JPH10330626A - 光造形用樹脂組成物 - Google Patents
光造形用樹脂組成物Info
- Publication number
- JPH10330626A JPH10330626A JP9160605A JP16060597A JPH10330626A JP H10330626 A JPH10330626 A JP H10330626A JP 9160605 A JP9160605 A JP 9160605A JP 16060597 A JP16060597 A JP 16060597A JP H10330626 A JPH10330626 A JP H10330626A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin composition
- stereolithography
- fine particles
- viscosity
- inorganic solid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
- Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)
Abstract
えられる外部応力が変化しても、粘度低下や粘度変化が
生じず一定の粘度を保つことができて取り扱い性に優
れ、しかも力学的特性、寸法安定性、耐熱性などに優れ
る光造形物を製造することのできる光造形用樹脂組成
物、及びそれを用いる光造形物の製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】 5℃に於ける粘度が5,000cp以上
で且つチキソトロピー性の無い本発明の光造形用樹脂組
成物、特に液状光硬化性樹脂中に特定量のリン酸エステ
ル塩系界面活性剤と共に、特定サイズの無機固体微粒子
及び/又はウイスカーを特定量で含有する本発明の光造
形用樹脂組成物、並びにそれを用いる本発明の光造形方
法によって上記の課題が解決される。
Description
物およびそれを用いる光造形物の製造方法に関する。よ
り詳細には、本発明は、流動粘性的にチキソトロピー性
を有しておらず、流動や撹拌などの応力が加えられた
り、または光造形用樹脂組成物に加えられる応力が変化
しても、粘度低下や粘度変化が生じず一定の粘度を保っ
ており、そのため光学的立体造形などの光造形によって
造形物を製造する際に、寸法精度や物性に優れる光造形
物を、良好な取り扱い性や作業性で製造することのでき
る光造形用樹脂組成物およびそれを用いて光造形方法に
関する。
覆剤(特にハードコート剤)、ホトレジスト、歯科用材
料などとして広く用いられているが、近年、三次元CA
Dに入力されたデータに基づいて光硬化性樹脂組成物を
立体的に光学造形する方法が特に注目を集めている。光
学的立体造形技術に関しては、液状の光硬化性樹脂に必
要量の制御された光エネルギーを供給して薄層状に硬化
させ、その上に更に液状光硬化性樹脂を供給した後に制
御下に光照射して薄層状に積層硬化させるという工程を
繰り返すことによって立体造形物を製造する光学的立体
造形法が特開昭56−144478号公報によって開示
され、そしてその基本的な実用方法が更に特開昭60−
247515号公報によって提案された。そしてその
後、光学的立体造形技術に関する多数の提案がなされて
おり、例えば、特開昭62−35966号公報、特開平
1−204915号公報、特開平2−113925号公
報、特開平2−145616号公報、特開平2−153
722号公報、特開平3−15520号公報、特開平3
−21432号公報、特開平3−41126号公報など
には光学的立体造形法に係る技術が開示されている。
な方法としては、容器に入れた液状光硬化性樹脂組成物
の液面に所望のパターンが得られるようにコンピュータ
ーで制御された紫外線レーザーを選択的に照射して所定
の厚みに硬化させ、次にその硬化層の上に1層分の液状
樹脂組成物を供給して同様に紫外線レーザーを照射して
前記と同じように硬化させて連続した硬化層を形成させ
るという積層操作を繰り返して最終的な形状を有する立
体造形物を製造する方法が一般に広く採用されている。
この方法による場合は、造形物の形状がかなり複雑であ
っても簡単に且つ比較的短時間で目的とする立体造形物
を製造することが出来るために近年特に注目を集めてい
る。
性樹脂組成物としては、光重合性の変性(ポリ)ウレタ
ン(メタ)アクリレート系化合物、オリゴエステルアク
リレート系化合物、エポキシアクリレート系化合物、エ
ポキシ系化合物、ポリイミド系化合物、アミノアルキド
系化合物、ビニルエーテル系化合物などの光重合性化合
物の1種または2種以上を主成分としこれに光重合開始
剤を添加したものが挙げられ、そして最近では、特開平
1−204915号公報、特開平1−213304号公
報、特開平2−28261号公報、特開平2−7561
7号公報、特開平2−145616号公報、特開平3−
104626号公報、特開平3−114732号公報、
特開平3−1147324号公報などには各種の改良技
術が開示されている。
は、一般に高粘度の液体であり、そのためチキソトロピ
ー性を有し、流動、移動などの応力が樹脂組成物に加え
られると、粘度低下や粘度変化を生じ一定の粘度を保つ
ことができない。特に、光硬化性樹脂組成物を所定の厚
みに1層分ずつ供給して硬化させる操作を繰り返して行
う上記した光学的立体造形技術においては、光硬化性樹
脂組成物を1層分ずつ供給する際の樹脂組成物の流動や
