JP2733230B2 - 水素吸蔵合金を用いた密閉形ニッケル・水素蓄電池 - Google Patents
水素吸蔵合金を用いた密閉形ニッケル・水素蓄電池Info
- Publication number
- JP2733230B2 JP2733230B2 JP62290019A JP29001987A JP2733230B2 JP 2733230 B2 JP2733230 B2 JP 2733230B2 JP 62290019 A JP62290019 A JP 62290019A JP 29001987 A JP29001987 A JP 29001987A JP 2733230 B2 JP2733230 B2 JP 2733230B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hydrogen storage
- nickel
- battery
- negative electrode
- alloy
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M4/00—Electrodes
- H01M4/02—Electrodes composed of, or comprising, active material
- H01M4/36—Selection of substances as active materials, active masses, active liquids
- H01M4/38—Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of elements or alloys
- H01M4/383—Hydrogen absorbing alloys
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M10/00—Secondary cells; Manufacture thereof
- H01M10/34—Gastight accumulators
- H01M10/345—Gastight metal hydride accumulators
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M4/00—Electrodes
- H01M4/02—Electrodes composed of, or comprising, active material
- H01M4/36—Selection of substances as active materials, active masses, active liquids
- H01M4/48—Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of inorganic oxides or hydroxides
- H01M4/52—Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of inorganic oxides or hydroxides of nickel, cobalt or iron
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Electrochemistry (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Secondary Cells (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野
本発明は、負極に水素吸蔵合金を用いたニッケル・水
素蓄電池の構成の改良に関する。 従来の技術 高密度に水素を吸蔵・放出する水素吸蔵合金を負極材
料に用いるニッケル・水素蓄電池は密閉化が可能で、円
筒密閉形ニッケル・カドミウム蓄電池(以後ニカド電池
と称する)をはるかに凌ぐ高エネルギー密度電池として
期待されている。しかし、このニッケル・水素蓄電池
は、現在まだ開発段階であり電池の構成方法に基準とな
るものが乏しい。このため、従来のニカド電池の構成方
法を参考にする場合が多い。電池構成時におけるニカド
電池は、通常以下の状態の正・負極をセパレータを介し
て渦巻状に構成し、電解液とともに円筒状の缶に挿入し
密閉される。 (1) 焼結式ニッケル正極の場合は、ニッケルの焼結
基板内部に活物質であるNi(OH)2を充填し、アルカリ
水溶液中で電気化学的に充放電を施したのち水洗・乾燥
を経過した放電状態である。 非焼結式ニッケル正極の場合はNi(OH)2を塗着また
は充填した放電状態である。 (2) カドミウム負極の場合は、焼結式および非焼結
