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JP4360319B2 - 高張力溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法 - Google Patents

高張力溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、自動車車体用構造材のようにプレス成形、曲げ加工、スポット溶接等を施す用途に好適な高張力溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法に関する。
環境負荷削減のための自動車における燃費向上手段として、車両の軽量化が進められている。そのため、自動車用鋼板においては、軽量化と安全性を両立するため、引張強度(TS)が750MPa以上である高張力鋼板へのニーズが高まっている。
また高張力鋼板の用途も多岐に渡り、自動車構造用部品として使用される部位によって、延性、曲げ性、強度、降伏比、さらに溶接性などの特性を調整した材料が必要である。また防錆性を要求される部位での使用ニーズも増えており、それを実現するために溶融亜鉛めっき、あるいは合金化溶融亜鉛めっきを施した高張力鋼板が求められている。
高張力とするための鋼の強化手法としては固溶強化、析出強化、および変態強化があり、通常は複数の手法を組み合わせることによって所定の引張強度を達成する。これらの組合せのバランスによっては、同一引張強度であっても、降伏比、延性、曲げ性、溶融めっき密着性が異なる。従って、自動車用途として、上述の要求性能を満たすためには強化手法を適正にバランスさせることが重要である。
しかしながら、前述した強化機構をバランスさせて作成した超高強度鋼板に溶融亜鉛めっきを施し、曲げ加工を実施した場合、曲げの稜線に沿ってスジ状の凹凸が発生し、めっきの密着性および美観を著しく損ねる上、凹凸を起点としてワレが発生するという問題を生じる場合があった。
曲げ性を向上させる従来の発明として、例えば特許文献1では、焼き戻しマルテンサイトを得ることにより、曲げ加工性と高強度化を達成している。
特許文献2では、めっき層直下のC濃度に注目してめっき密着性の良好な高強度鋼板を得る方法が示されている。
特開平6−108152号公報 特開2002−88459号公報
しかしながら、特許文献1では、曲げ加工性は穴拡げ試験で評価される穴拡げ率による特性であって、めっき鋼板の曲げ表面に関する記述はない。また、特許文献2では、めっき層直下のC濃度を0.02%以下にする必要が有り、C濃度の高い鋼種で実現させるためには表面に脱炭層を生成させるプロセスが必要である。その製造方法の一例として鋼板を高い露点雰囲気で焼鈍することで脱炭する方法が示されているが、現在一般的に用いられている連続焼鈍ラインでは、雰囲気制御が困難で、目的の脱炭層を定量的かつ、安定的に得ることは困難である。また、その効果についてもめっき密着性のみに着目しており、曲げ加工時に発生する表面凹凸に関する記述はない。
本発明の課題は、上記のように従来では困難であった引張強度が750MPa以上の高張力溶融亜鉛めっき鋼板における、曲げ加工時の曲げ特性の向上と、めっき密着性と表面性状に優れる高張力溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法を提案することにある。
本発明は、鋼の強化方法のバランスを見直すことにより、引張強度750MPa以上で、良好な曲げ性ならびに曲げ加工時の表面性状およびめっき密着性能を具備した溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法にある。
本発明者らは、高張力鋼板の曲げ加工時の表面に関する研究を鋭意進めた結果、表面近傍部の組織をフェライト相からなるものとするとともに、鋼板の表面近傍と内部とのC濃度比率が一定以下であれば、良好な曲げ加工特性と表面性状が得られることを見出した。すなわち、鋼板の表面から板厚中心方向に向かって深さ1〜10μmの表面近傍部における平均C濃度が、鋼板の表面から板厚中心方向に向かって深さ0.1mmまでの部分を除いた内部の平均C濃度の85%以下であり、かつ上記表面近傍部のフェライト面積率が80%以上である鋼板を用いれば、めっき層直下のC濃度が0.02%超であっても良好な曲げ性とめっき付着性を得ることが出来ることを見出し、本発明を完成した。
