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JP2020072218A - 化合物半導体装置、高周波増幅器及び電源装置 - Google Patents

化合物半導体装置、高周波増幅器及び電源装置 Download PDF

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JP2020072218A JP2018206782A JP2018206782A JP2020072218A JP 2020072218 A JP2020072218 A JP 2020072218A JP 2018206782 A JP2018206782 A JP 2018206782A JP 2018206782 A JP2018206782 A JP 2018206782A JP 2020072218 A JP2020072218 A JP 2020072218A
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Abstract

【課題】優れた高周波特性を得ながらオフリーク電流を低減することができる化合物半導体装置、高周波増幅器及び電源装置を提供する。
【解決手段】化合物半導体装置100において、窒化物半導体積層構造190は、第1の格子定数を備えた第1の窒化物半導体層120と、第1の格子定数よりも大きい第2の格子定数を備えた第2の窒化物半導体層130と、平面視で第2の窒化物半導体層を間に挟むように、第1の窒化物半導体層上に形成された第3の窒化物半導体層160s及び第4の窒化物半導体層160dと、を有する。第3の窒化物半導体層の第3の格子定数及び第4の窒化物半導体層の第4の格子定数は、厚さ方向で第1の窒化物半導体層との界面に近づくほど第1の格子定数に近くなる。ゲート電極1gは第2の窒化物半導体層の上方に形成され、ソース電極1sは第3の窒化物半導体層上に形成され、ドレイン電極1dは第4の窒化物半導体層上に形成されている。
【選択図】図1A

Description

本発明は、化合物半導体装置、高周波増幅器及び電源装置に関する。
窒化物半導体は、高い飽和電子速度及びワイドバンドギャップ等の特徴を有している。このため、これらの特性を利用して窒化物半導体を高耐圧及び高出力の半導体デバイスに適用することについて種々の検討が行われている。例えば、窒化物半導体の一種であるGaNのバンドギャップは3.4eVであり、Siのバンドギャップ(1.1eV)及びGaAsのバンドギャップ(1.4eV)よりも大きい。このため、GaNは、高い破壊電界強度を有しており、高電圧動作及び高出力を得る電源用の半導体デバイスの材料として極めて有望である。
窒化物半導体を用いた半導体デバイスとしては、電界効果トランジスタ、特に高電子移動度トランジスタ(high electron mobility transistor:HEMT)についての報告が数多くなされている。例えば、GaN系HEMTでは、GaNを電子走行層(チャネル層)、AlGaNを電子供給層として用いたAlGaN/GaN−HEMTが注目されている。AlGaN/GaN−HEMTでは、GaNとAlGaNとの格子定数差に起因した歪みがAlGaNに生じる。そして、この歪みにより発生したピエゾ分極及びAlGaNの自発分極により、高濃度の2次元電子ガス(2DEG)が得られる。そのため、AlGaN/GaN−HEMTは、高効率のスイッチ素子、電気自動車用等の高耐圧電力デバイス等として期待されている。
このような高い破壊電界強度を有するGaNを用いたGaN系HEMTは高周波で動作するトランジスタとしても有望である。特に高周波用途においては、金属のソース電極及びドレイン電極と窒化物半導体層との間の界面における接触抵抗の低減が重要である。そこで、接触抵抗の低減のために、ソース電極及びドレイン電極の直下において、予め、キャリア供給層をドライエッチング等によって除去し、その部分に高濃度のドナー不純物がドープされた低抵抗のGaN層を電子走行層と接するように形成しておく技術が提案されている。この技術によれば、ソース電極及びドレイン電極が、バンドギャップが大きいAlGaNの電子供給層ではなく低抵抗のGaN層と接触するため、接触抵抗を低減することができる。
高周波特性の向上には、接触抵抗の低減だけでなく、ゲート長の短縮も有効である。しかしながら、ゲート長を短縮すると、オフリーク電流が流れやすくなる。オフリーク電流の上昇は、耐圧の低下につながる。
特表2007−538402号公報 特開2016−115931号公報 特開2006−134935号公報
本開示の目的は、優れた高周波特性を得ながらオフリーク電流を低減することができる化合物半導体装置、高周波増幅器及び電源装置を提供することにある。
本開示の一形態によれば、窒化物半導体積層構造と、前記窒化物半導体積層構造の上方に形成されたソース電極、ゲート電極及びドレイン電極と、を有し、前記窒化物半導体積層構造は、第1の格子定数を備えた、窒化アルミニウム又は窒化アルミニウムガリウムの第1の窒化物半導体層と、前記第1の窒化物半導体層の上方に形成され、前記第1の格子定数よりも大きい第2の格子定数を備えた、窒化ガリウム又は窒化アルミニウムガリウムの第2の窒化物半導体層と、平面視で前記第2の窒化物半導体層を間に挟むように、前記第1の窒化物半導体層上に形成された、n型窒化ガリウムの第3の窒化物半導体層及び第4の窒化物半導体層と、を有し、前記第3の窒化物半導体層の第3の格子定数及び前記第4の窒化物半導体層の第4の格子定数は、厚さ方向で前記第1の窒化物半導体層との界面に近づくほど前記第1の格子定数に近くなり、前記ゲート電極は、前記第2の窒化物半導体層の上方に形成され、前記ソース電極は、前記第3の窒化物半導体層上に形成され、前記ドレイン電極は、前記第4の窒化物半導体層上に形成されている化合物半導体装置が提供される。
本開示によれば、優れた高周波特性を得ながらオフリーク電流を低減することができる。
