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JP2010091812A - 光ファイバケーブル及びその製造方法 - Google Patents

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JP2010091812A
JP2010091812A JP2008261923A JP2008261923A JP2010091812A JP 2010091812 A JP2010091812 A JP 2010091812A JP 2008261923 A JP2008261923 A JP 2008261923A JP 2008261923 A JP2008261923 A JP 2008261923A JP 2010091812 A JP2010091812 A JP 2010091812A
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Koji Tomikawa
浩二 富川
Naoki Okada
直樹 岡田
Takeshi Osato
健 大里
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Fujikura Ltd
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Fujikura Ltd
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Abstract

【課題】光ファイバケーブルの中間後分岐作業の時間短縮を図るため、作業時に発生する押え巻きや粗巻きなどの除去物が飛散せず、光ファイバの口出し作業が容易にできるようにする。
【解決手段】光ファイバケーブル1は、少なくとも1つ以上の溝7を外周に備えたスロット5と、前記溝に収納した光ファイバ9と、前記スロット5の外周に卷回した粗巻き11と、この粗巻き11の外周に設けた押え巻き13と、この押え巻き13の外周に被覆したケーブルシース17と、を備えている。前記粗巻き11は、前記押え巻き13と接触している箇所で前記押え巻き13と接着した状態であり、前記押え巻き13と未接触の箇所で熱劣化して、前記ケーブルシース17と融着していない状態であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、光ファイバケーブル及びその製造方法に関し、特にスロット型光ファイバケーブルにおいて、光ファイバを溝に収納したスロット上に粗巻きし、この粗巻きの外周に押え巻きをし、この押え巻きの外周にケーブルシースを施した光ファイバケーブル及びその製造方法に関する。
図6を参照するに、従来のスロット型光ファイバケーブル101は、スロット103の溝105内に図示しない光ファイバを収納した後に、光ファイバがスロット103から飛び出さないようにするために、予め溝105内に光ファイバを収納した直後にスロット103の外周に粗巻き紐107Aを卷回して粗巻き107を施してから、スロット103の外周に不織布等の押え巻きテープ109Aを巻き付けて押え巻き109が行われている。その後、押え巻き109の外周にケーブルシース111が被覆されている。
しかしながら、光ファイバの接続工事等を行う作業においては、ケーブルシース111を除去してから、スロット103の溝105内から光ファイバを取り出す必要があるが、粗巻き107が施されているために、光ファイバを取り出し難いという問題があった。
そこで、光ファイバの取り出し性を向上するために、特許文献1の光ファイバケーブルでは、溝内に光ファイバを収納したスロットの外周に中間層を縦添えして覆い、前記中間層の上に押え巻きを螺旋状に隙間をおいて卷回し、この押え巻きの上からケーブルシースを接着している。上記の中間層を設けたことにより解体作業を容易に行うことができるようにしている。
また、特許文献2の光ファイバケーブル113では、図7に示されているように、粗巻き紐107Aの上に押え巻きテープ109Aを隙間115を空けて巻きつけ、押え巻きテープ109Aの隙間115が空いた部分の粗巻き紐107Aがケーブルシース111の被覆熱で溶融切断されるものである。これにより、光ファイバケーブル113を解体する際に、ケーブルシース111を切断してスロット103の側から剥がすときに、粗巻き紐107Aが切断されるので、光ファイバを容易に取り出すことができる。
