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JP4688258B2 - 上塗り塗料用硬化性樹脂組成物およびそれを塗布してなる塗装物 - Google Patents

上塗り塗料用硬化性樹脂組成物およびそれを塗布してなる塗装物 Download PDF

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JP4688258B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、上塗り塗料用硬化性樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、例えば金属、セラミックス、ガラス、セメント、窯業系基材、プラスチック、木材、紙、繊維などからなる建築物、家電用品、産業機器などの塗装に好適に使用しうる上塗り塗料用硬化性樹脂組成物および、当該上塗り塗料用硬化性樹脂組成物を塗装した塗装物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、窯業系基材、コンクリートや鉄鋼などからなる建築物、建材などの産業製品などの表面を、例えば、フッ素樹脂塗料、アクリルウレタン樹脂塗料、アクリルシリコン樹脂塗料などの塗料で被覆することによって建築物などの外観をよくしたり、防食性や耐候性等を向上させたりしている。
【0003】
しかしながら、この中でアクリルシリコン塗料についてはフッ素樹脂、アクリルウレタン樹脂に比較して被塗物によっては密着性が不十分であり、塗り重ねによりちぢみを生じる場合があった。また、近年環境問題が重視されるようになってから、従来の強溶剤タイプの塗料の臭気が問題視されるようになってきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、弱溶剤に極めてよく溶解する重合体を提供することを目的とし、耐候性を維持しつつ、密着性、塗り重ね性の良好な塗膜を与えることをも目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記のごとき実状に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定のアルコキシシリル基を有するビニル系単量体(a)成分と必須成分として分岐構造および/または環構造を有するビニル系単量体(b)成分、その他の共重合可能なビニル系単量体(c)成分を共重合して得られるビニル系共重合体(A)は弱溶剤での希釈性に優れ、弱溶剤、特定の硬化触媒を特定の割合で配合した組成物が常温または加熱で硬化性を有し、該組成物からの塗膜が、従来のアクリルシリコン樹脂塗料からの塗膜と同様に優れた耐候性を有するとともに、密着性、塗り重ね性に優れており、また低臭気性を有することを同時に有することを見出した。また、シリコン化合物(E)を配合した場合に付随的に優れた耐汚染性を有する塗膜が得られることを見出した。
【0006】
すなわち本発明は、アルコキシシリル基と分岐構造および/または環構造を有するビニル系共重合体(A)成分と脂肪族系炭化水素を含む弱溶剤(B)成分を含有することを特徴とする上塗り塗料用硬化性樹脂組成物である。
(請求項1)
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の上塗り塗料用硬化性樹脂組成物には、湿分の存在下、室温で硬化性を有するベース樹脂として、主鎖がビニル系共重合体からなり、その末端及び/または側鎖に、アルコキシシリル基が含有される。
【0008】
特に、一般式(1)
【0009】
【化3】
(式中、R1は、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、複数存在する場合には、同一であっても異なっていてもよい。R2は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、または、炭素数7〜10のアラルキル基を表し、複数存在する場合には、同一であっても異なっていてもよい。aは、0〜2の整数を表す。)
で表される反応性シリル基を少なくとも1個有し、分岐構造および/または環構造を有するビニル系共重合体(A)が含有される。
ここで、「主鎖がビニル系共重合体鎖からなる」とは、ビニル基、ビニリデン基のように、重合性C=C結合を有する化合物と他の化合物との共重合体ブロックがビニル系共重合体(A)の主鎖を構成していることを意味する。
そして、上記主鎖の末端及び/または側鎖に反応性シリル基を少なくとも1個有する。
上記反応性シリル基は、1分子中に少なくとも1個存在すればよいが、充分な硬化性を与え、また、内部応力を緩和するという観点から2〜10個存在することが好ましい。
【0010】
上記一般式(1)において、R1は水素原子または炭素数1〜10、好ましくはたとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基などの炭素数1〜4のアルキル基である。前記アルキル基の炭素数素数が10を超える場合には、反応性シリル基の反応性が低下するようになる。また、前記R1がたとえばフェニル基、ベンジル基などのアルキル基以外の基である場合にも、反応性シリル基の反応性が低下するようになる。
【0011】
また、上記一般式(1)において、R2は水素原子または炭素数1〜10、好ましくはたとえば前記R1において例示された炭素数1〜4のアルキル基、たとえばフェニル基などの好ましくは炭素数6〜25のアリール基およびたとえばベンジル基などの好ましくは炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基である。これらの中では、本発明の組成物が硬化性に優れるという点から炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
【0012】
上記一般式(1)において、(R1O)3-aは3−aが1以上3以下になるように、すなわちaが0〜2になるように選ばれるが、ビニル系共重合体(A)の硬化性が良好になるという点からは、aが0または1であるのが好ましい。したがって、R2の結合数は0〜1であるのが好ましい。
【0013】
一般式(1)中に存在するR1Oまたは R2の数が2個以上の場合、2個以上含まれるR1またはR2は同じであってもよく、異なっていてもよい。
上記一般式(1)で表される反応性シリル基の具体例としては、たとえば後述する反応性シリル基を含有する単量体に含有される基が挙げられる。反応性シリル基含有ビニル系単量体(a)としては、合成の容易さの点から、その分子内に一般式(3)
【0014】
【化4】
(式中、R1、R2及びaは、上記と同じ)で表される炭素原子に結合した反応性シリル基を含有する単量体単位を含有したものが好ましい。なお、反応性シリル基含有ビニル系単量体(a)の含有割合は、本発明の組成物を用いて形成される塗膜の耐久性が優れる、強度が大きくなるという点から、1〜90%、さらには3〜70%、とくには3〜50%であるのが好ましい。
【0015】
上記ビニル系共重合体(A)に含有される反応性シリル基を含有するビニル系単量体単位以外の単量体単位としては、分岐構造および/または環構造を有するビニル系単量体を必須成分として、後述するビニル系単量体からの単位、後述する必要により用いられるその他の単量体由来の単位が挙げられる。
【0016】
上記ビニル系共重合体(A)は、数平均分子量が、本発明の組成物を用いて形成される塗膜の耐久性などの物性が優れるという点から、1000〜30000であることが好ましく、より好ましくは3000〜25000である.