第1の実施形態に係る化合物半導体装置を示す断面図である。 n型GaN層の格子定数の分布を示す図である。 第1の実施形態に係る化合物半導体装置の製造方法を示す断面図(その1)である。 第1の実施形態に係る化合物半導体装置の製造方法を示す断面図(その2)である。 第1の実施形態に係る化合物半導体装置の製造方法を示す断面図(その3)である。 第1の実施形態に係る化合物半導体装置の製造方法を示す断面図(その4)である。 第2の実施形態に係る化合物半導体装置を示す断面図である。 n型GaN層のドナー不純物の濃度の分布を示す図である。 第2の実施形態に係る化合物半導体装置の製造方法を示す断面図(その1)である。 第2の実施形態に係る化合物半導体装置の製造方法を示す断面図(その2)である。 第2の実施形態に係る化合物半導体装置の製造方法を示す断面図(その3)である。 第2の実施形態に係る化合物半導体装置の製造方法を示す断面図(その4)である。 ドレイン電圧とドレイン電流との関係を示す図である。 第3の実施形態に係る化合物半導体装置を示す断面図である。 第4の実施形態に係る化合物半導体装置を示す断面図である。 第5の実施形態に係る化合物半導体装置を示す断面図である。 第6の実施形態に係る化合物半導体装置を示す断面図である。 第7の実施形態に係るディスクリートパッケージを示す図である。 第8の実施形態に係るPFC回路を示す結線図である。 第9の実施形態に係る電源装置を示す結線図である。 第10の実施形態に係る増幅器を示す結線図である。
GaN系HEMTにおけるオフリーク電流を低減する技術の一つとして、GaNの電子走行層を薄く形成し、その下に、窒化アルミニウム(AlN)のバックバリア層を設けることが考えられる。しかしながら、この技術を、上記の接触抵抗を低減するために低抵抗のGaN層(再成長層)を用いる技術と組み合わせる場合、電子供給層を除去するためのエッチングを薄い電子走行層内で停止させることが困難である。エッチングをバックバリア層内で停止させた場合、再成長層は、GaNの電子走行層ではなく、AlNのバックバリア層から成長することとなる。この場合、AlNとGaNとの間に大きな格子定数差があるため、再成長層の結晶性が低下しやすく、再成長層の表面が荒れやすい。この結果、再成長層を用いているにも拘わらず、十分に低い接触抵抗が得られない。
本発明者らは、優れた高周波特性を得ながらオフリーク電流を低減するために、再成長層を用いる技術とバックバリア層を用いる技術とを適切に組み合わせるべく鋭意検討を行った。この結果、以下のような実施形態に想到した。
以下、本開示の実施形態について添付の図面を参照しながら具体的に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省くことがある。
(第1の実施形態)
先ず、第1の実施形態について説明する。第1の実施形態は、GaN系HEMTを含む化合物半導体装置に関する。図1Aは、第1の実施形態に係る化合物半導体装置を示す断面図である。
第1の実施形態に係る化合物半導体装置100は、図1Aに示すように、窒化物半導体積層構造190と、窒化物半導体積層構造190の上方に形成されたソース電極1s、ゲート電極1g及びドレイン電極1dと、を有する。窒化物半導体積層構造190は、第1の格子定数を備えた、窒化アルミニウム(AlN)又は窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)のバックバリア層120を有する。窒化物半導体積層構造190は、更に、バックバリア層120の上方に形成され、第1の格子定数よりも大きい第2の格子定数を備えた、窒化ガリウム(GaN)又はAlGaNの電子走行層130を有する。窒化物半導体積層構造190は、更に、平面視で電子走行層130を間に挟むように、バックバリア層120上に形成された、ドナー不純物を含むn型GaN層160s及びn型GaN層160dを有する。窒化物半導体積層構造190は、更に、電子走行層130の上方に形成された、AlGaN又は窒化インジウムアルミニウムガリウム(InAlGaN)の電子供給層150を有する。電子供給層150のバンドギャップが電子走行層130のバンドギャップより大きく、電子走行層130の表面近傍に、二次元電子ガス(two-dimensional electron gas:2DEG)が生成している。バックバリア層120は第1の窒化物半導体層の一例であり、電子走行層130は第2の窒化物半導体層の一例であり、電子供給層150は第6の窒化物半導体層の一例である。n型GaN層160sは第3の窒化物半導体層の一例であり、n型GaN層160dは第4の窒化物半導体層の一例である。
例えば、電子走行層130の下面はバックバリア層120の上面と接しており、バックバリア層120と電子走行層130との界面は、バックバリア層120とn型GaN層160sとの界面及びバックバリア層120とn型GaN層160dとの界面よりも上方に位置する。
図1Bは、n型GaN層160s及び160dの格子定数の分布を示す図である。図1Bの横軸は格子定数を示し、縦軸は厚さ方向でのバックバリア層120との界面からの距離を示す。ここでは、n型GaN層160s及び160dの厚さをtとしている。
n型GaN層160s及び160dはドナー不純物を含んでいるため、これらの格子定数はドナー不純物の種類及び濃度に依存する。そして、本実施形態では、図1Bに示すように、n型GaN層160sの格子定数(第3の格子定数)及びn型GaN層160dの格子定数(第4の格子定数)は、厚さ方向でバックバリア層120との界面に近づくほどバックバリア層120の格子定数(第1の格子定数)に近くなる。例えば、n型GaN層160s及び160dの格子定数は、それらの下面(バックバリア層120との界面)にてAであり、それらの上面にてAであり、下面から上面に近づくほど格子定数が大きくなっている。例えば、上面での格子定数Aは、n型GaN層160s及び160d内で最もGaNの格子定数に近い。また、GaNの格子定数はAlN又はAlGaNの格子定数よりも大きい。このため、n型GaN層160s及び160dの下面での格子定数AはAlN又はAlGaNのバックバリア層120の格子定数よりも大きい。
そして、ゲート電極1gが電子供給層150の上方に形成され、ソース電極1sがn型GaN層160s上に形成され、ドレイン電極1dがn型GaN層160d上に形成されている。
このように構成された化合物半導体装置100では、ソース電極1sと窒化物半導体積層構造190との間の接触抵抗が低く、ドレイン電極1dと窒化物半導体積層構造190との間の接触抵抗が低い。ソース電極1sがn型GaN層160s上に形成され、ドレイン電極1dがn型GaN層160d上に形成されているからである。このため、低抵抗のオーミック接触を実現できる。また、電子走行層130の下方にAlN又はAlGaNのバックバリア層120が設けられているため、ゲート電極1gのゲート長を短縮してもオフリーク電流が流れにくい。
