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JP6902856B2 - 裏地付きズボンの製造方法 - Google Patents

裏地付きズボンの製造方法 Download PDF

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JP6902856B2 JP2016226746A JP2016226746A JP6902856B2 JP 6902856 B2 JP6902856 B2 JP 6902856B2 JP 2016226746 A JP2016226746 A JP 2016226746A JP 2016226746 A JP2016226746 A JP 2016226746A JP 6902856 B2 JP6902856 B2 JP 6902856B2
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Description

本発明は、清涼機能、汗処理機能に優れ、着心地を高めた裏地付きズボンの製造方法に関する。
春夏用男性用ズボン、女性用ズボンは、暑いと感じた時も都度脱ぐことができないため、清涼機能が重要である。そこで、できるだけ表地を薄くしたり、裏地をメッシュ調にしたり、裏地を付けない仕様にするなど、清涼性を高めようと工夫がされている。しかし、表地が薄すぎて透けてしまう、破れてしまうなどの問題点や、裏地をメッシュにすることで、むしろ含気量が増え、断熱効果となる、裏地が付かないことによって、接触熱伝導性、及び吸湿・吸水といった汗処理性(以下、併せて熱水分移動特性ともいう。)が劣り、結果として温熱生理学的に清涼性が低下する、という問題がある。
以下の特許文献1には、経糸及び緯糸の一方にポリエステル系繊維からなる仮撚未解撚糸を、他方にポリエルテル系繊維からなる沸水処理後の捲縮率40%以上のサイドバイサイド型の捲縮糸を用いた織物が開示されている。しかしながら、該織物では、しゃり感による清涼感と滑り性を付与することで肌へのベタツキが改善されているものの、ポリエステル繊維で構成されていることから、裏地の熱水分移動特性、含気量に考慮が無く、清涼性に問題がある。
また、以下の特許文献2には、経糸にセルロース系長繊維、緯糸にポリエステル系長繊維の仮撚糸を用いた裏地用織物が、また、以下の特許文献3には、夏用のズボンの前身にメッシュ又はネット調のひざ裏生地を配置して収納部を作り、折畳み収納に際しては折畳んだままで収納部に収納し、持ち運びに際して型崩れがないズボンが開示されているが、いずれも裏地通気抵抗、表地通気抵抗との関係、裏地の熱水分移動特性に考慮が無く、清涼性が充分発現できていない。
以下の特許文献4には、夏用スーツ上下の裏地として、メッシュ裏地が開示されており、ズボンにおいては、該メッシュ裏地と織物裏地を縫合し、膝の滑り感を損なわない膝裏としての縫製方法が開示されているものの、いずれの裏地も、裏地の通気抵抗と表地の通気抵抗との関係、裏地の熱水分移動特性に考慮が無く、ズボンとしての清涼性が充分発現できていない。
特許第4584762号公報 国際公開第99/31309号 実用新案登録第3102317号公報 特開2007−231490号公報
本発明は、夏用ズボンの裏地の通気抵抗、表地の通気抵抗とこれらの相対関係、裏地の熱水分移動特性や含気量を最適値とすることで、温熱生理学的にも官能においても、清涼性を高めることができる、裏地付きズボンを提供することである。
発明者は、鋭意検討し実験を重ねた結果、以下の要件を満たすことで、温熱生理学的にも、官能的にも、清涼性を高めた裏地付きズボンを提供することができることを見出した。本発明者は、裏地の通気抵抗を小さくし、且つ、裏地の通気抵抗を表地の通気抵抗よりも低く(小さく)することで、皮膚から裏地へ、裏地から表地へ、更に表地から外環境へ、と水分移行性を高めることができること、また、最内層の裏地素材に熱伝導性や吸湿性が高いものを選択することが重要であること、同時に断熱に寄与する含気量を増やさないために、裏地の空隙率と厚みから算出される空隙指数を適正範囲にし、皮膚と裏地間の熱水分をより効果的に移行させることが必要であること、更には、ヒトの温熱生理メカニズムに着目し、裏地の配置部位として、ズボンの前身部分、特に、鼠蹊部や大腿前上部は熱放散効果が優れており、最適であることを見出した。本発明者は、かかる知見に基づき本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、下記の通りのものである。