本発明においては、上記ビニル系共重合体(A)は、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0017】
上記ビニル系共重合体(A)の製法の一例について説明する。
【0018】
ビニル系共重合体(A)は、たとえば一般式(1)で表される反応性シリル基を含有するビニル系単量体(a)、分岐構造および/または環構造を有するビニル系単量体(b)、(メタ)アクリル酸および(または)その誘導体ならびに必要により用いられるその他の単量体(c)を含有するものを重合することによって製造することができる。
【0019】
上記単量体(a)成分は一般式(1)で表される反応性シリル基を含有するビニル系単量体であればとくに限定はないが、具体例としては、たとえば
【0020】
【化5】
などの一般式(4)
【0021】
【化6】
( 式中、R1、 R2、 aは前記と同じ、R3水素原子またはメチル基を示す)で表される化合物;
【0022】
【化7】
などの一般式(5)
【0023】
【化8】
( 式中、R1、 R2、 R3、aは前記と同じ、nは1〜12の整数を示す。)で表される化合物;
【0024】
【化9】
などの一般式(6):
【0025】
【化10】
(式中、R1, R2, R3,a、nは前記と同じ)で表される化合物化合物;
【0026】
【化11】
などの一般式(7):
【0027】
【化12】
(式中、R1、R2、R3およびaは前記と同じ、mは1〜14の整数を示す)で表される化合物
【0028】
【化13】
などの一般式(8)
【0029】
【化14】
(式中、R1、R2、R3およびaは前記と同じ、Pは0〜22の整数を示す)で表される化合物や、炭素原子に結合した反応性シリル基をウレタン結合またはシロキサン結合を介して末端に有する(メタ)アクリレ−トなどがあげられる。これらの中では、共重合性および重合安定性、ならびに得られる組成物の硬化性および保存安定性が優れるという点から、前記一般式(4)で表される化合物が好ましい。
【0030】
これらの単量体(a)は単独で用いてもよく、2種類以上併用してもよい。前記単量体(a)は、前記のように、得られるビニル系共重合体(A)中に一般式(1)で表される反応性シリル基を含有する単量体が1〜90%、さらには3〜70%、とくには3〜50%含有されるように使用するのが好ましい。
【0031】
上記単量体(b)成分は、分岐構造および/または環構造を有するビニル系単量体であれば特に限定はしないが、具体例としては、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレ−ト、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、3,3,5,−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレ−トが挙げられる。特に好ましくは、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレ−トである。上記単量体(b)は、2種以上併用してもよい。
【0032】
上記単量体(c)は、前記(a)成分、(b)成分と共重合可能な単量体であればよく、具体例としては、たとえばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレ−ト、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレ−ト、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、α−エチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド(メタ)アクリロイルモルホリン、マクロモノマーであるAS−6、AN−6、AA−6、AB−6、AK−6などの化合物(以上、東亜合成化学工業(株)製)、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2―ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ−ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシエチルビニルエ−テル、N―メチロ−ル(メタ)アクリルアミド、4−ヒドロキシスチレンビニルトルエン、東亜合成化学工業(株)製のアロニクス5700、4−ヒドロキシスチレン、日本触媒化学工業(株)製のHE―10、HE−20、HP―1およびHP―20(以上、いずれも末端に水酸基を有するアクリル酸エステルオリゴマ−)、日本油脂(株)製のブレンマ−PPシリ−ズ(ポリプロピレングリコ−ルメタクリレ−ト)ブレンマ−PEシリ−ズ(ポリエチレングリコ−ルモノメタクリレ−ト)ブレンマ−PEPシリ−ズ(ポリエチレングリコ−ルポリプロピレングリコ−ルメタクリレ−ト)ブレンマ−AP−400(ポリプロピレングリコ−ルモノアクリレ−ト)、ブレンマ−AE−350(ポリエチレングリコ−ルモノアクリレ−ト)およびブレンマ−GLM(グリセロ−ルモノメタクリレ−ト)、N−メチロ−ル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル類、水酸基含有化合物とε―カプロラクトンとの反応により得られるε−カプロラクトン変性ヒドロキシアルキルビニル系共重合体化合物Placcel FA―1、 Placcel FA―4、 Placcel FM―1、Placcel FM―4(以上ダイセル化学工業(株)製)、TONE M−201(UCC社製)、ポリカ−ボネ−ト含有ビニル系化合物(具体例としては、HEAC―1(ダイセル化学工業(株)製)などが挙げられる。(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル類とリン酸またはリン酸エステル類との縮合生成物などのリン酸エステル基含有(メタ)アクリル系化合物、ウレタン結合やシロキサン結合を含む(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0033】
さらに、スチレン、αーメチルスチレン、クロロスチレン、スチレンスルホン酸、4ーヒドロキシスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族炭化水素系ビニル化合物;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸、これらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩などの塩;無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸の酸無水物、これら酸無水物と炭素数1〜20の直鎖状または分岐鎖を有するアルコールまたはアミンとのジエステルまたはハーフエステルなどの不飽和カルボン酸のエステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ジアリルフタレートなどのビニルエステルやアリル化合物;ビニルピリジン、アミノエチルビニルエーテルなどのアミノ基含有ビニル系化合物;イタコン酸ジアミド、クロトン酸アミド、マレイン酸ジアミド、フマル酸ジアミド、N−ビニルピロリドンなどのアミド基含有ビニル系化合物;2ーヒドロキシエチルビニルエーテル、メチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、フルオロオレフィンマレイミド、N−ビニルイミダゾール、ビニルスルホン酸などのその他ビニル系化合物などが挙げられる。