更に、n型GaN層160s及び160dの格子定数は、厚さ方向でバックバリア層120との界面に近づくほどバックバリア層120の格子定数に近くなる。つまり、n型GaN層160s及び160d内でのバックバリア層120との格子定数差は、厚さ方向でこれらの界面にて最も小さくなっている。従って、格子定数差に起因するn型GaN層160s及び160d内の歪はバックバリア層120に近づくほど小さくなっている。このため、n型GaN層160s及び160dの結晶性は良好であり、その上面の平坦度も良好である。
従って、化合物半導体装置100によれば、優れた高周波特性を得ながらオフリーク電流を低減することができる。
次に、第1の実施形態に係る化合物半導体装置100の製造方法について説明する。図2A〜図2Dは、第1の実施形態に係る化合物半導体装置の製造方法を示す断面図である。
先ず、図2Aに示すように、バックバリア層120、電子走行層130及び電子供給層150を含む窒化物半導体積層構造190を形成する。この結果、電子走行層130の表面近傍に、2DEGが生成する。
次いで、図2Bに示すように、ソース電極1sの下方になる領域及びドレイン電極1dの下方になる領域のそれぞれにおいて、電子供給層150、電子走行層130及びバックバリア層120の表層部をドライエッチングにより除去する。この結果、窒化物半導体積層構造190にバックバリア層120を露出するソース用のリセス180s及びドレイン用のリセス180dが形成される。
その後、図2Cに示すように、ドナー不純物を含むn型GaN層160sをリセス180s内に形成し、ドナー不純物を含むn型GaN層160dをリセス180d内に形成する。このとき、ドナー不純物の種類及び濃度を調整することで、図1Bに示す格子定数の分布を得る。n型GaN層160s及び160dも窒化物半導体積層構造190に含まれる。
続いて、図2Dに示すように、n型GaN層160s上にソース電極1sを形成し、n型GaN層160d上にドレイン電極1dを形成する。更に、ソース電極1s及びドレイン電極1dの間において、電子供給層150上にゲート電極1gを形成する。
そして、必要に応じて保護膜及び配線等を形成して、化合物半導体装置100を完成させる。
本実施形態では、リセス180s及び180dの形成に際して、電子供給層150及び電子走行層130だけでなく、バックバリア層120の表層部もドライエッチングにより除去する。一つのウェハに複数のGaN系HEMTを形成する場合、電子走行層130内でドライエッチングを停止させようとしても、エッチングの停止点をウェハの面内で揃えることは困難である。このため、エッチング後の電子走行層130の厚さに十分な面内均一性を得にくい。エッチング後の電子走行層130の厚さは接触抵抗に影響を及ぼすため、接触抵抗の面内均一性も低下する。これに対し、本実施形態のようにバックバリア層120の表層部もドライエッチングにより除去する場合は、エッチングの停止点にばらつきが生じても、接触抵抗には影響が及びにくい。従って、接触抵抗の面内均一性を安定させることができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、GaN系HEMTを含む化合物半導体装置に関する。図3Aは、第2の実施形態に係る化合物半導体装置を示す断面図である。
第2の実施形態に係る化合物半導体装置200は、図3Aに示すように、基板210と、基板210の上方に形成された窒化物半導体積層構造290と、窒化物半導体積層構造290の上方に形成されたソース電極1s、ゲート電極1g及びドレイン電極1dと、を有する。基板210は、例えばAlN基板である。窒化物半導体積層構造290は、第1の格子定数を備えた、AlN又はAlGaNのバックバリア層220を有する。バックバリア層220の厚さは、例えば400nm〜600nmである。窒化物半導体積層構造290は、更に、バックバリア層220の上方に形成され、第1の格子定数よりも大きい第2の格子定数を備えた、GaN又はAlGaNの電子走行層230を有する。電子走行層230の厚さは、例えば10nm〜30nmである。窒化物半導体積層構造290は、更に、電子走行層230上に形成された、AlN、AlGaN又はInAlGaNのスペーサ層240を有する。窒化物半導体積層構造290は、更に、スペーサ層240の上方に形成された、AlGaN又はInAlGaNの電子供給層250を有する。スペーサ層240及び電子供給層250のバンドギャップが電子走行層230のバンドギャップより大きく、電子走行層230の表面近傍に、二次元電子ガスが生成している。バックバリア層220は第1の窒化物半導体層の一例であり、電子走行層230は第2の窒化物半導体層の一例であり、スペーサ層240は第5の窒化物半導体層の一例であり、電子供給層250は第6の窒化物半導体層の一例である。
ソース電極1sの下方の領域及びドレイン電極1dの下方の領域のそれぞれにおいて、電子供給層250、スペーサ層240、電子走行層230及びバックバリア層220の表層部にソース用のリセス280s及びドレイン用のリセス280dが形成されている。リセス280s内にドナー不純物を含むn型GaN層260sが形成され、リセス280d内にドナー不純物を含むn型GaN層260dが形成されている。n型GaN層260s及びn型GaN層260dは、平面視で電子走行層230、スペーサ層240及び電子供給層250を間に挟むように、バックバリア層220上に形成されている。n型GaN層260sは第3の窒化物半導体層の一例であり、n型GaN層260dは第4の窒化物半導体層の一例である。
例えば、電子走行層230の下面はバックバリア層220の上面と接しており、バックバリア層220と電子走行層230との界面は、バックバリア層220とn型GaN層260sとの界面及びバックバリア層220とn型GaN層260dとの界面よりも上方に位置する。
図3Bは、n型GaN層260s及び260dのドナー不純物の濃度の分布を示す図である。図3Bの横軸はドナー不純物の濃度を示し、縦軸は厚さ方向でのバックバリア層220との界面からの距離を示す。ここでは、n型GaN層260s及び260dの厚さをtとしている。
