JP2857148B2 - 密閉形ニツケル−水素蓄電池の構成法 - Google Patents
密閉形ニツケル−水素蓄電池の構成法Info
- Publication number
- JP2857148B2 JP2857148B2 JP62070609A JP7060987A JP2857148B2 JP 2857148 B2 JP2857148 B2 JP 2857148B2 JP 62070609 A JP62070609 A JP 62070609A JP 7060987 A JP7060987 A JP 7060987A JP 2857148 B2 JP2857148 B2 JP 2857148B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- capacity
- negative electrode
- nickel
- positive electrode
- discharge
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M4/00—Electrodes
- H01M4/02—Electrodes composed of, or comprising, active material
- H01M4/36—Selection of substances as active materials, active masses, active liquids
- H01M4/48—Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of inorganic oxides or hydroxides
- H01M4/52—Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of inorganic oxides or hydroxides of nickel, cobalt or iron
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M10/00—Secondary cells; Manufacture thereof
- H01M10/34—Gastight accumulators
- H01M10/345—Gastight metal hydride accumulators
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M4/00—Electrodes
- H01M4/02—Electrodes composed of, or comprising, active material
- H01M4/36—Selection of substances as active materials, active masses, active liquids
- H01M4/38—Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of elements or alloys
- H01M4/383—Hydrogen absorbing alloys
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P70/00—Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
- Y02P70/50—Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Electrochemistry (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Secondary Cells (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野
本発明は、電気化学的に水素の吸蔵・放出が可能な水
素吸蔵粉末からなる負極と、ニッケル正極と、アルカリ
電解液とを組み合わせて構成する密閉形ニッケル水素蓄
電池の構成法に関するものである。 従来の技術 水素吸蔵合金は電気化学的に水素の吸蔵・放出が可能
であることから、二次電池の負極材料として利用でき
る。この負極とニッケル正極を組み合わせたニッケル−
水素蓄電池は、焼結式ニッケル正極を用いたニカド蓄電
池の約1.8倍以上の高エネルギー密度を有するものと期
待されている。この電池系においても、現在実用化され
ているニッケル−カドミウム蓄電池と同様に完全密閉化
した電池が要求されている。 密閉形蓄電池に要求される条件は、過充電時にニッケ
ル正極から発生する酸素ガスを負極の表面でイオン化
し、水に戻しうることである。また、負極の水素吸蔵合
金の充放電サイクル特性や過放電特性を考慮すると、正
極容量規制の構成とすることが必要である。 したがって、電池の構成にニッケル正極の充電可能容
量に比べ、水素吸蔵合金からなる負極の充電可能容量を
大きくする必要がある。このような構成により過充電時
に正極から酸素ガスを発生させ、この酸素ガスが負極の
表面で水素と反応させ水を生成し、電池内圧の上昇を防
止することで、密閉系が保持できる。一方、放電時は高
率放電になるにつれ、正極よりも負極の容量低下が著し
く、負極容量規制になり、前述したように、充放電サイ
クル特性や過放電特性の点から、このような構成は好ま
しくない。したがって、正極容量規制とするために、負
極の容量低下に見合う充電部分を負極にあらかじめ加え
ておく必要がある。 従来、この種のニッケル−水素蓄電池は、焼結式ニッ
ケル正極を用いて密閉系を保つために、負極の充電可能
容量は正極のそれに対し2.5倍以上であり、また、負極
にあらかじめ部分充電を行う必要があった。 発明が解決しようとする問題点 このような従来の構成では、正極に焼結式ニッケル正
極(容量密度450〜470mAh/cm3)を用いているために、
高容量の密閉形ニッケル−水素蓄電池の構成が不可能で
あった。更に、カドミウム負極と異なりアルカリ電解液
中で部分充電し、その後水洗・乾燥工程を経ることで、
吸蔵された水素が放出し、負極に充電部分を設けること
ができないという問題があった。 本発明はこのような問題点を解決するもので、簡単な
構成で、高容量の密閉形ニッケル−水素蓄電池を提供す
ることを目的とするものである。 問題点を解決するための手段 この問題点を解決するために本発明は、金属コバルト
粉末を有し、容量密度が560〜620mAh/cm3の放電状態の
ペースト式ニッケル正極と、未充電状態の水素吸蔵合金
粉末から成る負極と、アルカリ電解液を備え、その負極
の充電可能容量をCN,コバルト粉末の充電可能容量をCC,
正極活物質の充電可能容量をCPとしたとき、構成時に1.
