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JP5376741B2 - 上塗り塗料用硬化性樹脂組成物およびそれを塗布してなる塗装物 - Google Patents

上塗り塗料用硬化性樹脂組成物およびそれを塗布してなる塗装物 Download PDF

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JP5376741B2 JP2000321528A JP2000321528A JP5376741B2 JP 5376741 B2 JP5376741 B2 JP 5376741B2 JP 2000321528 A JP2000321528 A JP 2000321528A JP 2000321528 A JP2000321528 A JP 2000321528A JP 5376741 B2 JP5376741 B2 JP 5376741B2
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Description

本発明は、上塗り塗料用硬化性樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、例えば金属、セラミックス、ガラス、セメント、窯業系成形物、プラスチック、木材、紙、繊維などからなる建築物、家電用品、産業機器などの塗装に好適に使用しうる上塗り塗料用硬化性樹脂組成物および、当該上塗り塗料用硬化性樹脂組成物を塗装した塗装物に関する。
従来、窯業系組成物、コンクリートや鉄鋼などからなる建築物、建材などの産業製品などの表面を、例えば、フッ素樹脂塗料、アクリルウレタン樹脂塗料、アクリルシリコン樹脂塗料などの塗料で被覆することによって建築物などの外観をよくしたり、防食性や耐候性等を向上させたりしている。特に、アクリルウレタン樹脂塗料は、上記のフッ素樹脂塗料、アクリルシリコン塗料の欠点である塗装作業性、厚塗性、汎用性に優れた塗料であり、特に、環境問題の点から、弱溶剤型のウレタン塗料が上市されている。
しかしながら、これらの塗料は、耐候性、耐汚染性が不十分であり、塗り替えまでの期間が短くなるという課題を抱えている。それに対して、特開平11−279480で開示されている弱溶剤タイプのアクリルシリコン塗料は、高耐候性を有し、塗り替えまでの期間を延ばせるという利点がある一方、その架橋形態によって、弱溶剤タイプのウレタン塗料に比較して被塗物によっては密着性が不十分であり、密着性に対して欠けるという問題点がある場合があった。また、耐溶剤性が不足する傾向があるため、エポキシ系塗料が塗布された時ちぢみを生じる場合や、鋼板に塗布した場合に耐衝撃性が不十分な場合があった。
発明が解決しようとする課題
本発明は、塗装作業性、厚塗性、汎用性に優れたアクリルウレタン塗料の優れた諸性能を損なうことなく、欠点である耐候性、耐汚染性、種々の基材に対する密着性を改質した塗料組成物を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
本発明は、以下の構成からなる新規な塗料用硬化性樹脂組成物を提供するものであり、これにより上記目的が達成される。
1)水酸基含有アクリル樹脂(A)成分、加水分解性基と結合したシリル基を含有するビニル系共重合体(B)成分、多官能性イソシアナート化合物(C)成分、弱溶剤(D)成分を配合してなる塗料用硬化性樹脂組成物。
2)水酸基含有アクリル樹脂(A)成分が、重量平均分子量が5000〜80000、水酸基価が20〜100(KOHmg/g)、酸価が0.1〜30(KOHmg/g)からなる請求項1記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
3)水酸基含有アクリル樹脂(A)成分が、NAD形ポリオール分散体(A−1)成分からなる請求項1または2記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
4)(B)成分が、前記(A)成分100重量部に対して20〜250重量部配合してなる請求項1〜3記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
5)(B)成分が、(a)加水分解性基と結合したシリル基を含有するビニル系単量体(b)水酸基を含有するビニル系単量体(c)その他の共重合可能な単量体を共重合してなるビニル系共重合体(B−1)である請求項1〜4のいずれか一項に記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
6)前記(c)その他の共重合可能な単量体のうち(d)炭素数が5以上の(メタ)アクリル酸アルキルを含有してなる請求項5に記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
7)前記組成物(B)成分に対して、前記ビニル系共重合体(B−1)成分を構成するモノマー種に加えてビニル基を含有するポリエステル化合物(e)成分を共重合した樹脂(B−2)成分を配合することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
8)前記(B−2)成分にさらに(メタ)アクリル系アミド化合物(f)を共重合させることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
9)弱溶剤(D)成分が脂肪族炭化水素を含有してなる請求項1〜8のいずれか一項に記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
10)さらに、一般式(1)
(式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基および炭素数7〜10のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、R2は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数が6〜10のアリール基および炭素数7〜10のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、aは0または1を示す。)で表されるシリコン化合物及び、またはその部分加水分解縮合物(E)を配合してなる請求項1〜9のいずれか一項に記載塗料用硬化性樹脂組成物。
11)塗料用硬化性樹脂組成物に、さらに有機金属系化合物(F)成分を配合してなる請求項1〜10のいずれか一項に記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
12)塗料用硬化性樹脂組成物に、さらに単官能イソシアナート化合物(G)成分を配合してなる請求項1〜11のいずれか一項に記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
13)前記(A−1)成分と(B)成分の混合物100重量部に対して、前記(F)成分が0.1〜30重量部、前記(G)成分が0.1〜100重量部配合されてなる請求項1〜12のいずれか一項に記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
14)前記組成物に顔料(H)を配合することを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
15)請求項1〜14のいずれかに記載の上塗り塗料用組成物を塗布してなる塗装物。
