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JP2001355176A - 不織布及びそれを用いた繊維製品 - Google Patents

不織布及びそれを用いた繊維製品

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Publication number
JP2001355176A
JP2001355176A JP2000172510A JP2000172510A JP2001355176A JP 2001355176 A JP2001355176 A JP 2001355176A JP 2000172510 A JP2000172510 A JP 2000172510A JP 2000172510 A JP2000172510 A JP 2000172510A JP 2001355176 A JP2001355176 A JP 2001355176A
Authority
JP
Japan
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nonwoven fabric
thermoplastic resin
thermocompression bonding
propylene
fiber
Prior art date
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Application number
JP2000172510A
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English (en)
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JP4581185B2 (ja
Inventor
Junji Iwata
淳治 岩田
Teruaki Sekiguchi
輝明 関口
Shigenori Fukuda
重則 福田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JNC Corp
JNC Fibers Corp
Original Assignee
Chisso Polypro Fiber Co Ltd
Chisso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chisso Polypro Fiber Co Ltd, Chisso Corp filed Critical Chisso Polypro Fiber Co Ltd
Priority to JP2000172510A priority Critical patent/JP4581185B2/ja
Publication of JP2001355176A publication Critical patent/JP2001355176A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】摩擦応力に対する耐毛羽立ち性に優れ、且つ風
合が良好な不織布を提供する。 【解決手段】熱可塑性樹脂Aと、熱可塑性樹脂Bとから
なる熱融着性複合繊維が点熱圧着された不織布であっ
て、該不織布の点熱圧着部は、熱融着性複合繊維の熱可
塑性樹脂B部分が扁平化した断面構造をしており、熱融
着性複合繊維の熱可塑性樹脂A部分が、熱融着性複合繊
維同士を融着し、かつ扁平化した熱可塑性樹脂B部分を
覆う被膜を形成する不織布。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱融着性複合繊維か
らなる不織布及びこれを用いた繊維製品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱融着性複合繊維を原料とした不
織布は、適度な柔軟性と機械的強度を有するため、紙お
むつや生理用ナプキンの表面材、使い捨ておしぼり、各
種ワイパー等に広く利用されてきた。近年、生活様式の
多様化に伴い、紙おむつや生理用ナプキン、吸収シート
等に代表される吸収性物品の需要は著しく伸び、それに
伴い類似製品が市場に溢れてきた。このような状況で
は、製品の差別化を図った、より高度化,多機能化した
製品の開発が求められている。例えば、衛生材料に使用
される不織布には、より高風合いで、肌触り感がよく、
耐毛羽立ち性(皮膚や衣類の摩擦に対する毛羽立ちのし
難さを意味する)に優れるといった特性が求められてい
る。耐毛羽立ち性が劣る不織布は、摩擦によって不織布
の強度低下、毛羽脱落によるゴミの発生や、外観不良等
が起こり易いといった欠点を有しているため、床やカー
ペット等で擦られることが特に多い、紙おむつのバック
シートには不向きである。このような理由から、近年は
耐毛羽立ち性が重視されている。
【0003】従来から、熱風による不織布加工によって
製造された短繊維不織布は、風合がよいことから衛生材
料等に用いられてきた。しかし、近年、不織布の加工は
コストを重視し、より生産性のよい点熱圧着による不織
布加工へと変わってきた。また最近の傾向として衛生材
料の表面材には、より柔らかい風合いが要求されてお
り、そのために熱処理温度を抑えた不織布加工が施され
ている。これにより得られた不織布は柔らかい風合いと
なるものの、接着が不充分となることから耐毛羽立ち性
が低下していた。更に生産性がよい長繊維からなるスパ
ンボンド不織布を用い、これらの問題点を解決すること
が検討されてきた。
【0004】スパンボンド不織布のうち、レギュラース
パンボンド不織布は、単一成分の熱可塑性樹脂からなる
繊維で構成されており、この熱可塑性樹脂が接着成分と
して機能し、点熱圧着処理によりウェブの繊維同士が接
着して不織布状態となる。このとき、ウェブの繊維交絡
点は被膜状になり点熱圧着部の接着は強固となることか
ら、耐毛羽立ち性に優れている。しかし、レギュラース
パンボンド不織布の原料繊維には、良好な曳糸性を有す
る比較的剛性の高い熱可塑性樹脂、例えばポリエチレン
テレフタレート、ポリプロピレン、ナイロン等が用いら
れていることから、繊維は硬く、またこれらの繊維で作
られた不織布は柔軟性に乏しく風合に劣るといった欠点
を有していた。
【0005】これに対し、複合繊維からなる複合スパン
ボンド不織布には、レギュラースパンボンド不織布では
用いられにくい、単独では曳糸性が悪い剛性の低いプロ
ピレン二元共重合体等の熱可塑性樹脂を用いることが可
能であり、これと曳糸性のよい剛性の高い熱可塑性樹脂
とを組み合わせて複合繊維として用いることで、曳糸性
を良好とできる。これにより得られた繊維は柔らかく、
更にこの繊維から作られた不織布は優れた風合を有する
ものとなる。しかし、複合スパンボンド不織布を構成す
る熱可塑性樹脂には、熱可塑性樹脂の融点差が大きい低
融点樹脂と高融点樹脂とを組み合わせて使用する場合が
多く、これによって熱接着加工温度幅が広範囲となるた
めに点熱圧着部では低融点樹脂のみが溶融変形して、高
融点樹脂は変形せずに繊維形態が残ることになる。その
ため、低融点樹脂が点熱圧着部を充分に被覆できず、点
熱圧着部に開孔部や窪みを生じ、点熱圧着部の接着強度
は弱く、摩擦等の外力によって毛羽立ち易くなるなど種
々の問題を有していた。
【0006】例えば、特開平5−263353号公報に
は、鞘芯型複合長繊維の芯成分として剛性の低いエチレ
ンプロピレンランダムコポリマーを使用し、鞘成分とし
て高密度ポリエチレンを使用し、点熱圧着によって一体
化された長繊維不織布が開示されている。しかしなが
ら、芯成分にエチレンプロピレンランダムコポリマーを