式のいずれもが、アルカリ水溶液中で電気化学的に部分
充電を施したのち水洗・乾燥を経過した未放電状態であ
る。 この理由は、一般にカドミウム負極はニッケル正極に
比べて、高率放電特性に劣るためあらかじめ負極側に放
電可能容量を前記した方法で設け、正極容量によって電
池容量を規制するためである。これによって、負極が、
電池の放電後においても完全放電状態あるいは過放電状
態になることが防止でき、負極活物質の溶出に起因する
サイクル寿命の劣化が抑制される。 ニッケル・水素蓄電池では、ニッケル正極を用いる点
は、ニカド電池と同様であるが、負極活物質に水素を吸
蔵・放出する水素吸蔵合金を使用する(以後、合金負極
と略称する)。一般に、合金負極はカドミウム負極と同
様に、ニッケル正極と比べて高率放電特性に劣るためこ
の場合も前記(1)(2)の状態で電池を構成する必要
がある。そこで合金負極を部分充電状態にするため、以
下の方法が提案されている。 カドミウム負極と同様アルカリ溶液中で部分充電を
施す。 水素ガスの吸蔵放出操作により合金を粉砕するとと
もに一部の水素を残しておき、この状態の合金粉末を用
いて負極を構成する(水素の吸蔵は充電に相当する)。 発明が解決しようとする問題点 前記の方法は、従来のカドミウム負極の化成操作
にあたる煩雑な水素吸蔵操作を必要とする。またの
方法では、電池構成前に大気に触れ水素を吸蔵した活性
な合金が燃焼する危険性があり、仮に燃えなくても大気
中に水素が飛散し、所望の水素吸蔵量が得られにくい。 本発明は上記のような問題点を解消し、簡単な製法に
よる正極と負極を用いて、正極容量により容量が規制さ
れる長寿命の密閉形ニッケル・水素蓄電池を提供するこ
とを目的とする。 問題点を解決するための手段 この問題点を解決するため本発明は、正極中に電気化
学的に酸化される2価のコバルト酸化物、さらに好まし
くは、水酸化コバルトCo(OH)2および/または酸化コ
バルトCoOを予め加えた無化成の正極と、水素吸蔵合金
を支持体に充填あるいは塗着しただけの合金負極とを組
み合わせて電池を構成したものである。 作用 この構成によれば、電池の初充電でニッケル正極では
活物質であるNi(OH)2の他に電気化学的に酸化される
2価のコバルト酸化物が充電され、一方合金負極ではこ
れら両者の充電電気量の合計が充電される。しかし、電
気化学的に酸化される2価のコバルト酸化物は3価のCo
2O3等の高次酸化物になると放電されにくく、正極の放
電は活物質だけが働く。したがって、電池の完全放電後
には合金負極にまだ放電余力を有する結果、電池容量は
正極容量で規制され電池の長寿命化がはかれることとな
る。 実 施 例 以下本発明の実施例を第1図と第2図を参照して説明
する。 Ni(OH)2粉末100重量部に対し平均粒径5μmの水
酸化コバルトCo(OH)2粉末12重量部の混合物を水で混
練し多孔度約95%、厚さ1.5mmのスポンジ状ニッケル多
孔体中に充填する。これを100℃で乾燥後、加圧して平
均厚さ7.8mmとしたのち幅39mm、長さ60mmの寸法に切断
し、理論容量1070mAhのニッケル正極1を得る。 MmNi3.55Mn0.4Al0.3Co0.75となるように溶解し合金化
された水素吸蔵合金を機械的に粉砕し、平均粒径20μm
の合金粉末を得る。この粉末をポリビニルアルコール1.
5wt%水溶液でペースト状にし、厚さ0.9mmにした前記ス
ポンジ状ニッケル多孔体内に充填し、100℃で乾燥後加
圧して平均厚さ0.5mmの極板にする。ついで幅39mm、長
さ80mmに切断し、理論容量1700mAhの合金負極板を得
る。ここで理論容量の算出には230mAh/合金1グラムを
採用した。 このようにして得られた正・負極を汎用のポリアミド
系不織布のセパレータ3を介し、渦巻状に捲回してAAサ
イズのケース4に挿入し、ついで6.3NのKOH水溶液を2.2
cm3加えたのち絶縁リング5を介して正極端子6を取付
けた封口板7で封口した。第1図にこの電池の概略図を
示す。なお、2で示した負極はケース4に直接接触する
のでケース4は負極端子を兼ねる。 第2図のaに、この電池を20℃の雰囲気中で200mAで
7.5時間充電後500mAで放電したときの充放電サイクル数
と放電容量の関係、すなわちサイクル寿命試験の結果を
示す。比較例として、合金負極を予め約400mAhの部分充
電を施した前記合金負極とCo(OH)2粉末を含まない汎
用の正極とを組み合せた電池および部分充電を全く施さ
ない合金負極と前記汎用の正極とを組み合せた電池の同
様なサイクル寿命試験結果をそれぞれbおよびcで示
す。この結果、bの電池の合金負極には放電後、若干の
水素が吸蔵されているためcより寿命が改善されている
