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JP2018095792A - 潤滑剤組成物 - Google Patents

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JP2018095792A
JP2018095792A JP2016244006A JP2016244006A JP2018095792A JP 2018095792 A JP2018095792 A JP 2018095792A JP 2016244006 A JP2016244006 A JP 2016244006A JP 2016244006 A JP2016244006 A JP 2016244006A JP 2018095792 A JP2018095792 A JP 2018095792A
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児玉 邦彦
Kunihiko Kodama
邦彦 児玉
悠太 滋野井
Yuta Shigenoi
悠太 滋野井
夏海 横川
Natsumi Yokogawa
夏海 横川
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Abstract

【課題】本発明は、高温及び/又は高圧といった過酷条件下においても摩擦を低減し得る潤滑剤組成物であって、さらに耐摩耗性と耐焼付き性を兼ね備えた潤滑剤組成物を提供することを課題とする。【解決手段】本発明は、3価以上の多価アルコールa1と、2価以上の多価カルボン酸a2と、1価アルコールa3及び1価カルボン酸a4から選択される少なくとも1種と、が縮合したポリエステルを含む複合エステルAと、リン原子及び硫黄原子から選択される少なくとも1種を有し、かつ金属原子を含まない化合物Bと、を含有する潤滑剤組成物に関する。【選択図】なし

Description

本発明は潤滑剤組成物に関する。より詳しくは、本発明は、特定の複合エステル及び特定の化合物を含有する潤滑剤組成物に関する。
潤滑剤は、一般にベースオイル(以下、基油ともいう)と種々の添加剤を含む。ベースオイルとしては、原油から得られる鉱物油、化学合成されるエステル系油、フッ素油、ポリアルファオレフィン系油などがある。これらの中でも、エステル系油は、低流動点、高粘度指数、高引火点、良好な潤滑性、生分解性などから、ジェット機、自動車エンジン油、グリースなどに好適に用いられる。
エステル系油としては、脂肪族モノカルボン酸と1価アルコールとの反応から得られるモノエステル;脂肪族二塩基酸と1価アルコールとの反応から得られるジエステル;多価アルコールと脂肪族カルボン酸との反応から得られるエステル;及びポリオール、多塩基酸、脂肪族モノカルボン酸との反応から得られる複合エステル;等、様々なエステル類が開示されている(特許文献1〜9)。
特開2002−097482号公報 特開2005−154726号公報 特開2005−232434号公報 特開2005−213377号公報 特開2005−232470号公報 特表2001−501989号公報 特表2001−500549号公報 特表2001−507334号公報 特開2011−89106号公報
近年、資源節約や炭酸ガス排出量削減がより一層求められており、それに伴い潤滑剤には更なる潤滑性の向上が求められている。特に、潤滑剤を高圧及び/又は高温といった過酷な状況で摺動部材に用いた場合であっても、摺動部材間の摩擦係数が十分に低減されることが求められている。また、潤滑剤が高圧及び/又は高温といった過酷な状況で使用される場合は、摩擦の低減と同時に摩耗の抑制と焼付き抑制の両立が重要である。しかしながら、従来の潤滑剤においては、高圧及び/又は高温といった過酷条件での耐摩耗性と耐焼付き性は十分に高いものではなく、改善の余地があった。
本発明が解決しようとする課題は、高温及び/又は高圧といった過酷条件下においても摩擦を低減し得る潤滑剤組成物であって、耐摩耗性と耐焼付き性を兼ね備えた潤滑剤組成物を提供することである。
上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者らは、3価以上の多価アルコールa1と、2価以上の多価カルボン酸a2と、1価アルコールa3及び1価カルボン酸a4から選択される少なくとも1種と、が縮合したポリエステルを含む複合エステルAと、所定条件を満たす化合物Bを潤滑剤組成物に含有させることで、高温及び/又は高圧といった過酷条件においても摩擦を低減することができ、優れた耐摩耗性及び耐焼付き性を発揮し得る潤滑剤組成物が得られることを見出した。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[1] 3価以上の多価アルコールa1と、2価以上の多価カルボン酸a2と、1価アルコールa3及び1価カルボン酸a4から選択される少なくとも1種と、が縮合したポリエステルを含む複合エステルAと、リン原子及び硫黄原子から選択される少なくとも1種を有し、かつ金属原子を含まない化合物Bと、を含有する潤滑剤組成物。
[2] 多価カルボン酸a2が炭素数36以上の多価カルボン酸である[1]に記載の潤滑剤組成物。
[3] 1価アルコールa3がオキシアルキレン構造を有する[1]又は[2]に記載の潤滑剤組成物。
[4] 化合物Bの含有量が潤滑剤組成物の全質量に対し、0.1〜20質量%である[1]〜[3]のいずれかに記載の潤滑剤組成物。
[5] 化合物Bが少なくとも硫黄原子を含有する化合物である[1]〜[4]のいずれかに記載の潤滑剤組成物。
[6] 化合物Bとして、リン原子を有し、かつ金属原子を含まない化合物B1と、硫黄原子を有し、かつ金属原子を含まない化合物B2の両方を含有するか、もしくは、化合物Bが、リン原子と硫黄原子を有し、かつ金属原子を含まない化合物B3である[1]〜[5]のいずれかに記載の潤滑剤組成物。
[7] 化合物Bの重量平均分子量は2000以下である[1]〜[6]のいずれかに記載の潤滑剤組成物。
[8] 複合エステルAと化合物Bの質量比は100:1〜1:100である[1]〜[7]のいずれかに記載の潤滑剤組成物。
本発明によれば、高温及び/又は高圧といった過酷条件下においても摩擦を低減し得る潤滑剤組成物を得ることができる。さらに本発明によれば、高温及び/又は高圧といった過酷条件においても耐摩耗性及び耐焼付き性の両方を発揮し得る潤滑剤組成物を得ることができる。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
(潤滑剤組成物)
本発明の潤滑剤組成物は、3価以上の多価アルコールa1と、2価以上の多価カルボン酸a2と、1価アルコールa3及び1価カルボン酸a4から選択される少なくとも1種と、が縮合したポリエステルを含む複合エステルAと、リン原子及び硫黄原子から選択される少なくとも1種を有し、かつ金属原子を含まない化合物Bと、を含有する。このような潤滑剤組成物は、高温及び/又は高圧といった過酷条件においても摩擦を低減することができる。また、このような潤滑剤組成物は、高温及び/又は高圧といった過酷条件においても優れた耐摩耗性及び耐焼付き性を発揮することができる。特に本発明の潤滑剤組成物は、試験荷重を600Nの高圧条件とした、より過酷な条件においても優れた耐摩耗性を発揮することができる。なお、潤滑剤組成物が高温及び/又は高圧といった過酷条件において上記効果を発揮できるということは、当然に通常条件(常温及び常圧)においても上記効果を発揮できることを意味する。
本明細書において、潤滑性は、摩擦係数、摩耗性、焼付き性によって評価することができ、潤滑性が良好であるということは、摺動部材の摩擦係数が小さく、耐摩耗性及び耐焼付き性に優れていることをいう。なお、潤滑剤組成物の焼付き性は、ファレックス試験法を用いASTM D3233−Aに規定された条件にて評価することができ、焼付き荷重の値が大きいほど耐焼付き性に優れていることを意味する。
<複合エステルA>
複合エステルAは、3価以上の多価アルコールa1と、2価以上の多価カルボン酸a2と、1価アルコールa3及び1価カルボン酸a4から選択される少なくとも1種と、が縮合したポリエステルを含む。1価アルコールa3及び1価カルボン酸a4から選択される少なくとも1種においては、1価アルコールa3を用いることが好ましい。すなわち、複合エステルAとしては、3価以上の多価アルコールa1と2価以上の多価カルボン酸a2と1価アルコールa3とが少なくとも縮合したポリエステルを含むものであることが好ましい。
<3価以上の多価アルコールa1>
3価以上の多価アルコールa1としてはアルコール性水酸基及び/又はフェノール性水酸基を分子内に3つ以上含有する化合物を挙げることができる。中でも、3価以上の多価アルコールa1はアルコール性水酸基を3つ以上含有する化合物であることが好ましく、アルコール性水酸基を3〜6個有する化合物であることがより好ましい。
3価以上の多価アルコールa1は下記一般式(a1−1a)で表されるアルコールであることが好ましい。
Figure 2018095792
一般式(a1−1a)中、Zはm1価の連結基を表し、m1は3以上の整数を表す。
一般式(a1−1a)で表されるアルコールは、m1価のアルコールである。