また、そのような鋼板を安定して得ることができる製造方法として、鋳片の表面C濃度の変化に注目し、経済的かつ容易に実現する手段として、連続鋳造時に鋳型内へ投入するパウダーの成分を調整する方法を見出し、本発明を完成した。
なお、特許文献2に記載された発明のように、焼鈍工程における脱炭処理のみよりめっき被膜直下の炭素含有量を0.02%以下となるようにしたのでは、板厚方向に安定した脱炭層厚みを形成できずに、曲げ加工時の表面凹凸を防止することができない場合がある。また、過剰に脱炭を進めた結果、曲げ加工性は確保できるものの、引張強度が750MPa未満となり、目的とする高強度を得ることができない場合がある。
本発明は上記新知見に基づくものであり、本発明の要旨は、下記発明(1)〜(4)に示す引張強度750MPa以上である高張力溶融亜鉛めっき鋼板および(5)〜(7)に示すその製造方法にある。
(1) 鋼板の表面に溶融亜鉛めっき層を備える溶融亜鉛めっき鋼板であって、前記鋼板は、質量%で、C:0.05〜0.20%、Si:0.5%以下、Mn:1.0〜3.0%、P:0.05%以下、S:0.05%以下、sol.Al:0.1%以下およびN:0.01%以下を含有し、さらにTi:0.5%以下およびNb:0.5%以下の1種または2種を合計で0.05%以上含有し、残部がFeおよび不純物からなる鋼組成を備え、前記鋼板の表面から板厚中心方向に向かって深さ1〜10μmの表面近傍部における平均C濃度([C])と前記鋼板の表面から板厚中心方向に向かって深さ0.1mmまでの部分を除いた内部の平均C濃度([C])との比([C]/[C])が0.6以上0.85以下であり、かつ前記鋼板の表面から板厚中心方向に向かって深さ1〜10μmの表面近傍部におけるフェライトの面積率が80%以上であることを特徴とする引張強度が750MPa以上の高張力溶融亜鉛めっき鋼板。
(2) 前記鋼組成が、Feの一部に代えて、質量%で、V:0.5%以下およびW:0.5%以下の群から選ばれる1種または2種をさらに含有することを特徴とする(1) に記載の高張力溶融亜鉛めっき鋼板。
(3) 前記鋼組成が、Feの一部に代えて、質量%で、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下、Cu:1.0%以下、Ni:1.0%以下およびB:0.01%以下の群から選ばれる1種または2種以上をさらに含有することを特徴とする(1) または(2) に記載の高張力溶融亜鉛めっき鋼板。
(4) 前記鋼組成が、Feの一部に代えて、質量%で、REM:0.1%以下、Mg:0.01%以下およびCa:0.01%以下の群から選ばれる1種または2種以上をさらに含有することを特徴とする(1) 〜(3) のいずれかに記載の高張力溶融亜鉛めっき鋼板。
(5) 下記(1−1)〜(1−4)の工程を備えることを特徴とする高張力溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法:
(1−1)(1) 〜(4) のいずれかに記載の鋼組成を備える溶鋼を、鋳型内に投入する連続鋳造用パウダー中に含まれるC濃度を1質量%未満として、連続鋳造により鋳片とする連続鋳造工程;
(1−2)前記鋳片を1100℃〜1350℃とした後に熱間圧延を施し、仕上げ温度:Ar点以上、巻取り温度:700℃以下として熱延鋼板とする熱間圧延工程;
(1−3)前記熱延鋼板に酸洗処理を施して鋼板表面のスケールを除去して酸洗鋼板とする酸洗工程;および
(1−4)前記酸洗鋼板をAc〜1000℃の温度範囲に5秒以上保持した後、平均冷却速度1〜40(℃/s)で600℃まで冷却し、さらに平均冷却速度1〜70(℃/s)で冷却して440〜520℃の溶融亜鉛メッキ浴に浸漬して溶融亜鉛めっきを施す連続溶融亜鉛めっき工程。
(6) 下記(2−1)〜(2−5)の工程を備えることを特徴とする高張力溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法:
(2−1)(1) 〜(4) のいずれかに記載の鋼組成を備える溶鋼を、鋳型内に投入する連続鋳造用パウダー中に含まれるC濃度を1質量%未満として、連続鋳造により鋳片とする連続鋳造工程;
(2−2)前記鋳片を1100℃〜1350℃とした後に熱間圧延を施し、仕上げ温度:Ar点以上、巻取り温度:700℃以下として熱延鋼板とする熱間圧延工程;
(2−3)前記熱延鋼板に酸洗処理を施して鋼板表面のスケールを除去して酸洗鋼板とする酸洗工程;
(2−4)前記酸洗鋼板に冷間圧延を施して冷延鋼板とする冷間圧延工程;および