移動などによって光硬化性樹脂組成物に応力が加えら
れ、その結果、チキソトロピー性の光硬化性樹脂組成物
の粘度が低下し、1層分ずつ供給される光硬化性樹脂組
成物の層厚が一定にならなかったり、得られる造形物の
寸法精度が低下したものとなり易い。また、光硬化性樹
脂組成物の1層分の厚さを一定にしようとする場合は、
供給時に光硬化性樹脂組成物の粘度低下や粘度変化を見
込んで精密な計算を行って光学的立体造形時に供給する
樹脂組成物の厚さを厳密に制御する必要があり、そのた
め高度の制御技術や制御装置が必要となり、光学的立体
造形用技術をコストのかかるものとしている。
化性樹脂組成物としては、取り扱い性、造形速度、造形
精度などの点から、液状を呈し、しかもその粘度が高す
ぎないこと、硬化時の体積収縮が小さいこと、光硬化し
て得られる立体造形物の力学的特性が良好であることな
どが必要とされている。そして、近年、光学的立体造形
物の需要および用途が拡大する傾向にあり、それに伴っ
て用途によっては前記した諸特性と併せて、高い熱変形
温度を有していて耐熱性に優れる立体造形物が求められ
るようになっている。
体積収縮の小さい光学的立体造形物を得るべく色々研究
を重ねてきたが、特定の充填剤を液状光硬化性樹脂中に
配合して光学的立体造形を行うと、硬化時の体積収縮が
小さくて寸法精度に優れ、しかも機械的物性が良好であ
り、熱変形温度が高くて耐熱性にも優れる光学的立体造
形物が得られることを見出して出願した(特許第255
4443号および特開平8−20620号)。そして、
充填剤を含有する光硬化性樹脂組成物は、充填剤を配合
しないものに比べて粘度が一層高く、チキソトロピー性
が一層大きくなるという傾向がある。そのため、充填剤
を含有する光硬化性樹脂組成物では、充填剤を含有しな
いものに比べて、流動時や移動時などと、静置時との粘
度差が大きく、流動時や移動時には粘度が低くなり、し
かも流動速度や移動速度などが高くなるほどの粘度の低
下が一層著しくなる。そのため、充填剤を含有する光硬
化性樹脂組成物を用いて上記した光学的立体造形を行う
場合は、光造形用樹脂組成物を流動下に1層分ずつ供給
する光硬化性樹脂組成物の層厚に高度な制御技術や制御
装置が必要になっている。
ソトロピー性が無く、そのため静置時と、流動時や移動
時などとで粘度の差が生じず、しかも流動速度、供給速
度、移動速度などが変化しても粘度が一定に保たれ得
る、取り扱い性および作業性に優れる、非チキソトロピ
ー性の光造形用樹脂組成物を提供することである。さら
に、本発明の目的は、前記した非チキソトロピー性の光
造形用樹脂組成物を用いて光造形を行って造形物を製造
する方法を提供することである。
研究を重ねてきた。その結果、5,000cp以上の高
い粘度を有しているにも拘わらず、チキソトロピー性が
無く、流動、移動、撹拌などの応力が加えられても、粘
度の低下が生じず、しかも流動速度、移動速度、撹拌速
度が変化しても、粘度変化の生じない光造形用樹脂組成
物を初めて得ることができたのである。そして、本発明
者らは、そのようなチキソトロピー性の無い光造形用樹
脂組成物が、光硬化性樹脂中に特定の無機固体微粒子お
よび/またはウイスカーを特定の割合で含有させると共
に、リン酸エステル塩系界面活性剤を特定の量で含有さ
せることによって得られること、そしてそのようなチキ
ソトロピー性の無い光造形用樹脂組成物を用いると、樹
脂組成物に加えられる応力が変化しても樹脂の粘度が変
化しないために、極めて良好な取り扱い性、作業性で、
耐熱性、力学的特性に優れる光造形物を寸法精度良く製
造できることを見出し、それらの知見に基づいて本発明
を完成した。
が5,000cp以上であって、且つ応力が加えられて
も粘度変化を生じない光造形用樹脂組成物である。本発
明の光硬化性樹脂組成物では、その25℃における粘度
が5,000〜100,000cpであることが、取り
扱い性、光造形性、得られる光造形物の寸法精度などの
点から好ましく、10,000〜70,000cpであ
ることがより好ましく、20,000〜60,000c
pであることが更に好ましい。ここで、本明細書でいう
光造形用樹脂組成物の粘度は、回転式B型粘度計を用い
て測定したときの粘度を表す。
に、平均粒径3〜70μmの無機固体微粒子を光造形用
樹脂組成物の全容量に基づいて5〜70容量%、および
リン酸エステル塩系界面活性剤を前記無機固体微粒子の
重量に基づいて0.01〜1重量%の割合で含有してな
る、上記した光造形用樹脂組成物をその好ましい態様と
して包含する。
0.3〜1μm、長さ10〜70μmおよびアスペクト
比10〜100のウイスカーを光造形用樹脂組成物の全
容量に基づいて5〜30容量%、並びにリン酸エステル
塩系界面活性剤を前記ウイスカーの重量に基づいて0.
01〜1重量%の割合で含有してなる、上記した光造形
用樹脂組成物を好ましい態様として包含する。
光造形用樹脂組成物の全容量に基づいて、平均粒径3〜
70μmの無機固体微粒子を5〜70容量%および径
0.3〜1μm、長さ10〜70μmおよびアスペクト
比10〜100のウイスカーを5〜30容量%、並びに
リン酸エステル塩系界面活性剤を前記無機固体微粒子お
よびウイスカーの合計重量に基づいて0.01〜1重量
%の割合で含有してなる、上記した光造形用樹脂組成物
を好ましい態様として包含する。
ル塩系界面活性剤として酸性リン酸エステルのアミン塩
からなる界面活性剤を用いてなる上記した光造形用樹脂
組成物をその好ましい態様として包含する。
て、下記の数式(1)で示される相対標準偏差値が0.
