JP2002249369A - トルマリンを含有する陶器製品及びその製造方法 - Google Patents
トルマリンを含有する陶器製品及びその製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 直接火にかけて使用可能な陶器製品及びその
製造方法を提供する。 【解決手段】 原料としてのシリカとアルミナを主成分
とする粘土に、トルマリン粉末を添加、混練して得られ
た混練物を、所望の形状に成形した後、素焼きし、施釉
し、焼成を行うことにより製造された陶器製品で、粘土
がペタライトを含み、粘土100重量部に対するトルマ
リン粉末の配合量は2〜4重量部であり、この際、トル
マリン粉末の平均粒径は0.5〜5μmであることが好
ましい。本製法では、ペタライトを含む粘土を準備し、
当該粘土100重量部にトルマリン粉末を2〜4重量部
添加して混合し、得られた混合物に水を加えた後、均質
になるまで混練を行い、得られた混練物を所望の形状に
成形し、乾燥を行った後、素焼きし、施釉し、焼成す
る。この製法で得られる陶器製品は消臭効果やイオン発
生効果等を有し、例えば土鍋や陶板として好適である。
製造方法を提供する。 【解決手段】 原料としてのシリカとアルミナを主成分
とする粘土に、トルマリン粉末を添加、混練して得られ
た混練物を、所望の形状に成形した後、素焼きし、施釉
し、焼成を行うことにより製造された陶器製品で、粘土
がペタライトを含み、粘土100重量部に対するトルマ
リン粉末の配合量は2〜4重量部であり、この際、トル
マリン粉末の平均粒径は0.5〜5μmであることが好
ましい。本製法では、ペタライトを含む粘土を準備し、
当該粘土100重量部にトルマリン粉末を2〜4重量部
添加して混合し、得られた混合物に水を加えた後、均質
になるまで混練を行い、得られた混練物を所望の形状に
成形し、乾燥を行った後、素焼きし、施釉し、焼成す
る。この製法で得られる陶器製品は消臭効果やイオン発
生効果等を有し、例えば土鍋や陶板として好適である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トルマリンを含有
する陶器製品、特に、直接火にかけて使用することが可
能な食品調理用各種陶器製品(鍋や陶板など)に関す
る。又、本発明は、このような陶器製品を製造するため
の方法に関するものでもある。
する陶器製品、特に、直接火にかけて使用することが可
能な食品調理用各種陶器製品(鍋や陶板など)に関す
る。又、本発明は、このような陶器製品を製造するため
の方法に関するものでもある。
【0002】
【従来の技術】古くから宝石として用いられてきたトル
マリンについては、圧電気性や焦電気性を有することが
知られており、瞬間的な圧力を測定するためのゲージ等
に利用されてきている。又、最近では、トルマリンが有
する更に別の特性を利用したものとして、特開平11−
199314号公報において、トルマリン5〜50%粘
土95〜50%の重量からなる素焼のトルマリン組成
物、及び素焼のトルマリン組成物を施釉した陶器のトル
マリン組成物が開示されており、素焼の組成物には、そ
の多孔性構造による吸着作用によって乾燥剤、消臭剤及
び汚水浄化材としての効果があり、一方、陶器の組成物
には、食用油の酸化抑制効果があることが示されてい
る。
マリンについては、圧電気性や焦電気性を有することが
知られており、瞬間的な圧力を測定するためのゲージ等
に利用されてきている。又、最近では、トルマリンが有
する更に別の特性を利用したものとして、特開平11−
199314号公報において、トルマリン5〜50%粘
土95〜50%の重量からなる素焼のトルマリン組成
物、及び素焼のトルマリン組成物を施釉した陶器のトル
マリン組成物が開示されており、素焼の組成物には、そ
の多孔性構造による吸着作用によって乾燥剤、消臭剤及
び汚水浄化材としての効果があり、一方、陶器の組成物
には、食用油の酸化抑制効果があることが示されてい
る。
【0003】ところが、この特開平11−199314
号公報記載のトルマリン組成物の場合には、粘土として
木節粘土や蛙目粘土やカオリンが使用されており、これ
らの粘土と5〜50%のトルマリンとを混練して得られ
る混練物は、塊状物や粒状物の形状に成形して焼成し、
各種の充填剤として応用することはできるが、成形性が
劣るために、複雑な形状の製品に成形することが困難で
