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JP5737948B2 - ヘテロ接合電界効果トランジスタ、ヘテロ接合電界トランジスタの製造方法、および電子装置 - Google Patents

ヘテロ接合電界効果トランジスタ、ヘテロ接合電界トランジスタの製造方法、および電子装置 Download PDF

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JP5737948B2
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Description

本発明は、ヘテロ接合電界効果トランジスタ、ヘテロ接合電界トランジスタの製造方法、および電子装置に関する。
昨今、GaN系ヘテロ接合電界効果トランジスタでは、アクセス抵抗、オン抵抗等の低減のために、オーミック電極下の半導体構造(例えば、AlGaN/GaN構造)に、Si等のドーパントをイオン注入し、選択的にn型層を形成することが試みられている。
図19の断面図に、この種のGaN系ヘテロ接合電界効果トランジスタ(通称、HEMT:High Electron Mobility Transistor)の構造の一例を概略的に示す。図示の通り、このHEMT100は、基板101上に、バッファ層(図示せず)を介してGaN電子走行層102が形成されており、電子走行層102上面にAlGaN電子供給層103がヘテロ接合されている。電子走行層102は、電子供給層103よりも小さなバンドギャップを有する。電子供給層103上は、ゲート電極106、ソース電極107Aおよびドレイン電極107Bが形成され、ソース電極107Aおよびドレイン電極107Bは、ゲート電極106を挟むように配置されている。電子走行層102の上部および電子供給層におけるソース電極107Aの下方の部分は、n型不純物注入領域105Aを形成している。同様に、電子走行層102の上部および電子供給層におけるドレイン電極107Bの下方の部分は、n型不純物注入領域105Bを形成している。このHEMT100がオン状態のとき、電子供給層103および電子走行層102のヘテロ接合界面およびその近傍に2次元電子ガス層110のチャネルが形成され、この2次元電子ガス層110に電流が流れる。このようなGaN系HEMTに関する先行技術文献としては、例えば、特許文献1(特開2007−335768号公報)が挙げられる。
特開2007−335768号公報
特許文献1の記載によれば、図19に示す構造のHEMTは、抵抗が低減されていることが、理論式等により示されている。しかしながら、より高性能なHEMTのために、アクセス抵抗、オン抵抗等をさらに低減させることが求められる。
そこで、本発明の目的は、アクセス抵抗、オン抵抗等が低いヘテロ接合電界効果トランジスタ、ヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法、および電子装置を提供することである。
前記目的を達成するために、本発明のヘテロ接合電界効果トランジスタは、
基板上に、III族窒化物半導体により電子走行層が形成され、前記電子走行層の上面に、III族窒化物半導体から形成された電子供給層がヘテロ接合され、前記電子供給層上に、ゲート電極、ソース電極およびドレイン電極が配置され、
前記ソース電極および前記ドレイン電極の下方の少なくとも一部に、前記電子走行層上部から前記電子供給層上面まで達するn型導電層領域を備え、
前記n型導電層領域の前記電子走行層部分において、前記電子供給層とのヘテロ接合界面が、n型不純物を1×1020cm−3以上の濃度で含むことを特徴とする。
また、本発明のヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法は、
基板上に、III族窒化物半導体により電子走行層を形成する電子走行層形成工程と、
前記電子走行層上面に、III族窒化物半導体をヘテロ接合させて電子供給層を形成する電子供給層形成工程と、
前記電子走行層の上部および前記電子供給層において、ソース電極形成予定領域およびドレイン電極形成予定領域の少なくとも一部に、n型不純物イオンを、前記電子走行層上部における前記電子供給層とのヘテロ接合界面で1×1020cm−3以上の濃度となるようにドーピングし、アニール処理により活性化してn型導電層領域を形成するn型導電層領域形成工程と、
前記ソース電極形成予定領域上にソース電極を形成するソース電極形成工程と、
前記ドレイン電極形成予定領域上にドレイン電極を形成するドレイン電極形成工程と、
前記ソース電極形成予定領域および前記ドレイン電極形成予定領域の間の領域上にゲート電極を形成するゲート電極形成工程とを含むことを特徴とする。
さらに、本発明の電子装置は、前記本発明のヘテロ接合電界効果トランジスタ、または前記本発明の製造方法により製造されるヘテロ接合電界効果トランジスタを含むことを特徴とする。
本発明によれば、アクセス抵抗、オン抵抗等が低いヘテロ接合電界効果トランジスタ、ヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法、および電子装置を提供することが可能である。
本発明に係る第1の実施形態の一製造工程を例示する断面図である。 第1の実施形態のGaN系HEMTの断面構造を概略的に例示する図である。 本発明に係る第2の実施形態の一製造工程を例示する断面図である。 第2の実施形態のGaN系HEMTの断面構造を概略的に例示する図である。 本発明に係る第3の実施形態の一製造工程を例示する断面図である。 第3の実施形態のGaN系HEMTの断面構造を概略的に例示する図である。 本発明に係る第4の実施形態の一製造工程を例示する断面図である。 第4の実施形態のGaN系HEMTの断面構造を概略的に例示する図である。 エピ構造の一例を概略的に示す図である。 図9に示したエピ構造のバンド構造の計算結果を例示するグラフである。 (A)、(B)、(C)は、3種類のヘテロ接合構造を概略的に例示する断面図である。 ドーズ量およびドナー不純物(n型不純物)濃度の変化の様子を例示するグラフである。 イオン注入濃度とイオン化ドナー不純物濃度との関係を例示するグラフである。 2DEGとn層との接続抵抗について、n型不純物濃度との関係を例示するグラフである。 実効ドーズ量(Effective Dose Amount)と接続抵抗との相関関係を例示するグラフである。 ドナー不純物濃度(体積密度)と接続抵抗との相関関係を例示するグラフである。 試料の伝導帯下端エネルギーを深さ方向でプロットしたグラフである。 接続抵抗低減のメカニズムを説明する横方向エネルギーバンドを例示する図である。 GaN系HEMTの断面構造の一例を概略的に例示する図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、以下の実施形態は例示であって、本発明はこれらに限定されない。また、断面図において、各部の寸法比等は、説明の便宜のため、実物とは異なる。
[第1の実施形態]
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1の断面図に、本実施形態に係るヘテロ接合電界効果トランジスタ(通称、HEMT:High Electron Mobility Transistor)の製造工程の一部を示す。また、図2の断面図に、本実施形態のHEMT1の断面構造を概略的に示す。
図2に示すとおり、このHEMT1は、基板10の上に、III族窒化物半導体により電子走行層11が形成され、この電子走行層11の上面に、III族窒化物半導体から形成された電子供給層12がヘテロ接合されている。電子走行層11は、バッファ層(図示せず)を介して基板10の上に形成されていてもよい。なお、本発明において、「上に」は、特に断らない限り、他の構成要素を介さずに上面に直接接触した状態でも良いし、間に他の構成要素が存在していても良い。「下に」も同様とする。また、「上面に」は、他の構成要素を介さずに上面に直接接触した状態とする。「下面に」も同様とする。電子供給層12は、電子走行層11よりも大きなバンドギャップを有している。この電子供給層12上には、ゲート電極14、ソース電極15Aおよびドレイン電極15Bが配置されている。
ソース電極15Aおよびドレイン電極15Bは、ゲート電極14を挟むように配置されている。さらに、ソース電極15Aの下方に、電子走行層11上部から電子供給層12上面まで達するn型導電層領域(n型不純物注入領域)13Aが形成され、ドレイン電極15Bの下方に、電子走行層11上部から電子供給層12上面まで達するn型導電層領域(n型不純物注入領域)13Bが形成されている。n型導電層領域(n型不純物注入領域)13Aおよび13Bは、それぞれ、n型不純物を1×1020cm−3以上の濃度で含む。電子走行層11上部において、電子供給層12とのヘテロ接合界面近傍には、後述するように2次元電子ガス層18が形成されている。n型導電層領域13Aおよび13Bは、電子供給層12の上面から、2次元電子ガス層18に達する深さにまで形成されている。このHEMT1がオン状態のとき、電子走行層11において、電子供給層12とのヘテロ接合界面およびその近傍に、2次元電子ガス層18のチャネル領域が形成される。2次元電子ガス層18のチャネル領域は、n型導電層領域13A、13B間を電気的に接続し、前記チャネル領域を電流が流れることが可能である。
HEMT1は、例えばピエゾ効果、自発分極効果等により、電子走行層11と電子供給層12とのヘテロ接合界面およびその近傍での2次元電子ガスの発生が可能である。電子走行層11がGaN(窒化ガリウム)から形成され、電子供給層12がAlGaN(窒化アルミニウムガリウム)により形成されている場合、例えば、自発分極およびピエゾ分極により、そのヘテロ接合界面に正の空間固定電荷が発生する。そして、前記空間固定電荷に電子が引き寄せられ、2次元電子ガス層18を形成する。電子走行層11と電子供給層12は、それぞれの電子親和力(電子を伝導帯下端Eから真空準位Evacまで励起するのに必要なエネルギー)をχ11、χ12としたとき、χ11>χ12であり、電子走行層11と電子供給層12との間のヘテロ接合界面では、伝導帯下端のエネルギー不連続ΔEc=|χ11−χ12|が生じる。このΔEのエネルギー不連続に起因して、このヘテロ接合界面の電子走行層11側に電子蓄積層である低次元電子ガス層18が形成され、これがチャネルを形成する。このような、電子走行層11と電子供給層12の組み合わせとして、例えば、Ga面成長(あるいはAl面成長)のGaN系エピタキシャル層の組み合わせ(具体的には、GaN層とAlGaN層の組み合わせ、またはInGaN層とAlGaN層の組み合わせ)が挙げられる。なお、電子供給層12にn型不純物を導入することにより、当該ヘテロ接合界面およびその近傍に2次元電子ガス層18を形成することも可能である。
本実施形態では、n型導電層領域13Aおよび13Bは高濃度のn型領域である。したがって、電子走行層11のうちのゲート電極14の下方のチャネル領域と一方のn型導電層領域13Aとの接続部P1の接続抵抗は低く、当該チャネル領域と他方のn型導電層領域13Bとの接続部P2の接続抵抗も低い。ここで、接続部P1,P2は、n型導電層領域13Aおよび13Bと、2次元電子ガス層18との境界部分である。2次元電子ガス層18は、例えば、電子走行層11および電子供給層12におけるゲート電極14下方の、n型不純物が注入されていないヘテロ接合界面を含む。
なお、本発明のHEMTにおいて、前記n型導電層領域は、前記電子走行層の上部および前記電子供給層において、前記ソース電極および前記ドレイン電極の下方の少なくとも一部に形成されている。前記電子走行層の上部において、前記n型導電層領域は、特に制限されないが、前記2次元電子ガス層に達する深さであることが好ましく、前記2次元電子ガス層の最下部まで達する深さであることが好ましい。前記2次元電子ガスは、前記電子走行層において、前記電子供給層とのヘテロ接合界面近傍に集中するので、例えば、前記n型導電層領域が前記へテロ接合界面を含んでいれば良い。前記電子走行層の上部において、前記n型導電層領域は、好ましくは、前記へテロ接合界面からの深さが10nm以上、より好ましくは20nm以上、さらに好ましくは30nm以上である。
本発明者らは、図19のようなGaN系HEMTにおいて、アクセス抵抗、オン抵抗等がデバイス動作上無視できない大きさになるという問題に着目し、実験等による検証の結果、前記問題の要因を解明した。その要因とは、n型不純物注入領域105Aおよび105Bと、2次元電子ガス(2DEG)層110のうちゲート電極106の下方の領域(チャネルが形成されるべき領域)との接続部R1、R2における電気抵抗(接続抵抗)が高いことである。この接続抵抗(コンタクト抵抗)は、HEMT100のアクセス抵抗、オン抵抗等を増加させる。詳しくは後述する。
特に、ノーマリーオフ特性のエンハンスメント・モードで動作するヘテロ接合電界効果トランジスタの場合、選択的にn型層を形成して接続部R1、R2での接続抵抗を低減することによって素子のアクセス抵抗、オン抵抗等を低減できると考えられる。また、例えば、SiCパワーデバイスに対して、オン抵抗の低さで特性上凌駕するGaN系HEMTを実現するために、前記接続抵抗を低減することが有効と考えられる。この観点から、本発明者らは、鋭意検討を重ね、本発明に到達したのである。
なお、本発明のHEMTにおいて、「オン抵抗」は、HEMTオン時(ソース電極とドレイン電極との間の電圧印加時)における、ソース電極とドレイン電極との間の電気抵抗を言う。「アクセス抵抗」は、ソース電極またはドレイン電極と2次元電子ガスとの間の電気抵抗を言う。「コンタクト抵抗」は、直接接触する2つの部分の間の抵抗を言い、例えば、「オーミック・コンタクト抵抗」は、オーミック電極(ソース電極またはドレイン電極)が電子供給層と直接接触している場合に、前記オーミック電極と前記電子供給層との間の電気抵抗を言う。
前記の通り、本発明のヘテロ接合電界効果トランジスタ(HEMT)は、前記ソース電極および前記ドレイン電極の下方の少なくとも一部に、前記電子走行層上部から前記電子供給層上面まで達するn型導電層領域を備え、前記n型導電層領域の前記電子走行層部分において、前記電子供給層とのヘテロ接合界面が、n型不純物を1×1020cm−3以上の濃度で含む。本発明のHEMTは、このように、前記へテロ接合界面のn型不純物濃度がきわめて高濃度である。このため、前記ヘテロ接合界面では、前記n型導電層領域とそれ以外の部分との接続部においても、n型不純物濃度が高濃度である。これにより、例えば、前記接続部における伝導帯ポテンシャルが低下するため、前記接続部におけるポテンシャル障壁の高さが低下し、前記接続部が低抵抗化する。前記接続部が低抵抗化すれば、ひいては、アクセス抵抗、オン抵抗等の低減が可能となる。