本発明の水酸基含有アクリル樹脂(A)は、ポリウレタン技術分野において一般的に使用されるアクリルポリオールを意味し、硬化剤であるポリイソシアナートと混合・反応することにより、形成される塗膜において、塗膜形成主要素となるものである。
このようなアクリルポリオールとしては、アクリル共重合体において、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ−ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシエチルビニルエ−テル、N―メチロ−ル(メタ)アクリルアミド、4−ヒドロキシスチレンビニルトルエン、東亜合成化学工業(株)製のアロニクス5700、4−ヒドロキシスチレン、日本触媒化学工業(株)製のHE―10、HE−20、HP―1およびHP―20(以上、いずれも末端に水酸基を有するアクリル酸エステルオリゴマ−)、日本油脂(株)製のブレンマ−PPシリ−ズ(ポリプロピレングリコ−ルメタクリレ−ト)ブレンマ−PEシリ−ズ(ポリエチレングリコ−ルモノメタクリレ−ト)ブレンマ−PEPシリ−ズ(ポリエチレングリコ−ルポリプロピレングリコ−ルメタクリレ−ト)ブレンマ−AP−400(ポリプロピレングリコ−ルモノアクリレ−ト)、ブレンマ−AE−350(ポリエチレングリコ−ルモノアクリレ−ト)およびブレンマ−GLM(グリセロ−ルモノメタクリレ−ト)、N−メチロ−ル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル類、水酸基含有化合物とε―カプロラクトンとの反応により得られるε−カプロラクトン変性ヒドロキシアルキルビニル系共重合体化合物Placcel FA―1、 Placcel FA−4、Placcel FM−1、Placcel FM―4(以上ダイセル化学工業(株)製)、TONE M−201(UCC社製)、ポリカ−ボネ−ト含有ビニル系化合物(具体例としては、HEAC―1(ダイセル化学工業(株)製)などの水酸基を有するモノエチレン性不飽和モノマーを共重合モノマーとした1分子中に2以上の水酸基を有するアクリルポリオール使用できる。中でも2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ−ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ−トは、イソシアナ−トとの反応性に優れ、耐候性、耐薬品性、耐衝撃性が良好な塗膜が得られる点から好ましい。特に好ましくは、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−トである。
本発明に使用する前記ポリオールの分子量は、重量平均分子量にて5000〜80000、好ましくは20000〜60000である、分子量が5000より小さくなる場合には、塗膜の硬化性、耐久性が劣り、80000より大きくなる場合には、塗膜の仕上がり性が十分でない。さらに、水酸基価が20〜100(KOHmg/g)、酸価が0.1〜30(KOHmg/g)が好ましく、水酸基価が20(KOHmg/g)より小さい場合は、架橋密度が低いため、各種塗膜物性、耐汚染性が劣り、逆に、100KOHmg/gより大きい場合は、加水分解性基と結合したシリル基および水酸基を有するビニル系共重合体(B)成分と混合した場合に、相溶性の低下や架橋密度が高くなり部分加水分解縮合物の表面配向性が阻害されるため好ましくない。酸価が0.1(KOHmg/g)より小さいと顔料との分散性の低下および硬化性の低下が起こり、逆に、30(KOHmg/g)より大きいと、塗料としての貯蔵安定性の低下を引き起こすため好ましくない。
ポリオールNAD形樹脂分散体(A−1)成分は、非水系溶剤中に樹脂が分散したものであり、樹脂の一部分に、非水系溶剤に溶けるような成分を入れ、その他の部分に非水溶剤に溶けない成分を入れたものである。ポリオール非水系溶剤に溶解可能な樹脂部分とは、非水系溶剤への溶解度が99.0重量%以上のものである。逆に非水系溶剤に溶解しない樹脂部分とは、非水系溶剤へ全く溶解しないか、又は極少量(溶解度が1.0重量%未満)のものである。このようなNAD形樹脂分散体は、NAD形樹脂粒子をポリオールによって構成し、イソシアナートを硬化剤として使用する2液タイプのものである。NAD形樹脂分散体(A−1)成分は、単独あるいは、同種のものも含めて2種類以上混合して使用することができる。前記(A−1)成分は、弱溶剤とよばれる溶解力の弱い溶剤類にも分散が可能であり、溶解性パラメータ(以下、SP)が6.5〜9.5程度のものである。NAD形樹脂分散体(A−1)成分の重量平均分子量は、5000〜80000、水酸基価が20〜100(KOHmg/g)、酸価が0.1〜30(KOHmg/g)のものが使用できる。重量平均分子量が5000より小さい場合は、塗料として適度な粘性が得られず、各塗膜物性に劣り、逆に、80000より大きい場合は、加水分解性基と結合したシリル基および水酸基を有するビニル系共重合体(B)成分と混合した場合に、相溶性の低下、塗膜の鮮鋭性や光沢の低下が見られるので好ましくない。また、水酸基価が20(KOHmg/g)より小さい場合は、架橋密度が低いため、各種塗膜物性、耐汚染性が劣り、逆に、100KOHmg/gより大きい場合は、加水分解性基と結合したシリル基および水酸基を有するビニル系共重合体(B)成分と混合した場合に、相溶性の低下、架橋密度が高くなり部分加水分解縮合物の表面配向性が阻害されるため好ましくない。酸価が0.1(KOHmg/g)より小さいと顔料との分散性の低下および硬化性の低下が起こり、逆に、30(KOHmg/g)より大きいと、塗料としての貯蔵安定性の低下を引き起こすため好ましくない。上記、ポリオールNADの場合は、(b)〜(d)の単量体を使用することができる。ここで、水酸基含有アクリル樹脂(A)成分としてNAD型ポリオール分散体(A−1)成分を使用する方が、垂れ防止剤等の添加剤を添加せずに垂れ性などの作業性を確保でき、さらに添加剤による塗膜の表面状態の低下を抑えることができるいう点で好ましい。
次に、加水分解性基と結合したシリル基および水酸基を有するビニル系共重合体(B)成分は、その主鎖が実質的にアクリル系単量体が共重合した主鎖からなる(以下、主鎖が実質的にアクリル系共重合鎖からなるともいう)共重合体であるため、得られる本発明の塗料用硬化性樹脂組成物から形成される塗膜の耐候性、耐薬品性などが優れたものとなる。
なお、前記アクリル系共重合体(B)の主鎖が実質的にアクリル共重合鎖からなるとは、アクリル系共重合体(B)の主鎖を構成する単位のうちの50%以上、さらには70%以上がアクリル系単量体単位から形成されていることを意味する。
また、アクリル系共重合体(B)は、加水分解性基と結合したシリル基が炭素原子に結合した形式で含有されているため、塗膜の耐水性、耐アルカリ性、耐酸性などがすぐれたものとなる。
アクリル系共重合体(B)において、加水分解性基と結合したシリル基は、アクリル系共重合体(B)1分子あたり2個以上、好ましくは3個以上であることが、本発明の組成物から形成される塗膜の耐候性、耐溶剤性などの耐久性が優れるという点から好ましい。
前記加水分解性基と結合したシリル基は、アクリル系共重合体(B)の主鎖の末端に結合していてもよく、側鎖に結合していてもよく、主鎖の末端および側鎖に結合していてもよい。加水分解性基と結合したシリル基の導入方法としては、加水分解性基と結合したシリル基を含有する単量体をその他の単量体と共重合する方法、シリケ−ト化合物を反応させる方法、または、水酸基含有共重合体にシリケ−ト化合物を反応させる方法等がある。簡便な方法としては加水分解性基と結合したシリル基を含有する単量体を他の単量体を共重合する方法である。