[1] 通気抵抗値RSの表地の少なくとも一部に、接触冷感値Qmax(W/m・℃)が120以上であり、吸湿率M(%)が6.0以上であり、通気抵抗値RL(kPa・s/m)がRS未満、かつ、0.1以下であり、そして空隙指数Vが、1.0以上3.0以下である裏地を固定する工程を含む、裏地付きズボンの製造方法。
]前記裏地が、前記表地の面積の30%以上を占める、前記[1]に記載の方法。
]前記裏地が、ズボンの前身面積の50%以上を占める、前記[]に記載の方法。
]前記裏地が、脚の両鼠蹊部から膝までの部分に配置されている、前記[1]〜[]のいずれかに記載の方法。
]前記裏地が、再生セルロース長繊維を含む、前記[1]〜[]のいずれかに記載の方法。
[6]通気抵抗値RSの表地の少なくとも一部に、接触冷感値Qmax(W/m ・℃)が120以上、吸湿率M(%)が6.0以上、通気抵抗値RL(kPa・s/m)がRS未満、かつ、0.1以下である裏地を、前当て又は後ろ当て仕様で、固定する工程を含み、該工程において、表地を中表にして、両脇を縫い、裏地を外表にし、表地を中表にして縫製した縫い代に、表地の縫い目よりも外側に重ねるように縫い、最終的には裏地を一番上に三枚重ねてひっくり返しにする方法で、裏地の表側を最内層としたズボンに縫い仕上げる、裏地付きズボンの製造方法。
本発明に係る裏地付きズボンは、裏地素材や物性だけではなく、裏地と表地の関係、裏地の配置方法を適切にすることにより、温熱生理学的にも官能的にも清涼性が高められたものである。具体的には、空隙を与えつつ、含気量は可能な限り抑制し、接触による熱伝導とズボン内の熱水分移行性を高めることから、下肢、特に、大腿前上部の皮膚温上昇、発汗量上昇を抑え、結果としてズボン内温湿度上昇を抑制することができる。温熱生理学的にも、特に、下肢は熱放散効率が高い部位であることから、この衣服内環境を適切にすることで、全身の皮膚温上昇、発汗量上昇を抑制することができ、結果的に官能においても清涼性を実感することができる。
総裏仕様のレディス用ズボン型紙例を示す。 前当て仕様のメンズ用ズボンの型紙例を示す。
以下、本発明の実施形態の概要を説明する。
本実施形態のズボンは、使用する裏地の物性、表地との関係、さらには、配置方法に特徴がある。裏地素材や物性については、ズボン着用時、大腿と接触する都度、熱伝導により人体産熱を有効に移行させる機能が重要で、熱移動特性が高い素材を選定するとよい。具体的には、裏地の接触冷感値Qmax値は、120W/m・℃以上、好ましくは140以上、更に好ましくは160以上である。同時に、皮膚からの不感蒸泄を吸収し、蒸れ感を抑制するために吸湿性の高い素材を選定し、この吸湿率M値は、6%以上である。また、長時間着用における衣服内の湿度上昇も抑制するために、水蒸気移行性を考慮し、ズボンの最内層である裏地の通気抵抗RL値が0.1kPa・s/m以下、且つ裏地の通気抵抗RLを表地の通気抵抗RSよりも低く(小さく)する、すなわちRL<RSとなるよう表地裏地を選定する。
前記熱水分移動特性を達成するために、裏地の含気量を考慮した空隙指数Vが目安となり、二次元的な空隙率から算出した空隙面積と厚みの乗算値からとらえられる。この空隙指数Vは1.0以上3.0以下であることが好ましい。また、本実施形態のズボンの裏地は、表地の面積の30%以上を占め、表地の前身面積の50%以上を占め、配置部位として、熱放散特性が高い下肢、特に、大腿前上部の鼠蹊部から膝までの部分に配置されることが好ましい。
以下、本実施形態の裏地付きズボンに用いる裏地について説明する。
裏地のQmax値を120以上にするために、毛羽を有する短繊維よりも毛羽の少ない短繊維、更には毛羽のない長繊維が好ましい。毛羽が多いと熱移動の妨げとなる。従って、短繊維を用いる場合、単糸繊度が2dtex以下、繊維長が25mm以上、より好ましくは38mm以上である、比較的繊維長が長い短繊維を選定するとよい。短繊維の太さは40番手から60番手(綿番手)、より好ましくは50番手から60番手である。撚数は糸の硬さ、風合いの面から20/inch〜30/inchが好ましい。以下の式:
撚り係数Ks(sは短繊維を示す)=撚数(T/inch)/綿番手^0.5
で計算される撚り係数Ksは3〜4であることが好ましい。
