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JP4913952B2 - 塗料用硬化性組成物及び塗装物 - Google Patents

塗料用硬化性組成物及び塗装物 Download PDF

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JP4913952B2 JP2001113493A JP2001113493A JP4913952B2 JP 4913952 B2 JP4913952 B2 JP 4913952B2 JP 2001113493 A JP2001113493 A JP 2001113493A JP 2001113493 A JP2001113493 A JP 2001113493A JP 4913952 B2 JP4913952 B2 JP 4913952B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外壁用の無機系コーティング剤、あるいは医療品、食品、化粧品、煙草、トイレタリー分野等の包装材用のコーティング剤に関する
【0002】
【従来の技術】
外壁用では優れた耐候性、耐汚染性、耐薬品性、無機基材密着性、耐チッピング性を有している。また、医療品、食品、化粧品、煙草、トイレタリー用途では優れたガスバリアー性を有している。
【0003】
上記コーティング用組成物は、従来の無機系塗料に対して、加水分解性シリル基含有ビニル系共重合体(B)成分を導入することで、耐クラック性、耐薬品性、硬化性を向上させている。
しかし、従来の(B)成分はキシレン、トルエン系で重合されたものを使用しているため、現場塗装における常温硬化の場合、周辺への臭気の問題および塗り重ね時のちぢみの発生等の問題があった。また、(B)成分がトルエン、キシレン等の強溶剤系共重合体であった場合、樹脂の極性が比較的高いため、無極性に近い(A)成分、(C)成分との相溶性が不十分であり、クリアー塗膜を形成した際に塗膜に白濁を生じるという問題があった。 また、(B)成分の重合の際にアルコールを主成分として用いたものは、アルコールの吸湿により組成物の保存安定性が低下する可能性もある問題点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の(B)成分はキシレン、トルエン系で重合されたものを使用しているため、現場塗装における常温硬化の場合、周辺への臭気の問題および塗り重ね時のちぢみの発生等の問題があった。また、(B)成分を芳香族含量が50重量%以下の芳香族有機溶剤のうち、芳香族/脂肪族混合(一般的に弱溶剤ともいう。)に溶解させるために、樹脂の極性が比較的低く抑えられているこからクリア−塗膜形成時に白濁が生じにくくなる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような現状に鑑みて、鋭意検討して結果、(B)成分として、トルエン、キシレン系の芳香族溶剤から、芳香族含有量が50重量%以下である有機溶剤を加水分解性シリル基含有ビニル系共重合体に使用することで、上記課題を解決するに至った。また、これまで、相溶性の点で(C)成分としてはメトキシタイプのオルガノポリシロキサンが主に使用されていたが、(B)成分を使用することで、エトキシタイプのオルガノポリシロキサンが使用可能となり、塗膜にさらに可とう性付与され、塗膜の割れ性を向上すことができた。
すなわち、本発明は、
1)(A)成分として 下記一般式(1);
1 nSi(OR24n (1)
(式中、R1は同一または異なり、炭素数1〜8の有機基、R2は同一または異なり、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜6のアシル基もしくはフェニル基を示し、nは0〜2の整数である)で表せれるオルガノシラン、該オルガノシランの加水分解物および該オルガノシランの縮合物の群から選ばれた少なくとも1種、ならびに(B)成分として芳香族含有量が50重量%以下の有機溶剤中で合成および希釈可能であり、一般式(2)で表される炭素原子に結合したシリル基を重合体1分子中に少なくとも1個含有するシリル基含有ビニル系共重合体、
Figure 0004913952
(式中、R3 は、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。R4 は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基及び炭素数7〜10のアラルキル基からなる群より選択された1価の基を表す。R3 又はR4が複数存在する場合には、同一であっても異なっていてもよい。aは、0〜2の整数を表す。)さらに、(C)成分として、一般式(3)、
Figure 0004913952
(式中、R5〜R10は同一または異なり、炭素数1〜8の有機基を示し、かつR5〜R10には少なくともアルコキシ基または水酸基を含み、またmは1以上、かつポリスチレン換算の重量平均分子量が150〜10000であり、さらに−Si−O−結合は直鎖および/または分岐である。)表されるポリオルガノシロキサンを含む組成物を必要に応じて芳香族含量が50重量%以下の有機溶剤で希釈して得られるコーティング用組成物。
2)(D)成分として金属アルコレート、金属アルコレートとβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類との反応で得られるキレート化合物、ならびに該金属アルコレ−トおよび/またはキレ-ト化合物を水と反応させて得られる加水分解物の群から選ばれた少なくとも1種含有する1)記載のコーティング用組成物。
1)(E)成分として硬化促進剤を含有する1)、2)いずれか1項記載のコ−ティング用組成物。
2)(F)成分として平均粒系0.01〜0.2μmのケイ素化合物および/または金属酸化物の微粒子を含有する1)〜3)いずれか1項記載のコーティング用組成物。
3)(A)成分および(B)成分および(C)成分を(G)成分として親水性有機溶媒中で加水分解および/または縮合してなる1)〜4)のいずれか1項記載のコーティング用組成物。
6)窯業系基材上に1)〜5)いずれか1項記載のコーティング用組成物を塗装した塗装物。
1)合成樹脂フィルム上に、1)〜5)いずれか1項記載のコーティング用組成物を塗装した塗装物
2)合成樹脂フィルム上に、金属および/または無機化合物の蒸着層と1)〜5)いずれか1項記載のコーティング用組成物を塗装した塗装物。
1)で希釈が必要というのは、スプレー、ローラー、刷毛、ロールコーターで塗装する際、塗装可能粘度より高い場合である。
本発明のコティング用組成物は、窯業系、合成樹脂フィルム、合成樹脂フィルム上にさらに金属および/または無機化合物の蒸着した層上のコーティングに限定されるものではない。
【0006】
【発明の実施の形態】
一般式(1)で表される(A)成分のオルガノシランにおいては、R1は同一または異なり、炭素数1〜8に有機基であり、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基などのアルキル基、その他γ−クロロプロピル基、ビニル基、3,3,3−トリクロロプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、γ−メタクリルオキシプロピル基、γ−メルカプトプロピル基、フェニル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基などが挙げられる。また、一般式(1)で表される(A)成分オルガノシランにおいてR2は、同一または異なり、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜6のアシル基もしくはフェニル基である。 R2の炭素数1〜5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基などを挙げることができる、炭素数1〜6のアシル基としては、例えばアセチル基、プロピオニル基、ブチニル基、バレリル基、カプロイル基などを挙げることができる。