【0034】
これらの単量体(c)は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0035】
これらの(c)成分のうち、炭素数が8以上であるアルキル基を有するビニル系単量体(d)を含むことができる。
【0036】
炭素数が8以上であるアルキル基を有するビニル系単量体であればよく、その具体例としては、たとえば、オクチル(メタ)アクリレ−ト、デシル(メタ)アクリレ−ト、ラウリル(メタ)アクリレ−ト、パルミトイル(メタ)アクリレ−ト、ステアリル(メタ)アクリレート、オクタデカノイル(メタ)アクリレ−ト、オレイル(メタ)アクリレ−ト等が挙げられる。中でも耐候性、弱溶剤への溶解性が良好という点からデシル(メタ)アクリレ−ト、ラウリル(メタ)アクリレ−ト、パルミトイル(メタ)アクリレ−ト、ステアリル(メタ)アクリレートが好ましい。特に好ましくは、ラウリル(メタ)アクリレ−ト、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレ−トである。
【0037】
これらの単量体は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0038】
前記単量体(b)と(c)および(d)の使用量の合計は、用いる単量体(a)の種類および使用量に応じて適宜調整すればよいが、通常用いる重合成分全量の10〜98%、とくには50〜97%であるのが好ましい。また、単量体(b)の使用量としては重合成分の2〜90重量部、好ましくは3〜80重量部、特に好ましくは5〜70重量部である。そして、単量体(c)および(d)は、目的とする重合体(A)のTg、分子量等により適宜調整すればよい。
【0039】
また、本発明においては、得られる本発明の組成物から形成される塗膜の耐候性をさらに向上させる目的で、たとえば主鎖にウレタン結合やシロキサン結合により形成されたセグメントなどを、50%を超えない範囲でビニル系共重合体(A)の製造時に導入してもよい。
【0040】
ビニル系共重合体(A)にはカルボキシル基またはアミノ基などの基が含まれていてもよく、その場合には、硬化性、密着性が向上するが、重合体鎖に結合しているカルボキシル基やアミノ基の場合、活性が弱く、これらを硬化触媒のかわりに使用して硬化させようとしても良好な特性の硬化物が得られない。さらに、本発明の塗料用組成物において、主成分であるビニル系共重合体(A)には、アルコキシシリル基含有共重合体を分散安定剤樹脂として用い、非水系ディスパージョン重合で得られる非水系重合体粒子(NAD)を添加することができる。この成分は、極少量の添加で塗料組成物の低粘度化、ハイソリッド化を達成でき、さらに硬化塗膜の耐衝撃性を向上させることができる。上記添加成分である非水系重合体粒子(NAD)の製造において用いられる単量体はビニル系共重合体(A)に使用される単量体を用いることができる。
【0041】
前記ビニル系共重合体(A)は、たとえば特開昭54−36395号公報、特開昭57−55954号公報などに記載のヒドロシリル化法または反応性シリル基を含有する単量体を用いた溶液重合法によって製造することができるが、合成の容易さなどの点から反応性シリル基を含有する単量体を用い、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系ラジカル重合開始剤を用いた溶液重合法によって製造することがとくに好ましい。
【0042】
前記溶剤(B)としては、特に限定はなく、また、その使用量についても特に制限はない。ここで、弱溶剤とは労働安全衛生法の第3種有機溶剤および第3種有機溶剤に相当する溶剤である。好ましくは(B)成分として脂肪族炭化水素を含有するものが好ましい。このような例として、ターペン、ミネラルスピリットなどの、高沸点炭化水素を含むものが挙げられる。
【0043】
溶剤(B)は重合溶剤に使用しても、希釈溶剤に使用してもよいが、臭気や塗り重ね性を考慮して両者に用いいることが最も好ましい。
【0044】
また、前記溶液重合の際には、必要に応じて、たとえばn−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、γーメルカプトプロピルトリメトキシシラン、γーメルカプトプロピルトリエトキシシラン、(CH3O)3Si−S−S−Si(OCH33,(CH3O)3Si−S8−Si(OCH33などの連鎖移動剤を単独または2種以上併用することにより、得られるアクリル系共重合体(A)の分子量を調整してもよい。とくに、たとえばγーメルカプトプロピルトリメトキシシランなどのアルコキシシリル基を分子中に有する連鎖移動剤を用いた場合には、ビニル系共重合体(A)の末端に反応性シリル基を導入することができるので好ましい。かかる連鎖移動剤の使用量は、用いる重合成分全量の0.05〜10%、なかんづく0.1〜8%であることが好ましい。
【0045】
更に、前記アクリル系共重合体(A)成分を構成するモノマ−種に加えて、ビニル基を含有するポリエステル化合物(e)成分を前記(A)成分を構成するモノマー100重量部に対して 2〜30重量部を共重合して得られるビニル系共重合体(C)成分を使用すると、顔料の分散性が向上させることができる。従って、エナメル用途と使用される場合には、前記(A)成分に、前記(C)とを配合すると、顔料がよく分散されたエナメル塗料を得ることができる。ポリエステル部分としては、顔料分散に適した極性および分子構造を有したものであればよく、アルキッドタイプの樹脂が一般的である。重合性不飽和基を有することで、他の重合性不飽和単量体と共重合させることでビニル系共重合体(A)と相溶性の良好な樹脂を得ることができる。
【0046】
また、ビニル系共重合体(C)には、さらに、窒素原子上の置換基がアルキル基で置換されたアミド基を有する単量体(f)を前記(A)成分を構成するモノマー100重量部に対して0.5〜10重量部共重合することができる。(f)成分の具体例としては、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−(イソブトキシメチル)アクリルアミドなどが挙げられるが、光沢や合成の容易さの点から、N,N−ジメチルアクリルアミドが特に好ましい。
【0047】
顔料(D)としては、希望する色彩によって各種顔料を使用することができる。代表的顔料種としては、通常塗料に用いられるたとえば酸化チタン、群青、紺青、亜鉛華、ベンガラ、黄鉛、鉛白、カーボンブラック、透明酸化鉄、アルミニウム粉などの無機顔料、アゾ系顔料、トリフェニルメタン系顔料、キノリン系顔料、アントラキノン系顔料、フタロシアニン系顔料などの有機顔料などの顔料等が挙げられる。
【0048】
本発明においては、前述のビニル系共重合体(A)と共に、一般式(2):
【0049】
【化15】
