JPH0356294B2 - - Google Patents
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- JPH0356294B2 JPH0356294B2 JP61028184A JP2818486A JPH0356294B2 JP H0356294 B2 JPH0356294 B2 JP H0356294B2 JP 61028184 A JP61028184 A JP 61028184A JP 2818486 A JP2818486 A JP 2818486A JP H0356294 B2 JPH0356294 B2 JP H0356294B2
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Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は電気・電子機器や熱交換器に用いられ
る熱・電気高伝導用高力銅合金とその製造法に関
し、特に電気・熱の高伝導性と高い機械的高度を
有し、小型・高密化された半導体のリード材等に
適した銅合金を提供するものである。 〔従来の技術〕 半導体のリードの外コネクター、スイツチリレ
ー等の導電ばね、各種端子には強度と熱・電気伝
導性(以下伝導性と略記)とを有する銅合金、例
えばリン青銅(Sn4〜8wt%以下、P0.6wt%以
下、残部Cu)(以下wt%を%と略記)が用いられ
ていたが、最近機器の小型化、高密化に伴つて発
熱量の増大から放熱性の必要が高まり、更にプリ
ント基板等に半田付けしたり、プラスチツクモー
ルドを行なうなど、半田付け性、メツキ性、スケ
ール密着性、耐食性が不可欠の条件となつてき
た。リン青銅は50〜65Kg/mm2の強度を有し、加工
性に優れているが、導電率は10〜20%IACSと低
く、高価なSnを4〜8%も含むもので、半田接
合強度がい経時劣化を起すばかりか、応力腐食割
れが感受性も高い欠点がある。このためCu−Be
合金Cu−Fe合金が用いられるようになつた。 〔発明が解決しようとする問題点〕 Cu−Be合金は100Kg/mm以上の強度を示すも、
非常に高価なためにその使用は特殊な用途に限ら
れている。また、Cu−Fe合金、例えばC−195合
金(1.5%Fe.Co08%、Sn0.6%、P0.1%、残部
Cu)は比較的安価でリードフレーム等にかなり
使用され、高度は45〜55Kg/mm2、導電率は50〜65
%IACSの特性を示すも、多量のFexPやFeの析
出物を含むため、加工性、半田接合強度、メツキ
性などが劣る。その他のCu−Cr合金やイコルソ
ン合金(Cu−Ni−Si系合金)が知られているが、
Cu−Cr合金は80%IACS級の高伝導率を示すも強
度が不十分であり、コルソン合金は特性が不安定
なばかりか、半田接合強度の劣化が大きく、Sn
やSn−Pb合金(半田)メツキの剥離を起し易く、
電子・電気機器等の用途では重大な障害となつて
いる。 このように増々顕在化しつつある高性能化合金
のニーズに答えるための改良された合金が要求さ
れており、このような合金には次の特性が要求さ
れる。 (1) 強度、耐熱性及び耐食性が優れていること。 (2) 加工性の均質性及び伝導性とその安定性が良
いこと。 (3) 半田接合強度が高く、経時劣化が少なく、メ
ツキ性が良いこと。 (4) 酸化スケールの密着性が良いこと。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明はこれに鑑み種々検討の結果、伝導性、
強度、半田接合強度、メツキ性、酸化スケールの
密着性及び耐食性等の優れた熱・電気高伝導用高
力銅合金とその製造法を開発したものである。即
ち本発明合金の一つは、Ni,Co又はこれ等の混
合物を0.4〜4%とSiを0.1〜1%含み、更に各々
1%以下のTa,Nb、ミツシユメタル(以下MM
と略記)、0.05%未満のAgからなる群より選択さ
れた何れか1種又は2種以上を合計で0.01〜1%
含み、残部Cuと不可避的不純物からなることを
特徴とするものである。本発明合金の他の一つ
は、Ni,Co又はこれ等の混合物を0.4〜4%とSi
を0.1〜1%含み、更に各々1%以下のTa,Nb,
MM0.05%未満のAgからなる群より選択された
何れか1種又は2種以上を合計0.01〜1%含み、
更にMn0.5wt%以下、Zn5%以下、Sn5%以下の
範囲内で何れか1種又は2種以上を含み、残部
Cuと不可避的不純物からなることを特等とする
ものである。 また本発明製造法は、Ni,Co又はこれ等の混