が、本発明によるaの電池は、ほぼコバルトの充電電気
量(この場合は約400mAhに相当する)相当の水素が放電
後の合金負極中に存在するため優れたサイクル寿命を示
したものと考えられる。なお、正極中の水酸化コバルト
量を減少させ、約300mAhの充電電気量にすると、サイク
ル寿命が低下する傾向が認められた。この結果および高
価なコバルトの使用を考慮すると、1000mAhの正極容量
の場合300〜450mAhの充電電気量、すなわちNi(OH)210
0重量部に対し10〜15重量部の水酸化コバルトCo(OH)
2粉末の添加が適切である。 なお、水素吸蔵合金粉末を発泡状ニッケル多孔体中に
充填するのではなく、汎用の焼結式ニッケル正極に使用
される焼結基板のように芯材に塗着して焼結電極にした
場合は、高率放電特性が若干向上する。この場合は、正
極の放電量に対する合金負極の放電量差が縮まるため、
正極中に加える水酸化コバルトおよび/または酸化コバ
ルト量を若干減少させることが可能である。 なお、この電池系の特性を深く調べるにつれて、放置
後の電池挙動に異常が生じることが判明してきた。すな
わち、金属状態のコバルトを添加すると放置中にコバル
トイオンの溶出量が増大し、短絡の原因となることであ
る。これはコバルト粒子の内部が未充電状態で残り、つ
まり安定な3価または4価のコバルト酸化物に全体が変
化せず、コバルト溶出が放置中に生ずるためと推定され
る。本発明のニッケル・水素蓄電池系では、ニカド電池
と異なり常に水素の環元雰囲気下に置かれていることも
この溶出を促進していると思われる。従って、コバルト
酸化物は全体が3価または4価にまで充電されやすい2
価の酸化物が適切である。 さらに、2価のコバルト化合物の中で、例えばCoCl2,
Co(NO3)2,CoSO4などを検討したが、いずれもCl-,N
O3 -,SO4 2-イオンが電解液中に溶出し、自己放電を増大
させる現象が若干認められた。従って、そのような影響
のないCoOやCo(OH)2が最も適切な2価コバルト化合
物であることが分かった。 発明の効果 本発明による密閉形ニッケル・水素蓄電池は、電池構
成前の正・負極とも化成(充放電あるいは水素の吸蔵・
放出)等の工程を必要としない簡単な製法が採用でき、
サイクル寿命にも優れるという効果が与えられる。
素蓄電池の構成の改良に関する。 従来の技術 高密度に水素を吸蔵・放出する水素吸蔵合金を負極材
料に用いるニッケル・水素蓄電池は密閉化が可能で、円
筒密閉形ニッケル・カドミウム蓄電池(以後ニカド電池
と称する)をはるかに凌ぐ高エネルギー密度電池として
期待されている。しかし、このニッケル・水素蓄電池
は、現在まだ開発段階であり電池の構成方法に基準とな
るものが乏しい。このため、従来のニカド電池の構成方
法を参考にする場合が多い。電池構成時におけるニカド
電池は、通常以下の状態の正・負極をセパレータを介し
て渦巻状に構成し、電解液とともに円筒状の缶に挿入し
密閉される。 (1) 焼結式ニッケル正極の場合は、ニッケルの焼結
基板内部に活物質であるNi(OH)2を充填し、アルカリ
水溶液中で電気化学的に充放電を施したのち水洗・乾燥
を経過した放電状態である。 非焼結式ニッケル正極の場合はNi(OH)2を塗着また
は充填した放電状態である。 (2) カドミウム負極の場合は、焼結式および非焼結
式のいずれもが、アルカリ水溶液中で電気化学的に部分
充電を施したのち水洗・乾燥を経過した未放電状態であ
る。 この理由は、一般にカドミウム負極はニッケル正極に
比べて、高率放電特性に劣るためあらかじめ負極側に放
電可能容量を前記した方法で設け、正極容量によって電
池容量を規制するためである。これによって、負極が、
電池の放電後においても完全放電状態あるいは過放電状
態になることが防止でき、負極活物質の溶出に起因する
サイクル寿命の劣化が抑制される。 ニッケル・水素蓄電池では、ニッケル正極を用いる点
は、ニカド電池と同様であるが、負極活物質に水素を吸
蔵・放出する水素吸蔵合金を使用する(以後、合金負極
と略称する)。一般に、合金負極はカドミウム負極と同
様に、ニッケル正極と比べて高率放電特性に劣るためこ
の場合も前記(1)(2)の状態で電池を構成する必要
がある。そこで合金負極を部分充電状態にするため、以
下の方法が提案されている。 カドミウム負極と同様アルカリ溶液中で部分充電を
施す。 水素ガスの吸蔵放出操作により合金を粉砕するとと
もに一部の水素を残しておき、この状態の合金粉末を用
いて負極を構成する(水素の吸蔵は充電に相当する)。 発明が解決しようとする問題点 前記の方法は、従来のカドミウム負極の化成操作
にあたる煩雑な水素吸蔵操作を必要とする。またの
