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JP5206244B2 - 冷延鋼板 - Google Patents

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Description

本発明は、冷延鋼板に関し、具体的には、主として自動車等の産業分野で使用される引張強度が780MPa以上で板厚が2.0mm以上の冷延鋼板に関する。
近年、自動車用鋼板の分野においては、燃費の向上および耐衝突特性の向上のため、引張強度が780MPa以上の高強度鋼板の適用が拡大しつつある。特にますます厳格化されつつある耐衝突特性を確保するため、板厚2.0mm以上の厚物の高強度鋼板が必要となってきている。しかも、プレス成形後の部材の寸法精度の観点から、板厚精度に優れる冷延鋼板が要望されている。
ところで、引張強度が780MPa未満の高強度鋼板については、高強度化に伴って劣化する延性を向上させるため、これまでに多くの提案がなされている。例えば、降伏比を低下させ延性を向上させた、フェライトとマルテンサイトの2相からなるDP鋼が提案されている。また、さらに伸び特性を改善させた、フェライト、ベイナイトおよび残留オーステナイトからなる、いわゆるTRIP鋼が提案されている。
しかし、引張強度を780MPa以上へ高強度化すると曲げ性の劣化が顕在化してくるため、これらの技術の延長では厳しい成形性が要求される自動車用鋼板を製造することが困難であった。特に、耐衝突性能確保のために厚肉化すると、薄物の場合と同じ金型Rを適用したのでは曲げ成形が過酷な条件となるため、薄物の場合に比して金型Rを大きくせざるを得ず、これにより設計の自由度が低下するなどの問題があった。
これに対し、例えば、特許文献1には、ベイナイト主体の鋼組織にすることで伸びフランジ性を改善する方法が開示され、特許文献2には、フェライト相と低温変態相の分率を最適化し硬さの差を小さくすることで伸び特性と伸びフランジ特性、さらに曲げ特性を良好とする方法が開示され、さらに、特許文献3には、鋼板表層に軟質層を有することで曲げ性および伸びフランジ性を向上させる方法が開示されている。
上記公報において提案されている技術は、板厚2.0mm以上の厚物高強度冷延鋼板において延性と曲げ性とを高次に両立させるための配慮がなされていない。このため、厚物に適用すると成形性が劣るようになったり、焼鈍工程において著しい急冷を必須とするために熱応力が大きく板厚2.0mm以上の厚物鋼板では平坦の悪化が顕著となったりする。このため、板厚2.0mm以上の厚物高強度冷延鋼板への適用が困難であった。
一方、板厚を考慮した高強度冷延鋼板の製造方法としては、特許文献4には、板厚、成分含有量、温度条件、目標引張強度の関係式から求めた条件で製造する方法が開示されている。
特開平7−188767号公報 特開2005−171321号公報 特開2005−273002号公報 特開2003−277832号公報
しかし、特許文献4により開示された発明は、引張強度が考慮されているのみであり、厚物高強度冷延鋼板に必要とされる延性と曲げ性について何ら配慮されていないために、実用には不十分であった。
このようなことから、本発明が目的とするのは、上述したような従来の技術の問題点を解決し、780MPa以上の高い引張強度と2.0mm以上の厚い板厚を有しながら、良好な伸びと曲げ性とを有する冷延鋼板を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、780MPa以上の高い引張強度と2.0mm以上の厚い板厚とを有しながら、良好な伸びと曲げ性とを有する冷延鋼板は、著しい急冷を用いない平坦の確保が容易な製造条件であっても、鋼板の化学組成と鋼組織とを調整することにより得られること、そして、鋼板の化学組成と冷間圧延条件および焼鈍条件を調整することでかかる鋼組織を実現できることを知見し、本発明はこの知見に基づいて完成されたものである。
本発明は、C:0.08%以上0.20%以下(以下、特に断りがない限り化学組成に関する「%」は「質量%」を意味する)、Si:1.0%以下、Mn:1.8%以上3.0%以下、P:0.1%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.005%以上0.5%以下、N:0.01%以下およびTi:0.02%以上0.2%以下を含有し、残部Feおよび不純物からなる化学組成を有し、体積%で、フェライト:10%以上、ベイナイト:20%以上70%以下、残留オーステナイト:3%以上20%以下およびマルテンサイト:0%以上20%以下からなるとともに、フェライトの平均粒径が10μm以下、ベイナイトの平均粒径が10μm以下、残留オーステナイトの平均粒径が3μm以下およびマルテンサイトの平均粒径が3μm以下である鋼組織を有し、引張強度(TS)が780MPa以上、引張強度(TS)と全伸び(El)との積(TS×El値)が14000MPa・%以上、かつ曲げ試験における最小曲げ半径が1.5t以下(t:板厚)である機械特性を有し、板厚が2.0mm以上であることを特徴とする冷延鋼板である。