5よりも小さい真球度を有する無機固体微粒子を用いて
なる上記した光造形用樹脂組成物をその好ましい態様と
して包含する。
する。上記したように、5,000cp以上(25℃)
の粘度を示す高粘度光造形用樹脂組成物は一般にチキソ
トロピー性を有し、流動、移動、撹拌などの応力が樹脂
組成物に加えられると、粘度が低下する。しかも、加え
られる応力が大きくなるほど粘度が低くなり、そのため
応力に応じて粘度が色々変化する。それに対して、本発
明の光造形用樹脂組成物は、25℃における粘度が5,
000cp以上であって高い粘度を有しているにも拘わ
らず、チキソトロピー性を示さず、樹脂組成物に加わる
応力(例えば樹脂組成物の流動速度、撹拌速度移動速度
など)が変化しても、粘度が変わらず、一定の粘度を示
し、かかる点で従来にない特異な性質を有しているとい
うことができる。
度が5,000cp以上である光造形用樹脂組成物はい
ずれも本発明の範囲に包含されるが、本発明の光造形用
樹脂組成物としては、特に好ましくは、下記の〜の
光造形用樹脂組成物を挙げることができる。 液状光硬化性樹脂中に、平均粒径3〜70μmの無
機固体微粒子を光造形用樹脂組成物の全容量に基づいて
5〜70容量%、およびリン酸エステル塩系界面活性剤
を前記無機固体微粒子の重量に基づいて0.01〜1重
量%の割合で含有してなる光造形用樹脂組成物。 光硬化性樹脂中に、径0.3〜1μm、長さ10〜
70μmおよびアスペクト比10〜100のウイスカー
を光造形用樹脂組成物の全容量に基づいて5〜30容量
%、並びにリン酸塩系界面活性剤を前記ウイスカーの重
量に基づいて0.01〜1重量%の割合で含有してなる
光造形用樹脂組成物。 液状光硬化性樹脂中に、光造形用樹脂組成物の全容
量に基づいて、平均粒径3〜70μmの無機固体微粒子
を5〜70容量%および径0.3〜1μm、長さ10〜
70μmおよびアスペクト比10〜100のウイスカー
を5〜30容量%、並びにリン酸塩系界面活性剤を前記
無機固体微粒子およびウイスカーの合計重量に基づいて
0.01〜1重量%の割合で含有してなる光造形用樹脂
組成物。
用いる無機固体微粒子としては、ガラスビーズ、タルク
微粒子、酸化ケイ素微粒子、酸化アルミニウム微粒子、
水酸化アルミニウム微粒子、酸化マグネシウム微粒子、
酸化カルシウム微粒子、窒化アルミニウム微粒子、炭酸
カルシウム微粒子、カーボンブラック微粒子などを挙げ
ることができ、本発明の光造形用樹脂組成物は前記した
無機固体微粒子の1種のみを含有してもまたは2種以上
を含有してもよい。
ように、その平均粒径が3〜70μmであることが好ま
しい。無機固体微粒子の平均粒径が3μm未満である
と、光造形用樹脂組成物の粘度が高くなって、所定量の
配合が困難になったり、光造形時の樹脂組成物の取り扱
い性が不良になる場合がある。一方、無機固体微粒子の
平均粒径が70μmを超えると、光造形用樹脂組成物の
粘度の増大はそれほど著しくはないが、光造形時に紫外
線などの照射エネルギーの散乱が生じて造形精度が低下
し易くなり、しかも光造形、特に光学的立体造形を行う
際の一層当たりの膜厚に制限を受けて造形精度が低下し
易くなる。光造形用樹脂組成物の取り扱い性、造形性、
得られる光形物の寸法精度などの点から、無機固体微粒
子の平均粒径が10〜60μmであることがより好まし
く、15〜50μmであることがさらに好ましい。な
お、本明細書でいう無機固体微粒子の平均粒径は、走査
型電子顕微鏡にて測定して得た無機固体微粒子の平均粒
径をいい、その詳細については、以下の実施例の項に記
載するとおりである。
あってもまたは不透明であってもよいが、一般的には上
記した無機固体微粒子を含有する本発明の光造形用樹脂
組成物から得られる造形物は不透明になることが多い。
そのため、無機固体微粒子による耐熱性の向上効果を確
保しながら、造形物を透明なものにしたい場合は、上記
した無機固体微粒子をサブミクロンの極めて小さな微粒
子状にして、適当な表面処理を施して光造形用樹脂組成
物中に安定に分散させるようにすると、光造形用樹脂組
成物の粘度の上昇を抑制しながら、透明な造形物を得る
ことが可能になる場合がある。
球状であることが好ましく、それによって、光造形用樹
脂組成物がチキソトロピー性を示さなくなり、しかも光
学的立体造形などに光造形を行う際に照射エネルギーの
乱反射が少なくなって、寸法精度の高い光造形物を得る
ことが可能になる。さらに、光造形用樹脂組成物の粘度
の増大が生じず、取り扱い性および造形性に優れる光造
形用樹脂組成物を得ることができる。特に、無機固体微
粒子として、下記の数式(1)で示される相対標準偏差
値が0.5よりも小さい(すなわち0.5未満の)真球
度を有する真球またはそれに近い形状のものを用いるこ
とが、チキソトロピー性の無い光造形用樹脂組成物を得
る上で、さらに光造形用樹脂組成物の粘度増大の防止お
よび光造形物の寸法精度の向上などの点から好ましく、
0.3以下であることがより好ましい。
上記したように、無機固体微粒子を、光造形用樹脂組成
物の全容量に基づいて、5〜70容量%の割合で含有す
ることが好ましく、10〜40容量%の割合で含有する
ことがより好ましい。無機固体微粒子の含有量が5容量
%未満であると、無機固体微粒子の強化材および耐熱性
の向上材としての特質が充分に発揮されにくくなり、一
方70容量%を超えると、光造形用樹脂組成物の粘度が
異常に高くなって光造形が行いにくくなり、しかも使用
する無機固体微粒子の平均粒径に大きな制約を受け易く
なる。
樹脂組成物で用いるウイスカーは、上記のように、径が
0.3〜1μm、長さが10〜70μmおよびアスペク
ト比10〜100であることが好ましく、径が0.3〜
0.7μm、長さが20〜50μm、アスペクト比が2
0〜70であることがより好ましい。ウイスカーの径が
0.3μm未満であると、光造形物における熱変形温
度、曲げ弾性率、および機械的特性が低いものとなり易
く、一方1μmを超えると光造形用樹脂組成物の粘度増
大を招き、取り扱い性、造形性が低下し易い。また、ウ
イスカーの長さが10μm未満であると、熱変形温度、
曲げ弾性率および機械的特性が低くなり易く、一方70
μmを超えると光造形用樹脂組成物の粘度増大を招き、
取り扱い性、造形性が低下し易い。特に、ウイスカーの
アスペクト比が上記した10〜100の範囲にあること
が、光造形用樹脂組成物の粘度が適当なものとなって、
造形操作が容易になり、しかも光造形時の体積収縮の低
減、得られる造形物の機械的特性や側面精度の向上など
の点から好ましい。なお、本明細書でいうウイスカーの
寸法およびアスペクト比は、レーザー回析/散乱式粒度
分布測定装置を用いて測定した寸法およびアスペクト比
をいい、その詳細については下記の実施例の項に記載す
るとおりである。
ば、ホウ酸アルミニウム系ウイスカー、酸化アルミニウ
ム系ウイスカー、窒化アルミニウム系ウイスカー水、酸
化硫酸マグネシウム系ウイスカー、酸化チタン系ウイス
カーなどを挙げることができ、前記したウイスカーの1
種または2種以上を用いることができる。
