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JP5439887B2 - 高張力鋼およびその製造方法 - Google Patents

高張力鋼およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、船舶や海洋構造物、ラインパイプ、圧力容器等に用いられる高張力鋼とその製造方法に関し、特に、降伏応力(YS)が460MPa以上で、母材の強度・靭性に優れるだけでなく溶接部の靭性(CTOD特性)にも優れる高張力鋼とその製造方法に関するものである。
船舶や海洋構造物等に用いられる鋼は、溶接接合して所望の形状の構造物等に仕上げられるのが普通である。そのため、これらの鋼には、構造物等の安全性を確保する観点から、母材自体の強度や靭性に優れることは勿論のこと、溶接継手の溶接部(溶接金属や熱影響部)の靭性にも優れていることが要求される。
鋼の靭性の評価基準としては、従来、主にシャルピー衝撃試験による吸収エネルギーが用いられてきた。しかし、近年では、より信頼性を高めるために、き裂開口変位試験(Crack Tip Opening Displacement Test、以降「CTOD試験」と略記する)が用いられることが多い。この試験は、靭性の評価部に疲労予き裂を発生させた試験片を3点曲げし、破壊直前のき裂底の口開き量(塑性変形量)を測定し、脆性破壊の発生抵抗を評価するものである。
ところで、上記用途に用いられるような板厚が厚い鋼には、一般に、多層溶接が施されるが、このような溶接では、熱影響部は複雑な熱履歴を受けるため、局所脆化域が発生し易く、特にボンド部(溶接金属と母材との境界)や2相域再熱部(溶接1サイクル目で粗粒となり、2サイクル目でαとγの2相域に加熱される領域)の靭性の低下が大きいという問題がある。ボンド部は、溶融点直下の高温に曝されるため、オーステナイト粒が粗大化し、引き続く冷却により、脆弱な上部ベイナイト組織に変態し易いからである。また、ボンド部には、ウィドマンステッテン組織や島状マルテンサイトといった脆化組織が生成するため、靭性はさらに低下する。
上記問題に対する対策として、例えば、鋼中にTiNを微細に分散させて、オーステナイト粒の粗大化を抑制したり、フェライト変態核として利用したりする技術が実用化されている。さらに、特許文献1や特許文献2には、希土類元素(REM)をTiと共に複合添加して鋼中に微細粒子を分散させることにより、オーステナイト粒成長を抑制し、溶接部の靭性を向上する技術が開示されている。その他に、Tiの酸化物を分散させる技術や、BNのフェライト核生成能と酸化物分散とを組み合わせる技術、さらには、CaやREMを添加して硫化物の形態を制御することにより靭性を高める技術も提案されている。
一方、上記2相域再熱部、即ち最初の溶接で融点直下の高温に曝された領域が、続く溶接時の再加熱によりフェライトとオーステナイトの2相域となる領域が、最も脆化する原因は、2パス目以降の溶接時の再加熱により、オーステナイト領域に炭素が濃化し、これが冷却中に、島状マルテンサイトを含む脆弱なベイナイト組織を生成し、靭性を低下させるからである。そこで、この対策として、低C、低Si化することにより島状マルテンサイトの生成を抑制し、さらにCuを添加することにより母材強度を確保する技術が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
さらに、特許文献4には、上記溶接時の再加熱による脆化組織の生成を抑制する方法として、硫化物の形態制御のために添加しているCaの添加量を適正範囲に制御した上で、Niを添加することにより、溶接熱影響部の靭性特性(CTOD特性)を向上させる技術が開示されている。
特公平03−053367号公報 特開昭60−184663号公報 特開平05−186823号公報 特開2007−231312公報