あり、もし仮に直接火にかけて使用する各種調理用器具
(例えば土鍋、土瓶、陶板など)に成形したとしても、
火にかけた際に割れるという問題点があった。又、高い
焼成温度(例えば1000℃程度)で焼成すると、トル
マリンの組成が変化して、トルマリンの優れた特性が低
下したり失われるという問題点があった。
号公報記載のトルマリン組成物の場合には、粘土として
木節粘土や蛙目粘土やカオリンが使用されており、これ
らの粘土と5〜50%のトルマリンとを混練して得られ
る混練物は、塊状物や粒状物の形状に成形して焼成し、
各種の充填剤として応用することはできるが、成形性が
劣るために、複雑な形状の製品に成形することが困難で
あり、もし仮に直接火にかけて使用する各種調理用器具
(例えば土鍋、土瓶、陶板など)に成形したとしても、
火にかけた際に割れるという問題点があった。又、高い
焼成温度(例えば1000℃程度)で焼成すると、トル
マリンの組成が変化して、トルマリンの優れた特性が低
下したり失われるという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】それゆえ、本発明の課
題は、トルマリンの優れた特性(消臭効果やイオン発生
効果や酸化抑制効果等)を維持しつつ、火にかけて使用
可能な各種陶器製品、及びその製造方法を提供すること
にある。本発明者は、種々の粘土を検討した結果、木節
粘土や蛙目粘土等に比べてシリカ成分の占める割合が大
きくて、アルミナ成分の占める割合が小さく、耐火性に
優れたペタライト(petalite)を粘土素地中に一定量配
合し、この混合物に特定量のトルマリン粉末を混練した
場合には、1000℃を越える焼成温度で焼成を行って
もトルマリンの優れた特性が維持され、上記の課題が効
果的に解決でき、直接火にかけて使用可能な陶器製品
(焼成品)が得られることを見い出して、本発明を完成
した。
題は、トルマリンの優れた特性(消臭効果やイオン発生
効果や酸化抑制効果等)を維持しつつ、火にかけて使用
可能な各種陶器製品、及びその製造方法を提供すること
にある。本発明者は、種々の粘土を検討した結果、木節
粘土や蛙目粘土等に比べてシリカ成分の占める割合が大
きくて、アルミナ成分の占める割合が小さく、耐火性に
優れたペタライト(petalite)を粘土素地中に一定量配
合し、この混合物に特定量のトルマリン粉末を混練した
場合には、1000℃を越える焼成温度で焼成を行って
もトルマリンの優れた特性が維持され、上記の課題が効
果的に解決でき、直接火にかけて使用可能な陶器製品
(焼成品)が得られることを見い出して、本発明を完成
した。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の陶器製品は、原
料としてのシリカとアルミナを主成分とする粘土に、ト
ルマリン粉末を添加、混練して得られた混練物を、所望
の形状に成形した後、素焼きし、施釉し、焼成を行うこ
とにより製造された陶器製品で、上記粘土が、ペタライ
トを含むものであること、及び、上記粘土100重量部
に対するトルマリン粉末の配合量が2〜4重量部である
ことを特徴とするものである。又、本発明は、上記の特
徴を有する陶器製品において、上記トルマリン粉末の平
均粒径が0.5〜5μmであることを特徴とするもので
もある。
料としてのシリカとアルミナを主成分とする粘土に、ト
ルマリン粉末を添加、混練して得られた混練物を、所望
の形状に成形した後、素焼きし、施釉し、焼成を行うこ
とにより製造された陶器製品で、上記粘土が、ペタライ
トを含むものであること、及び、上記粘土100重量部
に対するトルマリン粉末の配合量が2〜4重量部である
ことを特徴とするものである。又、本発明は、上記の特
徴を有する陶器製品において、上記トルマリン粉末の平
均粒径が0.5〜5μmであることを特徴とするもので
もある。
【0006】更に、本発明は、シリカとアルミナを主成
分とする粘土にトルマリン粉末を添加してトルマリン含
有陶器製品を製造するための方法であって、ペタライト
を含む粘土を準備した後、当該粘土100重量部にトル
マリン粉末を2〜4重量部添加して混合し、得られた混
合物に水を加えた後、均質になるまで混練を行い、得ら
れた混練物を所望の形状に成形し、乾燥を行った後、素
焼きし、施釉し、焼成することを特徴とする。
分とする粘土にトルマリン粉末を添加してトルマリン含