(式中、R4は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、R5は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、bは0または1を示す)で表されるシリコン化合物および/またはその加水分解縮合物(E)を前記(A)および/または(C)成分100重量部に対して、2〜200重量部(以下、シリコン化合物の部分加水分解縮合物(E)という)が使用される。(E)成分を配合することにより、本発明の組成物から形成される塗膜の耐汚染性を向上させると共に、該塗膜と被塗物との密着性を向上させることができる。また、シリコン化合物の部分加水分解縮合物(E)をアクリル系共重合体(A)と混合させたものは常温硬化性および加熱硬化性を有する組成物となり、該組成物を用いて形成される塗膜は優れた耐汚染性を有する。
【0050】
前記一般式(2)において、R4は炭素数1〜10、好ましくはたとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基などの炭素数1〜4のアルキル基、アリール基、好ましくはたとえばフェニル基などの炭素数6〜9のアリール基およびアラルキル基、好ましくはたとえばベンジル基などの炭素数7〜9のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基である。
【0051】
前記アルキル基の炭素数が10を超える場合には、シリコン化合物の部分加水分解縮合物(E)の反応性が低下するようになる。また、R4が前記アルキル基、アリール基、アラルキル基以外の場合にも反応性が低下するようになる。
【0052】
また、前記一般式(2)において、R5は炭素数1〜10、好ましくはR4と同様の炭素数1〜4のアラルキル基、アリール基、好ましくはR4と同様の炭素数6〜9のアリール基およびアラルキル基、好ましくはR4と同様の炭素数7〜9のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素である。
【0053】
前記一般式(2)において、(R4O)4-bは4ーbが3以上になるように、すなわちbが0〜1になるように選ばれるが、本発明の組成物から形成される塗膜の硬化性が向上するという点からは、bが0であるのが好ましい。
【0054】
一般式(2)中に存在する(R4O)4-bの数が2個以上の場合、2個以上含まれるR3は同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0055】
前記シリコン化合物の具体例としては、たとえばテトラメチルシリケート、テトラエチルシリケート、ESI28、テトラn−プロピルシリケート、テトラi−プロピルシリケート、テトラn−ブチルシリケート、テトラi−ブチルシリケートなどのテトラアルキルシリケート;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、3ーグリシドキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリsec−オクチルオキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリブトキシシランなどのシランカップリング剤などが挙げられる。
【0056】
また、前記シリコン化合物の部分加水分解分解縮合物(E)の具体例としては、たとえば通常の方法で前記テトラアルキルシリケートやトリアルコキシシランに水を添加し、縮合させて得られるものがあげられ、たとえばMSI51、MSI53、ESI40、ESI48、HAS−1、HAS−10(以上、コルコート(株)製)、MS51、MS56、MS56S、MS51B15、MS56SB5(以上、三菱化学(株)製)、Mシリケ−ト51、メチルシリケ−ト56、シリケ−ト40、シリケ−ト45、シリケ−ト48、ES48、FR−3(以上多摩化学(株)製)などのテトラアルコキシシランの部分加水分解分解縮合物や、たとえばAFP−1(信越化学工業(株)製)などのトリアルコキシシランの部分加水分解分解縮合物などが挙げられる。
【0057】
上記シリコン化合物等(E)は単独で用いてもよく、2種類以上併用してもよい。
【0058】
前記シリコン化合物の部分加水分解分解縮合物(E)のうちでは、ビニル系共重合体(A)との相溶性、得られる本発明の組成物の硬化性が良好で、該組成物を用いて形成される塗膜の硬度に優れるということより汚染物質の付着を制御するという点から、MSI51、MS51、MS56、MS56S(テトラメトキシシランの部分加水分解分解縮合物)やESI40、シリケ−ト45、シリケ−ト48、ESI48、ES−48(テトラエトキシシランの部分加水分解縮合物)、FR−3(テトラエトキシシランの部分加水分解縮合物の一部メトキシ置換物)などのテトラアルコキシシランの部分加水分解分解縮合物を用いるのが好ましく、特に、重量平均分子量が1000より大きいMS56S、シリケ−ト48、ES−48、ESI48、FR−3のような化合物が、配合量を低減できる点から更に好ましい。
【0059】
本発明においては、シランカップリング剤(F)を配合することができる。前記(F)成分を配合することにより、エポキシ系中塗り剤等との下地との密着性を付与することができる。その具体例としてはγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノエチルアミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニルプロピルトリメトキシシラン、N−フェニルプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシジルプロピルオキシトリメトキシシランと2−アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシランとの2.2:1(モル比)の反応物、エピコ−ト828(油化シェルエポキシ(株)製)とγ−アミノプロピルトリエトキシシランの1:2(モル比)反応物などが挙げられる。
【0060】
硬化触媒(G)としては、有機カルボン、有機アミン、およびこれらの併用物がある。有機カルボン酸の具体例としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、オクチル酸、2−エチルヘキサン酸、デカン酸、ドデカン酸、安息香酸、フタル酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸およびこれらの無水物がある。有機アミンの具体例としては、ラウリルアミンなどの一級アミン、トリエチルアミン、ジメチルラウリルアミンなどの三級アミン、モルホリンなどの環状アミンが挙げられる。有機カルボン酸と有機アミンの組み合わせとしては、硬化活性とポットライフのバランスから酢酸/ジメチルラウリルアミン、ヘキサン酸/ラウリルアミン、2−エチルヘキサン酸/ジメチルラウリルアミン、2−エチルヘキサン酸/ラウリルアミンの組み合わせが好ましい。更に好ましくは、2−エチルヘキサン酸/ジメチルラウリルアミンと2−エチルヘキサン酸/ラウリルアミンの組み合わせである。有機リン酸エステルの具体例としては、ジ(2−エチルヘキシル)モノホスフェ−ト、ジ(2−エチルヘキシル)ジホスフェ−トなどがある。硬化活性とポットライフのバランスよりジ(2−エチルヘキシル)モノホスフェ−トが好ましく、この有機リン酸エステルは単独でも良く、上記有機アミンと併用しても良い、好ましい組み合わせとしてはジ(2−エチルヘキシル)モノホスフェ−ト/ジメチルラウリルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)モノホスフェ−ト/ラウリルアミンであり、更には、ジ(2−エチルヘキシル)モノホスフェ−ト/ジメチルラウリルアミンが好ましい。上記組み合わせ物質は、1種類でも良く、2種類以上併用してもよい。