使用することでアイソタクチックポリプロピレンを用い
た不織布よりも柔軟性に優れるものの、点熱圧着時のエ
ンボスロール型熱圧着機によるロール間の線圧を非常に
高くして不織布加工を行っているために、点圧着部の表
面には空孔が生じ、点熱圧着部の繊維の鞘芯剥離が生
じ、毛羽立ち易い不織布となっていた。
【0007】一般に、スパンボンド法による不織布製造
は、ライン速度(ウェブ移動速度)が高速であり、その
ためウェブへの点熱圧着の処理が短時間となり、接着時
の点熱圧着部への熱量供給が不足する傾向となってい
る。ライン速度が高速の場合には、同様なことが、短繊
維からなるウェブに点熱圧着処理を行う場合にも起こり
うる。鞘芯型複合スパンボンド不織布の場合、伝熱時間
が短いことから、エンボスロールやフラットロールの温
度を上げても、複合繊維の芯成分へ充分な熱が伝わら
ず、芯成分が変形を起こしにくい状態の複合繊維に圧力
が掛かるために鞘成分と芯成分が分離する、いわゆる鞘
芯剥離が生じてしまう。これにより、点熱圧着部では、
毛羽立ちが起こり易い状態となっている。
【0008】このように、良好な風合と耐毛羽立ち性を
兼ね備えた不織布の開発が市場から要望されているにも
係わらず、これまで風合と耐毛羽立ち性を両立した不織
布の製品は得られていなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、風合
が良好で、かつ耐毛羽立ち性に優れた不織布を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記従来技術
の課題を解決するために鋭意研究の結果、以下の条件を
満たすようなときに風合、耐毛羽立ち性ともに優れた不
織布が得られることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0011】すなわち、本発明は以下の構成を有する。 (1)熱可塑性樹脂Aと、熱可塑性樹脂Aと融点が同じ
か、または熱可塑性樹脂Aより50℃を越えない範囲で
高い融点を有する熱可塑性樹脂Bとからなり、かつ熱可
塑性樹脂Aが繊維表面の少なくとも一部を繊維長方向に
連続して形成している熱融着性複合繊維を点熱圧着して
得られる不織布であって、該不織布の点熱圧着部は、熱
融着性複合繊維の熱可塑性樹脂B部分が扁平化した断面
構造をしており、熱融着性複合繊維の熱可塑性樹脂A部
分が、熱融着性複合繊維同士を融着し、かつ扁平化した
熱可塑性樹脂B部分を覆う被膜を形成しており、該被膜
は0〜20%の表面空孔率を有する構造をしていること
を特徴とする不織布。 (2)熱融着性複合繊維が、熱可塑性樹脂Aを鞘成分と
し、熱可塑性樹脂Bを芯成分とする鞘芯型複合繊維であ
ることを特徴とする前記(1)項記載の不織布。 (3)熱可塑性樹脂Aが、低密度ポリエチレン、直鎖状
低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、プロピレン
とプロピレン以外のαオレフィンとの二元共重合体、及
びプロピレンとプロピレン以外のαオレフィンとの三元
共重合体から選ばれた少なくとも1種のオレフィン系結
晶性樹脂である前記(1)項または前記(2)項記載の
不織布。 (4)熱可塑性樹脂Bが、プロピレンとプロピレン以外
のαオレフィンとの二元共重合体、プロピレンとプロピ
レン以外のαオレフィンとの三元共重合体、及びポリプ
ロピレンから選ばれた少なくとも1種のプロピレン系結
晶性樹脂である前記(1)項または前記(2)項記載の
不織布。 (5)不織布がスパンボンド法により得られた長繊維不
織布である前記(1)〜(4)項のいずれか1項記載の
不織布。 (6)前記(1)〜(5)項のいずれか1項記載の不織
布と、前記不織布以外の不織布、フィルム、パルプシー
ト、編物、及び織物から選ばれた少なくとも1種の物品
を積層した複合化不織布。 (6)前記(1)〜(5)項のいずれか1項記載の不織
布、もしくは前記(6)項記載の複合化不織布を用いた
吸収性物品。 (7)前記(1)〜(5)項のいずれか1項記載の不織
布、もしくは前記(6)項記載の複合化不織布を用いた
ワイパー。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を具体
的に説明する。本発明の不織布は、熱融着性複合繊維を
主体として構成されており、点熱圧着されて一体化して
いるものである。該熱融着性複合繊維は、熱可塑性樹脂
Aと、熱可塑性樹脂Aと融点が同じか、または熱可塑性
樹脂Aより50℃を越えない範囲で高い融点を有する熱
可塑性樹脂Bとからなり、繊維表面の少なくとも一部が
繊維長方向に連続する熱可塑性樹脂Aにより形成されて
いる。熱融着性複合繊維の構造は、鞘芯型、偏心鞘芯
型、並列型、海島型等のいずれも使用でき、なかでも熱
可塑性樹脂Aを鞘成分とし、熱可塑性樹脂Bを芯成分と
する鞘芯型複合繊維が良好な熱接着性を有し、熱接着状
態が安定しているために特に好ましく利用できる。な
お、鞘芯型複合繊維が長繊維からなる場合には、鞘芯型
複合長繊維という場合もある。この他、異形断面構造、
分割型構造、中空型構造を有する熱融着性複合繊維も使
用できる。本発明で用いられる熱融着性複合繊維は、通
常は2成分の熱可塑性樹脂の組み合わせからなるが、必
要に応じて多成分の熱可塑性樹脂の組み合わせとしても
よい。
【0013】本発明に用いられる熱融着性複合繊維を構
成する熱可塑性樹脂Aおよび熱可塑性樹脂Bとしては、
結晶性の熱可塑性樹脂が用いられ、例えば、高密度ポリ
エチレン,低密度ポリエチレン,直鎖状低密度ポリエチ
レン,ポリプロピレン,プロピレンとプロピレン以外の
αオレフィンとの二元または三元共重合体等のオレフィ
ン系結晶性樹脂や、ナイロン6,ナイロン66等のポリ
アミド類や、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレ
ンテレフタレート,酸成分としてテレフタル酸とイソフ
タル酸とを共重合した低融点ポリエステル等のポリエス
テル類、更には上記熱可塑性樹脂の混合物などが使用で
きる。なお、プロピレンとプロピレン以外のαオレフィ
ンとの二元共重合体、プロピレンとプロピレン以外のα
オレフィンとの三元共重合体、ポリプロピレンを総称し
てプロピレン系結晶性樹脂という場合もある。
【0014】前記熱可塑性樹脂Aおよび熱可塑性樹脂B
の組合せの例としては(以下、熱可塑性樹脂A/熱可塑
性樹脂Bで表わす)、高密度ポリエチレン/ポリプロピ
レン、直鎖状低密度ポリエチレン/ポリプロピレン、低
密度ポリエチレン/ポリプロピレン、プロピレンとプロ
ピレン以外のαオレフィンとの二元共重合体または三元
共重合体/ポリプロピレン、高密度ポリエチレン/プロ
ピレンとプロピレン以外のαオレフィンとの二元共重合
体または三元共重合体、直鎖状低密度ポリエチレン/プ
ロピレンとプロピレン以外のαオレフィンとの二元共重
合体または三元共重合体、低密度ポリエチレン/プロピ
レンとプロピレン以外のαオレフィンとの二元共重合体
または三元共重合体、直鎖状低密度ポリエチレン/高密
度ポリエチレン、低密度ポリエチレン/高密度ポリエチ
レン、各種のポリエチレン/ナイロン6、ポリプロピレ
ン/ナイロン6、プロピレンとプロピレン以外のαオレ
フィンとの二元共重合体または三元共重合体/ナイロン
6、ナイロン6/ナイロン66、ナイロン6/ポリエス
テルなどを挙げることができる。
【0015】これらの中で、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性
樹脂Bの組み合わせとしては、融点が同じか、または熱
可塑性樹脂Aより50℃を越えない範囲で高い融点を有
する熱可塑性樹脂Bの組み合わせであり、更に融点が同
