JP2666249B2 - アルカリ蓄電池用水素吸蔵合金 - Google Patents
アルカリ蓄電池用水素吸蔵合金Info
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Description
【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野
本発明は、電気化学的に水素を吸蔵・放出するアルカ
リ蓄電池用水素吸蔵合金に関する。 従来の技術 現在、アルカリ蓄電池としてはニッケル・カドミウム
蓄電池が最も広く知られているが、この電池は負極中に
固形状の活物質を含むために、重量または容量の単位当
りエネルギー貯蔵容量が比較的少ない。このエネルギー
貯蔵容量を向上させるため、水素吸蔵合金を負極に用い
る事が提案されている(特開昭51−13934号公報)。従
来技術の1つとしてLaNi5合金を負極として用いた電池
はサイクル寿命が短かく、合金の構成金属であるLaが高
価であるために電極自体の価格も当然高くなる。そこ
で、Laの代わりに安価なMm(ミッシュメタル)を用いる
水素吸蔵合金が開発されている(特公昭54−21168号公
報)。即ち、La:25〜35wt%、Ce:40〜49wt%、Nd:10〜1
5wt%、Pr:2〜7wt%、その他の希土類金属5wt%以下か
らなるMm(31〜40wt%)と、Ni(60〜69wt%)とより成
るMmNi5系合金である。 発明が解決しようとする問題点 上記合金系をアルカリ蓄電池用の電極に用いると、Ni
の量が60〜69wt%と大きく、水素解離圧力(20℃)も約
15気圧と高い値を示すために、加圧状態なしでは電気化
学的に水素を吸蔵させる事は困難である。したがって、
放電容量も非常に小さく、実用的とは云えない。一方、
LaNi4.7Al0.3、MmNi4.7Al0.3などの水素吸蔵電極も試験
されているが、コスト面、性能性において依然改善すべ
き課題を有している。 本発明は上記問題点に鑑み、比較的安価な合金材料を
用いて負極を構成し、単位重量当りの放電容量が大き
く、サイクル寿命も長く、しかも自己放電の少なく、し
かも生産性・量産性に優れ、合金コストの低減化が図れ
るアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金を得ることにある。 問題点を解決するための手段 本発明は、電気化学的に水素を吸蔵・放出する水素吸
蔵合金において、Ln(ランタニド):26〜38wt%、Ni:45
〜60wt%、Co:3〜12wt%、Mn:2.5〜8.5wt%、Al:0.7〜
3.0wt%、その他の金属(Mf):0.5〜3.5wt%(但し、Ln
の組成として、La:25〜60wt%、Ce:24〜50wt%、Nd:3.0
〜15wt%、Pr:1.2〜10wt%、その他の希土類金属:0.6〜
5wt%、およびランタニドLnに対するニッケルの比率を
原子比で3.5<Ni<Ln(原子比)<4.3)からなる組成を
有したアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金である。すなわ
ち、Ln26〜38wt%、Ln中のLa量が25〜60wt%、Ce量が24
〜60wt%であるから、全体のLa量は、6.5〜22.8wt%
(最小値〜最大値)、全体のCe量は6.24〜22.8wt(最小
値〜最大値)と云うことになる。合金中で水素吸蔵量に
関係するLa量は6.5〜22.8wt%の範囲内にすること、耐
食性に関係するCe量は6.24〜22.8wt%の範囲内にするこ
とが望ましい。このLa量とCe量によって高性能、長寿命
の水素吸蔵電極を構成することができる。しかし、La量
よりはCe量の方が多くなるように合金を構成する方がよ
い。このようにLa量とCe量を最適な含有量に規制するこ
とによって優れた水素吸蔵合金を製造することができ
る。 作用 このような構成とすれば、La(ランタン)は高価であ
るために、安価に市販されているMm(ミッシュメタル)
を用いて、合金材料の低コスト化を図る事が出来るが、
Mmを用いるとLaと比較して水素解離圧力が大幅に上昇す