本実施形態において、n型GaN層260s及び260dはドナー不純物として、シリコン(Si)及びゲルマニウム(Ge)を含有する。そして、図3Bに示すように、Si濃度は、下面(バックバリア層220との界面)において最も高く、界面から離間するほど低くなっている。例えば、下面近傍におけるSi濃度は1×1019cm−3〜1×1020cm−3程度である。一方、図3Bに示すように、Ge濃度は、上面(バックバリア層220との界面)において最も高く、界面に近づくほど低くなっている。例えば、上面近傍におけるGe濃度は1×1019cm−3〜1×1020cm−3程度である。例えば、n型GaN層260s及び260dの下面近傍にはGeが含まれず、上面近傍にはSiが含まれない。このように、厚さ方向でバックバリア層220との界面に近づくほど、Si濃度が高くなり、Ge濃度が低くなっている。
Siはドナー不純物として機能する。また、Siの原子半径(111pm)はGaの原子半径(135pm)の82%程度であり、SiはGaNに添加されてGaNの格子定数を小さくする機能を有する。従って、Si濃度が高いほど、AlN又はAlGaNのバックバリア層220との間の格子定数差を小さくすることができる。その一方で、SiはGaNを大きく歪ませるため、厚さ方向の全体にわたってSi濃度が高い場合には、良好な結晶性が得られないおそれがある。
Geはドナー不純物として機能する。また、Geの原子半径(122pm)はGaの原子半径の90%程度であり、GeはGaNに添加されてもSiほどはGaNの格子定数に影響を及ぼさない。従って、Ge濃度が高いほど、GaNの歪を抑えながら電極との間の接触抵抗を低減することができる。
従って、本実施形態では、第1の実施形態のn型GaN層160s及び160dと同様に、n型GaN層260s及びn型GaN層260dの格子定数は、厚さ方向でバックバリア層220との界面に近づくほどバックバリア層220の格子定数に近くなっている。例えば、n型GaN層260s及び260dの格子定数は、それらの下面から上面に近づくほど大きくなっている。例えば、上面での格子定数は、n型GaN層260s及び260d内で最もGaNの格子定数に近い。
そして、ゲート電極1gが電子供給層250の上方に形成され、ソース電極1sがn型GaN層260s上に形成され、ドレイン電極1dがn型GaN層260d上に形成されている。
このように構成された化合物半導体装置200では、ソース電極1sと窒化物半導体積層構造290との間の接触抵抗が低く、ドレイン電極1dと窒化物半導体積層構造290との間の接触抵抗が低い。ソース電極1sがn型GaN層260s上に形成され、ドレイン電極1dがn型GaN層260d上に形成されているからである。このため、低抵抗のオーミック接触を実現できる。また、電子走行層230の下方にAlN又はAlGaNのバックバリア層220が設けられているため、ゲート電極1gのゲート長を短縮してもオフリーク電流が流れにくい。
更に、n型GaN層260s及び260d中のSi及びGeの濃度分布が適切であり、n型GaN層260s及び260dの格子定数は、厚さ方向でバックバリア層220との界面に近づくほどバックバリア層220の格子定数に近くなっている。つまり、n型GaN層260s及び260d内でのバックバリア層220との格子定数差は、厚さ方向でこれらの界面にて最も小さくなっている。従って、格子定数差に起因するn型GaN層260s及び260d内の歪はバックバリア層220に近づくほど小さくなっている。このため、n型GaN層260s及び260dの結晶性は良好であり、その上面の平坦度も良好である。
従って、化合物半導体装置200によれば、優れた高周波特性を得ながらオフリーク電流を低減することができる。
次に、第2の実施形態に係る化合物半導体装置200の製造方法について説明する。図4A〜図4Dは、第2の実施形態に係る化合物半導体装置の製造方法を示す断面図である。
先ず、図4Aに示すように、AlNの基板210上に、AlNのバックバリア層220、GaNの電子走行層230、AlNのスペーサ層240及びAlGaN又はInGaNの電子供給層250を含む窒化物半導体積層構造290を形成する。窒化物半導体積層構造290は、例えば有機金属気相成長(metal organic chemical vapor deposition:MOCVD)法及び分子線エピタキシー(molecular beam epitaxy:MBE)法等の結晶成長法により形成することができる。この結果、電子走行層230の表面近傍に、二次元電子ガス(two-dimensional electron gas:2DEG)が生成する。
MOCVD法により窒化物半導体積層構造290を形成する場合、例えば、Al源であるトリメチルアルミニウム(TMA)ガス、Ga源であるトリメチルガリウム(TMG)ガス、及びN源であるアンモニア(NH)ガスの混合ガスを用いる。このとき、成長させる窒化物半導体層の組成に応じて、トリメチルアルミニウムガス及びトリメチルガリウムガスの供給の有無及び流量を適宜設定する。各窒化物半導体層に共通の原料であるアンモニアガスの流量は、例えば100ccm〜10LM程度とする。また、例えば、成長圧力は50Torr〜300Torr程度、成長温度は1000℃〜1200℃程度とする。AlN層(バックバリア層220、スペーサ層240)の成長温度は1400℃程度としてもよい。GaNの電子走行層230の形成に際しては、例えば、成長温度を低めにすることで電子走行層230の表面を平坦にしやすい。スペーサ層240又は電子供給層250としてInAlGaN層を形成する場合、混合ガスにIn源としてトリメチルインジウム(TMI)ガスを加える。
窒化物半導体積層構造290の形成後に、素子領域を画定する素子分離領域を形成する。素子分離領域の形成では、例えば、素子分離領域を形成する予定の領域を露出するフォトレジストのパターンを窒化物半導体積層構造290上に形成し、このパターンをマスクとしてAr等のイオン注入を行う。このパターンをエッチングマスクとして塩素系ガスを用いたドライエッチングを行ってもよい。
次いで、図4Bに示すように、ソース電極1sの下方になる領域及びドレイン電極1dの下方になる領域のそれぞれにおいて、電子供給層250、スペーサ層240、電子走行層230及びバックバリア層220の表層部を除去する。この除去は、例えば、レジストマスクを用いたドライエッチングにより行うことができる。この結果、窒化物半導体積層構造290にバックバリア層220を露出するソース用のリセス280s及びドレイン用のリセス280dが形成される。