なお、前記n型導電層領域において、n型不純物濃度の分布は、特に制限されないが、例えば、後述の図12のように、深さの関数となる。深さの基準は、特に制限されず、例えば、図12のように、電子供給層表面からの深さで表しても良い。また、前記n型導電層領域の前記電子走行層部分において、前記電子供給層とのヘテロ接合界面近傍におけるn型不純物濃度すなわちn型不純物の体積密度は、例えば、前記へテロ接合界面からの深さzを変数とした場合の体積密度、すなわちzの関数で表すことができる。この場合、「前記電子供給層とのヘテロ接合界面におけるn型不純物濃度」は、z=0におけるn型不純物濃度となる。この値は、例えば、通常の測定機器により測定できる。後述の、イオン化されたn型不純物濃度においても同様である。また、本発明のHEMTにおいて、前記n型導電層領域の前記電子走行層部分は、好ましくは、前記へテロ接合界面から深さ10nm以上にわたって、より好ましくは、前記へテロ接合界面から深さ20nm以上にわたって、さらに好ましくは、前記へテロ接合界面から深さ30nm以上にわたって、n型不純物を1×1020cm−3以上の濃度で含むものとする。これらの深さの範囲においてn型不純物が1×1020cm−3以上の濃度であれば、前記接続部における接続抵抗等を、さらに効果的に低減できる。また、これらの深さの範囲においてn型不純物が1×1020cm−3以上の濃度であれば、前記へテロ接合界面におけるn型不純物濃度(体積密度)が1×1020cm−3以上となる。
さらに、本発明のHEMTにおいて、前記アクセス抵抗等をさらに低減させる観点から、前記n型不純物濃度は、前記n型導電層領域全体にわたって(前記電子走行層上部から前記電子供給層上面にわたって)1×1020cm−3以上であることが好ましい。なお、前記n型導電層領域における前記n型不純物(ドナー不純物)濃度の上限値は、結晶品質の良好性の観点から、1022cm−3以下であることが好ましい。
なお、本発明のHEMTの前記電子走行層の上部および前記電子供給層において、前記n型導電層領域以外の部分は、例えば、ノンドープであるが、これに限定されない。前記n型導電層領域以外の部分は、n型不純物を全く含んでいなくても良いし、例えば、若干のn型不純物を含んでいてもよい。また、例えば、前記の通り、前記電子供給層にn型不純物が導入(ドーピング)されており、これにより、前記電子供給層と前記電子走行層とのヘテロ接合界面およびその近傍に2次元電子ガス層が形成されていても良い。前記n型導電層領域以外の部分におけるn型不純物濃度は、前記電子供給層では、特に制限されない。前記電子走行層においても、前記n型不純物濃度は、特に制限されないが、例えば1×1017cm−3以下、好ましくは1×1016cm−3以下、より好ましくは1×1015cm−3以下である。なお、前記電子走行層上部および前記電子供給層における前記n型導電層領域以外の部分では、前記n型導電層領域との境界において、n型不純物の濃度は、通常、ステップ状に減少するのではなく、徐々に減少する。より具体的には、例えば、前記n型導電層領域以外の部分は、前記n型導電層領域との境界に遷移領域を有し、前記遷移領域内で、前記n型不純物濃度が徐々に減少する。なお、前記電子走行層の層平面方向における前記遷移領域の幅は、通常、イオン注入における注入イオンの飛程距離にほぼ比例して変化し、例えば、前記飛程距離の半分程度の値となる。
本発明のHEMTは、前記n型導電層領域の前記電子走行層部分において、前記電子供給層とのヘテロ接合界面におけるイオン化された前記n型不純物の濃度が、5℃以上35℃以下の温度条件下で1×1019cm−3以上であることが好ましい。本発明のHEMTの動作温度が室温すなわち5℃以上35℃以下である場合、前記イオン化された前記n型不純物の濃度が前記条件を満たせば、前記接続抵抗等を低減しやすいためである。ただし、本発明のHEMTの用途によっては、動作温度が室温と大きく異なる場合がある。例えば、自動車のエンジンルームにおいて本発明のHEMTを動作させる場合が挙げられる。このような場合、前記n型導電層領域の前記電子走行層部分において、前記電子供給層とのヘテロ接合界面におけるイオン化された前記n型不純物の濃度が、5℃以上35℃以下の温度条件下で1×1019cm−3以上であることが好ましい。本発明のHEMTの動作温度は特に制限されず、例えば室温であるが、前記自動車のエンジンルームで動作させる場合は、例えば、5℃以上250℃以下である。なお、前記n型導電層領域の前記電子走行層部分は、好ましくは、前記へテロ接合界面から深さ10nm以上にわたって、より好ましくは、前記へテロ接合界面から深さ20nm以上にわたって、さらに好ましくは、前記へテロ接合界面から深さ30nm以上にわたって、前記イオン化されたn型不純物を1×1019cm−3以上の濃度で含むものとする。この場合、イオン化されたn型不純物濃度の測定温度条件は、前記の通り、5℃以上35℃以下、または本発明のHEMTの動作温度条件下である。これらの深さの範囲において前記イオン化されたn型不純物が1×1019cm−3以上の濃度であれば、前記接続部における接続抵抗等を、さらに効果的に低減できる。また、これらの深さの範囲において前記イオン化されたn型不純物が1×1019cm−3以上の濃度であれば、前記へテロ接合界面における前記イオン化されたn型不純物の濃度(体積密度)が1×1019cm−3以上となる。また、前記アクセス抵抗等をさらに低減させる観点から、5℃以上35℃以下の温度条件下または本発明のHEMTの動作温度条件下におけるイオン化ドナー不純物濃度(イオン化された前記n型不純物の濃度)は、前記n型導電層領域全体にわたって(前記電子走行層上部から前記電子供給層上面にわたって)1×1019cm−3以上であることが特に好ましい。なお、本発明において、イオン化ドナー不純物濃度(イオン化されたn型不純物の濃度)は、特に断らない限り、HEMTのソース電極、ゲート電極、およびドレイン電極のいずれにも電圧を印加しない状態における濃度をいうものとする。
イオン化ドナー不純物濃度(イオン化されたn型不純物の濃度)が1×1019cm−3以上である場合に前記接続抵抗が低減しやすい理由は、必ずしも明らかではない。前記理由として、例えば、前記ドナー(n型不純物)原子間の距離が短くなるために、電子分布が縮退し、電界放出トンネリング機構による伝導が支配的になることが考えられる。ただし、これは、推測可能な機構の一例であり、本発明を限定しない。
また、本発明のHEMTにおいて、前記電子走行層は、窒化ガリウム(GaN)、または窒化インジウムガリウム(InGaN)から形成されていることが好ましい。前記電子供給層は、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、窒化インジウムガリウム(InGaN)、または窒化インジウムアルミニウム(InAlN)から形成されていることが好ましい。前記電子走行層と前記電子供給層の組み合わせは特に制限されず、例えば、一般的なHEMT等を参考に、前記電子供給層のバンドギャップが前記電子走行層よりも大きくなる組み合わせを適宜選択すれば良い。または、前述のように、前記電子供給層にn型不純物をドーピングしても良い。
本発明のHEMTの製造方法は、特に制限されないが、前記本発明の製造方法により製造することが好ましい。また、前記本発明の製造方法により製造されるHEMTは特に制限されないが、前記本発明のHEMTであることが好ましい。
図2に示す本実施形態のHEMTの製造方法は特に制限されないが、例えば、下記の製造方法により製造できる。すなわち、まず、基板10上に、III族窒化物半導体により電子走行層11を形成する(電子走行層形成工程)。さらに、電子走行層11上面に、III族窒化物半導体をヘテロ接合させて電子供給層12を形成する(電子供給層形成工程)。基板10としては、例えば、シリコン基板、サファイア基板、炭化シリコン基板等が使用できる。電子走行層11および電子供給層12は、例えば、エピタキシャル成長により形成できる。エピタキシャル成長法としては、例えば、有機金属気相成長(Metal−Organic Vapor Phase Epitaxy;MOVPE)法、分子線エピタキシャル成長(Molecular Beam Epitaxy;MBE)法等が挙げられる。なお、有機金属気相成長法は、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法ということもある。また、例えば、基板10上にバッファ層(図示せず)をエピタキシャル成長させた後に、GaN電子走行層11およびAlGaN電子供給層12を連続的にエピタキシャル成長させてもよい。基板10と電子走行層11との間に介在する前記バッファ層としては、例えば、AlN、GaN、AlGaN等のIII族窒化物系化合物半導体が挙げられる。また、例えば、シリコン基板、サファイア基板、炭化シリコン基板等に代えて、GaN、AlN等のIII族窒化物半導体基板を用い、前記バッファ層を省略してもよい。
電子走行層11上に電子供給層12を形成した後、電子供給層12上にSiNなどの窒化膜をスルー膜(図示せず)として堆積させる。その後、このスルー膜上に、フォトリソグラフィ技術を用いてパターニングされたレジスト膜(図示せず)を形成する。そして、このレジスト膜をマスクとして用いて、図1に示すように、電子供給層12の上面からヘテロ接合界面を超える深さまでシリコン(原子量:28)を選択的にイオン注入する。その後、前記スルー膜を除去する。
アニール処理に先立ち、アニール処理による半導体層表面の変質を防止するために、前記半導体層表面をアニール保護膜で被覆する。前記アニール保護膜による被覆は、アニール処理を行う領域に行えば良いが、例えば、基板10、電子走行層11および電子供給層12の全体(上面、裏面および側壁)にアニール保護膜を形成する。その後、前記電子走行層11および電子供給層12にアニール処理を施して、イオン注入された前記n型不純物を活性化させる。その後、前記アニール保護膜を除去する。この結果、図1に示すように、高濃度(1019cm−3以上のイオン化ドナー不純物濃度)のn型導電層領域13Aおよび13Bが形成される(n型導電層領域形成工程)。
前記n型導電層領域形成工程においては、例えば、前記電子走行層の上部および前記電子供給層において、ソース電極形成予定領域およびドレイン電極形成予定領域の少なくとも一部に、n型不純物イオンを、前記電子走行層上部における前記電子供給層とのヘテロ接合界面で1×1020cm−3以上の濃度となるようにドーピングする。好ましくは、前記電子走行層上部が、前記へテロ接合界面から深さ10nm以上にわたって、より好ましくは、前記へテロ接合界面から深さ20nm以上にわたって、さらに好ましくは、前記へテロ接合界面から深さ30nm以上にわたって、n型不純物を1×1020cm−3以上の濃度で含むようにドーピングする。特に好ましくは、前記ソース電極形成予定領域および前記ドレイン電極形成予定領域の少なくとも一部に、前記電子走行層上部から前記電子供給層上面までにわたって1×1020cm−3以上の濃度となるように前記n型不純物イオンをドーピングする。このとき、前記電子走行層の上部および前記電子供給層において、ソース電極形成予定領域およびドレイン電極形成予定領域の少なくとも一部に、n型不純物イオンを5×1015cm−2以上の実効ドーズ量でドーピングすることが好ましい。前記実効ドーズ量が5×1015cm−2以上であると、前記電子走行層の上部および前記電子供給層において、n型不純物イオンを1×1020cm−3以上の濃度としやすい。結晶品質を良好にする観点からは、注入ドナー不純物濃度の上限は1022cm−3であることが望ましい。
なお、本発明において、n型不純物(ドナー不純物)濃度等を、体積密度(cm−3等)で表す場合、特に断らない限りは、原子数についての体積密度を表す。n型不純物イオンの実効ドーズ量等を、面積密度(cm−2等)で表す場合も同様に、特に断らない限りは、原子数についての面積密度を表す。また、前記「実効ドーズ量」は、前記スルー膜による吸収等のロスを差し引いた後の、前記電子吸収層上面に到達した実際のドーズ量を言う。
また、前記電子走行層の上部および前記電子供給層のイオン注入マスク(前記レジスト膜)で遮蔽された部分(n型導電層領域以外の部分)において、前記イオン注入マスクで遮蔽されなかった部分(n型導電層領域)との境界では、n型不純物の濃度は、通常、ステップ状に減少するのではなく、徐々に減少する。より具体的には、例えば、前記n型導電層領域以外の部分は、前記n型導電層領域との境界に遷移領域を有し、前記遷移領域内で、前記n型不純物濃度が徐々に減少する。なお、前記電子走行層の層平面方向における前記遷移領域の幅は、通常、イオン注入における注入イオンの飛程距離にほぼ比例して変化し、例えば、前記飛程距離の半分程度の値となる。
前記アニール処理は、例えば、窒素雰囲気下で、RTA(Rapid Thermal Annealing)などにより行うことができる。前記アニール処理は、高濃度のイオン化ドナー不純物濃度(イオン化されたn型不純物濃度)を得るために、1,100℃以上1,300度以下の温度で行うことが好ましい。前記アニール処理温度は、より好ましくは1,100℃以上1,300℃未満、さらに好ましくは1,125℃以上1,225℃以下、特に好ましくは1,150℃以上1,225℃以下である。より具体的には、イオン注入されたn型不純物の活性化率を高い値とするために、前記アニール処理温度の下限値は、好ましくは1,100℃以上、より好ましくは1,125℃以上、さらに好ましくは1,150℃以上である。また、III族窒化物半導体層表面からの窒素の脱離を抑制し、これにより前記III族窒化物半導体層表面の変質を抑制する観点から、前記アニール処理温度の上限値は、好ましくは1,300℃以下、より好ましくは1,300℃未満、さらに好ましくは1,225℃以下である。前記アニール処理の時間は、特に制限されないが、加熱に用いる熱処理装置の性能等に応じて、例えば30秒から5分程度とする。
なお、例えば、シリコン(Si)基板などの、高温において塑性変形しやすい基板を用いた場合は、前記活性化アニール温度より低い温度、例えば1,000℃で前記n型不純物の活性化アニールを行っても良い。比較的低温でアニール処理することで、ウエハの反りの低減やエピタキシャル膜中の欠陥生成の低減、ひいてはリーク電流を低減(デバイス動作耐圧を確保)することも可能である。ただし、比較的低温でアニール処理する場合、比較的長時間のアニール処理が必要である。例えば、1,000℃においてアニール処理する場合、アニール処理時間は20分以上が好ましい。