方法では、電池構成前に大気に触れ水素を吸蔵した活性
な合金が燃焼する危険性があり、仮に燃えなくても大気
中に水素が飛散し、所望の水素吸蔵量が得られにくい。 本発明は上記のような問題点を解消し、簡単な製法に
よる正極と負極を用いて、正極容量により容量が規制さ
れる長寿命の密閉形ニッケル・水素蓄電池を提供するこ
とを目的とする。 問題点を解決するための手段 この問題点を解決するため本発明は、正極中に電気化
学的に酸化される2価のコバルト酸化物、さらに好まし
くは、水酸化コバルトCo(OH)2および/または酸化コ
バルトCoOを予め加えた無化成の正極と、水素吸蔵合金
を支持体に充填あるいは塗着しただけの合金負極とを組
み合わせて電池を構成したものである。 作用 この構成によれば、電池の初充電でニッケル正極では
活物質であるNi(OH)2の他に電気化学的に酸化される
2価のコバルト酸化物が充電され、一方合金負極ではこ
れら両者の充電電気量の合計が充電される。しかし、電
気化学的に酸化される2価のコバルト酸化物は3価のCo
2O3等の高次酸化物になると放電されにくく、正極の放
電は活物質だけが働く。したがって、電池の完全放電後
には合金負極にまだ放電余力を有する結果、電池容量は
正極容量で規制され電池の長寿命化がはかれることとな
る。 実 施 例 以下本発明の実施例を第1図と第2図を参照して説明
する。 Ni(OH)2粉末100重量部に対し平均粒径5μmの水
酸化コバルトCo(OH)2粉末12重量部の混合物を水で混
練し多孔度約95%、厚さ1.5mmのスポンジ状ニッケル多
孔体中に充填する。これを100℃で乾燥後、加圧して平
均厚さ7.8mmとしたのち幅39mm、長さ60mmの寸法に切断
し、理論容量1070mAhのニッケル正極1を得る。 MmNi3.55Mn0.4Al0.3Co0.75となるように溶解し合金化
された水素吸蔵合金を機械的に粉砕し、平均粒径20μm
の合金粉末を得る。この粉末をポリビニルアルコール1.
5wt%水溶液でペースト状にし、厚さ0.9mmにした前記ス
ポンジ状ニッケル多孔体内に充填し、100℃で乾燥後加
圧して平均厚さ0.5mmの極板にする。ついで幅39mm、長
さ80mmに切断し、理論容量1700mAhの合金負極板を得
る。ここで理論容量の算出には230mAh/合金1グラムを
採用した。 このようにして得られた正・負極を汎用のポリアミド
系不織布のセパレータ3を介し、渦巻状に捲回してAAサ
イズのケース4に挿入し、ついで6.3NのKOH水溶液を2.2
cm3加えたのち絶縁リング5を介して正極端子6を取付
けた封口板7で封口した。第1図にこの電池の概略図を
示す。なお、2で示した負極はケース4に直接接触する
のでケース4は負極端子を兼ねる。 第2図のaに、この電池を20℃の雰囲気中で200mAで
7.5時間充電後500mAで放電したときの充放電サイクル数
と放電容量の関係、すなわちサイクル寿命試験の結果を
示す。比較例として、合金負極を予め約400mAhの部分充
電を施した前記合金負極とCo(OH)2粉末を含まない汎
用の正極とを組み合せた電池および部分充電を全く施さ
ない合金負極と前記汎用の正極とを組み合せた電池の同
様なサイクル寿命試験結果をそれぞれbおよびcで示
す。この結果、bの電池の合金負極には放電後、若干の
水素が吸蔵されているためcより寿命が改善されている
が、本発明によるaの電池は、ほぼコバルトの充電電気
量(この場合は約400mAhに相当する)相当の水素が放電
後の合金負極中に存在するため優れたサイクル寿命を示
したものと考えられる。なお、正極中の水酸化コバルト
量を減少させ、約300mAhの充電電気量にすると、サイク
ル寿命が低下する傾向が認められた。この結果および高
価なコバルトの使用を考慮すると、1000mAhの正極容量
の場合300〜450mAhの充電電気量、すなわちNi(OH)210
0重量部に対し10〜15重量部の水酸化コバルトCo(OH)
2粉末の添加が適切である。 なお、水素吸蔵合金粉末を発泡状ニッケル多孔体中に
充填するのではなく、汎用の焼結式ニッケル正極に使用
される焼結基板のように芯材に塗着して焼結電極にした
場合は、高率放電特性が若干向上する。この場合は、正
極の放電量に対する合金負極の放電量差が縮まるため、
正極中に加える水酸化コバルトおよび/または酸化コバ
ルト量を若干減少させることが可能である。 なお、この電池系の特性を深く調べるにつれて、放置
後の電池挙動に異常が生じることが判明してきた。すな
わち、金属状態のコバルトを添加すると放置中にコバル
トイオンの溶出量が増大し、短絡の原因となることであ
る。これはコバルト粒子の内部が未充電状態で残り、つ
まり安定な3価または4価のコバルト酸化物に全体が変