5≦CN/CP≦2.4の関係にあり、初充電開始直後の少なく
ともCCに相当する電気量は低電流で充電と放電が施さ
れ、完全放電終了後は1.5CP≦CN+CC≦2.4CPの関係を保
ち、CCに相当する電気量が負極の放電可能容量CC′にな
るように構成したものである。 作用 この構成により、正極中に含まれる金属コバルトが1/
3CmA以下の低電流で初充電することにより、正極活物質
である水酸化ニッケルが酸化されオキシ水酸化ニッケル
に変化する前に、安定なコバルト酸化物を生成する。こ
の安定なコバルト酸化物は、以後の充放電には関与しな
いので、水素の吸蔵反応(充電)しか行わない負極は、
コバルトの酸化に必要な電気量だけ余分に充電されるこ
とになり、負極に放電可能容量の部分が形成される。以
上のことより、群構成時に負極の充電可能容量が正極の
それに対し1.5〜2.4倍になるように構成することによ
り、第1回目の充放電終了時にはコバルトの充電電気量
に相当する部分が負極の放電可能容量となり、コバルト
の電気量に相当する量を差し引いた部分が、負極の放電
可能容量CC′になる。したがって、この構成により、焼
結式ニッケル正極を用いたニカド蓄電池の約1.8倍以上
のエネルギー密度を有する密閉形ニッケル−水素蓄電池
が得られることとなる。 実施例 ペースト式ニッケル正極(560〜620mAh/cm3)は、多
孔度95%の発泡状ニッケル多孔体へ活物質である水酸化
ニッケル粉末と金属コバルト粉末を水と混合しペースト
状にして充填し、乾燥加圧後、フッ素樹脂のディスパー
ジョンに浸漬,乾燥した極板を用いた。金属コバルト粉
末の充電可能容量CCは、発泡状ニッケル多孔体への充填
量を種々変化させることにより調整した。この方法によ
り試作し、AAサイズの正極寸法(39×58×0.72)に切断
したニッケル正極の充電可能容量CP,金属コバルト粉末
の充電可能容量CCを表1に示す。 負極に用いる水素吸蔵合金は、CaCu5型の結晶構造を
もつMmNi3.55Mn0.4Al0.3Co0.75を用いた。Mm(ミッシュ
メタル)は希土類元素の混合物であり、合金中にLa:10.