長繊維を用いる場合、ヤーンの繊度が30dtex以上130dtex以下の繊維を選定することが好ましい。30dtex以上130tex以下にすることで、耐摩擦、引裂き等の強度物性と、柔らかさ等の風合い特性とのバランスを保つことができる。30dtex未満では摩擦や引き裂き強度に劣り、他方、130dtexを超えると、風合いが硬くなる。単繊維の断面形状については、皮膚とアウターとの摩擦を低減する観点から、三角や十字等の角のある形状よりも、丸や楕円等が好ましい。単糸繊度は、細いほど生地が柔らかくなることから、4dtex以下であることが好ましい。構成糸条の形態は、単一素材でも二種以上素材を予め複合しても、機上で複合してもよいが、表面の平滑性が低い仮撚加工糸、エア交絡糸よりは、平滑性が高く充填度の高い原糸、撚糸が好ましい。また、繊維内水分率が高い素材は熱伝導性が高いため好適である。素材としては、例えば、セルロース系繊維では、天然繊維の綿、麻、再生セルロース繊維のビスコースレーヨン、銅アンモニウムレーヨン、精製セルロース、半合成繊維のアセテート、合成繊維のナイロン、ポリエステル等が挙げられる。中でも繊維内水分率が高いことから熱伝導性が高い、再生セルロース繊維が最も好ましい。ポリマー中に熱伝導性が高い金属酸化物等を練り込むと、熱伝導性をより高めることができる。
裏地の吸湿性を達成するためにも、前述のセルロース系繊維を含むことが好ましい。ポリマー中の疎水基を、吸湿性を示す親水基で改質するのもよい。
中でも繊維内水分率が高い再生セルロース繊維が最も好ましい。セルロース系繊維の混率は、裏地重量の30%以上であることが好ましく、40%以上、更には50%以上であると吸湿性が高まり好ましい。セルロース系繊維が30%未満になると、吸湿性が不足し、蒸れを感じやすくなる。
裏地の通気抵抗RLについては、0.1を超えると水蒸気移行性が乏しく、素材の吸湿性のみでは蒸れ感を抑制できない。また、裏地の通気抵抗RLが表地の通気抵抗RSよりも高いと、最内層の水蒸気が効果的に排出されず、水蒸気が留まりやすくなる。従って、RLが0.1以下、且つ、RL<RSを満たすことが好ましい。裏地の通気抵抗を下げる定法法としては、構成糸条の密度を下げる他に、長繊維の場合、構成糸条を収束させ、糸に撚り又は捲縮を加える、短繊維の場合、撚り係数を高めに設定する等がある。
他方、空隙を過剰に与えると、通気抵抗は大きく下がるものの、含気量が多く断熱効果が高まり、接触による熱移動が作用しにくくなる。従って、熱伝導性と水蒸気移行性を両立するためには、空隙指数をコントロールすることが重要である。
布帛の空隙率は、一般的にカバーファクター(繊維占有率)から算出する等、二次元でとらえるのが定法であったが、本発明者は含気量を考慮した空隙指数Vが重要であり、三次元、つまり二次元的な空隙率から算出される空隙面積と厚みの乗算値でとらえられることを明らかにした。この空隙指数Vは前述の通り、熱伝導性と水蒸気移行性の両立のため1.0以上3.0以下であることが好ましい。3.0を超えると、水蒸気移行性は達成しても、含気量が多く断熱効果が高まる。他方、1.0を下回ると、含気量が少ないため断熱効果は低減できるが、水蒸気移行性が達成できない。
通気抵抗を0.1以下、且つ、空隙指数Vを1.0以上3.0以下にコントロールするためには、構成糸条の密度と形態、(空隙率につながる)に加えて、厚み(空隙率に乗算し、空隙指数となる単位を記載する)を考慮する必要がある。通気抵抗を下げるため、単に糸条を収束させると、糸条収束による厚み増は空隙量も増大させることから、厚み増は必要最小限に留める必要がある。同時に、構成糸条自体の含気量も低減することが望ましい。
したがって、構成糸として短繊維を用いる場合、繊維毛羽が可能な限り少なく、比較的繊維長が長い繊維糸条を選定するとよい。中でも、単糸繊度が2dtex以下、繊維長が25mm以上、より好ましくは38mm以上の短繊維で、太さは50番手から60番手、撚係数Ksを3〜4に設定することが好ましい。撚係数Ksが3〜4であれば、より収束しやすく、含気量を抑制することができる。
構成糸として長繊維を用いると、短繊維よりも相対的に糸条内の含気量が少ないのでより好ましい。合成繊維の仮撚加工糸を用いることもできるが、この場合、糸条のトータル繊度を130dtex以下、より好ましくは84dtex以下、さらに好ましくは56dtex以下とし、且つ、嵩高にならないよう、仮撚数、ヒーター温度、糸速等を調整し、捲縮伸長率(JIS−L−1090合成繊維嵩高加工糸試験方法、5.7伸縮法B法に基づく)を20%以下とした低捲縮糸を選定するのがよい。捲縮伸長率は5%〜10%が最も好ましい。二種以上の糸条を予めエア交絡した後、追撚する方法を用いると、より一層含気量を抑制できるため、なおよい。
撚糸は含気量抑制において好ましく、単一素材による撚糸、二種以上の糸条を合撚して得た合撚糸でもよいが、以下の式:
撚り係数Kf(fは長繊維を示す)=撚数(T/)×繊度^0.5
で計算される撚り係数Kfを4500〜20000、より好ましくは5000〜18000に設定すると、より収束しやすく、含気量を抑制できる。
