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JP6162995B2 - 春夏用繊維製品 - Google Patents

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Description

本発明は春夏用の繊維製品、例えば肌着として身にまとうときに感じる瞬間的なひんやり感があり、着用時の熱放散性や吸湿性にも優れた着用快適性に優れた繊維製品、例えば肌着に関する。具体的には、再生セルロース繊維が混用され、編地の含有空気率が制限され、衣服内の熱と湿度のこもりが抑制されることを特徴とした繊維製品、例えば肌着に関する。
春夏用繊維製品、特に肌着やスポーツアンダーは皮膚にもっとも近い衣料であり、着用動作時の皮膚の伸びに追随するよう、伸縮性の高いニット生地が用いられる。肌着用の生地には、生産設備や生産性、汎用性、消費性能の観点から、フライス、スムース、天竺、最近では鹿の子などの組織が、スポーツアンダーにはこれに加えてトリコットなどの組織が一般的に用いられている。
ニット生地は、一般的に織物と比較して伸縮性はあるが、編目に立体的な空間ができ、ここに空気を抱えやすい。空気の熱伝導率は0.026W/m・℃と、繊維材料に対して10倍優れた断熱材料で有り、そのため、ニット生地は一般的に織物と対比して、保温性に優れる。また構造上凹凸ができやすく、肌に接触する場合も、狭義に見れば面接触ではなく点接触となり接触による熱伝導に不利となる。特に、乾熱移動を高め、皮膚と衣料または肌着の間の微小空間の温度を下げることはもちろん、湿度上昇を抑制する技術の開発は、作用温度を下げる観点からも重要である(下記非特許文献1参照)。
これまで冷感を高める衣料や衣料資材用として開発されてきたものに、熱伝導性と接触時の冷感が非常に高い繊維を使った編地があるが(下記特許文献1参照)、これは人の不感蒸泄、発汗作用が配慮されておらず、繊維材料による乾熱の移動のみが追究された研究である。従って、この編地を直接皮膚に触れる衣料や衣料資材とした場合、衣服内の湿度上昇を抑制して、人の発汗作用を妨げない衣料もしくは衣料資材とはなり得ない。一方、人の発汗作用に着眼し、汗を吸水すると、繊維が伸長して編目のループを拡げ蒸散作用を促す編地が開発されているが(下記特許文献2参照)、この編地は、発汗時にループの空隙を拡げてしまうため、むしろ繊維材料と皮膚の接触面積が低下し乾熱移動を下げることになる。つまり、熱と水分移動の原理から両立できるものではない。また、接触による熱移動と、吸湿性による衣服内湿度上昇の抑制とを狙った、ポリビニルピロリドンを添加したポリアミドフィラメントとポリエステルフィラメントの複合糸による編地の報告があるが(下記特許文献3参照)、ポリビニルピロリドンを添加したポリアミドフィラメントの持つ吸湿性では不感蒸泄を超えた場合、例えば暑熱下において汗腺から発汗した場合の衣服内の湿度処理をまかないきれず、蒸れをきたすこととなる。
このように、乾熱移動を高め、皮膚と肌着の間の微小空間の温度を下げることはもちろん、湿度上昇を抑制することは、作用温度を下げる観点からも重要である(下記非特許文献1参照)。従って、暑熱下における温熱生理学上、健康的な肌着開発において、熱の移動と水分(液体または気体)の移動とを両立させることが必須となるが、このような肌着は未だ開発されていない。
また、発汗時において皮膚からの熱を除去する方法として、汗の蒸発潜熱を利用する方法(下記特許文献4参照)も提案されている。
特開2010−236130号公報 特開2009−035846号公報 特許第3744417号公報 特許第3758076号公報
衣環境の科学(154−160頁)
しかし、上述の編地を構成する繊維には、かさ高性と保水性が高く含気層も多い綿と、ポリエステル仮撚フィラメントとが用いられており、また組織としても異なった糸条を交編し凹凸ができやすく、空気を抱えこむ構造となっている。従って乾熱移動、蒸発による潜熱移動の効果は充分得られない。また、この編地には繰り返し洗濯後の保水性や水拡散性の耐久性について考慮されておらず、初期には発揮したポリエステルの吸水加工効果も洗濯により低下する懸念がある。
本発明の課題は、上記従来技術の問題を解決すべく、熱の移動と水分(液体または気体)の移動とを両立させ、皮膚との接触による熱移動を高めて繊維製品内温度上昇を抑制すると同時に、不感蒸泄を効果的に吸湿して湿度上昇も抑制することで、汗腺からの発汗ポイントを遅らせ、快適と感じられる時間を可能な限り長く保ち、温熱生理学的な快適性に優れた繊維製品を提供することである。
本発明者は、鋭意検討の結果、編地重量の20%以上に再生セルロース繊維が混用された編地であって、充填密度が0.260g/cm3以上0.500g/cm3以下である生地からなる繊維製品が上記課題を解決することを見出した。即ち、本発明は以下の通りである。
[1]再生セルロース繊維が20重量%以上混用され、生地を構成する再生セルロース繊維の単糸繊度が0.8dtex以上4dtex以下である編地からなる繊維製品であって、該生地の充填密度が0.260g/cm3以上0.500g/cm3以下であり該生地の少なくとも片面の放熱性値が10W/m2・℃以上であり、かつ、該生地の少なくとも片面の瞬間熱流束値が120W/m 2 ・℃以上である生地からなる繊維製品。
[2]生地の吸湿性が5%以上である、前記[1]に記載の繊維製品。
[3]ポリウレタン弾性繊維が生地重量の3%以上30%以下混用された、前記[1]又は[2]に項に記載の繊維製品。
[4]前記編地がベア天竺組織である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の繊維製品。
