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JPH11506338A - 穀粉軟塊の特性を改良する方法、穀粉軟塊を改良する組成物、および改良された食品 - Google Patents

穀粉軟塊の特性を改良する方法、穀粉軟塊を改良する組成物、および改良された食品

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JPH11506338A
JPH11506338A JP9500091A JP50009197A JPH11506338A JP H11506338 A JPH11506338 A JP H11506338A JP 9500091 A JP9500091 A JP 9500091A JP 50009197 A JP50009197 A JP 50009197A JP H11506338 A JPH11506338 A JP H11506338A
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ダニスコ エイ/エス
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Abstract

(57)【要約】 穀粉軟塊の流動学的特性、および該穀粉軟塊から製造される完成製品の品質を改良する方法が開示される。該方法は、マルトースを酸化することができる酸化還元酵素、特に、例えば、藻類の生物種であるイリドフィカス・フラシウム(Iridophycus flaccium)、コンドラス・クリスパス(Chondrus crispus)、またはユーソラ・クリスタータ(Euthora cristata)などから単離されたヘキソースオキシダーゼを有効量添加することを含む。また、酸化還元酵素を含む軟塊改良用組成物が開示される。

Description

【発明の詳細な説明】 穀粉軟塊の特性を改良する方法、穀粉軟塊を改良する組成物、 および改良された食品 発明の分野 本発明は、改良された流動学的特性を有する穀粉軟塊食料、および、改良され た性質を特徴とする穀粉食品に関し、また、成分として軟塊に添加されたとき軟 塊およびそれから製造された完成食品に改良された性質を付与することができる 、マルトースを酸化する酸化還元酵素を含む組成物、ならびに、改良された軟塊 および穀粉食品を調製する方法を提供する。 技術的背景および従来技術 本発明は、特に、流動学的特性が改良された穀粉軟塊(flour doughs)を提供 する方法、ならびに、改良された生地、食用に適した品質、および形状特性を有 する、該穀粉軟塊から製造される焼いた、または乾燥させた完成食品に関する。 ここで、軟塊の「強度」または「弱さ」は、焼固など、軟塊から穀粉完成品を 製造する際の重要な局面である。軟塊の「強度」または「弱さ」は、主に、その 蛋白質含量によって決定され、特に、これに関して、グルテン蛋白質の含量およ び性質が重要な要因である。蛋白質含量の低い穀粉は、一般的に「弱い」と特徴 づけられる。したがって、水と弱力粉とを混合することにより形成される、粘性 、伸展性、弾力のある塊りは、通常、力を加えるとよく伸展するが、力を抜いて も元の形状に復帰しない。 高い蛋白質含量を有する穀粉は、一般的に「強力」粉として特徴づけられ、こ のような穀粉と水を混合することにより形成される塊りは、弱力粉からできる塊 りよりも延びにくく、混合するとき力をかけても、弱力粉から作られた穀粉塊の 場合のように大きく形を変えることなく元に戻る。軟塊の優れた流動性と取り扱 い性、および、強力粉軟塊から製造される、焼くか、または乾燥させた完成食品 の優れた形状と生地特性から、焼く場合にはたいてい、強力粉が一般的に好まれ る。 強力粉から作られる軟塊の方が、一般的に安定的である。軟塊の安定性は、穀 粉軟塊の最も重要な特徴の一つである。米国穀物化学者協会(American Associa tion of Cereal Chemists)(AACC)法36-01Aによれば、「安定性」という語は 、「陽性の反応が得られる軟塊時間の範囲、および、その経過時間にわたって、 それ自身の重量によって平らにならないよう丸い形状を保つという特性」と定義 されている。同じ法によれば、「反応」という語は、「通常、対照との比較にお いて、それを焼くことによって決定される、既知の特定の刺激、基質、または条 件に対する軟塊の反応」と定義されている。 製パン、および製粉産業においては、軟塊を強化するために、軟塊「調節剤」 を用いることが知られている。このような軟塊調節剤は、通常は、例えば、ヨウ 素酸塩、過酸化物、アスコルビン酸、K-臭素酸塩、またはアゾジカルボンアミド (azodicarbonamide)などの非特異的な酸化剤であり、伸縮性を改良して、望ま しい強度および安定性を有する軟塊を作り出すために、穀粉の焼固性を向上させ る目的で軟塊に添加される。この酸化剤の効果の背景となる機作は、穀粉蛋白質 、特にグルテンがチオール基を含んでおり、それが酸化されるとジスルフィド結 合を形成することによって、蛋白質がより安定な基質を形成し、よりよい軟塊品 質ならびに焼固製品の容量および芯構造の改良をもたらすことである。 さらに、アスコルビン酸/アスコルビン酸塩は、その酸化能による上記の軟塊 調節剤としての有用性に加えて、EP 0 682 116 Alで開示されている酸化還元酵 素であるアスコルビン酸オキシダーゼに対する基質として作用する可能性がある 。基質の存在下で、この酵素は、アスコルビン酸/アスコルビン酸塩をデヒドロ アスコルビン酸およびH2O2に変換する。この従来技術は、アスコルビン酸/アス コルビン酸塩の存在下で、アスコルビン酸オキシダーゼが軟塊調節効果を有する ことを示唆していないが、おそらくそうなると考えられる。 しかし、現在利用可能な酸化剤のいくつかの使用に対しては、消費者からの反 対があり、また、規制団体によっても許可されていないため、これらの従来の穀 粉および軟塊添加物の代替物を見出そうとする試みがなされており、これらがま だ見つからないときに、従来技術によって、この目的のためにグルコースオキシ ダーゼを使用することが提案されていた。 そして、US 2,783,150が、軟塊の強度および質感、ならびに焼いたパンの外観 を改良するために、グルコースオキシダーゼを穀粉へ添加することを開示してい る。 CA 2,012,723は、キシラナーゼおよびグルコースオキシダーゼなどのセルロー ス分解酵素を含む、パンを改良するための組成物を開示している。後者の酵素は 、セルロース分解酵素のある不都合な効果(軟塊の強度および粘性を低減させる )を抑制するために添加される。また、十分なグルコースオキシダーゼ活性を得 るためには、グルコースを軟塊に添加する必要があることも開示している。 JP-A-92-084848は、グルコースオキシダーゼおよびリパーゼを含む、パン改良 組成物の使用を提案している。 EP-B1-321 811は、軟塊の流動学的性質を改良するために、スルフヒドリルオ キシダーゼおよびグルコースオキシダーゼを含む酵素組成物を使用することを開 示している。この従来技術書類においては、グルコースオキシダーゼだけを使用 しても成功しなかったことが述べられている。 EP-B1-338 452は、セルラーゼ/ヘミセルラーゼ、グルコースオキシダーゼ、 および、選択的にはスルフヒドリルオキシダーゼの混合物を含む、軟塊の安定性 を改良するための酵素組成物を開示している。 しかし、軟塊改良用添加剤としてグルコースオキシダーゼを使用することには 、この酵素が、軟塊系において有効であるためには、基質として十分量のグルコ ースが存在することが必要であるのに、一般的に、穀類の粉の中のグルコース含 量は低いという限界があった。このため、軟塊の中にグルコースが存在しない、 または、その含量が低いということが、軟塊改良剤としてのグルコースオキシダ ーゼの有効性に対する制限因子となると考えられる。 これに対し、穀物粉には、一般的に、グルコース含量よりもマルトース含量の 方が有意に高いため、調製したばかりの軟塊には、通常、グルコースよりもマル トースの方が多く含まれている。このため、小麦粉の懸濁液から採った上清、お よび小麦粉から調製された軟塊で、さらに水、酵母、塩、およびスクロースを含 むものの中の糖含量を(下記の実施例2.3で説明されているようにして)解析す る実験において、以下のような値(穀粉について計算された重量%)が明らかと なった。 さらに、酵母は主にグルコースを利用するため、マルトース含量は酵母で膨ら ませた軟塊においても相対的に高いままであり、また、例えば、本来穀粉の中に 存在するかまたは軟塊に添加された、例えば、β-アミラーゼなどのデンプン分 解酵素の活性を利用した加工の過程において、さらに増加する。 従来技術では、パンの軟塊の流動学的特質、およびそれに対応する焼固製品の 品質に対するグルコースオキシダーゼの有用な改良効果が認められていた一方で 、この酵素の使用には、いくつかの短所があることも認められていた。