【0007】
一般式(1)において、nは0〜2の整数であり、nが3以上では、高分子量化できないので、本発明の(A)成分のオルガノシランとしては不適当である。nは、好ましくは1まはた0、さらに好ましくは0である。ここで(A)成分オルガノシランにおいて、nが0であるオルガノシランの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラアセチルシラン、テトラフェノキシシランなどを挙げることができる。これらの(A)成分オルガノシランのうち、テトラアルコキシシラン類が好ましく、さらに好ましくはテトラメトキシシラン、テトラメエキシシランである。これらのオルガノシランは単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、一般式(1)において、nが1であるオルガノシランの具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、n−ブトキシトリメトキシシラン、n−ブトキシトリエトキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ペンチルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノトリメトキシシラン、 N−(2−アミノエチル)−3−アミノトリエトキシシラン、3−グリシドキシトリメトキシシラン、3−グリシドキシトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)トリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルロロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルロロプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−ヒドキシエチルトリメトキシシラン、2−ヒドキシエチルトリエトキシシラン、2−ヒドキシプロピルトリメトキシシラン、2−ヒドキシプロピルトリエトキシシラン、3−ヒドキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナ−トプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナ−トプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシランなどのトリアルコキシシラン類のほか、メチルトリアセチルオキシシラン、メチルトリフェノキシシランなどを挙げることができる。上記一般式(1)のnが1であるオルガノシランは単独または2種類以上を混合して使用することができる。
【0008】
さらに、一般式(1)のnが2であるオルガノシランの具体例としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−i−プロピルジメトキシシラン、ジ−i−プロピルジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、n−ペンチル・メチルジメトキシシラン、n−ペンチル・メチルジエトキシシラン、シクロヘキシル・メチルジメトキシシラン、シクロヘキシル・メチルジエトキシシラン、フェニル・メチルジメトキシシラン、フェニル・メチルジエトキシシラン、ジ−n−ペンチルジメトキシシラン、ジ−n−ペンチルジエトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジエトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジメトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジエトキシシラン、ジ−n−オクチルジメトキシシラン、ジ−n−オクチルジエトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランなどジアルコキシシラン類のほか、ジメチルジアセチルオキシシラン、ジメチルジフェノキシシシランなどを挙げることができる。これらの一般式(1)のnが2であるオルガノシランは、単独または2種以上を混合して使用することができる。上記(A)成分のうち好ましくは40モル%以上、さらに好ましくは50モル%以上が、Si(OR24である場合が望ましい。また、上記R2としては、好ましくはアルキル基、アシル基であり、さらに好ましくはアルキル基であり、これにより、本発明の目的とする一段と優れたコーティング組成物が得られる。
【0009】
次に、本発明い用いられる(B)成分シリル基含有ビニル系共重合体は、主鎖がビニル系共重合体からなり、末端あるいは側鎖に加水分解性および/または水酸基と結合したケイ素基を有するシリル基を重合体1分子中に1個、好ましくは2個以上含有するものであり該シリル基は、下記一般式
Figure 0004913952
(式中、Xはハロゲン原子、アルコキシ基、アシロキシ基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオアルコキシ基、、アミノ基などの加水分解性基および/または水酸基、R11は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、または炭素数1〜10のアラルキル基、nは1〜3の整数である)で表され、炭素原子に結合している。
【0010】
また、芳香族含量が50重量%以下の溶剤に溶解することを特徴とする。該溶剤に希釈可能であるとは、一般的に(B)成分100重量部に対して溶剤を600重量部添加、0℃で完全溶解することである。(B)成分の重合および希釈を可能にするためには、炭素数4以上の(メタ)アクリル酸エステルを5重量部以上有することが必要である。炭素数4以上の(メタ)アクリル酸エステルの使用量としては、20〜80重量部が好ましく、25〜70重量部がさらに好ましい。
(B)成分シリル基含有ビニル基系共重合体は、(イ)ヒドロシラン化合物を炭素−炭素二重結合を有するビニル系重合体と反応させることにより製造してもよく、また(ロ)下記一般式
Figure 0004913952
(ただし、X、R11、nは上記に同じ、R12は重合性二重結合を有する有機基である)で表されるシラン化合物と、各種ビニル系化合物とを重合させることにより製造してもよく、その製造方法は限定されるものではない。
【0011】
ここで、上記(イ)で示される製造方法で使用されるヒドロシラン化合物としては、例えばメチルジクロルシラン、トリクロルシラン、ジフェニルジクロシランなどのハロゲン化シラン類;メチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、フェニルジメトキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、などのアルコキシシラン類;メチルジアセトキシシラン、フェニルジアセトキシシラン、トリアセトキシシラン、などのアシロキシシラン類;メチルジアミノキシシラン、トリアミノキシシラン、ジメチルアミノキシシラン、トリアミノキシシランなどのアミノシラン類が挙げられる。
