JP4135907B2 - 可視光活性型光触媒粒子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、可視光活性型光触媒粒子に関し、より詳細には、可視光の照射に対して活性を示し、このような光触媒活性を利用して、有害物質の分解、消臭、抗菌、殺菌、防汚、防曇等の作用を奏することにより、塗料、繊維製品、シックハウス解消剤、工業排水・排ガス等の無害化処理剤、医用材料等に好適に用いることができる可視光活性型光触媒粒子に関する。
【0002】
【従来の技術】
光触媒は、半導体的性質をもつものが多く、伝導帯と価電子帯とが適当な幅のバンドギャップにより隔てられたバンド構造を有する。
このような光触媒に、そのバンドギャップ以上のエネルギーを有する光を照射すると、価電子帯の電子が伝導帯に励起され、前記価電子帯に正孔、伝導帯に電子を生じる。ここで生じた正孔および電子がそれぞれ、酸化・還元反応を引き起こす。
そのうちの特に強い酸化力を利用して、有害物質の分解、消臭、抗菌、殺菌、防汚等の効果を発揮させることができる。
また、超親水性効果により、水になじみやすくなることから、防曇効果を発揮させることもできる。
したがって、上記のような効果を活かして、現在、塗料、繊維、鏡、医用材料等への応用が提案されており、一部は既に実用化されている。
【0003】
ところで、二酸化チタン光触媒においては、主に、アナターゼ型またはルチル型の結晶があり、二酸化チタンのバンドギャップはそれぞれ、3.2eV(波長387.5nmに相当)または3.0eV(波長413.3nmに相当)であるため、励起光としては、それぞれ波長387.5nm以下または波長413.3nm以下の短波長光、すなわち、紫外線以外の光は利用されていなかった。
【0004】
しかしながら、太陽光を効率よく利用するためには、その大部分を占める波長400〜700nmの可視光を利用することができることが好ましい。
また、屋外だけでなく、室内の蛍光灯等の光エネルギーが弱い空間においても反応する光触媒が現在、求められている。
このため、最近では、太陽光および人工光を効率よく利用する目的で、可視光の照射により触媒活性を示す二酸化チタンの開発が種々検討されるようになってきた。
【0005】
例えば、特許文献1には、アナターゼ型二酸化チタンを水素プラズマ熱処理することにより、酸素欠陥を形成し、可視光活性を得る方法が開示されている。
また、二酸化チタンの結晶格子内に窒素をドープすることによって、可視光応答性が得られることが開示されている(例えば、特許文献2〜4参照)。
【0006】
上記した酸素欠乏型または窒素ドープされた二酸化チタンにおいては、酸素欠乏欠陥またはTi−Nの結合により、二酸化チタン光触媒に可視光活性がもたらされると考えられる。
【0007】
【特許文献1】
特許第3252136号公報
【特許文献2】
特開2001−207082号公報
【特許文献3】
特開2001−72419号公報
【特許文献4】
特開2001−190953号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した酸素欠乏型や窒素ドープ型光触媒は、可視光照射における光触媒活性は低く、また、安定性に劣る等の課題を有していた。
【0009】
このような技術的課題が生じる原因としては、例えば、窒素ドープされた二酸化チタンのTi−N結合に基づくXPS(X線光電子分光法)分析によるピークは、空気中で熱処理された試料においては消失しているという報告もあることから、空気と接触している粒子表面においては、酸素欠乏欠陥またはTi−N結合が不安定であることによるものと推測される。
【0010】
本発明は、上記技術的課題を解決するためになされたものであり、可視光照射に対して高い光触媒活性を示すとともに、その光触媒活性が、安定性、持続性に優れている可視光活性型光触媒粒子を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決する手段】