前記n型導電層領域の前記電子走行層部分において、前記電子供給層とのヘテロ接合界面におけるイオン化された前記n型不純物の濃度が、5℃以上35℃以下の温度条件下で1×1019cm−3以上となるように、前記n型導電層領域形成工程における前記アニール処理を行うことが好ましい。または、前記n型導電層領域の前記電子走行層部分において、前記電子供給層とのヘテロ接合界面におけるイオン化された前記n型不純物の濃度が、前記ヘテロ接合電界効果トランジスタの動作温度条件下で1×1019cm−3以上となるように、前記n型導電層領域形成工程における前記アニール処理を行うことが好ましい。これにより、例えば、図1および2に示すn型導電層領域13Aおよび13Bと、ゲート電極14の下方のチャネル領域との接続部P1およびP2において、低い接続抵抗を得ることができる。より好ましくは、前記n型導電層領域の前記電子走行層部分が、前記へテロ接合界面から深さ10nm以上にわたって、さらに好ましくは、前記へテロ接合界面から深さ20nm以上にわたって、さらに好ましくは、前記へテロ接合界面から深さ30nm以上にわたって、前記イオン化されたn型不純物を1×1019cm−3以上の濃度で含むように前記アニール処理を行うものとする。この場合、イオン化されたn型不純物濃度の測定温度条件は、前記の通り、5℃以上35℃以下、または本発明のHEMTの動作温度条件下である。これらの深さの範囲において前記イオン化されたn型不純物が1×1019cm−3以上の濃度であれば、前記接続部における接続抵抗等を、さらに効果的に低減できる。また、これらの深さの範囲において前記イオン化されたn型不純物が1×1019cm−3以上の濃度であれば、前記へテロ接合界面における前記イオン化されたn型不純物の濃度(体積密度)が1×1019cm−3以上となる。なお、前記アクセス抵抗等をさらに低減させる観点から、5℃以上35℃以下の温度条件下またはHEMTの動作温度条件下におけるイオン化ドナー不純物濃度(イオン化された前記n型不純物の濃度)が、前記n型導電層領域全体にわたって(前記電子走行層上部から前記電子供給層上面にわたって)1×1019cm−3以上となるように前記アニール処理を行うことが特に好ましい。
さらに、電子供給層12上に、開口部を有する絶縁膜(図示せず)を形成し、この開口部に金属材料を埋め込み、さらにアロイ処理を施すことにより、T字状の断面形状を有するゲート電極14を形成する(ゲート電極形成工程)。ゲート電極14は、特に制限されないが、例えば、W、Mo、Si、Ti、Pt、Nb、AlもしくはAuなどの金属材料、または、これらのうちの2種以上の金属層の積層体から形成することができる。また、ゲート電極14は、T字型の断面形状に限定されず、どのような形状でも良い。なお、前記ゲート電極形成工程と、前記n型導電層形成工程との順序は前後させてもよく、また、例えば、前記n型不純物のドーピングと前記アニール処理との間に前記ゲート電極形成工程を行ってもよい。
その後、例えば、リフトオフ処理により、前記ソース電極形成予定領域上にソース電極15Aを形成し、前記ドレイン電極形成予定領域上にドレイン電極15Bを形成する(ソース電極形成工程およびドレイン電極形成工程)。より具体的には、例えば、フォトリソグラフィを用いて電子供給層12上にレジストパターンを形成し、その後、スパッタ法により前記レジストパターンおよび電子供給層12上に金属層を成膜する。その後、前記レジストパターンとその上の金属材料とを同時に除去することで、電子供給層12にオーミック接触するソース電極15Aとドレイン電極15Bとの各電極パターンを形成することができる。ソース電極15Aとドレイン電極15Bは、特に制限されないが、例えば、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、シリコン(Si)、チタン(Ti)、白金(Pt)、ニオブ(Nb)、アルミニウム(Al)もしくは金(Au)などの金属材料、または、これらのうちの2種以上の金属層の積層体(たとえば、Ti/Al/Nb/Au構造)から形成することができる。
本実施形態(第1の実施形態)のHEMT1では、例えば、n型導電層領域13Aおよび13Bに、高濃度(1019cm−3以上のイオン化ドナー不純物濃度)のn型領域が形成される。これにより、接続部P1およびP2におけるn型領域の伝導帯ポテンシャルが著しく低下する。その結果、当該接続部P1およびP2における電気抵抗(接続抵抗)がデバイス動作上無視できるまでに低下するので、アクセス抵抗、オン抵抗等の低減を実現できる。ただし、この説明は例示であって、本実施形態のHEMT1および本発明のHEMTを限定しない。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図3の断面図に、本実施形態に係るHEMTの製造工程の一部を示す。また、図4の断面図に、本実施形態のHEMT2の断面構造を概略的に示す。
図4に示すとおり、このHEMT2は、基板20の上に、III族窒化物半導体により電子走行層21が形成され、この電子走行層21の上面に、III族窒化物半導体から形成された電子供給層22がヘテロ接合されている。電子走行層21は、バッファ層(図示せず)を介して基板20の上に形成されていてもよい。電子供給層22は、電子走行層21よりも大きなバンドギャップを有している。この電子供給層22上には、ゲート電極23、ソース電極26Aおよびドレイン電極26Bが配置されている。
ソース電極26Aおよびドレイン電極26Bは、ゲート電極23を挟むように配置されている。さらに、ソース電極26Aの下方に、電子走行層21上部から電子供給層22上面まで達するn型導電層領域(n型不純物注入領域)24Aおよび25Aが形成され、ドレイン電極26Bの下方に、電子走行層21上部から電子供給層22上面まで達するn型導電層領域(n型不純物注入領域)24Bおよび25Bが形成されている。n型導電層領域(n型不純物注入領域)24A、24B、25Aおよび25Bは、それぞれ、n型不純物を1×1020cm−3以上の濃度で含む。電子走行層21上部において、電子供給層22とのヘテロ接合界面近傍には、前記第1の実施形態と同様に、2次元電子ガス層28が形成されている。n型導電層領域24A、25A、24Bおよび25Bは、電子供給層22の上面から、2次元電子ガス層28に達する深さにまで形成されている。このHEMT2がオン状態のとき、電子走行層21において、電子供給層22とのヘテロ接合界面およびその近傍に、2次元電子ガス層28のチャネル領域が形成される。2次元電子ガス層28のチャネル領域は、n型導電層領域24Aおよび25Aと、24Bおよび25Bとの間を電気的に接続し、前記チャネル領域を電流が流れることが可能である。
また、n型導電層領域25Aは、電子供給層22の上方から見て(上面視で)n型不純物導電層領域24Aを含み、かつn型導電層領域24Aよりも広く、n型導電層領域24Aのゲート電極側から突出している。また、n型導電層領域25Aは、2次元電子ガス層28に達する深さにまで形成されているが、その深さは、n型導電層領域24Aよりも浅い。同様に、n型導電層領域25Bは、電子供給層22の上方から見て(上面視で)n型導電層領域24Bを含み、かつn型導電層領域24Bよりも広く、n型導電層領域24Bのゲート電極側から突出している。また、n型導電層領域25Bは、2次元電子ガス層28に達する深さにまで形成されているが、その深さは、n型導電層領域24Bよりも浅い。
HEMT2において、基板20、電子走行層21、電子供給層22、ソース電極26A、ドレイン電極26B、およびゲート電極23の構成材料は、それぞれ、前記第1の実施形態の基板10、電子走行層11、電子供給層12、ソース電極15A、ドレイン電極15B、およびゲート電極14の構成材料と同じであってもよい。また、n型導電層領域24A、24B、25A、および25Bの電子走行層21部分において、電子供給層22とのヘテロ接合界面におけるイオン化ドナー不純物濃度(イオン化されたn型不純物濃度)が、例えば前述の温度条件下で1×1019cm−3以上であることが好ましい。これにより、例えば、前記第1の実施形態と同様、図3および4に示すn型導電層領域25Aおよび25Bと、ゲート電極23の下方のチャネル領域との接続部Q1およびQ2において、低い接続抵抗を得ることができる。前記接続抵抗の低減により、例えば、アクセス抵抗、オン抵抗等を低減できる。
本実施形態のHEMT2の構造は、n型導電層領域が、ソース電極側において24Aおよび25Aの2つの領域から形成され、ドレイン電極側において24Bおよび25Bの2つの領域から形成されていること以外は、前記第1の実施形態のHEMT1と同様で良い。2次元電子ガスの発生(2次元電子ガス層28の形成)機構等についても、前記第1の実施形態のHEMT1と同様に説明できる。
本実施形態のHEMT2の製造方法は、特に制限されないが、例えば、前記n型導電層領域形成工程において、n型不純物のドーピングを2段階で行う以外は、前記実施形態1のHEMT1と同様にして製造できる。以下、前記2段階のドーピングについて説明する。
まず、n型導電層領域(n型不純物注入領域)24Aは、前記ソース電極形成予定領域において、Siなどのn型不純物を、例えば数百keV程度の比較的高い加速エネルギーE(単位:keV)でイオン注入(第1段階のイオン注入)することにより形成できる(n型不純物イオンドーピング第1工程)。ここで、注入イオンの分布の最大となる深さが、例えば2次元電子ガス層28より深くなるように、比較的深部までのイオン注入を行う。このイオン注入後に、さらに、電子供給層22の上方から見て(上面視で)n型導電層領域24Aを包含する領域に対して、Siなどのn型不純物を、例えば数十keV程度の比較的低い加速エネルギーE(E>E)で注入(第2段階のイオン注入)し、n型導電層領域25Aを形成する(n型不純物イオンドーピング第2工程)。このとき、例えば、前記n型不純物イオンドーピング第2工程において、Siなどのn型不純物濃度(体積密度)が1×1020cm−3以上となるように、第2段階のイオン注入(前記n型不純物イオンドーピング第2工程)を行ってもよい。また、このとき、n型導電層領域25Aの電子走行層21部分において、少なくとも電子供給層22とのヘテロ接合界面のn型不純物の注入イオンの実効ドーズ量が5×1015cm−2以上となるようにすることが好ましい。なお、第1段階のイオン注入(前記n型不純物イオンドーピング第1工程)と第2段階のイオン注入(前記n型不純物イオンドーピング第2工程)の順序は、デバイス作製(HEMT製造)の事情等に応じて入れ替えても良い。また、例えば、前記n型不純物イオンドーピング第1工程において、n型導電層領域24Aのn型不純物濃度(体積密度)が1×1020cm−3以上となるように、または、n型不純物の注入イオンの実効ドーズ量が5×1015cm−2以上となるようにしても良い。n型導電層24Bおよび25Bは、前記ソース電極形成予定領域を前記ドレイン電極形成予定領域に変える以外は、n型導電層24Aおよび25Aと同様にして形成できる。具体的には、前記説明どおり、前記n型不純物イオンドーピング第1工程および前記n型不純物イオンドーピング第2工程を含む方法により形成すればよい。
また、本実施形態では、第1段階のイオン注入でデバイスの深部までn型不純物が導入された後に、さらに第2段階のイオン注入で高濃度不純物注入領域25Aおよび25Bが形成される。これら高濃度不純物注入領域25Aと25Bとの間の領域は、比較的低抵抗の電気伝導特性を有する。したがって、例えば、図3および図4に示すような低抵抗の電流経路CAおよびCBを通じて、高濃度不純物注入領域25Aおよび25Bと2次元電子ガス層28とを接続することが可能である。なお、図3および図4中の矢印CAは、2次元電子ガス層28とソース電極26Aとの間の電流経路を示す。図示の通り、2次元電子ガス層28は、n型導電層領域(高濃度不純物注入領域)25Aにおいてn型導電層領域24Aのゲート電極側末端から突出した領域を通る。電流経路CAは、2次元電子ガス28におけるこの部分から、n型導電層領域(高濃度不純物注入領域)25Aにおける電子供給層22内部を通り、ソース電極26Aに達する。同様に、図3および図4中の矢印CBは、2次元電子ガス層28とドレイン電極26Bとの間の電流経路を示す。図示の通り、2次元電子ガス層28は、n型導電層領域(高濃度不純物注入領域)25Bにおいてn型導電層領域24Bのゲート電極側末端から突出した領域を通る。電流経路CAは、2次元電子ガス28におけるこの部分から、n型導電層領域(高濃度不純物注入領域)25Bにおける電子供給層22内部を通り、ドレイン電極26Bに達する。
本発明の製造方法では、例えば、本実施形態で示したように、n型導電層領域形成工程における前記n型不純物イオンのドーピングが、n型不純物イオンドーピング第1工程と、n型不純物イオンドーピング第2工程とを含み、前記n型不純物イオンドーピング第2工程におけるドーピング領域は、前記n型不純物イオンドーピング第1工程におけるドーピング領域のゲート電極側末端を含んで前記ゲート電極側末端から突出しており、前記n型不純物イオンドーピング第1工程における前記n型不純物イオンドーピングの加速エネルギーEと、前記n型不純物イオンドーピング第2工程における前記n型不純物イオンドーピングの加速エネルギーEとの関係が、E>Eであることが好ましい。このような2段階ドーピングにより、例えば前述のように、オーミック電極(ソース電極またはドレイン電極)と2DEG層との間に、低抵抗の電流経路を形成できる。また、このような2段階ドーピングによれば、n型不純物を広く深い範囲に注入(ドーピング)しやすい。例えば、前記第1のイオン注入(n型不純物イオンドーピング第1工程)によって深部までn層(高濃度不純物注入領域)を形成するとともに、前記第2のイオン注入(n型不純物イオンドーピング第2工程)によって広い範囲にn層(高濃度不純物注入領域)を形成することもできる。したがって、このような2段階ドーピングは、例えば、本発明のHEMTが縦型デバイスである場合のイオン注入などに好適である。
なお、前記n型導電層領域形成工程において、アニール処理は、例えば、前記第1の実施形態と同様に行うことができる。また、前記n型導電層領域形成工程以外の各製造工程も、例えば、前記第1の実施形態と同様に行うことができる。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図5の断面図に、本実施形態に係るHEMTの製造工程の一部を示す。また、図6の断面図に、本実施形態のHEMT3の断面構造を概略的に示す。
図6に示すとおり、このHEMT3は、基板30の上に、III族窒化物半導体により電子走行層31が形成され、この電子走行層31の上面に、III族窒化物半導体から形成された電子供給層32Pがヘテロ接合されている。電子走行層31は、バッファ層(図示せず)を介して基板30の上に形成されていてもよい。電子供給層32Pは、電子走行層31よりも大きなバンドギャップを有している。この電子供給層32P上には、ゲート電極34、ソース電極35Aおよびドレイン電極35Bが配置されている。電子供給層32Pにおいて、ソース電極35Aおよびドレイン電極35Bの形成領域は、上部が除去され、それ以外の部分よりも高さが低くなっている。