る。例えば20℃における水素解離圧力はLaNi5:約1.5気
圧、MmNi5:約15気圧である。したがって、電池用負極に
MmNi5を用いると充電が困難である。また放電容量も小
さい。そこで、Mm単独かまたはMmにLaを一部加え、Niの
部分に、他の金属として、Co,Mn,Al,Mfを適量加え、最
適組成範囲において均質な金属間化合物を作ることによ
り、希土類2〜3元系組成よりは水素解離圧力を下げて
充電受入れ性を高め、水素の貯蔵能力を向上させると供
にサイクル寿命の伸長を可能としたものである。 実施例 以下、本発明の詳細を実施例で説明する。 市販のMm(ミッシュメタル)、La(ランタン)、Ni
(ニッケル)、Co(コバルト)、Mn(マンガン)、Al
(アルミニウム)、Mf(その他の金属)からなる各種試
料を所定の配合組成になる様に秤量・混合し、アーク溶
解法により加熱溶解させた。 ここで云うMm(ミッシュメタル)は一般に市販されて
いる希土類金属の混合物であり、その組成は、La:25〜3
5wt%、Ce:40〜45wt%、Nd:5〜15wt%、Pr:2〜10wt%、
その他の希土類金属1〜5wt%である。 また、Mm単独の他にLaを一部加えた合金も試作した。
比較のために、LaNi5(La:32wt%、Ni:68wt%)、MmNi5
(Mm:32wt%、Ni:68wt%)合金を用いた。 これらの合金を粗粉砕後、ボールミルなどで38μm以
下の微粉末とした後、PVA(ポリビニルアルコール)樹
脂溶液(約1重量%)とよく混合し、このペースト状合
金を発泡状ニッケル多孔体に充てんした後、加圧する。
その後、乾燥させ、リードを取付けて表−1に示す電極
とした。ここでは合金を用いたが、水素化物として用い
てもよい。なお電極の大きさはいずれも40mm×50mm、厚
さは1.2mmとした。用いた水素吸蔵合金は各々10gであ
り、負極の容量が測定出来る様に、負極律則の電池を構
成した。正極は約2Ahに相当する焼結形ニッケル極板を
2枚用いた。これらの電池を600mAの電流で6時間以上
充電し、500mAで放電した。測定温度は20℃と40℃で行
ないその時の容量を比較した。また各水素吸蔵合金の水
素解離圧力(20℃)の比較も行なった。その結果を表−
2に示す。 従来型合金を用いた電池はA,Bで示し、本発明の合金
を用いた電池はC〜Gで示す。 従来例の電池Aは高容量ではあるが高温容量が50%以
下に低下すると供にサイクル寿命も短かい、しかも高価
である。Bは安価にはなるが水素解離圧力が高く、充電
が十分出来ない。これに対して本実施例の電池C〜Gま
では20℃における容量も250〜320mAh/gを示し、高温時
(40℃)での容量低下も少ない。またサイクル寿命も10
0サイクル以上を確認している。C〜Gまでの合金は20
℃における水素解離圧力がすべて1気圧以下であり、充
電受入れ性に優れ、しかも高温時(40℃)においても水
素解離圧力が1気圧前後であり、従来例の様に大幅に高
くならないので、従来例と比較するとはるかに大きな値
を示している。 Lnの量が多くなる事は水素吸蔵合金のコストが高くな
り、実用面で問題となる。経済性を考慮 して、逆にLnの量が少なくなるとNiの量が多くなり、安
定なAB5系の結晶構造がくずれ、しかも水素解離圧力の
上昇と共に水素貯蔵容量が減少する。またLn中のLaの量
は水素貯蔵容量に大きな影響を与え、25wt%未満では水
素貯蔵容量が小さく、また安定した組成の材料が得られ
ない。一方38wt%よりも多量になるとコストアップにつ
ながるので実用的でない。したがって、Lnは26〜38wt%
が最適な範囲であり、Lnの中でLaは25〜60wt%が実用的
な範囲である。一方、Niは45〜60wt%が最適な範囲と云
う事になる。しかも原子比でNi/Lnの割合が3.5<Ni/Ln
<4.5の範囲が望ましい。 Mnの量が8.5wt%よりも多量になると、水素解離圧力
が低くなり過ぎて放電電圧を30〜50mV低下させる。一方
Mn量が少な過ぎると水素解離圧力が高くなり、高温容量
が低下する。Mnの量は2.5〜8.5wt%が最適な範囲であ
る。 Alの量が3.0wt%よりも多量になると、均質な合金相
を作らなくなるので結晶構造のみだれなどにより容量が
