JP3851545B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、氷上性能をさらに向上できるとともに、雪上性能及び排水性能も向上できる空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
図2に示すように、従来の空気入りタイヤ、特にスノータイヤでは、タイヤ周方向に連続したいわゆるジグザグ溝102と、タイヤ周方向に連続したいわゆるストレート主溝104と、を組み合わせたトレッドパターン100を有しているのが一般的である。また、トレッドパターン100は、タイヤ赤道線CLに対して左右対称となっているのが一般的である。
【0003】
ここで、従来の空気入りタイヤのネガティブ率(見掛けの全接地面積で溝面積を割った値を百分率で表したもの)は、40%〜45%前後となっていたので、さらなる氷上ブレーキ性能を望むには限界がある。このため、ブロック剛性を確保すべく、ネガティブ率を低下(28〜37%)させる必要がある。これにより、氷上ブレーキ性能は確保できる。
【0004】
ところで、ただ単純にネガティブ率を低下させると、氷上性能は向上しても、雪上性能(ブレーキング性能、トラクション性能、フィーリング評価)とWETハイプレ性能が悪化する問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記事実を考慮し、主にセンター領域のネガティブ率とエッジ成分とを最適化することで、氷上性能をさらに向上できるとともに、雪上性能及び排水性能も向上することができる空気入りタイヤを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の空気入りタイヤでは、タイヤ赤道線のタイヤ軸方向外側に位置する1対の第1の周方向溝と、前記第1の周方向溝のタイヤ軸方向外側に位置する1対の第2の周方向溝と、前記第1の周方向溝のタイヤ軸方向内側に位置するセンター陸部と、前記第1の周方向溝と前記第2の周方向溝との間に位置する中間陸部と、前記第2の周方向溝のタイヤ軸方向外側に位置するショルダー陸部と、タイヤ周方向に隣接して形成されるとともに前記ショルダー陸部から前記中間陸部に亘って形成され該中間陸部で終端した複数の横断溝と、からなるトレッド部を有し、前記センター陸部、前記中間陸部及び前記ショルダー陸部の表面に複数のサイプが形成された空気入りタイヤであって、前記センター陸部には複数の横溝が形成され、該横溝により該センター陸部はタイヤ周方向にブロック状に形成され、前記第1の周方向溝のトレッド端側縁は、タイヤ周方向と略平行に延びて形成され、前記第1の周方向溝のタイヤ赤道線側縁は、タイヤ周方向に対して傾斜して形成され、前記横断溝は、前記ショルダー陸部から前記中間陸部に亘って略タイヤ軸方向に延びる横断溝本体部と、前記横断溝本体のタイヤ軸方向内側端部からタイヤ周方向に隣接する横断溝に向かって延びて終端し、かつタイヤ周方向に対する傾斜角度が前記横断溝本体部の傾斜角度よりも小さい横断溝補助部と、で構成され、前記トレッド部全体のネガティブ率が28%乃至37%の範囲に設定され、かつ、前記トレッド部全体のトレッド幅の1/5に相当する幅を有したトレッド部中央領域のネガティブ率は、前記トレッド部全体のネガティブ率よりも小さいことを特徴とする。
【0007】
次に、請求項1に記載の空気入りタイヤの作用効果について説明する。
【0008】
本発明の空気入りタイヤによれば、第1の周方向溝と、第2の周方向溝と、センター陸部と、中間陸部と、ショルダー陸部とを有しているため、特に接地幅の広い偏平サイズのタイヤにおいて、雪上コーナリング時の横滑り性とWETハイプレ性を確保することができる。
【0009】
