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JP5381734B2 - バリア性フィルム及び有機電子デバイス - Google Patents

バリア性フィルム及び有機電子デバイス Download PDF

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JP5381734B2 JP2010005685A JP2010005685A JP5381734B2 JP 5381734 B2 JP5381734 B2 JP 5381734B2 JP 2010005685 A JP2010005685 A JP 2010005685A JP 2010005685 A JP2010005685 A JP 2010005685A JP 5381734 B2 JP5381734 B2 JP 5381734B2
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Description

本発明は、バリア性フィルムとそれを用いた有機電子デバイスに関する。より詳しくは、優れた水蒸気バリア性能を有するバリア性フィルムを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子や有機太陽電池のような有機電子デバイスに関する。
従来、プラスチック基板やフィルム表面に酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化珪素等の金属酸化物の薄膜を形成したバリア性フィルムは、水蒸気や酸素等の各種ガスの遮断を必要とする物品の包装、食品や工業用品及び医薬品等の変質を防止するための包装用途に広く用いられている。また、近年では液晶表示素子、太陽電池、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子と略記する)基板等で使用されている。
既に、樹脂基材上に窒化酸化珪素層1(窒化酸化珪素層2よりも窒素リッチの膜)、窒化酸化珪素層2の順に積層する技術は開示されて(例えば、特許文献1参照)いる。しかしながら、水蒸気バリア性としては未だ不十分であり、平滑性にも問題があった。最近では有機EL素子等の水分に弱い有機物のバリア性フィルムとしては、水蒸気透過率が1×10−3g/m・dayを下回るようなバリア性能が求められている。
また、樹脂基材に有機層、第一無機層及び第一無機層よりも膜密度が0.5〜1.5高い第二無機層から構成する技術も開示されて(例えば、特許文献2参照)いる。しかしながら、第二無機層の膜密度がかなり高いため、膜として固く折り曲げ耐性及びカール耐性が不十分であった。
更に、基材の一方の面にアンカー膜(シロキサン化合物)とガスバリア膜(SiN膜)を有する技術が開示されて(例えば、特許文献3参照)いる。しかしながら、ガスバリア層は粒子等で作製されている為、平滑性が不十分であった。
特許第3859518号明細書 特開2009−95989号公報 特開2009−226914号公報
本発明の目的は、極めて高いバリア性能、折り曲げ耐性(フレキシブル性)、カール耐性、平滑性及び密着性に優れるバリア性フィルムを提供すること、及びそれを用いた有機電子デバイスを提供することにある。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、少なくとも有機層と無機層2層を有するバリア性フィルムにおいて上層の無機層が下層の無機層よりも、珪素に結合する元素濃度比(O+N)/Oが大きい構成にすることにより、緻密な構成で高いバリア性能を維持しながら膜の柔らかさも両立できることがわかった。膜が柔らかいことにより折り曲げ耐性が向上し、2スタック以上積層した場合のひび割れが防止できバリア性の劣化を防ぐことができる。本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.樹脂基材上に少なくとも有機層、第一無機層、第二無機層がこの順に積層された層構成を含むバリア性フィルムであって、該第一無機層は酸化珪素あるいは酸窒化珪素を少なくとも含有し、該第二無機層は酸窒化珪素を少なくとも含有し、かつ、該第二無機層の珪素に結合する元素濃度比(O+N)/Oが、該第一無機層の元素濃度比(O+N)/Oよりも大きいことを特徴とするバリア性フィルム。
尚、元素濃度比(O+N)/Oとは、珪素に結合する酸素元素濃度と窒素元素濃度の和を、珪素に結合する酸素元素濃度で除した数である。
2.有機層、第一無機層、第二無機層がこの順に積層された層構成を1スタックとした場合、2スタック以上が積層されていることを特徴とする前記1記載のバリア性フィルム。
3.前記第一無機層及び第二無機層が塗布によって得られていることを特徴とする前記1又は2記載のバリア性フィルム。
4.前記第一無機層及び第二無機層がポリシラザン化合物を塗布することによって得られており、少なくとも第二無機層は塗布後に酸化処理が行なわれることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項記載のバリア性フィルム。
5.前記酸化処理が、180nm以下の波長成分を有する真空紫外線を照射する処理であることを特徴とする前記4記載のバリア性フィルム。
6.前記真空紫外線を照射する処理が、酸素濃度0.001〜5%の雰囲気下で行われることを特徴とする前記5記載のバリア性フィルム。
7.最上層に有機層を設けることを特徴とする前記1〜6のいずれか1項記載のバリア性フィルム。
8.前記1〜7のいずれか1項に記載のバリア性フィルムを用いたことを特徴とする有機電子デバイス。
本発明の上記手段により、有機電子デバイス(特に有機EL素子)に適用できるレベルの極めて高いバリア性能、折り曲げ耐性、平滑性及び密着性に優れるバリア性フィルムを提供すること、及び有機電子デバイスを提供することができた。
有機電子デバイスの構成例を示す断面模式図である。
それぞれ、(a)第1電極が、導電性ポリマー含有層(単層)である例、(b)第1電極が、導電性ポリマー含有層と他の導電性層からなる二層構成である例、(c)補助電極(金属ワイヤ)を併用する例、(d)補助電極(金属グリッド)を併用する例である。
以下本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(バリア性フィルムの層構成)
本発明は、樹脂基材上に少なくとも有機層、第一無機層、第二無機層がこの順に積層された層構成を含むバリア性フィルムであって、第一無機層は酸化珪素あるいは酸窒化珪素、第二無機層は酸窒化珪素を少なくとも含有し、第二無機層の珪素に結合する元素濃度比(O+N)/Oが第一無機層の元素濃度比(O+N)/Oよりも大きいことを特徴とする。
本発明では“有機層、第一無機層、第二無機層”を1スタックとし2スタック以上あることが折り曲げ後のバリア性劣化を防止できることが好ましい。層の順序は基材側から有機層、第一無機層、第二無機層の順になっていることが必要である。