一般式(a1−1a)中、Zはm1価の連結基であり、Zは言い換えるとm1価のアルコールからm1個のヒドロキシル基を取り去ることで形成される多価アルコール母核を意味する。
Zは、少なくとも1つの3価以上の連結基を含むm1価の連結基である。3価以上の連結基としては特に制限はないが、例えば三級炭素原子を含む3価の連結基や、四級炭素原子などを好ましく挙げることができる。
三級炭素原子を含む3価の連結基としては、以下の構造が好ましく、下記構造中のRは水素原子又は置換基を表す。また、*は、連結鎖との結合部位を表す。
Figure 2018095792
四級炭素原子は、以下の構造である。
Figure 2018095792
Zは、アルキレン基、アリーレン基及びこれらの複数が単結合した構造や、アルキレン基、アリーレン基及びこれらの複数が2価の連結基(好ましくは−O−、−C(=)O−、−OC(=)O−、−S−、−SO−、−C(=O)−、−C(=O)NR−(Rは水素原子、アルキル基、アリール基))又は3価以上の連結基で結合した構造を有することが好ましく、かつ、少なくとも1つの3価以上の連結基を含むm1価の連結基である。なお、Zは他の置換基を有していてもよい。
中でもZは、後述する3価以上の多価アルコールの好ましい例から水酸基を除いた残基であることが好ましい。
m1は3以上の整数であればよく、好ましくは3〜6であり、より好ましくは3又は4である。
3価以上の多価アルコールとしては、具体的には、グリセリン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール、2,3,4−ヘキサントリオール、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、1,3,5−シクロヘキサントリオール、ペンタメチルグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどの3価のアルコール;
1,2,3,4−ブタンテトラオール、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ソルビタン、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、ジトリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパンなどの4価アルコール;
アラビトール、キシリトール、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、アロース、グロース、イドース、タロースなどの5価アルコール;
ジペンタエリスリトール、ソルビトール、ガラクチトール、マンニトール、アリトール、イジトール、タリトール、イノシトール、クエルシトールなどの6価アルコール;
トリペンタエリスリトールなどの8価のアルコールを挙げることができる。
これらの中でもトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトールがより好ましく、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールが特に好ましい。
3価以上の多価アルコールa1としては上述の3価以上の多価アルコールが有するヒドロキシル基の少なくとも1つにアルキレンオキサイドが付加してなる化合物(アルキレンオキシ構造を有する化合物)も好ましく用いることができる。付加しているアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド及びこれらの複数の組合せが好ましく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドがより好ましい。この場合、3価以上の多価アルコールa1は、3価以上の多価アルコールが有するヒドロキシル基の全てにそれぞれ独立なアルキレンオキサイドが付加してなる化合物であることが好ましい。
3価以上の多価アルコールa1が含むアルキレンオキサイド(オキシアルキレン構造)の数は、平均で1〜200が好ましく、1〜100であることがより好ましい。より好ましいアルキレンオキサイドの付加数は、3価以上の多価アルコールa1の水酸基の数に対して平均で1〜20倍の数であり、さらに好ましくは2〜10倍の数であり、特に好ましくは3〜7倍の数である。
オキシアルキレン構造を有する3価以上の多価アルコールa1は、下記一般式(a1−1b)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2018095792
一般式(a1−1b)中、Zはm1価の連結基を表し、m1は3以上の整数を表し、R11はアルキレン基を表し、n1は1〜100の整数を表す。
一般式(a1−1b)中におけるZ及びm1は、それぞれ一般式a1−1a中におけるZ、m1と同義である。好ましいZは上述した3価以上の多価アルコールの好ましい例から水酸基を除いた残基である。
11はアルキレン基であり、好ましくはエチレン基、プロピレン基、ブチレン基であり、より好ましくはエチレン基、プロピレン基である。複数存在するR11は同一でも異なっていてもよい。
n1は1〜100の整数であることが好ましく、より好ましくは1〜20、さらに好ましくは2〜10、特に好ましくは3〜7である。複数存在するn1は同一でも異なっていてもよい。
下記に本発明で用いることができる3価以上の多価アルコールa1の好ましい具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2018095792
上記化合物a1―eにおいて、y11〜y13はそれぞれ独立に0以上の整数を表し、少なくともいずれかは1以上の整数を表し、平均値で1〜10である。なお、後述の実施例で用いたa1−eはy11〜y13が平均値で3であるものを用いた。
31〜y34はそれぞれ独立に0以上の整数を表し、少なくともいずれかは1以上の整数を表し、平均値で1〜10である。
<2価以上の多価カルボン酸a2>
2価以上の多価カルボン酸a2としては、カルボキシル基又はカルボン酸前駆体構造を2個以上有する化合物であり、好ましくはカルボキシル基を2〜4個、より好ましくは2又は3個、さらに好ましくは2個有する化合物である。ここでカルボン酸前駆体構造とは、3価以上の多価アルコールa1、あるいは、1価アルコールa3と反応してエステル結合を形成できる構造を表し、カルボン酸前駆体としては、カルボン酸ハライド、カルボン酸エステル(好ましくはメチルエステル、エチルエステル)、カルボン酸無水物、カルボン酸と他の酸(好ましくはメタンスルホン酸、トルエンスルホン酸などのスルホン酸、トリフロロ酢酸などの置換カルボン酸)の混合無水物を好ましく例示できる。以下、多価カルボン酸a2の詳細な説明においてはカルボン酸前駆体も含めることとする。
2価以上の多価カルボン酸a2分子中のカルボキシル基は、鎖状もしくは環状の2価以上の脂肪族炭化水素又は芳香族炭化水素で連結されている。脂肪族炭化水素又は芳香族炭化水素連結基の炭素原子の互いに隣接しない1以上の炭素原子は酸素原子に置換されていてもよい。また、脂肪族炭化水素又は芳香族炭化水素連結基は、置換基を有していてもよく、この場合、置換基はハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましい。
2価以上の多価カルボン酸a2の炭素数は、4以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましく、18以上であることがさらに好ましく、22以上であることが一層好ましく、26以上であることがより一層好ましく、36以上であることが特に好ましい。また、2価以上の多価カルボン酸a2の炭素数は、70以下であることが好ましく、66以下であることがより好ましく、59以下であることがさらに好ましい。なお、本発明において、2価以上の多価カルボン酸a2の炭素数とは、カルボキシル基を構成する炭素原子も含めた炭素数を表すものとする。このように2価以上の多価カルボン酸a2の炭素数を上記範囲内とすることにより、潤滑剤組成物の潤滑性を高めることができ、特に、高温及び/又は高圧といった過酷条件においても摩擦の低減を可能とする。
本発明で用いることができる2価以上の多価カルボン酸a2としては、例えば、テレフタル酸、フタル酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、トリメリット酸、ダイマー酸(炭素数18の不飽和カルボン酸の二量体)、及びダイマー酸の水添体、トリマー酸(炭素数18の不飽和カルボン酸の三量体)、炭素数22の不飽和カルボン酸の二量体(例えばエルカ酸ダイマー)等を挙げることができる。中でも、ダイマー酸、及びダイマー酸の水添体、トリマー酸、炭素数22の不飽和カルボン酸の二量体を用いることが好ましく、ダイマー酸、ダイマー酸の水添体、炭素数22の不飽和カルボン酸の二量体を用いることがより好ましく、ダイマー酸を用いることが最も好ましい。上記化合物を多価カルボン酸a2として用いることは、高温及び/又は高圧といった過酷条件での潤滑性、ならびに、基油への溶解性の観点から好ましい。