特開2006−258889号公報 特開2008−109757号公報
ところで、従来の特許文献1においては、中間層を設けたことで光ファイバの取り出し性を向上することができたが、その逆に、スロットの外周に中間層のテープを巻き付ける際に、光ファイバがスロットから飛び出しやすくなる問題が生じていた。つまり、光ファイバのスロットからの飛び出し防止と中間後分岐時の光ファイバの取り出し性の向上を両立することができないものであった。
また、従来の特許文献2においては、融け切れた粗巻きはスロット103の上に所々残るため、この残った粗巻き紐107Aをスロット103から取り除くのに時間を要するという問題点があった。
また、押え巻き109の隙間115で粗巻き紐107Aが融けるが、押え巻きテープ109Aの下にある粗巻き紐107Aがスロット103の上に残ることで、光ファイバケーブル113を解体する工事の際にゴミが飛散するという問題点があった。
さらに、粗巻き紐107Aは、ケーブルシース111と融着する必要があるために、リサイクルの観点からケーブルシース111と同じ材料(ポリエチレン)を使用する必要があるが、同じくポリエチレンでできているスロット103との融着を避けるために、押し出し温度の微調整が必要となるので、製造性が悪いという問題点があった。
この発明は、光ファイバケーブルの中間後分岐作業の時間短縮を図るため、作業時に発生する押え巻きや粗巻きなどの除去物が飛散せず、光ファイバの口出し作業が容易にできるようにすることを目的とする。
上記の課題を解決するために、この発明の光ファイバケーブルは、少なくとも1つ以上の溝を外周に備えたスロットと、前記溝に収納した光ファイバと、前記スロットの外周に卷回した粗巻きと、この粗巻きの外周に設けた押え巻きと、この押え巻きの外周に被覆したケーブルシースと、を備えている光ファイバケーブルにおいて、
前記粗巻きは、前記押え巻きと接触している箇所で前記押え巻きと接着した状態であり、前記押え巻きと未接触の箇所で熱劣化して、前記ケーブルシースと融着していない状態であることを特徴とするものである。
また、この発明の光ファイバケーブルは、前記光ファイバケーブルにおいて、前記粗巻きの材料が、押出成形時の前記ケーブルシースの溶融温度で融ける融点温度を有していることが好ましい。
また、この発明の光ファイバケーブルは、前記光ファイバケーブルにおいて、前記粗巻きの材料の融点温度が、120°C以下であることが好ましい。
また、この発明の光ファイバケーブルは、前記光ファイバケーブルにおいて、前記粗巻きは、前記ケーブルシースと融着しない低融点の材料であることが好ましい。
また、この発明の光ファイバケーブルは、前記光ファイバケーブルにおいて、前記押え巻きは、スロット上に縦添えされていることが好ましい。
また、この発明の光ファイバケーブルは、前記光ファイバケーブルにおいて、前記押え巻きは、スロット上に重なりを持った横巻きであることが好ましい。
また、この発明の光ファイバケーブルは、前記光ファイバケーブルにおいて、前記押え巻きは、スロット上に隙間を空けた横巻きであることが好ましい。
この発明の光ファイバケーブルの製造方法は、中央部に抗張力体を備えると共に外周部に少なくとも1つ以上の溝を備えたスロットの前記溝内に一又は複数の光ファイバを収納する光ファイバ収納工程と、この光ファイバを溝内に収納したスロットの外周に粗巻きを卷回する粗巻き卷回工程と、この粗巻きしたスロットの外周に押え巻きを巻き付けることでケーブルコアを成形するケーブルコア成形工程と、このケーブルコアを走行させて押出ヘッドに供給し、前記押出ヘッドにシース樹脂を押出して前記ケーブルコアの外周をケーブルシースで覆うようにして押出成形するケーブルシース押出成形工程と、からなる光ファイバケーブルの製造方法において、
前記粗巻きは、ケーブルシース押出成形工程の前記シース樹脂の溶融温度で融ける融点温度とすることで、前記押え巻きと接触している箇所の粗巻きを前記押え巻きと接着せしめ、一方、前記押え巻きと未接触の箇所の粗巻きを熱劣化せしめて、前記ケーブルシースと融着していない状態とすることを特徴とするものである。