4wt.%,Ce:15.1wt.%,Pr:1.42wt.%,Nd:4.36wt.%,Sm:
0.17wt.%を含んでいる。この合金は、MmとNi,Co,Mn,Al
を所定の原子比になるように評量し混合した後、高周波
溶解炉に入れ、アルゴン雰囲気中で溶解後、冷却し作製
した。さらに、試料の均質性を良好にするため真空中、
1050℃で6時間熱処理を行った。水素吸蔵合金粉末から
なる負極は、前記の合金をボールミル中で38μm以下の
粒径の粉末に粉砕した後、1.5wt.%のポリビニルアルコ
ール水溶液と混合しペースト状にした後、多孔度93〜94
%の発泡状ニッケルに所定量を充填、乾燥後、比重1.30
のKOH水溶液中に80℃で12時間浸漬し、水洗,乾燥後、
加圧しAAサイズの寸法(39×80×0.5)に切断したもの
を用いた。表1には、構成時の負極の充電可能容量CNと
CP,CCの関係を示した。 つぎに、前記のペースト式ニッケル正極と水素吸蔵合
金負極を組み合わせ、セパレーターにポリアミドの不織
布を用いて、渦巻状に捲回し、表1に示したようなAAサ
イズの密閉電池を構成した。電解液には比重1.30のKOH
水溶液中にLiOH・H2Oを40g/溶解させたものを用い、
1セル当り2.2cm3注液した。これらの密閉電池を20℃の
雰囲気中で、0.1CmA,15時間充電を行い、0.2CmAで1.0V
まで放電を行った。このように、1サイクル充放電を行
った後のCPとCN,CC′の関係を調べた結果を表2に示し
た。CC′は1回の充放電終了後、密閉電池を分解し負極
の放電可能容量を調べた値である。表1と表2から、構
成時のCCは1回の充放電終了後には負極にCCに相当する
放電可能容量CC′が設けられることがわかる。 金属コバルトは1/3CmA以上の充電率で初充電を行うと、
コバルトの表面のみが酸化され、コバルト粒子が充分酸
化されない。1/3CmA以上で充電を行うとCC′が非常に小
さくなり、CCに相当するCC′が設けられない。したがっ
て、初充電の充電率は1/3CmA以下が良い。また、図には
a,b,c,d,eの電池を用いて、20℃で1/3CmA,4.5時間充電,
0.5CmAで1.0Vまで放電を繰り返した寿命試験の結果を示
した。第1図からわかるように、aの電池は75サイクル
程度の充放電を繰り返すことにより放電容量は初期の50
%程度に劣化する。b,c,d,eの電池は、400サイクルの充
放電を繰り返しても放電容量は低下しないことがわか
る。aの電池が劣化する原因は、CN/CPの値が構成時に
は1.40であるが1回の充放電終了時に1.10となり、充電
末期に正極から発生するO2ガスによる電池内圧を一定に
するのに必要な負極の充電可能容量CNが不足すること、
および負極から水素ガスが発生することによる。したが
って、電池内の圧力が上昇し密閉電池に設けられている
安全弁が作動(10kg/cm2)し、漏液やガス漏れが発生
し、電池の内部抵抗が上昇し容量劣化する。また、構成
時のCN/CP値が2.4の電池eは優れた充放電サイクル特性
を示すが、他の電池に比べ若干放電容量は低下する。し
たがって、これ以上CN/CP値を大きくすることは、焼結
式ニッケル正極を用いたAAサイズの電池(500mAh)に比
べ1.8倍以下の容量をもつニッケル−水素蓄電池しか構
成できず、コスト等を考慮すると工業的価値は少ない。 以上のように、CCの値を300mAhとした時、構成時のCN
/CP値が1.5以下、または1回の完全充放電終了後のCN+
CCが1.5CP以下の場合はサイクル寿命が短く、構成時のC
N/CP値が2.4以上で、1回の充放電終了後のCN+CCが2.4
CP以上になると電池のエネルギー密度が低下する。ま
た、前述したように正極に含まれる金属コバルトは、1/
3CmA以下の低電流の充電により安定な酸化物を形成する
ため、1回の充放電を行うことにより、負極にCCに相当
する放電可能容量CC′が形成され、正極容量規制の密閉
電池を構成することができる。初充電を1/3CmA以上で充
電すると、コバルトの表面層のみが酸化され、コバルト
粒子の内部まで十分に酸化されない。したがって、1/3C
mA以上で初充電を行うとCCに相当する電気量が非常に少
なくなり、負極のCC′が少なくなり正極容量規制の電池
が構成できない。 表3に、表2に示したCC′の異なる電池f,g,h,d,iを
用いて1CmAで放電を行った時の、容量比率の関係を調べ
た結果を示した。容量比率は、20℃で0.1CmA,15時間充
電を行った後、1CmAで放電を行い、0.2CmAでの放電率の
値を100%として求めた。表3からわかるように、CC′
の値が50mAhの電池fは、1CmAの放電率では容量比率が8
0%となり、他の電池に比べ放電特性は低下する。この
原因は、負極の放電可能容量が50mAhでCC′/CP値が0.05
であるため、正極より放電特性の劣る負極で容量が規制
されていることによる。CC′/CP値が0.10以上の電池
(g,h,d,i)は優れた放電特性を示す。しかし、CC′/CP
値が0.4以上になると、CC′に相当する電気量を正極に
含有される金属コバルトの充電可能容量CCで補う必要が
あるため、正極の容量密度の低下やコバルト量が必要以
上に増加し工業的価値は小さい。したがって、CC′の値
は0.1CP〜0.4CPの範囲が好ましい。 また、本実施例では負極の水素吸蔵合金粉末としてMm
Ni3.55Mn0.4Al0.3Co0.75を用いたが、CaCu5型の結晶構
造をもつ水素吸蔵合金であれば良い。特に、MmNi
5-x-y-zMnxAlyCoz(0<x≦0.5,0<y≦0.3,0<Co≦1.
