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JP2005235467A - 有機el素子 - Google Patents

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JP2005235467A
JP2005235467A JP2004040743A JP2004040743A JP2005235467A JP 2005235467 A JP2005235467 A JP 2005235467A JP 2004040743 A JP2004040743 A JP 2004040743A JP 2004040743 A JP2004040743 A JP 2004040743A JP 2005235467 A JP2005235467 A JP 2005235467A
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organic
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Jun Arakawa
純 荒河
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

【課題】屈曲しても優れたガスバリア性を維持する、長寿命な有機EL素子を低コストで提供する。
【解決手段】第一の積層フィルムと、第二の積層フィルムと、その間を封止する接着剤とからなり、前記第一の積層フィルムは、第一のガスバリア性積層フィルムと、電極及び有機発光材料を含む発光性有機フィルムを含み、前記第二の積層フィルムは、第二のガスバリア性積層フィルムと、電極を含み、かつ、前記発光性有機フィルムを挟んで、前記第一の積層フィルムと対向に配置されており、前記第一及び前記第二のガスバリア性積層フィルムは、それぞれ、基材フィルムと、該基材フィルム上に設けられた、少なくとも1層の無機層及び少なくとも1層の樹脂層とからなり、且つ、前記接着剤の膜厚が100μmであるときの水蒸気透過率が、40℃、相対湿度90%条件下で5g/m2・day以下である有機EL素子。
【選択図】なし

Description

本発明は、優れたガスバリア性を有することで寿命が大幅に改善され、更に生産能率にも優れたフレキシブルな有機EL素子(有機エレクトロルミネッセンス素子)に関するものである。
従来から、プラスチックフィルムやフィルムの表面に酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化珪素等の金属酸化物の薄膜を形成したガスバリア性フィルムは、水蒸気や酸素等の各種ガスの遮断を必要とする物品の包装に、あるいは、食品や工業用品および医薬品等の変質を防止するための包装に、広く用いられている。また、包装以外にも、液晶表示素子、太陽電池、エレクトロルミネッセンス(EL)フィルム等で使用されている。特に液晶表示素子、EL素子などへの応用が進んでいる透明基材には、近年、軽量化、大型化という要求に加え、長期信頼性や形状の自由度が高いこと、曲面表示が可能であること等の高度な要求が加わり、重くて割れやすく大面積化が困難なガラスフィルムに代わって透明プラスチック等のフィルム基材が採用され始めている。また、プラスチックフィルムは上記要求に応えるだけでなく、ロールトゥロール方式が可能であることからガラスよりも生産性が良くコストダウンの点でも有利である。
しかしながら、透明プラスチック等のフィルム基材はガラスに対しガスバリア性が劣るという問題がある。そして、ガスバリア性が劣る基材は、水蒸気や空気が浸透し、例えば液晶セル内の液晶を劣化させ、表示欠陥となって表示品位を劣化させる。この様な問題を解決するためにフィルム上に金属酸化物薄膜を形成してガスバリア性フィルム基材とすることが知られている。包装材や液晶表示素子に使用されるガスバリア性フィルムとしてはプラスチックフィルム上に酸化珪素を蒸着したもの(特許文献1の第1頁〜第3頁)、酸化アルミニウムを蒸着したもの(特許文献2の第1頁〜第4頁)が知られており、いずれも1g/m2/day程度の水蒸気バリア性を有する。しかしながら、近年では、液晶ディスプレイの大型化、高精細ディスプレイ等の開発によりフィルムへのガスバリア性能について水蒸気バリアで0.1g/m2/day程度まで要求が上がってきている。
さらにごく近年においては、さらなるバリア性を要求される有機ELディスプレイの開発が進み、これに使用可能な透明性を維持しつつもさらなる高バリア性、特に、水蒸気バリアで0.01g/m2/day未満の性能をもつ基材が要求されるようになってきている。これに応えるためにより高いバリア性能が期待できる手段として、低圧条件下でグロー放電させて生じるプラズマを用いて薄膜を形成させるスパッタリング法やCVD法による製膜検討が行われている。
また、樹脂層/無機層の交互積層構造を有するバリア膜を真空蒸着法により作製する技術が特許文献3(第4頁[2−5]〜第5頁[4−49])や特許文献4(第3頁[0006]〜第4頁[0008])に提案されている。これらは、透明樹脂層の上に樹脂層/無機層を積層したガスバリア膜を設置し、その上に発光層を含む有機EL構造体を設置し、さらにその上に樹脂層/無機層を積層することでバリア性を付与する構成になっている。この方法はガスバリア性としての性能は良好であるが、有機EL構造体の上に、樹脂層、無機層を蒸着、スパッタリング、プラズマCVDなどの方法で順次製膜する必要があり、プロセス上の能率が悪いという問題点があった。また、このプロセスの間に有機EL構造体にダメージを与える危険性が高く、歩留まりが悪いという事も大きな問題であった。
特公昭53−12953号公報 特開昭58−217344号公報 米国6268695号公報 特開2003−53881号公報
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の第一の目的は屈曲しても優れたガスバリア性を維持することで長寿命を達成できる有機EL素子を提供することにある。また、本発明の第二の目的は、前記ガスバリア性を付与した長寿命な有機EL素子を低コストで生産できるような有機EL素子を提供するものである。
上記課題は、下記手段によって達成された。
(1)少なくとも、第一の積層フィルムと、第二の積層フィルムと、前記第一の積層フィルムと前記第二の積層フィルムの間を封止する接着剤とからなり、前記第一の積層フィルムは、第一のガスバリア性積層フィルムと、該第一のガスバリア性積層フィルム上に設けられた、電極及び有機発光材料を含む発光性有機フィルムを有し、前記第二の積層フィルムは、第二のガスバリア性積層フィルムと、該第二のガスバリア性積層フィルム上に設けられた電極を含み、かつ、前記第一の積層フィルムの前記発光性有機フィルムに近い側に対向して配置されており、前記第一のガスバリア性積層フィルム及び前記第二のガスバリア性積層フィルムは、それぞれ、基材フィルムと、該基材フィルム上に設けられた、少なくとも1層の無機層と少なくとも1層の樹脂層とからなり、且つ、前記接着剤の膜厚が100μmであるときの水蒸気透過率が、40℃、相対湿度90%条件下で5g/m2・day以下であることを特徴とする有機EL素子。
(2)前記第一の積層フィルムの接着剤と接している側の表面および前記第二の積層フィルムの接着剤と接している側の表面の、25℃、相対湿度60%における水との接触角が、いずれも、0〜50度の範囲にあり、且つ前記接着剤硬化後の25℃、相対湿度60%における水との接触角が、いずれも、0〜80度の範囲にあることを特徴とする、(1)に記載の有機EL素子。
(3)前記接着剤の硬化に伴う収縮率が5%以下であることを特徴とする、(1)または(2)の有機EL素子。
(4)前記接着剤が可視光硬化型であることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかの有機EL素子。
本発明により、フレキシブルで且つ長寿命な有機EL素子を得ることができる。また、本発明は、フレキシブルな有機EL素子を低コストで生産できる技術として利用できる。
以下において、本願発明の内容について詳細に説明する。尚、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
(1)ガスバリア性積層フィルム
本発明の第一のガスバリア性積層フィルム及び第二のガスバリア性積層フィルムは、それぞれ、例えば、基材となるフィルム(基材フィルム)の少なくとも片面上に、少なくとも1層の無機層と少なくとも1層の樹脂層を形成してなるガスバリア性積層フィルムである。
次に本発明のガスバリア性積層フィルムの各構成部材について説明する。
本発明の無機層の製膜方法は、目的の薄膜を形成できる方法であればいかなる方法でも良いが、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法などが適しており、例えば、特許第3400324号、特開2002−322561号、特開2002−361774号の各公報記載の方法で製膜する事ができる。