しかしながら、熱影響部の靭性が低下するという上述した問題は、上記従来技術によってある程度の改善がなされたものの、まだ幾つかの解決すべき問題点が残されている。例えば、TiNを利用する技術では、TiNが溶解する温度域まで加熱されるボンド部においてはその作用がなくなり、それどころか、固溶Tiおよび固溶Nによる基地組織の脆化によって著しい靭性の低下が起こることがある。また、Tiの酸化物を利用する技術では、酸化物の微細分散が十分均質にできないという問題がある。さらに、近年、船舶や海洋構造物等が大型化するのに伴って、それらに用いられる鋼材には、より高強度化、厚肉化することが求められている。それらの要求に応えるには、特許文献3の技術とは逆に、合金元素を多量に添加することが有効である。しかし、合金元素の多量の添加は、溶接時の再加熱による脆化組織の生成を促進し、溶接熱影響部の靭性の低下を招くという問題点を有している。また、特許文献4に開示された技術は、高強度化および厚肉化のため、マトリックスの高靭化に有効なNiの添加を必須としているため、原料コストが上昇するという問題点がある。
そこで、本発明の目的は、従来技術が抱える上記問題点を解決し、合金元素の添加量を増やさざるを得ない厚肉の高強度鋼板においても、母材の強度・靭性に優れるとともに、溶接熱影響部の靭性にも優れる高張力鋼とその好適な製造方法を提案することにある。
発明者らは、厚肉の高張力鋼の母材強度・靭性を向上すると共に、溶接熱影響部の靭性をも改善することができる方法について鋭意検討した。その結果、溶接熱影響部の靭性低下は、脆化組織の生成に起因していることから、この溶接熱影響部の靭性を向上させるためには、溶接時に高温加熱される領域におけるオーステナイト粒の粗大化を抑制したうえで、さらに、溶接後の冷却時のフェライト変態を促進させるために、変態核を均一微細に分散させてやることが有効であることを見出した。
そこで、発明者らは、上記脆化組織の生成を抑制する方法についてさらに検討した結果、硫化物の形態制御のために添加しているCaの添加量を適正範囲に制御することが有効であること、また、溶接熱影響部の靭性(CTOD特性)を向上するには、Mnの添加が有効であることを見出した。
また、母材の強度・靭性に及ぼす圧延条件の影響について検討したところ、圧延後の冷却を、冷却速度が大きい前段冷却と小さい後段冷却とからなる2段冷却とし、それぞれの冷却速度を適正に制御してやれば、鋼板組織がアシキュラーフェライト主体の組織となり、母材の強度・靭性に優れた高張力鋼を製造できることを見出した。さらに、母材の強度と靭性をより高めるには、オーステナイトの低温域で、未再結晶域を形成する効果が大きいNbを有効利用することが重要であることを見出した。そして、これらの技術を適正に組み合わせることによって初めて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、C:0.03〜0.10mass%、Si:0.30mass%以下、Mn:1.66〜2.30mass%、P:0.012mass%以下、S:0.005mass%以下、Al:0.005〜0.06mass%、Nb:0.004〜0.05mass%、Ti:0.005〜0.02mass%、N:0.001〜0.005mass%、Ca:0.0005〜0.003mass%を含有し、かつ、Ca,SおよびOが下記(1)式;
0<(Ca−(0.18+130×Ca)×O)/1.25/S<1 ・・・(1)
ここで、Ca,SおよびOは、各元素の含有量(mass%)
を満たして含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有することを特徴とする高張力鋼である。
本発明の高張力鋼は、上記成分組成に加えてさらに、B:0.0003〜0.0025mass%、V:0.2mass%以下、Cu:1mass%以下、Ni:0.75mass%以下、Cr:0.7mass%以下およびMo:0.7mass%以下の中から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする。
また、本発明は、C:0.03〜0.10mass%、Si:0.30mass%以下、Mn:1.66〜2.30mass%、P:0.012mass%以下、S:0.005mass%以下、Al:0.005〜0.06mass%、Nb:0.004〜0.05mass%、Ti:0.005〜0.02mass%、N:0.001〜0.005mass%、Ca:0.0005〜0.003mass%を含有し、かつ、Ca,SおよびOが下記(1)式;
0<(Ca−(0.18+130×Ca)×O)/1.25/S<1
・・・(1)