つまり、 十分な効果を得るためには、基質として、軟塊にスクロースまたはグルコースを 添加することが必要であるため、グルコースオキシダーゼを、他の酵素を添加し ないで用いると、望ましい軟塊またはパンの改良効果が定常的には提供されない 。 しかし、マルトースを酸化できる酸化還元酵素を、単独の軟塊調節剤として添 加すると、すなわち、添加される酵素の基質、またはその他の酵素を同時に穀粉 軟塊に添加することなく添加すると、軟塊を引き延ばしたときに、変形に対する 抵抗性が増す結果になる。すなわち、この酵素自体が、軟塊の強度を増強し機械 的な変形を受けにくくすることが今では明らかになっている。この、ヘキソース オキシダーゼの軟塊への添加の効果は、酵素によって生成されたH2O2と、それに よって酸化されるチオール基とが軟塊の中で反応するきに生じる架橋が、小麦の グルテンの中の、硫黄含有アミノ酸のチオール基の間で形成される結果であると 考えられている。 ヘキソースオキシダーゼ(D-ヘキソース:O2酸化還元酵素、EC 1.1.3.5)は、 酸素の存在下で、D-グルコース、ならびに、マルトース、グルコース、ラクトー ス、ガラクトース、キシロース、アラビノース、およびセロビオースなど、他の いくつかの還元糖を、対応するラクトンへと酸化し、さらに、それぞれのアルド ビオン酸(aldobionic acids)へと加水分解する酵素である。したがって、ヘキ ソースオキシダーゼは、より広い範囲の糖基質を利用できる点で、D-グルコース だけを転化できるグルコースオキシダーゼとは異なっている。酵素によって触媒 される酸化は、以下のように図示することができる。 D-グルコース+O2 −−−→δ-D-グルコノラクトン+H2O2、または D-ガラクトース+O2 −−−→γ-D-ガラクトガラクトン+H2O2 イリドフィカス・フラシダム(Iridophycus flaccidum)(ビーン(Bean)お よびハシッド(Hassid)、1956、J.Biol.Chem.,218:425-436)、およびコン ドラス・クリスパス(Chondrus crispus)(イカワ(Ikawa)、1982,Methods E nzymol.,89:145-149)などの、いくつかの紅藻生物種からヘキソースオキシダ ーゼ(以下、HOXとも云う)が単離されている。さらに、藻類種、ユーソラ・ク リスタータ(Euthora cristata)(サリバン(Sullivan)ら、1973、Biochemica et Biophysica Acta,309:11-22)が、HOXを産生することが示されている。 この他に、本発明に係るヘキソースオキシダーゼの起源となりうるものには、 微生物種、または陸生植物種が含まれる。したがって、このような植物源の例と して、ビーン(Bean)ら(Journal of Biological Chemistry(1961)236:1235 〜1240)は、D-グルコース、D-ガラクトース、セロビオース、ラクトース、マル トース、D-2-デオキシグルコース、D-マンノース、D-グルコサミン、およびD-キ シロースを含む広範囲の糖を酸化することができる、柑橘類の果実から採った酸 化還元酵素を開示している。ヘキソースオキシダーゼを有する別の酵素例は、ド ーリング(Dowling)ら(Journal of Bacteriology(1956)72:555〜560)によ って開示されているマレオマイセス・マレイ(Malleomyces mallei)の酵素系で ある。 上記の天然の起源から単離されるヘキソースオキシダーゼを、一定の食品製造 業において利用できる可能性が報告されている。このように、イリドフィカス・ フラシウム(Iridophycus flaccium)から単離されたヘキソースオキシダーゼは 、対応するアルドビオン酸(aldobionic acids)の産生とともに、ミルクの中の ラクトースを転化させることができることが示されており、ミルクにおける酸性 化剤として、例えば、この目的のために酸性化微生物培養液を交換するなど、興 味の対象となりうることが示されている(ランド(Rand)、1972,Journal of F ood Science,37:698-701)。この点に関して、ヘキソースオキシダーゼは、グ ルコースオキシダーゼよりも興味深い酵素であると指摘されてきた。なぜなら、 このグルコースオキシダーゼは、グルコースを含んでいないか低含量のグルコー スしか含んでいないミルクまたはその他の食品では、グルコース、またはラクト ースをグルコースおよびガラクトースに転化するラクトース分解酵素のラクター ゼが添加された場合にしか、酵素的に有効となりえないためである。 また、JP-B-73/016612に開示されているように、チーズ、バター、および果汁 を含む一定の食品の貯蔵安定性を改良するために、ヘキソースオキシダーゼの過 酸化水素を生成する能力などの酸化還元酵素の能力も利用されてきた。酸化還元 酵素は、また、食品におけるの抗酸化剤として有用となりうることが示唆されて いる。 しかし、本発明により、パン製品だけでなく、麺、および食用ペーストのよう に、穀粉軟塊から作られる他の製品を含む穀粉軟塊製品の製造においても、ヘキ ソースオキシダーゼが、軟塊調節剤として非常に有用であることが示された。 発明の概要 したがって、第一の局面において、本発明は、軟塊成分、軟塊添加剤、または 軟塊に、例えばヘキソースオキシダーゼなど、少なくともマルトースを酸化する ことができる酸化還元酵素を効果的な用量添加することを含む、穀粉軟塊の流動 学的特性、および軟塊から製造される完成品の品質を改良する方法に関する。 別の局面において、少なくともマルトースを酸化することができる酸化還元酵 素と、さらに少なくとも一つの軟塊成分または軟塊添加剤を含む、軟塊焼固製品 を改良するための組成物も提供される。 さらに別の局面において、本発明は、少なくともマルトースを酸化することが できる酸化還元酵素を効果的な量添加することを含む、穀粉軟塊を調製する工程 、および軟塊を焼く工程を含む、焼固製品を調製する方法に関し、また、マルト ースを酸化する酸化還元酵素の効果的な量を軟塊に添加する工程を含む、軟塊に 基づく食品を調製する方法に関する。 発明の詳細な開示 一つの局面において、本方法は、穀粉軟塊の流動学的特性を改良する方法を提 供する。本方法は、上記のように、マルトースを酸化する酸化還元酵素を、軟塊 の配合成分、または、軟塊の構成成分のすべてを混合してできた軟塊のいずれか に、効果的な量添加することを含んでいる。ここで、「効果的な量」とは、軟塊 および/または完成品に、本明細書において定義されているような改良された特 質を付与するのに十分な量であることを示す。 本発明に係る方法の有用な態様の一つにおいて、酸化還元酵素は、ヘキソース オキシダーゼである。ヘキソースオキシダーゼは、本明細書において詳細に説明 されているように、この酵素を天然に産生する海洋性藻類種から単離することが できる。このような生物種は、ギガルチナリス(Gigartinales)目に属するギガ ルチナセアエ(Gigartinaceae)科に見られる。ヘキソースオキシダーゼを産生 するギガルチナセアエ(Gigartinaceae)科に属する藻類種の例は、コンドラス ・クリスパス(Chondrus crispus)およびイリドフィカス・フラシダム(Iridop hycus flaccidum)である。また、ユーソラ・クリスタータ(Euthora cristata )を含むクリプトメニアリス(Cryptomeniales)目の藻類種も、ヘキソースオキ シダーゼの起源となりうる。 ヘキソースオキシダーゼに関して、このような天然の起源を用いる場合、酵素 は、典型的には、水性抽出溶媒を用いた抽出によって、藻類の出発物質から単離 される。出発物質として、それらが生息する海洋域から採集された新鮮な状態に ある藻類を用いるか、または、葉状体を、例えば、室温で風乾させるか、または 、循環式の熱風、または、凍結乾燥などの適当な工業的な乾燥方法によって乾燥 させた後、ヘキソースオキシダーゼの抽出に用いることができる。その後の抽出 工程を容易にするために、新鮮な、または乾燥した出発物質を、例えば、挽くか 混合するかして、都合よく粉砕しておくことができる。 水性抽出溶媒として、例えば、0.1 Mリン酸ナトリウム緩衝液、20 mM トリエ タ ノールアミン緩衝液、または、20mM トリス塩酸緩衝液などの、5〜8のpHの範 囲にある緩衝溶液が適当である。ヘキソースオキシダーゼは、典型的には、出発 物質を緩衝液に懸濁し、この懸濁液を、例えば、約5℃など、0〜20℃の範囲に ある室温に、好ましくは、振とうしながら、1日〜5日間おくことによって藻類 材料から抽出される。 そして、懸濁した藻類材料を、濾過、篩過、または遠心分離などの適当な分離 方法によって水性溶媒から分離した後、この濾液または上清からヘキソースオキ シダーゼを回収する。選択的には、分離した藻類の材料に対して、さらに一つま たは複数の抽出工程が行なわれる。 いくつかの海洋性藻類はフィコシアニンなどの着色色素を含むため、これらの 色素を除去する精製工程を、濾液または上清に対してさらに行う必要がある。