0)やMmNi5-x-y-zMnxCuyCoz(0<x≦0.5,0<y≦1.0,
0<z≦1.0)を用いることにより、寿命特性,放電特性
に優れた高エネルギー密度の密閉形ニッケル−水素蓄電
池を構成することができる。 発明の効果 以上のように本発明によれば、金属コバルトを有し、
容量密度560〜620mAh/cm3の放電状態のペースト式ニッ
ケル正極と、水素吸蔵合金粉末からなる負極と、アルカ
リ電解液を備えた密閉形ニッケル−水素蓄電池におい
て、1.5≦CN/CP≦2.4の関係にあり、初充電開始直後の
少なくともCCに相当する電気量は低電流で充電と放電が
施され、完全放電終了後は1.5CP≦CN+CC≦2.4CPの関係
を保ち、CCに相当する電気量が負極の放電可能容量CC′
である構成とすることにより、簡単な方法で放電可能容
量が負極に設けることができ長寿命で放電特性に優れた
焼結式ニッケル正極を用いたニカドの1.8倍以上の高エ
ネルギー密度をもつ密閉形ニッケル−水素蓄電池を提供
できるという効果が得られる。
素吸蔵粉末からなる負極と、ニッケル正極と、アルカリ
電解液とを組み合わせて構成する密閉形ニッケル水素蓄
電池の構成法に関するものである。 従来の技術 水素吸蔵合金は電気化学的に水素の吸蔵・放出が可能
であることから、二次電池の負極材料として利用でき
る。この負極とニッケル正極を組み合わせたニッケル−
水素蓄電池は、焼結式ニッケル正極を用いたニカド蓄電
池の約1.8倍以上の高エネルギー密度を有するものと期
待されている。この電池系においても、現在実用化され
ているニッケル−カドミウム蓄電池と同様に完全密閉化
した電池が要求されている。 密閉形蓄電池に要求される条件は、過充電時にニッケ
ル正極から発生する酸素ガスを負極の表面でイオン化
し、水に戻しうることである。また、負極の水素吸蔵合
金の充放電サイクル特性や過放電特性を考慮すると、正
極容量規制の構成とすることが必要である。 したがって、電池の構成にニッケル正極の充電可能容
量に比べ、水素吸蔵合金からなる負極の充電可能容量を
大きくする必要がある。このような構成により過充電時
に正極から酸素ガスを発生させ、この酸素ガスが負極の
表面で水素と反応させ水を生成し、電池内圧の上昇を防
止することで、密閉系が保持できる。一方、放電時は高
率放電になるにつれ、正極よりも負極の容量低下が著し
く、負極容量規制になり、前述したように、充放電サイ
クル特性や過放電特性の点から、このような構成は好ま
しくない。したがって、正極容量規制とするために、負
極の容量低下に見合う充電部分を負極にあらかじめ加え
ておく必要がある。 従来、この種のニッケル−水素蓄電池は、焼結式ニッ
ケル正極を用いて密閉系を保つために、負極の充電可能
容量は正極のそれに対し2.5倍以上であり、また、負極
にあらかじめ部分充電を行う必要があった。 発明が解決しようとする問題点 このような従来の構成では、正極に焼結式ニッケル正
極(容量密度450〜470mAh/cm3)を用いているために、
高容量の密閉形ニッケル−水素蓄電池の構成が不可能で
あった。更に、カドミウム負極と異なりアルカリ電解液
中で部分充電し、その後水洗・乾燥工程を経ることで、
吸蔵された水素が放出し、負極に充電部分を設けること
ができないという問題があった。 本発明はこのような問題点を解決するもので、簡単な
構成で、高容量の密閉形ニッケル−水素蓄電池を提供す
ることを目的とするものである。 問題点を解決するための手段 この問題点を解決するために本発明は、金属コバルト
粉末を有し、容量密度が560〜620mAh/cm3の放電状態の
ペースト式ニッケル正極と、未充電状態の水素吸蔵合金
粉末から成る負極と、アルカリ電解液を備え、その負極
の充電可能容量をCN,コバルト粉末の充電可能容量をCC,
正極活物質の充電可能容量をCPとしたとき、構成時に1.