じか、または熱可塑性樹脂Aより30℃を越えない範囲
で高い融点を有する熱可塑性樹脂Bの組み合わせがより
好ましく、融点が同じか、熱可塑性樹脂Aより20℃を
越えない範囲で高い融点を有する熱可塑性樹脂Bの組み
合わせが最もよい。また、風合を重視する衛生材用等の
用途では、オレフィン系結晶性樹脂/プロピレン系結晶
性樹脂のようなポリオレフィン同士からなる組合せが好
ましい。その具体例としては、エチレン・プロピレン・
ブテン−1三元共重合体/ポリプロピレン、エチレン・
プロピレン二元共重合体/ポリプロピレン、直鎖状低密
度ポリエチレン/エチレン・プロピレン・ブテン−1三
元共重合体、高密度ポリエチレン/エチレン・プロピレ
ン・ブテン−1三元共重合体、高密度ポリエチレン/エ
チレン・プロピレン二元共重合体、直鎖状低密度ポリエ
チレン/エチレン・プロピレン二元共重合体などの組み
合わせを挙げることができる。なお、本発明では熱可塑
性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bとの組み合わせには、同種類
の熱可塑性樹脂であっても、融点が異なっていれば、こ
れらを組み合わせても構わないが、同一の熱可塑性樹脂
を組み合わせた使用はしない。
【0016】本発明に用いられる熱融着性複合繊維の熱
可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bとの複合比は、任意に決
定しうる事項であるが、重量比で熱可塑性樹脂A:熱可
塑性樹脂B=20〜80:80〜20の範囲が好まし
く、より好ましくは30〜70:70〜30である。熱
可塑性樹脂Aがこの範囲を超えて少なくなると、点熱圧
着部において熱可塑性樹脂Bを充分に被覆できず、ま
た、点熱圧着部を埋め難くなるため、点熱圧着部の接着
強度が弱くなり、毛羽立ち易くなる。逆に、熱可塑性樹
脂Bがこの範囲を超えて少なくなると、可紡性が低下し
たり、不織布の強度が低くなるなど、工業利用に実用的
でなくなる恐れがある。
【0017】本発明に用いられる熱可塑性樹脂Aおよび
熱可塑性樹脂Bには、本発明の効果を妨げない範囲にお
いて、安定剤、難燃剤、抗菌剤、着色剤、滑剤、親水剤
などが添加されていてもよい。
【0018】本発明では熱融着性複合繊維として、ステ
ープルファイバー、メルトブロー繊維等の短繊維や、ト
ウ、スパンボンド等の長繊維を用いることができる。ま
た、本発明に用いられる不織布は、通常、ウェブとした
後に、エンボスロール型熱圧着機等により点熱圧着し、
不織布とする。このとき用いられるウェブの製造法とし
ては、原料繊維が短繊維からなる場合は、カード法、メ
ルトブロー法等が挙げられ、また、原料繊維が長繊維か
らなる場合は、トウ開繊法やスパンボンド法等が挙げら
れる。また、これらウェブを不織布とする製法として
は、エンボスロール型熱圧着機等により点熱圧着を行う
ことが必要であるが、これ以外に、熱接着法(スルーエ
アー法)、ニードルパンチ法、スパンレース法等を組み
合わせて利用してもよく、例えばスパンボンド法で得ら
れた不織布をニードルパンチ法やスパンレース法で更に
処理してもよい。これらの中で、原料繊維の製造、ウェ
ブ化及び不織布の製造がインラインで行えるスパンボン
ド法は生産性に優れていることから、特に好ましく用い
られる。スパンボンド法は、一般に、紡糸工程において
ロール引取やエアサッカー引取による細繊度化の後、ネ
ットコンベアー上に堆積したウェブをエンボスロール型
熱圧着機に搬送し、加熱されたエンボスロール(凹凸ロ
ール)とフラットロール(平滑ロール)の間を通すこと
より、長繊維相互間を点熱圧着させ、連続した生産ライ
ン(インライン)で、不織布を製造する方法である。こ
の製造法では、インラインで熱可塑性樹脂から不織布を
製造できるため、短繊維を用いた不織布の製造法に比
べ、生産性が非常に高い。また、不織布が長繊維で構成
されているため、短繊維で構成された不織布と比較し
て、同じ不織布加工条件で不織布を製造した場合には、
不織布強度が高くなる等、優れた物性を有している。
【0019】以下に不織布の製造方法についてスパンボ
ンド法により説明する。スパンボンド紡糸機を用い、別
々に溶融した熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bを複合紡
糸口金より複合形態で紡出し、これらをエアサッカーの
高速気流を利用して牽引延伸し、得られた熱融着性複合
繊維群を直接、または揺動機構や帯電装置をもつ開繊装
置で分散後、移動するネットコンベアー上に堆積させて
シート状のウェブを形成した後、これを点熱圧着して不
織布とする。
【0020】点熱圧着を行う装置としては、不織布表面
に種々の彫刻印を付与することのできる装置全般が使用
でき、これらの装置は、単独で使用するだけでなく、複
数を組合わせて使用してもよい。装置としては具体的に
は、エンボスロール型熱圧着機を挙げることができる。
エンボスロール型熱圧着機を用いる場合、エンボスロー
ル凸部先端の面積(凸部面積)やエンボスロール外周の
面積(ロール表面積)に占める全凸部面積の割合(エン
ボス面積率)により風合等が変化する。一般に凸部面積
やエンボス面積率が大きい場合には、得られる不織布
は、耐毛羽立ち性に優れるものの、風合や嵩高さなどは
低くなる。逆に、凸部面積やエンボス面積率が小さい場
合には、得られる不織布は、風合や嵩高さなどは向上す
るものの、耐毛羽立ち性が低くなる。本発明では、エン
ボス面積率が、5〜30%、凸部面積が、0.15〜1
5mm2となるエンボスロールが好ましく使用できる。
しかし、エンボス面積率や凸部面積は、本発明をなんら
限定するものではない。
【0021】次に、本発明の被膜化された点熱圧着部に
ついて図を用いて説明する。熱可塑性樹脂Aの軟化点以
上、熱可塑性樹脂Bの融点未満の温度で、エンボスロー
ル型熱圧着機により加熱し加圧することで、熱可塑性樹
脂Bは溶融せず、熱可塑性樹脂Aが軟化または溶融しな
がら変形し、隣接する熱融着性複合繊維と結合すること
で、点熱圧着部が形成される。本発明の不織布を得るた
めの加工条件としては、熱処理温度を熱可塑性樹脂Aの
軟化点以上、融点以下の範囲とし、同時に、エンボスロ
ール型熱圧着機の線圧を適正な値とすることで、熱融着
性複合繊維の熱可塑性樹脂B部分を扁平化させ、熱可塑
性樹脂B部分を被覆している熱可塑性樹脂A部分が熱可
塑性樹脂B部分から剥離しにくい点熱圧着部(図1の
1)が形成される。特に、ウェブ移動速度(ライン速
度)が高速な場合には、熱処理温度を熱可塑性樹脂Aの
(融点−5)℃から(融点+10)℃までの範囲とし、
同時に、エンボスロール型熱圧着機の線圧を40N/m
m以上、120N/mm未満、より好ましくは、60N
/mm以上、90N/mm以下とし、使用する熱可塑性
樹脂A,熱可塑性樹脂B、ライン速度及び、上記条件を
適宜組み合わせて加工することで、良好な点熱圧着部を
生成することが可能である。なお、ライン速度は、30
〜400m/minの範囲が通常利用されている。ま
た、非点圧着部にある繊維中の熱可塑性樹脂B部分の厚
みに対する、点熱圧着部の熱可塑性樹脂B部分の点熱圧
着時における応力方向の厚みから求められる扁平率が6
0〜90%であると、剥離が殆どなく、更に熱可塑性樹
脂B部分を被覆する熱可塑性樹脂A部分の厚みが薄くな
るといった不具合も殆ど起こらず、良好な点熱圧着部が
形成できる。なお、ウェブに対するエンボスロール型熱
圧着機の熱処理温度が、熱可塑性樹脂Aの(融点−5)
℃より大幅に低い温度であった場合でも、エンボスロー
ル型熱圧着機により加圧し、熱可塑性樹脂A部分が軟化
しながら変形して、隣接する熱融着性複合繊維同士を結