撚糸作製時は、撚り止めセット条件温度を高く、時間を長めに設定するとよい。好ましい条件は、セット温度70℃〜90℃、セット時間は一回なら40〜60分、二回なら20分〜30分、セルロース系繊維は、セット温度は80℃〜90℃と高めに設定することが好ましい。セット時間は二回実施することが好ましい。機上で原糸と撚糸、原糸と仮撚加工糸と、仮撚加工糸と撚糸を併用することも可能であるが、糸条内の含気量が少ない、撚糸と撚糸の組み合わせが最もよい。仮撚加工糸よりも仮撚追撚、撚糸、更には強撚の方が、糸条内の含気量が低減できるため好ましい。
空隙指数Vを減ずるために、裏地の厚みを小さくすることが好ましく、そのためには前述の糸条製造技術の他に、裏地の最終仕上げ工程にてコールドカレンダーやホットカレンダー等を併用し、厚みを5%〜20%程度、更に好ましくは10%〜15%低減するとなおよい。空隙量を減じる効果だけではなく、平滑にすることで、接触冷感性、熱伝導性を高めることができる。
裏地を構成する素材例として、セルロース系繊維では、天然繊維の綿、麻、再生セルロース繊維のビスコースレーヨン、銅アンモニウムレーヨン、精製セルロース、半合成繊維のアセテート、合成繊維のナイロン、ポリエステル等が挙げられる。構成糸条は、単一素材でも二種以上素材でもよく、糸条で複合しても、機上で複合しても、一本交互等の複合使用でもよい。中でもセルロース系繊維は、繊維内水分率が高いことから熱伝導性が高く、更にはカレンダー工程後にテカリやギラツキ、熱融着が生じにくいため合成繊維よりも好ましく、中でも、再生セルロース繊維を30重量%以上、より好ましくは40重量%以上含むとよい。再生セルロース繊維が、長繊維糸条であれば糸条内の含気量も抑制できるため、なおよい。
本実施形態のズボンに用いる裏地の配置については、総裏仕様、前当て使用、後ろ当て仕様でもよいが、総裏仕様は表地のチクチク感や表地縫代の摩擦を防ぐことができるうえ、下肢全体の不感蒸泄を処理することができるためより好ましい。前当てか後ろ当て、いずれかの部分仕様とする場合は、ズボンの前身部分に裏地を配置する前当て仕様に縫製することが好ましい。その理由は、歩くたびに皮膚と接触し、熱交換効率が高くなるためである。ヒトにおいて熱放散特性が高いと知られる下肢のうち、特に大腿前上部の鼠蹊部から膝までの部分が、その効率は高い。したがって、下肢の動脈に近い鼠蹊部を中心に鼠蹊部から膝までの間に裏地を配置することが好ましい。裏地の丈については、膝動作性向上の観点から、膝下までの長さがあることが好ましい。膝下まであれば、歩行や座位等の動作時においても、効果的に大腿部と接触することができる。裏地の面積が、表地の面積の20%以上、より好ましくは30%以上を占め、且つ表地の前身面積の40%以上、より好ましくは50%以上を占めることが好ましい。裏地は表地の少なくとも一部に固定されていればよく、裏地の隅全てが表地と固定されていてもよい。
表地への裏地の固定方法は、縫製に限定されるものではないが、縫製であることができる。裏地の縫製方法については、縫製部位強度保持の面から、4針ないしは5針/1cmのピッチで、本縫いにて縫うことが好ましい。前当てか後ろ当て、いずれかの部分使用とする場合、表地の縫い代ができるだけ皮膚に当たらないようにするためには、表地を中表にして、両脇を縫い、裏地を外表にし、表地を中表にして縫製した縫い代に、表地の縫い目よりも外側に重ねるように縫い、最終的には裏地を一番上に三枚重ねてひっくり返しにする方法(この縫製方法をA法とする)で、裏地の表側を最内層としたズボンに縫い仕上げることができる。この方法で縫うと、ズボン脇部のパッカリングを防ぐことができ、縫い目が美しいズボンとなる。何故なら、表地と裏地を縫い込む通常の縫い方(定法)では、縫製コストは削減できるが、厚みや伸度の違う表地と裏地を縫い合わせると、厚みや伸度差によりパッカリングが、更には伸度差により動作時の伸び不足感が、伴うことがあり、着用感を悪化させる場合がある。
本実施形態のズボンは、熱水分移動特性が高い裏地を用いることから、下肢、特に、大腿前上部の皮膚温上昇、発汗量上昇を抑制し、結果としてズボン内温湿度上昇を抑制することができ、その機能を発現させるために、裏地の通気抵抗RLに対して小さい通気抵抗を有する表地を選定すればよい。これにより、裏地がつかないよりもついた方が温熱生理学的にも官能に置いても清涼性を高めることができる。
本実施形態のズボンに用いる裏地は、目付が50g/m以上100g/m以下が好ましく、50g/m以上85g/m以下であることがより好ましく、60g/m以上80g/m以下が更に好ましい。100g/mを超えると厚ぼったく、他方、50g/m未満になると物性に不安がある。
組織は、特に限定はなく、通常の織機を用いて製造することができる。織物の組織としては、平織、綾織、朱子織、その変化組織等が挙げられる。
製織後の後加工は、精練、プレセット、染色、仕上げ加工の順で行うとよいが、この限りではない。精練は、一般的なオープンソーパー型の拡布連続精練機が好ましく用いられる。精練時の温度は40℃〜90℃の範囲で、乾燥温度は100℃〜195℃の範囲で適宜選定すればよい。
