが必要となってきている。
また、医師が手術中またはICU(Intensive Care Unit)等の重症患者、人工透析中の患者においては、連続的に血圧を測定し、血圧変化により容態の急変を監視することが非常に重要である。また、1心拍ごとの脈波波形には、動脈硬化の進展、心機能の診断等、医学上きわめて利用範囲の広い情報が含まれている。そのため、脈波波形の変動を連続的に記録して解析することも重要視されてきている。
従来の電子血圧計における血圧測定方法の一つとして、オシロメトリック法がある。この方法により血圧を測定する場合、血圧計は、測定部位(たとえば上腕)に巻かれたカフ内の圧力(以下「カフ圧」という)を最高血圧より高く加圧し、その後、カフ圧を徐々に減圧していく過程において、動脈で発生する脈動をカフを介して圧力センサで検出する。そして、カフ圧とその時の脈動の大きさ(脈波振幅)とに所定のアルゴリズムを適用して、最高血圧と最低血圧とを決定している。
また、他の血圧測定方法として、マイクロホン法もある。この方法は、カフ圧の加減圧中の血流の変化に依存して発生,消失する血流音(コロトコフ音)をマイクロホン等のコロトコフ音検出器で検出することにより、最高血圧と最低血圧とを決定するものである。この血圧測定方法は、コロトコフ音が、カフ圧が最高血圧で発生し、最低血圧付近で消失(もしくは微弱)する特徴を利用している。
上述のような従来の電子血圧計では、一般的に、カフ圧を増加させるためのポンプおよびカフ圧を減少させるための排気弁が用いられている。
また、特許文献1には、カフ圧の減圧速度を一定にするために、エアシリンダと、エアシリンダを駆動するアクチュエータとを備えた血圧計も提案されている。
しかしながら、これらの血圧測定方法では、最高血圧や最低血圧を決定することができるものの、1心拍ごとに血圧を測定することはできない。
1心拍ごとに血圧を測定する手法としては、動脈にカテーテルを挿入し、カテーテルに接続した圧力センサにより動脈内圧を直接測定する方法がある(直接法)。しかしながら、直接法は動脈にカテーテルを挿入するため、医師の監視下で実行する必要がある。また、苦痛や感染の危険など被測定者(患者)に精神的・肉体的苦痛を与えるため、手術中や手術後などの特定した環境下でしか実施されていない。
そこで、非侵襲で1心拍ごとに連続的に血圧を測定する技術がこれまでに開発されてきた。たとえば、トノメトリ法と呼ばれる血圧測定方法がある。これは、橈骨動脈などの表在した動脈を体表面から平らに圧迫したとき、その平面上の圧と動脈内圧が一致する原理を利用し、平面上の圧を圧力センサにより検出することで血圧を測定することができる。
しかしながら、実際には、動脈のみを圧迫することは不可能であり、体表面の組織も同時に圧迫している。そのため、上記圧力センサで検出した圧力は必ずしも動脈内圧と一致しない。したがって、トノメトリ法で血圧を測定するには、他の方法(たとえばオシロメトリック法)で測定した血圧により補正する必要がある。また、動脈を平らに圧迫するために動脈上にセンサを正確に配置する必要があり、取り扱いも非常に煩雑である。そのため、トノメトリ法は、手術中や手術後の集中治療室などの限られた場所で使用されているにとどまっている。
これに対し、簡便に、連続的な血圧を測定する手法として、容積補償法による血圧測定方法が開発されている(特許文献2,3)。容積補償法は、生体外からカフによって動脈を圧迫し、脈動する動脈の単位長あたりの容積を一定に保つことで、動脈を圧迫する圧力(カフ圧)と動脈内圧(すなわち血圧)とを平衡させ、サーボ制御によりこの状態を維持したときのカフ圧を検出することにより連続的に血圧を得る方式である。
たとえば特許文献2では、カフ圧を上昇させていく過程で容積脈波信号(動脈容積信号)が最大振幅となる点が検出され、そのときの容積脈波信号の平均値がサーボ目標値、カフ圧の値がサーボ初期値として設定される。そして、カフ圧をサーボ初期値に設定した後、容積脈波信号の振幅が最小(ゼロ)になるように、すなわち血管の容積が一定になるようにフィードバック制御される。容積脈波信号の振幅がほぼゼロになると、このときのカフ圧が動脈内圧と等しくなる。したがって、動脈内圧と動脈にかかるカフ圧とを常時一定に保つためのサーボ制御を行なうことにより、検出されたカフ圧が血圧として測定することができる。
このように、容積補償法により血圧を測定するためには、動脈壁を無負荷状態(圧力のかからない自然な状態)に維持すること、すなわちサーボ制御が重要な課題となる。
特許文献2では、リニアポンプでカフ圧をサーボ初期値にセットし、加振器によりサーボ制御することが開示されている。
特開昭63−92332号公報
特公平1−31370(特許第1547959)号公報
実公平3−2246号公報
従来より提案されているような容積補償型の血圧計においては、測定部位として指が採用されている。しかしながら、指の動脈径は小さいため、生体の影響を受け易い。そのため、従来の容積補償型の血圧計では、血圧を正確に測定することは困難であった。