ここで、本発明の空気入りタイヤでは、横断溝がタイヤ周方向に隣接して複数形成されているため、ショルダー陸部と中間陸部のエッジ成分を増加させることができ、雪上路面の走行を安定させることができる。特に、各陸部に複数のサイプが形成されているため、各陸部のエッジ成分をさらに増加させることができ、氷雪上路面の走行を安定させることができる。
【0010】
また、横断溝は、第1の周方向溝に開口せず中間陸部で終端しているため、中間陸部のタイヤ赤道線側の部分をタイヤ周方向に連続したリブブロック状にすることができるため、横断溝が第1の周方向溝に開口している場合と比較して、中間陸部の剛性を向上でき、氷上性能を向上できる。
【0011】
また、センター陸部には複数の横溝が形成されるとともに、第1の周方向溝のトレッド端側縁がタイヤ周方向と略平行に形成されているため、特にトレッド部中央領域の排水性を向上することができる。なお、上記したように、中間陸部はリブ状ブロックに形成されているため、タイヤ赤道線近傍のトレッド部中央領域における水流とトレッド端側に位置するトレッド端側領域における水流とが合流することを防止できるため、さらに排水性を向上できる。
【0012】
一方、第1の周方向溝のタイヤ赤道線側縁は、タイヤ周方向に対して傾斜して形成されているため、タイヤ赤道線近傍の水を円滑に第1の周方向溝に導くことができるとともに、センター陸部のエッジ成分を増加させることができ、氷雪上路面での走行を安定させ、氷雪上性能を向上させることができる。
【0013】
また、横断溝は横断溝本体部と横断溝補助部とで構成されており、特に横断溝本体部が有効なエッジとなるため、氷雪上性能(ブレーキ性能及びトラクション性能)を向上できる。また、横断溝補助部により中間陸部の水をトレッド端側領域に円滑に導くことができるため、WETハイプレ性能を向上できる。さらに、氷雪状路面のコーナリング時において、横断溝補助部が引っ掛かりとして機能するため、コーナリングが安定し、コーナリング性能を向上できる。
【0014】
さらに、トレッド部全体のネガティブ率が28%乃至37%の範囲に設定されているため、排水性機能を維持した状態で接地面積を増加させることができる。この結果、氷上性能を向上できる。
【0015】
また、トレッド部全体のトレッド幅の1/5に相当する幅を有したトレッド部中央領域のネガティブ率がトレッド部全体のネガティブ率よりも小さくなっているため、特にトレッド部中央領域において陸部体積を増加でき氷上ブレーキ性能を向上できるとともに、トレッド部中央領域におけるセンター陸部の剛性を向上でき偏摩耗を抑制することができる。
【0016】
なお、本明細書において、「終端」とは、陸部の途中まで溝が形成され、当該溝が陸部を貫通することがないことを意味する。
【0017】
「ネガティブ率」とは、見掛けの全接地面積で溝面積を割った値を百分率で表したものを意味する。ネガティブ率が大きいほど溝が占める面積が大きくなり、接地面積が小さくなることを意味している。
【0018】
「トレッド部中央領域」とは、タイヤ赤道線を中心としたトレッド部の中央に位置する領域を意味する。
【0019】
請求項2に記載の空気入りタイヤでは、前記横断溝補助部のタイヤ軸方向内側端部から前記横断溝本体部のタイヤ軸方向外側端部にかけて前記空気入りタイヤの回転方向後方側に向かって傾斜していることを特徴とする。
【0020】
次に、請求項2に記載の空気入りタイヤの作用効果について説明する。
【0021】
本発明の空気入りタイヤでは、横断溝補助部のタイヤ軸方向内側端部から横断溝本体部のタイヤ軸方向外側端部にかけて空気入りタイヤの回転方向後方側に向かって傾斜しており、所謂方向性パターンとなる。この結果、WET排水性を向上することができる。
【0022】
請求項3に記載の空気入りタイヤでは、前記センター陸部の略タイヤ軸方向中心には前記横溝に開口し周方向に延びる周方向細溝が形成されており、前記センター陸部は2列のブロック列に形成されていることを特徴とする。
【0023】
次に、請求項3に記載の空気入りタイヤの作用効果について説明する。
【0024】