ーを、光造形用樹脂組成物の全容量に基づいて、5〜3
0容量%の割合で含有することが好ましく、7〜25容
量%の割合で含有することがより好ましい。ウイスカー
の含有量が5容量%未満であると、ウイスカーを配合す
ることによる熱変形温度および曲げ弾性率の向上効果が
発揮されにくくなり、しかも光学的立体造形物の機械的
強度が低いものとなり易い。一方、ウイスカーの含有量
が上記した30容量%を超えると、光造形用樹脂組成物
の粘度が増大して光学的立体造形が行いにくくなり、し
かも光造形物の寸法精度が低下し易い。
する上記の光造形用樹脂組成物では、無機固体微粒子
とウイスカーの合計含有量が、光造形用樹脂組成物の全
容量に基づいて10〜70容量%であることが好まし
く、20〜60容量%であることがより好ましい。無機
固体微粒子とウイスカーの合計含有割合が10容量%未
満であると、光造形時の体積収縮が大きくなって、得ら
れる造形物の寸法精度が低下したものとなり易く、しか
も光造形物の熱変形温度、曲げ弾性率、機械的強度が低
いものとなり易い。一方、無機固体微粒子とウイスカー
の合計含有割合が70容量%を超えると、光造形用樹脂
組成物の粘度が増大して、取り扱い性、造形性が不良に
なり易く、しかも得られる光造形物の寸法精度が低くな
り易い。
を含有する上記〜の光造形用樹脂組成物では、無機
固体微粒子およびウイスカーの一方または両方がシラン
カップリング剤で表面処理されていてもよく、無機固体
微粒子およびウイスカーの両方がシランカップリング剤
で表面処理されていることが好ましい。無機固体微粒子
および/またはウイスカーがシランカップリング剤で表
面処理されている場合には、熱変形温度、曲げ弾性率、
機械的強度の一層高い光造形物を得ることができる。
は、充填剤の表面処理などに従来から用いられているシ
ランカップリング剤のいずれもが使用でき、好ましいシ
ランカップリング剤としては、アミノシラン、エポキシ
シラン、ビニルシランおよび(メタ)アクリルシランを
挙げることができる。より具体的には、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(ア
ミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシ
ランなどのアミノシラン;β−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)−エチルトリメトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシランなどのエポキシシラ
ン;ビニルトリクロロシラン、ビニルジエトキシシラ
ン、ビニル−トリス(β−メトキシエトキシシラン)な
どのビニルシラン;トリメトキシシランメタクリレート
などの(メタ)アクリルシランなどを挙げることがで
き、これらのシランカップリング剤の1種または2種以
上を用いることができる。
粒子および/またはウイスカーの表面処理を行う場合
に、使用する光硬化性樹脂の種類によって、シランカッ
プリング剤の機能の発揮の仕方に違いが生じることがあ
るので、各々の光硬化性樹脂に適したシランカップリン
グ剤を選択して無機固体微粒子および/またはウイスカ
ーの表面処理を行うことが好ましい。例えば、ビニル系
不飽和化合物から主としてなる光硬化性樹脂では、ビニ
ルシランおよび/または(メタ)アクリルシランを用い
ることが好ましく、またエポキシ系化合物から主として
なる光硬化性樹脂ではエポキシシランを用いることが好
ましい。
および/またはウイスカーを含有させた光造形用樹脂組
成物であって、且つ例えば5,000cp以上(25
℃)というような高い粘度を有する光造形用樹脂組成物
は、一般的にチキソトロピー性を有し、光造形用樹脂組
成物に流動、撹拌、移動などの応力が加えられると粘度
が低下し、加えられる応力が大きくなるほど粘度が低く
なる。そのため、チキソトロピー性を有するそのような
光造形用樹脂組成物は、取り扱い性が充分に良好である
とは言えず、光造形時にはそのような粘度低下を予め計
算に入れて綿密な制御を行う必要があり、例えば光造形
時に1層分として供給される樹脂組成物の量や層の厚
さ、光照射の量や強さなどの細かい制御が必要となる。
物はチキソトロピー性を有しておらず、特に上記〜
の本発明の光造形用樹脂組成物においては、無機固体微
粒子および/またはウイスカーと共に、リン酸エステル
塩系界面活性剤を、無機固体微粒子および/またはウイ
スカーの重量に基づいて0.01〜1重量%の割合で含
有していることによってチキソトロピー性が無いものと
なっている。上記の〜の本発明の光造形用樹脂組成
物では、リン酸エステル塩系界面活性剤を無機固体微粒
子および/またはウイスカーの重量に基づいて0.03
〜0.5重量%の割合で含有していることがより好まし
い。リン酸エステル塩系界面活性剤の含有量が0.01
重量%未満であると、光造形用樹脂組成物のチキソトロ
ピー性を無くすことが困難になり易く、一方1重量%を
超えても添加してもチキソトロピー性に対する効果に差
が生じない。
陰イオン界面活性剤として従来から知られている酸性リ
ン酸エステルと塩基性化合物との塩を用いることがで
き、代表例としては、下記の一般式(I)で表されるポ
リオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸、一般式
(II)で表されるポリオキシアルキレンアルキルフェニ
ルエーテルリン酸、一般式(III)で表されるアルキル
リン酸などの酸性リン酸エステル;
ピレン基などのアルキレン基、qはアルキレンオキシ基
(−R2−O−)の繰り返し単位数(重合度)、mは1ま
たは2、nは1または2で、m+n=3である]と、塩
基性化合物とから形成されるリン酸エステル塩系界面活
性剤を挙げることができる。
テル塩系界面活性剤では、酸性リン酸エステルと塩を形
成する塩基性化合物がアミン類であることが好ましく、
その場合のアミン類としては、例えば、モノエタノール
アミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、
イソプロパノールアミンなどのアルカノールアミン類;
メチルジエタノールアミン、エチルモノエタノールアミ
ン、ブチルジエタノールアミンなどのN−アルキル化ア
ルカノールアミン類;モルホリン、ピリジンなどの環状
アミン類などを挙げることができる。酸性リン酸エステ
ルは前記したアミンの1種または2種以上と塩を形成し
ていることができる。
造形において従来から用いられて液状光硬化性樹脂のい
ずれも使用でき、各種オリゴマー、各種の単官能性ビニ
ル化合物、多官能性ビニル化合物、エポキシ系化合物な
どの1種または2種以上と、光重合開始剤および必要に
応じて増感剤などを含有する液状光硬化性樹脂が好まし
く用いられる。限定されるものではないが、本発明で用
い得るオリゴマー、単官能性ビニル化合物、多官能性ビ
ニル化合物、エポキシ系化合物の具体例としては、以下
のものを挙げることができる。
ゴマー、エポキシアクリレートオリゴマー、エステルア
