JP7330083B2 - 表面材 - Google Patents
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Description
しかし、このような構成を満足する表面材を金型に挟み込み加熱成型して内装材や外装材を調製したところ、調製した内装材や外装材において、
・アクリル系樹脂層由来の主面に意図しない凹凸が存在するという問題、
が発生した。更に、
・アクリル系樹脂層由来の主面側から、プリントに含まれている粒子が脱落することがあるという問題、
が発生することがあった。
下記の測定で評価した項目(i)を満足する、表面材。
記
1.測定対象となる表面材から試験片(短辺:25cm、長辺:25cm、厚さ:1.5mm以上)を採取する、
2.平滑な板の主面上にアルミホイル(厚さ:0.05mm)を敷いてなる上型を用意し上型を120℃に加熱する、そして、別の平滑な板の主面上にアルミホイル(厚さ:0.05mm)を敷いてなる下型を用意し下型を130℃に加熱する、
3.アルミホイル面を向かい合わせにした上型と下型の間に試験片を挟み込む、このとき、試験片におけるプリントが存在している側の主面(以降、プリント側主面と称する)と、上型におけるアルミホイル面を向かい合わせる、
4.上型と下型を用いて、試験片における一方の主面からもう一方の主面に向かい、試験片における一方の主面全面に対し1kgf/cm2の圧力を13秒間作用させ、試験片をプレスする、
5.上型と下型による圧力の作用を解除し上型と下型の間から試験片を取り出した後、上型を20℃に冷却する、
6.冷却した後の上型における、試験片のプリント側主面と接触していたアルミホイル部分を観察し、以下の項目(i)について評価する、
項目(i):試験片のプリント側主面と接触していた上型のアルミホイル部分に、当該試験片のプリント側主面を構成する樹脂が存在していない、」である。
この理由は完全に明らかとなっていないが、上述の問題の発生に、表面材を構成しているアクリル系樹脂層が関与していると考えられた。
上述の知見のもと本発明が規定する測定は、模擬的に表面材を金型に挟み込み加熱成型した状況を再現したものといえる。そして、当該測定で評価した項目(i)を満足する表面材は、表面材を金型に挟み込み加熱成型した際においても、金型に付着し難いアクリル系樹脂層を有するものといえる。
そのため、本発明にかかる測定で評価した項目(i)を満足する表面材によって、上述の問題が発生するのを防止できる。
なお、図1では繊維集合体(1)の一方の主面上における全てに、一種類のプリント(2)が存在している(ベタ印刷されている)態様を例示しているが、
・繊維集合体(1)の一方の主面上における全てに、複数種類のプリント(2)がベタ印刷されている態様、
・繊維集合体(1)の一方の主面上に、部分的に一種類のプリント(2)が存在している(柄が印刷されている)態様、
・繊維集合体(1)の一方の主面上に、部分的に複数種類のプリント(2)が存在している(多種類の柄が印刷されている)態様、
であってもよい。
なお、図1に図示するように表面材(10)における紙面上の上方向側の主面を、プリント(2)が存在している側の主面(プリント側主面)、あるいは、アクリル系樹脂層(3)側の主面と称することがある。
また、本発明の表面材は、繊維集合体を含んでいるため、柔軟で金型への追従性に優れる。特に、本発明の表面材を構成する繊維集合体が不織布(特に、全ての構成繊維がランダムに絡合してなる不織布)であると、更に柔軟で金型への追従性に優れ好ましい。
バインダがアクリル系樹脂を含有していると、金型を用いたヒートプレス等の熱成型時に適度に軟化するため、金型への追従性に優れる表面材を提供でき好ましい。
また、バインダは上述した樹脂以外にも、例えば、難燃剤、香料、顔料、抗菌剤、抗黴材、光触媒粒子、乳化剤、分散剤、界面活性剤などの添加剤を含有していてもよい。