【0012】
また、(イ)で示される製造方法で使用されるビニル系重合体としては、水酸基を含むビニル系重合体を除く以外に特に限定はなく、例えば(メタ)アクリル酸メチル、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、フマル酸などのカルボン酸および無水マレイン酸などの酸無水物;グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ化合物;ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アミノエチルビニルエーテルなどのアミノ化合物;(メタ)アクリルアミド、イタコン酸ジアミド、α−エチルアクリルアミド、クロトンアミド、フマル酸ジアミド、マレイン鎖ジアミド、N−ブトキシメチルニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、プロピオン酸ビニルなどから選ばれるビニル系化合物から選ばれるビニル系化合物を共重合したビニル系重合体が好ましい。
一方(ロ)で示される製造で使用されるシラン化合物としては、例えば、
【0013】
【化1】
Figure 0004913952
【0014】
【化2】
Figure 0004913952
【0015】
【化3】
Figure 0004913952
【0016】
【化4】
Figure 0004913952
【0017】
【化5】
Figure 0004913952
【0018】
【化6】
Figure 0004913952
【0019】
【化7】
Figure 0004913952
また、上記ビニル系重合体が芳香族含有量が50重量%以下の溶剤に溶解させるために、炭素数4以上の(メタ)アクリル酸エステルを5重量%以上含有することが必要となる。
上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−i−ブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デカノイル、(メタ)アクリル酸ウデカノイル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸パルミトリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸オレイルなどが挙げられる。この中では、(メタ)アクリル酸−i−ブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸パルミトリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸オレイルが好ましい。さらに、(メタ)アクリル酸−i−ブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリルが好ましい。
【0020】
などが挙げられる。また、(ロ)で示される製造方法で使用されるビニル系化合物としては、上記(イ)の製造方法でビニル系重合体の重合時に用いられるビニル系化合物を使用することが可能であるが、かかる(イ)の製造方法に記載された以外に、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシビニルエーテル、N−メチロールアクリルアミドなどの水酸基を含むビニル系化合物を挙げることもできる。
【0021】
以上のようなシリル基含有ビニル系重合体の具体例としては、例えば下記一般式
Figure 0004913952
(式中、R15は水素原子またはメチル基、R16はメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素数1〜6のアルキル基、R17はR15と同様であり、 R18はメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などの炭素数1〜4のアルキレン基、R19はR13と同様であり、m/(l+m)=0.01〜0.4、好ましくは0.01〜0.2である。)で表されるトリアルコキシシリル基含有アクリル重合体を挙げることができる。このシリル基含有ビニル系重合体の数平均分子量は、好ましくは、2,000〜100,000、さらに好ましくは4,000〜50,000である。
【0022】
また、シリル基含有ビニル共重合体の重合および組成物の希釈に使用する芳香族が50重量%以下の有機溶剤としては、芳香族以外の成分としては、特に限定がないが、脂肪族炭化水素類(直鎖、分岐、脂環式構造のものが挙げられる。)が好ましい。また、重合、希釈時にアルコールを使用した場合には、吸湿の可能性があり、組成物の安定性を阻害する可能性がある。さらに、アルコールを使用した場合、組成物の加水分解シリル基がアルコキシ基である場合に、アルコキシ部分とアルコール成分との交換が起こり、硬化活性が低下する可能性がある。
(B)成分シリル基含有ビニル系重合体の組成物中の割合は、(A)成分[あるいは(A)成分+後記(C)成分]100重量部に対して、2〜2,000重量部、好ましくは5〜900重量部、さらに好ましくは10〜400重量部である。2重量部未満では、得られる塗膜の柔軟性が乏しく、クラックが入り易くなる。一方2,000重量部を超えると、得られる塗膜の緻密性が低くなり、塗膜耐久性が低くなる。
【0023】
本発明のコーティング用組成物には、上記(A)、(B)成分さらに、一般式(3)で表される(C)成分オルガノポリシロキサンを配合する。また、上記コーティング用組成物は上記(A)〜(C)成分を主成分とする一般式(3)においてR5〜R10は同一または異なり、炭素数1〜8の有機基を示し、かつR5〜R10には少なくともアルコキシ基または水酸基を含み、またmは1以上、かつポリスチレン換算の数平均分子量が150〜10,000であり、さらに−Si−O−結合は直鎖および/または分岐状である。
【0024】
上記炭素数1〜8の有機基としては、例えばγ−クロロプロピル基、3,3,3−トリクロロプロピル基などのハロゲン化アルキル基、ビニル基、フェニル基、γ−メタクリルオキシプロピル基などの(メタ)アクリル酸エステル基、γ−グリシドキシプロピル基などのエポキシ含有アルキル基、γ−メルカプトプロピル基などのメルカプト含有アルキル基、γ−アミノプロピル基などのアミノアルキル基、γ−イソシアナ−トプロピル基などのイソシアナート含有アルキル基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基などの直鎖もしくは分岐状アルキル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基などの脂環式アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基などの直鎖、もしくは分岐状アルコキシ基、アセチル基、プロピオニル基、ブチニル基、バレリル基、カプロイル基などのアシル基が挙げられる。なお、強固なコーティング組成物を得るために、(A)〜(C)成分の加水分解・縮合による反応が好ましく、その反応性の面から(C)成分はmが1以上かつポリスチレン換算重量平均分子量は150〜10,000、好ましくは200〜8,000である。ポリスチレン換算重量平均分子量が150未満では、得られる塗膜に亀裂が生じ易く、塗膜の緻密性が損なわれ、一方10,000を超えると、塗膜の硬化が不十分となり易く、そのために得られる塗膜の硬度が低下し、塗膜の緻密性が損なわれる。(C)成分ポリオルガノシロキサンの具体例としては、以下のものが挙げられる。(C)成分はそのまま使用してもよく、また、加水分解および/または縮合させて使用してもよい。