ここでダイマー酸とは、不飽和脂肪酸(通常は、炭素数18)が重合又はDiels−Alder反応等によって二量化して生じる脂肪族又は脂環族ジカルボン酸を主成分として含むものをいう。ここでは、大部分が脂肪族又は脂環族ジカルボン酸からなる2量体であり、3量体やモノマー等を数モル〜数十モル%含有するものをいう。具体的には、ダイマー酸中のジカルボン酸成分の含有量は75質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上が更に好ましく、95質量%以上が特に好ましい。また、主成分が3量体のものをトリマー酸と定義し、この場合、2量体やモノマー等は数モル〜数十モル%含まれる。
ダイマー酸の具体例としては、築野食品工業株式会社製 ツノダイム(登録商標)205、216、228、395が挙げられ、トリマー酸の具体例としては、ツノダイム345などが挙げられる。ダイマー酸又はトリマー酸としては、他にコグニス社、ユニケマ社の製品を用いてもよい。
下記に本発明で用いることができる2価以上の多価カルボン酸a2の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2018095792
<1価アルコールa3>
1価アルコールa3は、一分子内に水酸基を1つ含む化合物である。1価アルコールa3は、R−OHで表される。Rは1価の有機基であり、1価の脂肪族、脂環式又は芳香族環基であることが好ましい。R中の炭素原子の互いに隣接しない1以上の炭素原子が酸素原子に置換されていてもよい。また、Rは置換基を有していてもよく、R中の水素原子はハロゲン原子に置換されていてもよい。Rの炭素数は1以上であればよいが、4以上であることが好ましく、6以上であることがより好ましく、8以上であることが特に好ましく、10以上であることがさらに好ましい。1価アルコールの炭素数を上記範囲内とすることにより、潤滑剤組成物の各種基油への溶解性が向上し、さらに摩擦が低減されやすくなる。さらに、1価アルコールの炭素数を上記範囲内とすることにより、縮合反応時に1価アルコールが揮散することを抑制することができる。
1価アルコールa3は分岐アルキル構造を有することが好ましい。このような1価アルコールa3を用いることで、高温及び/又は高圧といった過酷条件における潤滑剤組成物の潤滑性をより高めることができる。
また、1価アルコールa3は、オキシアルキレン構造を有することが好ましい。オキシアルキレン構造を有する1価アルコールa3を用いることで、高温及び/又は高圧といった過酷条件においても潤滑剤組成物は優れた潤滑性を発揮しやすくなる。具体的には、オキシアルキレン構造を有する1価アルコールa3を用いることで、潤滑剤組成物は、高温及び/又は高圧といった過酷条件においても、摩擦を低減しやすくなる。さらに、潤滑剤組成物は、高温及び/又は高圧といった過酷条件においても、良好な耐摩耗性及び耐焼付き性を発揮しやすくなる。
1価アルコールa3としては、炭素数10以上のアルキル基を有している及び/又は分岐構造のアルキル基を有している、及び/又はオキシアルキレン構造を有しているものがより好ましく、分岐構造を有する炭素数10以上のアルキル基を有し、かつ炭素原子の互いに隣接しない1以上の炭素原子が酸素原子に置換されている(すなわち、オキシアルキレン構造を有している)ものが特に好ましい。
本発明に適する1価アルコールa3としては、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、イソブタノール、ペンタノール、プロパノール、ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、ドデカノール、ヘキサデカノール、オクタデカノール、2−ヘプチルウンデカノール、エイコサデカノール、フィトステロール、イソステアリルアルコール、ステアロール、セトール、ベヘノール、あるいはこれら1価アルコールのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
本発明で用いる1価アルコールa3は、オキシアルキレン構造を有することが好ましく、下記一般式(3)で表されるものであることがより好ましい。
Figure 2018095792
ここで、一般式(3)中、Rは置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよいヘテロアリール基であり、Xa1及びXa2はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。また、na1は2〜4の整数を表し、na2は1〜20の整数を表す。なお、複数個のXa1は同じであっても異なっていてもよく、複数個のXa2は同じであっても異なっていてもよい。また、na2が2以上の場合、複数個の−O(CXa1a2na1−は同じであっても異なっていてもよい。
が置換基を有してもよいアルキル基である場合は、アルキル基部分の炭素数は、2〜25であることが好ましく、4〜22であることがより好ましく、6〜20であることがさらに好ましく、8〜18であることが特に好ましい。Rが表すアルキル基は直鎖であっても分岐であってもよいが、分岐であることが高温及び/又は高圧といった過酷条件における潤滑性の観点からも好ましく、また、基油への添加剤として用いる際、溶解性の観点から好ましい。また、Rは置換基を有してもよいシクロアルキル基であってもよい。
が置換基を有してもよいアルケニル基である場合は、アルケニル基部分の炭素数は、3〜22であることが好ましく、4〜18であることがより好ましく、8〜18であることがさらに好ましい。Rが表すアルケニル基は直鎖であっても分岐であっても環状であってもよい。
が置換基を有してもよいアリール基又はヘテロアリール基である場合は、アリール基部分の炭素数は、6〜17であることが好ましく、6〜12であることがより好ましい。Rが表すアリール基としては、フェニル基、ナフチル基などを挙げることができ、その中でもフェニル基が特に好ましい。また、Rが表すヘテロアリール基としては、例えば、イミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、チエニル基、ベンズオキサゾリル基、インドリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基、カルバゾリル基、アゼピニル基を例示することができる。ヘテロアリール基に含まれるヘテロ原子は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子であることが好ましく、中でも、酸素原子であることが好ましい。
中でも、一般式(3)において、Rは置換基を有してもよいアルキル基であることがより好ましい。
が有し得る置換基の例には、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基(例えば、メチル、エチル、以後いずれも直鎖状もしくは分枝鎖状の、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、ヘンエイコシル、ドコシル、トリコシル、又はテトラコシル);炭素原子数2〜35のアルケニル基(例えば、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル);炭素原子数3〜10のシクロアルキル基(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル);炭素原子数6〜30の芳香族環基(例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フェナントリル、アントラセニル)、複素環基(窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む複素環の残基であるのが好ましく、例えば、ピリジル、ピリミジル、トリアジニル、チエニル、フリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアジアリル、オキサジアゾリル、キノリル、イソキノリル);又はそれらの組み合わせからなる基を表す。これらの置換基は、可能な場合はさらに1以上の置換基を有してもよく、置換基の例には、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ケイ素原子、エ−テル基、アルキルカルボニル基、シアノ基、チオエ−テル基、スルホキシド基、スルホニル基、アミド基などが挙げられる。
また、一般式(3)において、Xa1及びXa2はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を表し、水素原子又はアルキル基であることがより好ましい。Xa1及びXa2が表すアルキル基の好ましい範囲は、Rで表される置換基を有してもよいアルキル基のアルキル基部分の好ましい範囲と同様である。
一般式(3)において、na1は2〜4の整数を表し、2又は3の整数であることがより好ましく、2であることがさらに好ましい。
また、na2は、1〜20の整数を表し、1〜15の整数であることがより好ましく、1〜10の整数であることがさらに好ましく、1〜7の整数であることが特に好ましい。
下記に本発明で用いることができる1価アルコールa3の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2018095792
Figure 2018095792
