[go: up one dir, main page]

JP6454402B2 - 潤滑剤組成物 - Google Patents

潤滑剤組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP6454402B2
JP6454402B2 JP2017502325A JP2017502325A JP6454402B2 JP 6454402 B2 JP6454402 B2 JP 6454402B2 JP 2017502325 A JP2017502325 A JP 2017502325A JP 2017502325 A JP2017502325 A JP 2017502325A JP 6454402 B2 JP6454402 B2 JP 6454402B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lubricant composition
water
mass
ester
carboxylic acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017502325A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2016136623A1 (ja
Inventor
児玉 邦彦
邦彦 児玉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Publication of JPWO2016136623A1 publication Critical patent/JPWO2016136623A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6454402B2 publication Critical patent/JP6454402B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10MLUBRICATING COMPOSITIONS; USE OF CHEMICAL SUBSTANCES EITHER ALONE OR AS LUBRICATING INGREDIENTS IN A LUBRICATING COMPOSITION
    • C10M105/00Lubricating compositions characterised by the base-material being a non-macromolecular organic compound
    • C10M105/08Lubricating compositions characterised by the base-material being a non-macromolecular organic compound containing oxygen
    • C10M105/32Esters
    • C10M105/42Complex esters, i.e. compounds containing at least three esterified carboxyl groups and derived from the combination of at least three different types of the following five types of compound: monohydroxy compounds, polyhydroxy compounds, monocarboxylic acids, polycarboxylic acids and hydroxy carboxylic acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10MLUBRICATING COMPOSITIONS; USE OF CHEMICAL SUBSTANCES EITHER ALONE OR AS LUBRICATING INGREDIENTS IN A LUBRICATING COMPOSITION
    • C10M173/00Lubricating compositions containing more than 10% water
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10MLUBRICATING COMPOSITIONS; USE OF CHEMICAL SUBSTANCES EITHER ALONE OR AS LUBRICATING INGREDIENTS IN A LUBRICATING COMPOSITION
    • C10M129/00Lubricating compositions characterised by the additive being an organic non-macromolecular compound containing oxygen
    • C10M129/02Lubricating compositions characterised by the additive being an organic non-macromolecular compound containing oxygen having a carbon chain of less than 30 atoms
    • C10M129/04Hydroxy compounds
    • C10M129/06Hydroxy compounds having hydroxy groups bound to acyclic or cycloaliphatic carbon atoms
    • C10M129/08Hydroxy compounds having hydroxy groups bound to acyclic or cycloaliphatic carbon atoms containing at least 2 hydroxy groups

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Emergency Medicine (AREA)
  • Lubricants (AREA)

