[go: up one dir, main page]

JPH1112531A - 上塗り塗料用硬化性樹脂組成物 - Google Patents

上塗り塗料用硬化性樹脂組成物

Info

Publication number
JPH1112531A
JPH1112531A JP16562797A JP16562797A JPH1112531A JP H1112531 A JPH1112531 A JP H1112531A JP 16562797 A JP16562797 A JP 16562797A JP 16562797 A JP16562797 A JP 16562797A JP H1112531 A JPH1112531 A JP H1112531A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
resin composition
acrylic copolymer
parts
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP16562797A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoichi Matsuo
陽一 松尾
Hitoshi Tamai
仁 玉井
Masaharu Inoue
正治 井上
Jiro Arioka
次朗 有岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP16562797A priority Critical patent/JPH1112531A/ja
Publication of JPH1112531A publication Critical patent/JPH1112531A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 常温硬化性であり、形成される塗膜が表面状
態、耐汚染性および密着性にすぐれ、接触角が小さい上
塗り塗料用硬化性樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 炭素原子に結合した特定の反応性シリル
基を含有するアクリル系共重合体(A)100重量部に
対して、特定のシリコン化合物および/またはその部分
加水分解縮合物(B)1〜70重量部と、特定の硬化触
媒(C)0.1〜20重量部と、特定の反応生成物
(D)0.1〜20重量部とを配合してなる上塗り塗料
用硬化性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上塗り塗料用硬化
性樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、たとえば金
属、セラミックス、ガラス、セメント、窯業系成形物、
プラスチック、木材、紙、繊維などからなる建築物、家
電用品、産業機器などの塗装に好適に使用しうる上塗り
塗料用硬化性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、窯業系成形物、コンクリートや鉄
鋼などからなる建築物、建材などの産業用製品などの表
面を、たとえばフッ素樹脂塗料、アクリルウレタン塗
料、アクリルシリコン樹脂塗料などの塗料で被覆するこ
とによって意匠効果を高めたり、防食性、耐候性などを
向上させている。
【0003】ところが、近年、都市部を中心とした環境
の悪化にともない、前記のごとき塗料に対する耐汚染性
の向上が要求されてきており、たとえば特定の反応性シ
リル基を含有するアクリル系共重合体、シリコン化合物
やその部分加水分解縮合物およびシランカップリング剤
を配合したアクリル系塗料用組成物が開発されている
(特開平7−48540号公報)。
【0004】しかしながら、前記組成物は、塗装系で上
塗り塗膜の下に形成させる有機塗膜に対する密着性に選
択性が生じたり、無機基材に対する密着性が充分でない
という欠点を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、前記の
ごとき実状に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の反応
性シリル基を含有するアクリル系共重合体、特定のシリ
コン化合物、特定の硬化触媒および密着性改良成分とし
てのエポキシ化合物とシランカップリング剤との反応生
成物を特定の割合で配合した組成物が、常温で硬化性を
有し、該組成物から形成される塗膜が、アクリル系塗料
から形成される塗膜と同様にすぐれた耐汚染性を有する
とともに、さらにすぐれた密着性を同時に有し、従来の
耐汚染型塗膜と比較して、有機塗膜や、無機基材、とく
に金属基材に対する密着性が飛躍的に向上したものであ
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、 一般式(I):
【0007】
【化3】
【0008】(式中、R1 は水素原子または炭素数1〜
10のアルキル基、R2 は水素原子または炭素数1〜1
0のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選
ばれた1価の炭化水素基、aは0、1または2を示す)
で表わされる炭素原子に結合した反応性シリル基を含有
するアクリル系共重合体(A)100部(重量部、以下
同様)に対して、一般式(II):
【0009】
【化4】
【0010】(式中、R3 は炭素数1〜10のアルキル
基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の
炭化水素基、R4 は炭素数1〜10のアルキル基、アリ
ール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素
基、bは0または1を示す)で表わされるシリコン化合
物および/またはその部分加水分解縮合物(B)1〜7
0部と、一般式(III):M−O−M(式中、Mは遷移
金属原子を示す)で表わされる、遷移金属同士が酸素原
子を介して結合した構造を有する化合物である硬化触媒
(C)0.1〜20部と、エポキシ化合物とアミノ基含
有シランカップリング剤との反応生成物(D)0.1〜
20部とを配合してなる上塗り塗料用硬化性樹脂組成
物、 前記アクリル系共重合体(A)が、分子内に一般式
(I)で表わされる反応性シリル基を含有する単量体単
位を3〜90重量%含有する共重合体である上塗り塗料
用硬化性樹脂組成物、 前記アクリル系共重合体(A)が、分子内にn−ブチ
ルメタクリレート単位を含有する共重合体である上塗り
塗料用硬化性樹脂組成物、 前記硬化触媒(C)中の遷移金属がスズである上塗り
塗料用硬化性樹脂組成物、ならびに 前記硬化触媒(C)が遷移金属原子に酸素原子を介し
て縮合したシリコン化合物および/またはその部分加水
分解縮合物を含有したものである上塗り塗料用硬化性樹
脂組成物に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の上塗り塗料用硬化性樹脂
組成物には、湿分の存在下、室温で硬化性を有するベー
ス樹脂として、一般式(I):
【0012】
【化5】
【0013】(式中、R1 は水素原子または炭素数1〜
10のアルキル基、R2 は水素原子または炭素数1〜1
0のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選
ばれた1価の炭化水素基、aは0、1または2の整数を
示す)で表わされる炭素原子に結合した反応性シリル基
を含有するアクリル系共重合体(A)が含有される。
【0014】アクリル系共重合体(A)は、その主鎖が
実質的にアクリル系単量体が共重合した主鎖からなる
(以下、主鎖が実質的にアクリル共重合鎖からなるとも
いう)共重合体であるため、えられる本発明の上塗り塗
料用硬化性樹脂組成物から形成される塗膜の耐候性、耐
薬品性などがすぐれたものとなる。
【0015】なお、前記アクリル系共重合体(A)の主
鎖が実質的にアクリル共重合鎖からなるとは、アクリル
系共重合体(A)の主鎖を構成する単位のうちの50重
量%以上、さらには70重量%以上がアクリル系単量体
単位から形成されていることを意味する。
【0016】また、アクリル系共重合体(A)は、反応
性シリル基が炭素原子に結合した形式で含有されている
ため、塗膜の耐水性、耐アルカリ性、耐酸性などがすぐ
れたものとなる。
【0017】アクリル系共重合体(A)において、一般
式(I)で表わされる炭素原子に結合した反応性シリル
基の数は、アクリル系共重合体(A)1分子あたり2個
以上、好ましくは3個以上であることが、本発明の樹脂
組成物から形成される塗膜の耐候性、耐溶剤性などの耐
久性がすぐれるという点から望ましい。
【0018】前記一般式(I)で表わされる反応性シリ
ル基は、アクリル系共重合体(A)の主鎖の末端に結合
していてもよく、側鎖に結合していてもよく、主鎖の末
端および側鎖に結合していてもよい。
【0019】前記一般式(I)において、R1 は水素原
子または炭素数1〜10、好ましくはたとえばメチル
基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−
ブチル基、i−ブチル基などの炭素数1〜4のアルキル
基である。前記アルキル基の炭素数が10をこえるばあ
いには、反応性シリル基の反応性が低下するようにな
る。また、前記R1 がたとえばフェニル基、ベンジル基
などのアルキル基以外の基であるばあいにも、反応性シ
リル基の反応性が低下するようになる。
【0020】また、前記一般式(I)において、R2
水素原子または炭素数1〜10、好ましくはたとえば前
記R1 において例示された炭素数1〜4のアルキル基、
たとえばフェニル基などの好ましくは炭素数6〜25の
アリール基およびたとえばベンジル基などの好ましくは
炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれた1価の炭化
水素基である。これらのなかでは、本発明の樹脂組成物
が硬化性にすぐれるという点から、炭素数1〜4のアル
キル基が好ましい。
【0021】前記一般式(I)において、(R1 O)
3-a は、3−aが1以上3以下になるように、すなわち
aが0、1または2になるように選ばれるが、アクリル
系共重合体(A)の硬化性が良好になるという点から、
aが0または1であることが好ましい。したがって、R
2 の結合数は、0または1であることが好ましい。
【0022】一般式(I)中に存在するR1 OまたはR
2 の数が2個以上のばあい、2個以上含まれるR1 また
はR2 は、それぞれ同じであってもよく、異なっていて
もよい。
【0023】前記一般式(I)で表わされる炭素原子に
結合した反応性シリル基の具体例としては、たとえば後
述する反応性シリル基を含有する単量体に含有される基
があげられる。
【0024】また、アクリル系共重合体(A)として
は、合成の容易さの点から、その分子内に一般式(I)
で表わされる炭素原子に結合した反応性シリル基を含有
する単量体単位を含有したものが好ましい。なお、アク
リル系共重合体(A)中の前記単量体単位の含有量は、
本発明の樹脂組成物から形成される塗膜の耐久性がすぐ
れ、強度が大きくなるという点から、3重量%以上、さ
らには5重量%以上、とくには10重量%以上であり、
また90重量%以下、さらには70重量%以下、とくに
は50重量%以下であることが好ましい。
【0025】前記アクリル系共重合体(A)に含有され
る一般式(I)で表わされる炭素原子に結合した反応性
シリル基を含有する単量体単位以外の単量体単位として
は、後述するアクリル系単量体からの単位、後述する必
要により用いられるその他の単量体からの単位などがあ
げられる。
【0026】アクリル系共重合体(A)の数平均分子量
は、本発明の樹脂組成物から形成される塗膜の耐久性な
どの物性がすぐれるという点から、1000〜3000
0、なかんづく3000〜25000であることが好ま
しい。
【0027】前記のごときアクリル系共重合体(A)
は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0028】つぎに、アクリル系共重合体(A)の製法
の一例について説明する。
【0029】アクリル系共重合体(A)は、たとえば重
合性二重結合および炭素原子に結合した反応性シリル基
を含有する単量体(以下、モノマー(A−1)とい
う)、(メタ)アクリル酸および/またはその誘導体
(以下、モノマー(A−2)という)ならびに必要によ
り用いられるその他の単量体を含有した重合成分を重合
させることによって製造することができる。
【0030】前記モノマー(A−1)の具体例として
は、たとえば
【0031】
【化6】
【0032】などの一般式(IV):
【0033】
【化7】
【0034】(式中、R1 、R2 およびaは前記と同
じ、R5 は水素原子またはメチル基を示す)で表わされ
る化合物;
【0035】
【化8】
【0036】などの一般式(V):
【0037】
【化9】
【0038】(式中、R1 、R2 、R5 およびaは前記
と同じ、nは1〜12の整数を示す)で表わされる化合
物;
【0039】
【化10】
【0040】などの一般式(VI):
【0041】
【化11】
【0042】(式中、R1 、R2 、R5 、aおよびnは
前記と同じ)で表わされる化合物;
【0043】
【化12】
【0044】などの一般式(VII):
【0045】
【化13】
【0046】(式中、R1 、R2 、R5 およびaは前記
と同じ、mは1〜14の整数を示す)で表わされる化合
物;
【0047】
【化14】
【0048】(式中、pは0または1〜20の整数を示
す)などの一般式(VIII):
【0049】
【化15】
【0050】(式中、R1 、R2 、R5 およびaは前記
と同じ、qは0または1〜22の整数を示す)で表わさ
れる化合物や、炭素原子に結合した反応性シリル基をウ
レタン結合またはシロキサン結合を介して末端に有する
(メタ)アクリレートなどがあげられる。これらのなか
では、共重合性および重合安定性、ならびにえられる樹
脂組成物の硬化性および保存安定性がすぐれるという点
から、前記一般式(V)で表わされる化合物が好まし
い。
【0051】これらモノマー(A−1)は単独で用いて
もよく、2種以上を併用してもよい。
【0052】前記モノマー(A−1)は、前記したよう
に、えられるアクリル系共重合体(A)中に一般式
(I)で表わされる炭素原子に結合した反応性シリル基
を含有する単量体単位が3〜90重量%、さらには5〜
70重量%、とくには10〜50重量%含有されるよう