(2−5)前記冷延鋼板をAc〜1000℃の温度域に5秒以上保持した後、平均冷却速度1〜40(℃/s)で600℃まで冷却し、さらに平均冷却速度1〜70(℃/s)で冷却して440〜520℃の溶融亜鉛メッキ浴に浸漬して溶融亜鉛めっきを施す連続溶融亜鉛めっき工程。
(7) 前記連続溶融亜鉛めっき工程において、溶融亜鉛めっきを施した鋼板に合金化処理を施すことを特徴とする(5) または(6) に記載の高張力溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
ここで、「溶融亜鉛めっき鋼板」には、溶融亜鉛めっきを施した後に合金化処理を施すことにより得られる合金化溶融亜鉛めっき鋼板も含まれる。また、「溶融亜鉛めっき層」には、溶融亜鉛めっきを施した後に合金化処理を施すことにより得られる合金化溶融亜鉛めっき層も含まれる。
C濃度の測定範囲の基準となる「鋼板表面」とは、JIS H0401に付着量試験方法として規定された塩化アンチモン法により溶融亜鉛めっき鋼板のめっき層を除去することによって得られる鋼板表面である。
本発明の鋼板は、高強度で加工性を確保しつつ、曲げ加工性、めっき密着性、耐食性に優れている。そのため、自動車や各種の産業機械に用いられる構造部材の素材、特に自動車のバンパーや足廻り部品に代表される構造部材の素材として最適である。
また、安価に安定して大量に製造できるので、産業上格段の効果をあげることができる。
まず鋼板の鋼組成の限定理由について説明する。以下、鋼組成を示す%は質量%である。
C:0.05%〜0.20%
Cは鋼の強度を確保するのに必要な元素であり、750MPa以上の強度を確保するため含有量の下限を0.05%とする。
ところで、鋼板の表面から板厚中心方向に向かって深さ1〜10μmの表面近傍部における平均C濃度([C])は、熱間圧延、冷間圧延、酸洗処理、そして焼鈍処理という溶融亜鉛めっきに先立つ各処理工程を経ることによって減少し、さらに溶融めっき処理を行うことで、その表面部、特に鋼板表面から深さ1〜10μm の表面近傍での平均C濃度は中心部に対して90%程度となる。しかし85%以下の鋼板を特別なプロセスを経ずに安定して達成することは困難であった。連続鋳造段階での炭素濃度の上昇、つまり鋳片段階における浸炭を防止できれば、表面近傍の平均C濃度を安定して低減できる。
ここに、本発明にあっては、鋼板の表面から板厚中心方向に向かって深さ1〜10μmの表面近傍部における平均C濃度([C])と前記鋼板の表面から板厚中心方向に向かって深さ0.1mmまでの部分を除いた内部のC濃度([C])との比([C]/[C])は、C含有量とともに増加し、C含有量が0.20%超では、上記[C]/[C]が0.85超となるため、含有量の上限を0.20%とする。好ましくは、0.05〜0.18%である。
Si:0.5%以下
Siは固溶強化元素であり、鋼板の強化に有効であるが、めっきの濡れ性、密着性を劣化させる。そのため0.5%を含有量の上限とした。更に安定的に良好なめっきの密着性を得るには、含有量を0.3%以下とするのが望ましい。
Mn:1.0〜3.0%
Mnは変態強化による鋼の高強度化に有効な元素である。また、鋼のAc点を下げ、好適な焼鈍温度範囲を広げる効果も有する。そのため、1.0%以上含有させる必要がある。好ましい下限は1.5%である。一方、過度の添加は強度・延性バランスを劣化させるので、含有量の上限を3.0%とした。好ましい上限は2.5%である。
P:0.05%以下
Pは固溶強化元素であり、鋼板の引張り強度向上に有効であるが、過度の添加はめっきの密着性及び溶接性を劣化させる。そのため、含有量の上限を0.05%とした。
S:0.05%以下
Sは鋼に不可避的に含有される不純物であり、加工性、溶接性の観点からは低いほど望ましい。そのため、含有量の上限を0.05%とした。
Sol.Al:0.1%以下
Alは脱酸元素として添加するが、0.1%を超えて含有すると介在物が増加して鋼の清浄性が損なわれるため、0.1%以下とした。
N:0.01%以下
Nは鋼に不可避的に含有される不純物であり、加工性、溶接性の観点からは低いほど望ましい。そのため、含有量の上限を0.01%とした。
Ti+Nb≧0.05%、Ti≦0.5%、Nb≦0.5%
Ti、Nbは炭化物、窒化物、炭窒化物を形成させ、鋼板の高強度化に有効な元素である。また、焼鈍中のフェライトの再結晶を抑制する効果を有し、かつオーステナイトへの変態を促進し、焼鈍後の冷却時のフェライト変態を著しく促進させる効果を有する。また、結晶粒径を極度に微細化し、表面に生じるスジ模様を減少する効果を有する。上記効果を発現させるためには、合計で0.05%以上の含有が必要である。また、過度に添加しても、効果が飽和するため、それぞれの含有量の上限を0.5%とした。