前記加水分解性基と結合したケイ素の加水分解性基は、ハロゲン基、アルコキシ基等がある。その中で、反応の制御の簡便さからアルコキシ基が好ましく、下記一般式で示される。
一般式(2)
上記一般式(2)中のR3としては、水素原子または炭素数1〜10、好ましくはたとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基などの炭素数1〜4のアルキル基である。前記アルキル基の炭素数が10を超える場合には、加水分解性基と結合したシリル基の反応性が低下するようになる。また、前記アルコキシ基の酸素に結合した基がたとえばフェニル基、ベンジル基などのアルキル基以外の基である場合にも、加水分解性基と結合したシリル基の反応性が低下するようになる。
また、前記一般式(2)中のR4としては水素原子または炭素数1〜10、好ましくはたとえば前記R3において例示された炭素数1〜4のアルキル基、たとえばフェニル基などの好ましくは炭素数6〜25のアリール基およびたとえばベンジル基などの好ましくは炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基である。これらの中では、本発明の組成物が硬化性に優れるという点から炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
前記一般式(2)において、(R3O)3-bは3−bが1以上3以下になるように、すなわちbが0〜2になるように選ばれるが、アクリル系共重合体(B)の硬化性が良好になるという点からは、bが0または1であるのが好ましい。したがって、R4の結合数は0〜1であるのが好ましい。
一般式(2)中に存在する(R3O)3-bまたはR4 bの数が2個以上の場合、2個以上含まれるR3またはR4は同じであってもよく、異なっていてもよい。
前記一般式(2)で表される炭素原子に結合した加水分解性基と結合したシリル基の具体例としては、たとえば後述する加水分解性基と結合したシリル基を含有する単量体に含有される基が挙げられる。
前記(B)成分は例えば、(a)加水分解性基と結合したシリル基を含有するビニル系単量体、(b)水酸基を含有するビニル系単量体、(c)その他の共重合可能なモノマ−重量部を共重合することにより得ることができる。
なお、アクリル系共重合体(B)中の前記単量体単位の含有割合は、本発明の組成物を用いて形成される塗膜の耐久性が優れる、強度が大きくなるという点から、1〜90重量%、さらには2〜70重量%、とくには3〜50重量%であるのが好ましい。
加水分解性基と結合したシリル基含有ビニル共重合体(a)成分の具体例としては、たとえば
などの一般式(3)
などの一般式(4)
などの一般式(5)
などの一般式(6)
などの一般式(7)
(式中、R3、R4、R5およびbは一般式(2)および(3)中の前記と同じ、m、nは1〜14の整数、pは0〜20の整数を示す)で表される化合物や、炭素原子に結合した加水分解性基と結合したシリル基をウレタン結合またはシロキサン結合を介して末端に有する(メタ)アクリレートなどがあげられる。これらの中では、共重合性および重合安定性、ならびに得られる組成物の硬化性および保存安定性が優れるという点から、前記一般式(4)で表される化合物が好ましい。
これらの加水分解性基と結合したシリル基含有ビニル系単量体(a)成分は単独で用いてもよく、2種類以上併用してもよい。
前記水酸基含有ビニル系単量体およびまたはその誘導体(b)成分の具体例としては、前記(A)成分においてアクリルポリオールを共重合する際に使用した水酸基を含有するエチレン性の不飽和モノマーを共重合したものと同じである。使用量としては、水酸基価で20(KOHmg/g)以上が好ましい。
これらのアルコール性水酸基含有ビニル系単量体(b)成分は単独で用いてもよく、2種類以上併用してもよい。また、使用量としては、2〜40重量%が好ましく、硬化性、密着性、耐溶剤性が十分に発現する点から、3〜30重量%がさらに好ましく、特に、5〜20重量%がさらにに好ましい。
前記共重合可能モノマ−(c)成分の具体例としては、メチル(メタ)アクリレ−ト、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレ−ト、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレ−ト、3,3,5,−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、2ーエチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレ−ト、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、グリシジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレ−ト、(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル類とリン酸またはリン酸エステル類との縮合生成物などのリン酸エステル基含有(メタ)アクリル系化合物、ウレタン結合やシロキサン結合を含む(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル誘導体が挙げられる。それ以外の共重合性のモノマ−としては、スチレン、αーメチルスチレン、クロロスチレン、スチレンスルホン酸、4ーヒドロキシスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族炭化水素系ビニル化合物;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸、これらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩などの塩;無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸の酸無水物、これら酸無水物と炭素数1〜20の直鎖状または分岐鎖を有するアルコールまたはアミンとのジエステルまたはハーフエステルなどの不飽和カルボン酸のエステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ジアリルフタレートなどのビニルエステルやアリル化合物;ビニルピリジン、アミノエチルビニルエーテルなどのアミノ基含有ビニル系化合物;イタコン酸ジアミド、クロトン酸アミド、マレイン酸ジアミド、フマル酸ジアミド、N−ビニルピロリドンなどのアミド基含有ビニル系化合物;2ーヒドロキシエチルビニルエーテル、メチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、フルオロオレフィンマレイミド、N−ビニルイミダゾール、ビニルスルホン酸などのその他ビニル系化合物などが挙げられる。
これらの共重合可能モノマ−(c)成分は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