また、この発明の光ファイバケーブルの製造方法は、前記光ファイバケーブルの製造方法において、前記粗巻き部材の融点温度が、120°C以下とすることが好ましい。
また、この発明の光ファイバケーブルの製造方法は、前記光ファイバケーブルの製造方法において、前記粗巻きは、前記ケーブルシースと融着しない低融点の材料とすることが好ましい。
また、この発明の光ファイバケーブルの製造方法は、前記光ファイバケーブルの製造方法において、前記押え巻きは、スロット上に縦添えするか、あるいは重なりを持って横巻きするか、あるいは隙間を空けて横巻きすることが好ましい。
以上のごとき課題を解決するための手段から理解されるように、この発明の光ファイバケーブルによれば、中間後分岐の工事の際に、ケーブルシースを除去してから、押え巻きを剥がすと、粗巻きが押え巻きに接着しているので前記粗巻きは同時に切れて剥がれるため、粗巻きを取り除く作業時間が不要となり、短時間で光ファイバを取り出すことができる。また、押え巻きと接触していない箇所の粗巻きは熱で劣化しているので、押え巻きを剥がす時に粗巻きが任意の位置で容易に切断される。また、上記の理由から、粗巻きがゴミとなって飛散することを防止できる。また、粗巻きはケーブルシースと融着しないので、押し出し温度の管理が容易となる。
この発明の光ファイバケーブルの製造方法によれば、粗巻きはケーブルシースを押出成形するケーブルシース押出成形工程の前記シース樹脂の溶融温度で融ける融点温度とすることにより、前記押え巻きと接触している箇所の粗巻きを前記押え巻きと接着できる。したがって、中間後分岐の工事の際に、ケーブルシースを除去してから、押え巻きを剥がすと、粗巻きが押え巻きに接着しているので前記粗巻きは同時に切れて剥がれるため、粗巻きを取り除く作業時間が不要となり、短時間で光ファイバを取り出すことができる。一方、前記押え巻きと未接触の箇所では粗巻きを熱劣化せしめるので、押え巻きを剥がす時に粗巻きが任意の位置で容易に切断される。しかも、前記ケーブルシースと融着していない状態であるので、ケーブルシースとは容易に分離できる。また、上記の理由から、粗巻きがゴミとなって飛散することを防止できる。また、粗巻きはケーブルシースと融着しないので、押し出し温度の管理が容易となる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1及び図2を参照するに、第1の実施の形態に係る光ファイバケーブル1は、中央部に抗張力体3を有するスロット5の外周部にSZ撚りに形成された少なくとも1つ以上の溝7、この実施の形態では8つの溝7が設けられている。前記各溝7内には上記の光ファイバ9が一又は複数本、この実施の形態では5本の光ファイバ9としての例えば光ファイバテープ心線9A(以下、単に「テープ心線」という)が収納されている。なお、光ファイバ9としては、光ファイバ素線、光ファイバ心線又はテープ心線などが用いられる。テープ心線は溝7内に積層されて収納される場合が多い。
さらに、光ファイバ9がスロット5の各溝7から飛び出さないようにするために、前記スロット5の外周に粗巻き紐11Aで卷回した粗巻き11が施されている。前記粗巻き11を施したスロット5の外周には押え巻き13としての例えば不織布などからなる押え巻きテープ13Aが縦添えして巻かれてケーブルコア15が形成されている。さらに、前記押え巻きテープ13Aの外周にシース樹脂などのケーブルシース17が被覆されている。前記ケーブルシース17はPE(ポリエチレン)などからなる。
なお、上記の抗張力体3としては複数(図1では7本)の抗張力線3Aが撚り合わされてその周囲に抗張力線被覆3Bにより被覆されている。この光ファイバケーブル1は、所謂、「スロット型光ファイバケーブル」と称する。なお、スロット5の溝7はSZ方向に限らず、一方向であっても適用される。
また、上記のテープ心線9Aは、一般的に、複数本の光ファイバ素線が横一列に並べられ、この複数本の複数の光ファイバ素線の外周をUV硬化樹脂などの一括樹脂で一括被覆して構成されている。なお、前記各光ファイバ素線は、一般にガラス(石英)からなる裸光ファイバの外周が一又は複数層からなるUV硬化樹脂などの被覆樹脂で被覆されて構成されている。例えば、4心のテープ心線は、所謂、「4心テープ心線」と称し、8心のテープ心線は、「8心テープ心線」と称する。