に使用することが好ましい。
【0053】前記モノマー(A−2)の具体例として
は、たとえばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−
エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メ
タ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シ
クロヘキシル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチ
ル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メ
タ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、グリシ
ジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、(メタ)アクリルアミド、α−エチル(メ
タ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アク
リルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミ
ド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アク
リロイルモルホリン、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、アロニ
クスM−5700、マクロモノマーであるAS−6、A
N−6、AA−6、AB−6、AK−5などの化合物
(以上、東亜合成化学工業(株)製)、Placcel
FA−1、Placcel FA−4、Placce
l FM−1、Placcel FM−4(以上、ダイ
セル化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸のヒドロ
キシアルキルエステル類とリン酸またはリン酸エステル
類との縮合生成物などのリン酸エステル基含有(メタ)
アクリル系化合物、ウレタン結合やシロキサン結合を含
む(メタ)アクリレートなどがあげられる。これらのな
かでは、えられるアクリル系共重合体(A)が後述する
一般式(II)で表わされるシリコン化合物および/また
はその部分加水分解縮合物(B)との相溶性にすぐれる
という点から、n−ブチルメタクリレートを含有するこ
とが好ましい。
【0054】これらモノマー(A−2)は単独で用いて
もよく、2種以上を併用してもよい。
【0055】なお、アクリル系共重合体(A)が、分子
内に一般式(I)で表わされる炭素原子に結合した反応
性シリル基を含有する単量体単位を3〜90重量%含有
し、n−ブチルメタクリレート単位を含有するばあいに
は、これらを含有するばあいにえられるいずれの効果を
もうることができる。
【0056】前記モノマー(A−2)の使用量は、用い
るモノマー(A−1)の種類および使用量に応じて適宜
調整すればよいが、通常用いる重合成分全量の5〜90
重量%、さらには30〜88重量%、とくには50〜8
5重量%であることが好ましい。なお、モノマー(A−
2)としてn−ブチルメタクリレートを用いるばあいに
は、その使用量は、用いる重合成分全量の20〜50重
量%であることが、後述する一般式(II)で表わされる
シリコン化合物および/またはその部分加水分解縮合物
(B)との相溶性およびえられる樹脂組成物から形成さ
れる塗膜の各種特性のバランスがすぐれるという点から
好ましい。
【0057】また、本発明においては、えられる本発明
の樹脂組成物から形成される塗膜の耐候性をさらに向上
させる目的で、たとえば主鎖に、ウレタン結合やシロキ
サン結合により形成されたセグメント、モノマー(A−
1)およびモノマー(A−2)以外の単量体に由来する
セグメントなどを、50重量%をこえない範囲でアクリ
ル系共重合体(A)の製造時に導入してもよい。
【0058】前記モノマー(A−1)およびモノマー
(A−2)以外の単量体の具体例としては、たとえばス
チレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、スチレ
ンスルホン酸、4−ヒドロキシスチレン、ビニルトルエ
ンなどの芳香族炭化水素系ビニル化合物;マレイン酸、
フマル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸、これら
のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩などの
塩;無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸の酸無水
物、これら酸無水物と炭素数1〜20の直鎖状または分
岐鎖を有するアルコールまたはアミンとのジエステルま
たはハーフエステルなどの不飽和カルボン酸のエステ
ル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ジアリルフタレ
ートなどのビニルエステルやアリル化合物;ビニルピリ
ジン、アミノエチルビニルエーテルなどのアミノ基含有
ビニル系化合物;イタコン酸ジアミド、クロトン酸アミ
ド、マレイン酸ジアミド、フマル酸ジアミド、N−ビニ
ルピロリドンなどのアミド基含有ビニル系化合物;2−
ヒドロキシエチルビニルエーテル、メチルビニルエーテ
ル、シクロヘキシルビニルエーテル、塩化ビニル、塩化
ビニリデン、クロロプレン、プロピレン、ブタジエン、
イソプレン、フルオロオレフィンマレイミド、N−ビニ
ルイミダゾール、ビニルスルホン酸などのその他のビニ
ル系化合物などがあげられる。
【0059】これらは単独で用いてもよく、2種以上を
併用してもよい。
【0060】アクリル系共重合体(A)には、カルボキ
シル基、アミノ基などの基が含まれていてもよく、その
ばあいには、硬化性および密着性が向上するが、重合体
鎖に結合しているカルボキシル基やアミノ基のばあい、
活性が弱く、これらを硬化触媒のかわりに使用して硬化
させようとしても、良好な特性を有する硬化物がえられ
ない。
【0061】さらに、本発明の樹脂組成物において、主
成分であるアクリル系共重合体(A)には、アルコキシ
シリル基含有共重合体を分散安定剤樹脂として用い、非
水系ディスパージョン重合でえられる非水系重合体粒子
(NAD)を添加することができる。この成分は、極少
量の添加で樹脂組成物の低粘度化、ハイソリッド化を達
成することができ、さらに硬化塗膜の耐衝撃性を向上さ
せることができる。前記添加成分である非水系重合体粒
子(NAD)の製造には、アクリル系共重合体(A)に
用いられる単量体を用いることができる。
【0062】前記アクリル系共重合体(A)は、たとえ
ば特開昭54−36395号公報、特開昭57−559
54号公報などに記載のヒドロシリル化法または反応性
シリル基を含有する単量体を用いた溶液重合法によって
製造することができるが、合成の容易さなどの点から、
反応性シリル基を含有する単量体を用い、アゾビスイソ
ブチロニトリルなどのアゾ系ラジカル重合開始剤を用い
た溶液重合法によって製造することがとくに好ましい。
【0063】前記溶液重合法に用いられる溶剤は、非反
応性のものであればよく、とくに限定がないが、たとえ