例 えば、色素を溶かすことができる有機溶媒で濾液または上清を処理し、その後、 溶解した色素を含む溶媒を水性溶媒から分離することにより、色素を除くことが できる。または、濾液または上清に対して、疎水性相互作用クロマトグラフィー の工程を行なって、色素を除くこともできる。 水性溶媒からの蛋白質の分離を可能にする従来からの適当な方法によって、水 性抽出溶媒からヘキソースオキシダーゼを回収する。このような方法は、その実 施例が、以下で詳細に説明されるが、イオン交換クロマトグラフィーなどの蛋白 質を単離するための常法を含み、選択的には、この後、限外濾過のような濃縮工 程が行なわれる。また、例えば、(NH4)2SO4のような基質、または、蛋白質を沈 澱させるポリエチレングリコール(PEG)を添加し、その後、沈殿物を分離し、 選択的には、蛋白質を溶解できる条件において、酵素を回収することも可能であ る。 ヘキソースオキシダーゼの一定の応用にとって、例えば、本質的に、他の蛋白 質または非蛋白質による混入がない調製物のように、酵素を実質的に純粋な状態 で提供することが望ましい。したがって、下記の実施例によって説明もなされて いるように、上記の抽出および単離工程から得られた比較的純粋でない酵素調製 物を、さらにクロマトグラフィー工程、ゲル濾過、または等電点クロマトグラフ ィーなどの精製工程に供してもよい。 本発明に係る方法の好ましい態様において、穀粉軟塊は、穀粉を水、酵母のよ うな発酵剤、または通常の化学発酵剤、および効果的な量のヘキソースオキシダ ーゼと、軟塊形成条件下で混合することにより調製される。しかし、さらに別の 成分を軟塊混合物に添加することも、本発明の範囲内にある。 典型的には、このようなさらに別の軟塊成分には、塩、砂糖、シロップ、また は人工甘味料などの甘味料、ショートニング、マーガリン、バター、または動物 または植物性油脂を含む脂肪基質などの通常使用される軟塊添加成分、ならびに 乳化剤、デンプン分解酵素、セルロースまたはヘミセルロース分解酵素、プロテ アーゼ、リパーゼ、上記したような非特異的酸化剤、香料、培養乳酸菌、ビタミ ン、無機物、アルギン酸などの親水コロイド、カラゲニン、ペクチン、例えばグ アールガムおよびイナゴマメガムのような植物性ゴム、および食物繊維質などの 軟塊添加剤が一つまたは複数含まれる。 穀粉軟塊製品を製造するときに用いられる通常の乳化剤には、例えばモノグリ セリド、脂肪酸のモノグリセリドおよびジグリセリドのジアセチル酒石酸エステ ル、および例えばダイズから得られるレシチンが含まれる。デンプン分解酵素の 中で、アミラーゼは、軟塊改良添加剤として特に有用である。α-アミラーゼは 、デンプンをデキストランに分解し、デキストランはβ-アミラーゼによってさ らにマルトースに分解される。軟塊組成物に添加される、その他の有用なデンプ ン分解酵素には、グルコアミラーゼとプルラナーゼが含まれる。これに関連して 、他の重要な酵素は、キシラナーゼ、ならびに、グルコースオキシダーゼ、ピラ ノースオキシダーゼ、およびスルフヒドリルオキシダーゼのような、その他の酸 化還元酵素である。 好ましい穀粉は小麦粉であるが、イネ、トウモロコシ、大麦、ライ麦、および アズキモロコシなど、その他の穀物種に由来する穀粉を含む軟塊も本発明に含ま れる。 軟塊は、穀粉、水、本発明に係る酸化還元酵素、および、その他考えられる成 分および添加剤を混合して調製される。酸化還元酵素は、水、または軟塊成分混 合物を含むいずれかの軟塊成分に混合して添加することもでき、または、添加剤 または添加剤混合物に混合して添加することもできる。軟塊は、製パン工業、ま たは、その他、穀粉軟塊をもとにする製品を作る産業において周知の、通常の軟 塊調製法によって調製することができる。酸化還元酵素は、単独の有効成分とし てこの酵素を含むか、または一つ以上の軟塊成分もしくは添加剤との混合物の中 にこの酵素を含む、液体調製物として、または乾燥粉末組成物の形状で添加する ことができる。通常添加される酵素成分の量は、穀粉1kgあたり1〜10,000ユニ ット、好ましくは5〜5000ユニット、例えば10〜1000ユニットが最終的な軟塊の 中に存在するような量である。有用な態様において、その量は穀粉1kgあたり20 〜500ユニットの範囲内である。ここで、酸化還元酵素1ユニットは、特定の条 件において、1分間あたり1μモルのグルコースの転化が起きる量に相当する。 活性は、酵素調製物1gあたりのユニット数で表される。 軟塊の流動学的特性に対する酸化還元酵素の効果は、アミログラフ(amylogra ph)法(ICC 126)、ファリノグラフ(farinograph)法(AACC 54-21)、および エクステンシグラフ(extensigraph)法(AACC 54-10)など、国際穀物化学会( ICC)、および米国穀物化学会(AACC)による標準的な方法によって測定するこ とができる。エクステンシグラフ法は、例えば、軟塊が、酵母によって放出され たガスを保持する能力と、加工に耐える能力を測定する。要するに、エクステン シグラフ法は、軟塊の相対的な強度を測定するのである。強い軟塊は、弱い軟塊 に較べて、高く、また、ある場合には、より長いエクステンシグラフ曲線を示す 。AACC法54-10は、以下のようにエクステンシグラフを定義している。「エクス テンシグラフは、試験用軟塊片に関し、それがちぎれるまでの負荷−伸展曲線を 記録する。負荷−伸展曲線、またはエクステンシグラムの特徴が、穀粉の一般的 な品質と、その改良剤に対する反応を評価するために用いられる。」 本発明に係る方法の好ましい態様において、軟塊の伸展に対する抵抗性は、伸 長抵抗性(曲線の高さB)と伸長可能性(曲線の長さC)の間の比率、すなわち 、AACC法54-10によって測定されるB/C比から見ると、酸化還元酵素を含んでい ない点以外は同じ軟塊の比率に対して、少なくとも10%は増加する。より好まし い態様において、伸展に対する抵抗性は、少なくとも20%、例えば、少なくとも 50%、特に、少なくとも100%増加する。 本発明に係る方法は、軟塊の流動学的特性、および、特定のタイプの軟塊から 作られる完成品の品質を改良する目的で、あらゆる穀粉軟塊に用いることができ る。したがって、この方法は、食パンおよびロールパンなど、小麦粉をもとにし たパン製品を含む、イースト発酵させた従来の型のパン製品を作るのに非常に適 している。しかし、また、この方法は、例えば、パウンドケーキおよびマフィン 、またはスコーンを含むケーキ製品などの菓子パン製品など、化学的な膨張剤の 添加によって膨張を起こさせる軟塊の特性を改良することもできると考えられる 。 一つの重要な局面において、本発明は、「白麺」および「中華麺」を含む麺製 品に用いるための軟塊の流動学的特性を改良し、完成した麺製品の肌理の質を改 良するために用いられる。麺を製造するための、典型的な基本的配合は、以下の 成分を含む。小麦粉100に対して、塩0.5、および水33である。典型的には、麺は 、この成分を適当な混合装置で混合し、その後、麺を糸状にする適当な製麺機を 用いて麺軟塊を繰り出し、さらに風乾して調製される。 完成した麺の品質は、色、調理したときの品質、および肌理の質によって評価 される。麺は、できるだけ速く調理し、調理後も固いままにしておかなければな らず、好ましくは、調理用の湯の中にいかなる固形物も残らないようにしなけれ ばならない。配膳するあたっては、好ましくは、麺は、粘りを見せることなく、 滑らかで固い表面をもち、固い「歯ごたえ」と良好な食感を提供しなければなら ない。さらにまた、麺の色が薄いのも重要である。 望ましい質感と食質を有する麺を提供するために適当な小麦粉は、年度および 生育地域によってさまざまであるため、小麦粉が最適でなかったときには、それ を補うために麺改良剤を軟塊に添加するのが普通である。典型的には、このよう な改良剤には、食物繊維質、植物性蛋白質、例えば、アルギン酸などの乳化剤お よび親水コロイド、カラゲニン、ペクチン、グアールガムおよびイナゴマメガム などの植物性ゴム、およびアミラーゼが含まれる。 グルコースオキシダーゼを麺改良剤として用いることが試みられたことがある 。しかし、上述したように、小麦粉のグルコース含量は非常に低いため、この酵 素は効果的ではないだろう。 したがって、本発明に係る酸化還元酵素が、麺の改良剤として有用であること 、選択的には、麺の品質を向上させるために現在用いられている成分と組み合わ せても有用であることは、本発明の重要な局面である。このように、上記の方法 によって調製された麺は、色、こしがあり柔軟性があり粘りのない生地などの調 理特性および食質、ならびに堅さに関して、改良された特性を有すると考えられ る。 さらに有用な態様において、本発明に係る方法によって調製された軟塊は、食 用ペースト製品を調製するための軟塊である。例えば、スパゲッティおよびマカ ロニを含むこのような製品は、典型的には、主な成分として小麦粉と卵とを含む 軟塊から調製される。成分を混合した後、望ましいタイプのペースト製品に軟塊 を成形し、風乾させる。