なお、上記化合物MA−34においてy53の平均値は4であり、MA−35において、y51の平均値は10であり、MA−36において、y52の平均値は20である。
<1価カルボン酸a4>
本発明における1価カルボン酸a4としては、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸及びそれらのカルボン酸前駆体が挙げられる。中でも1価カルボン酸a4は脂肪族カルボン酸及びそのカルボン酸前駆体であることが好ましい。1価カルボン酸a4の炭素数は5以上であることが好ましく、8以上であることがより好ましく、9以上であることがさらに好ましい。1価カルボン酸a4の炭素数を上記範囲とすることにより、高温及び/又は高圧といった過酷条件においても潤滑剤組成物の潤滑性をより高めることができる。なお、1価カルボン酸a4の炭素数とは、カルボキシル基を構成する炭素原子も含めた炭素数を表すものとする。
1価カルボン酸a4は分岐アルキル構造を有することが好ましい。分岐アルキル構造を有する1価カルボン酸a4を用いることにより、高温及び/又は高圧といった過酷条件においても潤滑剤組成物の潤滑性をより高めることができる。
さらに好ましい1価カルボン酸a4としては、炭素数9以上で且つ、分岐アルキル基を有する脂肪族の1価カルボン酸、あるいは、炭素数13以上の直鎖又は分岐アルキル基を有する脂肪族の1価カルボン酸である。
好ましい1価カルボン酸a4の具体例としては、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、デカン酸、ステアリン酸、ドデカン酸、ラウリン酸、テトラデカン酸、ベヘン酸などの直鎖アルキル基を有する1価カルボン酸、2,3,4,8,10,10−ヘキサメチルウンデカン−5−カルボン酸、2−エチルヘキサン酸、2−ヘプチルウンデカン酸(イソステアリン酸)などの分岐アルキル基を有する1価カルボン酸、オレイン酸、リノール酸、エルカ酸、モノマー酸などの不飽和脂肪酸が挙げられ、その中でもステアリン酸、2−エチルヘキサン酸、2−ヘプチルウンデカン酸(イソステアリン酸)、オレイン酸が好ましく、2−ヘプチルウンデカン酸(イソステアリン酸)、オレイン酸がより好ましい。
<化合物B>
本発明の潤滑剤組成物はリン原子及び硫黄原子から選択される少なくとも1種を有し、かつ金属原子を含まない化合物Bを含有する。化合物Bは金属原子を含まないものであるため、金属原子非含有化合物Bと呼ぶこともある。
化合物Bとしてはリン原子を有し、かつ金属原子を含まない化合物B1、硫黄原子を有し、かつ金属原子を含まない化合物B2、リン原子と硫黄原子を有し、かつ金属原子を含まない化合物B3を挙げることができる。化合物Bは、上記化合物B1〜B3から選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。
リン原子を有し、かつ金属原子を含まない化合物B1としては、リン酸エステルを挙げることができる。リン酸エステルとしては、例えばトリクレジルホスフェートなどのリン酸トリアリールエステル、トリラウリルホスフェート、トリス(2−エチルヘキシル)ホスフェートなどのリン酸トリエステル;ジラウリルホスフェートなどのリン酸ジエステル;モノラウリルホスフェートなどのリン酸モノエステル;トリブチルホスファイト、トリオレイルホスファイトなどの亜リン酸エステル;上記リン酸モノエステル又は上記リン酸ジエステルのアミン塩などの酸性リン酸エステルアミン塩などが挙げられる。
化合物B1としては以下に示す化合物を好ましく例示できる。
Figure 2018095792
上記化合物中、R101〜R103はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルケニル基を表し、R201〜R203はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基を表す。
101〜R103における置換基を有していてもよいアルキル基の炭素数は3以上が好ましく、4〜22がより好ましく、4〜18が更に好ましい。なお、上記炭素数は置換基の炭素数も含む数である。
101〜R103における置換基を有していてもよいアリール基は無置換のフェニル基もしくは、置換基を有するフェニル基であることが好ましい。置換基を有するフェニル基としては、アルキル置換フェニル基が挙げられる
101〜R103及びR201〜R203の各基が有しうる置換基としては、特に制限は無いが、アルキル基、カルボキシル基、エステル基、アミド基を有する置換基、アリール基を挙げることができる。
硫黄原子を有し、かつ金属原子を含まない化合物B2としては、硫化イソブチレンなどの硫化オレフィン類、硫化油脂、硫化エステル、モノサルファイド、ポリサルファイド(例えばジアルキルサルファイド、ジドデシルジサルファイド、ジベンジルジサルファイド、ジ−t−ノニルポリサルファイド、ジ−t−ブチルポリサルファイド)などが挙げられる。
化合物B2としては以下に示す化合物を好ましく例示できる。
Figure 2018095792
上記化合物中、R301及びR303はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアリール基を表す。中でも、R301及びR303はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアルケニル基を表すことが好ましい。
302は置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよいアルケニレン基を表す。
mは1以上の整数を表し、nは1以上の整数を表す。mは、1〜10の整数であることが好ましく、nは1〜10の整数であることが好ましい。
304及びR305はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアリール基を表す。
306及びR307はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアリール基を表す。
301、R303、R304、R305、R306及びR307における置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基の炭素数は3以上が好ましく、4〜22がより好ましく、4〜18が更に好ましい。R302における置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよいアルケニレン基の炭素数は3以上が好ましく、4〜22がより好ましく、4〜18が更に好ましい。なお、上記炭素数は置換基の炭素数も含む数である。
301、R303、R304、R305、R306及びR307における置換基を有していてもよいアリール基は無置換のフェニル基もしくは、置換基を有するフェニル基であることが好ましい。置換基を有するフェニル基としては、アルキル置換フェニル基を挙げることができる。
301〜R307の各基が有しうる置換基としては、特に制限は無いが、アルキル基、カルボキシル基、エステル基、アミド基を有する置換基、アリール基を挙げることができる。
リン原子と硫黄原子を有し、かつ金属原子を含まない化合物B3としては、トリアルキルチオホスフェート、トリアリールチオホスフェートなどのチオリン酸エステル;トリアルキルチオホスファイト、トリアリールチオホスファイトなどのチオホスファイト;酸性ジチオリン酸エステルアミン塩;などが挙げられる。
化合物B3としては以下に示す化合物を好ましく例示できる。
Figure 2018095792
上記化合物中、R401〜R403はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアリール基を表す。
404は置換基を有していてもよいアルキレン基を表す。
201203はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基を表す。
401〜R403における置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基の炭素数は3以上が好ましく、4〜22がより好ましく、4〜18が更に好ましい。なお、上記炭素数は置換基の炭素数も含む数である。
401〜R403における置換基を有していてもよいアリール基は無置換のフェニル基もしくは、置換基を有するフェニル基であることが好ましい。置換基を有するフェニル基としては、例えば、アルキル置換フェニル基を挙げることができる。
401〜R403及びR201〜R203の各基が有しうる置換基としては、特に制限は無いが、アルキル基、カルボキシル基、エステル基、アミド基を有する置換基、アリール基を挙げることができる。
化合物Bとしては市販品を用いることができ、例えばBASF社製IRGALUBEシリーズ、DIC社製DAILUBEシリーズなどを好適に用いることができる。
化合物Bは少なくとも硫黄原子を含有する化合物であることが好ましい。中でも、化合物Bは、リン原子及び硫黄原子の両方を含むものであることがより好ましい。化合物Bがリン原子及び硫黄原子の両方を含むものである場合、化合物Bとして、リン原子を有し、かつ金属原子を含まない化合物B1と、硫黄原子を有し、かつ金属原子を含まない化合物B2の両方を含有するか、もしくは、化合物Bが、リン原子と硫黄原子を有し、かつ金属原子を含まない化合物B3であることが好ましく、化合物Bとして、B1とB2の両方を含有していることが更に好ましい。