ここで、Ca,SおよびOは、各元素の含有量(mass%)
を満たして含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する鋼スラブを1050〜1200℃に加熱後、950℃以上の温度域における累積圧下率が30%以上、950℃未満の温度域における累積圧下率が30〜70%となる熱間圧延を施し、その後、熱間圧延終了温度から600〜450℃間の冷却停止温度までを5〜45℃/secで冷却する前段冷却と、上記前段冷却停止温度から450℃以下の冷却停止温度までを1℃/sec以上5℃/sec未満で冷却する後段冷却を施すことを特徴とする高張力鋼の製造方法を提案する。
本発明の高張力鋼の製造方法に用いる鋼スラブは、上記成分組成に加えてさらに、B:0.0003〜0.0025mass%、V:0.2mass%以下、Cu:1mass%以下、Ni:0.75mass%以下、Cr:0.7mass%以下およびMo:0.7mass%以下の中から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする。

また、本発明の製造方法は、後段冷却後の鋼に、450〜650℃の焼戻処理を施すことを特徴とする。
本発明によれば、母材が降伏応力460MPa以上の高強度を有すると共に靭性にも優れ、しかも、溶接後の熱影響部の靭性(CTOD特性)にも優れる高強度鋼を安価に製造することができるので、船舶や海洋構造物等の大型化に大きく寄与する。
熱間圧延後の前段冷却速度(圧延終了温度から600〜450℃間の冷却停止温度までの冷却速度)が母材特性に及ぼす影響を示すグラフである。
本発明の基本的な技術思想について説明する。
本発明の第1の特徴は、溶接熱影響部の靭性を向上するために、硫化物の形態制御を目的として添加しているCaの化合物(CaS)の晶出を有効利用するところにある。このCaSは、酸化物に比べて低温で晶出するため、均一に微細分散することができる。そして、CaSの添加量および添加時の溶鋼中の溶存酸素量を適性範囲に制御することによって、CaS晶出後でも固溶Sが確保されるので、CaSの表面上にMnSが析出して複合硫化物を形成する。このMnSには、フェライト核生成能があることが知られており、さらに、析出したMnSの周囲には、Mnの希薄帯が形成されるので、フェライト変態がより促進される。このMn希薄帯の効果は、鋼中のMn添加量を増加させることにより、より効果的に発現するようになる。しかも、析出したMnS上には、TiN,BN,AlN等のフェライト生成核も析出するので、よりいっそうフェライト変態が促進される。
また、Mn添加量を増加することにより、溶接熱影響部において脆化組織である島状マルテンサイトを極力生成させずに母材強度を効果的に高めることができる。これは、Mn添加量の増加により、溶接後の冷却中に生成する島状マルテンサイトがセメンタイトに分解しやすくなり、熱影響部組織中の島状マルテンサイトが低減するためである。これらの効果の結果、Niの添加を必須とすることなく、溶接熱影響部の靭性を確保することができる。
上記技術によって、高温でも溶解しないフェライト変態生成核を微細に分散させることが可能となり、溶接熱影響部の組織を微細化するとともに、島状マルテンサイトの生成を極力抑えることで、高い靭性を得ることができる。また、多層溶接時の熱サイクルにより2相域に再加熱される領域においても、最初の溶接熱影響部の組織が微細化されるので、未変態の領域の靭性が向上し、さらに、再変態するオーステナイト粒も微細化するので、靭性の低下の度合いを小さく抑えることができる。
本発明の第2の特徴は、鋼材圧延後の冷却を、前段冷却と後段冷却の2段階に分け、後段冷却より前段冷却の冷却速度を大きく制御するところにある。この点について、実験結果を基に説明する。
C:0.08mass%、Si:0.2mass%、Mn:1.8mass%を基本成分とする鋼スラブを、1150℃に加熱後、950℃以上の累積圧下率を40%、950℃未満での累積圧下率を50%、圧延終了温度を850℃とする熱間圧延後、圧延終了温度から500℃までを冷却速度5〜45℃/sec、より好ましくは5〜20℃/secで冷却する前段冷却と、さらに、350℃までを冷却速度3℃/secで冷却する後段冷却を施し、その後、空冷して板厚10〜50mmの厚鋼板とした。この厚鋼板について、引張強度特性および−40℃における靭性特性(シャルピー衝撃吸収エネルギー)を測定した。