[5]肌着として用いられる、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の繊維製品。
本発明の繊維製品、例えば肌着は、吸湿性、放熱性、接触冷感性が高く、盛夏時に着用しても、着用当初から脱衣まで快適と感じられる時間が長い。また、発汗を伴う場合も、皮膚からの汗を有効に吸収・拡散することで、汗がしたたり落ちたり、皮膚にぬれ残る無効発汗がなく、且つ皮膚温を活用して蒸散を促し、着ていない場合よりも放熱効果を高める肌着やスポーツアンダー、更に春夏用ベッドパッドや布団カバー等の寝装用の繊維製品を提供するができる。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明の繊維製品、例えば肌着は、吸湿性、特に吸湿スピードが高い再生セルロース繊維が20重量%以上混用されることを特徴とする編地からなる繊維製品、例えば肌着である。人の不感蒸泄は個体差があるが、上記非特許文献1によれば、多い人で体表面積1m2当たり23g/時間とされている。また、蒸れによる不快感は、湿度値よりも湿度変化値に依存することが明らかにされているが、この湿度変化を減少させて蒸れ感抑制につなげるには、上記不感蒸泄を効果的に吸湿することが必要で、そのためには、吸湿スピードが高い再生セルロース繊維を編地重量の20重量%以上混用することが必要である。
再生セルロース繊維が20重量%以上混用された生地は、吸湿性が生地重量の5%以上を示すことが容易となる。吸湿能力を体感し得るには再生セルロース繊維が30重量%以上混用されることが好ましい。30重量%以上混用されると、後述する吸湿スピード係数が0.6を超えることが容易となり、皮膚表面からの不感蒸泄を瞬時に吸湿させるので好ましい。更に、発汗ポイントを遅らせる効果を得るためには、再生セルロース繊維を50重量%以上混用させることが好ましい。50重量%以上混用すると、吸湿スピード係数が0.7を超える。本発明の繊維製品、例えば肌着は再生セルロース繊維のみからなる肌着でもよいが、他の繊維を混用することもできる。
また、吸湿性が生地重量の5%以上あると、皮膚から放出される水蒸気状の汗の吸収に優れるので好ましい。さらに好ましくは生地重量の6%以上である。吸湿性があまり大きすぎると、同時に液状の汗の吸収も高まり、速乾性に劣ることとなり、生地重量の15%以下が好ましい。さらに、吸湿スピード係数は、0.5以上が好ましく、さらに好ましくは0.6以上である。
再生セルロース繊維としてはビスコース法レーヨン、ポリノジックレーヨン、精製セルロース繊維、銅アンモニア法レーヨン、高強力レーヨン等が挙げられる。
また、本発明の繊維製品、例えば肌着を構成する生地は、20℃65%RHの標準状態での目付と5gf/cm2の荷重を掛けて測定した厚さから下記式により算出された充填密度が0.260g/cm3以上0.500g/cm3以下であることが必要である。厚さを測定する際にこれ以上荷重を重くすると、生地を押しつぶすことになり、生地本来の充填度を表わすことができない。また、荷重を軽くすると、生地の厚みの差を正確に判定できない。
充填密度(g/cm3)=[目付(g/m2)/厚み(mm)]×10-3
最適な充填密度は、熱移動と風合いのバランスから、0.260g/cm3以上0.500g/cm3以下である。乾熱移動を高めるために、0.300g/cm3以上0.450g/cm3以下がさらに好ましい。0.260g/cm3を下回ると、生地中の空気層が多くなり保温性が向上し、熱移動が抑制される。0.500g/cm3を超えると、生地がペーパーライクとなり、直接肌に触れる用途、特に肌着用途にはそぐわない。
本発明の繊維製品を構成する生地は、同時に、後述する方法で測定した放熱性が生地の少なくとも片面で10W/m2・℃以上であることが必要であり、肌着等に用いた場合、人体に面する側がこの面になることが好ましい。健康上の理由から、12.5W/m2・℃以下に抑えることが好ましい。乾熱移動を高めると共に、産熱と放熱のバランスを満たすために、10W/m2・℃以上12W/m2・℃以下が好ましい。10W/m2・℃を下回ると、乾熱移動がスムーズにいかず、衣服内温度を高めることとなる。また放熱性が異常に高すぎると、身体からの熱を過度に奪うこととなり、長時間着用するもしくは接触すると冷える恐れがある。
更に、本発明の繊維製品を構成する生地は、後述する方法で測定した瞬間熱流束値が生地の少なくとも片面で120W/m2・℃以上であることが好ましく、肌着等に用いた場合、人体に面する側がこの面になることが好ましい。120W/m2・℃以上190W/m2・℃以下であると、着用するもしくは接触した瞬間にひんやり爽やかに感じ取れる。120W/m2・℃を下回ると、爽やかな清涼感が十分に得られない。
更に、後述する冷却温度が3.0℃以上、好ましくは4.0℃以上達成できることが好ましい。
本発明の繊維製品、例えば肌着を構成する生地に、ポリウレタン弾性繊維を混用し、ストレッチ及びストレッチ回復性が備わると、人の動作に追随し快適性が高まると同時に、体表面に接触しやすくなり、体表面の熱移動の効率を高めることができる。このときの混率は生地重量の3%以上30%以下であることが好ましい。この混率は、適度なフィット性を得るために、3%以上25%以下がより好ましい。3%未満ではフィット性に劣り、肌と生地の間に隙間、すなわち空気層による対流が生じ、接触による熱移動が促されない。30%を超えると衣料用途の場合圧迫され血流を阻害する恐れが有り、血流による熱放熱を損ねてしまう。ポリウレタン弾性繊維の繊度は、熱移動特性、フィット性、快適性の観点から22dtex以上40dtex以下であることが好ましい。