その後、図4Cに示すように、ドナー不純物としてSi及びGeを含むn型GaN層260sをリセス280s内に形成し、ドナー不純物としてSi及びGeを含むn型GaN層260dをリセス280d内に形成する。n型GaN層260s及び260dは、例えばMOCVD法及びMBE法等の結晶成長法により形成することができる。MOCVD法によりn型GaN層260s及び260dを形成する場合、例えば、Si源としてのモノシラン(SiH)ガス及びGe源としてのモノゲルマン(GeH)ガスを、トリメチルガリウムガス及びアンモニアガスの混合ガスに加える。そして、n型GaN層260s及び260dの成長に連れて、モノシランガスの流量は減少させ、モノゲルマンガスの流量は増加させる。このようにして、図3Bに示す不純物濃度の分布を得る。n型GaN層260s及び260dも窒化物半導体積層構造290に含まれる。
続いて、図4Dに示すように、n型GaN層260s上にソース電極1sを形成し、n型GaN層260d上にドレイン電極1dを形成する。ソース電極1s及びドレイン電極1dは、例えばリフトオフ法により形成することができる。すなわち、ソース電極1sを形成する予定の領域及びドレイン電極1dを形成する予定の領域を露出し、他の領域を覆うフォトレジストのパターンを形成し、このパターンを成長マスクとして蒸着法により金属膜を形成し、このパターンをその上の金属膜と共に除去する。金属膜の形成では、例えば、厚さが100nm程度のTi膜を形成し、その上に厚さが300nm程度のAl膜を形成する。次いで、例えば、Nの雰囲気中にて400℃〜1000℃(例えば600℃)で熱処理(例えば急速加熱処理(rapid thermal annealing:RTA))を行い、オーミック接触を得る。更に、ソース電極1s及びドレイン電極1dの間において、電子供給層250上にゲート電極1gを形成する。ゲート電極1gは、例えばリフトオフ法により形成することができる。すなわち、ゲート電極1gを形成する予定の領域を露出するフォトレジストのパターンを形成し、このパターンを成長マスクとして蒸着法により金属膜を形成し、このパターンをその上の金属膜と共に除去する。金属膜の形成では、例えば、厚さが50nm程度のNi膜を形成し、その上に厚さが300nm程度のAu膜を形成する。
そして、必要に応じて保護膜及び配線等を形成して、化合物半導体装置200を完成させる。
本実施形態では、リセス280s及び280dの形成に際して、電子供給層250、スペーサ層240及び電子走行層230だけでなく、バックバリア層220の表層部もドライエッチングにより除去する。このため、第1の実施形態と同様に、接触抵抗の面内均一性を安定させることができる。
n型GaN層260s及び260dの形成では、n型GaN層260s及び260dの成長に連れて、モノシランガスの流量は減少させ、モノゲルマンガスの流量は増加させるため、格子定数差に起因する歪の発生を抑制しながら、十分な濃度でドナー不純物をドーピングできる。従って、化合物半導体装置200において、優れた高周波特性を得ながらオフリーク電流を低減することができる。
なお、n型GaN層260s及び260dに含まれるドナー不純物のうち、Geの全部又は一部に代えて酸素(O)を用いてもよい。Oは、例えば、t−ブチルアルコールを用いてn型GaN層260s及び260dに含有させることができる。一酸化炭素(CO)又は二酸化炭素(CO)を用いてn型GaN層260s及び260dに含有させることもできる。
ここで、接触抵抗の低減により得られる効果について説明する。一般に、GaN系HEMTの相互コンダクタンスgは下記の式1で表される。式1において、gm0は真性相互コンダクタンスであり、Rはソース抵抗である。
Figure 2020072218
式1からわかるように、接触抵抗が低いほど、ソース抵抗Rが低いので、相互コンダクタンスgが大きくなる。
また、遮断周波数fは下記の式2で表される。式2において、CGSはゲートとソースとの間の容量であり、CGDはゲートとドレインとの間の容量である。
Figure 2020072218
式2からわかるように、相互コンダクタンスgが大きいほど、遮断周波数fが大きくなる。
また、最大発振周波数fmaxは下記の式3で表される。式3において、Rはゲート抵抗であり、Rはチャネル抵抗であり、gはドレインコンダクタンスである。
Figure 2020072218
式3からわかるように、遮断周波数fが大きいほど、また、ソース抵抗Rが低いほど、最大発振周波数fmaxが大きくなる。
このように、ソース電極1sにおける接触抵抗の低減により、最大発振周波数fmaxを向上することができる。
また、ドレイン電極1dにおける接触抵抗の低減により、ドレイン電流を増加させることができる。図5は、ドレイン電圧とドレイン電流との関係を示す図である。図5の横軸はドレイン電圧Vdを示し、縦軸はドレイン電流Idを示す。図5に示すように、第2の実施形態によれば、参考例より極めて大きなドレイン電流Idを得ることができる。ここで、参考例は、リセス280s及び280d並びにn型GaN層260s及び260dが形成されず、ソース電極1s及びドレイン電極1dが電子供給層250と接触する構造を有する。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、GaN系HEMTを含む化合物半導体装置に関する。図6は、第3の実施形態に係る化合物半導体装置を示す断面図である。
第3の実施形態に係る化合物半導体装置300は、図6に示すように、基板310と、基板310の上方に形成された窒化物半導体積層構造390と、窒化物半導体積層構造390の上方に形成されたソース電極1s、ゲート電極1g及びドレイン電極1dと、を有する。基板310は、例えば、Si基板、SiC基板、サファイア基板又はGaN基板等である。窒化物半導体積層構造390は、第2の実施形態と同様に、バックバリア層220、電子走行層230、スペーサ層240、電子供給層250、n型GaN層260s及びn型GaN層260dを含む。窒化物半導体積層構造390は、更に、基板310とバックバリア層220との間にAlN層370を含む。
