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JP5080736B2 - 耐火物の製造方法及びこれにより得られた耐火物 - Google Patents

耐火物の製造方法及びこれにより得られた耐火物 Download PDF

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Description

本発明は、変形やアルカリの侵食が極めて小さく、高温時における強度、ヤング率、熱伝導率及びクリープ特性に優れ、低温焼成を実現した耐火物の製造方法及びこれにより得られた耐火物に関する。
ムライト(Al23−SiO2)系セラミックスは、古くから理化学用磁器、耐火物等として利用されてきたが、非酸化物系セラミックスと比べて、熱安定性に優れていることから好適に用いられてきた。
例えば、Al23−SiO2系の耐火物は、一般的に、シリマナイト(Al2SiO5)系天然原料を主とし、結合材に、Al23−SiO2系粘土鉱物を用いており、その焼成温度は、1500℃以下と比較的低温である。焼成時、シリマイトは、以下の式に従い一部ムライト化するが、高温(例えば、1300℃以上)での使用時には、更に、ムライト化が進行する。
3Al2SiO5→3Al23・2SiO2+SiO2
このため、シリマナイト(Al2SiO5)系天然原料を主としたAl23−SiO2系の耐火物は、ムライト化が進行し過ぎると組織の変化が起こり、ムライト高温特性(高温時における強度、ヤング率及びクリープ特性)の劣化及び変形が大きくなる。また、シリマナイトや粘土鉱物中に不純物が含まれているため、アルカリに侵食されやすい傾向を持つことが知られている。
一方、純度の高い合成原料を用いた耐火物は、不純物を必要最小限に抑制することができるため、高温特性に優れており、且つ耐久性が高いことが知られている。しかしながら、純度の高い合成原料を用いた耐火物を焼成するためには、1600〜1800℃の高温が必要であった。
以上のことから、シリマナイト系天然原料を主としたAl23−SiO2系の耐火物は、1300℃以上の使用において、経時変化が大きく、特性劣化しやすいため、短いサイクルでの交換が必要となり、廃棄物量が多くなるため、経済的でなかった。
また、純度の高い合成原料を用いた耐火物は、高温特性に優れ、高温使用での安定性を有するため、長期間の使用が可能であり、廃棄物量を削減することができるが、高温焼成(1600〜1800℃)をする必要があるため、焼成時のエネルギー消費量が多くなり、環境への負荷が増大するとともに、シリマナイト系天然原料を主としたAl23−SiO2系の耐火物の量産設備では焼成することが困難であった。
本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、変形やアルカリの侵食が極めて小さく、高温時における強度、ヤング率、熱伝導率及びクリープ特性に優れ、低温焼成を実現した耐火物の製造方法及びこれにより得られた耐火物を提供する。
上記目的を達成するため、本発明によって、下記の耐火物の製造方法及びこれにより得られた耐火物が提供される。
[1] 骨材として、平均粒径100μm〜4mmのムライト及び/又はアルミナを65〜80質量%、微粒から構成されたマトリックスとして、平均粒径1〜5μmのアルミナ及び/又はムライトを10〜33質量%、且つ結合材として、平均粒径0.5〜10μmであり、不純物量が7.5質量%以下のSiOを3〜8質量%配合したものを成形し、1400〜1600℃(1600℃を除く)の焼成温度で焼成する耐火物の製造方法。
] 骨材/マトリックス(質量比)が、80/20〜65/35である[1に記載の耐火物の製造方法。
] 骨材として、平均粒径100μm〜4mmのムライト及び/又はアルミナを5〜70質量%と、平均粒径100μm〜4mmのSiCを10〜75質量%含み、微粒から構成されたマトリックスとして、平均粒径1〜5μmのアルミナ及び/又はムライトを10〜33質量%且つ結合材として、平均粒径0.5〜10μmであり、不純物量が7.5質量%以下のSiOを3〜8質量%配合したものを成形し、1400〜1600℃の焼成温度で焼成する耐火物の製造方法。