本発明の別の態様によれば、さらにFeの一部に代えて、析出硬化による強度上昇を目的として、V:0.5%以下およびW:0.5%以下からなる群から選ばれる1種または2種を含有するものであってもよい。
V:0.5%以下、W:0.5%以下
V、WはNb、Tiと同様に析出強化によって強度を高める元素である。この効果を確実なものとするため、それぞれ0.01%以上の含有量とすることが好ましい。但し、0.5%を超えて含有しても強化能は飽和するため、原料コストの上昇が大きくなる。したがって含有量の上限はそれぞれ0.5%とする。
さらに本発明の別の態様にあっては、Feの一部に代えて、固溶強化による強度上昇を目的として、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下、Cu:1.0%以下、Ni:1.0%以下およびB:0.01%以下からなる群から選ばれる1種または2種以上を含有するものであってもよい。
Cr、Mo、Cu、Ni:1.0%以下、B:0.01%以下
上記のCrからBまでのいずれの元素も固溶強化によって強度を一層高める作用を有するので、それぞれを単独で含有させてもよいし、2種以上を複合して含有させてもよい。
固溶強化の効果を確実に得るには、Cr、Mo、Cu、Niはそれぞれ0.05%以上の含有量とすることが好ましい。Bについては、0.0003%以上含有させることが好ましい。
しかしCr、Mo、Cu、Niは1.0%を超えて含有しても強化能は飽和してしまい、原料コストの上昇が大きくなるので、それぞれの含有量の上限を1.0%とする。また、Bについては、0.01%を超えて含有すると延性の低下をきたし、さらに歩留まりの低下から原料コストの上昇も著しい。したがって、含有量の上限を0.01%とする。
本発明のさらに別の態様にあっては、上述のFeの一部に代えて、酸化物、硫化物などの形態制御による曲げ加工性向上を目的として、REM:0.1%以下、Mg:0.01%以下およびCa:0.01%以下からなる群から選ばれる1種または2種以上を含有するものであってもよい。
REM:0.1%以下、Mg:0.01%以下、Ca:0.01%以下
上記REM(希土類元素)、Mg、Caいずれの元素も酸化物や硫化物を微細に球状化し、曲げ加工性を向上させる効果をもつ。それぞれを単独で含有させてもよいし、2種以上を複合して含有させてもよい。
ここで、REMはSc、Y、およびランタノイドの合計17元素を指し、ランタノイドの場合、工業的にはミッシュメタルの形で添加される。なお、本発明で言うREMの含有量が上記元素の合計含有量を指す。酸化物や硫化物の微細球状化の効果を確実に得るには、REM、Mg、Caはそれぞれ0.0005%以上の含有量とすることが好ましい。しかしREMについては、0.1%超、Mg、Caについては0.01%を超えると鋼中に酸化物や硫化物が過剰に存在してしまうため、曲げ加工性は劣化する。そのため、REM:0.1%以下、Mg:0.01%以下、Ca:0.01%以下とする。
本発明にかかる高張力溶融亜鉛めっき鋼板のめっき基材である鋼板の鋼組成は、上記の各元素と残部がFeおよび不純物からなるものである。
<鋼板の表面近傍部と内部のC濃度の比および表面近傍部のフェライトの面積率>
引張り強度750MPa以上で優れた曲げ加工特性と、めっき密着性と表面性状が極めて良好である鋼板を得るには、鋼板の表面から板厚中心方向に向かって深さ1〜10μmの表面近傍部における平均C濃度([C])と前記鋼板の表面から板厚中心方向に向かって深さ0.1mmまでの部分を除いた内部の平均C濃度([C])との比([C]/[C])が0.85以下であり、かつ鋼板の表面から板厚中心方向に向かって深さ1〜10μmの表面近傍部におけるフェライトの面積率が80%以上とすることが必要である。
前記比([C]/[C])が0.85超または前記フェライトの面積率が80%未満であると、曲げ加工特性、および曲げ加工時の表面性状が著しく悪化する。
なお、前記比([C]/[C])の下限は特に限定する必要はないが、実操業容易な範囲において安定したC濃度分布を実現するという観点から、下限を0.6とすることが好ましい。
ここに、本発明において上記フェライト面積率は、めっき前焼鈍における均熱からの冷却速度により調整することができ、例えば、それを80%以上とするには、後述するように、600℃までの平均冷却速度を40℃/s以下とし、600℃からめっき浴浸漬までの平均冷却速度を70℃/s以下とすればよい。