有陶器製品を製造するための方法であって、ペタライト
を含む粘土を準備した後、当該粘土100重量部にトル
マリン粉末を2〜4重量部添加して混合し、得られた混
合物に水を加えた後、均質になるまで混練を行い、得ら
れた混練物を所望の形状に成形し、乾燥を行った後、素
焼きし、施釉し、焼成することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】まず最初に、本発明のトルマリン
含有陶器製品について説明する。本発明の陶器製品に
は、シリカとアルミナを主成分とし、かつペタライトを
含む粘土100重量部に対して、トルマリン粉末が2〜
4重量部、好ましくは2.5〜3.5重量部配合されて
おり、このような陶器製品は、ペタライトとトルマリン
粉末を均一になるまで混練して得られた混練物を、所望
の形状に成形した後、素焼きし、施釉し、焼成を行うこ
とにより製造される。この際、粘土100重量部に対す
るトルマリン粉末の配合量が2重量部未満になると、焼
成品にヒビ割れが生じることはないが、トルマリン添加
による効果が充分に発揮されなくなり、逆に、トルマリ
ン粉末の配合量が4重量部を極端に越えると、トルマリ
ン添加による各種効果は充分に発揮されるが、成形性が
悪くなり、成形後の製品を火にかけると割れが生じるこ
とになる。
含有陶器製品について説明する。本発明の陶器製品に
は、シリカとアルミナを主成分とし、かつペタライトを
含む粘土100重量部に対して、トルマリン粉末が2〜
4重量部、好ましくは2.5〜3.5重量部配合されて
おり、このような陶器製品は、ペタライトとトルマリン
粉末を均一になるまで混練して得られた混練物を、所望
の形状に成形した後、素焼きし、施釉し、焼成を行うこ
とにより製造される。この際、粘土100重量部に対す
るトルマリン粉末の配合量が2重量部未満になると、焼
成品にヒビ割れが生じることはないが、トルマリン添加
による効果が充分に発揮されなくなり、逆に、トルマリ
ン粉末の配合量が4重量部を極端に越えると、トルマリ
ン添加による各種効果は充分に発揮されるが、成形性が
悪くなり、成形後の製品を火にかけると割れが生じるこ
とになる。
【0008】ところで、本発明の陶器製品中に含まれて
いるトルマリン粉末は、複雑な化学組成を有したサイク
ロ珪酸塩鉱物で、トルマリン鉱石を粉末状に加工したも
のであって、本発明では、トルマリン粉末として市販品
を利用することができ、例えば株式会社アダン鉱山中央
研究所製のトルマリン粉末(商品名:ショールトルマリ
ンなど)が使用可能である。本発明においては、成形性
や強度などの点から、上記のトルマリン粉末の平均粒径
は0.5〜5μmが好ましく、1.2〜3μmが特に好
ましい。
いるトルマリン粉末は、複雑な化学組成を有したサイク
ロ珪酸塩鉱物で、トルマリン鉱石を粉末状に加工したも
のであって、本発明では、トルマリン粉末として市販品
を利用することができ、例えば株式会社アダン鉱山中央
研究所製のトルマリン粉末(商品名:ショールトルマリ
ンなど)が使用可能である。本発明においては、成形性
や強度などの点から、上記のトルマリン粉末の平均粒径
は0.5〜5μmが好ましく、1.2〜3μmが特に好
ましい。
【0009】一方、本発明の陶器製品の粘土中に含まれ
るペタライトは、リチウムとアルミニウムのテクト珪酸
塩鉱物(組成:LiAlSi4 O10)で、この耐火温度
は1200℃前後であり、これが粘土素地中に30〜7
0重量%、好ましくは35〜60重量%配合された場合
に、木節粘土や蛙目粘土やカオリン等の素地に比べて、
成形性及び耐熱性が改良され、火にかけても割れない成
形品が得られる。これは恐らく、ペタライト中には、一
般的な粘土である木節粘土や蛙目粘土よりも、シリカ成
分が多く含まれ、アルミナ成分の占める割合が小さく、
この他の主要な成分としてLiO2 を一定量含んでいる
ことによるものであると考えられる。本発明の陶器製品
を製造するのに適した粘土としては、ペタライト30〜
70重量%、蛙目粘土20〜50重量%、木節粘土10
〜25重量%から成る混合配合物が挙げられ、このよう
な配合混合物の場合には、高温焼成を行ってもトルマリ
ンの特性の低下がほとんど見られず、焼成物を直接火に
かけてもヒビ割れが生じることもない。
るペタライトは、リチウムとアルミニウムのテクト珪酸
塩鉱物(組成:LiAlSi4 O10)で、この耐火温度
は1200℃前後であり、これが粘土素地中に30〜7