化合物Bとして、リン原子を有し、かつ金属原子を含まない化合物B1と、硫黄原子を有し、かつ金属原子を含まない化合物B2の両方を含有する場合、リン原子を有し、かつ金属原子を含まない化合物B1と、硫黄原子を有し、かつ金属原子を含まない化合物B2の質量比(化合物B1:化合物B2)は、10:1〜1:10であることが好ましく、5:1〜1:5であることがより好ましく、1:1〜1:5であることがさらに好ましい。
化合物Bの含有量は、潤滑剤組成物の全質量に対し、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜15質量%であることがより好ましく、1〜10質量%であることが更に好ましく、3〜10質量%であることが特に好ましい。
潤滑剤組成物中に含まれるリン原子の総含量は100〜100000mg/kg(100〜100000ppm)であることが好ましく、500〜50000mg/kgであることがより好ましく、1000〜30000mg/kgであることが更に好ましい。また、潤滑剤組成物中に含まれる硫黄原子の総含量は100〜100000mg/kgであることが好ましく、500〜50000mg/kgであることがより好ましく、1000〜30000mg/kgであることが更に好ましい。
化合物Bとしては、後述する基油、特に鉱物油、ポリアルファオレフィン油に可溶な化合物が好ましい。化合物Bの炭素数は6以上が好ましく、8以上がより好ましく、12以上が更に好ましく、18以上が特に好ましい。
化合物Bの重量平均分子量は2000以下であることが好ましく、1800以下であることがより好ましく、1500以下であることがさらに好ましく、1000以下であることが特に好ましい。化合物Bの重量平均分子量はゲルパ−ミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いた標準ポリスチレン換算で算出できる。化合物Bの重量平均分子量を適正範囲とすることで、潤滑剤組成物の粘度上昇を抑制することができ、耐摩耗性を高めることができる。本明細書中、化合物Bのポリスチレン換算の重量平均分子量は具体的には、以下の条件で測定した値を採用する。
「HLC−8220GPC(東ソー製)装置」、カラムは「TSKgel、SuperHZM−H(東ソー(株)製(株)、4.6mmID×15cm)」、「TSKgel、SuperHZ4000(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)」、TSKgel、SuperHZ2000(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)」を3本用いた。
GPCの条件としては、例えば、下記の条件を採用することができる。
・溶離液 THF(テトラヒドロフラン)
・流速 0.35ml/min
・測定温度 40℃(カラム、インレット)
・検出器: 示差屈折計(Refractive Index Detector)
・分析時間 20分
・試料濃度 0.1%
・サンプル注入量 10μl
(潤滑剤組成物の製造方法)
潤滑剤組成物の製造方法は、3価以上の多価アルコールa1と、2価以上の多価カルボン酸a2と、1価アルコールa3及び1価カルボン酸a4から選択される少なくとも1種と、が縮合したポリエステルを含む複合エステルAと、リン原子及び硫黄原子から選択される少なくとも1種を有し、かつ金属原子を含まない化合物Bと、を混合する工程を有することが好ましい。なお、潤滑剤組成物の製造方法は、3価以上の多価アルコールa1と、2価以上の多価カルボン酸a2と、1価アルコールa3及び1価カルボン酸a4から選択される少なくとも1種とを縮合させ、ポリエステルを含む複合エステルAを得る工程(工程A)と、複合エステルAと、リン原子及び硫黄原子から選択される少なくとも1種を有し、かつ金属原子を含まない化合物Bとを混合する工程(工程B)を含むものであってもよい。
<工程A>
複合エステルAを得る工程は、3価以上の多価アルコールa1と、2価以上の多価カルボン酸a2と、1価アルコールa3及び1価カルボン酸a4から選択される少なくとも1種との縮合反応を行う工程である。本発明においては、複合エステルAを得る工程は、3価以上の多価アルコールa1と、2価以上の多価カルボン酸a2と、1価アルコールa3との縮合反応を行う工程であることが好ましい。
縮合反応を行う際の仕込み比としては、上記成分を、全カルボン酸及び全アルコールのカルボキシル基/水酸基のmol比で2/1〜1/2で縮合させることが好ましく、より好ましくはmol比で1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.3/1〜1/1.3、特に好ましくは1.2/1〜1/1.2である。カルボン酸とアルコールの当量比を1に近づけることにより縮合物中の残存カルボン酸、アルコール量を低くすることができ、潤滑剤として用いた際に部材へのダメージを抑制できる。
全カルボン酸中における(a2)成分/(a4)成分の比率はカルボキシル基のmol比で1/0〜1/20が好ましい。縮合反応に(a3)成分が用いられない場合は、(a2)成分/(a4)成分の比率はカルボキシル基のmol比で1.5/1〜1/10が好ましく、1/1〜1/5がより好ましい。
全アルコール中における(a1)成分/(a3)成分の比率は水酸基のmol比で1/0〜1/20が好ましい。縮合反応に(a4)成分が用いられない場合は、(a1)成分/(a3)成分の比率は水酸基のmol比で1.5/1〜1/10が好ましく、1.5/1〜1/2がより好ましい。
ただし、複合エステルAの縮合反応に用いられる(a3)成分及び(a4)成分が同時に0となることはなく、少なくとも一方の成分は縮合反応に用いられる。
3価以上の多価アルコールa1と、2価以上の多価カルボン酸a2と、1価アルコールa3及び1価カルボン酸a4から選択される少なくとも1種を仕込んだ混合物を、触媒又は縮合剤存在下もしくは無触媒で、縮合させることで、複合エステルAが得られる。縮合の際は、無溶媒または溶媒存在下で加熱することが好ましく、無溶媒で縮合することが好ましい。溶媒を用いる場合、水又は低分子アルコールと共沸する溶媒を適量存在させることが好ましい。これにより生成物が着色することなく、反応もスムーズに進行する。溶媒を用いる場合、溶媒は沸点100〜200℃の炭化水素系溶媒が好ましく、100〜170℃の炭化水素系溶媒がさらに好ましく、110〜160℃の炭化水素系溶媒が最も好ましい。これらの溶媒として、例えばトルエン、キシレン、メシチレンなどが挙げられる。溶媒の添加量は、仕込んだ混合物の全質量に対し、1〜25質量%が好ましく、2〜20質量%がさらに好ましく、3〜15質量%が特に好ましく、5〜12質量%も好ましい。溶媒の添加量を上記範囲内とすることにより、共沸及び縮合反応をスムーズに進行させることができる。
触媒を用いることで、反応が加速されるが、触媒除去の後処理が煩雑であり、生成物の着色の原因となることから、用いないことが好ましい。しかし、触媒を用いる場合は、通常の触媒が使用され、通常の条件と操作が適用される。これに関しては、特表2001−501989号公報、特表2001−500549号公報、特表2001−507334号公報、及び特表2002−509563号公報中の参考文献を参照することができる。
仕込み終了後、液温120〜250℃、好ましくは130〜230℃、さらに好ましくは150〜230℃、特に好ましくは170〜230℃で反応させる。これにより水又は低分子アルコールを含む溶媒が共沸され、冷却部位で冷却され、液体となることで分離される。この水は除去されればよい。低温で反応した後に更に高温で反応させてもよい。
反応時間は、仕込みのモル数より理論発生水量が計算されるので、この水量が得られる時点まで反応を行うことが好ましいが、理論水発生量が60〜90%の時点で反応を終了しても、得られた複合エステルAを含有する潤滑剤組成物の潤滑性は良好である。反応時間は1〜24時間であり、好ましくは3〜18時間、さらに好ましくは5〜18時間、最も好ましくは6〜15時間である。
複合エステルAの40℃における動粘度は、50〜5000mm/sであることが好ましい。複合エステルAの40℃における動粘度は、50mm/s以上であることが好ましく、70mm/s以上であることがより好ましく、100mm/s以上であることがさらに好ましい。また、複合エステルAの40℃における動粘度は、5000mm/s以下であることが好ましく、3000mm/s以下であることがより好ましく、2000mm/s以下であることがさらに好ましい。複合エステルAの動粘度を上記範囲内とすることにより、潤滑剤組成物の摩擦係数を低く抑えることができる。本明細書中、複合エステルAの40℃における動粘度は具体的には、ウベローデ粘度計を用い、40.0℃の恒温水槽中で測定した値を採用する。
複合エステルAの重量平均分子量はゲルパ−ミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量で800〜100000が好ましく、1000〜20000がより好ましく、1200〜10000がさらに好ましい。分子量を適正範囲とすることで、潤滑剤組成物の粘度を適切な範囲に調整しやすくなり、耐摩耗性を高めることができる。また、複合エステルAの重量平均分子量を適正範囲とすることで、潤滑剤組成物の摩擦係数を低く抑えることができる。本明細書中、複合エステルAのポリスチレン換算の重量平均分子量は具体的には、以下の条件で測定した値を採用する。