プレセットは、ピンテンター型の処理機にて150℃〜195℃の範囲で適宜選定すればよい。また、セット幅は、精練・乾燥後の幅から適宜選定すればよい。
染色は、液流染色法やビーム染色法、拡布連続型のコールドパッドバッチ染色法、パッドスチーム染色方法でもよく、上記染色方法を組み合わせてもよい。また、染色工程を削減するために原着糸を使用してもよい。
仕上げ加工は、拡布状態で行うことが好ましく、セルロース系繊維使用の場合は、防縮や防皺を目的として、ノンホルマリン系樹脂加工を施すとよい。この場合、樹脂加工剤に加えて柔軟剤、撥水剤やスリップ防止剤を適宜添加しても構わない。前述のカレンダー加工については、厚み低減、平滑性、接触冷感性を高めるために好ましく用いられ、ホットカレンダー加工の場合は、平滑性、接触冷感性向上効果が一層高まる。
好ましいカレンダー条件は、カレンダーの材質や裏地を構成する糸条形態にもよるが、例えば、ペーパーカレンダーの場合、300N/cm〜1500N/cm(約30kg/cm〜150kg/cm)であると、厚みが、カレンダー前後で5%〜20%、望ましくは10%〜15%薄くする目安となる。ホットカレンダーの場合、温度は80℃〜110℃、より好ましくは90℃〜100℃がテカリ等が生じにくくなるので好ましい。
本実施形態の裏地付きズボンは、裏地の通気抵抗、表地の通気抵抗とこれらの相対関係、裏地の熱水分移動特性や含気量を最適な範囲にしており、温熱生理学的にも、官能的にも、清涼性を高めることができる。更に裏地を、温熱生理メカニズムを考慮し効果的に配置することで、より清涼性の高い裏地付きズボンを提供することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。まず、実施例で用いた測定方法及び評価方法について説明する。
(1)性量
20℃×65%RHの環境に保たれた恒温室にて布帛を一昼夜保管した後、同じく恒温室内で測定した。
経糸・緯糸密度(inchあたりの本数):デンシメーターで計測
目付(g/m):精密電子天秤
厚み(μm):JIS1096規格に準拠した厚み計により測定、例えば、ピーコック 定圧厚み計 FFA10、接圧:2.4N/cm
(2)接触冷感値Qmax
同恒温室内で、カトーテック社製KES−F7 サーモラボIIを用い、最大熱移動量(Qmax値)、環境温度20℃、湿度65%RH、接触圧力98cN/cm、接触面積9cm(3cm×3cm)を測定した。断熱材として、発泡スチロールを用いた。測定回数はN=5とし、その平均値を得た。
(3)吸湿率M(裏地吸湿率)
80℃の送風乾燥機で1時間予備乾燥をし、次いで、20℃×65%RHの恒温室にて布帛を一昼夜保管した後、同じく恒温室内で布帛重量を測定した。測定回数はN=5とし、その平均値を得た。
(4)通気抵抗R(裏地RL、表地RS)
同恒温室内で、カトーテック社製KES−F8通気抵抗測定器を用い、表地(RS)、裏地(RL)の通気抵抗を測定した。測定回数は測定箇所を変え、N=5とし、その平均値を得た。
(5)空隙指数V
走査型電子顕微鏡(50倍〜100倍が好ましい)で裏地表面写真を5箇所撮影、画像解析装置の二値化法により、繊維糸条の面積占有率(%)を求め、平均値を得、この値から空隙率(%)を算出した(空隙率=100−面積占有率)。空隙率と厚み(mm)を乗算し、空隙指数を算出した。
(6)裏地面積占有率(%)
CADを用いた画像処理により、表地の型紙と裏地の型紙の面積比から、裏地の面積占有率を算出した。面積計算には、ポケット布や、天狗布、ベルト布は除いて計算した。図1に、総裏仕様の例を、図2に、前当て仕様の例(裏地短め、裏地通常)を示す。
以下、実施例で用いたズボンの着用試験方法について説明する。
(7)着用官能試験
被験者は身長170〜175cm、体重60〜70kgの健全な男性10名を選定した。下半身は、後述するズボンの下に綿100%のブリーフ、綿、ポリエステル混の靴下、上半身は、肌着として綿60%、キュプラ20%、ポリエステル20%フライス(グンゼ社製YG−X)、半袖シャツとして、綿65%、ポリエステル35%混紡を供試した。いずれの被験者にも、ノーネクタイとし、シャツ第一ボタンをはめずに着用させた。
30℃×50%RHの環境にて、まずは裏地なしの綿100%ズボン着用の状態で15分坐位安静にさせた。続いて、試作のズボンを1種ずつランダムに着用(乱数表使用)、以下の指定動作をさせ、1着ごと官能評価を実施した。回答は、SD法による以下の5段階評定とし、その平均値を示した。平均値が3.4以上であると好ましい。
[指定動作]