さらに、この発明の実施の形態の主要な構成としては、上記の粗巻き11が前記押え巻き13と接触している箇所ではケーブルシース時の熱で融けて熱劣化して前記押え巻き13と接着した状態である。一方、前記押え巻き13と未接触の箇所では粗巻き11が熱劣化していて、前記ケーブルシース17とは融着していない状態である。なお、押え巻き13がラップ状態になっている部分においては、熱による接着がなく、ラップしていない押え巻き13の部分が熱による接着がされている。
より詳しくは、粗巻き11は、ケーブル押出成形時の前記ケーブルシース17の溶融温度で融ける融点温度を有している材料が用いられる。その融点温度は、例えば100°C〜120°Cである。このように融点が120°C以下の材料の粗巻き紐11Aを使用して粗巻き11を施した後に、押え巻きテープ13Aを用いて押え巻き13を施すことにより、粗巻き紐11Aが押出成形時のケーブルシース17の熱で融けて劣化した後に押え巻きテープ13Aに接着する。
一方、押え巻きテープ13Aと接触していない箇所の粗巻き紐11Aは熱で劣化していて、ケーブルシース17と融着しない低融点の材料を使用することで、押え巻きテープ13Aと接触していない箇所の劣化した粗巻き紐11Aはケーブルシース17と融着していない。
上記構成により、光ファイバケーブル1の中間後分岐の接続工事の際に、ケーブルシース17を除去してから、押え巻きテープ13Aを剥がすと、粗巻き紐11Aが押え巻きテープ13Aに接着しているので前記粗巻き11は同時に切れて剥がれるため、粗巻き紐11Aを取り除く作業時間が不要となり、短時間で光ファイバ9を取り出すことができる。また、押え巻きテープ13Aと接触していない箇所の粗巻き紐11Aは熱で劣化しているので、押え巻きテープ13Aを剥がす時に粗巻き紐11Aが任意の位置で容易に切断される。
また、上記の理由から、粗巻き紐11Aがゴミとなって飛散することを防止することができる。
また、粗巻き紐11Aはケーブルシース17と融着しない低融点の材料を使用することで、押し出し温度の管理が容易となる。
次に、この発明の光ファイバケーブルの製造方法について、上記の図1及び図2で示されている第1の実施の形態の光ファイバケーブル1の製造方法を一例として説明する。
図3を参照するに、この実施の形態で用いられる光ファイバケーブル製造装置19としては、スロット5を送出すためのスロット送出装置21と、前述した実施の形態の複数の光ファイバ9を送出すための光ファイバ送出装置23と、複数の光ファイバ9をスロット5の溝7に収納するための撚り合わせ装置25と、この撚り合わせ装置25で光ファイバ9が収納されたスロット5の周囲に粗巻き紐11Aを卷回して粗巻き11を施すための粗巻き装置27と、この粗巻き装置27で粗巻き11したスロット5の周囲に押え巻きテープ13Aを押え巻き(この例では縦添え)するための押え巻き装置29と、押え巻き13が巻かれた上にシース樹脂17Aで覆うように被覆して光ファイバケーブル1を押出成形するための押出機31と、から構成されている。
この実施の形態では、スロット送出装置21は1個のスロット送出ボビン33が備えられ、中央部に抗張力体3を備えたスロット5が巻かれている。なお、この実施の形態ではスロット5はSZ撚りの8つの溝7が図1に示されているように設けられている。
各光ファイバ送出装置23は多数の光ファイバ送出ボビン35が備えられ、各光ファイバ送出ボビン35にはそれぞれ前述した実施の形態の光ファイバ9としての例えばテープ心線9Aが巻かれており、次工程の撚り合わせ装置25へ送り出される。
撚り合わせ装置25としては、例えば図示しない撚り合せ制御板が備えられている。この撚り合せ制御板には中央にスロット5を通過可能な1個のスロット挿通孔が設けられ、このスロット挿通孔の周囲に光ファイバ9を通過可能な8個の光ファイバ挿通孔が設けられている。なお、撚り合せ制御板は光ファイバ9を溝7に合わせてSZ撚りするために、正逆方向に、つまりスロット5の送り方向に向かって時計、反時計回り方向に交互に繰り返し回転するように構成されている。
上記のスロット送出ボビン33が回転されてスロット5が撚り合せ制御板のスロット挿通孔を通過するようにして送り出されると共に、上記の多数の光ファイバ9が撚り合せ制御板の8個の光ファイバ挿通孔に、つまり各光ファイバ挿通孔に対してそれぞれ5本の光ファイバ9が通過するようにして送り出される。