具体的には、例えば、市販のロールトゥーロール方式のスパッタリング装置を用いて製膜することができる。スパッタリング装置は、真空槽を有しており、その中央部には基材フィルムを表面に接触させて加熱もしくは冷却するためのドラムが配置されている。また、上記真空槽には基材フィルムを巻くための巻き取りロールが配置されている。ロールに巻かれた基材フィルムはガイドを介してドラムに巻かれ、さらに別のガイドを介して巻き取りロールに巻かれる。真空排気系では、排気口から真空ポンプによって真空槽内の排気が常に行われている。製膜系としてはパルス電力を印加できるDC方式の放電電源に接続されたカソード上にターゲットが装着されている。この放電電源は制御器に接続され、さらにこの制御器は真空槽へ配管を介して反応ガス導入量を調整しつつ供給する圧電素子バルブユニットに接続されている。また、真空槽には一定流量の放電ガスが供給されるよう構成されている。所望する膜質が得られるような反応ガス導入量を設定し、遷移領域において放電を持続させる。このときの電圧値を設定電圧値として、電圧値が設定値よりも大きい場合には制御器より圧電素子バルブユニットに反応ガス流量を減らすように指令が送られる。また、電圧値が設定値よりも小さい場合には制御器より圧電素子バルブユニットに反応ガス流量を増やすように指令が送られる。このようにして真空槽に供給する反応ガス流量を適切な量に制御している。
無機層の成分は特に限定しないが、例えばSi、Al、In、Sn、Zn、Ti、Cu、Ce、Ta等の1種以上を含む酸化物もしくは窒化物もしくは酸化窒化物などを用いることができる。無機層の厚みに関しても特に限定しないしないが、5nm〜1000nmの範囲が好ましく、さらに好ましくは、10nm〜1000nmであり、最も好ましくは、10nm〜200nmである。1000nm以下とすることにより、曲げ応力によるクラックをより効果的に防ぎ、5nm以上とすることにより、膜が縞状に分布してしまうのをより効果的に防ぐことができる。なお、クラックの発生や膜が縞状に分布することは、いずれも水蒸気バリア性が悪くなる傾向につながりやすい。
また、本発明では2層以上の無機層を設置するが各々が同じ組成でも別の組成でも良く、制限はない。
水蒸気バリア性と高透明性を両立させるには無機層として珪素酸化物や珪素酸化窒化物を使うのが好ましい。珪素酸化物はSiOxと表記され、たとえば、無機物層としてSiOxを用いる場合、良好な水蒸気バリア性と高い光線透過率を両立させるためには1.6<x<1.9であることが望ましい。珪素酸化窒化物はSiOxNyと表記されるが、このxとyの比率は密着性向上を重視する場合、酸素リッチの膜とし、1<x<2、0<y<1が好ましく、水蒸気バリア性向上を重視する場合、窒素リッチの膜とし、0<x<0.8、0.8<y<1.3が好ましい。
一方、樹脂層はアクリレート基、メタクリレート基などのビニル基を有するラジカル重合性モノマー、エポキシ基、オキセタニル基などの環状エーテル基を有するカチオン開環重合性モノマーを硬化させて形成させることが望ましい。これらのモノマーはその用途により単官能性であっても多官能性であってもよく、両者を混在させて用いてもよい。
また本発明において、樹脂層は有機成分以外の成分すなわち無機物や無機元素、金属元素を含有していても良い。
樹脂層の厚みについても特に限定はしないが、10nm〜5000nmが好ましく、さらに好ましくは、20〜2000nmであり、最も好ましくは50nm〜500nmである。樹脂層の厚みを5000以下とすることにより、厚みの均一性を保ち、無機層の構造欠陥をより効率よく樹脂層で埋めることができる。また、樹脂層の厚みを10nm以上とすることにより、曲げ等の外力により樹脂層がクラックを発生するのをより効果的に防止する。すなわち、樹脂層の厚みを、10nm〜5000nmとすることにより、より効果的にバリア性を向上させることができる。
本発明の樹脂層を形成させるための方法としては、塗布による方法、真空製膜法等を挙げることができる。真空製膜法としては、特に制限はないが、蒸着、プラズマCVD等の製膜方法が好ましく、有機物質モノマーの製膜速度を制御しやすい抵抗加熱蒸着法がより好ましい。本発明の有機物質モノマーの架橋方法に関しては何らその制限はないが、活性エネルギー線照射による電子線や紫外線等による架橋が、真空槽内に容易に取り付けられる点や架橋反応による高分子量化が迅速である点で望ましい。
塗布方式で作成する場合には、従来から用いられている種々の塗布方法、例えば、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、ディップコート、カーテンフローコート、スプレーコート、バーコート等の方法を用いる事ができる。
本発明における樹脂層の形成において、金属アルコキシドの加水分解、重縮合反応を併用して有機無機ハイブリッド材料にしてもよい。金属アルコキシドとしては、アルコキシシランおよび/またはアルコキシシラン以外の金属アルコキシドを使用する。アルコキシシラン以外の金属アルコキシドとしては、ジルコニウムアルコキシド、チタンアルコキシド、アルミニウムアルコキシド等が好ましい。また、必要に応じて樹脂層に公知の無機微粒子や層状ケイ酸塩等の無機フィラーを混合させてもよい。
本発明における活性エネルギー線は、紫外線、X線、電子線、赤外線、マイクロ波等の照射することによりエネルギーを伝播しうる放射線を指し、その種類とエネルギーは用途に応じて任意に選択することができる。
本発明のモノマーのカチオン開環重合は、前記モノマーを含む組成物を塗布または蒸着したのち、熱重合開始剤を用いたときはヒーター等による接触加熱、赤外線やマイクロ波等の放射加熱により開始させる。光重合開始剤を用いたときは活性エネルギー線を照射して開始させる。紫外線を照射する場合には、様々な光源を使用することができ、例えば水銀アークランプ、キセノンアークランプ、蛍光ランプ、炭素アークランプ、タングステンーハロゲン輻射ランプおよび日光による照射光で硬化させることができる。紫外線の照射強度は少なくとも10mJ/cm2が好ましい。硬化を連続的に行う場合は1〜20秒内に組成物を硬化できるように照射速度を設定するのが好ましい。電子線により硬化させる場合には300eV以下のエネルギーの電子線で硬化させるが、1Mrad〜5Mradの照射量で瞬時に硬化させることも可能である。
少なくとも1層の無機層及び樹脂層は、ガスバリア性を保つ限り、基材フィルムの片面に設置されていても両面に設置されていてもよい。また上記積層に隣接してさらに1層の無機層及び樹脂層を繰り返し積層させてもよい。特に好ましくは、1組の無機層及び樹脂層を繰り返し単位として形成する場合であり、5単位以下、好ましくは2単位以下とすることがガスバリア性と製造効率等の観点から好ましい。また繰り返し単位を形成する場合は各々の無機層、各々の樹脂層は同じ組成であっても、異なる組成であってもよい。
無機層、樹脂層の積層以外に、例えば、以下に述べるような、プライマー層およびその他の機能層を設置してもよい。
本発明の第一の積層フィルム及び第二の積層フィルムは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、基材となるフィルムとガスバリア性積層との間に、公知のプライマー層または無機薄膜層を設置することができる。プライマー層としては、例えばアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等を用いることが可能であるが、本発明においてはこのプライマー層として有機無機ハイブリッド層を無機薄膜層としては、無機蒸着層またはゾルーゲル法による緻密な無機コーティング薄膜が好ましい。無機蒸着層としては、シリカ、ジルコニア、アルミナ等の蒸着層が好ましい。無機蒸着層は真空蒸着法、スパッタリング法等により形成することができる。
ガスバリア性積層フィルムの上には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、それぞれ種々の公知である機能層を設置してもよい。該機能層の例としては、反射防止層・偏光層・カラーフィルター・紫外線吸収層・光取出効率向上層等の光学機能層や、ハードコート層・応力緩和層等の力学的機能層、帯電防止層・導電層などの電気的機能層、防曇層、防汚層、被印刷層などが挙げられる。
本発明のガスバリア性積層フィルムの水蒸気透過性は、0.01g/m2・day以下が好ましく、0.005g/m2・day以下であることが特に好ましい。また、同様に酸素透過性は0.01ml/m2・day・atm以下が好ましく、0.005ml/m2・day・atm以下であることが特に好ましい。
フレキシブル且つ透明な有機EL素子を作製することを想定すると、ガスバリア性積層フィルムの光透過性は重要な性能である。光透過性の値は、550nmで80%以上が好ましく、85%以上が特に好ましい。
フレキシブル性としては、曲率100mmで1日曲げていても表面に亀裂等何ら変化が無い事が必要であるが、更に好ましくは曲率10mmでも耐えられることである。
また、第一の積層フィルムとしてのガスバリア性積層フィルムは、TFT等の電極を作るプロセスを経るため、極めて高温の耐熱性が必要である。最低でも250℃まで何ら変形を伴わないことが必要であり、更に350℃まで使用に耐えうるものであることが更に好ましい。
温度変化により有機EL構造体が剥がれたり、接着剤との界面に隙間を生じたりしないために、ガスバリア性積層フィルムの熱膨張率は100ppm以下であり、50ppm以下が好ましく、20ppm以下が特に好ましい。