ソース電極35Aおよびドレイン電極35Bは、ゲート電極34を挟むように配置されている。さらに、ソース電極35Aの下方に、電子走行層31上部から電子供給層32P上面まで達するn型導電層領域(n型不純物注入領域)33Aが形成され、ドレイン電極35Bの下方に、電子走行層31上部から電子供給層32P上面まで達するn型導電層領域(n型不純物注入領域)33Bが形成されている。n型導電層領域(n型不純物注入領域)33Aおよび33Bは、それぞれ、n型不純物を1×1020cm−3以上の濃度で含む。電子走行層31上部において、電子供給層32Pとのヘテロ接合界面近傍には、前記第1の実施形態と同様に、2次元電子ガス層38が形成されている。n型導電層領域33Aおよび33Bは、電子供給層32Pの上面から、2次元電子ガス層38に達する深さにまで形成されている。このHEMT3がオン状態のとき、電子走行層31において、電子供給層32Pとのヘテロ接合界面およびその近傍に、2次元電子ガス層38のチャネル領域が形成される。2次元電子ガス層38のチャネル領域は、n型導電層領域33A、33B間を電気的に接続し、前記チャネル領域を電流が流れることが可能である。また、図6に示すとおり、このHEMT3においては、ソース電極35Aは、n型導電層領域33A上面を全て覆うように形成され、ドレイン電極35Bは、n型導電層領域33B上面を全て覆うように形成されている。さらに、ソース電極35Aは、n型導電層領域33A上面のゲート電極側末端から突出し、ドレイン電極35Bは、n型導電層領域33B上面のゲート電極側末端から突出している。
HEMT3において、基板30、電子走行層31、電子供給層32P、ソース電極35A、ドレイン電極35Bおよびゲート電極34の構成材料は、それぞれ、前記第1の実施形態の基板10、電子走行層11、電子供給層12、ソース電極15A、ドレイン電極15B、およびゲート電極14の構成材料と同じであってもよい。また、n型導電層領域33Aおよび33Bの電子走行層31部分において、電子供給層32Pとのヘテロ接合界面におけるイオン化ドナー不純物濃度(イオン化されたn型不純物濃度)が、例えば前述の温度条件下で1×1019cm−3以上であることが好ましい。これにより、例えば、前記第1の実施形態と同様、図5および6に示すn型導電層領域33Aおよび33Bと、ゲート電極34の下方のチャネル領域との接続部S1およびS2において、低い接続抵抗を得ることができる。前記接続抵抗の低減により、例えば、アクセス抵抗、オン抵抗等を低減できる。
本実施形態のHEMT3の構造は、電子供給層の構造と、ソース電極およびドレイン電極がn型導電層領域上面を全て覆うように形成されていること以外は、前記第1の実施形態のHEMT1と同様で良い。2次元電子ガスの発生(2次元電子ガス層38の形成)機構等についても、前記第1の実施形態のHEMT1と同様に説明できる。
本実施形態のHEMT3の製造方法は特に制限されない。例えば、n型導電層領域33Aおよび33B上面をドライ表面処理することと、n型導電層領域33Aおよび33B上面を全て覆うようにソース電極35Aおよび前記ドレイン電極35Bを形成すること以外は、前記第1の実施形態のHEMT1と同様に製造できる。すなわち、まず、前記第1の実施形態と同様にして、基板30上に、III族窒化物半導体により電子走行層31を形成し(電子走行層形成工程)、その上面に、III族窒化物半導体をヘテロ接合させて電子供給層32(図5)を形成する(電子供給層形成工程)。さらに、前記第1の実施形態と同様にしてn型不純物のドーピングおよびアニールを行い、n型導電層領域33Aおよび33Bを形成する(n型導電層領域形成工程)。n型導電層領域33Aおよび33Bの形成後、前記第1の実施形態のゲート電極14(図1)と同様にして、T字状の断面形状を有するゲート電極34を形成する(ゲート電極形成工程)。その後、図5に示すとおり、電子供給層32における、n型導電層領域33A上面およびn型導電層領域33B上面を、プラズマ状のガスに曝してドライ表面処理する。これにより、図6に示されるように、加工(ドライ表面処理)された電子供給層32Pが形成される。前記ドライ表面処理は、例えば、ドライエッチングであっても良い。前記ドライエッチングに用いるプラズマ状のガスは、特に制限されないが、例えば、SF(六フッ化硫黄)、CF(四フッ化メタン)、CHF(三フッ化メタン)、C(六フッ化エタン)等が挙げられる。なお、前記ゲート電極形成工程と、前記ドライ表面処理との順序は、前後してもよい。
さらに、前記第1の実施形態のソース電極15Aおよびドレイン電極15Bと同様の製造工程により、n型導電層領域33Aおよび33Bとそれぞれオーミック接触するソース電極35Aおよびドレイン電極35B(オーミック電極)を形成する(ソース電極形成工程およびドレイン電極形成工程)。このようにして、図6のHEMT3を製造することができる。
本実施形態では、例えば、n型導電層領域33Aおよび33Bの形成のためn型不純物イオン注入を行う際に電子供給層32(図5)にダメージが生ずる。これに対し、n型導電層領域33Aおよび33B上面にドライ表面処理することで、電子供給層32の前記ダメージが軽減され、電子供給層32P(図6)となる。これにより、ソース電極35Aと電子供給層32Pとのコンタクト抵抗が低減し、かつドレイン電極35Bと電子供給層32Pとのコンタクト抵抗が低減する。したがって、オーミック電極35Aおよび35Bと、III族窒化物半導体電子供給層32Pとの間で良好なコンタクトを形成することができる。
本発明における前記HEMTの製造方法は、例えば本実施形態で示したように、前記n型導電層領域形成工程後、前記n型導電層領域上面をプラズマ状のガスに曝してドライ表面処理するドライ表面処理工程をさらに含むことが好ましい。なお、前記ドライ表面処理工程において、前記ソース電極形成予定領域上面に対するドライ表面処理は、前記ソース電極形成工程に先立って行い、前記ドレイン電極形成予定領域上面に対するドライ表面処理は、前記ドレイン電極形成工程に先立って行うことがより好ましい。例えば前述のように、前記ドライ表面処理によって前記電子供給層のダメージが軽減され、良好な結晶構造を得ることができる。なお、本発明において「ドライ表面処理」は、液体を表面に接触させずに処理することを言い、例えば、ドライエッチング、プラズマ中への暴露等が挙げられる。また、前記プラズマ状のガスは、特に制限されず、例えば、ドライエッチング等で一般的に用いるガスでも良い。前記プラズマ状のガスは、具体的には、例えば、SF(六フッ化硫黄)、CF(四フッ化メタン)、CHF(三フッ化メタン)、C(六フッ化エタン)等が挙げられる。
また、本実施形態のHEMT3においては、図6に示すとおり、ソース電極35Aが、n型導電層領域33A上面を全て覆うように形成され、かつ、n型導電層領域33A上面のゲート電極側末端から突出している。また、ドレイン電極35Bは、n型導電層領域33B上面を全て覆うように形成され、かつ、n型導電層領域33B上面のゲート電極側末端から突出している。このように、n型導電層領域の表面が全て覆われていることで、例えば、前記n型導電層領域上面の分極電荷が補償される。その結果、電気的中性条件が満足されるように、チャネルの接続部S1およびS2における2次元電子ガス層38のキャリアが回復し、これにより、接続部S1およびS2における接続抵抗がさらに低減する。n型導電層領域33Aおよび33Bの上面が露出していると、例えば、前記露出面における分極電荷(AlGaN/GaN−HEMTの場合には、負の分極電荷)が補償されず、接続部S1およびS2における2次元電子ガス層38のキャリア濃度が減少する。n型導電層領域33Aおよび33Bの上面が全て覆われていると、前記キャリア濃度の減少を防止しうるため好ましい。本実施形態では、ソース電極35Aとドレイン電極35Bがそれぞれn型導電層領域(ドナー不純物イオン注入領域)33Aおよび33Bの上面を完全に被覆して保護膜の機能をすることで、接続部S1およびS2におけるキャリアを回復させることができる。
本発明のHEMTでは、前記の理由により、前記ソース電極および前記ドレイン電極が、前記n型導電層領域上面を全て覆うように形成されていることが好ましい。また、例えば図6に示したように、前記ソース電極および前記ドレイン電極が、前記n型導電層領域のゲート電極側末端から突出していると、前記ゲート電極側末端(チャネル領域との接続部)において、前記分極電荷の補償がさらに行われやすいため、より好ましい。
本発明のHEMTの製造方法は、前記ドライ表面処理工程において、前記ドライ表面処理を行う領域が、前記n型導電層領域上面を全て含むことが好ましい。これにより、前記n型導電層領域と、前記チャネル領域との接続部(境界)における前記接続抵抗をさらに低減しやすい。また、前述の分極電荷の補償の観点から、前記ソース電極形成工程および前記ドレイン電極形成工程において、前記n型導電層領域上面を全て覆うように前記ソース電極および前記ドレイン電極を形成することが好ましい。
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図7の断面図に、本実施形態に係るHEMTの製造工程の一部を示す。また、図8の断面図に、本実施形態のHEMT4の断面構造を概略的に示す。
図8に示すとおり、このHEMT4は、基板40の上に、III族窒化物半導体により電子走行層41が形成され、この電子走行層41の上面に、III族窒化物半導体から形成された電子供給層42Pがヘテロ接合されている。電子走行層41は、バッファ層(図示せず)を介して基板40の上に形成されていてもよい。電子供給層42Pは、電子走行層41よりも大きなバンドギャップを有している。この電子供給層42P上には、ゲート電極43、ソース電極46Aおよびドレイン電極46Bが配置されている。電子供給層42Pにおいて、ソース電極46Aおよびドレイン電極46Bの形成領域は、上部が除去され、それ以外の部分よりも高さが低くなっている。
ソース電極46Aおよびドレイン電極46Bは、ゲート電極43を挟むように配置されている。さらに、ソース電極46Aの下方に、電子走行層41上部から電子供給層42P上面まで達するn型導電層領域(n型不純物注入領域)44Aおよび45Aが形成され、ドレイン電極46Bの下方に、電子走行層41上部から電子供給層42P上面まで達するn型導電層領域(n型不純物注入領域)44Bおよび45Bが形成されている。n型導電層領域(n型不純物注入領域)44A、45A、44Bおよび45Bは、それぞれ、n型不純物を1×1020cm−3以上の濃度で含む。電子走行層41上部において、電子供給層42Pとのヘテロ接合界面近傍には、前記第1から第3の実施形態と同様に、2次元電子ガス層48が形成されている。n型導電層領域44A、45A、44Bおよび45Bは、電子供給層42Pの上面から、2次元電子ガス層48に達する深さにまで形成されている。このHEMT4がオン状態のとき、電子走行層41において、電子供給層42Pとのヘテロ接合界面およびその近傍に、2次元電子ガス層48のチャネル領域が形成される。2次元電子ガス層48のチャネル領域は、n型導電層領域44Aおよび45Aと、44Bおよび45Bとの間を電気的に接続し、前記チャネル領域を電流が流れることが可能である。また、図8に示すとおり、このHEMT4においては、ソース電極46Aは、n型導電層領域45A上面を全て覆うように形成され、ドレイン電極46Bは、n型導電層領域45B上面を全て覆うように形成されている。さらに、ソース電極46Aは、n型導電層領域45A上面のゲート電極側末端から突出し、ドレイン電極46Bは、n型導電層領域45B上面のゲート電極側末端から突出している。
また、n型導電層領域45Aは、電子供給層42Pの上方から見て(上面視で)n型不純物導電層領域44Aを含み、かつn型導電層領域44Aよりも広く、n型導電層領域44Aのゲート電極側から突出している。また、n型導電層領域45Aは、2次元電子ガス層48に達する深さにまで形成されているが、その深さは、n型導電層領域44Aよりも浅い。同様に、n型導電層領域45Bは、電子供給層42Pの上方から見て(上面視で)n型導電層領域44Bを含み、かつn型導電層領域44Bよりも広く、n型導電層領域44Bのゲート電極側から突出している。また、n型導電層領域45Bは、2次元電子ガス層48に達する深さにまで形成されているが、その深さは、n型導電層領域44Bよりも浅い。
HEMT4において、基板40、電子走行層41、電子供給層42P、ソース電極46A、ドレイン電極46B、およびゲート電極43の構成材料は、それぞれ、前記第1の実施形態の基板10、電子走行層11、電子供給層12、ソース電極15A、ドレイン電極15B、およびゲート電極14の構成材料と同じであってもよい。また、n型導電層領域44A、44B、45A、および45Bの電子走行層41部分において、電子供給層42Pとのヘテロ接合界面におけるイオン化ドナー不純物濃度(イオン化されたn型不純物濃度)が、例えば前述の温度条件下で1×1019cm−3以上であることが好ましい。これにより、例えば、前記第1から第3の実施形態と同様、図7および8に示すn型導電層領域45Aおよび45Bと、ゲート電極43の下方のチャネル領域との接続部T1およびT2において、低い接続抵抗を得ることができる。前記接続抵抗の低減により、例えば、アクセス抵抗、オン抵抗等を低減できる。
以上、説明した通り、本実施形態のHEMT4において、n型導電層領域の構造は、前記第2の実施形態のHEMT2と同様である。また、n型導電層領域45Aおよび45Bの上面がドライ表面処理(ドライエッチング)され、電子供給層42(図7)が、前記ドライ表面処理によりダメージが軽減された電子供給層42P(図8)になっている点は、前記第3の実施形態と同様である。ソース電極46Aが、n型導電層領域45A上面を全て覆うように形成され、かつ、n型導電層領域45A上面のゲート電極側末端から突出している点は、前記第3の実施形態と同様である。ドレイン電極46Bが、n型導電層領域45B上面を全て覆うように形成され、かつ、n型導電層領域45B上面のゲート電極側末端から突出している点も、前記第3の実施形態と同様である。このように、本実施形態のHEMT4は、前記第2の実施形態および前記第3の実施形態で説明した特徴的構造を併せ持つことにより、前記第2の実施形態のHEMT2および前記第3の実施形態のHEMT3について説明した効果を併せ持つ。前記第2の実施形態のHEMT2および前記第3の実施形態のHEMT3において、前記各特徴的構造から奏される効果については、前記第2の実施形態および前記第3の実施形態で説明したとおりである。また、これら以外の構造は、前記第1から第3の実施形態と同様であって良い。2次元電子ガスの発生(2次元電子ガス層48の形成)機構等についても、前記第1から第3の実施形態のHEMT1、2および3と同様に説明できる。