(無機層)
本発明において、第一無機層は少なくとも酸化珪素あるいは酸窒化珪素を含有する。密着性の観点からは第一無機層は酸化珪素を含有することが好ましい。
本発明において、第二無機層は少なくとも酸窒化珪素を含有する。第二無機層は第一無機層よりも(O+N)/Oが大きいことを特徴としている。第一無機層が酸窒化珪素の場合には、酸窒化珪素中のOがNよりも多いことが好ましい。NよりもOが多いと積層した場合に有機層との密着性が向上するからである。第一無機層としては、(O+N)/Oが1.5以下、第二無機層としては(O+N)/Oが2.0以上であることが好ましい。(O+N)/Oが3.0以上であると上層が固くなりすぎてカール等が悪化することがあるので、第二無機層は(O+N)/Oが2.0以上3.0未満であることが好ましい。
(O+N)/O比については、材料あるいは処理雰囲気のガス濃度を変えたり、処理方法を選択すること等によりコントロールしている。
無機層の成膜方法としては、蒸着法、スパッタリング法もしくはイオンプレーティング法等の物理的気相成長法(PVD)、化学的気相成長法(CVD)、ゾルゲル法等を用いることができるが生産性及び平滑性の観点から塗布方式であることが好ましい。
塗布方法は、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、スピンコート法、グラビアコート法、スライドコート法などの一般的な塗布方法を用いることが可能である。
その中でも両無機層は少なくとも一層のポリシラザン化合物を含有する塗布液を塗布して作製することが好ましい。また、バリア性の観点から無機層(特に第二無機層)は酸化処理されていることが好ましい。
さらに本発明の無機層は塗布によって得られていることが好ましい。ドライプロセスで作製すると内部応力が働き、折り曲げ後のバリア性が悪くなったりカール耐性が悪くなる場合がある。二層ともドライプロセスで作製した場合には平滑性も不足することがある。
(ポリシラザン含有液の塗布膜)
本発明に係る第一無機層及び第二無機層はポリシラザン化合物を塗布し、少なくとも第二無機層は酸化処理によって得られていることが好ましい。
ポリシラザン化合物の塗布方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。具体例としては、スピンコート法、ロールコート法、フローコート法、インクジェット法、スプレーコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法等が挙げられる。塗布膜厚としては、乾燥後の膜厚が好ましくは10nm〜3μm程度、第一無機層としては50nm〜1μm程度が好ましく、第二無機層としては第一無機層より薄いことが好ましく30nm〜500nm程度であることが好ましい。3μmよりも大きいとひび割れが生じ易くなり、10nmより薄いとバリア性が得られなくなるからである。第二無機層が第一無機層よりも薄いことにより、よりひび割れが防止でき好ましい。
本発明で用いられる「ポリシラザン」とは、珪素−窒素結合を持つポリマーで、Si−N、Si−H、N−H等からなるSiO、Si及び両方の中間固溶体SiO等のセラミック前駆体無機ポリマーである。
Figure 0005381734
式中、R、R、及びRのそれぞれは、独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アルコキシ基などを表す。
本発明では、得られるバリア膜としての緻密性の観点からは、R、R及びRのすべてが水素原子であるパーヒドロポリシラザンが特に好ましい。
一方、そのSiと結合する水素部分が一部アルキル基等で置換されたオルガノポリシラザンは、メチル基等のアルキル基を有することにより下地基材との接着性が改善され、かつ硬くてもろいポリシラザンによるセラミック膜に靭性を持たせることができ、より(平均)膜厚を厚くした場合でもクラックの発生が抑えられる利点がある。用途に応じて適宜、これらパーヒドロポリシラザンとオルガノポリシラザンを選択してよく、混合して使用することもできる。
パーヒドロポリシラザンは直鎖構造と6及び8員環を中心とする環構造が存在した構造と推定されている。その分子量は数平均分子量(Mn)で約600〜2000程度(ポリスチレン換算)であり、液体又は固体の物質であり、分子量により異なる。これらは有機溶媒に溶解した溶液状態で市販されており、市販品をそのままポリシラザン含有塗布液として使用することができる。
低温でセラミック化するポリシラザンの別の例としては、上記化1のポリシラザンにケイ素アルコキシドを反応させて得られるケイ素アルコキシド付加ポリシラザン(特開平5−238827号公報)、グリシドールを反応させて得られるグリシドール付加ポリシラザン(特開平6−122852号公報)、アルコールを反応させて得られるアルコール付加ポリシラザン(特開平6−240208号公報)、金属カルボン酸塩を反応させて得られる金属カルボン酸塩付加ポリシラザン(特開平6−299118号公報)、金属を含むアセチルアセトナート錯体を反応させて得られるアセチルアセトナート錯体付加ポリシラザン(特開平6−306329号公報)、金属微粒子を添加して得られる金属微粒子添加ポリシラザン(特開平7−196986号公報)等が挙げられる。
ポリシラザンを含有する液体を調製する有機溶媒としては、ポリシラザンと容易に反応してしまうようなアルコール系や水分を含有するものを用いることは好ましくない。具体的には、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、脂肪族エーテル、脂環式エーテル等のエーテル類が使用できる。具体的には、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ソルベッソ、ターベン等の炭化水素、塩化メチレン、トリコロロエタン等のハロゲン炭化水素、ジブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類等がある。これらの溶剤は、ポリシラザンの溶解度や溶剤の蒸発速度、等目的にあわせて選択し、複数の溶剤を混合しても良い。
ポリシラザン含有塗布液中のポリシラザン濃度は目的とするシリカ膜厚や塗布液のポットライフによっても異なるが、0.2〜35質量%程度である。
有機ポリシラザンは、そのSiと結合する水素部分が一部アルキル基等で置換された誘導体であってもよい。アルキル基、特にもっとも分子量の少ないメチル基を有することにより下地基材との接着性が改善され、かつ硬くてもろいシリカ膜に靭性を持たせることができ、より膜厚を厚くした場合でもクラックの発生が抑えられる。