<めっき>
本発明は、溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法であるが、めっき方法およびその付着量などは特に制限されない。一般には、めっき付着量としては片面あたり3〜800g/mが鋼板表面に施される。めっき付着量が3g/m未満では、めっきによる防食作用が十分発揮されず、亜鉛めっきの目的を果たすことができない。また付着量が800g/m超では、溶接時にブローホールなどの欠陥が著しく発生しやすくなる。めっき付着量のコストの観点からは、10〜200g/mが更に好ましい範囲である。また上記のめっきを施した後、合金化処理をすることでめっきの密着性を向上させることができる。めっき被膜の合金化度はFe含有率で3%〜20%が望ましい範囲である。3%未満では合金化度が低く、合金化処理の効果が無い。一方、合金化度が20%超になると、パウダリングが著しく劣化する。合金化処理による、めっき密着性の確保ならびにパウダリング性の観点から、更に好ましい合金化度の範囲は7〜15%となる。
<製造条件>
(製鋼)
精錬段階では、特に特別な方法で成分調整を実施する必要はなく、常法により本発明において規定する鋼組成に調整すればよい。
連続鋳造段階では、連続鋳造時に鋳型内に投入する連続鋳造用パウダーの成分について限定を行う。連続鋳造用パウダーは、溶鋼表面で溶融スラグ化し、鋳型内溶鋼表面の酸化防止、鋳型と鋳片の間の潤滑、メニスカスに浮上してきた介在物の補足、鋳型内溶鋼表面の保温等の役割を果たす、連続鋳造の操業には必要不可欠なものである。
連続鋳造用パウダーの溶融温度と粘度は、主成分のSiO、CaO、ならびにその他の酸化物の混合比率によって調整されている。また溶融速度の調整と保温性確保のため、骨材として通常4質量%程度のCを含む。
そのため通常の連続鋳造用パウダーは、鋳型内で溶鋼と接触することにより、鋳片表面にCの濃化層を生成する。このC濃化層は熱延、冷間圧延を通して残留することにより、薄板製品の表面から10μmまでの炭素濃度を上昇させる。
鋳片表面に発生するC濃化の影響を防止する方法として、鋳片段階での表面溶削(スカーフィング)がある。しかしながら、表面溶削は鋳片の歩留まり低下と作業能率の低下が発生する。また鋳片の成分によっては、溶削時の急激な加熱によって鋳片表面にワレ欠陥を生じる場合がある。したがって表面の溶削を省略しつつ、鋳片表面のC濃化を防止し、薄板製品段階において鋼板の表面から板厚中心方向に向かって深さ1〜10μmの表面近傍部における平均C濃度([C])と前記鋼板の表面から板厚中心方向に向かって深さ0.1mmまでの部分を除いた内部の平均C濃度([C])との比([C]/[C])を0.85以下とするためには、連続鋳造用パウダー中に含まれるC濃度を1質量%未満にする必要がある。
(熱間圧延)
熱間圧延前に上記の方法で鋳造した鋳片を温度1100℃以上とする。熱間圧延前の鋳片の温度が1100℃未満の場合は、鋳造凝固時に析出したTiおよびNb系の炭化物、窒化物、炭窒化物が再固溶しないため、Ti、Nbの析出強化が不十分となる。また鋳片の温度が1350℃超となると、鋳片の自重で変形してしまい、加熱処理が困難となる。
その後、常法に従って熱間圧延を行う。このとき、粗圧延後、仕上圧延前の粗バーに対して、誘導加熱等により全長の温度均一化を図ると、温度変動による特性変動を抑制することができる。
仕上圧延はAr点以上で行う。Ar点未満であると仕上げ圧延時にフェライト変態に起因する体積膨張があるため板厚精度の悪化、操業トラブルの原因となる。
巻取り温度については、700℃を超えるとコイル表面のスケール疵発生が著しく、品質の悪化、歩留まり低下をもたらすので上限を700℃とする。合金元素添加量を抑制したい場合には、巻取り温度を550℃以下とすることにより効果的に高強度化を達成できるので好ましい。下限については特に限定しないが、その後の工程において冷間圧延を施す場合には、巻取り温度を400℃未満にすると著しく硬化して冷間圧延が困難になるので、下限を400℃とすることが好ましい。また、合金元素添加量の制限を加える必要が無い場合には、圧延性の観点から巻取り温度を550℃以上とすることが好ましい。
(酸洗)
熱間圧延後の、酸洗、冷間圧延についても常法でかまわない。酸洗の前もしくは後に、0〜5%程度の軽度の圧延を行い、形状を修正すると平坦確保の点で有利となる。また、この軽度の圧延により、酸洗性が向上し、表面濃化元素の除去が促進され、溶融めっきの密着性の観点から制限されているSi、Pの好適範囲を広げる効果がある。