本発明の(B)成分においては、(B)成分を構成する前記その他の共重合可能なビニル系単量体(c)成分のうち、炭素数が5以上の(メタ)アクリル酸および/またはその誘導体(d)成分を共重合させることが好ましい。前記(d)成分の具体例としては、たとえばペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレ−ト、2ーエチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレ−ト、ノニル(メタ)アクリレ−ト、デカニル(メタ)アクリレ−ト、ウンデカニル(メタ)アクリレ−ト、ラウリルメチル(メタ)アクリレ−ト、パルミトイル(メタ)アクリレ−ト、ステアリル(メタ)アクリレ−ト、ブレンマ−SLMA((メタ)アクリル酸のC12〜C18アルキルエステルの混合物;日本油脂(株)製)などが挙げられる。弱溶剤が脂肪族系化合物を含む溶剤である場合の溶解性を向上されるという点から、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレ−ト、オクチル(メタ)アクリレ−ト、ノニル(メタ)アクリレ−ト、デカニル(メタ)アクリレ−ト、ウンデカニル(メタ)アクリレ−ト、ラウリルメチル(メタ)アクリレ−ト、パルミトイル(メタ)アクリレ−ト、ステアリル(メタ)アクリレ−ト、ブレンマ−SLMAが好ましい。特に、ラウリルメチル(メタ)アクリレ−ト、パルミトイル(メタ)アクリレ−ト、ステアリル(メタ)アクリレ−ト、ブレンマ−SLMAがさらに好ましい。
使用量としては、2〜70重量%が好ましく、重合時および希釈時の溶剤に対する溶解性よおび重合安定性の点から、5〜60重量%がさらに好ましいく、特に、10〜50重量%がさらに好ましい。
前記(b)成分、(c)成分と(d)成分の使用量の合計は、加水分解性基と結合したシリル基含有ビニル系単量体(a)成分の種類および使用量に応じて適宜調整すればよいが、通常用いる重合成分全量の10〜99重量%、さらには30〜98重量%、とくには50〜97重量%であるのが好ましい。また、(a)成分の使用量としては重合成分の1〜90重量%、さらに2〜70重量%、特には、3〜50重量%が好ましい。
アクリル共重合体(B)は、異なる樹脂成分を2種以上併用してもよい。樹脂(B)成分にはカルボキシル基またはアミノ基などの基が含まれていてもよく、その場合には、硬化性、密着性が向上する。特に、重合体鎖にカルボキシル基が結合している場合、前記有機金属系化合物(F)成分を配合しなくても、硬化性、耐候性をはじめとする塗膜物性を確保することができる。
前記樹脂(B)成分は、たとえば特開昭54−36395号公報、特開昭57−55954号公報などに記載のヒドロシリル化法または加水分解性基と結合したシリル基を含有する単量体を用いた溶液重合法によって製造することができるが、合成の容易さなどの点から加水分解性基と結合したシリル基を含有する単量体を用い、アゾビスイソブチロニトリル、V−59(和光純薬(株)製)などのアゾ系ラジカル重合開始剤を用いた溶液重合法によって製造することがとくに好ましい。
このようにして得られた樹脂(B)成分は、本発明の組成物を用いて形成される塗膜の耐久性などの物性が優れるという点から、アクリル系共重合体部分の数平均分子量が、1000〜30000、特には3000〜25000であることが好ましい。さらに、前記(A−1)成分に対して、20〜250重量部配合することが塗膜の耐久性などの物性が優れるという点から好ましい。20重量部以下であると、塗膜の耐久性が悪くなり、250重量部以上であるとAおよび(A−1)成分との相溶性が低下するため好ましくない。
本発明の組成物には、前記(B−1)成分を構成するモノマー種に加えて、顔料分散性を向上させる目的で、ビニル基を含有するポリエステル化合物(e)成分を共重合した樹脂(B−2)成分を配合することができる。前記(B−1)成分を構成するモノマー種以外のモノマ−の中で、前記ビニル基を有するポリエステル化合物(e)としてはアルキッドタイプの樹脂が一般的である。重合性不飽和基を有することで、他の重合性不飽和単量体と共重合させることでビニル系共重合体(B)と相溶性の良好な樹脂を得ることができる。
また、分散安定性を向上させることができるという点から、前記(B−2)成分には、(メタ)アクリルアミド系化合物(f)成分を共重合させることが好ましく、このような(メタ)アクリルアミド系化合物(f)成分としては、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド、α−エチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロ−ル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、アロニクスM−5700、マクロモノマーであるAS−6、AN−6、AA−6、AB−6、AK−6などの化合物(以上、東亜合成化学工業(株)製)などが挙げられる。この中では、重合安定性、樹脂成分の重合溶剤に対する溶解性および顔料分散性の点から、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド、α−エチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミドが好ましい。特に、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドがさらに好ましい。
前記(B−2)成分は前記(B−1)成分と同様の方法により製造することが好ましい。
このようにして得られた樹脂(B−2)成分は、本発明の組成物を用いて形成される塗膜の耐久性などの物性が優れるという点から、アクリル系共重合体部分の平均分子量が、1000〜30000、特には3000〜25000であることが好ましい。
前記のごとき樹脂(B−2)成分は、単独で用いてよく、2種類以上併用してもよい。
さらに、本発明の組成物には、(A−1)、(B)成分および(E)成分に対して架橋剤としてイソシアナ−ト基を2個以上有する多官能性イソシアナート化合物(C)成分が含有される。
前記、多官能性イソシアナ−ト化合物(C)としては、脂肪族系もしくは芳香族系のものが挙げられる。
脂肪族系多官能性イソシアナ−ト化合物の具体例として、常温硬化用でヘキサメチレンジイソシアナ−ト、ジシクロヘキシルメタン4,4‘−イソシアナ−ト、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアナ−ト、イソフォロンジイソシアナ−トがあり、構造としては単量体、ビュレット型、ウレジオ型、イソシアヌレ−ト型がある。
また、芳香族多官能性イソシアナ−トとしては、2,4―トリレンジイソシアナ−ト、2,6―トリレンジイソシアナ−ト、ジフェニルメタン−4,4‘−ジイソシアナ−ト、キシレンジイソシアナ−ト、ポリメチレン−ポリフェニレル−ポリイソシアナ−ト、などがある。これにも、ビュレット型、ウレジオ型、イソシアヌレ−ト型がある。
加熱硬化用としてはブロックタイプのものがある。そのブロック剤としてはメチルアルコ−ル、エチルアルコ−ル、n−プロピルアルコ−ル、イソ−プロピルアルコ−ル、n−ブチルアルコ−ル、sec−ブチルアルコ−ル、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、ベンジルアルコ−ル、フルフリルアルコ−ル、シクロヘキシルアルコ−ル、フェノ−ル、o−クレゾ−ル、m−クレゾ−ル、p―クレゾ−ル、p−tert−ブチルフェノ−ル、チモ−ル、p−ニトロフェノ−ル、β―ナフト−ルなどがある。 また、これらのイソシアナ−ト化合物はそのままでも使用可能であるが、アルコ−ル成分と反応させた、アロファネ−トタイプにすると(C)成分に対する溶解性をさらに向上させることができ、その結果、塗膜形成時に外観性が向上するという利点かあるので好ましい。
これらの化合物は、2種以上混合して用いることもできる。
前記多官能性イソシアナ−ト化合物(C)成分の使用量は、NCO/OH比率で0.7〜2.0、好ましくは0.8〜1.5となるような比率で行なう。(C)成分が0.7より小さいと、得られる組成物の硬化性が低下するようになり、また2.0を超えると、該組成物を用いて得られた塗膜に未反応のイソシアナ−ト化合物あるいはイソシアナ−ト基が残存し、塗り重ね時にちぢみを生じる原因となる他、塗膜表面の水との接触角が低下し難くなり、耐汚染性の改良に悪影響を与える。