0重量%、好ましくは35〜60重量%配合された場合
に、木節粘土や蛙目粘土やカオリン等の素地に比べて、
成形性及び耐熱性が改良され、火にかけても割れない成
形品が得られる。これは恐らく、ペタライト中には、一
般的な粘土である木節粘土や蛙目粘土よりも、シリカ成
分が多く含まれ、アルミナ成分の占める割合が小さく、
この他の主要な成分としてLiO2 を一定量含んでいる
ことによるものであると考えられる。本発明の陶器製品
を製造するのに適した粘土としては、ペタライト30〜
70重量%、蛙目粘土20〜50重量%、木節粘土10
〜25重量%から成る混合配合物が挙げられ、このよう
な配合混合物の場合には、高温焼成を行ってもトルマリ
ンの特性の低下がほとんど見られず、焼成物を直接火に
かけてもヒビ割れが生じることもない。
【0010】これに対し、木節粘土と蛙目粘土との配合
物を粘土として使用した場合には、たとえ前述の配合量
でトルマリン粉末と混練しても、複雑な形状の成形品と
することは困難であり、比較的簡単な形状の焼成品であ
れば製造できるが、これを直接火にかけて使用すると割
れてしまう。又、木節粘土や蛙目粘土等を粘土として使
用した場合には、トルマリンが950〜1050℃の温
度で組成変化を起こすために、焼成温度が950℃以下
に限定される。以下の表1に、本発明において使用する
のに適した市販のペタライト粉末の具体的化学組成を示
すが、本発明で使用可能なペタライトは、これら3種類
(A〜C)に限定されるものではない。
物を粘土として使用した場合には、たとえ前述の配合量
でトルマリン粉末と混練しても、複雑な形状の成形品と
することは困難であり、比較的簡単な形状の焼成品であ
れば製造できるが、これを直接火にかけて使用すると割
れてしまう。又、木節粘土や蛙目粘土等を粘土として使
用した場合には、トルマリンが950〜1050℃の温
度で組成変化を起こすために、焼成温度が950℃以下
に限定される。以下の表1に、本発明において使用する
のに適した市販のペタライト粉末の具体的化学組成を示
すが、本発明で使用可能なペタライトは、これら3種類
(A〜C)に限定されるものではない。
【0011】
【表1】
【0012】本発明の陶器製品中には、分散に適した上
記粒径のトルマリン粉末が素地中に均一に分散された状
態で存在しており、これによって、焼成後の製品にトル
マリンの各種特性が付与され、トルマリン粉末が添加さ
れていないものに比べて、例えば土鍋の形状に成形した
ものにあっては、保温性に優れ、煮沸に要する時間が短
く、例えば豆腐を煮込みすぎた場合であっても、スが入
らない。又、陶板状の本発明の陶器製品の上で海老を焼
いた場合には、パサパサした感じがなく、ジューシーに
焼き上がるという効果も得られる。
記粒径のトルマリン粉末が素地中に均一に分散された状
態で存在しており、これによって、焼成後の製品にトル
マリンの各種特性が付与され、トルマリン粉末が添加さ
れていないものに比べて、例えば土鍋の形状に成形した
ものにあっては、保温性に優れ、煮沸に要する時間が短
く、例えば豆腐を煮込みすぎた場合であっても、スが入
らない。又、陶板状の本発明の陶器製品の上で海老を焼
いた場合には、パサパサした感じがなく、ジューシーに
焼き上がるという効果も得られる。
【0013】次に、上述の陶器製品を製造するための本
発明の製法について説明する。本発明の製造方法では、
まず、前述のトルマリン粉末と、ペタライトを含む粘土
とを、2〜4重量部:100重量部となるようにして予
め粉末状態で混合し、これに所定量の水を加えた後、均
質になるまで混練を行い、成形に適した硬さ及び粘度に
調整する。そして、得られた混練物を所望の形状に成形
し、成形体を得る。ただし、本発明では、成形方法はこ
れに限定されるものではなく、トルマリン粉末と粘土と
の混練を乾式で行い、その後、金型を用いて加圧成形を
行って成形物を作製しても良い。
発明の製法について説明する。本発明の製造方法では、
まず、前述のトルマリン粉末と、ペタライトを含む粘土
とを、2〜4重量部:100重量部となるようにして予
め粉末状態で混合し、これに所定量の水を加えた後、均
質になるまで混練を行い、成形に適した硬さ及び粘度に
調整する。そして、得られた混練物を所望の形状に成形
し、成形体を得る。ただし、本発明では、成形方法はこ
れに限定されるものではなく、トルマリン粉末と粘土と