撚り合わせ装置25では、撚り合せ制御板がスロット5のSZ撚りの各溝7にそれぞれ5本の光ファイバ9が挿入されるように正逆方向に交互に回転される。
粗巻き装置27では、各溝7に5本の光ファイバ9が挿入された状態のスロット5の周囲に、粗巻き送出ボビン37から送出された粗巻き紐11Aが巻回される。粗巻き紐11Aは、ケーブル押出成形時の前記ケーブルシース17の溶融温度で融ける融点温度を有している材料が用いられる。その融点温度は、例えば120°C以下であり、望ましくは100°C〜120°Cである。この実施の形態では融点温度106°Cの粗巻き紐11Aが用いられている。
押え巻き装置29では、粗巻き紐11Aが卷回された状態のスロット5の周囲に、押え巻き送出ボビン39から送出された押え巻き13が縦添えで巻かれることにより、ケーブルコア15が形成される。
上記のケーブルコア15は押出機31に備えられた押出ヘッド41のシース樹脂用ダイス43に送り出される。シース樹脂用ダイス43はシース樹脂17Aとしての例えばポリエチレン樹脂がケーブルシース17として、スロット5に縦添えされた押え巻き13の上に覆うように回り込むように押し出されるようにほぼ円筒形状に成形する形状となっている。
以上の状態で、加熱されて錬成されたシース樹脂17Aが押出機31へ注入され、押出ヘッド41から押し出されることにより、ケーブルシース17がケーブルコア15の外側周囲を覆うようにしてパイプ押し出しにてほぼ円筒形状に押出成形される。このとき、粗巻き紐11Aは押出成形時のシース樹脂17Aの熱で融けて強度が劣化して、押え巻き13に接着することになる。
上記のケーブルコア15は、シース樹脂17Aが押し出される速度に合わせて送り込まれるので、ケーブルコア15の押え巻き13の外周がケーブルシース17で被覆されることになり、シース樹脂用ダイス43から図1に示されている断面形状の光ファイバケーブル1が製造される。
すなわち、光ファイバケーブル1の製造方法は、以下の工程を有する。
(1)多数の光ファイバ9を走行させて撚り合わせ装置25へ送出し、前記光ファイバ9を撚り合わせ装置25の撚り合せ制御板でスロット5の溝7の所定の位置に挿入すべく撚り合わせて光ファイバ9をスロット5の溝7に収納する光ファイバ収納工程
(2)前記スロット5の外周に粗巻き紐11Aを巻回する粗巻き巻回工程
(3)この粗巻きしたスロット5の外周に押え巻きテープ13Aを巻き付けることで、ケーブルコア15を成形するケーブルコア成形工程
(4)上記のケーブルコア15を走行させて押出ヘッド41のシース樹脂用ダイス43に供給する工程
(5)前記押出ヘッド41のシース樹脂用ダイス43にシース樹脂17Aとしての例えばポリエチレン樹脂を押出して前記ケーブルコア15の外周を覆うようにしてケーブルシース17を設けるように押出成形するケーブルシース押出成形工程
なお、上記の各工程は同時に連続で行われて迅速に光ファイバケーブル1が製造される。
次に、この発明の第2の実施の形態の光ファイバケーブル45について説明する。なお、基本的には前述した第1の実施の形態のスロット型の光ファイバケーブル1とほぼ同様であり、同様の部材は同じ符号を付し、主として異なる点について説明する。
図4を参照するに、前述した光ファイバケーブル1と異なる点は、押え巻きテープ13Aが粗巻き11を施したスロット5の外周に重ね合わせて横巻きで卷回されていることにある。つまり、押え巻きテープ13Aを卷回する方法が縦添えと横巻きとの違いである。なお、粗巻き紐11Aがシース時の熱で融けて強度が劣化し、押え巻きテープ13Aに接着することは同様であり、他の構成は同様である。また、ケーブル製造方法も、押え巻きテープ13Aが縦添えと横巻きとの違いであり、他は同様である。なお、押え巻きテープ13Aがラップ状態になっている部分においては、熱による接着がなく、ラップしていない押え巻きテープ13Aの部分が熱による接着がされている。
次に、この発明の第3の実施の形態の光ファイバケーブル47について説明する。なお、基本的には前述した第2の実施の形態の光ファイバケーブル45とほぼ同様であり、同様の部材は同じ符号を付し、主として異なる点について説明する。
図5を参照するに、前述した光ファイバケーブル45と異なる点は、押え巻きテープ13Aが粗巻き11を施したスロット5の外周に隙間49を空けて横巻きで卷回されていることにある。つまり、押え巻きテープ13Aが重ね合わせて横巻きしたことと、隙間49を空けて横巻きしたことの違いである。