本発明の繊維製品、例えば肌着を構成する生地は天竺、フライス等の丸編、トリコット等の経編など組織に限定されることはないが、丸編の場合は、ベア天竺で構成されることが最も好ましい。シングル編機で編成される天竺は、ダブル編機のそれよりも生地を薄くかつ緻密にすることができるが、フィット性が低く、肌と接触しにくく、乾熱移動特性が充分発揮できない恐れがある。この欠点をポリウレタン弾性繊維のベア挿入で補うことができる。また、肌に接触していると、汗を生じたときに皮膚を熱源として生地の乾燥速度が高まる点でも利点がある。繊維製品、例えば肌着をベア天竺で構成した場合、ニードルループを肌側に配置した方が、シンカーループ側よりも凹凸が少ないため肌触りがよく、また冷感も高まるので好ましい。
経編の場合は、ポリウレタン弾性繊維を用い、経緯の伸縮性を高め、肌に密着できる2wayトリコットで構成されることが好ましい。
本発明の繊維製品、例えば肌着を構成する繊維は、毛羽を有する短繊維よりも毛羽のない長繊維が好ましい。毛羽がないと、空気を抱えこみにくく、反対に毛羽を有すると、そこに空気を抱え込むこととなり、乾熱移動の妨げとなる。長繊維の場合、生地の風合いを柔らかくするため、繊維の繊度が30dtex以上130dtex未満の繊維を選定し編成することが好ましい。30dtex未満では肌着に必要な破裂強度がもたない。また130dtex以上では肌に添う柔らかさが得られない。構成繊維の形状については、肌との摩擦を低減し、ミクロな傷を付けにくく、特に肌着の場合、アウターとの摩擦をも低減する観点から、構成単糸の断面形状は三角や十字等の角のある断面形状よりも、角がない丸や楕円等の断面形状であると好ましい。構成糸の単糸繊度は、細いほど生地が柔らくなることから、単糸繊度4dtex以下であることが好ましい。微細な空気層ができにくくなることから単糸繊度が0.8dtex以上が好ましく、風合いとのバランスを加味すると、1dtex以上3dtex以下であることがより好ましい。繊維の形態は、原糸または加工糸のいずれでもよいが、加工糸の場合、空気層を少なくするため、捲縮が小さい方が好ましい。
本発明の繊維製品、例えば肌着を構成する生地に、再生セルロース繊維以外の繊維を混用する場合は、吸放湿性の観点から、再生セルロース以外の繊維の混率を80%以下、蒸れ感の軽減を実感するためには70%以下、蒸れ感を抑止するためには60%以下にすることが好ましい。更に、再生セルロース繊維とそれ以外の繊維を単独で機上交編するよりも、2種以上の繊維をエア、熱、撚糸装置により一糸条に複合する形態が好ましい。それは繊維固有の収縮差、膨らみ差、捲縮特性差等の差異が、染色仕上後の生地に凹凸をもたらし空気層となり、接触による熱移動、放熱性を低下させるからである。一糸条に複合する方法は、例えば再生セルロース長繊維と、他方にポリアミド系、ポリエステル系、アクリル系等の合成長繊維とを、合撚、インターレース混繊、仮撚後インターレース混繊、インターレース混繊後仮撚、インターレース混繊後追撚および流体撹乱加工による混繊等の手法で複合する方法が挙げられる。
複合の組み合わせとしては、着用快適性と消費性能、生産性の観点からは再生セルロース長繊維とポリエステル系長繊維の複合糸が、また着用快適性、特に吸湿性と曲げ柔らかさの観点からは再生セルロース長繊維とポリアミド系長繊維との複合糸が、汗をすばやく乾かす速乾性の観点からは再生セルロース長繊維とポリエステル系長繊維もしくはアクリル系長繊維との複合糸が好ましい。溶融紡糸系の合成繊維を用いる場合は、未延伸糸(POY)を用いてもよいが、空気層を少なくするため捲縮が小さい糸を選定する方がよい。
構成繊維に短繊維を用いる場合は、風合いを柔らかく、肌との摩擦を軽減するため、単糸繊度が2dtex以下、繊維長が25以上、より好ましくは38mm以上である短繊維を選定するとよい。その素材としては、セルロース系ステープル、ポリエステル系ステープル、アクリル系ステープル、ナイロン系ステープル、もしくはこれらの複合ステープルが挙げられる。いずれも角のない断面形状の繊維が好ましい。このとき、短繊維の太さは40番手から60番手であれば、短繊維であっても生地を柔らかくする傾向がある。この際の構成短繊維の撚数は糸の硬さ、風合いの面から20/inch以上で30/inch以下が好ましい。この短繊維を前述の長繊維と機上で複合することもできるが、摩擦係数を下げるためには、予め精紡交撚の技術で一糸条とし、短繊維の毛羽を長繊維で包み込むようにするとよい。
本発明の繊維製品、例えば肌着を構成する生地の編成には、一般の編み機を用いればよいが、そのゲージは丸編みの場合、28G以上であることが好ましく、32G以上であるとより緻密な編地を編成するためにさらに好ましい。生産性、風合い、物性の観点から60G以下が好ましい。経編の場合も同様に28G以上が好ましく、より好ましくは32G以上である。筬枚数は3枚以下が好ましく、さらに好ましくは2枚である。
本発明の繊維製品、例えば肌着を構成する生地の染色加工は、プレセット、精練、染色、仕上げ加工、ファイナルセットの順で処理を施す。精練及び染色に用いる処理機は、一般に使用される液流染色機などのテンションの小さいものや連続精練機等が好ましい。