の混練を乾式で行い、その後、金型を用いて加圧成形を
行って成形物を作製しても良い。
【0014】それから、得られた成形体を、ヒビ割れが
生じないようにゆっくりと乾燥させ、水分を除去した
後、素焼きを行い、施釉し、焼成する。この場合におい
て、トルマリンは通常の粘土中では約900〜1000
℃の温度で灰化し、その優れた特性が消失するが、本発
明では、ペタライトを含有する前述の組成の粘土を使用
するために、焼成温度が1000℃以上になってもトル
マリンの特性が消失しない。本発明の製法における素焼
き温度及び焼成温度は適宜選択できるが、通常は、素焼
き時には約800〜950℃程度(好ましくは900℃
前後)であり、焼成時には約950〜1150℃程度
(好ましくは1000℃前後)である。
生じないようにゆっくりと乾燥させ、水分を除去した
後、素焼きを行い、施釉し、焼成する。この場合におい
て、トルマリンは通常の粘土中では約900〜1000
℃の温度で灰化し、その優れた特性が消失するが、本発
明では、ペタライトを含有する前述の組成の粘土を使用
するために、焼成温度が1000℃以上になってもトル
マリンの特性が消失しない。本発明の製法における素焼
き温度及び焼成温度は適宜選択できるが、通常は、素焼
き時には約800〜950℃程度(好ましくは900℃
前後)であり、焼成時には約950〜1150℃程度
(好ましくは1000℃前後)である。
【0015】上述の本発明の製造方法は、塊状物や粒状
物以外の立体形状を有する焼成製品、特に各種調理用陶
器製品(例えば鍋や、魚類を載せて火にかけて使用する
陶板など)を製造するのに好適である。以下、本発明の
実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明
はこれらに限定されるものではない。
物以外の立体形状を有する焼成製品、特に各種調理用陶
器製品(例えば鍋や、魚類を載せて火にかけて使用する
陶板など)を製造するのに好適である。以下、本発明の
実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明
はこれらに限定されるものではない。
【0016】
【実施例】〔実施例:本発明の陶器製品の製造例〕粘土
として、前記表1のペタライト(Bに示される組成を有
するもの)と、以下の表2に記載される組成を有した市
販の蛙目粘土(一次花崗岩)及び木節粘土(二次花崗
岩)を準備した。そして、上記ペタライト35重量部、
蛙目粘土45重量部、及び木節粘土20重量部を混合し
て粘土混合物を得た。この粘土混合物の組成についても
表2に併記した。
として、前記表1のペタライト(Bに示される組成を有
するもの)と、以下の表2に記載される組成を有した市
販の蛙目粘土(一次花崗岩)及び木節粘土(二次花崗
岩)を準備した。そして、上記ペタライト35重量部、
蛙目粘土45重量部、及び木節粘土20重量部を混合し
て粘土混合物を得た。この粘土混合物の組成についても
表2に併記した。
【0017】
【表2】
【0018】そして、トルマリン粉末として、平均粒径
が約2μmのショールトルマリン(株式会社アダン鉱山
中央研究所製)を準備し、このトルマリン粉末4.0重
量部を、上記の粘土混合物100重量部に添加し、充分
に混合した後、適当量の水を添加して混練物の硬さ及び
粘度を調整し、得られた混練物を土鍋の形状(外形約3
0cm)に成形した。焼成によるトルマリンの損失分は
1%であった。このようにして得た成形品を、ヒビ割れ
が生じないようにゆっくりと乾燥させた後、電気炉を用
いて900℃の温度にて素焼きし、施釉し、更に100
0℃の焼成温度にて焼成を行い、本発明の陶器製品(土
鍋)を得た。このようにして得られた本発明の陶器製品
は、直接火にかけて使用しても割れが生じず、しかも、
消臭効果、保温効果、酸化防止効果を有しており、一般
に市販されている土鍋に比べて、沸騰するまでの時間が
短いことが確認された。又、この鍋を用いて、豆腐を煮
た場合には、一般的な土鍋に比べて、煮込み過ぎてもス
(小さな穴)が入らないことも確認された。
が約2μmのショールトルマリン(株式会社アダン鉱山
中央研究所製)を準備し、このトルマリン粉末4.0重
量部を、上記の粘土混合物100重量部に添加し、充分
に混合した後、適当量の水を添加して混練物の硬さ及び
粘度を調整し、得られた混練物を土鍋の形状(外形約3
0cm)に成形した。焼成によるトルマリンの損失分は