本発明のガスバリア性積層フィルムで使用される基材フィルム材料は上記の各層を保持しうるフィルムであれば特に制限はなく、バリアフィルムの使用目的等から適宜選択することができる。具体的にはメタクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン、透明フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素化ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、セルロースアシレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、シクロオレフィンコポリマー、フルオレン環変性ポリカーボネート樹脂、脂環変性ポリカーボネート樹脂、アクリロイル化合物などの熱可塑性樹脂が挙げられる。
これら基材フィルム材料のうち、好ましい例としては、ポリアリレート樹脂(PAR)、ポリエーテルスルホン樹脂(PES)、フルオレン環変性ポリカーボネート樹脂(BCF−PC:特開2000−227603号公報の実施例−4の化合物)、脂環変性ポリカーボネート樹脂(IP−PC:特開2000−227603号公報の実施例−5の化合物)、アクリロイル化合物(特開2002−80616号公報の実施例−1の化合物)が挙げられる。
また、スピロビインダン、スピロビクロマンを含む縮合ポリマーを用いるのも好ましい。耐熱性が高い化合物でありながら、高弾性率と高い引張り破壊応力を有する化合物で、製造プロセスで種々の加熱操作が必要とされ、かつ屈曲させても破壊しにくい性能が要求される有機ELのフィルム材料として適するからである。
本発明の樹脂の構造単位はそれぞれ1種類だけであっても2種類以上が混合されていてもよい。また本発明の効果を損なわない範囲で他の構造単位を含んでいてもよい。その置換量は通常50モル%以下が好ましく、10モル%以下がさらに好ましい。また、本発明の樹脂には他の樹脂がブレンドされていてもよく、2種以上の樹脂から構成されていてもよい。
本発明の樹脂の分子量は数平均分子量で10000〜300000(ポリスチレン換算)であることが好ましく、さらに好ましくは20000〜200000、最も好ましくは30000〜150000である。分子量を10000以上とすることにより、プラスチックフィルムとして使用する場合の機械的強度がより高くなる。
本発明の基材フィルム材料として、耐溶剤性、耐熱性などの観点から架橋樹脂も好ましく用いることができる。架橋樹脂の種類としては熱硬化性樹脂、放射線硬化樹脂のいずれも種々の公知のものを用いることができる。熱硬化性樹脂の例としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フラン樹脂、ビスマレイミド樹脂、シアネート樹脂などが挙げられる。その他架橋方法としては共有結合を形成する反応であれば特に制限無く用いることができ、ポリアルコール化合物とポリイソシアネート化合物を用いて、ウレタン結合を形成するような室温で反応が進行する系も特に制限なく使用できる。
このような系は製膜前のポットライフが問題にならないよう、通常、製膜直前にポリイソシアネート化合物を添加するような2液混合型として用いるのが好ましい。一方で1液型として用いる場合、架橋反応に携わる官能基を保護しておくとよい。これらは、ブロックタイプ硬化剤として市販もされており、三井武田ケミカル(株)製B−882N、日本ポリウレタン工業(株)製コロネート2513(以上ブロックポリイソシアネート)、三井サイテック(株)製サイメル303(メチル化メラミン樹脂)などが知られている。また、エポキシ樹脂の硬化剤として用いることのできるポリカルボン酸を保護したブロック化カルボン酸も知られている。
放射線硬化樹脂としては、ラジカル硬化性樹脂、カチオン硬化性樹脂に大別される。ラジカル硬化性樹脂の硬化性成分としては分子内に複数個のラジカル重合性基を有する化合物が用いられ、代表的な例として分子内に2〜6個のアクリル酸エステル基を有する多官能アクリレートモノマーと称される化合物やウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレートと称される分子内に複数個のアクリル酸エステル基を有する化合物が用いられる。ラジカル硬化性樹脂の代表的な硬化方法として、電子線を照射する方法、紫外線を照射する方法が挙げられる。通常、紫外線を照射する方法においては紫外線照射によりラジカルを発生する重合開始剤を添加する。なお、加熱によりラジカルを発生する重合開始剤を添加すれば、熱硬化性樹脂として用いることもできる。カチオン硬化性樹脂の硬化性成分としては分子内に複数個のカチオン重合性基を有する化合物が用いられ、代表的な硬化方法として紫外線の照射により酸を発生する光酸発生剤を添加し、紫外線を照射して硬化する方法が挙げられる。カチオン重合性化合物の例としては、エポキシ基などの開環重合性基を含む化合物やビニルエーテル基を含む化合物を挙げることができる。
上記で挙げた熱硬化性樹脂、放射線硬化樹脂のそれぞれ複数種を混合して用いてもよく、熱硬化性樹脂と放射線硬化樹脂を併用しても良い。また、架橋性樹脂と架橋性基を有さないポリマーと混合して用いてもよい。
さらに本発明の基材フィルムの原料として使用される樹脂にこれら架橋性樹脂を混合して用いた場合、得られた基材フィルムの耐溶剤性、耐熱性、光学特性、強靭性を両立でき好ましい。また、本発明の樹脂に架橋性基を導入することも可能であり、ポリマー主鎖末端、ポリマー側鎖、ポリマー主鎖中のいずれの部位に架橋性基を有していてもよい。この場合、上記で挙げた汎用の架橋性樹脂を併用せずにプラスチックフィルムを作製しても良い。
基材フィルムにはレターデーション(Re)の制御を行ったり、ガス透過性や力学特性の改良を行ったりする目的で異種樹脂の積層やブレンド等を好適に用いることができる。
異種樹脂の好ましい組み合わせとしては特に制限はなく、上述したいずれの樹脂も使用可能である。
また、レターデーションを大きく変化させる目的で、特開平7−92904号公報に開示されているように有機低分子化合物を用いたり、国際公開WO98/04601号公報に開示されているように光学異方性の異なるモノマーをブロック共重合することも可能である。
更に、特開平11−293116公報号に開示されるように、配向性がある光学異方性無機微粒子を添加するのも好ましい方法である。
本発明の基材フィルム材料は延伸されていても良い。延伸により耐折強度など機械的強度が改善され、取扱性が向上する利点がある。特に、延伸方向のオリエンテーションリリースストレス(ASTM D1504、以下ORSと略記する)が0.3〜3GPaであるものは機械的強度が改善され好ましい。ORSは延伸フィルムまたはシートに凍結されている、延伸により生じた内部応力である。
延伸は、公知の方法が使用でき、例えば樹脂のガラス転移温度(Tg)より10℃高い温度から、50℃高い温度の間の温度で、ロール一軸延伸法、テンター一軸延伸法、同時二軸延伸法、逐次二軸延伸法、インフレーション法により延伸できる。延伸倍率は1.1〜3.5倍が好ましく用いられる。
本発明の基材フィルムの厚みは、特に規定されないが30μm〜700μmが好ましく、より好ましくは40μm〜200μm、さらに好ましくは50μm〜150μmである。さらにいずれの場合もヘイズは3%以下が好ましく、より好ましくは2%以下、さらに好ましくは1%以下、全光透過率は70%以上が好ましく、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。
本発明の基材フィルムには、必要により本発明の効果を損なわない範囲で、可塑剤、染顔料、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、無機微粒子、剥離促進剤、レベリング剤、無機層状珪酸塩化合物および潤滑剤などの樹脂改質剤を添加しても良い。
(2)本発明の有機EL素子は、第一の積層フィルムと第二の積層フィルムを接着剤によって接着することによって得られるものである。ここで、第一の積層フィルムは、上記ガスバリア性積層フィルム上に、少なくとも、電極及び有機発光材料からなる発光性有機フィルムを設けたものであり、第二の積層フィルムは、ガスバリア性積層フィルム上に、少なくとも、電極を設けたものである。ここで、第一の積層フィルムに含まれる電極及び発光性有機フィルム及び第二の積層フィルムに含まれる電極によって、有機EL構造体を形成している。
(3)有機EL構造体
有機EL構造体の前記陽極としては、通常、発光性有機フィルムに正孔を供給する陽極(電極)としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極の中から適宜選択することができる。
前記陽極の材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、有機導電性化合物、またはこれらの混合物を好適に挙げられ、仕事関数が4.0eV以上の材料が好ましい。具体例としては、アンチモンやフッ素等をドープした酸化錫(ATO、FTO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の半導性金属酸化物、金、銀、クロム、ニッケル等の金属、さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物または積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、前記半導性金属酸化物または金属化合物の分散物、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロ−ルなどの有機導電性材料、およびこれらとITOとの積層物などが挙げられる。