(冷間圧延)
冷間圧延は、板厚や表面粗度の調整等の必要に応じて常法により施してもかまわない。圧下率は35〜80%の範囲で特に問題は無い。圧下率を高くすると、焼鈍時のオーステナイトへの変態を促進するので、焼鈍条件の好適範囲を広げる効果を有するので好ましい。
(めっき前焼鈍と溶融亜鉛めっき)
連続溶融亜鉛めっきラインにおける製造条件については、めっき基材が熱延鋼板である場合と冷延鋼板である場合とで共通であり、以下の条件とする。
まず、鋼板をAc〜1000℃の温度域に5秒以上保持して均熱する。均熱温度がAc点未満あるいは均熱時間が5秒未満では、オーステナイトへの相変態が十分に進行しないため、熱間圧延工程で形成されたフェライト以外の相が薄板製品段階において多く残留してしまう結果、薄板製品段階において鋼板の表面から板厚中心方向に向かって深さ1〜10μmの表面近傍部におけるフェライトの面積率を80%以上とすることが困難となる。また1000℃超の場合は、結晶粒が過剰に成長し、強度が不足する。
均熱後の冷却については、600℃までは平均冷却速度で40℃/s以下とする。冷却速度の下限は操業効率の観点から1℃/sとする。本発明の場合、TiおよびNbを大量に添加しているため、冷却速度を1〜40℃/sとすることにより、目的とする曲げ加工性を確保するのに必要な量のフェライト、すなわち薄板製品段階において鋼板の表面から板厚中心方向に向かって深さ1〜10μmの表面近傍部におけるフェライトの面積率を80%以上とすることができる。
なお、この点に関して、先述の特許文献1、2にあってはその表面部近傍の組織は、焼き戻しマルテンサイトを中心とした第二相の比率が20%以上であり、フェライト面積率は80%以下であった。
溶融亜鉛めっきに関しては、常法に従い、440〜520℃の溶融亜鉛めっき浴中に浸漬する。前述の600℃から、この440〜520℃の温度範囲までの冷却については、平均冷却速度で70℃/s以下であれば問題ない。冷却速度が70℃/s超であると、マルテンサイト面積率が多くなり、薄板製品段階において鋼板の表面から板厚中心方向に向かって深さ1〜10μmの表面近傍部におけるフェライトの面積率が80%未満となって曲げ加工性が劣化するためである。ここでも、冷却速度の下限は操業効率の観点から1℃/sとする。また、めっき浸漬前に400〜600℃の温度範囲における滞在時間を5〜100s保持することにより、フェライトの面積率をさらに高めることが可能となり曲げ加工性を更に向上させることができる。
(合金化処理)
めっき浴浸漬後については、めっき基材が熱延鋼板である場合と冷延鋼板である場合ともに合金化処理を施しても良い。本発明の場合、Ti+Nbの大量添加により、合金化処理性は非常に高くなっている。さらに、酸洗前もしくは酸洗後の軽圧下、あるいは、Cu、Niの添加により、合金化処理が促進され、Si、Pの好適範囲を広げることができる。
本発明の具体的な実施例を以下に説明する。
表1に示すA〜Lの化学成分を有する鋼を転炉にて溶製し、試験連続鋳造機にて連続鋳造し、幅1000mm、250mm厚のスラブとした。その際に、表2に示すC濃度の異なる連続鋳造用パウダーを使用した。
試験圧延機を用いて、得られたスラブを表3〜4に示す条件にて加熱を行った後、熱間圧延を実施し、次いで、酸洗も実施した。その後、一部の鋼板を40〜60%の冷圧率で冷間圧延を行った。
このようにして得られた熱延鋼板、ならびに冷延鋼板に対して、表3で示した条件で、実験室にて焼鈍を行い、その後連続溶融亜鉛めっき試験ラインにて溶融亜鉛めっきを施した。めっき付着量は20〜150(g/m)の範囲で実施した。一部の鋼板については、めっき後、炉温800〜1300℃程度で合金化処理も行った。
1)熱延鋼板、冷延鋼板のC濃度の評価
板幅の1/4部分からサンプルを切り出し、JIS H0401に付着量試験方法として規定された塩化アンチモン法により溶融亜鉛めっき鋼板のめっき層を除去した後、グロー放電分光法(GDS)にて深さ方向のC濃度を1μmピッチで測定しその平均値を表面C濃度([C])とした。
すなわち深さiμmでのC濃度を[C]とすると
Figure 0004360319
である。
また、同様にめっき層を除去した後にサンプルの表裏面をそれぞれ0.1mmづつ研削し、燃焼法にて分析し、バルクC濃度([C])とした。
2)特性評価
得られた鋼板に対して、引張り試験、限界曲げ試験、めっき付着量測定、めっき密着性試験、ならびに表面性状の評価を実施した。結果を表5〜6に示す。
2−1)引張試験