染色の前に、晒及び漂白仕上により、白度を高める工程を加えてもよい。染料、染色助剤、仕上加工剤は、一般に市販されている合成繊維及び/又はセルロース繊維の染色に開発されているものを任意に選定できる。染色前に再生セルロース系繊維の染色性改善のためのアルカリ処理や、風合い向上のためのポリエステル系繊維用アルカリ減量加工などの処理を施してもよい。また染浴中で吸水加工剤や柔軟剤を併用したり、ソーピング後にこれらをパディングすることも可能である。柔軟剤の利用は、肌触りや風合いを高めるために有効である。ファイナルセット時は、生地をフラットにする意味で巾出しを行うとよい。更に、生地の平滑加工として、ペーパー、フェルト、プラスト等によるカレンダー処理を行うと、生地の充填密度を高め、乾熱移動を高める効果と、スポーツアンダーや肌着の上に着用されるミドラー、ブラウスシャツ、ワイシャツ等のアウターと、スポーツアンダーや肌着の間の空気(例えば、浸透流や対流空気)の流体抵抗を下げる効果を生み出し、尚いっそう熱水分移動特性向上に貢献する。
本発明の繊維製品、例えば肌着に用いる編地を緻密にするためには、組織にもよるが、例えばベア天竺の場合、染色仕上後のコース数が70以上145以下、ウェル数を40以上85以下になるよう、セットするとよい。コース数が145、ウェル数が85を超えるほどに追い込むと、生地が紙のように硬くなる。フライスならば、同じ理由でコース数、ウェル数が40以上60以下となるよう、セットすると良い。
また、ベア天竺の場合、コース数が70未満、ウェル数が40未満の場合は、生地の目が開き凹凸ができて瞬間熱流束が下がり、空気層が増し放熱性が下がる。フライスならば、同じ理由でコース数、ウェル数が40未満となると好ましくない。
本発明の繊維製品、例えば肌着を構成する生地の目付は特に限定されないが、約100g/m2から約200g/m2が好ましく、さらに好ましくは約120g/m2から約180g/m2である。目付が小さすぎると汗処理機能に劣り、破裂強度が小さく消費性能に問題が生じ、反対に大きすぎると分厚くなりすぎて、放熱性、着用動作性が劣り、外観にも影響を及ぼすことがある。
本発明の繊維製品は、汗処理機能が必要なスポーツアンダー、肌着として用いる際に好適であるが、特に限定されず、布団の側地、シーツ、敷パッド等に代表される寝具用途や、布おむつ、失禁パンツ、生理ショーツや生理用品等に代表される衛生用途にも適用でき、それぞれに高い吸湿・吸水・熱移動特性により快適性を発揮することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。先ず、本発明における各特性の測定方法および評価方法について説明する。
(1)充填密度
下記式により、算出する。
充填密度(g/cm3)=[目付(g/m2)/厚み(mm)]×10-3
但し、目付は、20℃65%RHの標準状態での重さ、厚さは接圧5gf/cm2の荷重を掛けて測定した厚さとする。
(2)吸湿性
測定する生地を10cm角にカットし、送風乾燥機に入れ、80℃1時間で予備乾燥を行う。終了後、乾燥機内で速やかに湿気を通さないチャック付袋に入れ、シリカゲルを敷き詰めたデシケータに入れ、デシケータの蓋をして20℃に冷ます。冷めたところで20℃20%RHに調湿しておいた環境室Aに運び、デシケータの蓋を開け、更に袋を開け、12時間放置する。翌日、生地の重量w0を測定してから、再び湿気を通さないチャック付袋に入れ、封をして20℃90%RHの環境室Bに移す。環境室Bで袋を開けた瞬間から一定の時間ごとに重量を測定する。
時間0の重量はw0とする。測定間隔は、袋開封後1分(w1m)、3分(w3m)、5分(w5m)、10分(w10m)、15分(w20m)、30分(w30m)、1時間(w1h)、2時間(w2h)、3時間(w3h)とする。開封3時間で測定終了とする。
次に、予め重量を測定しておいた秤量瓶を用意する。測定後の生地を秤量瓶に入れ、蓋は被せずにあけておく。送風乾燥機内に入れ、105℃で3時間絶乾を行う。終了後、乾燥機内で速やかに秤量瓶の蓋を被せ、シリカゲルを敷き詰めたデシケータに入れ、デシケータの蓋をして20℃に冷ます。冷めたところで、蓋をした秤量瓶と生地の重量を測定し、秤量瓶の重量を減じて生地絶乾重量wZとする。
20℃×20%RHでの生地の吸湿率=[(w0−wz)/wz]×100(%)
20℃×90%RHへ移行1分後の生地の吸湿率=[(w1m−wz)/wz]×100(%)
20℃×90%RHへ移行3時間後の生地の吸湿率=[(w3h−wz)/wz]×100(%)
吸湿性は開封3時間後の吸湿率と、20%RH調湿時の吸湿率の差から算出する。
吸湿スピード係数は開封1分、3分、5分後の重量から算出した吸湿率と、20%RH調湿時の吸湿率を結んだ近似直線の傾きとする。着用時の蒸れによる不快感は、湿度値よりも湿度変化値に依存することが明らかにされており、初期の吸湿スピードが重要となる。
(3)放熱性
カトーテック社製サーモラボIIを用いて測定する。ドライヒートロスともよばれ、カトーテック社製の測定マニュアルに従う。
予め環境温湿度20℃65%RHに調湿した生地を、所定の断熱材製の枠(厚み2mm、目付163g/m2)に貼り付け、30℃恒温維持させたヒーターに接触させ、ヒーター温を30℃に保つための熱供給量(W/100cm2・10℃)を読む。温度差を1℃当たり、生地面積を1m2に換算する(W/m2・℃)ため、100を掛け、10で除する。生地は肌側面をヒーター面に当たるよう配置する。ここで、生地を置かない場合の放熱性をブランク値として測定すると、20℃65%RHの環境では、12.0〜13.0、断熱材製の枠のみの放熱性は、11.5〜12.5となる。
(4)瞬間熱流束(接触冷感)
カトーテック社製サーモラボIIを用いて測定する。Qmaxともよばれ、カトーテック社製の測定マニュアルに従う。
予め環境温湿度を20℃65%RHに調湿した生地を、肌側面を上に向けて発泡スチロール断熱材上に置き、30℃に温めた熱板兼温度センサーを生地肌側面に接触させ、最大瞬間熱流束量(W/cm2・10℃)を読む。