前記溶液重合法に用いられる溶剤としては(D)成分が必須である。ここで、弱溶剤とは労働安全衛生法の第3種有機溶剤である。例えば芳香族炭化水素を100%含有するソルベッソ100(エクソン化学(株)製)が挙げられる。また、好ましくは(C)成分として脂肪族炭化水素を含有するものが好ましい。具体的には、非水系で芳香族含有量が、50%以下の溶剤が挙げられ、Aソルベント(日本石油(株)製)、エクソンナフサNo.6(エクソン化学(株)製)、LAWS(シェル化学(株)製)、エクソンナフサNo.5、エクソンナフサNo.3(エクソン化学(株)製)、アイソパ−E、アイソパ−G(日本石油(株)製)、IPソルベント1620、IPソルベント2028(出光石油(株)製)、エクソ−ルD40、エクソ−ルD80(エクソン化学(株)製)などが挙げられる。
また、前記溶液重合の際には、必要に応じて、たとえばN−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、γーメルカプトプロピルトリメトキシシラン、γーメルカプトプロピルトリエトキシシラン、(CH3O)3Si−S−S−Si(OCH33,(CH3O)3Si−S8−Si(OCH33などの連鎖移動剤を単独または2種以上併用することにより、得られる樹脂(B)成分の分子量を調整してもよい。特に、たとえばγーメルカプトプロピルトリメトキシシランなどのアルコキシシリル基を分子中に有する連鎖移動剤を用いた場合には、樹脂(B)成分の末端に加水分解性基と結合したシリル基を導入することができるので好ましい。かかる連鎖移動剤の使用量は、用いる重合成分全量の0.05〜10%、特には0.1〜8%であることが好ましい。
本発明の組成物中弱溶剤(D)成分は上記でも示したように、(B)成分の重合時も使用でき、また、上塗り塗料用樹脂組成物を希釈するのにも用いることができる。使用量としては、特に制限はなく、重合、希釈の際、適宜調整することができる。
本発明においては、一般式(1):
(式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基および炭素数7〜10のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、R2は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基および炭素数7〜10のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、aは0または1を示す)で表されるシリコン化合物および/または該シリコン化合物をアルコール系溶剤中、酸性条件下で加水分解した化合物(E)成分0〜200重量部(以下、シリコン化合物の部分加水分解縮合物(E)成分という)が使用される。(E)成分を配合することによりさらに耐汚染性を向上させることができる。
前記一般式(1)において、R1は炭素数1〜10、好ましくはたとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基などの炭素数1〜4のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルリル基、好ましくはたとえばフェニル基などの炭素数6〜9のアリール基およびベンジル基などの炭素数7〜9のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基である。前記アルキル基の炭素数が10を超える場合には、シリコン化合物の部分加水分解縮合物(E)成分の反応性が低下するようになる。また、R1が前記アルキル基、アリール基、アラルキル基以外の場合にも反応性が低下するようになる。
また、前記一般式(1)において、R2は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルリル基、好ましくはR1と同様の炭素数1〜4のアラルキル基、炭素数6〜9のアリール基、炭素数7〜9のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素である。
前記一般式(1)において、(R1O)4-aは4ーaが3以上になるように、すなわちaが0〜1になるように選ばれるが、本発明の組成物から形成される塗膜の硬化性が向上するという点からは、aが0であるのが好ましい。
一般式(1)中に存在する(R1O)4-aの数が複数個の場合、それらは同一であっても、異なっていてもよい。
前記(E)成分のシリコン化合物の具体例としては、たとえばテトラメチルシリケート、テトラエチルシリケート、テトラn−プロピルシリケート、テトラi−プロピルシリケート、テトラn−ブチルシリケート、テトラi−ブチルシリケートなどのテトラアルキルシリケート;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、3ーグリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ESI28、メチルトリsec−オクチルオキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリブトキシシランなどのシランカップリング剤などが挙げられる。
また、前記(E)成分のシリコン化合物の部分加水分解縮合物(E)成分の具体例としては、たとえば通常の方法で前記テトラアルキルシリケートやトリアルコキシシランに水を添加し、縮合させて得られるものがあげられ、たとえばMSI51、ESI40、ESI48、EMSi48(30/70)、ESi48(50/50)ESi48(75/25)(以上、コルコート(株)製)、MS51、MS56、MS56S(以上、三菱化学(株)製)、Mシリケ−ト51、FR−3、シリケ−ト40、シリケ−ト45、シリケ−ト48、ES−48(以上、多摩化学(株)製)などのテトラアルコキシシランの部分加水分解縮合物や、たとえばAFP−1(信越化学工業(株)製)などのトリアルコキシシランの部分加水分解縮合物などが挙げられる。
前記(E)成分のシリコン化合物の部分加水分解縮合物のうちでは、耐汚染性を発現するのに樹脂(A−1)および(B)成分と適度な相溶性を示す点、得られる本発明の組成物の硬化性が良好で、該組成物を用いて形成される塗膜の硬度が上昇することにより汚染物質の付着を制御するという点から、MSI51、MS51、MS56、MS56S(テトラメトキシシランの部分加水分解縮合物)やESI48、HAS−1(テトラエトキシシランの部分加水分解縮合物)FR−3(メトキシ−エトキシ複合タイプシリケ−ト)などのテトラアルコキシシランの部分加水分解縮合物を用いるのが好ましく、特に、重量平均分子量が1000より大きいMS56S、FR−3およびESI48のような化合物が、配合量を低減できる点から更に好ましい。
前記シリコン化合物等(E)成分は単独で用いてもよく、2種類以上併用してもよい。
(E)成分のシリコン化合物の部分加水分解縮合物はまた、前記シリコン化合物および/またはシリコン化合物の部分加水分解縮合物をアルコール系溶剤中、酸性条件下で加水分解しても得ることができる。具体例としては、HAS−1、HAS−10(以上、コルコート(株)製)が挙げられる。
なお、前記アルコール系溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブチルアルコールなどが挙げられる。
これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。これらのうちでは、メタノール、エタノール、イソプロパノールが安定性向上の点から好ましい。
前記酸性条件下とは(1)酸性物質を添加する、(2)陽イオン交換樹脂で処理するような条件を指す。
(1)酸性物質とは塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、亜硫酸、などの無機酸;モノメチルホスフェート、モノエチルホスフェート、モノブチルホスフェート、モノオクチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジデシルホスフェートなどのリン酸エステル;ぎ酸、酢酸、マレイン酸、アジピン酸、しゅう酸、コハク酸などのカルボン酸化合物;ドデシルベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、1ーナフタレンスルホン酸、2ーナフタレンスルホン酸などのスルホン酸化合物などが挙げられる。
これらの中では酸処理後に酸を除去しやすい点から比較的沸点が低い塩酸、硝酸、亜硫酸、ぎ酸が好ましい。
(2)陽イオン交換樹脂とは、例えば、アンバーリスト15(ローム・アンド・ハース社製)、デュオライトC−433(住友化学工業(株)製)等が挙げられる。陽イオン交換樹脂と水とで処理したのちは、濾過やデカンテーションなどにより陽イオン交換樹脂を除去するのが好ましい。
前記(E)成分の使用量は(A−1)および(B)の混合成分100重量部に対して0.1〜200重量部、好ましくは2〜50重量部、更に好ましくは2〜30重量部である。(E)成分の使用量が200重量部をこえると塗膜の表面光沢などの外観性が低下したり、クラックなどが発生したりするようになる。
前記(E)成分は、(B)成分と(E)成分との相溶性を向上させるため、(B)成分の重合時に(E)成分を加えること、さらに、(B)成分に(E)成分をホットブレンドすることができる。
前記(A−1)および(B)成分とともに配合する硬化触媒としては有機金属化合物(F)が使用される。その中では、錫系化合物の場合が塗膜の硬化性の点から好ましい。また、貯蔵安定性と硬化活性を考慮して分子内にS原子を有する化合物およびアルミキレート化合物が更に好ましい。
前記錫化合物の具体例としては、ジオクチル錫ビス(2−エチルヘキシルマレ−ト)、ジオクチル錫オキサイドまたはジブチル錫オキサイドとシリケ−トとの縮合物、ジブチル錫ジオクトエ−ト、ジブチル錫ジラウレ−ト、ジブチル錫ジステアレ−ト、ジブチル錫ジアセチルアセトナ−ト、ジブチル錫ビス(エチルマレ−ト)、ジブチル錫ビス(ブチルマレ−ト)、ジブチル錫ビス(2−エチルヘキシルマレ−ト)、ジブチル錫ビス(オレイルマレ−ト)、スタナスオクトエ−ト、ステアリン酸錫、ジ−n−ブチル錫ラルレ−トオキサイドがある。また、分子内にS原子有する錫化合物としては、ジブチル錫ビスイソノニル−3―メルカプトプロピオネ−ト、ジオクチル錫ビスイソノニル−3−メルカプトプロピオネ−ト、オクチルブチル錫ビスイソノニル−3−メルカプトプロピオネ−ト、ジブチル錫ビスイソオクチルチオグルコレ−ト、ジオクチル錫ビスイソオクチルチオグルコレ−ト、オクチルブチル錫ビスイソオクチルチオグルコレ−トなどが挙げられる。
前記錫化合物のうちでは、分子内にS原子を有する化合物が、イソシアナ−トを配合した場合の貯蔵安定性および可使時間が良好であることから好ましく、特に、ジブチル錫ビスイソノニル−3−メルカプトプロピオネ−ト、ジブチル錫ビスイソオクチルチオグルコレ−トが硬化性と貯蔵安定性、可使時間のバランスの点から好ましい。
また、前記アルミキレート化合物も好ましく、エチルアセトアセートアルミニウムジイソプロピレート、アルミトリス(アセチルアセトナート)、アルキルアセチルアセテートアルミニウムジイソプロピレートなどがあげられる。
前記アルミキレート化合物としては、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)とアルミニウムトリス(アセチルアセトナート)がイソシアナートと配合した場合の貯蔵安定性および可使時間のバランスが良好で、塗膜の接触角が小さくなるという点から好ましい。
前記有機金属化合物(F)成分は単独でもよく、また、2種類以上併用してもよい。
前記(F)成分の使用量は、(A−1)および(B)の混合成分100重量部に対して0.1〜30重量部、好ましくは、1.2〜13重量部、より好ましくは0.5〜10重量部、更に好ましくは0.5〜5重量部である。さらに、有機金属化合物(F)成分の量が30重量部を超えると、該組成物を用いて形成した塗膜の表面光沢など外観性の低下傾向が認められるので好ましくない。
前記配合される単官能イソシア−ト化合物(G)成分は、硬化剤中の水分を除去するために混合され、具体例として、イソシアン酸、メチルイソシアナ−ト、エチルイソシアナ−ト、イソプロピルイソシアナ−ト、ヘキシルイソシアナ−ト、ビニルイソシアナ−ト、イソプロペニルイソシアナ−ト、フェニルイソシアナ−ト、トリルイソシアナ−ト、ニトロフェニルイソシアナ−ト、ナフチルイソシアナ−ト、トシルルイソシアナ−トなどが挙げられるが、脱水能力および化合物自体の安定性の点からヘキシルイソシアナ−ト、トリルイソシアナ−ト、トシルイソシアナ−トが好ましい。中でも脱水効果の持続性の点からトシルイソシアナ−トが特に好ましい。これらは、単独または2種類以上併用することができる。それによって、硬化剤が脱水され、ポリイソシアナ−ト、有機金属化合物、単官能イソシアナ−ト化合物を混合した場合の貯蔵安定性が飛躍的に向上する。
前記単官能イソシアナ−ト化合物(G)成分の配合量としては0.1〜100重量部である。脱水効果と硬化性維持の点から、0.1〜50重量部が好ましく、0.5〜20重量部がさらに好ましい。
本発明の塗料用硬化性樹脂組成物は、ポリオールNAD(A−1)成分、加水分解性基と結合したシリル基を含有するビニル系共重合体(B)成分、イソシアナ−ト化合物(C)成分、弱溶剤(D)成分、シリコン化合物の部分加水分解縮合物(E)成分、有機金属系化合物(F)成分、単官能イソシアナ−ト(G)成分を例えば撹拌機などを用いて均一な組成物となるように撹拌、混合することによって得ることができるが、樹脂(A−1)および(B)成分およびシリコン化合物等(E)成分には、さらに脱水剤を配合することによって、組成物の保存安定性を長期間にわたって優れたものにすることができる。
前記脱水剤の具体例としてはたとえばオルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル、オルト酢酸メチル、オルト酢酸エチル、オルトプロピオン酸トリメチル、オルトプロピオン酸トリエチル、オルトイソプロピオン酸トリメチル、オルトイソプロピオン酸トリエチル、オルト酪酸トリメチル、オルト酪酸トリエチル、オルトイソ酪酸トリメチル、オルトイソ酪酸トリエチルなどの加水分解性エステル化合物;または、ジメトキシメタン、1,1−ジメトキシエタン、1,1−ジメトキシプロパン、1,1−ジメトキシブタン;または、エチルシリケ−ト(テトラメトキシシラン)、メチルシリケ−ト(テトラメトキシシラン)、メチルトリメトキシシランなどが挙げられる。この中では、脱水効果の点から、オルト酢酸メチルが好ましい。 これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
前記脱水剤は、(A−1)、(B)の混合成分と(E)成分の合計100重量部に対して200重量部以下好ましくは100重量部以下、さらに好ましくは50重量部以下で使用される。