合することで、点熱圧着部は形成されるが、この点熱圧
着部中の熱可塑性樹脂B部分は、加圧によって僅かに変
形が生じるだけであるため、熱可塑性樹脂A部分に比べ
変形度合い(扁平化)が小さくなり、熱可塑性樹脂B部
分を被覆する熱可塑性樹脂A部分の厚みが薄くなり、熱
可塑性樹脂B部分の剥離が見られる。
【0022】本発明では、熱可塑性樹脂Aと、熱可塑性
樹脂Aと融点が同じか、または熱可塑性樹脂Aより50
℃を越えない範囲で高い融点を有する熱可塑性樹脂Bを
用いる。熱可塑性樹脂Bの融点が、熱可塑性樹脂Aの融
点より50℃を越えて高い場合には、エンボスロール型
熱圧着機によって加圧するだけでは熱可塑性樹脂B部分
を充分に扁平化させることができず、そのため、熱可塑
性樹脂Bの融点付近の温度でウェブを熱処理することに
なる。しかし、これにより熱可塑性樹脂A部分の溶融に
よる変形・拡散が著しく進み、本来、熱融着性複合繊維
の熱可塑性樹脂B部分を被覆している熱可塑性樹脂A部
分が、熱可塑性樹脂B部分から剥離し、点熱圧着部に貫
通孔が空く不具合や(図2の2)、溶融した熱可塑性樹
脂Aが点熱圧着部内部に沈み込み、熱可塑性樹脂B部分
を被覆する厚みが薄くなり、また、点熱圧着部に窪み等
が生じて点熱圧着部の充填が充分に行われない等の不具
合が生じてしまう。このため、熱可塑性樹脂Bの融点
が、熱可塑性樹脂Aの融点より50℃を越えて高い組み
合わせの場合には、良好な点熱圧着部が構成されにく
い。
【0023】この貫通孔や窪み等の孔は走査型電子顕微
鏡等による表面観察で確認できる。ここでは、点熱圧着
部の面積に対する貫通孔や窪み等の点熱圧着部表面上で
の面積割合を表面空孔率(%)と呼び、実際に得られた
不織布の表面空孔率を測定する場合には、点熱圧着部の
面積に対する点熱圧着部表面上の孔の面積との比率によ
って求めている。この表面空孔率が高いと、点熱圧着部
が充分に熱可塑性樹脂Aによって充填され、貫通孔や窪
み等が少なく、表面空孔率が低い場合に比べて曲げ応力
が小さくなることから不織布は柔らかくなる傾向とな
る。しかし、表面空孔率が高いと、繊維を固定する力、
いわゆる接着強力が弱くなるため、摩擦によって非点熱
圧着部から繊維が移動したり、撚りの力によって点熱圧
着部から繊維が剥離するなどが起こり、耐毛羽立ち性が
著しく低下してしまう。
【0024】本発明の不織布における点熱圧着部は、熱
可塑性樹脂A部分の溶融変形と共に熱可塑性樹脂B部分
の変形扁平化も充分に行わせることで、表面空孔率が減
少し、被膜化状態となり、これにより不織布の耐毛羽立
ち性を著しく向上させている。この耐毛羽立ち性を向上
させるためには、不織布の点熱圧着部全体における表面
空孔率が0〜20%とする必要があり、より好ましく
は、10%以下とすることである。これは不織布の表裏
面共にこの値を満たす必要がある。不織布全体中の点熱
圧着部のうち、表面空孔率が20%を越える箇所が部分
的にあってもよいが、このような点熱圧着部が多くなる
と部分的に耐毛羽立ち性の低下する所が観られるため、
1ヵ所の点熱圧着部の表面空孔率は30%以下となるこ
とが望ましい。このように点熱圧着部の表面空孔率を制
御することで、耐毛羽立ち性に優れた不織布とすること
が可能であり、風合についても、前述した樹脂構成やエ
ンボス面積率等を選択することで、優れたものとなる。
【0025】本発明の不織布における点熱圧着部を形成
するためには、エンボス面積率、線圧、加工温度、加工
速度等の点熱圧着加工条件を適宜選択することにより達
成されるが、前述したように、熱可塑性樹脂A及び熱可
塑性樹脂Bの組み合わせが、融点が同じか、または50
℃を越えない範囲、好ましくは融点が同じか、または3
0℃を越えない範囲、更に好ましくは融点が同じか、ま
たは20℃を越えない範囲であると、被膜化した点熱圧
着部の形成が容易となり好ましい。また、被膜化しにく
いときは、点熱圧着加工直前のウェブを予熱することで
被膜化が促進できる。予熱方法としては、例えば、スル
ーエアー型加熱機や遠赤外線ヒーター等の加工機を用い
た方法が挙げられ、予熱段階で、熱可塑性樹脂Aが溶融
しない処理条件で予熱することにより、風合と耐毛羽立
ち性の優れた不織布を得ることができる。なお、本発明
の不織布を得るための製造条件は、生産設備の種類によ
り好ましい条件の組合せが異なる場合があり、特定の製
造設備で適用できる製造条件を他の製造設備にそのまま
適用できない場合もありえる。本発明の不織布の新規な
点および特徴は、本発明の点熱圧着部が前述した表面構
造を有した被膜化状態及び熱可塑性樹脂B成分の扁平化
状態となっていることである。
【0026】本発明の不織布において、使用可能な熱融
着性複合繊維の繊度は、特に限定されるものではなく、
バッテリーセパレーターの様に非常に細い繊度のものが
要求されるものから、土木用途に求められる太繊度のも
のまで、広い繊度範囲の繊維に対応可能である。一例を
あげると、バッテリーセパレーター等では1dtex以
下の繊度が好ましく、おむつや生理用品などの衛生材料
として用いる場合では、約0.2〜6dtex、包装材
や農業用として用いる場合では約1〜100dtex、
土木一般用途では約1〜300dtex程度が好ましく
用いられる。これらの用途のうち、スパンボンド不織布
を使用する場合には、主として0.1〜10dtexの
繊度のものが好ましく用いられる。
【0027】本発明の不織布における目付の範囲は、特
に限定されるものではないが、均一な目付の不織布の製
造や、点熱圧着の処理のし易さ、点熱圧着部の被膜構造
の形成を考慮すれば、3〜300g/m2が好ましく用
いることができる。また、スパンボンド不織布では、5
〜100g/m2が好ましく用いられる。これらのう
ち、得られる不織布の風合や強度を考慮すれば5〜50
g/m2が好ましい。特に衛生材料では、風合を重視さ
れるために5〜30g/m2が好ましい。
【0028】本発明の不織布において、その効果を妨げ
ない範囲で、上記熱融着性複合繊維とこれ以外の他の繊
維とを混合させてウェブとし、これを用いて点熱圧着を
行い、目的の不織布を得ることができる。混合可能な繊
維としては、主たる熱融着性複合繊維とは異なる熱可塑
性樹脂からなる熱融着性複合繊維や複数の熱融着性複合
繊維からなる熱融着性複合繊維群が好ましく使用でき
る。この他、本発明の不織布の効果を妨げない範囲で、
種々の単一樹脂繊維を用いてもよい。
【0029】混合の方法としては、主たる熱融着性複合
繊維と他の繊維をカード法等により混合する方法や、主
たる熱融着性複合繊維と他の繊維を別々にウェブとし、
これらを積層し、ニードルパンチ等により連続貫通動作
することで混合する方法等、種々の混合の方法が利用で
きる。
【0030】本発明の不織布において、その効果を妨げ
ない範囲で、他の不織布、フィルム、パルプシート、編
物、織物等を積層させ、複合化不織布とすることができ
る。他の不織布、フィルム、パルプシート、編物、織物
等は、単独で積層させてもよく、また複数組み合わせて
積層させてもよい。更に、その素材に制約はなく、種々
のものが利用できるが、基となる不織布と接着可能な素
材、もしくは接着可能な素材を含んでいることが好まし
い。
【0031】積層させる方法としては、スパンボンド
法、エアレイド法、カード法等の各種製造方法で得られ
たウェブ上に、他の不織布、フィルム、パルプシート、
編物、織物等の物品中から選択して積層させる方法や、
本発明の不織布と、他の不織布、フィルム、パルプシー
ト、編物、織物の物品中から選択して積層させる方法等
がある。積層時の接着方法としては、ホットメルト接着
剤や点熱圧着加工等、積層させる素材の種類や用途等に
よって適した種々の方法が選ばれる。