合物を0.4〜4%とSiを0.1〜1%含み、更に各々
1%以下のTa,Nb,MM0.05未満のAgからなる
群より選定された何れか1種又は2種以上を合計
で0.01〜1%含み、又はこれにMn0.5%以下、
Zn5%以下、Sn5%以下の範囲内で何れか1種又
は2種以上を含み、残部Cuと不可避的不純物か
らなる合金を650℃以上で熱間加工し、直ちに10
℃/sec以上の速度で350℃以下まで冷却した後、
70%以上の冷間加工を行なつてから400〜600℃で
熱処理することを特徴とするものである。 本発明は常法により上記合金組成に配合して溶
解し、水冷金型鋳造法等により鋳造したインゴツ
トを650℃以上、望ましくは700℃以上で熱間加工
し、加工直ちに水冷又風冷により冷却する。次に
ミーリングや酸洗等により表面を洗浄化してから
70%以上の冷間加工を加え、しかる後400〜600℃
望ましくは450〜550℃で1分〜24時間熱処理して
仕上げる。尚必要に応じて冷間加工と熱処理を繰
返すこともできる。 〔作用〕 本発明において、Ni,Co又はこれ等の混合物
とSiの添加は金属間化合物Ni2Si又は/及び
Co2Siを熱処理析出させて強度を向上させると共
に導電率(伝導性)の回復を計つたものでNi,
Co又はこれ等の混合物の含有量を0.4〜4%、Si
含有量を0.1〜1%と限定したのは、何れも含有
量が下限未満では十分な効果が得られず、上限を
越えると導電率を低下させるばかりか、加工性を
損なうためである。尚Ni2Si及びCo2Siの化学量
理論比は5.2:1であり、Ni、Co又はこれ等の混
合物とSiの配合比を上記組成範囲内において化学
量論比に近ずけることが望ましく、過剰のNi、
Co又はSiは導電率を低下させ、かつ加工性や半
田接続強度の低下をまねく。 Ta,Nb,MMを各0.01〜1%、Agを0.01〜
0.05%のうち何れか1種又は2種状の添加は、更
に強度を向上させるとと共に、特性を安定化させ
るためで、これ等の1種又は2種以上の合計含有
量を0.01〜1%と限定したのは、含有量が下限未
満では十分な効果が得られず、上限を越えると導
電率を低下するばかりか、コストを上昇し、加工
性を損なう等の不都合を生ずる。即ちNi2Si又
は/及びCo2Siの析出は合金組成や熱処理条件の
みでなく、加工条件なども複雑に関与し、実際上
の特性を不安定にするが、Ta,Nb,MM,Ag
は特性の安定化に働く。その作用機構は明らかで
はないが、これ等はSiと化合し、未反応のSiを消
費して強度向上に働くものと考えられる。またこ
れ等は結晶の微細化に働き、製造時に加工性を高
める。特にMMはプレス成型性を向上し、Ag,
MMは耐熱性を向上する。 またMn,Zn,Snの内何れか1種又は2種以上
の添加は、上記添加元素の作用効果を一層高め、
強度を向上して特性を一層安定化させるためであ
り、Mn含有量を0.5%以下、Zn含有量を5%以
下、Sn含有量を5%以下と限定したのは、何れ
もこれ越えて含有せしめると導電率を著しく低下
するためである。更にこれ等の添加は上記作用効
果の外にMnは半田接合強度の向上と熱間加工性
の向上に有効であり、Znは半田接合強度の向上
に有効であり、Snは高度加工性の外耐熱性の向
上に有効である。添加元素の増加は導電性を低下
するので特に実用上Mn0.3%以下、Zn2%以下、
Sn2%以下が有用である。 以上の本発明合金は650℃以上、望ましくは700
℃〜950℃で熱間加工し、直ちに10℃/sec以上の
速度で350℃以下まで冷却した後、70%以上の冷
間加工を行なつてから400〜600℃、望ましくは
450〜550℃で熱処理することにより、特性を最大
限に実現する。本発明合金を650℃以上で熱間加
工し、直ちに10℃/sec以上の速度で350℃以下ま
で冷却するのは、粗大な析出を抑止するためであ
る。次に70%以上の冷間加工を行なつてから400
〜600℃熱処理するのは加工歪みを加えた状態で
熱処理することにより、微細な析出を均一に分散
析出させるためで、70%未満の冷間加工では均一
な分散析出が得られない。また熱処理温度が40℃
未満では析出に長時間を要し、析出粒子も超微粒
子となつて、加工性や半田接合強度が不安定にな
り、600℃を越えると粗大不均一析出となるばか
りか導電率などの特性が劣化する。また熱処理
後、必要に応じて冷間加工と再熱処理を繰返すこ
ともできる。即ち熱処理後所望サイズまで冷間加
工した後、250〜350℃で熱処理することにより加
工歪の一部を解放し、伸びや成型加工性を向上す
る。 〔実施例〕 第1表に示す組成の合金を溶解し、合金に鋳造
して機械切削により幅80mm、厚さ50mm、長さ300