そこで、容積補償法により血圧を測定する場合でも、生体の影響を受けにくい、手首等の四肢を測定部位とすることが望ましい。しかしながら、手首等の四肢の動脈を圧迫するにはカフの容量は、指を圧迫するカフの容量に比較し大きな容量が必要とされる。容積補償型の血圧計では1拍ごと(脈拍数60拍/分の人で約1秒ごと)にカフ圧を最低血圧から最高血圧までの脈圧分(最大150mmHg程度)の加減圧が必要となる。特許文献2のような測定部位を指とした容積補償型血圧計のカフ圧の調整機構を用いた場合、調整機構が送り出す空気容量が小さいため、必要とされるカフ圧の変化を起こすことが不可能であり、精度良く血圧を測定することは困難である。また、従来より存在するような四肢を測定部位とするオシロメトリック式血圧計やマイクロホン式血圧計におけるカフ圧の調整機構を単純に用いたと場合は、必要とされるカフ圧の変化は起こせるが、1拍ごとの短時間での圧変化が不可能であり、精度良く血圧を測定することは困難である。
特許文献2のような容積補償型血圧計、または、従来より存在するような四肢を測定部位とする血圧計における、カフ圧の調整機構を、単純に用いたとしても精度良く血圧を測定することは困難である。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、容積補償法により、指以外の測定部位(四肢)で高精度に血圧を測定することのできる血圧測定装置を提供することである。
この発明のある局面に従う血圧測定装置は、容積補償法により血圧を測定するための血圧測定装置であって、被測定者の四肢に巻き付けるためのカフと、カフ内の圧力を表わすカフ圧を検出するための圧力検出手段と、カフに設けられ、被測定者の動脈の容積を示す動脈容積信号を検出するための容積検出手段と、カフ圧を調整するための第1および第2の調整手段とを備える。第1の調整手段は、カフ圧を加圧および減圧するための加減圧手段と、加減圧手段を駆動させるための第1の駆動手段とを含み、第2の調整手段は、第1の調整手段の加減圧手段よりも速い速度で、カフ圧を加圧および減圧するためのエアシリンダと、エアシリンダを駆動するための第2の駆動手段とを含む。血圧測定装置は、被測定者の血圧を連続的に測定するための制御を行なう制御手段をさらに備え、制御手段は、第1の駆動手段の駆動を制御して、カフ圧を、特定の圧力値を表わす初期カフ圧に設定するための第1の駆動制御手段と、カフ圧を初期カフ圧に設定した後に、動脈容積信号に基づいて、動脈の容積が一定となるように第2の駆動手段の駆動を制御するための第2の駆動制御手段と、第2の駆動制御手段による制御が行なわれている際に、圧力検出手段からの検出信号を連続的に受付けて、検出信号に応じたカフ圧を血圧として決定するための決定手段とを含み、血圧測定装置は、決定手段により決定された血圧を記憶するための記憶手段をさらに備える。
好ましくは、第1の駆動制御手段は、カフ圧を所定値まで加圧させる過程、または、カフ圧を所定値から減圧させる過程において、初期カフ圧を導出するための処理を行なう導出処理手段を有する。
好ましくは、エアシリンダは、制御部が含まれる本体部に設けられ、エアシリンダとカフとを接続する配管をさらに備える。
好ましくは、エアシリンダは、カフに設けられる。
好ましくは、初期カフ圧は、被測定者の最高血圧から最低血圧までの範囲内の値である。
好ましくは、初期カフ圧は、被測定者の最高血圧から最低血圧までの範囲内の値である。
好ましくは、導出処理手段は、検出信号を入力し、動脈の容積の振幅が最大となる時点におけるカフ圧を、初期カフ圧として導出する。
あるいは、導出処理手段は、検出信号を入力し、最低血圧を初期カフ圧として導出することが好ましい。
あるいは、導出処理手段は、検出信号を入力し、平均血圧を初期カフ圧として導出することが好ましい。
また、好ましくは、導出処理手段は、さらに、動脈容積信号の振幅が最大となる時点における容積の平均値を目標値として検出し、第2の駆動制御手段は、動脈の容積が目標値と一致するように第2の駆動手段の駆動を制御する。
好ましくは、決定手段は、動脈の容積と目標値との差が所定の閾値以内であると判断した場合にのみ、検出信号に応じたカフ圧を血圧として決定する。
好ましくは、加減圧手段は、カフを加圧するためのポンプと、カフを減圧するための排気弁とを含む。
あるいは、カフは、流体を内包する流体袋を含み、加減圧手段は、圧縮された流体を貯留するタンクと、流体袋とタンクとの間に設けられた制御弁とを含むことが好ましい。
好ましくは、第2の駆動手段は、リニアアクチュエータまたは回転型アクチュエータである。
好ましくは、容積検出手段は、動脈に対して光を照射するための発光素子と、発光素子によって照射された光の動脈の透過光を受光するための受光素子とを含む。
あるいは、容積検出手段は、動脈を含む部位のインピーダンスを検出するための複数の電極を含むことが好ましい。
本発明によると、測定部位が四肢であっても、容積補償法により高精度に血圧を測定することが可能となる。また、従来の四肢用の血圧計よりも装置が巨大化されることもないため、家庭などで簡便に血圧を連続的に測定することが可能となる。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
<外観および構成について>
はじめに、本発明の実施の形態1に係る血圧測定装置(以下、単に「血圧計」という)1の外観および構成について説明する。
<外観および構成について>
はじめに、本発明の実施の形態1に係る血圧測定装置(以下、単に「血圧計」という)1の外観および構成について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る血圧計1の外観斜視図である。