Description

本発明は潤滑剤組成物に関する。
潤滑剤は、一般にベースオイルと種々の添加剤を含む。ベースオイルとしては、原油から得られる鉱物油、化学合成されるエステル系油、フッ素油、ポリαオレフィン系油などがある。これらの中でも、エステル系油は、低流動点、高粘度指数、高引火点、良好な潤滑性能、生分解性などから、ジェット機、自動車エンジン油、グリースなどに好適に用いられる。
エステル系油はベースオイルあるいは添加剤として用いることが知られている。エステル系油としては、例えば脂肪族モノカルボン酸と一価アルコールとの反応から得られるモノエステル;脂肪族二塩基酸と一価アルコールとの反応から得られるジエステル;多価アルコールと脂肪族カルボン酸との反応から得られるエステル;及びポリオール、多塩基酸、脂肪族モノカルボン酸との反応から得られる複合エステル;等、様々なエステル類が開示されている(特許文献1〜8)。
複合エステル等を含むエステル類は、水と混合して用いられることもある。例えば、特許文献6及び7には、所定構造のポリエステルを含む複合エステルを水と混合して、エマルジョンとした潤滑剤が開示されている。また、特許文献8には、所定構造のポリエステルを含む複合エステルを水と混合した潤滑剤が開示されている。
特開2002−097482号公報 特開2005−154726号公報 特開2005−232434号公報 特開2005−213377号公報 特開2005−232470号公報 特開2000−1691号公報 特開2008−37928号公報 特開2011−89106号公報
一般的には、複合エステル等のエステル類は、水に不溶なものが多く、鉱物油等の基油に混合されて用いられることが多い。このようにして得られた潤滑剤(以下、潤滑剤組成物ともいう)は、高温かつ高荷重のような過酷条件下においても良好な摩擦特性(低摩擦化)を発揮すると考えられているため、好ましく用いられている。しかしながら、高温や極圧条件下においては、発火の危険性が生じる場合があり、潤滑剤に起因する火災事故が懸念されていた。
一方で、特許文献6〜8に開示されているように、複合エステル等のエステル類と水を混合した潤滑剤組成物も用いられている。このような潤滑剤組成物においては、発火の危険性は抑制されているものの、その潤滑性能が劣る場合が多く、さらなる改善が求められていた。また、複合エステル等のエステル類と水を混合した潤滑剤組成物においては、複合エステルの安定性が損なわれる場合があり、長期間に亘って優れた潤滑性能を発揮することが困難である場合があった。
そこで本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために、不燃性と安定性に優れた潤滑剤組成物であって、優れた潤滑性能を発揮し得る潤滑剤組成物を提供することを目的として検討を進めた。
上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者らは、少なくとも3価以上の多価アルコールa1と、2価以上の多価カルボン酸a2と、1価アルコールa3が縮合したポリエステルを含む複合エステルA、及び水を含有する潤滑剤組成物において、3価以上の多価アルコールa1及び1価アルコールa3から選択される少なくとも一つにオキシアルキレン構造を含有させることにより、不燃性と安定性に優れた潤滑剤組成物であって、優れた潤滑性能を発揮し得る潤滑剤組成物が得られることを見出した。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[1]少なくとも3価以上の多価アルコールa1と、2価以上の多価カルボン酸a2と、1価アルコールa3が縮合したポリエステルを含む複合エステルA、及び水を含有する潤滑剤組成物であって、3価以上の多価アルコールa1及び1価アルコールa3から選択される少なくとも一つがオキシアルキレン構造を有し、複合エステルAが非水溶性の場合は、乳化剤及びグリコール添加剤から選択される少なくとも1種を含有する潤滑剤組成物。
[2]3価以上の多価アルコールa1がオキシアルキレン構造を有する[1]に記載の潤滑剤組成物。
[3]1価アルコールa3が炭素数8以上のアルキル基を有する[1]又は[2]に記載の潤滑剤組成物。
[4]潤滑剤組成物は乳化剤を含有し、乳化剤のHLB値が4以上である[1]〜[3]のいずれかに記載の潤滑剤組成物。
[5]潤滑剤組成物は乳化剤を含有し、乳化剤のHLB値が7以上である[1]〜[4]のいずれかに記載の潤滑剤組成物。
[6]2価以上の多価カルボン酸a2は、炭素数36〜44の2価カルボン酸を少なくとも75質量%含有する[1]〜[5]のいずれかに記載の潤滑剤組成物。
[7]水の含有量は潤滑剤組成物の全質量に対し、43質量%以上である[1]〜[3]のいずれかに記載の潤滑剤組成物。
[8]3価以上の多価アルコールa1及び1価アルコールa3がオキシアルキレン構造を有する[7]に記載の潤滑剤組成物。
[9]多価アルコールa1はオキシアルキレン構造を3つ以上有し、1価アルコールa3は、オキシアルキレン構造を3つ以上有する[8]に記載の潤滑剤組成物。
[10]潤滑剤組成物はグリコール添加剤を含有し、水及びグリコール添加剤の合計含有量は、潤滑剤組成物の全質量に対し、50質量%以上である[1]〜[3]のいずれかに記載の潤滑剤組成物。
本発明によれば、不燃性と安定性に優れた潤滑剤組成物であって、優れた潤滑性能を発揮し得る潤滑剤組成物を得ることができる。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
(潤滑剤組成物)
本発明の潤滑剤組成物は少なくとも3価以上の多価アルコールa1と、2価以上の多価カルボン酸a2と、1価アルコールa3が縮合したポリエステルを含む複合エステルA、及び水を含有する。ここで、3価以上の多価アルコールa1及び1価アルコールa3から選択される少なくとも一つがオキシアルキレン構造を有する。また、複合エステルAが非水溶性の場合は、乳化剤及びグリコール添加剤から選択される少なくとも1種を含有する。ここで水溶性の複合エステルとは、25℃の水に3質量%以上溶解する複合エステルをいう。なお、本明細書において、水溶性以外の複合エステルを非水溶性の複合エステルという。
本発明の潤滑剤組成物は、上記のような構成を有するため、発火の危険性が少なく火気のある条件下においても安全に用いることが可能である。また、本発明の潤滑剤組成物に含まれる複合エステルAは、水の存在下においても安定性が高く、長期間に亘って優れた潤滑性能を発揮することができる。このように、本発明の潤滑剤組成物は、不燃性と安定性に優れており、優れた潤滑性能を発揮することができる。
本発明の潤滑剤組成物において、複合エステルAは水溶性であっても、非水溶性であってもよい。複合エステルAが水溶性の場合は、潤滑剤組成物中の水に溶解して水溶液となっていてもよい。また、複合エステルAが非水溶性の場合は、潤滑剤組成物は乳化剤及びグリコール添加剤から選択される少なくとも1種を含有し、複合エステルAもしくは複合エステルAが溶解した媒体が、水に分散してエマルジョンとなっていてもよい。本発明の潤滑剤組成物は、このようないずれの態様であっても優れた潤滑性能を発揮することができる。
なお、潤滑剤組成物中における複合エステルAの含有量は、潤滑剤組成物の全質量に対して0.1〜50質量%であればよく、0.5〜50質量%であることが好ましく、1〜40質量%であることがさらに好ましい。潤滑剤組成物中における複合エステルAの含有量を上記範囲内とすることにより、本発明の潤滑剤組成物は、良好な潤滑性能を発現することができる。
<3価以上の多価アルコールa1>
3価以上の多価アルコールa1はアルコール性水酸基及びフェノール性水酸基から選択される少なくともいずれかを分子内に3つ以上含有する化合物である。中でも、3価以上の多価アルコールa1は、アルコール性水酸基を3つ以上含有する化合物が好ましく、アルコール性水酸基を3〜6個有する化合物がより好ましい。
好ましい3価以上の多価アルコールa1は下記一般式(a1−1a)で表されるアルコールである。
Figure 0006454402
一般式(a1−1a)中、Zはm1価の連結基を表し、m1は3以上の整数を表す。
一般式(a1−1a)で表されるアルコールは、m1価のアルコールである。
一般式(a1−1a)中、Zはm1価の連結基であり、Zは言い換えるとm1価のアルコールからm1個の水酸基を取り去ることで形成される多価アルコール母核を意味する。
一般式(a1−1a)中、m1は3以上の整数を表す。m1は好ましくは3〜6であり、より好ましくは3または4である。
Zは、少なくとも1つの3価以上の連結基を含むm1価の連結基である。3価以上の連結基としては特に制限はないが、例えば三級炭素原子を含む3価の連結基、四級炭素原子を含む4価の連結基などを好ましく挙げることができる。
三級炭素原子を含む3価の連結基としては、以下の構造が好ましく、下記構造中のRcは水素原子または置換基を表す。
Figure 0006454402
四級炭素原子は、以下の構造である。
Figure 0006454402
Zは、少なくとも1つの3価以上の連結基と、アルキレン基、アリーレン基およびこれらの基が結合したm1価の連結基であることが好ましい。アルキレン基及びアリーレン基が複数結合する場合、アルキレン基及びアリーレン基が単結合、2価の連結基(好ましくは−O−、−C(=)O−、−OC(=)O−、−S−、−SO2−、−C(=O)−、−C(=O)NRb−(Rbは水素原子、アルキル基、アリール基))または3価以上の連結基で結合した構造であることが好ましい。なお、上述した2価の連結基はさらに置換基を有していてもよい。なお、好ましいZは3価以上の多価アルコールの好ましい例から水酸基を除いた残基である。
中でも、Zは下記構造式(Z−1)で表すネオペンチル部分構造を有する連結基であることが好ましい。
Figure 0006454402
上記構造式(Z−1)において、*は、水酸基または他の置換基との結合部位を表す。
3価以上の多価アルコールa1としては、具体的には、グリセリン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール、2,3,4−ヘキサントリオール、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、1,3,5−シクロヘキサントリオール、ペンタメチルグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどの3価のアルコール;