酸化珪素化合物への転化を促進するために、アミンや金属の触媒を添加することもできる。具体的には、AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製 アクアミカ NAX120−20、NN110、NN310、NN320、NL110A、NL120A、NL150A、NP110、NP140、SP140などが挙げられる。
(酸化処理)
ポリシラザンの酸化処理としては、水蒸気酸化及び/又は加熱処理(乾燥処理を含む)、紫外線照射による処理等が知られている。その中でもよりフォトンエネルギーが大きい180nm以下の波長成分を有する真空紫外線照射によって処理することが好ましい。エネルギーが小さいとポリシラザンの効果が不十分となりバリア性が低くなる為である。
(180nm以下の波長成分を有する真空紫外線照射による処理)
本発明において、好ましい方法として、真空紫外線照射による処理が挙げられる。真空紫外線照射による処理は、化合物内の原子間結合力より大きい100〜200nmの光エネルギーを用い、原子の結合を光量子プロセスと呼ばれる光子のみによる作用により、直接切断しながら活性酸素やオゾンによる酸化反応を進行させることで、比較的低温で、膜の形成をおこなう方法である。
特に、本発明の好ましい方法であるポリシラザン膜の処理において、単層を塗布してからエキシマ照射処理を行なうと連続する2層の改質層ができる(これを本発明者らは第一無機層、第二無機層としている)。機構は明確にはなっていないが、本発明者らは光エネルギーによるシラザン化合物の直接切断と、気相で生成する活性酸素やオゾンによる表面酸化反応が同時に進行し、改質処理の表面側と内側で改質速度差が生じ、その結果連続する2層の改質層が形成されるものと推定している。
これに必要な真空紫外光源としては、希ガスエキシマランプが好ましく用いられる。
1.エキシマ発光とは、Xe、Kr、Ar、Neなどの希ガスの原子は化学的に結合して分子を作らないため、不活性ガスと呼ばれる。しかし、放電などによりエネルギーを得た希ガスの原子(励起原子)は他の原子と結合して分子を作ることができる。希ガスがキセノンの場合には
e+Xe→e+Xe
Xe+Xe+Xe→Xe +Xe
となり、励起されたエキシマ分子であるXe が基底状態に遷移するときに172nmのエキシマ光を発光する。エキシマランプの特徴としては、放射が一つの波長に集中し、必要な光以外がほとんど放射されないので効率が高いことが挙げられる。
Xeエキシマランプは波長の短い172nmの紫外線を単一波長で放射することから発光効率に優れている。この光は、酸素の吸収係数が大きいため、微量な酸素でラジカルな酸素原子種やオゾンを高濃度で発生することができる。また、有機物の結合を解離させる波長の短い172nmの光のエネルギーは能力が高いことが知られている。この活性酸素やオゾンと紫外線放射が持つ高いエネルギーによって、短時間でポリシラザン膜の改質を実現できる。したがって、波長185nm、254nmの発する低圧水銀ランプやプラズマ洗浄と比べて高スループットに伴うプロセス時間の短縮や設備面積の縮小、熱によるダメージを受けやすい有機材料やプラスチック基板などへの照射を可能としている。
本発明者らの検討によれば、エキシマ照射処理時の環境としては酸素濃度が0.001〜5%であると好ましい。さらには0.01〜3%であると性能が安定して好ましい。酸素濃度が5%を超えると結合の切断よりも活性酸素等を発生させる方にエネルギーを使用してしまい、0.001%以下であると酸化処理が不十分になり、生産性も悪化する為である。また、ステージ温度については熱をかけるとより反応が進み好ましい。その場合の温度は50℃以上、基材のTg以下の温度が基材を痛めずに反応性が良好になるために好ましい。
また、エキシマ照射を使用すると第一無機層と第二無機層を同時に作製することが可能となる。エキシマ照射では表面近くのみ、より改質することが可能でありその性質を利用することで低酸素濃度雰囲気下において反応時間を調整することにより、表面の数十nmのみNの含有率を多くすることが可能であることを本発明者らは見出した。
(最上層)
本発明では、最上層に有機層が設けられていることが更に好ましい。最上層に有機層があると折り曲げられた時等に無機層に欠陥ができた場合でも有機層があることで欠陥を補填でき、性能が安定したバリア性が高いフィルムが作製できるからである。
(樹脂基材)
樹脂基材は、有機層と無機層からなるバリア層を保持することができる有機材料で形成されたものであれば特に限定されるものではない。
例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ナイロン(Ny)、芳香族ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド等の各樹脂基材、有機無機ハイブリッド構造を有するシルセスキオキサンを基本骨格とした耐熱透明フィルム(製品名Sila−DEC、チッソ株式会社製)、更には前記プラスチックを2層以上積層して成る樹脂基材等を挙げることができる。コストや入手の容易性の点では、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)などが好ましく用いられ、また、光学的透明性、耐熱性、無機層との密着性の点においては、有機無機ハイブリッド構造を有するシルセスキオキサンを基本骨格とした耐熱透明フィルムが好ましく用いることができる。基材の厚みは5〜500μm程度が好ましく、更に好ましくは25〜250μmである。本発明のバリア性フィルムは発光素子として使用する場合も鑑みて、ガラス転移温度(Tg)が100℃以上であることが好ましい。また、熱収縮率も低いことが好ましい。
さらに、本発明に係る樹脂基材は透明であることが好ましい。基材が透明であり、基材上に形成する層も透明であることにより、透明なバリアフィルムとすることが可能となるため、太陽電池や有機EL素子等の透明基板とすることも可能となるからである。
また、上記に挙げたプラスチック等を用いた樹脂基材は、未延伸フィルムでもよく、延伸フィルムでもよい。
本発明に用いられる樹脂基材は、従来公知の一般的な方法により製造することが可能である。例えば、材料となるプラスチックを押し出し機により溶融し、環状ダイやTダイにより押し出して急冷することにより、実質的に無定形で配向していない未延伸の基材を製造することができる。また、未延伸の基材を一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸などの公知の方法により、基材の流れ(縦軸)方向、または基材の流れ方向と直角(横軸)方向に延伸することにより延伸基材を製造することができる。この場合の延伸倍率は、基材の原料となる樹脂に合わせて適宜選択することできるが、縦軸方向および横軸方向にそれぞれ2〜10倍が好ましい。
また、本発明に係る樹脂基材においては、有機層を形成する前にコロナ処理を施してもよい。
(有機層)