ばトルエン、キシレン、n−ヘキサン、シクロヘキサン
などの炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸
エステル類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなど
のセロソルブ類;セロソルブアセテートなどのエーテル
エステル類;メチルエチルケトン、アセト酢酸エチル、
アセチルアセトン、メチルイソブチルケトン、アセトン
などのケトン類;メタノール、イソプロパノール、n−
ブタノール、イソブタノール、ヘキサノール、オクタノ
ールなどのアルコール類などがあげられる。
【0064】また、前記溶液重合の際には、必要に応じ
て、たとえばn−ドデシルメルカプタン、t−ドデシル
メルカプタン、n−ブチルメルカプタン、γ−メルカプ
トプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルトリエトキシシラン、(CH3 O)3 Si−S−S−
Si(OCH3 3 、(CH3 O)3 Si−S8 −Si
(OCH3 3 などの連鎖移動剤を単独でまたは2種以
上を併用することにより、えられるアクリル系共重合体
(A)の分子量を調整してもよい。とくに、たとえばγ
−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのアルコ
キシシリル基を分子中に有する連鎖移動剤を用いたばあ
いには、アクリル系共重合体(A)の末端に反応性シリ
ル基を導入することができるので好ましい。かかる連鎖
移動剤の使用量は、用いる重合成分全量の0.05〜1
0重量%、なかんづく0.1〜8重量%であることが好
ましい。
【0065】本発明においては、前記アクリル系共重合
体(A)とともに、本発明の樹脂組成物から形成される
塗膜の耐汚染性を向上させるとともに、該塗膜と被塗物
との密着性を向上させるための成分である、一般式(I
I):
【0066】
【化16】
【0067】(式中、R3 は炭素数1〜10のアルキル
基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の
炭化水素基、R4 は炭素数1〜10のアルキル基、アリ
ール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素
基、bは0または1を示す)で表わされるシリコン化合
物および/またはその部分加水分解縮合物(B)(以
下、シリコン化合物類(B)ともいう)が使用される。
該シリコン化合物類(B)をアクリル系共重合体(A)
と混合させると、常温硬化性を有する樹脂組成物とな
り、該樹脂組成物から形成される塗膜は、すぐれた耐汚
染性を有する。
【0068】前記一般式(II)において、R3 は炭素数
1〜10、好ましくはたとえばメチル基、エチル基、n
−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブ
チル基などの炭素数1〜4のアルキル基、アリール基、
好ましくはたとえばフェニル基などの炭素数6〜9のア
リール基およびアラルキル基、好ましくはたとえばベン
ジル基などの炭素数7〜9のアラルキル基から選ばれた
1価の炭化水素基である。前記アルキル基の炭素数が1
0をこえるばあいには、シリコン化合物類(B)の反応
性が低下するようになる。また、R3 が前記アルキル
基、アリール基およびアラルキル基以外の基のばあいに
も、反応性が低下するようになる。
【0069】また、前記一般式(II)において、R4
炭素数1〜10、好ましくはR3 と同様の炭素数1〜4
のアルキル基、アリール基、好ましくはR3 と同様の炭
素数6〜9のアリール基およびアラルキル基、好ましく
はR3 と同様の炭素数7〜9のアラルキル基から選ばれ
た1価の炭化水素基である。
【0070】前記一般式(II)において、(R3 O)
4-b は4−bが3以上になるように、すなわちbが0ま
たは1になるように選ばれるが、本発明の樹脂組成物か
ら形成される塗膜の硬化性が向上するという点から、b
が0であることが好ましい。
【0071】一般式(II)中に存在するR3 Oの数が2
個以上のばあい、2個以上含まれるR3 は同じであって
もよく、異なっていてもよい。
【0072】前記シリコン化合物の具体例としては、た
とえばテトラメチルシリケート、テトラエチルシリケー
ト、テトラn−プロピルシリケート、テトラi−プロピ
ルシリケート、テトラn−ブチルシリケート、テトラi
−ブチルシリケートなどのテトラアルキルシリケート;
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラ
ン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキ
シシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、3−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリse
c−オクチルオキシシラン、メチルトリフェノキシシラ
ン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリブト
キシシランなどのトリアルコキシシランなどがあげられ
る。
【0073】また、前記シリコン化合物の部分加水分解
縮合物の具体例としては、たとえば通常の方法で前記テ
トラアルキルシリケートやトリアルコキシシランに水を
添加し、縮合させてえられるものがあげられ、たとえば
MSI51、ESI28、ESI40、HAS−1、H
AS−10(以上、コルコート(株)製)、MS51、
MS56、MS56S(以上、三菱化学(株)製)など
のテトラアルキルシリケートの部分加水分解縮合物や、
たとえばAFP−1(信越化学工業(株)製)などのト
リアルコキシシランの部分加水分解縮合物などがあげら
れる。
【0074】前記シリコン化合物類(B)は単独で用い
てもよく、2種以上を併用してもよい。
【0075】前記シリコン化合物類(B)のなかでは、
アクリル系共重合体(A)との相溶性およびえられる本
発明の樹脂組成物の硬化性が良好で、該樹脂組成物から
形成される塗膜の硬度がすぐれるという点から、MSI
51、MS51、MS56およびMS56S(テトラメ
チルシリケートの部分加水分解縮合物)やESI40
(テトラエチルシリケートの部分加水分解縮合物)など
のテトラアルキルシリケートの部分加水分解縮合物を用
いることが好ましい。
【0076】シリコン化合物類(B)の量は、えられる
樹脂組成物から形成される塗膜の耐汚染性の改良効果を
充分に発現させるためには、アクリル系共重合体(A)
100部に対して1部以上、好ましくは5部以上、さら
に好ましくは8部以上であり、また塗膜の表面光沢など
の外観が低下したり、クラックなどが発生するおそれを
なくすためには、70部以下、好ましくは60部以下、
さらに好ましくは50部以下である。かかるシリコン含
有化合物類(B)の量は、アクリル系共重合体(A)1
00部に対して、たとえば5〜60部が好ましい範囲の
一例としてあげられる。
【0077】本発明に用いられる硬化触媒(C)は、一
般式(III):M−O−M(式中、Mは遷移金属原子を
示す)で表わされる、遷移金属同士が酸素原子を介して
結合した構造を有する化合物である。