5≦CN/CP≦2.4の関係にあり、初充電開始直後の少なく
ともCCに相当する電気量は低電流で充電と放電が施さ
れ、完全放電終了後は1.5CP≦CN+CC≦2.4CPの関係を保
ち、CCに相当する電気量が負極の放電可能容量CC′にな
るように構成したものである。 作用 この構成により、正極中に含まれる金属コバルトが1/
3CmA以下の低電流で初充電することにより、正極活物質
である水酸化ニッケルが酸化されオキシ水酸化ニッケル
に変化する前に、安定なコバルト酸化物を生成する。こ
の安定なコバルト酸化物は、以後の充放電には関与しな
いので、水素の吸蔵反応(充電)しか行わない負極は、
コバルトの酸化に必要な電気量だけ余分に充電されるこ
とになり、負極に放電可能容量の部分が形成される。以
上のことより、群構成時に負極の充電可能容量が正極の
それに対し1.5〜2.4倍になるように構成することによ
り、第1回目の充放電終了時にはコバルトの充電電気量
に相当する部分が負極の放電可能容量となり、コバルト
の電気量に相当する量を差し引いた部分が、負極の放電
可能容量CC′になる。したがって、この構成により、焼
結式ニッケル正極を用いたニカド蓄電池の約1.8倍以上
のエネルギー密度を有する密閉形ニッケル−水素蓄電池
が得られることとなる。 実施例 ペースト式ニッケル正極(560〜620mAh/cm3)は、多
孔度95%の発泡状ニッケル多孔体へ活物質である水酸化
ニッケル粉末と金属コバルト粉末を水と混合しペースト
状にして充填し、乾燥加圧後、フッ素樹脂のディスパー
ジョンに浸漬,乾燥した極板を用いた。金属コバルト粉
末の充電可能容量CCは、発泡状ニッケル多孔体への充填
量を種々変化させることにより調整した。この方法によ
り試作し、AAサイズの正極寸法(39×58×0.72)に切断
したニッケル正極の充電可能容量CP,金属コバルト粉末
の充電可能容量CCを表1に示す。 負極に用いる水素吸蔵合金は、CaCu5型の結晶構造を
もつMmNi3.55Mn0.4Al0.3Co0.75を用いた。Mm(ミッシュ
メタル)は希土類元素の混合物であり、合金中にLa:10.