図1を参照して、血圧計1は、本体部10と、被測定者の四肢に巻き付け可能なカフ20とを備える。本体部10はカフ20に取り付けられている。本体部10の表面には、たとえば液晶等により構成される表示部40と、ユーザ(被測定者)からの指示を受付けるための操作部41とが配置されている。操作部41は、複数のスイッチを含む。
図1を参照して、血圧計1は、本体部10と、被測定者の四肢に巻き付け可能なカフ20とを備える。本体部10はカフ20に取り付けられている。本体部10の表面には、たとえば液晶等により構成される表示部40と、ユーザ(被測定者)からの指示を受付けるための操作部41とが配置されている。操作部41は、複数のスイッチを含む。
本実施の形態において、「四肢」とは、上肢および下肢のうち、それぞれの指を除く部位を表わす。つまり、四肢は、手首から腕の付け根までの部位と、足首から足の付け根までの部位とを含む。以下の説明においては、カフ20は、被測定者の手首に装着されるものとする。
なお、本実施の形態における血圧計1は、図1に示されるように、本体部10がカフ20に取り付けられた形態を例に説明するが、上腕式の血圧計で採用されているような、本体部10とカフ20とがエアチューブ(図3においてエアチューブ31)によって接続される形態のものであってもよい。
本発明の実施の形態1に係る血圧計1は、容積補償法により連続的に血圧を測定する。血圧計1は、生体外から動脈に外圧を加え、生体外圧と動脈内圧すなわち血圧とを常時平衡するようにフィードバック制御する。つまり、血圧計1は、動脈壁が無負荷状態に維持されるようにカフ圧を微調整し、そのとき(無負荷状態)の生体外圧を測定することにより連続的に血圧を測定する。
ところで、最高血圧と最低血圧の差(脈圧)は、大きければ150mmHg程度ある人もいる。また、最高血圧が200mmHgを超える人もいる。また、1拍ごとの脈波の周波数成分は、安静時で平均13Hz、運動時で平均25Hzまで存在することが知られている。
図11は、一般的な脈波の形状を示す図である。図11に示されるように、脈波の立ち上がり部分201が周波数成分として最も高くなる。すなわち、この図の例では、カフ圧を微調整する際に、0.04秒の間に最大150mmHg加圧する必要がある。カフ圧は、カフコンプライアンスと給排気流量との関係で決定される。「カフコンプライアンス」とは、カフ圧を1mmHg変化させるのに必要な空気流量を表わす。
図12は、手首用カフにおけるカフコンプライアンスの例を示す図である。図12の例では、最高血圧240mmHg,最低血圧90mmHgの脈圧150mmHgを増減させるために、0.15(ml/mmHg)×150(mmHg)=22.5ml必要である。これを0.04秒の間に増減するには、33.75リットル/minの流量が必要となる。
したがって、手首などの四肢を測定部位とする場合には、ポンプおよび排気弁(開ループ系)では制御不足となる。加圧制御は、従来のポンプを大容量ポンプに置きかえれば制御可能であるが、装置が巨大化する。また、現状の排気弁の構造では、流量を大きくすると応答性が劣る。もしくは、最小制御量が大きくなるため、実現不可能である。
さらに、一般的な血圧計における従来の制御方法には、別の問題点も存在する。図13は、流量−圧力特性を示す図である。図13には、ポンプにより一定流量(すなわち、ポンプの駆動電圧を一定電圧にする)を供給し、排気弁により排気量を制御したときの、流量−圧力特性が示される。
図13を参照して、ポンプおよび排気弁にかかる圧が高くなるほど、流量は減少する。カフコンプライアンスと照らし合わせると、従来の制御方法では制御可能な圧力範囲が限定されることになり、精度の高い測定が不可能であった。この圧力特性は、加減圧に使用するポンプ,排気弁の特性によるものである。ポンプを一定電圧で駆動した場合、制御対象であるカフの圧力が高くなればなるほど、ポンプの吐出量は減少する。また、排気弁を一定電圧で駆動した場合、制御対象であるカフの圧力が高くなればなるほど、弁の排気流量は大きくなる。さらに、これらの特性はいずれも直線的ではない。
これに対し、閉ループ系であるエアシリンダを使用すると、大容量を確保可能であり、かつ、応答性も確保可能となる。つまり、カフ圧を微調整するためにエアシリンダを使用することで、血圧範囲や測定部位の周囲長によらず、精度の高い測定が可能となる。
したがって、カフ圧の制御をすべて、エアシリンダと、エアシリンダを駆動するためのアクチュエータとで行なうことも考えられる。しかし、通常、カフ圧は0〜300mmHgの範囲で制御される。そのカフ圧の範囲をすべてエアシリンダでまかなうためには大容量のシリンダが必要となる。
そこで、本実施の形態に係る四肢用の血圧計1は、2系統の調整機構(カフ圧を加減圧するための装置)を備える。
図2は、本発明の実施の形態1に係る血圧計1における血圧測定システムの概念を表わした概念図である。図2には、カフ20が、被測定者の手首200に装着された様子が示される。
図2を参照して、本体部10には、ポンプ51および排気弁(以下、単に「弁」という)52を含む副調整機構と、エアシリンダ61および、エアシリンダ61を駆動するためのアクチュエータ62を含む主調整機構とが配置される。
ポンプ51、弁52、エアシリンダ61、および空気袋21内の圧力(カフ圧)を検出するための圧力センサ32(エア系30)は、エアチューブ31を介して、カフ20に内包される空気袋21と接続される。このように、本実施の形態では、エア系30が本体部10に設けられるため、カフ20の厚みを薄く保つことができる。