【0032】本発明の不織布および複合化不織布は、吸
収性物品の素材として利用することが可能である。特
に、乳幼児用や大人用の紙おむつ、ナプキン、吸汗パッ
ト、皮脂除去用シート材、お手拭き等の衛生材料として
好ましく利用できる。この他、飛行機や旅客車両の紙シ
ートカバー、便座カバー、衣服の保温材や型どり基材等
としても使用できる。
【0033】更に、本発明の不織布および複合化不織布
は、ワイパーの素材としても好ましく利用できる。一例
を挙げると、家庭用使い捨て雑巾、眼鏡拭き、床拭き
材、畳拭き材等がある。
【0034】本発明の不織布および複合化不織布は、上
記記載の用途以外にも、べたがけシート、防草シート、
果実保護袋、保温シート等の農業資材や、エアフィルタ
ー、油吸着材、建設資材、土木資材等の産業資材、外科
用ガウン、マスク、帽子等のメディカル資材の素材とし
ても利用可能である。
【0035】更に、本発明の不織布および複合化不織布
は、多くの他資材、例えばネット、布帛、土木シート、
金属、木材、ガラス、プラスチック成形体、陶磁器、
紙、毛等と組み合わせて使用することができる。
【0036】
【実施例】以下、実施例、比較例により本発明をさらに
詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものでは
ない。
【0037】(熱可塑性樹脂の融点)JIS K 71
22に準じて示差走査型熱分析装置により試料5mg、
昇温速度10℃/minの条件で測定した。
【0038】(目付)不織布の任意5カ所から20cm
×20cmサイズを切り出した後、各重量を電子天秤に
て測定して、その平均値を1m2当りの重量に換算して
目付とした(g/m2)。
【0039】(引張試験)不織布の任意3カ所から不織
布の縦方向(MD)と横方向(CD)のそれぞれに対し
て、幅2.5cm、長さ20cmの試験片を切り出し、
テンシロン型引張試験機を用いて把握長10cm、引張
速度10cm/minの条件で各方向3回試験を行い、
得られた強伸度曲線から最大強度(N/2.5cm)、
最大強度時の伸度(%)を測定し、それぞれの平均値を
求めた。
【0040】(引裂試験)不織布の任意3カ所から不織
布の縦方向(MD)対して、幅4.0cm、長さ20c
mの試験片を切り出し、短辺の中央に辺と直角に10c
mの切れ目を入れて、テンシロン型引張試験機を用いて
把握長10cm、引張速度20cm/minの条件で各
方向3回試験を行い、不織布を引き裂くときに示す最大
荷重(N)を測定し、その平均値とした。
【0041】(風合評価)モニター5人による官能評価
で柔らかさを判定した。柔らかさを0〜3点の範囲で採
点し、各人の合計点数を以下の範囲で表示した。 ◎:12〜15点 ○: 8〜11点 △: 4〜 7点 ×: 0〜 3点
【0042】(耐水度測定)JIS L 1092に準
じて耐水度試験装置により、不織布の耐水度を測定し
た。
【0043】(耐毛羽立ち性評価)以下に、得られた不
織布の耐毛羽立ち性(毛羽の立ちにくさ)を評価するた
めの方法を記載する。なお、本評価方法は、JIS P
8136に準じて測定した。 4.5cm×20cmの大きさの不織布サンプル
を、MD・CD共に4枚用意する。 これらサンプルの長手方向の両端に両面テープを貼
り付ける。このとき、MD・CD共にエンボスロール側
摩擦サンプルを2枚、フラットロール側摩擦サンプルを
2枚作製する。 耐摩耗試験機の試料台に試料を貼り付け、摩擦子に
カナキン3号布(4cm×5cm)を装着する。 摩擦子(500g)を不織布の上に置き、往復カウ
ント設定値を150回に合わせ、カウントリセットボタ
ンを押し、スタートボタンを押す。 摩擦後の不織布表面の粗れ具合(毛玉の発生や毛羽
立ち具合)を、官能的に評価する。ここでは、判定基準
に以下の官能指標を定めた。 ◎ :毛羽・毛玉ともに観察されない ○ :若干の毛羽・毛玉が観察される △ :小さな毛玉や毛羽が比較的多く観察される × :比較的大きな毛玉や比較的大きな毛羽が観察され
る ××:複数の大きな毛玉や多量の毛羽が観察される
【0044】(表面空孔率)得られた不織布の点熱圧着
部における表面空孔率を測定する方法を以下に記載す
る。 走査型電子顕微鏡により、不織布の片面を観察し、
点熱圧着部1点の全容が走査型電子顕微鏡の画面に収ま
る倍率に設定し、任意の20点を撮影する。 で撮影した点熱圧着部の各写真において、点熱圧
着部1点の面積をそれぞれ測定する。そして、点熱圧着
部20点の合計面積をaとする。 次にで撮影した点熱圧着部の各写真において、表
面空孔部の面積を測定する。そして、点熱圧着部20点
の合計表面空孔面積をbとする。 表面空孔率cを、以下の式より算出する。 点熱圧着部の表面空孔率c(%)=(b/a)×100 反対側の不織布面についても〜の手順で測定を
行い、表面空孔率cが大きい方の値をその不織布の表面
空孔率cとする。
【0045】(点熱圧着部の被膜化状態の評価)耐毛羽
立ち性試験では、充分に被膜化されていない点熱圧着部
より剥離した繊維が毛羽や毛玉となる場合と、点熱圧着
部周辺で切断した、繊維が毛羽や毛玉となる場合がある
ため、点熱圧着部から剥離した繊維本数をもって、点熱
圧着部の接合強さ、つまり、被膜化状態を優劣で評価す
ることにした。その方法を以下に記載する。 得られた不織布を前記の耐毛羽立ち性評価試験と同
様に不織布に摩擦を加える(荷重500g、摩擦回数1
50回)。 摩擦後の不織布を走査型電子顕微鏡により、任意に
選んだ10点の熱圧着部に対して、60°のアングルで
点熱圧着部1点、及びその周囲が走査型電子顕微鏡の画
面に収まる倍率で撮影する。 で撮影した点熱圧着部10点の各写真より、摩擦
による点熱圧着部から剥離した繊維の本数をカウントす
る。そして、点熱圧着部10点の合計本数をnとする。
ここで、剥離した繊維とは、点熱圧着部から完全に剥離
したもの、途中まで剥離したものの両方を含む。ここで
は、剥離した繊維本数に対して、以下の評価基準によ
り、被膜化状態を定めた。なお、○以上を被膜化状態が
良好とした。 ◎:n=10本以下 ○:n=11〜20本 △:n=21〜50本 ×:n=51本以上
【0046】(芯成分の扁平率)点熱圧着部の芯成分の
扁平率を測定する方法を以下に記載する。 走査型電子顕微鏡を用い、点熱圧着部断面を任意の
10点を撮影する 同様の装置を用い、非熱圧着部にある繊維の断面を
と同倍率で任意の10点撮影する。 で撮影した点熱圧着部の写真から、点熱圧着の応
力方向における芯成分の厚みをそれぞれ測定する。そし
て点熱圧着部中の芯成分10点の平均厚みをdとする。 で撮影した非点熱圧着部にある繊維の断面写真か
ら、芯成分の厚みをそれぞれ測定する。そして非点熱圧
着部中の芯成分10点の平均厚みをeとする。 芯成分の扁平率fを、以下の式より算出する。fが
大きい程、扁平化している。 芯成分の扁平率f(%)=(1−(d/e))×100
【0047】(ワイピング能力評価)本発明の不織布・
複合化不織布を用いて、ワイピング能力評価をおこなっ
た。以下にその方法を述べる。
【0048】(人頭髪捕集試験) 20cm×20cmの大きさの不織布サンプルをカ
ナキン3号の上に載せ、200gの荷重で不織布のMD
方向に10回、CD方向に10回づつ摩擦を加えて、不
織布サンプル全面を毛羽立たせる。 金属製の机上に長さ10cmの人頭髪を12本と
り、それらが机上で均一に分布するように散布する。 で作製した不織布サンプルで、軽く3回、円を描
くように拭き取る。 拭き取った後、この不織布サンプルを垂直に1分間
つり下げ、捕集不完全な人頭髪を自然脱落させる。 不織布サンプルに捕集された人頭髪の数を数える。捕
集本数により、以下の分類に基づきワイピング性を評価
