JP2013149732A - へテロ接合電界効果型トランジスタおよびその製造方法 - Google Patents
へテロ接合電界効果型トランジスタおよびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2013149732A JP2013149732A JP2012008101A JP2012008101A JP2013149732A JP 2013149732 A JP2013149732 A JP 2013149732A JP 2012008101 A JP2012008101 A JP 2012008101A JP 2012008101 A JP2012008101 A JP 2012008101A JP 2013149732 A JP2013149732 A JP 2013149732A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- nitride semiconductor
- semiconductor layer
- layer
- field effect
- effect transistor
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Electrodes Of Semiconductors (AREA)
- Junction Field-Effect Transistors (AREA)
Abstract
【課題】本発明は、二次元電子ガスの閉じ込めを向上させかつ移動度を改善し、高電圧・高周波で動作することが可能なヘテロ接合電界効果型トランジスタおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明によるヘテロ接合電界効果型トランジスタは、窒化物半導体からなるヘテロ接合電界効果型トランジスタであって、基板1上に形成されたバッファ層である第1の窒化物半導体層2と、第1の窒化物半導体層上に形成された障壁層である第2の窒化物半導体層3と、第2の窒化物半導体層上に形成されたチャネル層である第3の窒化物半導体層4とを備え、第2の窒化物半導体層3はAlNであり、第3の窒化物半導体層4はAlaInbGa1-(a+b)N(0≦a<1、0≦b≦1、0≦a+b≦1)であることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】本発明によるヘテロ接合電界効果型トランジスタは、窒化物半導体からなるヘテロ接合電界効果型トランジスタであって、基板1上に形成されたバッファ層である第1の窒化物半導体層2と、第1の窒化物半導体層上に形成された障壁層である第2の窒化物半導体層3と、第2の窒化物半導体層上に形成されたチャネル層である第3の窒化物半導体層4とを備え、第2の窒化物半導体層3はAlNであり、第3の窒化物半導体層4はAlaInbGa1-(a+b)N(0≦a<1、0≦b≦1、0≦a+b≦1)であることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、窒化物を含む半導体からなるヘテロ接合電界効果型トランジスタおよびその製造方法に関する。
窒化物半導体を用いたHEMT(High Electron Mobility Transistor)は、高破壊電界かつ高電子移動度という特長を有しており、高周波・高出力で動作するデバイスとして期待されている。従来の窒化物を含む半導体からなるヘテロ接合電界効果型トランジスタにおいて、高周波化に伴いゲート長の微細化が必要になると、ゲートによる二次元電子ガス(two dimension electron gas、2DEG)の変調効果が低下する、いわゆる短チャンネル効果が発生する(例えば、非特許文献1参照)。
上記の短チャンネル効果を抑制するためには、二次元電子ガスの閉じ込めを高めるエピタキシャル構造が効果的であり、AlX1Ga1-X1Nバリア層/GaNチャネル層からなる窒化物半導体を含むヘテロ接合電界効果型トランジスタにおいて、AlX1Ga1-X1Nバリア層のバンドギャップエネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギーを有するAlX2Ga1-X2N(1≧X1>X2>0)からなる障壁層をGaNチャネル層の下層に設けることによって、二次元電子ガスの閉じ込めを向上させる構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
L.Kley他、"Short-channel effects in AlGAN/GaN HEMTs"、Materials Science and Engineering B82、2001、p.p.238-240
特許文献1では、AlX1Ga1-X1N/GaN/AlX2Ga1-X2N(1≧X1>X2>0)の構造とすることで二次元電子ガスの閉じ込めが向上し、短チャンネル効果は抑制されている。しかし、キャリア閉じ込めの障壁層として形成されたAlGaN層が3元であるため、キャリアは合金散乱を受けて移動度が低下し、電流値の減少や高周波特性の低下といった問題があった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、二次元電子ガスの閉じ込めを向上させかつ移動度を改善し、高電圧・高周波で動作することが可能なヘテロ接合電界効果型トランジスタおよびその製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明によるヘテロ接合電界効果型トランジスタは、窒化物半導体からなるヘテロ接合電界効果型トランジスタであって、基板上に形成されたバッファ層である第1の窒化物半導体層と、第1の窒化物半導体層上に形成された障壁層である第2の窒化物半導体層と、第2の窒化物半導体層上に形成されたチャネル層である第3の窒化物半導体層とを備え、第2の窒化物半導体層はAlNであり、第3の窒化物半導体層はAlaInbGa1-(a+b)N(0≦a<1、0≦b≦1、0≦a+b≦1)であることを特徴とする。