温度差を1℃当たり、生地面積を1m2に換算する(W/m2・℃)ため、10000を掛け10で除する。
(5)冷却温度
本発明において、「冷却温度」とは、後述するような肌モデルを作製し、ヒーターで一定温度に昇温した後、試料生地と接触させた際の接触前後における温度差のことを言い、生地の熱移動特性を評価するものである。
この評価は、瞬間熱流束値と対応を採るため、標準状態の20℃65%RHの環境下にて行うとよい。冷却温度差で確認すると、熱流束よりも清涼感の優劣が判りやすい。この測定には、非接触の温度センサー(通称サーモグラフィ)を用いる。接触の温度センサーでは、後述の肌モデルと生地の間に温度センサーが挟まれ、正しく測れない上、肌モデルと生地面と両方を同時に捕えられない。サーモグラフィは後述する肌モデルをひっくり返した面と、肌モデルを離した生地面との両方を測定できるよう、視野をやや広めにしておくとよい。
先ず、試験に用いる試料生地はあらかじめカットした断熱材の上にセットしておく。試料生地と断熱材は予め測定環境下に調湿しておき、生地は9cm角に、断熱材(厚み2cmの発泡スチロールが好ましい)も9cm角にそれぞれカットしておく。カットした断熱材の上に、生地を置く。このとき、生地の四方を虫ピンで断熱材の上に固定すると、その後の測定値安定性が高まり好ましい。生地は肌側を上面にすると実着用での差を反映できる。生地が(1)の測定に用いた厚さ計で0.7mm以下と薄い場合は、2枚ないし3枚を重ねて虫ピンでとめると、より一層素材の性能差を明らかにすることができる。厚地の場合は1枚でよい。
続いて、温度測定用の肌モデルを用意する。肌モデルとしては、底面の半径が2cmである500gfの校正用分銅の下面に、厚さ1mm以上、より好ましくは1.2mm以上の革を、下面と同じ大きさに切り貼り付けたものを用いる。革は厚さの関係から、牛が好ましい。また牛革の表面は平滑で、なめしてあるものが良い。例えば、カトーテック製KES−SEで標準規格布綿「かなきん3号」を用いて摩擦係数を測定すると、MIU=0.20〜0.25になるような比較的滑らかなものが良い。このときの測定条件は、荷重25gf摩擦子25gfの合計50gf、感度H、移動速度が標準条件の1mm/secである。皮革素材自体の瞬間熱流束は、230W/m2・℃以上260W/m2・℃以下のものであることがよい。
革と校正用分銅の色は放射も考慮して黒に統一するのが良い。
革と校正用分銅の間には厚み2mmの断熱材を挟みこむ。これらの接着には薄いセロハン(登録商標)タイプ両面テープを用いるとよい。
続いて恒温機能のある温熱ヒーターを用意する。このヒーター面上には1〜2mmの薄い銅板等、熱伝導性が非常に高い金属を敷くと、ヒーター面の温度の安定化が図れるため好ましい。40℃±2℃に設定した温熱ヒーター面上(好ましくはヒーター面上においた銅板の上)に、肌モデルをのせて約3分間温める。このとき肌モデルの表面温度が33〜37℃程度に温まることを、革面が上に向くように分銅をひっくり返すことで確認しておく。肌モデルの表面温度が37℃を越える場合はヒーターを1℃下げる。また、表面温度が33℃を下回る場合は、ヒーターを1℃上げる等で調整する。環境温度と肌モデルの表面温度は15℃以上、好ましくは20℃の差があるとよい。これ以上の温度差をもたらすべく、ヒーター温度を上げたとしても、肌モデル表面温度が実際の体表面温度である体温以上に高まることになり、実着用を反映せず測定の意義が無い。次に、ヒーター上の肌モデルを、前述の生地の上に素早く載せかえる。載せかえて10秒後、革面が上に向くようにひっくり返すと、肌モデルの温度低下と共に、生地表面の放熱のしやすさが非接触で捉えられる。このデータは1秒間に10フレーム程度の間隔で保存し、後に瞬間的な温度変化の解析を行うと精度が高い。
例えばヒーターを42℃に設定した場合、この肌モデルの温度低下は、熱流束値が120(W/m2・℃)であれば3℃に、140(W/m2・℃)であれば4℃に、160(W/m2・℃)以上であれば5℃となる。
3℃以上下げる効果があると、生地に触ったときにひんやり感を実感できる。
(6)官能試験A
着用モニター(身長170cm±10cmの男性、年齢19−32才)を10人選定し、そのモニター各人に明細を伏せて試作肌着を着用させ、9月に官能試験を行った。
1日1枚、毎日同時刻に実験を開始し、28℃40%RHの予備試験室にて20分間座位で安静にさせた後、上下着替えの後(上衣は試作肌着に綿65%ポリエステル35%のYシャツ、下衣は、綿60%ポリエステル35%ポリウレタン5%のブリーフ、綿100%のチノパン、綿55%ポリエステル30%ナイロン約8%ポリウレタン約7%の靴下に統一)、30℃40%RHの試験室に移動させた。10分間座位で安静、続いて8km/時間に設定されたトレッドミルで10分間運動させ、その後10分間座位で安静にして試験終了とした。
着用初期の冷感並びに着用中の放熱性および蒸れ感を下記の5段階で官能評価させ、最頻値を評価結果とした。
<冷感及び放熱性の評価>
5:冷感(放熱性)が高い
4:冷感(放熱性)がやや高い
3:どちらとも言えない
2:冷感(放熱性)がやや低い
1:冷感(放熱性)が低い
<蒸れ感の評価>
5:蒸れを感じにくい
4:蒸れをあまり感じない
3:どちらとも言えない
2:蒸れをやや感じる
1:蒸れを感じる
(7)官能試験B
着用モニター(身長170cm±10cmの男性、年齢19−32才)を10人選定し、そのモニター各人に明細を伏せて試作生地による長袖スポーツアンダーを着用させ、9月に官能試験を行った。