図1は、上記測定結果について、母材強度および靭性に及ぼす前段の冷却速度の影響を示したものであり、圧延終了温度から500℃までの前段冷却の冷却速度を5〜45℃/secの範囲に制御することによって、降伏応力が460MPa以上の高強度で、vE-40℃が200J以上である強度−靭性バランスに優れた鋼板が得られることがわかる。
さらに、上記冷却速度で冷却した鋼板は、アシキュラーフェライト主体の組織となることもわかった。一般に、高強度鋼を得ようとした場合、島状マルテンサイトなどをラス間に含む比較的粗大な上部ベイナイト組織となると、靭性が大きく低下する。そこで、高強度と高靭性を両立させるためには、圧延条件の工夫などにより微細なアシキュラーフェライト組織とすることが必要となる。しかし、発明者らは、圧延後の冷却を前段冷却とそれよりも冷却速度が遅い後段冷却とに分け、それぞれの冷却速度を適正に制御することによって、アシキュラーフェライト主体の組織とし、優れた強度−靭性バランスを有する鋼板を得ることができることを見出した。これは、前段の冷却速度を速くすることで、変態核生成密度を高め、変態後の組織を粗大ベイナイト組織でなく緻密なアシキュラーフェライト組織にすることができるからである。さらに、後段の冷却速度については、前段の冷却速度より速過ぎると、島状マルテンサイトを生成し、母材の靭性を劣化させること、一方、後段の冷却速度を遅くし過ぎると、母材の強度が低下してしまうことから、適正な範囲に制御する必要があることも見出した。
本発明は、上記知見に基づき完成したものである。
次に、本発明に係る高張力鋼が有すべき成分組成について説明する。
C:0.03〜0.10mass%
Cは、鋼の強度に最も大きく影響する元素であり、構造用鋼として必要な強度(YS≧460MPa)を確保するためには0.03mass%以上含有させる必要がある。しかし、逆に、多過ぎると、母材靭性の低下や溶接時の低温割れを引き起こすので、上限を0.10mass%とする。
Si:0.30mass%以下
Siは、脱酸材として、また、鋼を高強度化するために添加される成分であり、その効果を得るためには、0.01mass%以上添加するのが好ましい。しかし、0.30mass%を超えると、母材および溶接部の靭性を低下させるため0.30mass%以下とする必要がある。好ましくは、0.01〜0.20mass%の範囲である。
Mn:1.60〜2.30mass%
Mnは、母材の強度を確保するために有効な元素であるが、本発明では、溶接熱影響部の組織微細化を促進すると共に、脆化組織の形成を極力抑制して、溶接熱影響部の靭性(CTOD特性)を改善するために添加する重要な元素である。この効果を得るためには、1.60mass%以上添加する必要がある。一方、2.30mass%を超えると、母材や溶接部の靭性を著しく低下させるため、2.30mass%以下とする。好ましくは、1.65〜2.15mass%の範囲である。
P:0.015mass%以下
Pは、不可避的に混入する不純物であり、0.015mass%を超えると、母材や溶接部の靭性を低下させるため、0.015mass%以下に制限する。好ましくは、0.010mass%以下である。
S:0.005mass%以下
Sは、不可避的に混入する不純物であり、0.005mass%を超えて含有すると、母材および溶接部の靭性を低下させるため、0.005mass%以下とする。好ましくは、0.0035mass%以下である。
Al:0.005〜0.06mass%
Alは、溶鋼を脱酸するために添加される元素であり、0.005mass%以上含有させる必要がある。一方、0.06mass%を超えて添加すると、母材の靭性を低下させるとともに、溶接による希釈によって溶接金属部に混入し、靭性を低下させるため、0.06mass%以下に制限する必要がある。好ましくは、0.010〜0.055mass%である。
Nb:0.004〜0.05mass%