本発明の第一無機層と基材の間、もしくは、バリアフィルムの最上層に設けられる有機層は、バリアフィルムの曲げに対する応力を緩和する目的のほかに、突起等が存在する透明樹脂基材の粗面を平坦化し、あるいは、透明樹脂基材に存在する突起により透明無機化合物層に生じた凹凸やピンホールを埋めて平坦化するために設けられる。このような有機層は、たとえば感光性樹脂を含有する組成物を塗布乾燥後、硬化させて形成されることが好ましい態様である。
有機層を構成する成分の基本骨格は、炭素、水素、酸素、窒素、硫黄等からなるものであり、珪素やチタン、アルミニウム、ジルコニウム等の無機原子を基本骨格にした場合は上述のような効果が得られにくい。
有機層の感光性樹脂としては、例えば、ラジカル反応性不飽和化合物を有するアクリレート化合物を含有する樹脂組成物、アクリレート化合物とチオール基を有するメルカプト化合物を含有する樹脂組成物、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、グリセロールメタクリレート等の多官能アクリレートモノマーを溶解させた樹脂組成物等が挙げられる。また、上記のような樹脂組成物の任意の混合物を使用することも可能であり、光重合性不飽和結合を分子内に1個以上有する反応性のモノマーを含有している感光性樹脂であれば特に制限はない。
感光性樹脂の組成物は光重合開始剤を含有する。光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビス(ジメチルアミン)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミン)ベンゾフェノン、α−アミノ・アセトフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、ベンジルメトキシエチルアセタール、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンズスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンジルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ミヒラーケトン、2−メチル[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モノフォリノ−1−プロパン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モノフォリノフェニル)−ブタノン−1、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、n−フェニルチオアクリドン、4,4−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジスルフィド、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホスフィン、カンファーキノン、四臭素化炭素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾイン、エオシン、メチレンブルー等の光還元性の色素とアスコルビン酸、トリエタノールアミン等の還元剤の組み合わせ等が挙げられ、これらの光重合開始剤を1種または2種以上の組み合わせで使用することができる。
有機層の形成方法は特に制限はないが、スピンコーティング法、スプレー法、ブレードコーティング法、ディップ法等のウエットコーティング法により形成することが好ましい。
有機層の形成では、上述の感光性樹脂に、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤等の添加剤を加えることができる。また、有機層の積層位置に関係なく、いずれの有機層においても、製膜性向上および膜のピンホール発生防止等のために適切な樹脂や添加剤を使用してもよい。
感光性樹脂を溶媒に溶解または分散させた塗布液を用いて有機層を形成する際に使用する溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類、α−もしくはβ−テルピネオール等のテルペン類等、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン、ジエチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、セロソルブ、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、2−メトキシエチルアセテート、シクロヘキシルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等の酢酸エステル類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル、3−エトキシプロピオン酸エチル、安息香酸メチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。
有機層の平滑性は、JIS B 0601で規定される表面粗さで表現される値で、最大断面高さRt(p)が、30nm以下であることが好ましい。この範囲よりも大きい場合には、無機化合物を塗布した後の、凹凸を平滑化することが難しくなる場合がある。
本発明における有機層の厚みとしては、1〜10μm、好ましくは2〜7μmであることが望ましい。1μm以上にすることにより、有機層を有するフィルムとしての平滑性を十分なものにし易くなり、10μm以下にすることにより、フィルムの光学特性のバランスを調整し易くなる。
(有機電子デバイスの構成)
本発明の有機電子デバイスの基本的構成の態様例を図1((a)〜(d))に示す。
それぞれ、(a)第1電極が、導電性ポリマー含有層(単層)(21)である例、(b)第1電極が、導電性ポリマー含有層(21)と他の導電性層(14)からなる二層構成である例、(c)補助電極(金属ワイヤ)(22)を併用する例、(d)補助電極(金属グリッド)(23)を併用する例である。
当該図1に示されているように、本発明の有機電子デバイスは、基本的構成要素として、基板(10)上に対向する第1電極(11)と第2電極(12)を有し、第1電極(11)と第2電極(12)電極間に少なくとも1層の有機機能層(13)を有する。
本発明に係る有機機能層(13)としては、有機発光層、有機光電変換層、液晶ポリマー層など特に限定無く挙げることができるが、本発明は、有機機能層が薄膜でかつ電流駆動系のデバイスである有機発光層、有機光電変換層である場合において、特に有効である。更に、本発明のバリア性フィルムは、電子デバイスの中でも最もバリア性が必要である有機発光層、又は、有機光電変換層を設けた有機EL素子、又は、有機光電変換素子に適用することが好ましい。
(封止)
本発明のバリア性フィルムを、有機電子デバイスとして適用する場合について説明する。