また、本発明によるヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法は、窒化物半導体からなるヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法であって、(a)基板上にバッファ層である第1の窒化物半導体層を形成する工程と、(b)第1の窒化物半導体層上に障壁層である第2の窒化物半導体層を形成する工程と、(c)第2の窒化物半導体層上にチャネル層である第3の窒化物半導体層を形成する工程と、(d)第3の窒化物半導体層上にバリア層である第4の窒化物半導体層を形成する工程とを備え、第1の窒化物半導体層はAleInfGa1-(e+f)N(0≦e<1、 0≦f≦1、0≦e+f≦1)であり、第2の窒化物半導体層はAlNであり、第3の窒化物半導体層はAlaInbGa1-(a+b)N(0≦a<1、0≦b≦1、0≦a+b≦1)であり、第4の窒化物半導体層はAlcIndGa1-(c+d)N(0≦c<1、0≦d≦1、0≦c+d≦1)であり、第1の窒化物半導体層および第4の窒化物半導体層は、第3の窒化物半導体層よりもバンドギャップエネルギーが大きいことを特徴とする。
本発明によると、基板上に形成されたバッファ層である第1の窒化物半導体層と、第1の窒化物半導体層上に形成された障壁層である第2の窒化物半導体層と、第2の窒化物半導体層上に形成されたチャネル層である第3の窒化物半導体層とを備え、第2の窒化物半導体層はAlNであり、第3の窒化物半導体層はAlaInbGa1-(a+b)N(0≦a<1、0≦b≦1、0≦a+b≦1)であることを特徴とするため、二次元電子ガスの閉じ込めを向上させかつ移動度を改善し、高電圧・高周波で動作することが可能となる。
また、本発明によると、窒化物半導体からなるヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法であって、(a)基板上にバッファ層である第1の窒化物半導体層を形成する工程と、(b)第1の窒化物半導体層上に障壁層である第2の窒化物半導体層を形成する工程と、(c)第2の窒化物半導体層上にチャネル層である第3の窒化物半導体層を形成する工程と、(d)第3の窒化物半導体層上にバリア層である第4の窒化物半導体層を形成する工程とを備え、第1の窒化物半導体層はAleInfGa1-(e+f)N(0≦e<1、 0≦f≦1、0≦e+f≦1)であり、第2の窒化物半導体層はAlNであり、第3の窒化物半導体層はAlaInbGa1-(a+b)N(0≦a<1、0≦b≦1、0≦a+b≦1)であり、第4の窒化物半導体層はAlcIndGa1-(c+d)N(0≦c<1、0≦d≦1、0≦c+d≦1)であり、第1の窒化物半導体層および第4の窒化物半導体層は、第3の窒化物半導体層よりもバンドギャップエネルギーが大きいことを特徴とするため、二次元電子ガスの閉じ込めを向上させかつ移動度を改善し、高電圧・高周波で動作することが可能となる。
本発明の実施の形態について、図面に基づいて以下に説明する。
<実施の形態>
<構成>
まず、本発明の実施の形態によるヘテロ接合電界効果型トランジスタの構成について説明する。
<構成>
まず、本発明の実施の形態によるヘテロ接合電界効果型トランジスタの構成について説明する。
図1は、本発明の実施の形態によるヘテロ接合電界効果型トランジスタの構造の一例を示す図である。
図1に示すように、本実施の形態によるヘテロ接合電界効果型トランジスタは、半絶縁性SiC基板1上に形成されたAl0.05Ga0.95Nからなる第1の窒化物半導体層2(バッファ層)と、第1の窒化物半導体層2上に形成されたAlNからなる第2の窒化物半導体層3(障壁層)と、第2の窒化物半導体層3上に形成され、第1の窒化物半導体層2および第2の窒化物半導体層3よりも小さいバンドギャップを有するGaNよりなる第3の窒化物半導体層4(チャネル層)と、第3の窒化物半導体層4上に形成され、当該第3の窒化物半導体層4よりも大きいバンドギャップを有するAl0.2Ga0.8Nよりなる第4の半導体層5(バリア層)を備えている。
また、第4の窒化物半導体層5の表面上には、ショットキー電極として形成されたNi/Auよりなるゲート電極8と、当該ゲート電極8を挟んで対向するようにオーミック電極として形成されたTi/Alよりなるソース電極6およびドレイン電極7とを備えている。また、素子分離領域9は、隣接するヘテロ接合型電界効果トランジスタを分離するために設けられた領域である。また、第4の窒化物半導体層5の表面上のソース電極6、ドレイン電極7、ゲート電極8以外には、絶縁膜10が覆うように形成されている。
図2は、図1に示されたエピタキシャル構造であるAl0.2Ga0.8N/GaN/AlN/Al0.05Ga0.95N構造におけるバンド構造と二次元電子ガス11のキャリア分布との関係を、一次元バンド計算シミュレータソフトを用いて計算した結果を示している。ここで、第1の窒化物半導体層2はAl0.05Ga0.95Nで膜厚300nm、第2の窒化物半導体層3はAlNで膜厚1nm、第3の窒化物半導体層4はGaNで膜厚50nm、第4の窒化物半導体層5はAl0.2Ga0.8Nで膜厚30nmとし、各窒化物半導体層のキャリア濃度は1x1016cm-3とし、第4の窒化物半導体層5の表面ピニングエネルギーを1.42eVとして計算した。
図2に示すように、図1に示す各窒化物半導体層の中で最もバンドギャップが大きい第2の窒化物半導体層3(AlN障壁層)を第3の窒化物半導体層4(GaNチャネル層)の直下層として形成することによって、二次元電子ガス11の分布は、第4の窒化物半導体層(AlGaNバリア層)5と第3の窒化物半導体層4との界面近くにほぼ全体が閉じ込められる。この二次元電子ガスの閉じ込めが向上することによって、ゲート電極8のゲート長が短くなっても、ゲート電極8による二次元電子ガス11の変調制御が可能となり(すなわち、短チャンネル効果が抑制され)、効率向上も含めた高周波領域でのトランジスタ特性の向上が可能となる。
図2では、第1の窒化物半導体層2がAl0.05Ga0.95Nであるものとして説明したが、第1の窒化物半導体層2がGaNである場合における二次元電子ガスのキャリア分布を図3に示す。なお、第1の窒化物半導体層2以外の各窒化物半導体層は、図2にて説明したものと同様である。
図3に示すように、第4の窒化物半導体層5(AlGaNバリア層)と第3の窒化物半導体層4(GaNチャネル層)との界面近傍に分布する二次元電子ガス11については図2に示す場合とほぼ同様であるが、第2の窒化物半導体層3(AlN障壁層)と第1の窒化物半導体層2(GaNバッファ層)との界面にも二次元電子ガスが生じ、ダブルチャネル構造となっている。従って、ダブルチャネルが形成されないように(すなわち、第2の窒化物半導体層3と第1の窒化物半導体層2との界面に二次元電子ガスが生じないように)、第1の窒化物半導体層2のバンドギャップを第3の窒化物半導体層4のバンドギャップよりも大きくする必要がある。