する。 ○:10本以上捕集 ×:9本以下の捕集
【0049】(小麦粉払拭試験) 20cm×20cmの大きさの不織布サンプルをカ
ナキン3号の上に載せ、200gの荷重で不織布のMD
方向に10回、CD方向に10回づつ摩擦を加えて、不
織布サンプル全面を毛羽立たせる。 金属製の机上に市販の小麦粉を0.8gとり、それ
らが均一に分布するように拡げる。 で作製した不織布サンプルで軽く3回、円を描く
ように拭き取る。 拭き取った後、この不織布サンプルを垂直に1分間
つり下げ、捕集不完全な小麦粉を自然脱落させる。 机上に残留した小麦粉の重量を測定し、払拭率を算
出する。 払拭率(%)={0.8−(残留した小麦粉の重量)}
÷0.8×100 以下の判定により、払拭性を評価する。 ○:75%以上の払拭率 ×:75%未満の払拭率
【0050】実施例1 不織布を得るための方法としてスパンボンド法を選択
し、この基本装置系として、孔径0.4mmの鞘芯型複
合紡糸口金を含む紡糸装置、高速気流牽引装置、ネット
コンベアー型ウェブ捕集装置、開繊装置を使用した。ま
た、点熱圧着工程の装置として、加熱されたエンボスロ
ールとフラットロールからなる、エンボスロール型熱圧
着機を使用した。熱可塑性樹脂Aとして鞘成分に融点が
122℃、MFR(190℃、21.18N)が20g
/10minの直鎖状低密度ポリエチレンを用い、熱可
塑性樹脂Bとして芯成分に融点が132℃、MFR(2
30℃、21.18N)が42g/minのエチレン・
プロピレン・ブテン−1三元共重合体を用いて、鞘芯比
50/50(重量比)の割合で紡糸した。これを冷却し
つつ、高速気流牽引装置で牽引し、繊度2.2dtex
の熱融着性複合繊維である鞘芯型複合長繊維を得た。次
いでこれをネットコンベアー型ウェブ捕集装置上に電気
的に開繊させながら吹き付けて、鞘芯型複合長繊維ウェ
ブを成形した。この鞘芯型複合長繊維ウェブをエンボス
面積率が16%、エンボス形状が菱形のエンボスロー
ル、フラットロールからなるエンボスロール型熱圧着機
を用いて、線圧が60N/mm、エンボスロールおよび
フラットロール温度が118℃の条件下で点熱圧着処理
を行い、該点熱圧着部の熱融着性複合繊維同士が熱融着
した不織布を得た。この不織布の物性値と評価結果を表
1に示す。表1より、この不織布は、風合がよく、かつ
耐毛羽立ち性に優れていることが分かる。
【0051】実施例2 実施例1と同じスパンボンド法不織布製造装置を用いて
不織布を製造した。熱可塑性樹脂Aとして鞘成分に融点
が131℃、MFR(190℃、21.18N)が26
g/10minの高密度ポリエチレンを用い、熱可塑性
樹脂Bとして芯成分に融点が143℃、MFR(230
℃、21.18N)が39g/10minのエチレン・
プロピレン・ブテン−1三元共重合体を用いて、鞘芯比
50/50(重量比)の割合で紡糸した。これを冷却し
つつ、高速気流牽引装置で牽引し、繊度2.2dtex
の熱融着性複合繊維である鞘芯型複合長繊維を得た。次
いでこれをネットコンベアー型ウェブ捕集装置上に電気
的に開繊させながら吹き付けて、鞘芯型複合長繊維ウェ
ブを成形した。この鞘芯型複合長繊維ウェブをエンボス
面積率が16%、エンボス形状が菱形のエンボスロー
ル、フラットロールからなるエンボスロール型熱圧着機
を用いて、線圧が60N/mm、エンボスロールおよび
フラットロール温度が127℃の条件下で点熱圧着処理
を行い、該点熱圧着部の熱融着性複合繊維同士が熱融着
した不織布を得た。この不織布の物性値と評価結果を表
1に示す。表1より、この不織布は、風合がよく、かつ
耐毛羽立ち性に優れていることが分かる。
【0052】実施例3 実施例1と同じスパンボンド法不織布製造装置を用いて
不織布を製造した。熱可塑性樹脂Aとして鞘成分に融点
が131℃、MFR(190℃、21.18N)が26
g/10minの高密度ポリエチレンを用い、熱可塑性
樹脂Bとして芯成分に融点が151℃、MFR(230
℃、21.18N)が43g/10minのエチレン・
プロピレン二元共重合体を、鞘芯比50/50(重量
比)の割合で紡糸した。これを冷却しつつ、高速気流牽
引装置で牽引し、繊度2.2dtexの熱融着性複合繊
維である鞘芯型複合長繊維を得た。次いでこれをネット
コンベアー型ウェブ捕集装置上に電気的に開繊させなが
ら吹き付けて、鞘芯型複合長繊維ウェブを成形した。こ
の鞘芯型複合長繊維ウェブをエンボス面積率が16%、
エンボス形状が菱形のエンボスロール、フラットロール
からなるエンボスロール型熱圧着機を用いて、線圧が6
0N/mm、エンボスロールおよびフラットロール温度
が130℃の条件下で点熱圧着処理を行い、該点熱圧着
部の熱融着性複合繊維同士が熱融着した不織布を得た。
この不織布の物性値と評価結果を表1に示す。表1よ
り、この不織布は、風合がよく、かつ耐毛羽立ち性に優
れていることが分かる。
【0053】実施例4 実施例1と同じスパンボンド法不織布製造装置を用いて
不織布を製造した。熱可塑性樹脂Aとして鞘成分に融点
が151℃、MFR(230℃、21.18N)が43
g/10minのエチレン・プロピレン二元共重合体を
用い、熱可塑性樹脂Bとして芯成分に融点が162℃、
MFR(230℃、21.18N)が40g/10mi
nのポリプロピレンを用いて、鞘芯比50/50(重量
比)の割合で紡糸した。これを冷却しつつ、高速気流牽
引装置で牽引し、繊度2.2dtexの熱融着性複合繊
維である鞘芯型複合長繊維を得た。次いでこれをネット
コンベアー型ウェブ捕集装置上に電気的に開繊させなが
ら吹き付けて、鞘芯型複合長繊維ウェブを成形した。こ
の鞘芯型複合長繊維ウェブをエンボス面積率が16%、
エンボス形状が菱形のエンボスロール、フラットロール
からなるエンボスロール型熱圧着機を用いて、線圧が6
0N/mm、エンボスロールおよびフラットロール温度
が148℃の条件下で点熱圧着処理を行い、該点熱圧着
部の熱融着性複合繊維同士が熱融着した不織布を得た。
この不織布の物性値と評価結果を表1に示す。表1よ
り、この不織布は、風合がよく、かつ耐毛羽立ち性に優
れていることが分かる。
【0054】実施例5 実施例1と同じスパンボンド法不織布製造装置を用いて
不織布を製造した。熱可塑性樹脂Aとして鞘成分に融点
が131℃、MFR(190℃、21.18N)が26
g/10minの高密度ポリエチレンを用い、熱可塑性
樹脂Bとして芯成分に融点が132℃、MFR(230
℃、21.18N)が42g/10minのエチレン・
プロピレン・ブテン−1三元共重合体を用いて、鞘芯比
50/50(重量比)の割合で紡糸した。これを冷却し
つつ、高速気流牽引装置で牽引し、繊度2.2dtex
の熱融着性複合繊維である鞘芯型複合長繊維を得た。次
いでこれをネットコンベアー型ウェブ捕集装置上に電気
的に開繊させながら吹き付けて、鞘芯型複合長繊維ウェ
ブを成形した。この鞘芯型複合長繊維ウェブをエンボス
面積率が16%、エンボス形状が菱形のエンボスロー
ル、フラットロールからなるエンボスロール型熱圧着機
を用いて、線圧が60N/mm、エンボスロールおよび
フラットロール温度が127℃の条件下で点熱圧着処理
を行い、該点熱圧着部の熱融着性複合繊維同士が熱融着
した不織布を得た。この不織布の物性値と評価結果を表
1に示す。表1より、この不織布は、風合がよく、かつ
耐毛羽立ち性に優れていることが分かる。
【0055】比較例1 実施例1と同じ装置および同じ熱可塑性樹脂を使用し、
点熱圧着処理の条件を除いては、同様の条件で不織布を
製造した。実施例1で得られた鞘芯型複合長繊維ウェブ
を、エンボス面積率が16%、エンボス形状が菱形のエ
ンボスロール、フラットロールからなるエンボスロール