【0078】前記一般式(III)中の遷移金属は、一般
的なシラノール縮合触媒に用いられる金属であればよ
く、たとえばスズ、チタン、ジルコニウム、アルミニウ
ムなどがあげられる。これらのなかでは、えられる樹脂
組成物の硬化性およびそれから形成される塗膜の耐汚染
性がより向上されるという点から、スズが好ましい。
【0079】また、本発明においては、硬化触媒(C)
が、遷移金属原子に酸素原子を介して縮合したシリコン
化合物および/またはその部分加水分解縮合物を1分子
中に少なくとも1つ含有したものであることが、基材に
対する塗膜の密着性の向上効果が大きいという点から好
ましい。
【0080】前記遷移金属原子に酸素原子を介して縮合
したシリコン化合物としては、たとえばテトラメチルシ
リケート、テトラエチルシリケート、テトラn−プロピ
ルシリケート、テトラi−プロピルシリケート、テトラ
n−ブチルシリケート、テトラi−ブチルシリケートな
どのテトラアルキルシリケート;メチルトリメトキシシ
ラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキ
シシラン、フェニルトリエトキシシラン、オクタデシル
トリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、メチルトリsec−オクチルオキシシラ
ン、メチルトリフェノキシシラン、メチルトリi−プロ
ポキシシラン、メチルトリブトキシシランなどのトリア
ルコキシシラン;ジメチルジメトキシシラン、ジメチル
ジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチ
ルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジ
フェニルジエトキシシラン、ジメチルジフェノキシシラ
ンなどのジアルコキシシランなどがあげられる。
【0081】また、遷移金属原子に酸素原子を介して縮
合したシリコン化合物の部分加水分解縮合物としては、
たとえば通常の方法で前記テトラアルキルシリケート、
トリアルコキシシラン、ジアルコキシシランなどに水を
添加し、縮合させてえられるものがあげられ、たとえば
MSI51、ESI28、ESI40、HAS−1、H
AS−10(以上、コルコート(株)製)、MS56、
MS56S(三菱化学(株)製)などのテトラアルキル
シリケートの部分加水分解縮合物や、たとえばAFP−
1(信越化学工業(株)製)などのトリアルコキシシラ
ンの部分加水分解縮合物などがあげられる。
【0082】さらに、硬化触媒(C)のなかでも、ジブ
チルスズオキサイトの二量化物とシリコン化合物および
/またはその部分加水分解縮合物との縮合物が、前記基
材に対する密着性の向上効果がとくに大きいという点か
ら好ましい。
【0083】前記縮合物の具体例としては、たとえばジ
ブチルスズオキサイトと、メチルトリメトキシシラン、
エチルトリメトキシシランなどのアルキルトリアルコキ
シシラン、テトラメトキシシランなどのテトラアルコキ
シシランの部分加水分解縮合物などとの反応からなる、
たとえばテトラブチルビス(メチルジメトキシシロキ
シ)チロキシ化合物、テトラブチルビス(エチルジメト
キシシロキシ)チロキシ化合物などのテトラブチルビス
シロキシチロキシ化合物やその2つのシリコン化合物お
よび/またはその部分加水分解縮合物の縮合部分の1つ
を、エチルマレート、ブチルマレート、オレイルマレー
トなどのマレートで置換したテトラブチルモノシロキシ
チロキシアルキルエステルなどがあげられる。
【0084】前記硬化触媒(C)は単独で用いてもよ
く、また異なるタイプのものまたは同じタイプのものを
2種以上併用してもよい。
【0085】硬化触媒(C)の量は、えられる樹脂組成
物の硬化性およびそれから形成される塗膜の密着性を充
分に向上させるためには、アクリル系共重合体(A)1
00部に対して0.1部以上、好ましくは0.5部以
上、さらに好ましくは0.8部以上であり、また塗膜の
表面光沢などの外観が低下するおそれをなくすために
は、20部以下、好ましくは10部以下、さらに好まし
くは5部以下である。かかる硬化触媒(C)の量は、ア
クリル系共重合体(A)100部に対して、たとえば
0.1〜10部が好ましい範囲の一例としてあげられ
る。
【0086】本発明の樹脂組成物には、該樹脂組成物か
ら形成される塗膜と基材との選択性がない密着性を向上
させるために、密着性改良成分である、エポキシ化合物
とアミノ基含有シランカップリング剤との反応生成物
(D)が含有される。
【0087】前記エポキシ化合物としては、たとえば、
単殻の脂環式構造、とくに単殻のシクロヘキシル環を有
する化合物または単殻の芳香族化合物、とくに単殻のベ
ンゼン環を有する化合物が、アミノ基含有シランカップ
リング剤との反応生成物と前記アクリル系共重合体
(A)およびシリコン化合物類(B)との相溶性のバラ
ンスが良好で、密着性の向上効果がより大きいという点
から好ましい。また、エポキシ基の数が多いほど密着性
の向上効果が大きく、好ましくは1〜4、相溶性とのバ
ランスからとくに好ましくは1〜2である。
【0088】エポキシ化合物の具体例としては、たとえ
ば1,2−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシ
−4−グリシジルシクロヘキサン、1,2−エポキシ−
4−ビニルシクロヘキサン、1,2−エポキシ−3−メ
チロールシクロヘキサンなどの単殻のシクロヘキシル環
を有する化合物;1,2−ジグリシジルフタレート、
1,3−ジグリシジルフタレート、1,4−ジグリシジ
ルフタレート、グリシジルベンゾエート、ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂などの単殻の芳香族化合物があげら
れる。
【0089】前記アミノ基含有シランカップリング剤と
しては、たとえば、無機官能基として、メトキシシリル
基、エトキシシリル基などのアルコキシシリル基を有
し、有機官能基として、アミノ基のほかに、ハロゲン
基、ビニル基、メタクリロキシ基、環状エポキシ基、グ
リシドキシ基、メルカプト基、ジアミノ基、ウレイド基
などを併有するものが好ましく用いられる。これらのな
かでも、アルコキシシリル基とグリシドキシ基とを有す
るアミノ基含有シランカップリング剤を用いたばあいに
は、密着性の向上効果が大きい。
【0090】アミノ基含有シランカップリング剤の具体
例としては、たとえばγ−アミノプロピルトリエトキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−
(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシランなどがあ
げられる。
【0091】なお、本発明においては、前記アミノ基含
有シランカップリング剤として、アミノ基の水素原子を
アシル基で置換したアニリドなどの芳香族アミノシラン
を用いることができる。かかる芳香族アミノシランの具
体例としては、たとえばγ−アニリドプロピルトリメト
キシシラン、γ−アニリドプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−アニリドプロピルジメトキシシラン、γ−アニ
リドプロピルジエトキシシランなどがあげられる。