1,2,3,4−ブタンテトラオール、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ソルビタン、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、ジトリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパンなどの4価アルコール;
アラビトール、キシリトール、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、アロース、グロース、イドース、タロースなどの5価アルコール;
ジペンタエリスリトール、ソルビトール、ガラクチトール、マンニトール、アリトール、イジトール、タリトール、イノシトール、クエルシトールなどの6価アルコール;
トリペンタエリスリトールなどの8価のアルコールを挙げることができる。
これらの中でもトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパン、ジまたはトリペンタエリスリトールがより好ましく、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールが特に好ましい。
3価以上の多価アルコールa1としては上述の3価以上の多価アルコールが有する水酸基の少なくとも1つにアルキレンオキサイドが付加してなる化合物(オキシアルキレン構造を有する化合物)も好ましく用いることができる。付加しているアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドおよびこれらの複数の組合せが好ましく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドがより好ましい。
3価以上の多価アルコールa1が上述したようなアルキレンオキサイドが付加してなる化合物(オキシアルキレン構造を有する化合物)である場合、3価以上の多価アルコールが有する水酸基の全てに、それぞれ独立にアルキレンオキサイドが付加していることが好ましい。
付加したアルキレンオキサイド(オキシアルキレン構造)の数は、上述の3価以上の多価アルコールa1中に平均で3〜300であることが好ましく、6〜100であることがより好ましい。中でも好ましいアルキレンオキサイドの付加数は、3価以上の多価アルコールa1の水酸基の数に対して平均で1〜20倍の数であり、更に好ましくは2〜10倍の数であり、特に好ましくは3〜7倍の数である。
上述の3価以上の多価アルコールa1のアルキレンオキサイド付加物(オキシアルキレン構造を有する化合物)は、好ましくは下記一般式(a1−1b)で表される化合物である。
Figure 0006454402
一般式(a1−1b)中、Zはm1価の連結基を表し、m1は3以上の整数を表し、R11はアルキレン基を表し、n1は1〜100の整数を表す。
一般式(a1−1b)中におけるZ、m1は、それぞれ一般式a1−1a中におけるZ、m1と同義である。好ましいZは上記3価以上の多価アルコールの好ましい例から水酸基を除いた残基である。
11はアルキレン基であり、好ましくはエチレン基、プロピレン基、ブチレン基であり、より好ましくはエチレン基、プロピレン基である。複数存在するR11は同一でも異なっていてもよい。
n1は1〜100の整数であり、好ましくは1〜20、より好ましくは2〜10、特に好ましくは3〜7である。複数存在するn1は同一でも異なっていてもよい。
下記に本発明で用いることができる3価以上の多価アルコールa1の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 0006454402
a1−1eは、数平均分子量(Mn)=450、y11+y12+y13=7(平均値)の化合物である。
a1−1fは、数平均分子量(Mn)=797、y31+y32+y33+y34=15(平均値)の化合物である。
<2価以上の多価カルボン酸a2>
2価以上の多価カルボン酸a2は、カルボキシル基またはカルボン酸前駆体構造を2個以上有する化合物であり、好ましくはカルボキシル基またはカルボン酸前駆体構造を2〜4個、より好ましくは2又は3個、更に好ましくは2個有する化合物である。ここで前駆体とは、3価以上の多価アルコールa1、あるいは、1価または2価のアルコールのアルコールと反応してエステル結合を形成できる基を表す。すなわち、カルボン酸前駆体構造を有する2価以上の多価カルボン酸a2は、カルボン酸ハライド、カルボン酸エステル(好ましくはメチルエステル、エチルエステル)、カルボン酸無水物(好ましくは無水コハク酸)、カルボン酸と他の酸(好ましくはメタンスルホン酸、トルエンスルホン酸などのスルホン酸、トリフロロ酢酸などの置換カルボン酸)の混合無水物であることが好ましい。以下、2価以上の多価カルボン酸a2の詳細な説明においてはその前駆体も含めることとする。
2価以上の多価カルボン酸a2の分子中のカルボキシル基は、鎖状もしくは環状の2価以上の脂肪族炭化水素又は芳香族炭化水素で連結されている。脂肪族炭化水素又は芳香族炭化水素連結基の炭素原子の互いに隣接しない1以上の炭素原子は酸素原子に置換されていてもよい。中でも、2価以上の多価カルボン酸a2は分岐アルキル基を有することが、潤滑性の観点から好ましい。
本発明で用いることができる2価以上の多価カルボン酸a2としては、例えば、テレフタル酸、フタル酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、トリメリット酸、ダイマー酸(炭素数18の不飽和カルボン酸の二量体)、及びダイマー酸の水添体、トリマー酸(炭素数18の不飽和カルボン酸の三量体)、炭素数22の不飽和カルボン酸の二量体(例えばエルカ酸ダイマー)等を挙げることができる。
また、2価以上の多価カルボン酸a2としては、多価カルボン酸の無水物を用いることもできる。多価カルボン酸の無水物は、上記の多価カルボン酸の二つのCOOHが分子内あるいは分子間脱水縮合したものである。無水物の例には、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水アジピン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ナド酸、無水メチルナド酸、無水ヘキサヒドロフタル酸及び混合された多塩基酸の無水物が含まれる。
下記に本発明で用いることができる2価以上の多価カルボン酸a2の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 0006454402
<1価アルコールa3>
1価アルコールa3は、一分子内に水酸基を1つ含む化合物である。1価アルコールa3は、R−OHで表される。Rは1価の脂肪族、脂環式又は芳香環基であり、R中の炭素原子の互いに隣接しない1以上の炭素原子が酸素原子に置換されていてもよい。Rの炭素数は4以上であることが好ましく、6以上であることがより好ましく、8以上であることが特に好ましい。1価アルコールの炭素数を上記範囲内とすることにより、摩擦特性を改良することができる。さらに、縮合反応時に1価アルコールa3が揮散することを抑制することができる。
1価アルコールa3は、(i)炭素数8以上のアルキル基を有しているか、(ii)分岐アルキル基を有しているか、又は(iii)オキシアルキレン構造を有しているか、(i)〜(iii)の少なくとも2条件以上を満たしているものであることが好ましい。特に、潤滑剤組成物が非水溶性である場合は、(i)〜(iii)の少なくとも1条件を満たしていることが好ましく、(i)〜(iii)の少なくとも2条件を満たしていることがより好ましく、全ての条件を満たしていることがさらに好ましい。また、潤滑剤組成物が水溶性である場合は、少なくとも(iii)の条件を満たしていることが好ましい。
本発明に適する1価アルコールa3としては、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、イソブタノール、ペンタノール、プロパノール、ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、ドデカノール、ヘキサデカノール、オクタデカノール、2−ヘプチルウンデカノール、エイコサデカノール、フィトステロール、イソステアリルアルコール、ステアロール、セトール、ベヘノール、あるいはこれら1価アルコールのアルキレンオキサイド付加物(オキシアルキレン構造を有する化合物)等が挙げられる。
本発明で用いる1価アルコールa3は、オキシアルキレン構造を有することが好ましく、下記一般式(3)で表されるものであることがより好ましい。
Figure 0006454402
ここで、一般式(3)中、Raは置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよいヘテロアリール基であり、Xa1及びXa2はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。また、na1は2〜4の整数を表し、na2は1〜20の整数を表す。
aで表される置換基を有してもよいアルキル基のアルキル基部分の炭素数は、1〜25であることが好ましく、4〜22であることがより好ましく、6〜20であることがさらに好ましい。Raが表すアルキル基は直鎖であっても分岐であってもよいが、潤滑剤組成物がエマルジョンの場合は、分岐アルキル基であることが基油親和性の観点から好ましい。また、Raは置換基を有してもよいシクロアルキル基であってもよい。
aで表される置換基を有してもよいアルケニル基のアルケニル基部分の炭素数は、3〜22であることが好ましく、4〜18であることがより好ましく、8〜18であることがさらに好ましい。Raが表すアルケニル基は直鎖であっても分岐であっても環状であってもよい。