MS51(R5〜R10=メトキシ基、重量平均分子量=600)
MS56(R5〜R10=メトキシ基、重量平均分子量=1000〜1500)
MS57(R5〜R10=メトキシ基、重量平均分子量=1500〜1600)
MS56S(R5〜R10=メトキシ基、重量平均分子量=1600〜2000)
以上三菱化学(株)製
MSi51(R5〜R10=メトキシ基、重量平均分子量=600)
ESi40(R5〜R10=エトキシ基、重量平均分子量=1000)
ESi48(R5〜R10=エトキシ基、重量平均分子量=1500)
以上コルコ−ト(株)製
Mシリケ−ト51(R5〜R10=メトキシ基、重量平均分子量=600)
シリケ−ト40(R5〜R10=エトキシ基、重量平均分子量=1000)
シリケ−ト45(R5〜R10=エトキシ基、重量平均分子量=1500)シリケ−ト48(R5〜R10=エトキシ基、重量平均分子量=2000)
FR−3(R5〜R7=メトキシ基、R8〜R10=エトキシ基、重量平均分子量=1500)
以上多摩化学(株)製
X−40―9220(R5〜R8=メトキシ基、R9〜R10=メチル基、重量平均分子量=4,000)
試作品▲1▼(R5〜R8=メトキシ基、R9〜R10=フェニル基、重量平均分子量=500)
試作品▲2▼(重量平均分子量=7,000、構造式は以下に示す。)
以上信越化学工業(株)製
Figure 0004913952
その他、(C)成分オルガノポリシロキサンの市販品としては、東レ・ダウコ−ニング社製のシリコンレジン、東芝シリコ−ン(株)製のシリコレジン、日本ユニカ(株)製のシリコンオリゴマ−などが挙げられる。
【0025】
本発明のコーティング組成物において、(A)成分(オルガノシラン換算)と(C)成分ポリオルガノシロキサンの割合は、(A)成分5〜95重量%好ましくは10〜90重量%、(C)成分95〜5重量%、好ましくは90〜10重量%[ただし、(A)+(C)=100重量%]である。(A)成分が5重量%未満では、コーティング塗膜及び緻密性が低く、一方95重量%を超えると、コーティング塗膜の柔軟性が損なわれ、クラックなどの塗膜欠損が発生する等の問題がある。
【0026】
本発明のコーティング組成物には、上記(A)〜(C)成分、あるいは(A)〜(C)成分以外に、(D)成分金属アルコレート、金属アルコレートとβ−ジケトン類および/またはβ−ジケトン類との反応で得られるキレート化合物、ならびに該金属アルコレートおよび/またはキレート化合物を水と反応させて得られる加水分解物群から選ばれる少なくとも1種添加することが好ましい。(D)成分のうち、金属アルコレートは、(A)〜(B)成分あるいは(A)〜(C)成分との共縮合体を形成する作用をなすものと考えられる。上記金属アルコレートとしては、例えば一般式M(OR20r(R21COCH2COR22s[式中Mは金属原子、R20〜R21は同一または異なり、炭素数1〜6のアルキル基、R22は炭素数1〜6のアルキル基または1〜16のアルコキシ基を示し、r、sは0〜4の整数値であり、(r+s)=Mの原子価である]で表される化合物が挙げられる。
(D)成分の金属アルコレ−ト中のR20およびR21は同一または異なり、炭素数1〜6のアルキル基、具体的にはエチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、フェニル基、などがある。また、R22は、上記と同様の炭素数1〜6のアルキル基のほか、炭素数1〜16のアルコキシ基、例えばメトキシ基エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基,n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ラウリル基、ステアリル基などがある。
【0027】
これらの(D)成分の金属アルコレート、金属アルコレートとβ−ジケトン類および/またはβ−ジケトエステル類と反応で得られるキレート化合物の具体例としては、テトラブトキシジルコニウム、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテ−トジルコニウム、ジ−n−ブトキシビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、n−ブトキシトリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(アセトアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセトアセテート)ジルコニウムなどのジルコニウム化合物;ジイソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセテート)チタニウム、テトラ−i−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−t−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタンなどのチタン化合物;ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、トリス(エチルアセトアセテ−ト)アルミニウム、トリス(アセチルアセナート)アルミニウム、モノアセチルアセトナート・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウムなどのアルミニウム化合物などが挙げられる。これらの金属アルコレートのうち好ましいものは、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテートジルコニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシエチルアセトアセテ−トアルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウムである。これらは、1種単独であるいは2種以上混合して使用することができる。なお、金属アルコレート、金属アルコレートとβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類との反応で得られるキレート化合物としては、これらの化合物の加水分解物を使用することもできる。
【0028】
(D)成分中の金属アルコレートの組成物中の割合は、(A)成分(オルガノシラン換算)[及び(C)成分であるオルガノポリシロンキン][(A)成分あるいは(A)+(C)成分]100重量部に対して、好ましくは0.01〜100重量部、さらに好ましくは0.5〜50重量部である。0.01重量部未満では、(A)〜(C)成分との共縮合体の生成が不十分であり、塗膜の緻密性が不十分となり、その結果、塗膜硬度が低下する。一方、100重量部を超えると、組成物の保存安定性が悪化し、また得られる塗膜にクラックが発生する場合があり好ましくない。
【0029】