mmのインゴツトとした。これを870℃に加熱して
熱間圧延し、約730℃で板厚50mmとし、直ちに350
℃まで冷却(水冷、風例、炉冷)してから酸洗し
た。これを第1冷間圧延してから熱処理し、一部
第2冷間圧延を加えてから再熱処理した。これ等
の製造条件を第2表に示す。 上記板上について引張強さ、伸び、導電率、耐
熱性、半田接合強度、スケール密着性、メツキ性
及び耐食性を試験し、その結果を従来の7/3黄
銅(Zn29.7%、残部Cu)、リン青銅(Sn6.1%、
P0.15%、残部Cu)、C195(Fe1.6%、Co0.8%、
Sn0.6%、P0.05%、残部Cu)と比較して第3表
に示した。耐熱性は500℃で1分間加熱後の硬度
を測定し、半田接合強度は直径5mmの半田接合を
150℃で300時間加熱してからプルテストを行なつ
た。スケール密着性は大気中250〜400℃のホツト
プレート上で加熱した後、テープ剥離テストを行
なつて剥離を始めた最小膜厚を求めた。膜厚はカ
ーソド還元法で測定した。メツキ性はH2SO4−
H2O混合液により表面を厚さ約0.3μエツチングし
た後、厚さ3μのイシアン銀メツを行ない、これ
を470℃で5分間加熱して表面のフクレ有無を40
倍の実体顕微鏡により試べた。耐食性は
JISC8306に基づき、3Vol1%のNHガス中で30
Kg/mmm2の定荷量を加え、破断するまでの時間を
調べた。尚、表中耐熱性と半田接合強度の( )
内は試験前の測定値である。
る熱・電気高伝導用高力銅合金とその製造法に関
し、特に電気・熱の高伝導性と高い機械的高度を
有し、小型・高密化された半導体のリード材等に
適した銅合金を提供するものである。 〔従来の技術〕 半導体のリードの外コネクター、スイツチリレ
ー等の導電ばね、各種端子には強度と熱・電気伝
導性(以下伝導性と略記)とを有する銅合金、例
えばリン青銅(Sn4〜8wt%以下、P0.6wt%以
下、残部Cu)(以下wt%を%と略記)が用いられ
ていたが、最近機器の小型化、高密化に伴つて発
熱量の増大から放熱性の必要が高まり、更にプリ
ント基板等に半田付けしたり、プラスチツクモー
ルドを行なうなど、半田付け性、メツキ性、スケ
ール密着性、耐食性が不可欠の条件となつてき
た。リン青銅は50〜65Kg/mm2の強度を有し、加工
性に優れているが、導電率は10〜20%IACSと低
く、高価なSnを4〜8%も含むもので、半田接
合強度がい経時劣化を起すばかりか、応力腐食割
れが感受性も高い欠点がある。このためCu−Be
合金Cu−Fe合金が用いられるようになつた。 〔発明が解決しようとする問題点〕 Cu−Be合金は100Kg/mm以上の強度を示すも、
非常に高価なためにその使用は特殊な用途に限ら
れている。また、Cu−Fe合金、例えばC−195合
金(1.5%Fe.Co08%、Sn0.6%、P0.1%、残部
Cu)は比較的安価でリードフレーム等にかなり
使用され、高度は45〜55Kg/mm2、導電率は50〜65
%IACSの特性を示すも、多量のFexPやFeの析
出物を含むため、加工性、半田接合強度、メツキ
性などが劣る。その他のCu−Cr合金やイコルソ
ン合金(Cu−Ni−Si系合金)が知られているが、
Cu−Cr合金は80%IACS級の高伝導率を示すも強
度が不十分であり、コルソン合金は特性が不安定
なばかりか、半田接合強度の劣化が大きく、Sn
やSn−Pb合金(半田)メツキの剥離を起し易く、
電子・電気機器等の用途では重大な障害となつて
いる。 このように増々顕在化しつつある高性能化合金
のニーズに答えるための改良された合金が要求さ
れており、このような合金には次の特性が要求さ
れる。 (1) 強度、耐熱性及び耐食性が優れていること。 (2) 加工性の均質性及び伝導性とその安定性が良
いこと。 (3) 半田接合強度が高く、経時劣化が少なく、メ
ツキ性が良いこと。 (4) 酸化スケールの密着性が良いこと。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明はこれに鑑み種々検討の結果、伝導性、
強度、半田接合強度、メツキ性、酸化スケールの
密着性及び耐食性等の優れた熱・電気高伝導用高
力銅合金とその製造法を開発したものである。即
ち本発明合金の一つは、Ni,Co又はこれ等の混
合物を0.4〜4%とSiを0.1〜1%含み、更に各々
1%以下のTa,Nb、ミツシユメタル(以下MM
と略記)、0.05%未満のAgからなる群より選択さ
れた何れか1種又は2種以上を合計で0.01〜1%
含み、残部Cuと不可避的不純物からなることを
特徴とするものである。本発明合金の他の一つ