前記陽極は例えば、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式、などの中から前記材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って前記フィルム上に形成することができる。例えば、前記陽極の材料として、ITOを選択する場合には、該陽極の形成は、直流あるいは高周波スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレ−ティング法等に従って行うことができる。また前記陽極の材料として有機導電性化合物を選択する場合には湿式製膜法に従って行うことができる。中でも本発明においては発光素子の大面積化や、その生産性の点から湿式製膜法を用いることが好ましい。
なお、前記陽極のパターニングは、フォトリソグラフィーなどによる化学的エッチングによってもよいし、レーザーなどによる物理的エッチングによってもよく、また、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等を使ってもよいし、リフトオフ法や印刷法によってもよい。
前記陽極の厚みとしては、前記材料により適宜選択することができ、一概に規定することはできないが、通常10nm〜50μmであり、50nm〜20μmが好ましい。
前記陽極の抵抗値としては、106Ω/□(106Ω/sq)以下が好ましく、105Ω/□以下がより好ましい。105Ω/□以下の場合、本発明のバスライン電極を設置することにより性能の優れた大面積発光素子を得ることができる。
前記陽極は、無色透明であっても、有色透明であっても、不透明であっても良い。
前記陰極としては、通常、前記発光性有機フィルムに電子を注入する陰極(電極)としての機能を有し、かつ光に対して、実質上透明で有ればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極の中から適宜選択することができる。
前記陰極の構成としては、単層構造とすることもできるが、前記電子注入性および透明性を両立させるために、薄膜の金属層と透明な導電層の2層構造をとることができる。薄膜の金属層に用いられる金属材料としては、例えば、金属単体や、合金、などが挙げられ、仕事関数が4.5eV以下のものが好ましい。具体例としてはアルカリ金属(たとえば、Li、Na、K、Cs等)、アルカリ土類金属(たとえばMg、Ca等)、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウムーカリウム合金、リチウムーアルミニウム合金、マグネシウム−銀合金、インジウム、イッテルビウム等の希土類金属、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいが、安定性と電子注入性とを両立させる観点からは、2種以上を好適に併用することができる。
これらの中でも、電子注入性の点で、アルカリ金属やアルカリ度類金属が好ましく、保存安定性に優れる点で、アルミニウムを主体とする材料が好ましい。
前記アルミニウムを主体とする材料とは、アルミニウム単独、またはアルミニウムと0.01〜10重量%のアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属との合金若しくは混合物(例えば、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金など)をいう。
なお、前記薄膜金属層の材料については、特開平2−15595号公報、特開平5−121172号公報に詳述されている。前記薄膜の金属層の厚みは1nm〜50nmであることが好ましい。1nm以上とすることにより、より均一に薄膜層を製膜することが可能になる。また、50nm以下とすることにより、光に対する透明性がより良好になる。
2層構造をとる場合の透明導電層に用いられる材料としては、導電性、半導性があげられ、透明である材料であるならば前記陽極に記載した材料を好適に用いることができる。中でも、例えばアンチモンやフッ素等をド−プした酸化錫(ATO、FTO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等が好ましい。
透明導電層の厚みは30nm〜500nmであることが好ましい。30nm以上とすることにより、より効果的に導電性、半導性を保つことができ、500nm以下とすることにより、生産性がより良くなる。
前記陰極の形成法は、特に制限はなく、公知の方法に従って行うことができるが、本発明においては真空機器内で行うのが好ましい。例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ−ティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式、などの中から前記材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って前記フィルム上に形成することができる。例えば、前記陰極の材料として、金属等を選択する場合には、その1種または2種以上を同時または順次にスパッタ法等に従って行うことができる。
なお、陰極のパターニングは、フォトリソグラフィーなどによる化学的エッチングによってもよいし、レーザーなどによる物理的エッチングによってもよく、また、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等を用いてもよいし、リフトオフ法や印刷法で行ってもよい。
また、前記陰極と前記発光性有機フィルムとの間に前記アルカリ金属または前記アルカリ土類金属のフッ化物等による誘電体層を0.1〜5nmの厚みで挿入してもよい。
なお、該誘電体層は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等により形成することができる。
本発明の有機EL構造体の構成の具体的な構成としては、陽極/発光性有機フィルム/透明陰極、陽極/発光性有機フィルム/電子輸送層/透明陰極、陽極/正孔輸送層/発光性有機フィルム/電子輸送層/透明陰極、陽極/正孔輸送層/発光性有機フィルム/透明陰極、陽極/発光性有機フィルム/電子輸送層/電子注入層/透明陰極、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光性有機フィルム/電子輸送層/電子注入層/透明陰極等が挙げられる。
本発明に用いられる発光性有機フィルムは、少なくとも1種の有機発光材料からなる。
本発明に用いられる有機発光材料は、特に限定されることはなく、蛍光発光性化合物または燐光発光性化合物であれば用いることができる。例えば蛍光発光性化合物としては、ベンゾオキサゾ−ル誘導体、ベンゾイミダゾ−ル誘導体、ベンゾチアゾ−ル誘導体、スチリルベンゼン誘導体、ポリフェニル誘導体、ジフェニルブタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ナフタルイミド誘導体、クマリン誘導体、ペリレン誘導体、ペリノン誘導体、オキサジアゾ−ル誘導体、アルダジン誘導体、ピラリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ビススチリルアントラセン誘導体、キナクリドン誘導体、ピロロピリジン誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、スチリルアミン誘導体、芳香族ジメチリデン化合物、8−キノリノ−ル誘導体の金属錯体や希土類錯体に代表される各種金属錯体、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等の高分子化合物等が挙げられる。これらは1種もしくは2種以上を混合して用いることができる。
燐光発光性化合物としては特に限定されることはないが、オルトメタル化金属錯体、またはポルフィリン金属錯体が好ましい。
前記オルトメタル化金属錯体とは、例えば、山本明夫著「有機金属化学−基礎と応用−」150頁、232頁、裳華房社(1982年発行)やH.Yersin著「Photochemistry and Photophisics of Coodination Compounds」71〜77頁、135〜146頁、Springer-Verlag社(1987年発行)等に記載されている化合物群の総称である。該オルトメタル化金属錯体を含む前記有機EL構造体は、高輝度で発光効率に優れる点で有利である。
前記オルトメタル化金属錯体を形成する配位子としては、種々のものがあり、上記文献にも記載されているが、その中でも好ましい配位子としては、2−フェニルピリジン誘導体、7,8−ベンゾキノリン誘導体、2−(2−チエニル)ピリジン誘導体、2−(1−ナフチル)ピリジン誘導体、2−フェニルキノリン誘導体等が挙げられる。これらの誘導体は必要に応じて置換基を有しても良い。
前記オルトメタル化金属錯体は、前記配位子のほかに、他の配位子を有していてもよい。
本発明で用いるオルトメタル化金属錯体は Inorg.Chem. 1991年, 30号, 1685頁. ,同 1988年, 27号, 3464頁. ,同 1994年, 33号, 545頁. Inorg.Chim.Acta 1991年,181号, 245頁. J.Organomet.Chem. 1987年, 335号, 293頁.J.Am.Chem.Soc. 1985年, 107号, 1431頁. 等、種々の公知の手法で合成することができる。