aで表される置換基を有してもよいアリール基またはヘテロアリール基のアリール基部分の炭素数は、6〜17であることが好ましく、6〜12であることがより好ましい。Raが表すアリール基としては、フェニル基、ナフチル基などを挙げることができ、その中でもフェニル基が特に好ましい。また、Raが表すヘテロアリール基としては、例えば、イミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、チエニル基、ベンズオキサゾリル基、インドリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基、カルバゾリル基、アゼピニル基を例示することができる。ヘテロアリール基に含まれるヘテロ原子は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子であることが好ましく、中でも、酸素原子であることが好ましい。
中でも、一般式(3)において、Raは置換基を有してもよいアルキル基であることがより好ましい。
aが有し得る置換基の例には、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基(例えば、メチル、エチル、以後いずれも直鎖状もしくは分枝鎖状の、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、ヘンエイコシル、ドコシル、トリコシル、又はテトラコシル);炭素原子数2〜35のアルケニル基(例えば、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル);炭素原子数3〜10のシクロアルキル基(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル);炭素原子数6〜30の芳香環基(例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フェナントリル、アントラセニル)、複素環基(窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む複素環の残基であるのが好ましく、例えば、ピリジル、ピリミジル、トリアジニル、チエニル、フリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアジアリル、オキサジアゾリル、キノリル、イソキノリル);又はそれらの組み合わせからなる基を表す。これらの置換基は、可能な場合はさらに1以上の置換基を有してもよく、置換基の例には、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、エ−テル基、アルキルカルボニル基、シアノ基、チオエ−テル基、スルホキシド基、スルホニル基、アミド基などが挙げられる。
また、一般式(3)において、Xa1及びXa2はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を表し、水素原子又はアルキル基であることがより好ましい。Xa1及びXa2が表すアルキル基としては、Raで表されるアルキル基を挙げることができる。
一般的(3)において、na1は2〜4の整数を表し、2又は3の整数であることがより好ましく、2であることがさらに好ましい。
また、na2は、1〜20の整数を表し、1〜15の整数であることがより好ましく、1〜10の整数であることがさらに好ましく、1〜7の整数であることが特に好ましい。
一般的(3)で表される1価アルコールの炭素数は、4以上であることが好ましく、6以上であることがより好ましく、8以上であることが特に好ましい。このような1価アルコールを用いることにより、摩擦特性を改良することができ、さらに縮合反応時に1価アルコールが揮散することを抑制することができる。
下記に本発明で用いることができる1価アルコールa3の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 0006454402
Figure 0006454402
y51〜y53はそれぞれ独立に、1〜30の整数であることが好ましく、1〜20の整数であることがより好ましく、3〜15の整数であることが更に好ましい。また、y54は、1〜30の整数であることが好ましく、3〜20の整数であることがより好ましい。
<その他の成分>
複合エステルAは、更にa1〜a3成分以外の成分が縮合したものであってもよい。このような成分としては、2価アルコール(好ましくは炭素数2〜50の脂肪族2価アルコール)、カルボン酸と縮合してアミド結合を形成可能な1価または多価アミン類、1価カルボン酸が挙げられる。
(複合エステルAの製造方法)
複合エステルAは少なくとも3価以上の多価アルコールa1と、2価以上の多価カルボン酸a2と、1価アルコールa3を縮合させることによって得られる。
縮合反応を行う際の仕込み比としては、少なくともa1〜a3成分を、全カルボン酸および全アルコールのカルボキシル基/水酸基のmol比で2/1〜1/2で縮合させることが好ましく、より好ましくはmol比で1.5/1〜1/1.5、更に好ましくは1/1〜1/1.3、特に好ましくは1/1〜1/1.2である。アルコールを過剰に用いた方が縮合物の酸価を低くすることができ、潤滑剤として用いた際に部材へのダメージを抑制できる。
また、a1:a3の好ましい仕込み比はmol比で1:1〜1:10、より好ましくは1:2〜1:5、更に好ましくは1:2.5〜1:4である
上記のようにして仕込んだ混合物を、触媒または縮合剤存在下もしくは無触媒で、縮合反応をすることで、複合エステルAが得られる。
縮合の際は、加熱するか、水または低分子アルコールと共沸する溶媒を適量存在させることが望ましい。これにより生成物が着色することなく、反応もスムーズに進行する。この溶媒は沸点100〜200℃の炭化水素系溶媒が好ましく、100〜170℃の炭化水素系溶媒がさらに好ましく、110〜160℃の炭化水素系溶媒が最も好ましい。これらの溶媒として、例えばトルエン、キシレン、メシチレンなどがあげられる。添加する量は、多すぎると液温がその溶媒付近となり、縮合が進行しにくくなる。一方、少なすぎると、共沸がスムーズに行かない。したがって、添加量は、原料全量に対し、1〜25質量%が好ましく、2〜20質量%がさらに好ましく、3〜15質量%が特に好ましく、5〜12質量%も好ましい。
触媒を用いることで、反応が加速されるが、触媒除去の後処理が煩雑であり、生成物の着色の原因となることから、用いないことが望ましい。しかし、用いる場合は、通常の触媒が使用され、通常の条件と操作を採用できる。これに関しては、特表2001−501989号公報、特表2001−500549号公報、特表2001−507334号公報、及び特表2002−509563号公報中の参考文献を参照することができる。
仕込み終了後、液温120〜250℃、好ましくは130〜230℃、さらに好ましくは150〜230℃、特に好ましくは170〜230℃で反応させる。これにより水または低分子アルコールを含む溶媒が共沸され、冷却部位で冷却され、液体となることで分離される。この水は除去されればよい。低温で反応した後に更に高温で反応させてもよい。
反応時間は、仕込みのモル数より理論発生水量が計算されるので、この水量が得られる時点まで反応を行うことが好ましいが、完全に反応を完結させることは困難である。理論水発生量が60〜90%の時点で反応を終了しても、得られた複合エステルAを含有する潤滑剤組成物の潤滑性は良好である。反応時間は1〜24時間であり、好ましくは3〜18時間、さらに好ましくは5〜18時間、最も好ましくは6〜15時間である。
(複合エステルA)
複合エステルAは、少なくとも、3価以上の多価アルコールa1と、2価以上の多価カルボン酸a2と、1価アルコールa3がランダムに縮合した生成物であり、複合エステルA中には、例えば、a2成分に由来した構造を1つのみ有する軽質分や、a2成分に由来した構造を2つ以上有するオリゴマーあるいはポリマー成分が含まれる。軽質分としては、具体的には多価カルボン酸a2と1価アルコールa3が反応して生成するモノエステルまたはジエステル等を挙げることができる。軽質分を除くオリゴマーあるいはポリマー成分の含有量はGPC(ゲルパミエーションクロマトグラフィー)の面積比で、好ましくは50%以上、より好ましくは60〜85%、更に好ましくは65〜80%である。なおGPCの測定条件は後述する条件を採用することができる。
複合エステルA中には未反応のa3成分が含まれていてもよい。複合エステルA全量に対する未反応のa3成分の含量は10%以下が好ましく、6%以下が更に好ましく、4%以下が特に好ましい。未反応のa3成分の含有量はGPC測定において、a3に該当する分子量ピークの面積比を用いて算出することができる。
複合エステルAの40℃における動粘度は、50〜2000mm2/sであることが好ましい。複合エステルAの40℃における動粘度は、50mm2/s以上であることが好ましく、70mm2/s以上であることがより好ましく、100mm2/s以上であることがさらに好ましい。また、複合エステルAの40℃における動粘度は、2000mm2/s以下であることが好ましく、1500mm2/s以下であることがより好ましく、1000mm2/s以下であることがさらに好ましい。複合エステルAの動粘度を上記範囲内とすることにより、潤滑剤組成物の摩擦係数を低く抑えることができ、これにより潤滑性を高めることができる。本明細書中、複合エステルAの40℃における動粘度は具体的には、ウベローデ粘度計を用い、40.0℃の恒温水槽中で測定した値を採用する。
複合エステルAの分子量はゲルパミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量で1000〜100000が好ましく、2000〜20000がより好ましく、3000〜10000が更に好ましい。分子量を上記範囲とすることで、低粘度で良好な潤滑性能が得られる。本明細書中、複合エステルAのポリスチレン換算の重量平均分子量は具体的には、以下の条件で測定した値を採用する。
装置は「HLC−8220GPC(東ソー(株)社製)」を用いる。カラムは「TSKgel、SuperHZM−H(東ソー(株)社製、4.6mmID×15cm)」、「TSKgel、SuperHZ4000(東ソー(株)社製、4.6mmID×15cm)」、TSKgel、SuperHZ2000(東ソー(株)社製、4.6mmID×15cm)」を3本用いる。