また、樹脂(B)成分を重合する前の成分に加えてもよく、樹脂(B)成分の重合中に加えてもよく、また、得られた樹脂(B)成分と(A−1)成分との混合時に加えてもよく特に制限はないが、(E)成分であるシリコン化合物またはシリコン化合物の部分加水分解縮合物をアルコール系溶剤中、酸性条件下で加水分解した後に、加えておくことが好ましい。
また、本発明の塗料用硬化性樹脂組成物には、通常塗料に用いられる顔料(H)成分、たとえば酸化チタン、群青、紺青、亜鉛華、ベンガラ、黄鉛、鉛白、カーボンブラック、透明酸化鉄、アルミニウム粉などの無機顔料、アゾ系顔料、トリフェニルメタン系顔料、キノリン系顔料、アントラキノン系顔料、フタロシアニン系顔料などの有機顔料などの顔料;希釈剤、紫外線吸収剤、光安定剤、タレ防止剤、レベリング剤などの添加剤;ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレートなどの繊維素;エポキシ樹脂、メラミン樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩化ゴム、ポリビニルブチラール、ポリシロキサンなどの樹脂などを適宜加えてもよい。
本発明の塗料用硬化性樹脂組成物は、たとえば浸漬、吹き付け、刷毛などを用いた塗布などの通常の方法によって被塗物に塗布され、通常、常温でそのまま、または30℃以上で焼き付けて硬化せしめる。
本発明の塗料用硬化性樹脂組成物は、たとえば金属、セラミックス、ガラス、セメント、モルタル、窯業系成形物、プラスチック、木材、紙、繊維、鉄部などからなる建築物、家電用品、産業機器などの上塗り用の塗料として好適に使用される。さらに、無機質基材に対しては、微弾性系の反応性下塗りを塗装した上に、上塗りとして使用される。
次に、本発明の塗料用硬化性樹脂組成物を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
ビニル系共重合体樹脂(B)成分の合成例
攪拌機、温度計、冷却還流器、チッ素ガス導入管および滴下ロートを備えた反応器に溶剤(1)を仕込み、チッ素ガスを導入しつつ110℃に昇温した後に、ビニル系単量体組成物を滴下ロートから5時間かけて等速滴下した。次に、上記反応容器中へ溶剤(2)を1時間かけて等速滴下した。その後、引き続き、110℃で2時間攪拌した後に、室温まで冷却した。最後に溶剤(3)を加えて攪拌し、水酸基および加水分解性基と結合したシリル基含有アクリル共重合体(B)成分を得た。
溶剤(1)、(2)、(3)、およびビニル系単量体組成物は、表1に記載した。
得られた上記、常温、熱硬化性樹脂組成物の固形分濃度および該樹脂の数平均分子量をゲルパ−ミエ−ションクロマトグラフィ−(GPC)により測定し、表1に記載した。
イ)上塗り塗料の製造
水酸基含有アクリル樹脂(A−1−1〜3)、加水分解性基と結合したシリル基を含有するビニル系共重合体(B−1−1〜4、B−2−1〜2)、多官能性イソシアナート化合物(C)、溶剤(D)、シリケート化合物(E)、有機金属化合物(F)、単官能イソシアナート化合物(G)成分を表2に示すような方法にて配合した。
実施例AR1〜7
表2の配合に従い配合した樹脂固形分100重量部に対して、レベリング剤(楠本化成社製ディスパロンL−1984−50)0.4重量部、紫外線吸収剤(チバガイギ−社製チヌビン384)2重量部および光安定剤(チバガイギ−社製チヌビン123)1重量部加えて、上塗り塗料を得た。
実施例AR8〜13
表2に示す配合に従い以下のような方法で塗料組成物を得た。
表2における樹脂(A−1)成分、(B)成分、シリケート化合物(E)に酸化チタンを添加し、ガラスビーズを用いてペイントコンディショナ−で2時間分散させ、固形分濃度が60%の白エナメルを得た。さらに、樹脂(A−1)成分と(B)成分の混合成分100重量部に対して多官能性イソシアナ−ト化合物(C)、有機金属系化合物(F)、単官能性イソシアナ−ト化合物(G)を上記で示した量を予め混合しておき、添加した。さらに、溶剤(D)を添加して攪拌機を用いて5分間攪拌して、固形分濃度が45%の組成物を得た。(詳細な塗料組成および希釈量に関しては、表2に示す。)該配合物をエア−スプレ−でガラス板に塗装し23℃7日間養生して塗膜を得た。なお、比較例として、表2に示すようにウレタン結合を有する複合塗膜で得られた樹脂を表2の配合に従い上塗り塗料を得た。また、塗料の詳細を下記に示す。
塗料中の成分の詳細
☆多官能性イソシアナ−ト化合物(C)
●デュラネ−トTSA−100(旭化成社製、アロファネート変性タイプ)
●デュラネ−トTSS−100(旭化成社製、アロファネート変性タイプ)
☆有機溶剤(D)
●ソルベッソ100(エクソン化学社製)
●ナフサNo.6(エクソン化学社製)
☆シリケ−ト化合物(E)
●FR−3;メトキシ−エトキシ複合タイプシリケ−ト化合物(多摩化学社製)
●ESi48;エトキシタイプシリケ−ト化合物(コルコ−ト社製)
●EMSi48(75/25);メトキシ−エトキシ複合タイプシリケ−ト化合物(コルコ−ト社製)
☆有機金属化合物系化合物(F)
●F−1;ジブチル錫ビスブチルマレ−ト
●F−2;ジブチル錫ビスイソノニル−3−メルカプトプロピオネ−ト
●F−3;ジブチル錫ビスイソオクチルチオグリコレート
表2中、(*1)A−1−1は、ポリオールNAD成分としてU−3501A(日本カーバイド工業(株)製)である。
(*2)A−1−2は、ポリオールNAD成分としてU−3508A(日本カーバイド工業(株)製)である。
(*3)A−1−3は、ポリオールNAD用顔料分散用樹脂KP−1788A(日本カーバイド工業(株)製)である。
(*4)CR−95は、石原産業(株)製である。
得られた塗料用組成物を用いて作成した塗膜の物性については以下の方法に従って評価した。
得られた組成物を鋼板、無処理のアルミ板(A5052P)、SUS304、鋼板、モルタル、ガラス板の各種基材直に塗装した。また、スレート板上に微弾性フィラー下塗り(ソフトサーフ;エスケー化研製)上1day1coatで上塗りとして塗装した。
上塗りは乾燥膜厚で20〜30μmとなるように塗装してサンプルとした。各基材の密着性および上塗りを1日、2日、3日、6日、10日、14日目でセルフリコ−トして塗膜のちぢみ等がないことを確認した。
さらに、鋼板に弱溶剤タイプエポキシプライマ−(エポ−ルマイルド;大日本塗料製)、続いて弱溶剤エポキシ中塗り(VトップH中塗りマイルド;大日本塗料製)を各々乾燥膜厚で40〜60μmとなるように塗装したものの上に1day1coatで乾燥膜厚20〜30μmとなるように塗装してサンプルとした。このサンプルにカッタ−で基材にまで達する傷を入れ、上塗り塗装後1日、2日、3日、6日、10日、14日目に刷毛で上記弱溶剤エポキシプライマ−、弱溶剤エポキシ中塗りを塗装し、各期間での塗膜の状態を観察、ちぢみ等がないこが確認した。
得られた塗膜の表面状態、光沢、耐汚染性、耐候性、接触角、密着性、中塗りリコ−ト時のちぢみ、塗膜の低温硬化性については以下の方法に従って評価した。
イ)表面状態
塗膜表面を目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
○:ひび割れが全く認められず、表面状態が良好である。
ロ)光沢
塗膜表面の光沢をJIS K 5400に準拠してGM268光沢計(ミノルタ製)を用いて測定した。(20/60°光沢)
ハ)耐汚染性:(ΔL値)
形成直後の塗膜表面および大阪摂津市の屋外で3ケ月間放置(屋外曝露)後の塗膜表面の色彩をCR―300色差計(ミノルタ製)を用いて各々測定し、得られたL値(明度)から曝露前のL値との差(ΔL値)を求めた。
ニ)耐候性(光沢保持率)