また、図2,3では、第2の窒化物半導体層3であるAlN層の膜厚が1nmであるものとして説明したが、第2の窒化物半導体層3の膜厚を大きく(厚く)すると、第1の窒化物半導体層2と第2の窒化物半導体層3との界面にチャネルを形成してダブルチャネル構造となり、リーク電流の増加や、耐圧の低下が生じるため望ましくない。第2の窒化物半導体層3は、当該第2の窒化物半導体層3の上下層である第1の窒化物半導体層2および第3の窒化物半導体層4とのバンドギャップエネルギーの差が大きいため、第2の窒化物半導体層3の膜厚が小さい(薄い)方が急激なバンドギャップ差を生じさせることができるため望ましい。
図4は、第2の窒化物半導体層3と第1の窒化物半導体層2との間にて発生する二次元電子ガス濃度のAlN層厚依存性を示している。ここで、第1の窒化物半導体層2はAl0.05Ga0.95Nで膜厚300nm、第3の窒化物半導体層4はGaNで膜厚50nm、第4の窒化物半導体層はAl0.2Ga0.8Nで膜厚30nmとし、第2の窒化物半導体層3のAlN膜厚を1、5、10nmとした場合について計算した。
図4に示すように、第2の窒化物半導体層3(AlN層)の膜厚が増加すると、第2の窒化物半導体層3と第1の窒化物半導体層2との界面における伝導帯準位がフェルミ準位よりも低くなり、第2の窒化物半導体層3と第1の窒化物半導体層2との間にてキャリアが発生して当該キャリア濃度が増加するためダブルチャネル構造となってしまう。従って、第2の窒化物半導体層3と第1の窒化物半導体層2との間にて発生するキャリア濃度は、窒化物半導体のバックグラウンドレベルである1e15cm-3よりも低いことが望ましく、ダブルチャネルを形成しないためにも、図4に示すように第2の窒化物半導体層3の膜厚は4nm以下とすることが望ましく、さらに薄くする方がより望ましい。すなわち、第1の窒化物半導体層2と第2の窒化物半導体層3との界面における伝導体準位は、フェルミ準位よりも高い方がよい。
なお、上記では、本実施の形態によるヘテロ接合電界効果型トランジスタの代表的な構造(図1参照)について説明したが、下記に示すような各構造にしても同様の効果が得られる。以下、本実施の形態によるヘテロ接合電界効果型トランジスタの各変形例について説明する。
<変形例>
上記の図1では、Al0.2Ga0.8N/GaN/AlN/Al0.05Ga0.95N構造として説明したが、第4の窒化物半導体層5のバンドギャップが第3の窒化物半導体層4のバンドギャップより大きく、かつ、第1の窒化物半導体層2のバンドギャップが第4の窒化物半導体層5のバンドギャップよりも大きくなるように、第1の窒化物半導体層2、第3の窒化物半導体層4、第4の窒化物半導体層5をAlxInyGa1-(x+y)NのAl、In、Gaの組成を決めた構造としても、上記と同様の効果が得られる。また、第1の窒化物半導体層2が第3の窒化物半導体層4よりもバンドギャップエネルギーが大きくなるように、第1の窒化物半導体層2をAleInfGa1-(e+f)N(0≦e<1、 0≦f≦1、0≦e+f≦1)のAl、In、Gaの組成を決めた構造としても、上記と同様の効果が得られる。
上記の図1では、Al0.2Ga0.8N/GaN/AlN/Al0.05Ga0.95N構造として説明したが、第4の窒化物半導体層5のバンドギャップが第3の窒化物半導体層4のバンドギャップより大きく、かつ、第1の窒化物半導体層2のバンドギャップが第4の窒化物半導体層5のバンドギャップよりも大きくなるように、第1の窒化物半導体層2、第3の窒化物半導体層4、第4の窒化物半導体層5をAlxInyGa1-(x+y)NのAl、In、Gaの組成を決めた構造としても、上記と同様の効果が得られる。また、第1の窒化物半導体層2が第3の窒化物半導体層4よりもバンドギャップエネルギーが大きくなるように、第1の窒化物半導体層2をAleInfGa1-(e+f)N(0≦e<1、 0≦f≦1、0≦e+f≦1)のAl、In、Gaの組成を決めた構造としても、上記と同様の効果が得られる。
窒化物半導体よりなるヘテロ接合電界効果型トランジスタは、チャネル層に用いる半導体材料の絶縁破壊電界が高いほど耐圧が高くなる。従って、本実施の形態によるヘテロ接合電界効果型トランジスタにおいて、上記と同様、第4の窒化物半導体層5のバンドギャップが第3の窒化物半導体層4のバンドギャップより大きく、かつ、第1の窒化物半導体層2のバンドギャップが第4の窒化物半導体層5のバンドギャップよりも大きいという条件を満たした上で、第3の窒化物半導体層4のバンドギャップエネルギーがGaNのバンドギャップエネルギーよりも大きくなるように、第3の窒化物半導体層4をAlxInyGa1-(x+y)NのAl、In、Gaの組成を決めた構造とすることによって、上記(第3の窒化物半導体層4がGaNの場合)の効果に加えてさらなる高耐圧化が可能になる。
また、上記(図1参照)では、第2の窒化物半導体層3を2元合金のAlN層とすることによって、合金散乱を低減することができたが、さらに、第3の窒化物半導体層4と第4の窒化物半導体層5との間にもAlN層を形成した構造にすることによって、合金散乱をさらに低減することができ、キャリアの移動度の向上、電流値の増加、相互コンダクタンスの向上が向上するにより、高出力・高周波特性を向上させることが可能となる。
また、図1における半絶縁性SiC基板1は、Si、サファイア、GaN、AlN等でもあってもよい。
また、図1に示すソース電極6およびドレイン電極7の下側であって少なくとも一部の半導体層内において、窒化物半導体にとってn型不純物となる、例えば図5に示すような、Siが高濃度にドーピングされた領域である高濃度n型不純物領域11が形成されていてもよい。このような構造にすることによって、ソース電極6およびドレイン電極7と、当該各電極に接触する第4の窒化物半導体層5との間における接触抵抗が低減されるだけでなく、第3の窒化物半導体層4と第4の窒化物半導体層5との界面にて発生する二次元電子ガス11と、ソース電極6およびドレイン電極7との間における抵抗を低減することができ、トランジスタの高効率化や大電流化による高出力化に有利であり、より好ましい構造と言える。なお、Siが高濃度にドーピングされた高濃度n型不純物領域12の不純物はSiに限らず、n型不純物が高濃度にドーピングされていればよく、窒化物半導体中でn型の不純物準位を形成する材料(O、C、N、空孔等)がドーピングされていればよい。また、ドーピングの方法としては、イオン注入法、熱拡散法を用いて高濃度n型不純物領域12を形成してもよく、ソース電極6およびドレイン電極7の下側の窒化物半導体層をエッチング等で除去後、その領域にn型不純物を添加した例えばn−GaNを再成長法で形成してもよい。また、図5において、n型不純物が高濃度にドーピングされた高濃度n型不純物領域12は、窒化物半導体層の表面から第3の窒化物半導体層4(チャネル層)に至る領域にまで形成されているが、当該領域に限らず、当該領域よりも大きいあるいは小さくても、ソース電極6およびドレイン電極7の下側の少なくとも一部の窒化物半導体層内に形成されていれば上記の効果が得られる。