「HLC−8220GPC(東ソー(株)製)装置」、カラムは「TSKgel、SuperHZM−H(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)」、「TSKgel、SuperHZ4000(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)」、TSKgel、SuperHZ2000(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)」を3本用いた。
GPCの条件としては、例えば、下記の条件を採用することができる。
・溶離液 THF(テトラヒドロフラン)
・流速 0.35ml/min
・測定温度 40℃(カラム、インレット)
・検出器: 示差屈折計(Refractive Index Detector)
・分析時間 20分
・試料濃度 0.1%
・サンプル注入量 10μl
本発明では、複合エステルAには未反応のCOOHが残存していてもよく、また、OHが存在していてもよいが、OH及びCOOHが残存すると、水酸基価と酸価が上がり、用途によっては好ましくない場合もある。このような場合、別途アシル化、及び/又はエステル化処理により、OH及びCOOHを消失させ、水酸基価と酸価を低減することもできる。複合エステルAに含まれる未反応化合物の水酸基価は50mgKOH/g以下であることが好ましく、40mgKOH/g以下であることがより好ましく、30mgKOH/g以下であることがさらに好ましい。
また、複合エステルAの酸価(サンプル1gを中和するのに要するKOHのmg数)は、特に制限されるものではないが、0〜100mgKOH/gであることが好ましく、0〜50mgKOH/gであることがより好ましく、1〜30mgKOH/gであることがさらに好ましく、3〜30mgKOH/gが最も好ましい。複合エステルAの酸価は具体的には、JIS K 2501に従い測定した値を用いる。
反応及び反応後の処理が終了した後、ろ過を行い、ゴミなどを除去することが好ましい。なお、生成物が固体となった場合は、溶融してとりだすか、あるいは再沈殿により粉体として取り出すこともできる。
複合エステルAの好ましい具体例としては、下記表1に示す成分を縮合することによって得られるものを挙げることができる。なお、表1において、官能基当量比はカルボキシル基、水酸基の当量比である。
Figure 2018095792
複合エステルAの含有量は潤滑剤組成物の全質量に対して、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.2〜5質量%であることがより好ましく、0.5〜3質量%であることがさらに好ましい。
<工程B>
工程Bは、複合エステルAとリン原子及び硫黄原子から選択される少なくとも1種を有し、かつ金属原子を含まない化合物Bとを混合する工程である。工程Bでは、上述した工程Aで得られた複合エステルAと、化合物Bを混合する。この際、複合エステルAと化合物Bのみを混合してもよく、複合エステルAと化合物Bを基油等の媒体に添加して混合してもよい。また、工程Bでは、他の添加剤を混合してもよい。なお、工程Bでは、複合エステルAと化合物Bをまず混合した後にその他の成分(例えば、媒体や他の添加剤)と混合してもよく、全ての成分を一度に混合してもよい。
混合する工程では、加熱及び撹拌をすることが好ましい。加熱温度としては30〜200℃が好ましく、40〜150℃がより好ましく、50〜100℃がさらに好ましい。混合後は、フィルターなどを用いてろ過を行い、粒子や固形物を除去することが好ましい。
潤滑剤組成物中に含まれる複合エステルAと、化合物Bの質量比(複合エステルA:化合物B)は、100:1〜1:100であることが好ましく、50:1〜1:100であることがより好ましく、20:1〜1:50であることがさらに好ましく、10:1〜1:30であることが一層好ましく、1:1〜1:20であることが特に好ましい。複合エステルAと化合物Bの質量比を上記範囲内とすることにより、潤滑剤組成物の潤滑性を高めることができる。特に、高温及び/又は高圧といった過酷条件における潤滑剤組成物の摩擦係数を低く抑えることができ、耐摩耗性と耐焼付き性が発揮されやすくなる。なお、化合物Aよりも化合物Bの添加量が多い方が、潤滑性が良好な傾向が見られる。
<その他の成分>
本発明の潤滑剤組成物には、上述した複合エステルAと化合物Bに加えて、その他の成分をさらに含んでいてもよい。潤滑剤組成物には、その他の成分として例えば、各種添加剤及び/又は媒体を添加することができる。
潤滑剤組成物がその他の成分を含む場合、潤滑剤組成物の全質量に対し、複合エステルAを0.1〜10質量%、化合物Bを0.1〜20質量%、媒体を60〜99.8質量%含み、潤滑剤組成物の全質量に対し、その他の成分を0〜39.8質量%含むことが好ましい。
媒体を混合する場合、媒体としてはグループI〜Vの基油が挙げられる。具体的には鉱物油、油脂化合物、ポリオレフィン油(例えばポリアルファオレフィン)、シリコーン油、パーフルオロポリエーテル油、エステル油(例えば芳香族エステル油、1価脂肪酸エステル、2価脂肪酸ジエステル、ポリオールエステル潤滑油)、エーテル油(例えばジフェニルエーテル誘導体)から選択される1種又は2種以上を挙げることができる。
本発明において、「媒体」とは、一般的に「流動性液体」とよばれる媒体の全てを意味するものである。但し、室温又は使用される温度において、液状であることは必要とせず、液体以外にも固体及びゲル等のいずれの形態の材料も利用することができる。本発明において利用する媒体については特に制限はなく、用途に応じて種々の液体から選択することができる。本発明において用いることができる媒体については、特開2011−89106号公報の段落0067〜0096の記載を参照することができる。媒体の40℃における動粘度は1〜500mm/sが好ましく、5〜200mm/sがより好ましく、10〜100mm/sがさらに好ましい。
媒体の粘度指数は90以上であることが好ましく、より好ましくは105以上、さらに好ましくは110以上である。また160以下であることが好ましい。粘度指数を上記範囲内とすることにより、粘度−温度特性及び熱・酸化安定性、揮発防止性が改善し、摩耗防止性が向上する。なお、本発明でいう粘度指数とは、JIS K 2283−1993に準拠して測定された粘度指数を意味する。
他の添加剤を添加する場合、添加剤としては、例えば、摩耗防止剤、粘度指数向上剤(好ましくはポリアルキル(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート/極性基を有する(メタ)アクリレート共重合体、ポリオレフィン、オレフィン/(メタ)アクリレート複合ポリマー)、酸化防止剤(好ましくはフェノール化合物、アミン化合物)、清浄剤(好ましくはCaスルホネート、Caフェネート、Mgスルホネート、Caサリチレート、(ホウ酸変性)コハク酸イミド、コハク酸エステル)、分散剤、流動剤、硬化剤、腐食防止剤、シール適合剤、消泡剤(好ましくはポリジメチルシリコーン)、錆防止剤、摩擦調整剤、及び増ちょう剤から選択される1種又は2種以上を挙げることができる。
このような添加剤を添加することにより、摩耗抑制等の潤滑剤としての好ましい機能を付与することができる。本発明において用いることができる添加剤については、特開2011−89106号公報の段落0098〜0165の記載を参照することができる。
また、他の添加剤としては、モリブデン及び亜鉛から選択される少なくとも1種の元素を有する化合物を挙げることができる。すなわち、本発明の一実施形態では、リン原子及び硫黄原子から選択される少なくとも1種を有し、かつ金属原子を含まない化合物Bの他に、金属原子を含む他の添加剤を添加してもよい。このような化合物は、摩擦調整剤、摩耗防止剤、酸化防止剤などの機能を有する。モリブデン及び亜鉛から選択される少なくとも1種の元素を有する化合物とは、化合物中にモリブデン及び/又は亜鉛をいかなる状態で含んでもよい化合物を意味する。具体的にはモリブデン及び/又は亜鉛が、単体(酸化数0)、イオン、錯体などとして含まれる化合物を挙げることができる。このような化合物としては、有機モリブデン化合物、無機モリブデン化合物、及び有機亜鉛化合物が好ましい。
モリブデン及び亜鉛から選択される少なくとも1種の元素を有する化合物は1種のみが添加されてもよく、2種以上が組み合わされて添加されてもよい。モリブデン及び亜鉛から選択される少なくとも1種の元素を有する化合物が2種以上組み合わされて添加される場合は、有機モリブデン化合物、無機モリブデン化合物、有機亜鉛化合物のうち2種以上を組み合わせることが好ましく、有機モリブデン化合物及び有機亜鉛化合物を組み合わせることがより好ましい。
以下、有機モリブデン化合物、無機モリブデン化合物、有機亜鉛化合物のそれぞれの好ましい態様について説明する。