【0092】前記エポキシ化合物およびアミノ基含有シ
ランカップリング剤は、それぞれ単独で用いてもよく、
2種以上を併用してもよい。
【0093】反応生成物(D)をうる際のエポキシ化合
物とアミノ基含有シランカップリング剤とのモル比(エ
ポキシ化合物/アミノ基含有シランカップリング剤)
は、多官能エポキシ化合物とアミノ基含有シランカップ
リング剤との組合わせのばあいには、反応性の劣るエポ
キシ基を完全に反応させるために、1/2〜1/1であ
ることが好ましく、またエポキシ化合物と多官能アミノ
基含有シランカップリング剤との組合わせのばあいに
は、反応性の劣るアミノ基を完全に反応させるために、
1.1/1以上であることが好ましい。
【0094】また、反応生成物(D)をうる方法にはと
くに限定がなく、たとえばキシレンなどの溶媒を用い、
チッ素ガスを導入しながら両成分を反応させるなどすれ
ばよい。
【0095】反応生成物(D)の量は、えられる樹脂組
成物から形成される塗膜の密着性を充分に向上させるた
めには、アクリル系共重合体(A)100部に対して
0.1部以上、好ましくは0.2部以上、さらに好まし
くは0.5部以上であり、また塗膜の表面光沢などの外
観が低下するおそれをなくすためには、20部以下、好
ましくは15部以下、さらに好ましくは10部以下であ
る。かかる反応生成物(D)の量は、アクリル系共重合
体(A)100部に対して、たとえば0.2〜10部が
好ましい範囲の一例としてあげられる。
【0096】本発明の上塗り塗料用硬化性樹脂組成物
は、アクリル系共重合体(A)、シリコン化合物類
(B)、硬化触媒(C)および反応生成物(D)を、た
とえば撹拌機などを用いて均一な組成物となるように撹
拌、混合することによってうることができるが、アクリ
ル系共重合体(A)およびシリコン化合物類(B)に、
さらに脱水剤やアルキルアルコールを配合することによ
って、樹脂組成物の保存安定性を長期間にわたってすぐ
れたものにすることができる。
【0097】前記脱水剤の具体例としては、たとえばオ
ルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル、オルト酢酸メチ
ル、オルト酢酸エチル、メチルシリケート、エチルシリ
ケートなどの加水分解性エステル化合物などがあげられ
る。
【0098】また、前記アルキルアルコールの具体例と
しては、たとえばメタノール、エタノールなどの炭素数
1〜4の低級アルコールなどがあげられる。
【0099】前記脱水剤やアルキルアルコールは、たと
えばアクリル系共重合体(A)を重合する前の成分に加
えてもよく、アクリル系共重合体(A)の重合中に加え
てもよく、また、えられたアクリル系共重合体(A)と
そのほかの成分との混合時に加えてもよく、とくに限定
がない。
【0100】前記脱水剤やアルキルアルコールの量には
とくに限定がないが、通常、アクリル系共重合体(A)
の樹脂固形分100部に対して、脱水剤およびアルキル
アルコールの合計量が0.5〜20部程度、なかんづく
2〜10部程度であることが好ましい。
【0101】また、本発明の上塗り塗料用硬化性樹脂組
成物には、通常塗料に用いられる、たとえば酸化チタ
ン、群青、紺青、亜鉛華、ベンガラ、黄鉛、鉛白、カー
ボンブラック、透明酸化鉄、アルミニウム粉などの無機
顔料、アゾ系顔料、トリフェニルメタン系顔料、キノリ
ン系顔料、アントラキノン系顔料、フタロシアニン系顔
料などの有機顔料などの顔料;希釈剤、紫外線吸収剤、
光安定剤、タレ防止剤、レベリング剤などの添加剤;ニ
トロセルロース、セルロースアセテートブチレートなど
の繊維素;エポキシ樹脂、メラミン樹脂、塩化ビニル樹
脂、フッ素樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩化ゴム、ポ
リビニルブチラール、ポリシロキサンなどの樹脂など
を、適宜加えてもよい。
【0102】本発明の上塗り塗料用硬化性樹脂組成物
は、たとえば浸漬、吹付け、刷毛などを用いた塗布など
の通常の方法によって被塗物に塗布され、通常常温でそ
のまま、または30℃程度以上で焼付けて硬化せしめら
れる。
【0103】本発明の上塗り塗料用硬化性樹脂組成物
は、たとえば金属、セラミックス、ガラス、セメント、
窯業系成形物、プラスチック、木材、紙、繊維などから
なる建築物、家電用品、産業機器などの上塗り用の塗料
として好適に使用される。
【0104】
【実施例】つぎに、本発明の上塗り塗料用硬化性樹脂組
成物を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発
明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0105】製造例1(アクリル系共重合体(A)の製
造) 撹拌機、温度計、還流冷却器、チッ素ガス導入管および
滴下ロートを備えた反応容器にキシレン40部を仕込
み、チッ素ガスを導入しつつ110℃に昇温した。その
のち、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
12部、メチルメタクリレート39部、n−ブチルアク
リレート48部、アクリルアミド1部、キシレン18部
および2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.6部
からなる混合物を滴下ロートにより5時間かけて等速滴
下した。
【0106】滴下終了後、2,2´−アゾビスイソブチ
ロニトリル0.5部およびトルエン8部を1時間かけて
等速滴下したのち、110℃で2時間熟成してから冷却
し、樹脂溶液にキシレンを加えて樹脂固形分濃度が50
重量%のアクリル系共重合体(A)−1をえた。
【0107】えられたアクリル系共重合体(A)−1の
数平均分子量は20000であった。
【0108】製造例2(アクリル系共重合体(A)の製
造) 製造例1において、γ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン12部を14部に、メチルメタクリレート
39部を36部に、n−ブチルアクリレート48部を3
5部に、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.6
部を1.7部に変更し、さらにスチレン14部を用いた
ほかは、製造例1と同様にして樹脂固形分濃度が50重
量%のアクリル系共重合体(A)−2をえた。
【0109】えられたアクリル系共重合体(A)−2の
数平均分子量は10000であった。
【0110】製造例3(反応生成物(D)の製造) 撹拌機、温度計、還流冷却器およびチッ素ガス導入管を
備えた反応容器にエポキシ樹脂(ビスフェノールA型の
エピコート828(油化シェルエポキシ(株)製))5
6部とキシレン100部とを仕込み、チッ素ガスを導入
しつつ撹拌した。さらに、γ−アミノプロピルトリエト
キシシラン64部を加え、室温で1時間混合した(エポ
キシ樹脂1モルに対して、γ−アミノプロピルトリエト
キシシラン2モル)。そののち、70℃に昇温し、70
℃で2時間反応を行なった。冷却後、IR分析でエポキ
シ基による吸収が消失していることを確認し、有効成分
が50重量%の反応生成物(D)−1をえた。
【0111】実施例1 製造例1でえられたアクリル系共重合体(A)−1の樹
脂固形分100部に対し、シリコン化合物類(B)とし