本発明の空気入りタイヤによれば、センター陸部の略タイヤ軸方向中心には横溝に開口し周方向に延びる周方向細溝が形成されており、センター陸部が2列のブロック列に形成されている。
【0025】
特に、接地幅の広いタイヤの場合のように、第1の周方向溝と第2の周方向溝の合計4本の周方向溝では、排水性が低下する場合があるが、本発明の空気入りタイヤでは、周方向細溝によりタイヤのトレッド部中央領域の排水性を確保することができる。
【0026】
請求項4に記載の空気入りタイヤでは、前記中間陸部には、前記横断溝補助部と前記第1の周方向溝とに開口するとともに、前記空気入りタイヤの負荷転動時において対向する溝壁が接触する副溝が形成されていることを特徴とする。
【0027】
次に、請求項4に記載の空気入りタイヤの作用効果について説明する。
【0028】
本発明の空気入りタイヤでは、空気入りタイヤに所定の荷重が負荷されると、副溝の対向する溝壁が接触する。対向する溝壁が接触することにより、中間陸部の一部をリブ状にすることができる。これにより、中間陸部の剛性を向上でき、氷上でのブレーキ性能を向上することができる。
【0029】
一方、溝壁が接触することにより、第1の周方向溝から横断溝補助部へ水が移動しないため、第1の周方向溝による排水性を向上できる。この結果、ハイプレ排水性能を向上できる。
【0030】
請求項5に記載の空気入りタイヤでは、前記横断溝本体部のタイヤ周方向に対する傾斜角度は、65度より大きく90度未満であり、前記横断溝補助部のタイヤ周方向に対する傾斜角度は、5度より大きく45度未満であることを特徴とする。
【0031】
次に、請求項5に記載の空気入りタイヤの作用効果について説明する。
【0032】
横断溝本体部のタイヤ周方向に対する傾斜角度は、65度より大きく90度未満であり、横断溝補助部のタイヤ周方向に対する傾斜角度は、5度より大きく45度未満であることが好ましい。
【0033】
逆に、横断溝本体部のタイヤ周方向に対する傾斜角度が65度以下であれば、トラクション性の悪化及び偏摩耗の懸念があり、90度以上であれば、WETハイプレ性能が悪化するため、不適切である。
【0034】
また、横断溝補助部のタイヤ周方向に対する傾斜角度が5度以下であれば、第1の周方向溝と略平行となるため、トレッド部の中央側からショルダー端側への排水能力が低下するとともに、ブロックエッジ成分現象による雪上性能が悪化するため不適切である。一方、横断溝補助部のタイヤ周方向に対する傾斜角度が45度以上であれば、やはりトレッド部の中央側からショルダー端側への排水能力が低下し、ハイプレ性能が悪化するため不適切である。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤについて説明する。図1は、右輪用タイヤのトレッドパターンを示した平面図である。
【0036】
本発明の空気入りタイヤ10では、タイヤ赤道線CL近傍にタイヤ周方向に延びる周方向細溝12が形成されている。
【0037】
周方向細溝12のタイヤ軸方向外側には、センター陸部14L、14Rがそれぞれ形成されている。各センター陸部14L、14Rには、タイヤ周方向に対して傾斜した横溝16L、16Rが形成されている。この各横溝16L、16Rは、各センター陸部14L、14Rをタイヤ軸方向に貫通している。
【0038】
なお、各横溝16L、16Rは、そのタイヤ赤道線側端部が空気入りタイヤ10の回転方向前方側(図1中矢印F方向側)に位置し、タイヤ軸方向外側端部が空気入りタイヤ10の回転方向後方側(図1中矢印R方向側)に位置するように、傾斜して形成されている。
【0039】
また、各センター陸部14L、14Rのトレッド端側(タイヤ軸方向外側)の側壁18L、18Rは、タイヤ周方向に対して傾斜して形成されている。
【0040】
センター陸部14L、14Rのタイヤ軸方向外側には、タイヤ周方向に延びる内側周方向溝20L、20R(第1の周方向溝)がそれぞれ形成されている。