空気袋21の内側には発光素子71と受光素子72とが所定の間隔に配置される。本実施の形態では、カフ20の装着状態における周方向に発光素子71と受光素子72とが並べられるが、このような配置例に限定されるものではない。
カフ圧を初期カフ圧にセットするまでは、高速での応答性は必要とされず、かつ、カフ圧を200mmHg程度まで加圧する必要があるため、副調整機構50が用いられる。
これに対し、カフ圧が初期カフ圧にセットされて、血圧を連続的に測定する際には、高速での応答性が必要であるので、主調整機構60が用いられる。
なお、アクチュエータ62は、たとえば使用するシリンダの径を2.5cmとすると、80N(ニュートン)程度の駆動力があれば十分である。また、アクチュエータ62は、リニアアクチュエータなどの直線駆動型であっても、モータなどの回転駆動型であってもいずれでもよい。
また、カフ20には空気袋21が含まれることとしたが、カフ20に供給される流体は空気に限定されるものではなく、たとえば液体やゲルであってもよい。あるいは、流体に限定されるものではなく、マイクロビーズなどの均一な微粒子であってもよい。
図3は、本発明の実施の形態1に係る血圧計1のハードウェア構成を表わすブロック図である。
図3を参照して、血圧計1のカフ20は、空気袋21と、動脈容積センサ70とを含む。動脈容積センサ70は、上記した発光素子71と受光素子72とを有する。発光素子71は、動脈に対して光を照射し、受光素子72は、発光素子71によって照射された光の動脈の透過光を受光する。
なお、動脈容積センサ70は、動脈の容積が検出できるものであればよく、インピーダンスにより動脈の容積を検出するものであってもよい。その場合、発光素子71および受光素子72に代えて、動脈を含む部位のインピーダンスを検出するための複数の電極が含まれる。
本体部10は、上述の表示部40および操作部41に加え、各部を集中的に制御し、各種の演算処理を行なうためのCPU(Central Processing Unit)100と、CPU100に所定の動作をさせるプログラムや各種データを記憶するためのメモリ部42と、測定された血圧を記憶するための不揮発性メモリ(たとえばフラッシュメモリ)43と、CPU100に電力を供給するための電源44とを含む。操作部41は、電源をONまたはOFFするための指示の入力を受付ける電源スイッチ41Aと、測定開始の指示を受付けるための測定スイッチ41Bと、測定停止の指示を受付けるための停止スイッチ41Cと、フラッシュメモリ43に記録された血圧などの情報を読み出す指示を受付けるためのメモリスイッチ41Dとを有する。
本体部10は、さらに、上記した圧力センサ32、副調整機構50および主調整機構60と、発振回路33と、発光素子駆動回路73と、動脈容積検出回路74とを含む。
副調整機構50は、ポンプ51および弁52の他、ポンプ駆動回路53と弁駆動回路54とを有する。
ポンプ51は、カフ圧を加圧するために、空気袋21に空気を供給する。弁52は、空気袋21の空気を排出しまたは封入するために開閉される。ポンプ駆動回路53は、ポンプ51の駆動をCPU100から与えられる制御信号に基づいて制御する。弁駆動回路54は弁52の開閉制御をCPU100から与えられる制御信号に基づいて行なう。
なお、副調整機構50は、ポンプ51および弁52と、それらを駆動するための駆動回路54,55とを含むこととするが、これらに限定されるものではない。たとえば、副調整機構50は、タンクおよび制御弁と、制御弁を駆動するための駆動回路とを含んでいてもよい。
主調整機構60は、エアシリンダ61およびアクチュエータ62の他、アクチュエータ駆動回路63と、エンコーダ64とを有する。
アクチュエータ駆動回路63は、CPU100からの指令信号に従いアクチュエータ62を駆動する。アクチュエータ62は、エアシリンダ61を駆動する。エアシリンダ61は、アクチュエータ62に駆動されることで、カフ圧を制御する。エンコーダ64は、アクチュエータ62の位置情報を検出し、検出した位置情報をCPU100に出力する。これにより、CPU100は、アクチュエータ62の位置情報を得ることができる。
発光素子駆動回路73は、CPU100からの指令信号に応じて、発光素子71を所定のタイミングで発光させる。動脈容積検出回路74は、受光素子72からの信号に基づき、動脈容積を検出する。
圧力センサ32は、静電容量形の圧力センサでありカフ圧により容量値が変化する。発振回路33は、圧力センサ32の容量値に応じた発振周波数の信号をCPU100に出力する。CPU100は、発振回路33から得られる信号を圧力に変換し圧力を検知する。
図4は、本発明の実施の形態1に係る血圧計1の機能構成を示す機能ブロック図である。
図4を参照して、CPU100は、カフ圧を初期カフ圧にセットするための制御を行なう第1駆動制御部101と、血圧を連続的に測定するためのフィードバック制御を行なう第2駆動制御部106と、血圧決定部108とを含む。なお、図4には、第1駆動制御部101、第2駆動制御部106および血圧決定部108との間で直接的に信号が授受されるハードウェアのみ示されている。
第1駆動制御部101は、初期カフ圧を導出するための導出処理部102と、導出された初期カフ圧にカフ圧を設定するためのカフ圧設定部104とを含む。