Nbは、オーステナイトの低温度域で未再結晶域を形成するので、その温度域で圧延を施すことにより、母材の組織微細化および高靭性化を図ることができる。また、圧延・冷却後に焼戻処理を施すことにより、析出強化を図ることもできる。したがって、Nbは、鋼の強化を図る観点からは重要な添加元素である。上記効果を得るためには、Nbを0.004mass%以上添加する必要がある。しかし、0.05mass%を超えて過剰に添加した場合には、溶接部の靭性を劣化させるので、上限は0.05mass%とする。
Ti:0.005〜0.02mass%
Tiは、溶鋼が凝固する際にTiNとなって析出し、溶接部におけるオーステナイトの粗大化を抑制し、また、フェライトの変態核となるため、溶接部の高靭性化に寄与する。それらの効果を得るためには、0.005mass%以上添加する必要がある。一方、0.02mass%を超えて添加すると、TiN粒子が粗大化し、母材や溶接部の靭性改善効果が得られなくなる。よって、Tiの添加量は0.005〜0.02mass%の範囲とする。
N:0.001〜0.005mass%
Nは、溶接部の組織の粗大化を抑制するTiNを形成させるために必要な元素であり、0.001mass%以上添加する。一方、0.005mass%を超えて添加すると、固溶Nが母材や溶接部の靭性を著しく低下させることから上限を0.005mass%とする。なお、組織の粗大化を抑制するピンニング(pinning)に十分な量のTiN形成させるためには、0.003〜0.005mass%の範囲が好ましい。
Ca:0.0005〜0.003mass%
Caは、Sを固定することによって靭性を向上する元素である。この効果を発現させるためには、少なくとも0.0005mass%の添加が必要である。しかし、0.003mass%を超えて含有しても、その効果が飽和するので、Caは、0.0005〜0.003mass%の範囲で添加する。
0<(Ca−(0.18+130×Ca)×O)/1.25/S<1
高温でも溶解しないフェライト変態生成核CaSを微細分散させるためには、Ca,SおよびOは、下記(1)式;
0<(Ca−(0.18+130×Ca)×O)/1.25/S<1 ・・・(1)
ここで、Ca,S,O:各元素の含有量(mass%)
の関係を満たして含有する必要がある。上記式中の、(Ca−(0.18+130×Ca)×O)/(1.25/S)は、硫化物形態制御に有効なCaとSの原子濃度の比を示す値であり、この値から、硫化物の形態を推定することができる(持田他、「鉄と鋼」、日本鉄鋼協会、第66年(1980)、第3号、P.354〜362)。
すなわち、((Ca−(0.18+130×Ca)×O)/1.25/S)の値が0以下の場合には、CaSが晶出しない。そのため、Sは、MnS単独の形態で析出するので、本発明の主眼である溶接熱影響部でのフェライト生成核の微細分散を実現することができない。また、単独で析出したMnSは、鋼板圧延時に伸長されて、母材の靭性低下を引き起こす。
一方、((Ca−(0.18+130×Ca)×O)/1.25/S)の値が1以上の場合には、Sが完全にCaによって固定され、フェライト生成核として働くMnSがCaS上に析出しなくなるため、複合硫化物が、フェライト生成核として十分に機能することができなくなる。
これに対して、Ca,S,Oが、上記(1)式を満たしている場合には、CaS上にMnSが析出して複合硫化物を形成し、フェライト生成核として有効に機能することができる。なお、((Ca−(0.18+130×Ca)×O)/1.25/S)の値は、好ましくは0.2〜0.8の範囲である。
本発明の高張力鋼は、上記必須成分に加えてさらに、強度および靭性を高めるために、B,V,Cu,Ni,CrおよびMoのうちから選ばれる1種または2種以上を含有することができる。
B:0.0003〜0.0025mass%
Bは、オーステナイト粒界に偏析し、粒界から起こるフェライト変態を抑制してベイナイト組織の分率を高めることにより、鋼を高強度化する効果がある。その効果は、0.0003mass%以上の添加で得られる。しかし、0.0025mass%を超えて添加すると、逆に靭性が低下する。Bのより好ましい範囲は0.0005〜0.002mass%である。
V:0.2mass%以下
Vは、母材の強度・靭性の向上に有効な元素であり、また、VNとして析出してフェライト生成核としても働く元素でもある。その効果を得るためには、0.01mass%以上添加するのが好ましい。しかし、添加量が0.2mass%を超えると、却って靭性の低下を招くので0.2mass%以下を添加するのが好ましい。より好ましくは、0.15mass%以下である。
