JP3021784B2 - 改質小麦粉の製造方法 - Google Patents
改質小麦粉の製造方法Info
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Description
関し、詳しくは小麦粉を素材とする膨化食品、特にイー
ストを用いるパン類を製造するに際して有用な改質小麦
粉の製造方法に関するものである。
パン類の製造に際して、常にパン体積が大きく、風味等
のすぐれたパン類を製造するために様々な方法が開発さ
れている。例えば、品質の良好な原料小麦粉の選定や、
製粉工程における品質の設定、あるいは各種添加剤等の
開発、原料小麦粉の改良等が挙げられる。添加剤の種類
も様々であり、イーストの活性化を目的とした各種イー
ストフードの開発、あるいは生地の改良を目的とした各
種の酸化還元剤、酵素、蛋白質、乳化剤等がある。
程における品質の設定ではパン品質の変動は避けられ
ず、また、添加剤等では風味等の問題から使用には限界
があり、パン体積と風味等を同時に満足させるのに十分
な原料小麦粉が得られていないのが現状である。
るいは従来提案されている小麦粉の改質方法では、上記
物性を同時に満足させるものは得られていない。例え
ば、特開昭56-35940号公報には小麦粉と水を混練するに
際してこれに乳化剤、油脂等の副資材を同時に混捏後、
これを冷蔵もしくは冷凍するパン焼成用の素材生地であ
る中麺の製造法が開示されている。また特開昭62-16683
1 号公報では原料小麦粉に多量の水を加え、特定の時点
まで攪拌混合し、この混合物を乾燥する改良小麦粉の製
法が開示されており、また特開昭62-107742 号公報では
小麦粉に水を加えて混合した後、再び乾燥する菓子用小
麦粉の製造法が開示されている。更に本出願人の出願に
係わる特願平2-89635号明細書には、小麦粉と水を混練
して調整した生地中のアノミ酸画分及び生地の弾性が特
定値の範囲であるような改質小麦粉の製造方法が記載さ
れている。しかしながら、これらの方法で得られた改質
小麦粉を用いた焼成パンの体積(比容積)は十分でな
く、より比容積の大きいソフトでボリューム感のあるパ
ンを得るための改質小麦粉が望まれている。
ついて鋭意研究を行った結果、本発明を完成した。即
ち、本発明は、小麦粉100 重量部に対して、グリセリン
モノ又はジ脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エ
ステル、リン脂質及び糖脂質から選ばれる1種もしくは
2種以上の脂質0.1 〜10重量部、及び30重量部以上の水
を加え、均一混合して生地を調製し、生地温度5〜40℃
で、2〜24時間熟成後、乾燥、粉砕、製粉することを特
徴とする改質小麦粉の製造方法を提供するものである。
リンモノ又はジ脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪
酸エステル、リン脂質及び糖脂質から選ばれる1種もし
くは2種以上のものであり、いずれも親水基を有する食
品添加物として使用できる食品用界面活性剤である。即
ち、グリセリンモノ又はジ脂肪酸エステルとは、例えば
「第三版食品添加物公定書注解」(金原出版(株), 昭
和49年1月20日発行)の第225 頁〜第227 頁, あるいは
油脂, 第37巻, 第2号(1984年), 第45頁〜第52頁に開
示の親水基を有するグリセリンモノ又はジ脂肪酸エステ
ルをいう。グリセリン有機酸脂肪酸エステルとは、例え
ば油脂,第37巻, 第5号(1984年), 第57頁〜第63頁に
開示されているモノグリセリドに有機酸(酢酸、乳酸、
クエン酸、コハク酸、ジアセチル酒石酸など)が1〜2
個結合したものを主にいう。リン脂質としては、ホスフ
ァチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミンなど
のレシチン構成成分、その加水分解物、そのエステル交
換物、リゾレシチン、リゾホスファチジン酸、ホスファ
チジン酸などが挙げられる。糖脂質としては、ジガラク
トシルジグリセリド、モノガラクトシルジグリセリド、
ジガラクトシルモノグリセリド、モノガラクトシルモノ
グリセリド、アシルグルコシドなどが挙げられる。上記
脂質を構成する脂肪酸としては、炭素数8〜24で飽和及
び/又は不飽和の脂肪酸が好ましい。本発明において使
用する原料小麦粉としては、強力、中力、薄力小麦粉の
いずれも用いられるが、特にパン類に用いる強力小麦粉