クリレートオリゴマーなど。
ボルニルメタクリレート、ジシクロペンテニルアクリレ
ート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペ
ンテニロキシエチルアクリレート、ジシクロペンテニロ
キシエチルメタクリレート、ジシクロペタニルアクリレ
ート、ジシクロペタニルメタクリレート、ボルニルアク
リレート、ボルニルメタクリレート、2−ヒドロキシエ
チルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−
ヒドロキシプロピルアクリレート、フェノキシエチルア
クリレート、モルホリンアクリルアミド、モルホリンメ
タクリルアミド、アクリルアミドなど。 ○他の単官能性化合物:N−ビニルピロリドン、N−ビ
ニルカプロラクタム、酢酸ビニル、スチレンなど。
プロパントリアクリレート、エチレンオキサイド変性ト
リメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリ
コールジアクリレート、テトラエチレングリコールジア
クリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、
1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキ
サンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコール
ジアクリレート、ジシクロペンタニルジアクリレート、
ポリエステルジアクリレート、エチレンオキサイド変性
ビスフェノールAジアクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアク
リレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプ
ロパントリアクリレート、プロピレンオキサイド変性ビ
スフェノールAジアクリレート、トリス(アクリロキシ
エチル)イソシアヌレートなど。
ルAジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘ
キシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボ
キシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−
5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−
メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキ
シルメチル)アジペートなど。
る光硬化性樹脂で使用する光重合開始剤は特に制限され
ず、光硬化性樹脂組成物で従来から用いられている光重
合開始剤のいずれもが使用できる。限定されるものでは
ないが、光重合開始剤の代表例としては、2,2−ジメ
トキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシ
シクロヘキシルフェニルケトン、アセトフェノン、ベン
ゾフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデ
ヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミ
ン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、ミヒラ
ーケトンなどを挙げることができ、これらの1種または
2種以上を用いることができる。また、必要に応じて、
アミン系化合物などの増感剤を併用してもよい。
成分以外にも、必要に応じて、レベリング剤、リン酸エ
ステル塩系界面活性剤以外の界面活性剤、有機高分子改
質剤、有機可塑剤、有機重合体ビーズなどを含有してい
てもよい。
し得る状態に保存した場合には、通常、10〜40℃の
温度で、約6〜18ケ月の長期に亙って、その変性や重
合を防止しながら良好な光硬化性能を保ちながら保存す
ることができる。本発明の光造形用樹脂組成物は、その
特性、特にチキソトロピー性を示さず、光造形時の取り
扱い性、光造形性に優れているという特性、更には光で
硬化した際に体積収縮率が小さくて寸法精度に優れ、し
かも高い熱変形温度を有していて耐熱性に優れ、且つ力
学的特性に優れるという特性を活かして各種の光造形技
術に用いることができる。限定されるものではないが、
本発明の光造形用樹脂組成物は、例えば、光学的立体造
形、光照射を伴う流延成形、注型、塗布などによる造形
などに用いることができ、それによって各種の立体造形
物、各種の成形品、簡易型、膜状物、その他の製品を製
造することができる。
的立体造形を行う場合は、従来既知の光学的立体造形方
法および装置のいずれもが使用できる。そのうちでも、
本発明では、樹脂を硬化させるための光エネルギーとし
て、Arレーザー、He−Cdレーザー、キセノンラン
プ、メタルハライドランプ、水銀灯、蛍光灯などからは
発生される活性エネルギー光線を用いるのが好ましく、
レーザー光線が特に好ましく用いられる。活性エネルギ
ー光線としてレーザー光線を用いた場合には、エネルギ
ーレベルを高めて造形時間を短縮することが可能であ
り、しかもレーザー光線の良好な集光性を利用して、造
形精度の高い立体造形物を得ることができる。
成物を用いて光学的立体造形を行うに当たっては、従来
既知の方法や従来既知の光造形システム装置のいずれも
が採用でき特に制限されないが、本発明で好ましく用い
られる光学的立体造形法の代表例としては、上記した無
機固体微粒子および/またはウイスカー並びにリン酸エ
ステル塩系界面活性剤と共に更に光エネルギー吸収剤を
含有する本発明の光造形用樹脂組成物からなる1つの層
に所望のパターンを有する硬化層が得られるように活性
エネルギー光線を選択的に照射して硬化層を形成し、次
いでその硬化層に未硬化液状の光硬化性樹脂組成物を供
給し、同様に活性エネルギー光線を照射して前記の硬化
層と連続した硬化層を新たに形成する積層する操作を繰
り返すことによって最終的に目的とする立体的造形物を
得る方法を挙げることができる。それによって得られる
立体造形物はそのまま用いても、また場合によっては更
に光照射によるポストキュアや熱によるポストキュアな
どを行って、その力学的特性や形状安定性などを一層高
いものとしてから使用するようにしてもよい。
などは特に制限されず、各々の用途に応じて決めること
ができる。そして、本発明の光学的立体造形法の代表的
な応用分野としては、設計の途中で外観デザインを検証
するためのモデル、部品の機能性をチェックするための
モデル、鋳型を制作するための樹脂型、金型を制作する
ためのベースモデル、試作金型用の直接型、樹脂成形品
などを製造する際の簡易型などの作製などを挙げること
ができる。より具体的には、精密部品、電気・電子部
品、家具、建築構造物、自動車用部品、各種容器類、鋳