ペースト軟塊への添加は、それの伸展性および安定性に かなりの改良効果を与え、改良された生地および食質を有する完成されたペース ト製品を作り出すと考えられる。 本発明のさらに別の局面において、本発明に係る酸化還元酵素、および、少な くとも一つのさらに別の軟塊成分または軟塊添加剤を含む、軟塊改良組成物が提 供される。 好ましい態様において、酸化還元酵素は、ヘキソースオキシダーゼである。さ らに別の成分または添加剤は、上述した成分または添加剤の何れでもよい。この 組成物は、都合がよければ、酸化還元酵素を含む液体調製物でもよい。また、こ の組成物は、都合がよければ、乾燥した組成物の形状である。組成物中の酸化還 元酵素活性量は、さらに別の成分または添加剤の型および量により変化すると考 えられる。しかし、酸化還元酵素活性量は、好ましくは10〜100,000ユニット、 好ましくは100〜50,000ユニット、1,000〜10,000ユニット、例えば2,000〜5,000 ユニットの範囲である。 選択的には、この組成物は、特定の完成品を作るための、軟塊に対する乾燥成 分、および添加剤のすべてを含む、完全な軟塊添加剤混合物、または前混合物の 形状にあるかも知れない。特別な態様において、組成物は、焼固製品を調製する のに特に有用な組成物、または、麺製品または食用ペースト製品を製造するのに 有用な組成物であるかもしれない。 上記のように、本発明は、例えば、ヘキソースオキシダーゼなどの酸化還元酵 素を軟塊に添加することを含む、焼固製品を調製するための方法を提供する。特 に、この方法は、酸化還元酵素を含まない点以外は同じような軟塊から調製され た焼固製品に較べて、特異的な容量が増加した、上記製品などの焼固製品をもた らす。ここで、「特異的な容量」という表現は、製品の容量と重量の間の比率を 示すために用いられている。驚いたことに、上記の方法によれば、特異的な容量 を増加でき、例えば、少なくとも10%、好ましくは20%、例えば30%、好ましく は少なくとも40%、さらに好ましくは少なくとも50%増加できることが明らかと なった。 上記の方法の有利な態様の一つにおいて、少なくとも一つの、さらに別の酵素 が、軟塊に添加される。これの適当な実施例には、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ 、キシラナーゼ、デンプン分解酵素、グルコースオキシダーゼ、リパーゼ、およ びプロテアーゼが含まれる。 ここで、以下の実施例により本発明を説明するが、本実施例は本発明を制限す るものではない。 実施例11.1.コンドラス・クリスパス(Chondrus crispus)からのヘキソースオキシ ダーゼの精製 後に述べる抽出および精製法を用いて、精製されたヘキソースオキシダーゼ調 製物を得た。これらの処理過程、およびその後の精製酵素の特徴解析において、 ヘキソースオキシダーゼの活性を測定するために以下のアッセイ法を用いた。1.1.1.ヘキソースオキシダーゼの活性測定 このアッセイ法は、サリバン(Sulliva)およびイカワ(Ikawa)によって説明 された方法(Biochimica et Biophysica Acta,1973,309:11-22)に基づいてい るが、微量滴定用プレートの操作に変更を加えた。アッセイ用混合液には、150 μlのβ-D-グルコース(0.1 Mリン酸ナトリウム緩衝液、pH 6.3中に0.1 M)、12 0μlの0.1 Mリン酸ナトリウム緩衝液、pH 6.3、10μlのo-ジアニシジン-ジヒド ロクロライド(シグマ社、P-3252、水溶液中3.0 mg/ml)、10μlのペルオキシダ ーゼ(POD)(シグマ社、P-8125、0.1 Mリン酸ナトリウム緩衝液、pH 6.3中0.1 ml)、および、10μlの酵素(HOX)溶液が含まれていた。酵素溶液の代わりに緩 衝液を添加することによりブランクを作成した。 グルコースを添加することによりインキュベーションを開始した。25℃で15分 間インキュベートしてから、ELISA読み取り器で、405 nmでの吸光度を測定した 。酵素溶液の代わりに、さまざまな濃度のH2O2を用いて標準曲線を作成した。 反応は、以下の式で説明される。 HXO β-D-グルコース+H2O+O2 −−−−−→ グルコン酸+H2O2 POX H2O+o-ジアニシジンred −−−→ 2H2O+ o-ジアニシジンox 酸化されたo-ジアニシジンは、405 nmで黄色の吸光を示す。1.1.2.抽出 新鮮なコンドラス・クリスパス(Chondrus crispus)の葉状体を、フランスの ブルターニュの沿岸から採集した。この新鮮な材料をピン型破砕器(pin mill) (Alpine社)で磨砕した。この結果できた磨砕した葉状体材料サンプル100 gに 対して、300 mlの0.1 Mリン酸ナトリウム緩衝液、pH 6.8を添加した。次に、こ の混合液を、超音波槽の中で5分間、超音波処理してから、4日間、5℃で定常 的に回転させ抽出した後、この混合液を47,000×gで20分間遠心分離した。 この結果得られた300 mlの透明でピンクの上清を、オメガ限外濾過膜(10 kD 排除、フィルトロン社)を装備したアミコン限外濾過ユニットを用いた限外濾過 によって脱塩した。1.1.3.陰イオン交換工程 1.1.2から得られた保留分を、20 mMのトリエタノールアミン、pH 7.3で平衡化 した200 mlのQ-セファロースFFを含む5×10 cmのカラムにかけた。このカラムを 平衡化緩衝液で洗滌してから、0から 1MのNoClの勾配をつけた450 mlの平衡化 緩衝液で、ヘキソースオキシダーゼを溶出した。カラムは、6 ml/分の速度で溶 出し、14 mlの分画を収集した。画分9〜17(全量125 ml)を集め、オメガ限外 濾過膜(10 kD排除、フィルトロン社)を装備したアミコン8400ユニットを用い た限外濾過によって、7.5 mlまで濃縮した。1.1.4.ゲル濾過 上記の7.5 mlの保留分を、50 mMのリン酸ナトリウム緩衝液、pH 6.4で平衡化 し た、スーパーデックス200(Superdex 200)の2.6×60 cmのゲル濾過カラムにか け、1 ml/分の流速で溶出した。4 mlの分画を集めた。ヘキソースオキシダーゼ 活性を有する画分17〜28(全量50 ml)を集めた。1.1.5.疎水性相互作用クロマトグラフィー ゲル濾過工程の1.1.4で得られた収集画分に、最終濃度が2 Mになるように、硫 酸アンモニウムを添加した。そして、この混合液を、20 mMリン酸ナトリウム緩 衝液、pH 6.3、および2 Mの(NH4)2SO4で平衡化した、32 mlのフェニルセファロ ースを含む1.6×16 cmのカラムにかけた。このカラムを、平衡化緩衝液で洗滌し 、その後、2 Mから0 Mまでの(NH4)2SO4の直線勾配をつけた140 mlの20 mMのリン 酸ナトリウム緩衝液を用いて、2 ml/分の流速でヘキソースオキシダーゼを溶出 した。4 mlの分画を収集して、ヘキソースオキシダーゼ活性を有する画分24〜33 を集めた。 上記のピンク色は、酵素に随伴しているが、この精製段階でヘキソースオキシ ダーゼから分離される。1.1.6.モノQ陰イオン交換 上記のフェニルセファロース・クロマトグラフィー工程で得られた上記の収集 画分を、上記で説明したように、限外濾過によって脱塩した。この収集画分2 ml を、20 mMのトリエタノールアミン、pH 7.3で平衡化したモノQ HR(Mono Q HR )5/5カラムにかけた。次に、0 Mから0.65 MまでのNaClの直線勾配をつけた平衡 化緩衝液45 mlを用いて、1.5 ml/分の流速でこのカラムを溶出した。1.5 mlの分 画を集めて、画分14〜24を集めた。1.1.7.モノP陰イオン交換 上記の工程1.1.6で得られた、ヘキソースオキシダーゼを含む収集画分を、20 mMのビス-トリス緩衝液、pH 6.5で平衡化したモノP HR(Mono P HR)5/5カラム にかけた。0 Mから0.65 MまでのNaClの直線勾配をつけた平衡化緩衝液45 mlを用 いて、1.5 ml/分の流速で酵素を溶出し、0.75 mlの分画を集めた。最も高いヘキ ソースオキシダーゼ活性は、画分12で見られた。1.2.精製ヘキソースオキシダーゼの特徴 上記工程1.1.6および1.1.7から得られた、ヘキソースオキシダーゼを含む収集 画分を、下記の特徴解析実験に用いた。1.2.1.分子量の判定 精製された天然のヘキソースオキシダーゼの大きさを、50 mMのリン酸ナトリ ウム緩衝液、pH 6.4中、0.5 ml/分の流速で、スパロース(Superose)6 HR 10/3 0のカラムを用いたゲル浸透クロマトグラフィーによって判定した。フェリチン (440 kD)、カタラーゼ(232 kD)、アルドラーゼ(158 kD)、ウシ血清アルブ ミン(67 kD)、およびキモトリプシノーゲン(25 kD)をサイズ基準として用い た。精製ヘキソースオキシダーゼの分子量は、120±10 kDであると判定された。1.2.2.至適pHの決定 pH至適値を決定するためのアッセイ用混合液(最終容量300μl)は、さまざま なpH値のリン酸ナトリウム/クエン酸緩衝液の0.1 M保存液を120μl含んでいた 。