化せず、コバルト溶出が放置中に生ずるためと推定され
る。本発明のニッケル・水素蓄電池系では、ニカド電池
と異なり常に水素の環元雰囲気下に置かれていることも
この溶出を促進していると思われる。従って、コバルト
酸化物は全体が3価または4価にまで充電されやすい2
価の酸化物が適切である。 さらに、2価のコバルト化合物の中で、例えばCoCl2,
Co(NO3)2,CoSO4などを検討したが、いずれもCl-,N
O3 -,SO4 2-イオンが電解液中に溶出し、自己放電を増大
させる現象が若干認められた。従って、そのような影響
のないCoOやCo(OH)2が最も適切な2価コバルト化合
物であることが分かった。 発明の効果 本発明による密閉形ニッケル・水素蓄電池は、電池構
成前の正・負極とも化成(充放電あるいは水素の吸蔵・
放出)等の工程を必要としない簡単な製法が採用でき、
サイクル寿命にも優れるという効果が与えられる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例に示した密閉形ニッケル・水素
蓄電池の構成図、第2図は20℃雰囲気における密閉形ニ
ッケル・水素蓄電池の充放電サイクル寿命試験の結果を
示す図である。 1……正極、2……負極、3……セパレータ、4……ケ
ース。
蓄電池の構成図、第2図は20℃雰囲気における密閉形ニ
ッケル・水素蓄電池の充放電サイクル寿命試験の結果を
示す図である。 1……正極、2……負極、3……セパレータ、4……ケ
ース。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 生駒 宗久
大阪府門真市大字門真1006番地 松下電
器産業株式会社内
(72)発明者 伊藤 康子
大阪府門真市大字門真1006番地 松下電
器産業株式会社内
(56)参考文献 特開 昭61−39461(JP,A)
特開 昭61−156639(JP,A)
特開 昭62−15769(JP,A)
特開 昭63−236274(JP,A)
特公 昭57−5018(JP,B2)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.主にニッケルで構成される非焼結式正極と、主に水
素吸蔵合金で構成される負極と、セパレータと電解液と
を密閉容器に収納した密閉形ニッケル・水素蓄電池であ
って、前記正極には2価のコバルト酸化物の微粉末が添
加されたことを特徴とする水素吸蔵合金を用いた密閉形
ニッケル・水素蓄電地。 2.2価のコバルト酸化物が、水酸価コバルト(Co(O
H)2)、酸化コバルト(CoO)の少なくとも一方である
特許請求の範囲第1項記載の水素吸蔵合金を用いた密閉
形ニッケル・水素蓄電池。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62290019A JP2733230B2 (ja) | 1987-11-17 | 1987-11-17 | 水素吸蔵合金を用いた密閉形ニッケル・水素蓄電池 |
DE3854727T DE3854727T2 (de) | 1987-03-25 | 1988-03-22 | Gasdichte Nickel-Hydridbatterie und Verfahren zur Herstellung. |
US07/171,739 US4935318A (en) | 1987-03-25 | 1988-03-22 | Sealed type nickel-hydride battery and production process thereof |
EP88302472A EP0284333B1 (en) | 1987-03-25 | 1988-03-22 | Sealed type nickel-hydride battery and production process thereof |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62290019A JP2733230B2 (ja) | 1987-11-17 | 1987-11-17 | 水素吸蔵合金を用いた密閉形ニッケル・水素蓄電池 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01132066A JPH01132066A (ja) | 1989-05-24 |
JP2733230B2 true JP2733230B2 (ja) | 1998-03-30 |
Family
ID=17750736