また、(D)成分のうち、β−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類としては、一般式R21COCH2COR22(式中、R21〜R22は上記に同じ)で表される化合物が挙げられる。この(D)成分を構成するβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類は、本発明の組成物の安定性向上剤として作用するものである。すなわち、上記(A)〜(B)成分、あるいは(A)〜(C)成分を主成分とする組成物中に存在する上記金属アルコレート(ジルコニウム、チタニウムおよび/またはアルミニウム化合物)中の金属原子に配位することにより、これらの金属キレ−ト化合物による(A)〜(B)成分あるいは(A)〜(C)成分の縮合反応をコントロールする作用をし、得られる組成物の保存安定性を向上させる作用をなすものと考えれる。β−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類を構成するR21およびR22は、上記金属アルコレートのR21およびR22と同様である。
【0030】
このβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類の具体例としては、アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸−n−プロピル、アセト酢酸−i−プロピル、アセト酢酸−s−ブチル、アセト酢酸−t−ブチル、2,4−ヘキサン−ジオン、2,4−ヘプタン−ジオン、3,5−ヘプタン−ジオン、2,4−オクタン−ジオン、2,4−ノナン−ジオン、5−メチル−ヘキサン−ジオン、などが挙げることができる。これらのうち、アセト酢酸エチルおよびアセチルアセトンが好ましく、特にアセチルアセトンが好ましい。これらのβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することもできる。これらのβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類は、上記金属アルコレ−ト1モルに対し、好ましくは2モル以上、さらに好ましくは3〜20モルであり、2モル未満では得られる組成物の保存安定性に劣るものとなる。
【0031】
また、本発明の組成物をより速く硬化させるにあたっては、硬化条件により(E)硬化促進剤成分を使用してもよく、比較的低い温度硬化させるためには、(E)成分を併用すつ方が効果的である。
【0032】
この(E)硬化促進剤成分としては、塩酸などの無機酸;ナフテン酸、オクチル酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン酸、炭酸などのアルカリ金属塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ性化合物;アルキルチタン酸、リン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、フタル酸などの酸性化合物;エチレンジアミン、ヘキサンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ピペリジン、ピレラジン、メタフェニレンジアミン、エタノ−ルアミン、トリエチルアミン、エポキシ樹脂の硬化剤として用いられる各種変性アミン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミン系化合物、(C492Sn(OCOC11232、(C492Sn(OCOCH=CHOCOCH32、(C492Sn(OCOCH=CHOCOC492、(C8172Sn(OCOC11232、(C8172Sn(OCOCH=CHOCOCH32、(C8172Sn(OCOCH=CHOCOC492、(C8172Sn(OCOCH=CHOCOC8172、Sn(OCOC8172等のカルボン酸型有機錫化合物;(C492Sn(SCH2COOC8172、(C8172Sn(SCH2COOC8172、 (C8172Sn(SCH2COOC11252
Figure 0004913952
などのメルカプト型有機錫化合物;
Figure 0004913952
などのスルフィド型有機錫化合物
(C49)SnO、(C817)SnO、または(C49)SnO、(C817)SnOなどの有機錫オキサイドとエチルシリケート、マレイン酸ジエチル、フタル酸ジオクチルなどのエステル化合物との反応生成物などの有機錫化合物などが使用される。これらの(E)硬化促進剤の組成物中における割合は、本発明の組成物お固形分100重量部に対して、通常、0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜30重量部用いられる。
【0033】
さらに、本発明のコーティング用組成物には、得られる塗膜の硬度向上を目的として、必要に応じて(F)平均粒径が0.01〜0.2μmのケイ素酸化物および/または金属酸化物を添加することも可能である。ここで、平均粒径が0.2μmを超えると、膜の緻密性が劣り、好ましくない。この(F)成分としては、例えばコロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、アルミナゾル、スズゾル、ジルコニウムゾル、酸化アンチモンゾル、酸化セリウムゾル、酸化亜鉛ゾル、酸化チタンゾルなどが挙げられ、これらの(F)成分存在下(A)〜(B)成分、あるいは、(A)〜(C)成分との共縮合反応を行っても良く、また反応後に混合しても良い。
【0034】
本発明のコーティング組成物は、通常、上記(A)〜(B)成分あるいは(A)〜(C)成分を(G)親水性有機溶剤中で、加水分解および/または縮合することによって得られる。ここで、(G)成分としては、例えば1価アルコ−ルまたは2価アルコールを挙げることができ、このうち1価アルコールとしては炭素数1〜8の飽和脂肪族アルコールが好ましい。これらのアルコール類の具体例は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブチルアルコール、s−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテルなどを挙げることができる。
(G)成分親水性有機溶媒の使用量は、組成物の全固形分濃度が好ましくは60重量%以下なるように用いられる。例えば、薄膜形成を目的に用いられる場合には、通常5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%であり、また厚膜形成を目的とする場合には、通常20〜50重量%、好ましくは30〜45重量%である。組成物の全固形分濃度が60重量%を超えると、組成物の保存安定性低下する傾向にある。なお、有機溶媒としては、上記の親水性有機溶媒が好ましいが、親水性有機溶媒以外に、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、などのエステル類なども使用することができる。
【0035】
なお、本発明のコーティング組成物は、上記(A)〜(C)成分を主成分とするが、通常、(A)〜(C)成分を含有する組成物を調製する際に、(G)’成分水が(A)成分を構成するオガノシランに添加される。(G)’成分の使用量は、(A)成分(オルガノシラン換算)[及び(C)成分オルガノポリシロキサンに含まれるアルコキシ基]1モルに対して、通常、0.1〜1モル、好ましくはは0.3〜0.7モル程度である。
【0036】
このように、本発明のコーティング組成物は、上記(A)成分と(B)成分シリル基含有ビニル系重合体、あるいはこれらと(C)成分オルガノポリシロキサンとを,(G)成分親水性有機溶媒中で加水分解および/または縮合することによって得られる。この際、反応条件は、温度は20〜100℃、好ましくは30〜80℃、時間は0.1〜20時間、好ましくは1〜10時間である。得られる組成物の重量平均分子量は、一般的なGPC法によるポリスチレン換算値で、通常、500〜100万、好ましくは1,000〜10万である。この重量平均分子量の測定方法の詳細は実施例で示されいる。