この他のアッセイ用混合液成分はすべて、H2Oに溶解させた。pHは、希釈した 保存液において、25℃で測定された。 ヘキソースオキシダーゼは、pH 3〜pH 8で酵素活性を示したが、3.5から5.5の 範囲で至適であった。1.2.3.グルコースおよびマルトースそれぞれに対する、ヘキソースオキシ ダーゼのKm 動力学データは、v=VmaxS/(Km+S)に適合した。ここで、Vmaxは最 大速度、Sは基質濃度、また、Kmは最大速度(ミカエリス定数)の50%を与え る濃度である。適合には、EZ-FIT曲線適合マイクロコンピュータプログラム(ペ レラ(Perrella),F.W.、1988、Analytical Biochemistry 174:437-447)を用 いた。 グルコースおよびマルトースそれぞれの関数として、酵素活性に関する典型的 な双曲線的飽和曲線が得られた。グルコースに関するKmは、2.7 mM±0.7 mMと 計算され、マルトースに関するKmは、43.7 mM±5.6 mMであることが明らかとな った。 実施例2コンドラス・クリスパス(Chondrus crispus)から抽出されたヘキソースオキシ ダーゼの軟塊改良効果 2.1.コンドラス・クリスパス(Chondrus crispus)からのヘキソースオキシ ダーゼの精製 本実験のために、以下のようにして、ヘキソースオキシダーゼを調製した。 新鮮なコンドラス・クリスパス(Chondrus crispus)の葉状体を、フランスの ブルターニュの沿岸から採集した。この材料を凍結乾燥してから磨砕した。この 磨砕した材料40 gを、1000 mlの20 mMトリエタノールアミン(TEA)緩衝液、pH 7.3に懸濁してから、約64時間、ゆっくりと振とうしながら5℃に置き、次に、2 ,000×gで10分間遠心分離した。上清を、GF/AガラスフィルターおよびGF/Cガラ スフィルターで濾過した後、45μmの孔径の濾紙で濾過して、調製物1g当たり0. 44ユニットのグルコースオキシダーゼ活性に当たるヘキソースオキシダーゼ活性 を有する、800 mlの濾過調製物を得た。この活性は、次の方法を用いて測定した 。 この上清を、陰イオン交換Qセファロース大ビーズ(Q Sepharose Big Beads )を含む330 mlのベッドボリュームのクロマトグラフィー用カラムにかけた(空 容量120 ml)。0 Mから0.5 MまでのNaClの勾配をつけた20 mMのTEA緩衝液、pH 7 .3を用いて、180分間にわたって、結合した蛋白質を溶出した後、20 mMのTEA緩 衝液中、1 M NaClで溶出し、9 mlの分画を集めて、下記の解析処理法を用いて、 ヘキソースオキシダーゼ活性について解析した。 ヘキソースオキシダーゼ活性を有する画分60〜83を集め(約250 ml)、限外濾 過によって、約25 mlまで濃縮し、脱塩した。この工程は、100 mlの0.05 mM TEA を添加した保留分について2回繰り返された。この結果得られた25 mlの保留分 には、1 g当たり0.95ユニットのグルコースオキシダーゼ活性が含まれていた。2.2.グルコースオキシダーゼ活性の決定 定義:1グルコースオキシダーゼ(GOD)ユニットは、特定の条件下で、1分 間あたり1μmoleのグルコースを転化させる酵素量に相当する。活性は、酵素調 製物1 g当たりのユニットで示される。 試薬:(i)緩衝液:20 gのNa2HPO4-2H2Oを、900 mlの蒸留水に溶解して、pH を6.5に調整する;(ii)染色試薬(貯蔵液):200 mgの2,6-ジクロロ-フェノー ル-インドフェノール、シグマ社商品番号D-1878を、1000 mlの蒸留水に入れ、1 時間激しく振とうして溶解する;(iii)ペルオキシダーゼ(貯蔵液):ベーリ ンガー・マンハイム社、商品番号127 361を10,000ユニット、10 mlの蒸留水に溶 解 し、4.2gの硫酸アンモニウムを添加する;(iv)基質:緩衝液中10% w/vのD-グ ルコース溶液;(v)標準酵素:アマノ(Amano)社からのヒドラーゼ、#1423。 解析原理と方法:グルコースは、グルコン酸とH2O2に転化され、続いて、H2O2 は、ペルオキシダーゼによってH2OとO2に転化される。生成された酸素が、青色 染色試薬2,6-ジクロロ-フェノール-インドフェノールを酸化し、それによって、 試薬の色が紫に変化する。酸化された色を、分光光度計によって590 nmで測定し 、標準に対する相対値で酵素活性値を計算する。2.3.小麦粉をもとにした軟塊における、チオール基間の架橋に対する、ヘキ ソースオキシダーゼ調製物の効果 1500 gの小麦粉、400ブラベンダーユニット(Brabender Unit)(BU)の水、9 0 gの酵母、20 gのスクロース、および20 gの塩から調製され、上記ヘキソース オキシダーゼ調製物をそれぞれ、小麦粉1kgあたり0、100、250、875、および12 50ユニット添加した軟塊の中の、遊離チオール基の含量を測定して、チオール基 の架橋形成に対するヘキソースオキシダーゼの効果を調べた。測定は、本質的に は、「Cereal Chemistry、1983、70、22-26」でも説明されている、エルマン(E llman)の比色法(1958)によって行われた。この方法は、5.5'-ジチオ-ビス(2 -ニトロ安息香酸)(DTNB)が、軟塊中のチオール基と反応して、2-ニトロ-5-メ ルカプト-安息香酸の強く着色した陰イオンを形成し、412 nmで、分光光度計的 に測定されるという原理に基づいている。 軟塊中のチオール基の量の相対的な変化は、軟塊の中のチオール基とDTNBの間 の相互作用から生じる吸光度(OD)の変化として反映されると仮定して、以下の 結果を得た。 ヘキソースオキシダーゼ GODユニット/kg穀粉 OD412 0 0.297 100 0.285 250 0.265 875 0.187 1250 0.138 このように、この実験は、ODの有意な減少を示したが、これは、添加されたヘ キソースオキシダーゼ活性の量に比例する遊離のチオール基含量の減少を示して いる。2.4.ヘキソースオキシダーゼの添加による軟塊の流動学的特性の改良 上記の軟塊に、小麦粉1 kg当たり100ユニットのヘキソースオキシダーゼ活性 に相当する量のヘキソースオキシダーゼ調製物を添加するか、添加しないかして 、AACC法54-10によるエクステンシグラフ測定を行なった。酵素を添加しない軟 塊を対照として用いた。 上記の方法の原理は、成形後の軟塊を、それぞれ、30℃で、45、90、135、お よび180分間寝かせた後に、延ばされたときの物理的な変形に対する軟塊の抵抗 性を示す、負荷−伸展曲線(エクステンシグラム)を記録することができるエク ステンシグラフを用いて、負荷−伸展試験を行なうというものである。この曲線 から、伸展に対する抵抗性B(曲線の高さ)および伸展性C(曲線の全長)を計 算することができる。B/C比(D)は、小麦粉軟塊の焼固強度を示す。 本実験の結果を、下の表2.1にまとめた。 この表から、ヘキソースオキシダーゼ(HOX)の添加には、B値の増加によっ て 示されているように、軟塊の伸展に対する抵抗性を改良する効果があることが明 らかである。これは、小麦粉の焼固強度が、ヘキソースオキシダーゼの添加によ って、有意に上昇していることを明確に示すものとして、B/C比がほぼ2倍に なったことに反映されている。 同様の実験において、市販のグルコースオキシダーゼ製品を、小麦粉1 kg当た り100ユニット添加し、酵素を添加しない軟塊を対照に用いて、同じようにして 上記のパラメータを測定した。この実験の結果を、下の表2.2に示す。 上記2つの実験を、対照用軟塊と、ヘキソースオキシダーゼ、またはグルコー スオキシダーゼを添加した軟塊との違いに関して比較してみると、ヘキソースオ キシダーゼの方が、グルコースオキシダーゼよりも高い強化効果を有することが 分かる。さらに、B/C比は、グルコースオキシダーゼに比べて、ヘキソースオ キシダーゼで急速に増加しており、このことは、焼固強度の促進は、グルコース オキシダーゼよりもヘキソースオキシダーゼによって、より効率的に付与される ことを明確に示している(図1)。 実施例3コンドラス・クリスパス(Chondrus crispus)から抽出されたヘキソースオキシ ダーゼの軟塊改良効果 この実験のため、新鮮な海藻コンドラス・クリスパス(Chondrus crispus)の 葉状体を、デンマークのHirsholmeneの沿岸から採集した。2つの異なる抽出法 を用いてヘキソースオキシダーゼを分離し、下記の軟塊改良実験のために2つの 方法から得た材料をまとめた。3.1.コンドラス・クリスパス(Chondrus crispus)Iからのヘキソースオキ シダーゼの精製 954 gの新鮮な葉状体を蒸留水で濯いで、タオルで乾かし、液体窒素の中で保 存した。この海藻を、ワーリングブレンダー(Waring blender)を用いて混合し 、1908 mlの0.1 Mリン酸ナトリウム緩衝液、1 M NaCl、pH 6.8を混合した海藻に 添加した。