てMS56(テトラメチルシリケートの部分加水分解縮
合物、三菱化学(株)製)を20部加え、上塗り用クリ
ア樹脂をえた。
【0112】えられた上塗り用クリア樹脂に、硬化触媒
(C)としてテトラブチルビス(メチルジメトキシシロ
キシ)チロキシ化合物(以下、(C)−1という)を
(A)−1の樹脂固形分100部に対して1部になるよ
うに、また製造例3でえられた反応生成物(D)−1を
(A)−1の樹脂固形分100部に対して2部になるよ
うに添加した。さらに、これにシンナーを添加して撹拌
機を用いて5分間撹拌し、固形分濃度が45重量%の樹
脂組成物をえた。
【0113】えられた樹脂組成物を、ブリキ板(JIS
G3303)上に乾燥膜厚が約50μmになるように
エアースプレーで塗装し、表1に示す硬化条件で養生
(硬化)させて塗膜を形成した。
【0114】えられた塗膜の特性として、表面状態、接
触角および密着性を以下の方法にしたがって調べた。そ
の結果を表1に示す。
【0115】(イ)表面状態 塗膜表面を目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて
評価した。
【0116】(評価基準) A:ヒビ割れが全く認められず、表面状態が良好であ
る。
【0117】B:部分的または微小のヒビ割れが認めら
れる。
【0118】C:全体にヒビ割れが認められる。
【0119】(ロ)接触角 形成直後の塗膜表面の水との静的接触角を、接触角測定
器(協和界面科学(株)製、CA−S150型)で測定
した。
【0120】(ハ)密着性 JIS K 5400に記載の方法に準拠して表中の硬
化条件で養生させた直後の塗膜の碁盤目密着性を測定
し、以下の評価基準に基づいて評価した。
【0121】(評価基準) 10:100/100 8: 80/100 6: 60/100 4: 40/100 2: 20/100 0: 0/100 実施例2〜5および比較例1〜2 組成を表1に示すように変更したほかは実施例1と同様
にして上塗り用クリア樹脂を調製し、この上塗り用クリ
ア樹脂から固形分濃度が45重量%の樹脂組成物をえ
た。
【0122】えられた樹脂組成物を、ブリキ板(JIS
G3303)上に乾燥塗膜が約50μmになるように
エアースプレーで塗装し、表1に示す硬化条件で養生
(硬化)させて塗膜を形成した。
【0123】えられた塗膜の特性を実施例1と同様にし
て調べた。その結果を表1に示す。
【0124】実施例6 製造例1でえられたアクリル系共重合体(A)−1の樹
脂固形分100部に対し、シリコン化合物類(B)とし
てMS56を10部加えた混合液に、顔料として酸化チ
タン(CR−95、石原産業(株)製)40部を添加
し、ガラスビーズを用いてペイントコンディショナーで
2時間分散させ、固形分濃度が60重量%の白エナメル
をえた。
【0125】えられた白エナメルに、(C)−1を
(A)−1の樹脂固形分100部に対して1部になるよ
うに、また(D)−1を(A)−1の樹脂固形分100
部に対して2部になるように添加した。さらに、これに
シンナーを添加して撹拌機を用いて5分間撹拌し、固形
分濃度が45重量%の樹脂組成物をえた。
【0126】えられた樹脂組成物を、アルミニウム板
(A5052P)上に乾燥膜厚が約30μmになるよう
にエアースプレーで塗装し、表2に示す硬化条件で養生
(硬化)させて塗膜を形成した。
【0127】えられた塗膜の特性として、表面状態およ
び接触角を実施例1と同様にして調べた。また、耐汚染
性を以下の方法にしたがって調べた。これらの結果を表
2に示す。
【0128】(ニ)耐汚染性(ΔL値) 形成直後の塗膜表面および大阪府摂津市の屋外で7月〜
10月の3カ月間放置(屋外曝露)後の塗膜表面の色彩
を、CR300色差計(ミノルタ(株)製)を用いてそ
れぞれ測定し、えられたL値(明度)からその差(ΔL
値)を求めた。
【0129】実施例7〜10および比較例3〜4 組成を表2に示すように変更したほかは実施例6と同様
にして固形分濃度が60重量%の白エナメルを調製し、
この白エナメルから固形分濃度が45重量%の樹脂組成
物をえた。
【0130】えられた樹脂組成物を、アルミニウム板
(A5052P)上に乾燥膜厚が約30μmになるよう
にエアースプレーで塗装し、表2に示す硬化条件で養生
(硬化)させて塗膜を形成した。
【0131】えられた塗膜の特性を実施例6と同様にし
て調べた。その結果を表2に示す。
【0132】なお、表1および表2中の略号は、以下の
ことを示す。
【0133】(A)−1:製造例1でえられたアクリル
系共重合体(A) (A)−2:製造例2でえられたアクリル系共重合体
(A) MS56:テトラメチルシリケートの部分加水分解縮合
物(三菱化学(株)製) ESI40:テトラエチルシリケートの部分加水分解縮
合物(コルコート(株)製) MSI51:テトラメチルシリケートの部分加水分解縮
合物(コルコート(株)製) (C)−1:テトラブチルビス(メチルジメトキシシロ
キシ)チロキシ化合物 (C)−2:テトラブチルビス(エチルジメトキシシロ
キシ)チロキシ化合物 (C)−3:ジブチルスズオレイルマレート (D)−1:製造例3でえられた反応生成物 (D)−2:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン(A−187、日本ユニカー(株)製)とN−α−
(アミノメチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン(A−1122、日本ユニカー(株)製) との等モル反応生成物
【0134】
【表1】
【0135】
【表2】
【0136】表1および表2に示された結果から、実施
例1〜10でえられた樹脂組成物は、常温で硬化するも
のであり、該樹脂組成物から形成される塗膜は、ヒビ割
れが全くなく、表面状態が良好であり、同時にすぐれた
耐汚染性および密着性を有し、接触角も小さいものであ
ることがわかる。
【0137】
【発明の効果】本発明の上塗り塗料用硬化性樹脂組成物
は、常温で硬化させることができ、該樹脂組成物から形
成される塗膜は、表面状態が良好で接触角が小さく、耐
汚染性にすぐれるとともに、同時に被塗物に対する選択
性なしで密着性にすぐれたものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I): 【化1】 (式中、R1 は水素原子または炭素数1〜10のアルキ
    ル基、R2 は水素原子または炭素数1〜10のアルキル
    基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の
    炭化水素基、aは0、1または2の整数を示す)で表わ
    される炭素原子に結合した反応性シリル基を含有するア
    クリル系共重合体(A)100重量部に対して、一般式
    (II): 【化2】 (式中、R3 は炭素数1〜10のアルキル基、アリール
    基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、
    4 は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基および
    アラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、bは0ま