各鋼板の圧延直角方向からJIS5号試験片を採取した。試験方法はJIS Z2241に準じた。降伏点YP、引張強さTS、伸びElを測定した。
2−2)限界曲げ試験
各鋼板の圧延直角方向から幅40mm、長さ200mmの試験片を採取した。試験形状ならびに試験方法はJIS Z2248に準じた。曲げ半径は、密着から板厚の1倍,2倍,3倍,4倍にて実施し、曲げ稜線部分に目視にてワレが発生しない曲げ半径を、限界曲げ半径とした。
2−3)めっき付着量
各鋼板から57.2mm角の試験片を3枚採取し、付着量を測定した。付着量の測定方法はJIS H0401に準じた。
2−4)めっき密着性
各鋼板から試験片を3枚採取し、絞り比1.8にて円筒成形をした後、粘着テープによるめっき剥離試験にて、剥離の有無をめっき密着性の評価とした。
2−5)表面性状
限界曲げ試験と同じサンプルを曲げ半径2.0tまで曲げ、表面に凹凸を伴うスジの発生がないか目視にて観察、判定した。その際に曲げ稜線方向に試験片を横断するスジが5本以上現れたものを表面性状不良とした。
<本発明>
本発明である供試材No.1〜21は、限界曲げ半径が密着〜1.5tであり、めっき密着性にも優れていた。また表面性状は全て良好であった。
<比較例>
供試材No.22〜27は連続鋳造時のパウダーに含有されるC濃度が本発明外であった。鋳片表面の溶削1.0mm実施の有無に関わらず、鋼板の表面から板厚中心方向に向かって深さ1〜10μmの表面近傍部における平均C濃度([C])と前記鋼板の表面から板厚中心方向に向かって深さ0.1mmまでの部分を除いた内部のC濃度([C])との比([C]/[C])が0.85超となり、限界曲げ半径≧2.0tとなり、曲げ加工性が劣化した。また表面にもスジ模様が発生した。
供試材No.28は熱間圧延前の加熱温度が1080℃と本発明外となった。そのため鋳片加熱時において、Ti,Nb系の炭化物、窒化物が十分に析出せず、最終強度が750MPa未満となった。また炭化物を起点としたフェライトの生成が少なく、表面におけるフェライト面積率が低下したため、曲げ加工性が悪化した。
供試材No.29は熱間圧延時の仕上げ温度が720℃であり材質DのAr点以下となったため、本発明外となった。そのため圧延時、フェライト生成による体積変動が発生し、圧延トラブルが発生したため、鋼板が採取できなかった。
供試材No.30は熱間圧延時の仕上げ温度が720℃と本発明外であった。そのため、コイル巻取り後も表面にスケール生成が起こり、酸洗後もスケール疵が多発したため、めっきが出来なくなり、鋼板の評価ができなかった。
供試材No.31〜32はめっき前の均熱温度が低く、本発明外であった。加熱温度が各材質のAc点以下であったため、オーステナイト単相とならず、鋼板の表面から板厚中心方向に向かって深さ1〜10μmの表面近傍部におけるフェライトの面積率が80%未満となり、曲げ加工性が悪化した。
供試材No.33〜34はめっき前の均熱温度が高く本発明外であった。そのため粒の過剰な成長により強度が750MPa未満となった。また、粗大な粒成長によって、十分な表面近傍のフェライト面積率が得られず、曲げ加工性が悪化した。
供試材No.35はめっき前の均熱時間が4秒と本発明外であった。そのため、均熱時におけるオーステナイト生成が不十分となったため、鋼板の表面から板厚中心方向に向かって深さ1〜10μmの表面近傍部におけるフェライトの面積率が80%未満となり、曲げ性加工性が悪化した。
供試材No.36は均熱後から600℃までの冷却速度が42(℃/s)と本発明外であった。そのためフェライトの生成が不十分となり、鋼板の表面から板厚中心方向に向かって深さ1〜10μmの表面近傍部におけるフェライトの面積率が80%未満となり、曲げ性加工性が悪化した。
供試材No.37は、めっき浴中に浸漬するまでの冷却速度が72(℃/s)と本発明外であった。そのため硬質相であるマルテンサイトが過剰に生成し、鋼板の表面から板厚中心方向に向かって深さ1〜10μmの表面近傍部におけるフェライトの面積率が80%未満となり、曲げ性加工性が悪化した。
供試材No.38は、母材のC濃度が本発明外であった。そのため、本発明の製造方法に従って製造したが、([C]/[C])が0.85超となり、限界曲げ半径≧2.0tとなり、曲げ加工性が劣化した。また表面にもスジ模様が発生した。
供試材No.39は、母材のSi濃度が本発明外であった。そのため、本発明の製造方法に従って製造したが、表面性状は不良であり、めっきの付着状況も不良となった。
Figure 0004360319
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Claims (7)