は、Ni,Co又はこれ等の混合物を0.4〜4%とSi
を0.1〜1%含み、更に各々1%以下のTa,Nb,
MM0.05%未満のAgからなる群より選択された
何れか1種又は2種以上を合計0.01〜1%含み、
更にMn0.5wt%以下、Zn5%以下、Sn5%以下の
範囲内で何れか1種又は2種以上を含み、残部
Cuと不可避的不純物からなることを特等とする
ものである。 また本発明製造法は、Ni,Co又はこれ等の混
合物を0.4〜4%とSiを0.1〜1%含み、更に各々
1%以下のTa,Nb,MM0.05未満のAgからなる
群より選定された何れか1種又は2種以上を合計
で0.01〜1%含み、又はこれにMn0.5%以下、
Zn5%以下、Sn5%以下の範囲内で何れか1種又
は2種以上を含み、残部Cuと不可避的不純物か
らなる合金を650℃以上で熱間加工し、直ちに10
℃/sec以上の速度で350℃以下まで冷却した後、
70%以上の冷間加工を行なつてから400〜600℃で
熱処理することを特徴とするものである。 本発明は常法により上記合金組成に配合して溶
解し、水冷金型鋳造法等により鋳造したインゴツ
トを650℃以上、望ましくは700℃以上で熱間加工
し、加工直ちに水冷又風冷により冷却する。次に
ミーリングや酸洗等により表面を洗浄化してから
70%以上の冷間加工を加え、しかる後400〜600℃
望ましくは450〜550℃で1分〜24時間熱処理して
仕上げる。尚必要に応じて冷間加工と熱処理を繰
返すこともできる。 〔作用〕 本発明において、Ni,Co又はこれ等の混合物
とSiの添加は金属間化合物Ni2Si又は/及び
Co2Siを熱処理析出させて強度を向上させると共
に導電率(伝導性)の回復を計つたものでNi,
Co又はこれ等の混合物の含有量を0.4〜4%、Si
含有量を0.1〜1%と限定したのは、何れも含有
量が下限未満では十分な効果が得られず、上限を
越えると導電率を低下させるばかりか、加工性を
損なうためである。尚Ni2Si及びCo2Siの化学量
理論比は5.2:1であり、Ni、Co又はこれ等の混
合物とSiの配合比を上記組成範囲内において化学
量論比に近ずけることが望ましく、過剰のNi、
Co又はSiは導電率を低下させ、かつ加工性や半
田接続強度の低下をまねく。 Ta,Nb,MMを各0.01〜1%、Agを0.01〜
0.05%のうち何れか1種又は2種状の添加は、更
に強度を向上させるとと共に、特性を安定化させ
るためで、これ等の1種又は2種以上の合計含有
量を0.01〜1%と限定したのは、含有量が下限未
満では十分な効果が得られず、上限を越えると導
電率を低下するばかりか、コストを上昇し、加工
性を損なう等の不都合を生ずる。即ちNi2Si又
は/及びCo2Siの析出は合金組成や熱処理条件の
みでなく、加工条件なども複雑に関与し、実際上
の特性を不安定にするが、Ta,Nb,MM,Ag
は特性の安定化に働く。その作用機構は明らかで
はないが、これ等はSiと化合し、未反応のSiを消
費して強度向上に働くものと考えられる。またこ
れ等は結晶の微細化に働き、製造時に加工性を高
める。特にMMはプレス成型性を向上し、Ag,
MMは耐熱性を向上する。 またMn,Zn,Snの内何れか1種又は2種以上
の添加は、上記添加元素の作用効果を一層高め、
強度を向上して特性を一層安定化させるためであ
り、Mn含有量を0.5%以下、Zn含有量を5%以
下、Sn含有量を5%以下と限定したのは、何れ
もこれ越えて含有せしめると導電率を著しく低下
するためである。更にこれ等の添加は上記作用効
果の外にMnは半田接合強度の向上と熱間加工性
の向上に有効であり、Znは半田接合強度の向上
に有効であり、Snは高度加工性の外耐熱性の向
上に有効である。添加元素の増加は導電性を低下
するので特に実用上Mn0.3%以下、Zn2%以下、
Sn2%以下が有用である。 以上の本発明合金は650℃以上、望ましくは700
℃〜950℃で熱間加工し、直ちに10℃/sec以上の
速度で350℃以下まで冷却した後、70%以上の冷
間加工を行なつてから400〜600℃、望ましくは
450〜550℃で熱処理することにより、特性を最大
限に実現する。本発明合金を650℃以上で熱間加
工し、直ちに10℃/sec以上の速度で350℃以下ま
で冷却するのは、粗大な析出を抑止するためであ
る。次に70%以上の冷間加工を行なつてから400
〜600℃熱処理するのは加工歪みを加えた状態で
熱処理することにより、微細な析出を均一に分散
析出させるためで、70%未満の冷間加工では均一
な分散析出が得られない。また熱処理温度が40℃
未満では析出に長時間を要し、析出粒子も超微粒