低下する。一方0.7wt%未満になると、合金自体の耐久
性が減少し、サイクル寿命を短かくする。そこで、Alの
量は0.7〜3.0wt%が最適な範囲である。 Coの量は水素の吸蔵・放出速度に関係し、電気化学的
な水素吸蔵・放出反応を促進する働きを有する。Coの量
が12wt%よりも多量になると、水素貯蔵容量が減少し、
高温時においては電解液中への一部分溶解現象が見られ
る。一方3wt%未満になると、前述した効果が少なくな
り、高率での充・放電による分極が大きくなる。これら
の点からCoの量は3〜12wt%が最適な範囲である。 本実施例ではMfとしてCにはSn,Si,Sbが0.6:0.4:0.5w
t%の割合で添加し、DにはTi,Zrが0.4:0.4wt%の割合
で添加し、EにはMg,Caが0.5:0.5wt%の割合で、Fには
Fe,Cu,Crが1:1:0.5wt%の割合で、GにはZn,Mo,Cが0.5:
0.4:0.1wt%の割合でそれぞれ添加したものを用いた。
これらの添加金属は水素解離圧力の調整に効果があり、
その添加量によって高温時での容量に改善が見られる。
また、サイクル寿命、耐久性の点からもある程度期待が
出来る。この事から、仮に主要構成金属、Ln,Ni,Co,Mn,
Alの中に不純物として、他の金属やカーボンなどが含有
しても特性上には大きな影響を及ぼさないと云う利点も
ある。さらに純度の低い金属材料が利用できる可能性も
ある。Mfの量が不純物程度の0.5wt%未満では特性上効
果がなく、逆に前述した様なコスト低減に新しい効果が
見られる事になる。一方Mfが3.5wt%よりも多量になる
と各種金属の効果より他の構成金属への悪影響が大きく
なり、水素解離圧の平坦性が悪くなり、放電曲線にも悪
影響を及ぼすためにMfの量としては0.5〜3.5wt%が最適
な範囲である。 実施例で示す様に、従来電池に用いた合金のAとBは
Ni/Ln(原子比)の値が5であるが、本発明電池に用い
た合金C,D,E,F,GのNi/Ln(原子比)の値は各々4.4,3.9,
3.58,3.85,3.59を示し、最適な範囲3.5<Ni/Ln(原子
比)<4.5に入っている。ここで、Ni/Lnが4.5よりも大
となると従来例のA・Bと同様な性能を示し、実用的な
電池は出来ない、一方、3.5よりも小さいと他の構成元
素の割合が多くなり、高温時での特性が問題となる。 また本発明電池に用いた水素吸蔵合金は水素解離圧力
が20℃ですべて1気圧以下であるので、常温で自然放置
しても負極からの水素の放出度合が少なく、電池の保存
特性も優れている。 本実施例では合金を用いたが水素化物にして用いても
同様な効果が得られる。さらに、均質性の向上を図るた
めに、真空中、不活性雰囲気中で高温熱処理した合金を
用いてもよい。 発明の効果 以上の様に本発明によれば、放電容量が大きく、高温
時での容量低下がなく、しかもサイクル寿命、自己放電
などにも優れた特性を示し、さらに、生産性・量産性に
も優れ、製造コスト低域、合金素材の低コスト化も含め
て実用性の高いアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金が得られ
る。
リ蓄電池用水素吸蔵合金に関する。 従来の技術 現在、アルカリ蓄電池としてはニッケル・カドミウム
蓄電池が最も広く知られているが、この電池は負極中に
固形状の活物質を含むために、重量または容量の単位当
りエネルギー貯蔵容量が比較的少ない。このエネルギー
貯蔵容量を向上させるため、水素吸蔵合金を負極に用い
る事が提案されている(特開昭51−13934号公報)。従
来技術の1つとしてLaNi5合金を負極として用いた電池
はサイクル寿命が短かく、合金の構成金属であるLaが高
価であるために電極自体の価格も当然高くなる。そこ
で、Laの代わりに安価なMm(ミッシュメタル)を用いる
水素吸蔵合金が開発されている(特公昭54−21168号公
報)。即ち、La:25〜35wt%、Ce:40〜49wt%、Nd:10〜1
5wt%、Pr:2〜7wt%、その他の希土類金属5wt%以下か
らなるMm(31〜40wt%)と、Ni(60〜69wt%)とより成