前記オルトメタル化錯体の中でも、三重項励起子から発光する化合物が本発明においては発光効率向上の観点から好適に使用することができる。
また、ポルフィリン金属錯体の中ではポルフィリン白金錯体が好ましい。
さらに、前記燐光発光性の化合物は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。加えて、前記蛍光発光性化合物と燐光発光性化合物を同時に用いても良い。本発明においては、発光輝度、発光効率の点から、前記燐光発光性化合物を用いることが好ましい。
前記正孔輸送層に用いられる正孔輸送材としては、低分子正孔輸送材、高分子正孔輸送材いずれも用いることができ、陽極から正孔を注入する機能、正孔を輸送する機能、陰極から注入された電子を障壁する機能のいずれかを有しているもので有れば限定されることはなく、例えば以下の材料を挙げることができる。
カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾ−ル誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリデン系化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)誘導体、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等の高分子化合物等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記正孔輸送材の含有量としては、有機EL構造体の0〜99.9重量%が好ましく、さらに好ましくは0〜80重量%である。
前記電子輸送層に用いられる電子輸送材は、電子を輸送する機能、陽極から注入された正孔を障壁する機能のいずれかを有しているもので有れば制限されることはなく例えば以下の材料を挙げることができる。トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾ−ルを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等の高分子化合物を挙げることができる。
前記電子輸送材の含有量としては、有機EL構造体の0〜99.9重量%が好ましく、さらに好ましくは0〜80重量%である。
また、必要に応じて、ホスト化合物を採用しても良い。ホスト化合物とは、その励起状態から前記蛍光発光性化合物または燐光発光性の化合物へエネルギー移動が起こり、その結果、該蛍光発光性または燐光発光性の化合物を発光させる機能を有する化合物のことである。
前記ホスト材としては励起子エネルギーを発光材にエネルギー移動できる化合物ならば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、具体的にはカルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリ−ルアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリデン系化合物、ポルフィリン系化合物、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノ−ル誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)誘導体、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等の高分子化合物等が挙げられる。
前記ホスト化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ホスト化合物の有機EL構造体における含有量としては0〜99.9重量%が好ましく、さらに好ましくは0〜99.0重量%である。
また、本発明の発光性有機フィルムには、必要に応じて、電気的に不活性なポリマーバインダーを用いることができる。
必要に応じて用いられる電気的に不活性なポリマーバインダーとしては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロ−ス、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタ−ル等を挙げることができる。
前記発光層が前記ポリマーバインダーを含有していると、該発光層を湿式製膜法により容易にかつ大面積に塗布形成することができる点で有利である。
前記発光性有機フィルムは、蒸着法やスパッタ法等の乾式製膜法、ディッピング、スピンコート法、ディップコート法、キャスト法、ダイコート法、ロールコート法、バーコート法、グラビアコート法等の湿式製膜法、転写法、印刷法等いずれによっても好適に製膜することができる。
なかでも、前記湿式製膜法による塗布形成の場合、前記発光性有機フィルムを容易に大面積化することができ、高輝度で発光効率に優れた発光素子が低コストで効率よく得られる点で有利である。
なお、これらの製膜法の種類の選択は、該発光性有機フィルムの材料に応じて適宜おこなうことができる。
前記湿式製膜法により製膜した場合は、製膜した後、適宜乾燥を行うことができ、該乾燥の条件としては特に制限はないが、塗布形成した層が損傷しない範囲の温度等を採用することができる。
前記発光性有機フィルムを前記湿式製膜法で塗布形成する場合、該発光性有機フィルムには、バインダ−樹脂を添加することができる。
この場合、該バインダー樹脂としてはポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタールなどが挙げられる。
これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記発光性有機フィルムを湿式製膜法により塗布形成する場合、該発光性有機フィルムの材料を溶解して塗布液を調整する際に用いられる溶剤としては、特に制限はなく、前記正孔輸送材、前記オルトメタル化錯体、前記ホスト材、前記ポリマーバインダー等の種類に応じて適宜選択することができ、例えば、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、n−プロピルメチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン形容剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ−ブチロラクトン、炭酸ジエチル等のエステル系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤、ジメチルスルホキシド、水等が挙げられる。
なお、前記塗布液における固形分量溶剤に対する固形分量としては、特に制限はなく、その粘度も湿式製膜方法に応じて任意に選択することができる。
また、湿式製膜法を用いる場合、溶剤に可溶性の膜であることが多く、多層化が困難である。この場合、転写法を好適に用いることもできる。
前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、保護層などが挙げられる。
前記保護層としては、例えば、特開平7−85974号公報、同7−192866号公報、同8−22891号公報、同10−275682号公報、同10−106746号公報等に記載のものが好適に挙げられる。
前記保護層の形状、大きさ、厚み等については、適宜選択することができ、その材料としては、水分や酸素等の発光素子を劣化させ得るものを該発光素子内に侵入乃至透過させるのを抑制する機能を有していれば特に制限はなく、例えば、酸化珪素、二酸化珪素、酸化ゲルマニウム、二酸化ゲルマニウム等が挙げられる。
前記保護層の形成方法としては、特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子センエピタキシ法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法、などが挙げられる。
本発明の発光素子は、前記陽極と前記陰極との間に直流(必要に応じて交流成分を含んでもよい)電圧(通常2ボルト〜40ボルト)、または直流電流を印加することにより、発光を得ることができる。
本発明の発光素子の駆動については、特開平2−148687号、同6−301355号、同5−29080号、同7−134558号、同8−234685号、同8−241047号各公報、米国特許5828429号、同6023308号各明細書、日本特許第2784615号公報等に記載の方法を利用することができる。
(3)接着剤
第一の積層フィルムと第二の積層フィルムの間の空間は、接着剤で埋める。ガスバリア性積層フィルム同士を接着することで封止し、ガスバリア性を確保することが接着剤には求められる。そのためには、硬化後の接着剤自身のガスバリア性はもちろんのこと、フィルムとの接着界面におけるガスの透過を防止しなくてはならない。更に、フレキシブル有機EL素子として、曲げに対する耐性、すなわち、クラック、剥がれ等によりガスバリア性が低下することがあってはならない。
また、硬化中にガスが発生し、これが有機EL構造体に悪影響を与えるものであってはならない。この、いわゆるアウトガス量の低減は、有機EL用の接着剤を選択する上で極めて重要な因子である。
有機EL用の接着剤としては、一般に半導体封止に用いられている接着剤を流用されている。高生産性、省エネルギー、環境性の観点から、短時間硬化、無溶剤、一液性という特徴がある光硬化型の接着剤が通常は用いられる。光硬化型の接着剤としては、ラジカル重合型とカチオン重合型があるが、ラジカル重合型は熱安定性、硬化速度には優れるものの、モノマー等の成分によるアウトガスが懸念、熱収縮が大きいなどの欠点があるため、有機EL用途にはカチオン重合型を用いることが多い。