子となつて、加工性や半田接合強度が不安定にな
り、600℃を越えると粗大不均一析出となるばか
りか導電率などの特性が劣化する。また熱処理
後、必要に応じて冷間加工と再熱処理を繰返すこ
ともできる。即ち熱処理後所望サイズまで冷間加
工した後、250〜350℃で熱処理することにより加
工歪の一部を解放し、伸びや成型加工性を向上す
る。 〔実施例〕 第1表に示す組成の合金を溶解し、合金に鋳造
して機械切削により幅80mm、厚さ50mm、長さ300
mmのインゴツトとした。これを870℃に加熱して
熱間圧延し、約730℃で板厚50mmとし、直ちに350
℃まで冷却(水冷、風例、炉冷)してから酸洗し
た。これを第1冷間圧延してから熱処理し、一部
第2冷間圧延を加えてから再熱処理した。これ等
の製造条件を第2表に示す。 上記板上について引張強さ、伸び、導電率、耐
熱性、半田接合強度、スケール密着性、メツキ性
及び耐食性を試験し、その結果を従来の7/3黄
銅(Zn29.7%、残部Cu)、リン青銅(Sn6.1%、
P0.15%、残部Cu)、C195(Fe1.6%、Co0.8%、
Sn0.6%、P0.05%、残部Cu)と比較して第3表
に示した。耐熱性は500℃で1分間加熱後の硬度
を測定し、半田接合強度は直径5mmの半田接合を
150℃で300時間加熱してからプルテストを行なつ
た。スケール密着性は大気中250〜400℃のホツト
プレート上で加熱した後、テープ剥離テストを行
なつて剥離を始めた最小膜厚を求めた。膜厚はカ
ーソド還元法で測定した。メツキ性はH2SO4−
H2O混合液により表面を厚さ約0.3μエツチングし
た後、厚さ3μのイシアン銀メツを行ない、これ
を470℃で5分間加熱して表面のフクレ有無を40
倍の実体顕微鏡により試べた。耐食性は
JISC8306に基づき、3Vol1%のNHガス中で30
Kg/mmm2の定荷量を加え、破断するまでの時間を
調べた。尚、表中耐熱性と半田接合強度の( )
内は試験前の測定値である。
【表】
【表】
【表】
このように本発明合金は、強度・伝導率を始め
電気・電子機器や熱交換器に要求される各種特性
を満足するもので、半導体を初め、各種電気・電
子機器に用い、該機器の小型化、高密度化を可能
にする等工業上顕著な効果を奏するものである。
電気・電子機器や熱交換器に要求される各種特性
を満足するもので、半導体を初め、各種電気・電
子機器に用い、該機器の小型化、高密度化を可能
にする等工業上顕著な効果を奏するものである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 Ni,Co又はこれ等の混合物を0.4〜4wt%と
Siを0.1〜1wt%を含み、更に各々1wt%以下の
Ta,Nb、ミツシユメタル、0.05wt%未満のAg
からなる群より選択された何れか1種又は2種以
上を合計で0.01〜1wt%含み、残部Cuと不可避的
不純物からなる熱・電気高伝導用高力銅合金。 2 Ni,Co又はこれ等の混合物を0.4〜4wt%と
Siを0.1〜1wt%を含み、更に各々1wt%以下の
Ta,Nb、ミツシユメタル、0.05wt%未満のAg
からなる群より選定された何れか1種又は2種以
上を合計で0.01〜1wt%含み、更にMn0.5wt%以
下、Zn5wt%以下、Sn5wt%以下の範囲内で何れ
か1種又は2種以上を含み、残部Cuと不可避的
不純物からなる熱・電気高伝導用高力銅合金。 3 Ni,Co又はこれ等の混合物を0.4〜4wt%と
Siを0.1〜1wt%を含み、更に各々1wt%以下の
Ta,Nb、ミツシユメタル、0.05wt%未満のAg
からなる群より選定された何れか1種又は2種以
上を合計で0.01〜1wt%含み、又はこれに
Mn0.5wt%以下、Zn5wt%以下、Sn5wt%以下の
範囲内で何れか1種又は2種以上を含み、残部
Cuと不可避的不純物からなる合金を650℃以上で
熱間加工し、直ちに10℃/sec以上の速度で350℃
以下まで冷却した後、70%以上の冷間加工を行な
つてから400〜600℃で熱処理することを特徴とす
る熱・電気高伝導用高力銅合金の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2818486A JPS62185847A (ja) | 1986-02-12 | 1986-02-12 | 熱・電気高伝導用高力銅合金とその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2818486A JPS62185847A (ja) | 1986-02-12 | 1986-02-12 | 熱・電気高伝導用高力銅合金とその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62185847A JPS62185847A (ja) | 1987-08-14 |