【0061】
また、硬化触媒(G)としては、有機金属系化合物が使用するができる。その中でも代表的なものとして有機錫化合物とアルミキレ−トがある。ジオクチル錫ビス(2−エチルヘキシルマレ−ト)、ジオクチル錫オキサイドまたはジブチル錫オキサイドとシリケ−トとの縮合物、ジブチル錫ジオクトエ−ト、ジブチル錫ジラウレ−ト、ジブチル錫ジステアレ−ト、ジブチル錫ジアセチルアセトナ−ト、ジブチル錫ビス(エチルマレ−ト)、ジブチル錫ビス(ブチルマレ−ト)、ジブチル錫ビス(2−エチルヘキシルマレ−ト)、ジブチル錫ビス(オレイルマレ−ト)、スタナスオクトエ−ト、ステアリン酸錫、ジ−n−ブチル錫ラルレ−トオキサイドがある。また、分子内にS原子有する錫化合物としては、ジブチル錫ビスイソノニル−3―メルカプトプロピオネ−ト、ジオクチル錫ビスイソノニル−3−メルカプトプロピオネ−ト、オクチルブチル錫ビスイソノニル−3−メルカプトプロピオネ−ト、ジブチル錫ビスイソオクチルチオグルコレ−ト、ジオクチル錫ビスイソオクチルチオグルコレ−ト、オクチルブチル錫ビスイソオクチルチオグルコレ−トなどが有機錫化合物として挙げられる。
【0062】
前記アルミキレ−ト化合物としては、エチルアセトアセテ−トアルミニウムジイソプロピレ−ト、アルミニウムトリス(アセチルアセテート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムモノアセチルアセトネ−トビス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセチルアセテ−トアルミニウムジイソプロピレ−トなどがあげられる。
【0063】
前記アルミキレ−ト化合物としては、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテ−ト)とアルミニウムトリス(アセチルアセトナ−ト)がイソシアナ−トと配合した場合の貯蔵安定性および可使時間のバランスが良好で、塗膜の接触角が小さくなるという点から好ましい。
【0064】
前記硬化触媒(G)は単独でもよく、また、異なるタイプのものまたは同じタイプのものを2種類以上併用してもよい。
【0065】
前記加水分解性エステル化合物(H)の具体例としては、たとえばオルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル、オルト酢酸メチル、オルト酢酸エチル、オルトプロピオン酸トリメチル、オルトプロピオン酸トリエチル、オルトイソプロピオン酸トリメチル、オルトイソプロピオン酸トリエチル、オルト酪酸トリメチル、オルト酪酸トリエチル、オルトイソ酪酸トリメチル、オルトイソ酪酸トリエチルなどの加水分解性エステル化合物;または、ジメトキシメタン、1,1−ジメトキシエタン、1,1−ジメトキシプロパン、1,1−ジメトキシブタン;または、エチルシリケ−ト(テトラメトキシシラン)、メチルシリケ−ト(テトラメトキシシラン)、メチルトリメトキシシランなどが挙げられる。この中では、脱水効果の点から、オルト酢酸メチルが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0066】
前記メルカプト基含有炭化水素および(または)メルカプトシラン(1)としては、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシランやγ-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、α-メルカプトメチルペンタメチルジシロキサン、γ-メルカプトプロピルペンタメチルジシロキサン、γ-メルカプトプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、(CH3O)3Si−S―S−Si(OCH33、(CH3O)3Si−S8−Si(OCH33などが挙げられるが、入手のし易さ、(G)の中の有機金属化合物と配合した場合の貯蔵安定性の点から、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシランやγ-メルカプトプロピルトリエトキシシランが好ましい。これらは、単独または2種類以上併用することができる。(I)成分を使用することによって、可使時間を延長させることができる。
【0067】
前記ビニル系共重合体(A)、弱溶剤(B)、ビニル基を含有するポリエステル化合物を共重合してなるビニル系共重合体(C)、顔料(D)、一般式(2)で表されるシリコン化合物およびその部分加水分解縮合物(E)、シランカップリング剤(F)、硬化触媒(G)、加水分解性エステル化合物(H)、メルカプト基含有炭化水素および/またはメルカプトシラン(1)の配合割合は、ビニル系共重合体(A)および/または(C)成分100部に対して、(B)は塗装粘度を満足する量であれば特に規定はなく、硬化触媒(G)は0.1〜20部、更に、脱水剤として配合される加水分解性エステル化合物(H)は配合される顔料により、脱水効果が発揮される程度適宜配合される。顔料(D)は必要により0〜150重量部、シリコン化合物および、または部分加水分解縮合物(E)は2〜200重量部、シランカップリング剤(F)は0.1〜300重量部、メルカプト基含有炭化水素および(または)メルカプトシラン(1)が0〜20部になるように調整される。これらの成分のうち、(A)成分(C)成分と(E)成分との相溶性を向上させるため、(A)、(C)の重合時に(E)を加えること、さらに、(A)、(C)に(E)をホットブレンドすることができる。
【0068】
前記硬化触媒(G)の使用量は(A)成分および/または(C)成分100部に対して0.1〜20部、好ましくは0.2〜13部が好ましく、更に好ましくは0.5〜10部である。
(G)の使用量が0.1未満の場合には得られた塗膜の硬化性が不十分で耐候性が発揮されない。20部を超えると、該組成物を用いて形成した塗膜の表面光沢など外観性の低下傾向が認められるので好ましくない。
【0069】
また、前記加水分解性エステル化合物(H)はビニル系共重合体(A)を重合する前の成分に加えてもよく、(A)の重合中に加えてもよく、また、得られたビニル系共重合体(A)とそのほかの成分との混合時に加えてもよく特に制限はない。
【0070】
加水分解性エステル化合物(H)の配合量には特に限定はないが、通常ビニル系共重合体(A)および/または(C)成分、またはシリコン化合物の部分加水分解縮合物の樹脂固形分100部に対して(H)成分およびアルキルアルコ−ルの合計量が0.5〜20部程度、なかんづく2〜10部程度であるのが好ましい。前記顔料分散用ポリエステル変性アクリル共重合体を共重合してなるビニル系共重合体(C)の使用量は(A)成分に対して5〜150部、好ましくは5〜100部、更に好ましくは10〜50部である。