導出処理部102は、カフ圧を所定値(たとえば200mmHg)まで加圧させる過程において、初期カフ圧を導出するための処理を行なう。導出処理部102は、ポンプ駆動回路53にポンプ51を駆動させるとともに、発光素子駆動回路73に発光素子71を駆動させる。ポンプ51が駆動されることで、カフ圧が徐々に上昇する。発光素子71の駆動により、受光素子72が受付けた信号が、動脈容積検出回路74に出力される。導出処理部102は、動脈容積検出回路74から動脈容積信号を取得するとともに、動脈容積信号の1拍ごとの変化(振幅)を表わす容積変化信号を検出する。
導出処理部102は、カフ圧が所定値となるまでポンプ駆動回路53の駆動を制御する。カフ圧が所定値に達するまでの間、容積変化信号の(仮の)最大値を検出するとともに、発振回路33からの信号を入力し、入力した信号を圧力値に変換する。そして、検出された仮の最大値とその時点におけるカフ圧とを、メモリ部42の所定の領域に記録する。仮の最大値とカフ圧とは、記録された(仮の)最大値が更新されるたびに上書き記録されてよい。
最終的に、容積変化信号の最大値として記録された値は、サーボ制御の際の制御目標値として確定される。また、容積変化信号が最大値のときのカフ圧(サーボ制御の際の基準カフ圧)は、初期カフ圧として確定される。
導出処理部102は、カフ圧が所定値となったことを検知すると、ポンプ駆動回路53の駆動を停止する。そして、確定された初期カフ圧および制御目標値をカフ圧設定部104に出力する。
なお、カフ圧を所定値から減圧させる過程において、初期カフ圧としての基準カフ圧が導出されてもよい。
カフ圧設定部104は、発振回路33からの信号を入力し、カフ圧が初期カフ圧となるまで弁駆動回路54を駆動する。これにより、弁52が空気を排出し、カフ圧が所定値から初期カフ圧まで減少される。
なお、本実施の形態では、基準カフ圧を初期カフ圧にセットすることとしたが、初期カフ圧は、被測定者の最低血圧から最高血圧の間であればよい。つまり、オフセット圧は、導出処理部102による処理において算出される最低血圧または平均血圧であってもよい。なお、このように、初期カフ圧を最低血圧や平均血圧とする場合、導出処理部102は、たとえばオシロメトリック法を用いた公知の手法で、このような値を算出することができる。
第2駆動制御部106は、発光素子駆動回路73を駆動する。そして、動脈容積検出回路74からの信号に基づいて、動脈の容積が一定となるようにアクチュエータ駆動回路63を駆動する。より具体的には、第2駆動制御部106は、動脈容積検出回路74から受付けた動脈容積信号と制御目標値との差が最小となるように(好ましくはゼロになるように)、アクチュエータ駆動回路63を駆動する。つまり、アクチュエータ駆動回路63は、容積変化信号の値(振幅)が所定の閾値以下となるように駆動制御される。
血圧決定部108は、第2駆動制御部106による制御が行なわれている際に、発振回路33からの信号(「圧力検出信号」という)を連続的に(定期的に)受付けて、圧力検出信号に応じたカフ圧を、血圧として決定するための処理を行なう。より具体的には、血圧決定部108は、動脈容積信号の値と制御目標値との差が、所定の閾値以下であるか否かを判断する。そうである場合にのみ、そのときのカフ圧を血圧として決定する。決定された血圧は、フラッシュメモリ43に時系列に格納される。
なお、CPU100に含まれる各機能ブロックの動作は、メモリ部42中に格納されたソフトウェアを実行することで実現されてもよいし、これらの機能ブロックのうち少なくとも1つについては、ハードウェアで実現されてもよい。
あるいは、ハードウェア(回路)として記載したブロックのうち少なくとも1つについては、CPU100がメモリ部42中に格納されたソフトウェアを実行することで実現されてもよい。
<動作について>
次に、本実施の形態における血圧計1の動作について説明する。
次に、本実施の形態における血圧計1の動作について説明する。
図5は、本発明の実施の形態1における血圧測定処理を示すフローチャートである。図5のフローチャートに示す処理は、予めプログラムとしてメモリ部42に格納されており、CPU100がこのプログラムを読み出して実行することにより、血圧測定処理の機能が実現される。
図5を参照して、CPU100は、電源スイッチ41Aが押下されたか否かを判断する(ステップS2)。電源スイッチ41Aが押下されたと判断した場合(ステップS2においてYES)、ステップS4に進む。
ステップS4において、CPU100は、初期化処理を行なう。具体的には、メモリ部42の所定の領域を初期化し、空気袋21の空気を排気し、圧力センサ32の補正を行なう。
初期化が終わると、CPU100は、測定スイッチ41Bが押下されたか否かを判断する(ステップS6)。測定スイッチ41Bが押下されるまで待機する。測定スイッチ41Bが押下されたと判断すると(ステップS6においてYES)、ステップS8に進む。
ステップS8において、第1駆動制御部101の導出処理部102は、初期カフ圧導出処理を実行する。初期カフ圧導出処理については、図6および図7を用いて詳細に説明する。
図6は、本発明の実施の形態1における初期カフ圧導出処理を示すフローチャートである。図7は、本発明の実施の形態1の血圧測定処理を説明するための図である。図7(a)には、時間軸に沿ったカフ圧Pcが示され、図7(b)には、時間軸に沿った動脈容積信号Siが示され、図7(c)には、時間軸に沿った容積変化信号Siiが示される。