まず、本発明のバリア性フィルムの第2無機層の上に、例えば、有機EL素子の場合、陽極層/正孔注入・輸送層/発光層/電子注入・輸送層/陰極層等、各種の有機化合物からなる機能層を作製する。得られた有機EL素子の全体若しくは上部を封止する。
封止部材としては、本発明のバリア性フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ナイロン、ポリ塩化ビニル等のプラスチック、およびこれらの複合物、ガラス等が挙げられ、必要に応じて、特に樹脂フィルムの場合には、樹脂基板と同様、アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、窒化ケイ素等のガスバリア層を積層したものを用いることができる。ガスバリア層は、封止部材成形前に封止部材の両面若しくは片面にスパッタリング、蒸着等により形成することもできるし、封止後に封止部材の両面若しくは片面に同様な方法で形成してもよい。これについても、酸素透過度が1×10−3cm/(m・24h・atm)以下、水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が、1×10−3g/(m・24h)以下のものであることが好ましい。
バリア性フィルム1の作製
(樹脂基材)
樹脂基材として、両面に易接着加工された125μmの厚さのポリエステルフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、テトロンO3)の基板を、170℃で30分アニール加熱処理したものを用いた。
(有機層の形成)
上記樹脂基材上に、JSR株式会社製 UV硬化型有機/無機ハイブリッドハードコート材 OPSTAR Z7501を塗布、乾燥後の(平均)膜厚が4μmになるようにワイヤーバーで塗布した後、乾燥条件;80℃、3分で乾燥後、空気雰囲気下、高圧水銀ランプ使用、硬化条件;1.0J/cm硬化を行い、平滑層を形成した。
このときの最大断面高さRt(p)は16nmであった。
表面粗さは、AFM(原子間力顕微鏡)で、極小の先端半径の触針を持つ検出器で連続測定した凹凸の断面曲線から算出され、極小の先端半径の触針により測定方向が30μmの区間内を多数回測定し、微細な凹凸の振幅に関する平均の粗さである。
(無機層)
スパッタ装置の真空槽内に前記有機物層を形成したフィルムをセットし10−4Pa台まで真空引きし、放電ガスとしてアルゴンを分圧で0.5Pa導入、反応ガスとして酸素を分圧で0.006Pa導入した。雰囲気圧力が安定したところで放電を開始しSiターゲット上にプラズマを発生させ、スパッタリングプロセスを開始した。プロセスが安定したところでシャッターを開き第一無機層の形成を開始した。150nmの膜が堆積したところでシャッターを閉じて成膜を終了し、バリア性フィルム1を得た。この条件で成膜した元素濃度比(O+N)/OをXPSで測定したところ、1.40であった。続いて、放電ガスとしてアルゴンを分圧で0.5Pa導入し、雰囲気圧力が安定したところで放電を開始しSiターゲット上にプラズマを発生させ、スパッタリングプロセスを開始した。プロセスが安定したところでシャッターを開きフィルムへの第二無機層の形成を開始した。40nmの膜が堆積したところでシャッターを閉じて成膜を終了した。この条件で成膜した元素濃度比(O+N)/OをXPSで測定したところ、3.10であった。
OとNの比率に関しては、膜をスパッタで削りながらXPSを測定することにより測定できる。装置は、VG Scientific社製ESCALab200Rを用いた。
バリア性フィルム2の作製
第一無機層を下記に変更した以外は、バリア性フィルム1と同様にしてバリア性フィルム2を得た。
第一無機層;低温硬化性の触媒を含有するペルヒドロポリシラザンのジブチルエーテル溶液(固形分量20質量%、AZエレクトロニックマテリアルズ社製、商品名:アクアミカ NAX120−20)を用いて、乾燥後の膜厚200nmとなる様に、スピンコート塗布方式で塗布、乾燥し、次いで、60℃90%の環境で1時間熱処理を施し、バリア性フィルム2を得た。熱処理後、FT−IRを測定したところ、ほとんどがSiOに変化しており、(O+N)/OをXPSで測定したところ、1.02であった。
バリア性フィルム3の作製
無機層を下記に変更した以外は、バリア性フィルム1と同様にしてバリア性フィルム3を得た。
触媒を含有しないペルヒドロポリシラザン(PHPS)のジブチルエーテル溶液(固形分量20質量%、AZエレクトロニックマテリアルズ社製、商品名:アクアミカNN320)を乾燥後の膜厚が300nmとなる様に、スピンコート塗布方式で塗布、乾燥し、下記の真空紫外線処理装置及び条件を用いて処理を行なったところ、膜が2層化しスパッタXPSで確認したところ第一無機層の(O+N)/O=1.05、第二無機層の(O+N)/O=2.10となり、膜厚としては250nm、50nmとなっていることを断層TEMにより確認した。
(真空紫外線処理装置)
株式会社エム・ディ・コム製エキシマ照射装置、波長172nm、ランプ封入ガスXe 稼動ステージ上に固定した試料を以下の条件で改質処理を行った。
(条件)
エキシマ光強度 60mW/cm(172nm)
試料と光源の距離 1mm
ステージ加熱温度 80℃
照射装置内の酸素濃度 0.5%
エキシマ照射時間 20秒
バリア性フィルム4の作製
バリア性フィルム3の作製の際、エキシマ照射時の酸素濃度を6%に変更した以外はバリア性フィルム3と同様にしてバリア性フィルム4を得た。
バリア性フィルム5の作製
第二無機層を下記に変更した以外は、バリア性フィルム2と同様にしてバリア性フィルム5を得た。
第二無機層;触媒を含有しないペルヒドロポリシラザン(PHPS)のジブチルエーテル溶液(固形分量20質量%、AZエレクトロニックマテリアルズ社製、商品名:アクアミカNN320)を乾燥後の膜厚が60nmとなる様に、スピンコート塗布方式で塗布、乾燥し、UVオゾン処理(低圧水銀ランプ)装置を用いて20分処理を施した。
バリア性フィルム6の作製
第二無機層を下記に変更した以外は、バリア性フィルム2と同様にしてバリア性フィルム6を得た。
第二無機層;パラジウム触媒を含有するポリシラザンのジブチルエーテル溶液(固形分量20質量%、AZエレクトロニックマテリアルズ社製、商品名:アクアミカNL120A)を乾燥後の膜厚が60nmとなる様に、スピンコート塗布方式で塗布し、60℃90%で3時間処理を施した。
バリア性フィルム7の作製
バリア性フィルム3で作製した、「有機層、第一無機層、第二無機層」を1スタックとして、2スタック構成のバリア性フィルム7を得た。
バリア性フィルム8の作製
バリア性フィルム3で作製した、「有機層、第一無機層、第二無機層」を1スタックとして、3スタック構成のバリア性フィルム8を得た。
バリア性フィルム9の作製
バリア性フィルム3の最上層に、更に、バリア性フィルム1で用いた有機層を塗布して、バリア性フィルム9を得た。
バリア性フィルム10の作製