脚曲げ伸ばし繰り返し5回−座り、立ち繰り返し5回、ズボン脱衣して綿100%ズボン着用し5分安静後、次のズボン着用試験へ移行
[清涼感評価(清涼性)]
5:非常に清涼
4:清涼
3:どちらともいえない
2:やや暑い
1:非常に暑い
(8)着用生理試験
被験者は身長170〜175cm、体重60〜70kgの健全な男性5名を選定した。各被験者共にサーカディアンリズムを考慮し、摂食コントロールのもとで1日1着の実験を行った。
下半身は、ズボンの下に綿100%のブリーフ、綿、ポリエステル混の靴下、上半身は、肌着として綿60%、キュプラ20%、ポリエステル20%フライス(グンゼ社製YG−X)、半袖シャツとして、綿65%、ポリエステル35%混紡を供試した。いずれの被験者にも、ノーネクタイとし、シャツ第一ボタンをはめずに着用させた。
32℃×50%RHの環境にて、試作ズボン着用の状態で30分間坐位安静後、時速5kmにて10分間トレッドミル上で歩行させ、終了後10分座位安静にさせた。着用試験中は、安静開始から歩行後安静終了まで10秒ごとの平均皮膚温を得た。皮膚温は5人分のデータを時間軸に平均した後、測定開始から終了までの区間平均値を得た。平均皮膚温は、皮膚温度センサー(グラム社製LT−2N−12)を被験者の右胸、上腕、大腿、下腿、ラマナサンの4点法に従い貼り付けて採取した。歩行後安静時に、各ズボンの清涼性についての官能評価を実施した。回答は、SD法による以下の5段階評定とし、その平均値を示した。平均値が3.4以上であると好ましい。
[清涼感評価(歩行後清涼性)]
5:非常に清涼
4:清涼
3:どちらともいえない
2:やや暑い
1:非常に暑い
[裏地付きズボン試作]
各種表地と裏地を用いた、ズボンをJIS標準サイズA6にて縫製した。裏地の縫製時には、織機上の経糸方向が胴体経方向になるように縫製した。
[ウール/ポリエステル混紡表地X]
経糸2/72、緯糸2/72のウールとポリエステルの混紡糸のトップ染めを経て紡績糸を得、仕上げ密度が経64本/inch、緯55本/inch、通気抵抗値が0.083Kpa・s/mの平織表地Xを用意した。
[ウール表地Y]
経糸2/60、緯糸2/60のウール紡績糸を得、定法の染色加工の後、仕上げ密度が経62本/inch、緯48本/inch、通気抵抗が0.100Kpa・s/mの平織表地Yを用意した。
続いて、この表地Xと表地Yを用いて、下記実施例、比較例中に詳細を示す裏地を用いて、紳士用ズボンを16着作製した。表地Xによるズボンは、実施例1〜8、比較例1〜7の15種、表地Yによるズボンは、実施例9の1種である。尚、比較例5として、裏地無しも用意した。
裏地の構成、物性、配置場所、面積占有率及び着用試験結果を以下の表1−1、1−2に示す。
[実施例1、5、6]
経糸用にキュプラアンモニウムレーヨン(旭化成(製)ベンベルグ)56dtex/45fを、処理温度85℃、処理時間20分を二回、撚り止めセットを実施し、1000回/mのS撚糸を得た。続いて、緯糸用にベンベルグ84dtex/45fを、処理温度85℃、処理時間20分を二回、撚り止めセットを実施し、1825回/m、SZ撚糸を得た。これらをエアージェットルーム織機により、平織物を得た後、染色加工工程1により裏地1を得た。
<染色加工工程1>
連続精練−プレセット−パッドスチーム染色・ソーピング・乾燥−柔軟樹脂加工−ホットペーパーカレンダー(温度90℃、1000N/cm)−検査
裏地の厚みはカレンダー前後で0.147mmから0.128mmに13%変化した。
この裏地を、実施例1については、図に例示したような前当て仕様、KL(ニーライン)よりも20cm下(前当て通常長さ)としてズボンをA法により縫製した。裏地面積は表地面積対比42%、表地前身対比84%であった。実施例5については、図に例示したような総裏仕様としてズボンを縫製した。裏地面積は表地面積対比90%であった。
実施例6については、図に例示したような前当て仕様、KLよりも15cm下(前当て短め)としてズボンをA法により縫製した。裏地面積は表地面積対比36%、表地前身対比72%であった。
[実施例2]
経糸用にポリエステル56dtex/24fを処理温度80℃、処理時間30分で撚り止めセットを実施し、600回/mのS撚糸を得た。緯糸用にビスコースレーヨン84dtex45fを、処理温度80℃、処理時間40分で撚り止めセットを実施し、1825回/mのSZ撚糸を得た。これらを用いてエアージェットルーム織機により、平織物を得た後、染色加工工程2により裏地2を得た。
<染色加工工程2>
連続精練−プレセット−液流染色・ソーピング−乾燥−パッドスチーム染色・ソーピング−乾燥−樹脂加工−コールドペーパーカレンダー(温度常温、1000N/cm)−検査
裏地の厚みはカレンダー前後で0.154mmから0.140mmに10%変化した。