この本発明に係る冷延鋼板は、化学組成が、Feの一部に代えて、Cr:1%以下、Mo:1%以下、Nb:0.1%以下、V:1%以下、Cu:1%以下、Ni:1%以下およびB:0.005%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上を含有することが好ましい。
これらの本発明に係る冷延鋼板は、表面にめっき層を有することが好ましい
本発明によれば、780MPa以上の高い引張強度と2.0mm以上の厚い板厚とを有しながら、良好な延性と曲げ性とを具備する冷延鋼板が得られるのであり、かかる冷延鋼板は厳しい成形性と寸法精度とが要求される自動車用高強度鋼板として好適であるので、産業上極めて有益である。
以下、本発明において鋼板の化学組成、鋼組織、機械特性および製造条件を上記のように限定した理由を、その作用とともに説明する。なお、以下の説明では、化学組成を表す「%」は「質量%」を意味し、鋼組織の割合を表す「%」は「体積%」を意味する。
(1)化学組成
C:0.08%以上0.20%以下
Cは、鋼板の強度を高める作用を有し、本発明においては780MPa以上の引張強度を確保するために重要な元素である。C含有量が0.08%未満では、780MPa以上の引張強度を確保することが困難となる。したがって、C含有量を0.08%以上とする。一方、C含有量が0.20%超では、靱性や溶接性の低下が著しくなる。したがって、C含有量は0.20%以下とする。好ましくは0.18%以下である。
Si:1.0%以下
Siは、不純物として含有される元素であるが、鋼板の強度を高める作用も有するので積極的に含有させてもよい。しかしながら、Si含有量が1.0%超では表面性状の劣化が著しくなる。したがって、Si含有量は1.0%以下とする。
Mn:1.8%以上3.0%以下
Mnは、焼入れ性を高めて鋼板の強度を高める作用を有し、本発明においては780MPa以上の引張強度を確保するために非常に有効な元素である。Mn含有量が1.8%未満では780MPa以上の引張強度を確保することが困難となる。したがって、Mn含有量は1.8%以上とする。好ましくは2.0%以上である。一方、Mn含有量が3.0%超では、バンド組織が発達して曲げ性の低下が著しくなる。したがって、Mn含有量は3.0%以下とする。好ましくは2.7%以下である。
P:0.1%以下
Pは、一般に不純物として含有される元素であるが、固溶強化により鋼板の強度を高める作用も有するので積極的に含有させてもよい。しかしながら、P含有量が0.1%超では、靱性の劣化が顕著となる。したがって、P含有量は0.1%以下とする。
S:0.01%以下
Sは、不純物として含有される元素であり、鋼中にMnSを形成して曲げ性を劣化させる作用を有する。S含有量が0.01%超では、曲げ性の劣化が顕著となるので、S含有量は0.01%以下とする。好ましくは0.004%以下、さらに好ましくは0.002%以下である。
sol.Al:0.005%以上0.5%以下
Alは、脱酸剤として添加され、鋼を健全化する作用を有する元素である。sol.Al含有量が0.005%未満では脱酸が不十分となる。したがって、sol.Al含有量は0.005%以上とする。一方、sol.Al含有量が0.5%超では、上記作用による効果が飽和してしまい、いたずらにコストが嵩むので、sol.Al含有量は0.5%以下とする。
N:0.01%以下
Nは、不純物として含有される元素であり、鋼中に粗大な窒化物を形成して曲げ性を劣化させる。N含有量が0.01%超では、曲げ性の劣化が顕著となるので、N含有量は0.01%以下とする。
Ti:0.02%以上0.2%以下
Tiは、CやNなどと結合し、あるいはさらに複合化して、微細析出物を形成することにより鋼組織を細粒化し、これにより曲げ性を向上させる作用を有する重要な元素である。Ti含有量が0.02%未満では、上記作用による効果が十分に得られない。したがって、Ti含有量は0.02%以上とする。一方、Ti含有量が0.2%超では、上記作用による効果が飽和してしまい、いたずらにコストが嵩む。したがって、Ti含有量は0.2%以下とする。