なお、繊維ウェブ以外にも不織布あるいは織物や編物など繊維集合体を、上述した構成繊維同士を絡合および/または一体化させる方法へ供しても良い。
繊維集合体の厚さは、0.5~5mmであることができ、1~3mmであることができ、1.1~1.9mmであることができる。なお、本発明において厚さとは主面と垂直方向へ20g/cm2圧縮荷重をかけた時の該垂直方向の長さをいう。
また、繊維集合体の目付は、例えば、50~500g/m2であることができ、80~300g/m2であることができ、100~250g/m2であることができる。なお、本発明において目付とは測定対象物の最も広い面積を有する面(主面)における1m2あたりの質量をいう。
なお、プリントは繊維集合体の一方の主面上に存在するのであれば、繊維集合体の両主面上に存在していても良い。また、プリントは繊維集合体の主面上にのみ存在する態様以外にも、プリントを構成する成分(樹脂など)の一部が繊維集合体を構成する構成繊維間に侵入している態様であってもよい。
本発明において粒子の平均粒子径は以下の方法で算出される値をいう。
(平均粒子径の算出方法)
(1)室温(25℃)雰囲気下に置いた複数の粒子の200倍の光学顕微鏡写真を撮影する、あるいは、室温(25℃)雰囲気下に置いた表面材の両主面の200倍の光学顕微鏡写真を各々撮影する。
(2)撮影した写真のうち粒子の存在が認められた写真から、ランダムに10個の粒子を選出する。
(3)選出した10個の粒子の粒子径を各々算出し、算出した値の平均値を平均粒子径とする。なお、写真に写る粒子の面積と同じ面積を有する円の直径を算出し、その直径の値を粒子の粒子径とみなす。
なお、粒子が中空粒子である場合、粒子径方向へ変形し易い中空粒子であるよう、中空粒子を構成する成分は有機樹脂を含んでいるのが好ましい。
なお、プリントの露出する主面上に粒子が存在している態様として、例えば、プリントの露出する主面上に樹脂によって粒子が接着担持されている態様や、プリントの露出する主面に粒子の一部がめり込むことで担持されている態様などであることができる。そして、プリントの主面上に粒子の一部が露出する態様であることができる。
なお、プリントを構成する樹脂の固形分質量に対する粒子の固形分質量の百分率は、以下の方法で算出した値の小数点以下を四捨五入して算出できる。
A=100×B/C
A:プリントを構成する樹脂の固形分質量に対する粒子の固形分質量の百分率(単位:質量%)
B:プリントを構成する粒子の固形分質量(単位:g/m2)
C:プリントを構成する樹脂の固形分質量(単位:g/m2)
また、表面材が備えているプリントを構成している、粒子および樹脂の固形分質量を測定することが困難である場合には、表面材の製造工程においてプリントを構成するため繊維集合体の一方の主面上に付与した、粒子の固形分質量をBとして上述の式へ代入すると共に、樹脂の固形分質量をCとして上述の式へ代入することで、プリントを構成する樹脂の固形分質量に対する粒子の固形分質量の百分率(単位:質量%)を算出する。あるいは、表面材の製造工程においてプリントを構成するため繊維集合体の一方の主面上に付与する、プリントを構成する粒子と樹脂を含有する塗布液中の、粒子の固形分質量をBとして上述の式へ代入すると共に、樹脂の固形分質量をCとして上述の式へ代入することで、プリントを構成する樹脂の固形分質量に対する粒子の固形分質量の百分率(単位:質量%)を算出する。
アクリル系樹脂層の目付は適宜選択するが、アクリル系樹脂層の目付は2~80g/m2であることができ、5~70g/m2であることができ、12~55g/m2であることができる。
1.測定対象となる表面材から試験片(短辺:25cm、長辺:25cm、厚さ:1.5mm以上)を採取する。
2.平滑な板の主面上にアルミホイル(厚さ:0.05mm)を敷いてなる上型を用意し上型を120℃に加熱する、そして、別の平滑な板の主面上にアルミホイル(厚さ:0.05mm)を敷いてなる下型を用意し下型を130℃に加熱する。