図6を参照して、導出処理部102は、メモリ部42の所定の領域に記憶される、容積変化信号Siiの最大値およびカフ圧値を初期化する(ステップS102)。なお、以下の処理において容積変化信号Siiの最大値は随時更新されるものであるので、最終的に最大値として確定するまでの値を「容積仮最大値」というものとする。
次に、ポンプ駆動回路53を駆動制御して、カフ圧を加圧する(ステップS104)。
カフ圧を加圧する段階において、導出処理部102は、動脈容積検出回路74からの信号(動脈容積信号)Siを検出する(ステップS106)。導出処理部102は、さらに、動脈容積信号Siから得られる容積変化信号Siiを検出する。
カフ圧を加圧する段階において、導出処理部102は、動脈容積検出回路74からの信号(動脈容積信号)Siを検出する(ステップS106)。導出処理部102は、さらに、動脈容積信号Siから得られる容積変化信号Siiを検出する。
導出処理部102は、容積変化信号Siiの値がメモリ部42に記憶された容積仮最大値以上であるか否かを判断する(ステップS108)。容積変化信号Siiの値が容積仮最大値以上であると判断された場合(ステップS108においてYES)、ステップS110に進む。一方、容積変化信号Siiが容積仮最大値未満であると判断された場合(ステップS108においてNO)、ステップS112に進む。
ステップS110において、導出処理部102は、容積仮最大値を更新するとともに、その時点におけるカフ圧を上書き記録する。この処理が終わると、処理はステップS112に移される。
ステップS112において、導出処理部102は、カフ圧が所定値(図7における点P1)以上であるか否かを判断する。カフ圧が所定値P1に達していないと判断した場合(ステップS112においてNO)、ステップS104に戻る。一方、カフ圧が所定値P1以上であると判断した場合(ステップS112においてYES)、ステップS114に進む。
ステップS114において、導出処理部102は、ステップS110において最終的に記録された容積仮最大値Siimを最大値として確定するとともに、最大値Siimが検出された時点tmにおけるカフ圧値Pcmを初期カフ圧として確定する。導出処理部102は、さらに、時点tmにおける動脈容積信号Siの平均値Simを、制御目標値として確定する。
ステップS114の処理が終わると、処理はメインルーチンに戻される。
再び図5を参照して、上述のような初期カフ圧導出処理が終了されると、カフ圧設定部104は、弁駆動回路54を駆動して、カフ圧を初期カフ圧Pcmに設定する(ステップS10)。図7を参照して、カフ圧設定部104は、カフ圧が初期カフ圧Pcmに設定された時点t1で、弁駆動回路54を停止させる。
再び図5を参照して、上述のような初期カフ圧導出処理が終了されると、カフ圧設定部104は、弁駆動回路54を駆動して、カフ圧を初期カフ圧Pcmに設定する(ステップS10)。図7を参照して、カフ圧設定部104は、カフ圧が初期カフ圧Pcmに設定された時点t1で、弁駆動回路54を停止させる。
このようにカフ圧が初期カフ圧Pcmに設定されると、容積変化信号Siiが示す振幅は最大となる。
カフ圧が初期カフ圧Pcmに設定されると、主調整機構60を用いた動脈容積一定制御が実行される(ステップS12)。具体的には、第2駆動制御部106は、動脈容積信号Siおよび容積変化信号Siiを検出するとともに、アクチュエータ駆動回路63に制御信号を出力し、アクチュエータ62を駆動させる。容積変化信号Siiの値がほぼゼロになるように、エアシリンダ61が高速で駆動される。
図7の例では、時刻t2から動脈容積一定制御が開始されたことが示される。
このような動脈容積一定制御に並行して、血圧決定部108は、(動脈容積信号Siが示す)動脈容積と制御目標値Simとの差は所定のしきい値以下であるか否かを判断する。つまり、容積変化信号Siiの値がゼロに近いか否かが判断される。
このような動脈容積一定制御に並行して、血圧決定部108は、(動脈容積信号Siが示す)動脈容積と制御目標値Simとの差は所定のしきい値以下であるか否かを判断する。つまり、容積変化信号Siiの値がゼロに近いか否かが判断される。
動脈容積と目標値Siaとの差がしきい値以下であると判断した場合(ステップS14においてYES)、血圧決定部108は、そのときのカフ圧を血圧として決定し、フラッシュメモリ43に格納する(ステップS16)。ステップS16の処理が終わると、ステップS18に進む。
一方、動脈容積と目標値Simとの差が所定のしきい値を超えると判断した場合(ステップS14においてNO)、ステップS18に進む。
図7に示される時刻t3以降は、動脈容積と制御目標値Simとの差はゼロに近い。したがって、時刻t3以降のカフ圧Pcが血圧として判定される。
ステップS18において、第2駆動制御部106は、停止スイッチ41Cが押下されたか否かを判断する。停止スイッチ41Cが押下されていないと判断した場合(ステップS18においてNO)、ステップS12に戻る。停止スイッチ41Cが押下されたと判断した場合(ステップS18においてYES)、一連の血圧測定処理は終了される。
このように、本実施の形態によると、連続的に血圧を測定することができる。したがって、血圧計1は、脈波を測定することができる。