このような第3の実施形態によれば、AlN層370が形成されているため、AlN基板とは異なる基板310を用いても、結晶性が良好なバックバリア層220が得られる。そして、第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、種々の要請に応じて、多様な基板310を用いることができる。例えば、Si基板を用いる場合には、コストを低減することができる。
AlN層370は、他の窒化物半導体積層と同様に、MOCVD法及びMBE法等の結晶成長法により形成することができる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態は、GaN系HEMTを含む化合物半導体装置に関する。図7は、第4の実施形態に係る化合物半導体装置を示す断面図である。
第4の実施形態に係る化合物半導体装置400は、図7に示すように、基板210と、基板210の上方に形成された窒化物半導体積層構造490と、窒化物半導体積層構造490の上方に形成されたソース電極1s、ゲート電極1g及びドレイン電極1dと、を有する。窒化物半導体積層構造490は、第2の実施形態と同様に、バックバリア層220、電子走行層230、スペーサ層240、電子供給層250、n型GaN層260s及びn型GaN層260dを含む。窒化物半導体積層構造490は、更に、バックバリア層220と電子走行層230との間にバッファ層470を含む。バッファ層470は、例えば、下面から上面に近づくほどAl組成が低くなるAlGaN層である。このとき、例えば、バッファ層470の下面の組成はAlNであり、バッファ層470の上面の組成はGaNである。Al組成は連続的に変化していてもよく、段階的に変化していてもよい。バッファ層470は第1の窒化物半導体層に含まれる。
このような第4の実施形態によっても第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、バッファ層470が形成されているため、バックバリア層220と電子走行層230との間に大きな格子定数差があっても、結晶性が良好な電子走行層230を形成しやすい。
バッファ層470は、他の窒化物半導体積層と同様に、MOCVD法及びMBE法等の結晶成長法により形成することができる。
リセス280s及び280dは第2の実施形態と同様にバックバリア層220まで達していてもよい。リセス280s及び280dが厚さ方向でバッファ層470の途中まで形成され、バッファ層470の一部がn型GaN層260s及び260dとの間に残っていてもよい。この場合、例えば、第1の窒化物半導体層の一部であるバッファ層470の電子走行層230と接する部分におけるGa濃度は、バッファ層470の厚さ方向でn型GaN層260sと接する部分におけるGa濃度及びn型GaN層260dと接する部分におけるGa濃度よりも高い。
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。第5の実施形態は、GaN系HEMTを含む化合物半導体装置に関する。図8は、第5の実施形態に係る化合物半導体装置を示す断面図である。
第5の実施形態に係る化合物半導体装置500は、図8に示すように、基板210と、基板210の上方に形成された窒化物半導体積層構造590と、窒化物半導体積層構造590の上方に形成されたソース電極1s、ゲート電極1g及びドレイン電極1dと、を有する。窒化物半導体積層構造590は、バックバリア層220、電子走行層230、スペーサ層240、電子供給層250、n型GaN層560s及びn型GaN層560dを含む。平面視で、n型GaN層560sのゲート電極1g側の端部がソース電極1sのゲート電極1g側の端部よりもゲート電極1gに近く位置し、n型GaN層560dのゲート電極1g側の端部がドレイン電極1dのゲート電極1g側の端部よりもゲート電極1gに近く位置する。
このような第5の実施形態によっても第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、平面視で、n型GaN層560s及びn型GaN層560dがゲート電極1gに近く位置するため、チャネル抵抗を低減することができる。
例えば、リセス280s及び280dを形成する際に用いるレジストマスクのパターンを変更することで、n型GaN層260s及び260dと同様にして、n型GaN層560s及び560dを形成することができる。
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態について説明する。第6の実施形態は、GaN系HEMTを含む化合物半導体装置に関する。図9は、第6の実施形態に係る化合物半導体装置を示す断面図である。
第6の実施形態に係る化合物半導体装置600は、図9に示すように、基板210と、基板210の上方に形成された窒化物半導体積層構造290と、窒化物半導体積層構造290の上方に形成されたソース電極1s、ゲート電極1g及びドレイン電極1dと、を有する。化合物半導体装置600は、更に、ソース電極1sとドレイン電極1dとの間で窒化物半導体積層構造290上に形成された絶縁膜670を有し、ゲート電極1gは絶縁膜670上に形成されている。絶縁膜670は、例えば酸化アルミニウム又は窒化シリコン膜である。
このような第6の実施形態によっても第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、絶縁膜670が形成されているため、耐圧をより向上することができる。
(第7の実施形態)
次に、第7の実施形態について説明する。第7の実施形態は、HEMTのディスクリートパッケージに関する。図10は、第7の実施形態に係るディスクリートパッケージを示す図である。
第7の実施形態では、図10に示すように、第1〜第6の実施形態のいずれかと同様の構造を備えた化合物半導体装置1210の裏面がはんだ等のダイアタッチ剤1234を用いてランド(ダイパッド)1233に固定されている。また、ドレイン電極1dが接続されたドレインパッド1226dに、Alワイヤ等のワイヤ1235dが接続され、ワイヤ1235dの他端が、ランド1233と一体化しているドレインリード1232dに接続されている。ソース電極1sに接続されたソースパッド1226sにAlワイヤ等のワイヤ1235sが接続され、ワイヤ1235sの他端がランド1233から独立したソースリード1232sに接続されている。ゲート電極1gに接続されたゲートパッド1226gにAlワイヤ等のワイヤ1235gが接続され、ワイヤ1235gの他端がランド1233から独立したゲートリード1232gに接続されている。そして、ゲートリード1232gの一部、ドレインリード1232dの一部及びソースリード1232sの一部が突出するようにして、ランド1233及び化合物半導体装置1210等がモールド樹脂1231によりパッケージングされている。