物、金型、母型などのためのモデルや加工用モデルなど
の製作を挙げることができる。特にその良好な耐熱性、
力学的特性、高い寸法精度などの特性を活かして、高温
部品の試作、例えば複雑な熱媒回路の設計、複雑な構造
の熱媒挙動の解析企画用の部品の製造などに極めて有効
に使用することができる。
用樹脂組成物は、光学的立体造形だけではなく、光照射
を伴う各種の造形技術、例えば、光照射を伴う流延成
形、注型、塗布などにも有効に用いることができ、それ
によって上記した各種の成形品や膜状物、その他の製品
を得ることができる。
的に説明するが、本発明は以下の例によって何ら限定さ
れない。以下の例において、無機固体微粒子(ガラスビ
ーズ)の平均粒径並びにウイスカーの寸法およびアスペ
クト比は次のようにして求めた。また、光学的立体造形
により得られる光学的立体造形物の引張強度、引張伸
度、引張弾性率、熱伝導率、熱変形温度および光学的立
体造形時の体積収縮率は次のようにして求めた。
粒径]電子顕微鏡の試料台上にガラスビーズを個々の粒
子が可能な限り重ならないようにして散在させ、金スパ
ッタリング装置によりその表面に金薄膜蒸着層を厚さ2
00〜300Åで形成し、走査型電子顕微鏡にて10,
000〜30,000倍で観測し、粒径測定装置(日本
レギュレーター株式会社製「ルーゼックス500」)を
用いて、少なくとも100個のガラスビーズの面積円相
当径を求めて、その平均値を採った。
レーザー回析/散乱式粒度分布測定装置(株式会社的場
製作所製「LA−7000」)を使用し、分散媒として
イオン交換水を用いて、イオン交換水中にウイスカーを
1重量%の割合で分散させ、その粒度分布を調べ、小さ
い方から10%の部分(D10)における粒度を径(繊
維径)とし、90%の部分(D90)における粒度を長
さ(繊維長)とした。また、アスペクト比をD90/D
10として求めた。
および引張弾性率]光学的立体造形によって製造したダ
ンベル形状試験片を用いて、JIS K 7113に準拠
して、その引張強度、引張伸度および引張弾性率を測定
した。
体造形によって製造した縦×横×厚さ=50mm×50
mm×6mmの試験片を用いて、JIS K0129に
準拠して、DSCにより温度傾斜法で熱伝導率を測定し
た。
立体造形によって製造したダンベル形状試験片を用い
て、JIS K7207に準拠してA法(荷重18.5
kg/mm2)で熱変形温度を測定した。
立体造形に用いた光硬化前の光造形用樹脂組成物の比重
(d1)と、光学的立体造形により得られた光学的立体
造形物(ダンベル形状試験片)の比重(d2)をそれぞ
れ測定して、下記の数式(2)によりその体積収縮率
(%)を求めた。
ゴマーとモルホリンアクリルアミドを含む反応生成物の
製造] (1) 攪拌機、冷却管および側管付きの滴下ロートを
備えた内容積5リットルの三つ口フラスコに、イソホロ
ンジイソシアネート888g、モルホリンアクリルアミ
ド906gおよびジブチル錫ジラウレート1.0gを仕
込んで、オイルバスで内温が80〜90℃になるように
加熱した。 (2) 予め50℃に保温した上記の側管付きの滴下ロ
ートにグリセリンモノメタクリレートモノアクリレート
856gにメチルヒドロキノン0.7gを均一に混合溶
解させた液を仕込み、この滴下ロート内の液を、上記
(1)のフラスコ中の内容物に、窒素雰囲気下でフラス
コの内容物の温度を80〜90℃に保ちながら撹拌下に
滴下混合して、同温度で2時間撹拌して反応させた。 (3) 次いで、フラスコの内容物の温度を60℃に下
げた後、別の滴下ロートに仕込んだペンタエリスリトー
ルのプロピレンオキサイド4モル付加物(ペンタエリス
リトールの4個の水酸基にプロピレンオキサイドをそれ
ぞれ1モル付加したもの)366gを素早く滴下して加
え、フラスコの内容物の温度を80〜90℃に保って4
時間反応させて、ウレタンアクリレートオリゴマーとモ
ルホリンアクリルアミドを含む反応生成物を製造し、得
られた反応生成物を温かいうちにフラスコから取り出し
た。
造] (1) 攪拌機、冷却管および側管付き滴下ロートを備
えた内容積5リットルの三つ口フラスコに、製造例1で
得られた、ウレタンアクリレートオリゴマーとモルホリ
ンアクリルアミドを含む反応生成物2020g、モルホ
リンアクリルアミド454gおよびジシクロペンタニル
ジアクリレート1060gを仕込み、減圧脱気窒素置換
した。次いで、紫外線を遮断した環境下に、1−ヒドロ
キシシクロヘキシルフェニルケトン(チバガイギー社製
「イルガキュアー184」;光重合開始剤)118gを
添加し、完全に溶解するまで温度25℃で混合攪拌して
(混合撹拌時間約1時間)、無色透明な粘稠液体である
光硬化性樹脂を得た。この光硬化性樹脂の温度25℃に
おける粘度を回転式B型粘度計を用いて測定したとこ
ろ、2100cpであった。
脂3652gを万能撹拌機(ダルトン株式会社製;内容
積10リットル)に入れ、酸性リン酸エステルのモルホ
リン塩(ポリオキシプロピレングリコールリン酸エステ
ルのモルホリン塩)(竹本油脂株式会社製「スーパーダ
インV201」)28g、アクリルシラン系カップリン
グ剤[東芝シリコーン社製;γ(メタクリロキシプロピ
ル)トリメトキシシラン]で処理したガラスビーズ[平
均粒径15μm、上記の数式(1)による真球度の相対
標準偏差値0.3]4169g(最終的に得られる光造
形用樹脂組成物の全容量に基づいて32容量%)、およ
び同じアクリルシラン系カップリング剤で処理したホウ
酸アルミニウムウイスカー(四国化成工業株式会社製
「アルボレックスYS−4」;径0.5〜0.7μm、
アスペクト比50〜70)1251g(最終的に得られ
る光造形用樹脂組成物の全容量に基づいて8容量%)を
添加し、一日撹拌し、脱泡処理して、光造形用樹脂組成
物を製造した。 (3) 上記(2)で得られた光造形用樹脂組成物の2
5℃の粘度を回転式B型粘度計のロータの回転速度を下
記の表1に示すように変えて測定したところ、下記の表
1に示すとおりであった。
発明の光造形用樹脂組成物は、ロータの回転速度が変化
しても、すなわち光造形用樹脂組成物に加えられる応力
が変化しても、一定の粘度を保っており、チキソトロピ
ー性を示さない。
て、超高速光造形システム(帝人製機株式会社製「SO
LIFORM500」)を使用して、水冷Arレーザー
光(出力500mW;波長333,351,364n
m)を表面に対して垂直に照射して、照射エネルギー2
0〜30mJ/cm2の条件下にスライスピッチ(積層
厚み)0.05mm、1層当たりの平均造形時間2分で
光学的立体造形を行って、引張強度、引張伸び、引張弾
性率、熱伝導率、および熱変形温度を測定するための光
学的立体造形物(試験片)を製造した。得られた光学的
立体造形物(試験片)をイソプロピルアルコールで洗浄
した後、3KWの紫外線を10分間照射してポストキュ
アを行った。それにより得られた光学的立体造形物(試
験片)の物性を上記した方法で測定したところ、下記の
表2に示すとおりであった。さらに、この実施例2の光
学的立体造形物の製造に用いた光硬化前の光造形用樹脂