光重合を起こすための光源は、通常のガラスフィルムを用いた有機EL素子ではUV光を用いるのが一般的であるが、基材フィルムとして、透明樹脂フィルムを用いる場合、樹脂フィルムのUV吸収があるため、UV光量を極めて高出力にしなければならないため、可視光で重合するように設計するのが好ましい。
カチオン硬化型接着剤としてはエポキシ系接着剤が一般的である。エポキシ系の特徴としては、酸素による硬化阻害が無いこと、種々の反応性基が使用可能であり、用途に応じて様々に構造を改良することが可能である。エポキシ樹脂は開環反応で硬化するため、硬化時に揮発分が発生しないということも大きなメリットである。また、流動性に優れた状態から固化し、硬化収縮も少ないため取り扱い性に優れている。エポキシ樹脂の硬化物は強固で安定な結合で架橋した構造をとるため、機械的特性、熱的特性、耐水性、対薬品性、電気特性などにも優れている。
エポキシ系接着剤に用いられるエポキシ樹脂としては、グリシジルエーテル型、グリシジルエステル型、グリシジルアミン型、酸化型等いずれの公知の型を用いることができるが、グリシジルエーテル型が好ましい。また、グリシジルエーテル型の中では、脂環式エポキシ樹脂が更に好ましい。
エポキシ樹脂の例としては以下に示すものが用いられる。
Figure 2005235467
しかし、一般にエポキシ樹脂は比較的重合反応性が低く、硬いが脆いという、フレキシブルフィルムの接着剤としては欠点を有している。
特に脆いという欠点を解消する目的では古くから種々の試みがなされている。シリコーンやウレタン等のエラストマーよる変性が盛んに行われているが、一般に耐熱性の低下やガスバリア性の低下を伴う場合が多く、それだけでは十分な性能を得ることは難しい。
近年、例えば液晶構造の導入、その他の高分子材料とのポリマーアロイなどが行われている。特にシリル基末端オリゴマーを用いた微粒子分散型エポキシ樹脂による強靱化手法は特に優れたものである。
また最近、耐熱性を付与するために、エポキシ樹脂の熱に弱い部位にポリアルコキシシランをグラフト化したコンポセラン(荒川化学工業製)も好ましいものである。
また、水蒸気透過性の改良として、最も効果が大きいのは、硬化後の樹脂に含まれる水酸基等の親水性基を減らすことであるが、これは架橋密度を著しく低下させるため、力学特性を低下させたり、耐熱性を損なったりする。これを解決する方法として、ジシクロペンタジエンのような剛直骨格をエポキシ樹脂の分子構造中に有するものが好ましい。
主に強靱性の付与、熱膨張係数低減(耐熱性)のために、無機のフィラーをエポキシ樹脂に混ぜることも好ましい。無機のフィラーとしては、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、アルミナ、シリカ、酸化チタン、カオリン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、タルク、マイカ、ウオラストナイト、セピオライト、スメクタイト、ガラスフレーク等の微粒子を添加することができる。
更に強靱性、熱膨張の改良のために、ゾルゲル法を用いてシリカをエポキシネットワーク中に分散させる方法も好ましい。
エポキシ樹脂の硬化反応速度を大幅に改善する試みとして、エポキシ環に代わってオキセタン環を有する光硬化樹脂が特開平7−173279号に開示されている。オキセタン樹脂は重合速度が速いだけでなく、架橋密度が大きいために、強靱な硬化物が得られるため、有機EL用接着剤の基材として優れている。
オキセタン樹脂として、好ましい化合物としては下記式(2)で表される化合物を挙げることができる。
式(2)
Figure 2005235467
ここで、式(2)において、mは2〜4の整数であり、Zは酸素原子または硫黄原子である。R3は水素原子、フッ素原子、炭素数1〜6個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基)、ならびに、炭素数1〜6個のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基またはフリル基である。
4は、例えば下式(3)で示される炭素数1〜12の線形または分枝アルキレン基、線形あるいは分枝ポリ(アルキレンオキシ)基がある。
式(3)
Figure 2005235467
上記式(3)において、R5はメチル基、エチル基またはプロピル基等の低級アルキル基である。
4は、また、下記式(4)、(5)および(6)からなる群から選択される多価基でもある。
式(4)
Figure 2005235467
式(4)において、nは0または1〜10の整数である。R6及びR7は、炭素数1〜10個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基)であり、*は、下記式(7)に連結する。
式(7)
Figure 2005235467
式(7)においてjは0または1〜10の整数であり、R8は1〜10個の炭素原子を有するアルキルである。R9は炭素数1〜10のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基)である。
式(5)
Figure 2005235467
式(5)において、R2は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10個のアルコキシ基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基)、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、低級アルキルカルボキシレート基またはカルボキシル基である。
式(6)
Figure 2005235467
式(6)において、R10は酸素原子、硫黄原子、NH、SO、SO2、CH2、C(CH32またはC(CF32である。
本発明では、上記式(2)においてR3が低級アルキル基(炭素数:1〜6)のものが好ましく、エチル基のものがより好ましい。R4としては、式(5)においてR2が水素原子である基、ヘキサメチレン基、式(3)においてR5がエチル基のものが好ましい。Zは好ましくは酸素原子である。また、式(7)において、R8およびR9は好ましくはメチル基である。
本発明では、分子内に2個以上のオキセタニル基を有する化合物を用いることが好ましい。好ましい具体例としては、式(8)および式(9)の化合物を挙げることができる。
式(8)
Figure 2005235467
式(8)において、rは2〜100の整数であり、R11は炭素数1〜4のアルキル基またはトリアルキルシリル基である。R12は(1〜10の炭素原子を有するアルキル基)であり、R13は(1〜6の炭素原子を有するアルキル基)である。式(8)は、好ましくは式(10)の化合物である。
式(10)
Figure 2005235467
式(10)において、Y1、Y2、Y3は各々、水酸基、炭素数1〜4のアルキコキシ基もしくは、Y1〜Y3を酸素原子としたときの他の式(10)の原子のY1〜Y3をさす。R13は、式(8)におけるものと同義である。式(10)の具体例としては式(11)に表されるシルセスキオキサンを挙げることができる。
式(11)
Figure 2005235467
式中Rは式(12)であらわされる基をさす。
Figure 2005235467
式(9)
Figure 2005235467
(9)
式(9)中、R14は、(1〜6の炭素原子を有するアルキル基)を表す。
式(11)に例示されるシルセスキオキサン化合物は、接着性、硬化前後の低体積収縮率層の低熱変形性、耐熱性の観点から最も好ましく用いられる。これらのモノマーは適宜単独で用いても2種類以上のモノマーを任意に混合して用いてもよい。
また、オキセタン樹脂はエポキシ樹脂と任意の割合で混ぜることで、硬化速度を任意に調節することが可能である。
光硬化樹脂接着剤には光をトリガーとして硬化反応を開始させる光硬化型潜在性硬化剤を含むことができる。カチオン重合型エポキシまたはオキセタン樹脂の場合、通常、光酸発生剤が好ましい。
光酸発生剤としては、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩などが知られているが、トリアリールスルホニウム塩が最も一般的である。
また、増感剤として光ラジカル生成する化合物の併用が好ましい。増感剤としては、芳香族ケトン、フェノチアジン、ジフェニルアントラセン、ルブレン、キサントン、チオキサントン誘導体、クロロチオキサントン等が用いられるが、チオキサントン誘導体が好ましい。
本発明の接着剤には、上記に述べた無機粒子、硬化剤の他に硬化促進剤、各種カップリング剤、消泡剤、低応力化剤、ゴム粒子、顔料などを適宜添加することができる。
これらの添加剤を、攪拌機を用いて接着剤用基材樹脂に均一に混合することにより接着剤組成物を得る。攪拌は通常常温で行うが、発熱を伴う場合は冷却し、また粘度が高くて攪拌効率が悪い場合には加温してもよいが、一液タイプの場合、通常冷却するのが好ましい。
接着作業に入る前に、被接着部分の汚れの除去や各種表面処理を施すことが好ましい。洗浄には通常、水、界面活性剤水溶液などの水系、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、HCFC−125.225などのフッ素系溶剤、イソパラフィン、ナフテンなどの炭化水素系溶剤などが用いられるが、洗浄性、乾燥性の観点からアルコール類が好ましい。