本発明に係る可視光活性型光触媒粒子は、二酸化チタン成分の含有量が80wt%以上であり、700wtppm以上10000wtppm以下の窒素のアニオンと、前記窒素濃度の1/30以上1/3以下の炭素のアニオンがドープされた粒子であり、前記粒子の粒径が1μm以下であることを特徴とする。
このように構成された可視光活性型光触媒粒子は、従来の酸素欠乏型または窒素ドープされた二酸化チタンによる可視光活性型光触媒に比べて、より優れた光触媒活性を示し、しかも、その光触媒活性は、安定性、持続性に優れたものである。
【0012】
また、本発明に係る可視光活性型光触媒粒子は、二酸化チタン成分の含有量が80wt%以上であり、フーリエ変換赤外分光法により測定したスペクトルが、波数340±10cm-1および580±50cm-1に吸収ピークを有することを特徴とする。
KBr法により測定したフーリエ変換赤外吸収スペクトル(FT−IR)における上記吸収ピークは、窒素および炭素がドープされていることに基づくものであり、このため、可視光照射下において、優れた光触媒活性が得られる。
【0013】
前記可視光活性型光触媒粒子は、波長400nm以上600nm以下の可視光照射下において、イソプロパノール酸化活性を示すものであることが好ましい。イソプロパノール(IPA)酸化活性を示すことにより、本発明に係る可視光活性型光触媒粒子が、可視光照射に対して優れた光触媒活性を示すものであることが確証される。
したがって、本発明に係る可視光活性型光触媒粒子は、上記のようなIPA酸化活性を示すことにより、可視光照射下において、シックハウスの原因と言われているホルムアルデヒド等のアルデヒド類ガス、車の排ガスNOX等の環境汚染物質、ダイオキシン等の環境ホルモン等の人体を害する物質を分解・除去する等の優れた機能を発揮することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明に係る可視光活性型光触媒粒子は、二酸化チタンが主成分であり、700wtppm以上10000wtppm以下の窒素のアニオンと、前記窒素濃度の1/30以上1/3以下の炭素のアニオンがドープされた粒子である。
このように窒素および炭素がドープされた光触媒粒子は、従来の酸素欠乏型または窒素ドープされた二酸化チタン光触媒に比べて、可視光照射下において、より優れた光触媒活性を示すものである。しかも、その光触媒活性の安定性、持続性に優れており、空気と接触した場合であっても容易に失活することはない。
なお、紫外線照射に対する光触媒活性も、従来の二酸化チタン光触媒と同程度以上の性能を示す。
【0015】
前記可視光活性型光触媒粒子における主成分は、二酸化チタンであり、その含有量は、80wt%以上であることが好ましく、より好ましくは、95wt%以上である。
二酸化チタン成分の含有量が80wt%未満である場合は、十分な光触媒活性が得られない。
したがって、20wt%未満の範囲であれば、二酸化チタンの可視光照射による光触媒活性を損なわない限り、他の無機化合物等を混合した複合粒子を用いることもできる。
二酸化チタンに混合される無機化合物としては、例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、酸化亜鉛等を挙げることができる。
【0016】
前記二酸化チタンには、ルチル型(正方晶系)、アナターゼ型(正方晶系)、ブルッカイト型(斜方晶系)の3種の変態があり、いずれもチタン原子に酸素原子が6配位した、ゆがんだ八面体の稜が共有された構造を有している。本発明においては、このうち、光触媒活性を発現させる観点から、ルチル型またはアナターゼ型のものを用いることが好ましく、特に、アナターゼ型が好ましい。
【0017】
本発明においては、この二酸化チタンを主成分とする粒子に、窒素および炭素のアニオンをドープすることにより、可視光活性型光触媒粒子を得る。
ドーパント濃度は、窒素については、700wtppm以上10000wtppm以下であることが好ましく、より好ましくは、1500wtppm以上5000wtppm以下である。
前記窒素の濃度が700wtppm未満である場合は、可視光照射に対する十分な光触媒活性が得られず、特に、初期活性の立ち上がりが遅く、しかも、立ち上がり勾配が小さく、可視光の強度や用途等によっては、その目的を十分に達成することが困難な場合がある。