3.アルミホイル面を向かい合わせにした上型と下型の間に試験片を挟み込む、このとき、試験片におけるプリントが存在している側の主面(以降、プリント側主面と称する)と、上型におけるアルミホイル面を向かい合わせる。
4.上型と下型を用いて、試験片における一方の主面からもう一方の主面に向かい、試験片における一方の主面全面に対し1kgf/cm2の圧力を13秒間作用させ、試験片をプレスする。
5.上型と下型による圧力の作用を解除し上型と下型の間から試験片を取り出した後、上型を20℃に冷却する。
6.冷却した後の上型における、試験片のプリント側主面と接触していたアルミホイル部分を観察し、以下の項目(i)について評価する。
項目(i):試験片のプリント側主面と接触していた上型のアルミホイル部分に、当該試験片のプリント側主面を構成する樹脂が存在していない。
項目(ii):試験片のプリント側主面と接触していた上型のアルミホイル部分に、アクリル系樹脂および中空粒子が存在していない。
(アクリル系樹脂の評価方法)
1.アクリル系樹脂からなる試験片(短辺:5cm、長辺:7cm、厚さ:2mm)を用意する。
2.前記試験片を160℃雰囲気下に20分間静置して、前記試験片を加熱する。
3.140℃に加熱した平滑な板の主面上にアルミホイル(厚さ:0.05mm)を敷き、前記アルミホイルの主面上に前記加熱した試験片を積層する。このとき、前記アルミホイルの主面と前記加熱した試験片の主面を向かい合わせ接触させて積層する。
4.前記試験片における露出している主面側から前記試験片の厚さ方向へ向かい、前記主面全面に対し加圧板を50kgf/cm2の圧力で3分間作用させプレスした後、前記加圧板を前記試験片から離して前記試験片を20℃に冷却する。
5.プレスを施した後の試験片の状態を、以下の(iii)および(iv)の2項目で評価する。
項目(iii):前記プレスを施した後の試験片における露出している主面に、波うちが発生していない、あるいは、発生した波うちの高さが2mm未満である。
項目(iv):前記プレスを施した後の試験片の大きさが、短辺:6cm以下、及び、長辺:8cm以下である。
・アクリル系樹脂層由来の主面に意図しない凹凸が存在するという問題や、
・アクリル系樹脂層由来の主面側から、プリントに含まれている粒子が脱落することがあるという問題、
の発生を防止できることを見出した。
しかし、本発明にかかる表面材が、特に、上述した(アクリル系樹脂の評価方法)で評価した項目(iii)および(iv)を満足するアクリル系樹脂をアクリル系樹脂層に備えている場合、上述した問題が発生するのを効果的に防止できる。
なお、表面粗さ(SMD;surface roughness)は表面試験機(KES-FB4、カトーテック株式会社製)を用いて測定される値であり、表面材の試料(20cm角)を試験機に400gの荷重をかけてセットし、粗さ接触子(0.5mmワイヤー、接触面幅:5mm)に10.0gの加重をかけて試料に接触させ、試料を1mm/sec.の速度で移動させて測定された表面の凹凸データの平均偏差(average deviation of surface roughness data)を意味し、単位はμmである。
表面材におけるプリントが存在している側の主面の平均摩擦係数(MIU)が高いほど、当該主面は柔軟性に冨み、より優れた触感となる傾向があるため、平均摩擦係数(MIU)は0.15以上であるのが好ましく、0.20以上であるのが好ましく、0.25以上であるのがより好ましい。一方で、平均摩擦係数(MIU)の値が大き過ぎると、摩擦抵抗が強過ぎて、逆に触感を損なう恐れがあるため、1.6以下であるのが好ましい。
表面材の目付は適宜選択するが、300g/m2以下であることができる。一方、目付の下限値は適宜調整するが、100g/m2以上であるのが現実的である。