有機モリブデン化合物としては、モリブデンジチオホスフェート(MoDTPと言われることもある)等のリンを含有する有機モリブデン化合物を挙げることができる。また、別の有機モリブデン化合物としては、モリブデンジチオカーバメート(MoDTCと言われることもある)等の硫黄を含有する有機モリブデン化合物を挙げることができる。硫黄を含有する有機モリブデン化合物としては、例えば、硫化オキシモリブデン−N,N−ジ−オクチルジチオカルバメート(C−Mo(DTC))、硫化オキシモリブデン−N,N−ジ−トリデシルジチオカルバメート(C13−Mo(DTC))などが好ましい。
その他の硫黄を含有する有機モリブデン化合物としては、無機モリブデン化合物との錯体を挙げることができる。無機モリブデン化合物と硫黄含有有機化合物との錯体である有機モリブデン化合物に用いられる無機モリブデン化合物としては、例えば、二酸化モリブデン、三酸化モリブデン等の酸化モリブデン、オルトモリブデン酸、パラモリブデン酸、(ポリ)硫化モリブデン酸等のモリブデン酸、これらモリブデン酸の金属塩、アンモニウム塩等のモリブデン酸塩、二硫化モリブデン、三硫化モリブデン、五硫化モリブデン、ポリ硫化モリブデン等の硫化モリブデン、硫化モリブデン酸、硫化モリブデン酸の金属塩又はアミン塩、塩化モリブデン等のハロゲン化モリブデン等を挙げることができる。また、無機モリブデン化合物と硫黄含有有機化合物との錯体である有機モリブデン化合物に用いられる硫黄含有有機化合物としては、例えば、アルキル(チオ)キサンテート、チアジアゾール、メルカプトチアジアゾール、チオカーボネート、テトラハイドロカルビルチウラムジスルフィド、ビス(ジ(チオ)ハイドロカルビルジチオホスホネート)ジスルフィド、有機(ポリ)サルファイド、硫化エステル等を挙げることができる。
その他の硫黄を含有する有機モリブデン化合物としては、硫化モリブデン、硫化モリブデン酸等の硫黄含有モリブデン化合物とアルケニルコハク酸イミドとの錯体等を挙げることができる。
有機モリブデン化合物としては、構成元素としてリンや硫黄を含まない有機モリブデン化合物を用いることができる。構成元素としてリンや硫黄を含まない有機モリブデン化合物としては、具体的には、モリブデン−アミン錯体、モリブデン−コハク酸イミド錯体、有機酸のモリブデン塩、アルコールのモリブデン塩などが挙げられ、中でも、モリブデン−アミン錯体、有機酸のモリブデン塩及びアルコールのモリブデン塩が好ましい。
無機モリブデン化合物としては、無機モリブデン化合物と硫黄含有有機化合物との錯体である有機モリブデン化合物に用いられる無機モリブデン化合物を用いることができ、上記で列挙した無機モリブデン化合物を用いることができる。
潤滑剤組成物に添加剤として用いられる有機亜鉛化合物としては、下記一般式(4)で表わされるジンクジチオホスフェート(ZDTP)が好ましい。
Figure 2018095792
一般式(4)中、Q、Q、Q、Qは各々同じでも異なっていてもよく、それぞれ独立にイソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、ミスチル基、パルミチル基、ステアリル基等の炭素数3〜20のアルキル基を表す。
一般式(4)で表わされるジンクジチオホスフェートとしては、具体的にはn−ブチル−n−ペンチルジチオリン酸亜鉛(C/C ZnDTP)、ジ−2−エチルヘキシルジチオリン酸亜鉛(CZnDTP)又はイソプロピル−1−エチルブチルジチオリン酸亜鉛(C/C ZnDTP)であることが好ましい。
潤滑剤組成物に有機モリブデン化合物を添加する場合、その添加量は、潤滑剤組成物の全質量に対して、Mo含量が10〜5000mg/kg(10〜5000ppm)となるように添加することが好ましく、50〜2000mg/kgとなるように添加することがより好ましく、100〜1000mg/kgとなるように添加することがさらに好ましい。
また、有機亜鉛化合物を添加する場合、その添加量は潤滑剤組成物の全質量に対して、0.01〜5質量%となるように添加することが好ましく、0.01〜3質量%となるように添加することがより好ましく、0.01〜1質量%となるように添加することがさらに好ましい。有機亜鉛化合物の含有量を上記範囲内とすることにより、潤滑剤組成物の安定性を高めることができ、高温及び/又は高圧といった過酷条件での潤滑性を改善することができる。具体的には、潤滑剤組成物の摩擦係数を低く抑え、かつ耐摩耗性及び耐焼付き性を高めることができる。
<グリース組成物>
本発明の潤滑剤組成物は、グリース組成物であってもよい。本発明の潤滑剤組成物がグリース組成物である場合は、複合エステルAと化合物Bは、グリースと混合され、調製される。このような態様では、グリースの用途に適応した場合の実用性能を確保するため、さらに必要に応じて、増ちょう剤等を本発明の目的を損なわない範囲で適宜添加することができる。増ちょう剤を添加する場合は、グリース組成物の全質量に対して、増ちょう剤を10〜50質量%含有することが好ましい。以下、グリース組成物を調製する際に添加可能な添加剤について説明する。
添加可能な増ちょう剤としては、金属石けん、複合金属石けん等の石けん系増ちょう剤、ベントン、シリカゲル、ウレア系増ちょう剤(ウレア化合物、ウレア・ウレタン化合物、ウレタン化合物等)の非石けん系増ちょう剤などのあらゆる増ちょう剤が使用可能である。これらの中でも、樹脂製部材を損傷させるおそれが小さいことから、石けん系増ちょう剤、ウレア系増ちょう剤が好ましく用いられる。
石けん系増ちょう剤としては、例えば、ナトリウム石けん、カルシウム石けん、アルミニウム石けん、リチウム石けん等が挙げられるが、これらの中でも、耐水性や熱安定性の点から、リチウム石けんが好ましい。リチウム石けんとしては、例えば、リチウムステアレートやリチウム−12−ヒドロキシステアレート等が挙げられる。
また、ウレア系増ちょう剤としては、例えば、ウレア化合物、ウレア・ウレタン化合物、ウレタン化合物又はこれらの混合物等が挙げられる。
ウレア化合物、ウレア・ウレタン化合物及びウレタン化合物としては、例えば、ジウレア化合物、トリウレア化合物、テトラウレア化合物、ポリウレア化合物(ジウレア化合物、トリウレア化合物及びテトラウレア化合物は除く)、ウレア・ウレタン化合物、ジウレタン化合物又はこれらの混合物等が挙げられる。好ましくはジウレア化合物、ウレア・ウレタン化合物、ジウレタン化合物又はこれらの混合物が挙げられる。
グリース組成物には、添加剤として固体潤滑剤を含むこともできる。固体潤滑剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、窒化ホウ素、フラーレン、黒鉛、フッ化黒鉛、メラミンシアヌレート、二硫化モリブデン、Mo(モリブデン)−ジチオカーバメート、硫化アンチモン、アルカリ(土類)金属ほう酸塩等が挙げられる。
また、グリース組成物には、添加剤としてワックスを含むこともできる。ワックスとしては、例えば、天然ワックス、鉱油系ないしは合成系の各種ワックスが例示でき、具体的にはモンタンワックス、カルナウバワックス、高級脂肪酸のアミド化合物、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、ポリオレフィンワックス、エステルワックス等が挙げられる。
その他、金属不活性化剤としてベンゾトリアゾール、ベンズイミダゾール、チアジアゾールなどが知られていて、これらを添加することができる。
グリース組成物には、増粘剤を添加することができる。増粘剤としては、例えば、ポリメタクリレート、ポリイソブチレン、ポリスチレン等が挙げられる。ポリ(メタ)アクリレートは、寒冷地での冷時異音防止の効果も知られている。
(潤滑剤組成物の用途)
本発明の潤滑剤組成物は、例えば、2つの摺動面間に供給され、摩擦を低減するために用いることができる。本発明の潤滑剤組成物は、摺動面に皮膜を形成し得る。摺動面の材質としては、具体的には、機械構造用炭素鋼、ニッケルクロム鋼材・ニッケルクロムモリブデン鋼材・クロム鋼材・クロムモリブデン鋼材・アルミニウムクロムモリブデン鋼材などの構造機械用合金鋼、ステンレス鋼、マルチエージング鋼などが挙げられる。
摺動面の材質としては、鋼鉄以外の各種金属、又は金属以外の無機もしくは有機材料も広く用いられる。金属以外の無機もしくは有機材料としては、各種プラスチック、セラミック、カーボン等、及びその混合体などが挙げられる。より具体的には、鋼鉄以外の金属材料としては、鋳鉄、銅・銅−鉛・アルミニウム合金、その鋳物及びホワイトメタルが挙げられる。
なお、摺動面の材質については、特開2011−89106号公報の段落0168〜0175の記載を参照することができる。
本発明の潤滑剤組成物は、種々の用途に利用できる。例えば、グリース用潤滑油、離型剤、内燃機関用オイル、内燃機関用エンジンオイル、金属加工用(切削用)オイル、軸受け用オイル、燃焼機関用燃料、車両エンジン油、ギヤ油、自動車用作動油、船舶・航空機用潤滑油、マシン油,タービン油、軸受用オイル、油圧作動油、圧縮機・真空ポンプ油、冷凍機油、金属加工用潤滑油剤、磁気記録媒体用潤滑剤、マイクロマシン用潤滑剤、人工骨用潤滑剤、ショックアブソーバ油又は圧延油として用いることができる。さらに、往復動式や回転式の密閉型圧縮機を有するエアコンや冷蔵庫、自動車用エアコンや除湿機、冷凍庫、冷凍冷蔵倉庫、自動販売機、ショーケース、化学プラント等の冷却装置などにも用いられる。