1%であった。このようにして得た成形品を、ヒビ割れ
が生じないようにゆっくりと乾燥させた後、電気炉を用
いて900℃の温度にて素焼きし、施釉し、更に100
0℃の焼成温度にて焼成を行い、本発明の陶器製品(土
鍋)を得た。このようにして得られた本発明の陶器製品
は、直接火にかけて使用しても割れが生じず、しかも、
消臭効果、保温効果、酸化防止効果を有しており、一般
に市販されている土鍋に比べて、沸騰するまでの時間が
短いことが確認された。又、この鍋を用いて、豆腐を煮
た場合には、一般的な土鍋に比べて、煮込み過ぎてもス
(小さな穴)が入らないことも確認された。
【0019】〔比較例:粘土として木節粘土と蛙目粘土
を使用し、トルマリン粉末の添加量を増やした場合の陶
器製品の製造例〕上記のペタライトの代わりに、前記表
2に記載される組成の木節粘土と蛙目粘土を使用し、木
節粘土15重量部と蛙目粘土85重量部に対して、前記
実施例と同じトルマリン粉末20重量部を添加して混合
し、実施例と同様の大きさの土鍋の形状に成形した。こ
の粘土混合物の成形性は、実施例の場合よりも劣ってい
た。そして、この後、前記実施例と同様の条件で、乾燥
工程、素焼き工程、施釉工程及び焼成工程を行い、陶器
製品を得た。このようにして得られた土鍋を直接火にか
けたところ、割れが発生した。
を使用し、トルマリン粉末の添加量を増やした場合の陶
器製品の製造例〕上記のペタライトの代わりに、前記表
2に記載される組成の木節粘土と蛙目粘土を使用し、木
節粘土15重量部と蛙目粘土85重量部に対して、前記
実施例と同じトルマリン粉末20重量部を添加して混合
し、実施例と同様の大きさの土鍋の形状に成形した。こ
の粘土混合物の成形性は、実施例の場合よりも劣ってい
た。そして、この後、前記実施例と同様の条件で、乾燥
工程、素焼き工程、施釉工程及び焼成工程を行い、陶器
製品を得た。このようにして得られた土鍋を直接火にか
けたところ、割れが発生した。
【0020】〔消臭効果についての比較試験結果〕前記
実施例で得られた土鍋に水道水を入れて塩素検出試薬を
一滴入れると、薄黄色に変色したが、常温で5分間経過
した後には、色が透明になると同時にカルキ臭が消滅し
た。これに対し、前記比較例で得られた土鍋の場合に
は、常温で5分間経過した後においても薄黄色を呈し、
カルキ臭もそのままであった。
実施例で得られた土鍋に水道水を入れて塩素検出試薬を
一滴入れると、薄黄色に変色したが、常温で5分間経過
した後には、色が透明になると同時にカルキ臭が消滅し
た。これに対し、前記比較例で得られた土鍋の場合に
は、常温で5分間経過した後においても薄黄色を呈し、
カルキ臭もそのままであった。
【0021】〔イオン発生効果についての比較試験結
果〕前記実施例で得られた土鍋を、中に何も入れない状
態で加熱し、約50℃の時の鍋の底内部部分の空気中に
存在するマイナスイオンを測定した。その結果、加熱前
(約20℃の常温)では400個/cm3 であったのも
のが、50℃の時には1200〜3500個/cm3 ま
で増加した。又、この鍋に水を入れて90℃に加熱した
場合には4500個/cm3 となった。これに対し、前
記比較例で得られた土鍋の場合にはマイナスイオンの発
生は無く、土鍋を50℃に加熱しても同じ結果であっ
た。
果〕前記実施例で得られた土鍋を、中に何も入れない状
態で加熱し、約50℃の時の鍋の底内部部分の空気中に
存在するマイナスイオンを測定した。その結果、加熱前
(約20℃の常温)では400個/cm3 であったのも
のが、50℃の時には1200〜3500個/cm3 ま
で増加した。又、この鍋に水を入れて90℃に加熱した
場合には4500個/cm3 となった。これに対し、前
記比較例で得られた土鍋の場合にはマイナスイオンの発
生は無く、土鍋を50℃に加熱しても同じ結果であっ
た。
【0022】
【発明の効果】本発明の陶器製品は、直接火にかけて使
用しても割れず、素地中に添加されたトルマリン粉末の
作用により、消臭効果、マイナスイオン発生効果等を有
しており、各種食品用器具(例えば土鍋、土瓶、陶板
等)として好適である。又、本発明の製造方法を用いる
ことによって、直接火にかけて使用可能な食品調理用各
種陶器製品が製造できる。
用しても割れず、素地中に添加されたトルマリン粉末の
作用により、消臭効果、マイナスイオン発生効果等を有
しており、各種食品用器具(例えば土鍋、土瓶、陶板