この裏地を、実施例2については、図に例示したような前当て仕様、KL(ニーライン)よりも20cm下(前当て通常長さ)としてズボンをA法により縫製した。裏地面積は表地面積対比42%、表地前身対比84%であった。
参考例3]
経糸用にキュプラアンモニウムレーヨン(旭化成(製)ベンベルグ)56dtex/45fを、処理温度70℃、処理時間20分を二回、撚り止めセットを実施し、1000回/mのS撚糸を得た。続いて、緯糸用にベンベルグ84dtex/45fを、処理温度70℃、処理時間20分を二回、撚り止めセットを実施し、1825回/mのSZ撚糸を得た。これらを用いてエアージェットルーム織機により、平織物を得た後、染色加工工程1により裏地3を得た。
裏地の厚みはカレンダー前後で0.146mmから0.133に10%変化した。
この裏地を、実施例3については、図2に例示したような前当て仕様、KL(ニーライン)よりも20cm下(前当て通常長さ)としてズボンをA法により縫製した。裏地面積は表地面積対比42%、表地前身対比84%であった。
[実施例4]
経糸用にキュプラアンモニウムレーヨン(旭化成(製)ベンベルグ)84dtex/45fを、処理温度70℃、処理時間40分で撚り止めセットを実施し、600回/mのS撚糸を得た。続いて、緯糸用にベンベルグ84dtex/45fを、処理温度70℃、処理時間40分で撚り止めセットを実施し、600回/mのSZ撚糸を得た。これら用いてをエアージェットルーム織機により、平織物を得た後、染色加工工程3により裏地4を得た。
裏地の厚みはカレンダー前後で0.154mmから0.140mmに10%変化した。
<染色加工工程3>
連続精練−プレセット−パッドスチーム染色・ソーピング・乾燥−柔軟樹脂加工−コールドペーパーカレンダー(温度常温、1000N/cm)−検査
この裏地を、実施例4については、図に例示したような前当て仕様、KL(ニーライン)よりも20cm下(前当て通常長さ)としてズボンをA法により縫製した。裏地面積は表地面積対比42%、表地前身対比84%であった。
[実施例7]
経糸用にキュプラアンモニウムレーヨン(旭化成(製)ベンベルグ)56dtex/45fを、処理温度85℃、処理時間20分を二回、撚り止めセットを実施し、1000回/mのS撚糸を得た。続いて、緯糸用にベンベルグ84dtex/45fを、処理温度85℃、処理時間20分を二回、撚り止めセットを実施し、1825回/m、SZ撚糸を得た。これらをエアージェットルーム織機により、平織物を得た後、染色加工工程3により裏地5を得た。
裏地の厚みはカレンダー前後で0.140mmから0.128mmに10%変化した。
この裏地を、実施例7については、図に例示したような前当て仕様、KL(ニーライン)よりも20cm下(前当て通常長さ)としてズボンをA法により縫製した。裏地面積は表地面積対比42%、表地前身対比84%であった。
[参考例8]
経糸用にキュプラアンモニウムレーヨン(旭化成(製)ベンベルグ)56dtex/45fを、処理温度70℃、処理時間20分を二回、撚り止めセットを実施し、1000回/mのS撚糸を得た。続いて、緯糸用にベンベルグ84dtex/45fを、処理温度70℃、処理時間20分を二回、撚り止めセットを実施し、1825回/mのSZ撚糸を得た。これらを用いてエアージェットルーム織機により、平織物を得た後、染色加工工程3により裏地6を得た。
裏地の厚みはカレンダー前後で0.147mmから0.137mmに7%変化した。
この裏地を、実施例8については、図2に例示したような前当て仕様、KL(ニーライン)よりも20cm下(前当て通常長さ)としてズボンをA法により縫製した。裏地面積は表地面積対比42%、表地前身対比84%であった。
[実施例9]
経緯糸に、キュプラアンモニウムレーヨン(旭化成(製)ベンベルグ)短繊維60/−(単糸1.4dtex、繊維長38mm、Ks=3.8)を用いて、エアージェットルーム織機により平織物を得た後、染色加工工程3により裏地7を得た。
裏地の厚みはカレンダー前後で0.176mmから0.160mmに10%変化した。
この裏地を、実施例9については、図に例示したような前当て仕様、KL(ニーライン)よりも20cm下(前当て通常長さ)としてズボンをA法により縫製した。裏地面積は表地面積対比42%、表地前身対比84%であった。
[比較例1、6]
経緯糸に、ポリエステルの融着延伸仮撚加工糸100dtex/36fを用いて、ウォータージェットルーム織機により平織物を得た後、染色加工工程4により裏地8を得た。ここで融着延伸仮撚加工糸とは、糸長方向に加撚時の撚り状態を保持している部分(いわゆる「未解撚部分」)と、解撚作用が集中して形成された解撚と同一方向の撚りとなっている過剰解撚部分とを有している糸である。
<染色加工工程4>