] 骨材/マトリックス(質量比)が、80/20〜65/35である[3]に記載の耐火物の製造方法。
] [1]〜[]のいずれかに記載の耐火物の製造方法で製造された耐火物。
以上説明したように、本発明の耐火物の製造方法及びこれにより得られた耐火物は、変形やアルカリの侵食が極めて小さく、高温時における強度、ヤング率、熱伝導率及びクリープ特性に優れ、低温焼成を実現することができる。
以下、本発明の耐火物の製造方法及びこれにより得られた耐火物を具体的な実施形態に基づき詳細に説明するが、本発明は、これに限定されて解釈されるもではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
本発明に係る耐火物の製造方法(1)は、骨材として、平均粒径100μm〜4mmのムライト及び/又はアルミナを65〜80質量%、微粒から構成されたマトリックスとして、平均粒径1〜5μmのアルミナ及び/又はムライトを10〜33質量%、且つ結合材として、平均粒径0.5〜10μmであり、不純物量が7.5質量%以下のSiOを3〜8質量%配合したものを成形し、1400〜1600℃(1600℃を除く)の焼成温度で焼成するものである。
また、本発明に係る耐火物の製造方法(2)は、骨材として、平均粒径100μm〜4mmのムライト及び/又はアルミナを5〜70質量%と、平均粒径100μm〜4mmのSiCを10〜75質量%微粒から構成されたマトリックスとして、平均粒径1〜5μmのアルミナ及び/又はムライトを10〜33質量%且つ結合材として、平均粒径0.5〜10μmであり、不純物量が7.5質量%以下のSiOを3〜8質量%配合したものを成形し、1400〜1600℃の焼成温度で焼成するものである。
以上の製造方法(1)及び(2)で得られた耐火物は、従来の耐火物(例えば、シリマナイト系天然原料を主としたAl23−SiO2系の耐火物)と比較して、変形やアルカリの侵食が極めて小さく、高温時(例えば、1300℃以上)における強度、ヤング率、熱伝導率及びクリープ特性に優れているため、長いサイクルで使用することができるため、廃棄物量を低減することができ、経済的であるとともに、純度の高い合成原料を用いた耐火物と比較して、低温で焼成することができるため、焼成時のエネルギー消費量を抑制することができ、環境への負荷を低減することができるとともに、従来の耐火物(例えば、シリマナイト系天然原料を主としたAl23−SiO2系の耐火物)の量産設備でも焼成することができる。
このとき、本発明の耐火物の製造方法(1)及び(2)は、焼成温度の下限が、1400℃(より好ましくは、1440℃)である。これは、焼成温度が1400℃未満であると、室温時における強度やヤング率が低下するだけでなく、高温使用時(例えば、1300℃)においても十分な特性(強度、ヤング率及び熱伝導率)を有する耐火物を得ることができない。一方、焼成温度が1600℃を超過する場合、得られた耐火物の特性は問題無いが、焼成時のエネルギー消費量が多くなり、環境への負荷が増大するとともに、従来の耐火物(シリマナイト系天然原料を主としたAl23−SiO2系の耐火物)の量産設備では焼成することが困難である。
また、本発明の耐火物の製造方法(1)では、骨材として、平均粒径100μm〜4mmのムライト及び/又はアルミナ(原材料)が65〜80質量%含まれていることが好ましい。これは、良好なクリープ特性を発現でき、熱応力により発生した亀裂の伝播を抑制できるからである。
更に、本発明の耐火物の製造方法(2)では、骨材として、平均粒径100μm〜4mmのムライト及び/又はアルミナ(原材料)が5〜70質量%と、平均粒径100μm〜4mmのSiC(原材料)が10〜75質量%含まれていることが好ましい。
尚、本発明の耐火物の製造方法(1)及び(2)で用いる骨材は、100μm〜4mm(より好ましくは、200μm〜3mm)の原材料を、平均粒径ごとに所定の割合で、適宜配合されていることが好ましい。これは、原材料の充填が密になり、より良好なクリープ特性が発現できるからである。
また、本発明の耐火物の製造方法(1)では、マトリックス(微粒成分)として、平均粒径1〜5μmのアルミナ又はムライトが10〜33質量%(より好ましくは、25〜30質量%)含まれていることが好ましい。これにより、組織の焼結性が向上し、良好な強度特性を発現することができる。