が好ましい。
に対して、グリセリンモノ又はジ脂肪酸エステル、グリ
セリン有機酸脂肪酸エステル、リン脂質及び糖脂質から
選ばれる1種もしくは2種以上の脂質 0.1〜10重量部
と、30重量部以上の水を加え、均一混合して生地を調製
する。脂質の量が0.1 重量部未満であると本発明の効果
が得られず、10重量部を越えると効果が飽和に達し、経
済的に不利である。また水の量が30重量部未満であると
パンの体積が不十分であり、さらにはパンの風味が悪く
なる。水の量の上限は300 重量部が好ましく、300 重量
部を超えると物性、食感上問題は生じないが風味が悪く
なる。
後、乾燥、粉砕、製粉する。生地温度が5℃未満では本
発明の効果が得られず、40℃を越えると風味が悪くな
る。また熟成時間が2時間未満では本発明の効果が十分
でなく、24時間を越えるとパンの風味が損なわれるおそ
れがある。生地の作成の際の混捏条件については、一般
に製パンで用いられている混捏機であれば差し支えない
が、例えば、製パン用ミキサー(関東ミキサー)で中高
速(約270rpm) の場合は混捏時間が約5分間、自動製パ
ン機で混捏の場合は混捏時間が約30分間で最も効果があ
った。また、生地を作成する際に、原料小麦粉の他に予
め油脂、砂糖、塩、脱粉等の副資料を加えても差し支え
ない。また、熟成後の乾燥、粉砕、製粉の方法は特に限
定されず、従来公知の方法を用いることができる。
いると比容積がアップし、口あたりが軽く、ソフトでお
いしいパン、ケーキ等の小麦粉製品を得ることができ
る。
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。 実施例1 小麦粉100 gにナタネジグリセリドを5.0 g、水を70g
加えて均一混合して生地を調製し、20℃で6時間熟成し
た後、凍結乾燥をし、粉砕・製粉して改質小麦粉を得
た。 実施例2 小麦粉100 gにホスファチジン酸0.5 g、水を200 g加
えて均一混合して生地を調製し、30℃で10時間熟成した
後、噴霧乾燥をし、粉砕・製粉して改質小麦粉を得た。 実施例3 小麦粉100 gにコハク酸モノグリセリド1.0 g、水を50
g加えて均一混合して生地を調製し、10℃で3時間熟成
した後、凍結乾燥をし、粉砕・製粉して改質小麦粉を得
た。 実施例4 小麦粉100 gにジガラクトシルジグリセリド1.0 g、水
を100 g加えて均一混合して生地を調製し、20℃で6時
間熟成した後、凍結乾燥をし、粉砕・製粉して改質小麦
粉を得た。
ないこと以外は実施例1と同様に処理したものを比較例
2とした。 比較例3 実施例1において、ナタネジグリセリドに代えてナタネ
油を5.0 g用いた他は実施例1と同様に処理して改質小
麦粉を得た。
び無処理小麦粉を用いて下記配合および製造法によりス
ポンジケーキを製造した。得られたスポンジケーキにつ
いて比容積、口あたり、ソフトさ、おいしさを下記方法
により評価し、その結果を表1に示した。 <配 合> 改質小麦粉 1kg 砂糖(上白糖) 1kg 全卵 1.4kg 水 0.1kg 製菓用乳化剤 0.05kg <製造法>砂糖 (上白糖) 、全卵、水及び製菓用乳化剤
をミキサーボールに投入し、低速で30秒間混合後、これ
に改質小麦粉を加えて30秒間混合し、均一にならしめ、
次いで高速で4秒間ホイップを行ない、ケーキ生地を調
製した。この時点のケーキ生地の温度は20℃であり、み
かけ比重は0.55であった。得られたケーキ生地を次に直
径18cmのケーキ型に400 gずつはかり取り、 170±5℃
に設定した電気窯の中で40分間焼成後、室温に一昼夜放
置後、ケーキの評価を行なった。 <評価方法>口あたり、ソフトさ及びおいしさの評価を
10人のパネラーによるパネルテストで評価した。評価基
準は以下の通りである。 ◎:10人中8人以上が良好であると認識した。 ○:10人中5〜7人が良好であると認識した。 △:10人中3〜4人が良好であると認識した。 ×:10人中8人以上が不良であると認識した。 比容積はナタネ置換法で測定した。
び無処理小麦粉を用いて下記配合および製造法によりホ
ットケーキを製造した。得られたホットケーキについて
比容積、口あたり、ソフトさ、おいしさを試験例1と同
様に評価し、その結果を表2に示した。 <配 合> 改質小麦粉 100 g 砂糖 25 g 膨剤 5 g 油脂 3.5g 香料 0.1g 牛乳 80 ml 卵 50 g <製造法>小麦粉、砂糖、膨剤、油脂、香料をボールに