4wt.%,Ce:15.1wt.%,Pr:1.42wt.%,Nd:4.36wt.%,Sm:
0.17wt.%を含んでいる。この合金は、MmとNi,Co,Mn,Al
を所定の原子比になるように評量し混合した後、高周波
溶解炉に入れ、アルゴン雰囲気中で溶解後、冷却し作製
した。さらに、試料の均質性を良好にするため真空中、
1050℃で6時間熱処理を行った。水素吸蔵合金粉末から
なる負極は、前記の合金をボールミル中で38μm以下の
粒径の粉末に粉砕した後、1.5wt.%のポリビニルアルコ
ール水溶液と混合しペースト状にした後、多孔度93〜94
%の発泡状ニッケルに所定量を充填、乾燥後、比重1.30
のKOH水溶液中に80℃で12時間浸漬し、水洗,乾燥後、
加圧しAAサイズの寸法(39×80×0.5)に切断したもの
を用いた。表1には、構成時の負極の充電可能容量CNと
CP,CCの関係を示した。 つぎに、前記のペースト式ニッケル正極と水素吸蔵合
金負極を組み合わせ、セパレーターにポリアミドの不織
布を用いて、渦巻状に捲回し、表1に示したようなAAサ
イズの密閉電池を構成した。電解液には比重1.30のKOH
水溶液中にLiOH・H2Oを40g/溶解させたものを用い、
1セル当り2.2cm3注液した。これらの密閉電池を20℃の
雰囲気中で、0.1CmA,15時間充電を行い、0.2CmAで1.0V
まで放電を行った。このように、1サイクル充放電を行
った後のCPとCN,CC′の関係を調べた結果を表2に示し
た。CC′は1回の充放電終了後、密閉電池を分解し負極
の放電可能容量を調べた値である。表1と表2から、構
成時のCCは1回の充放電終了後には負極にCCに相当する
放電可能容量CC′が設けられることがわかる。 金属コバルトは1/3CmA以上の充電率で初充電を行うと、
コバルトの表面のみが酸化され、コバルト粒子が充分酸
化されない。1/3CmA以上で充電を行うとCC′が非常に小
さくなり、CCに相当するCC′が設けられない。したがっ
て、初充電の充電率は1/3CmA以下が良い。また、図には
a,b,c,d,eの電池を用いて、20℃で1/3CmA,4.5時間充電,
0.5CmAで1.0Vまで放電を繰り返した寿命試験の結果を示
した。第1図からわかるように、aの電池は75サイクル
程度の充放電を繰り返すことにより放電容量は初期の50
%程度に劣化する。b,c,d,eの電池は、400サイクルの充
放電を繰り返しても放電容量は低下しないことがわか
る。aの電池が劣化する原因は、CN/CPの値が構成時に
は1.40であるが1回の充放電終了時に1.10となり、充電
末期に正極から発生するO2ガスによる電池内圧を一定に
するのに必要な負極の充電可能容量CNが不足すること、
および負極から水素ガスが発生することによる。したが
って、電池内の圧力が上昇し密閉電池に設けられている
安全弁が作動(10kg/cm2)し、漏液やガス漏れが発生
し、電池の内部抵抗が上昇し容量劣化する。また、構成
時のCN/CP値が2.4の電池eは優れた充放電サイクル特性
を示すが、他の電池に比べ若干放電容量は低下する。し
たがって、これ以上CN/CP値を大きくすることは、焼結
式ニッケル正極を用いたAAサイズの電池(500mAh)に比
べ1.8倍以下の容量をもつニッケル−水素蓄電池しか構
成できず、コスト等を考慮すると工業的価値は少ない。 以上のように、CCの値を300mAhとした時、構成時のCN
/CP値が1.5以下、または1回の完全充放電終了後のCN+
CCが1.5CP以下の場合はサイクル寿命が短く、構成時のC
N/CP値が2.4以上で、1回の充放電終了後のCN+CCが2.4
CP以上になると電池のエネルギー密度が低下する。ま
た、前述したように正極に含まれる金属コバルトは、1/
3CmA以下の低電流の充電により安定な酸化物を形成する
ため、1回の充放電を行うことにより、負極にCCに相当
する放電可能容量CC′が形成され、正極容量規制の密閉
電池を構成することができる。初充電を1/3CmA以上で充
電すると、コバルトの表面層のみが酸化され、コバルト
粒子の内部まで十分に酸化されない。したがって、1/3C
mA以上で初充電を行うとCCに相当する電気量が非常に少
なくなり、負極のCC′が少なくなり正極容量規制の電池
が構成できない。 表3に、表2に示したCC′の異なる電池f,g,h,d,iを
用いて1CmAで放電を行った時の、容量比率の関係を調べ
た結果を示した。容量比率は、20℃で0.1CmA,15時間充
電を行った後、1CmAで放電を行い、0.2CmAでの放電率の
値を100%として求めた。表3からわかるように、CC′
の値が50mAhの電池fは、1CmAの放電率では容量比率が8
0%となり、他の電池に比べ放電特性は低下する。この
原因は、負極の放電可能容量が50mAhでCC′/CP値が0.05
であるため、正極より放電特性の劣る負極で容量が規制
されていることによる。CC′/CP値が0.10以上の電池
(g,h,d,i)は優れた放電特性を示す。しかし、CC′/CP