Cu:1mass%以下
Cuは、鋼の強度向上効果を有する元素である。その効果を得るためには、0.05mass%以上添加するのが好ましい。しかし、1mass%を超えると、熱間脆性を引き起こして鋼板の表面性状を劣化させるため、1mass%以下の範囲で添加するのが好ましい。より好ましくは、0.8mass%以下である。
Ni:2mass%以下
Niは、鋼の強度向上および溶接熱影響部のCTOD特性の向上に有効な元素である。その効果を得るためには、0.05mass%以上添加するのが好ましい。しかし、Niは、高価な元素であるため、上限を2.0mass%とするのが好ましい。本発明のように、Mnを1.6mass%以上添加する場合には、なお、原料コストを低減する観点からは、Niは0.3mass%未満とするのがより好ましい。
Cr:0.7mass%以下
Crは、母材を高強度化するのに有効な元素である。その効果を得るためには、0.05mass%以上添加するのが好ましい。しかし、多量に添加すると、逆に靭性に悪影響を与えるので、上限を0.7mass%とするのが好ましい。より好ましくは、0.5mass%以下である。
Mo:0.7mass%以下
Moは、Crと同様、母材を高強度化するのに有効な元素である。その効果を得るためには、0.05mass%以上添加するのが好ましい。しかし、多量に添加すると、逆に靭性に悪影響を与えるので、上限を0.7mass%とするのが好ましい。より好ましくは、0.5mass%以下である。
次に、本発明の高張力鋼の製造方法について説明する。
本発明の高張力鋼は、上述した本発明に適合する成分組成に調整した溶鋼を、転炉、電気炉、真空溶解炉等を用いた通常の方法で溶製し、次いで、連続鋳造または造塊−分塊圧延などの通常の工程を経てスラブ等の鋼素材としたのち、この鋼素材を熱間圧延して厚肉高張力鋼を製造するのが好ましい。この際、熱間圧延に先立って行う鋼素材の加熱温度は1050〜1200℃の範囲とする必要がある。加熱温度が1050℃以上とする理由は、鋼素材中に存在する鋳造欠陥を、熱間圧延によって確実に圧着させるためである。しかし、1200℃を超える温度に加熱すると、凝固時に析出したTiNが粗大化し、母材や溶接部の靭性が低下するため、加熱温度は1200℃以下に規制する必要がある。
上記温度に加熱した鋼素材は、その後、950℃以上の温度域における累積圧下率を30%以上とし、950℃未満の温度域における累積圧下率を30〜70%とする熱間圧延を施し、所定の板厚を有する高張力鋼とする。950℃以上の温度域で累積圧下率が30%以上の熱間圧延を施す理由は、この温度域での累積圧下率を30%以上とすることにより、オーステナイト粒が再結晶して組織を微細化できるが、累積圧下率が30%未満では、加熱時に生成した異常粗大粒が残存して、母材の靭性に悪影響を及ぼすためである。
また、950℃未満の温度域における累積圧下率を30〜70%とする熱間圧延を施す理由は、この温度域で圧延されたオーステナイト粒は十分に再結晶しないため、圧延後のオーステナイト粒は、扁平に変形したままで、内部に変形帯などの欠陥に多量に含む内部歪の高いものとなる。そして、この蓄積された内部エネルギーが、その後のフェライト変態の駆動力として働き、フェライト変態を促進する。しかし、圧下率が30%未満では、上記の蓄積される内部エネルギーが十分ではないため、フェライト変態が起こりにくく、母材靭性が劣化する。一方、圧下率が70%を超えると、逆にポリゴナルフェライトの生成が促進されて、アシキュラーフェライトの生成が抑制され、高強度と高靭性とが両立しなくなる。
続く熱間圧延終了後の冷却は、前段冷却と後段冷却に分け、前者の冷却速度を後者のそれよりも相対的に大きくする、すなわち、前段冷却では、熱間圧延終了温度から600〜450℃間の冷却停止温度まで、好ましくは熱間圧延終了温度から580〜480℃間の冷却停止温度までを、5〜45℃/sec、好ましくは5〜20℃/sec、さらに好ましくは6〜16℃/secの冷却速度で冷却し、その後の後段冷却では、前段冷却の停止温度から450℃以下の後段冷却停止温度まで、好ましくは前段冷却の停止温度から400〜250℃間の冷却停止温度までを、1℃/sec以上5℃/sec未満、好ましくは2〜4.5℃/secの冷却速度で冷却する必要がある。