なお、上記したように、本実施の形態では、血圧として決定されたカフ圧を時系列にフラッシュメモリ43に記録することとしたが、このような形態に限定されるものではない。たとえば、メモリ部42に一時的に、連続的に得られる血圧を記録しておいて、他の血圧情報をフラッシュメモリ43に記録するものであってもよい。他の血圧情報としては、たとえば、1拍の脈波ごとの最高血圧および最低血圧であってもよい。または、連続的に得られる血圧に基づいた脈波波形に所定のアルゴリズムを適用することで算出可能な、AI(Augmentation Index)であってもよい。
あるいは、メモリ部42に一時的に、連続的に得られる血圧を記録しておき、リアルタイムで表示部40に脈波波形を表示してもよい。
また、本実施の形態では、停止スイッチ41Cの押下が検知された場合に、血圧測定処理を終了することとしたが、動脈容積一定制御が開始されてから所定時間経過した場合に、終了することとしてもよい。
<データ構造について>
次に、以上の血圧測定処理によりフラッシュメモリ43に格納される各測定データのデータ構造について説明する。
次に、以上の血圧測定処理によりフラッシュメモリ43に格納される各測定データのデータ構造について説明する。
図8(a)は、本発明の実施の形態1の血圧計1における各測定データのデータ構造を示す図である。
図8(a)を参照して、フラッシュメモリ43に格納される測定データ80の各々は、一例として「ID情報」、「記録日時」、「血圧情報」の3つのフィールド81〜83を含む。各フィールドの内容について概略すると、「ID情報」フィールド81は、各測定データを特定するための識別番号などを格納し、「記録日時」フィールド82は、図示しないクロックにより計時された、各測定データの測定開始日時や測定期間などの情報を格納する。また、「血圧情報」フィールド83は、時系列の血圧データすなわち、脈波波形データを格納する。
図8(b)は、測定データに含まれる血圧情報フィールド83のデータ構造を示す図である。
図8(b)を参照して、血圧情報フィールド83は、「時間データ」を格納する領域831と、「血圧データ」を格納する領域832とを有している。
領域831には、サンプリング周期に応じた複数の時間データ1,2,3,・・・,Nが格納される。領域832には、領域831の時間データそれぞれと対応付けて、血圧データBD(1),BD(2),・・・,BD(n)が格納される。領域832中、「−」で示された領域は、その時点における動脈容積の値と目標値との差が所定値を越えていて血圧として記録されなかったことを示している。
なお、格納形態は、このような例に限定されず、時間(時刻)と血圧とが対応付けられて記憶されればよい。
このように、フラッシュメモリ43には、血圧情報が記憶される。この血圧情報は、最高血圧、最低血圧、平均血圧などの血圧値の他、脈拍、AIなど、脈波から算出可能な指標をも含む。
なお、本実施の形態では、毎回、導出処理部102が初期カフ圧を導出することとした。このため、フィードバック制御のために適正なカフ圧を初期カフ圧に設定することができる。しかしながら、必ずしも毎回このような導出処理が実行されなくてもよい。たとえば、フラッシュメモリ43に記憶された過去の血圧情報に基づいて所期カフ圧が設定されてもよい。
より具体的には、たとえば、直前の血圧情報(脈波情報)に基づいて設定されてもよい。この場合、第1駆動制御部101は、1回分の測定データに含まれる全ての波形の最低血圧(または平均血圧)の平均値を算出し、その値を初期カフ圧として確定してもよい。
このように、過去の血圧情報に基づいて初期カフ圧を設定すると、カフ圧を所定値P1(最高血圧以上)まで上昇させる必要がなくなる。そのため、初めからカフ圧が無負荷状態に近い状態にセットすることができ、被測定者の測定部位に対する拘束性を軽減することができる。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2に係る血圧計について説明する。
次に、本発明の実施の形態2に係る血圧計について説明する。
上記実施の形態1では、エア系は本体部に設けられた。これに対し、実施の形態2では、エア系はカフ内に設けられる。なお、実施の形態2における血圧計の外観およびその基本的な構成は実施の形態1と同様であってよいため、その説明は繰り返さない。
以下、実施の形態1と異なる部分のみ説明する。
図9は、本発明の実施の形態2に係る血圧計1#のハードウェア構成を表わすブロック図である。
図9は、本発明の実施の形態2に係る血圧計1#のハードウェア構成を表わすブロック図である。
図9を参照して、血圧計1#は、本体部10#とカフ20#とを含む。実施の形態1において本体部10に含まれたエア系30(すなわち、圧力センサ32,ポンプ51,弁52,エアシリンダ61)は、カフ20#の空気袋21に直結される。これにより、本実施の形態では、エアチューブを必要としない。
図10は、本発明の実施の形態2に係る血圧計1#における血圧測定システムの概念を表わした概念図である。
図10を参照して、空気袋21は、圧力センサ32、ポンプ51、弁52、エアシリンダ61と直接接続される。
したがって、実施の形態1の図1で示したような手首式の血圧計のみならず、上腕式の血圧計であっても、さらに応答性を高めることができる。