1日1枚、毎日同時刻に実験を開始し、28℃40%RHの予備試験室にて20分間座位で安静にさせた後、上下着替えの後(上衣は試作アンダーシャツ、ポリエステル100%の半袖ポロシャツの順、下衣は綿60%ポリエステル35%ポリウレタン5%のブリーフ、上衣と同じ試作生地による9分丈スパッツ、ポリエステル100%の短パンの順、靴下は綿55%ポリエステル30%ナイロン約8%ポリウレタン約7%に統一して着用)、30℃40%RHの試験室に移動させた。10分間座位で安静、続いて8km/時間に設定されたトレッドミルで10分間運動させ、その後10分間座位で安静にして試験終了とした。続いて、28℃40%RHの予備室に移動し、更に10分間安静にした。
着用初期の冷感、着用中の放熱性および蒸れ感、並びに着用後の汗の乾きやすさ、冷え感について下記の5段階で官能評価させ、最頻値を評価結果とした。
<冷感及び放熱性の評価>
5:冷感(放熱性)が高い
4:冷感(放熱性)がやや高い
3:どちらとも言えない
2:冷感(放熱性)がやや低い
1:冷感(放熱性)が低い
<蒸れ感の評価>
5:蒸れを感じにくい
4:蒸れをあまり感じない
3:どちらとも言えない
2:蒸れをやや感じる
1:蒸れを感じる
<汗の乾きやすさの評価>
5:汗が大変乾きやすく、且つ肌に残らない、冷えも全く感じない
4:汗が乾き、肌に殆ど残らず、冷えも感じにくい
3:どちらとも言えない
2:汗がやや乾きにくく、肌に僅か残り、冷えも若干感じる
1:汗が大変乾きにくく、肌に残り、冷えを感じる
(8)官能試験C
試作生地による夏用肌掛け、敷き布団カバーを作成した。
着用モニター(身長170cm±10cmの男性、年齢19−32才)を10人選定し、そのモニター各人に夏用肌掛け、該カバーをつけた敷き布団を与え、明細を伏せて、9月に官能試験を行った。
1日1枚、毎日同時刻に実験を開始し、28℃40%RHの予備試験室にて20分間座位で安静にさせた後、上下着替えの後(綿100%のパジャマ、綿60%ポリエステル35%ポリウレタン5%のブリーフ着用)、28℃60%RHの試験室に移動させた。試験室内の簡易ベッドにカバーをつけた敷き布団を用意し、仰向けに寝させ、夏用肌掛けを被らせて30分間安静させ、初期の冷感および使用中の放熱性及び蒸れ感について下記の5段階で官能評価させ、最頻値を評価結果とした。
<冷感及び放熱性の評価>
5:冷感(放熱性)が高い
4:冷感(放熱性)がやや高い
3:どちらとも言えない
2:冷感(放熱性)がやや低い
1:冷感(放熱性)が低い
<蒸れ感の評価>
5:蒸れを感じにくい
4:蒸れをあまり感じない
3:どちらとも言えない
2:蒸れをやや感じる
1:蒸れを感じる
[実施例1]
84dtex45fのキュプラブライトフィラメントと22dtex3fのポリウレタン弾性繊維(登録商標ロイカ)を積極送り装置を用いて32Gシングル丸編機上で複合し、キュプラ混率91%、ポリウレタン弾性繊維混率9%のベア天竺を得た。この生地をプレセットした後、液流染色機を用いて精練、染色し、ファイナルセット後にコース数が86、ウェール数が51の生地1を得た。この生地の温熱特性は表1に示す通り、優れていた。続いてニードルループ側を肌に触れる面になるよう縫製して肌着(上半身用)とし、官能試験Aの方法でモニターに官能検査を行わせた。評価結果を表1に示す。冷感および放熱性が高く、蒸れを感じにくいと判定された。
[実施例2]
56dtex30fのキュプラフルダルフィラメントと44dtex24fのポリエステルセミダルフィラメントとを公知の方法でインターレース混繊を行った後、撚糸機で1000回/m追撚し、複合加工糸を得た。得られた複合加工糸は、キュプラの混率が55%、ポリエステルの混率が45%となった。この糸と22dtex3fのポリウレタン弾性繊維(登録商標ロイカ)を積極送り装置を用いて、32Gシングル丸編機上で複合し、キュプラ混率51.6%、ポリエステル混率40.6%、ポリウレタン弾性繊維混率7.8%のベア天竺を得た。この生地をプレセットした後、液流染色機を用いて精練、染色し、ファイナルセット後にコース数が84、ウェール数が43の生地2を得た。この生地の温熱特性は表1に示す通り、優れていた。続いてニードルループ側を肌に触れる面になるよう縫製して肌着(上半身用)とし、官能試験Aの方法でモニターに官能検査を行わせた。評価結果を表1に示す。冷感および放熱性が高く、蒸れを感じにくいと判定された。
[実施例3]
実施例1で得た生地を、シンカーループ側を肌に触れる面とし、温熱特性を測定した。結果は実施例1より僅かながら劣るが、表1に示す通り、優れていた。続いて、シンカーループ側を肌に触れる面になるよう縫製して肌着(上半身用)とし、官能試験Aの方法でモニターに官能検査を行わせた。評価結果を表1に示す。実施例1より僅かながら劣るが、冷感および放熱性が高く、蒸れを感じにくいと判定された。
[実施例4]
25dtex24fの扁平断面ナイロン66のPOYを公知の方法で仮撚加工して得た仮撚フィラメントと、33dtex24fのキュプラブライトフィラメントとを公知の方法でインターレース混繊を行い、複合加工糸を得た。得られた複合加工糸はキュプラの混率59.5%、ナイロンの混率40.5%となった。この複合糸と22dtex3fのポリウレタン弾性繊維(登録商標ロイカ)とを積極送り装置を用いて、46Gシングル丸編機上で複合し、キュプラ混率52%、ナイロン混率35%、ポリウレタン弾性繊維混率13%のベア天竺を得た。この生地をプレセットした後、液流染色機を用いて精練、染色し、ファイナルセット後にコース数が122、ウェール数が70の生地4を得た。この生地の温熱特性は表1に示す通り、優れていた。続いてニードルループ側を肌に触れる面になるよう縫製して肌着(上半身用)とし、官能試験Aの方法でモニターに官能検査を行わせた。評価結果を表1に示す。冷感および放熱性が高く、蒸れを感じにくいと判定された。
[実施例5]