前段冷却における停止温度が上記温度域よりも高い場合には、強度の増加がほとんどなく、逆に、上記温度域よりも低い場合には靭性が劣化する。また、前段冷却速度が上記範囲の下限未満では、ポリゴナルフェライト主体の組織となって強度の向上が得られず、逆に上記範囲の上限を超えると靭性が低下する。さらに、後段冷却における冷却停止温度が上記温度域の上限よりも高い場合には、強度の上昇が不十分となる。また、後段冷却速度が上記範囲の下限未満では、母材強度が不足し、逆に上記範囲の上限を超えると、母材の靭性が低下する。また、後段の冷却速度が、前段の冷却速度より速過ぎると、島状マルテンサイトを生成し、母材の靭性を劣化させてしまう。
なお、本発明では、残留する内部応力を低減する目的で、上記冷却後の鋼材に、450〜650℃の温度範囲で焼戻処理を施してもよい。焼戻処理温度が450℃未満では、残留応力の除去効果が小さく、一方、650℃を超えて高くなると、各種炭窒化物が析出して析出強化を起こし、靭性が低下するため好ましくない。
以上説明したように、本発明の高張力鋼の製造方法においては、熱間圧延における圧延温度に応じた適正な圧下率制御と、圧延終了後の2段冷却条件の適正な制御が重要であり、とくに前段冷却の冷却速度を後段冷却のそれより大きくすることにより、母材がアシキュラーフェライト主体の組織となり、強度−靭性バランスに優れた鋼材を得ることができる。
また、本発明において、鋼成分のうちのNを0.0030mass%超、熱間圧延後の前段冷却の冷却速度を20℃/sec超45℃/sec以下、前段冷却の停止温度を450℃以上500℃未満とすることにより、母材の降伏応力が550MPa以上の高強度を有すると共に、靭性にも優れ、しかも、溶接後の熱影響部の靭性(CTOD特性)にも優れる高強度鋼を安価に製造することができる。
表1−1および表1−2に示した成分組成を有するNo.1〜31の鋼スラブを素材とし、表2−1および表2−2に示した条件で熱間圧延と前段冷却および後段冷却を施し、厚さが50〜80mmの厚鋼板を製造した。なお、表2−1、表2−2中に記載された温度は、放射温度計で測定した鋼板表層温度から計算して求めた板厚1/4部の温度である。かくして得られた厚鋼板からサンプルを採取し、引張試験およびシャルピー衝撃試験に供した。引張試験は、厚鋼板の板厚1/4部から、試験片の長手軸の方向が圧延方向と平行になるようにJIS4号引張試験片を採取し、降伏応力(YS)、引張強さ(TS)を測定した。また、シャルピー衝撃試験は、各厚鋼板の板厚1/4部から、圧延幅方向にJIS4号衝撃試験片を採取し、−40℃の温度における吸収エネルギー(vE−40℃)を測定した。そして、YS≧460MPa、TS≧570MPaおよびvE−40℃≧200Jの全てを満たすものを母材特性が良好と評価した。
Figure 0005439887
Figure 0005439887
Figure 0005439887
Figure 0005439887
さらに、原則として、母材特性であるYS,TSおよびvE−40℃の全てが上記基準を満たす厚鋼板から採取した試験板にレ開先(開先角度30°)を加工し、入熱量が25kJ/cmの炭酸ガスアーク溶接を行って溶接継手を作製し、この溶接継手から、レ開先のストレートボンド部にノッチを施したCTOD試験片を採取し、−10℃の温度でCTOD試験を行った。なお、CTOD試験片の作製および試験条件は、英国規格BS7448に準拠して行った。また、切欠位置をボンド部とするJIS4号衝撃試験片を採取し、−40℃の温度でシャルピー衝撃試験を行い、吸収エネルギー(vE−40℃)を測定した。
上記の試験結果を表2−1および表2−2に併記して示した。これらの結果から、本発明例の鋼板は、母材の降伏応力(YS)が460MPa以上でかつシャルピー吸収エネルギー(vE−40℃)が200J以上を有しており、母材の強度、靭性が共に優れていること、さらに、炭酸ガスアーク溶接継手ボンド部についても、vE−40℃が200J以上で、CTOD値が0.10mm以上であり、溶接熱影響部の靭性にも優れていることがわかる。これに対して、本発明の範囲を外れる比較例の鋼では、上記いずれか1つ以上の特性が劣る鋼板しか得られていない。
なお、N含有量が0.0030mass%超の鋼板No.11〜17では、TiNのピンニング効果により、溶接部のCTOD特性が優れている。
また、N含有量が0.0030mass%超で、熱間圧延後の前段冷却の冷却速度を20℃/sec超45℃/sec以下および前段冷却の停止温度を450℃以上500℃未満とする条件で製造した鋼板No.15および16は、いずれも、母材の降伏応力が550MPa以上の高強度を有している。
本発明の高張力鋼は、船舶や海洋構造物、ラインパイプ、圧力容器だけでなく、建築・土木等の分野において溶接して組み立てられる鋼構造物にも好適に用いることができる。

Claims (6)

  1. C:0.03〜0.10mass%、
    Si:0.30mass%以下、
    Mn:1.66〜2.30mass%、
    P:0.012mass%以下、
    S:0.005mass%以下、
    Al:0.005〜0.06mass%、
    Nb:0.004〜0.05mass%、
    Ti:0.005〜0.02mass%、
    N:0.001〜0.005mass%、
    Ca:0.0005〜0.003mass%を含有し、
    かつ、Ca,SおよびOが下記(1)式を満たして含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有することを特徴とする高張力鋼。

    0<(Ca−(0.18+130×Ca)×O)/1.25/S<1 ・・・(1)
    ここで、Ca,SおよびOは、各元素の含有量(mass%)
  2. 上記成分組成に加えてさらに、B:0.0003〜0.0025mass%、V:0.2mass%以下、Cu:1mass%以下、Ni:0.75mass%以下、Cr:0.7mass%以下およびMo:0.7mass%以下の中から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の高張力鋼。
  3. C:0.03〜0.10mass%、
    Si:0.30mass%以下、
    Mn:1.66〜2.30mass%、
    P:0.012mass%以下、
    S:0.005mass%以下、
    Al:0.005〜0.06mass%、
    Nb:0.004〜0.05mass%、
    Ti:0.005〜0.02mass%、
    N:0.001〜0.005mass%、
    Ca:0.0005〜0.003mass%を含有し、
    かつ、Ca,SおよびOが下記(1)式を満たして含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する鋼スラブを1050〜1200℃に加熱後、950℃以上の温度域における累積圧下率が30%以上、950℃未満の温度域における累積圧下率が30〜70%となる熱間圧延を施し、その後、熱間圧延終了温度から600〜450℃間の冷却停止温度までを5〜45℃/secで冷却する前段冷却と、上記前段冷却停止温度から450℃以下の冷却停止温度までを1℃/sec以上5℃/sec未満で冷却する後段冷却を施すことを特徴とする高張力鋼の製造方法。

    0<(Ca−(0.18+130×Ca)×O)/1.25/S<1 ・・・(1)
    ここで、Ca,SおよびOは、各元素の含有量(mass%)
  4. 上記成分組成に加えてさらに、B:0.0003〜0.0025mass%、V:0.2mass%以下、Cu:1mass%以下、Ni:0.75mass%以下、Cr:0.7mass%以下およびMo:0.7mass%以下、の中から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項3に記載の高張力鋼の製造方法。
  5. 上記前段冷却を5〜20℃/secで行うことを特徴とする請求項3または4に記載の高張力鋼の製造方法。
  6. 後段冷却後の鋼に、450〜650℃の焼戻処理を施すことを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の高張力鋼の製造方法。
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