本発明にかかる表面材の製造方法は適宜選択することができるが、一例として、
(1)繊維集合体を用意する工程、
(2)プリントを構成可能な樹脂と粒子を、溶媒あるいは分散媒に混合して、プリント液を調製する工程、
(3)繊維集合体の少なくとも一方の主面上に、プリント液を付与する工程、
(4)プリント液を付与した繊維集合体を加熱することで溶媒あるいは分散媒を除去して、プリントを備える繊維集合体を調製する工程、
(5)アクリル系樹脂層を構成可能な有機樹脂(アクリル系樹脂、または、アクリル系樹脂と他の樹脂)を含んだ成分を溶媒あるいは分散媒に混合して、アクリル系樹脂層塗布液を調製する工程、
(6)プリントを備える繊維集合体におけるプリント側の主面上に、アクリル系樹脂層塗布液を付与する工程、
(7)アクリル系樹脂層塗布液を付与した、プリントを備える繊維集合体を加熱することで、溶媒あるいは分散媒を除去して、表面材を調製する工程、
を備える、表面材の製造方法を挙げることができる。
繊維集合体として、例えば、繊維ウェブや不織布、あるいは、織物や編み物などの、シート状の布帛を用意する。なお、繊維集合体における構成繊維の繊度や繊維長、繊維集合体の厚さや目付は上述した数値のものを採用することができる。
溶媒あるいは分散媒の種類は適宜選択できるが、繊維集合体の一方の主面上へ好適にプリント液を塗布できるよう、プリントを構成可能な樹脂が溶解すると共に、粒子が溶解せず分散可能な溶媒を採用する、あるいは、プリントを構成可能な樹脂粒子および粒子が溶解せず分散可能な分散媒を採用するのが好ましい。また、プリント液には粒子以外にも、例えば、難燃剤、香料、顔料、抗菌剤、抗黴材、光触媒粒子、乳化剤、分散剤、界面活性剤、増粘剤などの添加剤を溶解あるいは分散させ、含有させてもよい。粒子の種類は適宜選択できるが、上述した理由から加熱を受け発泡する粒子であるのが好ましい。
繊維集合体の一方の主面上に、プリント液を付与する方法は適宜選択できるが、繊維集合体の一方の主面にプリント液をそのまま、あるいは泡立てた状態で、スプレーや含浸ロールなどを用いて散布あるいは塗布する方法、繊維集合体の一方の主面をプリント液中に浸漬する方法などを採用することができる。繊維集合体の一方の主面上に付与する、プリント液の態様は適宜選択できるが、主面上全てを被覆するように付与する方法、主面上に模様を形成するようにプリントや捺染して付与する方法などを選択できる。なお、一種類のプリント液を付与する、あるいは、複数種類のプリント液を付与しても良い。また、複数種類のプリント液を付与する場合には、各プリント液の付与態様(模様、プリント液の組成)は異なっていても良い。
溶媒あるいは分散媒を除去してプリントを備える繊維集合体を調製する方法は適宜選択できるが、例えば、オーブンドライヤー、遠赤外線ヒーター、乾熱乾燥機、熱風乾燥機などの加熱機へ供し加熱する、室温雰囲気下や減圧雰囲気下に静置するなどして、溶媒あるいは分散媒を蒸発させ除去できる。溶媒あるいは分散媒を除去する際の加熱温度は溶媒あるいは分散媒が揮発可能な温度であると共に、繊維集合体や中空粒子など構成部材の形状や機能などが意図せず低下することがないよう、加熱温度の上限を選択する。
なお、繊維集合体が繊維ウェブの場合には、本工程によって構成繊維同士を接着する(溶融したバインダで接着する、あるいは、構成繊維に含まれる熱可塑性成分を溶融させ接着する)ことで、不織布を形成してもよい。
また、加熱を受け発泡する粒子を備えている場合には、本工程によって当該粒子を発泡させてもよい。
溶媒あるいは分散媒の種類は適宜選択できるが、好適にアクリル系樹脂層塗布液を塗布できるよう、アクリル系樹脂層を構成可能な有機樹脂が溶解すると共に繊維集合体やプリントの構成成分が溶解しない溶媒あるいは分散媒、または、アクリル系樹脂層を構成可能な有機樹脂ならびに繊維集合体やプリントの構成成分が溶解しない溶媒あるいは分散媒を採用するのが好ましい。また、アクリル系樹脂層塗布液には上述した添加剤を溶解あるいは分散させ、含有させてもよい。