84dtex45fのキュプラブライトフィラメントを用いて、32G小寸丸編機によりキュプラ混率100%のフライスを得た。この生地を液流染色機で精練、染色し、ファイナルセット後にコース数が42、ウェール数が45の生地5を得た。この生地の温熱特性は表1に示す通り、優れていた。続いて編成時内側を肌に触れる面になるよう縫製して肌着(上半身用)とし、官能試験Aの方法でモニターに官能検査を行わせた。評価結果を表1に示す。冷感および放熱性が高く、蒸れを感じにくいと判定された。
[実施例6]
84dtex54fのキュプラフルダルフィラメントと33dtex12fのポリエステルフィラメントを公知の方法でインターレース混繊を行った後、撚糸機で300回/m追撚し、複合加工糸を得た。得られた複合加工糸は、キュプラの混率72%、ポリエステルの混率28%となった。この複合糸を用いて、32G小寸丸編機によりキュプラ混率71%、ポリエステル混率29%のフライスを得た。この生地を液流染色機により精練、染色し、ファイナルセット後にコース数が55、ウェール数40の生地6を得た。この生地の温熱特性は表1に示す通り、優れていた。続いて編成時内側を肌に触れる面になるよう縫製して肌着(上半身用)とし、官能試験Aの方法でモニターに官能検査を行わせた。評価結果を表1に示す。冷感および放熱性が高く、蒸れを感じにくいと判定された。
[実施例7]
84dtex54fのキュプラフルダルフィラメントと33dtex12fのポリエステルフィラメントを公知の方法でインターレース混繊を行った後、撚糸機で300回/m追撚し、複合加工糸を得た。得られた複合加工糸は、キュプラの混率72%、ポリエステルの混率28%となった。この複合加工糸と22dtex3fのポリウレタン弾性繊維(登録商標ロイカ)とを積極送り装置を用いて、28Gシングル丸編機上で複合し、キュプラ混率67%、ポリエステル混率26%、ポリウレタン弾性繊維混率7%のベア天竺を得た。この生地をプレセットした後、液流染色機を用いて精練、染色し、ファイナルセット後にコース数が71、ウェール数が42の生地7を得た。この生地の温熱特性は表1に示す通り、優れていた。続いてニードルループ側を肌に触れる面になるよう縫製して肌着(上半身用)とし、官能試験Aの方法でモニターに官能検査を行わせた。評価結果を表1に示す。冷感および放熱性が高く、蒸れを感じにくいと判定された。
[実施例8]
84dtex54fのキュプラフルダルフィラメントと33dtex12fのナイロンフィラメントを公知の方法でインターレース混繊を行った後、撚糸機で300回/m追撚し、複合加工糸を得た。得られた複合加工糸は、キュプラの混率72%、ナイロンの混率28%となった。この複合加工糸と22dtex3fのポリウレタン弾性繊維(登録商標ロイカ)とを積極送り装置を用いて、28Gシングル丸編機上で複合し、キュプラ混率67%、ナイロン混率26%、ポリウレタン弾性繊維混率7%のベア天竺を得た。この生地をプレセットした後、液流染色機を用いて精練、染色し、ファイナルセット後にコース数が77、ウェール数が43の生地8を得た。この生地の温熱特性は表1に示す通り、優れていた。続いてニードルループ側を肌に触れる面になるよう縫製して肌着(上半身用)とし、官能試験Aの方法でモニターに官能検査を行わせた。評価結果を表1に示す。冷感および放熱性が高く、蒸れを感じにくいと判定された。
[比較例1]
33dtex24fのキュプラブライトフィラメントと84dtex36fのポリエステルW型断面フィラメントを公知の方法でインターレース仮撚を行って複合糸を得た。この複合糸はキュプラの混率28%、ポリエステルの混率72%であった。この複合糸と50/−のコーマ綿とを28G小寸丸編み機上で交編し、キュプラの混率14%、ポリエステルの混率37%、綿の混率49%のフライスを得た。この生地を液流染色機にて精練、染色し、ファイナルセット後にコース数が48、ウェール数が38の生地9を得た。この生地は再生セルロース繊維の混率がやや少なく、吸湿性および吸湿スピードと緻密さとに劣り、空気層による断熱効果で温熱特性は表1に示す通り、芳しくなかった。続いてシンカーループ側を肌に触れる面になるよう縫製して肌着(上半身用)とし、官能試験Aの方法でモニターに官能検査を行わせた。評価結果を表1に示す。冷感および放熱性が芳しくなく、蒸れをやや感じたと判定された。
[比較例2]
100dtex72fの丸断面ナイロン66を公知の方法で仮撚加工して得たナイロン66仮撚フィラメントと、22dtex3fのポリウレタン弾性繊維とを積極送り装置を用いて、28Gシングル丸編機上で複合し、ナイロン混率91%、ポリウレタン弾性繊維混率9%のベア天竺を得た。この生地をプレセットした後、液流染色機を用いて精練、染色し、ファイナルセット後にコース数が72、ウェール数が44の生地10を得た。この生地は再生セルロース繊維が混用されておらず、吸湿性と吸湿スピードに劣り、温熱特性は表1に示す通り、芳しくなかった。続いてシンカーループ側を肌に触れる面になるよう縫製して肌着(上半身用)とし、官能試験Aの方法でモニターに官能検査を行わせた。評価結果を表1に示す。冷感および放熱性が芳しくなく、蒸れをやや感じたと判定された。
[比較例3]
比較例2で得た生地を、ニードルループ側を肌に触れる面とし、温熱特性を測定した。結果は比較例1より僅かながら高かったが、表1に示す通り、芳しくないものであった。続いて、ニードルループ側を肌に触れる面になるよう縫製して肌着(上半身用)とし、官能試験Aの方法でモニターに官能検査を行わせた。評価結果を表1に示す。比較例1同様、ここでも冷感および放熱性が芳しくなく、蒸れをやや感じたと判定された。
[比較例4]