Cr:1%以下、Mo:1%以下、Nb:0.1%以下、V:1%以下、Cu:1%以下、Ni:1%以下およびB:0.005%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上
これらの任意元素は、いずれも、鋼板の強度を高める作用も有するので、780MPa以上の引張強度をより安定して確保するために、これらの元素を単独で、もしくは二種以上を複合して積極的に含有させてもよい。しかしながら、各元素の含有量が上記範囲を超えると、上記作用による効果が飽和してしまい、いたずらにコストが嵩むので、これらの元素を含有する場合にはその含有量を上記範囲内とすることが好ましい。また、このような効果を確実に得るためには、Cr:0.1%以上、Mo:0.05%以上、Nb:0.005%以上、V:0.01%以上、Cu:0.1%以上、Ni:0.1%以上、B:0.0003%以上含有することが好ましい。
上記以外は、Feおよび不純物である。
(2)鋼組織
本発明に係る冷延鋼板の鋼組織は、体積%で、フェライト:10%以上、ベイナイト:20%以上70%以下、残留オーステナイト:3%以上10%以下、およびマルテンサイト:0%以上20%以下からなるとともに、フェライトの平均粒径が10μm以下、ベイナイトの平均粒径が10μm以下、残留オーステナイトの平均粒径が3μm以下およびマルテンサイトの平均粒径が3μm以下である。
鋼組織を上記のようにすることによって、板厚が2.0mm以上と厚く、780MPa以上の高い引張強度を有しながら、TS×El値が14000MPa以上かつ最小曲げ半径が1.5t以下という良好な延性と曲げ性とを備えることが可能になる。
フェライトの体積率が10%未満では、TS×El値を14000MPa・%以上とすることが困難となる。したがって、フェライトの体積率は10%以上とする。本発明においては、後述するベイナイトおよび残留オーステナイトにより780MPa以上の引張強度を確保するので、また、軟質で加工性に富むフェライトの割合が増加しても加工性を劣化させることはないので、フェライトの体積率の上限を規定する必要はない。
また、ベイナイトの体積率が20%未満では、780MPa以上の引張強度を確保することが困難となる。780MPa以上の引張強度を確保するためにマルテンサイトの割合を高めることが考えられるが、そのようにすると曲げ性が劣化してしまい最小曲げ半径を1.5t以下とすることが困難となる。したがって、ベイナイトの体積率は20%以上とする。一方、ベイナイトの体積率が70%超では、延性の劣化が著しくなる。したがって、ベイナイトの体積率は70%以下とする。
残留オーステナイトの体積率が3%未満では、良好な延性を確保することが困難となる場合がある。したがって、残留オーステナイトの体積率は3%以上とする。一方、残留オーステナイトの体積率が20%超では、加工変形時に塑性誘起変態で生じた硬質なマルテンサイトが曲げ性を著しく劣化させる。したがって、残留オーステナイトの体積率は20%以下とする。
本発明においては、ベイナイトおよび残留オーステナイトにより780MPa以上の引張強度を確保するので、マルテンサイトの含有は必須ではない。しかし、マルテンサイトを含有させることにより鋼板の強度を高めることができるので含有させても構わない。ただし、マルテンサイトの体積率が20%超では曲げ性の劣化が著しくなる。したがって、マルテンサイトの体積率は20%以下とする。
また、フェライト平均粒径が10μmを超える場合、ベイナイト平均粒径が10μmを超える場合、残留オーステナイトの平均粒径が3μmを超える場合、または、マルテンサイトの平均粒径が3μmを超える場合は、曲げ変形時にこれらの粒界にかかる応力が大きくなり、亀裂の発生および伝播をもたらすため、曲げ性が劣化する。したがって、フェライトの平均粒径を10μm以下、ベイナイトの平均粒径を10μm以下、残留オーステナイトの平均粒径を3μm以下およびマルテンサイトの平均粒径を3μm以下とする。
(3)機械特性および板厚
本発明の冷延鋼板の機械特性は、引張強度(TS)が780MPa以上、引張強度(TS)と全伸び(El)との積(TS×El値)が14000MPa・%以上、かつ曲げ試験における最小曲げ半径が1.5t以下(t:板厚)であり、板厚は2.0mm以上である。
引張強度(TS)が780MPa未満では、強度が低いためそもそも曲げ性が良好であり、板厚が2.0mm未満では、設計の自由度を確保するのに要する曲げ性のレベルがそもそも低いので、本発明により曲げ性を向上させる意義を有しない。したがって、引張強度(TS)は780MPa以上とし、板厚は2.0mm以上とする。引張強度(TS)が980MPa以上であると本発明の効果が一層顕著となるので、このような高強度冷延鋼板に本発明を適用することが好ましい。