    たは1を示す)で表わされるシリコン化合物および/ま
    たはその部分加水分解縮合物(B)1〜70重量部と、
    一般式(III):M−O−M(式中、Mは遷移金属原子
    を示す)で表わされる、遷移金属同士が酸素原子を介し
    て結合した構造を有する化合物である硬化触媒(C)
    0.1〜20重量部と、エポキシ化合物とアミノ基含有
    シランカップリング剤との反応生成物(D)0.1〜2
    0重量部とを配合してなる上塗り塗料用硬化性樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 アクリル系共重合体(A)が、分子内に
    一般式(I)で表わされる炭素原子に結合した反応性シ
    リル基を含有する単量体単位を3〜90重量%含有する
    共重合体である請求項1記載の上塗り塗料用硬化性樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】 アクリル系共重合体(A)が、分子内に
    n−ブチルメタクリレート単位を含有する共重合体であ
    る請求項1または2記載の上塗り塗料用硬化性樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 硬化触媒(C)中の遷移金属がスズであ
    る請求項1記載の上塗り塗料用硬化性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 硬化触媒(C)が遷移金属原子に酸素原
    子を介して縮合したシリコン化合物および/またはその
    部分加水分解縮合物を含有したものである請求項1記載
    の上塗り塗料用硬化性樹脂組成物。
JP16562797A 1997-06-23 1997-06-23 上塗り塗料用硬化性樹脂組成物 Pending JPH1112531A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16562797A JPH1112531A (ja) 1997-06-23 1997-06-23 上塗り塗料用硬化性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16562797A JPH1112531A (ja) 1997-06-23 1997-06-23 上塗り塗料用硬化性樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1112531A true JPH1112531A (ja) 1999-01-19

Family

ID=15815965

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16562797A Pending JPH1112531A (ja) 1997-06-23 1997-06-23 上塗り塗料用硬化性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1112531A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001310943A (ja) * 2000-02-22 2001-11-06 Ube Nitto Kasei Co Ltd 有機−無機複合傾斜材料
JP2001335737A (ja) * 2000-05-29 2001-12-04 Ube Nitto Kasei Co Ltd 成分傾斜膜形成用コーティング剤
JP2003206445A (ja) * 2001-11-08 2003-07-22 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 上塗り塗料用硬化性樹脂組成物およびそれを塗布してなる塗装物。
JP2004501263A (ja) * 2000-06-23 2004-01-15 インターナショナル コーティングズ リミテッド 環境温度で硬化するコーティング組成物

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001310943A (ja) * 2000-02-22 2001-11-06 Ube Nitto Kasei Co Ltd 有機−無機複合傾斜材料
JP2001335737A (ja) * 2000-05-29 2001-12-04 Ube Nitto Kasei Co Ltd 成分傾斜膜形成用コーティング剤
JP2004501263A (ja) * 2000-06-23 2004-01-15 インターナショナル コーティングズ リミテッド 環境温度で硬化するコーティング組成物
JP2003206445A (ja) * 2001-11-08 2003-07-22 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 上塗り塗料用硬化性樹脂組成物およびそれを塗布してなる塗装物。

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3125060B2 (ja) 親水性硬化性組成物、及びその製造方法
JP4943572B2 (ja) 上塗り塗料用硬化性樹脂組成物およびそれを塗布してなる塗装物
US5399601A (en) Alkoxysilyl group-containing acrylic copolymer with alkoxysilicon compound
JP4943571B2 (ja) 上塗り塗料用硬化性樹脂組成物およびそれを塗布してなる塗装物
JP4688258B2 (ja) 上塗り塗料用硬化性樹脂組成物およびそれを塗布してなる塗装物
JP3954721B2 (ja) 上塗り塗料用硬化性組成物およびそれを塗布してなる塗装物
JP3385095B2 (ja) 上塗り塗料用硬化性樹脂組成物
JP3954740B2 (ja) 上塗り艶消し塗料用硬化性樹脂組成物およびそれを塗布してなる塗装物
JP4772937B2 (ja) 上塗り塗料用硬化性樹脂組成物およびそれを塗布してなる塗装物
JPH1112531A (ja) 上塗り塗料用硬化性樹脂組成物
JP3702381B2 (ja) 上塗り塗料用硬化性組成物及びそれを塗布してなる塗装物
JP3996687B2 (ja) 塗料用硬化性樹脂組成物
JPH09310043A (ja) 上塗り塗料用硬化性樹脂組成物
JP4647765B2 (ja) 顔料分散用樹脂組成物およびそれを塗布してなる塗装物
JP3385372B2 (ja) 上塗り塗料用硬化性組成物
JP3522998B2 (ja) 上塗り塗料用硬化性樹脂組成物
JP4790140B2 (ja) 塗料用硬化性組成物及び塗装物
JP4035174B2 (ja) 上塗り塗料用硬化性樹脂組成物
JP4007465B2 (ja) 塗料用硬化性組成物及び塗装物
JP4695749B2 (ja) 床用塗料硬化性組成物およびそれを塗布してなる塗装物
JPH10212454A (ja) 親水性硬化性組成物
JP5220249B2 (ja) 塗料用硬化性樹脂組成物および該組成物を塗布してなる塗装物
JPH10158573A (ja) 上塗り塗料用硬化性樹脂組成物
JPH08302142A (ja) 硬化性組成物
JPH11209684A (ja) 窯業系サイディング用プライマー