るMmNi5系合金である。 発明が解決しようとする問題点 上記合金系をアルカリ蓄電池用の電極に用いると、Ni
の量が60〜69wt%と大きく、水素解離圧力(20℃)も約
15気圧と高い値を示すために、加圧状態なしでは電気化
学的に水素を吸蔵させる事は困難である。したがって、
放電容量も非常に小さく、実用的とは云えない。一方、
LaNi4.7Al0.3、MmNi4.7Al0.3などの水素吸蔵電極も試験
されているが、コスト面、性能性において依然改善すべ
き課題を有している。 本発明は上記問題点に鑑み、比較的安価な合金材料を
用いて負極を構成し、単位重量当りの放電容量が大き
く、サイクル寿命も長く、しかも自己放電の少なく、し
かも生産性・量産性に優れ、合金コストの低減化が図れ
るアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金を得ることにある。 問題点を解決するための手段 本発明は、電気化学的に水素を吸蔵・放出する水素吸
蔵合金において、Ln(ランタニド):26〜38wt%、Ni:45
〜60wt%、Co:3〜12wt%、Mn:2.5〜8.5wt%、Al:0.7〜
3.0wt%、その他の金属(Mf):0.5〜3.5wt%(但し、Ln
の組成として、La:25〜60wt%、Ce:24〜50wt%、Nd:3.0
〜15wt%、Pr:1.2〜10wt%、その他の希土類金属:0.6〜
5wt%、およびランタニドLnに対するニッケルの比率を
原子比で3.5<Ni<Ln(原子比)<4.3)からなる組成を
有したアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金である。すなわ
ち、Ln26〜38wt%、Ln中のLa量が25〜60wt%、Ce量が24
〜60wt%であるから、全体のLa量は、6.5〜22.8wt%
(最小値〜最大値)、全体のCe量は6.24〜22.8wt(最小
値〜最大値)と云うことになる。合金中で水素吸蔵量に
関係するLa量は6.5〜22.8wt%の範囲内にすること、耐
食性に関係するCe量は6.24〜22.8wt%の範囲内にするこ
とが望ましい。このLa量とCe量によって高性能、長寿命
の水素吸蔵電極を構成することができる。しかし、La量
よりはCe量の方が多くなるように合金を構成する方がよ
い。このようにLa量とCe量を最適な含有量に規制するこ
とによって優れた水素吸蔵合金を製造することができ
る。 作用 このような構成とすれば、La(ランタン)は高価であ
るために、安価に市販されているMm(ミッシュメタル)
を用いて、合金材料の低コスト化を図る事が出来るが、
Mmを用いるとLaと比較して水素解離圧力が大幅に上昇す
る。例えば20℃における水素解離圧力はLaNi5:約1.5気
圧、MmNi5:約15気圧である。したがって、電池用負極に
MmNi5を用いると充電が困難である。また放電容量も小
さい。そこで、Mm単独かまたはMmにLaを一部加え、Niの
部分に、他の金属として、Co,Mn,Al,Mfを適量加え、最
適組成範囲において均質な金属間化合物を作ることによ
り、希土類2〜3元系組成よりは水素解離圧力を下げて
充電受入れ性を高め、水素の貯蔵能力を向上させると供
にサイクル寿命の伸長を可能としたものである。 実施例 以下、本発明の詳細を実施例で説明する。 市販のMm(ミッシュメタル)、La(ランタン)、Ni
(ニッケル)、Co(コバルト)、Mn(マンガン)、Al
(アルミニウム)、Mf(その他の金属)からなる各種試
料を所定の配合組成になる様に秤量・混合し、アーク溶
解法により加熱溶解させた。 ここで云うMm(ミッシュメタル)は一般に市販されて
いる希土類金属の混合物であり、その組成は、La:25〜3
5wt%、Ce:40〜45wt%、Nd:5〜15wt%、Pr:2〜10wt%、
その他の希土類金属1〜5wt%である。 また、Mm単独の他にLaを一部加えた合金も試作した。
比較のために、LaNi5(La:32wt%、Ni:68wt%)、MmNi5
(Mm:32wt%、Ni:68wt%)合金を用いた。 これらの合金を粗粉砕後、ボールミルなどで38μm以
下の微粉末とした後、PVA(ポリビニルアルコール)樹
脂溶液(約1重量%)とよく混合し、このペースト状合