【0041】
したがって、上記横溝16L、16Rは周方向細溝12と内側周方向溝20L、20Rとに開口しており、センター陸部14L、14Rが2列のブロック状になっている。
【0042】
このように、センター陸部14L、14Rを2列のブロック状とすることにより、センター陸部14L、14Rが形成されたトレッド部42の中央側の領域において排水性を向上することができる。
【0043】
内側周方向溝20L、20Rのタイヤ軸方向外側には、中間陸部22L、22Rがそれぞれ形成されている。中間陸部22L、22Rのタイヤ軸方向両側の側壁24L、24Rは、タイヤ周方向と略平行になるように形成されている。
【0044】
これにより、上記内側周方向溝20L、20Rは、中間陸部22L、22Rのタイヤ軸方向内側の側壁24L、24Rと、センター陸部14L、14Rのトレッド端側の側壁18L、18Rとを溝壁とする構成となっている。
【0045】
このため、内側周方向溝20L、20Rのトレッド端側縁はタイヤ周方向と略平行となり、タイヤ赤道線側縁はタイヤ周方向に対して傾斜しているため、内側周方向溝20L、20Rは所謂ジグザグ形状となっている。
【0046】
また、各中間陸部22L、22Rのタイヤ軸方向外側には、外側周方向溝26L、26R(第2の周方向溝)がそれぞれ形成されている。
【0047】
外側周方向溝26L、26Rのタイヤ軸方向外側には、各ショルダー陸部28L、28Rがそれぞれ形成されている。各ショルダー陸部28L、28Rのタイヤ軸方向内側の側壁30L、30Rは、タイヤ周方向と略平行になるように形成されている。
【0048】
また、各ショルダー陸部28L、28Rから各中間陸部22L、22Rに亘って横断溝32L、32Rがそれぞれ形成されている。
【0049】
横断溝32L、32Rは、ショルダー陸部28L、28Rから外側周方向溝26L、26Rを横切り中間陸部22L、22Rにかけてタイヤ周方向に対して比較的大きな傾斜角度で傾斜して延びる横断溝本体部34L、34Rと、横断溝本体部34L、34Rのタイヤ軸方向内側端部からタイヤ周方向に隣接する別の横断溝32L、32Rに向かってタイヤ周方向に対して比較的小さな傾斜角度(横断溝本体部34L、34Rよりも小さな傾斜角度)で傾斜して延びる横断溝補助部36L、36Rと、で構成されている。
【0050】
また、横断溝補助部36L、36Rは、中間陸部22L、22Rの途中で終端している。
【0051】
ここで、横断溝本体部34L、34Rのタイヤ周方向に対する傾斜角度は65度より大きく90度未満となるように設定されており、横断溝補助部36L、36Rのタイヤ周方向に対する傾斜角度は5度より大きく45度未満となるように設定されている。
【0052】
なお、横断溝補助部36L、36Rのタイヤ軸方向内側端部から横断溝本体部34L、34Rのタイヤ軸方向外側端部にかけて空気入りタイヤ10の回転方向後方側に向かって傾斜している。
【0053】
また、中間陸部22L、22Rには、横断溝補助部36L、36Rと外側周方向溝20L、20Rとを接続する副溝38L、38Rが形成されている。
【0054】
この副溝38L、38Rは、そのタイヤ軸方向内側端部が空気入りタイヤ10の回転方向前方側に位置し、そのタイヤ軸方向外側端部が空気入りタイヤ10の回転方向後方側に位置するように、傾斜して形成されている。
【0055】
ここで、副溝38L、38Rの溝幅は、空気入りタイヤ10の負荷転動時において対向する溝壁が接触する程度に、狭く形成されている。
【0056】
このため、空気入りタイヤ10の負荷転動時において、副溝38L、38Rの溝壁が接触することにより、中間陸部22L、22Rのタイヤ赤道線側の部分がタイヤ周方向に連続し、中間陸部22L、22Rをリブ状のブロックにすることができる。この結果、中間陸部22L、22Rの剛性を向上でき、氷上でのブレーキ性能を向上することができる。
【0057】