混合液を、5℃で4日間、定常的に撹拌して抽出し、その後20,000× gで30分間遠心分離した。 この結果得られた1910 mlの上清(351.1 U/ml)を、40℃で、ビューキロータ ベイパー(Buechi Rotavapor)R110の中で、440 mlになるまで濃縮した。この濃 縮液を、硫酸アンモニウムで25%まで分画した。この混合液を30分間撹拌して、 47,000×gで20分間遠心分離した。上清(395 ml)を20 lの10 mMトリエタノール アミン(TEA)緩衝液、pH 7.3に対して、一晩透析し、最終容量を610 mlにした (367.1 U/ml)。 上記の610 mlを、20 mMのTEA緩衝液、pH 7.3で平衡化した130 mlのQ-セファロ ースFFを含む2.6×25 cmのカラムに2回かけた。このカラムを平衡化緩衝液で洗 滌してから、0から0.8MのNaClの勾配をつけた800 mlの平衡化緩衝液で、結合蛋 白質を溶出した。カラムは、4 ml/分で溶出し、12 mlの分画を採集した。ヘキソ ースオキシダーゼ活性を含む画分を集めて、最終容量545 mlにまとめた(241.4 U/ml)。3.2.コンドラス・クリスパス(Chondrus crispus)IIからのヘキソースオキ シダーゼの精製 1250 gの新鮮な葉状体を蒸留水で濯いで、タオルで乾かし、液体窒素の中で保 存した。この海藻を、ワーリングブレンダーを用いて混合し、2500 mlの0.1 Mリ ン酸ナトリウム緩衝液、1 M NaCl、pH 6.8を添加した。5℃で4日間、継続的に 撹拌して抽出し、その後、20,000×gで30分間遠心分離した。 この結果得られた2200 mlの上清(332.8 U/ml)を、40℃で、ビューキロータ ベ イパー(Buechi Rotavapor)R110を用いて445 mlになるまで濃縮した。この結果 得られた濃縮液を、硫酸アンモニウムで25%まで分画した。この混合液を30分間 撹拌して、47,000×gで20分間遠心分離した。沈殿物は捨てた。380 mlの上清を 、20 lの10 mM TEA緩衝液、pH 7.3に対して、一晩透析し、最終容量を850 mlに した(319.2 U/ml)。 上記の850 mlを、20 mMのTEA緩衝液、pH 7.3で平衡化した130 mlのQ-セファロ ースFFを含む2.6×25 cmのカラムにかけた。このカラムを平衡化緩衝液で洗滌し てから、0から0.8MのNalの勾配をつけた800 mlの平衡化緩衝液を用いて、結合 蛋白質を溶出した。カラムは、4 ml/分で溶出し、12 mlの分画を採集した。ヘキ ソースオキシダーゼ活性を含む画分を集めて、最終容量288 mlにまとめた。 上記の工程で得られた保留分を、50 mMのリン酸ナトリウム、1 M NaCl、pH 7. 4で平衡化した、Ni2+入りの金属キレート用セファロースFFを185 ml含む2.6×31 cmのカラムにかけた。この結合蛋白質を、0から35 mMのイミダゾール、pH 4.7 の勾配をつけた平衡化緩衝液740 mlで溶出した。カラムは、2 ml/分で溶出し、1 1 mlの分画を採集した。画分41〜54(140 ml、352.3 U/ml)を集めた。いくらか のヘキソースオキシダーゼが、カラムから流出した。3.3.抽出物の収集および濃縮 流出分、ならびに精製IIからの140 ml、および精製Iからの545 mlを集めたと ころ、最終容量が1120 ml(303.6 U/ml)となった。この1120 mlを回転させなが ら蒸発させて210 mlの容量にして、その後、20 lの10 mM TEA緩衝液、pH 7.3に 対して、一晩透析し、最終容量を207 mlにした(1200.4 U/ml)。3.3.1.陰イオン交換工程 上記の工程から得られた保留分を、20 mMのトリエタノールアミン、pH 7.3で 平衡化した130 mlのQ-セファロースFFを含む2.6×25 cmのカラムにかけた。この カラムを平衡化緩衝液で洗滌してから、0から0.8MのNaClの勾配をつけた800 ml の平衡化緩衝液で、結合蛋白質を溶出した。カラムは、4 ml/分の速度で溶出し 、12 mlの分画を採集した。ヘキソースオキシダーゼ活性を含む画分30〜50(260 ml、764.1 U/ml)を収集してまとめた。3.3.2.その他の酵素活性 上記で集めた溶液に、カタラーゼ、プロテアーゼ、キシラナーゼ、α-アミラ ーゼ、β-アミラーゼ、およびリパーゼの副活性がないかを調べた。この溶液中 には、これらの活性のいずれも見られなかった。3.4.ヘキソースオキシダーゼの添加による軟塊の流動学的特徴の改良 小麦粉、水、および塩から軟塊を調製し、これらに対して、上記のヘキソース オキシダーゼ調製物を、小麦粉1 kg当たり、それぞれ、0、72、216、および360 ユニット添加した。酵素を添加していない軟塊を対照として用いた。さらに、デ ンマークのノボ・ノルディスクA/S(Novo Nordisk A/S)から購入可能なグルコ ースオキシダーゼであるグルザイム(Gluzyme)を、小麦粉1 kg当たり、それぞ れ216および360ユニット添加した軟塊を2個調製した。 これらの軟塊について、上記のAACC法54-10の修正法により、エクステンシグ ラフ測定を行なった。この実験の結果を、下の表3.1に要約した。 上記の表により、ヘキソースオキシダーゼ(HOX)またはグルコースオキシダ ーゼの添加に、B値の増加によって示されるように、伸展に対する軟塊の抵抗性 を改良する効果があったことは明らかである。このことは、酵素の添加によって 、 小麦粉の焼固強度が有意に向上したことを明確に示すものとしてのB/C比の増 加に反映されている。 ヘキソースオキシダーゼの方が、グルコースオキシダーゼよりも強化効果が高 いことも明らかである。さらに、グルコースオキシダーゼに較べて、ヘキソース オキシダーゼでB/C比が急速に増加しており、このことは、焼固強度の向上が 、グルコースオキシダーゼよりもヘキソースオキシダーゼによってより効率的に 付与されることを明確に示している。実施例4 コンドラス・クリスパス(Chondrus crispus)から抽出されたヘキソースオキシ ダーゼの軟塊改良効果 4.1.コンドラス・クリスパス(Chondrus crispus)からのヘキソースオキシ ダーゼの精製 新鮮なコンドラス・クリスパス(Chondrus crispus)の葉状体を、フランスの ブルターニュの沿岸から採集した。この新鮮な葉状体2285 gを蒸留水で濯いで、 タオルで乾かし、液体窒素の中で保存した。この海藻を、ワーリングブレンダー を用いて混合した後、4570 mlの0.1 Mリン酸ナトリウム緩衝液、1 M NaCl、pH 6 .8を添加した。この混合液を、5℃で4日間、継続的にマグネチックスターラー で継続的に撹拌して抽出し、その後、20,000×gで30分間遠心分離した。 この結果得られた4930 mlの上清(624.4 U/ml)を、ビュキロータベイパー(B uechi Rotavapor)R110を用い、40℃で、1508 mlになるまで濃縮した。この結果 得られた濃縮液を、ポリエチレングリコールで3%(w/v)まで分画した。この 混合液を30分間撹拌して、47,000×gで30分間遠心分離した。沈殿物は捨てた。1 470 mlの上清(2118.7 U/ml)を、24%までPEG分画した。この混合液を30分間撹 拌して、47,000×gで30分間遠心分離した。上清を捨て、414.15 gの沈澱を200 m lの20 mM TEA緩衝液、pH 7.3に懸濁してから、20 lの10 mM TEA緩衝液、pH 7.3 に対して、5℃で一晩透析した。 透析後、容量は、650 mlになった(2968.6 U/ml)。この懸濁液を、20,000×g で30分間遠心分離した。この沈澱は捨てて、上清を、蒸留水で希釈して、3200 m lにした。 上記の3200 ml(829.9 U/ml)を、20 mMのTEA緩衝液、pH 7.3で平衡化した110 0 mlのQ-セファロースFFを含む10×14 cmのカラムにかけた。このカラムを平衡 化緩衝液で洗滌してから、0から0.8MのNaClの勾配をつけた15,000 mlの平衡化 緩衝液を用いて、結合蛋白質を溶出した。カラムは、50 ml/分で溶出した。ヘキ ソースオキシダーゼが、カラムを通過したので、この840 mlを集めた。 この840 mlの懸濁液をキーゼルグール(kieselguhr)で処理して、335 ml(26 93.3 U/ml)まで濃縮した。 上記の335 mlを、3 lのセファデックス(Sephadex)G25C脱塩カラム10×40 cm にかけた。このカラムは、20 mMのTEA緩衝液、pH 7.3で平衡化して、100 ml/分 の流速で溶出し、970 mlの溶出液を集めた。この溶出液を、20 mMのTEA緩衝液、 pH 7.3で平衡化した1100 mlのQ-セファロースFFを含む10×14 cmのカラムにかけ た。このカラムを平衡化緩衝液で洗滌してから、0から0.8MのNaClの勾配をつけ た15,000 mlの平衡化緩衝液を用いて、結合蛋白質を溶出した。カラムは、50 ml /分で溶出した。