等)として好適である。又、本発明の製造方法を用いる
ことによって、直接火にかけて使用可能な食品調理用各
種陶器製品が製造できる。
Claims (3)
- 【請求項1】 原料としてのシリカとアルミナを主成分
とする粘土に、トルマリン粉末を添加、混練して得られ
た混練物を、所望の形状に成形した後、素焼きし、施釉
し、焼成を行うことにより製造された陶器製品で、上記
粘土が、ペタライトを含むものであること、及び、上記
粘土100重量部に対するトルマリン粉末の配合量が2
〜4重量部であることを特徴とする、トルマリンを含有
する陶器製品。 - 【請求項2】 上記トルマリン粉末の平均粒径が0.5
〜5μmであることを特徴とする請求項1記載の陶器製
品。 - 【請求項3】 シリカとアルミナを主成分とする粘土に
トルマリン粉末を添加して陶器製品を製造するための方
法であって、ペタライトを含む粘土を準備した後、当該
粘土100重量部にトルマリン粉末を2〜4重量部添加
して混合し、得られた混合物に水を加えた後、均質にな
るまで混練を行い、得られた混練物を所望の形状に成形
し、乾燥を行った後、素焼きし、施釉し、焼成すること
を特徴とする、トルマリンを含有する陶器製品の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001039473A JP2002249369A (ja) | 2001-02-16 | 2001-02-16 | トルマリンを含有する陶器製品及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001039473A JP2002249369A (ja) | 2001-02-16 | 2001-02-16 | トルマリンを含有する陶器製品及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002249369A true JP2002249369A (ja) | 2002-09-06 |
Family
ID=18902253
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001039473A Pending JP2002249369A (ja) | 2001-02-16 | 2001-02-16 | トルマリンを含有する陶器製品及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002249369A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100610330B1 (ko) * | 2004-09-18 | 2006-08-10 | 강정수 | 세라믹 내열용기 및 그 제조방법 |
CN107285733A (zh) * | 2017-05-27 | 2017-10-24 | 宜兴市凤凰陶瓷厂 | 紫砂煮水不炸壶及其制备方法 |
CN108706871A (zh) * | 2018-06-25 | 2018-10-26 | 浙江东度文化创意有限公司 | 可发生负离子的釉料及其制备方法 |
CN114988899A (zh) * | 2022-06-11 | 2022-09-02 | 广东欧文莱陶瓷有限公司 | 一种能够释放负离子的陶瓷薄板 |
-
2001
- 2001-02-16 JP JP2001039473A patent/JP2002249369A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100610330B1 (ko) * | 2004-09-18 | 2006-08-10 | 강정수 | 세라믹 내열용기 및 그 제조방법 |
CN107285733A (zh) * | 2017-05-27 | 2017-10-24 | 宜兴市凤凰陶瓷厂 | 紫砂煮水不炸壶及其制备方法 |
CN107285733B (zh) * | 2017-05-27 | 2020-11-27 | 宜兴市凤凰陶瓷厂 | 紫砂煮水不炸壶 |
CN108706871A (zh) * | 2018-06-25 | 2018-10-26 | 浙江东度文化创意有限公司 | 可发生负离子的釉料及其制备方法 |
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