GPCの条件としては、例えば、下記の条件を採用することができる。
・溶離液 THF(テトラヒドロフラン)
・流速 0.35ml/min
・測定温度 40℃(カラム、インレット、RI)
・分析時間 20分
・試料濃度 0.1%
・サンプル注入量 10μl
本発明では、複合エステルAには未反応のCOOHが残存していてもよく、また、OHが存在していてもよいが、OH及びCOOHが残存すると、水酸基価と酸価が上がり、用途によっては好ましくない場合もある。このような場合、別途アシル化、及び/又はエステル化処理により、OH及びCOOHを消失させ、水酸基価と酸価を低減することもできる。
複合エステルAの未反応のOH基の割合は、13C−NMRを測定することで判明する。複合エステルAのOH基の残存率は0〜40%であることが好ましく、0〜35%であることがより好ましく、0〜30%であることがさらに好ましい。
また、複合エステルAの酸価(サンプル1gを中和するのに要するKOHのmg数)は、0〜50mg KOHであることが好ましく、0〜30mg KOHであることがより好ましく、0〜20mg KOHであることがさらに好ましい。但し、この範囲に制限されるものではない。本明細書中、複合エステルAの酸価(サンプル1gを中和するのに要するKOHのmg数)は具体的には、JISK2501法に従い測定した値を用いることができる。
反応及び反応後の処理が終了した後、ろ過を行い、ゴミなどを除去することが好ましい。なお、生成物が固体となった場合は、溶融してとりだすか、あるいは再沈殿により粉体として取り出すこともできる。
本発明の潤滑剤組成物の具体的態様としては下記態様(1)〜(3)を挙げることができる。なお、複合エステルAが非水溶性の場合は、潤滑剤組成物は、乳化剤及びグリコール添加剤から選択される少なくとも1種を含有する(潤滑剤組成物の態様(1)(2))。
態様(1):少なくとも複合エステルA、乳化剤(好ましくはHLB(Hydrophile−Lipophile Balance)値4以上)、水を含有する潤滑剤組成物。
態様(2):少なくとも複合エステルA、グリコール添加剤(好ましくはモノまたはジエチレングリコール、モノまたはジプロピレングリコール)、水を含有する潤滑剤組成物。
態様(3):少なくとも複合エステルA、水を含有し、複合エステルAが水溶性であり、水の含有量が40質量%より多い潤滑剤組成物。
下記では、好ましい態様について詳細に述べる
<態様(1)>
態様(1)の潤滑剤組成物は少なくとも複合エステルA、乳化剤(好ましくはHLB値4以上)及び水を含有する潤滑剤組成物である。
態様(1)における複合エステルAは非水溶性であることが好ましく、基油親和性の観点から、用いる多価カルボン酸a2の炭素数は、4以上であることが好ましく、8以上であることが好ましく、18以上であることがより好ましく、22以上であることがさらに好ましく、26以上であることが特に好ましく、36以上であることがより特に好ましい。また、2価以上の多価カルボン酸の炭素数は、70以下であることが好ましく、66以下であることがより好ましく、59以下であることがさらに好ましい。なお、本発明において、2価以上の多価カルボン酸の炭素数とは、カルボキシル基を構成する炭素原子も含めた炭素数を表すものとする。このように2価以上の多価カルボン酸の炭素数を上記範囲内とすることにより、潤滑性をより高めることができる。
また、2価以上の多価カルボン酸a2は、炭素数36〜44の2価カルボン酸を少なくとも75質量%含有することが好ましい。すなわち、2価以上の多価カルボン酸a2は、炭素数18〜22の不飽和脂肪酸の重合反応混合物、及び重合反応混合物を水素添加して得られた混合物であることが好ましい。例えば、ダイマー酸は、不飽和脂肪酸(通常は、炭素数18)が重合またはDiels−Alder反応等によって二量化して生じる脂肪族または脂環族ジカルボン酸(大部分の2量体の他、3量体、モノマー等を数モル%含有するものが多い)であり、そのうち、主成分が3量体のものをトリマー酸と定義する。このように、重合反応時には、2価カルボン酸の他に1価カルボン酸、3価カルボン酸が含まれていることがあるが、本発明では、2価カルボン酸が75質量%以上含まれているものを用いることが好ましい。
炭素数18〜22の不飽和脂肪酸の重合反応混合物としては、具体的には、ダイマー酸、及びダイマー酸の水添体、トリマー酸、エルカ酸ダイマー等を挙げることができる。
ダイマー酸またはトリマー酸の具体例としては、築野食品工業株式会社製 ツノダイム(登録商標)205、216、228、395がダイマー酸として挙げられ、ツノダイム345などはトリマー酸の例として挙げられる。他にコグニス社、ユニケマ社の製品を用いてもよい。
また、炭素数22の不飽和脂肪酸の重合反応混合物の具体例としてはエルカ酸の2量体化物が挙げられ、具体例としてはクローダ社製プリポール1004が挙げられる。
用いる1価アルコールa3は、アルキル基を有することが好ましく、分岐アルキル基を有することがより好ましい。また、アルキル基の炭素数は、8以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましい。1価アルコールa3の炭素数を上記範囲内とすることにより、基油親和性を高め、さらに摩擦特性も改良することができる。
態様(1)における複合エステルAの好ましい含有量は全組成物に対し、0.1〜50質量%であることが好ましく、0.5〜50質量%であることがより好ましく、1〜40質量%であることがさらに好ましく、1〜35質量%であることが特に好ましい。
乳化剤としては、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤などが挙げられ、ノニオン系界面活性剤が好ましい。乳化剤としてはHLB値が4以上の乳化剤が好ましく、より好ましくは7以上である。ここで、HLB値は界面活性剤の親水性親油性バランスを表す数値である。界面活性剤の親水性が親油性に対して大きいほどHLB値が大きくなり、水に溶けやすい性質の乳化剤であることとなる。適切なHLB値を選択することで、潤滑剤組成物の潤滑性及び安定性が向上する。
乳化剤としては、具体的には、ポリオキシアルキレンアルキル(フェニル)エーテル等の非イオン界面活性剤、脂肪酸アルカノールアミン塩等のカチオン界面活性剤、脂肪酸石けん、スルホン酸塩等のアニオン界面活性剤等が挙げられ、好ましくはポリオキシエチレンソルビタンモノエステル、ポリオキシエチレンソルビタンジエステル、ポリオキシエチレンソルビタントリエステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシアルキレンアリールエーテル、脂肪酸ジエタノールアミドなどが挙げられる。中でもポリオキシエチレン構造を有するものが特に好ましい。
態様(1)における乳化剤の含有量は潤滑剤組成物の全質量に対し、好ましくは1〜40質量%であり、より好ましくは3〜35質量%である。
態様(1)における水の含有量は潤滑剤組成物の全質量に対し、好ましくは10〜70質量%であり、より好ましくは20〜65質量%である。
態様(1)においては更に基油を含有している潤滑剤組成物も好ましい。基油としては、鉱物油、油脂化合物、ポリオレフィン油(例えばポリアルファオレフィン)、シリコーン油、パーフルオロポリエーテル油、エステル油(例えば芳香族エステル油、1価脂肪酸エステル、2価脂肪酸ジエステル、ポリオールエステル潤滑油)、ジフェニルエーテル誘導体から選択される1種又は2種以上を挙げることができる。態様(1)における基油の好ましい含有量は潤滑剤組成物の全質量に対し、5〜70質量%であり、好ましくは10〜50質量%である。
様態(1)の潤滑剤組成物は、すべての成分を同時に混合してもよいし、複数成分を混合した液に更なる成分を後から混合してもよい。例えば基油と複合エステルAを混合した液と、水と乳化剤を混合した液を使用前に混合してもよい。混合した後十分撹拌し、乳化状態で用いることが好ましい。
<態様(2)>
態様(2)の潤滑剤組成物は少なくとも複合エステルA、グリコール添加剤、水を含有する潤滑剤組成物である。態様(2)においては、複合エステルAは非水溶性でも水溶性であってもよいが、水とグリコール添加剤の混合液に5質量%以上溶解することが好ましい。
態様(2)における複合エステルAの好ましい含有量は潤滑剤組成物の全質量に対して、0.1〜50質量%であることが好ましく、0.5〜50質量%であることがより好ましく、1〜40質量%であることがさらに好ましく、1〜15質量%であることが特に好ましい。
グリコール添加剤としては、好ましくはモノエチレングリコール、ジエチレングリコール、モノプロピレングリコール、ジプロピレングリコール等を挙げることができる。なお、態様(2)においては、さらにポリアルキレングリコールを含有していてもよい。ポリアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコール(PEG:平均分子量300〜100000)等を挙げることができる。
態様(2)におけるグリコール添加剤の好ましい含有量は全組成物に対し、10〜60質量%であり、より好ましくは15〜50質量%である。なお、態様(2)において潤滑剤組成物がポリアルキレングリコールをさらに含有する場合は、ポリアルキレングリコールを含むグリコール添加剤の合計質量が上記範囲内であることが好ましい。態様(2)においては、上記範囲内となるようにグリコール添加剤を含有することで、潤滑剤組成物の潤滑性能をより向上させることができる。
態様(2)においては、潤滑剤組成物は、鉱油などの基油を実質的には含有しない。ここで、基油を実質的には含有しない状態とは、潤滑剤組成物中における基油の含有量が、潤滑剤組成物の全質量に対して0.1質量%以下であることをいう。
態様(2)における水の好ましい含有量は全組成物に対し、10〜60質量%であり、より好ましくは20〜50質量%である。
また、態様(2)においては、水及びグリコール添加剤の合計含有量は、潤滑剤組成物の全質量に対し、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましい。