このとき、本発明の耐火物の製造方法(1)及び(2)では、骨材/マトリックス(質量比)が、80/20〜65/35であることが好ましい。これは、上述したように、良好なクリープ特性を発現でき、熱応力により発生した亀裂の伝播を抑制することができるからである。
更に、本発明の耐火物の製造方法(1)及び(2)では、上記骨材及び上記マトリックスに、結合材として、平均粒径0.5〜10μm(より好ましくは、0.5〜5μm)であり、不純物量が7.5%質量以下(より好ましくは、2質量%未満であり、更に好ましくは、1質量%未満)のSiO2を3〜8質量%(より好ましくは、4〜7質量%)配合されていることが好ましい。
これは、SiO2の平均粒径が0.5μm未満である場合、原料の混練時に凝集が起こり、分散性が低下するからである。また、SiO2の平均粒径が10μmを超過する場合、表面エネルギーが低下し、焼結効果が十分に得られないため、高温使用時(例えば、1300℃以上)における強度及びヤング率を十分に得ることができず、更に、室温時における強度やヤング率も低下する。
また、SiO2の不純物量が7.5%を超過する場合、軟化温度の低いガラス相が生成するため、高温使用時(例えば、1300℃以上)における強度及びヤング率を十分に得ることができなかった。
更に、SiO2の耐火物原料中への配合量が3質量%未満である場合、結合材量が不足するため、焼結効果が十分に得られず、高温使用時(例えば、1300℃以上)における強度及びヤング率を十分に得ることができず、更に、室温時における強度やヤング率も低下する。一方、SiO2の耐火物原料中への配合量が8質量%を超過する場合、開気孔率が低下し、熱衝撃による亀裂の伝播を抑制する特性が低下するため、割れが発生しやすくなる。
次に、本発明の耐火物の製造方法(1)及び(2)は、上記のように調整された骨材及びマトリックス(微粒成分)に、上記のように調整された結合材が配合された耐火物原料が所定量になるように秤量し(秤量工程)、得られた原料にバインダーを添加・混合後、更にイオン交換水を添加し・混錬を行った(混錬工程)後、室温で一定時間熟成し(熟成工程)、熟成された混練物を所定のサイズになるように成形(成形工程)・乾燥し(乾燥工程)、得られた成形体は、大気雰囲気中、1400℃程度で焼成後、必要な形状に加工する(加工工程)ものである。
尚、マトリックス成分の平均粒子径は、JIS R 1629に準拠して、レーザー回折式粒度分布測定装置(ADL−3100[(株)島津製作所製])にて測定した。また、結合材であるSiO2の不純物量は、誘導結合プラズマ原子発光分析装置[ICP−55(日本JARRELL−ASH社製)]にて測定した。
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によっていかなる制限を受けるものではない。
(実施例1)
平均粒径3mm、1mm、0.2mmのムライトを各々24.3質量%、24.3質量%、26.5質量%となるように調整した骨材に、平均粒径4μmのムライトから構成されたマトリックス(微粒成分)が20.7質量%と、平均粒径2μmのSiO2(不純物量1質量%未満)から構成された結合材を4.2質量%配合した耐火物原料を得た。得られた耐火物原料を表1に示す工程を経て、耐火物である焼成体を得た。
Figure 0005080736
(実施例2)
平均粒径3mm、1mm、0.2mmのアルミナを各々24.3質量%、24.3質量%、26.5質量%となるように調整した骨材に、平均粒径4μmのアルミナから構成されたマトリックス(微粒成分)が20.7質量%と、平均粒径2μmのSiO2(不純物量1質量%未満)から構成された結合材を4.2質量%配合した耐火物原料を得た。得られた耐火物原料を表1に示す工程を経て、耐火物である焼成体を得た。
(実施例3)
平均粒径3mm、1mm、0.2mmのムライトを各々21.1質量%、21.1質量%、23質量%となるように調整した骨材に、平均粒径4μmのムライトから構成されたマトリックス(微粒成分)が30.6質量%と、平均粒径2μmのSiO2(不純物量1質量%未満)から構成された結合材を4.2質量%配合した耐火物原料を得た。得られた耐火物原料を表1に示す工程を経て、耐火物である焼成体を得た。
(実施例4)