また、異物を機械的に除去する方法として、研磨も用いられる。研磨にはサンドペーパー、バフ、ベルトサンダー、サンドブラスト、ワイヤーブラシなどが用いられるが、高圧液体の噴射による方法も好ましい。
被接着表面を酸、アルカリ、酸化剤等の化学薬品で処理し、汚れを除去すると同時に表面を親水化する方法も行われる。
最も良く行われるのは、コロナ、プラズマ、UVオゾンなどの活性ガスを用いて表面を改質する方法である。これは汚れを除去するためでもあるが、主に表面への酸素の導入にある。
上記に述べた洗浄、研磨、化学薬品処理、活性ガス処理は単独でも良いが、組み合わせることでより効果を高めることができる。
本発明の接着剤を必要な箇所に塗布する方法としては、スパチュラ、コテ、刷毛、オイラー、浸漬などの手作業による方法や、ディスペンサー、アプリケーター、スクリーン印刷、ピン転写、スプレー、ロールコート、フローコートなどの機械作業による方法が用いられるが、通常の工程では機械作業による方法が採られる。
紫外吸収を有する透明樹脂フィルム上に作られた有機EL素子を接着剤で封止する場合、可視光硬化システムを使う方が有利である。その他に、有機EL構造体が紫外光の曝露によってダメージを受けるのを防止する意味でも有利であり、更には接着剤自身の紫外吸収により内部が硬化され難い点を解消し、厚膜硬化性を付与できるという点でも、このシステムは優れている。
可視光によるラジカル重合開始剤としては、芳香族ケトン、カンファーキノン、ケトクマリン等の水素引き抜き型、トリス(トリクロロメチル)トリアジン等のハロゲン化合物、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物、ヘキサアリールビスイミダゾール化合物、シアニンボレート等の硼素化合物、N−フェニルグリシン、ビスペンタジエニルチタニウムージ(ペンタフルオロフェニル)等の有機金属化合物が知られている。これらのラジカル発生剤をアクリル系の光硬化型接着剤に使用することもできるが、上記の光硬化型潜在硬化剤と併用して、光カチオン重合型のエポキシ樹脂やオキセタン樹脂に適用するのが好ましい。
光重合開始剤を用いたときは活性エネルギー線を照射して開始させる。紫外線を照射する場合には、様々な光源を使用することができ、例えば水銀アークランプ、キセノンアークランプ、蛍光ランプ、炭素アークランプ、タングステンーハロゲン輻射ランプおよび日光による照射光で硬化させることができる。また、可視光を照射する場合、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、太陽光等を用いることができる。
本発明において、可視光硬化型接着剤とは、実質的に400nm〜700nmの可視光によって硬化するものを言うが、紫外光との併用でも、赤外光との併用でも良い。硬化に要する光エネルギーの50%以上が可視光により与えられるものを可視光硬化型接着剤と言う。
接着剤には、以下の水分吸収剤、不活性液体を含むことができる。また、充填層中には力学特性を改善するために、無機粒子を含んでも良い。
水分吸収剤としては、特に限定されることはないが例えば酸化バリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、五酸化燐、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化銅、フッ化セシウム、フッ化ニオブ、臭化カルシウム、臭化バナジウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、酸化マグネシウム等を挙げることができる。不活性液体としては、特に限定されることはないが例えば、パラフィン類、流動パラフィン類、パーフルオロアルカンやパーフルオロアミン、パーフルオロエーテル等のフッ素系溶剤、塩素系溶剤、シリコーンオイル類が挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
(試料Aの作製)
以下、図1に従って説明する。
<基材フィルムの作製>
下記に示す樹脂化合物(I)を15質量%になるようにジクロロメタン溶液に溶解し、ダイコーティング法によりステンレスバンド上に流延した。
次いで、バンド上から第一フィルムを剥ぎ取り、残留溶媒濃度が0.08質量%になるまで乾燥させた後、両端をトリミングし、ナーリング加工した後、巻き取り、厚み100μの基材フィルム1を作製した。
樹脂化合物(I)
Figure 2005235467
<第1無機層の製膜>
市販のロールトゥーロール方式のスパッタリング装置を用いた。具体的には、ターゲットとしてSiをセットし、放電電源としてパルス印加方式のDC電源を用意した。真空ポンプを起動し、真空槽内を10-4Pa台まで真空引きし、放電ガスとしてアルゴンを、反応ガスとして酸素を導入した。雰囲気圧力が安定したところで放電電源をONし、放電電力5kWでSiターゲット上にプラズマを発生させ、製膜圧力を0.030Paまで下げてからスパッタリングプロセスを開始した。このときの電圧値は610Vであった。この電圧値を設定値として、放電電圧が遷移領域において設定値よりも小さい場合は酸素流量を増加させ、放電電圧が遷移領域において設定値よりも大きい場合は酸素流量を減少させるように、制御器より圧電素子バルブユニットに指令を出すことで放電電圧を一定に保つように制御した。このようにして厚み50nmのSiOx層である第1無機層2を基材フィルム上に形成させた。この状態の試料1Aとした。
<第1樹脂層の製膜>
特開2000−264969公報の段落番号〔0056〕〜〔0057〕に記載の方法で合成した3−エチル−3−[3−(トリエトキシシリル)プロピルオキシメチル]オキセタン12.37g、水酸化テトラメチルアンモニウムの10%水溶液1.05g、水1.14g、1,4−ジオキサン300mLを、撹拌しながら16時間加熱還流させた。次に、溶媒部分の200mLを減圧留去して反応系を濃縮し、6時間反応させた。その後、溶媒等を減圧留去し、200mLのトルエンで溶媒置換を行った。さらにその後、水洗、脱水して目的物を得た。GPCとNMRにより平均分子量(Mn)約2,000のオキセタニル基含有のシルセスキオキサン化合物が得られたことを確認した。
上記シルセスキオキサン化合物100部に、重合開始剤としてジフェニル−4−チオフェノキシスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート2部を添加混合した塗布用組成物を試料(1A)上に塗布し、膜厚が約4μmとなるようにバーコートした(第1の樹脂層3)。得られた基材に、395Wの高圧水銀灯を利用した紫外線照射装置(ハリソン東芝ライティング社製、トスキュア401)を用い、大気中で照射強度70mJ/cm2で紫外線照射した。組成物が十分反応する照射量(2000mJ/cm2、FT−IRにて確認)の紫外線照射をして硬化を行った。この状態の試料を2Aとした。
<第2無機層の製膜>
基材上ではなく、2A上に製膜した以外は、第1無機層の製膜と全く同じ方法で第2無機層4を設置した。この状態の試料を3Aとした。
<第2樹脂層の製膜>
1A上にではなく、3A上に製膜した以外は、第1樹脂層の製膜と全く同じ方法で第2樹脂層5を設置した。この状態の試料を4Aとした。4Aは、本発明でいうところのガスバリア性積層フィルムの一例に相当する。
<ガスバリア性積層フィルムの表面処理>
ガスバリア性積層フィルム4AをIPAで洗浄した後、UV−オゾン表面処理を実施した。こうして得られた状態のガスバリア性積層フィルムを5Aとする。
<有機EL素子の作製>
ガスバリア性積層フィルム(5A)を真空チャンバー内に導入し、IXOターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタリングにより、厚さ0.2μmのIXO薄膜からなる透明電極6を形成した。透明電極(IXO)より、アルミニウムのリ−ド線を結線し、積層構造体を形成した。
透明電極の表面に、ポリエチレンジオキシチオフェン・ポリスチレンスルホン酸の水性分散液(BAYER社製、BAYTRON P:固形分1.3質量%)をスピンコートした後、150℃で2時間真空乾燥し、厚さ100nmのホール輸送性有機薄膜層7を形成した。これをフィルムXと呼ぶ。
一方、厚さ188μmのポリエーテルスルホン(住友ベークライト(株)製、スミライトFS−1300)からなる仮支持体8の片面上に、下記組成物を有する発光性有機フィルム層用塗布液を、スピンコーターを用いて塗布し、室温で乾燥することにより、厚さ13nmの発光性有機フィルム層9を仮支持体上に形成した。これを転写材料Yとする。
発光性有機フィルム層用塗布液の組成
ポリビニルカルバゾール(Mw=63000、アルドリッチ社製): 40質量部
トリス(2-フェニルピリジン)イリジウム錯体(オルトメタル化錯体):1質量部
ジクロロエタン: 3200質量部
フィルムXの有機薄膜層の上面に転写材料Yの発光性有機フィルム層側が接するように重ね、一対の熱ローラーを用い160℃、0.3MPa、0.05 m/minで加熱・加圧し、さらに、仮支持体を引き剥がすことにより、フィルムXの上面に発光性有機フィルム層を形成した。これをフィルムXYとする。