プリントを備える繊維集合体におけるプリント側の主面上に、アクリル系樹脂層塗布液を付与する方法は適宜選択できるが、例えば、工程(3)で挙げた手段を採用できる。
なお、一種類のアクリル系樹脂層塗布液を付与する、あるいは、複数種類のアクリル系樹脂層塗布液を付与しても良い。また、複数種類のアクリル系樹脂層塗布液を付与する場合には、各アクリル系樹脂層塗布液の付与態様(模様、アクリル系樹脂層塗布液の組成)は異なっていても良い。
溶媒あるいは分散媒を除去して表面材を調製する方法は適宜選択できるが、例えば、工程(4)で挙げた手段を採用できる。
上述の表面材の製造方法では、更に別の多孔体、フィルム、発泡体などの構成部材を積層する工程、用途や使用態様に合わせて形状を打ち抜くなどして加工する工程、などの、各種二次工程を備えた表面材の製造方法であってもよい。
なお、これらの構成部材は表面材における、アクリル系樹脂層側の主面とは異なる主面側に積層して備えることができる。
更に、リライアントプレス処理などの、表面を平滑とするための加圧処理工程へ供してもよい。
原着ポリエステル繊維(繊度:2.2dtex、繊維長:38mm)を100%用いて、カード機により開繊して繊維ウェブを形成した後、片面から針密度400本/m2でニードルパンチ処理を行い、その後、熱ロール間(ギャップ間隔:0.6mm、ロール加熱温度:165℃)へ供することで、ニードルパンチ不織布(目付:180g/m2、厚さ:1.5mm)を調製した。
次いで、ニードルパンチ不織布のニードリングを施した面とは反対の面から、以下に記載の割合で配合したバインダ液を泡立てた状態で塗布し、ロール間(ギャップ間隔:0.25mm)へ供した後、温度160℃のキャンドライヤーで乾燥することで、バインダ接着不織布(目付:185g/m2、厚さ:1.6mm、全ての構成繊維がランダムに絡合してなる不織布)を調製した。
バインダ液
・アクリル酸樹脂バインダー4(詳細は後述する):5.4部
・増粘剤:0.2部
・界面活性剤:1.0部
・25%アンモニア水:0.1部
・水:93.3部
表1に記載の割合で配合した各種プリント液を調製した。なお、プリント液に配合した中空粒子は有機成分からなる中空粒子(加熱前の平均粒子径:13μm)であって、160℃の加熱雰囲気下で3倍に発泡する粒子であった。また、プリント液中に存在していない組成物については、表中に「-」を記載した。
表2に記載の割合で配合した各種樹脂液を調製した。なお、アクリル系樹脂バインダー1~2およびアクリル系バインダー5を構成するアクリル系樹脂を(アクリル系樹脂の評価方法)へ供したところ、項目(iii)および項目(iv)を共に満足しないものであった。一方、アクリル系樹脂バインダー3~4を構成するアクリル系樹脂を(アクリル系樹脂の評価方法)へ供したところ、項目(iii)および項目(iv)を共に満足するものであった。ガラス転移温度(Tg)の違いや(アクリル系樹脂の評価方法)へ供した結果からもわかる通り、使用した各アクリル系樹脂バインダーを構成する各々のアクリル系樹脂の種類(例えば、ポリマー鎖の構造、分子量など)は、互いに異なるものである。
なお、本発明でいう「Tg(ガラス転移温度)」とは、測定対象となる樹脂(アクリル系樹脂バインダーを構成するアクリル系樹脂など)を示差熱分析計(DTA)へ供し測定されたDTA曲線におけるベースラインの接線と、ガラス転移による吸熱領域の急峻な下降位置の接線との交点にあたる温度をいう。
なお、アクリル系樹脂層塗布液中に存在していない組成物については、表中に「-」を記載した。
バインダ接着不織布のバインダ液を塗布した方の主面に対して、シリンダを用いてプリント液Aを図2に図示するA柄に塗布した。そして、プリント液A由来のプリントが露出する主面に対して、シリンダを用いてプリント液Bを図3に図示するB柄に塗布した。