また、図1,5におけるソース電極6およびドレイン電極7の下側の少なくとも一部の窒化物半導体層は、図6に示すように除去されていてもかまわない。すなわち、例えば図6に示すように、ソース電極6およびドレイン電極7が第4の窒化物半導体層5に埋め込まれるように形成してもよい。このような構造にすることによって、第3の窒化物半導体層4(チャネル層)と第4の窒化物半導体層5(バリア層)との界面にて発生する二次元電子ガス11と、ソース電極6およびドレイン電極7との間における抵抗を低減することができ、トランジスタの高効率化や大電流化による高出力化に有利であり、より好ましい構造と言える。なお、図6において、第4の窒化物半導体層5(バリア層)は、窒化物半導体層の表面から第4の窒化物半導体層5の下層近くに至る領域までが除去されているが、除去する深さ方向の限度は、第3の窒化物半導体層4と第4の窒化物半導体層5との界面までとし、ソース電極6およびドレイン電極7の下側の少なくとも一部の窒化物半導体層内が除去されていれば上記の効果が得られる。
また、図1,5,6に示すソース電極6およびドレイン電極7は、必ずしもTi/Alである必要はなく、オーミック特性が得られれば、Ti,Al,Nb,Hf,Zr,Sr,Ni,Ta,Au,Pt,V,Mo,Wなどの金属、もしくはこれらから構成される多層膜で形成されていてもよい。
また、図1,5,6に示すゲート電極8は、図7に示すように、ゲート電極8の底面が第4の窒化物半導体層5(バリア層)の表面と接触しないようにすることによって、ゲート電極8の底面が第4の窒化物半導体層5の表面と接触している場合に比べて、電流コラプスを抑制し相互コンダクタンスを増加させることができる。
また、図1,5〜7に示すゲート電極8は、必ずしも断面が各図に示すような四角形である必要はなく、例えば、図8に示すようなT型やY型構造のゲート電極81であってもよい。このような構造にすることによって、ゲート電極81が窒化物半導体層と接触する面積を維持したまま、ゲート抵抗を低減することができる。
また、図8では、T型のゲート電極81の傘下(ゲート電極81における傘部の第4の窒化物半導体層5側)が絶縁膜10と接触していない構造を示したが、図9に示すようにT型のゲート電極81の傘下が絶縁膜10と接触するような構造にすることによって、高電圧動作時においてゲート電極81のドレイン電極7側のエッジ部分に集中する電界を緩和させることができ、電流コラプスを抑制するとともに耐圧を高くすることができる。
また、図10に示すように、絶縁膜10をゲート電極81の傘下のみに形成するようにしてもよい。このような構造にすることによって、ソース電極6とゲート電極81との間や、ゲート電極81とドレイン電極7との間にて発生する容量を低減できることができ、高周波動作時の利得や効率を向上させることが可能となる。
また、図1,5〜10に示す絶縁膜10は、Al,Ga,Si,Hf,Ti,Zr,Ta,V等のうち少なくとも1種類以上の原子の酸化物、窒化物、酸窒化物等、もしくはこれらから構成される多層膜などで形成されていてもよい。
また、図1,5〜10に示すゲート電極8,81は、必ずしもNi/Auである必要はなく、Ti,Al,Pt,Au,Ni,Pd等の金属、IrSi,PtSi,NiSi2等のシリサイド、あるいはTiN,WN,TaN等の窒化物金属、もしくはこれらから構成される多層膜などで形成されていてもよい。
なお、上述した構造は全て個々に採用する必要はなく、例えば図11に示すように、それぞれを組み合わせた構造としてもよい。
以上では、トランジスタとして動作する必要最小限の要素のみを記載したが、本実施の形態によるヘテロ接合電界効果型トランジスタは、最終的には配線、バイアホール等が形成された構造においてデバイスとして用いられる。
<製造工程>
次に、本実施の形態によるヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造工程について説明する。
次に、本実施の形態によるヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造工程について説明する。
図12〜22は、本発明の実施の形態によるヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造工程の一例を示す図である。なお、これらの図において、図1,5〜11と同一の符号を付した構成要素は同一または対応する構成要素を示すものとする。
まず、図12に示すように、例えば、サファイア、SiC(炭化シリコン)、GaN、またはSi等よりなる基板1を準備する。次に、例えば、MBE(Molecular Beam Epitaxy:分子線エピタキシャル成長法)またはCVD(Chemical Vapor Deposition:気相成長法)により、基板1の主表面上に、第1の窒化物半導体層2、AlNよりなる第2の窒化物半導体層3、チャネル層である第3の窒化物半導体層4、バリア層である第4の窒化物半導体層5を順次に積層する。以下では、Al0.2Ga0.8N(第4の窒化物半導体層)/GaN(第3の窒化物半導体層)/AlN(第2の窒化物半導体層)/Al0.05Ga0.95N(第1の窒化物半導体層)の構造をSiC基板上にエピタキシャル成長させる一例について説明する。
第1の窒化物半導体層2のバンドギャップエネルギーは、第2の窒化物半導体層3(AlN層)との界面にチャネルを形成しないようにするために、第3の窒化物半導体層4のバンドギャップエネルギーよりも大きくする必要がある。
また、第1の窒化物半導体層2の膜厚は、基板1との格子不整合による転移を上層のエピタキシャル結晶層(第2の窒化物半導体層3)に及ぼさない厚さであることが望ましい。ここでは、第1の窒化物半導体層2をAl0.03Ga0.07Nとし膜厚を300nmとした。第2の窒化物半導体層3(AlN層)は、各窒化物半導体層中で最もバンドギャップエネルギーが大きいため、AlNの価電子帯は電子に対する障壁(障壁層)となる。従って、第2の窒化物半導体層3の膜厚は4nm以下程度の薄い層である方が、隣接する層(第1の窒化物半導体層および第3の窒化物半導体層)との間で急激なバンドギャップ差を生じさせることができるため望ましい。第2の窒化物半導体層3の膜厚を4nmより厚くすると、第1の窒化物半導体層2との界面にチャネルを形成してダブルチャネル構造となり、リーク電流の増加や耐圧の低下を生じる。これらを抑制するためにも、第2の窒化物半導体層3の膜厚は4nm以下であることが望ましい。本実施の形態では、第2の窒化物半導体層3(AlN層)の膜厚を1nmとした。また、第3の窒化物半導体層4(チャネル層)はGaNとし膜厚を50nmとした。また、第4の窒化物半導体層5(バリア層)はAl0.2Ga0.8Nとし膜厚を30nmとした。