一方、中間陸部22L、22Rがタイヤ周方向に連続するため、内側周方向溝20L、20Rを流れる水流と横断溝補助部36L、36Rを流れる水流とを分流でき、ハイプレ性能を向上できる。
【0058】
なお、各センター陸部14L、14R、各中間陸部22L、22R及びショルダー陸部28L、28Rの表面には複数のサイプ40が形成されている。
【0059】
以上説明したように本発明の空気入りタイヤ10のトレッドパターンでは、横溝16L、16R、副溝38L、38R及び横断溝32L、32Rの各タイヤ軸方向内側端部から各タイヤ軸方向外側端部にかけて、空気入りタイヤ10の回転方向後方側に向けて傾斜するように形成されており、所謂方向性パターンとなっている。
【0060】
また、横断溝32L、32R、副溝38L、38R及び横溝16L、16Rの軸線は、全てタイヤ赤道線CL上で且つ空気入りタイヤ10の回転方向前方側で収束するようになっている。
【0061】
このように、方向性パターンとすることで、WET排水性を向上することができる。
【0062】
ここで、本発明の空気入りタイヤ10のネガティブ率について説明する。
【0063】
本発明の空気入りタイヤ10のトレッド部42は、内側周方向溝20L、20Rと、外側周方向溝26L、26Rと、横断溝32L、32Rと、センター陸部14L、14Rと、中間陸部22L、22R及びショルダー陸部28L、28Rを有しており、トレッド部42全体のネガティブ率は、28%乃至37%の範囲に設定されている。
【0064】
また、本発明の空気入りタイヤ10では、タイヤ赤道線CLを中心とした、トレッド部42全体のトレッド幅(H)の1/5(H/5)に相当する幅を有するトレッド部中央領域CWのネガティブ率は、トレッド部42全体のネガティブ率よりも小さくなるように、設定されている。
【0065】
次に、本発明の空気入りタイヤ10の作用及び効果について説明する。
【0066】
本発明の空気入りタイヤ10によれば、横断溝32L、32Rがタイヤ周方向に隣接して複数形成されているため、ショルダー陸部28L、28Rと中間陸部22L、22Rのエッジ成分を増加させることができ、雪上路面の走行を安定させることができる。
【0067】
特に、各陸部に複数のサイプ40が形成されているため、各陸部のエッジ成分をさらに増加させることができ、氷雪上路面の走行を安定させることができる。
【0068】
また、横断溝32L、32Rは、内側周方向溝20L、20Rに開口せず中間陸部22L、22Rで終端しているため、中間陸部22L、22Rのタイヤ赤道線側の部分をタイヤ周方向に連続したリブブロック状にすることができる。このため、横断溝32L、32Rが内側周方向溝20L、20Rに開口している場合と比較して、中間陸部22L、22Rの剛性を向上でき、氷上性能を向上できる。
【0069】
また、センター陸部14L、14Rには複数の横溝16L、16Rが形成されるとともに、内側周方向溝20L、20Rのトレッド端側縁がタイヤ周方向と略平行に形成されているため、特にトレッド部42の中央側領域の排水性を向上することができる。
【0070】
なお、上記したように、中間陸部22L、22Rはリブ状ブロックに形成されているため、タイヤ赤道線近傍のトレッド部42の中央側における水流とトレッド端側に位置するトレッド端側領域における水流とが合流することを防止でき、円滑に内側周方向溝20L、20Rで排水することができる。
【0071】
一方、内側周方向溝20L、20Rのタイヤ赤道線側縁は、タイヤ周方向に対して傾斜して形成されているため、タイヤ赤道線近傍の水を円滑に内側周方向溝20L、20Rに導くことができる。さらに、センター陸部14L、14Rのエッジ成分を増加させることができ、氷雪上路面での走行を安定させ、氷雪上性能を向上させることができる。
【0072】
また、横断溝32L、32Rは横断溝本体部34L、34Rと横断溝補助部36L、35Rとで構成されており、特に横断溝本体部34L、34Rが有効なエッジとなるため、氷雪上性能(ブレーキ性能及びトラクション性能)を向上できる。