このようなディスクリートパッケージは、例えば、次のようにして製造することができる。先ず、化合物半導体装置1210をはんだ等のダイアタッチ剤1234を用いてリードフレームのランド1233に固定する。次いで、ワイヤ1235g、1235d及び1235sを用いたボンディングにより、ゲートパッド1226gをリードフレームのゲートリード1232gに接続し、ドレインパッド1226dをリードフレームのドレインリード1232dに接続し、ソースパッド1226sをリードフレームのソースリード1232sに接続する。その後、トランスファーモールド法にてモールド樹脂1231を用いた封止を行う。続いて、リードフレームを切り離す。
(第8の実施形態)
次に、第8の実施形態について説明する。第8の実施形態は、HEMTを備えたPFC(Power Factor Correction)回路に関する。図11は、第8の実施形態に係るPFC回路を示す結線図である。
PFC回路1250には、スイッチ素子(トランジスタ)1251、ダイオード1252、チョークコイル1253、コンデンサ1254及び1255、ダイオードブリッジ1256、並びに交流電源(AC)1257が設けられている。そして、スイッチ素子1251のドレイン電極と、ダイオード1252のアノード端子及びチョークコイル1253の一端子とが接続されている。スイッチ素子1251のソース電極と、コンデンサ1254の一端子及びコンデンサ1255の一端子とが接続されている。コンデンサ1254の他端子とチョークコイル1253の他端子とが接続されている。コンデンサ1255の他端子とダイオード1252のカソード端子とが接続されている。また、スイッチ素子1251のゲート電極にはゲートドライバが接続されている。コンデンサ1254の両端子間には、ダイオードブリッジ1256を介してAC1257が接続される。コンデンサ1255の両端子間には、直流電源(DC)が接続される。そして、本実施形態では、スイッチ素子1251に、第1〜第6の実施形態のいずれかと同様の構造を備えた化合物半導体装置が用いられている。
PFC回路1250の製造に際しては、例えば、はんだ等を用いて、スイッチ素子1251をダイオード1252及びチョークコイル1253等に接続する。
(第9の実施形態)
次に、第9の実施形態について説明する。第9の実施形態は、サーバ電源に好適な、HEMTを備えた電源装置に関する。図12は、第9の実施形態に係る電源装置を示す結線図である。
電源装置には、高圧の一次側回路1261及び低圧の二次側回路1262、並びに一次側回路1261と二次側回路1262との間に配設されるトランス1263が設けられている。
一次側回路1261には、第8の実施形態に係るPFC回路1250、及びPFC回路1250のコンデンサ1255の両端子間に接続されたインバータ回路、例えばフルブリッジインバータ回路1260が設けられている。フルブリッジインバータ回路1260には、複数(ここでは4つ)のスイッチ素子1264a、1264b、1264c及び1264dが設けられている。
二次側回路1262には、複数(ここでは3つ)のスイッチ素子1265a、1265b及び1265cが設けられている。
本実施形態では、一次側回路1261を構成するPFC回路1250のスイッチ素子1251、並びにフルブリッジインバータ回路1260のスイッチ素子1264a、1264b、1264c及び1264dに、第1〜第6の実施形態のいずれかと同様の構造を備えた化合物半導体装置が用いられている。一方、二次側回路1262のスイッチ素子1265a、1265b及び1265cには、シリコンを用いた通常のMIS型FET(電界効果トランジスタ)が用いられている。
(第10の実施形態)
次に、第10の実施形態について説明する。第10の実施形態は、HEMTを備えた増幅器に関する。図13は、第10の実施形態に係る増幅器を示す結線図である。
増幅器には、ディジタル・プレディストーション回路1271、ミキサー1272a及び1272b、並びにパワーアンプ1273が設けられている。
ディジタル・プレディストーション回路1271は、入力信号の非線形歪みを補償する。ミキサー1272aは、非線形歪みが補償された入力信号と交流信号とをミキシングする。パワーアンプ1273は、第1〜第6の実施形態のいずれかと同様の構造を備えた化合物半導体装置を備えており、交流信号とミキシングされた入力信号を増幅する。なお、本実施形態では、例えば、スイッチの切り替えにより、出力側の信号をミキサー1272bで交流信号とミキシングしてディジタル・プレディストーション回路1271に送出できる。この増幅器は、高周波増幅器、高出力増幅器として使用することができる。高周波増幅器は、例えば、携帯電話基地局用送受信装置、レーダー装置及びマイクロ波発生装置に用いることができる。
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
窒化物半導体積層構造と、
前記窒化物半導体積層構造の上方に形成されたソース電極、ゲート電極及びドレイン電極と、
を有し、
前記窒化物半導体積層構造は、
第1の格子定数を備えた、窒化アルミニウム又は窒化アルミニウムガリウムの第1の窒化物半導体層と、
前記第1の窒化物半導体層の上方に形成され、前記第1の格子定数よりも大きい第2の格子定数を備えた、窒化ガリウム又は窒化アルミニウムガリウムの第2の窒化物半導体層と、
平面視で前記第2の窒化物半導体層を間に挟むように、前記第1の窒化物半導体層上に形成された、n型窒化ガリウムの第3の窒化物半導体層及び第4の窒化物半導体層と、
を有し、
前記第3の窒化物半導体層の第3の格子定数及び前記第4の窒化物半導体層の第4の格子定数は、厚さ方向で前記第1の窒化物半導体層との界面に近づくほど前記第1の格子定数に近くなり、
前記ゲート電極は、前記第2の窒化物半導体層の上方に形成され、
前記ソース電極は、前記第3の窒化物半導体層上に形成され、
前記ドレイン電極は、前記第4の窒化物半導体層上に形成されていることを特徴とする化合物半導体装置。
(付記2)
前記第1の窒化物半導体層が窒化アルミニウム層であり、