バリア性フィルム1で用いた樹脂基材に、2官能のエポキシアクリレート(昭和高分子:VR−60−LAV)25質量%、ジエチレングリコール50質量%、酢酸エチル24質量%、シランカップリング剤1質量%からなる均一な混合溶液をスピンコーターで塗布し、80℃10分加熱乾燥後さらにUV照射で硬化させて2μmの樹脂層を形成した。つぎに、スパッタ装置の真空槽内に前記有機物層を形成したフィルムをセットし10−4Pa台まで真空引きし、放電ガスとしてアルゴンを分圧で0.5Pa導入した。雰囲気圧力が安定したところで放電を開始しSiターゲット上にプラズマを発生させ、スパッタリングプロセスを開始した。プロセスが安定したところでシャッターを開きフィルムへの第一無機層の形成を開始した。5nmの膜が堆積したところでシャッターを閉じて成膜を終了した。この条件で成膜した第一無機層の元素濃度比(O+N)/OをXPSで測定したところ、3.33であった。続いて、放電ガスとしてアルゴンを分圧で0.5Pa導入、反応ガスとして酸素を分圧で0.005Pa導入した。雰囲気圧力が安定したところで放電を開始しSiターゲット上にプラズマを発生させ、スパッタリングプロセスを開始した。プロセスが安定したところでシャッターを開きフィルムへの第二無機層の形成を開始した。95nmの膜が堆積したところでシャッターを閉じて成膜を終了した。この条件で成膜した第二無機層の元素濃度比(O+N)/OをXPSで測定したところ、1.54であった。真空槽内に大気を導入してからバリア性フィルム10を取り出した。
バリア性フィルム11の作製
バリア性フィルム1で用いた樹脂基材に、2−ブチル−2−エチル−プロパンジオールジアクリレート(共栄社化学(株)製、ライトアクリレートBEPG−A)15g、カプロラクトン2−ヒドロキシエチルメタクリレートのフォスフェート(日本化薬(株)製、KAYAMER PM−21)4.5g、シランカップリング剤(信越化学工業(株)製、KBM−503)0.5g、紫外線重合開始剤(チバ・ジャパン社製、商品名:Cibaイルガキュアー907)0.6g、2−ブタノン190gの混合溶液を液厚が5μmとなるようにワイヤーバーを用いて塗布した。室温にて2時間乾燥した後、窒素置換法により酸素濃度が0.45%となったチャンバー内にて高圧水銀ランプの紫外線を照射(積算照射量約2J/cm)して有機層を硬化させた。このとき膜厚は500nm±50nmであった。ターゲットとしてケイ素(Si)を、放電ガスとしてアルゴンを、反応ガスとして酸素を用いて、スパッタリング装置により膜厚200nmの第1無機層(酸化ケイ素)を形成した。成膜圧力は0.1Paとした。ターゲットとしてアルミニウム(Al)を、放電ガスとしてアルゴンを、反応ガスとして窒素を用いて、スパッタリング装置により膜厚50nmの窒化アルミニウム層を形成した。成膜圧力は0.1Paとした。
得られた各バリア性フィルム1〜11について、以下の評価を行った。
(評価方法)
(水蒸気透過率の評価)
以下の測定方法により評価した。
蒸着装置:日本電子(株)製真空蒸着装置JEE−400
恒温恒湿度オーブン:Yamato Humidic ChamberIG47M
水分と反応して腐食する金属:カルシウム(粒状)
水蒸気不透過性の金属:アルミニウム(φ3〜5mm、粒状)
水蒸気バリア性評価用セルの作製
バリアフィルム試料のガスバリア層面に、真空蒸着装置(日本電子製真空蒸着装置JEE−400)を用い、透明導電膜を付ける前のバリアフィルム試料の蒸着させたい部分(12mm×12mmを9箇所)以外をマスクし、金属カルシウムを蒸着させた。その後、真空状態のままマスクを取り去り、シート片側全面にアルミニウムをもう一つの金属蒸着源から蒸着させた。アルミニウム封止後、真空状態を解除し、速やかに乾燥窒素ガス雰囲気下で、厚さ0.2mmの石英ガラスに封止用紫外線硬化樹脂(ナガセケムテックス製、)を介してアルミニウム封止側と対面させ、紫外線を照射することで、評価用セルを作製した。また、屈曲前後のガスバリア性の変化を確認するために、上記屈曲の処理を行わなかったバリアフィルムについても同様に、水蒸気バリア性評価用セルを作製した。
得られた両面を封止した試料を60℃、90%RHの高温高湿下で保存し、特開2005−283561号公報に記載の方法に基づき、金属カルシウムの腐蝕量からセル内に透過した水分量を計算した。
なお、バリアフィルム面から以外の水蒸気の透過が無いことを確認するために、比較試料としてバリアフィルム試料の代わりに、厚さ0.2mmの石英ガラス板を用いて金属カルシウムを蒸着した試料を、同様な60℃、90%RHの高温高湿下保存を行い、1000時間経過後でも金属カルシウム腐蝕が発生しないことを確認した。
得られた水分量から以下の5段階に分類した。
5:1×10−4g/m/day未満
4:1×10−4g/m/day以上、5×10−4g/m/day未満
3:5×10−4g/m/day以上、1×10−3g/m/day未満
2:1×10−3g/m/day以上、1×10−2g/m/day未満
1:1×10−2g/m/day以上
(平滑性(表面粗さ))
表面粗さRaは、AFM(原子間力顕微鏡;Digital Instrments社製DI3100)で、極小の先端半径の触針を持つ検出器で連続測定した凹凸の断面曲線から算出され、極小の先端半径の触針により測定方向が30μmの区間内を多数回測定し、微細な凹凸の振幅に関する平均の粗さから求めた。
○:5nm未満
△:5nm以上10nm未満
×:10nm以上
(折り曲げ後のバリア性(フレキシブル性))
半径10mmの曲率になるように、180度の角度で100回の屈曲を繰り返した試料の水蒸気透過率の評価を行い、屈曲をしなかった試料からの劣化度合いを評価した。
屈曲試験後の水蒸気透過度/屈曲なしの水蒸気透過度(%)
◎:90%以上
○:80%以上90%未満
△:60%以上80%未満
×:60%未満
(密着性)
JIS−K5400のクロスカット密着試験方法に従って行った。メッキ処理後の試料についてクロス状のカット線を引き、日東電工(株)製のセロハンテープNo.29を貼り付けて、テープをはがし、膜の剥離状態を調べた。膜残存率をFとし、クロスカットしたマス目の数をn、テープ剥離後に膜がまだ付着しているマス目の数をnとしたとき、F=n/n×100(%)を計算し、以下の基準で評価した。
◎:F≧90%
○:90%>F≧80%
△:80%>F≧70%
×:70%>F
(カール)
出来上がったバリア性フィルム(8.9×12.7cm)を水平な台の上に置き、4隅の持ち上がりの高さを測定した。4隅の持ち上がりの高さの差の平均値(mm単位)をカールとし、以下の4段階で評価した。
○:5mm未満
△:5mm以上10mm未満
×:10mm以上
Figure 0005381734
表1より、本発明により作製したバリア性フィルムと比較例について、有機層、第一無機層、第二無機層がこの順に積層され、第二無機層が第一無機層よりも窒素が多いバリア性フィルムは比較例よりもバリア性が向上していることがわかった。さらに、塗布により無機層を作製するとよりフレキシブル適性があり適していることがわかった。