50/−のコーマ綿と22dtex3fのポリウレタン弾性繊維とを積極送り装置を用いて、28Gシングル丸編機上で複合し、綿混率90%、ポリウレタン弾性繊維混率10%のベア天竺を得た。この生地をプレセットした後、液流染色機を用いて精練、染色し、ファイナルセット後にコース数が72、ウェール数が42の生地11を得た。この生地は再生セルロース繊維が混用されておらず、吸湿性と吸湿スピードにやや劣り、短繊維使いにより緻密さが得られず空気層が多く、その断熱効果で温熱特性は表1に示す通り、芳しくなかった。続いてニードルループ側を肌に触れる面になるよう縫製して肌着(上半身用)とし、官能試験Aの方法でモニターに官能検査を行わせた。評価結果を表1に示す。冷感および放熱性が芳しくなく、蒸れをやや感じたと判定された。
[比較例5]
84dtex45fキュプラブライトフィラメントと56dtex72fの丸断面ポリエステルを公知の方法でインターレース混繊仮撚を行って複合糸を得た。この複合糸はキュプラの混率60%、ポリエステルの混率40%であった。この複合糸と、50dtex36fの偏平断面および56tex36fの丸型断面のポリエステルフィラメントを合撚して得た106dtex66fのポリエステル撚糸と、22dtex3fのポリウレタン弾性繊維とを積極送り装置を用いて(半口使い)、28Gシングル丸編機上で複合し、キュプラ混率25%、ポリエステル混率70%、ポリウレタン弾性繊維混率5%のベア天竺を得た。この生地をプレセットした後、液流染色機を用いて精練、染色し、ファイナルセット後にコース数が50、ウェール数が45の生地12を得た。この生地は充填密度が0.260g/cm3未満であり、やや吸湿性と吸湿スピードに劣り、また生地のセット時に引っ張りすぎたため編目に空気層ができ、温熱特性は表1に示す通りとなった。続いてシンカーループ側を肌に触れる面になるよう縫製して肌着(上半身用)とし、官能試験Aの方法でモニターに官能検査を行わせた。評価結果を表1に示す。冷感が芳しくなく、蒸れをやや感じたと判定された。
Figure 0006162995
[実施例9]
実施例4で得た生地4を用いて、シンカーループ側を肌に触れる面になるように長袖スポーツアンダー、スパッツを縫製し、官能試験Bの方法でモニターに官能検査を行わせた。評価結果を表2に示す。冷感および放熱性が高く、蒸れ、汗の残り、冷えを感じにくいと判定された。
[実施例10]
実施例7で得た生地7で、ニードルループ側を肌に触れる面になるよう夏用肌掛け、敷き布団カバーを作成した。官能試験Cの方法でモニターに官能試験を行わせた結果を表3に示す。冷感および放熱性が高く、蒸れを感じにくいと判定された。
[比較例6]
110dtexfの丸断面ポリエステルを公知の方法で仮撚加工して得た仮撚フィラメントと、33dtex3fのポリウレタン弾性繊維とを積極送り装置を用いて、28Gシングル丸編機上で複合し、ポリエステル混率90%、ポリウレタン弾性繊維混率10%のベア天竺を得た。この生地をプレセットした後、液流染色機を用いて精練、染色し、ファイナルセット後にコース数が62、ウェール数が44の生地13を得た。この生地は再生セルロース繊維が混用されておらず、吸湿性と吸湿スピードに劣り、温熱特性は表2に示す通り、芳しくなかった。続いてシンカーループ側を肌に触れる面になるよう縫製した長袖スポーツアンダー、スパッツを着用させ、官能試験Bの方法でモニターに官能検査を行わせた。評価結果を表2に示す。冷感および放熱性が芳しくなく、蒸れ、吸水性能も不足して肌の汗の残りも多く、繊維表面に付着した液層が原因による冷えも感じやすいと判定された。
[比較例7]
長袖スポーツアンダー、スパッツを着用させずに、ブリーフとスポーツウェア上下のみにて、官能試験Bの方法でモニターに官能検査を行わせた。評価結果を表2に示す。スポーツアンダーを着ないと、冷感および放熱性が低く、汗が有効に発散されずに蒸れてしまい、更に肌の汗の残りも非常に多く、安静時冷えを感じると判定された。
[比較例8]
比較例6で得た生地13で、ニードルループ側を肌に触れる面になるよう夏用肌掛け、敷き布団カバーを作成した。官能試験Cの方法でモニターに官能試験を行わせた結果を表3に示す。冷感および放熱性が低く、蒸れを感じやすいと判定された。
Figure 0006162995
Figure 0006162995
本発明の繊維製品、例えば肌着は、着用時の接触による熱移動、熱伝導性を高めつつ、衣服内温度上昇を抑制すると同時に、不感蒸泄を効果的に吸湿して衣服内湿度上昇も抑制することにより、着用当初から脱衣まで快適と感じられる時間が長い夏用肌着を提供することができる。本発明の肌着は、着用しないよりもむしろ着用したほうが、温熱生理学的に快適性が高い。

Claims (5)

  1. 再生セルロース繊維が20重量%以上混用され、生地を構成する再生セルロース繊維の単糸繊度が0.8dtex以上4dtex以下である編地からなる繊維製品であって、該生地の充填密度が0.260g/cm3以上0.500g/cm3以下であり該生地の少なくとも片面の放熱性値が10W/m2・℃以上であり、かつ、該生地の少なくとも片面の瞬間熱流束値が120W/m 2 ・℃以上である生地からなる繊維製品。
  2. 生地の吸湿性が5%以上である請求項1に記載の繊維製品。
  3. ポリウレタン弾性繊維が生地重量の3%以上30%以下混用された請求項1又は2に項に記載の繊維製品。
  4. 前記編地がベア天竺組織である請求項1〜のいずれか一項に記載の繊維製品。
  5. 肌着として用いられる請求項1〜のいずれか一項に記載の繊維製品。
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