【0037】
なお、本発明のコーティング組成物には、得られる塗膜の着色、厚膜化、下地への紫外線透過防止、防蝕性の付与、耐熱性などの諸特性を発現させるために、別途、(H)成分充填材を添加・分散させることも可能である。ただし、(H)成分は上記(F)成分を除く。この(H)成分としては、例えば、有機顔料、無機顔料などの非水性の顔料または顔料以外の、粒子状、繊維状もしくは鱗片状の金属および合金ならびにこれらの酸化物、水酸化物、炭化物、窒化物、硫化物、などが挙げられる。この(H)成分の具体例としては、粒子状、繊維状もしくは鱗片状の、鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、銀、亜鉛、フェライト、カーボンブラック、ステンレス鋼、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化コバルト、合成ムライト、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、クレーケイソウ土、消石灰、、石膏、タルク、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、雲母、亜鉛緑、クロム緑、コバルト緑、ビリジアン、ギネー緑、コバルトクロム緑、シェーレ緑、緑土、マンガン緑、ピグメントグリーン、群青、紺青、岩群青、コバルト青、セビリアンブルー、ホウ酸銅、モリブデン青、硫酸銅、コバルト紫、マルス紫、マンガン紫、ピグメントバイオレット、亜酸化鉛、鉛酸カルシウム、ジンクエロー、硫酸鉛、クロム黄、黄土、カドミウム黄、ストロンチウム黄、チタン黄、リサージ、ピグメントエロ−、亜酸化銅、カドミウム赤、セレン赤、クロムバーミリオン、ベンガラ、亜鉛白、アンチモン白、塩基性硫酸鉛、チタン白、リトポン、ケイ酸鉛、酸化ジルコン、タングステン白、鉛亜鉛華、バンチソン白、フタル酸鉛、マンガン白、硫酸鉛、黒鉛、ボーン黒、ダイヤモンドブラック、サーマイトミック黒、植物性黒、チタン酸カリウムウィスカー、二硫化モリブデンなどが挙げられる。
【0038】
これらの(H)成分の平均粒径または平均長さは通常、50〜50,000nm、好ましくは、100〜5,000nmである。(H)成分の組成物中の割合は、(A)〜(C)成分の全固形分100重量部に対し、好ましくは、0.1〜300重量部、さらに好ましくは1〜200重量部である。
【0039】
なお、本発明のコーティング組成物にはその他に、オルトぎ酸メチル、オルト酢酸メチル、テトラエトキシシランなどの公知の脱水剤、各種界面活性剤、上記以外のシランカップリング剤、チタンカップリング剤、染料、分散剤、増粘剤、レベリング剤などの添加剤を配合することもできる。
【0040】
本発明のコーティング組成物を調整するに際しては、あるいは(A)〜(C)成分を含有する組成物を調整すればよいが、例えば、▲1▼〜▲3▼の調整方法が好ましい。
▲1▼(A)成分、(B)成分シリル基含有ビニル基[および(C)成分オルガノポリシロキサン]、及び(D)成分のうち金属アルコレートからなる溶液に、(A)成分(オルガノシラン換算)[及び(C)成分オルガノポリシロキサン基]1モルに対して0.1〜1モルの水を加えて、(A)〜(B)成分あるいは(A)〜(C)成分、及び金属アルコレートからなる組成物を形成させた後、(D)成分のうちβ−ケトン類及び/またはβ−ケトエステル類を添加する方法。
▲2▼(A)成分に、(A)成分(オルガノシラン換算)[及び(C)成分オルガノポリシロキサンのアルコキシ基]1モルに対し0.1〜1モルの水を加えて、加水分解・縮合反応を行い、次いで(B)成分シリル基含有ビニル系共重合体[および(C)成分オルガノポリシロキサン]、(D)成分のうちの金属アルコレートを加えて混合し、さらに縮合反応を行い、(A)〜(C)成分、及び金属アルコレ−トからなる組成物を形成した後、(D)成分のうちβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類を添加する方法。
▲3▼(A)成分と(D)成分である金属アルコレートからなる溶液に、(A)成分(オルガノシラン換算)[及び(C)オルガノポリシロキサンのアルコキシ基]1モルに対し0.1〜1モルの水を加えて、加水分解・縮合反応を行い、次いで(B)成分シリル基含有ビニル共重合体[および(C)成分オルガノポリシロキサン]を加えてさらに縮合反応を行い、さらに(D)成分であるβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類を添加する方法。
【0041】
本発明のコーティング組成物は、アルミ、鉄、ステンレス、真鋳、トタン等の金属基材、窯業系ボ−ド、無機多孔質基材、コンクリ−ト、合成樹脂フィルム上に塗装される。
【0042】
上記基材表面は、コロナ放電処理、プラズマ活性処理、グロ−放電処理、逆スパッタ処理、粗面化処理などの表面処理を行ったり、エチレンイミン系、アミン系、シリコン系、エポキシ系、ウレタン系、ポリエステル系などのプライマー剤でプライマ−処理することも可能である。
【0043】
上記基材に形成される塗膜層を積層する場合には、ロールコート、スプレーコート、スピンコート、ディッピング、刷毛塗り、バーコート、アプリケーターなどの塗装手段により、1回あるいは複数回の塗装で、塗膜が0.01〜200μm、好ましくは0.1〜100μm、さらに好ましくは1〜30μmの塗膜を形成できる。
【0044】
以下、実施例について具体的に説明する。本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0045】
【実施例】
製造例1(シリル基含有ビニル基系共重合体の合成)
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管及び滴下ロートを備えた反応器にペガソ−ルAN45(ミネラルスピリット、芳香族/脂肪族炭化水素混合溶剤、芳香族含有量30%未満、 エクソン化学製)を28重量部、S−100(エクソン化学製 芳香族炭化水素)12重量部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ110℃に昇温した。その後、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン8部、メチルメタクリレート37部、i−ブチルメタクリレ−ト20重量部、2−エチルヘキシルアクリレ−ト19重量部、SLMA(日本油脂製)15重量部、N,N−ジメチルアクリルアミド1部、ぺガソールAN45 14重量部、S−100 6重量部及びV−59(和光純薬社製)0.56重量部からなる混合物を滴下ロートにより5時間かけて等速滴下した。滴下終了後、V−59を0.06重量部及びをペガソールAN45 7重量部、S−100を3重量部、1時間かけて等速滴下した後、110℃で2時間熟成してから冷却し、樹脂溶液にペガソールAN45/S−100=7/3(重量比)を加えて樹脂固形分濃度が50%のアクリル共重合体(B)−1を得た。得られたアクリル共重合体(B)−1の重量平均分子量は50000であった。
製造例2(シリル基含有ビニル基系共重合体の合成)