また、最上層に有機層があると折り曲げられた場合でもバリア性を維持できることがわかった。
実施例2
《有機電子デバイス(有機EL素子)101の作製》
〈第1電極層の形成〉
実施例1で作製したバリア性フィルム1の第二無機層の上に厚さ120nmのITO(インジウムチンオキシド)をスパッタ法により成膜し、フォトリソグラフィー法によりパターニングを行い、第1電極層を形成した。なお、パターンは発光面積が50mm平方になるようなパターンとした。
〈正孔輸送層の形成〉
第1電極層が形成されたバリア性フィルム1の第1電極層の上に、以下に示す正孔輸送層形成用塗布液を押出し塗布機で塗布した後、乾燥し正孔輸送層を形成した。正孔輸送層形成用塗布液は乾燥後の厚みが50nmになるように塗布した。
正孔輸送層形成用塗布液を塗布する前に、バリア性フィルム1の洗浄表面改質処理を、波長184.9nmの低圧水銀ランプを使用し、照射強度15mW/cm、距離10mmで実施した。帯電除去処理は、微弱X線による除電器を使用し行った。
(塗布条件)
塗布工程は大気中、25℃相対湿度50%の環境で行った。
(正孔輸送層形成用塗布液の準備)
ポリエチレンジオキシチオフェン・ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS、Bayer社製 Bytron P AI 4083)を純水で65%、メタノール5%で希釈した溶液を正孔輸送層形成用塗布液として準備した。
(乾燥及び加熱処理条件)
正孔輸送層形成用塗布液を塗布した後、製膜面に向け高さ100mm、吐出風速1m/s、幅手の風速分布5%、温度100℃で溶媒を除去した後、引き続き、加熱処理装置を用い温度150℃で裏面伝熱方式の熱処理を行い、正孔輸送層を形成した。
〈発光層の形成〉
引き続き、正孔輸送層迄を形成したバリア性フィルム1の正孔輸送層の上に、以下に示す白色発光層形成用塗布液を押出し塗布機で塗布した後、乾燥し発光層を形成した。白色発光層形成用塗布液は乾燥後の厚みが40nmになるように塗布した。
(白色発光層形成用塗布液)
ホスト材のH−Aを1.0gと、ドーパント材D−Aを100mg、ドーパント材D−Bを0.2mg、ドーパント材D−Cを0.2mg、100gのトルエンに溶解し白色発光層形成用塗布液として準備した。
Figure 0005381734
(塗布条件)
塗布工程を窒素ガス濃度99%以上の雰囲気で、塗布温度を25℃とし、塗布速度1m/minで行った。
(乾燥及び加熱処理条件)
白色発光層形成用塗布液を塗布した後、製膜面に向け高さ100mm、吐出風速1m/s、幅手の風速分布5%、温度60℃で溶媒を除去した後、引き続き、温度130℃で加熱処理を行い、発光層を形成した。
〈電子輸送層の形成〉
引き続き、発光層迄を形成したのち、以下に示す電子輸送層形成用塗布液を押出し塗布機で塗布した後、乾燥し電子輸送層を形成した。電子輸送層形成用塗布液は乾燥後の厚みが30nmになるように塗布した。
(塗布条件)
塗布工程は窒素ガス濃度99%以上の雰囲気で、電子輸送層形成用塗布液の塗布温度を25℃とし、塗布速度1m/minで行った。
(電子輸送層形成用塗布液)
電子輸送層はE−Aを2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール中に溶解し0.5質量%溶液とし電子輸送層形成用塗布液とした。
Figure 0005381734
(乾燥及び加熱処理条件)
電子輸送層形成用塗布液を塗布した後、製膜面に向け高さ100mm、吐出風速1m/s、幅手の風速分布5%、温度60℃で溶媒を除去した後、引き続き、加熱処理部で温度200℃で加熱処理を行い、電子輸送層を形成した。
(電子注入層の形成)
引き続き、形成された電子輸送層の上に電子注入層を形成した。まず、基板を減圧チャンバーに投入し、5×10−4Paまで減圧した。あらかじめ、真空チャンバーにタンタル製蒸着ボートに用意しておいたフッ化セシウムを加熱し、厚さ3nmの電子注入層を形成した。
(第2電極の形成)
引き続き、形成された電子注入層の上に第1電極の上に取り出し電極になる部分を除き、形成された電子注入層の上に5×10−4Paの真空下にて第2電極形成材料としてアルミニウムを使用し、取り出し電極を有するように蒸着法にて、発光面積が50mm平方になるようにマスクパターン成膜し、厚さ100nmの第2電極を積層した。
(裁断)
第2電極まで形成したバリア性フィルム1を、再び窒素雰囲気に移動し、規定の大きさに裁断し、有機EL素子を作製した。
(電極リード接続)
作製した有機EL素子に、ソニーケミカル&インフォメーションデバイス株式会社製異方性導電フィルムDP3232S9を用いて、フレキシブルプリント基板(ベースフィルム:ポリイミド12.5μm圧延銅箔18μm、カバーレイ:ポリイミド12.5μm、表面処理NiAuメッキ)を接続した。
圧着条件:温度170℃(別途熱伝対を用いて測定したACF温度140℃)、圧力2MPa、10秒で圧着を行った。
(封止)
電極リード(フレキシブルプリント基板)を接続した有機EL素子を、市販のロールラミネート装置を用いて封止部材を接着し、有機EL素子101を製作した。
なお、封止部材として、30μm厚のアルミニウム箔(東洋アルミニウム株式会社製)に、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(12μm厚)をドライラミネーション用の接着剤(2液反応型のウレタン系接着剤)を用いラミネートした(接着剤層の厚み1.5μm)ものを用いた。
アルミニウム面に熱硬化性接着剤を、ディスペンサを使用してアルミ箔の接着面(つや面)に沿って厚み20μmで均一に塗布した。
熱硬化接着剤としては以下のエポキシ系接着剤を用いた。
ビスフェノールAジグリシジルエーテル(DGEBA)
ジシアンジアミド(DICY)
エポキシアダクト系硬化促進剤
しかる後、封止基板を、取り出し電極および電極リードの接合部を覆うようにして密着・配置して、圧着ロールを用いて圧着条件、圧着ロール温度120℃、圧力0.5MPa、装置速度0.3m/minで密着封止した。
《有機EL素子102〜111の作製》
有機EL素子101の作製において、バリア性フィルム1の代わりにバリア性フィルム2〜11を用いて、有機EL素子102〜111を作製した。
《有機EL素子の評価》
得られた有機EL素子101〜111を、60℃90%RHに300時間保管し保管前の状態と比較を行った。
(黒点の評価方法)
試料に1mA/cmの電流を印加し発光させ、100倍のマイクロスコープ(株式会社モリテックス製MS−804、レンズMP−ZE25−200)でパネルの一部分を拡大し、撮影を行った。撮影画像を2mm四方に切り抜き、目視で観察を行い、黒点の状況を調べた。
A: 0時間から300時間まで、劣化が認められない
B: 0時間から300時間まで、わずかに劣化が認められる
C: 0時間から300時間まで、劣化が認められるが実技上問題ないレベル