本実施形態のHEMT4の製造方法は、特に制限されないが、例えば以下の通りである。すなわち、まず、基板40の上に、III族窒化物半導体により電子走行層41を形成し(電子走行層形成工程)、電子走行層41上面に、III族窒化物半導体をヘテロ接合させて電子供給層42を形成する(電子供給層形成工程)。これらの工程は、前記第1から第3の実施形態と同様にして行うことができる。次に、n型導電層領域44A、44B、45Aおよび45Bを形成する(n型導電層領域形成工程)。この工程においては、n型不純物を、2段階でドーピングする。前記ドーピングは、例えば、前記第2の実施形態と同様に行うことができる。また、アニール処理は、例えば、前記第1から第3の実施形態と同様にして行うことができる。次に、電子供給層42上面に、ゲート電極43を形成する(ゲート電極形成工程)。この工程は、前記第1から第3の実施形態と同様にして行うことができる。さらに、n型導電層領域45Aおよび45B上面をプラズマ状のガスに曝してドライ表面処理(ドライエッチング)するとともに、電子供給層42を、加工(ドライ表面処理)された電子供給層42Pとする(ドライ表面処理工程)。この工程は、例えば、前記第3の実施形態と同様にして行うことができる。また、前記ゲート電極形成工程と、前記ドライ表面処理工程との順序は、前後させても良い。さらに、前記第1の実施形態のソース電極15Aおよびドレイン電極15Bと同様の製造工程により、n型導電層領域45Aおよび45Bとそれぞれオーミック接触するソース電極46Aおよびドレイン電極46B(オーミック電極)を形成する(ソース電極形成工程およびドレイン電極形成工程)。このようにして、図8のHEMT4を製造することができる。
[本発明のHEMTの特性]
以下に、本発明のHEMT、例えば前記第1から第4の実施形態で説明したHEMT1〜4の特性を、実験等により検証した結果を示す。ただし、以下のデータおよび説明は例示であり、本発明はこれらに限定されない。
前記第1から第4の実施形態のHEMT1〜4における電子走行層および電子供給層は、III族窒化物半導体から形成することができる。具体的には、例えば前述の通り、前記電子走行層がGaNから形成され、前記電子供給層がAlGaNから形成されたAlGaN/GaNヘテロ接合構造がある。ガリウム(Ga)−面やアルミ(Al)−面(あるいは場合によっては窒素(N)−面)成長のAlGaN/GaNヘテロ接合界面には、窒化物半導体材料の特徴である分極効果が生じる。したがって、AlGaN/GaNヘテロ接合界面には、GaAs系のAlGaAs/GaAsヘテロ接合界面と比べて、例えば、シート電荷濃度Nsが約5倍の1013cm−2オーダーと高いキャリアが形成され得る。このようなAlGaN/GaNヘテロ接合構造を有するHEMTデバイスは、高い電流値と高い出力電力などの優れた特性を実現することが可能である。ただし、前述の通り、本発明のHEMTにおける電子走行層および電子供給層は、AlGaN/GaNヘテロ接合構造のみに限定されない。
本発明のHEMT(例えば前記AlGaN/GaNヘテロ接合構造)にイオン注入して選択的にn型導電層(前記n型導電層領域)を形成するためのドーパント種は、特に制限されず、例えば、一般的なHEMTに用いられている様々なドーパント種が使用可能である。これらドーパント種の中で、Si(原子量:28)が特に好ましい。また、本発明のHEMTにおいて、前記電子供給層(例えばAlGaN層)の厚みは、特に制限されないが、例えば、15〜45nmである。前記電子供給層がAlGaN層である場合、その組成は特に制限されないが、例えば、Al組成比が0.15〜0.20である。このプロファイルのAlGaN/GaNヘテロ接合型のHEMT構造にSi(原子量:28)をイオン注入する場合には、例えば、スルー膜を介したスルー注入によりイオン注入を行うことができる。前記イオン注入は、一般的な半導体デバイスでは、例えば、30〜120keVの範囲内の加速エネルギーと、1×1014〜3×1015cm−2の範囲内のドーズ量とで行うことができる。本発明では、前述の通り、前記ドーズ量を、例えば5×1015cm−2以上とすることで、ドナー不純物(n型不純物)濃度を高くすることができ、コンタクト抵抗、アクセス抵抗、オン抵抗等を低減可能である。イオン注入後は、ドーピングされたイオンを活性化するために、例えば1200℃付近の温度での活性化アニールを行う。
なお、本発明において、「組成」とは、半導体層等を構成する元素の原子数の量的関係をいう。「組成比」とは、前記半導体層等を構成する特定の元素の原子数と、他の元素の原子数との相対的な割合をいう。例えば、AlGa1−xNの組成で表される半導体層において、xの数値を「Al組成比」という。また、本発明において、半導体層の組成または組成比を規定する場合、導電性等を発現させる不純物(ドーパント)は、半導体層を構成する元素として考慮しないものとする。例えば、p型GaN層とn型GaN層とは、不純物(ドーパント)が異なるが、組成は同一であるものとする。また、例えば、n型GaN層と、不純物濃度がさらに高いnGaN層とがあった場合、それらの組成は同一であるものとする。
ここで、Al0.15Ga0.85N(45nm厚)/GaNヘテロ接合型のエピ構造(エピタキシャル構造)上に、膜厚80nmの窒化膜(SiN膜)をスルー膜として堆積し、このスルー膜を介して、加速エネルギー100keV、ドーズ量(スルー膜による吸収含む)1×1015cm−2でSi(28Si)をイオン注入した。その後、1200℃で3分間活性化アニールを実行した。この結果得られた構造上に、Ti/Al/Nb/Au多層膜のメタライズのオーミック電極を形成した。この結果得られた素子の電気特性を、ホール測定法およびTLM(Transmission Line Model)法を使用して測定した。
図9は、この素子のエピ構造を概略的に示す図であり、図10は、図9に示したエピ構造のバンド構造の計算結果を示すグラフである。図10のグラフの横軸は、エピ構造の深さ(Depth)を示す。なお、1Åは、10−10mすなわち0.1nmに等しい。当該グラフの左側の縦軸は、伝導帯のエネルギー(Energy)を示し、当該グラフの右側の縦軸は、キャリア濃度(Carrier Concentration)を示す。左側の縦軸において、基準値(0eV)は、フェルミ準位に等しい。グラフの実線は、深さ方向のエネルギー分布を表し、グラフの破線は、深さ方向のキャリア濃度分布を表している。図示の通り、GaN層における、AlGaN層との接合界面近傍(深さ450Å(45nm)を若干超えたあたり)では、伝導帯のエネルギーがフェルミ準位よりも低くなり、ここにキャリア(電子)が集中することが確認された。この電子は、2次元電子ガス(2DEG)として機能し得る。
次に、図11(A)、(B)、(C)に示す3種類の構造を用意し、TLM法により測定した。なお、TLM法は基本的には2端子測定なので、これらのテストパターンでは、ゲート電極は設けていない。
図11(A)の構造は、基板50上にバッファ膜(図示せず)を介して形成された電子走行層(GaN層)51と、電子走行層51にヘテロ接合する電子供給層(AlGaN層)52と、この電子供給層52の上面とオーミック接触するソース電極60Aおよびドレイン電極60Bとを有する構造である。この構造がオン状態のとき、2次元電子ガス層53が形成されるが、本エピ構造はノーマリーONの構造なので、制御電極(ゲート電極)を設けて制御信号(ゲートバイアス)を負に印加しない限り、制御電極フリーの状態で通常オン状態になっている。
図11(B)の構造は、基板50上にバッファ膜(図示せず)を介して形成された電子走行層(GaN層)51と、電子走行層51の上面にヘテロ接合する電子供給層(AlGaN層)52と、この電子供給層52の上面とオーミック接触するソース電極60Aとドレイン電極60Bとを有する構造である。この構造は、イオン注入により、電子供給層52の上面からヘテロ接合界面を超える深さにまで高濃度のn型不純物注入領域54が形成されている。
図11(C)の構造は、基板50上にバッファ膜(図示せず)を介して形成された電子走行層(GaN層)51と、電子走行層51の上面にヘテロ接合する電子供給層(AlGaN層)52と、この電子供給層(AlGaN層)52の上面とオーミック接触するソース電極60Aおよびドレイン電極60Bとを有する構造である。ソース電極60Aおよびドレイン電極60Bの下方において、それぞれ、電子供給層52の上面からヘテロ接合界面を超える深さにまで高濃度のn型不純物注入領域55A,55Bがイオン注入により形成されている。この構造がオン状態のとき、n型不純物注入領域55Aと55Bとの間に2次元電子ガス層のチャネル56が形成される。
図11(A)の構造は、イオン注入がなされない領域での2次元電子ガス層53のオーミック・コンタクト抵抗Rc(2DEG)とシート抵抗Rsh(2DEG)を求めるための構造である。なお、2次元電子ガスのオーミック・コンタクト抵抗は、2次元電子ガスとオーミック電極との間の電気抵抗を言い、2次元電子ガスのシート抵抗は、2次元電子ガス走行層(電子走行層上部において、2次元電子ガスが走行する部分)の電気抵抗を言う。
図11(B)の構造は、イオン注入された領域でのオーミック・コンタクト抵抗Rc(n)とシート抵抗Rsh(n)とを求めるための構造である。図11(C)の構造は、n型不純物注入領域(n型導電層領域)55Aおよび55Bと、これら不純物注入領域55Aおよび55B間の2次元電子ガス層のチャネル56との接続部における接続抵抗Rbを評価するための構造である。図11(C)の構造のシート抵抗は、図11(A)の構造のシート抵抗Rsh(2DEG)と等しい。これに対し、図11(C)の構造で評価された見かけのコンタクト抵抗Rcは、図11(C)の構造での接続部のマージンΔLを考慮して下記式(1)で表される。なお、前記接続部のマージンΔLは、n型不純物注入領域(n型導電層領域)55Aまたは55Bにおいて、上方にオーミック電極が形成されていない部分の幅である。前記幅は、ソース電極およびドレイン電極間において電流が流れる方向の幅をいう。
Rc=Rb+Rc(n)+Rsh(n)・ΔL (1)
ここで、Rc(n)、Rsh(n)は、図11(B)から求められ、ΔLも既知であるので、この式より、n型不純物注入領域55Aおよび55Bとチャネル56との接続部における接続抵抗Rbを求めることができる。なお、本発明のHEMTにおいて、前記接続抵抗Rbは、好ましくは0.3Ωmm以下、より好ましくは0.2Ωmm以下、特に好ましくは0.1Ωmm以下である。前記接続抵抗Rbの下限値は、特に制限されない。また、本発明のHEMTにおいて、前記オーミック・コンタクト抵抗Rc(n)は、好ましくは0.3Ωmm以下、より好ましくは0.2Ωmm以下、特に好ましくは0.1Ωmm以下である。前記オーミック・コンタクト抵抗Rc(n)の下限値は、特に制限されない。本発明のHEMTにおいて、前記シート抵抗Rsh(n)は、好ましくは100Ω/□以下、より好ましくは70Ω/□以下、特に好ましくは50Ω/□以下である。前記シート抵抗Rsh(n)の下限値は、特に制限されない。
なお、図11(A)、図11(B)および図11(C)において、電子供給層52は、図9および10で説明した素子と同様、45nm厚のAl0.15Ga0.85N層とした。電子走行層51は、図9および10で説明した素子と同様、GaN層とした。n型不純物(Si)をドーピングした領域において、ドーピングおよびアニールは、図9および10で説明した素子と同条件で行い、ドーズ量も、1×1015cm−2とした。オーミック電極も、図9および10で説明した素子と同じとした。
このようにして評価した結果、図11(C)の素子(テストパターン)において、n型不純物注入領域55Aおよび55Bでのコンタクト抵抗はRc=0.47Ωmm、シート抵抗は408Ω/□(ohm/square)という特性が得られた。ここで問題になるのは、n型不純物注入領域55Aおよび55Bとチャネル56との接続抵抗であり、この接続抵抗の測定結果は、後述するように、ドーズ量(スルー膜による吸収含む)が1×1011cm−2の場合と比較して116倍(1.16Ωmm)という大きい値になった。この接続抵抗は、コンタクト抵抗として、デバイスのアクセス抵抗、オン抵抗等を増加させるので、この接続抵抗を低減させることが重要である。
以下、図11(C)の素子におけるチャネル56とn型不純物注入領域55Aおよび55Bとの間の接続抵抗について、n型不純物ドーズ量に対する依存性を、実験等により検証した結果を示す。
まず、図9で説明した素子(試料)において、ドーズ量(スルー膜による吸収含む)を1×1011(1E+11)〜3×1016(3E+16)cm−2の範囲内で変化させ、n型不純物(28Si)をイオン注入(ドーピング)し、前記ドーズ量と、注入されたn型不純物(28Si)濃度との相関関係を確認した。前記イオン注入時の加速エネルギーは100keVで一定とし、スルーSiN膜の厚みも一定(80nm)とした。図12のグラフに、その結果を示す。同図において、横軸は、電子供給層(AlGaN層)52上面からの深さ(nm)であり、縦軸は、図中に示す各ドーズ量において、各深さに注入されたn型不純物(28Si)濃度(cm−3)を示す。同図において、深さがマイナスの領域は、前記スルーSiN膜を示す。図示の通り、ドーズ量増加にしたがって、各深さに注入されたn型不純物(28Si)濃度も増加している。なお、同図における「ドーズ量」は、前記スルーSiN膜による吸収量を差し引かない値であり、実効ドーズ量は、表記の値よりも約8%低い。
さらに、図12のドーピング条件において、電子走行層(GaN層)51における電子供給層(AlGaN層)52とのヘテロ接合界面で、注入されたドナー(n型不純物、28Si)濃度と、室温(25℃)でイオン化したドナー(n型不純物、28Si)濃度との相関関係を確認した。なお、ドナー(n型不純物、28Si)の活性化(アニール処理)は、1200℃×3分で行った。図13のグラフに、前記へテロ接合界面における28Siのイオン注入濃度に対する、イオン化ドナー濃度のプロット結果を示す。同図において、横軸は、前記へテロ界面に注入された28Siの濃度を示す。左側の縦軸は、前記温度においてイオン化したドナー(28Si)濃度を示す。右側の縦軸は、前記温度におけるドナー(28Si)の活性化率(イオン化率)を示す。図示の通り、前記へテロ接合界面において、ドナー(n型不純物)濃度が1×1020(1E+20)/cm以上であると、イオン化ドナー濃度(イオン化されたn型不純物濃度)が1×1019(1E+19)/cmを超える十分な値が得られた。イオン化ドナー濃度は、注入されたドナー(n型不純物)濃度が3×1020(3E20)〜3×1021(3E21)/cmの領域で最も大きかった。注入されたドナー濃度がそれより大きくなると、イオン化ドナー濃度は若干低下した。この理由は必ずしも明らかではないが、例えば、イオン化ドナー濃度が、AlGaNまたはGaNに溶存しうる飽和濃度(固溶限界)に達したためと考えられる。このように、イオン化されたn型不純物濃度をさらに大きくする観点から、本発明のHEMTは、前記n型導電層領域の前記電子走行層部分において、前記電子供給層とのヘテロ接合界面に含まれるn型不純物濃度が3×1020cm−3以上であることが好ましい。前記n型不純物濃度の上限は特に制限されないが、前述の理由から、例えば、3×1021cm−3以下である。