金を発泡状ニッケル多孔体に充てんした後、加圧する。
その後、乾燥させ、リードを取付けて表−1に示す電極
とした。ここでは合金を用いたが、水素化物として用い
てもよい。なお電極の大きさはいずれも40mm×50mm、厚
さは1.2mmとした。用いた水素吸蔵合金は各々10gであ
り、負極の容量が測定出来る様に、負極律則の電池を構
成した。正極は約2Ahに相当する焼結形ニッケル極板を
2枚用いた。これらの電池を600mAの電流で6時間以上
充電し、500mAで放電した。測定温度は20℃と40℃で行
ないその時の容量を比較した。また各水素吸蔵合金の水
素解離圧力(20℃)の比較も行なった。その結果を表−
2に示す。 従来型合金を用いた電池はA,Bで示し、本発明の合金
を用いた電池はC〜Gで示す。 従来例の電池Aは高容量ではあるが高温容量が50%以
下に低下すると供にサイクル寿命も短かい、しかも高価
である。Bは安価にはなるが水素解離圧力が高く、充電
が十分出来ない。これに対して本実施例の電池C〜Gま
では20℃における容量も250〜320mAh/gを示し、高温時
(40℃)での容量低下も少ない。またサイクル寿命も10
0サイクル以上を確認している。C〜Gまでの合金は20
℃における水素解離圧力がすべて1気圧以下であり、充
電受入れ性に優れ、しかも高温時(40℃)においても水
素解離圧力が1気圧前後であり、従来例の様に大幅に高
くならないので、従来例と比較するとはるかに大きな値
を示している。 Lnの量が多くなる事は水素吸蔵合金のコストが高くな
り、実用面で問題となる。経済性を考慮 して、逆にLnの量が少なくなるとNiの量が多くなり、安
定なAB5系の結晶構造がくずれ、しかも水素解離圧力の
上昇と共に水素貯蔵容量が減少する。またLn中のLaの量
は水素貯蔵容量に大きな影響を与え、25wt%未満では水
素貯蔵容量が小さく、また安定した組成の材料が得られ
ない。一方38wt%よりも多量になるとコストアップにつ
ながるので実用的でない。したがって、Lnは26〜38wt%
が最適な範囲であり、Lnの中でLaは25〜60wt%が実用的
な範囲である。一方、Niは45〜60wt%が最適な範囲と云
う事になる。しかも原子比でNi/Lnの割合が3.5<Ni/Ln
<4.5の範囲が望ましい。 Mnの量が8.5wt%よりも多量になると、水素解離圧力
が低くなり過ぎて放電電圧を30〜50mV低下させる。一方
Mn量が少な過ぎると水素解離圧力が高くなり、高温容量
が低下する。Mnの量は2.5〜8.5wt%が最適な範囲であ
る。 Alの量が3.0wt%よりも多量になると、均質な合金相
を作らなくなるので結晶構造のみだれなどにより容量が
低下する。一方0.7wt%未満になると、合金自体の耐久
性が減少し、サイクル寿命を短かくする。そこで、Alの
量は0.7〜3.0wt%が最適な範囲である。 Coの量は水素の吸蔵・放出速度に関係し、電気化学的
な水素吸蔵・放出反応を促進する働きを有する。Coの量
が12wt%よりも多量になると、水素貯蔵容量が減少し、
高温時においては電解液中への一部分溶解現象が見られ
る。一方3wt%未満になると、前述した効果が少なくな
り、高率での充・放電による分極が大きくなる。これら
の点からCoの量は3〜12wt%が最適な範囲である。 本実施例ではMfとしてCにはSn,Si,Sbが0.6:0.4:0.5w
t%の割合で添加し、DにはTi,Zrが0.4:0.4wt%の割合
で添加し、EにはMg,Caが0.5:0.5wt%の割合で、Fには
Fe,Cu,Crが1:1:0.5wt%の割合で、GにはZn,Mo,Cが0.5:
0.4:0.1wt%の割合でそれぞれ添加したものを用いた。
これらの添加金属は水素解離圧力の調整に効果があり、
その添加量によって高温時での容量に改善が見られる。
また、サイクル寿命、耐久性の点からもある程度期待が
出来る。この事から、仮に主要構成金属、Ln,Ni,Co,Mn,
Alの中に不純物として、他の金属やカーボンなどが含有
しても特性上には大きな影響を及ぼさないと云う利点も
ある。さらに純度の低い金属材料が利用できる可能性も
ある。Mfの量が不純物程度の0.5wt%未満では特性上効