なお、第1の窒化物半導体層2、第2の窒化物半導体層3、第3の窒化物半導体層4、および第4の窒化物半導体層5の不純物濃度は1×1018cm-3以下であればよく、特に第4の窒化物半導体層5(バリア層)の不純物濃度は、高耐圧層とするために1×101cm-3以下に設定される。ここで、不純物の導電型は常にn型である。窒化物半導体層では、意図的に不純物を導入しない場合(ノンドープ)であっても、成長炉や雰囲気ガス中から不純物が窒化物半導体中に入り、窒化物半導体はn型の不純物を含むことになる。従って、結晶成長時においてノンドープであっても、実際の不純物濃度が1×101cm-3以下であればよい。
また、第3の窒化物半導体層4の形成後、AlN層を形成し続けて、バリア層としての第4の窒化物半導体層5を形成することで、上述のエピタキシャル構造を形成することができる。このときのAlN層の厚さとしては、第2の窒化物半導体層3(AlN障壁層)と同様に、4nm以下程度の薄い層の方が急激なバンドギャップ差を生じさせることができるため望ましく、特に1〜2nmとすることがより望ましい。このようなエピタキシャル構造を備えたエピ基板に、後述するトランジスタの製造方法によって、上述のような構造の窒化物半導体ヘテロ接合電界効果型トランジスタを作製することができる。
次に、図13に示すように、レジストパターン等をマスク13として、ソース電極6およびドレイン電極7を形成する領域の下側の少なくとも一部の窒化物半導体層内にイオン注入法などを用いて、注入ドーズ量1×1013〜1×1017(cm-2)、注入エネルギー10〜1000(keV)の条件下で、各窒化物半導体層においてn型となるSi等のイオン14を所望の領域に打ち込み、その後の熱処理によって高濃度n型不純物領域12を形成する。高濃度n型不純物領域12の不純物濃度は、結晶成長時に意図的にn型のGaNやAlGaNを形成するときに用いられるのと同等かそれ以上が望ましく、例えば1x1018cm-3以上、より好ましくは1x1019-cm3以上かまたはより高い濃度である。高濃度n型不純物領域12内の不純物の望ましい分布の一つとしては、ソース電極6およびドレイン電極7の下の半導体表面から電子の流れる第4の窒化物半導体層5(バリア層)と第3の窒化物半導体層4(チャネル層)との界面とそれよりチャネル層側に、10nm程度までの領域で1x1018cm-3以上といった高い不純物濃度を有する構造が挙げられるが、このような不純物分布を形成する注入量と注入エネルギーの決め方としては、モンテカルロ計算によって注入エネルギーや照射対象物の構造をパラメータにしてイオンの飛程をシミュレートすることで、上記条件を満たす注入エネルギーや注入ドーズ量を決めることができる。また、注入されたイオンにより第4の窒化物半導体層5を構成する原子(Al、Ga、In、N等)が真空中に跳ね飛ばされるのを抑制するために、第4の窒化物半導体5上に10〜100nm程度の窒化膜(SiNx、AlN等)あるいは酸化膜等(SiO2、Al2O3等)を形成した後、注入マスクとしてのレジストパターンを形成しても良い(図14参照)。その後、熱処理を行ない注入したイオンを活性化させることによって、ソース電極6およびドレイン電極7の下側の高濃度n型不純物領域12を低抵抗化する。この熱処理の際に、半導体表面からの窒素原子が抜けることを防止するために、第4の半導体層5上に10〜100nm程度の窒化膜(SiNx、AlN等)、酸化膜等(SiO2、Al2O3等)で窒化物半導体の表面を被った後に熱処理を行ってもよい。
次に、図15に示すように、マスク13を除去した後、例えばTi,Al,Nb,Hf,Zr,Sr,Ni,Ta,Au,Pt,V,Mo,Wなどの金属、もしくはこれらから構成される多層膜から成るソース電極6およびドレイン電極7を蒸着法やスパッタ法を用いて堆積し、リフトオフ法などにより形成する。なお、電極形成後に熱処理を行い半導体層との反応層(合金層)を形成し、接触抵抗およびアクセス抵抗のさらなる低減を行ってもよい。
次に、図16に示すように、レジストパターン等をマスク13として、トランジスタを作製する領域外の第1の窒化物半導体層2から第4の窒化物半導体層5にかけて、例えばHe,N,O,Mg,Ar,Ca,Fe,Zn,Sr,Ba等のイオン14を照射するイオン注入法(図16参照)やエッチングなどを用いて素子分離領域9を形成する。
次に、図17に示すように、マスク13を除去した後、Ti,Al,Pt,Au,Ni,Pd等の金属、あるいはIrSi,PtSi,NiSi2等のシリサイド、あるいはTiN,WN,TaN等の窒化物金属、もしくはこれらから構成される多層膜からなるゲート電極8を、蒸着法やスパッタ法を用いて堆積し、リフトオフ法などにより形成する。
次に、図18に示すように、Al,Ga,Si,Hf,Ti,Zr,Ta,V等のうち少なくとも1種類以上の原子の酸化物、窒化物、酸窒化物等、もしくはこれらから構成される多層膜からなる絶縁膜10をプラズマCVD法、Cat‐CVD法、あるいはスパッタ法によって形成する。
以上の方法により、図1に示す構造を持ったヘテロ接合電界効果型トランジスタが作製できる。以上では、トランジスタとして動作する必要最小限の要素しか記載していないが、最終的には配線やバイアホール等の形成プロセスを経てデバイスとして用いられる。また以上では、エピタキシャル結晶作製後の製造工程順の一例として、ソース電極6およびドレイン電極7の下に低抵抗層の形成、当該低抵抗層の上にソース電極6およびドレイン電極7の形成、素子分離領域9の形成、ゲート電極8の形成、絶縁膜10の形成の順に製造することについて説明したが、ゲート電極8の形成後に素子分離を行ってもよく、また、絶縁膜10を形成し、ゲート形成領域の絶縁膜10を除去した後に、ゲート電極8を形成してもよく、また、絶縁膜10の形成後に素子分離を行い、ゲート形成領域の絶縁膜10を除去した後に、ゲート電極8を形成してもよい。
なお、図12に示した構造をMOCVD法を用いて基板1上にエピタキシャル成長する時に、窒化物半導体の原料ガスとなるトリメチルアンモニウム、トリメチルガリウム、トリメチルインジウム、アンモニア、あるいは、n型ドーパントの原料ガスとなるシラン等の流量や圧力、温度、時間を調整し、各窒化物半導体層を所望の組成、膜厚、ドーピング濃度とすることによって、図1に示した種々の窒化物半導体ヘテロ接合電界効果型トランジスタを作製することができる。