連続精練−プレセット−液流染色・ソーピング−乾燥−仕上げ加工−検査
この裏地を、比較例1については、図に例示したような総裏仕様としてズボンを縫製した。裏地面積は表地面積対比90%であった。比較例6については、図に例示したような前当て仕様、KL(ニーライン)よりも20cm下(前当て通常長さ)としてズボンを常法により縫製した。裏地面積は表地面積対比42%、表地前身対比84%であった。
[比較例2]
経糸にポリエステル56dtex/36f、緯糸にポリエステル84dtex/36fを用いて、ウォータージェットルーム織機により平織物を得た後、染色加工工程4により裏地9を得た。
この裏地を、比較例2については、図に例示したような前当て仕様、KL(ニーライン)よりも20cm下(前当て通常長さ)としてズボンを定法により縫製した。裏地面積は表地面積対比42%、表地前身対比84%であった。
[比較例3]
経糸にキュプラアンモニウムレーヨン(旭化成(製)ベンベルグ)84dtex/45f、緯糸に同110dtex/75fを用いて、エアージェットルーム織機により、平織物を得た後、染色加工工程3により裏地10を得た。
裏地の厚みはカレンダー前後で0.104mmから0.100mmに4%変化した。
この裏地を、比較例3については、図に例示したような前当て仕様、KL(ニーライン)よりも20cm下(前当て通常長さ)としてズボンを定法により縫製した。裏地面積は表地面積対比42%、表地前身対比84%であった。
[比較例4]
経緯糸に、キュプラアンモニウムレーヨン(旭化成(製)ベンベルグ)短繊維60/−(単糸1.4dtex、繊維長38mm、Ks=3.8)を用いて、エアージェットルーム織機により平織物を得た後、染色加工工程3により裏地9を得た。
裏地の厚みはカレンダー前後で0.176mmから0.160mmに10%変化した。
この裏地を、比較例4については、図に例示したような前当て仕様、KL(ニーライン)よりも20cm下(前当て通常長さ)としてズボンを定法により縫製した。裏地面積は表地面積対比42%、表地前身対比84%であった。
[比較例5]
表地Xを用いて、裏地無しのズボンを縫製した。
[比較例7]
経緯糸に、キュプラアンモニウムレーヨン(旭化成(製)ベンベルグ)短繊維60/−(単糸1.4dtex、繊維長38mm、Ks=3.3)を用いて、エアージェットルーム織機により平織物を得た後、染色加工工程3により裏地11を得た。
裏地の厚みは0.172mmから0.165mmに4%変化した。
この裏地を、比較例7については、図に例示したような前当て仕様、KL(ニーライン)よりも20cm下(前当て通常長さ)としてズボンを定法により縫製した。裏地面積は表地面積対比42%、表地前身対比84%であった。
Figure 0006902856
Figure 0006902856
本発明に係る裏地付きズボンは、裏地素材や性量、熱移動特性、物理特性だけではなく、裏地と表地の通気性の関係、裏地の配置方法、ズボンの縫製方法を適切にすることにより、裏地がつかないよりも、温熱生理学的にも官能的にも快適で、清涼性を高めることができる。

Claims (6)

  1. 通気抵抗値RSの表地の少なくとも一部に、接触冷感値Qmax(W/m・℃)が120以上であり、吸湿率M(%)が6.0以上であり、通気抵抗値RL(kPa・s/m)がRS未満、かつ、0.1以下であり、そして空隙指数Vが、1.0以上3.0以下である裏地を固定する工程を含む、裏地付きズボンの製造方法。
  2. 前記裏地が、前記表地の面積の30%以上を占める、請求項1記載の方法。
  3. 前記裏地が、ズボンの前身面積の50%以上を占める、請求項に記載の方法。
  4. 前記裏地が、脚の両鼠蹊部から膝までの部分に配置されている、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記裏地が、再生セルロース長繊維を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  6. 通気抵抗値RSの表地の少なくとも一部に、接触冷感値Qmax(W/m ・℃)が120以上、吸湿率M(%)が6.0以上、通気抵抗値RL(kPa・s/m)がRS未満、かつ、0.1以下である裏地を、前当て又は後ろ当て仕様で、固定する工程を含み、該工程において、表地を中表にして、両脇を縫い、裏地を外表にし、表地を中表にして縫製した縫い代に、表地の縫い目よりも外側に重ねるように縫い、最終的には裏地を一番上に三枚重ねてひっくり返しにする方法で、裏地の表側を最内層としたズボンに縫い仕上げる、裏地付きズボンの製造方法
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