引張強度(TS)と全伸び(El)との積(TS×El値)が14000MPa・%未満であったり、曲げ試験における最小曲げ半径が1.5t未満(t:板厚)であったりすると、厳しい成形性が要求される自動車用鋼板への適用が困難となる。したがって、引張強度(TS)と全伸び(El)との積(TS×El値)は14000MPa・%以上とし、曲げ試験における最小曲げ半径は1.5t以下(t:板厚)とする。
(4)製造方法
本発明の冷延鋼板は、後述する冷間圧延条件と焼鈍条件とを満足して製造されればよく、鋳造、熱間圧延および酸洗は常法によって行えばよい。すなわち、熱間圧延により得られた熱延鋼板に、必要に応じて平坦矯正のためのスキンパス圧延を施し、スケール除去のための酸洗を施して冷間圧延に供する。
(冷間圧延)
この冷間圧延における圧下率は30%以上60%以下とする。冷間圧延における圧下率が30%未満では、冷間圧延により導入される歪量が不足して焼鈍後の組織を微細化することが困難となり、鋼板の曲げ性が劣化する場合がある。したがって、冷間圧延における圧下率は30%以上とする。一方、冷間圧延における圧下率が60%超では、元々焼鈍後に780MPa以上の引張強度を確保するために冷間圧延に供する熱延鋼板の強度が高いことに加え、冷間圧延後の板厚が2.0mm以上と厚いために冷間圧延に供する熱延鋼板の板厚も厚くなるので、冷間圧延設備への負荷が過大となる。したがって、冷間圧延における圧下率は60%以下とする。
(焼鈍)
この冷間圧延により得られた冷延鋼板を、Ac点以上(Ac点+50℃)以下の温度域に240秒間以内滞在させ、次いで1℃/秒以上10℃/秒以下の平均冷却速度で680℃以上750℃以下の温度域まで冷却し、さらに20℃/秒以上50℃/秒以下での平均冷却速度で400℃以下の温度域まで冷却する。
冷延鋼板を滞在させる温度がAc点未満では、オーステナイトへ変態せずに粗大なままで残存するフェライト粒により曲げ性が劣化する。したがって、上記温度はAc点以上とする。一方、上記温度が(Ac点+50℃)超では、オーステナイトが粗大化してしまい、最終製品におけるベイナイト、マルテンサイト、残留オーステナイトの粒径が大きくなって曲げ性を劣化させる。したがって、上記温度は(Ac点+50℃)以下とする。
また、上記温度域に冷延鋼板を滞在させる時間が240秒間超では、オーステナイトが粗大化してしまい、最終製品におけるベイナイト、マルテンサイト、残留オーステナイトの粒径が大きくなって曲げ性を劣化させる。したがって、上記時間は240秒間以下とする。上記時間の下限は特に規定する必要はないが、オーステナイトへ変態せずに粗大なままで残存するフェライト粒を確実に消失させるために、10秒間以上とすることが好ましい。
680℃以上750℃以下の温度域までの平均冷却速度が1℃/秒未満では、フェライト変態が顕著になり過ぎてフェライト粒が粗大になるとともに、オーステナイトの安定化が進み過ぎて最終製品における残留オーステナイトが多くなり過ぎるために、曲げ性が劣化する。したがって、この平均冷却速度は1℃/秒以上とする。一方、この平均冷却速度が10℃/秒超では、フェライトの生成が不十分となってTS×El値が14000MPa・%未満となる場合がある。したがって、この平均冷却速度は10℃/秒以下とする。
さらに、400℃以下の温度域までの平均冷却速度が20℃/秒未満では、780MPa以上の引張強度を確保することが困難となる。したがって、この平均冷却速度は20℃/秒以上とする。一方、この平均冷却速度が50℃/秒超では、所定のベイナイト体積率や残留オーステナイト体積率を得られず、良好な延性と曲げ性とを両立することが困難となる。
(その他)
焼鈍により得られた鋼板には、必要に応じてさらに平坦矯正のため伸び率4%以下のスキンパスを付与しても何ら問題がない。
また、焼鈍により得られた鋼板の表面に亜鉛めっき等の表面処理を施しても何ら問題はない。表面処理が溶融めっきである場合には、生産性の観点から連続溶融めっき設備を用いることが好ましい。
このようにして本実施の形態によれば、780MPa以上の高い引張強度と2.0mm以上の厚い板厚とを有しながら、良好な延性と曲げ性とを具備する冷延鋼板を得ることができる。
さらに、本発明を、実施例を参照しながら具体的に説明する。