値が0.4以上になると、CC′に相当する電気量を正極に
含有される金属コバルトの充電可能容量CCで補う必要が
あるため、正極の容量密度の低下やコバルト量が必要以
上に増加し工業的価値は小さい。したがって、CC′の値
は0.1CP〜0.4CPの範囲が好ましい。 また、本実施例では負極の水素吸蔵合金粉末としてMm
Ni3.55Mn0.4Al0.3Co0.75を用いたが、CaCu5型の結晶構
造をもつ水素吸蔵合金であれば良い。特に、MmNi
5-x-y-zMnxAlyCoz(0<x≦0.5,0<y≦0.3,0<Co≦1.
0)やMmNi5-x-y-zMnxCuyCoz(0<x≦0.5,0<y≦1.0,
0<z≦1.0)を用いることにより、寿命特性,放電特性
に優れた高エネルギー密度の密閉形ニッケル−水素蓄電
池を構成することができる。 発明の効果 以上のように本発明によれば、金属コバルトを有し、
容量密度560〜620mAh/cm3の放電状態のペースト式ニッ
ケル正極と、水素吸蔵合金粉末からなる負極と、アルカ
リ電解液を備えた密閉形ニッケル−水素蓄電池におい
て、1.5≦CN/CP≦2.4の関係にあり、初充電開始直後の
少なくともCCに相当する電気量は低電流で充電と放電が
施され、完全放電終了後は1.5CP≦CN+CC≦2.4CPの関係
を保ち、CCに相当する電気量が負極の放電可能容量CC′
である構成とすることにより、簡単な方法で放電可能容
量が負極に設けることができ長寿命で放電特性に優れた
焼結式ニッケル正極を用いたニカドの1.8倍以上の高エ
ネルギー密度をもつ密閉形ニッケル−水素蓄電池を提供
できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
図は本発明の一実施例による放電容量とサイクル数の関
係を示す特性図である。 a……比較例、b,c,d,e……本発明。
係を示す特性図である。 a……比較例、b,c,d,e……本発明。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 伊藤 康子
門真市大字門真1006番地 松下電器産業
株式会社内
(72)発明者 松本 功
門真市大字門真1006番地 松下電器産業
株式会社内
(56)参考文献 特開 昭58−54570(JP,A)
特開 昭62−15769(JP,A)
特開 昭51−150640(JP,A)
特開 昭61−39461(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名)
H01M 10/30,10/34
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.金属コバルト粉末を含有し、容量密度が560〜620mA
h/cm3の放電状態のペースト式ニッケル正極と、水素吸
蔵合金粉末からなる負極と、アルカリ電解液とを備え、
前記負極の充電可能容量をCN、前記コバルトの充電可能
容量をCC、正極活物質の充電可能容量をCPとしたとき、
電池構成時に1.5≦CN/CP≦2.4の関係を保ち、初充電開
始直後の少なくともCCに相当する電気量は低電流での充
電および放電が施され、完全放電終了後は1.5CP≦CN+C
C≦2.4CPの関係を保ち、かつCCに相当する電気量を負極
の放電可能容量CC′としたことを特徴とする密閉形ニッ
ケル−水素蓄電池の構成法。 2.CC′に相当する電気量が0.1CP≦CC′≦0.4CPである
ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の密閉形−
ニッケル水素蓄電池の構成法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62070609A JP2857148B2 (ja) | 1987-03-25 | 1987-03-25 | 密閉形ニツケル−水素蓄電池の構成法 |
US07/171,739 US4935318A (en) | 1987-03-25 | 1988-03-22 | Sealed type nickel-hydride battery and production process thereof |
DE3854727T DE3854727T2 (de) | 1987-03-25 | 1988-03-22 | Gasdichte Nickel-Hydridbatterie und Verfahren zur Herstellung. |
EP88302472A EP0284333B1 (en) | 1987-03-25 | 1988-03-22 | Sealed type nickel-hydride battery and production process thereof |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62070609A JP2857148B2 (ja) | 1987-03-25 | 1987-03-25 | 密閉形ニツケル−水素蓄電池の構成法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63236274A JPS63236274A (ja) | 1988-10-03 |