【0073】
また、横断溝補助部36L、36Rにより中間陸部22L、22Rの水をトレッド端側の領域に円滑に導くことができるため、WETハイプレ性能を向上できる。
【0074】
さらに、氷雪状路面のコーナリング時において、横断溝補助部36L、36Rが引っ掛かりとして機能するため、コーナリングが安定し、コーナリング性能を向上できる。
【0075】
さらに、トレッド部42全体のネガティブ率が28%乃至37%の範囲に設定されているため、排水性機能を維持した状態で接地面積を増加させることができる。この結果、氷上性能を向上できる。
【0076】
また、トレッド部42全体のトレッド幅Hの1/5に相当する幅(H/5)を有したトレッド部中央領域CWのネガティブ率がトレッド部42全体のネガティブ率よりも小さくなっているため、特にトレッド部中央領域CWにおいて陸部体積を増加でき氷上ブレーキ性能を向上できるとともに、トレッド部中央領域CWにおけるセンター陸部14L、14Rの剛性を向上でき偏摩耗を抑制することができる。
【0077】
以上のように、本発明の空気入りタイヤ10によれば、氷上性能をさらに向上できるとともに、雪上性能及び排水性能も向上することができる。
(試験例)
次に、図1に示す本発明の空気入りタイヤ10と図2に示す従来の空気入りタイヤ100とを用いて、雪上性能、氷上性能及び排水性能についてそれぞれ試験を行った。
【0078】
本試験において、「雪上性能についての試験」とは、雪上フィーリング、雪上ブレーキ性能及び雪上トラクション性能についての試験をいう。
【0079】
ここで、「雪上フィーリング」とは、圧雪路面のテストコースにおける制動性、発進性、直進性、コーナリング性の総合評価である。
【0080】
「雪上ブレーキ性能」とは、圧雪上を40km/hからフル制動したときの制動距離を計測したものである。
【0081】
「雪上トラクション性能」とは、圧雪上で発進から50mの距離までの加速タイムを測定したものである。
【0082】
また、「氷上性能についての試験」とは、氷上フィーリング、氷上ブレーキ性能についての試験をいう。
【0083】
ここで、「氷上フィーリング」とは、氷板路面のテストコースにおける制動性、発進性、直進性、コーナリング性の総合フィーリング評価である。
【0084】
「氷上ブレーキ性能」とは、氷板上を20km/hからフル制動したときの制動距離を計測したものである。
【0085】
さらに、「排水性能についての試験」とは、WETハイプレ性能についての試験をいう。
【0086】
ここで、「WETハイプレ性能」とは、水深5mmのウェット路面の通過時のハイプレ発生限界速度のフィーリング評価である。
【0087】
また、試験の条件として、本発明の空気入りタイヤ10のタイヤサイズは225/50R16とした。
【0088】
また、空気入りタイヤ10のトレッド部42全体のネガティブ率を31.5%に設定した。一方、タイヤ赤道線CLを中心としたトレッド部中央領域CWのネガティブ率を21.5%に設定した。
【0089】
また、内側周方向溝20L、20Rの溝幅を8.7mmに設定した。
【0090】
また、外側周方向溝26L、26Rの溝幅を7.0mmに設定した。
【0091】
また、横断溝32L、32Rの横断溝本体部34L、34Rのタイヤ周方向に対する傾斜角度を70度(センター寄り)〜85度(ショルダー寄り)に設定し、横断溝補助部36L、36Rのタイヤ周方向に対する傾斜角度を12度に設定した。
【0092】
また、サイプ40の幅を全て0.5mmに設定した。
【0093】
本試験の結果は、以下の表1に示すとおりになった。
【0094】
なお、表1中の数値は、従来タイヤを基準(100)として、指数表示で示したものである。したがって、数値が高いほど性能が良いことを意味している。
【0095】
【表1】