この光ファイバケーブル45では、粗巻き紐11Aがシース時の熱で融けて強度が劣化し、押え巻き13と接触している箇所の粗巻き11は押え巻きテープ13Aに接着し、一方、押え巻き13と未接触の箇所の粗巻き11は熱劣化して、ケーブルシース17とは融着していない状態である。他の構成は同様である。また、ケーブル製造方法も、押え巻きテープ13Aが重ね合わせて横巻きしたことと、隙間49を空けて横巻きしたこと横巻きとの違いであり、他は同様である。
次に、上記の第1〜第3の実施の形態の光ファイバケーブル1、45、47の効果を調べるために、第1〜第3の実施の形態の構成に基づいた実施例を作成し、さらに、前記実施例と比較するための比較例1と比較例2を作成した。
実施例と比較例1と比較例2は互いに粗巻き11の材料が異なっている。実施例では融点が106°Cの低融点ナイロンが用いられており、比較例1では融点が170°CのL1940ナイロン糸が用いられており、比較例2では融点が125°CのHDPE延伸テープが用いられている。
また、実施例と比較例1と比較例2は、それぞれ、光ファイバケーブル1、45、47と同様に、押さえ巻き方法が、ラップ巻き(図4の重ね合わせた横巻きに該当)と、ギャップ巻き(図5の隙間49を空けた横巻きに該当)と、縦添え(図2に該当)の3種類とした。さらに、以上の実施例と比較例1と比較例2のそれぞれに対して、シース時のダイス温度が180°Cと200°Cと220°Cの3種類で押出成形し、合計27種類の試験ケーブルを製作した。
以上の実施例と比較例1と比較例2の各試験ケーブルに対して粗巻き紐11Aとスロット5との融着の有無、粗巻き紐11Aとケーブルシース17との融着の有無、粗巻き紐11Aと押さえ巻きテープ13Aとの接着の有無、並びに総合評価を行った。なお、融着や接着が有るときは○、無いときは×で表した。総合評価は光ファイバ9の引き出し性や粗巻き11の飛散防止効果などが良好なときは○、ほぼ良好のときは△、不良の時は×で表した。その結果は表1に示す通りである。
Figure 2010091812
以上の表1から分かるように、総合評価は、実施例では1つのほぼ良好の△を除いて他はすべて良好の○である。一方、比較例1と比較例2ではすべて不良の×であった。
次に、上記の実施例と比較例1と比較例2の各試験ケーブルに対して粗巻きを除去するときの所要時間を測定したところ、その結果は表2に示す通りである。
Figure 2010091812
以上の表2から分かるように、比較例1と比較例2では粗巻き除去にはかなりの所要時間を要しているが、実施例では所要時間が0秒であり、極めて良好な結果を得ることができた。
以上説明したように、第1〜第3の実施の形態の光ファイバケーブル1、45、47は下記に示す効果を奏する。
(1)融点が100°C〜120°Cの粗巻き11を使用することで、シース時に粗巻き11が融けて熱劣化し押え巻き13に接着し、押え巻き13を剥ぎ取る作業と粗巻き11をスロット5の上から取り除く作業が同時に可能となり、中間後分岐作業が容易となる。したがって、光ファイバ接続工事の時間が短縮可能となるので、加入者回線開通までの工期短縮が可能となる。
(2)融けた粗巻き11が押え巻き13に接着することで、光ファイバ接続工事の際に粗巻き11のゴミが飛散することを抑制することができる。
(3)光ファイバケーブル1のリサイクルを行う際に、粗巻き11が押え巻き13と熱劣化し、接着していることで、押え巻き13を剥がせば粗巻き11も取れて粗巻き11を取る工程が不用となり、容易なリサイクルが可能となる。
(4)粗巻き11はケーブルシース17と融着しない低融点の材料を使用することで、シース時の温度管理幅が広がり、ケーブル製造が容易となる。
この発明の実施の形態のスロット型光ファイバケーブルの断面図である。 この発明の第1の実施の形態の光ファイバケーブルの部分的にケーブルシースを除去した状態の正面図である。 この発明の実施の形態の光ファイバケーブルの製造装置を示す概略的な説明図である。 この発明の第2の実施の形態の光ファイバケーブルの部分的にケーブルシースを除去した状態の正面図である。 この発明の第3の実施の形態の光ファイバケーブルの部分的にケーブルシースを除去した状態の正面図である。 従来の実施の形態の光ファイバケーブルの部分的にケーブルシースを除去した状態の正面図である。 従来の他の実施の形態の光ファイバケーブルの部分的にケーブルシースを除去した状態の正面図である。