JP2857148B2 true JP2857148B2 (ja) | 1999-02-10 |
Family
ID=13436500
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62070609A Expired - Lifetime JP2857148B2 (ja) | 1987-03-25 | 1987-03-25 | 密閉形ニツケル−水素蓄電池の構成法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2857148B2 (ja) |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS51150640A (en) * | 1975-06-20 | 1976-12-24 | Sanyo Electric Co | Sealed alkaline battery |
JPS5854570A (ja) * | 1981-09-28 | 1983-03-31 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 密閉形アルカリ蓄電池 |
JPS6215769A (ja) * | 1985-07-11 | 1987-01-24 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | ニツケル−水素アルカリ蓄電池 |
JP2666249B2 (ja) * | 1985-08-20 | 1997-10-22 | 松下電器産業株式会社 | アルカリ蓄電池用水素吸蔵合金 |
-
1987
- 1987-03-25 JP JP62070609A patent/JP2857148B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63236274A (ja) | 1988-10-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0284333B1 (en) | Sealed type nickel-hydride battery and production process thereof | |
JP2730121B2 (ja) | アルカリ二次電池およびその製造方法 | |
JPH11162505A (ja) | ニッケル水素電池 | |
EP0666606B1 (en) | Hydrogen-occlusion alloy for electrode of a sealed battery | |
JPH0521064A (ja) | 水酸化ニツケル活物質粉末およびニツケル正極とこれを用いたアルカリ蓄電池 | |
JP2857148B2 (ja) | 密閉形ニツケル−水素蓄電池の構成法 | |
JP3200822B2 (ja) | ニッケル−金属水素化物蓄電池 | |
JP2004296394A (ja) | ニッケル−水素蓄電池および組電池 | |
JPH08264174A (ja) | 水素貯蔵合金陰極およびその製造方法 | |
JP2987873B2 (ja) | アルカリ蓄電池 | |
JP2989877B2 (ja) | ニッケル水素二次電池 | |
JP3520573B2 (ja) | ニッケル・金属水素化物電池の製造方法 | |
JP2629807B2 (ja) | 水素吸蔵合金電極とその製造法 | |
KR100207618B1 (ko) | 2차전지의 음극 제조방법 및 이를 갖는 2차전지 | |
JP2733230B2 (ja) | 水素吸蔵合金を用いた密閉形ニッケル・水素蓄電池 | |
JPH08138658A (ja) | 水素吸蔵合金電極 | |
JP2940952B2 (ja) | ニッケル・水素アルカリ蓄電池の製造方法 | |
JP2642144B2 (ja) | 水素吸蔵電極の製造方法 | |
JPH03226539A (ja) | 水素吸蔵合金電極 | |
JP3454574B2 (ja) | アルカリ二次電池の製造方法 | |
JP2679441B2 (ja) | ニッケル・水素蓄電池 | |
JPH04328252A (ja) | 水素吸蔵電極 | |
JP2000021398A (ja) | アルカリ二次電池 | |
JPH04319258A (ja) | 水素吸蔵合金電極 | |
JPH06145849A (ja) | 水素吸蔵合金電極 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071127 Year of fee payment: 9 |