サンシャインウェザオメ−タ−を用い、形成直後の塗膜表面および2000時間経過後の塗膜表面の光沢をそれぞれ測定し、2000時間経過後の光沢保持率(%)を求めた。
ホ)接触角
形成直後の塗膜表面の水との静的接触角を接触角測定器(協和界面科学株式会社製CA―S150型)で測定した。
ヘ)密着性
上記で作成した塗装サンプルを室温(23℃、湿度55%)で14日義生後の密着性をJIS K 5400に準拠して10点法で2点きざみにより碁盤目密着性を測定することにより評価した。
0は、はがれの面積は、全正方形面積の65%以上である。
6は、切り傷の両側と交点とにはがれがあって、欠損部の面積は全正方形面積の5〜15%である。
8は、切り傷の交点とにわずかなはがれがあって、正方形の一目一目にはがれがなく、欠損部の面積は全正方形面積の5%以内である。
10は、切り傷1本ごとが、細くて両側が滑らかで、切り傷の交点と正方形の一目一目にはがれがない事を示す。
ト)セルフリコート時のちぢみ
上塗り、弱溶剤エポキシプライマ−、弱溶剤エポキシ中塗りリコ−ト時のちぢみについては、以下の基準で評価した。
(評価基準)
○;塗膜に異常が見られない。
△;カッティングを入れた部分のみにちぢみが発生。
×;リコ−ト部全面にちぢみが発生。
チ)低温硬化性(ゲル分率)
得られた塗料用組成物をスズ泊上に塗布し、5℃×1日で得られた厚さ約40μmの遊離のフィルムを約50×50mmの大きさに切断し、予め精秤した200メッシュのステンレス製の金属(W0)に包み精秤した(W1)その後、アセトン中に24時間浸漬して抽出を行い、次いで乾燥・精秤し(W2)、次式:
ゲル分率(%)=[(W2−W0)/(W1−W0)]×100
に基づいてゲル分率(%)を求めた。
前記塗膜物性評価結果については、表2および表3に示す。
表2に示したように、水酸基含有アクリル樹脂(A)成分に加水分解性基と結合したシリル基を含有するビニル系共重合体(B)から得られた塗料用樹脂は、シリケート化合物との相溶性も良好で、測定した接触角も良好な親水性を示しており、耐汚染性に優れていることが分かった。さらに、(B)成分を配合することで、耐候性、低温硬化性(ゲル分率)を向上させることできた。
表3に示したように、水酸基含有アクリル樹脂(A)成分に加水分解性基と結合したシリル基を含有するビニル系共重合体(B)から得られた塗料用樹脂は、水酸基含有アクリル樹脂(A)成分単独のものと比較して、通常密着性の確保が困難な、無処理のアルミ板、SUS304、鋼板、モルタル、ガラス板に良好に密着性を示している。また、微弾性フィラー上のセルフリコート時のちぢみ、弱溶剤タイプエポキシプライマー、中塗りによる補修時のちぢみもなく良好な結果を示した。
発明の効果
本発明の上塗り塗料用硬化性樹脂組成物は、アクリルウレタン塗料の優れた諸性能を損なうことなく欠点である耐候性、耐汚染性、多種基材に対する密着性およびセルフリコート、他の塗料による補修性を大幅に向上させることができた。

Claims (14)

  1. 水酸基を含有し、加水分解性基と結合したシリル基を含有しないアクリル樹脂(A)成分、加水分解性基と結合したシリル基を含有するビニル系共重合体(B)成分、多官能性イソシアナート化合物(C)成分、弱溶剤(D)成分を配合してなる塗料用硬化性樹脂組成物であって、前記(A)成分が、NAD形ポリオール分散体(A−1)成分からなる、塗料用硬化性樹脂組成物
  2. 水酸基を含有し、加水分解性基と結合したシリル基を含有しないアクリル樹脂(A)成分が、重量平均分子量が5000〜80000、水酸基価が20〜100(KOHmg/g)、酸価が0.1〜30(KOHmg/g)からなる請求項1記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
  3. (B)成分が、前記(A)成分100重量部に対して20〜250重量部配合してなる請求項1又は2記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
  4. (B)成分が、(a)加水分解性基と結合したシリル基を含有するビニル系単量体、(b)水酸基を含有するビニル系単量体、(c)その他の共重合可能な単量体(ただし、ビニル基を含有するポリエステル化合物及び(メタ)アクリル系アミド化合物のいずれも含まない)を共重合してなるビニル系共重合体(B−1)である請求項1〜のいずれか一項に記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
  5. 前記(c)その他の共重合可能な単量体のうち(d)炭素数が5以上の(メタ)アクリル酸アルキルを含有してなる請求項に記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
  6. (B)成分として、前記ビニル系共重合体(B−1)成分を構成するモノマー種に加えてビニル基を含有するポリエステル化合物(e)成分を共重合した樹脂(B−2)成分を配合することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
  7. (B−2)成分にさらに(メタ)アクリル系アミド化合物(f)を共重合させることを特徴とする請求項6に記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
  8. 弱溶剤(D)成分が脂肪族炭化水素を含有してなる請求項1〜のいずれか一項に記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
  9. さらに、一般式(1)
    【化1】


    (式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基および炭素数7〜10のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、R2は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数が6〜10のアリール基および炭素数7〜10のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、aは0または1を示す。)で表されるシリコン化合物及び、またはその部分加水分解縮合物(E)を配合してなる請求項1〜のいずれか一項に記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
  10. 塗料用硬化性樹脂組成物に、さらに有機金属系化合物(F)成分を配合してなる請求項1〜のいずれか一項に記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
  11. 塗料用硬化性樹脂組成物に、さらに単官能イソシアナート化合物(G)成分を配合してなる請求項1〜10のいずれか一項に記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
  12. 前記(A−1)成分と(B)成分の混合物100重量部に対して、前記(F)成分が0.1〜30重量部、前記(G)成分が0.1〜100重量部配合されてなる請求項10又は11に記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
  13. 前記組成物に顔料(H)を配合することを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載の上塗り塗料用組成物を塗布してなる塗装物。
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