また、炭素の濃度は、これも十分な可視光活性を得る観点から、上記窒素の濃度の1/30以上1/3以下であることが好ましい。
【0018】
上記窒素および炭素のアニオンのドーピング方法は、特に限定されるものではなく、通常、この種のドープにおいて用いられる、熱拡散法、レーザドーピング法、プラズマドーピング法、イオン注入法等の方法を採用して差し支えない。
具体的には、イオン注入装置を用いて、窒素アニオンや炭素アニオン源等からの加速イオンを二酸化チタンターゲットに打ち込む方法により行うことができる。
また、シアン(HCN)、シアン酸もしくはイソシアン酸(HOCN)、低級アミン(RNH2、R2NH、R3N)、アゾ、ジアゾ化合物等を含有する溶液、または、これらとアンモニア(NH3)とを含有する溶液中で、塩化チタン(TiCl4)等の溶液状ハロゲン化チタンを加水分解する方法を用いることもできる。あるいはまた、シアン、シアン酸またはイソシアン酸、低級アミン等またはこれらとアンモニアとを含有する窒素またはアルゴン等の不活性ガス気流中で、または、各種炭化水素とアンモニアとの混合ガス気流中で、二酸化チタンを熱処理(アニール)する方法等によっても行うことができる。
【0019】
なお、上記のように窒素および炭素のトーピングは、それぞれ別の化合物の分解によって行ってもよく、この場合は、炭素および窒素は、同時でも、あるいは、逐次にドープしてもよく、また、ドープ時期についても、その態様に応じて、粒子形成時または形成後のいずれであってもよい。
【0020】
前記二酸化チタン(TiO2)は、化学量論的には、チタンイオン1モルに結合している酸素イオンは2モルである。
本発明においては、このような化学量論的な化学組成からなる二酸化チタンに、窒素および炭素のアニオンをドープすることにより、チタンイオン1モルに結合している酸素イオンが、化学量論数である2モルよりもずれた、すなわち、非化学量論的な数を有するような構造とすることが好ましい。
二酸化チタンがこのような構造をとることにより、可視光照射に対する高い光触媒活性を発揮することができるものと考えられる。
具体的には、チタンイオン1モルに対して結合している酸素イオンは、1.9モル以上2.0モル未満となることが好ましい。
【0021】
したがって、ドープされた窒素アニオンは、二酸化チタンの結晶の格子間に入っている状態、すなわち、Ti−N−Oの結合状態で、二酸化チタンのTiと結合していることが好ましい。あるいはまた、二酸化チタンの結晶中の酸素が窒素に置換され、前記ドープされた窒素アニオンは、二酸化チタン結晶中の酸素の位置に入っている状態、すなわち、Ti−N−Tiの結合状態で、二酸化チタンのTiと結合していることが好ましい。
これらの結合状態のうち、Ti−N−Tiの方が多いことがより好ましい。
【0022】
前記可視光活性型光触媒粒子の粒径は、十分な光触媒活性および溶媒への分散性等の観点から、1μm以下とし、好ましくは、0.01μm以上1μm以下である。特に、一次粒子が、長径10nm以上100nm以下の長球状であることが好ましい。前記粒子の長径は30〜40nm程度であることがより好ましい。このような粒径範囲にある二酸化チタン光触媒粒子は、微粒子であるため、塗料用途等にも、好適に用いることができる。
また、前記一次粒子は、短径と長径の比が1:2〜4程度であることが好ましい。
【0023】
また、本発明に係る可視光活性型光触媒粒子は、フーリエ変換赤外分光法により測定したスペクトルが、波数340±10cm-1および580±50cm-1に吸収ピークを有するものである。
KBr法により測定したフーリエ変換赤外吸収スペクトル(FT−IR)において、波数340cm-1および580cm-1付近に吸収ピークが観測されることは、窒素および炭素がドープされていることを表すものである。
このドープされた窒素および炭素により、本発明に係る可視光活性型光触媒粒子におけるTi−N結合は安定しており、可視光照射下における光触媒効果が大きいと言える。
【0024】