様態(2)の潤滑剤組成物は、すべての成分を同時に混合してもよいし、複数成分を混合した液に更なる成分を後から混合してもよい。例えば水とグリコール添加剤及び他の成分を混合した液に複合エステルを後から混合してもよい。
<態様(3)>
態様(3)の潤滑剤組成物は、少なくとも複合エステルA及び水を含有し、複合エステルAが水溶性であり、水の含有量が40質量%より多い潤滑剤組成物である。なお、態様(3)においては、潤滑剤組成物は、鉱油などの基油を実質的には含有しない。ここで、基油を実質的には含有しない状態とは、潤滑剤組成物中における基油の含有量が、潤滑剤組成物の全質量に対して0.1質量%以下であることをいう。
態様(3)における複合エステルAの含有量は潤滑剤組成物の全質量に対して、0.1〜50質量%であることが好ましく、0.5〜50質量%であることがより好ましく、1〜40質量%であることがさらに好ましく、5〜35質量%であることが特に好ましい。
態様(3)における水の好ましい含有量は潤滑剤組成物の全質量に対し、43質量%以上であることが好ましく、43〜95質量%であることがより好ましく、45〜90質量%であることがさらに好ましく、50〜90質量%であることが特に好ましい。
態様(3)の潤滑剤組成物においては、3価以上の多価アルコールa1及び1価アルコールa3の両方がオキシアルキレン構造を有することが好ましい。このような潤滑剤組成物は水に溶解しやすく、水溶液の状態において良好な潤滑性能を発揮することができる。
また、態様(3)の潤滑剤組成物においては、3価以上の多価アルコールa1はオキシアルキレン構造を3つ以上有することが好ましく、5つ以上有することがより好ましく、10個以上有することがさらに好ましい。さらに、1価アルコールa3も、オキシアルキレン構造を3つ以上有することが好ましく、5つ以上有することがより好ましく、10個以上有することがさらに好ましい。
態様(3)の潤滑剤組成物においては、2価以上の多価カルボン酸a2の炭素数は、8以下であることが好ましい。また、2価以上の多価カルボン酸a2として、多価カルボン酸の無水物が好ましく用いられる。特に無水コハク酸は好ましく用いられる。
態様(3)の潤滑剤組成物は、すべての成分を同時に混合してもよいし、複数成分を混合した液に更なる成分を後から混合してもよい。例えば水と他の成分を混合した液に複合エステルAを後から混合してもよい。混合した後十分撹拌し、溶解状態で用いることが好ましい。
<潤滑剤組成物におけるその他の成分>
態様(1)〜(3)の潤滑剤組成物は、更なる成分として錆止め剤、消泡剤、流動点降下剤、防腐剤、極圧剤、摩擦調整剤など各種添加剤を含んでいることが好ましい。
(潤滑剤組成物の用途)
本発明の潤滑剤組成物は、例えば、2つの摺動面間に供給され、摩擦を低減するために用いることができる。本発明の潤滑剤組成物は、摺動面に皮膜を形成し得る。摺動面の材質としては、鋼鉄では、具体的には、機械構造用炭素鋼、ニッケルクロム鋼材・ニッケルクロムモリブデン鋼材・クロム鋼材・クロムモリブデン鋼材・アルミニウムクロムモリブデン鋼材などの構造機械用合金鋼、ステンレス鋼、マルチエージング鋼などが挙げられる。
摺動面の材質としては、鋼鉄以外の各種金属、又は金属以外の無機もしくは有機材料も広く用いられる。金属以外の無機もしくは有機材料としては、各種プラスチック、セラミック、カーボン等、及びその混合体などが挙げられる。より具体的には、鋼鉄以外の金属材料としては、鋳鉄、銅・銅−鉛・アルミニウム合金、その鋳物及びホワイトメタルが挙げられる。
なお、摺動面の材質については、特開2011−89106号公報の段落0168〜0175の記載を参照することができる。
本発明の潤滑剤組成物は、種々の用途に利用できる。例えば、油圧作動用潤滑剤、切削用潤滑剤、金属加工用潤滑剤として好ましく用いられる。
また、本発明の潤滑剤組成物は離型剤としても、種々の用途に利用できる。例えば、ポリカーボネート樹脂、難燃性ポリカーボネート樹脂、電子写真装置や静電記録装置などで使用される画像形成用トナーの主成分である結晶性ポリエステル樹脂、各種成形用熱可塑性樹脂組成物及び半導体封し用エポキシ樹脂組成物などの離型剤として用いられる。
また、衣料などの繊維製品に予め練り込んだり、塗布したりすることにより、繊維製品に付着した汚れの離脱を促進して繊維製品の汚れを防止する防汚剤としても用いることができる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(複合エステルAa)
トリメチロールプロパンのエチレンオキシド付加物(Aldrich社製、平均分子量450)、C22の不飽和脂肪酸の2量体(CRODA社製、PRIPOL1004)、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル(和光純薬工業社製)をmol比で1.17/3/3.5の比率でディーンスターク脱水装置がついた反応容器に仕込んだ。0.3L/minの窒素気流下190℃で5時間、更に220℃で4時間反応した。反応中に発生した水は除去した。室温まで放冷して複合エステルAaを得た。複合エステルAaは水に不溶であった。
(複合エステルAb)
トリメチロールプロパン(和光純薬社製)、ダイマー酸(都野食品製ツノダイム395)、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル(和光純薬工業社製)をmol比で1.17/3/3.5の比率でディーンスターク脱水装置がついた反応容器に仕込んだ。0.3L/minの窒素気流下190℃で5時間、更に220℃で4時間反応した。反応中に発生した水は除去した。室温まで放冷して複合エステルAbを得た。複合エステルAbは水に不溶であった。
(複合エステルAc)
トリエチレングリコールモノエチルエーテル、無水コハク酸、ペンタエリスリトールを5/4/1のmol比でディーンシュターク脱水装置がついた反応容器に仕込んだ。0.3L/minの窒素気流下190℃で5時間、更に220℃で4時間反応した。反応中に発生した水は除去した。室温まで放冷して複合エステルAcを得た。複合エステルAcは水に不溶であった。
(複合エステルAd)
トリメチロールプロパンのエチレンオキシド付加物(Aldrich社製、平均分子量1014)、無水コハク酸、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(Aldrich社製、平均分子量750)をmol比で1.17/3/3.5の比率でディーンスターク脱水装置がついた反応容器に仕込んだ。0.3L/minの窒素気流下190℃で5時間、更に220℃で4時間反応した。反応中に発生した水は除去した。室温まで放冷して複合エステルAdを得た。複合エステルAdは水溶性であった。
(比較用化合物Xa)
複合エステルAbの合成において、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテルの代わりにオキシアルキレン構造を有さない2−エチルヘキシルアルコールを用いた以外は複合エステルAbの合成と同じ手法を用い比較化合物Xaを得た。
(実施例1−1〜1−7及び比較例c1〜c5)
実施例1−1〜1−7及び比較例c1〜c5の潤滑剤組成物は、表1に示す割合で混合して十分に撹拌することで作製した。
(評価)
<安定性>
調製した潤滑剤組成物をサンプル瓶の中で24時間放置した際の液の外観を観察し、調製直後から変化のないものをA、若干の2層分離が見られたものをB、2層分離したものをCとして評価した。なお、B以上の評価を合格レベルとした。
<不燃性>
調製した潤滑剤組成物を1cm×10cmのガラスろ紙に2mlしみこませ、横向きにつるした。このガラスろ紙の一方の端部にバーナーで3秒間着火後、バーナーを離した。離した直後に消火したものをA、バーナーを離しても火が消えなかったものをCとした。なお、A評価を合格レベルとした。
<摩擦特性>
各実施例および比較例の潤滑剤組成物について、振動型摩擦摩耗試験機(Optimol Instruments Prueftechnik GmbH社製、商品名:SRV 4)を用いて、振動数50Hz、荷重10N、振幅1mmの条件で温度40℃にて1時間摩擦摩耗試験を行い、時間30分おける摩擦係数を測定した。上部試験片は10mmSUJ−2ボール、下部試験片24mmSUJ−2ディスクを用いた。観測した摩擦係数を以下の基準にしたがって評価した。その結果を表に示した。
比較例c1の摩擦係数を100%として他の評価結果を規格化、以下のように評価した。値が小さいほど摩擦係数が小さく、良好な潤滑性能であることを表す。a,bは摩擦係数が大きく低下しており、改良効果が大きいと判断した。cは摩擦係数の低下は見られたものの効果は小さかった、dは比較例1と比べて同等又はそれ以下で改良が見られなかったと判断した。なお、b以上の評価を合格レベルとした。
a:70%未満
b:70%以上80%未満
c:80%以上95%未満
d:95%以上
Figure 0006454402
乳化剤
EM1:ソルビタントリオレート(HLB値3)
EM2:ポリエチレングリコールジステアレート(HLB値6)
EM3ソルビタンモノラウレート(HLB値9)
EM4:ポリオキシエチレンソルビタンオレート(HLB値15)
EM5:ポリエチレングリコール−2−エチルヘキシルエーテル(HLB値15)
鉱油:JX日鉱日石エネルギー社製スーパーオイルN46
(実施例2−1〜2−7及び比較例d1、d2)
実施例2−1〜2−7及び比較例d1、d2の潤滑剤組成物は、表2に示す割合で混合して十分に撹拌することで作製した。
なお、表2において、安定性、不燃性は上記方法と同じ評価法で評価した。摩擦特性は比較例d1を100%として規格化し、上記方法と同じ評価法で評価した。
Figure 0006454402
PEG:ポリエチレングリコール(平均分子量50000)
EG:エチレングリコール
(実施例3−1〜3−3及び比較例e1、e2)
実施例3−1〜3−3及び比較例e1、e2の潤滑剤組成物は、表3に示す割合で混合して十分に撹拌することで作製した。
なお、表3において、安定性、不燃性は上記方法と同じ評価法で評価した。摩擦特性は比較例e1を100%として規格化し、上記方法と同じ評価法で評価した。
Figure 0006454402
実施例で得られた潤滑剤組成物においては、不燃性及び安定性が高く、かつ優れた潤滑性能が得られている。