平均粒径3mm、1mm、0.2mmのムライトを各々26質量%、26質量%、28.3質量%となるように調整した骨材に、平均粒径4μmのムライトから構成されたマトリックス(微粒成分)が15.5質量%と、平均粒径2μmのSiO2(不純物量1質量%未満)から構成された結合材を4.2質量%配合した耐火物原料を得た。得られた耐火物原料を表1に示す工程を経て、耐火物である焼成体を得た。
(実施例5)
平均粒径3mm、1mm、0.2mmのムライトを各々24.3質量%、24.3質量%、26.5質量%となるように調整した骨材に、平均粒径1μmのムライトから構成されたマトリックス(微粒成分)が20.7質量%と、平均粒径2μmのSiO2(不純物量1質量%未満)から構成された結合材を4.2質量%配合した耐火物原料を得た。得られた耐火物原料を表1に示す工程を経て、耐火物である焼成体を得た。
(実施例6)
平均粒径3mm、1mm、0.2mmのムライトを各々24.3質量%、24.3質量%、26.5質量%となるように調整した骨材に、平均粒径5μmのムライトから構成されたマトリックス(微粒成分)が20.7質量%と、平均粒径2μmのSiO2(不純物量1質量%未満)から構成された結合材を4.2質量%配合した耐火物原料を得た。得られた耐火物原料を表1に示す工程を経て、耐火物である焼成体を得た。
(実施例7)
平均粒径3mm、1mm、0.2mmのムライトを各々24.3質量%、24.3質量%、26.5質量%となるように調整した骨材に、平均粒径4μmのムライトから構成されたマトリックス(微粒成分)が20.7質量%と、平均粒径10μmのSiO2(不純物量1質量%未満)から構成された結合材を4.2質量%配合した耐火物原料を得た。得られた耐火物原料を表1に示す工程を経て、耐火物である焼成体を得た。
(実施例8)
平均粒径3mm、1mm、0.2mmのムライトを各々24.3質量%、24.3質量%、26.5質量%となるように調整した骨材に、平均粒径4μmのムライトから構成されたマトリックス(微粒成分)が21.9質量%と、平均粒径2μmのSiO2(不純物量1質量%未満)から構成された結合材を3質量%配合した耐火物原料を得た。得られた耐火物原料を表1に示す工程を経て、耐火物である焼成体を得た。
(実施例9)
平均粒径3mm、1mm、0.2mmのムライトを各々24.3質量%、24.3質量%、26.5質量%となるように調整した骨材に、平均粒径4μmのムライトから構成されたマトリックス(微粒成分)が16.9質量%と、平均粒径2μmのSiO2(不純物量1質量%未満)から構成された結合材を8質量%配合した耐火物原料を得た。得られた耐火物原料を表1に示す工程を経て、耐火物である焼成体を得た。
(実施例10)
平均粒径3mm、1mm、0.2mmのムライトを各々24.3質量%、24.3質量%、26.5質量%となるように調整した骨材に、平均粒径4μmのムライトから構成されたマトリックス(微粒成分)が20.7質量%と、平均粒径2μmのSiO2(不純物量7.5質量%)から構成された結合材を4.2質量%配合した耐火物原料を得た。得られた耐火物原料を表1に示す工程を経て、耐火物である焼成体を得た。
(実施例11)
平均粒径3mm、1mm、0.2mmのムライトを各々24.3質量%、24.3質量%、26.5質量%となるように調整した骨材に、平均粒径4μmのムライトから構成されたマトリックス(微粒成分)が20.7質量%と、平均粒径2μmのSiO2(不純物量1質量%未満)から構成された結合材を4.2質量%配合した耐火物原料を得た。得られた耐火物原料を表1に示す工程を経て、耐火物である焼成体を得た。但し、焼成は1400℃で行った。
(実施例12)
平均粒径1mmのムライトを25質量%、平均粒径3mm及び0.2mmのSiCを各々25質量%で構成された骨材に、平均粒径4μmのムライトから構成されたマトリックス(微粒成分)が18質量%と、平均粒径2μmのSiO2(不純物量1質量%未満)から構成された結合材を7質量%配合した耐火物原料を得た。得られた耐火物原料を表1に示す工程を経て、耐火物である焼成体を得た。
(比較例1)