(C)の使用量が5部未満の場合には、顔料を用いた場合の顔料分散性が不十分であり、150部を超えると塗膜の耐候性が低下する。
前記シリコン化合物の部分加水分解縮合物(E)の使用量は(A)および/または(C)成分に対して2〜200部、好ましくは2〜50部、更に好ましくは2〜30部である。
(E)の使用量が(A)および/または(C)成分に対して2部未満の場合には、得られる組成物を用いて形成した塗膜の硬化性や耐汚染性の改良効果が不十分になり、また、200部をこえると塗膜の表面光沢などの外観性が低下したり、クラックなどが発生したりするようになる。
【0071】
前記シランカップリング剤(F)の使用量としては(A)および/または(C)成分に対して0.1〜300部、好ましくは0.2〜100部、更に好ましくは0.5〜50部である。
【0072】
(F)の使用量が0.1部未満の場合には、下地、中塗り、下塗りとの密着性が不十分である。また、300部を超える場合には、塗膜外観不良、割れ等の不具合いを生じる。
【0073】
前記メルカプト基含有炭化水素および/またはメルカプトシラン(I)の使用量としては(A)および/または(C)成分に対して0〜20部である。好ましくは、0.1〜10部、更に好ましくは0.2〜5部である。
【0074】
また、上記組成物には希釈剤、紫外線吸収剤、光安定剤、タレ防止剤、レベリング剤などの添加剤;ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレートなどの繊維素;エポキシ樹脂、メラミン樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩化ゴム、ポリビニルブチラール、ポリシロキサンなどの樹脂などを適宜加えてもよい。
【0075】
本発明の上塗り塗料用硬化性樹脂組成物は、たとえば浸漬、吹き付け、刷毛などを用いた塗布などの通常の方法によって被塗物に塗布され、通常、常温でそのまま、または30℃程度以上で焼き付けて硬化せしめる。
【0076】
また、本発明の上塗り塗料用硬化性組成物は、通常複層膜で使用されるのが一般的である。その際、下塗りとして浸透性エポキシシ−ラ−、アクリルゴム系の防水塗料、アクリルエマルジョン、無機フィラ−含有反応性エポキシエマルジョン等が使用される。更に、このような下塗り、基材との密着性の向上、耐衝撃性の向上および下塗りに対する追従性の向上による耐久性(割れ等の防止)の確保を目的として、通常上塗りとして使用されるアクリル塗料、ウレタン塗料、フッ素樹脂塗料を中塗りおよび/または下塗りとして使用することができる。また、これらの塗料は、これまで述べたシリケ−ト成分を配合した低汚染タイプのものも使用することができる。
本発明の上塗り塗料用硬化性樹脂組成物は、たとえば金属、セラミックス、ガラス、セメント、窯業系成形物、プラスチック、木材、紙、繊維などからなる建築物、家電用品、産業機器などの上塗り用の塗料として好適に使用される。
次に、本発明の上塗り塗料用硬化性樹脂組成物を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0077】
製造例1(ビニル系共重合体(A)の製造)
撹拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管および滴下ロ−トを備えた反応器に弱溶剤(ナフサNo.6 エクソン化学(株)製)を30部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ110℃に昇温した。その後、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン8部、メチルメタクリレ−ト35部、i−ブチルメタアクリレ−ト17部、ラウリルメタアクリレート40部、ターペン30部およびAIBN(和光純薬(株)製)1.5部からなる混合物を滴下ロ−トにより4時間かけて等速滴下した。
【0078】
滴下終了後、V―59(2,2′―アゾビス(2―メチルブチロニトリル)0.2部および弱溶剤(ナフサNo.6)20部を0.5時間かけて等速滴下した後、110℃で1.5時間熟成してから冷却し、樹脂溶液に弱溶剤(ナフサNo.6)を加えて樹脂固形分濃度が50%のビニル系共重合体(A)−1を得た。得られたビニル系共重合体(A)−1の平均分子量は10000であった。
【0079】
製造例2(ビニル系共重合体(A)の製造)
撹拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管および滴下ロ−トを備えた反応器に弱溶剤(LAWS、シェル化学(株)製)30部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ110℃に昇温した。その後、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン10部、ステアリルメタクリレ−ト33部、メチルメタクリレ−ト37部、t−ブチルメタクリレ−ト20部、AIBN0.3部、弱溶剤(LAWS)30部からなる混合物を滴下ロ−トにより4時間かけて等速滴下した。
【0080】
滴下終了後、V−59 0.03部および弱溶剤(LAWS)20部を0.5時間かけて等速滴下した後、110℃で1.5時間熟成してから冷却し、樹脂溶液に弱溶剤(LAWS)を加えて樹脂固形分濃度が50%のビニル系共重合体(A)−2を得た。得られたビニル系共重合体(A)−2の平均分子量は25000であった。
【0081】
製造例3(ビニル系共重合体(A)の製造)
製造例1において、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを10部に、ラウリルメタクリレ−トを31部に、メチルメタクリレ−トを53部に、i−ブチルメタアクリレ−トを6部に、AIBNを0.9部に変更する以外は製造例1と同様にして樹脂固形分濃度が50%のビニル系共重合体(A)−3を得た。得られたビニル系共重合体(A)−3の数平均分子量は15000であった。
【0082】
製造例4(ビニル系共重合体(A)の製造)
製造例1において、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを13部に、ラウリルメタクリレ−トを0部に、メチルメタクリレ−トを7部に、i−ブチルメタクリレ−トを70部にし、さらに2−エチルヘキシルアクリレートを10部使用し、AIBNを1.5部に変更する以外は、製造例1と同様にして樹脂固形分濃度が50%のビニル系共重合体(A)−4を得た。得られたビニル系共重合体(A)−4の数平均分子量10000であった。
【0083】
製造例5(ビニル系共重合体(A)の製造)
製造例1において、ラウリルメタクリレ−トを20部に、メチルメタクリレ−トを7部に、i−ブチルメタクリレ−トを0部に、AIBNを0.9部に変更し、シクロヘキシルメタクリレートを50部とスチレン10部、2―ヒドロキシエチルメタクリレート5部を使用する以外は、製造例1と同様にして樹脂固形分濃度が50%のビニル系共重合体(A)−5を得た。得られたビニル系共重合体(A)−5の数平均分子量15000であった。
【0084】