Claims (9)

  1. 少なくとも3価以上の多価アルコールa1と、2価以上の多価カルボン酸a2と、1価アルコールa3が縮合したポリエステルを含む複合エステルA、及び水を含有する潤滑剤組成物であって、
    前記3価以上の多価アルコールa1がオキシアルキレン構造を有し、
    前記複合エステルAが非水溶性の場合は、乳化剤及びグリコール添加剤から選択される少なくとも1種を含有する潤滑剤組成物。
  2. 前記1価アルコールa3が炭素数8以上のアルキル基を有する請求項1に記載の潤滑剤組成物。
  3. 前記潤滑剤組成物は乳化剤を含有し、前記乳化剤のHLB値が4以上である請求項1又は2に記載の潤滑剤組成物。
  4. 前記潤滑剤組成物は乳化剤を含有し、前記乳化剤のHLB値が7以上である請求項1〜のいずれか1項に記載の潤滑剤組成物。
  5. 前記2価以上の多価カルボン酸a2は、炭素数36〜44の2価カルボン酸を少なくとも75質量%含有する請求項1〜のいずれか1項に記載の潤滑剤組成物。
  6. 前記水の含有量は前記潤滑剤組成物の全質量に対し、43質量%以上である請求項1又は2に記載の潤滑剤組成物。
  7. 前記3価以上の多価アルコールa1及び1価アルコールa3がオキシアルキレン構造を有する請求項に記載の潤滑剤組成物。
  8. 前記多価アルコールa1はオキシアルキレン構造を3つ以上有し、前記1価アルコールa3は、オキシアルキレン構造を3つ以上有する請求項に記載の潤滑剤組成物。
  9. 前記潤滑剤組成物はグリコール添加剤を含有し、前記水及び前記グリコール添加剤の合計含有量は、前記潤滑剤組成物の全質量に対し、50質量%以上である請求項1又は2に記載の潤滑剤組成物。
JP2017502325A 2015-02-27 2016-02-19 潤滑剤組成物 Active JP6454402B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015038879 2015-02-27
JP2015038879 2015-02-27
PCT/JP2016/054878 WO2016136623A1 (ja) 2015-02-27 2016-02-19 潤滑剤組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2016136623A1 JPWO2016136623A1 (ja) 2017-11-30
JP6454402B2 true JP6454402B2 (ja) 2019-01-16