また、図13,14に示すソース電極6およびドレイン電極7の形成領域へのn型不純物となるイオン注入前に、図19に示すように、レジストパターン等をマスク13として、Cl2等を用いたドライエッチング法などによって、ソース電極6およびドレイン電極7を形成する領域の下側の少なくとも一部の窒化物半導体層内を除去することによって、図6に示すような構造の窒化物半導体ヘテロ接合電界効果型トランジスタを作製することができる。なお、ソース電極6およびドレイン電極7の形成領域の下側への低抵抗層の形成工程は、図19に示すエッチング工程の前後いずれであってもよい。形成した低抵抗層上にリフトオフ法等によりソース電極6ドレイン電極7を形成することによって、図6に示すような構造の窒化物半導体ヘテロ接合電界効果型トランジスタが作製できる。
また、図17に示すゲート電極8を形成する前に、図20に示すように、レジストパターン等をマスク131として、Cl2等を用いたドライエッチング法などによってゲート電極8を形成するゲート形成領域15の第4の窒化物半導体層5の一部を除去する。エッチングを行なう際に、エッチング時間やガス流量を調整することによって、所望のエッチング深さを形成することができ、その後、図17で示した方法でゲート電極8を形成することで、図7に示すようなリセス深さをもつ構造の窒化物半導体へテロ接合電界効果型トランジスタを作製することができる。
また、図17に示すゲート電極8の形成前に、図21に示すように、窒化物半導体層の表面を、例えば蒸着法やプラズマCVD法、Cat‐CVD法、ALE法などを用いて、Al,Ga,Si,Hf,Ti,Zr,Ta,V等のうち少なくとも1種類以上の原子を含む酸化物、窒化物、酸窒化物等からなる絶縁膜10を堆積し、ゲート電極8を形成するゲート形成領域15に開口を持つレジストマスク131や酸化膜マスク等を介してドライエッチングあるいはウェットエッチングによってゲート形成領域15の絶縁膜10を除去する。マスク除去後、エッチングによって開口した絶縁膜10の開口よりも広い開口を有するレジストパターンを利用して蒸着法によってゲートメタルとなる電極金属を堆積し、リフトオフ法等によってゲート電極81を形成することで、図9に示す構造の窒化物半導体電界効果型トランジスタを作製することができる。
また、最終的にデバイスとして使用するには、ソース電極6およびドレイン電極7上を覆うように形成された絶縁膜10の一部を、例えばフッ酸等を用いてウェットエッチングして除去した後、配線電極を形成する必要がある。また、絶縁膜10を形成後にウェットエッチングで容易に除去できる絶縁膜、例えばSiOのような絶縁膜110を形成する。その後、図22に示すように、ゲート電極8を形成するゲート形成領域15に開口を持つレジストマスク等を介してドライエッチングやウェットエッチングによってゲート形成領域15の絶縁膜110および絶縁膜10を順次除去する。マスク131の除去後、エッチングによって開口した絶縁膜110および絶縁膜10の開口よりも広い開口を有するレジストパターンを利用して蒸着法によってゲートメタルとなる電極金属を堆積し、リフトオフ法等によってゲート電極81を形成する。そして、ウェットエッチングされやすい絶縁膜110を例えばバッファードフッ酸によって除去することで、ゲート電極81の傘下の絶縁膜110がない構造である、図8に示す構造の窒化物半導体電界効果型トランジスタを作製することができる。さらに、ウェットエッチングの処理条件(時間や濃度)を調整することによって、所望の領域に絶縁膜110を残した図10に示す構造の窒化物半導体電界効果型トランジスタを作製することができる。
また、ゲートリセス構造を形成した後に、種々の形状のゲート電極8を形成してもよい。
また、図13,14に示すソース・ドレイン電極形成領域下の低抵抗領域(高濃度n型不純物領域12)の形成およびソース電極6およびドレイン電極7の形成、図16に示す素子分離領域9の形成、図17,20〜22に示すゲート電極8,81の形成の3つの工程は必ずしもこの順に行なう必要はなく、工程の順番を入れ替えてもよい。例えば、ソース電極6およびドレイン電極7を形成する前に、素子分離領域9を形成してもよい。また、リセス形成、絶縁膜形成、ゲート電極形成の順に形成した後に、再度絶縁膜形成を行い、ゲート電極と第4の窒化物半導体層5との側面における絶縁性を高めても良い。
また、上述したプロセスは全て個々に採用する必要はなく、それぞれを組み合わせたプロセスによって図11に示すような構造が形成できる。
以上のことから、本実施の形態によれば、窒化物半導体よりなるヘテロ接合電界効果型トランジスタにおいて、第3の窒化物半導体層4(チャネル層)の直下層に薄い第2の窒化物半導体層3(AlN層)を有した構造にすることにより、第4の窒化物半導体層5(バリア層)と第3の窒化物半導体層4(チャネル層)との界面への二次元電子ガスの閉じ込めが向上し、良好なピンチオフ特性が得られる。また、従来(例えば特許文献1)に記載のチャネル層の直下層に3元合金であるAlGaN層を有する構造に比べて、二次元電子ガスの合金散乱の影響を低下することができ、移動度の低下を抑制することができる。また、第2の窒化物半導体層3(AlN層)の厚さを4nm以下にすることで上下層(第2の窒化物半導体層および第4の窒化物半導体層)との間で急激なバンドギャップ差を生じさせることができ、さらにダブルチャネル構造を回避することができるため、リーク電流の減少や、耐圧を向上させることができる。また、二次元電子ガスの閉じ込め幅を広くすることなく第3の窒化物半導体層4(チャネル層)を厚くすることができるため、第3の窒化物半導体層4(チャネル層)の結晶性を向上させ、第4の窒化物半導体層5(バリア層)とのヘテロ界面の結晶性や表面モフォロジーが向上し、移動度の向上が可能となる。これにより、ゲート長を短くしても短チャンネル効果が抑制されるため、高周波特性の向上、高効率化、移動度向上による高出力化が可能となる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 半絶縁性SiC基板、2 第1の窒化物半導体層、3 第2の窒化物半導体層、4 第3の窒化物半導体層、5 第4の窒化物半導体層、6 ソース電極、7 ドレイン電極、8 ゲート電極、9 素子分離領域、10 絶縁膜、11 二次元電子ガス、12 高濃度n型不純物領域、13 マスク、14 イオン、15 ゲート形成領域、81 ゲート電極、110 絶縁膜、131 マスク。
Claims (6)
- 窒化物半導体からなるヘテロ接合電界効果型トランジスタであって、
基板上に形成されたバッファ層である第1の窒化物半導体層と、
前記第1の窒化物半導体層上に形成された障壁層である第2の窒化物半導体層と、
前記第2の窒化物半導体層上に形成されたチャネル層である第3の窒化物半導体層と、