その後、温度160℃のドライヤーで乾燥することで、バインダ接着不織布の一方の主面上に、プリント液A由来のA柄のプリントならびにプリント液B由来のB柄のプリント(発泡した中空粒子を含有してなるプリント)が、重ね合わされてなる柄のプリントを設けた。
このようにして、バインダ接着不織布の一方の主面上に中空粒子を含有するプリントを備えた表面材(目付:195.0g/m2、プリント液A由来のプリントの目付:6.0g/m2、プリント液B由来のプリントの目付:4.0g/m2、厚さ:1.5mm)を調製した。
なお、このようにして調製した表面材における、プリントが存在している側の主面のSMDは6.494μm、MIUは0.243であった。
参考例1で調製した表面材のプリントを備えている側の主面に対して、シリンダを用いてアクリル系樹脂塗布液1を全面に塗布(ベタ印刷)した。その後、温度140℃のドライヤーで乾燥することで、バインダ接着不織布の一方の主面上に中空粒子を含有するプリントを備えていると共に、前記プリント上にアクリル系樹脂層を備えた表面材(目付:203.0g/m2、プリント液A由来のプリントの目付:6.0g/m2、プリント液B由来のプリントの目付:4.0g/m2、アクリル系樹脂塗布液1由来のアクリル系樹脂層の目付:8.0g/m2、厚さ:1.6mm)を調製した。
なお、このようにして調製した表面材における、プリントが存在している側の主面(アクリル系樹脂層)のSMDは6.039μm、MIUは0.215であった。
アクリル系樹脂塗布液1の代わりにアクリル系樹脂塗布液2を用いたこと以外は、比較例1と同様にして、バインダ接着不織布の一方の主面上に中空粒子を含有するプリントを備えていると共に、前記プリント上にアクリル系樹脂層を備えた表面材(目付:203.0g/m2、プリント液A由来のプリントの目付:6.0g/m2、プリント液B由来のプリントの目付:4.0g/m2、アクリル系樹脂塗布液2由来のアクリル系樹脂層の目付:8.0g/m2、厚さ:1.6mm)を調製した。
なお、このようにして調製した表面材における、プリントが存在している側の主面(アクリル系樹脂層)のSMDは6.082μm、MIUは0.270であった。
アクリル系樹脂塗布液1の代わりにアクリル系樹脂塗布液3を用いたこと以外は、比較例1と同様にして、バインダ接着不織布の一方の主面上に中空粒子を含有するプリントを備えていると共に、前記プリント上にアクリル系樹脂層を備えた表面材(目付:203.0g/m2、プリント液A由来のプリントの目付:6.0g/m2、プリント液B由来のプリントの目付:4.0g/m2、アクリル系樹脂塗布液3由来のアクリル系樹脂層の目付:8.0g/m2、厚さ:1.6mm)を調製した。
なお、このようにして調製した表面材における、プリントが存在している側の主面(アクリル系樹脂層)のSMDは6.164μm、MIUは0.218であった。
アクリル系樹脂塗布液1の代わりにアクリル系樹脂塗布液4を用いたこと以外は、比較例1と同様にして、バインダ接着不織布の一方の主面上に中空粒子を含有するプリントを備えていると共に、前記プリント上にアクリル系樹脂層を備えた表面材(目付:203.0g/m2、プリント液A由来のプリントの目付:6.0g/m2、プリント液B由来のプリントの目付:4.0g/m2、アクリル系樹脂塗布液4由来のアクリル系樹脂層の目付:8.0g/m2、厚さ:1.6mm)を調製した。
なお、このようにして調製した表面材における、プリントが存在している側の主面(アクリル系樹脂層)のSMDは5.957μm、MIUは0.267であった。
プリント液Bの塗布量を増量したこと以外は、実施例2と同様にして、バインダ接着不織布の一方の主面上に中空粒子を含有するプリントを備えていると共に、前記プリント上にアクリル系樹脂層を備えた表面材(目付:206.0g/m2、プリント液A由来のプリントの目付:6.0g/m2、プリント液B由来のプリントの目付:7.0g/m2、アクリル系樹脂塗布液4由来のアクリル系樹脂層の目付:8.0g/m2、厚さ:1.7mm)を調製した。