JPH0356294B2 true JPH0356294B2 (ja) | 1991-08-27 |
Family
ID=12241616
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2818486A Granted JPS62185847A (ja) | 1986-02-12 | 1986-02-12 | 熱・電気高伝導用高力銅合金とその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS62185847A (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5833920A (en) * | 1996-02-20 | 1998-11-10 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Copper alloy for electronic parts, lead-frame, semiconductor device and connector |
KR100644510B1 (ko) * | 2005-03-17 | 2006-11-10 | 한국기계연구원 | 열간 가공성과 연화성을 개선시킨 고강도 리드프레임재용구리(Cu)-니켈(Ni)-망간(Mn)-실리콘(Si)-주석(Sn)-미쉬메탈(Ms)계 합금과 그 제조방법 |
EP2248921A4 (en) * | 2008-01-31 | 2011-03-16 | Furukawa Electric Co Ltd | COPPER ALLOY MATERIAL FOR ELECTRICAL / ELECTRONIC COMPONENT AND METHOD FOR MANUFACTURING COPPER ALLOY MATERIAL |
WO2011019042A1 (ja) * | 2009-08-10 | 2011-02-17 | 古河電気工業株式会社 | 電気電子部品用銅合金材料 |
EP2508633A4 (en) * | 2009-12-02 | 2014-07-23 | Furukawa Electric Co Ltd | COPPER ALLOY FILM AND MANUFACTURING METHOD THEREFOR |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5570494A (en) * | 1978-11-18 | 1980-05-27 | Futoshi Matsumura | Wire rod for copper welding excelling in electric conductivity, thermal conductivity and welding performance |
JPS6274037A (ja) * | 1985-09-26 | 1987-04-04 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 高力高導電性銅合金 |
-
1986
- 1986-02-12 JP JP2818486A patent/JPS62185847A/ja active Granted
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5570494A (en) * | 1978-11-18 | 1980-05-27 | Futoshi Matsumura | Wire rod for copper welding excelling in electric conductivity, thermal conductivity and welding performance |
JPS6274037A (ja) * | 1985-09-26 | 1987-04-04 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 高力高導電性銅合金 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62185847A (ja) | 1987-08-14 |
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