次に、図11(C)の素子における、チャネル56とn型不純物注入領域55Aおよび55Bとの間の接続抵抗Rbについて、前記へテロ接合界面のn型不純物濃度(図13横軸における「注入した28Si濃度」)との相関関係を検証した。ドーピング条件は、図12および13の条件とした。図14のグラフに、その結果をプロットした。同図において、横軸(注入した28Si濃度)は、前記へテロ接合界面における28Si(n型不純物)濃度を示す。縦軸(2DEG−n+/−接続抵抗)は、チャネル56とn型不純物注入領域55Aおよび55Bとの間の接続抵抗Rb[Ωmm]を示す。
また、図14の縦軸における接続抵抗を、接続抵抗増加率で表すとともに、前記へテロ接合界面に注入した28Si(n型不純物)濃度に代えて、n型不純物の実効ドーズ量に対してプロットした。図15に、その結果を示す。同図において、横軸は、28Si(n型不純物)ドーピング時(図12および13と同じドーピング条件)における実効ドーズ量である。縦軸(2DEG−n+/−接続抵抗増加率)は、チャネル56とn型不純物注入領域55Aおよび55Bとの間の接続抵抗Rb[Ωmm]を、ドーズ量(スルー膜による吸収含む)が1×1011(1E+11)cm−2のときの接続抵抗を基準に規格化した抵抗値である。
さらに、図16のグラフに、前記接続抵抗増加率と、前記へテロ接合界面に注入した28Si(n型不純物)濃度との相関関係をプロットした。同図において、横軸(注入した28Si濃度)は、図14と同じく、前記へテロ接合界面における28Si(n型不純物)濃度を示す。縦軸(2DEG−n+/−接続抵抗増加率)は、図15と同じく、チャネル56とn型不純物注入領域55Aおよび55Bとの間の接続抵抗Rb[Ωmm]を、ドーズ量(スルー膜による吸収含む)が1×1011(1E+11)cm−2のときの接続抵抗を基準に規格化した抵抗値である。
図14〜16に示すとおり、前記n型導電層領域の前記電子走行層部分において、前記電子供給層とのヘテロ接合界面のn型不純物濃度が1×1020(1E+20)cm−3以上であると、または実効ドーズ量が1×1015(1E+15)cm−2以上であると、前記接続抵抗Rb(2DEG−n+/−接続抵抗)が大幅に低下した。また、図14および16に示すとおり、前記へテロ接合界面におけるn型不純物濃度が8×1020(8E+20)〜3×1021(3E+21)cm−3において、前記接続抵抗Rb(2DEG−n+/−接続抵抗)が特に低くなった(0.15Ωmm以下)。このとき、HEMTのオン抵抗も、実用に特に適したレベルまで低減できる。この観点から、本発明のHEMTでは、前記n型導電層領域の前記電子走行層部分において、前記電子供給層とのヘテロ接合界面のn型不純物濃度は、8×1020cm−3以上がより好ましく、上限値は、3×1021cm−3が好ましい。なお、前記上限値は特に制限されず、3×1021cm−3を超えてもよいが、あまり大過剰であると、前述した結晶構造の劣化等により、かえって前記接続抵抗Rbが上昇するおそれがある。
また、図14および16に示すとおり、前記ヘテロ接合界面における28Si(n型不純物)濃度が1×1018(1E+18)cm−2以下の領域では、接続抵抗Rbがほとんど増加していなかった。同様に、図15から、実効ドーズ量が1×1013(1E13)cm−2以下の領域では、接続抵抗Rbはほとんど増加していないことが分かる。すなわち、1×1013(1E13)cm−2以下の領域の実効ドーズ量では、ヘテロ接合界面に到達した注入イオン(n型不純物)が少ないので、ヘテロ接合界面がイオン注入前の状態に近い状態で保持されていると考えられる。したがって、この実効ドーズ量領域またはドナー不純物(n型不純物)濃度領域では、ドナー不純物イオン(n型不純物)注入による、コンタクト抵抗低減やシート抵抗低減の効果がそもそも小さい。
また、図14〜16に示すとおり、実効ドーズ量がちょうど1×1014cm−2または28Si(n型不純物)濃度が1×1019(1E+19)cm−3のポイントで、接続抵抗(接続抵抗増加率)が最も高かった。この理由は、例えば、イオン注入によって半導体ヘテロ界面チャネル部の原子配列が損傷を受け、その部分のポテンシャルが上昇して電気伝導に対する障壁となるためであると考えられる。ただし、これは推測可能な機構の一例であって、本発明を限定しない。本発明者らは、このように、n型不純物の実効ドーズ量または前記へテロ接合界面におけるn型不純物濃度(体積密度)が一定値において、前記接続抵抗がきわめて大きくなることに着目した。そして、本発明者らは、これを解決するために、前記へテロ接合界面におけるn型不純物濃度を1×1020cm−3以上とすることを見出し、本発明に到達し、さらに、前記n型不純物の実効ドーズ量を1×1015cm−2とすることを見出したのである。
さらに、図15のグラフに示すとおり、実効ドーズ量が1×1014(1E+14)を超え3×1016(3E+16)cm−2までの領域では、ドーズ量が1×1016(1E+16)cm−2のポイントで接続抵抗Rbが極小値であった。この値は、デバイス応用において、特に適している。接続抵抗Rbは低いほど良いためである。この値を与えるドーズ量1×1016(1E+16)cm−2は、チャネル56とn型不純物注入領域55A,55Bとの接続抵抗Rbを低減するための最適な、あるいはほぼ最適なドーズ量である。なお、前記1×1016(1E+16)cm−2というドーズ量は、スルー膜を介して導入された値であり、実効ドーズ量(スルー膜を透過して電子供給層の上面以下にまで到達したドーズ量)は、9.2×1015(9.2E+15)cm−2となる。このように、実効ドーズ量が比較的高い領域において、接続抵抗Rbの増加率を十分に低い値に抑制することができる。なお、図15に示したとおり、実効ドーズ量が3×1016(3E16)cm−2を超える場合には、接続抵抗が若干増加する傾向が見られた。この理由は必ずしも明らかではないが、例えば、このドーズ量以上では、イオン化ドナー濃度が、AlGaNまたはGaNに溶存しうる飽和濃度(固溶限界)に達したためと考えられる。この観点から、本発明におけるHEMTの製造方法では、前記n型同電層形成領域における前記実効ドーズ量は、9.2×1015cm−2以上、または1.0×1016cm−2以上が、より好ましい。前記実効ドーズ量の上限は、特に制限されないが、前記の理由により、3×1016(3E16)cm−2以下が好ましい。
さらに、前記接続抵抗Rbが低減したメカニズムについて検討した。すなわち、シュレーディンガー方程式とポアソン方程式を連立させてセルフ・コンシステントな解を数値計算で求め、量子力学的効果を取り込んだ定量的な1次元バンド構造を求めた。図17に、この計算結果を示す。同図は、具体的には、図11〜16で説明した素子(試料)に対する実効ドーズ量を種々変化させ、前記試料の伝導帯下端エネルギーまたはキャリア濃度(電子濃度)を深さ方向でプロットしたものである。同図では、9.2×1013(9.2E13)cm−2、9.2×1014(9.2E14)cm−2、9.2×1015(9.2E15)cm−2と実効ドーズ量を段階的に増やした場合における値をそれぞれプロットした。同図において、横軸は、前記素子(試料)における、電子供給層52上面からの深さ(Å)である。1Åは、10−10mすなわち0.1nmに等しい。また、同図において、縦軸は、前記試料の伝導帯下端エネルギー(eV)またはキャリア濃度(cm−3)を表す。同図において、前記キャリアとは、電子である。また、キャリア濃度は、イオン化されたn型不純物(ドナー不純物、28S)の濃度に等しい。同図において、イオン化したドナー濃度(n型不純物濃度)の深さ方向の分布D(z)は、下記式(2)の通りである。下記式(2)において、電子供給層52上面からの深さ方向zに関する注入イオンの分布確率P(z)は、モンテカルロ計算を用いて統計力学的に求めた。また、イオンの活性化率ηには、実際に試料を室温(25℃)でホール測定して得た実験値を用いた。
D(z)=η・N・P(z) (2)
前記式(2)において、Nは、トータルの実効ドーズ量である。図17のグラフに示すとおり、実効ドーズ量が9.2×1013(9.2E+13)cm−2のときには、オーミック・コンタクト部(AlGaN電子供給層52上面)でも、AlGaN電子供給層52内部でも、AlGaN/GaNヘテロ接合部(ヘテロ接合界面)でも、ポテンシャルが十分下がりきっていない。これに対応して、コンタクト抵抗Rc(n)は0.32Ωmm、シート抵抗Rsh(n)は4310Ω/□、接続抵抗Rbの値は2.91Ωmmと、実験的にも軒並み高い値が得られた。実効ドーズ量が9.2×1015(9.2E+15)cm−2の場合には、オーミック・コンタクト部でも、AlGaN電子供給層でも、AlGaN/GaNヘテロ接合部でも、ポテンシャルはフェルミレベルより十分低減している。これに対応して、コンタクト抵抗Rc(n)は0.03Ωmm、シート抵抗Rsh(n)は106Ω/□、接続抵抗Rbは0.17Ωmmと、実験的にもそろって十分に低い値が得られた。
接続抵抗の低減は、AlGaN/GaNヘテロ接合部のポテンシャルがフェルミレベルより十分に低減することによってもたらされていると考えられる。図18は、これを「横方向」のバンド構造で説明するための模式図である。同図には、2種類のポテンシャルPiおよびPdを示した。同図に示すとおり、半導体ヘテロ接合により生成された2次元電子ガス層(ヘテロ接合による2DEG)付近のn型不純物注入領域に、十分な量のイオン化したドナーが存在すると、そうでない場合のポテンシャルPiと比べて、その箇所のポテンシャルPdが下がる。これに伴い、接続部の障壁高さが低減し、接続抵抗が下がるものと推察される。ただし、図18は例示的な模式図であり、本発明を限定しない。
室温において2次元電子ガス層付近のn型不純物注入領域のポテンシャルが十分に低減するためには、前記の通り、「室温におけるイオン化ドナー不純物濃度が1×1019(1E19)cm−3以上」であることが好ましい。したがって、接続抵抗の低減には、前記のように実効ドーズ量自体を増やすことも有効であるし、活性化アニール温度を上げて、注入したイオンの活性化率を上げることも有効である。さらに、活性化率向上という観点からは、イオン注入時に基板温度を上昇させた状態においてイオン注入する「昇温イオン注入」も有効である。また、前述の通り、デバイス(本発明のHEMT)の動作温度が、室温と大きく異なる場合(例えば自動車のエンジンルームでデバイスが動作する場合)では、前記接続抵抗が低減するためには、本発明のHEMTの動作温度において、イオン化ドナー不純物濃度が1×1019cm−3以上であることが好ましい。
以上、図9〜図18を用いて、本発明のHEMTについて説明したが、本発明は、これらの説明に限定されない。例えば、実験データは、電子供給層がAlGaN、電子走行層がGaNである場合の一例である。前記電子供給層および電子走行層の組成、厚み等は、前記の値に限定されない。
以下、前記第1〜第4の実施形態のHEMT1〜4の好適な実施例について説明する。
実施例1では、以下のようにして、前記第1の実施形態のHEMT1(図2)と同じ構造を有するHEMTを製造した。なお、以下の実施例1〜4において、「ドーズ量」は、スルー膜による吸収量を差し引かないドーズ量であり、実効ドーズ量は、それよりも約8%低い。
まず、3インチSi基板(図1および2の基板10)上に、MOCVD法により、i−Al0.15Ga0.85N(45nm厚)/i−GaNヘテロ接合エピタキシャル膜(図2の電子供給層12および電子走行層11)を成長させた(電子走行層形成工程、および電子供給層形成工程)。なお、「3インチ」は、前記Si基板の長さである。1インチは、約2.54cmであるので、前記Si基板の長さは、約7.62cmである。このようにして作製した試料に対し、後の工程の目合わせマークを形成するため、前記試料上面の一部をレジストを用いてパターニングした後、ドライエッチングにより前記試料上面の一部にメサ段差を形成した。
次に、前記試料を有機洗浄した後、膜厚80nmの窒化膜(SiN膜)を、前記i−AlGaN層(電子供給層12)上面にスルー膜として堆積させた。さらに、前記試料に選択的に高濃度のn型層(n型導電層領域)を形成するため、レジストを用いて前記試料をパターニングした後、傾斜角度7度で、n型不純物(ドナー不純物)であるSi(原子量:28)のイオン注入すなわちドーピング(加速エネルギー100keV、ドーズ量1×1016cm−2)を行った。ドーピングした領域において、2次元電子ガス層(電子走行層11における、電子供給層12とのヘテロ接合界面)での注入イオン密度(n型不純物濃度)は、約1×1021cm−3であった。その後、前記スルー膜をフッ酸で除去した。
次に、イオン注入されたドーパント(n型不純物)であるSiを活性化させるために、アニール処理を行った。まず、前記試料のレジストを除去した後、前記試料の上面、裏面(下面)および側面にシリコン酸窒化膜Si(x、yの範囲は、およそ0<x≦1.0,1<y<4)をプラズマCVD法で1200Åの厚みで堆積させ、これをアニール保護膜とした。
次に、前記試料を、窒素雰囲気中、1200℃の温度で3分間保持することにより、アニール処理(活性化アニール)した。このようにして、n型導電層領域13Aおよび13Bを形成した(n型導電層領域形成工程)。さらに、前記アニール保護膜を除去するため、前記試料を濃厚なフッ酸(フッ化水素49%含有)に5分間浸し、その後水洗した。
次に、前記i−AlGaN層(電子供給層12)上面の、ソース電極形成予定領域とドレイン電極形成予定領域との間に、Ni/Auから形成された金属を堆積させ、ゲート電極14を形成した(ゲート電極形成工程)。さらに、レジストを用いて前記試料をパターニングした後、塩酸で表面処理を行い、オーミック金属であるTi/Al/Nb/Au多層膜を蒸着した。その後、前記試料にリフトオフ処理を施し、さらに850℃30秒のRTA(Rapid Thermal Annealing)によりアロイ処理してオーミック接触をとった。このようにして、n型導電層領域13A上にソース電極15Aを、およびn型同電層領域13B上にドレイン電極15Bを、それぞれ形成した(ソース電極形成工程およびドレイン電極形成工程)。