本発明に係る可視光活性型光触媒粒子は、可視光の照射下において、ホルムアルデヒド、イソプロパノール(IPA)等の酸化活性を示すものである。
特に、該光触媒粒子0.2gを10cm四方に均一層とした試料を容積1lのガスバッグ内に入れ、当初イソプロパノールガス濃度を1500ppm±150ppmとし、前記試料に、紫外線が遮光された蛍光灯光を、波長420nmにおける強度0.5mW/cm2で1時間照射後、生成したアセトンガス濃度が500ppm以上となるものであることが好ましい。
IPAは酸化されると、アセトンを生成する。さらに、酸化反応が進行すると、最終的には、二酸化炭素と水を生成する。このようなIPAの酸化反応は、光触媒活性を評価するための標準的な方法の一つとして用いられている。
【0025】
一般に、二酸化チタン等の光触媒活性の評価方法としては、光触媒製品技術協議会の光触媒性能評価試験法IIb(ガスバッグB法)が用いられるが、このガスバッグB法は、紫外線照射による光触媒活性を評価するものである。
これに対して、本発明においては、可視光照射に対する光触媒活性を評価するために、上記のような独自の評価試験法を採用する。これにより、本発明に係る可視光活性型光触媒粒子が、可視光照射に対して優れた光触媒活性を示すものであることの明確化を図ることができる。
【0026】
以下、本発明に係る可視光活性型光触媒粒子の上記光触媒活性の評価試験法の具体例を説明する。
まず、光触媒粒子0.2gを水に分散させて、これを10cm×10cmの石英ガラス板に塗布し、50℃で一晩乾燥させ、これを試験試料とする。
次に、この試験試料を、容積1lのテドラーバッグに入れた後、イソプロパノール(IPA)蒸気を含んだ空気を該テドラーバッグ内に1時間循環させ、光触媒粒子のガス吸着を飽和させる。
このテドラーバッグ内のIPAガス濃度およびアセトンガス濃度をガスクロマトグラフィにより測定し、IPAガス濃度が1500ppm±150ppm、アセトンガス濃度が0ppmとなるように試験ガスを調製する。
そして、前記テドラーバッグを、波長410nm以下の紫外線をカットするフィルムを装着させた蛍光灯を用いて、波長420nmにおける光強度0.5mW/cm2の光を1時間照射後、IPAガス濃度およびIPAの酸化により生成したアセトンガス濃度を測定する。
本発明に係る可視光活性型光触媒粒子は、このときのアセトンガス濃度が500ppm以上となるものであることが好ましく、これにより、優れた可視光活性を示す光触媒であることを明示することができる。
【0027】
上記のような可視光の照射下におけるIPAの酸化反応の促進作用、すなわち、IPA酸化活性を示すことは、シックハウスの原因と言われているホルムアルデヒド等のアルデヒド類ガス、車の排ガスNOX等の環境汚染物質、ダイオキシン等の環境ホルモン等の人体を害する物質を分解・除去する能力を持つことを意味し、可視光活性型光触媒としての優れた機能が発揮されると言える。
【0028】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例により制限されるものではない。
[実施例]
窒素3000wtppmおよび炭素150wtppmをドープしたアナターゼ型二酸化チタン微粒子(短径約10nm、長径約30nmの長球状の一次粒子)を合成し、光触媒粒子を作製した。
【0029】
上記において合成した光触媒粒子について、KBr法によるフーリエ変換赤外吸収スペクトル(FT−IR)を測定した。
装置は、Bruker製IFS113V型および日立製作所製260−50型フーリエ変換赤外分光光度計を使用し、分解能は4cm-1で測定した。
測定試料は、乳鉢でKBrと混合し、粉末状とした後、錠剤成型器でペレット状にしたものを用いた。
測定されたスペクトルを図1および図2に示す。
【0030】
また、上記光触媒粒子について、可視光に対する光触媒活性を評価した。可視光活性評価試験は、下記の方法により行った。
まず、上記により合成した光触媒粒子0.2gを水に分散させて、これを10cm×10cmの石英ガラス板に塗布し、50℃で一晩乾燥させ、これを試験試料とした。