製造例6(ビニル系共重合体(A)の製造)
製造例1において、初期に仕込む溶剤に加えて、シリケ−ト化合物であるシリケート48(多摩化学製)(E)−2を20部仕込み、他は同様の方法で重合し、固形分濃度50%ビニル系共重合体(A)−5を得た。得られたビニル系共重合体(A)−6の数平均分子量は、10000であった。
【0085】
製造例7(ビニル系共重合体(A)の製造:(b)成分不含の場合)
製造例1において、ラウリルメタクリレ−トを34部、メチルメタクリレ−トを58部、i−ブチルメタクリレートを0部、AIBNを1.5部のモノマー組成に変更する以外は、製造例1と同様にして樹脂固形分濃度が50%のビニル系共重合体(A)−7を得た。得られたビニル系共重合体(A)−7の数平均分子量10000であった。
【0086】
製造例8(ビニル系共重合体(C)の製造例)
製造例1と同様の装置を用い、はじめにターペン(ナフサNo.6 エクソン化学(株)製)を30部を仕込み、γ−メタクロキシプロピルトリメトキシシランを8部、スチレンを13部、メチルメタクリレ−ト27部、ラウリルメタアクリレート25部、i−ブチルメタクリレ−ト8部、重合性不飽和基含有ポリエステル樹脂ハリフタール332−45(ハリマ化成(株)製)17部、N,N−ジメチルアクリルアミド2部、V−59を1.8部、弱溶剤25部からなる混合物を4時間かけて滴下した。滴下終了後、V−59 0.2部、弱溶剤18部からなる混合物を0.5時間かけて等速滴下した。その後、同温度で1.5時間熟成した。得られた反応物を弱溶剤で樹脂固形分50%に希釈した。そのビニル系共重合体(C)−1の数平均分子量は10000であった。
【0087】
製造例9(ビニル系共重合体(C)の製造例:(f)成分不含の場合)
製造例8において、N,N−ジメチルアクリルアミドをアクリルアミドに変更する以外は、製造例8と同様にして反応物を得た。そのビニル系共重合体(C)−2の数平均分子量は10000であった。
【0088】
製造例10(ビニル系共重合体(C)の製造例:(b)成分不含の場合)
製造例8において、メチルメタクリレ−トを32部に、ラウリルメタアクリレート28部に、i−ブチルメタクリレ−トなしのモノマー組成に変更する以外は、製造例8と同様にして反応物を得た。そのビニル系共重合体(C)−3の数平均分子量は10000であった。
実施例1
顔料(D)−1として酸化チタンCR−95(石原産業(株)製)50部と全樹脂固形分に対して5重量%になるように加水分解エステル化合物(H)を添加、製造例8で得られたポリエステル樹脂含有ビニル系共重合体(C)−1 30部にガラスビ−ズを用いてペイントコンディショナ−で2時間分散させペ−スト状の組成物を得た。次に、製造例1で得られたビニル系共重合体(A)−1と(C)−1の合計樹脂固形分100部に対し、シリコン化合物(E)−1としてエチルシリケート48(コルコート(株)製のテトラエトキシシランの部分加水分解縮合物)が10部になるように(E)−1、(A)−1を添加し、溶剤(B)−1で希釈して、固形分濃度が60%の白エナメルを得た。得られた白エナメルに硬化触媒(G)としてジブチル錫ビスブチルマレ−ト(G)−1とシランカップリング剤(F)としてアミノエチルアミノプロピルトリメトキシシランとγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの1:2.2(モル比)反応物(F)−1を各々ビニル共重合体(A)−1とポリエステル樹脂含有ビニル系共重合体(C)合計100部に対してそれぞれ1部、1.5部を予め混合しておき、添加した。さらに、溶剤(B)を添加して攪拌機を用いて5分間攪拌して、固形分濃度が45%の組成物を得た。
【0089】
実施例2〜9
表1および2に示す配合に従い、以下同様にして、固形分濃度45%の組成物を得た。
【0090】
(イ)弱溶剤希釈性
得られた重合体100重量部に対して、20℃と5℃の雰囲気下、弱溶剤(ナフサNo.6;エクソン化学(株)製)をある一定の割合加えていき白濁を生じるまでの希釈性を確認した。結果を表3に示す。
得られた塗膜の表面状態、光沢、耐汚染性、耐候性、接触角、密着性、上塗りリコ−ト時のちぢみについては以下の方法に従って評価した。(ロ)〜(へ)については、得られた組成物をアルミ板(A5052P)に乾燥膜厚20〜30μmになるように塗装してサンプルとした。
(ロ)表面状態
塗膜表面を目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
A:ひび割れが全く認められず、表面状態が良好である。
B:部分的に微小のひび割れが認められる。
C:全体にひび割れが認められる。
(ハ)光沢
塗膜表面の光沢をJIS K 5400に準拠してGM268光沢計(ミノルタ製)を用いて測定した。(60°光沢)
(ニ)耐汚染性(ΔL値)
形成直後の塗膜表面および大阪摂津市の屋外で3ケ月間放置(屋外曝露)後の塗膜表面の色彩をCR―300色差計(ミノルタ製)を用いて各々測定し、得られたL値(明度)からその差(ΔL値)を求めた。
(ホ)耐候性(光沢保持率)
サンシャインウェザオメ−タ−を用い、形成直後の塗膜表面および2000時間経過後の塗膜表面の光沢をそれぞれ測定し、2000時間経過後の光沢保持率(%)を求めた。
(ヘ)接触角
形成後7日目の塗膜表面の水との静的接触角を接触角測定器(協和界面科学株式会社製CA―S150型)で測定した。
(ト)ちぢみ
得られた組成物を、スレ−ト板にフタル酸系エナメル(SDマリン;関西ペイント(株)製)、塩化ゴム系エナメル(クリンラバテクト;関西ペイント(株)製)を1.4〜1.6Kg/m2になるように塗装したものをサンシャインウエザオメーター試験に600時間曝し、その後実施例に示す組成物を乾燥膜厚20〜30μmで塗装してサンプルとした。このサンプルにカッタ−で基材にまで達する傷を入れ、上塗り塗装後1日、2日、3日、6日、10日、14日目に刷毛で上塗り塗料を塗装し、各期間での塗膜の状態を観察、ちぢみ等がないことが確認した。上塗りリコ−ト時のちぢみについては、以下の基準で評価した。
【0091】
(評価基準)
○;塗膜に異常が見られない。
△;カッティングを入れた部分のみにちぢみが発生。
×;リコ−ト部全面にちぢみが発生。
(チ)密着性
スレ−ト板に市販のE仕様下塗り(イサム塗料(株)製)を塗装し、翌日に上塗り塗料を塗装した。室温(23°、湿度55%)で1日養生後の密着性をJISK 5400に準拠して碁盤目密着性を測定することにより評価した。
また、ちぢみを評価したフタル酸系エナメル、塩化ゴム系エナメル上でも同様の評価を行った。
(評価結果)
10:100/100
8:80/100
6:60/100
4:40/100
2:20/100
0: 0/100
(リ)臭気
該組成物をスプレ−またはロ−ラ塗装した場合の臭気を以下の基準で評価した。
【0092】
(評価基準)
○;鼻をつくような臭気が感じられず、長時間塗装にも耐えられる。
×;臭気が強く、長時間の塗装には耐えられない。
結果をまとめて表4に示す。
【0093】
実施例1〜12および比較例1で配合されている組成物は以下の通りである。
溶剤(B)
(B)−1;ナフサNo.6(エクソン化学(株)製)
(B)―2;P―20(ジャパンエナジー(株)製)
(B)−3;エクソールD40(エクソン化学(株)製)
顔料(D)