入れ、あらかじめ均一に混合したものに、牛乳、卵を添
加して混合してホットケーキ生地を調製した。これを16
0±5℃のホットプレートで焼成してホットケーキを得
た後、評価を行なった。
び無処理小麦粉を用いて表3に示す配合および下記製造
法によりパンを製造した。得られたパンについて比容
積、口あたり、ソフトさ、おいしさを試験例1と同様に
評価した。その結果を表4に示す。 <配 合>
コート) 、フックを用い、中種配合材料(改質小麦粉70
部、イースト2部、イーストフード0.1 部、水40部) を
ボールに入れ、低速2分、中高速1分で混捏し、捏上温
度を24℃とし、中種生地を調製した。次にこれを発酵
(中種発酵)させた。この時の条件は、 中種発酵温度 27℃ 中種発酵相対温度 75% 中種発酵時間 4時間30分 中種発酵終点品温 29.5℃ である。次に、この中種発酵生地に本捏配合材料(改質
小麦粉30部、食塩2部、砂糖5部、脱脂粉乳1部、水25
部) を添加し、低速3分、中高速4分で混捏した後に、
油脂5部を添加し、更に低速2分、中高速3分で混捏
し、本捏生地とした。この時の生地温度は約27.5℃であ
る。次に、混捏でダメージを受けた生地を回復させるた
めにフロアータイムを20分とり、この後に450 g
の生地に分割した。分割でダメージを受けた生地を回復
させる為に、ベンチタイムを室温で20分とり、モルダー
で整形した。次に、整形物をワンローフのパン型に入
れ、発酵 (ホイロ) を行なった。ホイロの条件を以下に
示す。 ホイロ温度 37℃ ホイロ相対温度 80% ホイロ時間 40分 このようにして調製したパン生地を210 ℃のオーブンで
30分間焼成した。焼成後20℃で45分間冷却した後、ビニ
ール袋に入れ、密閉化し、更に20℃で2日間(48時間)
保存し、その後パンの評価を行なった。
Claims (1)
- 【請求項1】 小麦粉100 重量部に対して、グリセリン
モノ又はジ脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エ
ステル、リン脂質及び糖脂質から選ばれる1種もしくは
2種以上の脂質 0.1〜10重量部、及び30重量部以上の水
を加え、均一混合して生地を調製し、生地温度5〜40℃
で、2〜24時間熟成後、乾燥、粉砕、製粉することを特
徴とする改質小麦粉の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3147229A JP3021784B2 (ja) | 1991-06-19 | 1991-06-19 | 改質小麦粉の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3147229A JP3021784B2 (ja) | 1991-06-19 | 1991-06-19 | 改質小麦粉の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04370055A JPH04370055A (ja) | 1992-12-22 |
JP3021784B2 true JP3021784B2 (ja) | 2000-03-15 |
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ID=15425493
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3147229A Expired - Fee Related JP3021784B2 (ja) | 1991-06-19 | 1991-06-19 | 改質小麦粉の製造方法 |
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---|---|
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DE60220155T2 (de) | 2001-05-18 | 2008-02-07 | Danisco A/S | Verfahren zur herstellung von teig mit einem enzym |
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1991
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