さらに、レジストを用いて前記試料をパターニングし、傾斜角7度でN(原子量:14)のイオン注入を2段階で行うことによってアイソレーションを形成した。前記Nのイオン注入において、1回目の加速エネルギーが100keV、そのドーズ量が1×1014cm−2であり、2回目の加速エネルギーが20keV、そのドーズ量が1×1014cm−2であった。さらに、前記レジストを除去した。以上のようにして、図2に示すHEMT1と同じ構造のHEMTを製造した。このHEMTについて、ホール測定、TLMパターン等による電気測定を実行して特性を評価した。
本実施例(実施例1)のHEMTは、n型不純物注入領域(n型導電層領域)でのコンタクト抵抗(オーミック・コンタクト抵抗)はRc=0.03Ωmm、シート抵抗(2DEG層28の抵抗)は106Ω/□という良好な値が得られた。n型不純物注入領域(n型導電層領域)とチャネル領域との接続抵抗は0.17Ωmmであり、一般的なHEMTと比較して非常に小さな値であった。
本実施例(実施例2)では、前記第2の実施形態のHEMT2(図4)と同じ構造を有するHEMTを、以下のようにして製造した。
まず、実施例1と同様の3インチSi基板(図3および4の基板20)上に、MOCVD法により、i−Al0.15Ga0.85N(45nm厚)/i−GaNヘテロ接合エピタキシャル膜(図4の電子供給層22および電子走行層21)を成長させた(電子走行層形成工程、および電子供給層形成工程)。このようにして作製した試料に対し、後の工程の目合わせマークを形成するため、前記試料上面の一部をレジストを用いてパターニングした後、ドライエッチングにより前記試料上面の一部にメサ段差を形成した。
次に、前記試料を有機洗浄した後、膜厚80nmの窒化膜(SiN膜)を、前記i−AlGaN層(電子供給層22)上面にスルー膜として堆積させた。さらに、前記試料に選択的に高濃度のn型層(n型導電層領域)を形成するため、レジストを用いて前記試料をパターニングした後、傾斜角度7度で、n型不純物(ドナー不純物)であるSi(原子量:28)のイオン注入すなわちドーピングを、2段階で行った。第1段階のイオン注入は、加速エネルギー300keVであり、ドーズ量3×1015cm−2であった。第2段階のイオン注入は、第1段階のイオン注入部と2次元電子ガス層(図3および4の28)のチャネル領域との接続部を含む領域に対して実行した。このときの加速エネルギーは100keV、ドーズ量は1×1016cm−2であった。前記第2段階のイオン注入(ドーピング)において、チャネル領域(電子走行層21上面における、電子供給層22とのヘテロ接合界面)への注入イオン密度は約1×1021cm−3とした。なお、加速エネルギーが100keVのときのイオン注入プロファイルのドーズ量依存性は、図12に示した通りである。前記2段階でのドーピング後、前記スルー膜をフッ酸で除去した。
次に、イオン注入されたドーパント(n型不純物)であるSiを活性化させるために、アニール処理を行った。まず、前記試料のレジストを除去した後、前記試料の上面、裏面(下面)および側面にシリコン酸窒化膜Si(x、yの範囲は、およそ0<x≦1.0,1<y<4)をプラズマCVD法で1200Åの厚みで堆積させ、これをアニール保護膜とした。
次に、前記試料を、窒素雰囲気中、1200℃の温度で3分間保持することにより、アニール処理(活性化アニール)した。このようにして、n型導電層領域24A、25A、24Bおよび25Bを形成した(n型導電層領域形成工程)。さらに、前記アニール保護膜を除去するため、前記試料を濃厚なフッ酸(フッ化水素49%含有)に5分間浸し、その後水洗した。
次に、前記i−AlGaN層(電子供給層22)上面の、ソース電極形成予定領域とドレイン電極形成予定領域との間に、Ni/Auから形成された金属を堆積させ、ゲート電極23を形成した(ゲート電極形成工程)。さらに、レジストを用いて前記試料をパターニングした後、塩酸で表面処理を行い、オーミック金属であるTi/Al/Nb/Au多層膜を蒸着した。その後、前記試料にリフトオフ処理を施し、さらに850℃30秒のRTA(Rapid Thermal Annealing)によりアロイ処理してオーミック接触をとった。このようにして、n型導電層領域24A上にソース電極26Aを、およびn型同電層領域25B上にドレイン電極26Bを、それぞれ形成した(ソース電極形成工程およびドレイン電極形成工程)。
さらに、レジストを用いて前記試料をパターニングし、傾斜角7度でN(原子量:14)のイオン注入を2段階で行うことによってアイソレーションを形成した。前記Nのイオン注入において、1回目の加速エネルギーが100keV、そのドーズ量が1×1014cm−2であり、2回目の加速エネルギーが20keV、そのドーズ量が1×1014cm−2であった。さらに、前記レジストを除去した。以上のようにして、図4に示すHEMT2と同じ構造のHEMTを製造した。このHEMTについて、ホール測定、TLMパターン等による電気測定を実行して特性を評価した。
本実施例(実施例2)のHEMTは、n型不純物注入領域(n型導電層領域)でのコンタクト抵抗(オーミック・コンタクト抵抗)はRc=0.03Ωmm、シート抵抗(2DEG層28の抵抗)は110Ω/□という良好な値が得られた。n型不純物注入領域(n型導電層領域)とチャネル領域との接続抵抗は0.17Ωmmであり、一般的なHEMTと比較して非常に小さな値であった。また、本実施例の製造プロセスによれば、前記第1段階のイオン注入によって、深部まで高濃度のn型層(n型導電層領域)を形成した構造のHEMTを得ることができた。
本実施例(実施例3)では、前記第3の実施形態のHEMT3(図6)と同じ構造を有するHEMTを、以下のようにして製造した。
まず、実施例1と同様の3インチSi基板(図5および6の基板30)上に、MOCVD法により、i−Al0.15Ga0.85N(45nm厚)/i−GaNヘテロ接合エピタキシャル膜(図5の電子供給層32および電子走行層31)を成長させた(電子走行層形成工程、および電子供給層形成工程)。このようにして作製した試料に対し、後の工程の目合わせマークを形成するため、前記試料上面の一部をレジストを用いてパターニングした後、ドライエッチングにより前記試料上面の一部にメサ段差を形成した。
次に、前記試料を有機洗浄した後、膜厚80nmの窒化膜(SiN膜)を、前記i−AlGaN層(電子供給層32)上面にスルー膜として堆積させた。さらに、前記試料に選択的に高濃度のn型層(n型導電層領域)を形成するため、レジストを用いて前記試料をパターニングした後、傾斜角度7度で、n型不純物(ドナー不純物)であるSi(原子量:28)のイオン注入すなわちドーピング(加速エネルギー100keV、ドーズ量1×1016cm−2)を行った。ドーピングした領域において、2次元電子ガス層(電子走行層31における、電子供給層32とのヘテロ接合界面)での注入イオン密度(n型不純物濃度)は、約1×1021cm−3であった。その後、前記スルー膜をフッ酸で除去した。
次に、イオン注入されたドーパント(n型不純物)であるSiを活性化させるために、アニール処理を行った。まず、前記試料のレジストを除去した後、前記試料の上面、裏面(下面)および側面にシリコン酸窒化膜Si(x、yの範囲は、およそ0<x≦1.0,1<y<4)をプラズマCVD法で1200Åの厚みで堆積させ、これをアニール保護膜とした。
次に、前記試料を、窒素雰囲気中、1200℃の温度で3分間保持することにより、アニール処理(活性化アニール)した。このようにして、n型導電層領域33Aおよび33Bを形成した(n型導電層領域形成工程)。さらに、前記アニール保護膜を除去するため、前記試料を濃厚なフッ酸(フッ化水素49%含有)に5分間浸し、その後水洗した。
次に、レジストを用いて試料をパターニングし、前記試料の電子供給層32上面を、イオン注入領域(n型導電層領域33Aおよび33B)より広い範囲において、SF(六フッ化硫黄)ガスを用いてプラズマエッチング(ドライ表面処理)した。このドライ表面処理により、電子供給層32は、ダメージが低減された電子供給層32P(図6)となった。
次に、前記i−AlGaN層(電子供給層32P)上面の、ソース電極形成予定領域とドレイン電極形成予定領域との間に、Ni/Auから形成された金属を堆積させ、ゲート電極34を形成した(ゲート電極形成工程)。さらに、前記電子供給層32Pにおける前記ドライ表面処理された領域をカバーするように、オーミック金属であるTi/Al/Nb/Au多層膜を蒸着した。その後、前記試料にリフトオフ処理を施し、さらに850℃30秒のRTA(Rapid Thermal Annealing)によりアロイ処理してオーミック接触をとった。このようにして、n型導電層領域33A上にソース電極35Aを、およびn型同電層領域33B上にドレイン電極35Bを、それぞれ形成した(ソース電極形成工程およびドレイン電極形成工程)。
さらに、レジストを用いて前記試料をパターニングし、傾斜角7度でN(原子量:14)のイオン注入を2段階で行うことによってアイソレーションを形成した。前記Nのイオン注入において、1回目の加速エネルギーが100keV、そのドーズ量が1×1014cm−2であり、2回目の加速エネルギーが20keV、そのドーズ量が1×1014cm−2であった。さらに、前記レジストを除去した。以上のようにして、図6に示すHEMT3と同じ構造のHEMTを製造した。このHEMTについて、ホール測定、TLMパターン等による電気測定を実行して特性を評価した。
本実施例(実施例3)のHEMTは、n型不純物注入領域(n型導電層領域)でのコンタクト抵抗(オーミック・コンタクト抵抗)はRc=0.02Ωmm、シート抵抗(2DEG層38の抵抗)は103Ω/□という良好な値が得られた。n型不純物注入領域(n型導電層領域)とチャネル領域との接続抵抗は0.13Ωmmであった。前記接続抵抗値は、一般的なHEMTと比較して非常に小さな値であり、実施例1と比較してもさらに改善されていた。
本実施例(実施例4)では、前記第4の実施形態のHEMT4(図8)と同じ構造を有するHEMTを、以下のようにして製造した。
まず、実施例1と同様の3インチSi基板(図7および8の基板40)上に、MOCVD法により、i−Al0.15Ga0.85N(45nm厚)/i−GaNヘテロ接合エピタキシャル膜(図7の電子供給層42および電子走行層41)を成長させた(電子走行層形成工程、および電子供給層形成工程)。このようにして作製した試料に対し、後の工程の目合わせマークを形成するため、前記試料上面の一部をレジストを用いてパターニングした後、ドライエッチングにより前記試料上面の一部にメサ段差を形成した。
次に、前記試料を有機洗浄した後、膜厚80nmの窒化膜(SiN膜)を、前記i−AlGaN層(電子供給層42)上面にスルー膜として堆積させた。さらに、前記試料に選択的に高濃度のn型層(n型導電層領域)を形成するため、レジストを用いて前記試料をパターニングした後、傾斜角度7度で、n型不純物(ドナー不純物)であるSi(原子量:28)のイオン注入すなわちドーピングを、2段階で行った。第1段階のイオン注入は、加速エネルギー300keVであり、ドーズ量3×1015cm−2であった。第2段階のイオン注入は、第1段階のイオン注入部と2次元電子ガス層(図7および8の48)のチャネル領域との接続部を含む領域に対して実行した。このときの加速エネルギーは100keV、ドーズ量は1×1016cm−2であった。前記第2段階のイオン注入(ドーピング)において、チャネル領域(電子走行層41上面における、電子供給層42とのヘテロ接合界面)への注入イオン密度は約1×1021cm−3とした。なお、加速エネルギーが100keVのときのイオン注入プロファイルのドーズ量依存性は、図12に示した通りである。前記2段階でのドーピング後、前記スルー膜をフッ酸で除去した。
次に、イオン注入されたドーパント(n型不純物)であるSi(原子量:28)を活性化させるために、アニール処理を行った。まず、前記試料のレジストを除去した後、前記試料の上面、裏面(下面)および側面にシリコン酸窒化膜Si(x、yの範囲は、およそ0<x≦1.0,1<y<4)をプラズマCVD法で1200Åの厚みで堆積させ、これをアニール保護膜とした。
次に、前記試料を、窒素雰囲気中、1200℃の温度で3分間保持することにより、アニール処理(活性化アニール)した。このようにして、n型導電層領域44A、45A、44Bおよび45Bを形成した(n型導電層領域形成工程)。さらに、前記アニール保護膜を除去するため、前記試料を濃厚なフッ酸(フッ化水素49%含有)に5分間浸し、その後水洗した。
次に、レジストを用いて試料をパターニングし、前記試料の電子供給層42上面を、イオン注入領域(n型導電層領域45Aおよび45B)より広い範囲において、SF(六フッ化硫黄)ガスを用いてプラズマエッチング(ドライ表面処理)した。このドライ表面処理により、電子供給層42は、ダメージが低減された電子供給層42P(図8)となった。
次に、前記i−AlGaN層(電子供給層42P)上面の、ソース電極形成予定領域とドレイン電極形成予定領域との間に、Ni/Auから形成された金属を堆積させ、ゲート電極43を形成した(ゲート電極形成工程)。さらに、前記電子供給層42Pにおける前記ドライ表面処理された領域をカバーするように、オーミック金属であるTi/Al/Nb/Au多層膜を蒸着した。その後、前記試料にリフトオフ処理を施し、さらに850℃30秒のRTA(Rapid Thermal Annealing)によりアロイ処理してオーミック接触をとった。このようにして、n型導電層領域45A上にソース電極46Aを、およびn型同電層領域45B上にドレイン電極46Bを、それぞれ形成した(ソース電極形成工程およびドレイン電極形成工程)。
さらに、レジストを用いて前記試料をパターニングし、傾斜角7度でN(原子量:14)のイオン注入を2段階で行うことによってアイソレーションを形成した。前記Nのイオン注入において、1回目の加速エネルギーが100keV、そのドーズ量が1×1014cm−2であり、2回目の加速エネルギーが20keV、そのドーズ量が1×1014cm−2であった。さらに、前記レジストを除去した。以上のようにして、図8に示すHEMT4と同じ構造のHEMTを製造した。このHEMTについて、ホール測定、TLMパターン等による電気測定を実行して特性を評価した。