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管及び滴下ロートを備えた反応器にペガソ−ルAN45 40重量部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ110℃に昇温した。その後、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン8部、メチルメタクリレート24部、i−ブチルメタクリレ−ト60重量部、2−エチルヘキシルアクリレ−ト7重量部、N,N−ジメチルアクリルアミド1部、ぺガソールAN45 20重量部及びV−59(和光純薬社製)1.8重量部からなる混合物を滴下ロートにより5時間かけて等速滴下した。滴下終了後、V−59を0.2重量部及びをペガソールAN45 10重量部、1時間かけて等速滴下した後、110℃で2時間熟成してから冷却し、樹脂溶液にペガソールAN45を加えて樹脂固形分濃度が50%のアクリル共重合体(B)−2を得た。得られたアクリル共重合体(B)−2の重量平均分子量は27000であった。
製造例3(ジルコニウムキレート化合物の調整)
還流冷却器、攪拌機を備えた反応器に、テトラブトキシジルコニウム16重量部、アセチルアセトン4重量部を加え、60℃で30分間攪拌後、i−プロピルアルコ−ル80重量部を加えジルコニウムキレ−ト(D)−1を得た。
製造例4(比較例用強溶剤使用シリル基含有ビニル系共重合体の合成)
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管及び滴下ロートを備えた反応器にキシレン 40重量部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ110℃に昇温した。その後、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン12部、メチルメタクリレート57部、n−ブチルクリレ−ト30重量部、n−メチロ−ルアクリルアミド1部、キシレン 20重量部及びAIBN(和光純薬社製)0.9重量部からなる混合物を滴下ロートにより5時間かけて等速滴下した。滴下終了後、AIBNを0.1重量部及びをキシレン 10重量部、1時間かけて等速滴下した後、110℃で2時間熟成してから冷却し、樹脂溶液にキシレンを加えて樹脂固形分濃度が50%のアクリル共重合体(B)−3を得た。得られたアクリル共重合体(B)−3の重量平均分子量は37000であった。
実施例1
還流冷却器、攪拌機を備えた反応器に、(A)成分としてテトラエトキシシラン50重量部、メチルエチルケトン分散コロイダルシリカ[固形分30%、日参化学工業(株)製、MEK―ST]70重量部、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン15重量部、(C)成分としてMS51[三菱化学(株)製]45部、製造例1で調整したシリル基含有ビニル系共重合体(B)−1を55重量部、(D)成分としてエチルアセテートアルミニウムジイソプロピレ−トの(G)成分としてi−プロピアルコール溶液[川研ファインケミカル(株)製、ALCH75、固形分75%]7.2重量部、水17.9重量部、i−プロピルアルコ−ル137重量部に加え、40℃加熱して4時間反応させ、その後、アセチルアセトン4重量部を加え、さらに2時間反応させて、組成物(IO)−1を得た。重量平均分子量は、90000であった。本組成物をアルカリ脱脂したアルミニウム板(A5052P)に乾燥膜厚20μmとなるように塗装し、23℃×55%R.H.で7日間養生して、試験片とした。
実施例2
実施例1において、メチルエチルケトン分散コロイダルシリカ[日産化学(株)製、MEK−ST]70重量部を使用しない以外は、実施例1と同様にして、組成物(IO)−2を得た。この組成物の重量平均分子量は、80000であった。本組成物をアルカリ脱脂したアルミニウム板(A5052P)に乾燥膜厚20μmとなるように塗装し、23℃×55%R.H.で7日間養生して、試験片とした。
実施例3
還流冷却器、攪拌機を備えた反応器に、(A)成分としてテトラエトキシシラン40重量部、メチルエチルケトン分散コロイダルシリカ[固形分30%、日参化学工業(株)製、MEK−ST]70重量部、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン10重量部、(C)成分としてMSi51[コルコ−ト(株)製]40部、製造例2で調整したシリル基含有ビニル系共重合体(B)−2を60重量部、(D)成分としてトリス(エチルアセトアセトナ−ト)アルミニウム[川研ファインケミカル(株)製、ALCH−TR6重量部、水18重量部、i−プロピルアルコ−ル137重量部に加え、40℃加熱して4時間反応させ、その後、アセチルアセトン4重量部を加え、さらに2時間反応させて、組成物(IO)−3を得た。重量平均分子量は、50000であった。本組成物をアルカリ脱脂したアルミニウム板(A5052P)に乾燥膜厚20μmとなるように塗装し、150℃で10分間加熱乾燥して試験片とした。
実施例4
実施例3において、メチルエチルケトン分散コロイダルシリカ[日産化学(株)製、MEK−ST]70重量部を使用しない以外は、実施例3と同様にして、組成物(IO)−4を得た。この組成物の重量平均分子量は、45000であった。本組成物をアルカリ脱脂したアルミニウム板(A5052P)に乾燥膜厚20μmとなるように塗装し、150℃で10分間加熱乾燥して試験片とした。
実施例5
実施例1において、(C)成分としてMS51の代わりに、ESi40(コルコ−ト(株)製、45重量部を使用する以外は、実施例1と同様にして、組成物(IO)−5を得た。この組成物の重量平均分子量は、90000であった。本組成物をアセトン脱脂したポリエステルフィルム上に乾燥膜厚20μmとなるように塗装し、140℃で10分間加熱乾燥して試験片とした。
実施例6
実施例5において、メチルエチルケトン分散コロイダルシリカ[日産化学(株)製、MEK−ST]70重量部を使用しない以外は、実施例5と同様にして、組成物(IO)−6を得た。この組成物の重量平均分子量は、80000であった。本組成物をアセトン脱脂したポリエステルフィルム上に乾燥膜厚20μmとなるように塗装し、140℃で10分間加熱乾燥して試験片とした。
実施例7
実施例3において、MSi51の代わりに、FR−5(多摩化学(株)製)45重量部を使用する以外は、実施例3と同様にして、組成物(IO)−7を得た。この組成物の重量平均分子量は、50000であった。本組成物100重量部に、酸化チタン(CR−95;石原産業(株)製)25重量部、セルロ−ス系増粘剤0.5重量部を添加し、サンドミルを用いて混練して、白エナメルを得た。(E)成分としてジブチル錫ジラウレ−ト2重量部を添加、混合したのち、スレート板上に、エポキシ系シーラー(マイティーエポシーラー;大日本塗料(株)製)を塗布し、乾燥した基材上に、さらに、上記白エナメル錫混合物を乾燥膜厚が30μmになるように塗布し、120℃で20分間加熱して、試験片を得た。
実施例8
実施例7において、メチルエチルケトン分散コロイダルシリカ[日産化学(株)製、MEK−ST]70重量部を使用しない以外は、実施例7と同様にして、組成物(IO)−8を得た。この組成物の重量平均分子量は、45000であった。本組成物100重量部に、酸化チタン(CR−95;石原産業(株)製)25重量部、セルロ−ス系増粘剤0.5重量部を添加し、サンドミルを用いて混練して、白エナメルを得た。(E)成分としてジブチル錫ジラウレート2重量部を添加、混合したのち、スレート板上に、エポキシ系シーラー(マイティーエポシーラー;大日本塗料(株)製)を塗布し、乾燥した基材上に、さらに、上記白エナメル錫混合物を乾燥膜厚が30μmになるように塗布し、120℃で20分間加熱して、試験片を得た。
比較例1
テトラエトキシシラン100重量部に水20重量部を加え、60℃に加熱して6時間反応させ、組成物(I)−1を得た。この組成物の重量平均分子量は、4000であった。
比較例2