組成物の比重(d1)と、ポストキュア後の立体造形物
の比重(d2)をそれぞれ測定して、上記の数式(2)
によりその体積収縮率を求めたところ、下記の表2に示
すとおりであった。
樹脂組成物を用いて光造形を行った場合には、力学的特
性に優れ、しかも熱変形温度が高くて耐熱性に優れる光
造形物を、1.7%という極めて小さい体積収縮率で良
好な寸法精度で得られることがわかる。
性的にチキソトロピー性を有しておらず、流動や撹拌な
どの応力が加えられたり、または光造形用樹脂組成物に
加えられる応力が変化しても、粘度低下や粘度変化が生
じず一定の粘度を保つことができる。そのため、本発明
の光造形用樹脂組成物は取り扱い性に極めて優れてい
る。そして、本発明の光造形用樹脂組成物を用いて、光
学的立体造形やその他の光造形によって造形物や各種の
製品を製造すると、寸法精度や物性に優れる光造形物
を、良好な取り扱い性や作業性で円滑に製造することが
できる。さらに、リン酸エステル塩系界面活性剤と共に
無機固体微粒子および/またはウイスカーを含有する本
発明の光造形用樹脂組成物を用いて得られる光造形物や
製品は、力学的特性、耐熱性の点においても優れた特性
を有している。
Claims (10)
- 【請求項1】 25℃に於ける粘度が5,000cp以
上であって、且つ応力が加えられても粘度変化を生じな
い光造形用樹脂組成物。 - 【請求項2】 液状光硬化性樹脂中に、平均粒径3〜7
0μmの無機固体微粒子を光造形用樹脂組成物の全容量
に基づいて5〜70容量%、およびリン酸エステル塩系
界面活性剤を前記無機固体微粒子の重量に基づいて0.
01〜1重量%の割合で含有することからなる請求項1
の光造形用樹脂組成物。 - 【請求項3】 光硬化性樹脂中に、径0.3〜1μm、
長さ10〜70μmおよびアスペクト比10〜100の
ウイスカーを光造形用樹脂組成物の全容量に基づいて5
〜30容量%、並びにリン酸エステル塩系界面活性剤を
前記ウイスカーの重量に基づいて0.01〜1重量%の
割合で含有することからなる請求項1の光造形用樹脂組
成物。 - 【請求項4】 液状光硬化性樹脂中に、光造形用樹脂組
成物の全容量に基づいて、平均粒径3〜70μmの無機
固体微粒子を5〜70容量%および径0.3〜1μm、
長さ10〜70μmおよびアスペクト比10〜100の
ウイスカーを5〜30容量%、並びにリン酸エステル塩
系界面活性剤を前記の無機固体微粒子およびウイスカー
の合計重量に基づいて0.01〜1重量%の割合で含有
することからなる請求項1の光造形用樹脂組成物。 - 【請求項5】 リン酸エステル塩系界面活性剤が、酸性
リン酸エステルのアミン塩からなる界面活性剤である請
求項1〜4のいずれか1項の光造形用樹脂組成物。 - 【請求項6】 無機固体微粒子として、下記の数式
(1)で示される相対標準偏差値が0.5よりも小さい
真球度を有するものを用いる請求項2、4および5のい
ずれか1項の光造形用樹脂組成物。 【数1】 - 【請求項7】 無機固体微粒子および/またはウイスカ
ーがシランカップリング剤で表面処理されている請求項
2〜6のいずれか1項の光造形用樹脂組成物。 - 【請求項8】 液状光硬化性樹脂が、光重合性化合物お
よび光重合開始剤を含有する液状光硬化性樹脂である請
求項1〜7のいずれか1項の光造形用樹脂組成物。 - 【請求項9】 光学的立体造形用である請求項1〜8の
いずれか1項の光造形用樹脂組成物。 - 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1項の光造形
用樹脂組成物を用いて光造形を行って造形物を製造する
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9160605A JPH10330626A (ja) | 1997-06-03 | 1997-06-03 | 光造形用樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9160605A JPH10330626A (ja) | 1997-06-03 | 1997-06-03 | 光造形用樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10330626A true JPH10330626A (ja) | 1998-12-15 |
Family
ID=15718564
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9160605A Pending JPH10330626A (ja) | 1997-06-03 | 1997-06-03 | 光造形用樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10330626A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007161953A (ja) * | 2005-12-16 | 2007-06-28 | Cmet Inc | 光硬化性樹脂組成物 |
WO2013147086A1 (ja) * | 2012-03-30 | 2013-10-03 | 株式会社トクヤマ | 硬化性樹脂組成物及びその製造方法、高熱伝導性樹脂組成物及び高熱伝導性積層基板 |
JP2017031244A (ja) * | 2015-07-29 | 2017-02-09 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 3次元造形装置洗浄用樹脂組成物とその製造方法、および、3次元造形装置洗浄用樹脂フィラメント |
JP2017538852A (ja) * | 2014-11-24 | 2017-12-28 | エヌジーエフ ヨーロッパ リミテッドNgf Europe Limited | 印刷物品及びフィードストック |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS537756A (en) * | 1976-07-10 | 1978-01-24 | Fujitsu Ltd | Low-pressure molding material of diallyl phthalate |
JPH0820620A (ja) * | 1994-07-06 | 1996-01-23 | Teijin Seiki Co Ltd | 光学的立体造形用樹脂組成物 |
JPH0971707A (ja) * | 1995-06-29 | 1997-03-18 | Takemoto Oil & Fat Co Ltd | プラスチック成形型用光硬化性組成物及びプラスチック成形型 |
JPH09174563A (ja) * | 1995-12-26 | 1997-07-08 | Teijin Seiki Co Ltd | 光造形型およびその製造方法 |
JPH09227640A (ja) * | 1995-10-31 | 1997-09-02 | Teijin Seiki Co Ltd | 耐熱性に優れる光硬化性樹脂組成物 |