符号の説明
1 光ファイバケーブル(第1の実施の形態の)
3 抗張力体
5 スロット
7 溝
9 光ファイバ
9A 光ファイバテープ心線(テープ心線)
11 粗巻き
11A 粗巻き紐
13 押え巻き
13A 押え巻きテープ
15 ケーブルコア
17 ケーブルシース
19 光ファイバケーブル製造装置
21 スロット送出装置
23 光ファイバ送出装置
25 撚り合わせ装置
27 粗巻き装置
29 押え巻き装置
31 押出機
33 スロット送出ボビン
35 光ファイバ送出ボビン
37 粗巻き送出ボビン
39 押え巻き送出ボビン
41 押出ヘッド
43 シース樹脂用ダイス
45 光ファイバケーブル(第2の実施の形態の)
47 光ファイバケーブル(第3の実施の形態の)
49 隙間

Claims (11)

  1. 少なくとも1つ以上の溝を外周に備えたスロットと、前記溝に収納した光ファイバと、前記スロットの外周に卷回した粗巻きと、この粗巻きの外周に設けた押え巻きと、この押え巻きの外周に被覆したケーブルシースと、を備えている光ファイバケーブルにおいて、
    前記粗巻きは、前記押え巻きと接触している箇所で前記押え巻きと接着した状態であり、前記押え巻きと未接触の箇所で熱劣化して、前記ケーブルシースと融着していない状態であることを特徴とする光ファイバケーブル。
  2. 前記粗巻きの材料が、押出成形時の前記ケーブルシースの溶融温度で融ける融点温度を有していることを特徴とする請求項1記載の光ファイバケーブル。
  3. 前記粗巻きの材料の融点温度が、120°C以下であることを特徴とする請求項2記載の光ファイバケーブル。
  4. 前記粗巻きは、前記ケーブルシースと融着しない低融点の材料であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の光ファイバケーブル。
  5. 前記押え巻きは、スロット上に縦添えされていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の光ファイバケーブル。
  6. 前記押え巻きは、スロット上に重なりを持った横巻きであることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の光ファイバケーブル。
  7. 前記押え巻きは、スロット上に隙間を空けた横巻きであることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の光ファイバケーブル。
  8. 中央部に抗張力体を備えると共に外周部に少なくとも1つ以上の溝を備えたスロットの前記溝内に一又は複数の光ファイバを収納する光ファイバ収納工程と、この光ファイバを溝内に収納したスロットの外周に粗巻きを卷回する粗巻き卷回工程と、この粗巻きしたスロットの外周に押え巻きを巻き付けることでケーブルコアを成形するケーブルコア成形工程と、このケーブルコアを走行させて押出ヘッドに供給し、前記押出ヘッドにシース樹脂を押出して前記ケーブルコアの外周をケーブルシースで覆うようにして押出成形するケーブルシース押出成形工程と、からなる光ファイバケーブルの製造方法において、
    前記粗巻きは、ケーブルシース押出成形工程の前記シース樹脂の溶融温度で融ける融点温度とすることで、前記押え巻きと接触している箇所の粗巻きを前記押え巻きと接着せしめ、一方、前記押え巻きと未接触の箇所の粗巻きを熱劣化せしめて、前記ケーブルシースと融着していない状態とすることを特徴とする光ファイバケーブルの製造方法。
  9. 前記粗巻き部材の融点温度が、120°C以下とすることを特徴とする請求項8記載の光ファイバケーブルの製造方法。
  10. 前記粗巻きは、前記ケーブルシースと融着しない低融点の材料とすることを特徴とする請求項8又は9記載の光ファイバケーブルの製造方法。
  11. 前記押え巻きは、スロット上に縦添えするか、あるいは重なりを持って横巻きするか、あるいは隙間を空けて横巻きすることを特徴とする請求項8、9又は10記載の光ファイバケーブルの製造方法。
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