(D)−1;CR−95(白;酸化チタン)
(D)−2;酸化鉄(赤)
(D)−3;フタロシアニンブル−
シリケ−ト化合物(E)
(E)−1;エチルシリケ−ト48(コルコ−ト製)
(E)−2;シリケ−ト48(多摩化学製)
(E)−3;シリケート45(多摩化学製)
(E)−4;FR−3(多摩化学製)
シランカップリング剤(F)
(F)−1;アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシランとγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの1:2.2(モル比)反応物
(F)−2;ビスフェノ−ルA型2官能エポキシ化合物(エピコ−ト828;油化シェルエポキシ(株)製))とγ−アミノプロピルトリエトキシシランの1:2(モル比)の反応物
(F)−3;γ−アミノプロピルトリエトキシシラン
(F)−4;アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン
硬化触媒(G)
(G)−1;ジブチル錫ビスブチルマレ−ト
(G)−2;ジオクチル錫ビス(2−エチルヘキシルマレ−ト)
(G)−3;ジブチル錫ビスオレイルマレ−ト
(G)−4;2−エチルヘキサン酸/ジメチルドデシルアミンを酸/塩基当量が1/1.03になる様に配合した混合物
加水分解性エステル(H)
(H)−1;オルト酢酸メチル
(H)−2;オルトぎ酸メチル
メルカプト基含有炭化水素および(または)メルカプトシラン(J)
(1)−1;n−ドデシルメルカプタン
(1)−2;γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン
【0094】
【表1】
【0095】
【表2】
【0096】
【表3】
【0097】
【表4】
表−2、3に示すように、製造例1〜6および8、9で得られた共重合体は、弱溶剤での大希釈が極めて容易で、且つ実施例1〜12で得られた硬化塗膜は、優れた塗り重ね性およびシリコン化合物(E)を配合した場合に表面の接触角が小さく、優れた耐汚染性を示すことがわかる。
【0098】
【発明の効果】
本発明の塗料用硬化性樹脂組成物は、弱溶剤に極めてよく溶解し、且つそれを塗布してなる塗装物は、各種基材および下塗りに対して優れた塗り重ね性を示すとともに、臭気が少ない塗料を供する。さらに、シリコン化合物(E)を配合した場合に該塗膜の接触角が小さく、耐汚染性に優れるものである。

Claims (12)

  1. アルコキシシリル基と分岐構造を有するビニル系共重合体(A)成分溶剤として脂肪族炭化水素を含有してなる弱溶剤(B)、ビニル系共重合体(C)成分、及び顔料(D)を含有し、
    前記(A)成分が下記一般式(1)で表されるシリル基を有するビニル系単量体(a)成分、分岐構造を有するビニル系単量体(b)成分、その他の共重合可能なビニル系単量体(c)成分を共重合して得られるビニル系共重合体であり、
    前記(C)成分が、前記(A)成分を構成するモノマー種に加えて、ビニル基を含有するポリエステル化合物(e)成分を、前記(A)成分を構成するモノマー100重量部に対して2〜30重量部共重合して得られるビニル系共重合体であり、
    前記(A)成分および(C)成分100重量部に対して、前記(D)成分を1〜150重量部含有する
    ことを特徴とする上塗り塗料用硬化性組成物。
    (式中、R1は、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、複数存在する場合には、同一であっても異なっていてもよい。R2は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、または、炭素数7〜10のアラルキル基を表し、複数存在する場合には、同一であっても異なっていてもよい。aは、0〜2の整数を表す。)
  2. 前記(c)成分のその他の共重合可能なビニル系単量体のうち炭素数が8以上であるアルキル基を有するビニル系単量体(d)を含む請求項1記載の上塗り塗料用硬化性樹脂組成物。
  3. 前記(A)成分が前記(a)成分を1〜90重量部共重合させて得られる重合体である請求項1または2に記載の上塗り塗料用硬化性樹脂組成物。
  4. 前記(A)成分が前記(b)成分を2〜90重量部共重合させて得られる重合体である請求項1〜3のいずれか一項に記載の上塗り塗料用硬化性樹脂組成物。
  5. 前記(C)成分が、前記(C)成分を構成するモノマー種に加えて、さらに窒素原子上の置換基がアルキル基で置換されたアミド基を有するビニル系単量体(f)を、前記(A)成分を構成するモノマー100重量部に対して0.5〜10重量部共重合することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の上塗り塗料用硬化性樹脂組成物。
  6. 前記組成物に、下記一般式(2)
    (式中、R3は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、R4は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、bは0または1を示す)で表されるシリコン化合物および/またはその部分加水分解縮合物(E)を(A)および(C)成分100重量部に対して2〜200重量部を含有することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の上塗り塗料用硬化性樹脂組成物。
  7. 前記組成物に、アミノシラン、エポキシシランおよびこれらの反応生成物からなる群から選択される少なくとも1種以上の化合物からなるシランカップリング剤(F)を、(A)および(C)100重量部に対して0.1〜300重量部含有することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の上塗り塗料用硬化性樹脂組成物。
  8. 前記組成物に、前記(A)および(C)100重量部に対して、硬化触媒(G)を0.1〜20重量部含有することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の上塗り塗料用硬化性樹脂組成物。
  9. 前記(G)成分が、有機カルボン酸類、有機リン酸類、有機カルボン酸類と有機アミンの併用物、有機リン酸類と有機アミンの併用物、有機金属系化合物からなる群から選ばれる1種または2種以上の混合物である請求項記載の上塗り塗料用硬化性樹脂組成物。
  10. 前記組成物に、前記(A)および(C)100重量部に対して、加水分解性エステル化合物(H)を0.1〜150重量部含有することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の上塗り塗料用硬化性樹脂組成物。
  11. 前記組成物に対して、メルカプト基含有炭化水素および/またはメルカプトシラン(I)を配合してなる請求項1〜10のいずれか一項に記載の上塗り塗料用硬化性樹脂組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の上塗り塗料用組成物を塗布してなる塗装物。
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