本実施例(実施例4)のHEMTは、n型不純物注入領域(n型導電層領域)でのコンタクト抵抗(オーミック・コンタクト抵抗)はRc=0.02Ωmm、シート抵抗(2DEG層48の抵抗)は103Ω/□という良好な値が得られた。n型不純物注入領域(n型導電層領域)とチャネル領域との接続抵抗は0.13Ωmmであった。前記接続抵抗値は、一般的なHEMTと比較して非常に小さな値であるとともに、実施例1と比較してもさらに改善されていた。また、本実施例の製造プロセスによれば、前記第1段階のイオン注入によって、深部まで高濃度のn型層(n型導電層領域)を形成した構造のHEMTを得ることができた。
以上、本発明の実施形態と好適な実施例について、図面等を用いて説明した。また、前述の通り、本発明の電子装置は、本発明のヘテロ接合電界効果トランジスタを含むことが特徴である。本発明の電子装置の用途は特に限定されず、例えば、電力制御装置、モーター制御装置(例えば電気自動車用、エアコン用等)、電源装置(例えばコンピュータ用等)、インバータ照明、高周波電力発生装置(例えば電子レンジ用、電磁調理器用等)、画像表示装置、情報記録再生装置、通信装置、演算装置(例えば、本発明のHEMTを演算素子として含む)等に広く用いることができる。
前記各実施形態および実施例は本発明の例示である。本発明は前記各実施形態および実施例に限定されず、これら以外の様々な構成を採用することもできる。例えば、前記各実施形態のHEMT構造は、いずれも、単一のヘテロ接合界面を有するシングル・ヘテロ構造であったが、本発明のHEMTは、これに限定されない。例えば、本発明のHEMTは、2つのヘテロ接合界面を有するダブル・ヘテロ構造を有していても良い。前記ダブル・ヘテロ構造としては、例えば、AlGaN/GaN/AlGaN/GaN構造が挙げられる。
また、前記各実施形態では、いずれも、ヘテロ接合界面およびその近傍に2次元電子ガス層が形成されるが、2次元電子ガス層の代わりに1次元電子ガス層が形成されるようにHEMT構造を構成してもよい。
前記各実施形態では、高濃度のイオン化ドナー不純物濃度を得るために、特に好適な例として、シリコン(原子量:28)をn型不純物として導入(ドーピング)することを説明した。前記n型不純物(ドナー不純物)はこれに限定されず、例えば、シリコン(原子量:28)の代わりにシリコン(原子量:29)を導入してもよい。あるいは、酸素、硫黄、セレン、テルルをn型不純物として導入して上記高濃度のイオン化ドナー不純物濃度を得てもよい。
前記各実施形態において、ソース電極およびドレイン電極は、電子供給層上面に直接オーミック接触させた形態を示したが、電子供給層上に、他の半導体層等を介して配置してもよい。また、ゲート電極も、電子供給層上面に直接配置した形態を示したが、例えば、電子供給層上に、ゲート絶縁膜等を介して配置してもよい。
化合物半導体デバイスの開発過程では、そのアクセス抵抗あるいはオン抵抗を低減させるために、ドーパントのイオン注入や熱拡散を用いてデバイス内部に選択的にn型層を形成することが研究されてきた。特に、ノーマリーオフ特性のエンハンスメント・モードで動作するヘテロ接合電界効果トランジスタの場合、2次元電子ガスのチャネル領域のキャリヤが構造上枯渇しやすく、これにより、素子のアクセス抵抗、オン抵抗等が増大する。よって、前述のようにイオン注入や熱拡散を用いてヘテロ接合電界効果トランジスタの内部に選択的にn型層を形成することが以前から精力的に行われている。しかしながら、GaAsやInPなどのIII−V族化合物半導体を用いたデバイスでは、このデバイス内部にドーパントを導入してn型層を形成すると、当該ドーパントがデバイス内部で拡散することにより特性が劣化するという問題があった。特に、ヘテロ接合電界効果トランジスタ構造の半導体ヘテロ接合部のチャネル領域へのドーパントの不要な拡散(たとえば、GaAs中でのSiの拡散)は、致命的なデバイス特性劣化を招くおそれがある。したがって、MESFET(Metal−Semiconductor Field Effect Transistor)などのデバイスは、イオン注入や熱拡散を用いて選択的に形成されたn型層を有することがある。これに対し、半導体ヘテロ接合部のチャネル領域を有するヘテロ接合電界効果トランジスタでは、イオン注入や熱拡散を用いて選択的にn型層を形成することは、デバイス信頼性の観点から工業的にはなされていないのが現状である。
しかしながら、昨今、GaN系ヘテロ接合電界効果トランジスタでは、アクセス抵抗、オン抵抗等の低減のために、オーミック電極下の半導体構造(例えば、AlGaN/GaN構造)にSiに代表されるドーパントをイオン注入し、選択的にn型層を形成することが試みられている。なぜならば、GaN系材料中にイオン注入されたSiなどのドーパントは、GaAs中あるいはInP中にイオン注入された場合と比べて、極めて拡散しにくく、これがGaN系材料へのイオン注入技術に向けての期待を高めているからである。例えば、GaNにドーパントとしてSiをイオン注入し、1,300℃でアニールした場合、アニールによるSiの拡散は、ほぼ全く観測されない。
しかしながら、GaN系HEMTでは、アクセス抵抗、オン抵抗等がデバイス動作上無視できない大きさであった。図19を参照すると、アクセス抵抗、オン抵抗等の低減を阻む主な要因は、n型不純物注入領域105Aと、電子走行層102のうちゲート電極106の下方の領域(チャネルが形成されるべき領域)との接続部R1,R2における電気抵抗(接続抵抗)が高いためである。この点は、前述の通り、本発明者らが、実験等による検証で明らかにした。前述のように、この接続抵抗は、コンタクト抵抗として、HEMT100のアクセス抵抗、オン抵抗等を増加させる。
特に、ノーマリーオフ特性のエンハンスメント・モードで動作するヘテロ接合電界効果トランジスタの場合、選択的にn型層を形成して接続部R1およびR2での接続抵抗を低減することによって素子のアクセス抵抗、オン抵抗等を低減することが求められる。前述の接続抵抗を低減すれば、例えば、SiCパワーデバイスに対して、オン抵抗の低さで特性上凌駕するGaN系HEMTを実現できると考えられる。
本発明によれば、前述の通り、アクセス抵抗、オン抵抗等が低いヘテロ接合電界効果トランジスタ、ヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法、および電子装置を提供することが可能である。
以上、実施形態および実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
この出願は、2008年12月26日に出願された日本出願特願2008−335211を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
1〜4 ヘテロ接合電界効果トランジスタ(HEMT)
10、20、30、40、50 基板
11、21、31、41 電子走行層
12、22、32、42、32P、42P 電子供給層
13A、13B、24A、24B、25A、25B n型導電層領域
33A、33B、44A、44B、45A、45B n型導電層領域
14、34 ゲート電極
15A、26A、35A、46A ソース電極
15B、26B、35B、46B ドレイン電極
18、28、38、48 低次元電子ガス層
23、43 ゲート電極

Claims (16)

  1. 基板上に、III族窒化物半導体により電子走行層が形成され、前記電子走行層の上面に、III族窒化物半導体から形成された電子供給層がヘテロ接合され、前記電子供給層上に、ゲート電極、ソース電極およびドレイン電極が配置され、
    前記ソース電極および前記ドレイン電極の下方の少なくとも一部に、前記電子走行層上部から前記電子供給層上面まで達するn型導電層領域を備え、
    前記n型導電層領域の前記電子走行層部分において、前記電子供給層とのヘテロ接合界面が、n型不純物を1×1020cm−3以上の濃度で含み、
    前記ソース電極及び前記ドレイン電極は、平面視で前記ゲート電極を介して互いに対向しており、
    平面視において、前記ソース電極側の前記n型導電層領域は、前記ゲート電極と対向する縁部が前記ソース電極の底面の縁の内側に位置しており、
    平面視において、前記ドレイン電極側の前記n型導電層領域は、前記ゲート電極と対向する縁部が前記ドレイン電極の底面の縁の内側に位置しているヘテロ接合電界効果トランジスタ。
  2. 前記n型導電層領域の前記電子走行層部分において、前記電子供給層とのヘテロ接合界面におけるイオン化された前記n型不純物の濃度が、5℃以上35℃以下の温度条件下で1×1019cm−3以上であることを特徴とする請求項1記載のヘテロ接合電界効果トランジスタ。
  3. 前記n型導電層領域の前記電子走行層部分において、前記電子供給層とのヘテロ接合界面におけるイオン化された前記n型不純物の濃度が、前記ヘテロ接合電界効果トランジスタの動作温度条件下で1×1019cm−3以上であることを特徴とする請求項1記載のヘテロ接合電界効果トランジスタ。
  4. 前記ソース電極および前記ドレイン電極が、前記n型導電層領域上面を全て覆うように形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のヘテロ接合電界効果トランジスタ。
  5. 前記電子走行層が窒化ガリウムから形成され、前記電子供給層が窒化アルミニウムガリウムから形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のヘテロ接合電界効果トランジスタ。
  6. 基板上に、III族窒化物半導体により電子走行層を形成する電子走行層形成工程と、
    前記電子走行層上面に、III族窒化物半導体をヘテロ接合させて電子供給層を形成する電子供給層形成工程と、
    前記電子走行層の上部および前記電子供給層において、ソース電極形成予定領域およびドレイン電極形成予定領域の少なくとも一部に、n型不純物イオンを、前記電子走行層上部における前記電子供給層とのヘテロ接合界面で1×1020cm−3以上の濃度となるようにドーピングし、アニール処理により活性化してn型導電層領域を形成するn型導電層領域形成工程と、
    前記ソース電極形成予定領域上にソース電極を形成するソース電極形成工程と、
    前記ドレイン電極形成予定領域上にドレイン電極を形成するドレイン電極形成工程と、
    前記ソース電極形成予定領域および前記ドレイン電極形成予定領域の間の領域上にゲート電極を形成するゲート電極形成工程と、
    を含み、
    前記ソース電極及び前記ドレイン電極は、平面視で前記ゲート電極を介して互いに対向しており、
    平面視において、前記ソース電極側の前記n型導電層領域は、前記ゲート電極と対向する縁部が前記ソース電極の底面の縁の内側に位置しており、
    平面視において、前記ドレイン電極側の前記n型導電層領域は、前記ゲート電極と対向する縁部が前記ドレイン電極の底面の縁の内側に位置しているヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法。
  7. 前記n型導電層領域形成工程において、前記ソース電極形成予定領域および前記ドレイン電極形成予定領域の少なくとも一部に、前記n型不純物イオンを5×1015cm−2以上の実効ドーズ量でドーピングすることにより、前記n型不純物イオン濃度を、前記電子走行層上部における前記電子供給層とのヘテロ接合界面で1×1020cm−3以上とすることを特徴とする、請求項6記載のヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法。
  8. 前記n型導電層形成工程において、前記アニール処理を行う領域をあらかじめアニール保護膜で被覆し、前記アニール処理を、1,100℃以上1,300℃以下の温度で行うことを特徴とする請求項6または7記載の電界効果トランジスタの製造方法。
  9. 前記n型導電層領域の前記電子走行層部分において、前記電子供給層とのヘテロ接合界面におけるイオン化された前記n型不純物の濃度が、5℃以上35℃以下の温度条件下で1×1019cm−3以上となるように、前記n型導電層領域形成工程における前記アニール処理を行うことを特徴とする請求項6から8のいずれか一項に記載の製造方法。
  10. 前記n型導電層領域の前記電子走行層部分において、前記電子供給層とのヘテロ接合界面におけるイオン化された前記n型不純物の濃度が、前記ヘテロ接合電界効果トランジスタの動作温度条件下で1×1019cm−3以上となるように、前記n型導電層領域形成工程における前記アニール処理を行うことを特徴とする請求項6から8のいずれか一項に記載の製造方法。
  11. n型導電層領域形成工程における前記n型不純物イオンのドーピングが、n型不純物イオンドーピング第1工程と、n型不純物イオンドーピング第2工程とを含み、
    前記n型不純物イオンドーピング第2工程におけるドーピング領域は、前記n型不純物イオンドーピング第1工程におけるドーピング領域のゲート電極側末端を含んで前記ゲート電極側末端から突出しており、
    前記n型不純物イオンドーピング第1工程における前記n型不純物イオンドーピングの加速エネルギーEと、前記n型不純物イオンドーピング第2工程における前記n型不純物イオンドーピングの加速エネルギーEとの関係が、E>Eであることを特徴とする請求項6から10のいずれか一項に記載の製造方法。
  12. 前記n型導電層領域形成工程後、前記n型導電層領域上面をプラズマ状のガスに曝してドライ表面処理するドライ表面処理工程をさらに含み、
    前記ドライ表面処理工程において、前記ソース電極形成予定領域上面に対するドライ表面処理は、前記ソース電極形成工程に先立って行い、前記ドレイン電極形成予定領域上面に対するドライ表面処理は、前記ドレイン電極形成工程に先立って行うことを特徴とする請求項6から8のいずれか一項に記載の製造方法。
  13. 前記ドライ表面処理工程において、前記ドライ表面処理を行う領域が、前記n型導電層領域上面を全て含み、
    前記ソース電極形成工程および前記ドレイン電極形成工程において、前記n型導電層領域上面を全て覆うように前記ソース電極および前記ドレイン電極を形成することを特徴とする請求項12記載の製造方法。
  14. 前記電子走行層形成工程において、前記電子走行層を形成する前記III族窒化物半導体が、窒化ガリウムであり、
    前記電子供給層形成工程において、前記電子供給層を形成する前記III族窒化物半導体が、窒化アルミニウムガリウムであることを特徴とする請求項6から13のいずれか一項に記載の製造方法。
  15. 請求項6から14に記載の製造方法により製造されることを特徴とするヘテロ接合電界効果トランジスタ。
  16. 請求項1から5および15のいずれか一項に記載のヘテロ接合電界効果トランジスタを含むことを特徴とする電子装置。
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