なお、このようにして調製した表面材における、プリントが存在している側の主面(アクリル系樹脂層)のSMDは6.944μm、MIUは0.214であった。
アクリル系樹脂塗布液1の代わりにアクリル系樹脂塗布液5を用いたこと以外は、比較例1と同様にして、バインダ接着不織布の一方の主面上に中空粒子を含有するプリントを備えていると共に、前記プリント上にアクリル系樹脂層を備えた表面材(目付:203.0g/m2、プリント液A由来のプリントの目付:6.0g/m2、プリント液B由来のプリントの目付:4.0g/m2、アクリル系樹脂塗布液5由来のアクリル系樹脂層の目付:8.0g/m2、厚さ:1.6mm)を調製した。
なお、このようにして調製した表面材における、プリントが存在している側の主面(アクリル系樹脂層)のSMDは6.144μm、MIUは0.213であった。
(地合いの評価方法)
項目(i)および項目(ii)を評価した後の試験片における、上型のアルミホイル部分と接触していた試験片におけるプリントが存在している側の主面を目視で観察した。
観察の結果、当該主面にプリントムラの発生が認められた場合には、表面材へ加熱と加圧を作用させた結果、樹脂層の剥離や樹脂層及びプリントの剥離が発生したことを意味するため、金型に挟み込み加熱成型して内装材や外装材を調製した場合に、地合いに優れる内装材や外装材を提供するのが困難な表面材であると評価し、表中に「×」を記載した。
一方、観察の結果、当該主面にプリントムラの発生が認められなかった場合には、表面材へ加熱と加圧を作用させとしても、樹脂層の剥離や樹脂層及びプリントの剥離が発生しなかったことを意味するため、金型に挟み込み加熱成型して内装材や外装材を調製した場合に、地合いに優れる内装材や外装材を提供するのが容易な表面材であると評価し、表中に「〇」を記載した。
・アクリル系樹脂層由来の主面に意図しない凹凸が存在するという問題や、
・アクリル系樹脂層由来の主面側から、プリントに含まれている粒子が脱落することがあるという問題、
の発生を防止して、地合いに優れる内装材や外装材を容易に提供できた。
1:繊維集合体
2:粒子を含有するプリント
3:アクリル系樹脂層
Claims (1)
- 繊維集合体の少なくとも一方の主面上に粒子を含有するプリントを備えていると共に、前記プリント上にアクリル系樹脂層を備えた、表面材であって、
下記の測定で評価した項目(i)を満足する、表面材。
記
1.測定対象となる表面材から試験片(短辺:25cm、長辺:25cm、厚さ:1.5mm以上)を採取する、
2.平滑な板の主面上にアルミホイル(厚さ:0.05mm)を敷いてなる上型を用意し上型を120℃に加熱する、そして、別の平滑な板の主面上にアルミホイル(厚さ:0.05mm)を敷いてなる下型を用意し下型を130℃に加熱する、
3.アルミホイル面を向かい合わせにした上型と下型の間に試験片を挟み込む、このとき、試験片におけるプリントが存在している側の主面(以降、プリント側主面と称する)と、上型におけるアルミホイル面を向かい合わせる、
4.上型と下型を用いて、試験片における一方の主面からもう一方の主面に向かい、試験片における一方の主面全面に対し1kgf/cm2の圧力を13秒間作用させ、試験片をプレスする、
5.上型と下型による圧力の作用を解除し上型と下型の間から試験片を取り出した後、上型を20℃に冷却する、
6.冷却した後の上型における、試験片のプリント側主面と接触していたアルミホイル部分を観察し、以下の項目(i)について評価する、
項目(i):試験片のプリント側主面と接触していた上型のアルミホイル部分に、当該試験片のプリント側主面を構成する樹脂が存在していない、
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