表1に示す化学組成を含有する鋼A〜Iを連続鋳造によりスラブとし、加熱炉に装入して加熱した後、表2に示す条件で熱間圧延を施して板厚3.6mmの熱延鋼板とした。上記熱延鋼板を2.3mmの板厚まで冷間圧延し(圧下率:36.1%)、表2に示す条件の連続焼鈍を施した。連続焼鈍後には、伸び率0.2%の調質圧延を施した。また、一部の試験材については、片面当り35g/mの付着量の電気亜鉛めっきをさらに施した。
このようにして得られた試番1〜15の試験材について、圧延直角方向からJIS5号引張試験片と曲げ試験片を採取し、引張試験および曲げ試験を実施した。引張試験はJIS法にしたがって実施し、降伏点(YP)、引張強度(TS)、全伸び(El)を求め、さらにTS×El値を算出して求めた。また、曲げ試験はJIS法にしたがって実施し、「亀裂が発生する限界曲げ半径×板厚」で評価した。さらに、走査型電子顕微鏡を用いて圧延方向の板厚断面の鋼組織を観察した。鋼組織および機械特性を調査した結果を表3に示す。
表3に示すように、試番1〜6の本発明例の冷延鋼板は、780MPa以上の高い引張強度と2.0mm以上の厚い板厚を有しながら、良好な延性と曲げ性とを具備している。
これに対し、試番7〜15は、本発明で規定する条件を満足しない比較例である。
試番7は、C含有量が本発明の規定より少なく、本発明の目的とする780MPa以上の引張強度を得ることができない。
試番8は、Mn含有量が本発明の規定より少ないため焼入れ性が足りず、本発明の目的とする780MPa以上の引張強度を得ることができない。
試番9は、Mn含有量が本発明の上限を超えて多いためバンド組織が顕著であるとともに、S、Nもそれぞれ本発明の規定より多くMnS、TiNの形成が顕著であるために、曲げ性が劣る。
試番10は、連続焼鈍における均熱温度がAc点未満であり、本発明の規定を超える粗大なフェライト粒が残存して曲げ性が劣る。
試番11は、Ac点以上(Ac点+50℃)以下の温度域の滞在時間が長いためオーステナイト粒が粗大化しているとみられ、結果的に最終組織の残留オーステナイトの粒径が大きくなって曲げ性が劣化している。
試番12は、均熱温度から680℃以上750℃以下の温度域までの冷却速度が遅いため、フェライト変態が顕著になり過ぎて粗大なフェライト粒が生成するとともに、オーステナイトの安定化が進み過ぎて最終製品の残留オーステナイトが多くなり過ぎ、曲げ性が劣る。
試番13は、均熱温度から680℃以上750℃以下の温度域までの冷却速度が速過ぎるため、フェライトの生成が不十分となって、良好な延性が得られていない。
試番14は、400℃以下の温度域までの冷却速度が遅く、本発明の目的とする780MPa以上の引張強度を得ることができない。
さらに、試番15は、400℃以下の温度域までの冷却速度が速く、ベイナイトが減少してマルテンサイトが多くなり、本発明の規定する組織から外れるため曲げ性が劣る。
Figure 0005206244
Figure 0005206244
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Claims (3)

  1. 質量%で、C:0.08〜0.20%、Si:1.0%以下、Mn:1.8〜3.0%、P:0.1%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.005〜0.5%、N:0.01%以下およびTi:0.02〜0.2%を含有し、残部Feおよび不純物からなる化学組成を有し、体積%で、フェライト:10%以上、ベイナイト:20〜70%、残留オーステナイト:3〜20%およびマルテンサイト:0〜20%からなるとともに、前記フェライトの平均粒径が10μm以下、前記ベイナイトの平均粒径が10μm以下、前記残留オーステナイトの平均粒径が3μm以下および前記マルテンサイトの平均粒径が3μm以下である鋼組織を有し、引張強度(TS)が780MPa以上、引張強度(TS)と全伸び(El)との積(TS×El値)が14000MPa・%以上、かつ曲げ試験における最小曲げ半径が1.5t以下(t:板厚)である機械特性を有し、板厚が2.0mm以上であることを特徴とする冷延鋼板。
  2. 前記化学組成が、Feの一部に代えて、質量%で、Cr:1%以下、Mo:1%以下、Nb:0.1%以下、V:1%以下、Cu:1%以下、Ni:1%以下およびB:0.005%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の冷延鋼板。
  3. 表面にめっき層を有することを特徴とする請求項1または2に記載の冷延鋼板。
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