ヘキソースオキシダーゼが、カラムを通過したので、この1035 mlを集めた。 上記の溶出液(1035 ml)に、最終濃度が2 Mになるように、硫酸アンモニウム を添加した。そして、この混合液を、25 mMのリン酸ナトリウム緩衝液、pH 6.3 、および2 Mの(NH4)2SO4で平衡化した、200 mlのフェニルセファロースHPを含む 5×10 cmのカラムに2回通した。このカラムを、平衡化緩衝液で洗滌し、その後 、2 Mから0 Mまでの(NH4)2SO4の勾配をつけた25 mMのリン酸ナトリウム緩衝液5, 000 mlを用いて、50 ml/分の速度で結合蛋白質を溶出した。500 mlおよび29 ml の分画を、それぞれ1回目の操作と2回目の操作から収集した。ヘキソースオキ シダーゼ活性を含む、1回目の操作の画分5と2回目の操作の画分27〜42をまと めて全部で1050 ml(563.9 U/ml)とした。 上記の収集液を、3 lのセファデックス(Sephadex)G25Cゲル濾過カラムにか けて脱塩した。このカラムは、20 mMのTEA緩衝液、pH 7.3で平衡化して、100 ml /分の流速で溶出し、1,000 mlの溶出液を集めた。 この1,000 mlの溶出液を202 ml(2310.2 U/ml)に濃縮し、この調製物を次の 流動学試験に用いた。4.2.ヘキソースオキシダーゼの添加による軟塊の流動学的特徴の改良 小麦粉、水、および塩から軟塊を調製し、これらに、小麦粉1 kg当たり、それ ぞれ、0、288、504、および720酸化還元酵素ユニットの上記ヘキソースオキシダ ーゼ調製物を添加した。酵素を添加していない軟塊を対照として用いた。さらに 、デンマークのノボ・ノルディスクA/S(Novo Nordisk A/S)から購入可能なグ ルコースオキシダーゼであるグルザイム(Gluzyme)を、小麦粉1 kg当たり、そ れぞれ288および504酸化還元酵素ユニット添加して、2個の軟塊を調製した。 これらの軟塊について、上記のAACC法54-10の修正法により、エクステンシグ ラフ測定を行なった。 この実験の結果を、下の表4.1に要約した。 上記の結果より、ヘキソースオキシダーゼ(HOX)またはグルコースオキシダ ーゼの添加に、B値の増加によって示されるように、伸展に対する軟塊の抵抗性 を改良する効果があったことは明らかである。このことは、B/C比の増加に反 映 されている。 ヘキソースオキシダーゼの方が、グルコースオキシダーゼよりも強化効果が高 く、両酵素の強化効果は、添加した酵素の量に比例していることも明らかである 。さらに、グルコースオキシダーゼに較べて、ヘキソースオキシダーゼでB/C 比が急速に増加しており、このことは、焼固強度の向上が、グルコースオキシダ ーゼよりもヘキソースオキシダーゼによってより効率的に付与されることを明確 に示している。 実施例5コンドラス・クリスパス(Chondrus crispus)から抽出されたヘキソースオキシ ダーゼのパンの特異的容量に対する改良効果 5.1.コンドラス・クリスパス(Chondrus crispus)からのヘキソースオキシ ダーゼの精製 新鮮なコンドラス・クリスパス(Chondrus crispus)の葉状体を、フランスの ブルターニュの沿岸から採集した。この新鮮な葉状体2191 gを蒸留水で濯いで、 タオルで乾かし、液体窒素の中で保存した。この海藻を、ワーリングブレンダー で混合した後、4382 mlの0.1 Mリン酸ナトリウム緩衝液、および1 M NaCl、pH 6 .8を添加した。この混合液を、5℃で4日間、継続的にマグネチックスターラー で継続的に撹拌して抽出し、その後、20,000×gで20分間遠心分離した。 この結果得られた4600 mlの上清(746.1 U/ml)を、ビュキロータベイパー(B uechi Rotavapor)R110で、40℃で850 mlになるまで濃縮した。この濃縮液(362 6.9 U/ml)を、ポリエチレングリコールで3%(w/v)まで分画した。この混合 液を30分間撹拌して、20,000×gで30分間遠心分離した。沈殿物は捨てた。705 m lの上清(2489.8U/ml)を25%までPEG分画した。この混合液を30分間撹拌して、 20,000×gで30分間遠心分離した。上清を捨て、341 gの沈澱を225 mlの20 mM TE A緩衝液、pH 7.3に懸濁した。この懸濁液(500 ml)を、3 lのセファデックス( Sephadex)G25C脱塩カラム10×40 cmにかけて脱塩した。カラムは、20 mMのTEA 緩衝液、pH 7.3で平衡化して、100 ml/分の流速で溶出した。1605 mlの溶出液を 集めた。 上記の溶出液(687.5 U/ml)に、最終濃度が2 Mになるように、硫酸アンモニ ウ ムを添加した。そして、この混合液を、25 mMのリン酸ナトリウム緩衝液、pH 6. 3、および2 Mの(NH4)2SO4で平衡化した、200 mlのフェニルセファロースHPを含 む5×10 cmのカラムに2回通した。このカラムを、平衡化緩衝液で洗滌し、その 後、2 Mから0 Mまでの(NH4)2SO4の勾配をつけた25 mMのリン酸ナトリウム緩衝液 中5,000 mlを用いて、50 ml/分の速度で結合蛋白質を溶出した。29 mlの分画を 収集した。ヘキソースオキシダーゼ活性を含む、1回目の操作における画分85〜 105と2回目の操作における画分36〜69をまとめて全部で1485 ml(194.7 U/ml) とした。 上記の収集画分を、4.1.で用いたのと同じ、3 lのセファデックス(Sephadex )G25Cゲル濾過カラムにかけて脱塩した。このカラムは、20 mMのTEA緩衝液、pH 7.3で平衡化して、100 ml/分の流速で溶出した。1,200 mlの溶出液を収集した 。 この1,200 mlの溶出液を、685 ml(726.2 U/ml)に濃縮して、焼固実験に用い た。5.2.ヘキソースオキシダーゼを軟塊に添加することによるパンの特異的容量 の改良 1500 gの穀粉、90 gの酵母、24 gの塩、24 gの砂糖、および400 BUの水から軟 塊を調製し、これに、穀粉1kgについて108ユニットの上記の精製ヘキソースオ キシダーゼ、および、108ユニットのグルザイム(デンマークのNovo Nordisk A/ Sから購入可能なグルコースオキシダーゼ)をそれぞれ添加した。この軟塊は、 ホバート(Hobart)ミキサーで、2+9分間、26℃で混合し、2つの部分に分けた 後、30℃で10分間保温装置の中に静置し、フォーツナ(Fortuna)3/17/7で成形 し、85%RHと34℃で45分間加工した。このように加工された軟塊を、バゴ(Bago )オーブンで、12秒スチーム、220℃で17分間焼いた。 実験の結果は、下の表5.1に示されている。 上の表から、ヘキソースオキシダーゼまたはグルコースオキシダーゼの添加に 、全容量を増加させる効果があり、重量についても、本質的に同じであることが 明らかである。このことは、酵素を添加せずに焼いたパンと比較したときの特異 的な容量の増加に反映されている。 また、ヘキソースオキシダーゼが、同じ用量のグルコースオキシダーゼよりも 、特異的容量の増加に有意に大きな効果を有することも明らかである。 実施例6精製ヘキソースオキシダーゼの特徴 上記の精製からの調製物を、ヘキソースオキシダーゼの特徴解析に用いた。6.1.非変性PAGE後のヘキソース活性に対する染色 製造業者の指示(ノベックス(Novex)社、米国、サンディエゴ)に従い、予 め成形されている8〜16%のトリス−グリシンノベックス(Novex)ゲルを用いた 非変性PAGEによって、ヘキソースオキシダーゼ活性を解析した。電気泳動後、ウ ィッテビーン(Witteveen)、C.F.B.(1993)による学位論文「アスペルギルス ・ニゲル(Aspergillus niger)におけるグルコン酸形成とポリオール代謝」で 説明されているように、50 mMリン酸ナトリウム緩衝液、pH 6.0、100 mMグルコ ース、50 mg/lフェナジンメトスルフェート(シグマ(Sigma)社、P9625)、お よび50 mg/lニトロブルーテトラゾリウム(シグマ、N6876)を含む溶液中でゲル をインキュベートして、ヘキソースオキシダーゼ活性に関する染色を行なった。 約30分後、ヘキソースオキシダーゼ活性は、互いに非常に近接した2本のバンド として出現した。ヘキソースオキシダーゼの非変性PAGEを銀染色したときにも、 同じ2本 のバンドが見られた。精製されたヘキソースオキシダーゼの分子量は、非変性PA GEによって144 kDと判定された。ゲルの半分を銀染色し、残りの半分を活性染色 した。標準マーカーとして、ウシ血清アルブミン(67 kD)、乳酸デヒドロゲナ ーゼ(140 kD)、カタラーゼ(232 kD)、フェリチン(440 kD)、およびチログ ロブリン(66 9kD)が用いられた。