型熱圧着機を用いて、線圧が60N/mm、エンボスロ
ールおよびフラットロール温度が108℃の条件下で点
熱圧着処理を行い、該点熱圧着部の熱融着性複合繊維同
士が熱融着した不織布を得た。この不織布の物性値と評
価結果を表2に示す。表2より、この不織布は、風合は
よいが、毛羽立ちの起こり易い不織布であることが分か
る。これは、点熱圧着の温度が鞘成分である低融点樹脂
の融点よりはるかに低いことから、鞘成分の溶融不足に
より、芯成分を被覆できず、点熱圧着部が被膜化しなか
ったためと考えられる。また、この加工温度では熱エン
ボスロールによる芯成分の扁平化は促進されなかったと
考えられる。
【0056】比較例2 実施例2と同じ装置および同じ熱可塑性樹脂を使用し、
点熱圧着処理の条件を除いては、同様の条件で不織布を
製造した。実施例2で得られた鞘芯型複合長繊維ウェブ
を、エンボス面積率が16%、エンボス形状が菱形のエ
ンボスロール、フラットロールからなるエンボスロール
型熱圧着機を用いて、線圧が120N/mm、エンボス
ロールおよびフラットロール温度が127℃の条件下で
点熱圧着処理を行い、該点熱圧着部の熱融着性複合繊維
同士が熱融着した不織布を得た。この不織布の物性値と
評価結果を表2に示す。表2より、この不織布は、風合
に欠け、また毛羽立ちの起こり易いことが分かる。これ
は、芯成分である熱可塑性樹脂B部分は扁平化している
が、点熱圧着の線圧が高すぎたため、鞘芯剥離によっ
て、点熱圧着部の表面に空孔が多数発生し、点熱圧着部
が充分に被膜化しなかったためと考えられる。
【0057】比較例3 実施例3と同じ装置および同じ熱可塑性樹脂を使用し、
点熱圧着処理の条件を除いては、同様の条件で不織布を
製造した。実施例3で得られた鞘芯型複合長繊維ウェブ
を、エンボス面積率が16%、エンボス形状が菱形のエ
ンボスロール、フラットロールからなるエンボスロール
型熱圧着機を用いて、線圧が60N/mm、エンボスロ
ールおよびフラットロール温度が142℃の条件下で点
熱圧着処理を行い、該点熱圧着部の熱融着性複合繊維同
士が熱融着した不織布を得た。この不織布の物性値と評
価結果を表2に示す。表2より、この不織布は、耐毛羽
立ち性には優れるが、風合に欠けることが分かる。ま
た、製造時に不織布がエンボスロールに巻き付き、生産
性に問題があった。これは、点熱圧着の温度が鞘成分で
ある熱可塑性樹脂Aの融点よりも高過ぎるため、溶融し
過ぎた熱可塑性樹脂Aがエンボスロールに付着したもの
と考えられる。
【0058】比較例4 不織布を得るための方法としてスパンボンド法を選択
し、この基本装置系として、孔径0.4mmの単一成分
用紡糸口金を含む紡糸装置、高速気流牽引装置、ネット
コンベアー型ウェブ捕集装置、開繊装置を使用した。ま
た、点熱圧着工程の装置として、エンボスロールと、フ
ラットロールからなる、エンボスロール型熱圧着機を使
用した。熱可塑性樹脂として融点が162℃、MFR
(230℃、21.18N)が40g/10minのポ
リプロピレンを単独で用いて紡糸した。これを冷却しつ
つ、高速気流牽引装置で牽引し、繊度2.2dtexの
ポリプロピレン長繊維を得た。次いでこれをネットコン
ベアー型ウェブ捕集装置上に電気的に開繊させながら吹
き付けて、ポリプロピレン長繊維ウェブを成形した。こ
のポリプロピレン長繊維不織ウェブをエンボス面積率が
16%、エンボス形状が菱形のエンボスロール、フラッ
トロールからなるエンボスロール型熱圧着機を用いて、
線圧が60N/mm、エンボスロールおよびフラットロ
ール温度が140℃の条件下で点熱圧着処理を行い、該
点熱圧着部のポリプロピレン繊維同士が熱融着した不織
布を得た。この不織布の物性値と評価結果を表2に示
す。表2より、この不織布は、耐毛羽立ち性には優れる
が、風合に欠けることが分かる。
【0059】比較例5 実施例1と同じスパンボンド法不織布製造装置を用いて
不織布を製造した。鞘成分に融点が131℃、MFR
(190℃、21.18N)が26g/10minの高
密度ポリエチレンを用い、芯成分に融点が254℃、固
有粘度(IV値、フェノール:テトラクロルエタン=
1:1の混溶媒中、20℃で測定)が0.72のポリエ
チレンテレフタレートを用いて、鞘芯比50/50(重
量比)の割合で紡糸した。これを冷却しつつ、高速気流
牽引装置で牽引し、繊度が2.2dtexの熱融着性複
合繊維である鞘芯型複合長繊維を得た。次いでこれをネ
ットコンベアー型ウェブ捕集装置上に電気的に開繊させ
ながら吹き付けて、鞘芯型複合長繊維ウェブを成形し
た。この鞘芯型複合長繊維ウェブをエンボス面積率が1
6%、エンボス形状が菱形のエンボスロール、フラット
ロールからなるエンボスロール型熱圧着機を用いて、線
圧が60N/mm、エンボスロールおよびフラットロー
ル温度が128℃の条件下で点熱圧着処理を行い、該点
熱圧着部の熱融着性複合繊維同士が熱融着した不織布を
得た。この不織布の点熱圧着部では高融点樹脂が扁平化
することなく、被膜化状態もよくなかった。また、不織
布の物性値と評価結果を表2に示す。表2より、この不
織布は、風合に欠け、また、耐毛羽立ち性に劣ることが
分かる。
【0060】実施例6 不織布を得るための方法としてスパンボンド法とメルト
ブロー法を選択し、この基本装置系として、スパンボン
ド法においては孔径0.4mmの鞘芯型複合紡糸口金を
含む紡糸装置、高速気流牽引装置、開繊装置、およびメ
ルトブロー法においては、孔径0.2mmの鞘芯型複合
紡糸口金を含む紡糸装置、共通装置としてネットコンベ
アー型ウェブ捕集装置を使用した。また、点熱圧着工程
の装置として、エンボスロールとフラットロールからな
るエンボスロール型熱圧着機を使用した。まずスパンボ
ンド法によって得られた熱融着性複合ウェブ上に、メル
トブロー法により得られた熱融着性複合ウェブが積層さ
れるように装置を設定した。なお、スパンボンド法、メ
ルトブロー法ともに実施例1で用いた熱可塑性樹脂A及
び熱可塑性樹脂Bを利用した。まず、スパンボンド法に
より熱融着性複合繊維である熱接着性長繊維複合ウェブ
を製造した。熱可塑性樹脂Aとして鞘成分に融点が12
2℃、MFR(190℃、21.18N)が20g/1
0minの直鎖状低密度ポリエチレンを用い、熱可塑性
樹脂Bとして芯成分に融点が132℃、MFR(230
℃、21.18N)が42g/minのエチレン・プロ
ピレン・ブテン−1三元共重合体を用いて、鞘芯比50
/50(重量比)の割合で紡糸した。これを冷却しつ
つ、高速気流牽引装置で牽引し、繊度が2.2dtex
の熱融着性複合繊維である鞘芯型複合長繊維を得た。次
いでこれをネットコンベアー型ウェブ捕集装置上に電気
的に開繊させながら吹き付けて、鞘芯型複合長繊維ウェ
ブを成形した。次いで、メルトブロー法により熱接着性
複合長繊維ウェブを作製し、上記スパンボンド法により
得られた熱接着性複合長繊維ウェブに積層させる。熱可
塑性樹脂Aとして鞘成分に融点が122℃、MFR(1
90℃、21.18N)が20g/10minの直鎖状
低密度ポリエチレンを用い、熱可塑性樹脂Bとして芯成
分に融点が132℃、MFR(230℃、21.18
N)が42g/minのエチレン・プロピレン・ブテン
−1三元重合体を用いて、鞘芯比50/50(重量比)
の割合で紡糸した。吐出孔両サイドより380℃の加熱
空気を0.8MPaの圧力で噴出させ、溶融樹脂を細繊
化し、次いでこれを前記ネットコンベアー型ウェブ捕集
装置上にあるスパンボンド法により得られた熱接着性複
合長繊維ウェブ上に吹き付けて積層させた。なお、メル
トブロー法によって得られた複合長繊維の平均繊維径は
5μmであった。また、スパンボンド不織布、メルトブ
ロー不織布の目付はそれぞれ、10.3g/m2、8.