テトラメトキシシランオリゴマー[三菱化学(株)製、MS−51]100部に水15部を加え、40℃で加熱して3時間反応させ、組成物(I)−2を得た。この組成物の重量平均分子量は、3000であった。
比較例3
実施例1のシリル含有ビニル系共重合体(B)−1の代わりに(B)−3(キシレン等強溶剤使用品)使用する以外は、実施例1と同様にして、組成物(I)−3を得た。この組成物の重量平均分子量は、75000であった。
実施例1〜4、比較例1で得られた組成物で得られ組成物に、製造例3で調整した硬化剤の1種でもあるジルコニウムキレート化合物(D)−1を10重量部添加し、窯業系ボード上に厚さ10〜70μmで、スプレー塗装で塗布し、熱風乾燥機で80℃×20分間加熱硬化させた。また、実施例5〜8、比較例2、3は、ジルコニウムキレート化合物(D)−1を10重量部添加し、窯業系ボード上に厚さ10〜70μmで、スプレー塗装で塗布し、23℃×55%R.H.条件で7日間養生硬化させた。その後、硬化塗膜の物性を評価した。
【0046】
【表1】
Figure 0004913952
評価項目
(1)上記組成物の分子量(Mw);GPC(ゲルパーミエ−ションクロマトグラフ)で測定した。
(2)塗膜(塗料)の臭気;塗膜の臭気を官能評価した。
(3)塗膜のちぢみ試験;塗膜を作成後、23℃×55%R.H.×7日養生後、同種の塗料を塗装し、塗膜のちぢみの状態を確認した。
(4)塗膜の白濁状態の測定;塗膜の濁度をHazeメーター(Σ10;日本電色工業(株)製)で測定した。
(5)塗膜の割れ性試験;硬化塗膜のを沸水試験(8時間)実施塗膜の割れの有無を確認した。
その他実施例、比較例共通に、有する塗膜物性
(6)耐候性;メタルウエザオメーター(MWOM)3000時間試験後の光沢保持率
(7)塗膜硬度(鉛筆硬度)
(8)光沢;白エナメル系について塗膜の60°光沢をGM268(ミノルタ(株)製)
(9)密着性
アルミ基材、ポリエステルフィルム、スレート基材への密着性は、JIS K5400に記載の方法、基準で評価した。
●10;切り傷1本ごとが、細くて両側が滑らかで、切り傷の交点と正方形の一目一目にはがれがない。
●8;切り傷の交点にわずかなはがれがあって、正方形の一目一目にはがれがなく、欠損部の面積は全正方形面積の5%以内。
●6;切り傷の両側と交点とにはがれがあって、欠損部の面積は全正方形面積の5〜15%。
●4;切り傷によるはがれの幅が広く、欠損部の面積は全正方形面積の15〜35%。
●2;切り傷によるはがれの幅は4点より広く、欠損部の面積は全正方形面積の35〜65%。
●0;はがれの面積は、全正方形面積の65%以上。
(10)耐アルカリ性;試験片を水酸化カルシウムの飽和水溶液中に連続60日間浸漬したのち、塗膜の表面状態を目視により観測した。
(11)耐温水性;試験片を60℃の温水中に連続14日間浸漬したのち、塗膜の表面状態を目視により観測して評価した。
(12)汚染性回復性
塗膜上に、カーボンブラック/灯油=1/2(重量比)の混合ペーストを塗り付け、室温で24時間放置したのち、スポンジを用いて水洗し、塗膜の汚染状態を目視により観測し、下記基準で評価した。
○:汚染がない。
△:少し汚染されている。
×:汚染が著しい。
表1の塗膜物性評価結果で明らかな様に、実施例1〜8は、基本特性である耐候性、塗膜硬度は、合格レベルである。比較例1〜2と比較すると塗膜割れ性が改良され、可とう性が付与させれている。また、比較例3と比較すると臭気、リコート時のちぢみ、30μm以上の厚塗り時の塗膜の濁度も改良されており、明らかな効果が確認された。
【0047】
【発明の効果】
本発明により、塗膜作成時の臭気、ちぢみ性が改善され、厚膜化時の塗膜の濁度、割れ(ミクロクラック)の発生抑制した優れた塗膜を得ることができる。

Claims (8)

  1. (A)成分として下記一般式(1);
    1 nSi(OR24-n(1)
    (式中、R1は同一または異なり、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、γ−クロロプロピル基、ビニル基、3,3,3−トリクロロプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、γ−メタクリルオキシプロピル基、γ−メルカプトプロピル基、フェニル基または3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基を示し、R2は同一または異なり、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜6のアシル基もしくはフェニル基を示し、nは0の整数である)で表されるオルガノシラン、該オルガノシランの加水分解物および該オルガノシランの縮合物の群から選ばれた少なくとも1種、ならびに
    (B)成分として芳香族溶剤の芳香族含有量が50重量%以下の芳香族/脂肪族炭化水素混合溶剤中で合成された下記一般式(2);
    Figure 0004913952
    (式中、R3は、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。R4は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基および炭素数7〜10のアラルキル基からなる群より選択された1価の基を表す。R3またはR4が複数存在する場合には、同一であっても異なっていてもよい。aは、0〜2の整数を表す。)で表される炭素原子に結合したシリル基を重合体1分子中に少なくとも1個有するシリル基含有ビニル系共重合体、さらに
    (C)成分として下記一般式(3);
    Figure 0004913952
    (式中、R5〜R10は同一または異なり、直鎖または分岐状アルコキシ基であり、またmは1以上、かつポリスチレン換算の重量平均分子量が150〜10000であり、さらに−Si−O−結合は直鎖および/または分岐である。)で表されるポリオルガノシロキサンを含み、
    シリル基含有ビニル系共重合体(B)が、シリル基含有アクリル系共重合体(B)であり、炭素数4以上の(メタ)アクリル酸エステルを20〜80重量%含有するコーティング用組成物。
  2. (D)成分として金属アルコレート、金属アルコレートとβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類との反応で得られるキレート化合物、ならびに該金属アルコレートおよび/またはキレート化合物を水と反応させて得られる加水分解物の群から選ばれた少なくとも1種を含有する請求項1記載のコーティング用組成物。
  3. (E)成分として硬化促進剤を含有する請求項1または2記載のコーティング用組成物。
  4. (F)成分として平均粒系0.01〜0.2μmのケイ素化合物および/または金属酸化物の微粒系を含有する請求項1〜3のいずれか1項記載のコーティング用組成物。
  5. (A)成分、(B)成分および(C)成分を、(G)成分として親水性有機溶媒中で加水分解および/または縮合してなる請求項1〜4のいずれか1項記載のコーティング用組成物。
  6. 窯業系基材上に、請求項1〜5のいずれか1項記載のコーティング用組成物を塗装した塗装物。
  7. 合成樹脂フィルム上に、請求項1〜5のいずれか1項記載のコーティング用組成物を塗装した塗装物。
  8. 合成樹脂フィルム上に、金属および/または無機化合物の蒸着層と請求項1〜5のいずれか1項記載のコーティング用組成物を塗装した塗装物。
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