JPH10279819A (ja) * | 1997-02-05 | 1998-10-20 | Teijin Seiki Co Ltd | 光学的立体造形用樹脂組成物 |
-
1997
- 1997-06-03 JP JP9160605A patent/JPH10330626A/ja active Pending
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS537756A (en) * | 1976-07-10 | 1978-01-24 | Fujitsu Ltd | Low-pressure molding material of diallyl phthalate |
JPH0820620A (ja) * | 1994-07-06 | 1996-01-23 | Teijin Seiki Co Ltd | 光学的立体造形用樹脂組成物 |
JPH0971707A (ja) * | 1995-06-29 | 1997-03-18 | Takemoto Oil & Fat Co Ltd | プラスチック成形型用光硬化性組成物及びプラスチック成形型 |
JPH09227640A (ja) * | 1995-10-31 | 1997-09-02 | Teijin Seiki Co Ltd | 耐熱性に優れる光硬化性樹脂組成物 |
JPH09174563A (ja) * | 1995-12-26 | 1997-07-08 | Teijin Seiki Co Ltd | 光造形型およびその製造方法 |
JPH10279819A (ja) * | 1997-02-05 | 1998-10-20 | Teijin Seiki Co Ltd | 光学的立体造形用樹脂組成物 |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007161953A (ja) * | 2005-12-16 | 2007-06-28 | Cmet Inc | 光硬化性樹脂組成物 |
WO2013147086A1 (ja) * | 2012-03-30 | 2013-10-03 | 株式会社トクヤマ | 硬化性樹脂組成物及びその製造方法、高熱伝導性樹脂組成物及び高熱伝導性積層基板 |
JPWO2013147086A1 (ja) * | 2012-03-30 | 2015-12-14 | 株式会社トクヤマ | 硬化性樹脂組成物及びその製造方法、高熱伝導性樹脂組成物及び高熱伝導性積層基板 |
JP2017538852A (ja) * | 2014-11-24 | 2017-12-28 | エヌジーエフ ヨーロッパ リミテッドNgf Europe Limited | 印刷物品及びフィードストック |
JP2017031244A (ja) * | 2015-07-29 | 2017-02-09 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 3次元造形装置洗浄用樹脂組成物とその製造方法、および、3次元造形装置洗浄用樹脂フィラメント |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0802455B1 (en) | Use of a photocurable resin composition for the production of a stereolithographed object | |
JP4282873B2 (ja) | 光造形用硬化性組成物および成形品 | |
JP3650216B2 (ja) | 成型法に用いられる樹脂製型の製造方法 | |
JPH09174563A (ja) | 光造形型およびその製造方法 | |
US5679722A (en) | Resin composition for production of a three-dimensional object by curing | |
US5932625A (en) | Photo-curable resin composition and process for preparing resin-basedmold | |
WO2018119049A1 (en) | Photopolymer ceramic dispersion for additive fabrication | |
JP2762389B2 (ja) | 光学的立体造形用樹脂組成物 | |
JP2001139663A (ja) | 光学的造形用樹脂組成物、その製造方法及び光学的造形物 | |
JP4307636B2 (ja) | 光学的立体造形用の光硬化性樹脂組成物 | |
JP2554443B2 (ja) | 光学的立体造形用樹脂組成物 | |
JP3657057B2 (ja) | 成型用樹脂製型製造用光硬化性樹脂組成物および成型用樹脂製型の製造方法 | |
JP4046398B2 (ja) | 光学的立体造形用樹脂組成物 | |
JP4315507B2 (ja) | 耐熱性に優れる光硬化性樹脂組成物 | |
JP4021347B2 (ja) | 耐熱性に優れる光硬化性樹脂組成物 | |
JP3705511B2 (ja) | 光学的立体造形用の光硬化性樹脂組成物 | |
JP2662934B2 (ja) | 光造形簡易型及びその製造方法 | |
JPH10330626A (ja) | 光造形用樹脂組成物 | |
US6203966B1 (en) | Stereolithographic resin composition | |
JP3705508B2 (ja) | 耐熱性に優れる光硬化性樹脂組成物 | |
JP4150819B2 (ja) | ダイラタンシー性を有する光硬化性樹脂組成物 | |
JP2000143740A (ja) | 光硬化性樹脂組成物 | |
JP2000094453A (ja) | 樹脂成形型およびその製造方法 | |
WO2019009063A1 (ja) | 光造形用組成物 | |
JP3267888B2 (ja) | 光造形簡易型及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040510 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20041015 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060630 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060801 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060926 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070130 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070717 |