を備え、
前記第2の窒化物半導体層はAlNであり、前記第3の窒化物半導体層はAlaInbGa1-(a+b)N(0≦a<1、0≦b≦1、0≦a+b≦1)であることを特徴とする、ヘテロ接合電界効果型トランジスタ。 - 前記第3の窒化物半導体層上に形成されたバリア層である第4の窒化物半導体層をさらに備え、
前記第4の窒化物半導体層はAlcIndGa1-(c+d)N(0≦c<1、0≦d≦1、0≦c+d≦1)であり、当該第4の窒化物半導体層は前記第3の窒化物半導体層よりもバンドギャップエネルギーが大きいことを特徴とする、請求項1に記載のヘテロ接合電界効果型トランジスタ。 - 前記第1の窒化物半導体層はAleInfGa1-(e+f)N(0≦e<1、 0≦f≦1、0≦e+f≦1)であり、当該第1の窒化物半導体層は前記第3の窒化物半導体層よりもバンドギャップエネルギーが大きいことを特徴とする、請求項1または2に記載のヘテロ接合電界効果型トランジスタ。
- 前記第1の窒化物半導体層と前記第2の窒化物半導体層との界面における伝導体準位は、フェルミ準位よりも高いことを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載のヘテロ接合電界効果型トランジスタ。
- 前記第3の窒化物半導体層は、バンドギャップエネルギーがGaNよりも大きいことを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載のヘテロ接合電界効果型トランジスタ。
- 窒化物半導体からなるヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法であって、
(a)基板上にバッファ層である第1の窒化物半導体層を形成する工程と、
(b)前記第1の窒化物半導体層上に障壁層である第2の窒化物半導体層を形成する工程と、
(c)前記第2の窒化物半導体層上にチャネル層である第3の窒化物半導体層を形成する工程と、
(d)前記第3の窒化物半導体層上にバリア層である第4の窒化物半導体層を形成する工程と、
を備え、
前記第1の窒化物半導体層はAleInfGa1-(e+f)N(0≦e<1、 0≦f≦1、0≦e+f≦1)であり、前記第2の窒化物半導体層はAlNであり、前記第3の窒化物半導体層はAlaInbGa1-(a+b)N(0≦a<1、0≦b≦1、0≦a+b≦1)であり、前記第4の窒化物半導体層はAlcIndGa1-(c+d)N(0≦c<1、0≦d≦1、0≦c+d≦1)であり、
前記第1の窒化物半導体層および前記第4の窒化物半導体層は、前記第3の窒化物半導体層よりもバンドギャップエネルギーが大きいことを特徴とする、ヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012008101A JP2013149732A (ja) | 2012-01-18 | 2012-01-18 | へテロ接合電界効果型トランジスタおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012008101A JP2013149732A (ja) | 2012-01-18 | 2012-01-18 | へテロ接合電界効果型トランジスタおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013149732A true JP2013149732A (ja) | 2013-08-01 |
Family
ID=49046964
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012008101A Pending JP2013149732A (ja) | 2012-01-18 | 2012-01-18 | へテロ接合電界効果型トランジスタおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2013149732A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016039327A (ja) * | 2014-08-08 | 2016-03-22 | 古河電気工業株式会社 | 窒化物半導体装置、ダイオード、および電界効果トランジスタ |
JP2016100450A (ja) * | 2014-11-21 | 2016-05-30 | 三菱電機株式会社 | ヘテロ接合電界効果型トランジスタおよびその製造方法 |
WO2017221532A1 (ja) * | 2016-06-24 | 2017-12-28 | 三菱電機株式会社 | ヘテロ接合電界効果型トランジスタおよびその製造方法 |
JP2020072218A (ja) * | 2018-11-01 | 2020-05-07 | 富士通株式会社 | 化合物半導体装置、高周波増幅器及び電源装置 |
JP2020088270A (ja) * | 2018-11-29 | 2020-06-04 | 豊田合成株式会社 | p型III族窒化物半導体の製造方法 |
JPWO2021241059A1 (ja) * | 2020-05-29 | 2021-12-02 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007088426A (ja) * | 2005-08-25 | 2007-04-05 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 半導体電子デバイス |
JP2008243881A (ja) * | 2007-03-26 | 2008-10-09 | Mitsubishi Electric Corp | 半導体装置及びその製造方法 |
JP2010182812A (ja) * | 2009-02-04 | 2010-08-19 | Fujitsu Ltd | 化合物半導体装置及びその製造方法 |
JP2011515861A (ja) * | 2008-03-25 | 2011-05-19 | ピコギガ インターナショナル | 窒化ガリウムまたはガリウムおよびアルミニウム窒化物の層を製造する方法 |
-
2012
- 2012-01-18 JP JP2012008101A patent/JP2013149732A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007088426A (ja) * | 2005-08-25 | 2007-04-05 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 半導体電子デバイス |