8g/m2であった。この鞘芯型複合長繊維ウェブをエ
ンボス面積率が16%、エンボス形状が菱形のエンボス
ロール、フラットロールからなるエンボスロール型熱圧
着機を用いて、線圧が60N/mm、エンボスロールお
よびフラットロール温度が118℃の条件下で点熱圧着
処理を行い、該点熱圧着部の熱融着性複合繊維同士が熱
融着した複合化不織布を得た。この複合化不織布の物性
値と評価結果を表3に示す。表3より、この複合化不織
布は、風合がよく、かつ耐毛羽立ち性に優れていること
が分かる。
【0061】実施例7〜10 市販の紙おむつのバックシートを取り除き、実施例7で
は実施例1で得た不織布を、実施例8では実施例2で得
た不織布を、実施例9では実施例3で得た不織布を、実
施例10では実施例5で得た複合化不織布を取り付け
た。なお、実施例9ではスパンボンド不織布面が表とな
るようにセットした。これらの紙おむつと、元の紙おむ
つとを比較したところ、同等か、それ以上の地合と風
合、および耐毛羽立ち性のよさが観察された。よって、
本発明の不織布及び複合化不織布は、紙おむつ等の吸収
性物品に好適に使用することができることが分かった。
【0062】実施例11、比較例6 市販の紙おむつのサイドギャザーを取り除き、実施例1
1では実施例5で得た複合化不織布を、比較例6では比
較例1で得た不織布を取り付けた。なお、実施例11で
はスパンボンド不織布面が表となるように折り込んでサ
イドギャザーを形成した。実施例11の紙おむつのサイ
ドギャザーは、耐水度が大きく装着時に尿の漏れが見ら
れず、また、装着後は毛羽立ちが少ない良好なものであ
った。一方、比較例6の紙おむつのサイドギャザーは、
装着時に尿の漏れはなかったものの、装着後の毛羽立ち
は多く観察された。よって、本発明の複合不織布は、紙
おむつ等の吸収性物品に好適に使用することができるこ
とが分かった。
【0063】実施例12〜15 実施例12では実施例1で得た不織布を、実施例13で
は実施例2で得た不織布を、実施例14では実施例3で
得た不織布を、実施例15では実施例6で得た複合化不
織布を用いて、上記の人頭髪捕集試験及び小麦粉払拭試
験を行った。その結果を表4に示す。本発明の不織布及
び複合化不織布共に全ての人頭髪が捕集され、評価は○
であった。また、小麦粉払拭率も共に○となり、良好な
ワイピング性を示した。よって、本発明の不織布及び複
合化不織布は、ワイパーに好適に使用することができる
ことが分かった。
【0064】比較例7〜10 比較例7では比較例1で得られた不織布を、比較例8で
は比較例2で得られた不織布を、比較例9では紙を、比
較例10では木綿布を用い、上記の人頭髪捕集試験及び
小麦粉払拭試験を行った。その結果を表4に示す。すべ
てのサンプルにおいて、人頭髪捕集試験及び小麦粉払拭
試験の結果は×であった。よって、ワイパーとしては不
適であった。
【0065】本発明の不織布及び複合化不織布は、実施
例、比較例により示されるような優れた特徴を有するの
で、衛生材料、医療用材料、建築用、家庭用、被服材料
用、その他多くの用途に使用することができる。また、
他の資材例えば布帛、フィルム、金属ネット、建設資
材、土木資材、農業資材など、多くの資材と組み合わせ
て使用することも可能である。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
【表3】
【0069】
【表4】
【0070】
【発明の効果】本発明の不織布及び複合化不織布は、耐
毛羽立ち性と風合、肌触り感といった特徴を全て兼ね備
えており、種々の用途に利用可能である。また、本発明
の不織布及び複合化不織布が、スパンボンド不織布から
なる場合は、短繊維を構成繊維とする不織布と比べて、
不織布強力が高く且つ生産性に優れるため、その価格を
安価にすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】貫通孔のない点熱圧着部の表面図。
【図2】貫通孔を有する点熱圧着部表面の表面図。
【符号の説明】 1:点圧着部 2:貫通孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D04H 3/00 D04H 3/00 K 3/16 3/16 // A61F 13/49 A41B 13/02 A 13/15 (72)発明者 福田 重則 滋賀県守山市川田町230 チッソポリプロ 繊維株式会社繊維開発研究所内 Fターム(参考) 3B029 BA18 3B074 AA08 AB01 4C081 AA02 AA12 BB08 BB09 CA021 CB011 CC01 DA05 DC01 4C098 AA09 CC07 DD10 DD11 DD25 4L047 AA14 AA27 AA28 AB03 AB09 BA09 BB09 CA04 CA05 CA06 CA19 CB01 CC03 CC04 CC05 CC16 EA05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂Aと、熱可塑性樹脂Aと融
    点が同じか、または熱可塑性樹脂Aより50℃を越えな
    い範囲で高い融点を有する熱可塑性樹脂Bとからなり、
    かつ熱可塑性樹脂Aが繊維表面の少なくとも一部を繊維
    長方向に連続して形成している熱融着性複合繊維を点熱
    圧着して得られる不織布であって、該不織布の点熱圧着
    部は、熱融着性複合繊維の熱可塑性樹脂B部分が扁平化
    した断面構造をしており、熱融着性複合繊維の熱可塑性
    樹脂A部分が、熱融着性複合繊維同士を融着し、かつ扁
    平化した熱可塑性樹脂B部分を覆う被膜を形成してお
    り、該被膜は0〜20%の表面空孔率を有する構造をし
    ていることを特徴とする不織布。
  2. 【請求項2】 熱融着性複合繊維が、熱可塑性樹脂Aを
    鞘成分とし、熱可塑性樹脂Bを芯成分とする鞘芯型複合
    繊維であることを特徴とする請求項1記載の不織布。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂Aが、低密度ポリエチレ
    ン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、
    プロピレンとプロピレン以外のαオレフィンとの二元共
    重合体、及びプロピレンとプロピレン以外のαオレフィ
    ンとの三元共重合体から選ばれた少なくとも1種のオレ
    フィン系結晶性樹脂である請求項1または請求項2記載
    の不織布。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂Bが、プロピレンとプロピ
    レン以外のαオレフィンとの二元共重合体、プロピレン
    とプロピレン以外のαオレフィンとの三元共重合体、及
    びポリプロピレンから選ばれた少なくとも1種のプロピ
    レン系結晶性樹脂である請求項1または請求項2記載の
    不織布。
  5. 【請求項5】 不織布がスパンボンド法により得られた
    長繊維不織布である請求項1〜4のいずれか1項記載の
    不織布。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項記載の不織
    布と、前記不織布以外の不織布、フィルム、パルプシー
    ト、編物、及び織物から選ばれた少なくとも1種の物品
    を積層した複合化不織布。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれか1項記載の不織
    布、もしくは請求項6記載の複合化不織布を用いた吸収
    性物品。
  8. 【請求項8】 請求項1〜5のいずれか1項記載の不織
    布、もしくは請求項6記載の複合化不織布を用いたワイ
    パー。
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