  1. 鋼板の表面に溶融亜鉛めっき層を備える溶融亜鉛めっき鋼板であって、前記鋼板は、質量%で、C:0.05〜0.20%、Si:0.5%以下、Mn:1.0〜3.0%、P:0.05%以下、S:0.05%以下、sol.Al:0.1%以下およびN:0.01%以下を含有し、さらにTi:0.5%以下およびNb:0.5%以下の1種または2種を合計で0.05%以上含有し、残部がFeおよび不純物からなる鋼組成を備え、前記鋼板の表面から板厚中心方向に向かって深さ1〜10μmの表面近傍部における平均C濃度([C])と前記鋼板の表面から板厚中心方向に向かって深さ0.1mmまでの部分を除いた内部の平均C濃度([C])との比([C]/[C])が0.6以上0.85以下であり、かつ前記鋼板の表面から板厚中心方向に向かって深さ1〜10μmの表面近傍部におけるフェライトの面積率が80%以上であることを特徴とする引張強度が750MPa以上の高張力溶融亜鉛めっき鋼板。
  2. 前記鋼組成が、Feの一部に代えて、質量%で、V:0.5%以下およびW:0.5%以下の群から選ばれる1種または2種をさらに含有することを特徴とする請求項1に記載の高張力溶融亜鉛めっき鋼板。
  3. 前記鋼組成が、Feの一部に代えて、質量%で、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下、Cu:1.0%以下、Ni:1.0%以下およびB:0.01%以下の群から選ばれる1種または2種以上をさらに含有することを特徴とする請求項1または2に記載の高張力溶融亜鉛めっき鋼板。
  4. 前記鋼組成が、Feの一部に代えて、質量%で、REM:0.1%以下、Mg:0.01%以下およびCa:0.01%以下の群から選ばれる1種または2種以上をさらに含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高張力溶融亜鉛めっき鋼板。
  5. 下記(1−1)〜(1−4)の工程を備えることを特徴とする高張力溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法:
    (1−1)請求項1〜4のいずれかに記載の鋼組成を備える溶鋼を、鋳型内に投入する連続鋳造用パウダー中に含まれるC濃度を1質量%未満として、連続鋳造により鋳片とする連続鋳造工程;
    (1−2)前記鋳片を1100℃〜1350℃とした後に熱間圧延を施し、仕上げ温度:Ar点以上、巻取り温度:700℃以下として熱延鋼板とする熱間圧延工程;
    (1−3)前記熱延鋼板に酸洗処理を施して鋼板表面のスケールを除去して酸洗鋼板とする酸洗工程;および
    (1−4)前記酸洗鋼板をAc〜1000℃の温度範囲に5秒以上保持した後、平均冷却速度1〜40(℃/s)で600℃まで冷却し、さらに平均冷却速度1〜70(℃/s)で冷却して440〜520℃の溶融亜鉛メッキ浴に浸漬して溶融亜鉛めっきを施す連続溶融亜鉛めっき工程。
  6. 下記(2−1)〜(2−5)の工程を備えることを特徴とする高張力溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法:
    (2−1)請求項1〜4のいずれかに記載の鋼組成を備える溶鋼を、鋳型内に投入する連続鋳造用パウダー中に含まれるC濃度を1質量%未満として、連続鋳造により鋳片とする連続鋳造工程;
    (2−2)前記鋳片を1100℃〜1350℃とした後に熱間圧延を施し、仕上げ温度:Ar点以上、巻取り温度:700℃以下として熱延鋼板とする熱間圧延工程;
    (2−3)前記熱延鋼板に酸洗処理を施して鋼板表面のスケールを除去して酸洗鋼板とする酸洗工程;
    (2−4)前記酸洗鋼板に冷間圧延を施して冷延鋼板とする冷間圧延工程;および
    (2−5)前記冷延鋼板をAc〜1000℃の温度範囲に5秒以上保持した後、平均冷却速度1〜40(℃/s)で600℃まで冷却し、さらに平均冷却速度1〜70(℃/s)で冷却して440〜520℃の溶融亜鉛メッキ浴に浸漬して溶融亜鉛めっきを施す連続溶融亜鉛めっき工程。
  7. 前記連続溶融亜鉛めっき工程において、溶融亜鉛めっきを施した鋼板に合金化処理を施すことを特徴とする請求項5または6に記載の高張力溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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