また、25mm角に裁断したもう一枚のガスバリア性積層フィルム(5A)上に、パターニングした蒸着用のマスク(発光面積が5mm×5mmとなるマスク)を設置し、約0.1 MPaの減圧雰囲気中でAlを蒸着し、膜厚0.3μmの電極10を形成した。LiFターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタリングにより、LiF11をAl層と同パターンで蒸着し、膜厚3nmとした。Al電極よりアルミニウムのリード線を結線し、積層構造体を形成した。得られた積層構造体の上に下記組成を有する電子輸送性有機薄膜層用塗布液をスピンコーター塗布機で塗布し、80℃で2時間真空乾燥することにより、厚さ15 nmの電子輸送性有機薄膜層12をLiF上に形成した。これをフィルムZとする。
電子輸送性有機薄膜層用塗布液
ポリビニルブチラール2000L(Mw=2000、電気化学工業社製):
10質量部
1−ブタノール: 3500質量部
下記構造を有する電子輸送性化合物: 20質量部
Figure 2005235467
<重ね合わせ>
グローボックス内で、フィルムXYとフィルムZを用い、電極同士が発光性有機フィルム層9を挟んで対面するように重ね合せた。重ね合わせの際、フィルムXY表面の周辺部には、直径5μmのガラス球をスペーサーとして含む下記接着剤(II)を専用ディスペンサーにて均一に付与した。フィルムZを重ねた後、均等に加圧し貼り合せた後、395Wの高圧水銀灯を利用した紫外線照射装置(ハリソン東芝ライティング社製トスキュア401)を用い、積算光量が6000mJ/cm2になるよう紫外線照射して硬化させ、本発明有機EL素子試料(A)を得た。
なお、グローボックス内の雰囲気は水分濃度30ppm以下、酸素濃度30ppm以下の窒素ガス雰囲気であった。
<接着剤(II)の調製>
本発明の接着剤(II)は以下の組成で配合した。
接着剤樹脂(I)オキセタニル基含有のシルセスキオキサン化合物
(上記バリア樹脂層の製膜に記載と同様の方法にて合成)100g
ジフェニルー4−チオフェノキシスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート
5g
イルガキュア184(チバガイギ製) 1g
メチルハイドロキノン 0.05g
ST86PA(東レダウコーニングシリコーン製) 0.01g
(本発明試料Bの作製)
本発明試料Aにおいて、ガスバリア性積層フィルム(4A)を、UV−プラズマ処理を行わず、(5A)の代わりにそのまま次の行程に使用した以外は、本発明試料Aと同様に作製した。
(本発明試料Cの作製)
本発明試料Aにおいて、接着剤(II)中の接着剤樹脂(I)の代わりに、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル(東亞合成製、OXT−221)を配合した接着剤(III)を用いた以外は、本発明試料Aと同様に作製した。
(本発明試料Dの作製)
本発明試料Aにおいて、接着剤(II)の代わりに下記接着剤(IV)を用いた以外は、本発明試料Aと同様に作製した。
<接着剤(IV)の調製>
下記、成分を混合し、接着剤(IV)を調製した。
オキセタニル基含有のシルセスキオキサン化合物 50g
エピクロン1050(大日本インキ製) 20g
16H−DGE(阪本薬品製) 30g
PHOTOINITIATOR−2074(ローディア製) 1.0g
L−7604(日本ユニカー製) 0.2g
(比較試料Eの作製)
本発明試料Aにおいて、接着剤(II)の代わりに、接着剤としてナガセケムテックス社製XNR5493を用いた以外は試料Aと同様に作製した。
(比較試料Fの作製)
本発明試料Aにおいて、ガスバリア性積層フィルム(5A)の代わりに、基材フィルム上に第1無機層のみを形成した試料(1A)の状態で、その上に有機EL構造体を形成した以外は試料Aと同様に作製した。
(比較試料Gの作製)
本発明試料Aにおいて、ガスバリア性積層フィルム(5A)の代わりに、基材フィルム上に第1樹脂層のみを形成した状態で、その間に有機EL構造体を形成した以外は試料Aと同様に作製した。
(比較試料Hの作製)
本発明試料Aのガスバリア性積層フィルム(5A)の代わりに、東洋紡積(株)の透明バリアフィルムVC100を用いて、その間に有機EL構造体を形成した以外は試料Aと同様に作製した。
本発明に関わる、接着剤やガスバリア性積層フィルムの物性測定は以下の方法で行った。
<接着剤の水蒸気透過率の測定>
各々の硬化前の接着剤をTHFに溶解させ、乾燥後で100μmの厚みになるよう、ダイコーティング法によりテフロン板(テフロン:登録商標)上に流延した。
次いで、テフロン板からフィルム状の接着剤を剥ぎ取り、残留溶媒濃度が0.05質量%になるまで乾燥させ、接着剤フィルムを得た。この接着剤フィルムを、395Wの高圧水銀灯を利用した紫外線照射装置(ハリソン東芝ライティング社製、トスキュア401)を用い、積算光量が6000mJ/cm2になるよう紫外線照射して硬化させ、硬化接着剤フィルムを作製した。
この硬化後接着剤フィルムを使って、水蒸気の透過率を求めた。水蒸気の透過率の測定は赤外吸収による方法(MOCON法)にて行った。
同様にガスバリア性積層フィルムおよびそれに準ずる基材フィルムについても同様に水蒸気透過率を測定した。
<接着剤の硬化収縮率の測定>
片側だけ固定した厚さ300μmのポリスチレンの板の自由端に、厚さ150μmの厚みで接着剤を塗布し、これに紫外光を6000mJ/cm2になるよう照射すると、接着剤が硬化する際の収縮のため、ポリスチレンの板ごと反る。この反った変位量をレーザー変位形で計測し、その反り量から収縮率を計算した。
<水の接触角測定>
ガスバリア性積層フィルム、それに準ずる基材フィルム、硬化後接着剤フィルムについて、25℃にて純水の接触角を測定した。接触角の測定には協和界面科学製接触角計CA−X型を用いた。
(試料の評価結果)
本発明試料、比較試料に関わる上記物性結果を下記表1に示した。
Figure 2005235467
表1中、Vbは、基板フィルムの40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率であり、単位はg/m2・dayである。Vaは、接着剤フィルムの40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率であり、単位はg/m2・dayである。θbは、フィルムに対する25℃60%における水の接触角であり、単位は度である。θaは、接着剤フィルムに対する25℃60%における水の接触角であり、単位は度である。αaは、接着剤の硬化収縮率であり、単位は%である。また、表中の<は、表示されている数字より小さいことを示す。
(有機EL素子の経時性能評価)
これらの有機EL素子を、50℃、相対湿度90%の環境下に設置し、100V、400Hzの交流電源に接続して連続点灯させ、その輝度の変化を測定した。実験開始直後の輝度を100%とし、100時間後と1000時間後の輝度を%で表した。
経時性の評価結果を以下の表2に示した。ガスバリア性積層フィルムを用い、且つ接着剤の水蒸気透過度を低く抑えることで、有機EL素子の寿命を大幅に延ばせることが明らかになった。また、フィルムと接着剤に対する水の接触角を調整することで、更に寿命が延ばせることが分かる。接着剤の硬化収縮率も低く抑えることが経時安定性に需要であることが分かる。
Figure 2005235467
本発明の実施例で作製するフィルムの概略図を示す。
符号の説明
1 基材フィルム
2 第1無機層
3 第1樹脂層
4 第2無機層
5 第2樹脂層
6 透明電極
7 ホール輸送性有機薄膜層
8 仮支持体
9 発光性有機フィルム層
10 AL電極
11 LiF
12 電子輸送性有機薄膜層

Claims (4)

  1. 少なくとも、第一の積層フィルムと、第二の積層フィルムと、前記第一の積層フィルムと前記第二の積層フィルムの間を封止する接着剤とからなり、
    前記第一の積層フィルムは、第一のガスバリア性積層フィルムと、該第一のガスバリア性積層フィルム上に設けられた、電極及び有機発光材料を含む発光性有機フィルムを有し、
    前記第二の積層フィルムは、第二のガスバリア性積層フィルムと、該第二のガスバリア性積層フィルム上に設けられた電極を含み、かつ、前記第一の積層フィルムの前記発光性有機フィルムに近い側に対向して配置されており、
    前記第一のガスバリア性積層フィルム及び前記第二のガスバリア性積層フィルムは、それぞれ、基材フィルムと、該基材フィルム上に設けられた、少なくとも1層の無機層と少なくとも1層の樹脂層とからなり、
    且つ、前記接着剤の膜厚が100μmであるときの水蒸気透過率が、40℃、相対湿度90%条件下で5g/m2・day以下であることを特徴とする有機EL素子。
  2. 前記第一の積層フィルムの接着剤と接している側の表面および前記第二の積層フィルムの接着剤と接している側の表面の、25℃、相対湿度60%における水との接触角が、いずれも、0〜50度の範囲にあり、且つ前記接着剤硬化後の25℃、相対湿度60%における水との接触角が、いずれも、0〜80度の範囲にあることを特徴とする、請求項1に記載の有機EL素子。
  3. 前記接着剤の硬化に伴う収縮率が5%以下であることを特徴とする、請求項1または2の有機EL素子。
  4. 前記接着剤が可視光硬化型であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかの有機EL素子。
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