なお、上記各実施の形態における血圧計1,1#は、1本のエアシリンダ61を備えることとしたが、複数のエアシリンダを備えることとしてもよい。その場合、1本当たりのアクチュエータのストロークを単数の場合よりも短くして応答性を高めることができる。さらに、全体(総和として)でのストロークは確保されるため、制御分解能(細かな制御)も可能となる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 血圧測定装置(血圧計)、10 本体部、20 カフ、21 空気袋、30 エア系、31 エアチューブ、32 圧力センサ、33 発振回路、40 表示部、41 操作部、41A 電源スイッチ、41B 測定スイッチ、41C 停止スイッチ、41D メモリスイッチ、42 メモリ部、43 フラッシュメモリ、44 電源、50 副調整機構、51 ポンプ、52 弁、53 ポンプ駆動回路、54 弁駆動回路、60 主調整機構、61 エアシリンダ、62 アクチュエータ、63 アクチュエータ駆動回路、64 エンコーダ、70 動脈容積センサ、71 発光素子、72 受光素子、73 発光素子駆動回路、74 動脈容積検出回路、80 測定データ、100 CPU、101 第1駆動制御部、102 導出処理部、104 カフ圧設定部、106 第2駆動制御部、108 血圧決定部、200 手首。
Claims (15)
- 容積補償法により血圧を測定するための血圧測定装置であって、
被測定者の四肢に巻き付けるためのカフと、
前記カフ内の圧力を表わすカフ圧を検出するための圧力検出手段と、
前記カフに設けられ、前記被測定者の動脈の容積を示す動脈容積信号を検出するための容積検出手段と、
カフ圧を調整するための第1および第2の調整手段とを備え、
前記第1の調整手段は、
カフ圧を加圧および減圧するための加減圧手段と、
前記加減圧手段を駆動させるための第1の駆動手段とを含み、
前記第2の調整手段は、
前記加減圧手段よりも速い速度で、カフ圧を加圧および減圧するためのエアシリンダと、
前記エアシリンダを駆動するための第2の駆動手段とを含み、
前記被測定者の血圧を連続的に測定するための制御を行なう制御手段をさらに備え、
前記制御手段は、
前記第1の駆動手段の駆動を制御して、カフ圧を、特定の圧力値を表わす初期カフ圧に設定するための第1の駆動制御手段と、
カフ圧を前記初期カフ圧に設定した後に、前記動脈容積信号に基づいて、前記動脈の容積が一定となるように前記第2の駆動手段の駆動を制御するための第2の駆動制御手段と、
前記第2の駆動制御手段による制御が行なわれている際に、前記圧力検出手段からの検出信号を連続的に受付けて、前記検出信号に応じたカフ圧を血圧として決定するための決定手段とを含み、
前記決定手段により決定された血圧を記憶するための記憶手段をさらに備える、血圧測定装置。 - 前記第1の駆動制御手段は、カフ圧を所定値まで加圧させる過程、または、カフ圧を所定値から減圧させる過程において、前記初期カフ圧を導出するための処理を行なう導出処理手段を有する、請求項1に記載の血圧測定装置。
- 前記エアシリンダは、前記制御部が含まれる本体部に設けられ、
前記エアシリンダと前記カフとを接続する配管をさらに備える、請求項1または2に記載の血圧測定装置。 - 前記エアシリンダは、前記カフに設けられる、請求項1または2に記載の血圧測定装置。
- 前記初期カフ圧は、前記被測定者の最高血圧から最低血圧までの範囲内の値である、請求項2〜4のいずれかに記載の血圧測定装置。
- 前記導出処理手段は、前記検出信号を入力し、前記動脈の容積の振幅が最大となる時点におけるカフ圧を、前記初期カフ圧として導出する、請求項5に記載の血圧測定装置。
- 前記導出処理手段は、前記検出信号を入力し、前記最低血圧を前記初期カフ圧として導出する、請求項5に記載の血圧測定装置。
- 前記導出処理手段は、前記検出信号を入力し、平均血圧を前記初期カフ圧として導出する、請求項5に記載の血圧測定装置。
- 前記導出処理手段は、さらに、前記動脈容積信号の振幅が最大となる時点における容積の平均値を目標値として検出し、
前記第2の駆動制御手段は、前記動脈の容積が前記目標値と一致するように前記第2の駆動手段の駆動を制御する、請求項2〜8のいずれかに記載の血圧測定装置。 - 前記決定手段は、前記動脈の容積と前記目標値との差が所定の閾値以内であると判断した場合にのみ、前記検出信号に応じたカフ圧を血圧として決定する、請求項9に記載の血圧測定装置。
- 前記加減圧手段は、
前記カフを加圧するためのポンプと、
前記カフを減圧するための排気弁とを含む、請求項1〜10のいずれかに記載の血圧測定装置。 - 前記カフは、流体を内包する流体袋を含み、
前記加減圧手段は、
圧縮された流体を貯留するタンクと、
前記流体袋と前記タンクとの間に設けられた制御弁とを含む、請求項1〜11のいずれかに記載の血圧測定装置。 - 前記第2の駆動手段は、リニアアクチュエータまたは回転型アクチュエータである、請求項1〜12のいずれかに記載の血圧測定装置。
- 前記容積検出手段は、
前記動脈に対して光を照射するための発光素子と、
前記発光素子によって照射された光の前記動脈の透過光を受光するための受光素子とを含む、請求項1〜13のいずれかに記載の血圧測定装置。 - 前記容積検出手段は、前記動脈を含む部位のインピーダンスを検出するための複数の電極を含む、請求項1〜13のいずれかに記載の血圧測定装置。
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