6.2.SDS-PAGEによる分子量の決定 上記で説明された非変性PAGEを最初に行なった材料について、分子量も決定し 、活性染色後、ゲルからヘキソースオキシダーゼのバンドを切り出し、次に、エ レクトロ-エルーター(Electro-Eluter)(モデル422、バイオラド(Bio-Rad) 社、米国カリフォルニア州)を、製造業者が推奨するところにしたがって電気溶 出した。電気溶出した蛋白質についてSDS-PAGEおよび銀染色を行なった。この材 料は、SDS-PAGEゲルで、約70 kDの「一つ」の2本バンドを示した。したがって 、電気溶出されたヘキソースオキシダーゼは、2つのサブユニットからなる2量 体である。6.3.ヘキソースオキシダーゼのpIの決定 製造業者(ノベックス(Novex)社、米国、サンディエゴ)の椎奨するところ に従い、予め成形されている3〜10 IEFゲルを用いた等電点電気泳動(IEF)によ って、ヘキソースオキシダーゼ活性を含むサンプルを解析した。電気泳動後、ゲ ルの半分を銀染色し、残りの半分は、6.1.で説明されたように、ニトロブルーテ トラゾリウムで染色した。 ヘキソースオキシダーゼは、2本のバンドとして染色された。第一のバンドの pIは、4.79で、第二のバンドのpIは、4.64であった。標準マーカーとして用いら れたのは、トリプシノーゲン(9.30)、レンズマメレクチンの塩基性バンド(8. 65)、レンズマメレクチンの中間バンド(8.45)、レンズマメレクチンの酸性バ ンド(8.15)、ウマ・ミオグロブリン酸性バンド(6.85)、ヒト・カルボニック アンヒドラーゼB(5.85)、β-ラクトグロブリンA(5.20)、ダイズ・トリプ シンインヒビター(4.55)、およびアミログルコシダーゼ(3.50)である。6.4.異なる糖類に関するヘキソースオキシダーゼのKmの決定 1.2.3で説明されているように、7種の異なる糖について、ヘキソースオキシ ダ ーゼのKmを決定した。結果は、下の表6.1に要約されている。 6.5 ヘキソースオキシダーゼのペプチド配列の決定 6.2における電気溶出された混合液からの50μlを、450μlの0.1%トリフルオ ロ酢酸(TFA)で懸濁した。 トリス、グリシン、およびSDSを除くために、上記の混合液を逆相HPLCでクロ マトグラフィーにかけた。その結果得られた溶液を、0.1%TFAで平衡化した、4. 6×30 cmのブラウンリー(Brownlee)C2カラムに9回かけた。このカラムを平衡 化緩衝液で洗滌してから、10から80%のアセトニトリル勾配をつけた14 mlの0.1 %TFAを用いて、流速0.7 ml/分で結合ペプチドを溶出した。酵素を含む最大のピ ークからの画分を集めて、凍結乾燥した。6.5.1 エンドプロテイナーゼLvs-C消化 この結果得られた凍結乾燥酵素を、50μlの8 M尿素、0.4 M NH4HCO3、pH 8.4 に溶解させた。5μlの45 mMジチオスレイトールを添加し、50℃で15分間、N2雰 囲気覆で、蛋白質の変性と還元を行なった。溶液を室温まで冷却して、5μlの10 0 mMヨードアセトアミドを添加し、N2下暗所で、15分間、室温でシステインを誘 導した。その後、この溶液を135μlの水に懸濁し、5μlの水に溶解した5μgのエ ンドプロテイナーゼLys-Cを添加することにより、N2下37℃で、24時間消化を行 なった。反応混合液を-20℃で凍らせて、反応を終結させた。6.5.2 ペプチドの逆相HPLC分離 溶媒Aとして、水に溶かした0.1%TFAを用い、溶媒Bとして、アセトニトリル に溶かした0.1%TFAを用いて、0.46×15 cmのVYDAC C18カラム(The Separation Group、米国カリフォルニア州)での逆相HPLCによって、上の結果得られたペプ チドを分離した。6.5.3 ペプチド配列決定 シークエンシングは、製造業者の指示にしたがい、パルス-リキッドファスト サイクル(Pulsed-liquid fast cycles)を用いて、アプライドバイオシステム ズ476Aシークエンサー(アプライドバイオシステムズ社、米国、カリフォルニア 州)で行なった。下記のアミノ酸配列を有するペプチドが同定された。 DPGYIVIDVNAGTPDKPDP
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AT,AU ,AZ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN, CZ,CZ,DE,DE,DK,DK,EE,EE,E S,FI,FI,GB,GE,HU,IS,JP,KE ,KG,KP,KR,KZ,LK,LR,LS,LT, LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG ,SI,SK,SK,TJ,TM,TR,TT,UA, UG,US,UZ,VN (72)発明者 ホストラップ パーナイル バック デンマーク国 アルハス シー ディーケ ー−8000 5.ティーブイ エフ.ベスタ ーガーズ ゲイド 30

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.小麦粉軟塊の流動学的特性、および軟塊から製造された完成品の品質を改良 する方法であって、軟塊成分、軟塊添加剤、または軟塊に、少なくともマルトー スを酸化することができる酸化還元酵素を有効量添加することを含む、方法。 2.酸化還元酵素がヘキソースオキシダーゼである、請求項1記載の方法。 3.ヘキソースオキシダーゼが、藻類種、植物種、および微生物種から選択され た起源に由来するものである、請求項2記載の方法。 4.ヘキソースオキシダーゼが、コンドラス・クリスパス(Chondrus crispus) に由来するものである、請求項3記載の方法。 5.ヘキソースオキシダーゼが、穀粉1kg当たり1から10,000ユニットの範囲の 量添加される、請求項2記載の方法。 6.ヘキソースオキシダーゼが、穀粉1kg当たり10から1,000ユニットの範囲の 量添加される、請求項5記載の方法。 7.AACC法54-10によって測定される伸展に対する抵抗性(曲線の高さ、B)と 伸展性(曲線の長さ、C)との間の比率、すなわちB/C比に関して、伸展に対 する軟塊の抵抗性が、酸化還元酵素が含まれていない点のみが異なる同様の軟塊 の抵抗性と較べて、少なくとも10%増加する、請求項1または2記載の方法。 8.完成品がパンである、請求項1記載の方法。 9.完成品が麺製品である、請求項1記載の方法。 10.完成品が食用ペースト製品である、請求項1記載の方法。 11.少なくとも一つのさらに別の酵素が軟塊成分、軟塊添加剤、または軟塊に 添加される、請求項1記載の方法。 12.さらに別の酵素が、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、キシラナーゼ、デンプ ン分解酵素、グルコースオキシダーゼ、リパーゼ、およびプロテアーゼからなる 群より選択される、請求項11記載の方法。 13.少なくともマルトースを酸化することができる酸化還元酵素と、少なくと も一つのさらに別の軟塊成分または軟塊添加剤とを含む、軟塊改良用組成物。 14.酸化還元酵素が、藻類種、植物種、および微生物種から選択される起源に 由来するものである、請求項13記載の組成物。 15.酸化還元酵素がヘキソースオキシダーゼである、請求項14記載の組成物 。 16.ヘキソースオキシダーゼが、コンドラス・クリスパス(Chondrus crispus )に由来するものである、請求項15記載の組成物。 17.焼固製品を調製するために、または麺製品もしくは食用ペースト製品を作 成するために有用な、予め調製されている混合物である、請求項13記載の組成 物。 18.乳化剤および親水コロイドからなる群より選択される添加剤を含む、請求 項13記載の組成物。 19.親水コロイドが、アルギン酸、カラゲニン、ペクチン、および植物性ガム からなる群より選択されるものである、請求項18記載の組成物。 20.焼固製品を調製する方法であって、少なくともマルトースを酸化すること ができる酸化還元酵素が有効量添加された穀粉軟塊を調製すること、および軟塊 を焼くことを含む方法。 21.酸化還元酵素が含まれていない軟塊から調製されたという点のみが異なる 同様の焼固製品に比べて、焼固製品の特異的容量が増加する、請求項20記載の 方法。 22.特異的容量が少なくとも20%増加する、請求項21記載の方法。 23.少なくとも一つのさらに別の酵素が軟塊に加えられる、請求項20記載の 方法。 24.さらに別の酵素が、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、キシラナーゼ、デンプ ン分解酵素、グルコースオキシダーゼ、リパーゼ、およびプロテアーゼからなる 群より選択されるものである、請求項20記載の方法。 25.酸化還元酵素がヘキソースオキシダーゼである、請求項20記載の方法。 26.軟塊にマルトースを酸化する酸化還元酵素を有効量添加することを含む、 穀粉軟塊をもとにした食品を調製する方法。 27.酸化還元酵素がヘキソースオキシダーゼである、請求項26記載の方法。
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