本発明の潤滑剤組成物は、塩素系化合物を含まない金属加工用潤滑油剤として利用することもできる。例えば鉄鋼材料やAl(アルミニウム)合金などの金属材料を熱間圧延したり、切削等の加工を行ったりする際に、またアルミニウムの冷間圧延油、切削油、研削油、引き抜き加工油、プレス加工油等の金属加工油や金属の塑性加工油として本発明の潤滑剤組成物を用いることができる。本発明の潤滑剤組成物は、特に高速、高負荷加工時の摩耗、破損、表面あれの抑止剤として、またブローチ加工,ガンドリル加工のような低速・重切削に適用可能な金属加工油組成物としても有用である。
また本発明の潤滑剤組成物は、各種グリース用潤滑油、磁気記録媒体用潤滑剤、マイクロマシン用潤滑剤や人工骨用潤滑剤等に利用することができる。また、潤滑剤組成物の元素組成を炭水化物とすることができるため、例えば、乳化、分散化、可溶化剤として用いることができる。ケーキミックス、サラダドレッシング、ショートニングオイル、チョコレート等に広く利用されている、ポリオキシエチレンエーテルを含むソルビタン脂肪酸エステルといった食用油を基油とすることで、全く人体に無害の高性能潤滑油を得ることができる。このような潤滑油は、食品製造ラインの製造機器や医療機器部材に用いることができる。
さらに、本発明の潤滑剤組成物を水系に乳化して分散したり、極性溶媒中や樹脂媒体中に分散したりすることで、切削油や圧延油として用いることができる。
また、本発明の潤滑剤組成物は離型剤としても、種々の用途に利用できる。例えば、ポリカーボネート樹脂、難燃性ポリカーボネート樹脂、電子写真装置や静電記録装置などで使用される画像形成用トナーの主成分である結晶性ポリエステル樹脂、各種成形用熱可塑性樹脂組成物及び半導体封止用エポキシ樹脂組成物などの離型剤として用いられる。
また、衣料などの繊維製品に予め練り込んだり、塗布したりすることにより、繊維製品に付着した汚れの離脱を促進して繊維製品の汚れを防止する防汚剤としても用いることができる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
<複合エステルAの合成>
ディーンスターク脱水装置がついた反応容器に上記表1に示す各成分(a1)〜(a4)を表1に示す官能基当量比で仕込んだ。この混合物を0.3L/minの窒素気流下190℃で5時間、更に220℃で4時間反応させた。反応中に発生した水は除去した。反応物を室温まで放冷し、黄色透明の液状物の複合エステルAを得た。なお、表1における官能基当量比はカルボキシル基、水酸基の当量比である。
(実施例1−1〜1−32及び比較例1−1〜1−4)
下表2に示す複合エステルA及び化合物Bを基油と混合し、実施例1−1〜1−32の潤滑剤組成物を調製した。また、下表2に示す各成分を基油と混合し、比較例1−1〜1−4の潤滑剤組成物を調製した。この潤滑剤組成物の摩擦係数、耐焼付き性及び耐摩耗性を下記方法にて評価した。
<摩擦係数>
振動型摩擦摩耗試験機(Optimol Instruments Prueftechnik GmbH社製、SRV 4)を用いて摩擦係数を測定した。摩擦係数の測定では、試験温度130℃において、振動数50Hz、荷重400N、振幅1.5mmの条件で1時間摩擦摩耗試験を行い、30分経過時点における摩擦係数を測定した。摩擦摩耗試験の上部試験片には10mmSUJ−2ボール、下部試験片24mmSUJ−2ディスクを用いた。観測した摩擦係数を以下の基準にしたがって評価した。その結果を下記表2に示した。
比較例1−1の摩擦係数を100%として他の評価結果を規格化し、以下のように評価した。値が小さいほど摩擦係数が小さく、良好な潤滑性であることを表す。なお、C評価以上を合格基準とした。
A:50%未満
B:50%以上70%未満
C:70%以上90%未満
D:90%以上100%未満
E:100%以上
<耐焼付き性>
ファレックス試験法を用い試験油温度を70℃とした以外はASTM D3233−Aに規定された条件にて焼付き荷重を観測した。焼付き荷重は値が大きいほど高荷重まで焼付きが生じないことを示し、良好な性能である。比較例1−1の焼付き荷重を基準として規格化し、以下のように評価した。なお、B評価以上を合格基準とした。
A:焼付き荷重が基準の2倍以上
B:焼付き荷重が基準の1.7倍以上、2倍未満
C:焼付き荷重が基準の1.5倍以上、1.7倍未満
D:焼付き荷重が基準の1.3倍以上、1.5倍未満
E:焼付き荷重が基準の1.3倍未満
<耐摩耗性>
試験荷重を600Nとした以外はASTM D4172に規定された四球試験法にて摩耗試験を行い、下部試験球の摩耗痕直径の平均を観測した。摩耗痕直径が小さいほど摩耗が生じないことを示し、良好な性能である。比較例1−1の摩耗痕直径を基準として規格化し、以下のように評価した。なお、C評価以上を合格基準とした。
A:摩耗痕直径が基準の50%未満
B:摩耗痕直径が基準の50%以上、60%未満
C:摩耗痕直径が基準の60%以上、70%未満
D:摩耗痕直径が基準の70%以上、90%未満
E:摩耗痕直径が基準の90%以上
Figure 2018095792
表2における基油は以下のとおりである。
基油A:グループIII鉱物油(SKルブリカンツ社製、YUBASE4(100℃動粘度4.2mm/s、40℃動粘度19.6mm/s))
基油B:グループIII鉱物油(SKルブリカンツ社製、YUBASE8(100℃動粘度7.6mm/s、40℃動粘度47mm/s))
基油C:ポリアルファオレフィン油(イネオス社製、Durasyn 164、100℃動粘度4mm/s)を95質量%と、基油Eを5質量%混合したもの
基油D:ポリアルファオレフィン油(イネオス社製、Durasyn 170、100℃動粘度9.8mm/s、40℃動粘度64mm/s)を95質量%と、基油Eを5質量%混合したもの
基油E:エステル油(BASF社製、Synative ES DITA、100℃動粘度5.2mm/s)
また、表2における化合物Bは以下のとおりである。
B1−1:リン酸トリクレジル
B1−2:トリラウリルホスファイト
B1−3:リン酸モノオレイル、ジオレイル混合物
B2−1:ポリ硫化イソブチレン(重量平均分子量540)
B2−2:ジベンジルジサルファイド
B2−3:ジ−t−ブチルポリサルファイド
B2−4:硫化オレイン酸メチル
B3−1:トリラウリルチオホスフェート
B3−2:3−(ジ−イソブトキシ−チオホスホリルスルファニル)−2−メチル−プロピオン酸
ZnDTP:ジアルキルジチオリン酸亜鉛(アルキル基が1級C3/C6のZnDTPとアルキル基が2級C8のZnDTPの混合物)
(実施例2−1〜2−8及び比較例2−1〜2−3)
下表3に示す複合エステルA及び化合物Bを基油Fと混合し、実施例2−1〜2−8の潤滑剤組成物を調製した。また、下表3に示す各成分を基油Fと混合し、比較例2−1〜2−3の潤滑剤組成物を調製した。この潤滑剤組成物の摩擦係数、耐焼付き性及び耐摩耗性を下記方法にて評価した。
<摩擦係数>
比較例2−1の摩擦係数を基準として規格化した以外は実施例1群と同じ方法にて評価した。
<耐焼付き性>
比較例2−1の焼付き荷重を基準として規格化した以外は実施例1群と同じ方法にて評価した。
<耐摩耗性>
比較例2−1の摩耗痕直径を基準として規格化した以外は実施例1群と同じ方法にて評価した。
Figure 2018095792
表3において、基油Fは、グループIII鉱物油(SKルブリカンツ社製、YUBASE4(100℃動粘度4.2mm/s、40℃動粘度19.6mm/s)にZnDTPを亜鉛濃度で900mg/kg(900ppm)、MoDTC(ADEKA社製、サクラルーブ525)をMo濃度で800mg/kg(800ppm)、カルシウムスルホネートを5質量%添加したものである。

Claims (8)

  1. 3価以上の多価アルコールa1と、2価以上の多価カルボン酸a2と、1価アルコールa3及び1価カルボン酸a4から選択される少なくとも1種と、が縮合したポリエステルを含む複合エステルAと、
    リン原子及び硫黄原子から選択される少なくとも1種を有し、かつ金属原子を含まない化合物Bと、を含有する潤滑剤組成物。
  2. 前記多価カルボン酸a2が炭素数36以上の多価カルボン酸である請求項1に記載の潤滑剤組成物。
  3. 前記1価アルコールa3がオキシアルキレン構造を有する請求項1又は2に記載の潤滑剤組成物。
  4. 前記化合物Bの含有量が潤滑剤組成物の全質量に対し、0.1〜20質量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載の潤滑剤組成物。
  5. 前記化合物Bが少なくとも硫黄原子を含有する化合物である請求項1〜4のいずれか1項に記載の潤滑剤組成物。
  6. 前記化合物Bとして、リン原子を有し、かつ金属原子を含まない化合物B1と、硫黄原子を有し、かつ金属原子を含まない化合物B2の両方を含有するか、もしくは、
    前記化合物Bが、リン原子と硫黄原子を有し、かつ金属原子を含まない化合物B3である請求項1〜5のいずれか1項に記載の潤滑剤組成物。
  7. 前記化合物Bの重量平均分子量は2000以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の潤滑剤組成物。
  8. 前記複合エステルAと前記化合物Bの質量比は100:1〜1:100である請求項1〜7のいずれか1項に記載の潤滑剤組成物。
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