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62290019A Expired - Lifetime JP2733230B2 (ja) | 1987-03-25 | 1987-11-17 | 水素吸蔵合金を用いた密閉形ニッケル・水素蓄電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2733230B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2610565B2 (ja) * | 1992-12-10 | 1997-05-14 | 古河電池株式会社 | ペースト式ニッケル正極を用いた密閉型アルカリ蓄電池の製造法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS575018A (en) * | 1980-06-13 | 1982-01-11 | Olympus Optical Co Ltd | Focus controller |
JPS6139461A (ja) * | 1984-07-31 | 1986-02-25 | Toshiba Corp | 密閉型アルカリ蓄電池の製造方法 |
-
1987
- 1987-11-17 JP JP62290019A patent/JP2733230B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01132066A (ja) | 1989-05-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2730121B2 (ja) | アルカリ二次電池およびその製造方法 | |
EP0284333B1 (en) | Sealed type nickel-hydride battery and production process thereof | |
JP3246345B2 (ja) | アルカリ蓄電池用ニッケル正極とこれを用いたニッケル・水素蓄電池 | |
JP3351261B2 (ja) | ニッケル正極とそれを用いたニッケル・水素蓄電池 | |
JP3042043B2 (ja) | アルカリ蓄電池用ニッケル正極とこれを用いたニッケル・水素蓄電池 | |
US20030017395A1 (en) | Nickel-hydrogen storage battery and method of producing the same | |
JP3245072B2 (ja) | 水素吸蔵合金電極およびその製造方法 | |
EP1054463A1 (en) | Positive electrode, alkaline secondary battery, and method for manufacturing alkaline secondary battery | |
US5840442A (en) | Method for activating an alkaline rechargeable battery | |
US5131920A (en) | Method of manufacturing sealed rechargeable batteries | |
JP2733230B2 (ja) | 水素吸蔵合金を用いた密閉形ニッケル・水素蓄電池 | |
JP2989877B2 (ja) | ニッケル水素二次電池 | |
JP2987873B2 (ja) | アルカリ蓄電池 | |
JP2823301B2 (ja) | 水素吸蔵合金電極 | |
JPH10255775A (ja) | 水素吸蔵合金電極及びその作製方法 | |
JPS61233967A (ja) | 密閉形ニツケル−水素蓄電池の製造法 | |
JP2857148B2 (ja) | 密閉形ニツケル−水素蓄電池の構成法 | |
JP3118812B2 (ja) | アルカリ蓄電池 | |
JPS63239771A (ja) | ペ−スト式水素吸蔵電極 | |
JP2564172B2 (ja) | カドミウム負極板およびその負極板を用いたアルカリ二次電池 | |
JP2568967B2 (ja) | 密閉型ニッケル−水素二次電池の製造方法 | |
JP2591985B2 (ja) | カドミウム負極板およびその負極板を用いたアルカリ二次電池 | |
JP2591982B2 (ja) | カドミウム負極板およびその負極板を用いたアルカリ二次電池 | |
JPS61233966A (ja) | 密閉形ニツケル−水素蓄電池の製造法 | |
JP2564176B2 (ja) | 密閉型アルカリ二次電池用カドミウム負極板およびその負極板を用いた密閉型アルカリ二次電池 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |