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JP2002173862A - 複合化不織布及びこれを用いた繊維製品 - Google Patents

複合化不織布及びこれを用いた繊維製品

Info

Publication number
JP2002173862A
JP2002173862A JP2000374494A JP2000374494A JP2002173862A JP 2002173862 A JP2002173862 A JP 2002173862A JP 2000374494 A JP2000374494 A JP 2000374494A JP 2000374494 A JP2000374494 A JP 2000374494A JP 2002173862 A JP2002173862 A JP 2002173862A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nonwoven fabric
composite
fiber aggregate
thermoplastic resin
nonwoven
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000374494A
Other languages
English (en)
Inventor
Isao Itakura
勲 板倉
Mitsuru Kojima
満 小島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JNC Corp
JNC Fibers Corp
Original Assignee
Chisso Polypro Fiber Co Ltd
Chisso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chisso Polypro Fiber Co Ltd, Chisso Corp filed Critical Chisso Polypro Fiber Co Ltd
Priority to JP2000374494A priority Critical patent/JP2002173862A/ja
Publication of JP2002173862A publication Critical patent/JP2002173862A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】不織布の風合いと不織布積層間の接着強力及び
耐毛羽立ち性を有する複合化不織布およびこれを用いた
繊維製品を提供すること。 【解決手段】熱可塑性樹脂(A)からなる不織繊維集合
体(I)を基層とし、その少なくとも片面に、該熱可塑
性樹脂(A)よりも融点が2〜17℃高く、且つ該熱可
塑性樹脂(A)と同種の熱可塑性樹脂(A’)からなる
不織繊維集合体(II)が積層され、不織繊維集合体
(I)と不織繊維集合体(II)とが熱接合されているこ
とを特徴とする複合化不織布。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非常にソフトな風
合いを有し、更に不織繊維集合体層間が剥離せず、耐毛
羽立ち性を兼備した複合化不織布及びこれを用いた繊維
製品に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性繊維を原料とし、熱圧着加工に
より得られた不織布は、生産性が良好でコスト的に優れ
ており、また、柔らかな風合いと高い不織布特性(高不
織布強力)が好まれ、衛材用途に用いられている。しか
しながら、最近の傾向として衛材の表面材には、より柔
らかい風合い(触感)が要求されている。また、紙おむ
つのトップシートやバックシートに不織布を使用した場
合に問題となる不織布の耐毛羽立ち性に関しても、不織
布強力及び風合いと共に重要な不織布製品の品質項目で
あることから、これらを向上させることが要求されてい
る。
【0003】耐毛羽立ち性、不織布強力、及び風合いを
すべて満足する不織布は、単層の不織布では得られにく
いことから、複数種の不織布を積層した複合化不織布に
よる前記品質項目の向上が検討されている。例えば、特
開平5−33257号公報には、ポリエチレンテレフタ
レートを芯成分とし、高密度ポリエチレンを鞘成分とす
る鞘芯型複合長繊維で構成された2枚の不織布層の間に
ポリエチレンテレフタレート長繊維で構成された不織布
層が存在している3層構造を持ち、不織布全体が部分的
に熱圧着されている複合化不織布が提案されている。
【0004】この方法では、中層のポリエチレンテレフ
タレート長繊維が上下層の繊維よりもおよそ100〜1
30℃以上も高い融点の熱可塑性樹脂からなるため、部
分的に熱圧着されても中層は繊維同士の接着が少なく、
長繊維の自由度が比較的高い状態となる。このとき中層
の繊維が接着していないために、不織布の柔軟性は向上
するものの、不織布強力は不十分となる。そのため、十
分な不織布強力を得るためには、上下層の繊維をより高
温に処理しなければならず、このような条件で処理する
ことで、樹脂成分の熱圧着ロールへの融着が起こる等の
問題が生じていた。更に、異種の樹脂同士の熱接着であ
るため相溶性が悪く、その結果、積層間の接着が不十分
となることから、不織布を擦り合わせた際、積層間の剥
離が起こり、耐毛羽立ち性に問題が残っていた。
【0005】この欠点を補うため、特開平8−4176
8号公報には、長繊維群Aのみからなる部分と、長繊維
群Aよりも20℃以上融点の高い重合体成分からなる長
繊維群Bのみからなる層間に、長繊維群Aと長繊維群B
とが互いに交絡して混在した部分を持ち、これらを熱圧
着加工した複合化不織布が提案されている。
【0006】この方法では、長繊維群Aと長繊維群Bの
みからなる層間には、長繊維群Aおよび長繊維群Bの繊
維が混在しているため、これにより長繊維群Aおよび長
繊維群Bとの積層間の剥離を抑制する効果が得られる。
しかし、この方法では長繊維群Aおよび長繊維群Bの融
点が20℃以上異なるため、加工温度を高融点側若しく
は高融点側と低融点側の各々別の加工温度に設定する必
要がある。しかし、高融点側に加工温度を合わせた場
合、低融点側に掛かる熱量が過剰となり、長繊維群を構
成する熱可塑性樹脂が、加工装置に融着する問題が生じ
ていた。次に高融点側と低融点側の各々別の加工温度に
設定した場合、中層である混在した部分に掛かる熱量が
不足気味となり、積層間の剥離が起こる問題が生じてい
た。また、中層は融点差の異なる長繊維群Aおよび長繊
維群Bが混在している構成のため、自己の接着および積
層間の接着に十分な融着部分が少なく、その結果、繊維
の自由度が高くなり、不織布強力や耐毛羽立ち性に問題
があった。
【0007】更に、特許第3043099号公報には、
繊維表面に露出した重合体成分a1を有する複合長繊維
Aのみから構成される層1と、繊維表面に露出した重合
体成分b1を有し、且つb1が該重合体成分a1の融点
よりも20℃以上高い複合長繊維Bのみから構成される
層4があり、該層1と該層4との間にある層2,層3
が、複合長繊維群Aと複合長繊維群Bの単位体積あたり
の繊維重量比を連続的に変化した層(以下、混繊部分と
いう)である複合化不織布が開示されている。この方法
では、混繊させた部分の地合が不均一であり、混繊部分
の複合長繊維Aと複合長繊維Bの割合が偏るといった混
繊ムラのため、層間の接着性が悪くなる。その結果、積
層間の剥離が問題となっていた。また、この方法でも複
合長繊維Aのみで構成されている層1と複合長繊維Bの
みで構成されている層4の融点が20℃以上異なるた
め、高融点側に加工温度を合わせた場合、低融点側に掛
かる過剰な熱量によって加工装置に融着が生じていた。
また、前記a1と前記b1が異種の樹脂である場合、異
種同士の熱接着のため相溶性が悪く、その結果、積層間
の接着が不足し、不織布の擦り合わせた際に積層間の剥
離が起こり、耐毛羽立ち性に問題が残っていた。更に高
融点側と低融点側を各々別の加工温度に設定した場合、
中層である層2〜層3に掛かる熱量が不足気味となり、
積層間の剥離が生じていた。
【0008】耐毛羽立ち性の向上に最も効果が大きいの
は不織布表面の接着面積率を大きくすることであるが、
接着面積率を大きくすると不織布の風合いが損なわれて
しまう。また、加工温度を高くすると熱圧着ロールへの
融着や巻き付きが起こるばかりでなく、圧着ポイントの
エッジ部分で繊維が受けるダメージが大きくなり、繊維
が切断しやすく耐毛羽立ちが悪化する。更に、異種の樹
脂で構成された積層間は一般的に相溶性が悪いため、比
較的高い加工温度であっても接着性が悪くなり耐毛羽立
ち性に劣る。一方、加工温度を低く抑える接着方法は、
不織布内部の熱接着が不十分となるために不織布強力不
足や層間剥離の原因となる。つまり不織布の風合いを重
視すると耐毛羽立ち性の悪化や層間剥離といった問題が
生じる。逆に、耐毛羽立ち性を重視すると不織布の風合
いおよび熱圧着ロールへの融着や巻き付きによる操業性
の悪化といった問題が生じていた。このように不織布の
風合いと不織布積層間の接着強力及び耐毛羽立ち性を兼
備させる様々な不織布の製造方法が提案されているが、
十分に満足する性能の不織布は得られていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、不織
布の風合いと不織布積層間の接着強力及び耐毛羽立ち性
を有する複合化不織布およびこれを用いた繊維製品を提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、以下の
構成を採用することにより所期の目的が達成される見通
しを得て、この知見に基づいて、本発明を完成するに至
った。 (1)熱可塑性樹脂(A)からなる不織繊維集合体
(I)を基層とし、その少なくとも片面に、該熱可塑性
樹脂(A)よりも融点が2〜17℃高く、且つ該熱可塑
性樹脂(A)と同種の熱可塑性樹脂(A’)からなる不
織繊維集合体(II)が積層され、不織繊維集合体(I)
と不織繊維集合体(II)とが熱接合されていることを特
徴とする複合化不織布。 (2)熱可塑性樹脂(A)、及び熱可塑性樹脂(A’)
が、それぞれ独立して、低密度ポリエチレン,直鎖状低
密度ポリエチレン,高密度ポリエチレン,ポリプロピレ
ン,プロピレン系二元共重合体,またはプロピレン系三
元共重合体であるオレフィン系樹脂、ポリエステル、共
重合ポリエステル、ナイロン、及び共重合ナイロンから
なる群から選ばれた少なくとも1種である前記(1)項
記載の複合化不織布。 (3)不織繊維集合体(I)及び不織繊維集合体(II)
が、長繊維からなることを特徴とする前記(1)項また
は前記(2)項記載の複合化不織布。 (4)前記(1)〜(3)のいずれか1項記載の複合化
不織布に、該複合化不織布以外の他の不織布、フィル
ム、パルプシート、編物、及び織物から選ばれた少なく
とも1種を更に積層した積層複合化不織布。 (5)前記(1)〜(3)のいずれか1項記載の複合化
不織布、または、前記(4)記載の積層複合化不織布を
用いた吸収性物品。 (6)前記(1)〜(3)のいずれか1項記載の複合化
不織布、または、前記(4)記載の積層複合化不織布を
用いたワイパー。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の複合化不織布は、熱可塑性樹脂(A)からなる
不織繊維集合体(I)を基層とし、その少なくとも片面
に、該熱可塑性樹脂(A)よりも融点が2〜17℃高
く、且つ該熱可塑性樹脂(A)と同種の熱可塑性樹脂
(A’)からなる不織繊維集合体(II)が積層され、不
織繊維集合体(I)と不織繊維集合体(II)とが熱接合
されている。不織繊維集合体(I)を構成する熱可塑性
樹脂(A)と不織繊維集合体(II)を構成する熱可塑性
樹脂(A')は同種の樹脂であるため、これらの積層体
は、熱溶融時の溶融物の相溶性に優れ、良好な熱接着性
を有する。従って、不織繊維集合体(I)が不織繊維集
合体(II)と十分に接着するため、十分な不織布強力が
得られ、同時に繊維の自由度も抑制されることから、両
不織繊維集合体積層間の剥離防止にもなり、且つ熱によ
る過剰なダメージを受けていないので、不織布の風合い
は良好となる。
【0012】本発明における不織繊維集合体(I)の熱
可塑性樹脂(A)と不織繊維集合体(II)の熱可塑性樹
脂(A')との組合せは、熱可塑性樹脂(A)と比較し
て熱可塑性樹脂(A’)が高融点であり、その融点差が
2〜17℃で、且つ同種の樹脂であれば特に制限はな
い。ここでいう同種とは、単独重合体と単独重合体を構
成するモノマーを主成分とする各種共重合体、ある種の
モノマーを主成分とする各種共重合体と同モノマーを主
成分とする別のコモノマーとの各種共重合体、または、
ある種のモノマーを主成分とする各種共重合体と同モノ
マーを主成分とし、コモノマーとの組成比が異なる各種
重合体、同一モノマーから重合した分岐度の異なる重合
体、エステル結合或いはアミド結合間の結合様式が異な
る重合体等のことである。熱可塑性樹脂(A)/熱可塑
性樹脂(A')の組合せの具体例としては、高密度ポリ
エチレン/低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチ
レン/高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン
/低密度ポリエチレン、(プロピレンと、エチレンまた
はプロピレンを除く他のαオレフィンとの二元共重合体
または三元共重合体)/(プロピレンと、エチレンまた
はプロピレンを除く他のαオレフィンとの二元共重合体
または三元共重合体)、ポリプロピレン/(プロピレン
と、エチレンまたはプロピレンを除く他のαオレフィン
との二元共重合体または三元共重合体)、ポリエチレン
テレフタレート/ポリエチレンテレフタレートの共重合
体、ポリエチレンテレフタレート/ポリブチレンテレフ
タレート、6,6ナイロン/6,6ナイロンの共重合
体、6,6ナイロン/6ナイロン、6,6ナイロン/
6、10ナイロン等の2〜17℃の融点差を有する同種
成分系樹脂の組合せが例示できる。これらの中では、2
〜17℃の融点差を有するプロピレン系樹脂とプロピレ
ン系樹脂との組み合わせ、ポリエステル系樹脂とポリエ
ステル系樹脂との組み合わせ、ポリアミド系樹脂とポリ
アミド系樹脂との組合せがより好ましく用いられる。
【0013】本発明の1例として前記した熱可塑性樹脂
(A)および熱可塑性樹脂(A')に用いられるポリエ
チレンとしては、通常工業的に利用されているポリエチ
レンが好ましく用いられ、例えば、それぞれ独立して、
密度が0.910〜0.925g/cm3の低密度ポリ
エチレン、密度が0.926〜0.940g/cm3
直鎖状低密度ポリエチレン、密度が0.941〜0.9
80g/cm3の高密度ポリエチレンを挙げることがで
きる。特にメルトフローレート(MI:JISK721
0 表1中の条件4に準拠して測定した値)が2〜10
0g/10分の範囲のポリエチレンが好ましい。
【0014】更に本発明において熱可塑性樹脂(A)お
よび熱可塑性樹脂(A')としては、それぞれ独立し
て、プロピレン単独重合体、プロピレン系二元ランダム
共重合体、プロピレン系三元ランダム共重合体も好まし
く用いられ、それらは特に、メルトフローレート(MF
R:JIS K7210 表1中の条件14に準拠して
測定した値)が2〜150g/10分、融点が120〜
165℃であることが好ましい。
【0015】本発明において熱可塑性樹脂(A)および
熱可塑性樹脂(A')に用いられる前記プロピレン系二
元ランダム共重合体およびプロピレン系三元ランダム共
重合体としては、それぞれ独立して、プロピレンを主成
分とし、それと少量のエチレン、または少量の1−ブテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン、若しくは4、4'−
ジメチル1−ぺンテン等のαオレフィンとの結晶性ラン
ダム共重合体が好ましく、特に、MFRが2〜150g
/10分、融点が120〜158℃の範囲のプロピレン
系二元ランダム共重合体およびプロピレン系三元ランダ
ム共重合体が好適に用いられる。具体例としては、プロ
ピレン単位を99.7〜97.0mol%とエチレン単
位を0.3〜3.0mol%含むプロピレンを主体とす
るプロピレン/エチレンの二元ランダム共重合体、ある
いはプロピレン単位を90.4〜95.0mol%,エ
チレン単位を3.0〜5.0mol%,1−ブテン単位
を2.0〜4.6mol%含むプロピレン/エチレン/
1−ブテンの三元ランダム共重合体が挙げられる。
【0016】本発明において熱可塑性樹脂(A')の融
点が、熱可塑性樹脂(A)の融点よりも2〜17℃高い
ことが必要であるが、より好ましくは5℃〜17℃の範
囲であり、さらに好ましくは8℃〜15℃の範囲であ
る。この融点差が17℃を大きく超えると熱可塑性樹脂
(A)及び熱可塑性樹脂(A')の相溶性に難を有し、
耐毛羽立ち性に問題が生じる恐れがある。一方、2℃を
下回ると単層の不織布の融点に類似するので、熱圧着ロ
ール温度を高温にして加工すれば十分に熱接着されるの
で、耐毛羽立ち性や不織布強力は満足できるが、その過
剰な熱量によって非常に固い不織布となり風合いを満足
させることができない。
【0017】本発明で用いられる熱可塑性樹脂(A)、
熱可塑性樹脂(A’)だけでなく、これら以外に用いら
れる他の熱可塑性樹脂には、本発明の効果を妨げない範
囲内でさらに酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中
和剤、造核剤、エポキシ安定剤、滑剤、抗菌剤、難燃
剤、帯電防止剤、顔料、可塑剤、親水剤等を必要に応じ
て適宜添加しても良い。また本発明の不織布には必要に
応じ、界面活性剤等の付着処理を行っても良い。
【0018】本発明の複合化不織布に用いられる不織繊
維集合体(I)の繊維構成は熱可塑性樹脂(A)の単一
繊維でもよく、繊維表面上の一部または全部露出した該
熱可塑性樹脂(A)と少なくとも1種の他の熱可塑性樹
脂とからなる複合繊維でも良い。複合繊維の断面形状の
具体例としては、同心鞘芯型、並列型、偏心鞘芯型、多
芯型(海島型)、分割型、異形型などが例示できる。前
記断面形状において、繊維表面上に芯成分の熱可塑性樹
脂が露出しない同心鞘芯型、偏心鞘芯型等の複合断面形
状の場合、芯成分に用いられる熱可塑性樹脂は、熱可塑
性樹脂(A)よりも10℃以上高い融点を有することが
望ましく、更に熱可塑性樹脂(A)よりも15℃以上高
い融点を有することがより望ましい。また、上記断面形
状において、並列型、分割型等の複合断面形状の場合、
他の熱可塑性樹脂は、繊維表面に露出する場合もあるこ
とから、他の熱可塑性樹脂は、熱可塑性樹脂(A)より
も融点が2℃以上高く、且つ該熱可塑性樹脂(A)と同
種であることが好ましい。
【0019】本発明の複合化不織布に用いられる不織繊
維集合体(II)の繊維構成は熱可塑性樹脂(A')の単
一繊維でもよく、繊維表面上の一部または全部露出した
該熱可塑性樹脂(A')と少なくとも1種の他の熱可塑
性樹脂とからなる複合繊維でも良い。複合繊維の断面形
状の具体例としては、同心鞘芯型、並列型、偏心鞘芯
型、多芯型(海島型)、分割型、異形型などが例示でき
る。前記断面形状において、繊維表面上に芯成分の熱可
塑性樹脂が露出しない同心鞘芯型、偏心鞘芯型等の複合
断面形状の場合、芯成分に用いられる熱可塑性樹脂は熱
可塑性樹脂(A')よりも10℃以上高い融点を有する
ことが望ましく、更に熱可塑性樹脂(A')よりも15
℃以上高い融点を有することがより望ましい。また、上
記断面形状において、並列型、分割型等の複合断面形状
の場合、他の熱可塑性樹脂は、繊維表面に露出する場合
もあることから、熱可塑性樹脂(A')よりも融点が2
℃以上高く、且つ該熱可塑性樹脂(A')と同種である
ことが好ましい。
【0020】不織繊維集合体(I)と不織繊維集合体
(II)を一体化する方法としては熱風加熱加工方式と熱
圧着加工方式のいずれもが可能であるが、エンボス装置
に代表される熱圧着加工方式がより好ましく用いられ
る。熱圧着加工は、熱と圧による加工方法であるため、
熱風による加工方法である熱風加熱加工と比べ、溶着す
る熱可塑性樹脂(低融点樹脂)の融点より低い温度で接
着加工でき、生産性がよいことから、コスト面で非常に
優れている。
【0021】熱圧着加工(エンボスロール加工)を用い
て不織繊維集合体を一体化する場合には、耐毛羽立ち性
はエンボス面積率(凸部)と加工温度による依存度が大
きい。そこで、本発明の複合化不織布は、不織布全体が
同種の樹脂成分であり、また、相溶性に優れるため、不
織布表面にダメージを与えない加工温度において、その
内部全体が十分に接着性に寄与して繊維の自由度を制御
する。このため、従来の不織布に比較して、本発明の複
合化不織布は、同じエンボス面積率の場合、風合いおよ
び耐毛羽立ち性に優れ、十分な不織布強力も得られる。
また溶融樹脂によるロール捲き付きを抑制することがで
き、安定生産(操業性)が行える。従来の不織布加工で
は接着面積率を下げた場合は不織布表面の繊維自由度が
増し、一方、加工温度を下げた場合は不織布内部の繊維
自由度が増すため、双方とも耐毛羽立ち性が低下する傾
向であった。
【0022】本発明の複合化不織布に用いられる不織繊
維集合体(I)及び不織繊維集合体(II)を構成する繊
維には特に制限はなく、それぞれ単一繊維または複合繊
維、若しくは何れかが単一繊維或いは複合繊維の組合せ
でも良く、種々の短繊維あるいは長繊維を用いることも
できる。例えば、繊維として複合繊維からなる短繊維を
用いる場合、その製造方法としては、同心鞘芯型、偏心
鞘芯型等の複合繊維断面となる紡糸口金プレートを用
い、公知の複合紡糸法により紡糸を行い、得られた未延
伸糸を延伸機により延伸後、さらに得られた延伸糸をク
リンパーにより捲縮を付与し、カッターにより所望のカ
ット長に切断し、短繊維とする製造方法が例示できる。
なお、中でも複合断面形状としては、寸法安定性に優れ
る同心鞘芯型が好ましい。また、延伸後に捲縮を付与せ
ずに、ストレートカットし、チョップとすることもでき
る。また、紡糸機より溶融紡出されたポリマー流を高温
の高圧空気流により牽引、細化し、移動する捕集面上に
捕集、堆積させてウェブとする、公知のメルトブロー方
式による製造方法も例示できる。なお、メルトブロー方
式で得られた繊維も、短繊維の代表として挙げられる。
一方、繊維として複合繊維からなる長繊維を用いる場
合、その製造方法としては、同心鞘芯型、偏心鞘芯型等
の複合繊維断面となる紡糸口金プレートを用い、公知の
スパンボンド法により製造する方法が例示できる。な
お、スパンボンド法により長繊維を製造することで、短
繊維の製造と比べ、繊維からウェブまでの製造工程を簡
略化できることから、安価に製品が製造でき、さらに得
られた不織布の風合いも良好であることから、本発明に
おいて長繊維を用いることは好ましい。
【0023】本発明の複合化不織布を構成する繊維の繊
度や目付は、特に限定されるものではないが風合いや柔
軟性の点で、それぞれ0.01〜11dtex、5〜4
0g/m2のものが好ましく、より好ましくは0.03
〜7dtex、8〜30g/m2である。目付が5g/
2を大幅に下回ると十分な不織布強力が得られず、逆
に40g/m2を大幅に上回ると十分な不織布強力は得
られるものの、肌触りが悪くなる。また、鞘芯型複合繊
維を用いる場合の複合重量比(鞘成分の重量%/芯成分
の重量%)は、20/80〜70/30の範囲が好まし
く、より好ましくは40/60〜60/40である。鞘
成分が20重量%を下回ると得られる繊維の熱接着性が
不十分となり、逆に鞘成分が70%を超すと、熱処理時
に複合繊維に収縮が起こり、得られる布帛の寸法安定性
が低下する傾向がある。
【0024】不織繊維集合体(I)と不織繊維集合体
(II)との目付比{不織繊維集合体(I)の目付/不織
繊維集合体(II)の目付}は同一比に限定されず、任意
に選択できるが、これが、得られる積層不織布の物性に
大きく関連していることから、該目付比が、0.2〜5
となることが好ましい。特に好ましくは0.3〜4であ
る。この目付比が5を大きく超えると熱処理した際、不
織布の接着性が低下し、積層間の剥離や耐毛羽立ち性に
難がある。また0.2未満では耐毛羽立ち性は向上する
ものの、不織布の風合いが損なわれる恐れがある。
【0025】本発明で用いる不織繊維集合体(I)及び
不織繊維集合体(II)を熱圧着加工で一体化する場合、
特にその製造装置に制限はないが、通常は一対のエンボ
スロールとフラットロールとからなる熱圧着装置が使用
される。このとき、圧着温度は不織布を構成する樹脂の
融点によって決まるが、不織繊維集合体(I)と不織繊
維集合体(II)とに融点差が十分にあれば、積層間の剥
離を防ぐために、両者のうち高融点側のロール温度を高
く設定しておくことが望ましい。また、エンボス面積率
は不織布総面積に対し、5〜30%の範囲が好ましく、
より好ましくは9〜22%である。融着区域の面積が5
%未満では不織布積層間の層間剥離が懸念され、30%
を越えると風合いを損なう恐れがある。
【0026】本発明の複合化不織布において、その効果
を妨げない範囲で、他の不織布、フィルム、パルプシー
ト、編物、織物等を積層させ、積層複合化不織布とする
ことができる。また、他の不織布、フィルム、パルプシ
ート、編物、織物等を積層させる場合、それぞれを単独
で本発明の複合化不織布と積層させても良く、また、複
数組み合わせて積層させても良い。その素材には制約が
無く、種々のものが利用できるが、基層となる不織布と
接着可能な素材を含むことが好ましく、さらに接着可能
な素材であることがより好ましい。
【0027】本発明の複合化不織布及び積層複合化不織
布は、吸収性物品の材料として利用することが可能であ
る。特に乳幼児用や大人用の使い捨てオムツ、ナプキ
ン、吸汗パット、皮脂除去用シート材、お手拭き等の衛
生材料として、好ましく利用できる。さらに、本発明の
複合化不織布及び積層複合化不織布はワイパーとしても
好ましく利用できる。一例を挙げると、家庭用使い捨て
雑巾、窓拭き、床拭き材、畳拭き材等がある。この他、
飛行機や旅客車両の使い捨てシートカバー、便座カバ
ー、衣服の保温剤、型どり基材等としても使用できる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例によって詳
細に説明するが、本発明はこれらによってなんら限定さ
れるものではない。なお実施例、比較例における物性の
測定方法と官能評価は以下の通りである。
【0029】(1)熱可塑性樹脂の融点(MP 単位:
℃) JIS K 7122に準拠して測定。
【0030】(2)メルトフローレート(単位:g/1
0分) JIS K 7210の表1の条件に準じて各熱可塑性
樹脂を測定。プロピレン系重合体のメルトフローレート
はMFRと略する場合がある。また、エチレン系重合体
のメルトフローレートはMIと略する場合がある。
【0031】(3)不織布風合い 10人のパネラーによる官能試験を行い、8名以上がソ
フトであると判断した場合を優、6〜7名がソフトであ
ると判断した場合を良、5名以上がソフト感に欠けると
判断した場合を不可と評価し、優を○、良を△、不可を
×で示した。
【0032】(4)不織布強力(MD方向) 不織布の機械の流れ方向をMD方向とし、機械の流れ方
向に直角な方向をCD方向とし、試験片を不織布から次
のサイズで切り出した。不織布からMD方向15cm×
CD方向2.5cmの短冊形状に5枚切り出し、不織布
強力測定用のサンプルとした。この試験片を島津製作所
(株)製オートグラフ AGS500Dを用いて、つか
み間隔10cm、引張速度10cm/分の条件で強力を
測定し、最大強力(N/2.5cm)を求めた。測定
は、1枚につき一回行い、計5回の測定を実施し、その
平均値を算出した。平均値を、そのサンプルの不織布強
力の値とした。
【0033】(5)耐毛羽立ち性評価 以下に、得られた不織布の耐毛羽立ち性(毛羽の立ち難
さ)を評価するための方法を記載する。なお、評価方法
はJIS L 0849−1974に準ずる。 試験片としては、評価対象の不織布をMD方向4cm
×CD方向20cmの大きさに切断し、これを4枚用意
する。さらに評価対象の不織布をMD方向20cm×C
D方向4cmの大きさに切断し、これを4枚用意する。 不織布サンプルの長手方向中央部に、幅3.5cm×
長さ20cmの両面テープを貼り付ける。この際、MD
・CD各々、エンボスロール処理面側とフラットロール
処理面側の不織布サンプルを2枚作製する。 摩擦試験機(スガ試験機社製)の試料台に不織布サン
プルを貼り付け、摩擦子にカナキン3号布(4cm×5
cm)を装着する。 摩擦子を不織布サンプルの上に置き、往復150回の
摩擦試験を行う。このときの不織布表面の擦れ具合(毛
玉の発生や毛羽立ち具合)を、下記判定基準(官能指
標)に基づいて官能的に評価する。 判定基準(官能指標) ◎:毛羽立ち・毛玉ともに観察されない。 ○:毛羽立ちが若干観察される。 △:毛羽立ちが多く・毛玉が観察される。 ×:毛羽立ち多く・複数の毛玉が観察される。
【0034】実施例1 不織繊維集合体(I)については、融点が147℃、M
FRが38g/10分であり、エチレン単位を3.1m
ol%,プロピレン単位を96.9mol%を含むプロ
ピレン系二元ランダム共重合体を熱可塑性樹脂(A)と
して鞘成分に用い、融点が160℃、MFRが36g/
10分である結晶性ポリプロピレンを芯成分に用いて、
公知のスパンボンド法により紡糸を行い、不織繊維集合
体(I)を製造した。具体的な製造法としては、両者を
別々のホッパーから紡糸機に投入し、熱溶融させ、鞘芯
型の複合紡糸口金から複合長繊維群として吐出させた。
次に、これをエアーサッカーに通し排出させることで、
前記長繊維を牽引延伸し、2.3dtexの複合長繊維
とした。さらに排出された前記長繊維群を帯電装置で帯
電させた後、反射板に衝突させることで開繊させ、裏面
に吸引装置を設けた無端ネット状コンベヤー上に捕集
し、複合長繊維ウェブを得た。このウェブを不織繊維集
合体(I)として用いた。同様に熱可塑性樹脂(A')
として、融点が160℃、MFRが36g/10分であ
る結晶性ポリプロピレンを用いて、スパンボンド法によ
り紡糸を行い、2.0dtexの単一長繊維からなるウ
ェブを得た。このウェブを不織繊維集合体(II)として
用いた。不織繊維集合体(I)を基層にし、不織繊維集
合体(II)を上下層に位置するように堆積させ、線圧6
0N/mm、圧着面積率15%、熱処理温度エンボスロ
ール/フラットロール=145/145℃のエンボス熱
圧着装置により熱圧着処理し、複合化不織布を得た。得
られた複合化不織布は表1に見られるように、風合い、
不織布強力、耐毛羽立ち性共に優れていた。
【0035】実施例2 不織繊維集合体(I)については、融点が240℃、固
有粘度が0.65であるポリブチレンテレフタレートを
熱可塑性樹脂(A)として鞘成分に用い、融点が255
℃、固有粘度が0.63であるポリエチレンテレフタレ
ートを芯成分に用いて、公知の溶融紡糸法により紡糸を
行うことで製造した。まず、両者を別々のホッパーから
紡糸機に投入し、熱溶融させ、鞘芯型の複合紡糸口金か
ら複合繊維群として吐出させ、単糸繊度6.0dtex
の未延伸糸とした。続いてこの未延伸糸を熱ロールにて
2.4倍に延伸し、機械捲縮を付与し、さらに切断処理
をして2.5dtex×38mmの複合繊維とした。得
られた複合繊維をローラーカード機にてカーディングを
行ってウェブとした。これを不織繊維集合体(I)とし
て用いた。同様に、不織繊維集合体(II)については、
融点が255℃、固有粘度が0.63であるポリエチレ
ンテレフタレートを熱可塑性樹脂(A')として用い
て、公知の溶融紡糸法により紡糸を行ない、不織繊維集
合体(II)を製造した。まず、このポリエチレンテレフ
タレートを紡糸機に投入し、熱溶融させ、紡糸口金から
単一繊維群として吐出させ、単糸繊度6.0dtexの
未延伸糸とした。続いて、この未延伸糸を熱ロールにて
2.4倍に延伸し、機械捲縮を付与し、さらに切断処理
をして2.5dtex×38mmの単一繊維とした。得
られた単一繊維をローラーカード機にてカーディングを
行いウェブをとした。これを不織繊維集合体(II)とし
て用いた。不織繊維集合体(I)を基層に、不織繊維集
合体(II)をその片面(上層)に位置するように堆積さ
せ、線圧60N/mm、圧着面積率15%、熱処理温度
エンボスロール/フラットロール=225/210℃の
エンボス熱圧着装置により熱圧着処理し、不織布を得
た。得られた複合化不織布は表1に見られるように、風
合い、不織布強力、耐毛羽立ち性共に優れていた。
【0036】実施例3 不織繊維集合体(I)については、実施例1と同様な熱
可塑性樹脂(A)と熱他の可塑性樹脂を用いて、公知の
メルトブロー法により紡糸を行なうことにより製造し
た。まず、両者を別々のホッパーから紡糸機に投入し、
熱溶融させ、鞘芯型の複合紡糸口金から複合繊維群とし
て吐出させた。次に、これを高圧熱風によりブローする
ことで細繊化させ、無端ネット状コンベヤー上に複合短
繊維ウェブとして捕集した。これを不織繊維集合体
(I)として用いた。前記不織繊維集合体(I)を基層
とし、その上下層に実施例1で採取した不織繊維集合体
(II)が位置するように堆積させ、線圧60N/mm、
圧着面積率15%、熱処理温度エンボスロール/フラッ
トロール=145/145℃のエンボス熱圧着装置によ
り熱圧着処理し、複合化不織布を得た。得られた複合化
不織布は表1に見られるように、風合い、不織布強力、
耐毛羽立ち性共に非常に優れていた。
【0037】実施例4 不織繊維集合体(I)については、融点が125℃、M
Iが20g/10分である直鎖状低密度ポリエチレンを
熱可塑性樹脂(A)として鞘成分に用い、融点が161
℃、MFRが40g/10分である結晶性ポリプロピレ
ンを芯成分に用いて、公知のスパンボンド法により紡糸
を行うことで製造した。まず、両者を別々のホッパーか
ら紡糸機に投入し、熱溶融させ、鞘芯型の複合紡糸口金
から複合繊維群として吐出させた。次に、これをエアー
サッカーに通し、排出させることで、牽引延伸し、2.
0dtexの鞘芯型複合長繊維とした。さらに排出され
た前記長繊維群を帯電装置で帯電させた後、反射板に衝
突させることで開繊させ、裏面に吸引装置を設けた無端
ネット状コンベヤー上に捕集し、複合長繊維ウェブを得
た。これを不織繊維集合体(I)として用いた。更に、
融点が131℃、MIが35g/10分である高密度ポ
リエチレンを熱可塑性樹脂(A')として鞘成分に用
い、融点が161℃、MFRが40g/10分である結
晶性ポリプロピレンを芯成分に用いて、公知のスパンボ
ンド法により同様な方法で2.0dtexの鞘芯型複合
長繊維ウェブを得て、これを不織繊維集合体(II)とし
て用いた。不織繊維集合体(I)を基層とし、不織繊維
集合体(II)をその片面(下層)に位置するように堆積
させ、線圧60N/mm、圧着面積率15%、熱処理温
度エンボスロール/フラットロール=105/110℃
のエンボス熱圧着装置により熱圧着処理し、複合化不織
布を得た。得られた複合化不織布は表1に見られるよう
に、耐毛羽立ち性に非常に優れ、また風合い、不織布強
力も共に優れていた。
【0038】実施例5 不織繊維集合体(I)については、融点が143℃、M
FRが41g/10分であり、エチレン単位を3.1m
ol%,1−ブテン単位を1.3mol%,プロピレン
単位を95.6mol%を含むプロピレン系三元ランダ
ム共重合体を熱可塑性樹脂(A)として鞘成分に用い、
融点が160℃、MFRが36g/10分である結晶性
ポリプロピレンを芯成分に用いて、公知の溶融紡糸法に
より紡糸を行なうことで製造した。まず、両者を別々の
ホッパーから紡糸機に投入し、熱溶融させ、鞘芯型の複
合紡糸口金から複合繊維群として吐出させ、単糸繊度
6.0dtexの未延伸糸とした。続いてこの未延伸糸
を熱ロールにて2.4倍に延伸し、機械捲縮を付与し、
さらに切断処理をして2.5dtex×38mmの複合
繊維とした。得られた複合繊維をローラーカード機にて
カーディングを行ってウェブとした。これを不織繊維集
合体(I)として用いた。同様に、融点が160℃、M
FRが36g/10分である結晶性ポリプロピレンを熱
可塑性樹脂(A')として用い、公知の溶融紡糸法によ
り紡糸を行ない、不織繊維集合体(II)を製造した。ま
ず、該ポリプロピレンを紡糸機に投入し、熱溶融させ、
紡糸口金から単一繊維群として吐出させ、単糸繊度6.
0dtexの未延伸糸とした。続いて、この未延伸糸を
熱ロールにて2.4倍に延伸し、機械捲縮を付与し、さ
らに切断処理をして2.5dtex×38mmの単一繊
維とした。得られた単一繊維をローラーカード機にてカ
ーディングを行いウェブをとした。これを不織繊維集合
体(II)として用いた。不織繊維集合体(I)を基層
に、その上下層に位置するように不織繊維集合体(II)
を堆積させ、線圧60N/mm、圧着面積率15%、熱
処理温度エンボスロール/フラットロール=145/1
45℃のエンボス熱圧着装置により熱圧着処理し、不織
布を得た。得られた複合化不織布は表1に見られるよう
に、風合い、不織布強力、耐毛羽立ち性共に優れてい
た。
【0039】実施例6 市販の乳幼児用使い捨てオムツ(Mサイズ)のバックシ
ートを剥がし、このバックシートの代わりに実施例3で
得られた本発明の複合化不織布を、ホットメルトでオム
ツのポリエチレンフィルムの上に貼って、バックシート
として使用した。得られた吸収性物品(乳幼児用使い捨
てオムツ)は、耐毛羽立ち性は、◎であり、優れた触感
を示したことから風合いも○であった。
【0040】実施例7 実施例1で得られた本発明の複合化不織布と天然パルプ
ウェブを圧力294N/m2の高速柱状水流によって交
絡し、目付60g/m2の積層複合化不織布を得て、そ
れを窓吹き用ワイパーとして使用したところ、非常に良
好なゴミ吸着性を示した。
【0041】比較例1 融点が255℃、固有粘度が0.63であるポリエチレ
ンテレフタレートを用いて、実施例2の不織繊維集合体
(II)と同様に公知の溶融紡糸法により紡糸を行ない、
不織繊維集合体(I)を製造した。まず、このポリエチ
レンテレフタレートを紡糸機に投入し、熱溶融させ、紡
糸口金から単一繊維群として吐出させ、単糸繊度6.0
dtexの未延伸糸とした。続いて、この未延伸糸を熱
ロールにて2.4倍に延伸し、機械捲縮を付与し、さら
に切断処理をして2.5dtex×38mmの単一繊維
とした。得られた単一繊維をローラーカード機にてカー
ディングを行いウェブをとした。これを不織繊維集合体
(I)として基層に用いた。また不織繊維集合体(II)
については、融点が125℃、MIが20g/10分で
ある直鎖状低密度ポリエチレンを鞘成分として用い、融
点が255℃、固有粘度が0.63であるポリエチレン
テレフタレートを芯成分として用いて、公知の溶融紡糸
法により紡糸を行ない、不織繊維集合体(II)を製造し
た。まず、両者を別々のホッパーから紡糸機に投入し、
熱溶融させ、鞘芯型の複合紡糸口金から複合繊維群とし
て吐出させ、単糸繊度8.0dtexの未延伸糸とし
た。続いて、この未延伸糸を熱ロールにて4.2倍に延
伸し、機械捲縮を付与し、さらに切断処理をして1.9
dtex×38mmの複合繊維とした。得られた複合繊
維をローラーカード機にてカーディングを行いウェブを
とした。これを不織繊維集合体(II)として用いた。更
に不織繊維集合体(I)と不織繊維集合体(II)のウェ
ブを50/50に混在(混繊)させたものを不織繊維集合
体(III)として用いた。基層の不織繊維集合体(I)
と下層の不織繊維集合体(II)との積層間に不織繊維集
合体(III)の層を入れ、線圧60N/mm、圧着面積
率15%、熱処理温度エンボスロール/フラットロール
=225/105℃のエンボス熱圧着装置により処理し
て複合化不織布を製造した。得られた不織布は、全体的
に接着不足であり耐毛羽立ち性が非常に悪く、不織布強
力も低い値を示した。
【0042】比較例2 不織繊維集合体(I)として、比較例1で採取した不織
繊維集合体(I)を用いた。不織繊維集合体(II)につ
いては、比較例1で採取した不織繊維集合体(II)を用
いた。更に該不織繊維集合体(I)と該不織繊維集合体
(II)のウェブの単位体積あたりの重量比を75/25
に混在(混繊)させた不織繊維集合体を不織繊維集合体
(III)として用いた。同様に該不織繊維集合体(I)
と該不織繊維集合体(II)のウェブの単位体積あたりの
重量比を25/75に混在(混繊)させた不織繊維集合体
を不織繊維集合体(IV)として用いた。基層の不織繊維
集合体(I)と下層の不織繊維集合体(II)との間に、
基層側から不織繊維集合体(III)、不織繊維集合体(I
V)の順に入れて、線圧60N/mm、圧着面積率15
%、熱処理温度エンボスロール/フラットロール=22
5/105℃のエンボス熱圧着装置により熱圧着処理し
て複合化不織布を得た。得られた不織布は、全体的に接
着不足であり耐毛羽立ち性が非常に悪く、不織布強力も
低い値を示した。
【0043】比較例3 不織繊維集合体(I)として、実施例1で採取した不織
繊維集合体(I)を用いた。不織繊維集合体(II)につ
いては、融点が131℃、MIが35g/10分である
高密度ポリエチレンを鞘成分として用い、融点が160
℃、MFRが36g/10分である結晶性ポリプロピレ
ンを芯成分として用いて、公知のスパンボンド法により
紡糸を行うことで製造した。まず、両者を別々のホッパ
ーから紡糸機に投入し、熱溶融させ、鞘芯型の複合紡糸
口金から複合繊維群として吐出させた。次に、これをエ
アーサッカーに通し、排出させることで、牽引延伸し、
2.0dtexの鞘芯型複合長繊維とした。さらに排出
された前記長繊維群を帯電装置で帯電させた後、反射板
に衝突させることで開繊させ、裏面に吸引装置を設けた
無端ネット状コンベヤー上に捕集し、複合長繊維ウェブ
を得た。これを不織繊維集合体(II)として用いた。不
織繊維集合体(I)を基層とし、これの上下層に位置す
るように不織繊維集合体(II)を堆積させ、線圧60N
/mm、圧着面積率15%、熱処理温度エンボスロール
/フラットロール=110/110℃のエンボス熱圧着
装置により熱圧着処理し、不織布を得た。得られた複合
化不織布は表2に見られるように、異種の樹脂からなり
相溶性がないため接着性が悪く、耐毛羽立ち性に劣って
いた。
【0044】比較例4 比較例3で採取した複合化不織布を用い、線圧60N/
mm、圧着面積率15%、熱処理温度エンボスロール/
フラットロール=130/130℃のエンボス熱圧着装
置により熱圧着処理し、複合化不織布を得た。このと
き、熱圧着ロールには融着した樹脂が見られた。また、
得られた不織布の地合は悪く、その結果、風合い(ソフ
ト感)は、表2に見られるように、非常に劣る傾向であ
った。
【0045】比較例5 不織繊維集合体(I)として、比較例1で採取した不織
繊維集合体(II)を用いた。不織繊維集合体(II)につ
いては、比較例1で採取した不織繊維集合体(I)を用
いた。不織繊維集合体(I)を基層とし、これの上層に
位置するように不織繊維集合体(II)を堆積させ、線圧
60N/mm、圧着面積率15%、熱処理温度エンボス
ロール/フラットロール=225/105℃のエンボス
熱圧着装置により熱圧着処理し、不織布を得た。得られ
た複合化不織布は表2に見られるように、相溶性がない
ため接着性が悪く、耐毛羽立ち性に劣っていた。
【0046】実施例、比較例より、本発明の複合化不織
布は、熱可塑性樹脂(A)からなる不織繊維集合体
(I)を基層とし、その少なくとも片面に、該熱可塑性
樹脂(A)よりも融点が2〜17℃高く、且つ該熱可塑
性樹脂(A)と同種の熱可塑性樹脂(A’)からなる不
織繊維集合体(II)が積層された複合化不織布であるこ
とから、該熱可塑性樹脂(A)と該熱可塑性樹脂
(A')のそれぞれの軟化温度とほぼ同じ温度か或いは
それに近傍した温度で熱処理加工を行うことで、層間同
士が十分に接着できることがわかった。また、このよう
なことから、複合化不織布は、十分な不織布強力が得ら
れ、層間剥離や毛羽立ちの発生といった問題が生じない
ばかりでなく、過剰な熱量が加わっていないので、風合
いも満足できる不織布であった。更に該複合化不織布を
乳幼児用使い捨てオムツのトップシートやバックシート
に使用したところ、耐毛羽立ち性に問題なく、また触感
に優れた十分に満足できる繊維製品が得られた。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【発明の効果】本発明の複合化不織布は非常にソフトで
良好な風合いを有する。本発明の複合化不織布、積層複
合化不織布は、更に各層間が剥離せず耐毛羽立ち性に優
れ、かつ実用上、十分な不織布強力を有するので、吸収
性物品やワイパー等の繊維製品としても利用価値が高
い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61F 13/511 B32B 5/26 13/15 A47L 1/15 13/514 A61F 13/18 310 B32B 5/26 320 // A61F 13/49 A41B 13/02 E A47L 1/15 Fターム(参考) 3B029 BB02 BB07 3B074 AA02 AA08 AB01 AC03 BB04 4C003 BA02 BA08 CA01 CA05 CA06 4F100 AK01A AK01B AK03A AK03B AK05A AK05B AK06A AK06B AK07 AK07A AK07B AK07J AK41A AK41B AK41J AK42 AK48A AK48B AK48J AK62A AK62B AK63A AK63B AK64 AK66A AK66B AK80A AK80B AL01A AL01B AT00C BA02 BA03 BA07 BA10A BA10C BA13 BA26 DG02C DG04A DG04B DG12C DG13C DG15A DG15B DG15C EJ19 EJ40 EJ42 GB72 JA04A JA04B JD14 JK06 JK13 4L047 AA14 AA21 AA23 AA27 AA28 AB02 AB03 BA09 BB09 CA05 CB01 CB10 CC03 CC04 CC05 CC16

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂(A)からなる不織繊維集
    合体(I)を基層とし、その少なくとも片面に、該熱可
    塑性樹脂(A)よりも融点が2〜17℃高く、且つ該熱
    可塑性樹脂(A)と同種の熱可塑性樹脂(A’)からな
    る不織繊維集合体(II)が積層され、不織繊維集合体
    (I)と不織繊維集合体(II)とが熱接合されているこ
    とを特徴とする複合化不織布。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂(A)、及び熱可塑性樹脂
    (A’)が、それぞれ独立して、低密度ポリエチレン,
    直鎖状低密度ポリエチレン,高密度ポリエチレン,ポリ
    プロピレン,プロピレン系二元共重合体,またはプロピ
    レン系三元共重合体であるオレフィン系樹脂、ポリエス
    テル、共重合ポリエステル、ナイロン、及び共重合ナイ
    ロンからなる群から選ばれた少なくとも1種である請求
    項1記載の複合化不織布。
  3. 【請求項3】 不織繊維集合体(I)及び不織繊維集合
    体(II)が、長繊維からなることを特徴とする請求項1
    または請求項2記載の複合化不織布。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項記載の複合
    化不織布に、該複合化不織布以外の他の不織布、フィル
    ム、パルプシート、編物、及び織物から選ばれた少なく
    とも1種を更に積層した積層複合化不織布。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか1項記載の複合
    化不織布、または、請求項4記載の積層複合化不織布を
    用いた吸収性物品。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3のいずれか1項記載の複合
    化不織布、または、請求項4記載の積層複合化不織布を
    用いたワイパー。
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