平均粒径3mm、1mm、0.2mmのムライトを各々24.3質量%、24.3質量%、26.5質量%となるように調整した骨材に、平均粒径4μmのムライトから構成されたマトリックス(微粒成分)が20.7質量%と、平均粒径12μmのSiO2(不純物量1質量%未満)から構成された結合材を4.2質量%配合した耐火物原料を得た。得られた耐火物原料を表1に示す工程を経て、耐火物である焼成体を得た。
(比較例2)
平均粒径3mm、1mm、0.2mmのムライトを各々24.3質量%、24.3質量%、26.5質量%となるように調整した骨材に、平均粒径4μmのムライトから構成されたマトリックス(微粒成分)が22.9質量%と、平均粒径2μmのSiO2(不純物量1質量%未満)から構成された結合材を2質量%配合した耐火物原料を得た。得られた耐火物原料を表1に示す工程を経て、耐火物である焼成体を得た。
(比較例3)
平均粒径3mm、1mm、0.2mmのムライトを各々24.3質量%、24.3質量%、26.5質量%となるように調整した骨材に、平均粒径4μmのムライトから構成されたマトリックス(微粒成分)が15.9質量%と、平均粒径2μmのSiO2(不純物量1質量%未満)から構成された結合材を9質量%配合した耐火物原料を得た。得られた耐火物原料を表1に示す工程を経て、耐火物である焼成体を得た。
(比較例4)
平均粒径3mm、1mm、0.2mmのムライトを各々24.3質量%、24.3質量%、26.5質量%となるように調整した骨材に、平均粒径4μmのムライトから構成されたマトリックス(微粒成分)が20.7質量%と、平均粒径2μmのSiO2(不純物量10質量%)から構成された結合材を4.2質量%配合した耐火物原料を得た。得られた耐火物原料を表1に示す工程を経て、耐火物である焼成体を得た。
(比較例5)
平均粒径3mm、1mm、0.2mmのムライトを各々24.3質量%、24.3質量%、26.5質量%となるように調整した骨材に、平均粒径4μmのムライトから構成されたマトリックス(微粒成分)が20.7質量%と、平均粒径2μmのSiO2(不純物量1質量%未満)から構成された結合材を4.2質量%配合した耐火物原料を得た。得られた耐火物原料を表1に示す工程を経て、耐火物である焼成体を得た。但し、焼成は1300℃で行った。
(比較例6)
平均粒径3mm、1mm、0.2mmのシリマナイト系天然原料を各々25質量%となるように調整した骨材に、平均粒径4μmのムライトから構成されたマトリックス(微粒成分)20質量%と、平均粒径4μmのカオリナイト系粘土鉱物から構成された結合材を5質量%配合した耐火物原料を得た。得られた耐火物原料を表1に示す工程を経て、耐火物である焼成体を得た。
表2に基づき、得られたそれぞれの焼成体(実施例1〜12、比較例1〜6)から試験片を切り出し、表2に示す特性項目を評価した。4点曲げ強度試験は、JIS R 1601に準拠して実施した。尚、熱伝導率は、試験片が小さく、誤差が大きいため、無作為に5箇所から切り出した試験片の平均値を使用した。その結果を表3〜5に示す。
Figure 0005080736
Figure 0005080736
Figure 0005080736
Figure 0005080736
(考察:実施例1〜12)
表3〜5に示すように、実施例1〜12は、従来の耐火物(例えば、比較例6)と比較して、特に、高温時(例えば、1300℃以上)における強度、ヤング率及び熱伝導率に優れていることを確認した。特に、結合材であるSiO2をより好ましい範囲で含む実施例1〜6及び実施例12は、より好ましい範囲に含まれない実施例7〜10よりも優れた高温時(例えば、1300℃以上)における強度及びヤング率に優れていることを確認した。尚、実施例12は、骨材がムライトとSiCから構成されているため、実施例1〜11と比較して、すべての特性で優れており、特に、熱伝導率が飛躍的に向上していることを確認した。
(考察:比較例1〜5)
表5に示すように、比較例1では、結合材であるSiO2の平均粒径が10μmを超過するため、高温使用時(例えば、1300℃以上)における強度及びヤング率を十分に得ることができず、更に、室温時における強度やヤング率も低下することを確認した。
比較例2では、結合材であるSiO2の耐火物原料中への配合量が3質量%未満であるため、高温使用時(例えば、1300℃以上)における強度及びヤング率を十分に得ることができず、更に、室温時における強度やヤング率も低下することを確認した。