次に、この試験試料を、容積1lのテドラーバッグに入れた後、イソプロパノール(IPA)蒸気を含んだ空気をテドラーバッグ内に1時間循環させ、光触媒粒子のガス吸着を飽和させて、試験ガスを調製した。
この試験ガスのIPAおよびアセトンのガス濃度をガスクロマトグラフィ(Shimadzu GC−8A、カラム:島津パックドカラムSBS−100)により測定したところ、IPAは1500ppm、アセトンは未検出(ND)であった。
そして、前記テドラーバッグを、波長410nm以下の紫外線を遮光するフィルム(富士写真フィルム株式会社製 UV Guard UGP20WL10)を装着した蛍光灯(Toshiba FLR20S,W/M)を用いて、波長420nmにおける光強度0.5mW/cm2の光を5時間照射した。照射開始から30分毎に、IPAガス濃度およびIPAの酸化により生成したアセトンガス濃度を測定した。
この結果を表1に示す。
【0031】
[比較例]
従来の窒素ドープ型二酸化チタン微粒子(A社製)(一次粒径5〜10nm)について、上記実施例と同様にして、フーリエ変換赤外吸収スペクトル(FT−IR)を測定した。
測定されたスペクトルを図1および図2に示す。
また、この窒素ドープ型二酸化チタン微粒子についても、上記実施例と同様にして、可視光に対する光触媒活性を評価した。
この結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
図1および図2に示したように、FT−IRの測定結果は、実施例では、波数580cm-1および340cm-1において吸収ピークがあり、窒素のみがドープされた比較例とはそのピーク位置は異なることが認められた。
前記吸収ピークは、ドープされた炭素および窒素に基づくものであり、本発明に係る可視光活性型光触媒粒子において特徴的なものである。
【0034】
また、上記表1に示した評価結果から、窒素および炭素のアニオンをドープした二酸化チタン光触媒粒子(実施例)は、可視光の照射により、IPAの酸化反応により生成したアセトンガスが検出され、可視光に対する光触媒活性を示すことが認められた。
また、この本発明に係る光触媒は、可視光照射によるアセトンの生成量から、窒素ドープ型の従来品(比較例)よりも優れた光触媒活性を示すことが認められた。
なお、光を照射しない暗条件においては、変化は観察されなかった。
【0035】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明に係る可視光活性型光触媒粒子は、従来の可視光活性型光触媒に比べて、可視光照射に対して高い光触媒活性を示すとともに、その光触媒活性は、安定性、持続性に優れたものである。
このため、本発明に係る可視光活性型光触媒粒子は、その光触媒活性を利用して、有害物質の分解、消臭、抗菌、殺菌、防汚、防曇等の作用を奏することにより、塗料、繊維製品、シックハウス解消剤、工業排水・排ガス等の無害化処理剤、医用材料等の様々な用途に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例および比較例における光触媒粒子についての赤外吸収スペクトルを示したものである。
【図2】実施例および比較例における光触媒粒子についての赤外吸収スペクトルを示したものである。
Claims (3)
- 二酸化チタン成分の含有量が80wt%以上であり、700wtppm以上10000wtppm以下の窒素のアニオンと、前記窒素濃度の1/30以上1/3以下の炭素のアニオンがドープされた粒子であり、前記粒子の粒径が1μm以下であることを特徴とする可視光活性型光触媒粒子。
- 二酸化チタン成分の含有量が80wt%以上であり、フーリエ変換赤外分光法により測定したスペクトルが、波数340±10cm-1および580±50cm-1に吸収ピークを有することを特徴とする可視光活性型光触媒粒子。
- 波長400nm以上600nm以下の可視光照射下において、イソプロパノール酸化活性を示すことを特徴とする請求項1または請求項2記載の可視光活性型光触媒粒子。
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