前記第2の窒化物半導体層が窒化ガリウム層であることを特徴とする付記1に記載の化合物半導体装置。
(付記3)
前記窒化物半導体積層構造は、前記第2の窒化物半導体層上に形成された、窒化アルミニウム、窒化アルミニウムガリウム又は窒化インジウムアルミニウムガリウムの第5の窒化物半導体層を有し、
前記第5の窒化物半導体層のバンドギャップは、前記第2の窒化物半導体層のバンドギャップよりも大きいことを特徴とする付記1又は2に記載の化合物半導体装置。
(付記4)
前記第5の窒化物半導体層が窒化アルミニウム層であることを特徴とする付記3に記載の化合物半導体装置。
(付記5)
前記窒化物半導体積層構造は、前記第2の窒化物半導体層の上方に形成された第6の窒化物半導体層を有し、
前記第6の窒化物半導体層のバンドギャップは、前記第2の窒化物半導体層のバンドギャップよりも大きいことを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載の化合物半導体装置。
(付記6)
前記第3の窒化物半導体層及び前記第4の窒化物半導体層は、n型不純物として、シリコン、ゲルマニウム若しくは酸素又はこれらの任意の組み合わせを含むことを特徴とする付記1乃至5のいずれか1項に記載の化合物半導体装置。
(付記7)
前記第3の窒化物半導体層及び前記第4の窒化物半導体層内において、厚さ方向で前記第1の窒化物半導体層との界面に近づくほど、シリコンの濃度が高くなり、ゲルマニウム若しくは酸素又はこれらの両方の濃度が低くなることを特徴とする付記6に記載の化合物半導体装置。
(付記8)
前記第2の窒化物半導体層の厚さは、10nm以上30nm以下であることを特徴とする付記1乃至7のいずれか1項に記載の化合物半導体装置。
(付記9)
前記第2の窒化物半導体層の下面は前記第1の窒化物半導体層の上面と接しており、
前記第1の窒化物半導体層と前記第2の窒化物半導体層との界面は、前記第1の窒化物半導体層と前記第3の窒化物半導体層との界面及び前記第1の窒化物半導体層と前記第4の窒化物半導体層との界面よりも上方に位置することを特徴とする付記1乃至8のいずれか1項に記載の化合物半導体装置。
(付記10)
前記第1の窒化物半導体層の前記第2の窒化物半導体層と接する部分におけるガリウムの濃度は、
前記第1の窒化物半導体層の前記第3の窒化物半導体層と接する部分におけるガリウムの濃度及び前記第1の窒化物半導体層の前記第4の窒化物半導体層と接する部分におけるガリウムの濃度よりも高いことを特徴とする付記9に記載の化合物半導体装置。
(付記11)
付記1乃至10のいずれか1項に記載の化合物半導体装置を有することを特徴とする高周波増幅器。
(付記12)
付記1乃至10のいずれか1項に記載の化合物半導体装置を有することを特徴とする電源装置。
1s:ソース電極
1d:ドレイン電極
1g:ゲート電極
100、200、300、400、500、600:化合物半導体装置
120、220:バックバリア層
130、230:電子走行層
150、250:電子供給層
160s、160d、260s、260d:n型GaN層
190、290、390、490、590:窒化物半導体積層構造
240:スペーサ層

Claims (8)

  1. 窒化物半導体積層構造と、
    前記窒化物半導体積層構造の上方に形成されたソース電極、ゲート電極及びドレイン電極と、
    を有し、
    前記窒化物半導体積層構造は、
    第1の格子定数を備えた、窒化アルミニウム又は窒化アルミニウムガリウムの第1の窒化物半導体層と、
    前記第1の窒化物半導体層の上方に形成され、前記第1の格子定数よりも大きい第2の格子定数を備えた、窒化ガリウム又は窒化アルミニウムガリウムの第2の窒化物半導体層と、
    平面視で前記第2の窒化物半導体層を間に挟むように、前記第1の窒化物半導体層上に形成された、n型窒化ガリウムの第3の窒化物半導体層及び第4の窒化物半導体層と、
    を有し、
    前記第3の窒化物半導体層の第3の格子定数及び前記第4の窒化物半導体層の第4の格子定数は、厚さ方向で前記第1の窒化物半導体層との界面に近づくほど前記第1の格子定数に近くなり、
    前記ゲート電極は、前記第2の窒化物半導体層の上方に形成され、
    前記ソース電極は、前記第3の窒化物半導体層上に形成され、
    前記ドレイン電極は、前記第4の窒化物半導体層上に形成されていることを特徴とする化合物半導体装置。
  2. 前記第1の窒化物半導体層が窒化アルミニウム層であり、
    前記第2の窒化物半導体層が窒化ガリウム層であることを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体装置。
  3. 前記窒化物半導体積層構造は、前記第2の窒化物半導体層上に形成された、窒化アルミニウム、窒化アルミニウムガリウム又は窒化インジウムアルミニウムガリウムの第5の窒化物半導体層を有し、
    前記第5の窒化物半導体層のバンドギャップは、前記第2の窒化物半導体層のバンドギャップよりも大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の化合物半導体装置。
  4. 前記第5の窒化物半導体層が窒化アルミニウム層であることを特徴とする請求項3に記載の化合物半導体装置。
  5. 前記第3の窒化物半導体層及び前記第4の窒化物半導体層は、n型不純物として、シリコン、ゲルマニウム若しくは酸素又はこれらの任意の組み合わせを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の化合物半導体装置。
  6. 前記第3の窒化物半導体層及び前記第4の窒化物半導体層内において、厚さ方向で前記第1の窒化物半導体層との界面に近づくほど、シリコンの濃度が高くなり、ゲルマニウム若しくは酸素又はこれらの両方の濃度が低くなることを特徴とする請求項5に記載の化合物半導体装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の化合物半導体装置を有することを特徴とする高周波増幅器。
  8. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の化合物半導体装置を有することを特徴とする電源装置。
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