JP2008243881A (ja) * | 2007-03-26 | 2008-10-09 | Mitsubishi Electric Corp | 半導体装置及びその製造方法 |
JP2011515861A (ja) * | 2008-03-25 | 2011-05-19 | ピコギガ インターナショナル | 窒化ガリウムまたはガリウムおよびアルミニウム窒化物の層を製造する方法 |
JP2010182812A (ja) * | 2009-02-04 | 2010-08-19 | Fujitsu Ltd | 化合物半導体装置及びその製造方法 |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016039327A (ja) * | 2014-08-08 | 2016-03-22 | 古河電気工業株式会社 | 窒化物半導体装置、ダイオード、および電界効果トランジスタ |
JP2016100450A (ja) * | 2014-11-21 | 2016-05-30 | 三菱電機株式会社 | ヘテロ接合電界効果型トランジスタおよびその製造方法 |
WO2017221532A1 (ja) * | 2016-06-24 | 2017-12-28 | 三菱電機株式会社 | ヘテロ接合電界効果型トランジスタおよびその製造方法 |
JPWO2017221532A1 (ja) * | 2016-06-24 | 2019-01-31 | 三菱電機株式会社 | ヘテロ接合電界効果型トランジスタおよびその製造方法 |
JP2020072218A (ja) * | 2018-11-01 | 2020-05-07 | 富士通株式会社 | 化合物半導体装置、高周波増幅器及び電源装置 |
JP7099255B2 (ja) | 2018-11-01 | 2022-07-12 | 富士通株式会社 | 化合物半導体装置、高周波増幅器及び電源装置 |
JP2020088270A (ja) * | 2018-11-29 | 2020-06-04 | 豊田合成株式会社 | p型III族窒化物半導体の製造方法 |
JP7056532B2 (ja) | 2018-11-29 | 2022-04-19 | 豊田合成株式会社 | p型III族窒化物半導体の製造方法 |
JPWO2021241059A1 (ja) * | 2020-05-29 | 2021-12-02 | ||
WO2021241059A1 (ja) * | 2020-05-29 | 2021-12-02 | ソニーグループ株式会社 | 半導体装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US11699748B2 (en) | Normally-off HEMT transistor with selective generation of 2DEG channel, and manufacturing method thereof | |
US9184258B2 (en) | GaN based semiconductor device and method of manufacturing the same | |
US8035130B2 (en) | Nitride semiconductor heterojunction field effect transistor having wide band gap barrier layer that includes high concentration impurity region | |
JP5495257B2 (ja) | Iii族窒化物系電界効果トランジスタおよびその製造方法 | |
JP5641821B2 (ja) | ヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法 | |
WO2010109566A1 (ja) | 半導体装置及びその製造方法 | |
TW200950080A (en) | Semiconductor device and method for manufacturing semiconductor device | |
TW200950081A (en) | Semiconductor device and method for manufacturing semiconductor device | |
CN113380623A (zh) | 通过p型钝化实现增强型HEMT的方法 | |
JP2011233612A (ja) | 半導体装置及びその製造方法 | |
JP5300514B2 (ja) | 半導体装置 | |
JP2011187623A (ja) | 半導体素子、および半導体素子の製造方法 | |
JP2011146613A (ja) | ヘテロ接合電界効果型トランジスタおよびその製造方法 | |
JP2013149732A (ja) | へテロ接合電界効果型トランジスタおよびその製造方法 | |
JP2016100450A (ja) | ヘテロ接合電界効果型トランジスタおよびその製造方法 | |
CN107706238B (zh) | Hemt器件及其制造方法 | |
JP2013055224A (ja) | 半導体装置およびその製造方法 | |
KR101172857B1 (ko) | 인헨스먼트 노멀리 오프 질화물 반도체 소자 및 그 제조방법 | |
JP2009152353A (ja) | ヘテロ接合電界効果型トランジスタおよびその製造方法 | |
JP5509544B2 (ja) | 半導体装置及びその製造方法 | |
JP2014099523A (ja) | ヘテロ接合電界効果型トランジスタおよびその製造方法 | |
JP2015079806A (ja) | へテロ接合電界効果型トランジスタおよびその製造方法 | |
CN112289683B (zh) | 高电子迁移率晶体管及其制造方法 | |
JP2013120871A (ja) | ヘテロ接合電界効果型トランジスタおよびその製造方法 | |
JP6650867B2 (ja) | ヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20131003 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20141114 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20141118 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20150407 |