比較例3では、結合材であるSiO2の配合量が8質量%を超過するため、高温使用時(例えば、1300℃以上)における強度及びヤング率を十分に得ることができなかった。
比較例4では、結合材であるSiO2の不純物量が7.5%を超過するため、高温使用時(例えば、1300℃以上)における強度及びヤング率を十分に得ることができなかった。
比較例5では、焼成温度が1400℃未満であるため、室温時における強度やヤング率が低下するだけでなく、高温使用時(例えば、1300℃)においても十分な特性(強度、ヤング率及び熱伝導率)を有する耐火物を得ることができなかった。
(高温クリープ試験)
実施例1及び比較例6の焼成体からφ35mm×高さ50mmのサンプルをそれぞれ作製した。高温時の耐久性評価のため、得られたサンプルの縦方向に、荷重5kg/cm2を加えた状態で、1450℃の電気炉内に、サンプルを表6に示す保持時間で保持し、その変形量を測定した。その後、試験前後での高さの変形量から変形率を算出した。その結果を表6及び図1に示す。
Figure 0005080736
(考察)
表6及び図1の結果から明らかなように、従来の耐火物である比較例6と比較して、本発明の耐火物(実施例1)は、高温時におけるクリープ性に優れていることを確認した。更に詳細には、高温クリープ試験の保持時間50hrにおける変形率は、比較例6と比較して、1/3程度まで低減することができることを確認した。
(アルカリ侵食試験)
実施例1及び比較例6の焼成体から70mm×20mm×10mmのサンプルをそれぞれ作製した。得られたサンプルを、KCl/NaCl飽和溶液に15分間真空含浸(ロータリーポンプ使用)し、1450℃で2時間加熱処理を施した。その後、サンプルの中央部付近の切断面が観察できるように、加工、樹脂埋め及び研磨を行った後、K/Naが耐火物中に存在しているかを、エネルギー分散型X線分析装置(EDS)にて定量分析を行った。視野の特定は、走査型電子顕微鏡(SEM)にて、無作為に10視野を選んだ。但し、比較例6の骨材部は、ムライト化した箇所から視野を選んだ。その結果を表7に示す。
Figure 0005080736
(考察)
表7に示すように、今回のアルカリ侵食試験では、実施例1の場合、試験前後における骨材及び微粒成分(マトリックス)中のアルカリ量の増減が無いことから、アルカリの侵食が認められなかった。一方、従来の耐火物である比較例6の場合、骨材、微粒成分(マトリックス)中、供にアルカリ量が増加しており、アルカリの侵食が認められた。特に、骨材中(ムライト化した箇所)でのアルカリの侵食が多く認められた。
本発明の耐火物の製造方法及びこれにより得られた耐火物は、セッター等の窯道具類に好適に用いることができる。
実施例1及び比較例6における高温クリープ試験の結果を示すグラフである。

Claims (5)

  1. 骨材として、平均粒径100μm〜4mmのムライト及び/又はアルミナを65〜80質量%、微粒から構成されたマトリックスとして、平均粒径1〜5μmのアルミナ及び/又はムライトを10〜33質量%、且つ結合材として、平均粒径0.5〜10μmであり、不純物量が7.5質量%以下のSiOを3〜8質量%配合したものを成形し、1400〜1600℃(1600℃を除く)の焼成温度で焼成する耐火物の製造方法。
  2. 前記骨材/マトリックス(質量比)が、80/20〜65/35である請求項1に記載の耐火物の製造方法。
  3. 骨材として、平均粒径100μm〜4mmのムライト及び/又はアルミナを5〜70質量%と、平均粒径100μm〜4mmのSiCを10〜75質量%、微粒から構成されたマトリックスとして、平均粒径1〜5μmのアルミナ及び/又はムライトを10〜33質量%、且つ結合材として、平均粒径0.5〜10μmであり、不純物量が7.5質量%以下のSiO を3〜8質量%配合したものを成形し、1400〜1600℃の焼成温度で焼成する耐火物の製造方法。
  4. 骨材/マトリックス(質量比)が、80/20〜65/35である請求項3に記載の耐火物の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の耐火物の製造方法で製造された耐火物。
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