果がなく、逆に前述した様なコスト低減に新しい効果が
見られる事になる。一方Mfが3.5wt%よりも多量になる
と各種金属の効果より他の構成金属への悪影響が大きく
なり、水素解離圧の平坦性が悪くなり、放電曲線にも悪
影響を及ぼすためにMfの量としては0.5〜3.5wt%が最適
な範囲である。 実施例で示す様に、従来電池に用いた合金のAとBは
Ni/Ln(原子比)の値が5であるが、本発明電池に用い
た合金C,D,E,F,GのNi/Ln(原子比)の値は各々4.4,3.9,
3.58,3.85,3.59を示し、最適な範囲3.5<Ni/Ln(原子
比)<4.5に入っている。ここで、Ni/Lnが4.5よりも大
となると従来例のA・Bと同様な性能を示し、実用的な
電池は出来ない、一方、3.5よりも小さいと他の構成元
素の割合が多くなり、高温時での特性が問題となる。 また本発明電池に用いた水素吸蔵合金は水素解離圧力
が20℃ですべて1気圧以下であるので、常温で自然放置
しても負極からの水素の放出度合が少なく、電池の保存
特性も優れている。 本実施例では合金を用いたが水素化物にして用いても
同様な効果が得られる。さらに、均質性の向上を図るた
めに、真空中、不活性雰囲気中で高温熱処理した合金を
用いてもよい。 発明の効果 以上の様に本発明によれば、放電容量が大きく、高温
時での容量低下がなく、しかもサイクル寿命、自己放電
などにも優れた特性を示し、さらに、生産性・量産性に
も優れ、製造コスト低域、合金素材の低コスト化も含め
て実用性の高いアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金が得られ
る。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.電気化学的に水素を吸蔵・放出する水素吸蔵合金で
あって、Ln(ランタニド):26〜38wt%、Ni:45〜60wt
%、Co:3〜12wt%、Mn:2.5〜8.5wt%、Al:0.7〜3.0wt
%、その他の金属Mf(Sn,Sb,Zr,Mg,Ca,Fe,Cu,Znの内の
少なくとも1種以上からなる):0.5〜3.5wt%(但し、L
nの組成としてLa:25〜60wt%、Ce:24〜50wt%、Nd:3.0
〜15wt%、Pr:1.2〜10wt%、その他の希土類金属:0.6〜
5wt%、および3.5<Ni/Ln(原子比)<4.5)からなる組
成を有することを特徴とするアルカリ蓄電池用水素吸蔵
合金。 2.Mfとして、さらにSi,TiおよびCrの少なくとも1種
を含むことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のア
ルカリ蓄電池用水素吸蔵合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60182028A JP2666249B2 (ja) | 1985-08-20 | 1985-08-20 | アルカリ蓄電池用水素吸蔵合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60182028A JP2666249B2 (ja) | 1985-08-20 | 1985-08-20 | アルカリ蓄電池用水素吸蔵合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6243064A JPS6243064A (ja) | 1987-02-25 |
JP2666249B2 true JP2666249B2 (ja) | 1997-10-22 |
Family
ID=16111072
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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-
1985
- 1985-08-20 JP JP60182028A patent/JP2666249B2/ja not_active Expired - Lifetime
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