D: 0時間から300時間まで、大きく劣化が認められ実技上問題のあるレベル
(高温高湿保存性)
各有機EL素子を、60℃、相対湿度90%の環境下に250時間の保存を行った後、各有機EL素子に2.5mA/cmの一定電流で駆動させた時の発光輝度の変化の測定を行い、未処理の各有機EL素子の各特性と比較し、下記の基準に従って高温高湿保存性の評価を行った。測定には、駆動電源として株式会社エーディーシー製電圧/電流発生・測定器R6243、輝度測定器としてコニカミノルタセンシング社製、分光放射輝度計CS−2000を用いた。
A:未処理品に対し、電流密度一定時の輝度変動が5%未満である
B:未処理品に対し、電流密度一定時の輝度変動が5%以上、10%未満である
C:未処理品に対し、電流密度一定時の輝度変動が10%以上である
Figure 0005381734
表2より、バリア性が高いフィルムを用いた場合には、比較例よりもダークスポットが少なく、輝度変動も小さいことがわかった。
実施例3
有機光電変換素子の作製
本発明のバリア性フィルム3及び11を用い、それぞれ、インジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を150nm堆積したもの(シート抵抗10Ω/□)を、通常のフォトリソグラフィ技術と湿式エッチングとを用いて2mm幅にパターニングし第1の電極を形成した。パターン形成した第1の電極を、界面活性剤と超純水による超音波洗浄、超純水による超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行った。
この透明基板上に、導電性高分子であるBaytron P4083(スタルクヴィテック社製)を(平均)膜厚が30nmになるように塗布乾燥した後、150℃で30分間熱処理させ正孔輸送層を製膜した。
これ以降は、基板を窒素チャンバー中に持ち込み、窒素雰囲気下で作製した。
まず、窒素雰囲気下で上記基板を150℃で10分間加熱処理した。次に、クロロベンゼンにP3HT(プレクトロニクス社製:レジオレギュラーポリ−3−ヘキシルチオフェン)とPCBM(フロンティアカーボン社製:6,6−フェニル−C61−ブチリックアシッドメチルエステル)を3.0質量%になるように1:0.8で混合した液を調製し、フィルタでろ過しながら(平均)膜厚が100nmになるように塗布を行い、室温で放置して乾燥させた。続けて、150℃で15分間加熱処理を行い、光電変換層を製膜した。
次に、上記一連の機能層を製膜した基板を真空蒸着装置チャンバー内に移動し、1×10−4Pa以下まで真空蒸着装置内を減圧した後、蒸着速度0.01nm/秒でフッ化リチウムを0.6nm積層し、更に続けて、2mm幅のシャドウマスクを通して(受光部が2×2mmに成るように直行させて蒸着)、蒸着速度0.2nm/秒でAlメタルを100nm積層することで第2の電極を形成した。得られた有機光電変換素子を窒素チャンバーに移動し、封止用キャップとUV硬化樹脂を用いて封止を行って、受光部が2×2mmサイズの有機光電変換素子を作製した。
(有機光電変換素子の封止)
窒素ガス(不活性ガス)によりパージされた環境下で、バリア性フィルム3及び11の二枚を用い、ガスバリア層を設けた面に、シール材としてエポキシ系光硬化型接着剤を塗布した。上述した方法によって得られたバリア性フィルム3及び11に対応する有機光電変換素子を、上記接着剤を塗布した二枚のバリア性フィルム3及び11の接着剤塗布面の間に挟み込んで密着させた後、片側の基板側からUV光を照射して硬化させ、有機光電変換素子203及び211とした。
(評価)
<有機光電変換素子耐久性の評価>
《エネルギー変換効率の評価》
上記作製した光電変換素子について、ソーラーシミュレーター(AM1.5Gフィルタ)の100mW/cmの強度の光を照射し、有効面積を4.0mmにしたマスクを受光部に重ね、IV特性を評価することで、短絡電流密度Jsc(mA/cm)、開放電圧Voc(V)及びフィルファクターFF(%)を、同素子上に形成した4箇所の受光部をそれぞれ測定し、下記式1に従って求めたエネルギー変換効率PCE(%)の4点平均値を見積もった。
(式1)PCE(%)=〔Jsc(mA/cm)×Voc(V)×FF(%)〕/100mW/cm
初期電池特性としての変換効率を測定し、性能の経時的低下の度合いを温度60℃、湿度90%RH環境で1000時間保存した加速試験後の変換効率残存率により評価した。
加速試験後の変換効率/初期変換効率の比は、有機光電変換素子203及び211において、それぞれ、90%及び40%であった。
10 基板
11 第1電極
12 第2電極
13 有機機能層
14 他の導電性層
21 導電性ポリマー含有層
22 補助電極(金属ワイヤ)
23 補助電極(金属グリッド)

Claims (9)

  1. 樹脂基材上に少なくとも有機層、第一無機層、第二無機層がこの順に積層された層構成を含むバリア性フィルムであって、該第一無機層は酸窒化珪素を少なくとも含有し、該第二無機層は酸窒化珪素を少なくとも含有し、かつ、該第二無機層の珪素に結合する元素濃度比(O+N)/Oが、該第一無機層の元素濃度比(O+N)/Oよりも大きいことを特徴とするバリア性フィルム。
    尚、元素濃度比(O+N)/Oとは、珪素に結合する酸素元素濃度と窒素元素濃度の和を、珪素に結合する酸素元素濃度で除した数である。
  2. 有機層、第一無機層、第二無機層がこの順に積層された層構成を1スタックとした場合、2スタック以上が積層されていることを特徴とする請求項1記載のバリア性フィルム。
  3. 前記第一無機層及び第二無機層が塗布によって得られていることを特徴とする請求項1又は2記載のバリア性フィルム。
  4. 前記第一無機層及び第二無機層がポリシラザン化合物を塗布することによって得られており、少なくとも第二無機層は塗布後に酸化処理が行なわれることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のバリア性フィルム。
  5. 前記酸化処理が、180nm以下の波長成分を有する真空紫外線を照射する処理であることを特徴とする請求項4記載のバリア性フィルム。
  6. 前記真空紫外線を照射する処理が、酸素濃度0.001〜5%の雰囲気下で行われることを特徴とする請求項5記載のバリア性フィルム。
  7. 最上層に有機層を設けることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載のバリア性フィルム。
  8. 前記酸窒化珪素中のOがNよりも多い、請求項1〜7のいずれか1項記載のバリア性フィルム。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載のバリア性フィルムを用いたことを特徴とする有機電子デバイス。
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