Family

ID=56788997

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017502325A Active JP6454402B2 (ja) 2015-02-27 2016-02-19 潤滑剤組成物

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6454402B2 (ja)
WO (1) WO2016136623A1 (ja)

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS491960A (ja) * 1972-04-21 1974-01-09
JP2579502B2 (ja) * 1987-11-26 1997-02-05 日清製油株式会社 潤滑油
JPH01230697A (ja) * 1988-03-10 1989-09-14 Kao Corp 金属加工用潤滑剤
DK653488D0 (da) * 1988-11-23 1988-11-23 Esti Kemi Aps Smoeremiddel
JP2972169B2 (ja) * 1996-12-20 1999-11-08 新日本製鐵株式会社 鋼板冷間圧延方法
JP2008037928A (ja) * 2006-08-02 2008-02-21 Kao Corp 鋼板冷間圧延油用潤滑油
JP5662726B2 (ja) * 2009-09-28 2015-02-04 富士フイルム株式会社 複合アルコールエステル組成物及びその製造方法、並びにその用途

Also Published As

Publication number Publication date
WO2016136623A1 (ja) 2016-09-01
JPWO2016136623A1 (ja) 2017-11-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6113844B2 (ja) 複合ポリエステル組成物、潤滑剤組成物、潤滑剤及び複合ポリエステル組成物の製造方法
CN102851105B (zh) 用于hfc应用的合成冷冻油组合物
CN109312253B (zh) 润滑油组合物
KR100250542B1 (ko) 윤활제
WO2000053704A1 (fr) Compositions huileuses pour machines refrigerantes
JP4094953B2 (ja) 生分解性ポリネオペンチルポリオールをベースとする合成エステルブレンド及びその潤滑剤
JP6155206B2 (ja) 潤滑剤組成物
US10889778B2 (en) Manufacturing method of lubricant composition and lubricant composition
JP6454402B2 (ja) 潤滑剤組成物
JP6218648B2 (ja) 潤滑剤組成物および潤滑剤組成物の製造方法
WO2015016259A1 (ja) 複合エステルポリアミド組成物、潤滑剤組成物、潤滑剤及び複合エステルポリアミド組成物の製造方法
US6290869B1 (en) Lubricant ester
JP2021515816A (ja) 変性油溶性ポリアルキレングリコール
JP2018095792A (ja) 潤滑剤組成物
JP6033138B2 (ja) 複合ポリエステル組成物及び潤滑剤
JP2016132769A (ja) 水溶性金属加工油
JP6218640B2 (ja) 潤滑剤組成物
JP6472721B2 (ja) 摺動面用潤滑油組成物
TWI853881B (zh) 冷凍機油及冷凍機油之製造方法
JP5975914B2 (ja) 複合ポリエステルアミド組成物及び潤滑剤
RU2659393C1 (ru) Рабочая жидкость для гидравлических систем
TW202035668A (zh) 冷凍機油及冷凍機油之製造方法
JPH1017881A (ja) すべり案内面用潤滑油組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170821

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180925

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181031

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181211

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181214

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6454402

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250