上記表1に示すように、本発明の空気入りタイヤ10では、従来タイヤ100と比較して、雪上性能、氷上性能及び排水性能の全てにおいて向上したことが判明した。
【0096】
【発明の効果】
本発明の空気入りタイヤによれば、氷上性能をさらに向上できるとともに、雪上性能及び排水性能も向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドパターンを示した図である。
【図2】従来の空気入りタイヤのトレッドパターンを示した図である。
【符号の説明】
10 空気入りタイヤ
12 周方向細溝
14L、14R センター陸部
16L、16R 横溝
20L、20R 内側周方向溝(第1の周方向溝)
22L、22R 中間陸部
26L、26R 外側周方向溝(第2の周方向溝)
28L、28R ショルダー陸部
32L、32R 横断溝
34L、34R 横断溝本体部
36L、36R 横断溝補助部
38L、38R 副溝
40 サイプ
42 トレッド部
Claims (5)
- タイヤ赤道線のタイヤ軸方向外側に位置する1対の第1の周方向溝と、前記第1の周方向溝のタイヤ軸方向外側に位置する1対の第2の周方向溝と、前記第1の周方向溝のタイヤ軸方向内側に位置するセンター陸部と、前記第1の周方向溝と前記第2の周方向溝との間に位置する中間陸部と、前記第2の周方向溝のタイヤ軸方向外側に位置するショルダー陸部と、タイヤ周方向に隣接して形成されるとともに前記ショルダー陸部から前記中間陸部に亘って形成され該中間陸部で終端した複数の横断溝と、からなるトレッド部を有し、
前記センター陸部、前記中間陸部及び前記ショルダー陸部の表面に複数のサイプが形成された空気入りタイヤであって、
前記センター陸部には複数の横溝が形成され、該横溝により該センター陸部はタイヤ周方向にブロック状に形成され、
前記第1の周方向溝のトレッド端側縁は、タイヤ周方向と略平行に延びて形成され、前記第1の周方向溝のタイヤ赤道線側縁は、タイヤ周方向に対して傾斜して形成され、
前記横断溝は、前記ショルダー陸部から前記中間陸部に亘って略タイヤ軸方向に延びる横断溝本体部と、前記横断溝本体のタイヤ軸方向内側端部からタイヤ周方向に隣接する横断溝に向かって延びて終端し、かつタイヤ周方向に対する傾斜角度が前記横断溝本体部の傾斜角度よりも小さい横断溝補助部と、で構成され、前記トレッド部全体のネガティブ率が28%乃至37%の範囲に設定され、かつ、前記トレッド部全体のトレッド幅の1/5に相当する幅を有したトレッド部中央領域のネガティブ率は、前記トレッド部全体のネガティブ率よりも小さいことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記横断溝補助部のタイヤ軸方向内側端部から前記横断溝本体部のタイヤ軸方向外側端部にかけて前記空気入りタイヤの回転方向後方側に向かって傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記センター陸部の略タイヤ軸方向中心には前記横溝に開口し周方向に延びる周方向細溝が形成されており、前記センター陸部は2列のブロック列に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記中間陸部には、前記横断溝補助部と前記第1の周方向溝とに開口するとともに、前記空気入りタイヤの負荷転動時において対向する溝壁が接触する副溝が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記横断溝本体部のタイヤ周方向に対する傾斜角度は、65度より大きく90度未満であり、
前記横断溝補助部のタイヤ周方向に対する傾斜角度は、5度より大きく45度未満であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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